JP2002011558A - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼の連続鋳造方法

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JP2002011558A
JP2002011558A JP2000196774A JP2000196774A JP2002011558A JP 2002011558 A JP2002011558 A JP 2002011558A JP 2000196774 A JP2000196774 A JP 2000196774A JP 2000196774 A JP2000196774 A JP 2000196774A JP 2002011558 A JP2002011558 A JP 2002011558A
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temperature
copper plate
flux
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Mikio Suzuki
幹雄 鈴木
Keiji Watanabe
圭児 渡辺
Masayuki Nakada
正之 中田
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳造中に鋳型内冷却を制御し、鋳造の安定性
を確保すると共に、表面欠陥の少ない鋳片を鋳造する。 【解決手段】 鋳型銅板4に埋設した測温素子6によ
り、鋳型銅板内部温度(T Cu)を測定すると共に、測温
素子の近傍に埋設した測温センサー7により、モールド
フラックスフィルム3の表面温度(Tf 0)を測定し、測
定した鋳型銅板内部温度(TCu)を用いて鋳型銅板を通
る熱流束(Q)を算出し、算出した熱流束(Q)と前記
鋳型銅板内部温度(TCu)とを用いて鋳型銅板表面温度
(TCu 0 )を算出し、算出した鋳型銅板表面温度(TCu
0 )と測定したモールドフラックスフィルムの表面温度
(Tf 0)とを用いて、モールドフラックスフィルムと鋳
型銅板との界面の熱抵抗を算出し、この熱抵抗が1×1
-4〜1.3×10-32 ・K/Wの範囲となるように
鋳造条件を制御しつつ鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造方法
に関し、詳しくは鋳型内冷却を制御して、表面欠陥の少
ない鋳片を鋳造することのできる連続鋳造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造では、鋳型内に注入された
溶鋼は鋳型銅板にて冷却され、外周部に凝固殻を生成
し、凝固殻はその厚みを増大させながら連続的に鋳型下
方に引き抜かれる。鋳型内における単位時間当たりの凝
固殻からの抜熱量が大きくなり過ぎると、凝固殻の厚み
方向に大きな温度勾配が生じ、この温度勾配により生ず
る内部応力がゼロになるように凝固殻が変形する。この
変形量が大きくなると凝固殻表面に割れが発生する。
又、割れが生じないとしても凝固殻が鋳型銅板から離れ
て、空隙が形成され、大きな熱抵抗となって熱伝導が阻
害される。その結果、著しく凝固進行の遅れる部位が発
生して、凝固殻厚さが不均一になり、熱応力が凝固殻の
薄い部位に集中して割れが発生する。
【0003】通常、鋳型内の溶鋼表面には、CaO、S
iO2 、Al23 等の酸化物、Na等のアルカリ金属
の酸化物や炭酸塩、及び、CaF2 等の弗化物から構成
されるモールドフラックス(モールドパウダーとも云
う)が添加されており、モールドフラックスは、溶鋼の
熱により加熱され溶融し、溶鋼表面を被覆する。又、溶
融したモールドフラックスは鋳型銅板と凝固殻との間隙
に流入し、モールドフラックスフィルムを形成する。こ
のように、モールドフラックスを用いた連続鋳造では、
鋳型銅板と直接接触するのは、鋳型銅板と凝固殻との間
隙に形成されるモールドフラックスフィルムであり、従
って、鋳型内では溶鋼/凝固殻/モールドフラックスフ
ィルム/鋳型銅板/鋳型冷却水の順に熱伝導し、それぞ
れに熱抵抗が存在する。
【0004】これらの熱抵抗の中では、モールドフラッ
クスフィルム自体の熱抵抗と、モールドフラックスフィ
ルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗が、他の熱抵抗に比較
して大きいことが分かっている。又、モールドフラック
スフィルムの厚みは、鋳型振動や鋳片引き抜き速度等の
鋳造条件と、モールドフラックスの粘度や結晶化温度及
び溶融速度等の物性値とで決定されることが分かってい
る。これらの知見から、従来は、鋳片表面の割れを防止
するために、モールドフラックスの物性値を調整するこ
とによって鋳型内の抜熱を制御することが行われてき
た。例えば、松田等(材料とプロセス、5,(1992),p.20
7)は、結晶化温度の高いモールドフラックスを用いる
ことで鋳型内冷却が緩冷却化し、中炭素鋼の縦割れ防止
に効果的であることを報告している。又、渡辺等(鉄と
鋼、83,(1997),p.115)は、モールドフラックスフィル
ム自体の熱抵抗と、モールドフラックスフィルムと鋳型
銅板との界面の熱抵抗とを測定・比較して、界面の熱抵
抗はフィルム自体の熱抵抗の2〜3倍となるので、鋳型
内の冷却を制御するためには、界面の熱抵抗を制御する
ことが特に重要であると報告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、鋳型内溶鋼
の湯面レベルは制御され、ほぼ一定に保たれているが、
湯面に生ずる波動を抑制することは困難である。波動が
起こるとモールドフラックスの流入に影響を与え、モー
ルドフラックスフィルムの厚みが変動する。その結果、
鋳型銅板を通る熱流束が変動し、変動の激しい場合に
は、鋳片表面に縦割れが発生する。このように、実際の
連続鋳造では鋳型内の場所により又時間により熱流束は
変化している。変化する原因は、モールドフラックスフ
ィルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗が変化するためであ
るが、この界面熱抵抗を鋳造中に測定する方法は未だ提
案されておらず、現状では予め設定した鋳造条件で鋳造
せざるを得ず、鋳型内冷却を的確に制御した鋳造が行わ
れているとは云い難い。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、モールドフラックスフィルム
と鋳型銅板との界面の熱抵抗を鋳造中に制御し、鋳造の
安定性を確保すると共に、表面欠陥の少ない鋳片を鋳造
することのできる連続鋳造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による鋼の連続鋳
造方法は、鋳型銅板に埋設した測温素子により、鋳型銅
板内部温度(TCu)を測定すると共に、この測温素子の
近傍に埋設した測温センサーにより、鋳型銅板と凝固殻
との間のモールドフラックスフィルムの表面温度
(Tf 0)を測定し、測定した鋳型銅板内部温度(TCu
を用いて鋳型銅板を通る熱流束(Q)を算出し、算出し
た熱流束(Q)と前記鋳型銅板内部温度(TCu)とを用
いて鋳型銅板のモールドフラックスフィルム側の鋳型銅
板表面温度(T Cu 0 )を算出し、算出した鋳型銅板表面
温度(TCu 0 )と測定したモールドフラックスフィルム
の表面温度(Tf 0)とを用いて、モールドフラックスフ
ィルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗(Rintf)を算出
し、この熱抵抗(Rintf)が1×10-4〜1.3×10
-32 ・K/Wの範囲となるように鋳造条件を制御しつ
つ鋳造することを特徴とするものである。
【0008】本発明では、鋳型銅板に埋設した温度素子
による鋳型銅板内部温度(TCu)の測定値と、測温セン
サーによるモールドフラックスフィルムの表面温度(T
f 0)の測定値に基づき、モールドフラックスフィルムと
鋳型銅板との界面の熱抵抗(Rintf)を鋳造中に算出
し、この熱抵抗(Rintf)が1×10-4〜1.3×10
-32 ・K/Wの範囲となるように鋳造条件を制御しつ
つ鋳造するので、常に鋳型内の冷却条件が最適範囲とな
り、鋳型内の抜熱不良に伴うブレークアウトが防止され
て鋳造の安定性が確保されると共に、鋳型内の抜熱が小
さくなるように(緩冷却)保たれて、その表面に縦割れ
の少ない鋳片を鋳造することができる。モールドフラッ
クスフィルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗(Rintf)が
1×10-42 ・K/W未満では、鋳型内の冷却が強く
なり過ぎて鋳片表面に縦割れが発生し、一方、この熱抵
抗(Rintf)が1.3×10-32 ・K/Wを越える範
囲では、冷却が弱くなり過ぎて、凝固殻厚みの不足に伴
うブレークアウトの頻度が高くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して詳
細に説明する。本発明では鋳型銅板に埋設した測温素子
にて測定する鋳型銅板内部温度(TCu)と、測温素子の
近傍に埋設した測温センサーにて測定するモールドフラ
ックスフィルムの表面温度(Tf 0)とを用いて、モール
ドフラックスフィルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗(R
intf)を算出する。先ず、その算出方法を説明する。
【0010】図1は、鋳型内溶鋼から鋳型銅板を経て、
鋳型銅板用の冷却水へ熱伝導が生じる過程の、溶鋼から
鋳型銅板用の冷却水までの温度分布と、本発明を実施す
るための測温素子及び測温センサーを鋳型銅板に設置し
た状態とを模式的に表わした図である。図1に示すよう
に、溶鋼1から鋳型銅板用の冷却水5までの間には、凝
固殻2、モールドフラックスフィルム3、及び鋳型銅板
4の各熱伝導体が存在しており、そして、測温素子6と
測温センサー7が鋳型銅板4に埋設され、測温素子6に
より鋳型銅板4の銅板内部温度(TCu)を測定し、測温
センサー7によりモールドフラックスフィルム3の表面
温度(Tf 0)を測定している。図中、T L は溶鋼温度、
S 0は凝固殻2とモールドフラックスフィルム3との境
界温度、Tf 0はモールドフラックスフィルム3の鋳型銅
板4側の表面温度、TCu 0 は鋳型銅板4のモールドフラ
ックスフィルム3側の表面温度、TCuは測温素子6の設
置位置の鋳型銅板内部温度、dは鋳型銅板4のモールド
フラックスフィルム3側の表面から測温素子6の先端ま
での距離である。
【0011】測温素子6としては、熱電対や抵抗測温体
等を用いることができる。又、測温センサー7として
は、鋳型銅板4に埋設した光ファイバーと、鋳型銅板4
に設けた細孔8を介して光ファーバーにより導かれる、
モールドフラックスフィルム3の表面から発する光を受
光し、受光量を温度に換算する、例えば二色温度計のよ
うな温度計との組み合わせの装置を用いることができ
る。測温素子6及び測温センサー7は、1組を一対とし
て鋳型幅方向に複数対設置しても良い。又、鋳片の表面
割れは鋳型内溶鋼の湯面位置近傍の冷却強度によって左
右されるので、測温素子6及び測温センサー7は鋳型内
溶鋼の湯面位置近傍に設置することが好ましい。
【0012】先ず測定した鋳型銅板内部温度(TCu)を
用いて鋳型銅板4を通る熱流束(Q)を算出する。この
熱流束(Q)は下記の4つの方法で算出することができ
る。
【0013】1つ目の方法は、Beckの方法(逆問題
の解法)(J.V.Beck and B.Blackwell:Handbook of Nu
merical Heat Transfer edited by W.J.Minkowycz et a
l.(published by John Wiley & Sons,Inc.,(1988),p.78
7))を用いて求める方法である。
【0014】2つ目の方法は、試行錯誤で熱流束(Q)
を与えて鋳型銅板4内の熱計算を行い、測定される鋳型
銅板内部温度(TCu)と等しくなる熱流束(Q)を選択
する方法により求める方法である。この場合、予め多数
の熱流束について熱計算を行っておき、熱流束(Q)と
鋳型銅板内部温度(TCu)との関係を、例えば下記の
(1)式の近似式で求めておき、この式を用いて熱流束
(Q)を求めても良い。但し、(1)式においてa0
1 、a2 は定数である。 Q=a0 +a1 ×TCu+a2 ×TCu 2 ……(1)
【0015】3つ目の方法は、測温素子6を鋳型銅板4
の厚み方向に2箇所設置し、この2箇所の温度測定値か
ら、下記の(2)式により求める方法である。但し、
(2)式においてλは鋳型銅板4の熱伝導率、TCu 1
びTCu 2 は厚み方向での2箇所の鋳型銅板内部温度(T
Cu)、dL は2つの測温素子の設置間隔である。 Q=λ(TCu 1 −TCu 2 )/dL……(2)
【0016】4つ目の方法は、熱流束センサー(図示せ
ず)を鋳型銅板4の内部に埋設して、熱流束を直接測定
する方法である。この場合も、測温素子6により鋳型銅
板内部温度(TCu)を測定する必要がある。
【0017】次いで、求めた熱流束(Q)と測温素子6
により測定した鋳型銅板内部温度(TCu)とを用いて、
鋳型銅板4のモールドフラックスフィルム3側の表面温
度(TCu 0 )を算出する。これは下記の(3)式から求
めることができる。 TCu 0 =TCu+Q×d/λ……(3)
【0018】そして、最後にモールドフラックスフィル
ム3と鋳型銅板4との界面の熱抵抗(Rintf)を算出す
る。この熱抵抗(Rintf)は、計算により求めた熱流束
(Q)及び鋳型銅板4の表面温度(TCu 0 )と、測温セ
ンサー7で測定したモールドフラックスフィルム3の表
面温度(Tf 0)とにより、下記の(4)式から算出する
ことができる。 Rintf=(Tf 0−TCu 0 )/Q……(4)
【0019】次に、このようにして算出される熱抵抗
(Rintf)を制御しつつ行う本発明による連続鋳造方法
を説明する。
【0020】鋳型内溶鋼1の湯面上にモールドフラック
スを添加して、浸漬ノズル(図示せず)を介して鋳型内
に溶鋼1を注入し、生成した凝固殻2を連続的に鋳型下
方に引き抜きつつ、測温素子6にて鋳型銅板内部温度
(TCu)を測定し、又、測温センサー7にてモールドフ
ラックスフィルム3の表面温度(Tf 0)を測定する。
【0021】測温素子6及び測温センサー7にて測定さ
れた測定値を、例えばデータ処理用計算機に入力し、デ
ータ処理用計算機にて上述した方法によりモールドフラ
ックスフィルム3と鋳型銅板4との界面の熱抵抗(R
intf)を算出する。そして、このようにして求めた界面
の熱抵抗(Rintf)が1×10-4〜1.3×10-32
・K/Wの範囲、好ましくは、5×10-4〜1.3×1
-32 ・K/Wの範囲になるように、鋳造中に鋳造条
件を変更する。変更対象とする鋳造条件は、鋳片引き抜
き速度、使用するモールドフラックスの種類、鋳型振動
の振動条件(振動数及び振幅)の中の1つ以上とする。
【0022】具体的には、熱抵抗(Rintf)が上記範囲
よりも小さくなる場合、即ち冷却強度が大きくなる場合
には、モールドフラックスフィルム3の厚みが大きくな
るように、鋳片引き抜き速度若しくは鋳型振動条件を調
整するか、又は、使用するモールドフラックスを、界面
の熱抵抗(Rintf)が大きくなるようなモールドフラッ
クス、例えば結晶化温度の高いモールドフラックスに変
更する。ここで、鋳片引き抜き速度は、その速度を減速
するほどモールドフラックスフィルム3の厚みが大きく
なり、又、鋳型振動条件は、鋳型振動数及び振幅を減少
するほどモールドフラックスフィルム3の厚みが大きく
なるので、そのように調整する。熱抵抗(Rintf)が上
記範囲よりも大きくなる場合、即ち冷却強度が小さくな
る場合には、これらと反対の対策を施せば良い。
【0023】このように、本発明では鋳型銅板4に埋設
した測温素子6による鋳型銅板内部温度(TCu)と、測
温センサー7によるモールドフラックスフィルム3の表
面温度(Tf 0)とから、モールドフラックスフィルム3
と鋳型銅板4との界面の熱抵抗(Rintf)を測定し、そ
して、この界面の熱抵抗(Rintf)が所定範囲となるよ
うに鋳造条件を変更しつつ鋳造するので、常に鋳型内の
冷却条件が最適範囲となり、鋳造の安定性が確保される
と共に、鋳片表面に縦割れの少ない鋳片を安定して鋳造
することが可能となる。
【0024】尚、測温素子6と測温センサー7との設置
間隔は短いほど、算出される熱抵抗(Rintf)の精度が
良くなるので、その設置間隔を20mm以下とすること
が好ましい。又、鋳型の鋳片引き抜き方向には定常状態
でも常に温度差が生ずるので、この温度差による誤差を
少なくするために、対になる測温素子6と測温センサー
7は鋳型幅方向に並べて設置することが好ましい。測温
素子6及び測温センサー7は、鋳型の長辺面にも、又鋳
型の短辺面にも、更には断面が円形の鋳型にも設置する
ことができる。
【0025】
【実施例】[実施例1]スラブ連続鋳造機の鋳型長辺銅
板に熱電対と光ファイバーとを対にして、鋳型幅方向に
並べて埋設した。埋設位置は鋳型銅板上端から200m
mの位置で、鋳型幅方向に80mmの間隔で合計25対
の熱電対と光ファイバーを埋設した。対になる熱電対と
光ファイバーとの設置間隔は8mmで、熱電対の先端位
置は鋳型銅板のモールドフラックスフィルム側表面から
10mmの位置とし、光ファイバーの前面には直径が
0.5mmの細孔を設置した。
【0026】そして、C濃度が0.09〜0.16mass
%(以下「%」と記す)、Si濃度が0.01〜0.3
%、Mn濃度が0.6〜1.6%、S濃度が0.005
〜0.025%で、厚みが250mm、幅が2100m
mの炭素鋼鋳片を1.6〜2.2m/minの鋳片引き
抜き速度で鋳造しつつ、熱電対により測定された鋳型銅
板内部温度(TCu)を用いてBeckの方法により熱流
束(Q)を算出し、前述の(3)式及び(4)式に従っ
てモールドフラックスフィルムと鋳型銅板との界面の熱
抵抗(Rintf)を60秒間隔で算出した。算出した熱抵
抗(Rintf)はデータ処理用計算機に記憶させた。
【0027】鋳造後、鋳片表面の縦割れを鋳片部位別に
調査し、鋳造中に収録した熱抵抗(Rintf)データと鋳
片表面の縦割れデータとの関係を整理した。その結果、
図2に示す結論を得た。
【0028】図2に示すように、熱抵抗(Rintf)が1
×10-42 ・K/W以上になると縦割れは少なくなる
ことが分かった。特に、熱抵抗(Rintf)が5×10-4
2・K/W以上になると、縦割れの発生は極めて少な
くなることが分かった。しかし、熱抵抗(Rintf)が
1.3×10-32 ・K/Wを越える範囲では、凝固の
進行が著しく遅れて凝固殻厚みが薄くなり、凝固殻厚み
の薄い部分で割れが発生して、凝固殻内部の溶鋼が外部
に漏れるというブレークアウト(BO)が発生した。
又、熱抵抗(Rintf)が1×10-42 ・K/W未満に
なると、冷却が強くなり過ぎて縦割れが多発すると共
に、縦割れが拡大してブレークアウトが発生した。
【0029】これらの結果から、鋳片表面の縦割れを抑
え、且つブレークアウトを防止するためには、熱抵抗
(Rintf)を1×10-4〜1.3×10-32 ・K/W
の範囲、好ましくは5×10-4〜1.3×10-32
K/Wの範囲に制御すれば良いことが分かった。
【0030】[実施例2]実施例1と同じ連続鋳造機を
用いて、C濃度が0.14〜0.16%、Mn濃度が
0.6〜1.0%、S濃度が0.01〜0.015%の
最も縦割れの発生し易い鋼種を選択し、鋳片引き抜き速
度を1.6〜2.0m/minの範囲として、物性値が
異なる種々のモールドフラックスを使用し、モールドフ
ラックスの適否を、鋳造中に測定したモールドフラック
スフィルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗(Rintf)から
判定した。
【0031】モールドフラックスの結晶化温度と熱抵抗
(Rintf)との関係を調査した結果を図3に示す。尚、
図3において、◎印は縦割れが全く発生しなかった場合
を示し、○印は縦割れ発生率が鋳片表面積当たり1個/
2 未満の場合を示し、●印は縦割れ発生率が1個/m
2 以上の場合を示している。後述する図4及び図5にお
ける記号もこれと同一である。図3に示すように、結晶
化温度が1100℃以上になると、熱抵抗(Rintf)が
1×10-42 ・K/W以上となり、鋳片の縦割れが減
少することが分かった。しかし、結晶化温度が1170
℃を越えるモールドフラックスではブレークアウトの危
険性があることが分かった。
【0032】図4は、モールドフラックスの1300℃
における粘度と熱抵抗(Rintf)との関係を調査した結
果を示す図である。図4に示すように、1300℃にお
ける粘度が2poise 以上になると、熱抵抗(Rintf)が
安定して1×10-42 ・K/W以上となり、鋳片の縦
割れ発生率も低下することが分かった。
【0033】図5は、モールドフラックスの結晶化温度
と1300℃における粘度とを因子として鋳片縦割れの
発生率を分別して示す図である。即ち、モールドフラッ
クスの結晶化温度と粘度を因子として、モールドフラッ
クスの適否を判定した結果を示す図である。図5に示す
ように、上記組成の鋼種を1.6〜2.0m/minの
鋳片引き抜き速度で鋳造する場合には、結晶化温度が1
060〜1160℃で、1300℃における粘度が1〜
8poise のフラックスが適していることが分かった。そ
のなかでも、結晶化温度が1120〜1160℃で、1
300℃における粘度が5〜8poise のフラックスが、
最適であることが分かった。このように、本発明によ
り、モールドフラックスの適否を決めることも可能であ
った。
【0034】
【発明の効果】本発明では、モールドフラックスフィル
ムと鋳型銅板との界面の熱抵抗(Rin tf)を測定しなが
ら鋳造し、そして、この界面の熱抵抗(Rintf)が所定
範囲となるように鋳造するので、常に鋳型内の冷却条件
が最適範囲となり、鋳造の安定性が確保されると共に、
鋳片表面の縦割れの少ない鋳片を安定して鋳造すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶鋼から鋳型銅板用の冷却水までの温度分布を
模式的に表わした図である。
【図2】鋳片表面の縦割れと熱抵抗(Rintf)との関係
を示す図である。
【図3】モールドフラックスの結晶化温度と熱抵抗(R
intf)との関係を示す図である。
【図4】モールドフラックスの粘度と熱抵抗(Rintf
との関係を示す図である。
【図5】モールドフラックスの結晶化温度と粘度とを因
子として鋳片縦割れの発生率を分別して示す図である。
【符号の説明】
1 溶鋼 2 凝固殻 3 モールドフラックスフィルム 4 鋳型銅板 5 冷却水 6 測温素子 7 測温センサー 8 細孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 11/16 104 B22D 11/16 104B 104R 11/20 11/20 A (72)発明者 中田 正之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4E004 AA08 AA10 MA05 MB14 MC13 NB01 NC04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳型銅板に埋設した測温素子により、鋳
    型銅板内部温度(T Cu)を測定すると共に、この測温素
    子の近傍に埋設した測温センサーにより、鋳型銅板と凝
    固殻との間のモールドフラックスフィルムの表面温度
    (Tf 0)を測定し、測定した鋳型銅板内部温度(TCu
    を用いて鋳型銅板を通る熱流束(Q)を算出し、算出し
    た熱流束(Q)と前記鋳型銅板内部温度(TCu)とを用
    いて鋳型銅板のモールドフラックスフィルム側の鋳型銅
    板表面温度(TCu 0 )を算出し、算出した鋳型銅板表面
    温度(TCu 0 )と測定したモールドフラックスフィルム
    の表面温度(Tf 0)とを用いて、モールドフラックスフ
    ィルムと鋳型銅板との界面の熱抵抗(Rintf)を算出
    し、この熱抵抗(Rintf)が1×10-4〜1.3×10
    -32 ・K/Wの範囲となるように鋳造条件を制御しつ
    つ鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
JP2000196774A 2000-06-29 2000-06-29 鋼の連続鋳造方法 Pending JP2002011558A (ja)

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