JP2002012647A - ポリウレタン化合物及びその製造方法 - Google Patents

ポリウレタン化合物及びその製造方法

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JP2002012647A
JP2002012647A JP2000349042A JP2000349042A JP2002012647A JP 2002012647 A JP2002012647 A JP 2002012647A JP 2000349042 A JP2000349042 A JP 2000349042A JP 2000349042 A JP2000349042 A JP 2000349042A JP 2002012647 A JP2002012647 A JP 2002012647A
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diisocyanate
polyurethane
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mmol
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JP2000349042A
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Akinori Nishio
昭徳 西尾
Shu Mochizuki
周 望月
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族イソシアナートモノマーと脂肪族イソ
シアナートモノマーの配列が規則的に制御されたポリウ
レタンを得る。 【解決手段】 下式(1)、(2)及び(3)で表される構造
単位を有するポリウレタン化合物。 【化1】 【化2】 【化3】 (l+m+nは3〜10000の整数であり、0<m/
(l+m+n)<0.5である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は芳香族及び脂肪族のジイ
ソシアナートモノマーと、ジオールモノマーとを用いた
ポリウレタン及びその製造法に関する。本発明の共重合
体は、塗料、フォーム、エラストマーなどに用いられ
る。また、本発明によれば、同一の原料モノマーから屈
折率などの光学特性が異なるポリウレタンが得られ光学
材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂は、フォーム材、エラ
ストマー、塗料などとして広く用いられている。これら
ポリウレタンの製造において、複数の種類のモノマーを
用い、これを所定の順序で配列したポリウレタン共重合
体は、新規な機能性材料として期待される。例えば、ポ
リエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどの
長鎖アルコールと、イソシアナートからプレポリマーを
調製し、さらに鎖延長剤によってポリウレタン共重合体
とする方法が知られており、有用なエラストマー、液晶
性高分子など機能性ポリウレタンが得られている。
【0003】更に、新規な機能性ポリウレタンを得るべ
く、前記以外の方法により、モノマー配列を制御したポ
リウレタン共重合体の製造法にも関心が寄せられてい
る。
【0004】
【発明の目的及び概要】本発明の第1の目的は、逐次重
合系において前記のモノマー配列制御のなされたポリマ
ー、すなわち定序性ポリウレタンを製造することにあ
る。本発明者らはこのような課題について鋭意検討を重
ねた結果、ジオールに対する、芳香族ジイソシアナート
モノマー又は脂肪族ジイソシアナートモノマーを組み合
わせて用い、これらジイソシアナートモノマーの反応性
の違い、並びにウレタン合成用触媒の基質選択性を利用
することにより、芳香族ジイソシアナートモノマーと脂
肪族ジイソシアナートモノマーの配列の制御されたポリ
ウレタンの製造法を見いだした。本発明重合法によれ
ば、中間体の単離操作等を要することなく、マルチブロ
ック体もしくは交互共重合体のモノマー配列の制御され
たポリウレタンが得られる。
【0005】本発明の他の目的は、同一モノマー原料を
用いてモノマー配列を変えることにより屈折率の異なる
ウレタン共重合体を得て、これから光学材料を得ること
にある。本発明者らは分子内に非等価な反応性を有する
モノマーと、これと有効に反応する適当な2種以上のモ
ノマーを用いてモノマー配列を制御することにより得ら
れた定序性ポリウレタンは同一組成ながら屈折率が異な
る高分子材料であるとの知見を得た。本発明によれば、
例えば芳香族および脂肪族ジイソシアナートモノマーの
組み合わせと、これと有効に反応するエチレングリコー
ルから定序性ポリウレタンを合成して屈折率が1.50
〜1.65の種々の材料を得ることができる。
【0006】すなわち本発明は下式(1)、(2)及び(3)
で表される構造単位を有するポリウレタン化合物を提供
するものである。
【0007】
【化9】
【0008】
【化10】
【0009】
【化11】 (上記式中、R1
【0010】
【化12】 で表される2価の芳香族基、R
【0011】
【化13】 で表される2価の脂肪族基、R
【0012】
【化14】 で示される2価の有機基を意味する。かかる有機基とし
ては例えばジオールに由来する有機基が挙げられる。l
+m+nは3〜10000の整数であり、0<m/(l
+m+n)<0.5である。また本発明、前記式(1)〜
(3)において
【0013】
【化15】 もしくは
【0014】
【化16】 である前記ポリウレタン化合物であるのが好ましい。さ
らに、本発明はかかるポリウレタンの製造法を提供する
ものである。
【0015】
【発明の詳細な開示】本発明のポリウレタンは、芳香族
ジイソシアナートモノマー由来の骨格を繰り返し単位に
含む式(1)の構造単位、脂肪族ジイソシアナートモノマ
ー由来の骨格を含む式(3)の構造単位、そして芳香族−
脂肪族ジイソシアナートモノマー由来の骨格を含む式
(2)の構造単位から構成され、反応条件を選択すること
により0<m/(l+m+n)<0.5のポリウレタンが
得られる。
【0016】つぎに、本発明のポリウレタンのモノマー
及びその重合法について詳細に説明する。
【0017】(芳香族ジイソシアナート:OCN−R
−NCO)本発明のポリウレタン化合物に用いられる芳
香族ジイソシアナートは下式で表される。 OCN−R−NCO (式中、R1
【0018】
【化17】 で表される2価の芳香族基を意味する。)
【0019】かかる芳香族ジイソシアナートモノマーと
しては、具体的にはフェニレン−1,3−ジイソシアナ
ート、フェニレン−1,4−ジイソシアナート、トリレ
ン−2,6−ジイソシアナート、トリレン−2,4−ジイ
ソシアナート、メチレンビス(フェニルイソシアナー
ト)、ジフェニルスルフィド−4,4'−ジイソシアナー
ト、ジフェニルスルホン−4,4'−ジイソシアナート、
ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアナート、ジフ
ェニルケトン−4,4'−ジイソシアナート、ナフタレン
−2,6−ジイソシアナート、ナフタレン−1,4−ジイ
ソシアナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナー
ト、2,4'−ビフェニルジイソシアナート、4,4'−ビ
フェニルジイソシアナート、3,3'−ジメチル−4,4'
−ビフェニルジイソシアナートなどの、芳香環に直接2
個のイソシアナート基が結合した化合物が好ましい。こ
れらのうち、特にトリレン−2,4−ジイソシアナー
ト、メチレンビス(フェニルイソシアナート)などが工業
的に入手が容易で安価であることから好ましい。
【0020】(脂肪族イソシアナート:OCN−R
NCO)つぎに、ポリウレタン化合物に用いられる脂肪
族ジイソシアナートは下式で表される。 OCN−R−NCO (式中、R
【0021】
【化18】 で表される2価の脂肪族基を意味する。)
【0022】かかる脂肪族イソシアナートモノマーとし
ては、1,2−ジイソシアナトエタン、1,3−ジイソシ
アナトプロパン、テトラメチレン−1,4−ジイソシア
ナート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアナート、
ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアナート、ノナメチ
レン−1,9−ジイソシアナート、デカメチレン−1,1
0−ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、
メタキシリレンジイソシアナート、パラキシリレンジイ
ソシアナートなどが好ましい。これらのうち、特にヘキ
サメチレン−1,6−ジイソシアナート、イソホロンジ
イソシアナートなどが工業的に入手が容易で安価である
ことから好ましい。
【0023】(ジオール:HO−R−OH) また、ポリウレタン化合物に用いられるジオールは下式
で表される。 HO−R−OH (式中、R
【0024】
【化19】 で示される2価のジオールモノマー残基を意味する。)
【0025】かかるジオールモノマーとしては、具体的
にはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、などの直鎖脂肪族アルコー
ル類、ヒドロキノン、ビスフェノールA、4,4'−イソ
プロピリデン−ビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,
4'−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノー
ル、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、4,4'−(1,3
−アダマンテンジイル)ジフェノールなどの2価の芳香
族アルコール類、あるいはデオキシコール酸、ケノデオ
キシコール酸、ウルソデオキシコール酸などの胆汁酸
類、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタレン等の非等価水酸基を有する化合物など、4,
4’−ジヒドロキシビフェニル、4’−[(N,N−ジ
ヒドロキシエチル)アミノ]−4−ニトロアゾベンゼ
ン、4’−[(N,N−ジヒドロキシエチル)アミノ]−
4−メトキシアゾベンゼン、4’−[(N,N−ジヒド
ロキシエチル)アミノ]−4−シアノアゾベンゼンなど
の非線形光学特性官能基を有するジオール類、N,N−
ジヒドロキシエチルイソニコチンアミド、N−フェニル
ジエタノールアミンなどの水素結合可能なアミノ基を有
するジオール類など、イソシアナートと反応する2価の
水酸基を有する化合物であればよい。
【0026】(重合反応)0<m/(l+m+n)<0.
5、すなわち芳香族、脂肪族の各々のジイソシアナート
モノマー同士が連結した部位(式(l)及び式(3)の構造
単位の多い部位)を多く含むよう配列制御のされた本発
明のポリウレタンの製造方法について説明する。
【0027】重合に用いる芳香族及び脂肪族ジイソシア
ナートモノマーの混合比は特に限定されないが、ブロッ
ク共重合体として有用なポリマーを得るには、芳香族ジ
イソシアナートモノマー1モルに対して脂肪族ジイソシ
アナートモノマーを0.1〜10モルの割合で加えるこ
とが好ましく、特に、0.9〜1.1モル、さらに好まし
くは芳香族ジイソシアナートモノマーと脂肪族ジイソシ
アナートモノマーを等モル加えることが好ましい。
【0028】一方、ジオールモノマー量は、分子量を十
分に伸長させるうえから、芳香族及び脂肪族ジイソシア
ナートモノマーのイソシアナート官能基数とジオールモ
ノマーの水酸基数がほぼ等しく(等モル量)なるように用
いることが好ましいが、これに限定されるものではな
い。ここで略等モル量とは、総ジイソシアナート量の1
モルあたり、ジオールを0.8〜1.2モル、好ましくは
0.9〜1.1モル、より好ましくは0.99〜1.01モ
ル用いる。
【0029】本発明のポリウレタンの製造法では、最初
に、より反応性の高い芳香族ジイソシアナートモノマー
とジオールモノマーとを反応させて式(1)の構造単位を
予め伸長させ、ついで残りの脂肪族ジイソシアナートモ
ノマーを反応させる逐次的な反応が優先される条件を選
択する。
【0030】すなわち、最初に芳香族ジイソシアナート
モノマーに対し、これと略等モル量のジオールモノマー
を反応させる第1の工程を用い、さらに脂肪族ジイソシ
アナートモノマーと等モルのジオールモノマーを加えて
反応を行う第2の工程により重合を完了させ目的のウレ
タンブロック共重合体を製造する。
【0031】このような反応を行うには、第1工程にお
いて、芳香族イソシアナートモノマーに対し、前記規定
量のジオールモノマーを加える必要がある。ジオールモ
ノマーの加え方は種々の方法を採用し得る。たとえば、
一時に加えてもよく、また数回にわけて段階的に加えて
もよい。また、滴下により継続的に加えてもよく、溶媒
に希釈しそれを徐々に加えてもよい。用いるジオールモ
ノマーが粉末であるか、液状であるかなど形態に合わ
せ、適宜の方法でゆっくりと加えてもよい。ゆっくり加
える操作としては、数日間以上の長期に渡り加えてもよ
いが、効率の問題から好ましくは0〜48時間、より好
ましくは0〜5時間、特に好ましくは3時間程度かけて
加えることを指す。
【0032】このように第1工程でジオールモノマーを
ゆっくりと加える操作により、ジオールモノマーに対し
てジイソシアナートモノマー混合物が過剰量存在する反
応条件を選択することになるため、反応性の高い芳香族
ジイソシアナートモノマーの方が優先的にジオールモノ
マーと反応し、芳香族ジイソシアナートモノマーとジオ
ールモノマーのドメインのみが生成する。
【0033】従って、第1段階の反応に用いられるジオ
ールモノマーの総量は芳香族ジイソシアナートモノマー
に対し、等モル量が好ましく、これ以外の量で第1段の
反応を完了することは、式(1)の構造単位部分の伸長を
阻害する恐れがある。
【0034】また第1段階でジオールモノマーを可能な
限りゆっくりと前記規定量加えることにより、式(1)の
構造単位部分のみをより確実に伸長することにつながる
ことになる。
【0035】また反応温度をできるだけ低くすることに
よっても反応選択性が向上する。但し、反応温度が低す
ぎると効率の良く反応が進行しないため、−40〜40
℃、好ましくは−10〜30℃であり、特に0℃付近で
ジオールモノマーを反応させることが好ましい。
【0036】さらに、反応選択性を高めるために触媒を
用いてもよい。このような触媒としては、ウレタン結合
生成用の触媒として用いられるトリエチルアミン、1,
4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ピリジン、
N,N,N',N'−テトラメチル−1,3−プロパンジアミ
ンなどの三級アミン類、ジブチルスズジラウリン酸エス
テル(DBTL)、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テト
ラブチルジスタノキサンなどのアルキルスズ類などが好
ましいが、特に芳香族イソシアナート化合物とアルコー
ルの反応を選択的に触媒する三級アミン類が好ましく、
反応操作の点を考慮に入れるとトリエチルアミンが特に
好ましい。
【0037】添加量としては、反応選択性を高めるこ
と、反応を効率よく進行させること、反応操作について
考慮に入れると、総ジイソシアナート量に対して1〜3
0mol%が好ましい。
【0038】得られるポリマーが高極性であるため、重
合を効率よく進行させるには高極性溶媒を用いる必要が
ある。このような溶媒はモノマーに対する溶媒和により
脂肪族ジイソシアナートモノマーの反応性を高め、反応
選択性を低下させることがある。
【0039】このため反応初期のジオールモノマー添加
時にはシクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族
炭化水素類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の
芳香族炭化水素類、テトラヒドロフラン(THF)、ジエ
チルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等
のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、4−メ
チル−2−ペンタノン等のケトン類、プロピオン酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの低極
性溶媒を用い、必要な反応選択性を維持することが好ま
しい。これら溶媒のうち、反応操作性や基質溶解性を考
慮に入れるとTHFなどの低沸点エーテル類が特に好ま
しい。
【0040】溶媒量としては、反応選択性を高めるため
にはできる限り基質を希釈するよう加えるのが好ましい
が、反応を効率よく進行させること、反応操作を考慮に
入れるとモノマー基質が0.1〜1mol/lになるよ
う調整するのがよい。
【0041】芳香族ジイソシアナートモノマーとジオー
ルモノマーが選択的に反応することにより式(1)の構造
単位のの中間体が生じるので、次にこれを十分に伸長す
るための反応時間が必要となる。この反応時間が長いほ
ど式(1)の構造単位の伸長は大きくなるが、効率の点か
ら0〜48時間ぐらいの反応時間をとることが望まし
い。
【0042】この反応時間を経た後、残存する未反応脂
肪族ジイソシアナートモノマーと等量のジオールモノマ
ーを加え、重合反応を完了する。
【0043】このとき用いる溶媒は、生成するポリマー
が高極性であることから、重合を効率よく進行させるた
め、高極性の溶媒を用いることが望ましい。具体的には
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチ
ルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−ピロリドン
(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラ
ンなどの高極性非プロトン性溶媒を用いることが望まし
い。これら溶媒は、第一段階目の重合に用いた溶媒を留
去などにより除去した後に加えてもよく、また、そのま
ま加えてもよい。
【0044】反応を速やかに進行するために触媒を加え
てもよい。かかる触媒としては前記三級アミン類や、ア
ルキルスズ類などが好ましい。触媒量としては総ジイソ
シアナート量に対して1〜30mol%が望ましい。
【0045】反応温度は、高温であるほど反応の進行は
速いが、あまりに高温であると、生成したウレタン結
合、未反応ジイソシアナートモノマーなどの副反応や、
溶媒の分解などの不具合を生じやすくなるので、40〜
80℃が好ましい。
【0046】反応時間は長時間になるほど、高分子鎖の
成長が高まるものと思われるが、実際の反応操作を考え
ると、3〜48時間ほど反応を継続させることが好まし
い。
【0047】
【実施例】つぎに本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。分子量の測定にあたっては、GPCを用い
て、DMF溶液(0.4wt% LiCl含有)に溶解した
サンプルの分子量分布曲線を測定し、ポリスチレン標準
物質によって平均分子量を得た。
【0048】得られた化合物が目的のポリウレタン共重
合体であることは上記のGPC曲線が単峰性であること
13C−NMR測定(図1)から確認した。
【0049】式(2)の構造単位の含有率は、DMSO−
溶媒中13C−NMRを用い、後記参考例の高分子
のモデル化合物を参照することで、高分子鎖中のエチレ
ングリコール由来のメチレン基のケミカルシフトを特定
し、その吸収強度をもとに算出した。
【0050】[実施例1]氷水浴で冷却したメチレンビ
ス(フェニルイソシアナート)(MDI)1.3442g
(5.371mmol)とヘキサメチレンジイソシアナー
ト(HMDI)0.9272g(5.512mmol)のTH
F溶液(10ml)にエチレングリコール0.3342g
(5.384mmol)とトリエチルアミン0.1034g
(1.022mmol)のTHF溶液(33ml)を1時間
かけて滴下後即座にTHF溶媒を減圧留去することで第
1工程を完了した。エチレングリコール0.3477g
(5.602mmol)とジブチルスズジラウリン酸エス
テル(DBTL)0.1097g(0.174mmol)のD
MF溶液(43ml)を一度に加えて60℃で22時間攪
拌することで第2工程を行い、反応を完了した。実施例
1と同様の後処理を行うことでポリウレタンを得た。収
量2.2881g(収率77.5%)。重量平均分子量(分
子量分布)=43200(4.64)。式(2)の構造単位の
含有率29%(図2)。
【0051】[実施例2]氷水浴で冷却したMDI1.
4169g(5.662mmol)とHMDI0.9559
g(5.683mmol)のTHF溶液(10ml)にエチ
レングリコール0.3529g(5.686mmol)とト
リエチルアミン0.1177g(1.163mmol)のT
HF溶液(35ml)を1時間かけて滴下し、そのまま3
0℃で3時間攪拌した後THF溶媒を減圧留去すること
で第1工程を完了した。エチレングリコール0.365
5g(5.889mmol)とDBTL0.1407g(0.
223mmol)のDMF溶液(43ml)を一度に加え
て60℃で22時間攪拌することで第2工程を行い、反
応を完了した。実施例1と同様の後処理を行うことでポ
リウレタンを得た。収量2.5398g(収率82.2
%)。重量平均分子量(分子量分布)= 32000(2.8
5)。式(2)の構造単位の含有率21%(図3)。
【0052】[実施例3]氷水浴で冷却したMDI1.
3272g(5.303mmol)とHMDI0.8953
g(5.322mmol)のTHF溶液(10ml)にエチ
レングリコール0.3331g(5.366mmol)とト
リエチルアミン0.1159g(1.145mmol)のT
HF溶液(35ml)を1時間かけて滴下し、そのまま3
0℃で14時間攪拌後THF溶媒を減圧留去することで
第1工程を完了した。エチレングリコール0.3362
g(5.416mmol)とDBTL0.1300g(0.2
06mmol)のDMF溶液(43ml)を一度に加えて
60℃で22時間攪拌することで第2工程を行い反応を
完了した。実施例1と同様の後処理を行うことでポリウ
レタンを得た。収量2.3497g(収率81.3%)。重
量平均分子量(分子量分布)=21100(2.51)。式
(2)の構造単位の含有率15%(図4)。
【0053】[実施例4]氷水浴で冷却したMDI1.
3356g(5.337mmol)とHMDI0.9050
g(5.380mmol)のDMF溶液(5ml)にエチレ
ングリコール0.6674g(10.75mmol)とトリ
エチルアミン0.1009g(0.997mmol)のDM
F溶液(38ml)を2時間かけて滴下することにより第
1工程を完了した。その後即座にDBTL0.1224
g(0.194mmol)のDMF液(5ml)を一度に加
えて60℃で22時間攪拌することで第2工程を行い、
反応を完了した。実施例1と同様の後処理を行うことで
ポリウレタンを得た。収量1.7327g(収率59.6
%)。重量平均分子量(分子量分布)=26500(3.7
8)。式(2)の構造単位の含有率32%(図5)。
【0054】[製造例1]60℃に加温したエチレング
リコール0.6809g(10.97mmol)及びジブチ
ルスズジラウリン酸エステル(DBTL)0.1253g
(0.198mmol)のDMF溶液5mlに対して、メ
チレンビス(フェニルイソシアナート)(MDI)1.36
12g(5.439mmol)、ヘキサメチレンジイソシ
アナート(HMDI)0.9185g(5.461mmol)
のDMF溶液(38ml)を1時間かけて滴下しそのまま
24時間攪拌した。反応溶液を過剰のメタノールに投入
することにより生成する白色沈殿を回収、70℃で6時
間減圧乾燥することによりポリウレタンを得た。収量
2.5609g(収率86.5%)。重量平均分子量(分子
量分布)=43000(2.7)。式(2)の構造単位の含有
率49%(図6)。
【0055】[参考例1](式(1)の構造単位の帰属用
モデル化合物の合成)
【化20】
【0056】p−トリレンイソシアナート1.7416
g(10.00mmol)、EG0.3104g(5.00m
mol)とDBTL0.1263g(0.200mmol)
をジオキサン60mlに加えて60℃で16時間攪拌し
た。溶媒を留去して得られる反応混合物を酢酸エチルか
ら再結晶精製することで目的物を得た。収量1.723
4g(収率84.0%)。得られた化合物が目的とする化
合物であることは13C−NMRから確認した(図7)。
【0057】[参考例2](式(2)の構造単位の帰属用
モデル化合物の合成)
【化21】
【0058】N−フェニル−(2−ヒドロキシ)エチルカ
ルバメート1.4387g(7.940mmol)、n−ヘ
キシルイソシアナート1.0120g(7.957mmo
l)とジブチルチンジラウリン酸エステル0.1323g
(0.209mmol)をジオキサン50mlに加えて、
60℃で19時間攪拌した。溶媒を留去して得られる反
応混合物をn−ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒から再
結晶精製を行い、結晶を回収した。収量1.7151g
(収率70.0%)。得られた化合物が目的とする化合物
であることは13C−NMRから確認した(図8)。
【0059】[参考例3](式(3)の構造単位の帰属用
モデル化合物の合成)
【化22】
【0060】n−ヘキシルイソシアナート1.7501
g(13.83mmol)とエチレングリコール0.433
3g(6.980mmol)とジブチルスズジラウリル酸
エステル0.1273g(0.202mmol)をジオキサ
ン50mlに加えて60℃で19時間攪拌した。溶媒を
留去して得られる反応混合物をn−ヘキサンと酢酸エチ
ルの混合溶媒から再結晶精製を行い、結晶を回収した。
収量1.9561g(収率89.2%)。得られた化合物が
目的とする化合物であることは13C−NMRから確認
した(図9)。
【0061】[実施例5]氷水浴で冷却したMDI1.
3440g(5.37mmol)とイソホロンジイソシア
ナート(IPDI)1.2205g(5.49mmol)のT
HF溶液(10ml)にエチレングリコール0.3333
g(5.37mmol)とトリエチルアミン0.1159g
(1.145mmol)のTHF溶液(35ml)を1時間
かけて滴下し、そのまま30℃で14時間攪拌後THF
溶媒を減圧留去することで第1工程を完了した。エチレ
ングリコール0.3407g(5.37mmol)とDBT
L0.1300g(0.206mmol)のDMF溶液(4
3ml)を一度に加えて60℃で22時間攪拌すること
で第2工程を行い反応を完了した。実施例1と同様の後
処理を行うことでポリウレタンを得た。収量2.743
0g(収率84.7%)。重量平均分子量(分子量分布)=
24700(3.07)。式(2)の構造単位の含有率13
%(図10)。
【0062】[製造例2]MDI2.2384g(8.9
4mmol)、IPDI1.9918g(8.96mmo
l)にエチレングリコール1.0740g(17.96mm
ol)を注射器で一度に加えた。そこに予め調製してお
いたDBTL0.0656g(0.104mmol)のDM
F21mlを滴下ロートで一時に加えて反応を開始し、
0℃で4h攪拌後さらに60℃で16h攪拌を続けた。
実施例1と同様の後処理を行うことでポリウレタンを得
た。収量3.3042g(収率100%)。重量平均分子
量(分子量分布)=45600(2.16)。式(2)の構造単
位の含有率80%以上(図11)。
【0063】[製造例3]60℃に加温したエチレング
リコール0.3277g(5.28mmol)及びジブチル
スズジラウリン酸エステル(DBTL)0.0585g
(0.093mmol)のDMF溶液3mlに対して、メ
チレンビス(フェニルイソシアナート)(MDI)0.65
58g(2.62mmol)、IPDI0.5845g(2.
63mmol)のDMF溶液(18ml)を1時間かけて滴
下しそのまま24時間攪拌した。反応溶液を過剰のメタ
ノールに投入することにより生成する白色沈殿を回収、
70℃で6時間減圧乾燥することによりポリウレタンを
得た。収量1.4128g(収率90.1%)。重量平均分
子量(分子量分布)=46000(1.87)。式(2)の構
造単位の含有率48%(図12)。
【0064】[実施例6] ポリウレタンの透過スペクト
ル測定 実施例5及び製造例2、3で合成したポリウレタンをD
MF30wt%溶液に調整した。この溶液をアプリケー
ターでガラス基板に塗布して70℃×3時間オーブン乾
燥+130×2時間減圧乾燥を行うことで、膜厚20μ
mのフィルムを得た。フィルムを大塚電子製MCPD3
000で測定することで透過スペクトルを得た(図1
3)。
【0065】[実施例7] ポリウレタンの屈折率測定 実施例5及び製造例2、3で合成したポリウレタンをD
MF30wt%溶液に調整した。この溶液をスピンコー
ターで高屈折率(n=1.710)ガラス基板上にフィル
ムを形成した。これを70℃×3時間オーブン乾燥+1
30×2時間減圧乾燥を行うことで、屈折率評価用サン
プルとした。サンプルをアタゴ社製1T型アッベ屈折率
計(Na光源、室温)で測定することにより下記の屈折率
を得た。 実施例5 1.569 製造例3 1.564 製造例2 1.562
【0066】
【発明の効果】本発明のポリウレタンは、芳香族イソシ
アナートモノマーと脂肪族イソシアナートモノマーの配
列が規則的に制御されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MDI−HMDI−エチレングリコールより
得られた生成物の C−NMRスペクトルである。
【図2】 実施例1で得られた生成物の13C−NMR
スペクトルである。
【図3】 実施例2で得られた生成物の13C−NMR
スペクトルである。
【図4】 実施例3で得られた生成物の13C−NMR
スペクトルである。
【図5】 実施例4で得られた生成物の13C−NMR
スペクトルである。
【図6】 製造例1で得られた生成物の13C−NMR
スペクトルである。
【図7】 参考例1で得られたモデル化合物の13C−
NMRスペクトルである。
【図8】 参考例2で得られたモデル化合物の13C−
NMRスペクトルである。
【図9】 参考例3で得られたモデル化合物の13C−
NMRスペクトルである。
【図10】 実施例5で得られた生成物の13C−NM
Rスペクトルである。
【図11】 製造例2で得られた生成物の13C−NM
Rスペクトルである。
【図12】 製造例3で得られた生成物の13C−NM
Rスペクトルである。
【図13】 実施例5、製造例2、3で得られたポリウ
レタンの透過スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA02 CA01 CA04 CB03 CC03 CC12 CC26 CC33 CC61 CC62 CC67 CD03 HA01 HA07 HA13 HA15 HB03 HC03 HC12 HC22 HC64 HC70 HC71 HC73 JA02 JA14 RA07 RA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(1)、(2)及び(3)で表される構造
    単位を有するポリウレタン化合物。 【化1】 【化2】 【化3】 (上記式中、R1は 【化4】 で表される2価の芳香族基、Rは 【化5】 で表される2価の脂肪族基、Rは 【化6】 で示される2価の有機基を意味する。また、l+m+n
    は3〜10000の整数であり、0<m/(l+m+n)
    <0.5である。)
  2. 【請求項2】 【化7】 である請求項1のポリウレタン化合物。
  3. 【請求項3】 【化8】 である請求項1のポリウレタン化合物。
  4. 【請求項4】 下式: OCN−R−NCO で表される芳香族ジイソシアナート化合物及び下式: OCN−R−NCO で表される脂肪族ジイソシアナート化合物の混合物に対
    して、芳香族ジイソシアナートと略等モル量の下式: HO−R−OH (式中、R1、R及びRは前記と同様の置換基を意味
    し、l、m及びnは前記と同様の意味を有する。)で表
    されるジオール化合物を反応させる第1の工程、及び前
    記脂肪族ジイソシアナートと略等モルの前記ジオールを
    反応させて重合反応を完了させる第2工程からなること
    を特徴とする請求項1のポリウレタンの製造法。
  5. 【請求項5】 芳香族ジイソシアナート化合物がメチレ
    ンビス(フェニルイソシアナート)であり、脂肪族ジイソ
    シアナート化合物がヘキサメチレンジイソシアナートで
    あり、かつジオールモノマーがエチレングリコールであ
    る請求項3の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102905892A (zh) * 2010-06-24 2013-01-30 Sdc科技有限公司 高折射率水性聚氨酯分散体涂层组合物

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