JP2002009677A - 音響エコーキャンセラー装置 - Google Patents

音響エコーキャンセラー装置

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JP2002009677A
JP2002009677A JP2000190027A JP2000190027A JP2002009677A JP 2002009677 A JP2002009677 A JP 2002009677A JP 2000190027 A JP2000190027 A JP 2000190027A JP 2000190027 A JP2000190027 A JP 2000190027A JP 2002009677 A JP2002009677 A JP 2002009677A
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JP
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signal
input
audio signal
level
echo
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JP2000190027A
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English (en)
Inventor
Minoru Matsui
実 松井
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、増幅部などのアナログ回路におい
て信号がクリップレベルを越えた場合に発生する非線形
特性を持った音響エコー信号を消去することができる音
響エコーキャンセラー装置を提供すること。 【解決手段】 音響エコーキャンセラー装置20は、制御
部32において、マイクロホン25により入力された入力信
号のレベルを調整することによって発生する非線形成分
を推定し、この推定された非線形成分に基づいて、非線
形回路部29に入力される受信音声信号に非線形特性処理
を施すようになっており、この非線形成分を有する受信
音声信号により、疑似音響エコー信号を生成し、入力さ
れた送信音声信号からこの疑似音響エコー信号を減算す
ることによって、音響エコーを除去するようになってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声の双方向通信
における音響エコー障害を除去する音響エコーキャンセ
ラー装置に関し、特に、非線型特性を有する音響エコー
を除去する音響エコーキャンセラー装置に関するもので
ある。
【従来の技術】遠隔地にいる人間同士が映像、音声など
を共有するために、TV会議システム、電話会議システ
ム、拡声電話、自動車電話など、広範囲の分野において
さまざまな映像音声通信システムが開発されている。こ
れらのシステムでは、音声に関してハンドセットは利用
せず、スピーカとマイクロホンで通話できるようになっ
ている。
【0002】このため、通信回線によって互いに音声信
号を通信している場合、通信先から伝送された音声信号
がスピーカから拡声され、この拡声音が、通信先に送信
する音声信号を入力するマイクロホンに、回り込み、こ
の拡声音が重畳みされた音声信号を通信先に送信するこ
とによって、通信先の話者がマイクロホンに向かって発
声した音声が、スピーカから通信先の話者の耳に遅れて
戻ってきてしまうという反響信号(以下、音響エコーと
いう)障害が生ずる。
【0003】従来、このような音響エコー障害を抑制す
るために、スピーカからマイクロホンまでの音響エコー
を適応フィルタを利用して推測し、擬似音響エコー信号
を生成し、この擬似音響エコー信号をマイクロホンの受
信信号から差し引くことによって音響エコーを消去する
音響エコーキャンセラー装置が用いられている。
【0004】こののような音響エコーキャンセラー装置
の代表的なブロック図を図10に示す。
【0005】図10に示す音響エコーキャンセラー装置1
は、通信回線に接続され、デジタル信号によって伝送さ
れた音声信号を入力する受信信号入力端子2と、受信信
号入力端子2によって受信した音声信号をアナログ信号
に変換するデジタル/アナログ変換(以下、D/A変換
という)部3と、D/A変換部3によってアナログ信号
に変換された音声信号を拡声する拡声部4と、音声信号
を入力する入力部5と、入力部5に入力した音声信号を
デジタル信号に変換するデジタル/アナログ変換(以
下、A/D変換という)6と、受信部2によって受信し
た音声信号およびA\D変換部6において変換された音
声信号を入力し、拡声部4から拡声された拡声音が入力
部5に入力されることによって生じる音響エコーを除去
する信号処理部7と、信号処理した音声信号を送信する
送信信号出力端子8とを備えている。
【0006】拡声部4は、音声信号を増幅する増幅部9
およびスピーカ10を有し、入力部5は、マイクロホン11
および増幅部12を有している。
【0007】信号処理部6は、受信信号入力端子2が受
信した音声信号を用いて、反響信号を生成する適応フィ
ルタ13と、入力部5において入力された音声信号からこ
の音響エコーを減算する加算部14とを有している。
【0008】この音響エコーキャンセラー装置1の拡声
動作は、受信信号入力端子2に入力された音声信号をD
/A変換部3においてアナログ信号に変換し、次いで、
音声信号を増幅器9おいて所定の信号レベルに増幅して
スピーカ10から出力する。
【0009】また、入力動作は、マイクロホン11におい
て、収音された音声信号を増幅部12において所定の信号
レベルに増幅し、A/D変換部6が、この入力された音
声信号をデジタル信号に変換して送信信号出力端子8か
ら送信する。
【0010】また、この音響エコーキャンセラー装置1
は、音声信号の入力動作中、適応フィルタ13によって、
受信信号入力端子2に入力された音声信号から擬似音響
エコー信号を生成するようになっており、加算部14にお
いて、この疑似音響エコー信号を用いて、マイクロホン
11に入力された音声信号から音響エコー信号を差し引く
ようになっている。したがって、マイクロホン11に入力
された音声信号は、音響エコーが消去され、送信信号出
力端子8から送信されるようになっている。
【0011】この適応フィルタ13には、一般的にFIR
形やIIR形などに代表される線形のフィルタを用いる
ようになっており、このフィルタ係数は、適応フィルタ
13に入力される音声信号および加算部14の出力信号をも
とに適応アルゴリズムに基づいて更新されるようになっ
ている。また、この適応アルゴリズムとしては、LMS
アルゴリズム、NLMSアルゴリズム(学習同定法)、
FRLSアルゴリズムなどが知られている。
【0012】以上説明したように音響エコーキャンセラ
ー装置1を用いた場合、音響エコーは、適応フィルタ13
と加算部14とによって消去できるので、通信先の話者の
通話を妨げない通話品質を確保することが可能になって
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような音響エコーキャンセラー装置であっては、D/A
変換部、増幅部、スピーカ、マイクロホンおよびA/D
変換部などの非線形特性を持った要素が内在しており、
音響エコーの伝達特性は非線形な特性を有している。こ
のため、適応フィルタは、このような非線形特性を推定
することはできず、非線形特性に起因する音響エコー信
号を消去できなかった。
【0014】具体的には、ハンズフリーホンなどでマイ
クロホンからの受信レベルを上げ、増幅部に入力される
音声信号の増幅率を上げることによって増幅部から出力
される音声信号がA/D変換部の最大入力レベルを越え
た場合に、信号のクリップ現象、すなわち、非線形な要
素が発生するようになる。この結果、非線形な要素を含
んだ信号が残留エコー信号として残り、通話品質が劣化
するという問題があった。本発明は、増幅部などのアナ
ログ回路において信号がクリップレベルを越えた場合に
発生する非線形特性を持ったエコー信号を消去すること
ができる音響エコーキャンセラー装置を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため
に、本発明の請求項1記載の音響エコーキャンセラー装
置は、通信回線から伝送された音声信号を受信し、前記
受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記通信回線に送
信する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入力手
段に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調整す
る入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝送された
前記受信音声信号を入力し、前記拡声された受信音声信
号が反響路を経由して前記入力手段に入力されることに
よって発生する反響信号を推定する擬似反響信号生成手
段と、前記擬似反響信号を用いて、前記入力レベル調整
手段によって前記信号レベルが調整された前記送信音声
信号から前記反響信号を除去する信号処理手段とを備
え、前記入力レベル調整手段により前記送信音声信号の
前記信号レベルを変化させることによって生ずる前記送
信音声信号の非線形成分を推定するとともに、前記擬似
反響信号生成手段に入力する前記受信音声信号に前記非
線型成分の特性を設定する設定手段を設け、前記信号処
理手段によって信号処理された前記送信音声信号を前記
通信回線に送信するようにした構成を有している。
【0016】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において、送信音
声信号の信号レベルを増幅することによって、発生する
信号のクリップなどの非線形成分が含まれている場合で
も、この推定された非線型成分の特性を有する擬似反響
信号を生成することができるので、非線形特性の反響信
号も消去することができる。
【0017】また、本発明の請求項2記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記通信回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段
と、前記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号
レベルを調整する入力レベル調整手段と、前記通信回線
から伝送された前記受信音声信号を入力し、前記拡声さ
れた受信音声信号が反響路を経由して前記入力手段に入
力されることによって発生する反響信号を推定する擬似
反響信号生成手段と、前記擬似反響信号を用いて、前記
入力レベル調整手段によって前記信号レベルが調整され
た前記送信音声信号から前記反響信号を除去する信号処
理手段とを備え、前記入力レベル調整手段により前記送
信音声信号の前記信号レベルを変化させることによって
生ずる前記送信音声信号の非線形成分を推定するととも
に、前記擬似反響信号生成手段から出力された前記擬似
反響信号に前記非線型成分の特性を設定する設定手段を
設け、前記設定手段によって前記非線形成分が設定され
た前記疑似反響信号を用いて前記信号処理手段が信号処
理を行うとともに、前記信号処理された送信音声信号を
前記通信回線に送信するようにした構成を有している。
【0018】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において、送信音
声信号の信号レベルを増幅することによって、発生する
信号のクリップなどの非線形成分が含まれている場合で
も、この推定された非線型成分の特性を有する擬似反響
信号を生成することができるので、非線形特性の反響信
号も消去することができる。
【0019】また、本発明の請求項3記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記拡声手段によって拡声された前記受信音声信号の信号
レベルを調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線
に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入
力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調
整する入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝送さ
れた前記受信音声信号を入力し、前記拡声された受信音
声信号が反響路を経由して前記入力手段に入力されるこ
とによって発生する反響信号を推定する擬似反響信号生
成手段と、前記擬似反響信号を用いて、前記入力レベル
調整手段によって前記信号レベルが調整された前記送信
音声信号から前記反響信号を除去する信号処理手段とを
備え、少なくとも、前記入力レベル調整手段により前記
送信音声信号の前記信号レベルを変化させることによっ
て生ずる前記送信音声信号の非線形成分および前記拡声
レベル調整手段により前記受信音声信号の前記信号レベ
ルを変化させることによって生ずる前記受信音声信号の
非線形成分の何れかを推定するとともに、前記擬似反響
信号生成手段に入力する前記受信音声信号に前記推定し
た非線型成分の特性を設定する設定手段を設け、前記信
号処理手段によって信号処理された前記送信音声信号を
前記通信回線に送信するようにした構成を有している。
【0020】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において送信音声
信号の信号レベルを増幅することによって、または、拡
声レベル調整手段において、送信音声信号の信号レベル
を増幅することによって、発生する信号のクリップなど
の非線形成分が含まれている場合でも、この推定された
非線型成分の特性を有する擬似反響信号を生成すること
ができるので、非線形特性の反響信号も消去することが
できる。
【0021】また、本発明の請求項4記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記拡声手段によって拡声された前記受信音声信号の信号
レベルを調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線
に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入
力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調
整する入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝送さ
れた前記受信音声信号を入力し、前記拡声手段によって
拡声された前記受信音声信号が反響路を経由して前記入
力手段に入力されることによって発生する反響信号を推
定する擬似反響信号生成手段と、前記擬似反響信号を用
いて、前記入力レベル調整手段によって前記信号レベル
が調整された前記送信音声信号から前記反響信号を除去
する信号処理手段とを備え、少なくとも、前記入力レベ
ル調整手段により前記送信音声信号の前記信号レベルを
変化させることによって生ずる前記送信音声信号の非線
形成分および前記拡声レベル調整手段により前記受信音
声信号の前記信号レベルを変化させることによって生ず
る前記受信音声信号の非線形成分の何れかを推定すると
ともに、前記擬似反響信号生成手段から出力された前記
擬似反響信号に前記推定された非線型成分の特性を設定
する設定手段を設け、前記設定手段によって前記非線形
成分が設定された前記疑似反響信号を用いて前記信号処
理手段が信号処理を行うとともに、前記信号処理された
送信音声信号を前記通信回線に送信するようにした構成
を有している。
【0022】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において送信音声
信号の信号レベルを増幅することによって、または、拡
声レベル調整手段において、送信音声信号の信号レベル
を増幅することによって、発生する信号のクリップなど
の非線形成分が含まれている場合でも、この推定された
非線型成分の特性を有する擬似反響信号を生成すること
ができるので、非線形特性の反響信号も消去することが
できる。
【0023】また、本発明の請求項5記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記通信回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段
と、前記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号
レベルを調整する入力レベル調整手段と、前記信号レベ
ルが調整された受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎
に複数に分割処理する第1周波数分割手段と、前記受信
音声信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割処理する第
2周波数分割手段と、前記第2周波数分割手段によって
前記所定の周波数帯域毎に分割された各周波数帯域毎の
前記受信音声信号を入力し、前記拡声された受信音声信
号が反響路を経由して前記入力手段に入力されることに
よって発生する反響信号を前記複数に分割された所定の
周波数帯域毎に推定する擬似反響信号生成手段と、前記
周波数帯域毎に推定された前記擬似反響信号を用いて、
前記所定の周波数帯域毎に分割された前記送信音声信号
から前記所定の周波数帯域毎に前記反響信号を除去する
信号処理手段と、前記信号処理手段によって信号処理さ
れた前記複数の周波数帯域毎の信号を合成する周波数分
割信号合成手段とを備え、前記入力レベル調整手段によ
り前記送信音声信号の前記信号レベルを変化させること
によって生ずる前記送信音声信号の非線形成分を推定す
るとともに、前記擬似反響信号生成手段に入力する前記
所定の周波数帯域毎の前記受信音声信号を前記所定の周
波数帯域毎に前記非線型成分の特性を設定する設定手段
を設け、前記周波数分割信号合成手段によって合成され
た前記送信音声信号を前記通信回線に送信するようにし
た構成を有している。
【0024】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において、送信音
声信号の信号レベルを増幅することによって、発生する
信号のクリップなどの非線形成分が含まれている場合で
も、この推定された非線型成分の特性を有する擬似反響
信号を各周波数帯域毎に生成することができるので、非
線形特性の反響信号も消去することができる。
【0025】また、本発明の請求項6記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記通信回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段
と、前記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号
レベルを調整する入力レベル調整手段と、前記信号レベ
ルが調整された受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎
に複数に分割処理する第1周波数分割手段と、前記受信
音声信号を所定の周波数帯域毎に複数に分割処理する第
2周波数分割手段と、前記第2周波数分割手段によって
前記所定の周波数帯域毎に分割された各周波数帯域毎の
前記受信音声信号を入力し、前記拡声された受信音声信
号が反響路を経由して前記入力手段に入力されることに
よって発生する反響信号を前記複数に分割された所定の
周波数帯域毎に推定する擬似反響信号生成手段と、前記
周波数帯域毎に推定された前記擬似反響信号を用いて、
前記所定の周波数帯域毎に分割された前記送信音声信号
から前記所定の周波数帯域毎に前記反響信号を除去する
信号処理手段と、前記信号処理手段によって信号処理さ
れた前記複数の周波数帯域毎の信号を合成する周波数分
割信号合成手段とを備え、前記入力レベル調整手段によ
り前記送信音声信号の前記信号レベルを変化させること
によって生ずる前記送信音声信号の非線形成分を推定す
るとともに、前記擬似反響信号生成手段から出力された
前記所定の周波数帯域毎の前記擬似反響信号に前記非線
型成分の特性を設定する設定手段を設け、前記設定手段
によって前記非線形成分が設定された前記疑似反響信号
を用いて前記信号処理手段が信号処理を行うとともに、
前記周波数分割信号合成手段によって合成された前記送
信音声信号を前記通信回線に送信するようにした構成を
有している。
【0026】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において、送信音
声信号の信号レベルを増幅することによって、発生する
信号のクリップなどの非線形成分が含まれている場合で
も、この推定された非線型成分の特性を有する擬似反響
信号を各周波数帯域毎に生成することができるので、非
線形特性の反響信号も消去することができる。
【0027】また、本発明の請求項7記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記拡声手段によって拡声された前記受信音声信号の信号
レベルを調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線
に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入
力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調
整する入力レベル調整手段と、前記信号レベルが調整さ
れた受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に複数に分
割処理する第1周波数分割手段と、前記受信音声信号を
所定の周波数帯域毎に複数に分割処理する第2周波数分
割手段と、前記第2周波数分割手段によって前記所定の
周波数帯域毎に分割された各周波数帯域毎の前記受信音
声信号を入力し、前記拡声された受信音声信号が反響路
を経由して前記入力手段に入力されることによって発生
する反響信号を前記複数に分割された所定の周波数帯域
毎に推定する擬似反響信号生成手段と、前記周波数帯域
毎に推定された前記擬似反響信号を用いて、前記所定の
周波数帯域毎に分割された前記送信音声信号から前記所
定の周波数帯域毎に前記反響信号を除去する信号処理手
段と、前記信号処理手段によって信号処理された前記複
数の周波数帯域毎の信号を合成する周波数分割信号合成
手段とを備え、少なくとも、前記入力レベル調整手段に
より前記送信音声信号の前記信号レベルを変化させるこ
とによって生ずる前記送信音声信号の非線形成分および
前記拡声レベル調整手段により前記受信音声信号の前記
信号レベルを変化させることによって生ずる前記受信音
声信号の非線形成分の何れかを推定するとともに、前記
擬似反響信号生成手段に入力する前記所定の周波数帯域
毎の前記受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に前記
非線型成分の特性を設定する設定手段を設け、前記周波
数分割信号合成手段によって合成された送信音声信号を
前記通信回線に送信するようにした構成を有している。
【0028】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において送信音声
信号の信号レベルを増幅することによって、または、拡
声レベル調整手段において、送信音声信号の信号レベル
を増幅することによって、発生する信号のクリップなど
の非線形成分が含まれている場合でも、この推定された
非線型成分の特性を有する擬似反響信号を各周波数帯域
毎に生成することができるので、非線形特性の反響信号
も消去することができる。
【0029】また、本発明の請求項8記載の音響エコー
キャンセラー装置は、通信回線から伝送された音声信号
を受信し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前
記拡声手段によって拡声された前記受信音声信号の信号
レベルを調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線
に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入
力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調
整する入力レベル調整手段と、前記信号レベルが調整さ
れた受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に複数に分
割処理する第1周波数分割手段と、前記受信音声信号を
所定の周波数帯域毎に複数に分割処理する第2周波数分
割手段と、前記拡声された受信音声信号が、反響路を経
由して前記入力手段に入力されることによって発生する
反響信号を前記複数に分割された所定の周波数帯域毎に
推定する擬似反響信号生成手段と、前記周波数帯域毎に
推定された前記擬似反響信号を用いて、前記所定の周波
数帯域毎に分割された前記送信音声信号から前記所定の
周波数帯域毎に前記反響信号を除去する信号処理手段
と、前記信号処理手段によって信号処理された前記複数
の周波数帯域毎の信号を合成する周波数分割信号合成手
段とを備え、少なくとも、前記入力レベル調整手段によ
り前記送信音声信号の前記信号レベルを変化させること
によって生ずる前記送信音声信号の非線形成分および前
記拡声レベル調整手段により前記受信音声信号の前記信
号レベルを変化させることによって生ずる前記受信音声
信号の非線形成分の何れかを推定するとともに、前記擬
似反響信号生成手段から出力された前記所定の周波数帯
域毎の前記擬似反響信号に前記非線型成分の特性を設定
する設定手段を設け、前記設定手段によって前記非線形
成分が設定された前記疑似反響信号を用いて前記信号処
理手段が信号処理を行い、前記周波数分割信号合成手段
によって合成された前記送信音声信号を前記通信回線に
送信するようにした構成を有している。
【0030】この構成により、通常の線形特性の反響信
号だけではなく、入力レベル調整手段において送信音声
信号の信号レベルを増幅することによって、または、拡
声レベル調整手段において、送信音声信号の信号レベル
を増幅することによって、発生する信号のクリップなど
の非線形成分が含まれている場合でも、この推定された
非線型成分の特性を有する擬似反響信号を各周波数帯域
毎に生成することができるので、非線形特性の反響信号
も消去することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。
【0032】[第1実施形態]図1は、本発明に係る音響
エコーキャンセラー装置の第1実施形態を示す図であ
り、この音響エコーキャンセラー装置は、複数の遠隔地
に設置されている音響エコーキャンセラー装置と電話公
衆網回線などの通信回線によって接続されるテレビ会議
システム、携帯通信端末装置のハンズフリーホン装置な
どの音声通信を行う通信システムに適用される。
【0033】まず、構成を説明する。
【0034】図1に示す音響エコーキャンセラー装置20
は、通信回線によって接続され、この音響エコーキャン
セラー装置20と図示しない通信端末装置と音声信号を相
互に通信するようになっており、音響エコーキャンセラ
ー装置20は、受信した音声信号(以下、受信音声信号と
いう)を拡声するとともに、通信回線を介して図示しな
い通信端末装置に送信する音声信号(以下、送信音声信
号という)を入力するようになっている。
【0035】また、音響エコーキャンセラー装置20は、
受信した受信音声信号を拡声することによって、この拡
声された音声が、反響路(以下、音響エコーパスとい
う)を経由し、音響エコーキャンセラー装置20に入力さ
れることにより発生する反響信号(以下、音響エコーと
いう)を入力した送信音声信号から除去処理するように
なっている。
【0036】この音響エコーキャンセラー装置20は、図
1に示すように、図示しない通信回線からデジタル信号
で出力された音声信号を受信する受信信号入力端子21
と、この受信音声信号をデジタル信号からアナログ信号
に変換するデジタル/アナログ変換部(以下、D/A変
換部という)22と、アナログ信号に変換された受信音声
信号の信号レベルを増幅する第1増幅部23と、第1増幅
部23によって増幅された音声信号を出力するスピーカ24
と、通信回線に送信する音声を入力するマイクロホン25
と、マイクロホン25から入力された送信音声信号の信号
レベルを調整する入力信号レベル調整部26と、入力信号
レベル調整部26において、調整された送信音声信号の信
号レベルを増幅する第2増幅部27と、第2増幅部によっ
て増幅された音声信号をアナログ信号からデジタル信号
に変換するアナログ/デジタル変換(以下、A/D変換
という)部28とを備え、A/D変換された音声信号を通
信回線に送信するようになっている。
【0037】スピーカ24、マイクロホン25および入力信
号レベル調整部26は、それぞれ、本発明に係る拡声手
段、入力手段および入力レベル調整手段を構成してい
る。
【0038】また、この音響エコーキャンセラー装置20
は、受信信号入力端子21において受信した受信音声信号
に非線型特性処理を施す非線型回路部29と、非線型特性
処理を施された音声信号から擬似音響エコー信号を推定
する適応フィルタ30と、A/D変換部28においてデジタ
ル信号に変換された音声信号から適応フィルタ30におい
て推定された擬似音響エコー信号を減算する信号処理部
31と、入力信号レベル調整部26を制御するとともに、非
線型回路部29を制御する制御部32と、信号処理された音
声信号を通信回線に送信する送信信号出力端子33とを備
え、スピーカ24から拡声された音声が音響エコーとして
重畳みされた送信音声信号から音響エコーを除去するよ
うになっている。
【0039】適応フィルタ30および信号処理部31は、そ
れぞれ、本発明に係る疑似音響信号生成手段および信号
処理手段を構成し、非線形回路部29および制御部32は、
本発明に係る設定手段を構成している。
【0040】非線型回路部29には、受信信号入力端子21
において受信したデジタル信号である受信音声信号が入
力され、非線型回路部29は、この入力された音声信号に
後述する非線型特性処理を施すようになっている。
【0041】適応フィルタ30には、非線形特性回路29の
出力信号が入力され、この出力信号をもとに擬似エコー
信号を生成し、信号処理部31において、A/D変換部28
の出力信号から擬似エコー信号を差し引いた音声信号を
出力するようになっている。
【0042】また、この信号処理部31から出力された送
信音声信号と非線形特性回路部29の出力信号を用いて、
適応フィルタ30の係数を適応アルゴリズムによって更新
するとともに、この送信音声信号を送信信号出力端子33
から通信回路に送信するようになっている。
【0043】制御部32は、入力信号レベル調整部26の信
号レベル制御を行うとともに、入力信号レベル調整部26
を制御することによって発生する音声信号の非線型成分
を推定するようになっており、この推定された非線型成
分に基づき、非線型回路部29を制御するようになってい
る。
【0044】次に、図2を用いて、非線形特性回路29お
よび制御部32の動作について説明する。なお、図2は、
入力信号レベル調整部26の入力音声信号振幅レベルと出
力音声信号振幅レベルの関係を示すグラフである。
【0045】通常、グラフ100のように増幅率が設定さ
れていると、入力信号レベルと出力信号レベルは、線形
な関係を示すが、グラフ101のように高い増幅率が設定
されると、入力された音声信号の出力が、第2増幅部27
の最大出力レベル、または、A/D変換部28の最大入力
レベルのどちらか低い方の最大レベルを越えることによ
って、クリップが生じ、出力信号のレベルはクリップレ
ベルで一定となる。このため、A/D変換部28に入力さ
れた送信音声信号は、非線形成分を含むようになる。
【0046】一方、第2増幅部27およびA/D変換部28
の特性は、既知であるので、第2増幅部27およびA/D
変換部28の最大出力レベルおよび最大入力レベルの特性
は、予め想定することができる。
【0047】すなわち、入力信号レベル調整部26におい
て、グラフ101のような増幅率が設定された場合、制御
部32は、入力信号レベル調整部26に入力される送信音声
信号の信号レベルおよび増幅率に基づいて、クリップが
発生するレベルを推定することができるので、この推定
されたクリップレベルと、入力された音声信号の信号レ
ベルから送信音声信号に含まれる非線形成分を推定する
ことができる。
【0048】したがって、入力信号レベル調整部26の設
定された増幅率に基づいて、送信信号に含まれる非線形
成分を算出することができるので、適応フィルタ30に入
力される受信音声信号に同様な非線形特性を設定するこ
とによって、非線形特性を有する疑似音響エコー信号を
生成することができ、第2増幅部27またはA/D変換部
28で発生する非線形な要素も消去可能となる。この結
果、非線形要素による音響エコー信号の発生を抑制する
ことができるようになっている。
【0049】このように、制御部32は、送信音声信号が
入力信号レベル調整部26において、増幅されることによ
って生じる非線形成分を推定し、推定された非線形成分
を有する特性に非線形回路部29に入力された受信音声信
号を設定させるようになっている。
【0050】なお、スピーカ24、マイクロホン25、入力
信号レベル調整部26、第2増幅部27およびその他のアナ
ログ回路においても、各部の特性は既知であり、送信音
声信号が生ずる非線形成分を算出することができるの
で、制御部32が、入力信号レベル調整部26に入力された
信号レベルに基づいて、各部において発生した送信音声
信号の非線形成分を推定することができ、上述のよう
に、非線形特性回路部29に入力された受信音性信号に非
線形特性を設定することができるようになっている。
【0051】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、制御部32において、入力信号レベル調整部26に設定
する増幅率に応じて、非線形特性回路部29に入力された
受信信号に第2増幅部27またはA/D変換部28における
クリップレベルを想定した非線形特性を設定することが
できるので、非線形要素の音響エコーを除去することが
できる。
【0052】なお、本実施形態において、受信信号入力
端子21および送信信号出力端子33は、デジタル信号形式
の音声信号を入出力するようになっているが、アナログ
信号を入出力するようにしてもよい。
【0053】この場合、受信信号入力端子21とD/A変
換部22および非線形回路部29との間に、A/D変換部
を、また、信号処理部31と送信信号出力端子33との間
に、D/A変換部を備えるようにする。
【0054】また、本実施形態において、非線形回路部
29は、適応フィルタ30の前段に接続されているが、図3
に示すように、適応フィルタ30と信号処理部31との間に
設け、適応フィルタ30において生成された疑似音響エコ
ー信号に非線形特性処理を施すようにしてもよい。
【0055】この場合、上述と同様に、制御部32におい
て、入力信号レベル調整部26に設定する増幅率に応じ
て、非線形特性回路部29に入力された受信信号を第2増
幅部27またはA/D変換部28におけるクリップレベルを
想定した非線形特性を設定することができるので、非線
形要素の音響エコーも除去することができる。
【0056】[第2実施形態]図4は、本発明に係る音響
エコーキャンセラー装置の第2実施形態を示す図であ
り、この音響エコーキャンセラー装置は、複数の遠隔地
に設置されている音響エコーキャンセラー装置と電話公
衆網回線などの通信回線によって接続されるテレビ会議
システム、携帯通信端末装置のハンズフリーホン装置な
どの音声通信を行う通信システムに適用される。
【0057】なお、本実施形態は、第1実施形態の音響
エコーキャンセラー装置において、受信した音声信号を
拡声する際に、第1増幅部を介してスピーカから出力す
る受信音声信号の信号レベルを調整する出力信号レベル
調整部を設けた点に特徴があり、この他の構成は、第1
実施形態と同様であるため、同一部材には同一番号を付
して説明を省略する。
【0058】図4に示すように、本実施形態の音響エコ
ーキャンセラー装置40は、音声信号を受信する受信信号
入力端子21と、この受信音声信号をデジタル信号からア
ナログ信号に変換するD/A変換部22と、アナログ信号
に変換された受信音声信号の信号レベルを調整する出力
信号レベル調整部41と、出力信号レベル調整部41によっ
て調整された音声信号の信号レベルを増幅する第1増幅
部23と、増幅された音声信号を出力するスピーカ24と、
音声を入力するマイクロホン25と、マイクロホン25から
入力された音声信号の信号レベルを調整する入力信号レ
ベル調整部26と、入力信号レベル調整部26において、調
整された音声信号の信号レベルを増幅する第2増幅部27
と、増幅された音声信号をアナログ信号からデジタル信
号に変換するA/D変換部28と、受信信号入力端子21に
おいて受信した音声信号に非線型特性処理を施す非線型
回路部29と、非線型特性処理を施された音声信号から擬
似音響エコー信号を推定する適応フィルタ30と、A/D
変換部28においてデジタル信号に変換された音声信号か
ら適応フィルタ30において推定された擬似音響エコー信
号を減算する信号処理部31と、入力信号レベル調整部26
および出力信号レベル調整部41を制御するとともに、非
線型回路部29を制御する制御部42と、信号処理された音
声信号を通信回線に送信する送信信号出力端子33とを備
え、非線形回路部29および制御部42は、本発明に係る設
定手段を構成している。
【0059】制御部42は、送信音声信号が入力信号レベ
ル調整部26において、増幅されることによって生じる非
線形成分および受信音声信号が出力信号レベル調整部41
において、増幅されることによって生じる非線形成分を
推定し、推定された非線形成分を有する特性に非線形回
路部29に入力された受信音声信号を設定するようになっ
ている。
【0060】この結果、D/A変換部22、第1増幅部2
3、第2増幅部27またはA/D変換部28で発生する非線
形な要素もこの非線形特性回路29と適応フィルタ30によ
って消去可能となり、非線形要素の音響エコーも除去す
ることができるようになっている。
【0061】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、制御部42において、入力信号レベル調整部26に設定
する増幅率に応じて、非線形特性回路部29に入力された
受信信号を第2増幅部27またはA/D変換部28における
クリップレベルを想定した非線形特性を設定することが
できるので、非線形要素の音響エコーも除去することが
できる。
【0062】なお、本実施形態において、非線形回路部
29は、適応フィルタ30の前段に接続されているが、図5
に示すように、適応フィルタ30と信号処理部31との間に
設け、適応フィルタ30において生成された疑似音響エコ
ー信号に非線形特性処理を施すようにしてもよい。
【0063】この場合、上述と同様に、制御部42におい
て、入力信号レベル調整部26に設定する増幅率に応じ
て、非線形特性回路部29に入力された受信信号をD/A
変換部22、第1増幅部23、第2増幅部27またはA/D変
換部28におけるクリップレベルを想定した非線形特性を
設定することができるので、非線形要素の音響エコーも
除去することができる。
【0064】[第3実施形態]図6は、本発明に係る音
響エコーキャンセラー装置の第3実施形態を示す図であ
り、この音響エコーキャンセラー装置は、複数の遠隔地
に設置されている音響エコーキャンセラー装置と電話公
衆網回線などの通信回線によって接続されるテレビ会議
システム、携帯通信端末装置のハンズフリーホン装置な
どの音声通信を行う通信システムに適用される。
【0065】なお、本実施形態は、第1実施形態の音響
エコーキャンセラー装置において、非線形回路部におけ
る非線形特性処理および信号処理部における信号処理
を、所定の周波数帯域毎に行う点に特徴があり、その他
の構成は、第1実施形態と同様であるため、同一部材に
は同一番号を付して説明を省略する。
【0066】図6に示すように、音響エコーキャンセラ
ー装置50は、音声信号を受信する受信信号入力端子21
と、この音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変
換するD/A変換部22と、アナログ信号の信号レベルを
増幅する第1増幅部23と、増幅された音声信号を出力す
るスピーカ24と、音声を入力するマイクロホン25と、マ
イクロホン25から入力された音声信号の信号レベルを調
整する入力信号レベル調整部26と、入力信号レベル調整
部26において、調整された音声信号の信号レベルを増幅
する第2増幅部27と、増幅された音声信号をアナログ信
号からデジタル信号に変換するA/D変換部28と、デジ
タル信号に変換された音声信号を所定の周波数帯域毎に
分割する第1サブバンド分割処理部51と、受信信号入力
端子21において受信した音声信号を上述と同様に、所定
の周波数帯域毎に分割する第2サブバンド分割処理部52
と、分割された各周波数帯域毎に非線型特性処理を施す
非線型回路部29i(i=1〜N)と、同様にして各周波
数帯域毎に非線型特性処理を施された音声信号から擬似
音響エコー信号を推定する適応フィルタ(AF)30i
(i=1〜N)と、各周波数帯域毎にデジタル信号に変
換された音声信号から各周波数帯域毎に適応フィルタ30
i(i=1〜N)において推定された擬似音響エコー信
号を減算する信号処理部31i(i=1〜N)と、入力信
号レベル調整部26を制御するとともに、各周波数帯域毎
の非線型回路部29i(i=1〜N)を制御する制御部32
と、信号処理された各周波数帯域毎の音声信号を合成す
るサブバンド合成処理部53と、合成された音声信号を通
信回線に送信する送信信号出力端子33とを備えている。
【0067】第1サブバンド分割処理部51、第2サブバ
ンド分割処理部52およびサブバンド合成処理部53は、そ
れぞれ、本発明に係る第1周波数分割手段、第2周波数
分割手段および周波数分割信号合成手段を構成してい
る。
【0068】第1サブバンド分割処理部51は、A/D変
換部28においてデジタル信号に変換された送信音声信号
を所定の周波数帯域毎に分割して、複数の送信サブバン
ド信号を生成し、各信号処理部31i(i=1〜N)に出
力するようになっている。
【0069】第2サブバンド分割処理部52は、受信信号
入力端子21において受信した受信音声信号を第1サブバ
ンド分割処理部51と同様に、所定の周波数帯域毎に分割
して、複数の受信サブバンド信号を生成するようになっ
ており、分割された各周波数帯域毎の受信サブバンド信
号を各非線形特性回路部29i(i=1〜N)に出力する
ようになっている。
【0070】各非線形特性回路部29i(i=1〜N)
は、制御部32において推定された非線形特性成分に基づ
いて、各周波数帯域毎に独立して、サブバンド受信信号
に非線形特性処理を施すようになっており、非線形特性
処理を施した各サブバンド信号を各周波数帯域毎に各適
応フィルタ30i(i=1〜N)に出力するようになって
いる。
【0071】各適応フィルタ30i(i=1〜N)および
各信号処理部31i(i=1〜N)は、各周波数帯域毎
に、各疑似音響エコー信号を推定するとともに、第1サ
ブバンド分割処理部51において分割された対応する周波
数帯域の信号と信号処理を行うようになっており、各周
波数帯域毎に、各信号処理部31i(i=1〜N)から出
力されたサブバンド信号と各非線形特性回路部29i(i
=1〜N)の出力信号を用いて、各適応フィルタ30i
(i=1〜N)の係数を適応アルゴリズムによって更新
するとともに、この各サブバンド信号をサブバンド合成
処理部53に出力するようになっている。
【0072】制御部32は、入力信号レベル調整部26の信
号レベル制御を行うとともに、入力信号レベル調整部26
を制御することによって発生すると推定される音声信号
の非線型成分を各周波数帯域毎に推定するようになって
おり、この推定された非線型成分に基づき、各周波数帯
域毎の非線型回路部29i(i=1〜N)に入力された音
声信号の信号処理を制御するようになっている。
【0073】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、制御部32において、入力信号レベル調整部26に設定
する増幅率に応じて、各サブバンド信号毎に、非線形特
性回路部29に入力された受信信号を第2増幅部27または
A/D変換部28におけるクリップレベルを想定した非線
形特性を設定することができるので、非線形要素の音響
エコーも除去することができる。
【0074】なお、本実施形態において、図示しない通
信回線から受信信号入力端子21にデジタル信号形式の音
声信号を入力するようになっているが、また、送信信号
出力端子33から出力される音声信号がデジタル信号形式
によって出力するようになっているが、通信回線に入出
力する音声信号が、アナログ信号であれば、受信信号入
力端子21とD/A変換部22および非線形回路部29との間
に、A/D変換部を、また、信号処理部31と送信信号出
力端子33との間に、D/A変換部を備えるようにする。
【0075】また、本実施形態において、各非線形回路
部29は、各適応フィルタ30の前段に接続されているが、
図7に示すように、各適応フィルタ30と各信号処理部31
との間に設け、各適応フィルタ30において生成された疑
似音響エコー信号に非線形特性処理を施すようにしても
よい。
【0076】この場合、上述と同様に、制御部32におい
て、入力信号レベル調整部26に設定する増幅率に応じ
て、非線形特性回路部29に入力された受信信号を第2増
幅部27またはA/D変換部28におけるクリップレベルを
想定した非線形特性を設定することができるので、非線
形要素の音響エコーも除去することができる。
【0077】[第4実施形態]図8は、本発明に係る音
響エコーキャンセラー装置の第3実施形態を示す図であ
り、この音響エコーキャンセラー装置は、複数の遠隔地
に設置されている音響エコーキャンセラー装置と電話公
衆網回線などの通信回線によって接続されるテレビ会議
システム、携帯通信端末装置のハンズフリーホン装置な
どの音声通信を行う通信システムに適用される。
【0078】なお、本実施形態は、第3実施形態の音響
エコーキャンセラー装置において、マイクロホンから入
力された音声信号の信号レベルを調整する入力信号レベ
ル調整部の他に、受信した音声信号を拡声する際に、第
1増幅部を介してスピーカから出力する音声信号の信号
レベルを調整する出力信号レベル調整部を設けた点に特
徴があり、この他の構成は、第3実施形態と同様である
ため、同一部材には同一番号を付して説明を省略する。
【0079】図8に示すように、音響エコーキャンセラ
ー装置60は、音声信号を受信する受信信号入力端子21
と、この音声信号をデジタル信号からアナログ信号に変
換するD/A変換部22と、アナログ信号に変換された音
声信号の信号レベルを調整する出力信号レベル調整部61
と、調整された音声信号の信号レベルを増幅する第1増
幅部23と、増幅された音声信号を出力するスピーカ24
と、音声を入力するマイクロホン25と、マイクロホン25
から入力された音声信号の信号レベルを調整する入力信
号レベル調整部26と、入力信号レベル調整部26におい
て、調整された音声信号の信号レベルを増幅する第2増
幅部27と、増幅された音声信号をアナログ信号からデジ
タル信号に変換するA/D変換部28と、デジタル信号に
変換された音声信号を所定の周波数帯域毎に分割する第
1サブバンド分割処理部51と、受信信号入力端子21にお
いて受信した音声信号を上述と同様に、所定の周波数帯
域毎に分割する第2サブバンド分割処理部52と、分割さ
れた各周波数帯域毎に非線型特性処理を施す非線型回路
部29i(i=1〜N)と、同様にして各周波数帯域毎に
非線型特性処理を施された音声信号から擬似音響エコー
信号を推定する適応フィルタ(AF)30i(i=1〜
N)と、各周波数帯域毎にデジタル信号に変換された音
声信号から各周波数帯域毎に適応フィルタ30i(i=1
〜N)において推定された擬似音響エコー信号を減算す
る信号処理部31i(i=1〜N)と、出力信号レベル調
整部61および入力信号レベル調整部26を制御するととも
に、各周波数帯域毎の非線型回路部29を制御する制御部
62と、信号処理された各周波数帯域毎の音声信号を合成
するサブバンド合成処理部53と、合成された音声信号を
通信回線に送信する送信信号出力端子33とを備え、非線
形回路部29および制御部62は、本発明に係る設定手段を
構成している。
【0080】制御部62は、送信音声信号が入力信号レベ
ル調整部26において、増幅されることによって生じる非
線形成分および受信音声信号が出力信号レベル調整部61
において、増幅されることによって生じる非線形成分を
各周波数帯域毎に推定し、各非線形回路部29i(i=1
〜N)に入力された受信音声信号を推定された非線形成
分を有する特性に設定するようになっている。
【0081】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、制御部62において、入力信号レベル調整部26に設定
する増幅率に応じて、非線形特性回路部29に入力された
受信信号を第2増幅部27またはA/D変換部28における
クリップレベルを想定した非線形特性を設定することが
できるので、非線形要素による音響エコーの発生を抑制
することができる。
【0082】なお、本実施形態において、各非線形回路
部29は、各適応フィルタ30の前段に接続されているが、
図9に示すように、各適応フィルタ30と各信号処理部31
との間に設け、各適応フィルタ30において生成された疑
似音響エコー信号に非線形特性処理を施すようにしても
よい。
【0083】この場合、上述と同様に、制御部62におい
て、入力信号レベル調整部26に設定する増幅率に応じ
て、非線形特性回路部29に入力された受信信号をD/A
変換部22、第1増幅部23、第2増幅部27またはA/D変
換部28におけるクリップレベルを想定した非線形特性を
設定することができるので、非線形要素の音響エコーも
除去することができる。
【0084】
【発明の効果】以上のように本発明の音響エコーキャン
セラー装置は、通常の線形特性の音響エコー信号だけで
はなく、アナログ回路による出力信号のクリップなどの
非線形要素が音響エコー信号に含まれている場合でも、
この非線形要素を推定することができるので、線形フィ
ルタである適応フィルタにより擬似エコー信号を生成す
るとき、この推定した非線形特性に受信音声信号を設定
することができるので、非線形特性のエコー信号も消去
することができ、通話品質の劣化防止に大きな効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る音響エコーキャンセラー装置の第
1実施形態の系統図である。
【図2】第1実施形態における入力信号レベル調整部に
入出力される音声信号のグラフである。
【図3】第1実施形態におけるその他の音響エコーキャ
ンセラー装置の系統図である。
【図4】本発明に係る音響エコーキャンセラー装置の第
2実施形態の系統図である。
【図5】第2実施形態におけるその他の音響エコーキャ
ンセラー装置の系統図である。
【図6】本発明に係る音響エコーキャンセラー装置の第
3実施形態の系統図である。
【図7】第3実施形態におけるその他の音響エコーキャ
ンセラー装置の系統図である。
【図8】本発明に係る音響エコーキャンセラー装置の第
4実施形態の系統図である。
【図9】第4実施形態におけるその他の音響エコーキャ
ンセラー装置の系統図である。
【図10】従来の音響エコーキャンセラー装置の系統図で
ある。
【符号の説明】
24 スピーカ(拡声手段) 25 マイクロホン(入力手段) 26 入力信号レベル調整部(入力レベル調整手段) 29 非線形回路部(設定手段) 30 適応フィルタ(疑似反響信号生成手段) 31 信号処理部(信号処理手段) 32、42、62 制御部(設定手段) 41、61 出力信号レベル調整部(拡声レベル調整手
段) 51 第1サブバンド分割処理部(第1周波数分割手
段) 52 第2サブバンド分割処理部(第2周波数分割手
段) 53 サブバンド合成処理部(周波数分割信号合成手
段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記通信
    回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前
    記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベル
    を調整する入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝
    送された前記受信音声信号を入力し、前記拡声された受
    信音声信号が反響路を経由して前記入力手段に入力され
    ることによって発生する反響信号を推定する擬似反響信
    号生成手段と、前記擬似反響信号を用いて、前記入力レ
    ベル調整手段によって前記信号レベルが調整された前記
    送信音声信号から前記反響信号を除去する信号処理手段
    とを備え、前記入力レベル調整手段により前記送信音声
    信号の前記信号レベルを変化させることによって生ずる
    前記送信音声信号の非線形成分を推定するとともに、前
    記擬似反響信号生成手段に入力する前記受信音声信号に
    前記非線型成分の特性を設定する設定手段を設け、前記
    信号処理手段によって信号処理された前記送信音声信号
    を前記通信回線に送信するようにしたことを特徴とする
    音響エコーキャンセラー装置。
  2. 【請求項2】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記通信
    回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前
    記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベル
    を調整する入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝
    送された前記受信音声信号を入力し、前記拡声された受
    信音声信号が反響路を経由して前記入力手段に入力され
    ることによって発生する反響信号を推定する擬似反響信
    号生成手段と、前記擬似反響信号を用いて、前記入力レ
    ベル調整手段によって前記信号レベルが調整された前記
    送信音声信号から前記反響信号を除去する信号処理手段
    とを備え、前記入力レベル調整手段により前記送信音声
    信号の前記信号レベルを変化させることによって生ずる
    前記送信音声信号の非線形成分を推定するとともに、前
    記擬似反響信号生成手段から出力された前記擬似反響信
    号に前記非線型成分の特性を設定する設定手段を設け、
    前記設定手段によって前記非線形成分が設定された前記
    疑似反響信号を用いて前記信号処理手段が信号処理を行
    うとともに、前記信号処理された送信音声信号を前記通
    信回線に送信するようにしたことを特徴とする音響エコ
    ーキャンセラー装置。
  3. 【請求項3】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記拡声
    手段によって拡声された前記受信音声信号の信号レベル
    を調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線に送信
    する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段
    に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調整する
    入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝送された前
    記受信音声信号を入力し、前記拡声された受信音声信号
    が反響路を経由して前記入力手段に入力されることによ
    って発生する反響信号を推定する擬似反響信号生成手段
    と、前記擬似反響信号を用いて、前記入力レベル調整手
    段によって前記信号レベルが調整された前記送信音声信
    号から前記反響信号を除去する信号処理手段とを備え、
    少なくとも、前記入力レベル調整手段により前記送信音
    声信号の前記信号レベルを変化させることによって生ず
    る前記送信音声信号の非線形成分および前記拡声レベル
    調整手段により前記受信音声信号の前記信号レベルを変
    化させることによって生ずる前記受信音声信号の非線形
    成分の何れかを推定するとともに、前記擬似反響信号生
    成手段に入力する前記受信音声信号に前記推定した非線
    型成分の特性を設定する設定手段を設け、前記信号処理
    手段によって信号処理された前記送信音声信号を前記通
    信回線に送信するようにしたことを特徴とする音響エコ
    ーキャンセラー装置。
  4. 【請求項4】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記拡声
    手段によって拡声された前記受信音声信号の信号レベル
    を調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線に送信
    する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段
    に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調整する
    入力レベル調整手段と、前記通信回線から伝送された前
    記受信音声信号を入力し、前記拡声手段によって拡声さ
    れた前記受信音声信号が反響路を経由して前記入力手段
    に入力されることによって発生する反響信号を推定する
    擬似反響信号生成手段と、前記擬似反響信号を用いて、
    前記入力レベル調整手段によって前記信号レベルが調整
    された前記送信音声信号から前記反響信号を除去する信
    号処理手段とを備え、少なくとも、前記入力レベル調整
    手段により前記送信音声信号の前記信号レベルを変化さ
    せることによって生ずる前記送信音声信号の非線形成分
    および前記拡声レベル調整手段により前記受信音声信号
    の前記信号レベルを変化させることによって生ずる前記
    受信音声信号の非線形成分の何れかを推定するととも
    に、前記擬似反響信号生成手段から出力された前記擬似
    反響信号に前記推定された非線型成分の特性を設定する
    設定手段を設け、前記設定手段によって前記非線形成分
    が設定された前記疑似反響信号を用いて前記信号処理手
    段が信号処理を行うとともに、前記信号処理された送信
    音声信号を前記通信回線に送信するようにしたことを特
    徴とする音響エコーキャンセラー装置。
  5. 【請求項5】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記通信
    回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前
    記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベル
    を調整する入力レベル調整手段と、前記信号レベルが調
    整された受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に複数
    に分割処理する第1周波数分割手段と、前記受信音声信
    号を所定の周波数帯域毎に複数に分割処理する第2周波
    数分割手段と、前記第2周波数分割手段によって前記所
    定の周波数帯域毎に分割された各周波数帯域毎の前記受
    信音声信号を入力し、前記拡声された受信音声信号が反
    響路を経由して前記入力手段に入力されることによって
    発生する反響信号を前記複数に分割された所定の周波数
    帯域毎に推定する擬似反響信号生成手段と、前記周波数
    帯域毎に推定された前記擬似反響信号を用いて、前記所
    定の周波数帯域毎に分割された前記送信音声信号から前
    記所定の周波数帯域毎に前記反響信号を除去する信号処
    理手段と、前記信号処理手段によって信号処理された前
    記複数の周波数帯域毎の信号を合成する周波数分割信号
    合成手段とを備え、前記入力レベル調整手段により前記
    送信音声信号の前記信号レベルを変化させることによっ
    て生ずる前記送信音声信号の非線形成分を推定するとと
    もに、前記擬似反響信号生成手段に入力する前記所定の
    周波数帯域毎の前記受信音声信号を前記所定の周波数帯
    域毎に前記非線型成分の特性を設定する設定手段を設
    け、前記周波数分割信号合成手段によって合成された前
    記送信音声信号を前記通信回線に送信するようにしたこ
    とを特徴とする音響エコーキャンセラー装置。
  6. 【請求項6】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記通信
    回線に送信する送信音声信号を入力する入力手段と、前
    記入力手段に入力された前記送信音声信号の信号レベル
    を調整する入力レベル調整手段と、前記信号レベルが調
    整された受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に複数
    に分割処理する第1周波数分割手段と、前記受信音声信
    号を所定の周波数帯域毎に複数に分割処理する第2周波
    数分割手段と、前記第2周波数分割手段によって前記所
    定の周波数帯域毎に分割された各周波数帯域毎の前記受
    信音声信号を入力し、前記拡声された受信音声信号が反
    響路を経由して前記入力手段に入力されることによって
    発生する反響信号を前記複数に分割された所定の周波数
    帯域毎に推定する擬似反響信号生成手段と、前記周波数
    帯域毎に推定された前記擬似反響信号を用いて、前記所
    定の周波数帯域毎に分割された前記送信音声信号から前
    記所定の周波数帯域毎に前記反響信号を除去する信号処
    理手段と、前記信号処理手段によって信号処理された前
    記複数の周波数帯域毎の信号を合成する周波数分割信号
    合成手段とを備え、前記入力レベル調整手段により前記
    送信音声信号の前記信号レベルを変化させることによっ
    て生ずる前記送信音声信号の非線形成分を推定するとと
    もに、前記擬似反響信号生成手段から出力された前記所
    定の周波数帯域毎の前記擬似反響信号に前記非線型成分
    の特性を設定する設定手段を設け、前記設定手段によっ
    て前記非線形成分が設定された前記疑似反響信号を用い
    て前記信号処理手段が信号処理を行うとともに、前記周
    波数分割信号合成手段によって合成された前記送信音声
    信号を前記通信回線に送信するようにしたことを特徴と
    する音響エコーキャンセラー装置。
  7. 【請求項7】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記拡声
    手段によって拡声された前記受信音声信号の信号レベル
    を調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線に送信
    する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段
    に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調整する
    入力レベル調整手段と、前記信号レベルが調整された受
    信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に複数に分割処理
    する第1周波数分割手段と、前記受信音声信号を所定の
    周波数帯域毎に複数に分割処理する第2周波数分割手段
    と、前記第2周波数分割手段によって前記所定の周波数
    帯域毎に分割された各周波数帯域毎の前記受信音声信号
    を入力し、前記拡声された受信音声信号が反響路を経由
    して前記入力手段に入力されることによって発生する反
    響信号を前記複数に分割された所定の周波数帯域毎に推
    定する擬似反響信号生成手段と、前記周波数帯域毎に推
    定された前記擬似反響信号を用いて、前記所定の周波数
    帯域毎に分割された前記送信音声信号から前記所定の周
    波数帯域毎に前記反響信号を除去する信号処理手段と、
    前記信号処理手段によって信号処理された前記複数の周
    波数帯域毎の信号を合成する周波数分割信号合成手段と
    を備え、少なくとも、前記入力レベル調整手段により前
    記送信音声信号の前記信号レベルを変化させることによ
    って生ずる前記送信音声信号の非線形成分および前記拡
    声レベル調整手段により前記受信音声信号の前記信号レ
    ベルを変化させることによって生ずる前記受信音声信号
    の非線形成分の何れかを推定するとともに、前記擬似反
    響信号生成手段に入力する前記所定の周波数帯域毎の前
    記受信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に前記非線型
    成分の特性を設定する設定手段を設け、前記周波数分割
    信号合成手段によって合成された送信音声信号を前記通
    信回線に送信するようにしたことを特徴とする音響エコ
    ーキャンセラー装置。
  8. 【請求項8】 通信回線から伝送された音声信号を受信
    し、前記受信音声信号を拡声する拡声手段と、前記拡声
    手段によって拡声された前記受信音声信号の信号レベル
    を調整する拡声レベル調整手段と、前記通信回線に送信
    する送信音声信号を入力する入力手段と、前記入力手段
    に入力された前記送信音声信号の信号レベルを調整する
    入力レベル調整手段と、前記信号レベルが調整された受
    信音声信号を前記所定の周波数帯域毎に複数に分割処理
    する第1周波数分割手段と、前記受信音声信号を所定の
    周波数帯域毎に複数に分割処理する第2周波数分割手段
    と、前記拡声された受信音声信号が、反響路を経由して
    前記入力手段に入力されることによって発生する反響信
    号を前記複数に分割された所定の周波数帯域毎に推定す
    る擬似反響信号生成手段と、前記周波数帯域毎に推定さ
    れた前記擬似反響信号を用いて、前記所定の周波数帯域
    毎に分割された前記送信音声信号から前記所定の周波数
    帯域毎に前記反響信号を除去する信号処理手段と、前記
    信号処理手段によって信号処理された前記複数の周波数
    帯域毎の信号を合成する周波数分割信号合成手段とを備
    え、少なくとも、前記入力レベル調整手段により前記送
    信音声信号の前記信号レベルを変化させることによって
    生ずる前記送信音声信号の非線形成分および前記拡声レ
    ベル調整手段により前記受信音声信号の前記信号レベル
    を変化させることによって生ずる前記受信音声信号の非
    線形成分の何れかを推定するとともに、前記擬似反響信
    号生成手段から出力された前記所定の周波数帯域毎の前
    記擬似反響信号に前記非線型成分の特性を設定する設定
    手段を設け、前記設定手段によって前記非線形成分が設
    定された前記疑似反響信号を用いて前記信号処理手段が
    信号処理を行い、前記周波数分割信号合成手段によって
    合成された前記送信音声信号を前記通信回線に送信する
    ようにしたことを特徴とする音響エコーキャンセラー装
    置。
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