JP2002013569A - 樹脂製コイルばね - Google Patents

樹脂製コイルばね

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JP2002013569A
JP2002013569A JP2000194505A JP2000194505A JP2002013569A JP 2002013569 A JP2002013569 A JP 2002013569A JP 2000194505 A JP2000194505 A JP 2000194505A JP 2000194505 A JP2000194505 A JP 2000194505A JP 2002013569 A JP2002013569 A JP 2002013569A
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resin
shape
mold
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JP2000194505A
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Takashi Omura
孝 大村
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Original Assignee
Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製コイルばねの圧縮・引張を均等にさ
せ、荷重設定を容易に出来、全圧縮した場合はばね部同
士が略密着出来るようにし、特殊な型加工方法によらな
い一般的な型加工方法による射出成形金型を用いて製造
出来る樹脂製コイルばねを提供すること。 【解決手段】 基部と、この基部から伸びるコイルばね
状ばね部とからなり、前記基部に樹脂注入部(ゲート)
を設け、前記ばね部全長に亘って前記ばね部の軸心に対
して直角に少なくとも二方向以上に開閉作動する金型
(割り型)を用い、射出成形法により成形される樹脂製
コイルばねにあって、前記コイルばね状ばね部の金型分
割面(パーティング)の位置に、前記ばね部の斜線形状
部と連続するように、ばね部の軸心に対して直角方向の
水平形状部を設けた事を特徴とする樹脂製コイルばね。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノック式出没筆記
具、塗布液内蔵の弁付き塗布具、洗髪液内蔵のポンプ式
ディスペンサー、スイッチ付き器具等に用いられる、樹
脂製のコイルばねに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にコイルばねは、ステンレス鋼材、
ばね鋼材、ピアノ線材、洋白線材などの金属からなるも
のと、成形樹脂からなるものが有る。金属からなるコイ
ルばねであって、一定径の線材を巻いて形成されたコイ
ルばねは、ばねの圧縮・引っ張りが全体的に均等に出
来、「JIS B2704 機械要素の円筒コイルばね
設計基準」に記載されているばね計算式(下記式1)に
準じることによって、荷重設定が容易に出来るものであ
った。
【0003】
【式1】σ=8NaD3P/Gd4 σ;ばねの撓み(mm) Na;有効巻数 D;コイル平均径(mm) P;ばねにかかる荷重(N) G;横弾性係数(N/mm2) d;材料の直径(mm)
【0004】金属製コイルばねは、樹脂製コイルばねよ
り材料の弾性係数が高いので、同じ所定荷重を得る場
合、ばね部の線断面積を小さく出来るといった特徴・特
性を有している。これに対して、樹脂製コイルばねは、
金属製コイルばねに比較して、耐腐食性向上、脱油処理
などの工程削減、ばね機能に弁機能を兼備する等の複合
機能化、電気絶縁性が高い等の特徴・特性を有してい
る。更に、上記樹脂製コイルばねが有する特徴とは別
に、金属製のばね部材の樹脂製化が求められている。こ
れは、近時の容器リサイクル法施行による、金属部材と
樹脂部材といった異種材質の部材分別廃棄の要求に対し
て、分別廃棄の手間を減らすためである。即ち、ばね部
材の材質として樹脂製の容器・筐体と合わせて樹脂を用
いることにより分別廃棄の手間を減らすということであ
る。以上、樹脂製コイルばねの特徴・要求から、筆記具
・塗布具・器具などに用いた樹脂製のばねが、従来多数
出願されている。例えば、実公昭41−18799号公
報、特開平11−319689号公報などが挙げられ
る。実公昭41−18799号公報に、ポリエチレン等
の材料からなり、複数本(多条ばね)が等間隔に配置さ
れ、下方で小筒部4と一体に立設された螺旋杆5が樹脂
製ばねとして記載されている。この螺旋杆5の断面は、
第3図から明らかなように軸前後方向に長く厚みの薄い
長方形を示している。特開平11−319689号公報
の先端ボール式先具構造に、ポリアセタール・ポリプロ
ピレン等の材料からなり、ジグザグ状に伸びる伸縮部2
4cの軸24dが、樹脂製の弾性体(ばね)として記載
されている。この軸24dは、図2から明らかなよう
に、コイル形状ではないが薄片状で、その断面は、先具
20の前後方向に長い長方形を示している。さらに、他
の実施例には、伸縮部24cとして直径が0.2mm〜
0.8mm程度の螺旋状に伸びる2重(2条ばね)の螺
旋軸24d1が、樹脂製の弾性体(ばね)として記載さ
れている。この螺旋軸24d1は、図4から明らかなよ
うに断面が方形で、方形の各面が同一方向に向いた形状
を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】全体的に均等に圧
縮、又は引っ張ることが出来、圧縮荷重、又は引張荷重
の設定が容易な、樹脂製コイルばねを提供することであ
る。 全圧縮した場合、ばね部の一部出っ張りによるばね部
同士の全体的な密着が阻害されることのないような、樹
脂製コイルばねを提供することである。 特殊な型加工方法によらない射出成形金型を用いて製
造出来るような樹脂製コイルばねを提供することであ
る。
【0006】詳細には、以下の通りである。 実公昭41−18799号公報の樹脂製ばねである螺
旋杆5は、第3図から明らかなように断面が軸前後方向
に長く厚みの薄い長方形を示しているが、かかる形状の
場合、圧縮すると、ばね部の断面肉厚が薄い程、ばね部
軸方向の応力よりばね部外径方向の応力が相対的に弱い
ので、圧縮荷重が外径方向に逃げる現象が生じる。圧縮
荷重が外径方向に逃げる現象が生じると、ばね部外径が
広がり易いので、金属製コイルばねのような荷重設定の
計算式を、この形状の樹脂製ばねに応用することは困難
であった。故に、かかる断面形状のばね部の設定は、荷
重予測が出来ないので、試行錯誤で実施することとな
り、条件が定まるのに余分な期間、試験費用を要した。
かかる断面形状の樹脂製ばねが有する別問題として、弁
付き塗布具のような塗布具内部にばねを配置した場合、
ばね部外径が広がる結果として、ばねが塗布具内壁面に
接触し、その接触抵抗荷重により当初目標の荷重を得ら
れないので、塗布具の弁密閉性が損なわれる可能性が高
いというものがある。特開平11−319689号公報
における樹脂製弾性体(ばね)である螺旋軸24d1
は、図では断面を方形で示しているが、実公昭41−1
8799号公報の断面長方形のばねよりは、金属製ばね
の断面円形のように断面XY方向寸法が近似していて、
圧縮時のばね外周方向への広がりを抑制出来る。従っ
て、特開平11−319689号公報における螺旋軸2
4d1は、金属製コイルばねのような各設計因子に係わ
る荷重設定の計算法を応用出来るものである。
【0007】特開平11−319689号公報に記載さ
れた発明が有する別の問題として、螺旋軸24d1の断
面は方形で、方形の各面が同一方向に向いた形状を示し
ているので、成形用金型の製作が困難であることが挙げ
られる。つまり、成形品を得るためには、その成形品と
なるための溶融樹脂が充填されるネガ形状が金型に彫り
込まれている事が必要である。さらに、金型内では余分
な溶融樹脂が所定の成形品の形状部以外に流れないよう
に遮蔽されていなければならない。かかる要求より、金
型は樹脂製コイルばね内径を形成する棒状のコアピン
と、このコアピンを両側から2個のブロック状のキャビ
ティで挟むような割り型構造で構成される。このキャビ
ティは、かまぼこ状に内面がえぐられた、その表面にコ
イルばね形状部を彫り込んだものである。この2個のキ
ャビテイの合わせ面が金型分割面であるパーティングを
形成し、その痕跡がパーティングラインとなる。そこ
で、本公報実施例の螺旋軸24d1の断面は方形で、方
形の各面が同一方向に向いた形状を得るためには、金型
のコアピンとキャビティ双方に、前記方形の各面が同一
方向に向いたネガ形状を彫り込む必要がある。さらに、
金型のコアピンとキャビティ双方のネガ形状の位置合わ
せをしなければならないといった、大変に複雑で製作し
難い金型となる問題があった。たとえ、かかる複雑形状
のコアピンとキャビティ双方の型合わせが出来たとして
も、複雑形状になる程、型同士の当接する部位での当接
強弱差が生じることとなり、連続成形した場合の射出成
形機による油圧・サーボモーター制御の繰り返しの型開
閉で、型当接の強い部位で型磨耗・損傷が生じ、その結
果、成形品に薄片状等のバリを短期に発生させてしまう
ような耐久性の低い金型となってしまう問題があった。
【0008】金属製コイルばねの断面円形のように、
断面XY寸法を近似させた樹脂製コイルばねを形成し、
かつ、樹脂製コイルばねを成形するための耐久性ある金
型構造とするには、表面に特定形状が彫り込まれていな
い単純な形状である円柱形のコアピンと、該コアピンに
密着するような2個のブロックからなるキャビティとで
金型を構成すれば良い。キャビティのコアピンを挟む面
である、かまぼこ状凹面に、さらにコイルばね部形状を
彫り込むのみで良い。キャビティにコイルばね部形状を
彫り込む一般的な方法を以下に説明する。先ず、銅製の
円柱形コアピンと略同形状の、表面にコイルばね部形状
を突出させた雄ネジのような形状で、成形樹脂種類によ
る熱収縮分を加味した寸法からなる放電加工用マスター
(電極)を製作する。次に、放電加工機でキャビティの
かまぼこ状凹面の全面に、放電加工用マスターを接触・
放電加工しながら、螺旋溝を彫り込む方法が採用され
る。
【0009】かかる加工方法、及び加工結果の問題につ
いて、従来技術(図15、図16、図17)を参考にし
て説明する。図15は、弁付き塗布具に用いる略円筒形
の全縦断面で示した塗布先部材3と、その内部に組み込
まれて、圧縮状態にある樹脂製の2条コイル状のばね部
54bを備えたばね弁部材54とを示すものである。図
16は、塗布先3に組み込まれる前の、無負荷状態のば
ね弁部材54であり、パーティングライン54fが正面
を向くようにして図示したものであり、ばね部54bの
一部を断面で示している。図17は、図16のパーティ
ング位置にあるS−S´方向視のばね部54b断面を示
している。金型キャビティ加工結果の問題は以下の通り
である。即ち、図16及び図17に図示した様に、ばね
部54bは、パーティング位置と非パーティング位置に
おいて、その断面形状、断面積が異なっており、パーテ
ィング位置にあるばね部54b断面が大きく加工されて
しまい、パーティング位置でばね部ズレ(図16ア参
照)が生じてしまう。このズレ部(ア)は、2条ばねの
配置間隔であるピッチ(イ)の長さとばね部中心径
(ウ)とのばね傾斜角度(エ)が大きくなる程、大きく
なるものである。又、ズレ部(ア)は、ばね部54b断
面を半円形で軸心方向に広がるトンネル形状で示した
が、この広がり方である断面傾斜角度(オ)が小さくな
る程、大きくなるものである。さらに、ばね部54b外
径と内径の差であるばね部54bの断面厚さ(カ)が厚
くなる程、大きくなるものである。このズレ部(ア)
は、金型加工用の放電マスターのコイルばね形状部で
は、生じてはいないが、次の、金型キャビティ凹面に放
電溝加工される時に生じる。このズレ部(ア)が生ずる
原因は、放電マスターのコイルばね形状部が、突出させ
た雄ネジのような形状であり、その形状を金型キャビテ
ィに向けて、一方向に平行移動することにより生ずるも
のである。つまり、パーテイング位置から90度の非パ
ーテイング位置での放電マスターのコイルばね形状部
は、金型キャビティに、略同一な形状で彫り込まれる。
ところが、パーテイング位置での放電マスターのコイル
ばね形状部が、金型キャビティに彫り込まれる時は、コ
イルばね形状部のネジ締め方向への掘り込みではなく、
非パーテイング方向と平行移動する彫り込みのため、コ
イルばね形状部以上に彫り込まれることによるものであ
る。
【0010】パーティング位置でのズレ部(ア)によ
り、図15に示すように、パーティング位置にあるばね
部54b断面が大きい部位同士が当接し、当接部以外の
部位では空隙があっても、圧縮出来ないという問題があ
った。この圧縮出来ないという問題は、製品の軽薄短小
化要望が高まり、ばね部材の配置スペース(縦・横・高
さ)が狭く限定される程、顕著となるものであった。特
に、樹脂製コイルばねは、金属製コイルばねよりも弾性
係数が小さいため、ばね部の線断面積を金属製コイルば
ねより大きくしなければならない条件も含めて、軽薄短
小化を満たさなければならないという課題(問題)があ
った。更に又、樹脂製コイルばねには、ズレ部(ア)に
より、さらに、ばね部54b断面積が一定ではないこと
により断面積の小さい非パーティング部が圧縮し易く、
又は引っ張り易く、逆に断面積の大きいパーティング部
が圧縮し難く、又は引っ張り難くなるので、圧縮し方、
又は引っ張り方が均等にならなくなるという問題があっ
た。
【0011】金型キャビティのパーテイング位置で、
ズレ部(ア)を生じさせないで、かつ、複雑形状の型合
わせが不要で耐久性のある金型による樹脂製コイルばね
を得る方法としては、先の金型キャビティへの放電加工
法ではなく、旋盤の中繰りバイトによる雌ネジ切り加工
のように、ネジ切り放電加工法を採用出来る。但し、ネ
ジ切り放電加工法は、先の放電加工法が機械の1軸作動
なのに対して、回転方向も含めた多軸作動となり、機械
制御が複雑な特殊な方法であった。故に、ネジ切り放電
加工法の採用には、加工時間延長、生産性低下、加工費
用高騰、加工技術の高度化などの問題があった。本発明
は、樹脂製コイル状ばねの圧縮・引張を均等にさせ、荷
重設定を容易に出来、全圧縮した場合はばね部同士が略
密着出来るようにし、特殊な型加工方法によらない射出
成形金型を用いて製造出来る樹脂製コイル状ばねを提供
することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基部と、この
基部から伸びるコイルばね状ばね部とからなり、前記基
部に樹脂注入部(ゲート)を設け、前記ばね部全長に亘
って前記ばね部の軸心に対して直角に少なくとも二方向
以上に開閉作動する金型(割り型)を用い、射出成形法
により成形される樹脂製コイルばねにあって、前記コイ
ルばね状ばね部の金型分割面(パーティング)の位置
に、前記ばね部の斜線形状部と連続するように、ばね部
の軸心に対して直角方向の水平形状部を設けた事を特徴
とする樹脂製コイルばねを要旨とする。
【0013】
【実施例】以下、本発明について添付図面を参照しなが
ら、更に詳細に説明する。図1〜図5に第一実施例を示
す。図1は要部正断面図を示し、図2は図1の側面図を
示し、図3は図1のキャップ部材を除いた状態の上面図
を示し、図4は図2の要部拡大図を示し、図5は図4の
P−P´方向視断面を示す。参照符号1は、先端が開口
した可撓性材料よりなる容器本体である。この容器本体
1の内部は横断面が偏平形の塗布液収容室となってお
り、容器本体1の先端は略円筒状の開口部となってい
る。この開口部外周には、全周の突起を2個設けてい
る。容器本体1前方には、貫通孔を有する全体が略筒状
の前軸2を、前後抜け止め結合である凹凸嵌合構造によ
り結合している。前軸2の内部後方には、容器本体1開
口部内面に挿入される筒状の中筒を設けている。更に、
前軸2前後方向略中間位置に、中筒から外周に拡径し、
さらに後方に筒状に延在する外筒を設けている。この外
筒内周面には容器本体1の突起と凹凸結合する全周の凹
溝を2個設けている。
【0014】前軸2の貫通孔には、後方が円筒形で先方
が偏平形で前後に連通する塗布先3を、その先端が前軸
2の前方に突出するように挿入し、塗布先3後端の拡径
部が前軸2内周面に設けた凹部と嵌め合わされている。
この塗布先3は、たわみ変形が可能で横断面が略半円形
の塗布片が多数形成された塗布部と、塗布部後方に続く
円筒部とにより形成されている。塗布先3内部には貫通
孔が形成されている。この貫通孔前端には、塗布片後端
から後方に向け横断面を方形に形成した開口部を設けて
おり、この開口部後方に筒状の中筒部を設け、中筒部内
面の前後中間位置に弁機構の弁受け部を設けている。
【0015】上記塗布先3の貫通孔内には、塗布先3塗
布部の先端中心部から開口部を経て、円筒部後端迄、弁
機能且つ弾撥性機能を有するばね弁4を配している。ば
ね弁4先端には、塗布先3開口部を通過して塗布部に向
け突出するように、たわみ変形可能な扁平板部を設けて
いる。扁平板部後端に半球状の弁部を前記塗布先3の弁
受け部と当接するように設けている。弁部後方には円筒
状の先筒部4aを設けている。先筒部4aの後方に全体
が円筒形で2本のコイル状のばね部4b(2条ばね)を
連設している。このばね部4bは、縦断面がトンネル形
状であり、塗布先3円筒部内面に接触しないように設け
られている。ばね部4bは、コイル状の斜線形状部4c
と、この斜線形状部4cに連続する水平形状部4dとよ
り構成されている。この水平形状部4dは、ばね部4b
全体円筒形の軸心に対して直角方向となるように設けら
れている。ばね部4b後端に略円筒状の基部4eを設
け、この基部4eを塗布先3円筒部内面後端近くに嵌め
込むように結合している。弁部はばね部4bにより前方
に付勢され、塗布先3弁受け部と圧接することにより弁
機構を構成している。参照符号5は前軸2と脱着容易な
キャップである。キャップ5は、塗布先3を保護し、保
管中に塗布先3に付着した塗布液の乾燥を防ぎ、携帯時
の衣服ポケット等への装着性を付与させるクリップ部も
有したものである。本実施例のばね弁4を含む全ての部
材は、成形樹脂製を意図している。ここで用いる材料
は、従来技術でも一部示しているが、市販の各種材料か
ら目的に応じて採用すれば良いものである。例えば、単
一樹脂材料では、アクリロニトリル・スチレン樹脂、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂類
(PA6・PA66・PA610・PA11・PA1
2)、ポリアリレート樹脂、熱可塑性エラストマー類
(ウレタン系・オレフィン系・スチレン系・ポリアミド
系・ポリエステル系・ニトリル系)、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリサルホン樹脂、低密度ポリエチレン、
高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェ
ニレンサルファイド樹脂、ポリブタジェン樹脂、ポリブ
チレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート
樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂などがあ
る。さらに、耐熱性、耐寒性、耐衝撃性等を向上する目
的で、これら各種樹脂材料を混合したポリマーアロイ材
料がある。
【0016】次に、ばね弁4の金型構造(図示なし)に
ついて説明する。略円筒状の基部4eの内面から前方に
向け、ばね部4b内面を通過し、先筒部4a内面迄伸び
た円柱形のコアピンを設ける。該コアピンを密着して挟
むようにし、ばね部4bと基部4eに跨るようになした
2個のブロック状のキャビティAとBを設ける。このキ
ャビティAとBは、かまぼこ状に内面がえぐられ、その
表面の奥には斜線形状部4cを彫り込み、キャビティ同
士の合わせ面であるパーティング近辺では、該斜線形状
部4cと連続するように水平形状部4dを彫り込む。斜
線形状部4cと水平形状部4dのキャビティへの彫り込
みは、銅材からなる先の円柱形コアピンと略同形状の放
電加工用マスターを用いて、放電加工機で彫り込む。こ
の放電加工用マスターは、その表面に斜線形状部4cと
水平形状部4dを突出させた、略雄ネジ状の形状で、成
形樹脂の種類による熱収縮分を加味した寸法(例;ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂材ならば、101.6%前
後)のものである。痕跡がパーティングライン4fとな
るパーティングは、水平形状部4dの中央に軸方向と平
行となるように位置させている。故に、キャビティA及
びBに、ばね部4bの形状を彫り込む放電加工用マスタ
ーの加工移動方向は、水平形状部4dの水平方向と同一
な方向となる。キャビティAとBの合わせ面で基部4e
の位置に、金型の樹脂注入部(ゲート)4gとなす孔を
1箇所設けている。キャビティAとBの前方には、先筒
部4a外部と扁平板部を形成するキャビティCを設け
る。キャビティCは、金型加工及びメンテナンスのし易
さを考慮して、先筒部4a外部形成用と扁平板部形成用
にさらに分割しても良い。
【0017】射出成形機で過熱・溶融した成形樹脂は、
ゲート4gから金型内に注入され、基部4e、2条のば
ね部4b、先筒部4a、扁平板部へと流れる。冷却時間
経過後、溶融樹脂は固化し、キャビティAとBが軸と直
角にコアピンから離れるように2方向に開き、成形品で
あるばね弁4が金型から取り出される。本実施例のばね
弁4のばね部4bは、縦断面がトンネル形状で、断面X
Y寸法を近似させている。さらに、キャビティA及びB
に、ばね部4bの形状を彫り込む放電加工用マスターの
加工移動方向が、水平形状部4dの水平方向と同一な方
向となっているので、パーティング位置でズレ部が発生
しない。この2点から、ばね部4bは、全体的に均等に
圧縮させること、又は、引っ張ることが出来、圧縮荷
重、又は引張荷重の設定を容易に出来るものである。ば
ね部4bは、パーティング位置でのズレ部が発生しない
ので、全圧縮した場合のばね部の一部出っ張りによるば
ね部同士の密着が阻害されることもない。キャビティA
等にばね部4bの形状を彫り込む、放電加工用マスター
による金型加工方法は、従来技術で示したような一般的
な方法であり、ネジ切り放電加工法のような特殊な型加
工方法によらなくても良い。A及びBの2個のキャビテ
ィ形状であるが、本実施例では、ばね弁4のばね部を2
条で示している。このようにキャビティ数とばね条数が
同数、又はキャビティ数に対してばね条数が整数の倍数
関係にある場合は、キャビティはA、B共に同一形状に
することも出来るので、金型製作、同メンテナンス性は
良くなる。
【0018】本発明に係るばね弁4のばね部4bの縦断
面積値について、パーテイング位置(水平形状部4d位
置)と非パーテイング位置(螺旋形状部4c位置)での
違いを従来例と比較すると以下のようになる。(数値の
根拠となすばね部断面形状部位は、従来例の図16を参
照。ばね部断面形状の補足追加形状として、トンネル形
状の曲部を曲部径(キ)とし、トンネル形状の底辺の長
さを底辺長さ(ク)とした。)
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】断面積差異率で、実施例1と従来例を比較
すると、実施例1では0%なのに対して、比較例は26
%となった。この断面積差異率を金属製コイルばねの計
算式にあてはめると、同一荷重での撓み長さでは約1.
6倍と、撓み方が異なるものである。
【0022】図6、図7に第二実施例を示す。図6は塗
布先3にばね弁14を組み込んだ状態の側面図を示し、
図7は図6の上面図を示す。塗布先3は、第一実施例と
同様であるので、説明は省略する。塗布先3の貫通孔内
には、塗布先3塗布部の先端中心部から開口部を経て、
円筒部後端迄、弁機能且つ弾撥性機能を有するばね弁1
4を配している。このばね弁14先端には、塗布先3開
口部を通過して塗布部に向け突出するように、たわみ変
形可能な扁平板部を設けている。扁平板部後端に半球状
の弁部を前記塗布先3の弁受け部と当接するように設け
ている。弁部後方には円筒状の先筒部14aを設けてい
る。先筒部14aの後方に全体が円筒形で2本のコイル
状のばね部14b(2条ばね)を連設している。このば
ね部14bは、縦断面がトンネル形状であり、塗布先3
円筒部内面に接触しないように設けられている。ばね部
14bは、コイル状の斜線形状部14cと、この斜線形
状部14cに連続する水平形状部14dとより構成され
ている。この水平形状部14dは、後述する金型のパー
ティングに対応する位置に、ばね部14b全体円筒形の
軸心に対して直角方向となるように設けられている。ば
ね部14b後端に略円筒状の基部14eを設け、この基
部14eを塗布先3円筒部内面後端近くに嵌め込むよう
に結合している。弁部はばね部4bにより前方に付勢さ
れ、塗布先3弁受け部と圧接することにより弁機構を構
成している。
【0023】次に、ばね弁14の金型構造(図示なし)
について説明する。コアピンは第一実施例と同様である
ので、説明は省略する。このコアピンを密着して挟むよ
うにし、ばね部14bと基部14eに跨るようになした
3個のブロック状のキャビティD及びE、Fを、上面か
ら見て円を中心から120度づつ3分割するように設け
る。このキャビティD及びE、Fは、かまぼこ状に内面
がえぐられ、その表面の奥には斜線形状部14cを彫り
込み、キャビティ同士の合わせ面であるパーティング
(本実施例では、3箇所存在する)近辺では、前記斜線
形状部14cと連続するように水平形状部14dを彫り
込む。斜線形状部14cと水平形状部14dの、放電マ
スターによる各キャビティへの彫り込みは第一実施例と
同様である。痕跡がパーティングライン14fとなるパ
ーティングは、水平形状部14dの中央に軸方向と平行
となるように位置させている。キャビティD及びE、F
の各々の会わせ面で基部14eの位置に、金型の樹脂注
入部(ゲート)14gとなす孔を3箇所設けている。
【0024】射出成形機で過熱・溶融した成形樹脂は、
3箇所のゲート14gから金型内に同時に注入され、基
部14e、2条のばね部14b、先筒部14a、扁平板
部へと流れる。冷却時間経過後、溶融樹脂は固化し、キ
ャビティD及びE、Fが軸と直角にコアピンから離れる
ように3方向に開き、成形品であるばね弁14が金型か
ら取り出される。本実施例のばね弁14のばね部14b
は、縦断面がトンネル形状で、断面XY寸法を近似させ
ている。さらに、水平形状部14dは、ばね部14b軸
に対して垂直面に位置するので、放電加工用マスターの
キャビティへの垂直加工移動方向と同一の向きとなるの
で、パーティング位置でズレ部が発生しない。この2点
から、ばね部14bは、全体的に均等に圧縮させるこ
と、又は、引っ張ることが出来、圧縮荷重、又は引張荷
重の設定を容易に出来るものである。ばね部14bは、
パーティング位置でのズレ部が発生しないので、全圧縮
した場合のばね部の一部出っ張りによるばね部同士の密
着が阻害されることもない。キャビティD等にばね部1
4bの形状を彫り込む、放電加工用マスターによる金型
加工方法は、第一実施例と同様に一般的な方法である。
本実施例のようにキャビティを3分割すると、型構成数
は増加し、型開き方向が3方向となるので型開閉構造が
やや複雑となるが、ばね弁14と連結した基部14eや
先筒部14aに複雑な突起等が形成されていても、この
型開閉が3方向となることを利用して、より複雑な形状
の成形が可能となるものである。
【0025】図8〜図10に第三実施例を示す。図8
は、ばね弁24単品のパーティングラインが正面を向く
ようにして図示したものであり、ばね部の一部を断面で
示している。図9は、図8のパーティング位置にあるQ
−Q´方向視のばね部断面を示している。図10は、図
8のR−R´方向視のばね部横断面を示している。この
ばね弁24先端には、たわみ変形可能な扁平板部を設け
ている。扁平板部後端に半球状の弁部を設けている。弁
部後方には円筒状の先筒部24aを設けている。先筒部
24aの後方に全体が楕円筒形で3本のコイル状のばね
部24b(3条ばね)を連設している。このばね部24
bは、縦断面がトンネル形状である。ばね部24bは、
楕円筒形の小円側をコイル状の斜線形状部24cとな
し、この斜線形状部24cに連続する水平形状部24d
を大円側に形成したものである。この水平形状部24d
は、後述する金型のパーティングに対応する位置に、ば
ね部24b全体楕円筒形の軸心に対して直角方向となる
ように設けられている。ばね部24b後端に略円筒状の
基部24eを設けている。又、ばね部24bの縦断面形
状であるが、斜線形状部24cの断面積は、水平形状部
24dの縦断面と略同等にしている。この断面積を略同
等にしている理由は、ばね部24b全体形状が円筒形状
であっても、楕円筒形状であっても、圧縮時などに、ば
ね部24bの個々の部位にかかる負荷に対する撓み変形
を均等にするためである。故に、楕円筒状のばねの荷重
設定での、D;コイル平均径は、楕円の全周長さと等し
い円周長さの直径値を当てはめれば良いものである。
【0026】次に、ばね弁24の金型構造(図示なし)
について説明する。基部24eの円筒形内面部は円柱形
状に形成し、ばね部24b内面から先は楕円柱形状に形
成したコアピンを設ける。このコアピンを密着して挟む
ようにし、ばね部24bと基部24eに跨るようになし
た2個のブロック状のキャビティGとHを設ける。この
キャビティGとHは、楕円柱の短軸で2分割したネガ形
状に内面がえぐられ、その表面の奥には斜線形状部24
cを彫り込み、キャビティ同士の合わせ面であるパーテ
ィング近辺では、該斜線形状部24cと連続するように
水平形状部24dを彫り込む。斜線形状部24cと水平
形状部24dの放電マスターによる各キャビティへの彫
り込みは第一実施例と同様である。痕跡がパーティング
ライン24fとなるパーティングは、水平形状部24d
の中央に軸方向と平行となるように位置させている。故
に、キャビティGとHに、ばね部24bの形状を彫り込
む放電加工用マスターの加工移動方向は、水平形状部2
4dの水平方向と同一な方向となる。キャビティGとH
の合わせ面で基部24eの位置に、金型の樹脂注入部
(ゲート)24gとなす孔を一箇所設けている。
【0027】射出成形機で過熱・溶融した成形樹脂は、
ゲート24gから金型内に注入され、基部24e、3条
のばね部24b、先筒部24a、扁平板部へと流れる。
冷却時間経過後、溶融樹脂は固化し、キャビティGとH
が軸と直角にコアピンから離れるように開き、成形品で
あるばね弁24が金型から取り出される。本実施例のば
ね弁24のばね部24bは、縦断面がトンネル形状で、
断面XY寸法を近似させている。又、楕円筒形となした
ばね部24bの断面積は、楕円の周長さと等しい円周長
さの円の直径として、金属製コイルばねのように荷重設
定が出来る。さらに、キャビティGとHに、ばね部24
bの形状を彫り込む放電加工用マスターの作動方向が、
水平形状部24dの水平方向と同一方向となっているの
で、パーティング位置でズレ部が発生しない。この3点
から、ばね部24bは、全体的に均等に圧縮させるこ
と、又は、引っ張ることが出来、圧縮荷重、又は引張荷
重の設定を容易に出来るものである。ばね部24bは、
パーティング位置でのズレ部が発生しないので、全圧縮
した場合のばね部の一部出っ張りによるばね部同士の密
着が阻害されることもない。キャビティG等にばね部2
4bの形状を彫り込む、放電加工用マスターによる金型
加工方法は、第一実施例と同様に一般的な方法である。
なお、本実施例では、パーティングと水平形状部を楕円
筒の大円側に設けたが、小円側に設けても良いものであ
る。ばね荷重因子である有効巻き数を一定とした時、本
実施例では、ばね部24bを3条にしているので、条数
の少ないものより、ばね部1本あたりの全長が短くな
り、ゲート4gからの溶融樹脂のメルトフロー値の小さ
い樹脂材質であっても、ばね弁24bへの流れ不足(シ
ョート)を抑制出来るものである。ばね部24b断面が
小さくてショートが発生する場合は、ゲート24gとは
別に、先筒部24aの下端位置などにゲート24gとは
別のゲートを設けて、2点ゲートにしても良い。先の第
二実施例で示したように、基部にゲートを3箇所設ける
ことにより、ショートを抑制出来るものである。ゲート
方式はサイドゲート、サブマリンゲート、ピンゲート、
フィルムゲート等の各種方式を採用出来るものである。
【0028】ばね部24bは楕円筒形なので、扁平空間
内への収まりが良い。例えば、薄型容器に効率良く、ば
ねを組み込む場合に適している。上記説明に於いては、
ばね部軸方向と同一方向のばね部縦断面積を、ばね荷重
計算式の因子として説明した。ばね部軸方向と同一方向
のばね部縦断面積ではなく、別に、ばね部の斜線形状部
の傾斜に対して直角な断面の断面積を、ばね荷重計算式
の因子として採用しても良いものである。
【0029】図11〜図13に第四実施例を示す。図1
1は、ばね弁34単品でばね部を一部切り欠いた正面図
である。図12は、ばね部を一部切り欠いた図11の側
面図で、パーティングラインが正面を向くようにして示
したものである。図13は図11の上面図である。この
ばね弁34先端には、たわみ変形可能な扁平板部を設け
ている。扁平板部後端に半球状の弁部を設けている。弁
部後方には円筒状の先筒部34aを設けている。先筒部
34aの後方に、多角筒形である六角筒形で、2本の略
螺旋形に巻いたような縦断面が台形形状のばね部34b
(2条ばね)を連設している。このばね部34bは、六
角筒形の4面を、コイル状の斜線形状部34cとなし、
残りの2面を、この斜線形状部34cに連続する水平形
状部34dとなしている。この水平形状部34dは、ば
ね部34bの軸心に対して直角方向となるように設けら
れている。ばね部34b後端に略円筒状の基部34eを
設けている。又、ばね部34bの縦断面形状であるが、
斜線形状部34cの断面積は、水平形状部34dの縦断
面と略同等にしている。
【0030】次に、ばね弁34の金型構造(図示なし)
について説明する。基部34eの円筒形内面部は円柱形
状に形成し、ばね部34b内面から先は六角柱形状に形
成したコアピンを設ける。このコアピンを密着して挟む
ようにし、ばね部34bと基部4eに跨るようになした
2個のブロック状のキャビティIとJを設ける。このキ
ャビティIとJは、六角柱の相対する面中央を軸方向に
2分割したネガ形状に内面がえぐられ、その表面の奥の
六角柱の2面には斜線形状部34cを彫り込み、キャビ
ティ同士の合わせ面であるパーティングが位置する面に
は、該斜線形状部34cと連続するように水平形状部3
4dを彫り込む。痕跡がパーティングライン34fとな
るパーティングは、水平形状部34dの中央に軸方向と
平行となるように位置させている。故に、キャビティI
とJに、ばね部34bの形状を彫り込む放電加工用マス
ターの加工移動方向は、水平形状部34dの水平方向と
同一な方向となる。キャビティIとJの合わせ面で基部
34eの位置に、金型の樹脂注入部(ゲート)34gと
なす孔を一箇所設けている。
【0031】射出成形機で過熱・溶融した成形樹脂は、
ゲート34gから金型内に注入され、基部34e、2条
のばね部34b、先筒部34a、扁平板部へと流れる。
冷却時間経過後、溶融樹脂は固化し、キャビティIとJ
が軸と直角にコアピンから離れるように開き、成形品で
あるばね弁34が金型から取り出される。本実施例のば
ね弁34のばね部34bは、縦断面が台形形状で、断面
XY寸法を近似させているので、金属製コイルばねのよ
うに荷重設定出来る。さらに、キャビティIとJに、ば
ね部34bの形状を彫り込む放電加工用マスターの加工
移動方向は、水平形状部34dの水平方向と同一な方向
となっているので、パーティング位置でズレ部が発生し
ない。ばね部34bは、パーティング位置でのズレ部が
発生しないので、全圧縮した場合のばね部の一部出っ張
りによるばね部同士の密着が阻害されることもない。キ
ャビティI等にばね部34bの形状を彫り込む、放電加
工用マスターによる金型加工方法は、第一実施例と同様
に一般的な方法である。なお、本実施例では、コアピン
を六角柱形としたが、ばね部の部位により多少の断面積
差異は生ずるが、第一実施例と同様な円柱形にしても良
いものである。本実施例では、ばね部を六角筒形として
例示したが、八角筒の多角筒でも良いものである。さら
に、パーテイングを八角柱の稜線に配置して、該稜線を
境界とする2面(2分割型ならば計4面)に、水平形状
部を設けても良いものである。
【0032】図14に第五実施例を示す。図14はばね
体6単品のパーティングラインが正面を向くようにして
図示したものである。ばね体6は、円板形状の基部44
eを設け、基部44eから図の上下方向に、全体が円筒
形で1本のコイル状のばね部44b(1条ばね)を連設
している。このばね部44bの縦断面は、トンネル形状
にしている。ばね部44bは、コイル状の斜線形状部4
4cと、この斜線形状部44cに連続する水平形状部4
4dとより構成されている。この水平形状部44dは、
ばね部44b全体円筒形の軸心に対して直角方向となる
ように設けられている。
【0033】次に、ばね体6の金型構造(図示なし)に
ついて説明する。図上下から基部44eに一部食い込む
ようにして、2本の円柱形状に形成したコアピンを設け
る。この2本のコアピンを密着して挟むようにし、ばね
部44bと基部44e全体に跨るようになした2個のブ
ロック状のキャビティKとLを設ける。このキャビティ
KとLは、かまぼこ状に内面がえぐられ、その表面の奥
には斜線形状部44cを彫り込み、キャビティ同士の合
わせ面であるパーティング近辺では、該斜線形状部44
cと連続するように水平形状部44dを彫り込む。斜線
形状部44cと水平形状部44dの放電マスターによる
各キャビティへの彫り込みは第一実施例と同様である。
痕跡がパーティングライン44fとなるパーティング
は、水平形状部44dの中央に軸方向と平行となるよう
に位置させている。故に、キャビティKとLに、ばね部
44bの形状を彫り込む放電加工用マスターの加工移動
方向は、水平形状部44dの水平方向と同一な方向とな
る。キャビティKとLの合わせ面で基部44eの位置
に、金型の樹脂注入部(ゲート)44gとなす孔を一箇
所設けている。
【0034】射出成形機で過熱・溶融した成形樹脂は、
ゲート44gから金型内に注入され、基部44eから図
上下の各ばね部44bへと流れる。冷却時間経過後、溶
融樹脂は固化し、キャビティKとLが軸と直角にコアピ
ンから離れるように開き、成形品であるばね体6が金型
から取り出される。本実施例のばね体6のばね部44b
は、縦断面がトンネル形状で、断面XY寸法を近似させ
ている。さらに、キャビティK及びLに、ばね部44b
の形状を彫り込む放電加工用マスターの加工移動方向
が、水平形状部44dの水平方向と同一な方向となって
いるので、パーティング位置でズレ部が発生しない。こ
の2点から、ばね部44bは、全体的に均等に圧縮させ
ること、又は、引っ張ることが出来、圧縮荷重、又は引
張荷重の設定を容易に出来るものである。ばね部44b
は、パーティング位置でのズレ部が発生しないので、全
圧縮した場合のばね部の一部出っ張りによるばね部同士
の密着が阻害されることもない。キャビティK等にばね
部44bの形状を彫り込む、放電加工用マスターによる
金型加工方法は、第一実施例と同様に一般的な方法であ
る。本実施例では、ばね部44bを基部44eの上下に
設けているので、基部を固定して、基部上下方向に別部
材などへの弾撥性を付与出来るものである。又、上下ば
ね部44bの荷重設定は、上下合わせたり、コイルばね
荷重の設定因子を変えて異ならせたりと任意に設定出来
るものである。さらに、ばね部上下に別機能形状を一体
に兼備することも出来るものである。本実施例に於いて
は、ばね部全体を筒形状、又は略筒形状で示したが、円
錐形状であっても、ばね計算式を応用出来るものであ
る。円錐底辺部の大径部と円錐上方の小径部の大小関係
での線断面の設定は、D;コイル平均径と、d;材料の
直径との関係を、D3/d4が一定となるように設定すれ
ば良いものである。つまり円錐の大円と小円の比が1.
5:1ならば、円錐の大円部ばね部断面に相当する線径
と円錐の小円部ばね部断面に相当する線径との比が1.
36:1となるようにすれば良い。ばね部のばね巻き方
向は、図では全て右巻きで示したが、左巻きであっても
良いものである。本発明は、樹脂製コイルばねに係わる
ものであるが、ボルト・ナットのような2部材螺合では
なく、螺合機能を要しない単品のネジ形状体などにも応
用出来るものである。
【0035】
【発明の効果】本発明の樹脂製コイルばねは、ばね部の
縦断面が、金属製コイルばねの断面円形のように断面X
Y寸法を近似させていて、かつ、ばね部パーティング部
に一部出っ張りによるズレ部がないので、全体的に均等
に撓ませる、又は引っ張ることが出来、金属製コイルば
ねのような圧縮荷重、又は引張荷重の設定を容易に出来
るものである。さらに、ばね部パーティング部に一部出
っ張りによるズレ部がないので、全圧縮した場合のばね
部同士の密着が阻害されることがない。樹脂製コイル状
ばねを成形するための、金型加工も特殊な加工方法によ
らないで、一般的な方法で加工出来る。
【図面の簡単な説明】
【図 1】第一実施例要部正断面図である。
【図 2】図1の側面図である。
【図 3】図1のキャップ部材を除いた上面図である。
【図 4】図2の要部拡大図である。
【図 5】図4のP−P´方向視断面図である。
【図 6】第二実施例の要部拡大図(第一実施例の図2
相当図)である。
【図 7】図6の上面図である。
【図 8】第三実施例のばね弁部品でパーティングを正
面に見た図である。
【図 9】図8のQ−Q´方向視断面図である。
【図10】図8のR−R´方向視断面図である。
【図11】第四実施例のばね弁部品の正面図である。
【図12】図11の側面図である。
【図13】図11の上面図である。
【図14】第五実施例のばね体部品でパーティングを正
面に見た図である。
【図15】従来例の要部拡大図である。
【図16】図15のばね弁部品でパーティングを正面に
見た図である。
【図17】図16のS−S´方向視断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体 2 前軸 3 塗布先 4 ばね弁 14 ばね弁 24 ばね弁 34 ばね弁 44 ばね弁 54 ばね弁 5 キャップ 6 ばね体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B43K 1/00 B43K 1/00 B29L 31:00 B29L 31:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基部と、この基部から伸びるコイルばね
    状ばね部とからなり、前記基部に樹脂注入部(ゲート)
    を設け、前記ばね部全長に亘って前記ばね部の軸心に対
    して直角に少なくとも二方向以上に開閉作動する金型
    (割り型)を用い、射出成形法により成形される樹脂製
    コイルばねにあって、前記コイルばね状ばね部の金型分
    割面(パーティング)の位置に、前記ばね部の斜線形状
    部と連続するように、ばね部の軸心に対して直角方向の
    水平形状部を設けた事を特徴とする樹脂製コイルばね。
  2. 【請求項2】 ばね部を楕円筒形状にした事を特徴とす
    る請求項1記載の樹脂製コイルばね。
  3. 【請求項3】 ばね部を多角筒形状にした事を特徴とす
    る請求項1記載の樹脂製コイルばね。
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