JP2002015770A - 負極用炭素材料、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
負極用炭素材料、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 炭酸プロピレンを含有する電解液中でも安定
な充放電を行うことのできる黒鉛系負極材料を提供する
こと。 【解決手段】 電解液が少なくとも炭酸プロピレンを含
有するリチウムイオン二次電池負極用炭素材料、その製
造方法およびリチウムイオン二次電池。
な充放電を行うことのできる黒鉛系負極材料を提供する
こと。 【解決手段】 電解液が少なくとも炭酸プロピレンを含
有するリチウムイオン二次電池負極用炭素材料、その製
造方法およびリチウムイオン二次電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負極用炭素材料、
その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電
池に関する。
その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電気・電子機器の小型化および軽
量化に伴い、小型かつ軽量で高エネルギー密度の二次電
池の開発が急がれている。開発の成果の一環として、特
にコバルト酸リチウムなどを正極活物質とし、負極に炭
素材料を用いたリチウムイオン二次電池が注目され、特
に新規で有用な負極用炭素材料の探索が進められてい
る。
量化に伴い、小型かつ軽量で高エネルギー密度の二次電
池の開発が急がれている。開発の成果の一環として、特
にコバルト酸リチウムなどを正極活物質とし、負極に炭
素材料を用いたリチウムイオン二次電池が注目され、特
に新規で有用な負極用炭素材料の探索が進められてい
る。
【0003】これまでに提案されたリチウムイオン二次
電池負極用炭素材料を、結晶組織的な面から大別する
と、黒鉛系のものと炭化物系のものに分けられる。黒鉛
系のものを負極用炭素材料として用いた場合、初期サイ
クルにおける不可逆容量が小さい、放電電位が平坦であ
る、密度が大きく高容量であるという長所を有してい
る。一方、炭化物系のものを負極用炭素材料として用い
た場合、サイクル特性が良い、理論容量を越えた電池を
作製できる可能性があるが、初期サイクルにおける不可
逆容量が大きく、放電電位に平坦性がないという短所を
有している。
電池負極用炭素材料を、結晶組織的な面から大別する
と、黒鉛系のものと炭化物系のものに分けられる。黒鉛
系のものを負極用炭素材料として用いた場合、初期サイ
クルにおける不可逆容量が小さい、放電電位が平坦であ
る、密度が大きく高容量であるという長所を有してい
る。一方、炭化物系のものを負極用炭素材料として用い
た場合、サイクル特性が良い、理論容量を越えた電池を
作製できる可能性があるが、初期サイクルにおける不可
逆容量が大きく、放電電位に平坦性がないという短所を
有している。
【0004】一方で、リチウムイオン二次電池に用いる
電解液には、イオンの移動相としての役割をになうた
め、高い誘電率、分極率および電解塩の溶解性が要求さ
れ、同時に化学的・電気化学的安定性が要求される。一
般に、従来技術ではエステル・エーテル系の有機溶剤が
使用されている。これらの有機溶剤の内、イオン伝導
性、高沸点、低融点および高誘電率の点から、炭酸プロ
ピレンは、リチウムイオン二次電池の電解液溶媒として
好ましい性質を有している。
電解液には、イオンの移動相としての役割をになうた
め、高い誘電率、分極率および電解塩の溶解性が要求さ
れ、同時に化学的・電気化学的安定性が要求される。一
般に、従来技術ではエステル・エーテル系の有機溶剤が
使用されている。これらの有機溶剤の内、イオン伝導
性、高沸点、低融点および高誘電率の点から、炭酸プロ
ピレンは、リチウムイオン二次電池の電解液溶媒として
好ましい性質を有している。
【0005】しかしながら、負極に黒鉛を使用しかつ電
解液に炭酸プロピレンを用いた場合、黒鉛へのリチウム
イオンの挿入(充電)反応時に黒鉛表面上で、炭酸プロ
ピレンの分解が生じ、電池として充電できないという欠
点があった。このため黒鉛系材料を負極に用いる場合に
は、電解液として炭酸エチレンが用いられてきた。
解液に炭酸プロピレンを用いた場合、黒鉛へのリチウム
イオンの挿入(充電)反応時に黒鉛表面上で、炭酸プロ
ピレンの分解が生じ、電池として充電できないという欠
点があった。このため黒鉛系材料を負極に用いる場合に
は、電解液として炭酸エチレンが用いられてきた。
【0006】しかし、炭酸エチレンは融点38℃の固体
であり、通常、炭酸ジエチルなどの低粘性溶媒と混合し
て用いられる。しかし、炭酸エチレンは炭酸プロピレン
に比べ、特に低温時の電池性能が劣るなどの問題点もあ
る。また、電解液を高分子ゲルに吸収させたゲル電解質
型電池においては、イオン伝導性の向上のために、炭酸
プロピレンを混合することが好ましい。このために、炭
酸プロピレンを含有した電解液中でも使用できる負極用
黒鉛材料が望まれている。
であり、通常、炭酸ジエチルなどの低粘性溶媒と混合し
て用いられる。しかし、炭酸エチレンは炭酸プロピレン
に比べ、特に低温時の電池性能が劣るなどの問題点もあ
る。また、電解液を高分子ゲルに吸収させたゲル電解質
型電池においては、イオン伝導性の向上のために、炭酸
プロピレンを混合することが好ましい。このために、炭
酸プロピレンを含有した電解液中でも使用できる負極用
黒鉛材料が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした状況
の中でなされたものであり、その目的は、炭酸プロピレ
ンを含有する電解液中でも安定な充放電を行うことので
きる黒鉛系負極材料を提供することである。
の中でなされたものであり、その目的は、炭酸プロピレ
ンを含有する電解液中でも安定な充放電を行うことので
きる黒鉛系負極材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、炭素材料、特に黒
鉛にホウ素を含有させることが、上記課題の解決に非常
に有効であることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。すなわち、本発明は、ホウ素含有黒鉛からなるこ
とを特徴とする、電解液が少なくとも炭酸プロピレンを
含有するリチウムイオン二次電池負極用炭素材料、その
製造方法およびリチウムイオン二次電池を提供する。
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、炭素材料、特に黒
鉛にホウ素を含有させることが、上記課題の解決に非常
に有効であることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。すなわち、本発明は、ホウ素含有黒鉛からなるこ
とを特徴とする、電解液が少なくとも炭酸プロピレンを
含有するリチウムイオン二次電池負極用炭素材料、その
製造方法およびリチウムイオン二次電池を提供する。
【0009】本発明の炭素材料は、黒鉛系に属している
にも関わらず、ホウ素を含有することにより、従来、不
可能とされてきた炭酸プロピレン含有の電解液を用いる
リチウムイオン二次電池の負極材料として使用すること
ができる。
にも関わらず、ホウ素を含有することにより、従来、不
可能とされてきた炭酸プロピレン含有の電解液を用いる
リチウムイオン二次電池の負極材料として使用すること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。本発明において、前記
炭素材料におけるホウ素元素の好ましい含有量は0.1
〜20重量%、より好ましくは1〜5重量%である。こ
のようなホウ素濃度とすることにより、本発明の炭素材
料の効果を確実、かつ顕著なものとすることができる。
本発明をさらに詳細に説明する。本発明において、前記
炭素材料におけるホウ素元素の好ましい含有量は0.1
〜20重量%、より好ましくは1〜5重量%である。こ
のようなホウ素濃度とすることにより、本発明の炭素材
料の効果を確実、かつ顕著なものとすることができる。
【0011】また、本発明においては、前記ホウ素は、
炭素材料の表面に特異的に存在することが好ましい。す
なわち、X線光電子分光分析法で観測されるホウ素元素
が粒子の表面の黒鉛構造中に置換固溶したホウ素元素の
形で0.1〜5原子%存在し、さらに好ましくは0.1
〜0.5原子%存在する。一方で、窒化ホウ素として帰
属されるホウ素元素が0〜50原子%存在し、さらに好
ましくは0.1〜10原子%である。このように、黒鉛
粒子表面上に、特異的に存在するホウ素化合物によっ
て、本発明の炭素材料の効果をより一層確実かつ顕著な
ものなる。なお、本発明において上記「表面」とは、X
線光電子分光分析法において光電子の反射が観測され
る、つまり表層から10Å程度まで、黒鉛層面では2〜
3層までを意味する。
炭素材料の表面に特異的に存在することが好ましい。す
なわち、X線光電子分光分析法で観測されるホウ素元素
が粒子の表面の黒鉛構造中に置換固溶したホウ素元素の
形で0.1〜5原子%存在し、さらに好ましくは0.1
〜0.5原子%存在する。一方で、窒化ホウ素として帰
属されるホウ素元素が0〜50原子%存在し、さらに好
ましくは0.1〜10原子%である。このように、黒鉛
粒子表面上に、特異的に存在するホウ素化合物によっ
て、本発明の炭素材料の効果をより一層確実かつ顕著な
ものなる。なお、本発明において上記「表面」とは、X
線光電子分光分析法において光電子の反射が観測され
る、つまり表層から10Å程度まで、黒鉛層面では2〜
3層までを意味する。
【0012】また、上記本発明の炭素材料は、ホウ素ま
たはホウ素化合物を含有する炭素材料、あるいはホウ素
またはホウ素化合物を炭素材料と混合して熱処理するこ
とによって得られる。ここで、添加するホウ素源として
は炭化ホウ素、酸化ホウ素、ホウ酸、窒化ホウ素など、
ホウ素を含有していれば特に制限されるものではない。
さらに、炭素質材料も、コークスやコールタールピッ
チ、石油系ピッチ、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性高分
子の炭化物など一般的な炭素源であれば特に制限される
ものではない。熱処理は窒素やアルゴンなどの不活性気
体雰囲気で行い、その処理温度は2000℃以上が好ま
しく、さらには2400℃以上が好ましく、特に280
0℃以上がさらに好ましい。処理時間は、処理温度など
によっても異なるが、一般的には10分間〜30時間で
あり、さらには30分間〜10時間であり、特に4〜8
時間が好ましい。また、得られる黒鉛中のホウ素濃度
は、添加するホウ素源量、熱処理温度、熱処理時間によ
って適宜調整できる。
たはホウ素化合物を含有する炭素材料、あるいはホウ素
またはホウ素化合物を炭素材料と混合して熱処理するこ
とによって得られる。ここで、添加するホウ素源として
は炭化ホウ素、酸化ホウ素、ホウ酸、窒化ホウ素など、
ホウ素を含有していれば特に制限されるものではない。
さらに、炭素質材料も、コークスやコールタールピッ
チ、石油系ピッチ、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性高分
子の炭化物など一般的な炭素源であれば特に制限される
ものではない。熱処理は窒素やアルゴンなどの不活性気
体雰囲気で行い、その処理温度は2000℃以上が好ま
しく、さらには2400℃以上が好ましく、特に280
0℃以上がさらに好ましい。処理時間は、処理温度など
によっても異なるが、一般的には10分間〜30時間で
あり、さらには30分間〜10時間であり、特に4〜8
時間が好ましい。また、得られる黒鉛中のホウ素濃度
は、添加するホウ素源量、熱処理温度、熱処理時間によ
って適宜調整できる。
【0013】また、本発明のリチウムイオン電池は、正
極と、負極と、電解液とを必須の構成要素とし、負極材
料として前記本発明の炭素材料を使用し、かつ電解液の
少なくとも一部として炭酸プロピレンを用いることを特
徴としており、他の構成は従来公知の構成でよい。ま
ず、電池の電極板を形成する活物質は、少なくとも活物
質と結着剤(バインダー)とからなる電極塗工液から形
成される。負極の活物質として、上記した本発明の炭素
材料を使用する。一方、正極の活物質としては、たとえ
ば、LiCoO2、LiMn2O4などのリチウム酸化
物、TiS2、MnO 2、MoO3、V2O5などのカルコ
ゲン化合物のうちの一種、あるいはこれらの複数種を組
み合わせて用いる。この結果、4ボルト程度の高い放電
電圧のリチウムイオン二次電池が得られる。
極と、負極と、電解液とを必須の構成要素とし、負極材
料として前記本発明の炭素材料を使用し、かつ電解液の
少なくとも一部として炭酸プロピレンを用いることを特
徴としており、他の構成は従来公知の構成でよい。ま
ず、電池の電極板を形成する活物質は、少なくとも活物
質と結着剤(バインダー)とからなる電極塗工液から形
成される。負極の活物質として、上記した本発明の炭素
材料を使用する。一方、正極の活物質としては、たとえ
ば、LiCoO2、LiMn2O4などのリチウム酸化
物、TiS2、MnO 2、MoO3、V2O5などのカルコ
ゲン化合物のうちの一種、あるいはこれらの複数種を組
み合わせて用いる。この結果、4ボルト程度の高い放電
電圧のリチウムイオン二次電池が得られる。
【0014】これらの活物質は、形成された塗工膜中に
均一に分散されるようにすることが好ましい。このため
には、正および負の活物質として、1〜100μmの範
囲の粒径を有する平均粒径が5〜40μm程度、さらに
好ましくは10〜25μm程度の粉体を用いるのが好ま
しい。
均一に分散されるようにすることが好ましい。このため
には、正および負の活物質として、1〜100μmの範
囲の粒径を有する平均粒径が5〜40μm程度、さらに
好ましくは10〜25μm程度の粉体を用いるのが好ま
しい。
【0015】また、活物質層を形成する際に使用する結
着剤としては、たとえば、熱可塑性樹脂、すなわち、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、
セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹
脂、フッ素系樹脂およびポリイミド樹脂などから適宜に
選択して使用することができる。
着剤としては、たとえば、熱可塑性樹脂、すなわち、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル酸エス
テル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、
セルロース樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリビニル樹
脂、フッ素系樹脂およびポリイミド樹脂などから適宜に
選択して使用することができる。
【0016】上記のような材料からなる電極板を構成す
る活物質層は、以下のような方法によって作成される。
まず、上記の材料から適宜に選択された結着剤と、微粉
末の活物質とを適当な分散媒を用いて混練あるいは分散
溶解して、電極用の塗工液を作製する。次に、得られた
塗工液を集電体上に塗工する。塗工する方法としては、
たとえば、グラビア、グラビアリバース、ダイコートお
よびスライドコートなどの方式を用いるとよい。その
後、塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経て、集電
体上に所望の膜厚の活物質層を形成して正および負の電
極板とする。この際、電極板に用いられる集電体として
は、たとえば、アルミニウム、銅などの金属箔が好まし
い。また、金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度
のものを用いることが好ましい。
る活物質層は、以下のような方法によって作成される。
まず、上記の材料から適宜に選択された結着剤と、微粉
末の活物質とを適当な分散媒を用いて混練あるいは分散
溶解して、電極用の塗工液を作製する。次に、得られた
塗工液を集電体上に塗工する。塗工する方法としては、
たとえば、グラビア、グラビアリバース、ダイコートお
よびスライドコートなどの方式を用いるとよい。その
後、塗工した塗工液を乾燥させる乾燥工程を経て、集電
体上に所望の膜厚の活物質層を形成して正および負の電
極板とする。この際、電極板に用いられる集電体として
は、たとえば、アルミニウム、銅などの金属箔が好まし
い。また、金属箔の厚さとしては、10〜30μm程度
のものを用いることが好ましい。
【0017】以上のように作製した正極および負極の電
極板を用いて、リチウムイオン二次電池を作製する場合
には、電解液として、溶質のリチウム塩を、少なくとも
炭酸プロピレンを含む有機溶媒に溶かした非水電解液が
用いられる。電解液は炭酸プロピレン単独でもよいし、
他の有機溶媒との混合物でもよい。混合物として用いる
場合には、前電解液中において炭酸プロピレンが全電極
液中で1〜80モル%、特に10〜40モル%の範囲に
おいて本発明の目的が最良に達成される。
極板を用いて、リチウムイオン二次電池を作製する場合
には、電解液として、溶質のリチウム塩を、少なくとも
炭酸プロピレンを含む有機溶媒に溶かした非水電解液が
用いられる。電解液は炭酸プロピレン単独でもよいし、
他の有機溶媒との混合物でもよい。混合物として用いる
場合には、前電解液中において炭酸プロピレンが全電極
液中で1〜80モル%、特に10〜40モル%の範囲に
おいて本発明の目的が最良に達成される。
【0018】炭酸プロピレンの使用割合が高い程、得ら
れた電池の低温特性が向上するが、使用割合が多すぎる
と放電容量および充放電効率の著しい低下が起こり、実
用に適さない場合がある。
れた電池の低温特性が向上するが、使用割合が多すぎる
と放電容量および充放電効率の著しい低下が起こり、実
用に適さない場合がある。
【0019】炭酸プロピレンと併用できる有機溶媒とし
ては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル
類、鎖状エーテル類などが挙げられる。具体的には、た
とえば、環状エステル類としては、炭酸エチレンなどを
用いることができ、また、鎖状エステル類としては、炭
酸ジエチルなどを用いることができ、また、環状エーテ
ル類としては、テトラヒドロフランなどを用いることが
できる。また、鎖状エーテル類としては、1,2−ジメ
トキシエタンなどを用いることができる。特に本発明に
おいては、炭酸エチレン及び炭酸ジエチルなどが好まし
い。
ては、環状エステル類、鎖状エステル類、環状エーテル
類、鎖状エーテル類などが挙げられる。具体的には、た
とえば、環状エステル類としては、炭酸エチレンなどを
用いることができ、また、鎖状エステル類としては、炭
酸ジエチルなどを用いることができ、また、環状エーテ
ル類としては、テトラヒドロフランなどを用いることが
できる。また、鎖状エーテル類としては、1,2−ジメ
トキシエタンなどを用いることができる。特に本発明に
おいては、炭酸エチレン及び炭酸ジエチルなどが好まし
い。
【0020】また、上記の有機溶媒と共に非水電解液を
形成する溶質のリチウム塩としてはLiClO4、Li
BF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr
などの無機リチウム塩、およびLiB(C6H5)4、L
iN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiO
SO2CF3、LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、
LiOSO2C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2
C6F13、LiOSO2C 7F15などの有機リチウム塩な
どが用いられる。
形成する溶質のリチウム塩としてはLiClO4、Li
BF4、LiPF6、LiAsF6、LiCl、LiBr
などの無機リチウム塩、およびLiB(C6H5)4、L
iN(SO2CF3)2、LiC(SO2CF3)3、LiO
SO2CF3、LiOSO2C2F5、LiOSO2C3F7、
LiOSO2C4F9、LiOSO2C5F11、LiOSO2
C6F13、LiOSO2C 7F15などの有機リチウム塩な
どが用いられる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 <実施例1>コールタールピッチに炭化ホウ素5重量%
加え、軟化点350℃程度に重質化処理を行った後に、
粒径20μm程度に粉砕し、空気中で300℃程度まで
の酸化による不融化処理を経た後に、常法に従い、窒素
雰囲気下、1000℃での炭化、アルゴン雰囲気下、2
800℃での黒鉛化を行った。得られたホウ素含有黒鉛
に含まれるホウ素は1.8重量%であり、X線光電子分
光分析法による黒鉛表面の置換固溶ホウ素は0.3原子
%、黒鉛表面の窒化ホウ素は0.9原子%であった。
本発明はこれに限定されるものではない。 <実施例1>コールタールピッチに炭化ホウ素5重量%
加え、軟化点350℃程度に重質化処理を行った後に、
粒径20μm程度に粉砕し、空気中で300℃程度まで
の酸化による不融化処理を経た後に、常法に従い、窒素
雰囲気下、1000℃での炭化、アルゴン雰囲気下、2
800℃での黒鉛化を行った。得られたホウ素含有黒鉛
に含まれるホウ素は1.8重量%であり、X線光電子分
光分析法による黒鉛表面の置換固溶ホウ素は0.3原子
%、黒鉛表面の窒化ホウ素は0.9原子%であった。
【0022】このホウ素含有黒鉛粉末に、ポリビニリデ
ンフルオライド10重量%と溶剤としてN−メチルピロ
リジンを用いてペースト状にし、銅箔上に塗布し、減圧
化150℃で乾燥して炭素電極を得た。対極にはリチウ
ム金属箔を用い電解液として炭酸プロピレン:炭酸エチ
レン:炭酸ジエチルの等モル混合液に電解塩として6フ
ッ化リンリチウム塩を1mol/リットルの濃度に溶解
した電解液を用い、セパレータにはポリプロピレン製多
孔質膜を用いた。上記炭素電極、リチウム電極、電解液
およびセパレータを用いてビーカーセル型リチウムイオ
ン二次電池を作製した。
ンフルオライド10重量%と溶剤としてN−メチルピロ
リジンを用いてペースト状にし、銅箔上に塗布し、減圧
化150℃で乾燥して炭素電極を得た。対極にはリチウ
ム金属箔を用い電解液として炭酸プロピレン:炭酸エチ
レン:炭酸ジエチルの等モル混合液に電解塩として6フ
ッ化リンリチウム塩を1mol/リットルの濃度に溶解
した電解液を用い、セパレータにはポリプロピレン製多
孔質膜を用いた。上記炭素電極、リチウム電極、電解液
およびセパレータを用いてビーカーセル型リチウムイオ
ン二次電池を作製した。
【0023】<比較例1>また、同様に炭酸プロピレン
を含有しない電解液(炭酸エチレン:炭酸ジエチル等モ
ル混合物)を用いる以外は実施例1と同様にビーカーセ
ル型リチウムイオン二次電池を作製した。 <比較例2>コールタールピッチにホウ素源となるホウ
素化合物を添加することなく、重質化処理ならびに炭化
黒鉛化して得られた黒鉛材料を用いた以外は実施例1と
同様にして電池を作製した。 <比較例3>また、比較例1と同様に炭酸プロピレンを
含有しない電解液(炭酸エチレン:炭酸ジエチル等モル
混合物)を用いて比較例2と同様にしてビーカーセル型
リチウムイオン二次電池を作製した。
を含有しない電解液(炭酸エチレン:炭酸ジエチル等モ
ル混合物)を用いる以外は実施例1と同様にビーカーセ
ル型リチウムイオン二次電池を作製した。 <比較例2>コールタールピッチにホウ素源となるホウ
素化合物を添加することなく、重質化処理ならびに炭化
黒鉛化して得られた黒鉛材料を用いた以外は実施例1と
同様にして電池を作製した。 <比較例3>また、比較例1と同様に炭酸プロピレンを
含有しない電解液(炭酸エチレン:炭酸ジエチル等モル
混合物)を用いて比較例2と同様にしてビーカーセル型
リチウムイオン二次電池を作製した。
【0024】<比較例4>天然黒鉛材料を用いた以外は
実施例1と同様にして電池を作製した。 <比較例5>また、比較例3と同様に炭酸プロピレンを
含有しない電解液(炭酸エチレン:炭酸ジエチル等モル
混合物)を用いて比較例4と同様にしてビーカーセル型
リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例1と同様にして電池を作製した。 <比較例5>また、比較例3と同様に炭酸プロピレンを
含有しない電解液(炭酸エチレン:炭酸ジエチル等モル
混合物)を用いて比較例4と同様にしてビーカーセル型
リチウムイオン二次電池を作製した。
【0025】以上の如く作成した実施例および比較例の
それぞれの電池の特性(評価温度:25℃)を表1に示
す。
それぞれの電池の特性(評価温度:25℃)を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】表1から分かるように、本発明で得られた
炭素材料を用い、電解液に炭酸プロピレンを含有する実
施例1は、炭酸プロピレンを含有しない場合(比較例
1)と比べ、放電容量および充放電効率ともに変化がな
く、本発明の炭素材料は炭酸プロピレンの存在下にあっ
ても実用電池として使用可能であることを示している。
炭素材料を用い、電解液に炭酸プロピレンを含有する実
施例1は、炭酸プロピレンを含有しない場合(比較例
1)と比べ、放電容量および充放電効率ともに変化がな
く、本発明の炭素材料は炭酸プロピレンの存在下にあっ
ても実用電池として使用可能であることを示している。
【0028】一方、ホウ素を含有しない人造黒鉛である
比較例2および3は、炭酸プロピレンを含有する電解液
を用いた場合には炭酸プロピレンを含有しない電解液を
用いた場合に比較して、放電容量の低下と、著しい充放
電効率の低下を示し、また、電池性能を見ても実用的な
使用は不可能である。同様に、ホウ素を含有しない天然
黒鉛を用いた比較例4および5においても、炭酸プロピ
レンを含有する電解液を用いた場合、著しい充放電効率
の低下が起こり、実用的な使用は不可能であった。
比較例2および3は、炭酸プロピレンを含有する電解液
を用いた場合には炭酸プロピレンを含有しない電解液を
用いた場合に比較して、放電容量の低下と、著しい充放
電効率の低下を示し、また、電池性能を見ても実用的な
使用は不可能である。同様に、ホウ素を含有しない天然
黒鉛を用いた比較例4および5においても、炭酸プロピ
レンを含有する電解液を用いた場合、著しい充放電効率
の低下が起こり、実用的な使用は不可能であった。
【0029】
【発明の効果】以上の通り、本発明のホウ素含有黒鉛を
用いた電池は、電解液に炭酸プロピレンを混合した場合
においても性能劣化のない電池性能を示し、従って本発
明によれば、炭酸プロピレンを用いることによる低温特
性改良など、高性能リチウムイオン二次電池を提供でき
る。
用いた電池は、電解液に炭酸プロピレンを混合した場合
においても性能劣化のない電池性能を示し、従って本発
明によれば、炭酸プロピレンを用いることによる低温特
性改良など、高性能リチウムイオン二次電池を提供でき
る。
フロントページの続き (72)発明者 村上 一幸 東京都千代田区九段北四丁目1−3 アド ケムコ株式会社内 Fターム(参考) 4G046 EA02 EA06 EB02 EB04 EC02 EC06 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL06 AM03 AM05 AM07 CJ02 CJ08 DJ16 HJ01 HJ10 5H050 AA02 AA07 BA17 CA08 CB07 EA10 EA24 FA17 GA02 GA10 HA01 HA10
Claims (7)
- 【請求項1】 ホウ素含有黒鉛からなることを特徴とす
る、電解液が少なくとも炭酸プロピレンを含有するリチ
ウムイオン二次電池負極用炭素材料。 - 【請求項2】 電解液が、1〜80モル%の炭酸プロピ
レンを含有する請求項1に記載の負極用炭素材料。 - 【請求項3】 ホウ素元素の含有量が0.1〜20重量
%である請求項1または2に記載の負極用炭素材料。 - 【請求項4】 炭素材料表面において、X線光電子分光
分析にて検出されるホウ素元素の割合が、置換固溶ホウ
素として0.1〜5原子%であり、窒化ホウ素として0
〜50原子%である請求項1〜3の何れか1項に記載の
負極用炭素材料。 - 【請求項5】 ホウ素またはホウ素化合物を含有する炭
素材料、あるいはホウ素またはホウ素化合物を炭素材料
と混合して熱処理することを特徴とする請求項1〜4の
何れか1項に記載の負極用炭素材料の製造方法。 - 【請求項6】 正極と、負極と、電解液とを必須の構成
要素とするリチウムイオン二次電池において、負極が請
求項1〜4の何れか1項に記載の炭素材料からなり、か
つ電解液が少なくとも炭酸プロピレンを含有することを
特徴とするリチウムイオン二次電池。 - 【請求項7】 電解液が、1〜80モル%の炭酸プロピ
レンを含有する請求項6に記載のリチウムイオン二次電
池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000196169A JP2002015770A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | 負極用炭素材料、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000196169A JP2002015770A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | 負極用炭素材料、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002015770A true JP2002015770A (ja) | 2002-01-18 |
Family
ID=18694716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000196169A Pending JP2002015770A (ja) | 2000-06-29 | 2000-06-29 | 負極用炭素材料、その製造方法およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002015770A (ja) |
-
2000
- 2000-06-29 JP JP2000196169A patent/JP2002015770A/ja active Pending
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