JP2004086269A - 財務情報システム - Google Patents
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Abstract
【課題】信用リスク分析から恣意性を排除し、本店審査部などのリスク管理の方針・基準に合致した財務分析を可能とする財務情報システムを開発することなどである。
【解決手段】一次財務情報テーブルの財務データを、第一の展開ロジック・データに基づいて、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開する第一の展開機能と、さらに、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開された財務データを、第二の展開ロジック・データに基づいて、財務分析定義ファイルの項目定義へ展開する第二の展開機能とを有するジェネレート処理手段を擁する財務情報システムにより解決される。
【選択図】図1
【解決手段】一次財務情報テーブルの財務データを、第一の展開ロジック・データに基づいて、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開する第一の展開機能と、さらに、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開された財務データを、第二の展開ロジック・データに基づいて、財務分析定義ファイルの項目定義へ展開する第二の展開機能とを有するジェネレート処理手段を擁する財務情報システムにより解決される。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、財務情報システムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】現在多くの企業が財務情報を公表しているが、公表される企業の財務情報は、発信元となる個々の企業毎に異なり、多種多様である。また、専門の財務情報提供会社は、ある範囲の企業について財務情報を収集し、提供しているが、その範囲は限定的である。ある程度の範囲の企業をカバーした、共通化された財務情報には、その提供会社の判断が入り込むことが避けられないが、この判断は、銀行による判断基準と必ずしも一致するとは限らない。
【0003】グローバルな経済活動を行うとき、銀行では、その投資先は世界の様々な地域の上場、非上場企業が対象となるから、広範囲に亘る企業の財務情報を入手し、分析することが望ましいが、そのようなニーズを完全に満たす情報ソースは無い。そのため、銀行はデータ提供サービスの利用や取引先からの情報提供等、あらゆる可能な手段で企業の財務情報を入手し、分析に利用することになる。
【0004】個々の銀行は、異なるリスク管理の方針に基づき独自のリスク判断を行う。財務情報に関しても、銀行は入手した財務情報を使用して財務比率の計算等を行い分析を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、個々の銀行のリスク分析基準に合致する、全企業をカバーした財務情報を得ることは困難であり、かつ、財務情報のフォーマットは千差万別であるから、グローバルな範囲での企業のリスク分析はできなかった。本発明の第一の課題は、世界中に散在する財務情報を収集できる財務情報システムを開発することである。
【0006】自らの取引顧客については、その財務情報をデータベース化しているものの、自らの取引顧客以外の企業まで含めて、統一的な形で財務情報を分析するには、フォーマットが異なる財務情報を手作業で取り込む障壁があったので、リスク分析は取引顧客に限って行われていた。本発明の第二の課題は、フォーマットが異なる財務情報を効率的に取り込むことができる財務情報システムを開発することである。
【0007】従来は、取引顧客以外の企業まで含めたリスク分析が困難であったため、業界全体の企業を相対的な尺度として、自らの取引顧客が占めるポジション等を、客観的なデータに基づき分析することができなかった。本発明の第三の課題は、信用リスク分析に、個別の銀行におけるリスク管理の方針・基準に合致したデータによる客観性を与えられる財務情報システムを開発することである。
【0008】従来の分析は、担当者が表計算ソフトなどを用いて個々の企業の財務データに対して行うものが主であったため、大きな資金を運用する銀行では、融資先をポートフォリオとして管理することができなかった。本発明の第四の課題は、信用リスク分析におけるポートフォリオ管理を可能とし、偏った融資態様などを容易に検出できる財務情報システムを開発することである。
【0009】従来の分析では,財務情報のフォーマットが異なる複数の企業を同じ前提条件で比較することができなかった。本発明の第五の課題は、作成者が異なる財務情報について、その解釈をできるだけ統一させることによって、財務分析に客観性を持たせることができる財務情報システムを開発することである。
【0010】財務情報の入力に際しては、勘定科目の解釈に関して入力を行う者の判断、担当者の恣意性が入り込む余地が多分にあった。本発明の第六の課題は、信用リスク分析から恣意性を排除し、本店審査部などのリスク管理の方針・基準に合致した財務分析を可能とする財務情報システムを開発することである。
【0011】システム的な観点からは、財務情報を限定的な範囲についてまとめて取り込むことはできても、一括して財務情報をシステムに取り込むことは困難であった。本発明の第七の課題は、大量の財務情報を効率的に取り込むことができる財務情報システムを開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の課題は、前記特許請求の範囲に記載した手段にて達成される。すなわち、請求項1の発明は、一の財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、他の財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、ある入力フォーム定義ファイルが選択されたときに、その入力画面を動的に形成する機能とを有する財務情報システムであり、請求項2の発明は、財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、入力フォーム定義ファイルの項目定義に従って財務情報を取り込み、その財務データを一次財務情報テーブルに書き込むインポート処理手段とを有する財務情報システムであり、請求項3の発明は、財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、任意の財務分析に使用される所定の項目を定義したロングフォーム定義ファイルと、入力フォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目からロングフォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目への展開方法を記述した第一の展開ロジック・データと、企業毎の財務データである入力フォーム定義ファイルで定義された項目の財務データを格納する一次財務情報テーブルと、第一の展開ロジック・データに基づき展開されたロングフォーム定義ファイルで定義された項目の財務データを格納する二次財務情報テーブルとを有する財務情報システムであり、請求項4の発明は、財務情報の分析結果として要求される所望の項目を定義した財務分析定義ファイルと、ロングフォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目から財務分析定義ファイルで定義された一又は複数の項目への展開方法を記述した第二の展開ロジック・データと、一次財務情報テーブルから財務データを読み出し、その分析結果を取得するジェネレート処理手段とを備え、当該ジェネレート処理手段は、一次財務情報テーブルの財務データを、第一の展開ロジック・データに基づいて、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開する第一の展開機能と、さらに、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開された財務データを、第二の展開ロジック・データに基づいて、財務分析定義ファイルの項目定義へ展開する第二の展開機能とを有する財務情報システムである。
【0013】
【作用】請求項1の発明では、一次財務情報テーブルに対する入力フォームを多数作成できるため、例えば企業毎に入力フォームを準備すれば、多様な財務情報を財務分析ノウハウ無しに入力できるようになる。請求項2の発明では、大量の財務データを自動的に一括してインポートできるようになる。請求項3の発明では、企業毎の生の財務データと共通フォーマットによる財務データとを共に格納できるようになる。請求項4の発明では、第一の展開ロジック及び第二の展開ロジックを備えることにより、銀行の財務分析担当者のノウハウをシステムにインプリメントできるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】財務情報は、企業情報提供サービスを営む会社などから入手可能であるが、そのフォーマットは各社各様である。例えば、ある情報提供サービスによる第一の財務情報では、大項目として、CONSOLIDATED STATEMENTS OF OPERATIONS,CONSOLIDATED BALANCE SHEETS,CONSOLIDATED STATEMENTS OF CASH FLOWSなどがあり、このうち、CONSOLIDATED BALANCE SHEETSの大項目の中には、ASSETS,LIABILITIES AND EQUITYなどの中項目があり、さらに、その中項目の中に多数の小項目が含まれている。表1に、中項目のASSETSに含まれる小項目の一例を示す。これらの小項目には金額が入るが、ここでは省略する。
【表1】
【0015】別の情報提供サービスによる第二の財務情報では、大項目として、CONSOLIDATED STATEMENT OF INCOME,CONSOLIDATED BALANCE SHEET,CONSOLIDATED STATEMENT OF SHAREHOLDERS’ EQUITY,CONSOLIDATED STATEMENT OF CASH FLOWSなどがあり、このうち、CONSOLIDATED BALANCE SHEETの大項目の中には、ASSETS,LIABILITIES,SHAREHOLDERS’ EQUITYなどの中項目があり、さらに、その中項目の中に多数の小項目が含まれている。表2に、中項目のASSETSに含まれる小項目の一例を示す。これらの小項目には金額が入るが、ここでは省略する。
【表2】
【0016】他の第三の財務情報としては、銀行に融資の相談に訪れる企業家などから直接取得される非公開の財務情報などがある。その他、世界各地に散在する企業の財務情報は、さまざまな情報発信源、媒体などから入手可能であるが、入手される財務情報は、表1や表2の如く、フォーマットが異なる。
【0017】一般に、財務情報を用いて共通の分析処理を行い、客観的な信用リスクを算定するためには、データ加工者の恣意性が入ることを排除することが重要である。実際のところ、財務情報にフォーマットの多様性があることを考慮すると、完全に恣意性を排除することは難しい。一方、財務情報システムは世界各地の銀行本支店、関連企業などで利用可能なものとすべきであるが、当該財務情報システムから、信用リスクの分析結果として出力される財務比率、倒産確率、格付けなどが、支店間や利用者間で異なったりするのでは、リスク分析に対する信頼性を得られない。
【0018】図1に、本発明の実施の形態の一例を示す。図1において、入力フォーム定義ファイル11は、世界各地で現場担当者が入手した財務情報を財務情報システムに取り込むためのソフトウエアである。入力フォーム定義ファイル11は、情報提供会社単位、北米・欧州・アジアなどの地域単位、金融業・製造業などの業種単位、或いは、個別の企業単位で作成し、データベース登録しておくことができる。
【0019】表3に、入力フォーム定義ファイル11の一例を示す。これは、入力フォーム定義ファイル11の一部の抜粋であり、上記第一の財務情報におけるアセット情報を取り込むための定義項目を含む。
【表3】
【0020】表4に、別の入力フォーム定義ファイル11の一例を示す。これも、入力フォーム定義ファイル11の一部の抜粋であり、上記第二の財務情報におけるアセット情報を取り込むための定義項目を含む。
【表4】
【0021】入力フォーム定義ファイル11は、財務情報の入力項目を定義しているので、財務情報入力の画面表示にも使用できる。望ましくは、地域単位、業種単位、個別の企業単位に色々な入力フォーム定義ファイル11を作成しておき、利用者が所望の入力フォーム定義ファイル11を選択できるようにする。財務情報システムは、選択された入力フォーム定義ファイル11を参照しながら、予め決められた手順に従って入力画面を動的に設計し、表示する。
【0022】上記表中、3桁の数値でなるIF欄と4桁の数値でなるLF欄との対応は、ロングフォーム定義ファイル10への展開方法を記述する展開ロジック・データであり、後述するジェネレート処理で活用される。このような入力フォーム定義ファイル11には、必要に応じて、承認属性を持たせることができ、この承認属性により、未承認の入力フォーム定義ファイル11を変更不可にできる。ここでは、承認権限を現場に開放し、現場での承認を許容する。
【0023】財務情報を当システムに取り込むときには、インポート処理手段を用いる。特定の企業の財務情報を手入力するときには、使用可能な入力フォーム定義ファイル11の中からその企業のフォーマットに一致したものを選択し、その項目定義に従って手入力による入力処理を行う。また、一群の企業の財務情報を一括して取り込むときには、情報ソース毎に用意した特定の入力フォーム定義ファイル11を用いて、財務情報を格納するCD−ROMなどから自動的にインポート処理する。
【0024】入力フォーム定義ファイル11を経由して財務情報システムに取り込まれた財務情報は、一次財務情報テーブル21に蓄積される。一次財務情報テーブル21は、財務データの全てについて、統一的なフィールド定義を有さない。取り込む際に使用した所定の入力フォーム定義ファイル11に紐付けられる一群の企業間では、そのフィールド定義が一致するものの、全体としては、異なった項目定義に従って財務データを蓄積する。この財務データは、企業ID、年度、期についてユニークであり、重複する財務データは排除される。
【0025】ロングフォーム定義ファイル10は、財務分析で必要とされる財務データの項目を定義したファイルである。財務分析で使用する財務データを一元化することで、財務分析を本店審査部などのリスク管理の方針・基準に合致したものとし、分析結果から恣意性を排除することを支援する。表5に、ロングフォーム定義ファイル10におけるアセット・データ部分の項目の一例を示す。
【表5】
【0026】一次財務情報テーブル21は、入力される財務データを蓄積するデータベースとして中心的な役割を担う。一方、ロングフォーム定義ファイル10は、財務分析で使用する財務データの項目を一元化すると共に、多様な財務データのフォーマットを共通化する中心的な役割を担うもので、ジェネレート処理においては、唯一のロングフォーム定義ファイル10が、一又は複数の入力フォーム定義ファイル11及び一又は複数の財務分析定義ファイル13〜16と連携して、一次財務情報テーブル21の財務データを展開する。好ましくは、ロングフォーム定義ファイル10に承認属性を持たせると共に、承認権限を現場に開放せす、本店審査部などの管理者に独占的な承認権限を与える。このようにすれば、ロングフォーム定義ファイル10による項目定義を経由した財務データは、本店審査部などの管理者によるチェックを受けたと見なし得る。
【0027】財務分析を行うときには、ジェネレート処理を実行する。ジェネレート処理は、大きく二段階の処理に分けられ、第一段階の処理では、ロングフォーム定義ファイル10による項目定義への展開処理が実行され、財務データが一次財務情報テーブル21から二次財務情報テーブル20へと展開される。その展開方法は、入力フォーム定義ファイル11における展開ロジック・データに記述されている。
【0028】例えば、上記第一の財務情報におけるアセット・データを取り込むための入力フォーム定義ファイル11には、
503 1001 Cash
との展開方法が記述されていることにより、ジェネレート処理における第一段階の処理によって、一次財務情報テーブル21における
503 Cash
の項目の財務データは、二次財務情報テーブル20における
1001 Cash and Deposits
の項目に展開される。
【0029】また、上記第二の財務情報におけるアセット・データを取り込むための入力フォーム定義ファイル11には、
710 1008 <Current Assets Total>
との展開方法が記述されていることにより、ジェネレート処理における第一段階の処理によって、一次財務情報テーブル21における
710 <Current Assets Total>
の項目の財務データは、二次財務情報テーブル20における
1008 Current Assets Total_Imported
の項目に展開される。
【0030】このように、ジェネレート処理における第一段階の処理を実行すると、財務データが、ロングフォーム定義ファイル10の項目定義に従って展開されて、二次財務情報テーブル20に保持される。二次財務情報テーブル20の財務データには、ロングフォーム定義ファイル10の作成者による統一的な解釈が与えられている。ジェネレート処理における第二段階の処理では、後述するように、この二次財務情報テーブル20の財務データが二次展開される。
【0031】財務分析定義ファイル13〜16は、財務比率、倒産確率、格付けなどの分析結果を得るための項目を定義したファイルであり、分析の目的や内容によって多数の異なる財務分析定義ファイルを作成することができる。恣意性を排除するために、好ましくは、承認属性を付与し、例えば、現場で財務分析を行う融資責任者に承認権限を与える。
【0032】ショートフォーム定義ファイル13は、財務データを集計・抜粋する財務分析定義ファイルの一つである。他の定義ファイルと同様に、承認属性を持たせることができ、その項目定義の例は表6の如くである。
【表6】
【0033】トータルロジック定義ファイル12は、財務分析定義ファイル13〜16が関与するそれぞれの展開方法を記述した展開ロジック・データを有するファイルである。好ましくは、承認属性を持たせ、本店審査部などの管理者に独占的な承認権限を与える。展開ロジック・データには、二次財務情報テーブル20からショートフォーム展開ファイル23への展開方法の記述が含まれ、例えば、表7のように定義される。
【表7】
【0034】財務分析を行うときには、ジェネレート処理が実行されるが、その第二段階の処理では、ロングフォーム定義ファイル10による項目定義から、財務分析定義ファイルによる項目定義への展開処理が実行される。二次財務情報テーブル20からショートフォーム展開ファイル23への財務データの展開方法は、トータルロジック定義ファイル12における展開ロジック・データに記述されている。例えば、表8に示すように、ジェネレート処理における第一段階の処理で、財務データがロングフォーム定義ファイル10の項目群に一次展開されていたとする。ただし、表8は抜粋であり、各項目に入る金額データ等は省略してある。
【表8】
【0035】具体的に、トータルロジック定義ファイル12における
2006 1041 Long Term Debt
2006 1042 Long Term Debt
との記述より、二次財務情報テーブル20における
1041 Long−Term Debt
1042 Long−Term Debt 2
の二つの項目を和した値は、ショートフォーム展開ファイル23における
2006 Long Term Debt
に展開される。
【0036】図示するように、当例では、財務分析定義ファイル13〜16として、ショートフォーム定義ファイル13、ワークシート定義ファイル14、フィンレシオ定義ファイル15、フィナンシャルアナリシス定義ファイル16とを設けたが、財務分析では、展開する一部のデータや処理が重複するので、複数の財務分析定義ファイル間で財務データを展開することを許容する。例えば、ワークシート定義ファイル16への展開処理においては、二次財務情報テーブル20からワークシート展開ファイル24への展開と、ショートフォーム展開ファイル23からワークシート展開ファイル24への展開との二通りがあり、二次財務情報テーブル20からショートフォーム展開ファイル23への展開結果が有効活用されている。
【0037】トータルロジック定義ファイル12には、ジェネレート処理における第二段階の処理に必要となる展開方法を記述したそれぞれの展開ロジック・データが含まれている。従って、トータルロジック定義ファイル12の承認権限を、本店審査部などの管理者に独占的に付与すれば、いっそう担当者の恣意性を排除し、財務分析の客観性を担保することができる。
【0038】ジェネレート処理によって財務データは展開され、各定義ファイルに対応するそれぞれの展開ファイル等に保持されるが、その展開ファイル等の内容は、テキストデータとしてエクスポートすることが可能である。
【0039】また、財務データは、企業ID、年度、期についてユニークであったが、その企業を担当するセクションID、その企業が属する業種ID、国番号などを加えることによって、信用リスクの分析結果を、「業種で括る」「国で括る」「担当セクションで括る」などすることができるようになる。例えば、ある調査対象の企業の信用リスクが高いか低いかを、業界内での相対的な位置付けによって分析することができるようになる。
【0040】本例のシステムを応用して、広範囲に亘る企業の財務分析結果と、取引先の企業に限定した財務分析結果とを比較すれば、取引先企業を客観的に分類できるから、金融機関では,当システムを信用リスク分析におけるポートフォリオ管理にも適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、多様なフォーマットを有する財務データを一元化するロングフォーム定義ファイルを設けているので、財務情報に関する恣意性を排除し、その解釈を統一化させることができる。また、財務データが展開される項目定義や、展開方法を記述する展開ロジックデータに対し、承認権限を付与することができるので、より恣意性を排除し、客観的な財務分析を行うことができる。
【0042】トータルロジック定義ファイルを設けることによって、ジェネレート処理における第二段階の展開処理で使用される各展開ロジックデータを一元管理することができるので、ここに承認権限を持たせるなどすれば、いっそう恣意性を排除することができる。
【0043】銀行では、信用リスク管理を行う審査部に、その銀行独自の「方針、ルール、やり方」を熟知した上で企業の財務分析を行う人材を配属させているが、本発明では、その「方針、ルール、やり方」を反映したデータ展開ロジックを定義として保存活用し、銀行独自の財務分析をシステムに具現化することができる。仮に、「方針、ルール、やり方」が変わった場合でも、定義ファイルを更新するだけでシステムを継続運用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】財務情報システムの概要図
【符号の説明】
10 ロングフォーム定義ファイル
11 入力フォーム定義ファイル
12 トータルロジック定義ファイル
13 ショートフォーム定義ファイル
14 ワークシート定義ファイル
15 フィンレシオ定義ファイル
16 フィナンシャルアナリシス定義ファイル
20 二次財務情報テーブル
21 一次財務情報テーブル
23 ショートフォーム展開ファイル
24 ワークシート展開ファイル
【発明の属する技術分野】本発明は、財務情報システムの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】現在多くの企業が財務情報を公表しているが、公表される企業の財務情報は、発信元となる個々の企業毎に異なり、多種多様である。また、専門の財務情報提供会社は、ある範囲の企業について財務情報を収集し、提供しているが、その範囲は限定的である。ある程度の範囲の企業をカバーした、共通化された財務情報には、その提供会社の判断が入り込むことが避けられないが、この判断は、銀行による判断基準と必ずしも一致するとは限らない。
【0003】グローバルな経済活動を行うとき、銀行では、その投資先は世界の様々な地域の上場、非上場企業が対象となるから、広範囲に亘る企業の財務情報を入手し、分析することが望ましいが、そのようなニーズを完全に満たす情報ソースは無い。そのため、銀行はデータ提供サービスの利用や取引先からの情報提供等、あらゆる可能な手段で企業の財務情報を入手し、分析に利用することになる。
【0004】個々の銀行は、異なるリスク管理の方針に基づき独自のリスク判断を行う。財務情報に関しても、銀行は入手した財務情報を使用して財務比率の計算等を行い分析を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、個々の銀行のリスク分析基準に合致する、全企業をカバーした財務情報を得ることは困難であり、かつ、財務情報のフォーマットは千差万別であるから、グローバルな範囲での企業のリスク分析はできなかった。本発明の第一の課題は、世界中に散在する財務情報を収集できる財務情報システムを開発することである。
【0006】自らの取引顧客については、その財務情報をデータベース化しているものの、自らの取引顧客以外の企業まで含めて、統一的な形で財務情報を分析するには、フォーマットが異なる財務情報を手作業で取り込む障壁があったので、リスク分析は取引顧客に限って行われていた。本発明の第二の課題は、フォーマットが異なる財務情報を効率的に取り込むことができる財務情報システムを開発することである。
【0007】従来は、取引顧客以外の企業まで含めたリスク分析が困難であったため、業界全体の企業を相対的な尺度として、自らの取引顧客が占めるポジション等を、客観的なデータに基づき分析することができなかった。本発明の第三の課題は、信用リスク分析に、個別の銀行におけるリスク管理の方針・基準に合致したデータによる客観性を与えられる財務情報システムを開発することである。
【0008】従来の分析は、担当者が表計算ソフトなどを用いて個々の企業の財務データに対して行うものが主であったため、大きな資金を運用する銀行では、融資先をポートフォリオとして管理することができなかった。本発明の第四の課題は、信用リスク分析におけるポートフォリオ管理を可能とし、偏った融資態様などを容易に検出できる財務情報システムを開発することである。
【0009】従来の分析では,財務情報のフォーマットが異なる複数の企業を同じ前提条件で比較することができなかった。本発明の第五の課題は、作成者が異なる財務情報について、その解釈をできるだけ統一させることによって、財務分析に客観性を持たせることができる財務情報システムを開発することである。
【0010】財務情報の入力に際しては、勘定科目の解釈に関して入力を行う者の判断、担当者の恣意性が入り込む余地が多分にあった。本発明の第六の課題は、信用リスク分析から恣意性を排除し、本店審査部などのリスク管理の方針・基準に合致した財務分析を可能とする財務情報システムを開発することである。
【0011】システム的な観点からは、財務情報を限定的な範囲についてまとめて取り込むことはできても、一括して財務情報をシステムに取り込むことは困難であった。本発明の第七の課題は、大量の財務情報を効率的に取り込むことができる財務情報システムを開発することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上述の課題は、前記特許請求の範囲に記載した手段にて達成される。すなわち、請求項1の発明は、一の財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、他の財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、ある入力フォーム定義ファイルが選択されたときに、その入力画面を動的に形成する機能とを有する財務情報システムであり、請求項2の発明は、財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、入力フォーム定義ファイルの項目定義に従って財務情報を取り込み、その財務データを一次財務情報テーブルに書き込むインポート処理手段とを有する財務情報システムであり、請求項3の発明は、財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、任意の財務分析に使用される所定の項目を定義したロングフォーム定義ファイルと、入力フォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目からロングフォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目への展開方法を記述した第一の展開ロジック・データと、企業毎の財務データである入力フォーム定義ファイルで定義された項目の財務データを格納する一次財務情報テーブルと、第一の展開ロジック・データに基づき展開されたロングフォーム定義ファイルで定義された項目の財務データを格納する二次財務情報テーブルとを有する財務情報システムであり、請求項4の発明は、財務情報の分析結果として要求される所望の項目を定義した財務分析定義ファイルと、ロングフォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目から財務分析定義ファイルで定義された一又は複数の項目への展開方法を記述した第二の展開ロジック・データと、一次財務情報テーブルから財務データを読み出し、その分析結果を取得するジェネレート処理手段とを備え、当該ジェネレート処理手段は、一次財務情報テーブルの財務データを、第一の展開ロジック・データに基づいて、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開する第一の展開機能と、さらに、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開された財務データを、第二の展開ロジック・データに基づいて、財務分析定義ファイルの項目定義へ展開する第二の展開機能とを有する財務情報システムである。
【0013】
【作用】請求項1の発明では、一次財務情報テーブルに対する入力フォームを多数作成できるため、例えば企業毎に入力フォームを準備すれば、多様な財務情報を財務分析ノウハウ無しに入力できるようになる。請求項2の発明では、大量の財務データを自動的に一括してインポートできるようになる。請求項3の発明では、企業毎の生の財務データと共通フォーマットによる財務データとを共に格納できるようになる。請求項4の発明では、第一の展開ロジック及び第二の展開ロジックを備えることにより、銀行の財務分析担当者のノウハウをシステムにインプリメントできるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】財務情報は、企業情報提供サービスを営む会社などから入手可能であるが、そのフォーマットは各社各様である。例えば、ある情報提供サービスによる第一の財務情報では、大項目として、CONSOLIDATED STATEMENTS OF OPERATIONS,CONSOLIDATED BALANCE SHEETS,CONSOLIDATED STATEMENTS OF CASH FLOWSなどがあり、このうち、CONSOLIDATED BALANCE SHEETSの大項目の中には、ASSETS,LIABILITIES AND EQUITYなどの中項目があり、さらに、その中項目の中に多数の小項目が含まれている。表1に、中項目のASSETSに含まれる小項目の一例を示す。これらの小項目には金額が入るが、ここでは省略する。
【表1】
【0015】別の情報提供サービスによる第二の財務情報では、大項目として、CONSOLIDATED STATEMENT OF INCOME,CONSOLIDATED BALANCE SHEET,CONSOLIDATED STATEMENT OF SHAREHOLDERS’ EQUITY,CONSOLIDATED STATEMENT OF CASH FLOWSなどがあり、このうち、CONSOLIDATED BALANCE SHEETの大項目の中には、ASSETS,LIABILITIES,SHAREHOLDERS’ EQUITYなどの中項目があり、さらに、その中項目の中に多数の小項目が含まれている。表2に、中項目のASSETSに含まれる小項目の一例を示す。これらの小項目には金額が入るが、ここでは省略する。
【表2】
【0016】他の第三の財務情報としては、銀行に融資の相談に訪れる企業家などから直接取得される非公開の財務情報などがある。その他、世界各地に散在する企業の財務情報は、さまざまな情報発信源、媒体などから入手可能であるが、入手される財務情報は、表1や表2の如く、フォーマットが異なる。
【0017】一般に、財務情報を用いて共通の分析処理を行い、客観的な信用リスクを算定するためには、データ加工者の恣意性が入ることを排除することが重要である。実際のところ、財務情報にフォーマットの多様性があることを考慮すると、完全に恣意性を排除することは難しい。一方、財務情報システムは世界各地の銀行本支店、関連企業などで利用可能なものとすべきであるが、当該財務情報システムから、信用リスクの分析結果として出力される財務比率、倒産確率、格付けなどが、支店間や利用者間で異なったりするのでは、リスク分析に対する信頼性を得られない。
【0018】図1に、本発明の実施の形態の一例を示す。図1において、入力フォーム定義ファイル11は、世界各地で現場担当者が入手した財務情報を財務情報システムに取り込むためのソフトウエアである。入力フォーム定義ファイル11は、情報提供会社単位、北米・欧州・アジアなどの地域単位、金融業・製造業などの業種単位、或いは、個別の企業単位で作成し、データベース登録しておくことができる。
【0019】表3に、入力フォーム定義ファイル11の一例を示す。これは、入力フォーム定義ファイル11の一部の抜粋であり、上記第一の財務情報におけるアセット情報を取り込むための定義項目を含む。
【表3】
【0020】表4に、別の入力フォーム定義ファイル11の一例を示す。これも、入力フォーム定義ファイル11の一部の抜粋であり、上記第二の財務情報におけるアセット情報を取り込むための定義項目を含む。
【表4】
【0021】入力フォーム定義ファイル11は、財務情報の入力項目を定義しているので、財務情報入力の画面表示にも使用できる。望ましくは、地域単位、業種単位、個別の企業単位に色々な入力フォーム定義ファイル11を作成しておき、利用者が所望の入力フォーム定義ファイル11を選択できるようにする。財務情報システムは、選択された入力フォーム定義ファイル11を参照しながら、予め決められた手順に従って入力画面を動的に設計し、表示する。
【0022】上記表中、3桁の数値でなるIF欄と4桁の数値でなるLF欄との対応は、ロングフォーム定義ファイル10への展開方法を記述する展開ロジック・データであり、後述するジェネレート処理で活用される。このような入力フォーム定義ファイル11には、必要に応じて、承認属性を持たせることができ、この承認属性により、未承認の入力フォーム定義ファイル11を変更不可にできる。ここでは、承認権限を現場に開放し、現場での承認を許容する。
【0023】財務情報を当システムに取り込むときには、インポート処理手段を用いる。特定の企業の財務情報を手入力するときには、使用可能な入力フォーム定義ファイル11の中からその企業のフォーマットに一致したものを選択し、その項目定義に従って手入力による入力処理を行う。また、一群の企業の財務情報を一括して取り込むときには、情報ソース毎に用意した特定の入力フォーム定義ファイル11を用いて、財務情報を格納するCD−ROMなどから自動的にインポート処理する。
【0024】入力フォーム定義ファイル11を経由して財務情報システムに取り込まれた財務情報は、一次財務情報テーブル21に蓄積される。一次財務情報テーブル21は、財務データの全てについて、統一的なフィールド定義を有さない。取り込む際に使用した所定の入力フォーム定義ファイル11に紐付けられる一群の企業間では、そのフィールド定義が一致するものの、全体としては、異なった項目定義に従って財務データを蓄積する。この財務データは、企業ID、年度、期についてユニークであり、重複する財務データは排除される。
【0025】ロングフォーム定義ファイル10は、財務分析で必要とされる財務データの項目を定義したファイルである。財務分析で使用する財務データを一元化することで、財務分析を本店審査部などのリスク管理の方針・基準に合致したものとし、分析結果から恣意性を排除することを支援する。表5に、ロングフォーム定義ファイル10におけるアセット・データ部分の項目の一例を示す。
【表5】
【0026】一次財務情報テーブル21は、入力される財務データを蓄積するデータベースとして中心的な役割を担う。一方、ロングフォーム定義ファイル10は、財務分析で使用する財務データの項目を一元化すると共に、多様な財務データのフォーマットを共通化する中心的な役割を担うもので、ジェネレート処理においては、唯一のロングフォーム定義ファイル10が、一又は複数の入力フォーム定義ファイル11及び一又は複数の財務分析定義ファイル13〜16と連携して、一次財務情報テーブル21の財務データを展開する。好ましくは、ロングフォーム定義ファイル10に承認属性を持たせると共に、承認権限を現場に開放せす、本店審査部などの管理者に独占的な承認権限を与える。このようにすれば、ロングフォーム定義ファイル10による項目定義を経由した財務データは、本店審査部などの管理者によるチェックを受けたと見なし得る。
【0027】財務分析を行うときには、ジェネレート処理を実行する。ジェネレート処理は、大きく二段階の処理に分けられ、第一段階の処理では、ロングフォーム定義ファイル10による項目定義への展開処理が実行され、財務データが一次財務情報テーブル21から二次財務情報テーブル20へと展開される。その展開方法は、入力フォーム定義ファイル11における展開ロジック・データに記述されている。
【0028】例えば、上記第一の財務情報におけるアセット・データを取り込むための入力フォーム定義ファイル11には、
503 1001 Cash
との展開方法が記述されていることにより、ジェネレート処理における第一段階の処理によって、一次財務情報テーブル21における
503 Cash
の項目の財務データは、二次財務情報テーブル20における
1001 Cash and Deposits
の項目に展開される。
【0029】また、上記第二の財務情報におけるアセット・データを取り込むための入力フォーム定義ファイル11には、
710 1008 <Current Assets Total>
との展開方法が記述されていることにより、ジェネレート処理における第一段階の処理によって、一次財務情報テーブル21における
710 <Current Assets Total>
の項目の財務データは、二次財務情報テーブル20における
1008 Current Assets Total_Imported
の項目に展開される。
【0030】このように、ジェネレート処理における第一段階の処理を実行すると、財務データが、ロングフォーム定義ファイル10の項目定義に従って展開されて、二次財務情報テーブル20に保持される。二次財務情報テーブル20の財務データには、ロングフォーム定義ファイル10の作成者による統一的な解釈が与えられている。ジェネレート処理における第二段階の処理では、後述するように、この二次財務情報テーブル20の財務データが二次展開される。
【0031】財務分析定義ファイル13〜16は、財務比率、倒産確率、格付けなどの分析結果を得るための項目を定義したファイルであり、分析の目的や内容によって多数の異なる財務分析定義ファイルを作成することができる。恣意性を排除するために、好ましくは、承認属性を付与し、例えば、現場で財務分析を行う融資責任者に承認権限を与える。
【0032】ショートフォーム定義ファイル13は、財務データを集計・抜粋する財務分析定義ファイルの一つである。他の定義ファイルと同様に、承認属性を持たせることができ、その項目定義の例は表6の如くである。
【表6】
【0033】トータルロジック定義ファイル12は、財務分析定義ファイル13〜16が関与するそれぞれの展開方法を記述した展開ロジック・データを有するファイルである。好ましくは、承認属性を持たせ、本店審査部などの管理者に独占的な承認権限を与える。展開ロジック・データには、二次財務情報テーブル20からショートフォーム展開ファイル23への展開方法の記述が含まれ、例えば、表7のように定義される。
【表7】
【0034】財務分析を行うときには、ジェネレート処理が実行されるが、その第二段階の処理では、ロングフォーム定義ファイル10による項目定義から、財務分析定義ファイルによる項目定義への展開処理が実行される。二次財務情報テーブル20からショートフォーム展開ファイル23への財務データの展開方法は、トータルロジック定義ファイル12における展開ロジック・データに記述されている。例えば、表8に示すように、ジェネレート処理における第一段階の処理で、財務データがロングフォーム定義ファイル10の項目群に一次展開されていたとする。ただし、表8は抜粋であり、各項目に入る金額データ等は省略してある。
【表8】
【0035】具体的に、トータルロジック定義ファイル12における
2006 1041 Long Term Debt
2006 1042 Long Term Debt
との記述より、二次財務情報テーブル20における
1041 Long−Term Debt
1042 Long−Term Debt 2
の二つの項目を和した値は、ショートフォーム展開ファイル23における
2006 Long Term Debt
に展開される。
【0036】図示するように、当例では、財務分析定義ファイル13〜16として、ショートフォーム定義ファイル13、ワークシート定義ファイル14、フィンレシオ定義ファイル15、フィナンシャルアナリシス定義ファイル16とを設けたが、財務分析では、展開する一部のデータや処理が重複するので、複数の財務分析定義ファイル間で財務データを展開することを許容する。例えば、ワークシート定義ファイル16への展開処理においては、二次財務情報テーブル20からワークシート展開ファイル24への展開と、ショートフォーム展開ファイル23からワークシート展開ファイル24への展開との二通りがあり、二次財務情報テーブル20からショートフォーム展開ファイル23への展開結果が有効活用されている。
【0037】トータルロジック定義ファイル12には、ジェネレート処理における第二段階の処理に必要となる展開方法を記述したそれぞれの展開ロジック・データが含まれている。従って、トータルロジック定義ファイル12の承認権限を、本店審査部などの管理者に独占的に付与すれば、いっそう担当者の恣意性を排除し、財務分析の客観性を担保することができる。
【0038】ジェネレート処理によって財務データは展開され、各定義ファイルに対応するそれぞれの展開ファイル等に保持されるが、その展開ファイル等の内容は、テキストデータとしてエクスポートすることが可能である。
【0039】また、財務データは、企業ID、年度、期についてユニークであったが、その企業を担当するセクションID、その企業が属する業種ID、国番号などを加えることによって、信用リスクの分析結果を、「業種で括る」「国で括る」「担当セクションで括る」などすることができるようになる。例えば、ある調査対象の企業の信用リスクが高いか低いかを、業界内での相対的な位置付けによって分析することができるようになる。
【0040】本例のシステムを応用して、広範囲に亘る企業の財務分析結果と、取引先の企業に限定した財務分析結果とを比較すれば、取引先企業を客観的に分類できるから、金融機関では,当システムを信用リスク分析におけるポートフォリオ管理にも適用できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、多様なフォーマットを有する財務データを一元化するロングフォーム定義ファイルを設けているので、財務情報に関する恣意性を排除し、その解釈を統一化させることができる。また、財務データが展開される項目定義や、展開方法を記述する展開ロジックデータに対し、承認権限を付与することができるので、より恣意性を排除し、客観的な財務分析を行うことができる。
【0042】トータルロジック定義ファイルを設けることによって、ジェネレート処理における第二段階の展開処理で使用される各展開ロジックデータを一元管理することができるので、ここに承認権限を持たせるなどすれば、いっそう恣意性を排除することができる。
【0043】銀行では、信用リスク管理を行う審査部に、その銀行独自の「方針、ルール、やり方」を熟知した上で企業の財務分析を行う人材を配属させているが、本発明では、その「方針、ルール、やり方」を反映したデータ展開ロジックを定義として保存活用し、銀行独自の財務分析をシステムに具現化することができる。仮に、「方針、ルール、やり方」が変わった場合でも、定義ファイルを更新するだけでシステムを継続運用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】財務情報システムの概要図
【符号の説明】
10 ロングフォーム定義ファイル
11 入力フォーム定義ファイル
12 トータルロジック定義ファイル
13 ショートフォーム定義ファイル
14 ワークシート定義ファイル
15 フィンレシオ定義ファイル
16 フィナンシャルアナリシス定義ファイル
20 二次財務情報テーブル
21 一次財務情報テーブル
23 ショートフォーム展開ファイル
24 ワークシート展開ファイル
Claims (4)
- 一の財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、他の財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、ある入力フォーム定義ファイルが選択されたときに、その入力画面を動的に形成する機能とを有する財務情報システム。
- 財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、入力フォーム定義ファイルの項目定義に従って財務情報を取り込み、その財務データを一次財務情報テーブル21に書き込むインポート処理手段とを有する財務情報システム。
- 財務情報における一定の項目を定義した入力フォーム定義ファイルと、任意の財務分析に使用される所定の項目を定義したロングフォーム定義ファイルと、入力フォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目からロングフォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目への展開方法を記述した第一の展開ロジック・データと、企業毎の財務データである入力フォーム定義ファイルで定義された項目の財務データを格納する一次財務情報テーブルと、第一の展開ロジック・データに基づき展開されたロングフォーム定義ファイルで定義された項目の財務データを格納する二次財務情報テーブルとを有する財務情報システム。
- 財務情報の分析結果として要求される所望の項目を定義した財務分析定義ファイルと、ロングフォーム定義ファイルで定義された一又は複数の項目から財務分析定義ファイルで定義された一又は複数の項目への展開方法を記述した第二の展開ロジック・データと、一次財務情報テーブルから財務データを読み出し、その分析結果を取得するジェネレート処理手段とを備え、当該ジェネレート処理手段は、一次財務情報テーブルの財務データを、第一の展開ロジック・データに基づいて、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開する第一の展開機能と、さらに、ロングフォーム定義ファイルの項目定義へ展開された財務データを、第二の展開ロジック・データに基づいて、財務分析定義ファイルの項目定義へ展開する第二の展開機能とを有する財務情報システム。
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-
2002
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