JP2002015908A - 磁性粒子および磁気記録媒体 - Google Patents

磁性粒子および磁気記録媒体

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JP2002015908A
JP2002015908A JP2000196193A JP2000196193A JP2002015908A JP 2002015908 A JP2002015908 A JP 2002015908A JP 2000196193 A JP2000196193 A JP 2000196193A JP 2000196193 A JP2000196193 A JP 2000196193A JP 2002015908 A JP2002015908 A JP 2002015908A
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particles
light scattering
light
nucleus
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JP2000196193A
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Seisaburo Shimizu
征三郎 清水
Katsuyuki Naito
勝之 内藤
Teruo Murakami
照夫 村上
Yutaka Nakai
豊 中井
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望の色に着色可能な白色の磁性材料の提
供。 【解決手段】 磁性粉1を分散保持する樹脂2からなる
核6表面に、樹脂などの結着剤5中に酸化チタンなどの
光散乱粒子3分散させた光散乱層7を形成した磁性粒子
11は、光が照射されると照射光が散乱するために、磁
性粉特有の茶褐色は視認されずに、白色と認識される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性粒子および磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、スキャナー、プリンタ、複写機な
どの入出力機器、パーソナルコンピュータ、画像処理ソ
フトの高性能化に伴い市販機器でも高精度な偽造のでき
る危険性が高まってきた。この様な事態に対処するため
に、有価証券や個人認証用IDカードでは種々の偽造防
止技術が盛り込まれている。
【0003】その中でも磁性体を用いた技術は情報が人
間に不可視であることなどの観点から種々な形で用いら
れ、例えばIDカードなどでは磁気ストライプ上に磁気
的に情報を記録し、これを再生して個人を認証する技術
が知られている。さらに、磁性粉を混ぜた磁性インクで
印刷し、磁性の有無あるいは磁性パターンそのものを検
出して真偽を判別する技術も知られている。
【0004】一方、磁性粉は、光吸収率の高い茶褐色の
特有な色をしている。そのため例えば磁気ストライプが
磁気記録媒体表面に形成されていると、特に淡色なデザ
インを磁気記録媒体上へ施そうとしても、磁気ストライ
プ部分では光が吸収され、くすんだ色調になってしまい
磁気記録媒体のデザイン性を損ねてしまうという問題が
あった。
【0005】また、磁性インクを使用した磁気記録媒体
においても、磁性インクで書き込まれた部位においては
光が吸収されてしまい、磁気ストライプの場合と同様に
そのデザイン性が損なわれてしまうという問題があっ
た。
【0006】また、磁性粉と各種の色材とを混合した磁
性粒子を使用しても、光吸収率が高くなってしまうため
に、くすんだ色調しか得られず、この方法においても所
望のデザインを得ることが困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の磁性紛あるいは磁性粒子を使用した場合、磁気記録媒
体にデザインなどを施そうとした時に、ごく限られた色
調しか出すことができなかった。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みて為された
ものであり、記録媒体上の磁気情報が書き込まれた場所
においても所望の色調が得られる磁性粒子、およびこの
磁性粒子を用いた磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の磁性粒子は、少
なくとも磁性紛を有する核と、この核を被覆し、少なく
とも光散乱粒子からなる光散乱層とを具備することを特
徴とする。
【0010】このような磁性粒子によれば、磁性粒子に
光照射された際に、照射光は散乱するために白色の粒子
として視認される。
【0011】前記核は、複数の前記磁性紛と、この複数
の磁性紛を分散保持する保持材料とから形成しても良
い。
【0012】前記光散乱層は、前記光散乱粒子と、この
光散乱粒子を覆い、この光散乱粒子よりも屈折率の小さ
な結着剤を有することが好ましい。
【0013】このようにすることで、光散乱粒子を核表
面に固定することができる。
【0014】また、前記光散乱層に着色剤を添加するこ
とで、所望の色調に着色された磁性粒子を得ることがで
きる。
【0015】また、本発明の磁性粒子は、樹脂中に磁性
粉を分散させた核と、この核を被覆する酸化チタン粒子
およびこの酸化チタン粒子を被覆する結着剤層からなる
光散乱層とを具備することを特徴とする。
【0016】本発明の磁気記録媒体は、支持基体表面
に、磁性粒子からなる磁気記録層を形成した磁気記録媒
体において、前記磁性粒子は、少なくとも磁性紛を有す
る核と、この核を被覆し、少なくとも光散乱粒子からな
る光散乱層とを具備することを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に本発明に係る磁性粒子の概
略断面図を示し、図1を参照してより詳細に説明する。
図中、磁性粒子11は、核6と、この核6を被覆する光
散乱層7とから構成されている。核6は、磁性粉2と、
磁性粉2を分散・保持するための樹脂1から形成されて
おり、核6が磁気的な役割を果たしている。また、光散
乱層7は、磁性粒子11の光学的な役割を果たすもので
あり、光散乱粒子3と、光散乱粒子よりも屈折率の小さ
く、この光散乱粒子3を分散保持する結着剤5とから形
成されている。このような磁性粒子11に光が照射され
ると、入射光は結着剤5中に進入した後、光散乱粒子3
によって反射され散乱する。その結果、磁性粒子11に
光を照射した場合、核6の茶褐色は認識されず、白色
(あるいは白色に近い色)として視認される。したがっ
て、この磁性粒子を使用して磁気情報を記録した磁気記
録媒体表面に適当な色材を用いてデザインすれば、この
色材固有の色(あるいはこの色材に近い色)の色調をデ
ザインすることが可能になる。
【0018】また、結着剤中に、適当な色材を分散させ
ることで、この磁性粒子11自体にこの色材の色を反映
させることが可能になり、磁性粒子11を用いてデザイ
ンを作ることも可能になる。
【0019】磁性粉2は、磁性を有する材料であれば特
に限定されず、通常磁気記録用に使用されるものが使用
できる。例えばNiZnフェライト、CuZnフェライ
ト、MnZnフェライトや、CuZnMgフェライトな
どが挙げられる。
【0020】樹脂1は、磁性粉を保持できるものであれ
ば特に限定されずに使用できる。具体的に用いられる樹
脂は後述する磁性粒子の製造方法において説明する。
【0021】得られる核6の粒径も特に制限されるもの
ではないが、通常磁気記録用材料として用いられるよう
に平均粒径を0.5〜50μm程度とすることが望まし
い。すなわち、磁性粒子11の大きさは実質的に略核6
の大きさになり、この磁性粒子11の粒径が50μmを
超えると磁性材料を印字する際の制約が大きくなった
り、磁性インクとして使用する際に分散液中に磁性粒子
11を分散させることが困難になる。また粒径が0.5
μmよりも小さいと核に含有される磁性粉2の含有率に
ばらつきが生じ、磁性粒子間での特性にばらつきが生じ
る恐れがある。
【0022】また、核6中の磁性粉2の含有率は、10
〜70wt%の範囲内に設定することが望ましい。磁性
粉2の含有率が10wt%に満たないと、磁性粒子11
の磁気的な特性が低下してしまう。また、70wt%を
超えると樹脂1により磁性粉2を保持しきれなくなり、
核6の強度が弱くなる恐れがある。
【0023】光散乱層7は、前述したように光学的な目
的で付与されたものであり、磁性粒子11に照射される
光を散乱させる構成をとっていれば良い。光散乱粒子3
は、少なくとも結着剤など光散乱粒子表面に存在するも
のに対し屈折率の高い材料からなる粒子であり、このよ
うな構成にすることで光散乱層7中で光を散乱すること
が可能である。もちろん屈折率のより高い材料を選択し
光散乱粒子表面に存在する結着剤などに対して屈折率差
を大きくすることが好ましい。光散乱粒子はより光吸収
性の低い材料を選択することが好ましく、少なくとも磁
性粉2よりも光吸収の小さな材料を選択する必要があ
る。このような特性を有する材料としては、通常セラミ
ック粒子を使用すればよく、特に酸化チタンなどは屈折
率が高く、結着剤として樹脂などを用いれば光散乱粒子
と結着剤との屈折率差を大きくすることができる。また
光散乱粒子の平均粒径は0.1μm〜2μmの範囲内に
することで、光散乱能を高めることが可能になる。
【0024】結着剤5は、光散乱粒子3と同様に光吸収
性の低い材料を使用することが好ましく、少なくとも磁
性粒子よりも光吸収性の低い材料を使用する必要があ
る。また、図1に示す磁性粒子11においては、光散乱
粒子3を核6表面に固定する機能も果たしている。この
結着剤は、例えば樹脂などを使用すれば容易に製造する
ことができる。
【0025】また、本発明の磁性粒子11で記録媒体な
どに像を形成した後に、像を加熱することで樹脂製の結
着剤5に粘着力を付与し、磁性粒子11同士に付着力を
持たせたり、磁性粒子11を磁気記録媒体に対する付着
力を持たせることができる。
【0026】また、結着剤5に代えて光散乱粒子表面に
屈折率のより小さな空気などが存在する状態であっても
よい。この場合光散乱層は実質的に光散乱粒子3のみで
構成され、光散乱粒子3は空気よりも屈折率の高い材料
を使用すればよい。
【0027】図2に本発明の磁気記録媒体の斜視図を示
す。
【0028】プラスチックなどの白色の支持基体22の
表面に、図1で示すような本発明の磁性粒子からなる帯
状の磁気記録層23が形成されている。
【0029】例えば、白色を示す磁性粒子を用いた場
合、磁気記録層23は白色として認識されるために、支
持基板と略同色になり、視認されないか、または視認さ
れにくくなる。この磁気記録カード表面に文字あるいは
カラー画像などのデザイン24を所望の色材を使用して
付与した時、デザイン24を磁気記録層23とは無関係
に形成することが可能になる。
【0030】なお、ここで使用される支持基体は、磁性
粒子を担持し得るものであれば、形状、材質など特に制
限されるものではなく、紙などを使用しても良い。ま
た、支持基体の色は、白色に限定されず、磁性粒子の色
と同色のものであれば同様な効果が得られることは言う
までもない。
【0031】図1に示す磁性材料11においては、光散
乱層7によって照射光が散乱し、白色として視認される
が、この光散乱層7表面あるいは内部に染料や顔料など
の着色剤を添加することでこの着色剤の色彩に対応する
色調を磁性粒子に付与することができる。
【0032】次に、図1に示すような磁性粒子の製造方
法について説明する。
【0033】この磁性粒子の製造方法は、樹脂1を形成
するための複数の反応性不飽和結合を有するモノマーも
しくはオリゴマー中に磁性粉2を分散させる第1工程
と、前記モノマーもしくはオリゴマーを重合させて、核
6を形成する第2工程と、核6の表面に光散乱層7を形
成する第3工程とからなる。
【0034】以下により詳細に説明する。
【0035】第1工程;反応性不飽和結合を有するモノ
マーもしくはオリゴマーは、例えば、複数のメタクリル
基、或いはアクリル基を有するモノマー、ジビニルベン
ゼンや1,2−ポリブタジエンなどの反応性二重結合を
有する化合物など、不飽和二重結合を有するオリゴマー
などを用いる。
【0036】次に前記モノマーあるいはオリゴマー中に
磁性粉を投入し、攪拌することで磁性粉を分散させ混合
物を得る。攪拌方法は、ボールミル、ホモジナイザー、
ナノマイザーなど既知の手法を使用すればよい。
【0037】なお、磁性粉は、後述する重合開始剤と接
触させるとその特性が劣化するおそれがある。そのた
め、必要に応じ、シランカップリング剤に接触させ、磁
性粉に表面層を形成した後に、上述した分散や、後述す
る重合を行うことが望ましい。
【0038】シランカップリング剤からなる表面層の形
成方法は、例えばシランカップリング剤を1wt%以下
の溶液にし、この溶液中に攪拌しながら磁性粉を投入し
たのち溶液を乾燥させればよい。また別の方法として
は、容器中で磁性粉を加熱攪拌し、容器中にシランカッ
プリング剤蒸気を導入した後冷却する方法。さらには磁
性粉、シランカップリング剤、モノマーを混合混練しな
がら処理し、余剰シランカップリング剤を減圧除去する
方法などがあり、適宜選択すればよい。 第2工程;第1工程によって得られた混合物を水中に分
散させた後に前記モノマーあるいはオリゴマーの重合を
行う。
【0039】分散方法としては、混合物を投入した水を
攪拌子、プロペラ、ホモジナイザーなどでの攪拌、乳化
剤を用いて膜乳化法などにより混合物を水中に分散させ
ることができる。
【0040】このようにして混合物を所望の大きさに分
散させた後に、ベンゾイルパーオキサイドなどの重合開
始剤を混合物分散水中に添加し、前記モノマーあるいは
オリゴマーを重合させ、保持材料が形成されることで核
を得ることができる。
【0041】後述する第3工程において、酸化チタンを
光散乱粒子として使用する場合には、モノマー或いはオ
リゴマーを重合させるときに、アクリル酸或いはメタク
リル酸などを混合物分散水溶液中に溶かしておくことが
好ましい。このようにすることで、核の表面にカルボキ
シル基が付与され、酸化チタンを核表面に吸着しやすく
することができる。
【0042】また、予め混合物を水中に分散させずに重
合を開始し、複数の粒子状の核を得ることも可能であ
る。例えば、前述したように、磁性粉表面をシランカッ
プリング剤で処理しておくと、重合開始剤が失活するこ
となしに重合が可能になり、磁性紛を樹脂に分散させる
ことが可能になる。また、シランカップリング剤として
モノマーと反応する官能基を有するものを使用すれば磁
性粉と保持材料との結合力が強固になるという利点もあ
る。このようなシランカップリング剤としては、例えば
4−nSi(OR')nの構造で示され、Rはアルキル
基、フェニル基あるいはメチル基などの疎水基や、ビニ
ル基、メタクリロキシプロピル基、メタクリロキシメチ
ル基、メタクリロシキエチル基などの反応性二重結合を
有する基であり、R'はメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、nは2〜3であるシランカップリング剤や、
R''3SiNHSiR''3で示され、R'メチル基などの
シラザン結合を有するものを用いればよい。 第3工程;次に、表面にカルボキシル基を付与した核
と、光散乱粒子としての酸化チタンと、水洗した核とを
水中に投入し、80℃以上に保持して攪拌混合する。
【0043】酸化チタンには、水中においてOH基が付
着し、このOHと核に付与されたカルボキシル基が結合
し、核表面に酸化チタンが付着する。この酸化チタンが
付着した核を水中から取り出し、必要に応じて水洗した
後、乾燥することで、酸化チタンを光散乱粒子とし、空
気を低屈折率材料とした光散乱層を核表面に形成した本
発明の磁性粒子が作成される。
【0044】得られた磁性粒子を、必要に応じて、酸化
チタン表面に樹脂コートを施し、樹脂製の結着剤を形成
することで、結着剤として樹脂を用いた光散乱層を核表
面に形成した磁性粒子にすることも可能である。
【0045】酸化チタン表面に樹脂コートする方法は、
例えば酸化チタンを付着させた核を水中に投入し、この
分散水中にメチルメタクリレートなどの水溶性の低いモ
ノマーを添加した後、加熱しながら重合開始剤を添加す
ると、核表面にモノマーの重合物が析出され、樹脂製の
結着剤が形成される。他にも、シランカップリング剤の
蒸気中、あるいはシランカップリング剤の希釈液中に酸
化チタンが付着した核を導入した後、乾燥することで、
シランカップリング剤を結着剤とした磁性粒子を作成す
ることもできる。
【0046】また、モノマーを使用せずに、予め重合さ
れたポリマーを使用して核を形成することも可能であ
る。この製造方法においては、溶媒中に樹脂を溶解した
溶液を準備し、この溶液中に磁性粉を分散させる工程A
と、樹脂を磁性粉の周りに析出させる工程bと、核6の
表面に光散乱層7を形成する前記第3工程とからなる。
【0047】工程Aにおいて、樹脂および溶媒を適宜選
択し、この溶液中に磁性粉を投入し攪拌させて磁性粉を
溶液中に分散させる。さらにこの溶液を攪拌しつつ、溶
媒とは溶解するが、樹脂を溶解しない溶剤を添加するこ
とにより、樹脂を磁性粉の周りに析出させることができ
る。
【0048】例えば、樹脂としてアクリル酸−シランカ
ップリング剤のコポリマーを用い、溶媒としてアルコー
ルを使用したときに、溶剤として水を使用すればよい。
【0049】このようにして、白色(あるいは白に近い
色)に視認される磁性粒子が形成される。
【0050】この磁性粒子に着色する際には、例えば、
染料を溶解した液体あるいは顔料を分散させた液体中に
この磁性粒子を浸漬乾燥すればよい。
【0051】図3、および図4に本発明の磁性粒子の変
形例を示す(図1と同一符号については説明を省く)。
【0052】図3は、核が磁性粉を保持材料中に分散さ
せたものではなく、単独の磁性粉21をそのまま核とし
て使用したものである。また、酸化チタンなどの光散乱
粒子を核表面に付着させやすくするために、磁性粉21
表面に所望の樹脂を被覆した後に光散乱層7を形成して
も良い。
【0053】このように、単独の磁性紛21を核に用い
ると、磁性粒子11中の磁性紛の比率が高まるために、
磁性粒子11の磁気特性を向上させることが可能にな
る。
【0054】ただし、核は、通常磁性体の固まりを粉砕
して得られるものであるために、均一な球形にならない
ため、得られる磁性粒子の形状も不定形なものになって
しまう恐れがあり、その結果、光の入射角度によっては
光の散乱が十分に行われず、磁性粉の茶褐色が視認され
る可能性が高くなる。これに対し、図1に示す磁性粉を
分散させた核を使用した場合、核を球形に成形できるた
めに、光散乱粒子を核表面に均一に付着させることが可
能であり、光散乱のばらつきを抑えることができる。
【0055】図4に示される磁性粒子11は、光散乱層
7中に含有される光散乱粒子3が積層されている点で図
1と異なっている。
【0056】このようにすることで、照射光に対する光
散乱をより確実に行い、核6中の磁性粉1の茶褐色をよ
り視認しにくくすることが可能になる。ただし、光散乱
粒子3を積層すると、磁性粒子11中の光反射層7の比
率が大きくなり、磁性粉1の比率が少なくなるために、
磁気的な特性が低下する恐れがある。
【0057】このようなことから、光散乱層7の厚さが
2μm以内になる程度の範囲で高屈折率層を積層するこ
とが望ましい。
【0058】また、磁気的特性を考慮して、図3に示す
ように単独の磁性粉21を核とし、その表面に図4に示
すように光散乱粒子3を積層した光散乱層7を形成した
磁性粒子11としてもよい。
【0059】
【実施例】実施例1 磁性紛として平均粒径50nmのNiZnフェライトを
100g、保持材料を形成する樹脂原料モノマーとして
3官能アクリル化合物を50gをボールミル用のポット
に入れ、さらにシランカップリング剤としてアクリルプ
ロピルトリメトキシシラン1gを添加して、攪拌用ボー
ルと共に5日間連続で攪拌し、磁性粉をモノマー中に分
散させた混合物を得た。
【0060】攪拌用ボールを除去した後に乳化剤として
のジビニルベンゼン0.5gを混合物に加えて攪拌・溶
解した。
【0061】さらに、ポリビニルアルコールを1wt%
溶解させた水溶液200gを準備し、この水溶液中に乳
化剤を溶解した混合物を添加し、ホモジナイザーを用い
て混合物を水溶液中に分散させ、分散水を得た。
【0062】この分散水にメタクリル酸1gを添加溶解
させた後、分散水を10時間80℃に保持させてモノマ
ーを重合し、樹脂中にシランカップリング剤で処理され
た磁性粉を分散させた核を形成した。
【0063】核に対して濾過洗浄を繰り返し、乳化剤な
どの不純物を分散水から除去した、次に、水中に分散し
た平均粒径0.3μmの光散乱粒子である酸化チタン2
0gを、核が分散された分散水中に攪拌しながら入れ
て、80℃で5時間加熱・攪拌した。酸化チタン粒子は
核を形成する樹脂表面のカルボキシル基と強固に結合し
た。その後酸化チタンが結合した核に対して洗浄を繰り
返し余剰酸化チタンを除去し、最後にアルコール洗浄し
て乾燥させた。このアルコール洗浄時にシランカップリ
ング剤0.5wt%を溶解した溶液を用いた。これによ
り酸化チタン層の周りに樹脂製の結着剤が形成され、本
発明の磁性粒子を作成した。
【0064】作成した磁性粒子を観察したところ、わず
かに灰色がかった白色であった。
【0065】実施例2 磁性紛として粒径50nmのNiZnフェライトを10
0g、スチレン−メタクリル酸共重合ポリマー10gを
シクロヘキサノン200g中に分散させた。
【0066】攪拌しながら徐々に水を加えて、スチレン
−メタクリル酸共重合体ポリマーをフェライト表面に析
出させた。さらに攪拌を続け、析出したポリマーの平均
粒径が2μmになった時点で濾過・乾燥し、平均粒径2
μmで、樹脂中に磁性紛が分散された核を得た。
【0067】その後、実施例1と同様にして得られた核
の表面に、光散乱粒子および結着剤からなる光散乱層を
形成して本発明の磁性粒子を作成した。
【0068】作成した磁性粒子は、実施例1と同様にわ
ずかに灰色がかった白色であった。
【0069】実施例3 実施例1で作成した磁性粒子を青染料を1wt%溶解し
たアルコール溶液に10分間浸漬した後濾過乾燥するこ
とで染色した。
【0070】染色した磁性粒子をシランカップリング剤
蒸気に10分間晒し染料を固定し着色した磁性粒子を作
成した。着色された磁性粒子はくすみの無い青色であっ
た。
【0071】同様に、青色染料の代わりに赤色染料ある
いは黄色染料を用いて磁性粒子に着色を施した。着色さ
れた磁性粒子は、それぞれくすみの無い赤色、あるいは
黄色であった。
【0072】実施例4 実施例2で作成した磁性粒子に、実施例1と同様にして
青色染料で染色し、固定した。
【0073】得られた着色粒子はくすみの無い青色であ
った。
【0074】実施例5 γアクリルプロピルトリメトキシシラン、メタクリル酸
おのおの10gを90gエタノールに溶解してアゾ系開
始剤を用いて重合し共重合オリゴマーを作成した。平均
粒径4μmの磁性粉20gにオリゴマー溶液10gを加
え攪拌分散した。分散液を攪拌しながら少しづつ水10
0g添加してオリゴマー磁性粉表面に析出させた。安定
化のため80℃で30分加熱攪拌し、冷却静置して表面
処理した磁性粉を沈降させ、上澄み液を傾斜除去した。
新たに水を加えて攪拌静置して上澄み液を捨てる洗浄を
5回行った。酸化チタン5gを水中に分散させた液を加
え攪拌しながら80℃で1時間加熱し、冷却静置して酸
化チタン着き磁性粉を沈降させた。付着しない酸化チタ
ンの分散液を捨てた。余剰の酸化チタンを除去するため
に再度水に分散させ、攪拌しながらポリエチレン袋に磁
石を入れて分散液中に入れ、酸化チタンが付着した磁性
分のみを取り出した。これを4回繰り返し、余剰酸化チ
タン除去した。酸化チタン1層が付着した磁性粉を乾燥
し水分を除去した。これをさらに同様の方法でオリゴマ
ー処理、酸化チタン付着を繰り返し、酸化チタン層が5
層の磁性粉を作成した。この磁性粉は水中にあっても乾
燥した常態でも白色は酸化チタンとほとんど変わらない
ものであった。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
白色の磁性粒子を提供することが可能になり、ひいては
所望の色に着色できる磁性粒子を提供することが可能に
なる。また、この磁性粒子を使用することで、所望のデ
ザインの磁気記録媒体を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁性粒子の一例を示す断面図。
【図2】 本発明の磁気記録媒体の斜視図。
【図3】 本発明の磁性粒子の第1の変形例を示す断面
図。
【図4】 本発明の磁性粒子の第2の変形例を示す断面
図。
【符号の説明】
1…磁性粉 2…保持材料 3…光散乱粒子 5…結着剤 6…核 7…光散乱層 22…支持基体 23…記録層 24…デザイン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 照夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中井 豊 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2C005 HA06 HB01 JA01 KA15 5D006 BA07 BA08 DA01 FA00 5E040 AB03 BC01 CA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも磁性紛を有する核と、この核を
    被覆し、少なくとも光散乱粒子からなる光散乱層とを具
    備することを特徴とする磁性粒子。
  2. 【請求項2】前記核は、複数の前記磁性紛と、この複数
    の磁性紛を分散保持する保持材料とからなることを特徴
    とする請求項1記載の磁性粒子。
  3. 【請求項3】前記光散乱層は、前記光散乱粒子と、この
    光散乱粒子を覆い、この光散乱粒子よりも屈折率の小さ
    な結着剤を有することを特徴とする請求項1記載の磁性
    粒子。
  4. 【請求項4】樹脂中に磁性粉を分散させた核と、この核
    を被覆する酸化チタン粒子およびこの酸化チタン粒子を
    被覆する結着剤層からなる光散乱層とを具備することを
    特徴とする磁性粒子。
  5. 【請求項5】支持基体表面に、磁性粒子からなる磁気記
    録層を形成した磁気記録媒体において、 前記磁性粒子は、少なくとも磁性紛を有する核と、この
    核を被覆し、少なくとも光散乱粒子からなる光散乱層と
    を具備することを特徴とする磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001824A (ja) * 2010-06-14 2012-01-05 Toppan Printing Co Ltd スレッドおよび偽造防止用紙

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