JP2002010952A - 耐傷性を備えた局部洗浄装置及び、その製造方法 - Google Patents
耐傷性を備えた局部洗浄装置及び、その製造方法Info
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Abstract
もしくは局部洗浄用便座装置の露出構成部品であるた
め、外観について高い品質が求められているが、部品の
材料であるポリプロピレン樹脂は柔らかいため、使用前
のトイレットペーパーによる清掃や使用時の人体との接
触などにより、便座装置などの露出構成部品に傷がつき
やすく、外観の低下を招いて、著しく商品価値を落して
いた。また、使用時以外でも、施工時および運搬時の露
出構成部品への傷付きも問題となっていた。 【解決手段】 局部洗浄装置を構成する、少なくとも一
部材の表面に、前記部材の部材樹脂表面よりも硬い高硬
度層を有するフィルムもしくはシートを設け、傷付きに
くくした。
Description
板、便蓋、本体ケース、洗浄ノズル等の露出構成部品を
有する腰掛け式便器の便座装置(温水洗浄便座装置も含
む)に関する。
ケース等の便座装置の露出構成部品には、耐薬品性に優
れ、成形性も良く、また安価であるポリプロピレン樹脂
が多く使用されている。
ケース等は、便座装置もしくは局部洗浄用便座装置の露
出構成部品であるため、外観について高い品質が求めら
れているが、部品の材料であるポリプロピレン樹脂は柔
らかいため、部品表面に傷が入りやすいという問題を抱
えている。これらの部品は、使用時の人体の接触および
清掃において必ず物体と接触する。便蓋は、使用時の開
動作、終了後の閉動作で、人間の手指が便蓋先端に触れ
たり、また、勢いよく開いたときは本体ケースとの接
触、ロータンクとの接触が考えられる。本体ケースで
は、前記便蓋開時の便蓋との接触、本体ケース前面への
尿の飛び散りを清掃することによる擦り、また、便座本
体では、使用前のトイレットペーパーによる清掃や人と
の接触が挙げられる。
局部洗浄便座装置の露出構成部品に傷がつき、外観の低
下を招いて、著しく商品価値を落すことになっていた。
また、使用時以外でも、施工時および運搬時の露出構成
部品への傷つきも懸念されている。
び人体の接触による傷付きを防止するとともに露出構成
部品の高外観・高質感を長期間維持できる便座装置を提
供することを目的としている。
様な目的を達成するために、本発明では、便座本体、便
座底板、便蓋、本体ケースなどの局部洗浄便座装置を構
成する、少なくとも一部材の表面に、前記部材の部材樹
脂表面よりも硬い高硬度層を有するフィルム、シートな
どを設けた。これにより、部材表面に部材樹脂表面より
も硬い高硬度層が形成され、傷がつきにくい耐傷性を備
えた局部洗浄用便座装置を提供することができる。
ィルムもしくはシートは、ポリプロピレン樹脂を基材層
とし、この表面側に接着層を設け、そこに高硬度層とし
てポリエステル樹脂層を積層する構成とした。この構成
において、最外層にポリエステル樹脂があるため、傷が
付きにくい表面を得ることができる。
なく、アクリル樹脂を積層する構成とした。この構成に
おいて、最外層にアクリル樹脂があるため、傷が付きに
くい表面を得ることができる。また、透明であることか
らクリアー感があり深みのある意匠性を持たせることが
できる。
を積層する構成とした。この構成において、最外層にポ
リカーボネート樹脂があるため、傷が付きにくい表面を
得ることができる。また、透明であることから、アクリ
ル樹脂同様クリアー感があり深みのある意匠性を持たせ
ることができる。
て、基材層が部材と同じポリプロピレン樹脂であること
からフィルムもしくはシートと部材を強固に接着するこ
とが可能で、表面側に高硬度層として、ポリエステル樹
脂、またはアクリル樹脂、またはポリカーボネート樹脂
を積層することで傷がつきにくい硬い層が形成され、お
よびアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂では、質感が
向上するクリアーな層をもつフィルムもしくはシートを
得ることができる。
便座本体、便座底板、便蓋、本体ケースの露出構成部品
の表面に設ける製造方法として、高硬度層を有するフィ
ルムもしくはシートを直接金型内に設置して射出成形に
て成形するようにした。この成形方法により、部品の成
形と同時に表面に高硬度層を得ることができる。
はシートを、部品と同様の形状にあらかじめプリフォー
ム成形して、その成形品を金型内に設置後、射出成形に
て成形するようにした。この方法では、まずプリフォー
ムにより所望の形状に近い形状を作成するため、複雑な
形状に対応することができる。
面に高硬度層が形成され、傷がつきにくい耐傷性を備え
た局部洗浄用便座装置を提供することができる。
基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す
高硬度層を設けた便座の断面図である。
2表面よりも硬い高硬度層3を有するフィルムもしくは
シートを用いて傷がつきにくい構成にした。
ch)以下をフィルム、254μmを超えるものをシー
トという。
脂2表面よりも硬い高硬度層3を有するフィルムもしく
はシートは、図2に示すように3層で、ポリプロピレン
樹脂を基材層5とし、この表面側には接着層4が設けら
れ、そこに高硬度層3が積層される構造とした。
は、何ら制限されることなく公知の配合が適用できる。
基材層5の厚みは、10μm〜500μmであるが、部
材樹脂2との接着およびプリフォームを行う場合には、
50μm以上300μm以下が好ましい。
ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂がある。
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリシクロヘキシルジメチレンテ
レフタレートなどがあるがこれに限定するものではな
い。
リル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリ
ル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチルなどのがあるが
これに限定するものではない。
常のポリカーボネート樹脂でよく何ら制限されるもので
はない。
ミネート、ダイレクトラミネートなどの各種ラミネート
法やヒートシール法などがあるがこれに限定するもので
はない。
mであるが、質感の向上およびプリフォームを行う場合
には、150μm〜500μmが好ましい。
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレンブチ
ルアルコール樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体などがあるがこれに限定す
るものではない。
る高硬度層3には、抗菌剤を含有することができる。
して、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀等。銀、銅、亜鉛、錫を
担持したゼオライト。銀、銅、亜鉛、錫を担持したシリ
カゲルなどが挙げられるが、これに限定するものではな
い。配合割合については高硬度層層100重量部に対
し、0.1重量部未満では抗菌性が認められず、5重量
部を越えると着色や劣化など樹脂組成物の特性を著しく
損う。したがって、0.3〜3重量部であることが望ま
しい。
ル)ベンズイミダゾールなどイミダゾール誘導体、シク
ロフルアニドなどN−ハロアルキルチオ系化合物、1
0、10’−オキシビスフェノキサアルシンなどフェニ
ルエーテル誘導体、セシルジメチルエチルアンモニウム
ブロミドなど第4級アンモニウム塩および2、3、5、
6テトラコロル−4−(メチルスルホニル)ピリジンな
どスルホン誘導体などが挙げられるが、これに限定する
ものではない。配合割合については、有機系防かび剤に
ついては、高硬度層100重量部に対し、0.02重量
部未満では防かび性はほとんどなく、5重量部を越える
とブルームするなど不具合が発生する。したがって、
0.05〜1重量部の範囲であることが望ましい。
もしくはシートを構成する基材層には、必要に応じ、顔
料、染料等の着色剤を添加することにより着色可能であ
る。
ないが、たとえば、カーボンブラック、キナクリドン、
ナフトールレッド、シアニンブルー、シアニングリー
ン、ハンザイエロー等の有機顔料;酸化チタン、硫酸バ
リウム、弁柄、複合金属酸化物等の無機顔料がよく、こ
れらの群から選ばれる1種あるいは2種以上を組み合わ
せて使用しても差し支えない。顔料の分散は、特に限定
はされず、通常の方法、たとえば、ダイノーミール、ペ
イントシェーカー等により顔料粉を直接分散させる方法
等でよい。その際、分散剤、分散助剤、増粘剤、カップ
リング剤等の使用が可能である。顔料の添加量は、顔料
の種類により隠蔽性が異なるので特に限定はされない
が、たとえば、塗料全量中での全縮合化合物換算固形分
100重量部に対して、好ましくは5〜80重量部、よ
り好ましくは10〜70重量部である。顔料の添加量が
5重量部未満の場合は隠蔽性が悪くなる傾向があり、8
0重量部を超えると塗膜の平滑性が悪くなることがあ
る。
もしくはシートを便座本体、便座底板、便蓋、本体ケー
スの露出構成部品の表面に設ける製造方法として、フィ
ルムもしくはシートを直接金型内に設置して射出成形に
て成形するようにした。この成形方法により、部品の成
形と同時に表面に高硬度層を得ることができる。
る基材層と射出成形を行う部材樹脂が同じ樹脂である場
合、部材樹脂の熱により溶けた基材層は同じ樹脂である
ことから相溶するため、密着がよくなる。
はシートを、便座本体、便座底板、便蓋、本体ケース、
洗浄ノズル等の局部洗浄用便座の露出構成部品の表面に
設ける製造方法としては、部品と同様の形状にあらかじ
めプリフォームされた高硬度層を有するフィルムもしく
はシート1を射出成形用金型7内に配置し型閉めした後
に、溶融樹脂を金型7内に射出させ、樹脂を固化させる
ことにより樹脂成形品に高硬度層を形成するものである
(図3)。
内に配置するあらかじめ成形品の形状にそって作成され
たシート状の基体の端面をアンダーカット形状6すなわ
ち、かえりをつけた形状にして、射出される樹脂の回り
込みを防いだり、成形後の端面の2次加工を削減するこ
ともできる。
して第4図に製造工程を示す。各工程に用いられる装置
類は、キャビティ金型8、コア金型9、キャビティ金型
8に取付けた真空吸引装置10、高硬度層3を有するフ
ィルムもしくはシートをキャビティ金型8に固定するク
ランプ11、高硬度層を有するフィルムもしくはシート
に柔軟性を与えるための熱板12、長尺の高硬度層1を
供給するローラー13および位置決め機構を有する送り
装置14である。
するフィルムもしくはシート1は、送り装置14によっ
て所定の位置へ送られ、クランプ11にてキャビティ金
型8へ固定される。その後、熱板12による過熱で柔軟
性を持たされると同時に真空吸引装置10によりキャビ
ティ金型8へ密着固定される。しかる後にコア金型9が
型締めされ、通常の射出成形を行い、高硬度層を有する
フィルムもしくはシートと部材樹脂で構成された樹脂成
形体を得る。
を部材樹脂に取付ける方法は、上記の方法以外にプライ
マー層や粘着テープなどを塗布して、貼り付けることも
できる。
表面硬度が高く傷付きにくく、また質感が向上した便座
を得ることができる。
る。
樹脂(厚みが500μm)と、高硬度層としてのポリエ
チレンテレフタレート樹脂(厚みが350μm)とをド
ライラミネートで成形し、得られたシートを真空金型に
て便座の形状にプリフォーム成形した。プリフォーム成
形された該シートを便座の射出成形用の金型に設置し、
便座の部材樹脂をポリプロピレン樹脂とし、シリンダ温
度220℃、金型温度70℃にて射出成形を行い便座を
成形した。得られた便座を用いて、表面硬度、耐傷性の
評価を行った。
ートの高硬度層をポリブチレンテレフタレートとした。
ートの高硬度層をアクリル樹脂とした。
ートの高硬度層をポリカーボネート樹脂とした。
フォーム成形されたシートを有しない、部材樹脂(ポリ
プロピレン樹脂)のみの便座とした。
樹脂を高結晶ポリプロピレン樹脂とした。
掻き試験にて評価を行った。
トを取付け、その上から便座を掃除する際に使用する可
能性の高い綿布、トイレットペーパーを被せて、3kg
の荷重で10往復擦り、耐傷性を評価した。なお、耐傷
性の比較は目視にて観察し、傷付き無しを(○)、摺動
部全面に傷付きありを(×)、その中間を(△)として
評価した。
しくはシートを便座部材表面に設置することで、表面の
傷付きが著しく低減し、良好な外観を維持することがで
きることが分かった。
ートを設けた露出構成部品から構成される便座の断面図
ートの断面図
ートを設けた便座をインサ−ト成形で製造する場合の製
造工程
ートを金型に真空吸引して設置し、フィルムインサート
成形で成形品を製造する場合の製造工程
表
ートを露出構成部品に設けた局部洗浄用便座装置の斜視
図
Claims (7)
- 【請求項1】 局部洗浄装置を構成する、少なくとも一
部材の表面に、前記部材の部材樹脂表面よりも硬い高硬
度層を有するフィルムもしくはシートを設けたことを特
徴とする耐傷性を備えた局部洗浄装置。 - 【請求項2】 前記フィルムもしくはシートは、前記部
材の部材樹脂と同材質の基材層と、前記基材層の表面側
に設けられた接着層と、前記接着層を介して前記基材層
に積層された高硬度層とを有することを特徴とする請求
項1記載の耐傷性を備えた局部洗浄装置。 - 【請求項3】 前記フィルムもしくはシートの基材層
は、ポリプロピレン樹脂からなり、高硬度層は、ポリエ
ステル樹脂からなることを特徴とする請求項1または2
記載の耐傷性を備えた局部洗浄装置。 - 【請求項4】 前記フィルムもしくはシートの基材層
は、ポリプロピレン樹脂からなり、前記フィルムもしく
はシートの高硬度層は、アクリル樹脂からなることを特
徴とする請求項1または2記載の耐傷性を備えた局部洗
浄装置。 - 【請求項5】 前記フィルムもしくはシートの基材層
は、ポリプロピレン樹脂からなり、前記フィルムもしく
はシートの高硬度層は、ポリカーボネート樹脂からなる
ことを特徴とする請求項1または2記載の耐傷性を備え
た局部洗浄装置。 - 【請求項6】 局部洗浄装置を構成する樹脂製部品の製
造方法であって、高硬度層を有するフィルムもしくはシ
ートを、金型内に設置後、射出成形にて前記樹脂製部品
を成形することを特徴とする耐傷性を備えた局部洗浄装
置の製造方法。 - 【請求項7】 局部洗浄装置を構成する樹脂製部品の製
造方法であって、高硬度層を有するフィルムもしくはシ
ートを、前記部品と同様の形状にあらかじめプリフォー
ムし、金型内に設置後、射出成形にて前記樹脂製部品を
成形することを特徴とする耐傷性を備えた局部洗浄装置
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000199197A JP2002010952A (ja) | 2000-06-30 | 2000-06-30 | 耐傷性を備えた局部洗浄装置及び、その製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002010952A true JP2002010952A (ja) | 2002-01-15 |
JP2002010952A5 JP2002010952A5 (ja) | 2007-08-16 |
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Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2002010952A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106827375A (zh) * | 2016-11-18 | 2017-06-13 | 青岛卫玺智能科技有限公司 | 一种智能坐便器座圈加工方法和智能坐便器座圈 |
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JP2021132896A (ja) * | 2020-02-27 | 2021-09-13 | 株式会社Lixil | トイレ装置のカバー材 |
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-
2000
- 2000-06-30 JP JP2000199197A patent/JP2002010952A/ja active Pending
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