JP2002015947A - コンデンサの製造方法 - Google Patents
コンデンサの製造方法Info
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- JP2002015947A JP2002015947A JP2000197259A JP2000197259A JP2002015947A JP 2002015947 A JP2002015947 A JP 2002015947A JP 2000197259 A JP2000197259 A JP 2000197259A JP 2000197259 A JP2000197259 A JP 2000197259A JP 2002015947 A JP2002015947 A JP 2002015947A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 下部電極、第1、第2の誘電体層、上部電極
と積層し、上部電極と第2の誘電体層を一体焼成する際
に、両者の収縮率に差があることによる問題点を解決で
きるコンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】絶縁基板2の上に、下部電極3を被着形成
し、この上に誘電体層4、5を誘電体ペーストの印刷法
により塗布乾燥し、焼成した後、前記誘電体層5上に誘
電体層6となる誘電体膜を塗布、乾燥し、この上に上部
電極7となる電極パターンを印刷乾燥した後、誘電体膜
と電極パターンとを同時焼成し、上部電極上に、さらに
誘電体ペーストを塗布乾燥するとともに焼成処理して誘
電体層を形成する。
と積層し、上部電極と第2の誘電体層を一体焼成する際
に、両者の収縮率に差があることによる問題点を解決で
きるコンデンサの製造方法を提供する。 【解決手段】絶縁基板2の上に、下部電極3を被着形成
し、この上に誘電体層4、5を誘電体ペーストの印刷法
により塗布乾燥し、焼成した後、前記誘電体層5上に誘
電体層6となる誘電体膜を塗布、乾燥し、この上に上部
電極7となる電極パターンを印刷乾燥した後、誘電体膜
と電極パターンとを同時焼成し、上部電極上に、さらに
誘電体ペーストを塗布乾燥するとともに焼成処理して誘
電体層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体ペーストを
厚膜手法(誘電体ペーストの印刷、乾燥、焼成を含む膜
の形成手法)で形成するコンデンサの製法に関するもの
である。
厚膜手法(誘電体ペーストの印刷、乾燥、焼成を含む膜
の形成手法)で形成するコンデンサの製法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】セラミック基板上に誘電体ペーストを厚
膜手法を用いてコンデンサを形成することが従来から行
われている。
膜手法を用いてコンデンサを形成することが従来から行
われている。
【0003】図3は、厚膜コンデンサ10の構造を示
す。すなわちアルミナなどの絶縁基板2の上面に、引き
出し部を含む下部電極3を、導電性ペーストの塗布、焼
き付けにより被着形成していた。そして、この下部電極
3上に、下部電極3の引き出し部を除き、全体を覆う誘
電体層14〜16を形成する。各誘電体層14〜16
は、各々の層で誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼成処理
を繰り返して形成していた。このように、誘電体層14
〜16は、所定の静電容量を得るために所定厚みが必要
となり、一回の誘電体ペーストの印刷、塗布、焼成で
は、充分な厚みが得られないために、複数回に分けて形
成していた。例えば、1回の誘電体ペーストの塗布、乾
燥及び焼成処理では10〜20μm程度であり,例え
ば、図3のように3回の誘電体ペーストの印刷、乾燥、
焼成処理では、約30〜60μm程度と厚みを得てい
た。尚、この各焼成温度は、900℃前後で行われる。
す。すなわちアルミナなどの絶縁基板2の上面に、引き
出し部を含む下部電極3を、導電性ペーストの塗布、焼
き付けにより被着形成していた。そして、この下部電極
3上に、下部電極3の引き出し部を除き、全体を覆う誘
電体層14〜16を形成する。各誘電体層14〜16
は、各々の層で誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼成処理
を繰り返して形成していた。このように、誘電体層14
〜16は、所定の静電容量を得るために所定厚みが必要
となり、一回の誘電体ペーストの印刷、塗布、焼成で
は、充分な厚みが得られないために、複数回に分けて形
成していた。例えば、1回の誘電体ペーストの塗布、乾
燥及び焼成処理では10〜20μm程度であり,例え
ば、図3のように3回の誘電体ペーストの印刷、乾燥、
焼成処理では、約30〜60μm程度と厚みを得てい
た。尚、この各焼成温度は、900℃前後で行われる。
【0004】上部電極17は、誘電体層14〜16の上
面に、導電性ペーストの印刷、乾燥、焼成により形成さ
れる。この上部電極17は引き出し部を有し、この焼成
処理は900℃程度で焼き付けられる。
面に、導電性ペーストの印刷、乾燥、焼成により形成さ
れる。この上部電極17は引き出し部を有し、この焼成
処理は900℃程度で焼き付けられる。
【0005】ここで、誘電体層14〜16を、積層構造
にするにあたり、1層毎に焼成処理して形成する理由は
次のようなものである。
にするにあたり、1層毎に焼成処理して形成する理由は
次のようなものである。
【0006】誘電体層14〜16までを、誘電体ペース
トの塗布、乾燥して一括して焼成する場合を考える。あ
るいは1層のみで充分な厚みを形成できたと考えても良
い。
トの塗布、乾燥して一括して焼成する場合を考える。あ
るいは1層のみで充分な厚みを形成できたと考えても良
い。
【0007】この時、未焼成状態の誘電体層の厚みが厚
くなると、焼成処理時、誘電体層内部には内部応力が大
きく働く。一般に、誘電体層は焼成処理時に、通常70
%程度に体積収縮する。そして、絶縁基板2に近い誘電
体層14側は、絶縁基板2に引っ張られる形で収縮が抑
えられる。これに対して、誘電体層15、16は収縮し
やすい。このため、誘電体層14(基板に近傍付近の誘
電体層)と誘電体層15、16(基板から離れた誘電体
層)との間に収縮量の差が生じ内部応力が発生する。
くなると、焼成処理時、誘電体層内部には内部応力が大
きく働く。一般に、誘電体層は焼成処理時に、通常70
%程度に体積収縮する。そして、絶縁基板2に近い誘電
体層14側は、絶縁基板2に引っ張られる形で収縮が抑
えられる。これに対して、誘電体層15、16は収縮し
やすい。このため、誘電体層14(基板に近傍付近の誘
電体層)と誘電体層15、16(基板から離れた誘電体
層)との間に収縮量の差が生じ内部応力が発生する。
【0008】これにより、特に、誘電体層16の表面に
マイクロクラックが入りやすく、そのクラックが誘電体
層14にまで達する深いものになる。また深いクラック
でなくとも、このようなクラックは、ポアやキャピラリ
が誘電体層16の表面から基板2側にまで伸びる形で発
生すると考えられる。
マイクロクラックが入りやすく、そのクラックが誘電体
層14にまで達する深いものになる。また深いクラック
でなくとも、このようなクラックは、ポアやキャピラリ
が誘電体層16の表面から基板2側にまで伸びる形で発
生すると考えられる。
【0009】この状態で上部電極17となる導電性ペー
ストを印刷し焼き付けすると、印刷時に導電性ぺースト
の金属成分の微細粒子が有機ビヒクルと共に、クラック
やキャピラリに浸透し、上部電極17から下部電極13
に伸びる導電性の通路ができることになる。
ストを印刷し焼き付けすると、印刷時に導電性ぺースト
の金属成分の微細粒子が有機ビヒクルと共に、クラック
やキャピラリに浸透し、上部電極17から下部電極13
に伸びる導電性の通路ができることになる。
【0010】初期特性として問題なくても、外部から水
分が侵入するとクラックやキャピラリに沿って導電経路
が進展し、絶縁不良が発生してしまう。
分が侵入するとクラックやキャピラリに沿って導電経路
が進展し、絶縁不良が発生してしまう。
【0011】このような不具合を避けるために、通常、
厚みの厚い誘電体層を形成するときには、複数の積層構
造とし、且つ各誘電体層14〜16毎に、印刷、乾燥及
び焼成処理して、1層1層を焼き締めるようにしてい
る。これにより深いクラックやキャピラリの発生を防止
し、上部電極17からのマイグレーション進行を抑える
ことができると考えられている。
厚みの厚い誘電体層を形成するときには、複数の積層構
造とし、且つ各誘電体層14〜16毎に、印刷、乾燥及
び焼成処理して、1層1層を焼き締めるようにしてい
る。これにより深いクラックやキャピラリの発生を防止
し、上部電極17からのマイグレーション進行を抑える
ことができると考えられている。
【0012】また、上述のように厚膜印刷法で形成した
誘電体層14〜16は、磁器密度が低く、多孔質磁器に
なってしまい、そのままでは高温多湿の環境では、マイ
グレーションを引き起こし、絶縁抵抗の劣化につなが
り、電子部品としては使用することができない。
誘電体層14〜16は、磁器密度が低く、多孔質磁器に
なってしまい、そのままでは高温多湿の環境では、マイ
グレーションを引き起こし、絶縁抵抗の劣化につなが
り、電子部品としては使用することができない。
【0013】このため従来例のように誘電体層14〜1
6と上部電極17を覆う形でガラスやエポキシ樹脂によ
る保護層19を形成している。
6と上部電極17を覆う形でガラスやエポキシ樹脂によ
る保護層19を形成している。
【0014】ガラスによる保護層19は、通常、誘電体
層14〜16とガラスとの反応を抑えるため、結晶化ガ
ラスを用い、その上に封止性の高い非晶質ガラスを重ね
た2層構成にしている。
層14〜16とガラスとの反応を抑えるため、結晶化ガ
ラスを用い、その上に封止性の高い非晶質ガラスを重ね
た2層構成にしている。
【0015】しかしながら上述のコンデンサにおいて、
誘電体層14〜16を積層化して各層を焼き締めること
により絶縁不良の起こりにくいものができること、また
保護層19により耐湿信頼性を確保できるとされている
が完璧なものではない。
誘電体層14〜16を積層化して各層を焼き締めること
により絶縁不良の起こりにくいものができること、また
保護層19により耐湿信頼性を確保できるとされている
が完璧なものではない。
【0016】例えば、直流電圧(例えば3V)を印加し
た状態で、85℃、95%RHという高温多湿条件下で
信頼性試験を行うと数日程度の短期間の間に上部電極1
7と下部電極3との間の絶縁抵抗値の劣化をきたす場合
が発生する。
た状態で、85℃、95%RHという高温多湿条件下で
信頼性試験を行うと数日程度の短期間の間に上部電極1
7と下部電極3との間の絶縁抵抗値の劣化をきたす場合
が発生する。
【0017】絶縁低下をもたらした箇所の特定は、非常
に難しく、その原因としては、ガラス保護層19の欠陥
部(キャピラリ、マイクロクラックなど)、または下部
電極3の面内のキャピラリなどを経由して水分が誘電体
層14〜16に入り、電極を構成する銀がマイグレーシ
ョンを起こして絶縁抵抗値が劣化すると見られる。
に難しく、その原因としては、ガラス保護層19の欠陥
部(キャピラリ、マイクロクラックなど)、または下部
電極3の面内のキャピラリなどを経由して水分が誘電体
層14〜16に入り、電極を構成する銀がマイグレーシ
ョンを起こして絶縁抵抗値が劣化すると見られる。
【0018】保護層19の形成方法を工夫することによ
って、改善される場合もあるが上記のような絶縁不良を
根絶させることは困難であった。
って、改善される場合もあるが上記のような絶縁不良を
根絶させることは困難であった。
【0019】そこで、絶縁基板2上に下部電極3を形成
する工程と、下部電極3の上に誘電体ペーストを塗布乾
燥するとともに焼成処理して第1の誘電体層14,15
を形成する工程と、第1の誘電体層14,15上に誘電
体ペーストを塗布乾燥して未焼成状態の第2の誘電体層
6を形成する工程と、未焼成状態の第2の誘電体層6上
に、導電性ペーストの印刷、塗布により、下部電極3に
対向する上部電極7となる導体膜を形成する工程と、未
焼成状態の第2の誘電体層6及び上部電極7となる導体
膜とを同時焼成する工程から成るコンデンサの製造方法
が特願2000−27391号公報に提案されている。
する工程と、下部電極3の上に誘電体ペーストを塗布乾
燥するとともに焼成処理して第1の誘電体層14,15
を形成する工程と、第1の誘電体層14,15上に誘電
体ペーストを塗布乾燥して未焼成状態の第2の誘電体層
6を形成する工程と、未焼成状態の第2の誘電体層6上
に、導電性ペーストの印刷、塗布により、下部電極3に
対向する上部電極7となる導体膜を形成する工程と、未
焼成状態の第2の誘電体層6及び上部電極7となる導体
膜とを同時焼成する工程から成るコンデンサの製造方法
が特願2000−27391号公報に提案されている。
【0020】上記方法によれば、印刷多層を基本にして
コンデンサを形成することができる。そして、第1の誘
電体層14,15を誘電体ペーストの印刷、乾燥、焼成
により形成し、第2の誘電体層6を、誘電体ペーストの
印刷、乾燥させた後、上部電極7となる導体膜と同時
に、焼成して形成する。これより、誘電体層14〜1
5、6に内部欠陥があったとしても、下部電極3と上部
電極7間にマイグレーションが発生することのない高信
頼性のコンデンサとなる。
コンデンサを形成することができる。そして、第1の誘
電体層14,15を誘電体ペーストの印刷、乾燥、焼成
により形成し、第2の誘電体層6を、誘電体ペーストの
印刷、乾燥させた後、上部電極7となる導体膜と同時
に、焼成して形成する。これより、誘電体層14〜1
5、6に内部欠陥があったとしても、下部電極3と上部
電極7間にマイグレーションが発生することのない高信
頼性のコンデンサとなる。
【0021】このようなコンデンサが比較的容易に製造
でき、また、焼成処理数を減少させることもできる。
でき、また、焼成処理数を減少させることもできる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によれば、第2の誘電体層6と上部電極7を一体焼成
した際に、上部電極7の収縮率が誘電体層6の収縮率よ
り大きいことから、図4のように、誘電体層6表面が上
部電極7の方向に引っ張られ、誘電体層表面にクレパス
状の孔61があくという問題点があった。
法によれば、第2の誘電体層6と上部電極7を一体焼成
した際に、上部電極7の収縮率が誘電体層6の収縮率よ
り大きいことから、図4のように、誘電体層6表面が上
部電極7の方向に引っ張られ、誘電体層表面にクレパス
状の孔61があくという問題点があった。
【0023】また、このことにより上部電極7と下部電
極3の重なり面積が変化したり、ガラスによる保護層1
9を形成する際に、ガラス中のSiが誘電体層14〜1
5、6中に拡散し、アクセプターとして作用することか
ら、容量にばらつきが生じるという問題点があった。
極3の重なり面積が変化したり、ガラスによる保護層1
9を形成する際に、ガラス中のSiが誘電体層14〜1
5、6中に拡散し、アクセプターとして作用することか
ら、容量にばらつきが生じるという問題点があった。
【0024】さらに、ガラス中のSiが誘電体層14〜
15、6中に拡散し、電子のキャリアとして機能するこ
とにより、IR(絶縁抵抗)劣化が生じるという問題点
があった。
15、6中に拡散し、電子のキャリアとして機能するこ
とにより、IR(絶縁抵抗)劣化が生じるという問題点
があった。
【0025】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、表面側の誘電体層の表面欠
陥が修復でき、その結果、容量のばらつきを防止でき、
IRの劣化を防止することができるコンデンサの製造方
法を提供するものである。
たものであり、その目的は、表面側の誘電体層の表面欠
陥が修復でき、その結果、容量のばらつきを防止でき、
IRの劣化を防止することができるコンデンサの製造方
法を提供するものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板上
に、下部電極、第1及び第2の誘電体層、前記下部電極
と対向する上部電極を積層してなり、且つ前記上部電極
を誘電体保護層で被覆したコンデンサの製造方法であっ
て、前記絶縁基板上に下部電極を形成する工程と、前記
下部電極の上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼成に
より第1の誘電体層を形成する工程と、前記第1の誘電
体層上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥により未焼成状
態の第2の誘電体層を形成する工程と、前記未焼成状態
の第2の誘電体層上に、導電性ペーストの塗布、乾燥に
より、上部電極となる導体膜を形成する工程と、前記未
焼成状態の第2の誘電体層及び前記導体膜を同時焼成す
る工程と、前記上部電極上に、誘電体ペーストの塗布、
乾燥、焼成処理により、誘電体保護層を形成する工程
と、を含むコンデンサの製造方法である。
に、下部電極、第1及び第2の誘電体層、前記下部電極
と対向する上部電極を積層してなり、且つ前記上部電極
を誘電体保護層で被覆したコンデンサの製造方法であっ
て、前記絶縁基板上に下部電極を形成する工程と、前記
下部電極の上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼成に
より第1の誘電体層を形成する工程と、前記第1の誘電
体層上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥により未焼成状
態の第2の誘電体層を形成する工程と、前記未焼成状態
の第2の誘電体層上に、導電性ペーストの塗布、乾燥に
より、上部電極となる導体膜を形成する工程と、前記未
焼成状態の第2の誘電体層及び前記導体膜を同時焼成す
る工程と、前記上部電極上に、誘電体ペーストの塗布、
乾燥、焼成処理により、誘電体保護層を形成する工程
と、を含むコンデンサの製造方法である。
【作用】本発明では、第1の誘電体層と第2の誘電体層
との製造方法を別々の工程で形成したため、各誘電体層
の内部欠陥を有効に抑えることができる。
との製造方法を別々の工程で形成したため、各誘電体層
の内部欠陥を有効に抑えることができる。
【0027】また、上部電極を形成した後、保護層とし
て上部電極層側から誘電体層(第3の誘電体層)を被着
形成しているため、第2の誘電体層の表面に発生す表面
欠陥(誘電体層表面にクレパス状の孔61)を修復する
ことができるため、容量のばらつき、絶縁抵抗の劣化を
防止することができる。
て上部電極層側から誘電体層(第3の誘電体層)を被着
形成しているため、第2の誘電体層の表面に発生す表面
欠陥(誘電体層表面にクレパス状の孔61)を修復する
ことができるため、容量のばらつき、絶縁抵抗の劣化を
防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のコンデンサの製造
方法を図面に基づいて詳説する。
方法を図面に基づいて詳説する。
【0029】図1は、本発明に係るコンデンサの断面図
であり、図2はコンデンサの各構成部品を分解した斜視
図である。尚、従来と同一構造部分は、同一符号を付し
て説明する。
であり、図2はコンデンサの各構成部品を分解した斜視
図である。尚、従来と同一構造部分は、同一符号を付し
て説明する。
【0030】絶縁基板2は、アルミナなどの耐熱性を有
する絶縁基板である。この絶縁基板2上にAg系(Ag
単体やAg合金)材料から成る下部電極3が形成され
る。尚、この下部電極3は、上部電極と対向して容量成
分を得る対向電極部分と上述容量成分を導出するための
引き出し部を具備している。尚、この引き出し部を符号
31を付す。
する絶縁基板である。この絶縁基板2上にAg系(Ag
単体やAg合金)材料から成る下部電極3が形成され
る。尚、この下部電極3は、上部電極と対向して容量成
分を得る対向電極部分と上述容量成分を導出するための
引き出し部を具備している。尚、この引き出し部を符号
31を付す。
【0031】この下部電極3上に、複数の誘電体層4〜
6が被着形成されている。尚、この誘電体層4〜6は、
下部電極3の引き出し部31が露出するように被着形成
されてる。
6が被着形成されている。尚、この誘電体層4〜6は、
下部電極3の引き出し部31が露出するように被着形成
されてる。
【0032】この誘電体層4〜6上に、上部電極7を被
着形成する。上部電極7は、誘電体層4〜6上及び該誘
電体層4〜6を越えてその一部が絶縁基板2の表面に引
き出されている。この引き出された部分は、上部電極7
の引出電極部であり、符号71を付す。そして、上述の
引出電極部31、71を除いて、全体に保護層9が形成
されている。そして、保護層9は上部電極7側に誘電体
保護層8を有し、その上面側に、結晶化ガラス層や樹脂
被覆層が配置されている。以下の説明では、この誘電体
保護層8を第3の誘電体層8として説明する。
着形成する。上部電極7は、誘電体層4〜6上及び該誘
電体層4〜6を越えてその一部が絶縁基板2の表面に引
き出されている。この引き出された部分は、上部電極7
の引出電極部であり、符号71を付す。そして、上述の
引出電極部31、71を除いて、全体に保護層9が形成
されている。そして、保護層9は上部電極7側に誘電体
保護層8を有し、その上面側に、結晶化ガラス層や樹脂
被覆層が配置されている。以下の説明では、この誘電体
保護層8を第3の誘電体層8として説明する。
【0033】絶縁基板2は、その基板2上にコンデンサ
を形成するが、多数のコンデンサ領域からなり、複数の
コンデンサが抽出できる大型平板基板であっても構わな
い。この場合、各コンデンサ領域の境界部分は、ブレー
クラインが形成された基板を用い、最終工程で分割処理
しても構わない。また、この基板を分割処理だけでな
く、切断処理しても構わない。
を形成するが、多数のコンデンサ領域からなり、複数の
コンデンサが抽出できる大型平板基板であっても構わな
い。この場合、各コンデンサ領域の境界部分は、ブレー
クラインが形成された基板を用い、最終工程で分割処理
しても構わない。また、この基板を分割処理だけでな
く、切断処理しても構わない。
【0034】基板2の材料は、アルミナセラミックに限
らず、例えばガラスを混入した低温焼成のガラスセラミ
ックを用いても構わない。
らず、例えばガラスを混入した低温焼成のガラスセラミ
ックを用いても構わない。
【0035】下部電極3は、上述したように、Ag−P
dないしAg−PtなどのAg系材料からなり、例え
ば、Ag系導電性ペーストを基板2上で所定パターンに
印刷し、乾燥した後、焼き付け処理する。尚、電極材料
としては他にAg、Pt、Au、Cu、Ni等でも良
い。
dないしAg−PtなどのAg系材料からなり、例え
ば、Ag系導電性ペーストを基板2上で所定パターンに
印刷し、乾燥した後、焼き付け処理する。尚、電極材料
としては他にAg、Pt、Au、Cu、Ni等でも良
い。
【0036】誘電体層4〜6の3層構造であり、例え
ば、基板2側の誘電体層4、5を第1の誘電体層とい
い、例えば上部電極7と接する誘電体層6を第2の誘電
体層という。また、保護層9を構成し、上部電極7と接
する誘電体層8を第3の誘電体層という。各誘電体層4
〜6、9は、ペロブスカイト型結晶粒子を含む誘電体ペ
ースト誘電体ペースト、例えば、鉛リラクサ材料やチタ
バリ系材料の粉体を用い、有機ビヒクルと混合してペー
スト状にしたものを用い、乾燥後、焼結処理を行い形成
する。尚、焼結性を高めるためにガラスを若干添加して
もよい。
ば、基板2側の誘電体層4、5を第1の誘電体層とい
い、例えば上部電極7と接する誘電体層6を第2の誘電
体層という。また、保護層9を構成し、上部電極7と接
する誘電体層8を第3の誘電体層という。各誘電体層4
〜6、9は、ペロブスカイト型結晶粒子を含む誘電体ペ
ースト誘電体ペースト、例えば、鉛リラクサ材料やチタ
バリ系材料の粉体を用い、有機ビヒクルと混合してペー
スト状にしたものを用い、乾燥後、焼結処理を行い形成
する。尚、焼結性を高めるためにガラスを若干添加して
もよい。
【0037】具体的には、第1の誘電体層のうち誘電体
層4は、下部電極3を被覆するように、スクリーン印刷
法で上述の誘電体ペーストを印刷し、乾燥した後、90
0℃前後で焼成して焼き固めて形成する。これにより、
誘電体層4は例えば5〜10μmの厚みとなる。
層4は、下部電極3を被覆するように、スクリーン印刷
法で上述の誘電体ペーストを印刷し、乾燥した後、90
0℃前後で焼成して焼き固めて形成する。これにより、
誘電体層4は例えば5〜10μmの厚みとなる。
【0038】次に、別の第1の誘電体層、例えば、誘電
体層5を、誘電体層4の上面に、誘電体層4と同一の形
状になるように、スクリーン印刷法で上述の誘電体ペー
ストを印刷し、乾燥した後、900℃前後で焼成して焼
き固めて形成する。これにより、誘電体層5は例えば5
〜10μmの厚みとなる。
体層5を、誘電体層4の上面に、誘電体層4と同一の形
状になるように、スクリーン印刷法で上述の誘電体ペー
ストを印刷し、乾燥した後、900℃前後で焼成して焼
き固めて形成する。これにより、誘電体層5は例えば5
〜10μmの厚みとなる。
【0039】次に、第2の誘電体層である誘電体層6
を、誘電体層5の上に形成する。ここで、誘電体層6
は、最終的には上部電極7と同様に焼成処理されること
になり、ここの工程では、誘電体層6となる誘電体膜
を、上述の誘電体ペーストの塗布、乾燥により形成す
る。即ち、誘電体層6となる誘電体膜は未焼結状態であ
る。
を、誘電体層5の上に形成する。ここで、誘電体層6
は、最終的には上部電極7と同様に焼成処理されること
になり、ここの工程では、誘電体層6となる誘電体膜
を、上述の誘電体ペーストの塗布、乾燥により形成す
る。即ち、誘電体層6となる誘電体膜は未焼結状態であ
る。
【0040】上部電極7は、下部電極3と同様、Ag−
PdないしAg−PtなどのAg系材料から成り、例え
ば、Ag系導電性ペーストを未焼成状態の誘電体層上に
スクリーン印刷し、乾燥した後、焼き付け処理する。
尚、電極材料としては他にAg、Pt、Au、Cu、N
i等でも良い。ここで、上部電極7の焼成にあたって
は、誘電体層6となる未焼成状態の誘電体膜と同一に焼
成する。
PdないしAg−PtなどのAg系材料から成り、例え
ば、Ag系導電性ペーストを未焼成状態の誘電体層上に
スクリーン印刷し、乾燥した後、焼き付け処理する。
尚、電極材料としては他にAg、Pt、Au、Cu、N
i等でも良い。ここで、上部電極7の焼成にあたって
は、誘電体層6となる未焼成状態の誘電体膜と同一に焼
成する。
【0041】即ち、上部電極7は、誘電体層6となる未
焼成状態の誘電体膜上に、導電性ペーストを所定形状に
スクリーン印刷、乾燥により導体膜を形成する。即ち、
上部電極層7となる導電性ペーストを印刷、乾燥した状
態の上部電極を導体膜という。また、所定形状とは下部
電極3と対向して容量を発生する領域と、引き出し部7
1とを有する形状である。この引き出し部71は、誘電
体層4、5、誘電体層6となる誘電体膜となる上面側か
らこれらの誘電体層及び誘電体膜の側面を経由して絶縁
基板2上に引き出回される。
焼成状態の誘電体膜上に、導電性ペーストを所定形状に
スクリーン印刷、乾燥により導体膜を形成する。即ち、
上部電極層7となる導電性ペーストを印刷、乾燥した状
態の上部電極を導体膜という。また、所定形状とは下部
電極3と対向して容量を発生する領域と、引き出し部7
1とを有する形状である。この引き出し部71は、誘電
体層4、5、誘電体層6となる誘電体膜となる上面側か
らこれらの誘電体層及び誘電体膜の側面を経由して絶縁
基板2上に引き出回される。
【0042】次に、誘電体層6となる誘電体膜と、上部
電極7となる導体膜と電極パターンを同時焼成する。焼
成温度は、例えば約900℃である。
電極7となる導体膜と電極パターンを同時焼成する。焼
成温度は、例えば約900℃である。
【0043】本発明の特徴的なことは、上部電極7上
に、さらに誘電体ペーストを塗布乾燥するとともに焼成
処理して第3の誘電体層8を形成することにある。
に、さらに誘電体ペーストを塗布乾燥するとともに焼成
処理して第3の誘電体層8を形成することにある。
【0044】即ち、上述のように、第1の誘電体層4、
5と、上部電極7と一体的に焼成処理した第2の誘電体
層6とからなる誘電体層4〜6、上部電極7を覆うよう
に、、誘電体ペーストを用いて、誘電体膜を塗布、乾
燥、焼成して第3の誘電体層8を形成する。具体的に
は、下部電極3の引き出し部31及び上部電極7の引き
出し部71を露出するように、焼き付ける。
5と、上部電極7と一体的に焼成処理した第2の誘電体
層6とからなる誘電体層4〜6、上部電極7を覆うよう
に、、誘電体ペーストを用いて、誘電体膜を塗布、乾
燥、焼成して第3の誘電体層8を形成する。具体的に
は、下部電極3の引き出し部31及び上部電極7の引き
出し部71を露出するように、焼き付ける。
【0045】その後、第3の誘電体層8を覆うように、
結晶化ガラスや非晶質ガラスなどからなるガラスペース
トを印刷し、焼き付け処理して保護層9を被着形成す
る。これにより、保護層9は、第3の誘電体層8を含む
結晶化ガラス層や非晶質ガラス層などが積層した多層構
造となっている。尚、好ましくは、それぞれが例えば、
20μm程度である。
結晶化ガラスや非晶質ガラスなどからなるガラスペース
トを印刷し、焼き付け処理して保護層9を被着形成す
る。これにより、保護層9は、第3の誘電体層8を含む
結晶化ガラス層や非晶質ガラス層などが積層した多層構
造となっている。尚、好ましくは、それぞれが例えば、
20μm程度である。
【0046】以上のように、本発明においては、上部電
極7となる導体膜と、その直下の未焼成状態の誘電体膜
(第2の誘電体層6となる)とを同時焼成し、さらに、
上部電極7上にさらに第3の誘電体層8を、誘電体ペー
ストの塗布乾燥、焼成処理により形成している。
極7となる導体膜と、その直下の未焼成状態の誘電体膜
(第2の誘電体層6となる)とを同時焼成し、さらに、
上部電極7上にさらに第3の誘電体層8を、誘電体ペー
ストの塗布乾燥、焼成処理により形成している。
【0047】従って、上部電極層7と誘電体層6の境界
付近の誘電体層6の表面に、クレパス状の孔が形成され
たとしても、このクレパス状の孔が第3の誘電体層8に
よって塞がれて修復されることになる。従って、下部電
極3と上部電極7との間に発生する容量のばらつきを緩
和することができる。また、その間の絶縁抵抗(IR)
の劣化を有効に防ぐことができる。
付近の誘電体層6の表面に、クレパス状の孔が形成され
たとしても、このクレパス状の孔が第3の誘電体層8に
よって塞がれて修復されることになる。従って、下部電
極3と上部電極7との間に発生する容量のばらつきを緩
和することができる。また、その間の絶縁抵抗(IR)
の劣化を有効に防ぐことができる。
【0048】また、上部電極7上に、さらに誘電体ペー
ストを塗布乾燥し焼成処理するという方法で実施できる
ため、従来の設備等をそのまま用いることができ、簡単
かつ安価な製造方法となる。
ストを塗布乾燥し焼成処理するという方法で実施できる
ため、従来の設備等をそのまま用いることができ、簡単
かつ安価な製造方法となる。
【0049】また、上述の実施例では、誘電体層が3層
(4〜6)及び第3の誘電体層8を設けた構造である
が、2層構造ないし4層構造以上の場合でも良い。
(4〜6)及び第3の誘電体層8を設けた構造である
が、2層構造ないし4層構造以上の場合でも良い。
【0050】要は上部電極7の直下の誘電体層(第2の
誘電体層)のみと上部電極7となる電極パターンとが同
時に焼成処理され、この後さらに、第3の誘電体層8を
塗布乾燥するとともに焼成処理することが重要である。
誘電体層)のみと上部電極7となる電極パターンとが同
時に焼成処理され、この後さらに、第3の誘電体層8を
塗布乾燥するとともに焼成処理することが重要である。
【0051】また、誘電体層4、5は、各々焼き締める
ことが望ましいが、焼成工程に時間がかかりコストに影
響する。必要に応じて第1の誘電体層である誘電体層
4、5を同時に焼成してもよい。
ことが望ましいが、焼成工程に時間がかかりコストに影
響する。必要に応じて第1の誘電体層である誘電体層
4、5を同時に焼成してもよい。
【0052】さらに、本実施例では、絶縁基板2上に、
1つのコンデンサがある場合のみについて述べたが、一
方の電極に2つの引き出し電極を形成した3端子コンデ
ンサ、多数個のコンデンサを形成した多連チップコンデ
ンサ、アレイコンデンサ、多連3端子コンデンサ、コン
デンサ、さらに別の電子部品素子、例えば抵抗などと複
合させたネットワーク部品などについても同様に適用す
ることができる。
1つのコンデンサがある場合のみについて述べたが、一
方の電極に2つの引き出し電極を形成した3端子コンデ
ンサ、多数個のコンデンサを形成した多連チップコンデ
ンサ、アレイコンデンサ、多連3端子コンデンサ、コン
デンサ、さらに別の電子部品素子、例えば抵抗などと複
合させたネットワーク部品などについても同様に適用す
ることができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明のコンデンサ1
の製造方法を具体的に説明する。
の製造方法を具体的に説明する。
【0054】図2で絶縁基板2の上に、引き出し電極3
1を下部電極3を形成する。具体的には、Ag−Pd系
導体のペーストをスクリーン印刷法により電極パターン
に塗布し、乾燥し、その後焼成する。その焼成温度は9
30℃である。
1を下部電極3を形成する。具体的には、Ag−Pd系
導体のペーストをスクリーン印刷法により電極パターン
に塗布し、乾燥し、その後焼成する。その焼成温度は9
30℃である。
【0055】第1の誘電体層である誘電体層4は、下部
電極3のほぼ全面を覆うように、誘電体ペーストをスク
リーン印刷法により、誘電体膜を塗布し、乾燥する。塗
布厚みは、スクリーンのメッシュとレジスト厚みを選択
して10μm程度に設定されている。誘電体ペーストは
鉛/マグネシウム/ニオブを主成分とする鉛リラクサ材
をバインダー樹脂、可塑剤、有機溶剤などと混練してペ
ースト状にしたものである。その後、誘電体膜を単独に
930℃で焼成する。
電極3のほぼ全面を覆うように、誘電体ペーストをスク
リーン印刷法により、誘電体膜を塗布し、乾燥する。塗
布厚みは、スクリーンのメッシュとレジスト厚みを選択
して10μm程度に設定されている。誘電体ペーストは
鉛/マグネシウム/ニオブを主成分とする鉛リラクサ材
をバインダー樹脂、可塑剤、有機溶剤などと混練してペ
ースト状にしたものである。その後、誘電体膜を単独に
930℃で焼成する。
【0056】さらに、誘電体層5は、誘電体層4を同様
にして形成し、誘電体層4上に誘電体ペーストの塗布、
乾燥、焼成により形成する。
にして形成し、誘電体層4上に誘電体ペーストの塗布、
乾燥、焼成により形成する。
【0057】次に、第2の誘電体層である誘電体層6と
なる誘電体膜は、上述の誘電体ペーストの印刷塗布及び
乾燥により形成する。
なる誘電体膜は、上述の誘電体ペーストの印刷塗布及び
乾燥により形成する。
【0058】次に、未焼成状態の誘電体層6上に、上部
電極7となる電極パターンを、導電性ペーストのスクリ
ーン印刷法で塗布乾燥する。これにより、導電性ペース
トは、下部電極3と同じくAg−Pd系のペーストを用
いる。
電極7となる電極パターンを、導電性ペーストのスクリ
ーン印刷法で塗布乾燥する。これにより、導電性ペース
トは、下部電極3と同じくAg−Pd系のペーストを用
いる。
【0059】この後、誘電体層6となる誘電体膜と上部
電極7となる電極パターンとを930℃で同時焼成す
る。尚、誘電体層6と上部電極7の焼結挙動を合わせる
ような材料組成の選択が必要である。
電極7となる電極パターンとを930℃で同時焼成す
る。尚、誘電体層6と上部電極7の焼結挙動を合わせる
ような材料組成の選択が必要である。
【0060】これにより、第2の誘電体層6は、ポーラ
スな磁器であるにもかかわらず、上部電極7の形成時の
その金属粒子の浸透を防止し、マイグレーションの発生
しにくい上部電極となる。
スな磁器であるにもかかわらず、上部電極7の形成時の
その金属粒子の浸透を防止し、マイグレーションの発生
しにくい上部電極となる。
【0061】さらに、上部電極7上に、さらに誘電体ペ
ーストを塗布乾燥するとともに焼成処理して第3の誘電
体層8を形成する。
ーストを塗布乾燥するとともに焼成処理して第3の誘電
体層8を形成する。
【0062】これにより、第2の誘電体層6と上部電極
7を一体焼成した際に、第2の誘電体層6表面にクレパ
ス状の孔61があいた場合も、第3の誘電体層8でこの
孔をふさぐため、取得容量のばらつきや、絶縁抵抗(I
R)の劣化を防ぐことができる。
7を一体焼成した際に、第2の誘電体層6表面にクレパ
ス状の孔61があいた場合も、第3の誘電体層8でこの
孔をふさぐため、取得容量のばらつきや、絶縁抵抗(I
R)の劣化を防ぐことができる。
【0063】本発明において、図1に示すコンデンサ
と、図3に示す従来のコンデンサの静電容量ばらつきを
調べた。
と、図3に示す従来のコンデンサの静電容量ばらつきを
調べた。
【0064】すなわち、500個の試料について、それ
ぞれ静電容量を測定し、CV値を算出した。その結果、
従来のコンデンサはCV値が5.0%であるのに対し、
本発明のコンデンサは3.0%となり、静電容量ばらつ
きが低下することがわかった。
ぞれ静電容量を測定し、CV値を算出した。その結果、
従来のコンデンサはCV値が5.0%であるのに対し、
本発明のコンデンサは3.0%となり、静電容量ばらつ
きが低下することがわかった。
【0065】また、絶縁抵抗IRについても、長期的な
使用をおこなっても、絶縁抵抗(IR)が劣化すること
がないことを確認した。
使用をおこなっても、絶縁抵抗(IR)が劣化すること
がないことを確認した。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明のコンデンサの製
造方法によれば、第1の誘電体層を誘電体ペーストの印
刷、乾燥、焼成により形成し、第2の誘電体層を、誘電
体ペーストの印刷、乾燥させた後、上部電極となる導体
膜と同時に、焼成して形成し、上部電極上に、誘電体ペ
ーストを塗布乾燥するとともに焼成処理して形成される
保護層とした作用する第3の誘電体層を形成している。
造方法によれば、第1の誘電体層を誘電体ペーストの印
刷、乾燥、焼成により形成し、第2の誘電体層を、誘電
体ペーストの印刷、乾燥させた後、上部電極となる導体
膜と同時に、焼成して形成し、上部電極上に、誘電体ペ
ーストを塗布乾燥するとともに焼成処理して形成される
保護層とした作用する第3の誘電体層を形成している。
【0067】これにより、第2の誘電体層表面にクレパ
ス状の孔が形成された場合でも、第3の誘電体層の誘電
体材料でこの孔を塞いで修復することになるため、取得
容量のばらつきや、IR劣化のない信頼性の高いコンデ
ンサとなる。このようなコンデンサが比較的容易に製造
でき、また、焼成処理数を減少させることもできる。
ス状の孔が形成された場合でも、第3の誘電体層の誘電
体材料でこの孔を塞いで修復することになるため、取得
容量のばらつきや、IR劣化のない信頼性の高いコンデ
ンサとなる。このようなコンデンサが比較的容易に製造
でき、また、焼成処理数を減少させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンデンサの実施形態を示す断面
図である。
図である。
【図2】本発明のコンデンサの構成を分解した斜視図で
ある
ある
【図3】従来のコンデンサの実施形態を示す断面図であ
る。
る。
【図4】従来のコンデンサにおける誘電体層の表面の欠
陥を示す断面図である。
陥を示す断面図である。
1 コンデンサ 2 絶縁基板 3 下部電極 31 引き出し部 4、5 誘電体層(第1の誘電体層) 6 誘電体層(第2の誘電体層) 61 クレパス状の孔 7 上部電極 71 引き出し部 8 誘電体保護層(第3の誘電体層)
Claims (1)
- 【請求項1】 絶縁基板上に、下部電極、第1及び第2
の誘電体層、前記下部電極と対向する上部電極を積層し
てなり、且つ前記上部電極を誘電体保護層で被覆したコ
ンデンサの製造方法であって、 前記絶縁基板上に下部電極を形成する工程と、 前記下部電極の上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼
成により第1の誘電体層を形成する工程と、 前記第1の誘電体層上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥
により未焼成状態の第2の誘電体層を形成する工程と、 前記未焼成状態の第2の誘電体層上に、導電性ペースト
の塗布、乾燥により、上部電極となる導体膜を形成する
工程と、 前記未焼成状態の第2の誘電体層及び前記導体膜を同時
焼成する工程と、 前記上部電極上に、誘電体ペーストの塗布、乾燥、焼成
処理により、誘電体保護層を形成する工程と、を含むコ
ンデンサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000197259A JP2002015947A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | コンデンサの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000197259A JP2002015947A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | コンデンサの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002015947A true JP2002015947A (ja) | 2002-01-18 |
Family
ID=18695605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000197259A Pending JP2002015947A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | コンデンサの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002015947A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017163154A (ja) * | 2009-05-11 | 2017-09-14 | クリー インコーポレイテッドCree Inc. | 反射構造を有する半導体発光ダイオードおよびその製造方法 |
-
2000
- 2000-06-29 JP JP2000197259A patent/JP2002015947A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017163154A (ja) * | 2009-05-11 | 2017-09-14 | クリー インコーポレイテッドCree Inc. | 反射構造を有する半導体発光ダイオードおよびその製造方法 |
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