JP2002011763A - 射出成形用金型装置 - Google Patents

射出成形用金型装置

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JP2002011763A
JP2002011763A JP2000194591A JP2000194591A JP2002011763A JP 2002011763 A JP2002011763 A JP 2002011763A JP 2000194591 A JP2000194591 A JP 2000194591A JP 2000194591 A JP2000194591 A JP 2000194591A JP 2002011763 A JP2002011763 A JP 2002011763A
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mold
gate
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pin
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Yoshinobu Takeda
与志信 武田
Toshihiro Kayahara
敏裕 茅原
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスク成形用のホットランナー式の射出
成形用金型装置において、ゲート開閉部材を確実に制御
できるようにし、型開時に材料通路からゲートを介して
樹脂が漏れることを防止する。生産性の向上も図る。 【解決手段】 可動型2は、固定型1側にあるバルブピ
ン41を押してゲート27を閉じさせる押圧ピン71を有す
る。それに加えて、固定型1に、バルブピン41を駆動す
るエアシリンダー43を設ける。このエアシリンダー43
は、特に型開時にゲート27を閉じた状態に保持する。1
つの射出成形用金型装置により複数のディスクを成形す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ディスクなど
の貫通孔を有する製品の成形に用いられる射出成形用金
型装置に係わり、特に、成形材料が常時溶融状態に保た
れる材料通路と製品キャビティとの間のゲートを開閉す
る構成に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】中央部に貫通孔を有す
る製品であるDVDやCD−Rなどの記録ディスクは、
熱可塑性樹脂を成形材料として射出成形される。記録デ
ィスクの射出成形用金型装置では、一般的に貫通孔とな
る位置に材料通路から製品キャビティへのゲートを設
け、金型装置内でゲート部分の樹脂を切断するととも
に、これにより貫通孔を形成するようにしている。
【0003】従来の記録ディスクの射出成形用金型装置
では、型開までに製品キャビティで成形される製品のみ
ならず、スプルーなどの材料通路内の樹脂をも固化させ
るようにしていた。しかしながら、材料通路内の樹脂を
も固化させるのでは、樹脂の無駄が生じ、また、材料通
路内の樹脂の冷却のための時間を確保するために、成形
サイクルが制約を受けることがある。
【0004】これに対して、特許第2683949号公
報には、材料通路内の樹脂をヒーターの加熱により常時
溶融状態に保ち、固定型(固定金型)に設けたゲート開
閉部材としてのプランジャによりゲートを開閉するよう
にした射出成形用金型装置が提案されている。プランジ
ャは、固定型および可動型(移動金型)の開閉方向に移
動し、可動型側へ移動したときにゲートを開放するとと
もに、反対側に移動したときにゲートを閉塞する構成に
なっている。また、プランジャは、ばねによりゲートを
閉塞する方向へ付勢されており、材料通路内へ射出され
た樹脂の圧力により移動して開くようになっている。さ
らに、可動型側に設けられ油圧駆動されるオスカッタに
より前記プランジャを押して、ゲートを閉じるとともに
ディスクの貫通孔を形成するようにしている。
【0005】しかし、前記公報に記載の射出成形用金型
装置では、樹脂の圧力によりプランジャを開き動作させ
るため、このプランジャを制御しにくく、ゲートを開く
タイミングが一定にならないような問題があった。ま
た、型開して可動型側のオスカッタがプランジャから離
れた後、材料通路内の溶融したままの樹脂の残圧により
プランジャが可動型側へ動き、材料通路からゲートを介
して樹脂漏れが生じるおそれもあった。
【0006】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ゲート開閉部材を確実に制御でき、型開
時に材料通路から成形材料が漏れることを防止できると
ともに、生産性を向上できる射出成形用金型装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、貫通孔を有する製品を成形する
射出成形用金型装置において、互いに開閉して型閉時に
相互間に複数の製品キャビティを形成する第1の型体お
よび第2の型体を備え、前記第1の型体に、この第1の
型体の内部に位置するとともに一つの入口部から複数に
分岐する材料通路と、この材料通路を前記複数の製品キ
ャビティにそれぞれ開口させる複数のゲートと、前記材
料通路内の熱可塑性の成形材料を常時溶融状態に保つ加
熱手段と、前記複数のゲートをそれぞれ開閉する複数の
可動なゲート開閉部材と、これらゲート開閉部材を駆動
する駆動装置とを設け、前記第2の型体に、前記複数の
ゲート開閉部材をそれぞれ閉じる方向に押す複数の押圧
部材を可動に設け、この押圧部材または前記ゲート開閉
部材により前記製品の貫通孔を形成するものである。
【0008】成形に際しては、第1の型体と第2の型体
とを型閉してこれらの型体間に複数の製品キャビティを
形成するとともに、第1の型体側で駆動装置の駆動によ
り複数のゲート開閉部材を第2の型体側へ移動させて複
数のゲートをそれぞれ開放し、第1の型体の材料通路か
ら各ゲートを介して各製品キャビティ内に溶融した成形
材料をそれぞれ充填する。このとき、成形材料は、材料
通路において一つの入口部から複数のゲートへ分岐して
いく。その後、可動型側の複数の押圧部材を固定型側へ
移動させ、これら押圧部材により各ゲート開閉部材を押
圧して各ゲートをそれぞれ閉じる。そして、これら押圧
部材またはゲート開閉部材によって製品の貫通孔が形成
される。さらに、製品キャビティ内の成形材料つまり製
品が十分に冷却して固化した後、第1の型体と第2の型
体とを型開して成形された製品を取り出す。その後、再
び型閉が行われて以上の工程が繰り返される。そして、
以上の工程を通じて、材料通路内の成形材料は、加熱手
段の加熱により常時溶融状態に保たれる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明の射出
成形用金型装置において、前記駆動装置を流体圧シリン
ダー装置としたものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明の射出成形用金型装置において、前記第1の型体に、
前記材料通路を内部に有しその分岐路を形成するマニホ
ールドを設けたものである。
【0011】
【発明の実施形態】以下、本発明の射出成形用金型装置
の一実施例について、図1から図3を参照しながら説明
する。なお、本実施例の金型装置は、光ディスクなどの
中央部に貫通孔Aを有する記録ディスクBを成形するた
めのものである。しかし、成形される製品は、記録ディ
スクBに限るものではない。
【0012】1は第1の型体である固定型、2は第2の
型体である可動型で、これら固定型1および可動型2
は、互いに図示上下方向(以下、型開閉方向という)に
移動して開閉し、型閉時に相互間に記録ディスクBの形
状をした2つの製品キャビティ3を形成するものであ
る。
【0013】前記固定型1は、図示していない射出成形
機の型締装置の固定側プラテンに取り付けられる固定側
取り付け板6における図示下側つまり可動型2側の面に
枠状のスペーサブロック7が固定され、このスペーサブ
ロック7の図示下側の面に固定側受け板8が固定されて
いる。そして、この固定側受け板8の図示下側の面に
は、枠状の固定側型板9が固定されているとともに、こ
の固定側型板9の内側に、前記製品キャビティ3をそれ
ぞれ形成する2つのキャビティ部材10が固定されてい
る。また、前記固定側取り付け板6とスペーサブロック
7と固定側受け板8との間にはマニホールド11が設けら
れている。このマニホールド11と固定側取り付け板6お
よび固定側受け板8との間にはスペーサ12がそれぞれ介
在させてある。
【0014】また、前記固定側取り付け板6には貫通孔
16が形成されており、この貫通孔16における図示上側の
周辺部にはローケートリング17が固定されている。ま
た、前記マニホールド11に固定されたスプルーブッシュ
18が前記貫通孔16内に挿入されている。このスプルーブ
ッシュ18は、射出成形機のノズルが接続されるもので、
内部が材料通路の入口部をなすスプルー19になってい
る。このスプルー19は、一つの金型装置で一つのみあ
る。さらに、スプルーブッシュ18の外周には、スプルー
19を加熱する加熱手段であるヒーター20が設けられてい
る。また、前記マニホールド11内には、前記スプルー19
から2分岐する材料通路であるランナー21が形成されて
いる。すなわち、このランナー21は、材料通路の分岐路
を形成するものである。さらに、マニホールド11には、
ランナー21を加熱する加熱手段であるヒーター22が設け
られている。
【0015】また、前記両キャビティ部材10の中央部に
はそれぞれゲートブッシュ26が貫通状態で固定されてい
る。これらのゲートブッシュ26内の孔における図示下側
の先端部は、それぞれ各製品キャビティ3に開口するゲ
ート27をなしている。さらに、両キャビティ部材10の図
示下面の内外周部には、それぞれ成形される記録ディス
クBに転写すべきピットなどが形成されたスタンパーを
着脱可能に保持する円環状の外周側スタンパー押え28お
よび内周側スタンパー押え29が着脱可能に取り付けられ
ている。
【0016】また、前記固定側受け板8には、前記両ゲ
ートブッシュ26内の孔にそれぞれ通じる一対の開口孔31
が貫通形成されており、これらの開口孔31内にほぼ筒状
のバルブ本体32がそれぞれ設けられている。これらバル
ブ本体32は、そのマニホールド11側の端部に設けられた
フランジ33がマニホールド11と固定側受け板8とにより
挟まれて固定されており、また、反対側の端部の外周に
固定された固定リング34がゲートブッシュ26の内周面に
嵌合している。そして、筒状の両バルブ本体32の内部は
それぞれ材料通路35になっているが、これらの材料通路
35は、型開閉方向と平行で前記各ゲート27とそれぞれ同
軸的に位置する直線状部をなしており、これらのゲート
27を介して各製品キャビティ3にそれぞれ通じるもので
ある。また、前記フランジ33内には、前記マニホールド
11のランナー21の2つの出口部にそれぞれ通じる材料通
路の屈曲材料通路36が形成されており、これらの屈曲材
料通路36はそれぞれ両バルブ本体32内の材料通路35に通
じている。さらに、前記バルブ本体32の外周には、材料
通路35,36を加熱する加熱手段であるヒーター37が設け
られている。
【0017】そして、前記ヒーター20,22,37の加熱に
より、スプルー19、ランナー21および材料通路35,36内
の成形材料である熱可塑性樹脂が常時溶融状態に保たれ
るようになっている。
【0018】また、前記両バルブ本体32の材料通路35内
をそれぞれ貫通して、型開閉方向に移動するゲート開閉
部材としての一対のバルブピン41が設けられている。こ
れらのバルブピン41の一端側は、それぞれ前記フランジ
33を摺動自在に貫通するとともに前記マニホールド11に
形成された通孔42を遊貫し、固定側取り付け板6に設け
られた駆動装置としての流体圧シリンダー装置であるエ
アシリンダー43に連結されている。すなわち、両バルブ
ピン41は、それぞれエアシリンダー43により軸方向の両
方向に駆動されるものである。なお、これらのエアシリ
ンダー43は2段エアシリンダーからなっている。一方、
バルブピン41の他端部すなわちゲート27側の端部にはこ
れらのゲート27を開閉する弁部44がフランジ状に形成さ
れている。つまり、両バルブピン41は、それぞれ型開閉
方向と平行でかつ対応するゲート27と同軸的に位置して
おり、弁部44がゲート27に嵌合することによりこれらの
ゲート27を閉じるものである。また、バルブピン41は、
ゲート27を閉じる位置よりも図示下方へ移動することに
よりゲート27を開放するものであるが、弁部44の図示上
面は熱可塑性樹脂を円滑に案内するために、材料通路35
側から製品キャビティ3側へ傾斜した滑らかな曲面部45
に形成してある。
【0019】前記可動型2は、射出成形機の型締装置の
可動側プラテンに取り付けられる可動側取り付け板51に
おける図示上側つまり固定型1側の面に可動側受け板52
が固定されている。この可動側受け板52の図示上面に
は、枠状の可動側型板53が固定されているとともに、こ
の可動側型板53の内側に、前記両製品キャビティ3をそ
れぞれ形成する2つのコア部材54が固定されている。ま
た、これらのコア部材54の中央部には、それぞれエア吹
出しブッシュ55が貫通状態で固定されている。さらに、
両コア部材54の図示上面には、それぞれ前記固定型1の
両外周側スタンパー押え28の内周側に型開閉方向へ摺動
自在に嵌合する円柱形状の凸部56が形成されている。す
なわち、この凸部56およびエア吹出しブッシュ55の図示
上面と外周側スタンパー押え28の内周面とキャビティ部
材10およびゲートブッシュ26の図示下面との間に製品キ
ャビティ3が形成されるようになっている。なお、凸部
56の外周側には、外周側スタンパー押え28の内周面との
間に介在するスライドベアリング57が設けてある。
【0020】また、前記可動側受け板52には、前記両エ
ア吹出しブッシュ55内に臨む一対の開口孔61が貫通形成
されており、これらの開口孔61の図示上部には、それぞ
れ筒状の突き出しピン62が型開閉方向へ摺動自在に組み
込まれている。これらの突き出しピン62は、その図示下
部に形成されたフランジ部63が開口孔61内に形成された
段差面64と開口孔61内に固定された第1の押え板65との
間に位置していることにより摺動範囲が規制されてい
る。また、突き出しピン62は、そのフランジ部63と段差
面64との間に装着されたスプリング66により、可動側受
け板52に対して図示下方へ付勢されている。そして、突
き出しピン62は、前記エア吹出しブッシュ55内を摺動自
在に貫通して図示上側の先端面が製品キャビティ3に臨
んでいる。なお、突き出しピン62の外周面とエア吹出し
ブッシュ55および開口孔61の内周面との間にはそれぞれ
スライドベアリング67,68が設けてある。
【0021】また、前記両突き出しピン62の内側には、
それぞれ押圧部材としての押圧ピン71が型開閉方向へ摺
動自在に組み込まれている。これらの押圧ピン71は、そ
の図示下部に形成されたフランジ部72が前記可動側受け
板52の開口孔61の図示下部に位置しており、前記第1の
押え板65と可動側取り付け板51を貫通して可動側受け板
52に固定された第2の押え板73との間に前記フランジ部
72が位置していることにより摺動範囲が規制されてい
る。また、押圧ピン71の円柱形状の図示上部は、突き出
しピン62内を摺動自在に貫通して、前記固定型1側のバ
ルブピン41に同軸的に対向している。そして、各押圧ピ
ン71は、対応するバルブピン41を図示上方へ押してゲー
ト27を閉じさせるとともに、記録ディスクBの貫通孔A
を形成するものである。さらに、押圧ピン71とバルブピ
ン41の弁部44は同径になっており、これらの弁部44は突
き出しピン62内に挿脱自在かつ摺動自在に嵌合するよう
になっている。なお、押圧ピン71の外周面と突き出しピ
ン62の内周面および第2の押え板73との間にはそれぞれ
スライドベアリング74,75が設けてある。
【0022】さらに、前記押圧ピン71のフランジ部72と
第2の押え板73との間には突き出し板81が型開閉方向へ
所定範囲可動に組み込まれている。これらの突き出し板
81には連動ピン82が固定されており、これらの連動ピン
82は、押圧ピン71のフランジ部72および第1の押え板65
を貫通して先端が突き出しピン62に当接している。ま
た、突き出し板81は、この突き出し板81と第1の押え板
65との間に装着されたスプリング83により固定型1と反
対側へ付勢されている。
【0023】前記一対の押圧ピン71および一対の突き出
し板81は、それぞれ射出成形機の可動側プラテン側に露
出しており、射出成形機に設けられた油圧式などの駆動
装置により押されて独立に駆動されるものである。
【0024】つぎに、前記の構成について、その作用を
説明する。記録ディスクBの成形に際しては、まず固定
型1と可動型2とを型閉して、これら固定型1および可
動型2間に製品キャビティ3を形成する。型閉後、エア
シリンダー43の駆動によりバルブピン41を可動型2側へ
移動させる。これにより、図2に示すように、固定型1
側のバルブピン41の弁部44が可動型2側の筒状の突き出
しピン62内に嵌合し、ゲート27が開放された状態にな
る。なお、バルブピン41により押されて可動型2側の押
圧ピン71は固定型1と反対側へ移動する。この状態で、
射出成形機のノズルから溶融した熱可塑性樹脂を射出す
る。この樹脂は、スプルーブッシュ18内のスプルー19か
らマニホールド11内のランナー21に流入して2分岐し、
さらに両バルブ本体32の材料通路36,35を通って、開放
された両ゲート12から両製品キャビティ3内にそれぞれ
充填される。
【0025】その後、図示していない駆動装置により両
押圧ピン71を固定型1側へ移動させる。これらの駆動ピ
ン71により押されて両バルブピン41も移動し、図3に示
すように、そのバルブピン41の弁部44が両ゲート27にそ
れぞれ嵌合し、これらのゲート27が閉じられる。つま
り、ゲート27において、製品キャビティ3内の樹脂と材
料通路35内の樹脂とが互いに切断される。これととも
に、押圧ピン71が製品キャビティ3の中央部に位置し、
これらの押圧ピン71により記録ディスクBの貫通孔Aが
形成されることになる。
【0026】さらに、製品キャビティ3内の樹脂つまり
製品である記録ディスクBが十分に冷却して固化した
後、固定型1と可動型2とを型開する。この型開に際し
て、成形された記録ディスクBはまず固定型1から離れ
る。さらに、図示していない駆動装置により突き出し板
81を固定型1側に移動させる。これに伴い、連動ピン82
により押されて突き出しピン62も固定型1側に移動し、
この突き出しピン62により突き出されて記録ディスクB
が可動型2から離れる。こうして離型された記録ディス
クBは、図示していない取り出し装置により取り出され
る。
【0027】その後、再び型閉が行われて以上の工程が
繰り返される。そして、以上の工程を通じて、スプルー
ブッシュ18内のスプルー19、マニホールド11のランナー
21およびバルブ本体32の材料通路35,36内の樹脂は、ヒ
ーター20,22,37の加熱により常時溶融状態に保たれ
る。
【0028】前記実施例の構成によれば、記録ディスク
Bの成形用の射出成形用金型装置をホットランナー式に
して、スプルー19、ランナー21および材料通路35,36内
の樹脂を固化させないようにしたので、成形材料である
樹脂の無駄をなくすことができるとともに、成形サイク
ルにおいてスプルー19、ランナー21および材料通路35,
36内の樹脂の冷却時間をとる必要がないことにより、成
形サイクルを短縮できる。また、一つの金型装置で2枚
の記録ディスクBを成形できるので、生産性がよりいっ
そう向上する。
【0029】また、ホットランナー式の射出成形用金型
装置であるために必要なバルブピン41を駆動するため
に、可動型2側の押圧ピン71によりバルブピン41を押す
のみならず、バルブピン41のある固定型1自体にエアシ
リンダー43を設けたので、バルブピン41を確実に制御で
き、型開時にもゲート27を確実に閉じた状態に保持する
ことができる。したがって、型開時に、材料通路35内の
残圧によりこの材料通路35内から完全に閉じていないゲ
ート27を介して樹脂が漏れるようなことを防止できる。
【0030】また、情報を記憶する記録ディスクBの成
形はクリーンルームで行われるようなものであり、記録
ディスクBの汚れは避けなければならないがバルブピン
41の駆動装置として油圧シリンダーではなく、エアシリ
ンダー43を用いたので、油圧シリンダーから漏れた油に
より記録ディスクBが汚れるようなことを防止できる。
また、エアシリンダー43は、油圧シリンダーに比べて大
きな力を得にくいが、エアシリンダー43に2段エアシリ
ンダーを用いたので、バルブピン41を駆動するのに十分
な力を得られる。
【0031】また、バルブピン41を押すために押圧ピン
71を駆動するのに、金型装置自体の内部に組み込んだば
ねのみを利用することも考えられるが、そのためには強
力なばね、つまり大型のばねが必要であり、金型装置内
に組み込みのためのスペースを確保することが困難であ
る。また、十分な力を得るためには、コイルばねではな
く、さらばねを用いなければならないが、さらばねでは
十分なストロークを確保することが難しい。これに対し
て、前記実施例の構成によれば、押圧ピン71を金型装置
外の油圧式などの駆動装置により駆動するようにしたの
で、上記の問題を回避できる。
【0032】さらに、バルブピン41の弁部44における図
示上面すなわち材料通路35側の面をこの材料通路35側か
ら製品キャビティ3側へ傾斜した滑らかな曲面部45に形
成したので、樹脂をゲート27から製品キャビティ3へ円
滑に案内でき、したがって、この製品キャビティ3内に
樹脂を確実に充填することができ、樹脂の流動不良によ
る成形不良を防止できる。
【0033】図4は、本発明の射出成形用金型装置の他
の実施例を示すもので、この実施例は、固定型1側のバ
ルブピン41における可動型2側の先端面に凸部86を形成
するとともに、可動型2側の押圧ピン71における固定型
1側の先端面に、型閉時に前記凸部86が挿脱自在に嵌合
する凹部87を設けたものである。そして、凸部86の突出
量は、型閉に伴いバルブピン41が可動型2側の突き出し
ピン62内に嵌合されるのに先立って凸部86が凹部87内に
嵌合するように設定されている。なお、バルブピン41側
を凹部とし、押圧ピン71側を凸部としてもよい。
【0034】固定型1側のバルブピン41は可動型2側の
突き出しピン62内に挿脱自在に嵌合するものなので、こ
れらバルブピン41と突き出しピン62とが正確に芯合わせ
されていないと、バルブピン41と突き出しピン62との間
に隙間が生じて、成形された記録ディスクBにバリが生
じるおそれがある。バルブピン41と突き出しピン62との
芯出し精度を高めるには、金型製作上、固定型1側にお
いては固定側型板9、キャビティ部材10、ゲートブッシ
ュ26、バルブピン41などと、また、可動型2側において
は可動側型板53、コア部材54、ブッシュ55、突き出しピ
ン62などと、外側から内側へ部材を組んでいくにあたっ
て、焼き嵌めなどを利用して精度を順次出していかなけ
ればならないが、これは面倒な作業である。これに対し
て、前記他の実施例の構成によれば、バルブピン41およ
び押圧ピン71の先端面に案内用の凸部86および凹部87を
それぞれ形成したので、バルブピン41および押圧ピン71
の芯合わせのみを確実に行えば、バルブピン41と突き出
しピン62との芯合わせも確実に行うことができ、したが
って、金型製作が容易になり、しかも、記録ディスクB
にバリが生じることを防止できる。
【0035】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、取り数すなわち一つの金型装置で成形
する記録ディスクBの数を2にしたが、取り数を3以上
にしてもよい。また、前記実施例では、CDなどの記録
ディスクBの成形を例に採って説明したが、本発明は、
記録ディスク以外にも、ギヤなどの貫通孔を有する適宜
の製品に適用できる。さらに、本発明は、熱可塑性樹脂
の射出成形のみならず、熱可塑性の成形材料の射出成形
一般に適用可能である。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、貫通孔を有す
る製品を成形する射出成形用金型装置において、互いに
開閉する第1の型体および第2の型体のうち材料通路を
有する第1の型体に、ゲートまでの材料通路内の成形材
料を常時溶融状態に保つ加熱手段と、ゲート開閉部材
と、このゲート開閉部材を駆動する駆動装置とを設け、
第2の型体に、ゲート開閉部材を閉じる方向に押す押圧
部材を可動に設け、この押圧部材または前記ゲート開閉
部材により前記製品の貫通孔を形成するようにしたの
で、材料通路内の成形材料が固化しないことにより成形
材料の無駄をなくすことができるとともに、成形サイク
ルを短縮でき、また、ゲート開閉部材を確実に制御でき
るとともに、型開時に材料通路から成形材料が漏れるこ
とを防止できる。さらに、一つの射出成形用金型装置に
より複数の製品を成形できるので、生産性がよりいっそ
う向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の射出成形用金型装置の一実施例を示す
断面図である。
【図2】同上ゲート付近の断面図であり、ゲートが開い
た状態を示している。
【図3】同上ゲート付近の断面図であり、ゲートが閉じ
た状態を示している。
【図4】本発明の射出成形用金型装置の他の実施例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 固定型(第1の型体) 2 可動型(第2の型体) 3 製品キャビティ 11 マニホールド 19 スプルー(材料通路の入口部) 20 ヒーター(加熱手段) 21 ランナー(材料通路) 22 ヒーター(加熱手段) 27 ゲート 35 材料通路 36 屈曲材料通路(材料通路) 37 ヒーター(加熱手段) 41 バルブピン(ゲート開閉部材) 41 エアシリンダー(駆動装置、流体圧シリンダー装
置) 71 押圧ピン(押圧部材) A 貫通孔 B 記録ディスク(製品)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有する製品を成形する射出成形
    用金型装置において、互いに開閉して型閉時に相互間に
    複数の製品キャビティを形成する第1の型体および第2
    の型体を備え、前記第1の型体に、この第1の型体の内
    部に位置するとともに一つの入口部から複数に分岐する
    材料通路と、この材料通路を前記複数の製品キャビティ
    にそれぞれ開口させる複数のゲートと、前記材料通路内
    の熱可塑性の成形材料を常時溶融状態に保つ加熱手段
    と、前記複数のゲートをそれぞれ開閉する複数の可動な
    ゲート開閉部材と、これらゲート開閉部材を駆動する駆
    動装置とを設け、前記第2の型体に、前記複数のゲート
    開閉部材をそれぞれ閉じる方向に押す複数の押圧部材を
    可動に設け、この押圧部材または前記ゲート開閉部材に
    より前記製品の貫通孔を形成することを特徴とする射出
    成形用金型装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動装置を流体圧シリンダー装置と
    したことを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の型体に、前記材料通路を内部
    に有しその分岐路を形成するマニホールドを設けたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の射出成形用金型装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002127202A (ja) * 2000-09-06 2002-05-08 Mold Masters Ltd 射出成形用弁ゲート組立体
JP2013216047A (ja) * 2012-04-11 2013-10-24 Honda Motor Co Ltd 射出成形装置
US9561610B2 (en) 2011-06-24 2017-02-07 Honda Motor Co., Ltd. Injection molding method and apparatus therefor
CN114506017A (zh) * 2021-11-26 2022-05-17 乐清昌德成电子有限公司 多注胶口模具

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