JP2002014078A - 有機ハロゲン化合物の濃度測定装置およびそれを用いた濃度測定方法 - Google Patents

有機ハロゲン化合物の濃度測定装置およびそれを用いた濃度測定方法

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JP2002014078A JP2000198957A JP2000198957A JP2002014078A JP 2002014078 A JP2002014078 A JP 2002014078A JP 2000198957 A JP2000198957 A JP 2000198957A JP 2000198957 A JP2000198957 A JP 2000198957A JP 2002014078 A JP2002014078 A JP 2002014078A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中のトリクロロエチレンなどの有機ハロゲ
ン化合物の濃度を、簡易で迅速かつ連続的に測定し得る
測定装置を提供することを課題とする。 【解決手段】 光照射により有機ハロゲン化合物を酸化
分解させ得るn型半導体触媒膜がガラス感応膜の外表面
に形成された表面修飾光触媒分解型のpH電極またはイ
オン選択性電極と、参照電極と、n型半導体触媒膜に光
照射するための光源とを備えるか、あるいはpH電極ま
たはイオン選択性電極と、前記電極の近傍に設置され、
光照射により有機ハロゲン化合物を酸化分解させ得るn
型半導体触媒膜が前記電極と対峙する表面に形成された
部材と、参照電極と、n型半導体触媒膜に光照射するた
めの光源とを備えた水中の有機ハロゲン化合物の濃度測
定装置により、上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリクロロエチレ
ンなどを使用する事業所、研究所、廃液処理施設、これ
らの周辺地域における廃水や地下水中の有機ハロゲン化
合物の水質検査に好適に用いられる、水中の有機ハロゲ
ン化合物の濃度測定装置およびそれを用いた濃度測定方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】トリクロロエチレンなどの有機ハロゲン
化合物は、人体に悪影響を与える化合物として、大気環
境基準、水質環境基準および地下水環境基準などが設定
され、行政機関を始め、このような物質を使用する事業
所などでは定期的なモニタリングが行われている。
【0003】特に、地下水の汚染問題に関しては水質汚
濁防止法の規制を受けて、行政機関、事業所などが多数
のモニタリング井戸を設置し、汚染の度合いに関する継
続的なモニタリングが行われている。しかし、これらの
モニタリングに要するコストは無視できない状況にあ
る。
【0004】従来から有機ハロゲン化合物の測定には、
一般にガスクロマトグラフ(GC)法が使用されてい
る。GC法は非常に高感度で、かつ高精度な定性定量分
析法であるが、装置が高価で、専門技術者を必要とし、
屋外測定が困難で、バッチ的な測定しかできない(連続
的な測定ができない)などの問題がある。
【0005】このようなCG装置にフローインジェクシ
ョンメソッド、またはオートサンプラーとオートインジ
ェクターとを組み合わせれば、間欠的な測定も可能にな
るが、装置が大掛かりになるだけでなく、電源の確保な
ども必要になり、このような方法は現場分析として現実
的な方法とはいい難い。近年、可搬のGC装置が市販さ
れているが、基本的に上記の問題は解決されていない。
【0006】また、特開平5−72136号には、有機
塩素化合物を分解して得られた塩素ガスをルミノール発
光させ、その強度を光電子倍増管で測定する方法が開示
されている。この方法では、有機塩素化合物の濃度を連
続的に測定することも可能であるが、吸引ポンプ、酸化
剤または加熱白金フィラメント収納部、化学発光用セ
ル、光電子倍増管、増幅器、表示器、高圧電源、光トラ
ップなどの付帯設備が必要であり、装置が高価で大掛か
りになる。
【0007】有機ハロゲン化合物の他の測定方法として
は、検知管、PID(光イオン化検出器)、IR(赤外
光度計)を用いた方法がある。しかし、検知管は使い捨
てなので、これを用いた方法では、自動・連続測定が困
難である。PIDは比較的安価で、かつ高感度の検出器
であるが、埃や水蒸気などの影響を受け易く、多様な有
機物に感度を示すために測定値の信頼性に課題が残る。
また、PIDを用いた方法では、吸気ポンプなどの駆動
装置が必要になり、装置が大掛かりになる。IRを用い
た方法は連続測定に最も適した方法であるが、水蒸気の
影響を受け易いために微量測定には適さず、装置が高価
な割に感度が低い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のCG法や検知管
を用いた方法では、試料の準備や標準試料の測定(検量
線の作成)などが必要であり、試料採取から分析完了ま
でに長時間を要した。また、試料の採取時や保存時に測
定対象の有機ハロゲン化合物が揮散して濃度変化が起こ
ることもあり、試料の取り扱いに十分な注意が必要であ
った。
【0009】本発明は、水中のトリクロロエチレンなど
の有機ハロゲン化合物の濃度を、簡易で迅速かつ連続的
に測定し得る測定装置を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、光照射により有機ハロゲン化合物を酸化分解させ得
るn型半導体触媒膜がガラス感応膜の外表面に形成され
た表面修飾光触媒分解型のpH電極またはイオン選択性
電極と、参照電極と、n型半導体触媒膜に光照射するた
めの光源とを備えた水中の有機ハロゲン化合物の濃度測
定装置が提供される。
【0011】また、本発明によれば、pH電極またはイ
オン選択性電極と、前記電極の近傍に設置され、光照射
により有機ハロゲン化合物を酸化分解させ得るn型半導
体触媒膜が前記電極と対峙する表面に形成された部材
と、参照電極と、n型半導体触媒膜に光照射するための
光源とを備えた水中の有機ハロゲン化合物の濃度測定装
置が提供される。
【0012】さらに、本発明によれば、上記の測定装置
を測定対象水に浸漬し、測定対象水に光照射して該対象
水中の有機ハロゲン化合物を酸化分解させ、ハロゲンイ
オンの放出に伴って増加したプロトン量を参照電極との
電位差としてpH電極で測定するか、あるいは放出され
たハロゲンイオン量を参照電極との電位差としてイオン
選択性電極で測定し、得られた結果から測定対象水中の
有機ハロゲン化合物の濃度を求めることを特徴とする水
中の有機ハロゲン化合物の濃度測定方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】一般にTiO2膜に代表されるn
型半導体の表面に紫外光などの光が照射されると、その
表面に吸着した有機化合物が酸化分解することが知られ
ている。本発明の有機ハロゲン化合物の濃度測定装置
は、このようなn型半導体の有機ハロゲン化合物の酸化
分解作用を応用するものである。
【0014】本発明の有機ハロゲン化合物の濃度測定装
置は、 光照射により有機ハロゲン化合物を酸化分解させ得る
n型半導体触媒膜がガラス感応膜の外表面に形成された
表面修飾光触媒分解型のpH電極またはイオン選択性電
極と、参照電極と、n型半導体触媒膜に光照射するため
の光源とを備えるか、 pH電極またはイオン選択性電極と、前記電極の近傍
に設置され、光照射により有機ハロゲン化合物を酸化分
解させ得るn型半導体触媒膜が前記電極と対峙する表面
に形成された部材と、参照電極と、n型半導体触媒膜に
光照射するための光源とを備える。
【0015】すなわち、n型半導体触媒膜に光源から光
が照射されると、n型半導体触媒膜に吸着する測定対象
水中に含有するトリクロロエチレンなどの有機ハロゲン
化合物は酸化分解して、ハロゲンイオンを放出する。本
発明の測定装置は、この放出されたハロゲンイオン量を
そのカウンターイオンとなるプロトンの増加量としてp
H電極で測定するか、あるいはハロゲンイオン量をイオ
ン選択性電極で測定して、演算により測定対象の化合物
を定量するものである。具体的には、pH電極およびイ
オン選択性電極では、イオン量を参照電極との電位差と
して測定する。
【0016】有機ハロゲン化合物の水質環境基準値は、
代表的なトリクロロエチレンでは30ppb、最も高い
トリクロロエタンでは1ppm、最も低い四塩化炭素お
よび1,3−ジクロロプロペンでは2ppbである。こ
れらの化合物が完全に酸化分解した場合に放出される塩
素イオン濃度は、トリクロロエチレンでは0.68μモ
ル/リットル、1,1,1−トリクロロエタンでは2
2.5μモル/リットル、四塩化炭素では0.052μ
モル/リットル、1,3−ジクロロプロペンでは0.0
36μモル/リットルである。また、この場合のカウン
ターイオンとなるプロトン濃度は、塩素イオンとほぼ同
じ濃度になる。
【0017】したがって、本発明の測定装置に用いられ
るpH電極およびイオン選択性電極は、最低でも0.0
1μモル/リットルのプロトンまたはハロゲンイオンに
対して感度を有するもの、すなわちイオン量の変化を参
照電極との電位差として検出し得るものであれば、特に
限定されない。具体的には、ガラス電極およびFET電
極に代表される作用電極が挙げられる。
【0018】一般に市販されているpH電極の測定範囲
はpH0〜14であり、非常に廉価なものでも測定範囲
はpH2〜12程度である。プロトン濃度0.01μモ
ル/リットルはpH8の電位差に相当するので、市販の
安価なpH電極でも本発明の測定装置に用いることがで
きる。また、市販のpH計を改造して、本発明の測定装
置とすることもできる。
【0019】n型半導体触媒膜は、pH電極またはイオ
ン選択性電極のガラス感応膜の外表面、あるいは前記電
極の近傍に設置された部材における電極と対峙する表面
に形成される。部材としては、測定対象水に浸漬させて
も化学的に安定で、測定操作に耐え得る機械的な強度を
有するものであれば特に限定されない。また、その形状
は、光照射により放出されるハロゲンイオンをイオン選
択性電極に効率よく検知させ得るか、あるいはカウンタ
ーイオンとなるプロトンをpH電極に効率よく検知させ
得る形状であれば、特に限定されない。例えば、ガラス
製の、円筒状もしくは半球状のプレートまたは円筒状も
しくは半球状のネットなどが挙げられる。
【0020】n型半導体触媒膜は、測定対象水中の有機
ハロゲン化合物が吸着しやすい表面構造であるのが好ま
しく、例えば、粒子径1〜100nmのTiO2微粒子
を膜厚10〜1000μmで固着した膜が挙げられる。
より具体的には、粒子径約20nmのTiO2微粒子を
膜厚約100μm程度で固着した膜が挙げられる。ま
た、TiO2としては、結晶構造が光触媒に適している
点でアナターゼ型TiO2が好ましい。
【0021】n型半導体触媒膜は、ゾルゲル法、錯体法
などにより調製したTiO2のアルコキシドを、ドット
状、縞状などの任意の形状にマスキングした上記の電極
または部材上に、スプレーコーティング法、ディップコ
ーティング法などで塗布し、乾燥、任意に焼成すること
より、形成することができる。図3はTiO2膜10を
ドット状に固着させたガラス感応膜7である。また、n
型半導体触媒膜は、TiO2粉末をテフロン(登録商
標)系などの接着剤と混合して薄膜とした後、酸素プラ
ズマのような方法で表面処理することにより、形成する
こともできる。
【0022】光源は、n型半導体触媒を励起させて、触
媒膜に吸着する有機ハロゲン化合物またはその近傍の有
機ハロゲン化合物をイオンに分解させる紫外光などの光
を照射するものであれば特に限定されない。光源として
は、例えば、水銀ランプなどの紫外光ランプが挙げら
れ、n型半導体触媒膜に光を効果的に照射するために、
局所的に光を照射し得る光ファイバ−を用いるのが好ま
しく、その先端部は、球形に加工されているのが好まし
い。
【0023】参照電極は、pH電極またはイオン選択性
電極と組み合わせて、対象水中の電位差を測定し得るも
のであれば、特に限定されない。
【0024】次に図を用いて本発明の装置について説明
する。図1は本発明の有機ハロゲン化合物の測定装置の
一例を示す概略模式図である。この装置は、支持管6内
に指示電極5を有するpH電極1、pH電極1を囲むよ
うに設置されたガラス製の半球状プレート2、pH電極
1の胴体部分の外壁に設置された光ファイバー4および
参照電極(図示せず)からなる。半球状プレート2のp
H電極1と対峙する表面、すなわち半球状プレート2の
内壁には、n型半導体触媒膜(光触媒層)3が形成され
ている。
【0025】図2は本発明の別の有機ハロゲン化合物の
測定装置の一例を示す概略模式図である。この装置は、
支持管6内に光ファイバー4および指示電極5を有する
pH電極1、参照電極(図示せず)および反射板9から
なる。pH電極1のガラス感応膜7の外表面には、n型
半導体触媒膜3が形成されている。また、反射板9はp
H電極1の周囲を覆うように設けられ、光ファイバー4
から照射された紫外光8を反射して、紫外光を間接的に
n型半導体触媒膜に照射し、また照射された紫外光が外
部に影響を与えないように遮蔽する働きをする。
【0026】本発明によれば、上記の測定装置を測定対
象水に浸漬し、測定対象水に光照射して該対象水中の有
機ハロゲン化合物を酸化分解させ、ハロゲンイオンの放
出に伴って増加したプロトン量を参照電極との電位差と
してpH電極で測定するか、あるいは放出されたハロゲ
ンイオン量を参照電極との電位差としてイオン選択性電
極で測定し、得られた結果から測定対象水中の有機ハロ
ゲン化合物の濃度を求めることを特徴とする水中の有機
ハロゲン化合物の濃度測定方法が提供される。
【0027】pH電極またはイオン選択性電極で測定し
た電位差(pH値)から測定対象水中の有機ハロゲン化
合物の濃度を求める。例えば、トリクロロエチレンは測
定対象水中において次式のように分解する。 C2HCl3 + H2O + 3/2O2 → 2CO2 + 3
+ + 3Cl- したがって、測定対象水中のトリクロロエチレン濃度
(x)は、近似的に次式により求められる。 log(3x/131.5/1000)=−[pH]
【0028】また、テトラクロロエチレンは測定対象水
中において次式のように分解する。 C2Cl4 + 2H2O + O2 → 2CO2 + 4H+
4Cl- したがって、測定対象水中のテトラクロロエチレン濃度
(y)は、近似的に次式により求められる。 log(4y/166/1000)=−[pH]
【0029】測定対象となる有機ハロゲン化合物として
は、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどの
有機塩素化合物が好ましい。しかしながら、本発明にお
いて測定対象となる化合物は、これらの有機ハロゲン化
合物に限定されない。すなわち、測定対象とする化合物
が紫外光や可視光の照射によって炭酸イオンやその他の
イオンなどに分解する化合物であって、その分解によっ
て放出されるイオンを選択的に検知し得る電極を選定で
きるのであれば、対象化合物の濃度を測定することがで
きる。
【0030】pH電極またはイオン選択性電極で測定し
た参照電極との電位差(pH値)から有機ハロゲン化合
物の濃度を求める一連の演算を演算装置で行い、この結
果を表示部に表示したり、記録装置に記録することがで
きる。
【0031】
【実施例】本発明を実施例により以下に具体的に説明す
るが、これらの実施例により本発明が限定されるもので
はない。
【0032】(実施例1)図1に示す測定装置を用い
て、水中の有機ハロゲン化合物の濃度を測定した。この
装置において、1は支持管6内に指示電極5を有する先
端部の直径10mm、長さ150mmのpH電極であ
り、2はpH電極を囲むように設置された直径20mm
のガラス製の半球状プレートである。この半球状プレー
ト2がpH電極1と対峙する半球状プレート2の表面、
すなわち半球状プレート2の内壁には、ゾル=ゲル法に
より調製した粒子径約20nmのアナターゼ型TiO2
微粒子が光触媒層3としてスプレーコーティング法によ
り厚さ約100μmで固着されている。また、4はpH
電極1の胴体部分の外壁に設置された光ファイバーであ
り、紫外光を光触媒層3にほぼ均一に照射できるように
8本配置されている。なお、参照電極(図示しない)
は、pH電極の近傍に設置されている。
【0033】測定装置をトリクロロエチレンが3ppm
含まれる試料水中に浸漬した。まず、紫外光を照射しな
い状態で試料水のpHを測定した。pHは7.0を示し
た。次いで、紫外光を照射して試料水のpHの変化を測
定した。pHは紫外光の照射と共に変化し、約5分後に
一定値4.2を示した。
【0034】トリクロロエチレンの光触媒的分解反応
式: C2HCl3 + H2O + 3/2O2 → 2CO2 + 3
+ + 3Cl- から、試料水中のトリクロロエチレン濃度(x)は、近
似的に濃度換算式: log(3x/131.5/1000)=−[pH] を解くことにより求まる。この式からpH=4.2のと
き、トリクロロエチレン濃度は2.8ppmとなった。
【0035】(実施例2)図2に示す測定装置を用い
て、水中の有機ハロゲン化合物の濃度を測定した。この
装置において、1は支持管6内に光ファイバー4および
指示電極5を有する先端部の直径10mm、長さ150
mmのpH電極であり、pH電極1のガラス感応膜7の
外表面に、ゾル=ゲル法により調製した粒子径約20n
mのアナターゼ型TiO2微粒子が光触媒層3としてス
プレーコーティング法により直径2mm、厚さ約100
μmのドット状に固着されている(図3参照、図番10
はTiO2膜である)。支持管6内の光ファイバー4
は、紫外光8を光触媒層3にほぼ均一に照射できるよう
に先端部が球形に加工されている。また、9は紫外光の
反射と遮蔽のための反射板である。なお、参照電極(図
示しない)は、pH電極の近傍に設置されている。
【0036】測定装置をテトラクロロエチレンが0.5
ppm含まれる試料水中に浸漬した。まず、紫外光を照
射しない状態で試料水のpHを測定した。pHは7.0
を示した。次いで、紫外光を照射して試料水のpHの変
化を測定した。pHは紫外光の照射と共に変化し、約1
分後に一定値5.0を示した。
【0037】テトラクロロエチレンの光触媒的分解反応
式: C2Cl4 + 2H2O + O2 → 2CO2 + 4H+
4Cl- から、試料水中のテトラクロロエチレン濃度(y)は、
近似的に濃度換算式: log(4y/166/1000)=−[pH] を解くことにより求まる。この式からpH=5.0のと
き、テトラクロロエチレン濃度は0.4ppmとなっ
た。
【0038】(実施例3)図2に示す測定装置が組み込
まれた図4に示す測定システムを用いて、水中の有機ハ
ロゲン化合物の濃度を連続的に測定した。トリクロロエ
チレンが30ppm含まれる試料水11を流量1ml/
分で、トリクロロエチレンを含まない環境水12を流量
9ml/分で、それぞれペリスタポンプ13aおよび1
3bを用いて送液し、それらをミキシング部14を介し
て混合した後に、測定装置15を設置した測定セル16
に導入した。測定セルの容量は10mlとした。図中、
17は廃水タンクを示す。
【0039】まず、紫外光を照射しない状態で測定セル
16の対象水のpHを測定した。pHは7.1を示し
た。次いで、紫外光を照射して対象水のpHの変化を測
定した。pHは紫外光の照射と共に変化し、約2分後に
一定値4.2を示した。紫外光の照射を停止するとpH
は約2分後に7.1に戻った。以上の操作を繰り返した
ところ、同様のpH変化を示した。
【0040】次に、試料水11および環境水12をそれ
ぞれ流量5ml/分に変化させた後に、上記と同様にし
てpHの変化を測定した。pHは紫外光の照射と共に変
化し、約2分後に一定値3.5を示した。紫外光の照射
を停止するとpHは約2分後に7.1に戻った。以上の
操作を繰り返したところ、同様のpH変化を示した。図
5にpHの経時変化を示す。
【0041】実施例1と同様にして、紫外光の照射によ
り変化し、安定したときのpHからトリクロロエチレン
濃度を求めた。括弧内は対象水のトリクロロエチレン濃
度を示す。 pH=4.2のとき 2.8ppm(対象水 3pp
m) pH=3.5のとき 14ppm(対象水 15pp
m)
【0042】
【発明の効果】本発明の有機ハロゲン化合物の濃度測定
装置は、TiO2などのn型半導体に紫外光などの光を
照射することによって、水中のトリクロロエチレンやテ
トラクロロエチレンなどの有機ハロゲン化合物を酸化分
解し、放出されたハロゲンイオン量をそのカウンターイ
オンとなるプロトンの増加量としてpH電極で測定する
か、あるいはハロゲンイオン量をイオン選択性電極で測
定して、測定対象の化合物を定量するものである。した
がって、水中の有機ハロゲン化合物を簡便で迅速かつ連
続的に測定することができる。
【0043】また、本発明の有機ハロゲン化合物の濃度
測定装置は、有機ハロゲン化合物に限らず、紫外光や可
視光の照射によって、ハロゲンイオン、炭酸イオン、そ
の他のイオンなどに分解されるような全ての有機化合物
を、そのイオンを選択的に感応するイオン選択性電極を
用いて測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ハロゲン化合物の測定装置の概略
模式図である。
【図2】本発明の別の有機ハロゲン化合物の測定装置の
概略模式図である。
【図3】図2の測定装置のガラス感応膜の外表面の拡大
模式図である。
【図4】本発明の有機ハロゲン化合物の測定装置が組み
込まれた測定システムの模式図である。
【図5】実施例3におけるpHの経時変化を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 pH電極 2 半球状プレート 3 光触媒層 4 光ファイバー 5 指示電極 6 支持管 7 ガラス感応膜 8 紫外光 9 反射板 10 TiO2膜 11 試料水 12 環境水 13a、13b ペリスタポンプ 14 ミキシング部 15 測定装置 16 測定セル 17 廃水タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/18 G01N 27/30 301V 301U 27/46 U 353Z (72)発明者 大岡 孝治 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2G042 BA03 BA10 BD02 CB03 DA03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射により有機ハロゲン化合物を酸化
    分解させ得るn型半導体触媒膜がガラス感応膜の外表面
    に形成された表面修飾光触媒分解型のpH電極またはイ
    オン選択性電極と、参照電極と、n型半導体触媒膜に光
    照射するための光源とを備えた水中の有機ハロゲン化合
    物の濃度測定装置。
  2. 【請求項2】 pH電極またはイオン選択性電極と、前
    記電極の近傍に設置され、光照射により有機ハロゲン化
    合物を酸化分解させ得るn型半導体触媒膜が前記電極と
    対峙する表面に形成された部材と、参照電極と、n型半
    導体触媒膜に光照射するための光源とを備えた水中の有
    機ハロゲン化合物の濃度測定装置。
  3. 【請求項3】 部材が、円筒状もしくは半球状のプレー
    トまたは円筒状もしくは半球状のネットである請求項2
    に記載の測定装置。
  4. 【請求項4】 n型半導体触媒膜が、ガラス感応膜の外
    表面または部材の表面に部分的に形成されてなる請求項
    1〜3のいずれか1つに記載の測定装置。
  5. 【請求項5】 n型半導体触媒膜が、粒子径1〜100
    nmのTiO2微粒子を膜厚10〜1000μmで固着
    した膜である請求項1〜4のいずれか1つに記載の測定
    装置。
  6. 【請求項6】 TiO2が、アナターゼ型TiO2である
    請求項5に記載の測定装置。
  7. 【請求項7】 光源が、pH電極またはイオン選択性電
    極の近傍に設置され、光ファイバーを通じて光を照射す
    るものである請求項1〜6のいずれか1つに記載の測定
    装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1つに記載の測
    定装置を測定対象水に浸漬し、測定対象水に光照射して
    該対象水中の有機ハロゲン化合物を酸化分解させ、ハロ
    ゲンイオンの放出に伴って増加したプロトン量を参照電
    極との電位差としてpH電極で測定するか、あるいは放
    出されたハロゲンイオン量を参照電極との電位差として
    イオン選択性電極で測定し、得られた結果から測定対象
    水中の有機ハロゲン化合物の濃度を求めることを特徴と
    する水中の有機ハロゲン化合物の濃度測定方法。
  9. 【請求項9】 有機ハロゲン化合物が、トリクロロエチ
    レンまたはテトラクロロエチレンである請求項8に記載
    の測定方法。
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