JP2002011581A - ビーム接合方法 - Google Patents

ビーム接合方法

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JP2002011581A
JP2002011581A JP2000198773A JP2000198773A JP2002011581A JP 2002011581 A JP2002011581 A JP 2002011581A JP 2000198773 A JP2000198773 A JP 2000198773A JP 2000198773 A JP2000198773 A JP 2000198773A JP 2002011581 A JP2002011581 A JP 2002011581A
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electron beam
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irradiated
work
rotation
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JP2000198773A
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Takeshi Yokoyama
剛 横山
Koji Obayashi
巧治 大林
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Aisin AW Co Ltd
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の部材上の所定角度ごとの範囲において
第2の部材を効率的に接合することができるビーム接合
方法を提供する。 【解決手段】 ワークW(ポンプシェル21)を所定回
転数で回転駆動する。このワークWに対して電子ビーム
を連続的に照射する。ワークW(ポンプシェル21)の
回転に同期して、その回転中心から加工半径だけ離隔さ
れ、Y軸方向(周方向)に所定振幅値だけ離隔された第
1及び第2の面域S1,S2にビームを切り替え偏向
し、ワークW(ポンプシェル21)の回転移動に追従す
る態様でその所定角度ごとの範囲Aに電子ビームを重畳
照射し、ポンプシェル21の各範囲においてブレード2
2を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビーム接合方法に
係り、詳しくは第1の部材上の所定角度ごとの範囲にビ
ームを照射して第2の部材を接合するビーム接合方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、金属製の異なる部材同士をつなぎ
合わせる方法として種々のものが提案されている。こう
した方法としては、例えば、炉(真空、雰囲気)、アー
ク、火炎、若しくは高周波などによるろう付けやカシメ
による方法が知られている。
【0003】一般に、炉ろう付けでは、部材全体を加熱
してろう付けを行うため、同部材の熱ひずみが大きくな
る。また、全体として消費エネルギーが多くなり、コス
トの増大を余儀なくされる。
【0004】一方、アーク、火炎、高周波ろう付けでは
局所加熱が可能であるが、一般に大気中での工程であ
り、ろう材及び部材の酸化を防止するためのフラックス
を使用するため、ろう付け後にその除去工程が必要とな
る。
【0005】さらに、カシメでは、その接合強度が不十
分であるとともに製造コストの増大を余儀なくされる。
これら各方法に加えて、例えば電子ビーム接合装置によ
るろう付けも知られている。この場合、局所加熱が可能
であるとともに、もともと真空中での工程であるため、
フラックスを使用する必要性もなくなる。従って、部材
同士をつなぎ合わせるための必要箇所のみをろう付けす
ればよく、ろう付け後の工程(フラックスの除去工程)
も不要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした電
子ビームろう付けでは、予め設定された所定位置に対し
て電子ビームを照射してろう付けを行うため、部材上の
互いに規則性をもって離隔された複数箇所においてろう
付けを行う場合には、1箇所に対して電子ビームを所要
の期間だけ連続して照射し、同箇所でのろう付けを終了
した後、その都度、上記規則性に基づき部材側を移動し
て次の箇所のろう付けを行うのが一般的である。
【0007】例えば、第1の部材上の所定角度ごとの各
位置(範囲)で第2の部材をろう付けする場合には、1
箇所に対して電子ビームを所要の期間だけ連続して照射
し、同箇所でのろう付けを終了した後、その都度、第1
の部材を上記所定角度だけ回動して次の箇所のろう付け
を行うことになる。従って、各位置(範囲)でのろう付
けの終了の都度、上記第1の部材の回動のために作業が
中断され、同作業は極めて非効率であった。
【0008】本発明の目的は、第1の部材上の所定角度
ごとの範囲において第2の部材を効率的に接合すること
ができるビーム接合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、連続的に照射されるビ
ームの照射面域を、所定回転数で回転駆動される第1の
部材の回転に同期させて複数箇所に切り替え偏向し、前
記第1の部材上の所定角度ごとの範囲にビームを照射し
て該第1の部材上の各範囲において第2の部材を接合す
ることを要旨とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のビーム接合方法において、前記ビームの照射面域を前
記第1の部材の周方向に切り替え偏向し、前記第1の部
材の回転移動に追従する態様で前記範囲にビームを重畳
照射して該第1の部材上の各範囲において第2の部材を
接合することを要旨とする。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
のビーム接合方法において、前記ビームの照射面域を前
記第1の部材の径方向に切り替え偏向し、前記第1の部
材上の径方向の距離が異なる複数の所定角度ごとの各範
囲にビームを照射して該第1の部材上の各範囲において
第2の部材を接合することを要旨とする。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載のビーム接合方法において、前記範囲の
内部には、熱容量に応じた異なる分布にてビームを照射
することを要旨とする。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれかに記載のビーム接合方法において、前記第1の
部材と第2の部材とをろう付けにて接合することを要旨
とする。
【0014】(作用)請求項1〜3のいずれかに記載の
発明によれば、所定回転数で回転駆動される第1の部材
に対してビームを連続的に照射しながらその照射面域を
同第1の部材の回転に同期させて複数箇所に切り替え偏
向し、同第1の部材上の所定角度ごとの範囲にビームを
照射することで、同第1の部材上の各範囲において第2
の部材が接合される。このように、第1の部材を回転駆
動した状態でビームを連続照射しながらビームの照射面
域を切り替え偏向するのみによって、必要な部分(所定
角度ごとの範囲)にビームを照射して第1の部材上の各
範囲において第2の部材を接合することができ、その作
業は極めて効率的なものとされる。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、第1の部
材上の所定角度ごとの範囲の内部には、熱容量に応じた
異なる分布にてビームが照射される。従って、例えば熱
容量の大きい範囲に対して十分な電子ビームを照射する
ことで、同範囲は迅速に温められ、一方、熱容量の小さ
い範囲に対しては過剰なビームが照射されることが回避
される。
【0016】請求項5に記載の発明によれば、第1の部
材と第2の部材とはろう付けにて接合される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態を図1〜図4に従って説明する。なお、図1はビー
ム接合のための電子ビーム接合装置1及び同電子ビーム
接合装置1によるワークWのろう付け加工態様を示す概
略図であり、図2は同ワークWのろう付け加工態様を模
式的に示す平面図である。また、図3は電子ビーム接合
装置1からの電子ビームの偏向態様を示すタイムチャー
トであり、図4は後述の態様でろう付け加工を行う場合
に対応する電子ビーム接合装置1の各設定条件を示す一
覧図である。
【0018】図1に示されるように、電子ビーム接合装
置1は汎用の装置であって、高圧電源11と、偏向コイ
ル12と、本体部13と、回転モータ14と、排気装置
15と、EB(electron beam )高速偏向制御装置16
と、総合制御装置17とを備えている。
【0019】上記高圧電源11は、図示しない電子銃か
ら放射された電子ビームを上記総合制御装置17におい
て設定された所定の電圧(例えば、60kV)にて加速
する。
【0020】上記偏向コイル12は、上記放射された電
子ビームを偏向する。すなわち、この偏向コイル12
は、図2において平面上に規定されるX軸方向及びY軸
方向にそれぞれ電子ビームを偏向するx−偏向コイル1
2a及びy−偏向コイル12bを有しており、それぞれ
が上記EB高速偏向制御装置16からの制御信号に基づ
き制御されて電子ビームを偏向する。なお、上記EB高
速偏向制御装置16は、上記総合制御装置17において
設定された偏向条件に基づき上記制御信号を発生する。
【0021】上記本体部13は、ワークWを設置するた
めの内部空間を形成している。この内部空間は、上記排
気装置15により空気が排出される真空室13aとなっ
ている。
【0022】上記回転モータ14は、上記総合制御装置
17において設定された所定の回転速度にて上記本体部
13(真空室13a)に設置されたワークWを回転駆動
する。
【0023】上記総合制御装置17は、設定された加工
条件に基づき上記高圧電源11、偏向コイル12(EB
高速偏向制御装置16)及び回転モータ14を好適に制
御する。
【0024】次に、この電子ビーム接合装置1を用いた
ワークWのろう付け加工態様について図2及び図3を併
せ参照して説明する。本実施形態では、ワークWとして
トルクコンバータのポンプインペラを構成する略ドーナ
ツ板状のポンプシェル21と、同ポンプシェル21に対
して所定角度ごとに配設される複数のブレード22との
場合を一例として説明する。このワークWは、上記ポン
プシェル21に対して複数のブレード22が所定角度ご
とに仮組みされたものであり、各ブレードの接合位置に
対応して接合のための、例えば銅製のろう材が配設され
ている。ワークWは、この状態で本体部13内に設置さ
れる。
【0025】ワークWが本体部13内に設置されると、
前記排気装置15により内部の空気が排出され、真空室
13aは所定の真空度に維持される。そして、この状態
でワークWは回転モータ14により所定の回転速度にて
一側(図2において半時計回り方向)に回転駆動され
る。
【0026】ワークWが回転駆動されると、設定された
偏向条件に基づき電子ビームが連続して照射される。図
3は、ろう付け加工時における電子ビームの照射位置の
上記X軸方向及びY軸方向の各変位を示すタイムチャー
トである。図3(a)に示されるように、電子ビームは
前記EB高速偏向制御装置16(x−偏向コイル12
a)によりX軸方向に偏向制御されて基準位置に対して
三角波状にΔxの範囲で変位する。この基準位置は、図
2における加工半径だけワークWの回転中心から離隔さ
れた位置となっている。なお、三角波状に変位させるの
は、変位の反転時近辺における電子ビームの滞留時間を
短くし、電子ビームをX軸方向により均一に照射するた
めである。この三角波の周波数は、例えば7kHzに設
定されている。
【0027】一方、図3(b)に示されるように、電子
ビームは前記EB高速偏向制御装置16(y−偏向コイ
ル12b)によりY軸方向に偏向制御されて第1の基準
位置P1(図2参照)に対して三角波状にΔyの範囲で
変位するとともに、同第1の基準位置P1より所定振幅
値だけY軸方向に離隔された第2の基準位置P2(図2
参照)に対して三角波状にΔyの範囲で変位する。この
ような第1の基準位置P1での電子ビームの照射と第2
の基準位置P2での電子ビームの照射は互いに等時間間
隔で周期的に繰り返されている。図2において上記振幅
値を誇張して描画しているが、これら第1及び第2の基
準位置P1,P2は、それぞれX軸の近傍に設定されて
いる。そして、第1の基準位置P1は、ワークWの回転
方向に対して第2の基準位置P2よりも略周方向に後方
側となっている。換言すると、電子ビームの照射位置が
第1の基準位置P1から第2の基準位置P2へとY軸方
向(周方向)に切り替えられることにより、同電子ビー
ムはワークWの回転移動を追従する態様で照射される。
なお、三角波状に変位させるのは、変位の反転時近辺に
おける電子ビームの滞留時間を短くし、電子ビームをY
軸方向により均一に照射するためである。この三角波の
周波数も、例えば7kHzに設定されている。
【0028】電子ビームがEB高速偏向制御装置16に
よりX,Y軸方向にそれぞれ上記のように偏向制御され
ることにより、電子ビームは上記加工半径だけワークW
の回転中心から離隔されたX軸の近辺においてY軸方向
(周方向)に上記振幅値だけ互いに離隔された第1の面
域S1及び第2の面域S2においてそれぞれ略均一に照
射される(図2参照)。
【0029】ここで、ワークWの回転速度と、電子ビー
ムの上記振幅値でのY軸方向の切り替えタイミングと
は、互いに同期がとられる態様で設定されている。以
下、この同期態様について図2に基づき説明する。な
お、図2においては、簡略化のために、ろう材が配置さ
れて各ブレード22が接合されるワークW上の範囲Aは
所定角度ごとに配置されているものとし、各範囲Aの周
方向の幅及び各隣接する範囲A間の周方向の幅は互いに
略同等とされているものとする。一方、電子ビームがY
軸方向に切り替えられるときの振幅値は誇張して描画さ
れているが、この振幅値は上記範囲Aの周方向の幅(各
隣接する範囲A間の周方向の幅)と同等の距離に設定さ
れているとする。
【0030】このような前提において、電子ビームが上
記第1及び第2の基準位置P1,P2のうちワークWの
回転方向に対して後方側である第1の基準位置P1に偏
向されて前記第1の面域S1に照射されているとする。
このとき、ワークWは上記所定回転速度にて回転してい
るため、同回転に基づき周方向に連続する範囲で電子ビ
ームが照射されるようになっている。電子ビームが第1
の基準位置P1に偏向されている間にワークWの回転に
基づき電子ビームが照射される範囲は、上記範囲Aとな
るように設定されている。すなわち、電子ビームが第1
の基準位置P1に切り替え偏向されたタイミングにおい
て、電子ビームは上記範囲Aの前端に照射されるように
設定されており、電子ビームが第1の基準位置P1に偏
向されている時間とワークWが上記範囲Aの周方向の幅
だけ回転するときの時間とが一致するように設定されて
いる。これにより、第1の基準位置P1に偏向されてい
る間に、ワークWの上記範囲Aに電子ビームが照射され
る。
【0031】次に、電子ビームがワークWの回転方向に
対して上記第1の基準位置P1よりも上記振幅値だけ前
方側である第2の基準位置P2に偏向されて前記第2の
面域S2に照射されるとする。この振幅値は上記範囲A
の周方向の幅と同等の距離に設定されているため、電子
ビームが第2の基準位置P2に切り替え偏向されたタイ
ミングにおいて、電子ビームは上記範囲Aの前端に追従
する態様で照射される。そして、このときも電子ビーム
が第2の基準位置P2に偏向されている時間とワークW
が上記範囲Aの周方向の幅だけ回転するときの時間とが
一致するように設定されているため、第2の基準位置P
2に偏向されている間に、ワークWの上記範囲Aに電子
ビームが重畳して照射される。
【0032】次いで、電子ビームが再び上記第1の基準
位置P1に偏向されて第1の面域S1に照射されるとす
る。このとき、電子ビームが第2の面域S2に照射され
ている間に上記第1の面域S1には電子ビームが照射さ
れることなくワークWが回転しているため、同第1の面
域S1には次の範囲Aの前端が到達している。従って、
この到達した次の範囲Aに対して上記と同様に電子ビー
ムを照射する。
【0033】このようにしてワークWを所定回数だけ連
続回転させながら、同回転に同期させて電子ビームの照
射位置(第1及び第2の基準位置P1,P2)を周期的
に切り替えることにより、上記各範囲Aにはろう材を溶
かすための十分なエネルギーが同時に投入される。そし
て、上記ポンプシェル21に配設された各ブレード22
は、同ポンプシェル21に対して迅速に接合される。
【0034】なお、図4は、ワークWの加工半径(図2
参照)を100mmとし、周方向に30等分して電子ビ
ームの照射する位置(範囲A)としない位置とを互い違
いに配設するときの各加工条件の一例を示すものであ
る。ここで、回転数[rpm]はワークWの回転速度で
あり、クロック周波数[Hz]は電子ビームをY軸方向
(周方向)に切り替え偏向するときの周期となってい
る。
【0035】また、振幅ダイヤル値は、上記加工半径に
対応して電子ビームをワークWの回転移動に追従する態
様で範囲Aに重畳照射するときの振幅値に基づく本電子
ビーム接合装置1上での操作量となっている。
【0036】例えば、回転数10rpmにてワークWを
回転駆動する場合、1回転当たり6秒であるため、周方
向に30等分して電子ビームを照射するためのクロック
周波数の設定は5.00(=1/(6/30))Hzと
なっている。回転数が15、20、25、30rpmの
各場合についても同様である。
【0037】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、ワークWを所定回数だけ連続回
転させながら、同回転に同期させて電子ビームの照射位
置(第1及び第2の基準位置P1,P2)を周期的に切
り替えることにより、ワークW上に所定角度ごとに配置
された上記各範囲Aにろう材を溶かすための十分なエネ
ルギーを一括して同時に投入することができる。そし
て、上記ポンプシェル21に配設された各ブレード22
を、同ポンプシェル21に対して効率的に接合すること
ことができる。従って、ポンプインペラの生産性を向上
することができる。
【0038】(2)本実施形態では、X軸方向の基準位
置、若しくはY軸方向の各基準位置P1,P2におい
て、電子ビームをそれぞれ三角波状に変位させるように
した。従って、電子ビームをより均一に照射することが
できる。
【0039】(3)本実施形態では、電子ビーム接合に
より接合位置(範囲A)への局所加熱が可能であるた
め、接合のためのエネルギー消費率を低減するととも
に、ワークW(ポンプシェル21及びブレード22)の
熱ひずみの低減を図ることができる。
【0040】また、所定の真空度に維持された状態での
加工となるため、フラックスを使用する必要性もなくな
る。従って、ろう付け加工後の工程(フラックスの除去
工程)も不要となる。
【0041】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。このような変更を加えても、前記実施形態と同様の
効果が得られるようになる。
【0042】・前記実施形態においては、各範囲A内に
電子ビームを略均一に照射する場合について説明した。
これに対して、各範囲A内において電子ビームを所定の
態様で不均一に照射するようにしてもよい。例えば、各
範囲A内での熱容量の相違に応じて電子ビームを不均一
に照射するようにしてもよい。このような照射制御は、
上記総合制御装置17での設定により容易に実現しうる
ようになっている。なお、このような設定は、電子ビー
ムが第1の基準位置P1に偏向されて第1の面域S1に
照射されている状態に対して行ってもよく、また、電子
ビームが第2の基準位置P2に偏向されて第2の面域S
2に照射されている状態に対して行ってもよい。あるい
は、電子ビームが第1、第2の基準位置P1,P2に偏
向されて第1、第2の面域S1,S2に照射されている
状態に対してそれぞれ行ってもよい。
【0043】一般に、ポンプインペラでは、ポンプシェ
ル21の板厚はブレード22の板厚よりも大きく、その
熱容量も大きくなっている。例えば、図5に示されるよ
うに、前記範囲Aを幅方向に範囲A1,A2に2分した
として、範囲A1はポンプシェル21に電子ビームが照
射される側、範囲A2はブレード22に電子ビームが照
射される側とする。このとき、範囲A1は範囲A2より
も熱容量が大きくなるため、範囲A1に対して範囲A2
よりも多くの電子ビームを照射するように設定する。こ
のような設定をすることにより、各範囲A1,A2に対
してそれぞれ熱容量に応じた電子ビームが照射され、同
範囲A1,A2(ポンプシェル21、ブレード22)で
の温度の上昇速度を同等とすることができる。すなわ
ち、熱容量の大きい範囲A1(ポンプシェル21)に対
しては十分な電子ビームを照射して迅速に温めることが
でき、一方、熱容量の小さい範囲A2(ブレード22)
に対しては過剰な電子ビームを照射してブレード22を
溶融させることを回避することができる。
【0044】・前記実施形態においては、ワークWの回
転中心から単一の加工半径だけ離隔された位置に対して
電子ビームを照射するようにした。これに対して、ワー
クWの回転中心から複数の加工半径だけ離隔された各位
置に対して電子ビームを照射するようにしてもよい。例
えば、図6に示されるように、電子ビームは前記EB高
速偏向制御装置16(x−偏向コイル12a)によりX
軸方向(径方向に略一致)に偏向制御されてワークWの
回転中心から第1の加工半径だけ離隔された第1の基準
位置P3と、同回転中心から上記第1の加工半径よりも
短い第2の加工半径だけ離隔された第2の基準位置P4
とに周期的に切り替え偏向されるとする。一方、電子ビ
ームは前記EB高速偏向制御装置16(y−偏向コイル
12b)によりY軸方向に偏向制御されてX軸近傍の単
一基準位置に偏向されるとする。このとき、前記実施形
態に準じて、電子ビームがX,Y軸方向にそれぞれ偏向
制御されることにより、電子ビームはX軸の近辺におい
て上記第1若しくは第2加工半径だけワークWの回転中
心から離隔された第1の面域S3及び第2の面域S4に
おいてそれぞれ略均一に照射される。ワークWが所定の
回転速度で回転している状態において、電子ビームが上
記のようにX軸方向に周期的に切り替え偏向されること
により、ワークW上にはその回転中心から上記第1の加
工半径だけ離隔された範囲Bと、同回転中心から上記第
2の加工半径だけ離隔された範囲Cにそれぞれ電子ビー
ムが照射される。なお、当然ながら、これら範囲B,C
はそれぞれ所定角度ごとに配設されており、また、範囲
B,Cは周方向において互い違いに配設されている。こ
のような態様で行うことにより、ワークWの回転中心か
らX軸方向(径方向)に異なる距離(第1及び第2の加
工半径)だけ離隔された位置に対して同時にろう付けを
行うことができる。
【0045】なお、この場合においても、各範囲B,C
内で電子ビームを略均一に照射するようにしてもよい
し、所定の態様で不均一に照射するようにしてもよい。
・前記実施形態においては、電子ビームをY軸方向(周
方向)に切り替え偏向する場合について説明した。これ
に対して、電子ビームをX軸方向(径方向)及びY軸方
向(周方向)の両方に切り替え偏向する方法であっても
よい。
【0046】・前記実施形態においては、ワークWを連
続回転させながら、同回転に同期させた電子ビームの照
射位置の切り替えを2箇所(第1及び第2の基準位置P
1,P2)に対して行った。これに対して、ワークWを
連続回転させながら、同回転に同期させて電子ビームの
照射位置を3箇所以上に周期的に切り替えるようにして
もよい。
【0047】例えば、前記実施形態に準じて、電子ビー
ムの照射位置をワークWの回転移動に追従する態様で3
箇所に照射したとしても、ワークW上において所定角度
ごとに配置される各範囲内に電子ビームを照射すること
ができる。なお、この場合には、上記各範囲の周方向の
幅に対して各隣接する範囲間の周方向の幅は略2倍の長
さとなる。
【0048】・前記実施形態においては、電子ビーム接
合装置1を用いたろう付け加工によりポンプシェル21
にブレード22を接合した。これに対して、電子ビーム
接合装置1を用いた通常の溶接として、ろう材等を使用
することなく直接、ポンプシェル21にブレード22を
接合してもよい。
【0049】・前記実施形態においては、ビーム接合の
ために電子ビーム接合装置1を採用した。これに対し
て、例えばレーザビーム接合装置を適用してもよい。 ・前記実施形態においては、ポンプインペラのポンプシ
ェル21にブレード22を接合する場合について説明し
た。これに対して、例えばトルクコンバータのタービン
ランナーのシェルにブレードを接合する場合に本発明を
適用してもよい。また、その他の部品等の接合に本発明
を適用してもよい。要は、連続で回転駆動される第1の
部材に対して周方向に所定角度ごとの範囲において第2
の部材が接合される部品等であれば、本発明は適用可能
である。
【0050】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)連続的に照射されるビームを、所定回転数で回転
駆動される第1の部材の回転に同期させて周方向に位置
の異なる第1の照射面域と第2の照射面域とに切り替え
偏向し、前記第1の部材の回転移動に追従する態様で該
第1の部材上の所定角度ごとの範囲にビームを重畳照射
し、該第1の部材上の各範囲において第2の部材を接合
することを特徴とするビーム接合方法。同方法によれ
ば、所定回転数で回転駆動される第1の部材に対してビ
ームを連続的に照射しながら、同第1の部材の回転に同
期させて第1の照射面域と第2の照射面域とに切り替え
偏向し、同第1の部材上の所定角度ごとの範囲にビーム
を重畳照射することで、同第1の部材上の各範囲におい
て第2の部材が接合される。このように、第1の部材を
回転駆動した状態でビームを連続照射しながらビームの
照射面域(第1及び第2の照射面域)を切り替え偏向す
るのみによって、必要な部分(所定角度ごとの範囲)に
ビームを照射して第1の部材上の各範囲において第2の
部材を接合することができ、その作業は極めて効率的な
ものとされる。
【0051】(ロ)上記(イ)に記載のビーム接合方法
において、前記第1の照射面域及び第2の照射面域の少
なくとも一方でのビームを制御し、前記範囲の内部に熱
容量に応じた異なる分布にてビームを照射することを特
徴とするビーム接合方法。同方法によれば、第1の部材
上の所定角度ごとの範囲の内部には、熱容量に応じた異
なる分布にてビームが照射される。従って、例えば熱容
量の大きい範囲に対して十分な電子ビームを照射するこ
とで、同範囲は迅速に温められ、一方、熱容量の小さい
範囲に対しては過剰なビームが照射されることが回避さ
れる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3のい
ずれかに記載の発明によれば、第1の部材上の所定角度
ごとの範囲において第2の部材を効率的に接合すること
ができる。
【0053】請求項4に記載の発明によれば、熱容量の
大きい範囲に対して十分な電子ビームを照射すること
で、同範囲を迅速に温めることができ、一方、熱容量の
小さい範囲に対しては過剰なビームが照射されることが
回避することができる。
【0054】請求項5に記載の発明によれば、第1の部
材と第2の部材とをろう付けにて接合することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図。
【図2】同実施形態を模式的に示す平面図。
【図3】同実施形態の電子ビームの偏向態様を示すタイ
ムチャート。
【図4】同実施形態の各設定条件を示す一覧図。
【図5】同実施形態の別例を模式的に示す平面図。
【図6】同実施形態の別例を模式的に示す平面図。
【符号の説明】
1 電子ビーム接合装置 14 回転モータ 16 EB高速偏向制御装置 17 総合制御装置 21 第1の部材としてのポンプシェル 22 第2の部材としてのブレード S1,S3 第1の面域 S2,S4 第2の面域

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続的に照射されるビームの照射面域
    を、所定回転数で回転駆動される第1の部材の回転に同
    期させて複数箇所に切り替え偏向し、 前記第1の部材上の所定角度ごとの範囲にビームを照射
    して該第1の部材上の各範囲において第2の部材を接合
    することを特徴とするビーム接合方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のビーム接合方法にお
    いて、 前記ビームの照射面域を前記第1の部材の周方向に切り
    替え偏向し、 前記第1の部材の回転移動に追従する態様で前記範囲に
    ビームを重畳照射して該第1の部材上の各範囲において
    第2の部材を接合することを特徴とするビーム接合方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のビーム接合方法にお
    いて、 前記ビームの照射面域を前記第1の部材の径方向に切り
    替え偏向し、 前記第1の部材上の径方向の距離が異なる複数の所定角
    度ごとの各範囲にビームを照射して該第1の部材上の各
    範囲において第2の部材を接合することを特徴とするビ
    ーム接合方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のビー
    ム接合方法において、 前記範囲の内部には、熱容量に応じた異なる分布にてビ
    ームを照射することを特徴とするビーム接合方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のビー
    ム接合方法において、 前記第1の部材と第2の部材とをろう付けにて接合する
    ことを特徴とするビーム接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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