JP2002016009A - Iii族窒化物半導体単結晶の作製方法及びiii族窒化物半導体単結晶の使用方法 - Google Patents
Iii族窒化物半導体単結晶の作製方法及びiii族窒化物半導体単結晶の使用方法Info
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Abstract
用することが可能なIII族窒化物半導体単結晶の作製方
法を提供すること、及び前記半導体基板を提供する。 【解決手段】 (0001)サファイア基板1上に、A
lN緩衝層2を形成する。次いで、AlN緩衝層2上に
GaN下地層3を形成する。次いで、GaN下地層3の
主面からエッチングを実施して、GaN下地層3を部分
的に除去し、ステップ状の底面を有する凹部4を形成す
る。その後、凹部4を含むGaN下地層3の全面にAl
N中間層5を形成する。そして、このAlN中間層5上
に凹部4に起因した段差を埋めるようにしてAlGaN
半導体層6を形成する。
Description
どへの応用が期待される、III族窒化物半導体単結晶の
作製方法及びIII族窒化物半導体単結晶の使用方法に関
する。
は、GaNやAlNモル分率の比較的低いAlGaN基
板などのIII族窒化物半導体が用いられている。GaN
基板は、例えば「Applied Physics Letters, 48 (198
6) 353」に記載されているように、サファイア基板上に
低温AlN緩衝層又はGaN緩衝層を形成した後、この
緩衝層上にGaN半導体を結晶成長させることにより作
製していた。しかしながら、GaN基板を用いて短波長
発光素子又は短波長受光素子を作製した場合、十分なデ
バイス特性を発揮することのできる素子を作製すること
ができなかった。
は、AlNを含むIII族窒化物半導体が適していること
が見出され、かかる窒化物半導体からなる基板の作製技
術が種々検討された。例えば、「Japanese Journal App
lied Physics, 27 (1988) 1156」に記載されているよう
に、サファイア基板上に低温緩衝層を形成するととも
に、この低温緩衝層上にGaN層を結晶成長させ、この
GaN層上にAlGaN半導体層を結晶成長させること
により、AlGaN半導体単結晶を得ることが記載され
ている。
emicond. Res. 4S1 (1999) G10.1」には、サファイア
基板上に低温緩衝層を形成するとともに、この緩衝層上
にGaN層を結晶成長させ、さらにAlN中間層又はA
lGaN中間層を形成した後、この中間層上にAlGa
N半導体層を結晶成長させ、このAlGaN半導体層を
半導体単結晶基板として用いることが記載されている。
AlGaN半導体単結晶基板には、GaN層中の108
cm―2以上の貫通転位に起因して多量の転位が含まれ
ている。このため、このようにして作製した基板上に形
成したデバイスはその性能を十分に発揮することができ
ない場合があった。
技術としては、「Japanese JournalApplied Physics, 3
6 (1997) L899」にELO技術、「MRS internet Journa
l Nitride Semicond. Res.4S1, G3.37 (1999)」におけ
るPENDEOエピタキシー技術、及び「第46回秋期
応用物理学関係関連講演会 講演予稿集No.1 (1999)p41
6」における周期溝構造技術などが提案されている。
衝層を形成した後、この緩衝層上にGaN層を形成し、
このGaN層上にSiO2などの選択性を有する誘電体
材料からなるストライプ状の層を形成する。その後、こ
の層から横方向への選択成長させることにより、低転位
の例えばGaN半導体を形成する技術である。
サファイア基板上に低温緩衝層を形成した後、この緩衝
層上にGaN層を形成する。そして、このGaN層に前
記サファイア基板まで貫通するストライプ状の底面を有
する凹部を形成する。そして、この凹部の段差を埋める
ようにして、例えばGaN半導体を横方向成長させるこ
とにより形成する。すると、GaN半導体の前記凹部上
方の部分は低転位となっているため、この部分を基板と
して用いるものである。
イア基板上に低温緩衝層を形成した後、この緩衝層上に
GaN層を形成する。そして、このGaN層の主面にス
トライプ状の段差を形成し、この段差を埋めるようにし
て、例えばGaN半導体を形成するものである。する
と、GaN半導体の前記段差上方の部分は低転位となっ
ているため、この部分を基板として使用するものであ
る。
ような低転位技術においては、特にAlNを含有する半
導体を作製することが不可能であった。例えば、ELO
技術においては、AlNを含有する混晶に対して選択性
を有し、かつこの混晶の結晶成長温度で安定な誘電体材
料が見出されていない。したがって、多結晶のAlNや
それを含む混晶が誘電体材料上に付着してしまい、基板
として用いることのできるAlN含有半導体単結晶を得
ることができない。
いても、凹部中に露出したサファイア基板の主面上に多
結晶のAlN半導体が付着してしまう。さらに、周期溝
構造技術においては、段差を有するGaN層とその上に
形成したAlGaN半導体層との講師不整合に起因し
て、AlGaN半導体層にクラックが発生してしまう。
したがって、これらの技術によっても基板として使用す
ることが可能なAlN含有半導体単結晶を得ることがで
きないでいた。
基板として使用することが可能なIII族窒化物半導体単
結晶の作製方法を提供すること、及び前記半導体基板を
提供することを目的とする。
本発明は、所定の単結晶基板の主面上に、緩衝層を結晶
成長により形成する工程と、前記緩衝層の主面上に、下
地層を結晶成長により形成する工程と、前記下地層の主
面からエッチングを施すことにより前記下地層を部分的
に除去し、前記下地層にステップ状の底面を有する第1
の凹部を形成する工程と、少なくとも前記下地層の主面
上に、中間層を結晶成長により形成する工程と、前記中
間層の主面上に、前記第1の凹部に起因した段差を埋め
るようにして第1のIII族窒化物半導体を結晶成長によ
り形成する工程と、を含むことを特徴とする、III族窒
化物半導体単結晶の作製方法に関する。
I族窒化物半導体単結晶を得るべく鋭意検討を行った。
その結果、従来のように、例えばサファイア基板上に緩
衝層を形成した後、この緩衝層上に下地層を形成すると
ともにこの下地層に上記のような凹部を形成し、さらに
この下地層上に中間層を介して半導体層を形成すること
により、この半導体層中の転位密度が減少し、優れた結
晶性を示すことを見出した。そして、前記半導体層を基
板として用いることにより、低転位で結晶性に優れた半
導体単結晶基板が得られることを見出したものである。
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の作製方法
を実施して得られたアセンブリ構成を示す図である。そ
して、図1におけるAlGaN半導体層6が、低転位か
つ結晶性に優れた本発明の目的とする半導体単結晶に相
当する。以下、図1に示すアセンブリを構成することに
より、AlGaN半導体単結晶を得る場合について、本
発明の作製方法を詳細に説明する。
サファイア基板1の主面上にAlN緩衝層2を形成す
る。このAlN緩衝層2は、好ましくは300〜700
℃の低温で、例えば有機金属化合物気相成長法により、
エピタキシャル成長させることによって形成する。Al
N緩衝層2の厚さは、10〜100nmであることが好
ましい。
限定されるものではないが、結晶成長を容易にして結晶
性に優れたIII族窒化物半導体単結晶を得るためには、
窒化物半導体から構成されることが好ましい。特に、A
lGaN半導体単結晶を得るためには、図1に示すよう
に、AlNから構成することが好ましい。
地層3を形成する。このGaN下地層3は、好ましくは
800〜1300℃で、例えば有機金属化合物気相成長
法により、エピタキシャル成長させることによって形成
する。GaN下地層3の厚さは、300nm以上である
ことが好ましい。なお、下地層を構成する半導体はGa
Nに限定されるものではないが、結晶成長を容易にして
結晶性に優れたIII族窒化物半導体単結晶を得るために
は、窒化物半導体から構成されることが好ましい。
グを施すことにより部分的に除去し、ステップ状の底面
4Aを有する凹部4を形成する。エッチングは好ましく
は塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチングにより行
うことが好ましい。かかる反応性イオンエッチングは選
択性に優れるので、凹部4を短時間で形成できるととも
に、凹部4の底面4Aにおけるステップを容易に形成す
ることができる。
状であれば、その具体的な形状については特に限定され
ない。しかしながら、ストライプ状の段差を有するよう
に形成することによって、結晶成長を容易にし、低転位
かつ結晶性に優れた半導体単結晶を得ることができる。
また、図1に示すようなアセンブリからAlGaN半導
体単結晶を作製する場合、凹部4の深さdは300nm
以上であることが好ましく、幅Wは1〜20μmである
ことが好ましい。
5を形成する。このAlN中間層5は、好ましくは30
0〜700℃の低温で、例えば有機金属化合物気相成長
法により、エピタキシャル成長させることによって形成
する。AlN中間層5の厚さは、10〜100nmであ
ることが好ましい。なお、中間層を構成する半導体はA
lNに限定されるものではないが、結晶成長を容易にし
て結晶性に優れたIII族窒化物半導体単結晶を得るため
には、窒化物半導体から構成されることが好ましい。具
体的には、AlNの他にAlaGa 1−a−bInbN
(0≦a≦1,0≦b≦1)の一般式で表される半導体
などから構成することができる。
半導体層6を、凹部4に起因した段差を埋めるようにし
て形成する。この場合においても、AlGaN半導体層
6は800〜1300℃で、例えば有機金属化合物気相
成長法を用いることにより形成する。AlGaN半導体
層6の厚さは、所望する基板の厚さに応じて任意の厚さ
に形成する。
れた他のアセンブリ構成を示す図である。そして、図2
におけるAlGaN半導体層16が、低転位かつ結晶性
に優れた本発明の目的とする半導体単結晶に相当する。
図2に示すアセンブリ構成は、AlN中間層15がGa
N下地層3の主面3Aのみに形成されている点において
図1に示すアセンブリ構成と相違する。このようにGa
N下地層3の少なくとも主面3A上にAlN中間層を形
成すれば、本発明の目的とする半導体単結晶を得ること
ができる。なお、その他のAlN緩衝層などについて
は、図1の場合と同様にして形成する。
が、AlGaN半導体層6又は16(第1のIII族窒化
物半導体層)の主面6A又は16Aからエッチング処理
を施して、凹部4(第1の凹部)と異なる位置に追加の
凹部(第2の凹部)を形成し、この凹部を埋めるように
してAlGaN半導体層6又は16上にAlGaN半導
体層などのIII族窒化物半導体層(第2のIII族窒化物半
導体層)を形成することもできる。
2のIII族窒化物半導体層は、図1及び2に示すAlG
aN半導体層などの第1のIII族窒化物半導体層と比較
して転位濃度がさらに低下する。したがって、このよう
なIII族窒化物半導体層により極めて転位密度の低い半
導体単結晶を得ることができる。そして、上記のように
して形成された第1のIII族窒化物半導体層並びに第2
のIII族窒化物半導体層を基板として用いることによ
り、低転位かつ結晶性に優れた半導体単結晶基板を得る
ことができる。
ける具体例を示す。本実施例においては、図1に示すよ
うなアセンブリを構成し、AlGaN半導体層を形成し
た。基板1には上述したような(0001)サファイア
基板を用いた。そして、この基板1の主面上に、500
℃の低温で、トリメチルアンモニア(TMA)ガス及び
アンモニア(NH3)ガスを用いた有機金属化合物気相
成長法によってAlN緩衝層2を厚さ20nmに形成し
た。次いで、AlN緩衝層2の主面上に、約1000℃
で、トリメチルガリウム(TMG)ガス及びアンモニア
ガスを用いた有機金属化合物気相成長法によって、Ga
N下地層3を厚さ1μmに形成した。
エッチングをGaN下地層3の主面から実施して、底面
4Aがストライプ状のステップを有する凹部4を深さd
が5μm、幅Wが5μmとなるように形成した。図3
は、このようにして形成した凹部4の底面4Aの表面顕
微鏡写真である。図から明らかなように、凹部4の底面
4Aは等間隔のステップを有するストライプ状となって
いることが分かる。
面に、約500℃の低温で、トリメチルアルミニウム
(TMA)ガス及びアンモニアガスを用いた有機金属化
合物気相成長法によって、AlN中間層5を厚さ20n
mに形成した。次いで、AlN中間層5上に凹部4に起
因した段差を埋めるようにして、AlNを0.2モルパ
ーセント含有したAlGaN半導体層6を形成した。
図4に示す。図4から明らかなように、AlGaN半導
体層6の表面は極めて平坦かつ平滑であり、クラックな
どのない良好な結晶性を示すことが分かる。また、この
ようにして作製したアセンブリの、透過型電子顕微鏡に
よる断面写真を図5に示す。図5から明らかなように、
凹部4の上方において、AlGaN半導体層6中におけ
る転位濃度の低い部分が形成されていることが分かる。
したがってかかる低転位濃度部分を基板として用いるこ
とにより、低転位かつ結晶性に優れたAlGaN半導体
単結晶基板を提供することができる。
間層5を形成することなく、GaN下地層3上に直接A
lGaN半導体層を形成した。図6は、このようにして
形成したAlGaN半導体層の表面顕微鏡写真である。
図から明らかなように、この場合においては、AlGa
N半導体層の多数のクラックが発生し、本発明の方法に
よって作製した場合と比較して、結晶性に劣ることが分
かる。
態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は
上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸
脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能であ
る。例えば、図1及び2においては、GaN下地層3の
下部が残存するようにして凹部4を形成しているが、G
aN下地層3及びAlN緩衝層2を貫通し、サファイア
基板の主面が露出するように形成することもできる。ま
た、必要に応じてAlGaN半導体層6又は16にS
i、Geなどのドナー不純物、あるいはMgなどのアク
セプタ不純物を添加することにより、導電性を持たせる
こともできる。
によれば、低転位で結晶性に優れ、半導体基板として使
用することが可能なIII族窒化物半導体単結晶を作製す
ることができる。
れたアセンブリを示す図である。
れた他のアセンブリを示す図である。
微鏡写真である。
導体層の表面顕微鏡写真である。
れたアセンブリにおける、透過型電子顕微鏡による断面
写真である。
地層に直接形成したAlGaN半導体層の表面顕微鏡写
真である。
Claims (10)
- 【請求項1】 所定の単結晶基板の主面上に、緩衝層を
結晶成長により形成する工程と、 前記緩衝層の主面上に、下地層を結晶成長により形成す
る工程と、 前記下地層の主面からエッチングを施すことにより前記
下地層を部分的に除去し、前記下地層にステップ状の底
面を有する第1の凹部を形成する工程と、 少なくとも前記下地層の主面上に、中間層を結晶成長に
より形成する工程と、 前記中間層上に、前記第1の凹部に起因した段差を埋め
るようにして第1のIII族窒化物半導体層を結晶成長に
より形成する工程と、を含むことを特徴とする、III族
窒化物半導体単結晶の作製方法。 - 【請求項2】 前記中間層は、前記凹部を含む前記下地
層の全面に形成することを特徴とする、請求項1に記載
のIII族窒化物半導体単結晶の作製方法。 - 【請求項3】 前記緩衝層は、300〜700℃の低温
でエピタキシャル成長させた窒化物半導体からなること
を特徴とする、請求項1又は2に記載のIII族窒化物半
導体単結晶の作製方法。 - 【請求項4】 前記下地層は、800〜1300℃でエ
ピタキシャル成長させた窒化物半導体からなることを特
徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のIII族窒
化物半導体単結晶の作製方法。 - 【請求項5】 前記下地層のエッチング除去は、塩素系
ガスを用いた反応性イオンエッチングにより行うことを
特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のIII族
窒化物半導体単結晶の作製方法。 - 【請求項6】 前記第1の凹部の底面はストライプ状の
段差を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれ
か一に記載のIII族窒化物半導体単結晶の作製方法。 - 【請求項7】 前記中間層は、300〜700℃の低温
でエピタキシャル成長させた窒化物半導体からなること
を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載のIII
族窒化物半導体単結晶の作製方法。 - 【請求項8】 前記第1のIII族窒化物半導体の主面か
らエッチングを施すことにより、前記下地層に形成され
た前記第1の凹部と異なる位置に第2の凹部を形成する
追加の工程と、 前記第1のIII族窒化物半導体上に、前記第2の凹部を
埋めるようにして第2のIII族窒化物半導体層を形成す
る追加の工程と、を含むことを特徴とする、請求項1〜
7のいずれか一に記載のIII族窒化物半導体の作製方
法。 - 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか一に記載の方法
により形成された前記第1のIII族窒化物半導体を、半
導体単結晶基板として使用することを特徴とする、III
族窒化物半導体の使用方法。 - 【請求項10】 請求項8に記載の方法により形成され
た前記第2のIII族窒化物半導体を、半導体単結晶基板
として使用することを特徴とする、III族窒化物半導体
の使用方法。
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