JP2002015126A - 求償債権についての回収見込額算定装置,方法および回収見込額算定処理のためのプログラムを記録した媒体 - Google Patents

求償債権についての回収見込額算定装置,方法および回収見込額算定処理のためのプログラムを記録した媒体

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JP2002015126A
JP2002015126A JP2000198407A JP2000198407A JP2002015126A JP 2002015126 A JP2002015126 A JP 2002015126A JP 2000198407 A JP2000198407 A JP 2000198407A JP 2000198407 A JP2000198407 A JP 2000198407A JP 2002015126 A JP2002015126 A JP 2002015126A
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敏春 柘植
Osamu Ono
修 大野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 求償債権の回収見込額算出処理の自動化によ
る業務効率の向上を図る。 【構成】 求償債権に関連する情報を保有するテーブル
を参照し,メモリ領域を利用して各債務者毎に求償債権
の回収見込額を算出する。求償債権の債務者に関連する
情報は債務者テーブルに,求償債権に関連する情報は求
償債権テーブルに,物件に関連する情報は物件テーブル
に,物件の権利に関連する情報は物件権利テーブルに,
物件と求償債権の関係は物件INDEXテーブルに,抵当権
に関連する情報は担保設定テーブルに登録される。これ
らの情報を元に,抵当権番号展開領域を用いて回収見込
額を算出するための抵当権番号の順序を決定する。次い
で,回収見込額算出領域,求償債権残高領域を用いて回
収見込額の算出を抵当権毎に行う。算出された回収見込
額に応じて先順位控除額領域の先順位控除額を書き替え
る。回収見込額算出領域において抵当権毎に算出された
回収見込額は担保設定テーブルに,回収見込額の合計値
は債務者テーブルにそれぞれ記憶される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は求償債権についての回収見込額
を算出する処理を行うための装置(コンピュータ),方
法およびプログラムを記録した媒体に関する。
【0002】
【背景技術】銀行等,金融機関が貸与したローン等の金
銭が債務不履行となり,(たとえばスケジュール通りに
返済されなくなった場合)保証会社等の第三者(保証
人)が債務の弁済を行うことがある。債務を弁済した保
証人は,支出した金額の全部または一部を,それを負担
すべき者(債務者)に請求できる権利である求償権を持
つ。保証人(債権者)は求償権に基づき債権の回収を行
うことができる。保証人の求償権に基づく債権を求償債
権と呼ぶ。
【0003】従来,求償債権で回収が見込まれる金額
(回収見込額)は紙に印字された,または記入されたデ
ータを参照しながら,回収状況が変わるごとに,手計算
によって求められていた。そのため,抵当権に関する権
利関係が複雑に絡んだ場合等は,その計算の作業は非常
に煩雑なものとなる。
【0004】
【発明の開示】この発明は求償債権についての回収見込
額の算出処理の効率化を図ることを目的とする。
【0005】この発明は,回収見込額の算出をコンピュ
ータを用いて行うために,コンピュータを制御するため
のプログラムを記憶した媒体を提供している。この発明
はまた,上記プログラムにしたがってコンピュータが実
行する処理の手順を示す方法,および上記プログラムが
インストールされた装置(コンピュータ)もまた提供し
ている。この発明を,上記プログラムにしたがってコン
ピュータが実行する処理の手順の観点から述べると次の
ようになる。
【0006】この発明は,債権者の持つーまたは複数の
求償債権についての回収見込額を,それに関連する抵当
権に基づいて算出するものである(求償債権にはそれを
識別するための番号が付いている)。
【0007】すなわち,債務者の所有する一または複数
の物件にはそれぞれ一または複数の抵当権が設定されて
いる(物件および抵当権にはそれらを識別するための番
号がそれぞれ付いている)。物件にはそれぞれ評価額が
設定されている。抵当権にはそれぞれ担保設定額が設定
されている。
【0008】この発明はすべての物件がその評価額で売
却できた場合の回収額を回収見込額として算出する。し
かしながら,各抵当権に基づく回収見込額は各抵当権の
担保設定額を超えることはない。また,一つの物件に複
数の抵当権が設定されているときにはこれらの抵当権に
ついての権利順位がある。もし,債権者以外の者が債権
者よりも上位の権利順位をもつ抵当権を有していた場合
には,当該債権者は,上位の権利順位の抵当権の担保設
定額の金額を物件評価額から差し引いた金額の範囲でし
か回収することはできない。さらに,各求償債権につい
ての回収見込額は,各求償債権の残高を超えることはな
い。
【0009】発明者らが検討を重ねた結果,コンピュー
タ上で回収見込額を計算する場合には,求償債権ごとに
算出するよりは,抵当権(担保設定)ごとに回収見込額
を算出する方が,回収見込額を正確に求められる可能性
が高いことが分った。この発明では,抵当権に着目し
て,抵当権ごとの回収見込額を算出する。
【0010】ユーザはコンピュータにさまざまなデータ
を入力する。求償債権の特定とその残高に関するデー
タ,物件の特定とその評価額に関するデータ,物件に設
定された抵当権の特定と,その権利者,権利順位,担保
設定額に関するデータ,求償債権と抵当権とを結びつけ
るデータなどである。
【0011】これらの入力データに基づいて,コンピュ
ータ内のメモリに次のようなテーブルを作成する。債権
者の持つ求償債権ごとにその求償債権残高を記憶した求
償債権テーブル債務者の持つ物件ごとにその評価額を記
憶した物件テーブル上記物件と,その物件に設定された
抵当権と,抵当権に関連する求償債権とを相互に関連づ
けた物件インデックステーブル上記物件ごとに,その物
件に設定された抵当権のそれぞれについて,抵当権の権
利者が上記債権者であるかどうかを示すデータと,担保
設定額と,抵当権の権利順位とを記憶するとともに,そ
の物件について上記債権者以外の者が上記債権者よりも
権利順位が上位のものとして設定されている抵当権の担
保設定額の合計である先順位控除額合計を記憶した物件
権利テーブル
【0012】上述のように抵当権ごとに回収見込額を算
出するが,回収見込額をできるだけ正確にかつ高額にな
るように計算するために,計算の順序を決定する。すな
わち,物件権利テーブルに基づいて,メモリ領域に,各
物件について抵当権をその権利順位にしたがって配列す
ることにより,抵当権について,権利順位の高い順に計
算順序を決定する。複数の物件について同一の抵当権が
存在するときには,権利順位の低い方と同じ位置になる
ように配列する。
【0013】決定された計算順序の一番目の抵当権に着
目する。その抵当権に関連する担保設定額,その抵当権
に関連する物件の評価額合計から先順位債権額合計を減
算した金額,およびその抵当権に関連する求償債権残高
合計を比較して,その最も金額の少ないものを,その抵
当権についての回収見込額とする(第1の回収見込額算
出処理)。
【0014】この第1の回収見込額算出処理によって算
出された回収見込額を,当額抵当権に関連する求償債権
残高から減算して求償債権残高を更新する。当該抵当権
に複数の求償債権残高が結びついているときには,順次
各求償債権残高から減算していく。更新した求償債権残
高はメモリ領域に記憶しておく。
【0015】決定された計算順序の次の抵当権につい
て,既に回収見込額が算出された抵当権が上位にある場
合には回収見込額を先順位控除額合計に加算した上で
(または回収見込額を評価額から減算した上で),順次
上記第1の回収見込額算出処理による回収見込額の算出
を繰返す。
【0016】最後に,上記第1の回収見込額算出処理に
よって算出されたすべての回収見込額を加算して最終的
な回収見込額を算出する(第2の回収見込額算出処
理)。
【0017】このようにして,必要なデータさえ入力す
れば,適切な回収見込額が自動的に算定される。
【0018】
【実施例】図1の例を参照して,求償債権システムにお
ける回収見込額算出処理(以下,本処理と呼ぶ)の概要
について説明する。
【0019】求償債権システムは,一般的には,求償債
権を回収する会社(以下「X社」とする)に置かれる。
X社は,債務者「特許太郎」に対して,3つの求償債権
を持っているものとする。これらを,求償債権(A)
(残高は15円),求償債権(B)(残高は60円),およ
び求償債権(C)(残高は70円)とする(分かりやすく
するために極めて低額の金額を例示する)。求償債権
(A)については,2つの抵当権(担保設定)(これら
を抵当権番号01,02とする)が存在する。求償債権
(B)については,1つの抵当権(担保設定)(抵当権
番号03)が存在する。求償債権(C)については,2つ
の抵当権(担保設定)(抵当権番号03,04)が存在す
る。
【0020】抵当権番号01は求償債権(A)と物件1
(世田谷区)とを関連付けるものであり,物件1の評価
額は50円である。表1に示すように,物件1には2つの
抵当権が設定されている。第一順位の抵当権者はX社以
外の「他社」であり,その担保設定額は45円である。第
二順位の抵当権者がX社であり,その担保設定額は20円
である(これが抵当権番号01のものである)。
【0021】抵当権番号02は求償債権(A)と物件2
(目黒区)とを関連付けるものであり,物件2の評価額
は40円である。表2に示すように,物件2には2つの抵
当権が設定されている。第一順位の抵当権者はX社(抵
当権番号02)であり,その担保設定額は30円である。第
二順位の抵当権者もX社(抵当権番号03)であり,その
担保設定額は80円である。
【0022】抵当権番号03は求償債権(B)と二つの物
件,すなわち物件2(目黒区)および物件3(墨田区)
とを関連付けるものである。物件2については,上述し
た通りである。物件3の評価額は200円である。表3に
示すように,物件3には3つの抵当権が設定されてい
る。第一順位の抵当権者(権利者)はX社(抵当権番号
03)であり,その担保設定額は80円である。第二順位の
抵当権者はX社以外の「他社」であり,その担保設定額
は120円である。第三順位の抵当権者はX社(抵当権番
号04)であり,その担保設定額は90円である。抵当権番
号04は求償債権(C)と物件3とを関連付けるものであ
る。各求償債権(A)〜(C)のそれぞれの回収見込額
が後に示すように自動的に算出されることになる。
【0023】求償債権システムは通常のコンピュータ,
たとえばパーソナルコンピュータにより構成される。こ
のコンピュータは表示装置,キーボード,マウス等の
入,出力装置を備え,後に詳述する求償債権処理プログ
ラムに従って回収見込み額の自動算出等の処理を行う。
このプログラムは,コンピュータの記憶装置(ハードデ
ィスク,半導体メモリなど)に格納(インストール)さ
れている。
【0024】コンピュータの記憶装置には,債務者テー
ブル(図2(A),(B)),求償債権テーブル(図
3),物件テーブル(図4),物件権利テーブル(図
5),物件INDEXテーブル(図6(A),(B))およ
び担保設定テーブル(図7(A),(B),(C))が設けら
れている。図2(A),(B),図6(A),(B)およ
び図7(A),(B),(C)はテーブルに書込まれた
データの変化を示すものである。
【0025】債務者テーブル(図2)は,債務者ごとに
自動的に採番される債務者番号,債務者名,代弁額合計
(金額),求償債権残高合計(金額),評価額合計(金
額),先順位控除額合計(または先順位債権額合計)
(金額),回収見込み額合計(金額)および担保設定額
合計(金額)を記憶するものである。
【0026】求償債権テーブル(図3)は,債務者番
号,求償債権番号,代位弁済額および求償債権残高を記
憶するものである。
【0027】物件テーブル(図4)は,債務者番号,物
件番号,物件評価額および売却済フラグを記憶するもの
である。
【0028】物件権利テーブル(図5)は,債務者番
号,物件番号,権利順位,権利者,当社フラグ,担保設
定額および抵当権番号を順位1位〜20位まで記憶すると
ともに,先順位控除額合計(または先順位債権額合計)
(金額)および担保設定額合計(金額)を記憶するもの
である。
【0029】物件INDEXテーブル(図6)は,債務
者番号,求償債権番号,物件INDEX番号,抵当権番
号,物件番号および配分順序を記憶するものである。
【0030】担保設定テーブル(図7)は,債務者番
号,抵当権番号,担保設定額,回収見込み額(自動),
回収見込み額(自動)設定日および計算順序を記憶する
ものである。
【0031】図8は求償債権処理プログラムに従うコン
ピュータの処理の流れの全体を示すフローチャートであ
る。
【0032】まず,ユーザ(X社の社員)は,債務者
「特許太郎」に関する情報を各テーブルに入力する(ス
テップ10)。債務者テーブル(図2(A))に関して,
まず債務者の属性として,債務者名「特許太郎」を入力
する。債務者番号は連番で自動的に採番される(ここで
は債務者番号を「1」とする)。債務者テーブルの他の
欄は,後述するように,他のテーブルへの入力データに
基づいて算出され,記憶される。
【0033】次に求償債権テーブル(図3)へのデータ
の入力に進む。表示画面上で対象債務者として「特許太
郎」を選択し,求償債権番号「A」,「B」および
「C」ならびにそれらにそれぞれ対応する代位弁済額
「15(円)」,「60(円)」および「70(円)」を入力
する。債務者としては「特許太郎」を選択しているた
め,債務者番号については自動的に「1」が記憶され
る。また,求償債権テーブルの初期登録時には,入力さ
れた代位弁済額が自動的に求償債権残高となる(回収が
発生したら,求償債権残高はその分,減算される)。以
上により,図3の通りのデータが求償債権テーブルに記
憶される。
【0034】代位弁済額の合計金額「15+60+70(円)
=145(円)」,および求償債権残高の合計金額「15+6
0+70(円)=145(円)」がそれぞれ算出され,債務者
テーブルの代弁額合計(金額)および求償債権残高(金
額)の欄にそれぞれ記憶される(図2(A)参照)。
【0035】物件テーブル(図4)についても,対象債
務者として「特許太郎」を選択し,自動的に採番される
物件番号「1」,「2」および「3」にそれぞれ対応す
る物件1,2および3の評価額「50(円)」,「40
(円)」および「200(円)」を入力する。「特許太
郎」を選択しているため,債務者番号としては自動的に
「1」が記憶される。また,物件テーブルの初期登録時
には売却済フラグが自動的に「0」となる(物件の売却
が入力されるとその物件についての売却済フラグが自動
的に「1」となる)。以上により,図4の通りのデータ
が物件テーブルに記憶される。
【0036】物件評価額の合計値「50+40+200(円)
=290(円)」が算出され,債務者テーブルの評価額合
計(金額)の欄に記憶される(図2(A)参照)。
【0037】物件権利テーブル(図5)には物件毎の権
利関係を入力する。まず,債務者を特定する。その債務
者の持つ求償債権に関連付けられた物件を特定する。物
件ごとに,権利順位,権利者,担保設定額および抵当権
番号を入力する。上述の例に従うと,具体的には次の通
りである。
【0038】対象債務者として「特許太郎」を,対象物
件として物件「1」をそれぞれ選択する。物件1には2
つの抵当権が設定されている。そこで,権利順位(1)
として「1」を,権利者(1)として「他社」を,担保
設定額(1)として「45(円)」を,抵当権番号(1)
として「51」を入力する。また,権利順位(2)として
「2」を,権利者(2)として「当社」(X社)を,担
保設定額(2)として「20(円)」を,抵当権番号
(2)として「01」を入力する。債務者番号および物件
番号は現在選択している債務者番号「1」および物件番
号「1」がそれぞれ自動的に記憶される。権利者が「当
社」(X社)の場合には当社フラグが「1」,「他社」
の場合には「0」がそれぞれ自動的に設定される。先順
位控除額合計には,他社の担保設定額の合計金額「45
(円)」が,担保設定額合計には,当社の担保設定額の
合計金額「20(円)」がそれぞれ記憶される。
【0039】次に,対象債務者として「特許太郎」を,
対象物件として物件「2」をそれぞれ選択する。物件2
にも2つの抵当権が設定されている。そこで,権利順位
(1)に「1」,権利者(1)に「当社」,担保設定額
(1)に「30(円)」,抵当権番号(1)に「02」,を
それぞれ入力する。また,権利順位(2)に「2」,権
利者(2)に「当社」,担保設定額(2)に「80
(円)」,抵当権番号(2)に「03」をそれぞれ入力す
る。先順位控除額合計には他社の担保設定額の合計金額
「0(円)」が,担保設定額合計には当社の担保設定額
の合計金額「110(円)」がそれぞれ記憶される。
【0040】最後に,対象債務者として「特許太郎」
を,対象物件として物件「3」をそれぞれ選択する。物
件3には3つの抵当権が設定されている。そこで,権利
順位(1)に「1」,権利者(1)に「当社」,担保設
定額(1)に「80(円)」,抵当権番号(1)に「03」
をそれぞれ入力する。権利順位(2)に「2」,権利者
(2)に「他社」,担保設定額(2)に「120
(円)」,抵当権番号(2)に「52」をそれぞれ入力す
る。権利順位(3)に「3」,権利者(3)に「当
社」,担保設定額(3)に「90(円)」,抵当権番号
(3)に「04」をそれぞれ入力する。先順位控除額合計
には他社の担保設定額の合計金額「120(円)」が,担
保設定額合計には当社の担保設定額の合計金額「80
(円)+90(円)=170(円)」が記憶される。以上に
より,図5の通りのデータが物件権利テーブルに記憶さ
れる。
【0041】先順位控除額合計の合計金額「45+0+12
0(円)=165円」および担保設定額合計の合計金額「20
+110+170(円)=300(円)」がそれぞれ算出され,
債務者テーブルの先順位控除額合計(金額)および担保
設定額合計(金額)の欄にそれぞれ記憶される(図2
(A)参照)。
【0042】物件INDEXテーブル(図6(A))に
は当社の抵当権番号および物件番号と求償債権番号との
関連についての情報が記録される。対象債務者として
「特許太郎」を選択し,次の通りに順次データを入力す
る。物件番号「1」,抵当権番号「01」に対応する求
償債権番号として「A」を入力する。債務者番号は,
「特許太郎」を選択しているため,自動的に「1」と記
録される。また,物件INDEX番号は,「1」と自動
的に連番で採番される。同様に,物件番号「2」,抵当
権番号「02」に対応する求償債権番号として「A」を入
力する。物件INDEX番号は,「2」と自動的に連番
で採番される。
【0043】物件番号「2」,抵当権番号「03」に対
応する求償債権番号として「B」を入力する。債務者番
号は,「特許太郎」を選択しているため,自動的に
「1」と記憶される。また,物件INDEX番号は,
「3」と自動的に連番で採番される。同様に,物件番号
「3」,抵当権番号「03」に対応する求償債権番号と
して「B」を入力する。物件INDEX番号は,「4」
と自動的に連番で採番される。
【0044】物件番号「3」,抵当権番号「04」に対
応する求償債権番号として「C」を入力する。債務者番
号は,「特許太郎」を選択しているため,自動的に
「1」と記録される。また,物件INDEX番号は,
「5」と自動的に連番で採番される。以上により,図6
(A)の通りのデータが物件INDEXテーブルに記憶
される。
【0045】担保設定テーブル(図7(A))は先の物
件権利テーブル(図5)のデータを入力するときに自動
的に作成され,入力された権利内容データのうち当社
(X社)の抵当権に関するデータが自動的に設定され
る。すなわち,担保設定テーブルには,債務者番号,当
社の抵当権番号,およびそれらに対応する担保設定額が
記憶される。
【0046】図8のステップ20において,回収見込額
を算出する順序(抵当権番号に関する順序)を決定する
処理プログラムが実行される。詳細は図9のフローチャ
ートの通りである。
【0047】図9において,コンピュータのメモリ上に
抵当権番号展開領域が確保される(ステップ21)。抵
当権番号展開領域の例が図12(A)に示されている。
この領域の縦軸は抵当権数,横軸は物件数である。この
実施例では4行3列(抵当権数は4,物件数は3)の領
域が確保される。
【0048】図5の物件権利テーブルから,物件毎に,
当社の抵当権番号を,権利順位順に抽出して,該当する
行,列に書込む。このとき,一物件につき一列を使用す
る。また,抵当権番号は,権利順位の順に上の行から書
込む(ステップ23)。
【0049】抵当権番号が書込まれた抵当権番号展開領
域の例が図12(B)に示されている。物件権利テーブ
ルにおいて,物件番号「1」の物件については,当社の
抵当権は1つであるから,抵当権番号展開領域の第一列
目には抵当権番号 「01」のみが記憶される。また,
物件番号「2」については当社の抵当権は2つ存在する
ので,抵当権番号展開領域の第二列目には,第一行から
抵当権番号 「02」,「03」の順に記憶される。同様
に,物件番号「3」についても当社の抵当権は2つある
ので,第三列目に,上の行から「03」,「04」の順に書
込まれる。
【0050】ここで,異なる物件番号の複数の物件につ
いて,同一の抵当権番号が存在する場合には,抵当権番
号展開領域において,同一抵当権番号が同一行になるよ
うに記憶する。たとえば,物件番号「2」と「3」の2
つの物件について,同一の抵当権番号「03」が存在す
る。物件番号「2」の抵当権番号「03」は抵当権番号展
開領域の第二行第二列目に書込まれているから,物件番
号「3」についての抵当権番号「03」は同じ第二行(す
なわち第二行第三列目)に書込まれる。物件番号「3」
に関して抵当権番号「03」よりも順位の低い抵当権番号
「04」は,抵当権番号「03」の下の行,すなわち第三行
第三列目に書込まれる。
【0051】上記処理の終了後,抵当権番号展開領域に
書込んだ抵当権番号について,同一抵当権番号が異なる
行に記憶されていないかどうかをチェックする。エラー
の場合は,権利関係のテーブルに矛盾があるためエラー
とし,本処理を中断する。
【0052】このようにして抵当権番号が書き込まれた
抵当権番号展開領域において,その左上から右下に向っ
て,回収見込額を計算する抵当権番号の順序を1から連
番で採番する(ステップ24)。このとき,同一の抵当権
番号は重複して採番しない。ここでは,図12(C)に示
すように,〜の通りに採番される。したがって,回
収見込額の計算順序は,一番目が抵当権番号「01」,二
番目が抵当権番号「02」,三番目が抵当権番号「03」,
四番目が抵当権番号「04」となる。
【0053】上記のようにして採番された回収見込額算
出順序を担保設定テーブルに書込む(ステップ26)。図
7(B)に示す担保設定テーブルには「計算順序」とし
て上記の回収見込額算出順序が記憶されている。
【0054】最後に,抵当権番号毎に算出される回収見
込額を求償債権に配分する順序の設定を行う(ステップ
27)。すなわち,物件INDEXテーブル(図6)にお
いて,各抵当権番号について,それに対応する求償債権
番号の順に回収見込額の配分順序として1から連番で採
番する。物件INDEXテーブルの抵当権番号「01」に
対応する求償債権番号は「A」のみなので,配分順序は
「1」となる。抵当権番号「02」に対応する求償債権番
号は「A」のみなので,配分順序は「1」となる。抵当
権番号「03」に対応する求償債権番号は「B」のみなの
で,配分順序は「1」である。抵当権番号「04」に対応
する求償債権番号は「C」のみなので,配分順序は
「1」となる。物件INDEXテーブルにおいて同一の
抵当権番号に対応して異なる複数の求償債権番号が存在
する場合には,各求償債権番号について求償債権番号の
昇順に配分順序を連番で採番する。上記の例では抵当権
番号「03」が2つあるが,これらが共に求償債権番号
「B」を保有するので,配分順序はそれぞれ「1」とな
る。以上の採番結果より,図6(B)に示す通りの配分
順序が物件INDEXテーブルに記録される。
【0055】図8に戻って,ステップ40において,回収
見込額算出用領域の確保および各領域への値の展開処理
プログラムが実行される。処理の詳細は,図10のフロー
チャートに示される。
【0056】図10において,債務者の抵当権番号によっ
て表わされる抵当権の件数分,回収見込額算出領域を確
保する(ステップ41)。ここでは,抵当権番号が4件存
在するので,図13(A)に示す通り,4行の回収見込額
算出領域が確保される。この回収見込額算出領域には抵
当権番号,計算順序,担保設定額,物件評価額,先順位
控除額合計(金額)(他社),先順位控除額合計(金
額)(自社),求償債権残高合計(金額),回収見込額
A,および回収見込額Bの欄が設けられる。
【0057】図7(B)に示す担保設定テーブルから抵
当権番号,計算順序および担保設定額を設定し,回収見
込額算出領域の該当する欄に書込む(ステップ42)。こ
の値の展開処理後の回収見込額算出領域の状態が図13
(B)に示されている。計算順序「1」に対し,抵当権
番号「01」,担保設定額「20(円)」が,計算順序
「2」に対し,抵当権番号「02」,担保設定額「30
(円)」が,計算順序「3」に対し,抵当権番号「0
3」,担保設定額「80(円)」が,計算順序「4」に対
し,抵当権番号「04」,担保設定額「90(円)」がそれ
ぞれ展開されている。
【0058】次に,図6(A)の物件INDEXテーブ
ルが保有する物件INDEX番号の件数分,求償債権残
高領域を確保する(ステップ43)。この求償債権残高領
域には,図15(A)に示すように,抵当権番号,求償債
権番号,配分順序および求償債権残高の欄が設けられ
る。この実施例では,物件INDEXテーブルには,5
件分のデータが格納されているので,5行の領域が確保
される。
【0059】物件INDEXテーブル(図6(B))の
各行のデータを抵当権番号および配分順序によってグル
ープ化し,このグループ化したものについて,物件IN
DEXテーブルの抵当権番号,求償債権番号および配分
順序を,上記のようにして確保した求償債権残高領域に
書込む。また,上記の各グループについて,そのグルー
プの求償債権番号と同一の求償債権番号を図3の求償債
権テーブルにおいて検索し,それに対応する求償債権残
高を求償債権残高領域に書込む(ステップ44)。
【0060】このようにしてデータが書込まれた求償債
権残高領域の例が図15(B)に示されている。この図に
おいて,物件INDEXテーブル(図6(B))の,抵
当権番号「01」,求償債権番号「A」および配分順序
「1」のグループに対して,求償債権テーブル(図3)
の求償債権残高「15(円)」が,抵当権番号「02」,求
償債権番号「A」および配分順序「1」のグループに対
して,求償債権テーブルの求償債権残高「15(円)」
が,抵当権番号「03」,求償債権番号「B」および配分
順序「1」のグループに対して,求償債権テーブルの求
償債権残高「60(円)」が,抵当権番号「04」,求償債
権番号「C」および配分順序「1」のグループに対し
て,求償債権テーブルの求償債権残高「70(円)」が得
られている。抵当権番号が「03」で,配分順序が「1」
のグループに属するレコードは二件存在するが,上述の
ように抵当権番号および配分順序でグループ化されたデ
ータを1グループとしてまとめているので,求償債権残
高領域へは一件のデータとして展開される。
【0061】先順位控除額領域を例えば100個確保する
(ステップ45)。先順位控除額領域の例が図16に示され
ている。
【0062】回収見込額算出領域(図13)に物件評価額
および先順位控除額(他社)を,確保した先順位控除額
領域(図16)に回収見込額をそれぞれ以下に示すように
展開する(ステップ46)。
【0063】債務者「特許太郎」(債務者番号「1」)
の物件INDEXテーブル(図6)から抵当権番号およ
び物件番号を順に読出す。ここで,抵当権番号は「0
1」,「02」,「03」,「03」,「04」の順に読出さ
れ,これらに対応する物件番号は「1」,「2」,
「2」,「3」,「3」である。
【0064】読出された抵当権番号に対応する物件番号
をキーに物件テーブル(図4)の物件評価額を読出し,
回収見込額算出領域において,抵当権番号に対応して物
件評価額を書込む。このとき,一つの抵当権番号に複数
の物件番号が対応している場合には,各物件番号に対応
する物件評価額を加算し,この加算結果を上記抵当権番
号に対応して書込む。物件評価額(加算されたものを含
む)が書込まれた回収見込額算出領域が図13(C)に示
されている。図13(C)において,回収見込額算出領域
の抵当権番号「01」の行には,物件番号「1」の物件評
価額「50(円)」が書込まれている。抵当権番号「02」
の行には,物件番号「2」の物件評価額「40(円)」が
書込まれている。抵当権番号「03」の行には,物件番号
「2」の物件評価額「40(円)」と物件「3」の物件評
価額「200(円)」との加算結果「40(円)+200(円)=
240(円)」が物件評価額として書込まれている。抵当
権番号「04」の行には,物件番号「3」の物件評価額
「200(円)」が書込まれている。上記において,図4
の物件テーブルにおける売却済フラグはすべて「0」と
いう前提である。売却済フラグが「1」の場合,すなわ
ち売却済の物件についてはその物件評価額は0円とな
る。
【0065】物件INDEXテーブル(図6)から読出
された抵当権番号に対応する物件番号をキーに,図5の
「物件権利テーブル」を参照して,下位の権利順位から
上位に向かって,該当する抵当権番号より上位にある抵
当権番号を有する権利者を検索し,上位に当社があった
場合は先順位控除額領域(図16)に回収見込額を,他社
があった場合は回収見込額算出領域(図13)に,先順位
として控除する金額をそれぞれ次に述べるように展開す
る(書込む)。この処理は「物件INDEXテーブル」
が保有する全ての抵当権番号について行われる。ただ
し,上位に権利者が一人もいない場合および該当物件が
売却済の場合は何の処理も行わない。
【0066】すなわち,上位に当社があった場合には,
「物件INDEXテーブル」の抵当権番号,「物件権利
テーブル」の物件番号,先順位にある当社の抵当権番号
および担保設定額を,図16(A)に示す通り,先順位控
除額領域の抵当権番号,物件番号,先順位抵当権番号お
よび回収見込額の欄にそれぞれ書込む。ただし,一つの
抵当権番号について同一の先順位抵当権番号が存在する
場合は,重複して登録しない。
【0067】上位に他社があった場合には,回収見込額
算出領域において(図13(C)参照),「物件INDE
Xテーブル」の抵当権番号を持つ行の先順位控除額合計
(他社)の欄に,「物件権利テーブル」の担保設定額を
加算して記憶する。ただし,一つの抵当権番号について
同一の先順位抵当権番号が存在する場合は,重複して加
算しない。
【0068】具体的に説明する。「物件権利テーブル」
(図5)において,物件番号「1」の行の権利関係を権
利順位の下位から上位に向かって検索すると,抵当権番
号「01」の上位に抵当権番号「51」の他社が存在する。
そこで,図13(C)に示すように,回収見込額算出領域
の先順位控除額合計(他社)の欄に,当該他社の担保設
定額「45(円)」を書込む。(既に担保設定額が記憶さ
れていた場合には,その担保設定額に45円を加算し,加
算結果を同欄に書込む)。
【0069】次いで,「物件権利テーブル」の物件番号
「2」の行の権利関係を権利順位下位から上位に向かっ
て検索すると,抵当権番号「03」の上位に抵当権番号
「02」の当社が存在する。そこで,抵当権番号「03」,
物件番号「2」に対応する先順位抵当権番号として「0
2」を,回収見込額として「30(円)」をそれぞれ,図1
6(A)に示すように先順位控除額領域に書込む(展開
する)。
【0070】さらに,「物件権利テーブル」の物件番号
「3」の行の権利関係を権利順位の下位から上位に向か
って検索すると,抵当権番号「04」の上位に抵当権番号
「03」の当社と抵当権番号「52」の他社が存在する。そ
こで,当社に関しては,抵当権番号「04」,物件番号
「3」に対応する先順位抵当権番号として「03」を,回
収見込額として「80(円)」を,図16(A)に示すよう
に,先順位控除額領域に書込む。また,他社に関して
は,図13(C)に示すように,回収見込額算出領域の先
順位控除額合計(他社)の欄に,担保設定額の「120
(円)」を加算する(加算結果を書込む)。
【0071】再び図8に戻って,回収見込額の算出およ
び,算出された値の記録を行う(ステップ60)。この処
理は,回収見込額算出領域の抵当権番号毎に行なわれ,
行数分,すなわちこの例では4回行われる。処理の詳細
は図11のフローチャートに示されている。
【0072】回収見込額算出領域の抵当権番号「01」に
関する処理をまず説明する。その結果は図13(D)に示
されている。
【0073】図11において,抵当権番号「01」について
の回収見込額を先順位控除額領域(図16(A))におい
て検索し,その合計を先順位控除額合計(当社)として
回収見込額算出領域に書込む(ステップ62)。ここでは
該当データが存在しないため,「0(円)」が記憶され
る。
【0074】抵当権番号「01」を保有するデータを求償
債権残高領域(図15(B))において検索し,その全て
の求償債権残高を合算した金額「15(円)」を,回収見
込額算出領域の求償債権残高合計の欄に記憶する(ステ
ップ63)。
【0075】回収見込額算出領域において,「担保設定
額」と,「物件評価額−先順位控除額合計(他社)−先
順位控除額合計(当社)」のうちいずれか金額の少ない
方を回収見込額Aとする(ステップ64)。ここでは,抵
当権番号「01」に関して,「担保設定額」の「20
(円)」と,「物件評価額−先順位控除額合計(他社)
−先順位控除額合計(当社)」の「50−45−0(円)=
5(円)」とを比較する。この結果,「5(円)」が回
収見込額Aとして記憶される。
【0076】「回収見込額A」と「求償債権残高合計」
のうち金額の少ない方を回収見込額Bとする(ステップ
65)。ここでは,抵当権番号「01」に関して,「回収見
込額A」の「5(円)」と,「求償債権残高合計」の
「15(円)」とを比較し,「5(円)」を回収見込額B
として記憶する。これが,抵当権番号「01」についての
最終的な回収見込額となる。
【0077】最適な回収見込額を得るために,先順位と
して控除する担保設定額(先順位控除額領域(図16)の
回収見込額)のうち,処理の終了した抵当権番号「01」
を有するものを,算出された回収見込額Bによって書き
替える(ステップ66)。抵当権番号「01」を先順位抵当
権番号として保有するデータを先順位控除額領域(図16
(A))において検索し,一致するものすべての回収見
込額を,回収見込額算出領域(図13(D))の回収見込
額Bに変更する。抵当権番号「01」については,先順位
控除額領域の先順位抵当権番号として存在しないため,
この処理は行われない。
【0078】回収見込額の決定した抵当権番号を有する
求償債権は,回収が行われたものとみなした上で,以後
の処理を行うため,求償債権残高領域(図15)の書き替
えを行う。そのため,抵当権番号「01」を保有するデー
タ(求償債権残高)を求償債権残高領域において検索
し,一致するすべての求償債権残高から配分順序の順
に,回収見込額Bを減算し,その結果を書き替え後の求
償債権残高とする(ステップ67)。具体的には,抵当権
番号「01」に関して,求償債権残高領域(図15(B))
の「求償債権残高」は「15(円)」であるのに対し,回
収見込額算出領域(図13(D))の「回収見込額B」は
「5(円)」であるので,「15−5(円)=10(円)」
のように,求償債権残高から回収見込額Bを減算し,こ
の減算結果によって求償債権残高を書き替える。また,
求償債権番号が同じ「A」である全ての「求償債権残
高」を同じ値である「10(円)」に書き替える。書き替
え結果が図15(C)に示されている。
【0079】ステップ65で求めた回収見込額Bの登録を
行う(ステップ68)。回収見込額算出領域の回収見込額
Bである「5(円)」を「担保設定テーブル」の回収見
込額(自動)の欄に,現在日付を回収見込額(自動)設
定日の欄にそれぞれ書込み「担保設定テーブル」を更新
する(図7(C)参照)。
【0080】回収見込額算出領域の次の抵当権番号「0
2」を読込む(ステップ61)。
【0081】回収見込額算出領域の抵当権番号「02」に
関する処理を次に説明する。処理結果は図14(E)に示
されている。
【0082】抵当権番号「02」を保有する回収見込額を
先順位控除額領域において検索し,その合計を先順位控
除額合計(当社)として回収見込額算出領域に書込む
(ステップ62)。ここでは該当データが存在しないた
め,「0(円)」が記憶される。
【0083】抵当権番号「02」を保有するデータを求償
債権残高領域において検索し,その全ての求償債権残高
を合算した金額「10(円)」を,回収見込額算出領域の
求償債権残高合計の欄に記憶する(ステップ63)。
【0084】「担保設定額」と「物件評価額−先順位控
除額合計(他社)−先順位控除額合計(当社)」のうち
の金額の少ない方を回収見込額Aする(ステップ64)。
ここでは,抵当権番号「02」に関して,「担保設定額」
の「30(円)」と,「物件評価額−先順位控除額合計
(他社)−先順位控除額合計(当社)」の「40−0−0
(円)=40(円)」との比較により,「30(円)」が回
収見込額Aとして記憶される。
【0085】「回収見込額A」と「求償債権残高合計」
のうち金額の少ない方を回収見込額Bとする(ステップ
65)。ここでは,抵当権番号「02」に関して,「回収見
込額A」の「30(円)」と,「求償債権残高合計」の
「10(円)」との比較により,「10(円)」が回収見込
額Bとして記憶される。これが,抵当権番号「02」につ
いての最終的な回収見込額となる。
【0086】最適な回収見込額を得るために,先順位と
して控除する担保設定額(先順位控除額領域の回収見込
額)のうち,処理の終了した抵当権番号「02」を有する
ものを,算出された回収見込額Bによって書き替える
(ステップ66)。抵当権番号「02」を先順位抵当権番号
として保有するデータを先順位控除額領域において検索
し,一致するものすべての回収見込額を,図16(B)に
示すように,回収見込額B「10(円)」に変更する。
【0087】回収見込額の決定した抵当権番号を有する
求償債権は,回収が行われたものとみなした上で,以後
の処理を行うため,求償債権残高領域の書き替えを行
う。そのため,抵当権番号「02」を保有するデータを求
償債権残高領域において検索し,一致するすべての求償
債権残高から配分順序の順に,回収見込額Bを減算す
る。具体的には,抵当権番号「02」に関して,求償債権
残高領域の「求償債権残高」は「10(円)」であるのに
対し,回収見込額算出領域の「回収見込額B」は「10
(円)」であるので,「10−10(円)=0(円)」のよ
うに,求償債権残高から回収見込額Bを減算し,この減
算結果によって求償債権残高を書き替える。また,求償
債権番号が同じ「A」である全ての「求償債権残高」を
同じ値である「0(円)」に書き替える(図15(D)参
照)。
【0088】ステップ65で求めた回収見込額Bの登録を
行う(ステップ68)。回収見込額算出領域の回収見込額
Bである「10(円)」を「担保設定テーブル」の回収見
込額(自動)の欄に,現在日付を回収見込額(自動)設
定日の欄にそれぞれ書込み「担保設定テーブル」を更新
する(図7(C)参照)。
【0089】回収見込額算出領域の次の抵当権番号「0
3」を読込む(ステップ61)。
【0090】回収見込額算出領域の抵当権番号「03」に
関する処理を説明する。処理の結果は図14(F)に示さ
れている。
【0091】抵当権番号「03」を保有する回収見込額
「10(円)」を先順位控除額領域図16(B)において検
索し,その合計を先順位控除額合計(当社)として回収
見込額算出領域(図14(F))に書込む(ステップ6
2)。
【0092】抵当権番号「03」を保有するデータを求償
債権残高領域(図15(D))において検索し,その全て
の求償債権残高を合算した金額「60(円)」を,回収見
込額算出領域の求償債権残高合計の欄に記憶する(ステ
ップ63)。
【0093】「担保設定額」と「物件評価額−先順位控
除額合計(他社)−先順位控除額合計(当社)」のうち
金額の少ない方を回収見込額Aとして算出する(ステッ
プ64)。ここでは,抵当権番号「03」に関して,「担保
設定額」の「80(円)」と,「物件評価額−先順位控除
額合計(他社)−先順位控除額合計(当社)」の「240
−0−10(円)=230(円)」とを比較し,少ない方の
「80(円)」が回収見込額Aとして記憶される。
【0094】「回収見込額A」と「求償債権残高合計」
のうち金額の少ない方を回収見込額Bとする(ステップ
65)。ここでは,抵当権番号「03」に関して,「回収見
込額A」の「80(円)」と,「求償債権残高合計」の
「60(円)」との比較により,「60(円)」が回収見込
額Bとして記憶される。これが,抵当権番号「03」につ
いての最終的な回収見込額となる。
【0095】最適な回収見込額を得るために,先順位と
して控除する担保設定額(先順位控除額領域の回収見込
額)のうち,処理の終了した抵当権番号「03」を有する
ものを,算出された回収見込額Bによって書き替える
(ステップ66)。抵当権番号「03」を先順位抵当権番号
として保有するデータを先順位控除額領域において検索
し,一致するものすべての回収見込額を,図16(B)に
示すように,回収見込額算出領域の回収見込額B「60
(円)」に変更する。
【0096】回収見込額の決定した抵当権番号を有する
求償債権は,回収が行われたものとみなした上で,以後
の処理を行うため,求償債権残高領域の書き替えを行
う。そのため,抵当権番号「03」を保有するデータを求
償債権残高領域において検索し,一致するすべての求償
債権残高から配分順序の順に,回収見込額Bを減算する
(ステップ67)。具体的には,抵当権番号「03」に関し
て,求償債権残高領域の「求償債権残高」は「60
(円)」であるのに対し,回収見込額算出領域の「回収
見込額B」は,「60(円)」であるので,図15(E)に
示すように,「60−60(円)=0(円)」のように,求
償債権残高から回収見込額を減算し,この減算結果によ
って求償債権残高を書き替える。また,求償債権番号が
同じ「B」である全ての「求償債権残高」を同じ値であ
る「0(円)」に書き替える(ステップ67)。
【0097】ステップ65で求めた回収見込額Bの登録を
行う(ステップ68)。回収見込額算出領域の回収見込額
Bである「60(円)」を「担保設定テーブル」の回収見
込額(自動)の欄に,現在日付を回収見込額(自動)設
定日の欄にそれぞれ書込み,「担保設定テーブル」を更
新する(図7(C)参照)。
【0098】回収見込額算出領域の次の(最後の)抵当
権番号「04」を読込む(ステップ61)。
【0099】回収見込額算出領域の抵当権番号「04」に
関する処理について説明する。その結果は図14(G)に
示されている。
【0100】抵当権番号「04」を保有する回収見込額
「60(円)」を先順位控除額領域(図16(B))におい
て検索し,その合計を先順位控除額合計(当社)として
回収見込額算出領域に書込む(ステップ62)。
【0101】抵当権番号「04」を保有するデータを求償
債権残高領域(図15(E))において検索し,その全て
の求償債権残高を合算した金額「70(円)」を,回収見
込額算出領域の求償債権残高合計の欄に記憶する(ステ
ップ63)。
【0102】「担保設定額」と「物件評価額−先順位控
除額合計(他社)−先順位控除額合計(当社)」のうち
金額の少ない方を回収見込額Aとする(ステップ64)。
ここでは,抵当権番号「04」に関して,「担保設定額」
の「90(円)」と,「物件評価額−先順位控除額合計
(他社)−先順位控除額合計(当社)」の「200−120−
60(円)=20(円)」とを比較し,「20(円)」を回収
見込額Aとして記憶する。
【0103】「回収見込額A」と「求償債権残高合計」
のうち金額の少ない方を回収見込額Bとする(ステップ
65)。ここでは,抵当権番号「04」に関して,「回収見
込額A」の「20(円)」と,「求償債権残高合計」の
「70(円)」とを比較する。その結果,「20(円)」を
回収見込額Bとして記憶する。これが,抵当権番号「0
4」に対する最終的な回収見込額となる。
【0104】最適な回収見込額を得るために,先順位と
して控除する担保設定額(先順位控除額領域の回収見込
額)のうち,処理の終了した抵当権番号「04」を有する
ものを,算出された回収見込額Bによって書き替える
(ステップ66)。抵当権番号「04」を先順位抵当権番号
として保有するデータを先順位控除額領域(図16
(B))において検索し,一致するものすべての回収見
込額を,回収見込額算出領域(図14(G))の回収見込
額Bに変更する。抵当権番号「04」は先順位控除額領域
(図16(B))の先順位抵当権番号として存在しないた
め,この処理は行われない。
【0105】回収見込額の決定した抵当権番号を有する
求償債権は,回収が行われたものとみなした上で,以後
の処理を行うため,求償債権残高領域(図15)の書き替
えを行う。そのため,抵当権番号「04」を保有するデー
タを求償債権残高領域から検索し,一致するものすべて
の求償債権残高から配分順序の順に,回収見込額Bを減
算する(ステップ67)。具体的には,抵当権番号「04」
に関して,求償債権残高領域(図15(E))の「求償債
権残高」は「70(円)」であるのに対し,回収見込額算
出領域(図14(G))の「回収見込額B」は「20
(円)」であるので,図15(F)に示すように,「70−
20(円)=50(円)」というように求償債権残高から回
収見込額Bを減算し,この減算結果によって求償債権残
高を書き替える。また,求償債権番号が同じ「C」であ
る全ての「求償債権残高」を同じ値である「50(円)」
に書き替える。
【0106】ステップ65で求めた回収見込額の登録を行
う(ステップ68)。回収見込額算出領域の回収見込額B
である「20(円)」を「担保設定テーブル」の回収見込
額(自動)の欄に,現在日付を「担保設定テーブル」の
回収見込額(自動)設定日の欄にそれぞれ書込み,「担
保設定テーブル」を更新する(図7(C)参照)。
【0107】最後に,求められた回収見込額の値の記憶
を行う。回収見込額算出領域の回収見込額Bの合計「5
+10+60+20(円)=95(円)」を「債務者テーブル」
の回収見額合計に図2(B)のように記憶し,「債務者
テーブル」を更新する(ステップ69)。回収見込額の合
計は,「95(円)」となる。
【0108】図8のステップ80において,次のような場
合には,自動算出された回収見込額は正しくない可能性
があるとみなし,ワーニングメッセージを出力する。 (1)「債務者テーブル」の回収見込額(自動)が,
「債務者テーブル」の「求償債権残高合計」,「担保設
定額合計」および「物件評価額合計−先順位控除額合
計」の中の,最少値と一致しない場合。 (2)複数の求償債権で一つの抵当権番号を共有してい
る場合 (3)「物件権利テーブル」の権利順位で当社に同順位
がある場合 (4)ある抵当権番号に紐付く物件が一部売却済みの場
合(全て売却済みまたは全て売却前は除く)
【0109】
【図面の簡単な説明】
【図1】債務者,求償債権,抵当権および物件とその権
利関係について図表化したものである。
【図2】債務者テーブルを示し,(A)および(B)は
処理の進行に伴うデータの変化の様子を示す。
【図3】求償債権テーブルを示す。
【図4】物件テーブルを示す。
【図5】物件権利テーブルを示す。
【図6】物件INDEXテーブルを示し,(A)および
(B)は処理の進行に伴うデータの変化の様子を示す。
【図7】担保設定テーブルを示し,(A),(B)およ
び(C)は処理の進行に伴うデータの変化の様子を示
す。
【図8】処理の全体の流れを示すフローチャートであ
る。
【図9】回収見込額算出順序決定処理を示すフローチャ
ートである。
【図10】回収見込額算出用領域の確保および値の入力
処理を示すフローチャートである。
【図11】回収見込額の算出処理を示すフローチャート
である。
【図12】(A)から(C)はメモリ領域である抵当権
番号展開領域の遷移状態を示す。
【図13】(A)から(D)はメモリ領域である回収見
込額算出領域の遷移状態を示す。
【図14】(E)から(G)はメモリ領域である回収見
込額算出領域の遷移状態を示す。
【図15】(A)から(F)はメモリ領域である求償債
権残高領域の遷移状態を示す。
【図16】(A)から(B)はメモリ領域である先順位
控除額領域の遷移状態を示す。
【符号の説明】
11 債務者テーブル 12 求償債権テーブル 13 物件テーブル 14 物件権利テーブル 15 物件INDEXテーブル 16 担保設定テーブル 21 抵当権番号展開領域 22 回収見込額算出領域 23 求償債権残高領域 24 先順位控除額領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡山 純子 東京都千代田区一番町16番 株式会社日本 総合研究所内 Fターム(参考) 5B055 CC00 CC10 CC13 FA01 FB03 PA02 PA38

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】債権者の持つ求償債権ごとにその求償債権
    残高を記憶した求償債権テーブル,債務者の持つ物件ご
    とにその評価額を記憶した物件テーブル,上記物件と,
    その物件に設定された抵当権と,抵当権に関連する求償
    債権とを相互に関連づけた物件インデックステーブル,
    上記物件ごとに,その物件に設定された抵当権のそれぞ
    れについて,抵当権の権利者が上記債権者であるかどう
    かを示すデータと,担保設定額と,抵当権の権利順位と
    を記憶するとともに,その物件について上記債権者以外
    の者が上記債権者よりも権利順位が上位のものとして設
    定されている抵当権の担保設定額の合計である先順位控
    除額合計を記憶した物件権利テーブル,物件権利テーブ
    ルに基づいて,メモリ領域に,各物件について抵当権を
    その権利順位にしたがって,配列することにより,抵当
    権について,権利順位の高い順に計算順序を決定する手
    段,決定された計算順序の一番目の抵当権について,そ
    の抵当権に関連する担保設定額,その抵当権に関連する
    物件の評価額合計から先順位債権額合計を減算した金
    額,およびその抵当権に関連する求償債権残高合計を比
    較して,その最も金額が少ないものを,その抵当権につ
    いての回収見込額とする第1の回収見込額算出手段,第
    1の回収見込額算出手段によって算出された回収見込額
    を,当該抵当権に関連する求償債権残高から減算して求
    償債権残高を更新する手段,決定された計算順序の次の
    抵当権について,既に回収見込額が算出された抵当権が
    上位にある場合には回収見込額を先順位控除額合計に加
    算した上で,順次上記第1の回収見額算出手段による回
    収見込額の算出を繰返すよう制御する手段,および上記
    第1の回収見込額算出手段によって算出されたすべての
    回収見込額を加算して最終的な回収見込額を算出する第
    2の回収見込額算出手段,を備えた求償債権についての
    回収見込額算定装置。
  2. 【請求項2】入力されたデータに基づいて,債権者の持
    つ求償債権ごとにその求償債権残高を記憶した求償債権
    テーブル,債務者の持つ物件ごとにその評価額を記憶し
    た物件テーブル,上記物件と,その物件に設定された抵
    当権と,抵当権に関連する求償債権とを相互に関連づけ
    た物件インデックステーブル,および上記物件ごとに,
    その物件に設定された抵当権のそれぞれについて,抵当
    権の権利者が上記債権者であるかどうかを示すデータ
    と,担保設定額と,抵当権の権利順位とを記憶するとと
    もに,その物件について上記債権者以外の者が上記債権
    者よりも権利順位が上位のものとして設定されている抵
    当権の担保設定額の合計である先順位債権額合計を記憶
    した物件権利テーブルを作成し,物件権利テーブルに基
    づいて,メモリ領域に,各物件について抵当権をその権
    利順位にしたがって配列することにより,抵当権につい
    て,権利順位の高い順に計算順序を決定し,決定された
    計算順序の一番目の抵当権について,その抵当権に関連
    する担保設定額,その抵当権に関連する物件の評価額合
    計から先順位債権額合計を減算した金額,およびその抵
    当権に関連する求償債権残高合計を比較して,その最も
    金額の少ないものを,その抵当権についての回収見込額
    とし,上記の回収見込額算出処理によって算出された回
    収見込額を,当該抵当権に関連する求償債権残高から減
    算して求償債権残高を更新し,決定された計算順序の次
    の抵当権について,既に回収見込額が算出された抵当権
    が上位にある場合には回収見込額を先順位債権額合計に
    加算した上で,順次上記の回収見込額算出処理を繰返す
    よう制御し,最後に,算出されたすべての回収見込額を
    加算して最終的な回収見込額を算出する,求償債権につ
    いての回収見込額算出方法。
  3. 【請求項3】コンピュータに入力されたデータに基づい
    て,コンピュータのメモリ上に,債権者の持つ求償債権
    ごとにその求償債権残高を記憶した求償債権テーブル,
    債務者の持つ物件ごとにその評価額を記憶した物件テー
    ブル,上記物件と,その物件に設定された抵当権と,抵
    当権に関連する求償債権とを相互に関連づけた物件イン
    デックステーブル,および上記物件ごとに,その物件に
    設定された抵当権のそれぞれについて,抵当権の権利者
    が上記債権者であるかどうかを示すデータと,担保設定
    額と,抵当権の権利順位とを記憶するとともに,その物
    件について上記債権者以外の者が上記債権者よりも権利
    順位が上位のものとして設定されている抵当権の担保設
    定額の合計である先順位債権額合計を記憶した物件権利
    テーブルを作成し,物件権利テーブルに基づいて,メモ
    リ領域に,各物件について抵当権をその権利順位にした
    がって配列することにより,抵当権について,権利順位
    の高い順に計算順序を決定し,決定された計算順序の一
    番目の抵当権について,その抵当権に関連する担保設定
    額,その抵当権に関連する物件の評価額合計から先順位
    債権額合計を減算した金額,およびその抵当権に関連す
    る求償債権残高合計を比較して,その最も金額が少ない
    ものを,その抵当権についての回収見込額とし,上記の
    回収見込額算出処理によって算出された回収見込額を,
    当該抵当権に関連する求償債権残高から減算して求償債
    権残高を更新し,決定された計算順序の次の抵当権につ
    いて,既に回収見込額が算出された抵当権が上位にある
    場合には回収見込額を先順位債権額合計に加算した上
    で,順次上記の回収見込額算出処理を繰返すよう制御
    し,そして算出されたすべての回収見込額を加算して最
    終的な回収見込額を算出するようにコンピュータを制御
    するプログラムを記憶した媒体。
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