JP2002009353A - バイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導量子干渉素子 - Google Patents
バイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導量子干渉素子Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属系超電導体によるs−s波接合のジョセ
フソン接合のフラウンホーファーパターンと異なる臨界
電流−磁界特性を示す高温超電導ジョセフソン接合素子
の提供。 【解決手段】 バイクリスタル基板3上に形成されたバ
イクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面を形成する二
つの結晶粒が共にc軸配向結晶粒であって、これら二つ
の結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面、もしく
は{110}面と{010}面からなるバイクリスタル酸化
物超電導体が用いられ、0磁場で超電導臨界電流がほぼ
0の極小値を示し、しかも超電導臨界電流値は磁場の絶
対値の増加とともに周期的に極大、極小を繰り返す特性
を示す高温超電導ジョセフソン接合素子。
フソン接合のフラウンホーファーパターンと異なる臨界
電流−磁界特性を示す高温超電導ジョセフソン接合素子
の提供。 【解決手段】 バイクリスタル基板3上に形成されたバ
イクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面を形成する二
つの結晶粒が共にc軸配向結晶粒であって、これら二つ
の結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面、もしく
は{110}面と{010}面からなるバイクリスタル酸化
物超電導体が用いられ、0磁場で超電導臨界電流がほぼ
0の極小値を示し、しかも超電導臨界電流値は磁場の絶
対値の増加とともに周期的に極大、極小を繰り返す特性
を示す高温超電導ジョセフソン接合素子。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子情報通信産
業、パワーエレクトロニクス、医療用センサ等の分野で
利用できるバイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体
を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導
量子干渉素子に関する。より詳細には、0.5μm以上
の長い直線状の接合界面を持つバイクリスタル酸化物超
電導体及び金属系超電導体によるs−s波接合のジョセ
フソン接合のフラウンホーファーパターンとは異なる臨
界電流−磁界依存性(臨界電流−磁場依存性)を示す高
温超電導ジョセフソン接合素子並びにこの接合素子の接
合界面の特性を利用し、新しい機能を有する超電導量子
干渉素子(SQUID)に関するものである。
業、パワーエレクトロニクス、医療用センサ等の分野で
利用できるバイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体
を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導
量子干渉素子に関する。より詳細には、0.5μm以上
の長い直線状の接合界面を持つバイクリスタル酸化物超
電導体及び金属系超電導体によるs−s波接合のジョセ
フソン接合のフラウンホーファーパターンとは異なる臨
界電流−磁界依存性(臨界電流−磁場依存性)を示す高
温超電導ジョセフソン接合素子並びにこの接合素子の接
合界面の特性を利用し、新しい機能を有する超電導量子
干渉素子(SQUID)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超電導体を用いたジョセフソン接合とし
ては、金属系超電導体の薄膜で薄いトンネルバリアを挟
んだトンネル接合型と、二つの超電導電極が結晶粒界で
隔てられた粒界接合型があり、近年、超電導量子干渉素
子(SQUID)等には、バイクリスタル酸化物超電導
膜体による粒界接合型が主に用いられている。Y−Ba
−Cu−O系バイクリスタル超電導膜体等のバイクリス
タル酸化物超電導膜体は、既知のものであり(J. Mate
r. Res., Vol. 12, No. 11 NOV 1997)、その製造は、
一般に、MgO等のバイクリスタル基板上に気相成長法
により行われていた。このようにして製造されたバイク
リスタル酸化物超電導膜体においては、二つの超電導電
極(二つの結晶)が接する接合界面は、10nm〜10
0nm程度の多数の微細な不規則形状のファセット(結
晶片)の集合体面となっている。そのため該接合界面
は、10nm〜100nm程度の微小間隔で曲がりくね
りを生じた形状となっている(J. Mater. Res., Vol. 1
2, No. 11 NOV 1997p3030参照)。
ては、金属系超電導体の薄膜で薄いトンネルバリアを挟
んだトンネル接合型と、二つの超電導電極が結晶粒界で
隔てられた粒界接合型があり、近年、超電導量子干渉素
子(SQUID)等には、バイクリスタル酸化物超電導
膜体による粒界接合型が主に用いられている。Y−Ba
−Cu−O系バイクリスタル超電導膜体等のバイクリス
タル酸化物超電導膜体は、既知のものであり(J. Mate
r. Res., Vol. 12, No. 11 NOV 1997)、その製造は、
一般に、MgO等のバイクリスタル基板上に気相成長法
により行われていた。このようにして製造されたバイク
リスタル酸化物超電導膜体においては、二つの超電導電
極(二つの結晶)が接する接合界面は、10nm〜10
0nm程度の多数の微細な不規則形状のファセット(結
晶片)の集合体面となっている。そのため該接合界面
は、10nm〜100nm程度の微小間隔で曲がりくね
りを生じた形状となっている(J. Mater. Res., Vol. 1
2, No. 11 NOV 1997p3030参照)。
【0003】このような接合界面に小さな曲がりくねり
のあるバイクリスタル酸化物超電導膜体については、そ
の接合界面において生ずる特性を、スイッチング素子、
限流器あるいはSQUID等の電気素子として利用しよ
うとしても、この細かい曲がりくねりのために直線状の
接合界面を持つバイクリスタルを切り出すことは不可能
であり、これを利用して電気素子を形成したとしても電
気特性(臨界電流密度(Jc)あるいはIc・Rn等)
のばらつきが大きく、製造上の歩留まりが極めて悪いと
いう困難があった。また、このようにして形成した超電
導体は、超電導体としての特性、例えば、臨界温度(T
c)はY−Ba−Cu−O系(YBCO)の場合ほとん
どが90K以下であり、YBCOが本来持っている特性
より低い性能のものであった。以上のとおりであるか
ら、このようなばらつきのない、電気素子として利用可
能な0.5μm以上の直線状の長さの接合界面を有する
バイクリスタル酸化物超電導体は、未だ開発されていな
い。そのようなことで、接合界面に曲がりくねりのな
い、すなわち電気素子としても利用可能な直線状の接合
界面を有するバイクリスタル酸化物超電導膜体の開発が
求められており、またそのような直線状の接合界面を有
するバイクリスタル酸化物超電導膜体が開発できれば、
電気素子として利用可能である。
のあるバイクリスタル酸化物超電導膜体については、そ
の接合界面において生ずる特性を、スイッチング素子、
限流器あるいはSQUID等の電気素子として利用しよ
うとしても、この細かい曲がりくねりのために直線状の
接合界面を持つバイクリスタルを切り出すことは不可能
であり、これを利用して電気素子を形成したとしても電
気特性(臨界電流密度(Jc)あるいはIc・Rn等)
のばらつきが大きく、製造上の歩留まりが極めて悪いと
いう困難があった。また、このようにして形成した超電
導体は、超電導体としての特性、例えば、臨界温度(T
c)はY−Ba−Cu−O系(YBCO)の場合ほとん
どが90K以下であり、YBCOが本来持っている特性
より低い性能のものであった。以上のとおりであるか
ら、このようなばらつきのない、電気素子として利用可
能な0.5μm以上の直線状の長さの接合界面を有する
バイクリスタル酸化物超電導体は、未だ開発されていな
い。そのようなことで、接合界面に曲がりくねりのな
い、すなわち電気素子としても利用可能な直線状の接合
界面を有するバイクリスタル酸化物超電導膜体の開発が
求められており、またそのような直線状の接合界面を有
するバイクリスタル酸化物超電導膜体が開発できれば、
電気素子として利用可能である。
【0004】一方、従来の金属系超電導体は、BCS理
論で記述でき、このようなBCS超電導体では超電導状
態を記述する基本的パラメータである超電導ギャップが
等方的であり、s波対称性を有していることが知られて
いる。図12(a)は金属系超電導体を用いた従来のs
−s波接合型のジョセフソン接合素子を概念的に示す図
であり、また、図12(b)は制御線42に制御電流
(Ibias)を流すことによって、ジョセフソン接合41を
流れる超電導臨界電流(Ic)の変化を示すもので、図
から明らかなように、制御電流0の0磁場において、最
大の超電導電流が流れ、制御電流、即ち、磁場を増加す
るにつれて超電導臨界電流は減少し、ある特定の制御電
流で0となる。さらに制御電流を増加させると、超電導
臨界電流値は再び増加し、その後また減少する振動を繰
り返すことになり、この様な特性を利用することによっ
て、外部磁界あるいは制御電流により、適当に電流をバ
イアスしたジョセフソン接合41において、超電導−常
電導スイッチを行うことができる。
論で記述でき、このようなBCS超電導体では超電導状
態を記述する基本的パラメータである超電導ギャップが
等方的であり、s波対称性を有していることが知られて
いる。図12(a)は金属系超電導体を用いた従来のs
−s波接合型のジョセフソン接合素子を概念的に示す図
であり、また、図12(b)は制御線42に制御電流
(Ibias)を流すことによって、ジョセフソン接合41を
流れる超電導臨界電流(Ic)の変化を示すもので、図
から明らかなように、制御電流0の0磁場において、最
大の超電導電流が流れ、制御電流、即ち、磁場を増加す
るにつれて超電導臨界電流は減少し、ある特定の制御電
流で0となる。さらに制御電流を増加させると、超電導
臨界電流値は再び増加し、その後また減少する振動を繰
り返すことになり、この様な特性を利用することによっ
て、外部磁界あるいは制御電流により、適当に電流をバ
イアスしたジョセフソン接合41において、超電導−常
電導スイッチを行うことができる。
【0005】また、このようなジョセフソン接合を含む
超電導リングを構成してSQUIDを形成すると、超電
導リング内の超電導電子対の干渉を用いて、単一磁束量
子という限界の微弱磁場を高感度で検出できることが知
られており、非破壊検査用磁気センサや生体磁気センサ
として実用化されている。そして、このジョセフソン接
合あるいはSQUIDと、制御線との組み合わせは、電
磁リレーと同じ機能を持つので、これを基本素子として
論理演算が可能となり、しかも、0抵抗で外部磁場に高
感度である。図13(a)はこの様な従来のs−s波接
合型のSQUIDを用いた論理回路を概念的に示す図で
あり、また、図13(b)は制御線A43及び制御線B
44に制御電流(IA,IB)を流した場合のジョセフソン
接合41を流れる超電導臨界電流(Ic)の変化を示す
もので、図から明らかなように、制御電流0の0磁場に
おいて、最大の超電導電流が流れ、制御電流の増加に伴
って振動する。
超電導リングを構成してSQUIDを形成すると、超電
導リング内の超電導電子対の干渉を用いて、単一磁束量
子という限界の微弱磁場を高感度で検出できることが知
られており、非破壊検査用磁気センサや生体磁気センサ
として実用化されている。そして、このジョセフソン接
合あるいはSQUIDと、制御線との組み合わせは、電
磁リレーと同じ機能を持つので、これを基本素子として
論理演算が可能となり、しかも、0抵抗で外部磁場に高
感度である。図13(a)はこの様な従来のs−s波接
合型のSQUIDを用いた論理回路を概念的に示す図で
あり、また、図13(b)は制御線A43及び制御線B
44に制御電流(IA,IB)を流した場合のジョセフソン
接合41を流れる超電導臨界電流(Ic)の変化を示す
もので、図から明らかなように、制御電流0の0磁場に
おいて、最大の超電導電流が流れ、制御電流の増加に伴
って振動する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のs
−s波接合型のジョセフソン接合素子は、図12(b)
のようなフラウンホーファーパターンを示すため、この
ようなジョセフソン接合素子の接合界面の特性を有する
電気素子は、図13(b)に示すような超電導臨界電流
−磁界特性を示すものしか得られないため、機能が限ら
れてしまう。そのようなことで、金属系超電導体による
s−s波接合のジョセフソン接合のフラウンホーファー
パターンとは異なる臨界電流−磁界特性を示すジョセフ
ソン接合素子の開発が求められており、また、そのよう
なジョセフソン接合素子が開発できれば、新しい機能を
有するSQUID等の電気素子として利用可能である。
−s波接合型のジョセフソン接合素子は、図12(b)
のようなフラウンホーファーパターンを示すため、この
ようなジョセフソン接合素子の接合界面の特性を有する
電気素子は、図13(b)に示すような超電導臨界電流
−磁界特性を示すものしか得られないため、機能が限ら
れてしまう。そのようなことで、金属系超電導体による
s−s波接合のジョセフソン接合のフラウンホーファー
パターンとは異なる臨界電流−磁界特性を示すジョセフ
ソン接合素子の開発が求められており、また、そのよう
なジョセフソン接合素子が開発できれば、新しい機能を
有するSQUID等の電気素子として利用可能である。
【0007】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、接合界面に曲がりくねりのない、すなわちSQ
UID等の電気素子としても利用可能な直線状の接合界
面を有するバイクリスタル酸化物超電導膜体の提供を目
的の一つとする。更に、本発明は、金属系超電導体によ
るs−s波接合のジョセフソン接合と異なる臨界電流−
磁界特性(臨界電流−磁場特性)を示す高温超電導ジョ
セフソン接合素子の提供を目的の一つとする。更に、本
発明は、金属系超電導体によるs−s波接合のジョセフ
ソン接合のフラウンホーファーパターンと異なる特性を
示す高温超電導ジョセフソン接合の接合界面の特性を利
用し、新しい機能を有する超電導量子干渉素子の提供を
目的の一つとする。
であり、接合界面に曲がりくねりのない、すなわちSQ
UID等の電気素子としても利用可能な直線状の接合界
面を有するバイクリスタル酸化物超電導膜体の提供を目
的の一つとする。更に、本発明は、金属系超電導体によ
るs−s波接合のジョセフソン接合と異なる臨界電流−
磁界特性(臨界電流−磁場特性)を示す高温超電導ジョ
セフソン接合素子の提供を目的の一つとする。更に、本
発明は、金属系超電導体によるs−s波接合のジョセフ
ソン接合のフラウンホーファーパターンと異なる特性を
示す高温超電導ジョセフソン接合の接合界面の特性を利
用し、新しい機能を有する超電導量子干渉素子の提供を
目的の一つとする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のバイクリスタル
酸化物超電導膜体は、上記課題を解決するために、バイ
クリスタル基板上に形成されたバイクリスタル酸化物超
電導膜の接合界面を形成する二つの結晶粒が共にc軸配
向結晶粒であって、これら二つの結晶粒の粒界界面が
{110}面と{100}面、もしくは{110}面と{01
0}面からなることを特徴とする。また、本発明は、上
記の構成の本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体に
おいて、上記バイクリスタル酸化物超電導膜が0.5μ
m以上の長い直線状の接合界面を有していることを特徴
とする。また、本発明は、上記のいずれかの構成の本発
明のバイクリスタル酸化物超電導膜体において、上記バ
イクリスタル酸化物超電導膜が、酸化マグネシウムバイ
クリスタル基板上に液相エピタキシー法により形成され
たREBa2Cu3O7-δ(但し、REは、Yと希土類元
素のうちから選択される1種以上の元素)系のバイクリ
スタル超電導膜であることを特徴とする。
酸化物超電導膜体は、上記課題を解決するために、バイ
クリスタル基板上に形成されたバイクリスタル酸化物超
電導膜の接合界面を形成する二つの結晶粒が共にc軸配
向結晶粒であって、これら二つの結晶粒の粒界界面が
{110}面と{100}面、もしくは{110}面と{01
0}面からなることを特徴とする。また、本発明は、上
記の構成の本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体に
おいて、上記バイクリスタル酸化物超電導膜が0.5μ
m以上の長い直線状の接合界面を有していることを特徴
とする。また、本発明は、上記のいずれかの構成の本発
明のバイクリスタル酸化物超電導膜体において、上記バ
イクリスタル酸化物超電導膜が、酸化マグネシウムバイ
クリスタル基板上に液相エピタキシー法により形成され
たREBa2Cu3O7-δ(但し、REは、Yと希土類元
素のうちから選択される1種以上の元素)系のバイクリ
スタル超電導膜であることを特徴とする。
【0009】また、本発明の高温超電導ジョセフソン接
合素子は、上記のいずれかの構成の本発明のバイクリス
タル酸化物超電導膜体が備えられ、上記バイクリスタル
酸化物超電導膜の接合界面により生じる特性を利用した
ことを特徴とする。また、本発明は、上記の構成の本発
明の高温超電導ジョセフソン接合素子において、上記バ
イクリスタル酸化物超電導膜の接合界面により生じる特
性は0磁場で超電導臨界電流がほぼ0の極小値を示し、
しかも超電導臨界電流値は磁場の絶対値の増加とともに
周期的に極大、極小を繰り返すことを特徴とする。
合素子は、上記のいずれかの構成の本発明のバイクリス
タル酸化物超電導膜体が備えられ、上記バイクリスタル
酸化物超電導膜の接合界面により生じる特性を利用した
ことを特徴とする。また、本発明は、上記の構成の本発
明の高温超電導ジョセフソン接合素子において、上記バ
イクリスタル酸化物超電導膜の接合界面により生じる特
性は0磁場で超電導臨界電流がほぼ0の極小値を示し、
しかも超電導臨界電流値は磁場の絶対値の増加とともに
周期的に極大、極小を繰り返すことを特徴とする。
【0010】また、本発明の超電導量子干渉素子は、上
記のいずれかの構成の本発明の高温超電導ジョセフソン
接合素子の接合界面の特性を有する高温超電導ジョセフ
ソン接合を2個以上含む超電導リングが備えられた素子
であって、0磁場で超電導臨界電流値がほぼ0の極小値
を示し、周期的に極大、極小を繰り返すことを特徴とす
る。
記のいずれかの構成の本発明の高温超電導ジョセフソン
接合素子の接合界面の特性を有する高温超電導ジョセフ
ソン接合を2個以上含む超電導リングが備えられた素子
であって、0磁場で超電導臨界電流値がほぼ0の極小値
を示し、周期的に極大、極小を繰り返すことを特徴とす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のバイクリスタル酸
化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフ
ソン接合素子並びに超電導量子干渉素子実施形態を図面
に基づいて具体的に説明するが、本発明はこの具体的に
説明した内容に限定されるものではなく、あくまで特許
請求の範囲の記載に基づいて把握されるものであること
はいうまでもない。 (バイクリスタル酸化物超電導膜体と高温超電導ジョセ
フソン接合素子の実施形態)本発明のバイクリスタル酸
化物超電導膜体の一実施形態例について図1乃至図3を
参照して以下に説明する。本実施形態のバイクリスタル
酸化物超電導膜体は、バイクリスタル基板3上にバイク
リスタル酸化物超電導膜6が形成された概略構成のもの
である。バイクリスタル基板3の材料としては、特に制
限されるわけではないが、酸化マグネシウム(MgO)
基板のほかにチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )
あるいはガリウム酸ネオジウム(NdGaO3)基板等が
用いられ、これらの中でも酸化マグネシウム(MgO)
基板が好適に用いられる。
化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフ
ソン接合素子並びに超電導量子干渉素子実施形態を図面
に基づいて具体的に説明するが、本発明はこの具体的に
説明した内容に限定されるものではなく、あくまで特許
請求の範囲の記載に基づいて把握されるものであること
はいうまでもない。 (バイクリスタル酸化物超電導膜体と高温超電導ジョセ
フソン接合素子の実施形態)本発明のバイクリスタル酸
化物超電導膜体の一実施形態例について図1乃至図3を
参照して以下に説明する。本実施形態のバイクリスタル
酸化物超電導膜体は、バイクリスタル基板3上にバイク
リスタル酸化物超電導膜6が形成された概略構成のもの
である。バイクリスタル基板3の材料としては、特に制
限されるわけではないが、酸化マグネシウム(MgO)
基板のほかにチタン酸ストロンチウム(SrTiO3 )
あるいはガリウム酸ネオジウム(NdGaO3)基板等が
用いられ、これらの中でも酸化マグネシウム(MgO)
基板が好適に用いられる。
【0012】この基板3の接合界面の位置4及び基板3
の接合傾角(θ)がこの上に形成されるバイクリスタル
酸化物超電導膜6にそのまま反映されるため、基板3の
バイクリスタルを形成する2つの結晶の素材については
同一成分からなる結晶であり、かつその両結晶が接合界
面で結合していることが必要である。その両結晶の結晶
軸がなす角度(θ)、すなわち、接合傾角(θ)は、非
対称45度とされている。ここでの両結晶の結晶軸がな
す角度(θ)が、非対称45度とは、一方の結晶の結晶
軸方向[100]が接合界面と平行であり、他方の結晶の
結晶軸方向[100]が接合界面となす角度が45度であ
る場合のことを言う。一方、接合傾角が対称45度と
は、両方の結晶の結晶軸方向[100]と接合界面のなす
角度がともに22.5度である。バイクリスタル基板3
の接合界面を形成する二つの結晶粒の結晶軸の接合傾角
(θ)が非対称45°であると、両結晶粒の粒界界面は
{110}面と{100}面、もしくは{110}面と{01
0}面とから構成されている。
の接合傾角(θ)がこの上に形成されるバイクリスタル
酸化物超電導膜6にそのまま反映されるため、基板3の
バイクリスタルを形成する2つの結晶の素材については
同一成分からなる結晶であり、かつその両結晶が接合界
面で結合していることが必要である。その両結晶の結晶
軸がなす角度(θ)、すなわち、接合傾角(θ)は、非
対称45度とされている。ここでの両結晶の結晶軸がな
す角度(θ)が、非対称45度とは、一方の結晶の結晶
軸方向[100]が接合界面と平行であり、他方の結晶の
結晶軸方向[100]が接合界面となす角度が45度であ
る場合のことを言う。一方、接合傾角が対称45度と
は、両方の結晶の結晶軸方向[100]と接合界面のなす
角度がともに22.5度である。バイクリスタル基板3
の接合界面を形成する二つの結晶粒の結晶軸の接合傾角
(θ)が非対称45°であると、両結晶粒の粒界界面は
{110}面と{100}面、もしくは{110}面と{01
0}面とから構成されている。
【0013】バイクリスタル酸化物超電導膜6の組成と
しては、特に制限されるわけではないが、REBa2C
u3O7-δ(但し、REは、Yと希土類元素のうちから
選択される1種以上の元素)系のバイクリスタル超電導
膜から構成されている。バイクリスタル酸化物超電導膜
6は、上記のバイクリスタル基板3上に形成されている
ため、図1に示したように接合界面の位置7及び接合界
面を形成する2つの結晶粒の結晶軸(a軸)8、9のな
す角度(θ)、すなわち接合傾角は、基板3の接合界面
の位置4及び基板の接合傾角(θ)がそのまま反映され
ており、バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面を
形成する二つの結晶粒は共にc軸配向結晶粒であって、
これら二つの結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}
面、もしくは{110}面と{010}面から構成されてい
る。
しては、特に制限されるわけではないが、REBa2C
u3O7-δ(但し、REは、Yと希土類元素のうちから
選択される1種以上の元素)系のバイクリスタル超電導
膜から構成されている。バイクリスタル酸化物超電導膜
6は、上記のバイクリスタル基板3上に形成されている
ため、図1に示したように接合界面の位置7及び接合界
面を形成する2つの結晶粒の結晶軸(a軸)8、9のな
す角度(θ)、すなわち接合傾角は、基板3の接合界面
の位置4及び基板の接合傾角(θ)がそのまま反映され
ており、バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面を
形成する二つの結晶粒は共にc軸配向結晶粒であって、
これら二つの結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}
面、もしくは{110}面と{010}面から構成されてい
る。
【0014】バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界
面を形成する二つの結晶粒の粒界界面が上記の面と面か
ら構成されている場合、一方の結晶の結晶軸(a軸)方
向が接合界面と平行方向に向いており、他方の結晶の結
晶軸(a軸)方向と上記一方の結晶の結晶軸(a軸)方
向のなす角度(θ)が非対称45度になっている。図2
は、バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面を形成
する二つの結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面
から構成されている場合の粒界界面の状態の説明図であ
る。
面を形成する二つの結晶粒の粒界界面が上記の面と面か
ら構成されている場合、一方の結晶の結晶軸(a軸)方
向が接合界面と平行方向に向いており、他方の結晶の結
晶軸(a軸)方向と上記一方の結晶の結晶軸(a軸)方
向のなす角度(θ)が非対称45度になっている。図2
は、バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面を形成
する二つの結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面
から構成されている場合の粒界界面の状態の説明図であ
る。
【0015】このバイクリスタル酸化物超電導膜6は、
上記のバイクリスタル基板3上に熱平衡状態での成長に
近く、2次元層成長法である液相エピタキシー法により
形成されているため、0.5μm以上の長い直線状の接
合界面を有しており、また、製造条件をコントロールす
ることにより、1.0μm以上の長い直線状の結合界面
を有することもできる。バイクリスタル基板3とバイク
リスタル酸化物超電導膜6の間には種晶が形成されるの
が好ましい。
上記のバイクリスタル基板3上に熱平衡状態での成長に
近く、2次元層成長法である液相エピタキシー法により
形成されているため、0.5μm以上の長い直線状の接
合界面を有しており、また、製造条件をコントロールす
ることにより、1.0μm以上の長い直線状の結合界面
を有することもできる。バイクリスタル基板3とバイク
リスタル酸化物超電導膜6の間には種晶が形成されるの
が好ましい。
【0016】次に、実施形態のバイクリスタル酸化物超
電導膜体の製造方法の例について、図3に示す液相エピ
タキシー成長装置に基づいて具体的に説明する。図3に
示す液相エピタキシー成長装置は、単結晶の製造に使用
するチョクラルスキー法による結晶成長装置等の液相結
晶装置と同様の構造のものである。その装置の構造は、
電気炉等の炉11内に、REBa2Cu3O7-δ(但し、
REは、Yと、Nd及びSm等の希土類元素のうちから
選択される1種以上の元素)系、例えば、Y−Ba −
Cu−O系等の酸化物超電導体を形成する融液を生成す
る原料成分を配置しており、その直上には表面に種晶の
薄膜を形成したMgO等のバイクリスタル基板3を配置
している。また、この基板3は、回転軸15の下端に結
合されている。
電導膜体の製造方法の例について、図3に示す液相エピ
タキシー成長装置に基づいて具体的に説明する。図3に
示す液相エピタキシー成長装置は、単結晶の製造に使用
するチョクラルスキー法による結晶成長装置等の液相結
晶装置と同様の構造のものである。その装置の構造は、
電気炉等の炉11内に、REBa2Cu3O7-δ(但し、
REは、Yと、Nd及びSm等の希土類元素のうちから
選択される1種以上の元素)系、例えば、Y−Ba −
Cu−O系等の酸化物超電導体を形成する融液を生成す
る原料成分を配置しており、その直上には表面に種晶の
薄膜を形成したMgO等のバイクリスタル基板3を配置
している。また、この基板3は、回転軸15の下端に結
合されている。
【0017】この装置によるバイクリスタル酸化物超電
導膜の製造は、炉11の加熱により原料成分を融解して
融液12を作り、その融液表面に、回転軸15の回転に
より回転すると共にゆっくり引き上げられる基板3を浸
漬して、その上に結晶を成長させることにより行う。そ
の結果、基板上には基板3と同様の位置に結合界面を有
し、かつ基板と同様の接合傾角、すなわち両結晶の結晶
軸がなす角度(θ)が非対称45度を有するバイクリス
タル酸化物超電導膜が形成される。なお、ここでの液相
成長操作の際、装置全体をわずかに(数度)傾斜させる
ことにより表面が清浄で平滑なものが得られる。
導膜の製造は、炉11の加熱により原料成分を融解して
融液12を作り、その融液表面に、回転軸15の回転に
より回転すると共にゆっくり引き上げられる基板3を浸
漬して、その上に結晶を成長させることにより行う。そ
の結果、基板上には基板3と同様の位置に結合界面を有
し、かつ基板と同様の接合傾角、すなわち両結晶の結晶
軸がなす角度(θ)が非対称45度を有するバイクリス
タル酸化物超電導膜が形成される。なお、ここでの液相
成長操作の際、装置全体をわずかに(数度)傾斜させる
ことにより表面が清浄で平滑なものが得られる。
【0018】その際に使用する基板3の材料としては、
先に述べた材料が用いられる。そして、基板への種晶の
形成は不可欠のものではなく、基板あるいは形成するバ
イクリスタルの材質によっては必要ないが、種晶は形成
した方が好ましい。また、種晶の厚みは、10〜500
nm程度の膜、すなわち、種膜がよい。その種膜の形成
は、パルスレーザーデポジション法(PLD法)、有機
金属化学気相デポジョン法(MDCVD)、スパッタ法
あるいは熱プラズマ蒸着法で行うことが可能であるが、
簡便さの点でPLD法やスパッタ法が好ましい。その種
晶は、完全な超電導体結晶とする必要はなく、不完全な
ものでもよい。なお、種晶の形成を不可欠としない基板
には、例えば、NdGaO3基板が挙げられる。
先に述べた材料が用いられる。そして、基板への種晶の
形成は不可欠のものではなく、基板あるいは形成するバ
イクリスタルの材質によっては必要ないが、種晶は形成
した方が好ましい。また、種晶の厚みは、10〜500
nm程度の膜、すなわち、種膜がよい。その種膜の形成
は、パルスレーザーデポジション法(PLD法)、有機
金属化学気相デポジョン法(MDCVD)、スパッタ法
あるいは熱プラズマ蒸着法で行うことが可能であるが、
簡便さの点でPLD法やスパッタ法が好ましい。その種
晶は、完全な超電導体結晶とする必要はなく、不完全な
ものでもよい。なお、種晶の形成を不可欠としない基板
には、例えば、NdGaO3基板が挙げられる。
【0019】また、基板3上に形成されるバイクリスタ
ル酸化物超電導膜6においては、上述したように接合界
面の位置7及び接合界面を形成する2つの結晶粒の結晶
軸(a軸)8、9のなす角度(θ)、すなわち接合傾角
は、基板の接合界面の位置4及び基板の接合傾角(θ)
がそのまま反映されている。
ル酸化物超電導膜6においては、上述したように接合界
面の位置7及び接合界面を形成する2つの結晶粒の結晶
軸(a軸)8、9のなす角度(θ)、すなわち接合傾角
は、基板の接合界面の位置4及び基板の接合傾角(θ)
がそのまま反映されている。
【0020】本発明においては、バイクリスタル酸化物
超電導膜を製造する材料についても特に制限されるわけ
ではなく、融液により超電導体を製造することが可能な
ものであれば、本発明の酸化物超電導膜は製造可能であ
る。それには、YBCO系超電導体以外に、NdBaC
uO系あるいはSmBaCuO系等の超電導体があり、
それらはいずれもREBa2Cu3O7-δ(但し、RE
は、Yと、Nd及びSm等の希土類元素のうちから選択
される1種以上の元素)と表記できる。また、製造され
る膜の厚さについては、1〜100μm程度がよく、そ
の膜厚の好ましい範囲については利用する目的、すなわ
ちそれを利用して形成するジョセフソン接合素子やSQ
UID等の電気素子の用途によって異なったものとな
る。
超電導膜を製造する材料についても特に制限されるわけ
ではなく、融液により超電導体を製造することが可能な
ものであれば、本発明の酸化物超電導膜は製造可能であ
る。それには、YBCO系超電導体以外に、NdBaC
uO系あるいはSmBaCuO系等の超電導体があり、
それらはいずれもREBa2Cu3O7-δ(但し、RE
は、Yと、Nd及びSm等の希土類元素のうちから選択
される1種以上の元素)と表記できる。また、製造され
る膜の厚さについては、1〜100μm程度がよく、そ
の膜厚の好ましい範囲については利用する目的、すなわ
ちそれを利用して形成するジョセフソン接合素子やSQ
UID等の電気素子の用途によって異なったものとな
る。
【0021】このバイクリスタル酸化物超電導膜の両結
晶が形成する接合界面については、それが直線状に形成
される長さが、従来技術の気相成長法で形成された10
〜100nmより、はるかに長い0.5μm以上、好ま
しくは1.0μmであり、それは本発明では、液相成長
法を採用することにより100μm以上のものも形成可
能である。本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体を
製造に使用できる液相成長法は、図3に具体的図示した
液相成長装置を用いる液相エピタキシー技術に限られる
わけでなく、液相成長により薄膜あるいは厚膜を形成す
ることができる技術であれば対応可能であり、それに
は、例えば単純固化法等がある。図3における液相成長
装置における加熱用の炉としては、抵抗加熱炉に限られ
るわけではなく、高周波加熱炉等であってもよく、要は
炉内の超電導膜体形成用の原料成分が円滑に溶融するも
のであればよい。また炉の雰囲気についても特に制限さ
れるわけでなく、大気中、真空中、窒素雰囲気中あるい
は酸素雰囲気中が使用可能である。
晶が形成する接合界面については、それが直線状に形成
される長さが、従来技術の気相成長法で形成された10
〜100nmより、はるかに長い0.5μm以上、好ま
しくは1.0μmであり、それは本発明では、液相成長
法を採用することにより100μm以上のものも形成可
能である。本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体を
製造に使用できる液相成長法は、図3に具体的図示した
液相成長装置を用いる液相エピタキシー技術に限られる
わけでなく、液相成長により薄膜あるいは厚膜を形成す
ることができる技術であれば対応可能であり、それに
は、例えば単純固化法等がある。図3における液相成長
装置における加熱用の炉としては、抵抗加熱炉に限られ
るわけではなく、高周波加熱炉等であってもよく、要は
炉内の超電導膜体形成用の原料成分が円滑に溶融するも
のであればよい。また炉の雰囲気についても特に制限さ
れるわけでなく、大気中、真空中、窒素雰囲気中あるい
は酸素雰囲気中が使用可能である。
【0022】本実施形態のバイクリスタル酸化物超電導
膜体は、バイクリスタル酸化物超電導膜6の界面の二つ
の結晶粒により形成される接合界面の存在により臨界電
流あるいはジョセフソン電流等の電気特性を発現するも
のである。従って、本実施形態のバイクリスタル酸化物
超電導膜体は、スイッチング素子、限流器あるいはジョ
セフソン接合を含む超電導リングを備えたSQUID等
の電気素子に好適に用いることができる。また、バイク
クリスタル酸化物超電導膜6の接合界面が上記したとお
り直線状に長く形成されているので、所定の長さに切断
してジョセフソン接合素子等の電気素子を形成した場
合、各素子間で特性にばらつきがなく、また長いままで
利用した場合においては、場所間での特性にばらつきの
ないものができ、いずれの場合も電気特性にばらつきが
なく、優れた電気素子が得られる。
膜体は、バイクリスタル酸化物超電導膜6の界面の二つ
の結晶粒により形成される接合界面の存在により臨界電
流あるいはジョセフソン電流等の電気特性を発現するも
のである。従って、本実施形態のバイクリスタル酸化物
超電導膜体は、スイッチング素子、限流器あるいはジョ
セフソン接合を含む超電導リングを備えたSQUID等
の電気素子に好適に用いることができる。また、バイク
クリスタル酸化物超電導膜6の接合界面が上記したとお
り直線状に長く形成されているので、所定の長さに切断
してジョセフソン接合素子等の電気素子を形成した場
合、各素子間で特性にばらつきがなく、また長いままで
利用した場合においては、場所間での特性にばらつきの
ないものができ、いずれの場合も電気特性にばらつきが
なく、優れた電気素子が得られる。
【0023】そして、本実施形態のバイクリスタル酸化
物超電導膜体からジョセフソン接合素子を形成するに
は、例えば、バイクリスタル酸化物超電導膜6をフォト
リソグラフィー技術と集束イオンビームを用いるエッチ
ング技術等により所望の線幅のパターンを形成し、この
パターン上にAuやAg等の電極等を形成することによ
りジョセフソン接合素子が得られる。なお、ここでパタ
ーンを形成する際、バイクリスタル酸化物超電導膜の接
合界面の位置がパターンの長さ方向と交差するように、
すなわち、パターンを横切るように形成される。本実施
形態の高温超電導ジョセフソン接合素子は、本実施形態
のバイクリスタル酸化物超電導膜体を用いて形成された
ものであり、バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界
面により生じる特性を利用している。
物超電導膜体からジョセフソン接合素子を形成するに
は、例えば、バイクリスタル酸化物超電導膜6をフォト
リソグラフィー技術と集束イオンビームを用いるエッチ
ング技術等により所望の線幅のパターンを形成し、この
パターン上にAuやAg等の電極等を形成することによ
りジョセフソン接合素子が得られる。なお、ここでパタ
ーンを形成する際、バイクリスタル酸化物超電導膜の接
合界面の位置がパターンの長さ方向と交差するように、
すなわち、パターンを横切るように形成される。本実施
形態の高温超電導ジョセフソン接合素子は、本実施形態
のバイクリスタル酸化物超電導膜体を用いて形成された
ものであり、バイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界
面により生じる特性を利用している。
【0024】本実施形態の高温超電導ジョセフソン接合
素子において、上記バイクリスタル酸化物超電導膜6の
接合界面により生じる特性は、後述する実施例の図9に
示すような0磁場で超電導臨界電流がほぼ0の極小値を
示し、しかも超電導臨界電流値は磁場の絶対値の増加と
ともに減少しながら周期的に極大、極小を繰り返すもの
であるので、従来のs−s波接合のジョセフソン接合の
フラウンホーファーパターンとは異なる特性を示すこと
ができ、新しい機能を有する超電導デバイスの実現が可
能であり、例えば、π−SQUIDに用いることにより
単一量子磁束量子デバイスにおいて新しい機能をもつ素
子を実現できる。また、バイククリスタル酸化物超電導
膜6の接合界面が上記のように直線状に長い形本実施形
態のバイクリスタル酸化物超電導体を所定の長さに切断
して形成したものであるので、各素子間で特性にばらつ
きがなく、また長いままで利用した場合においては、場
所間での特性にばらつきのないものができ、いずれの場
合も電気特性にばらつきがなく、優れたジョセフソン接
合素子が得られる。
素子において、上記バイクリスタル酸化物超電導膜6の
接合界面により生じる特性は、後述する実施例の図9に
示すような0磁場で超電導臨界電流がほぼ0の極小値を
示し、しかも超電導臨界電流値は磁場の絶対値の増加と
ともに減少しながら周期的に極大、極小を繰り返すもの
であるので、従来のs−s波接合のジョセフソン接合の
フラウンホーファーパターンとは異なる特性を示すこと
ができ、新しい機能を有する超電導デバイスの実現が可
能であり、例えば、π−SQUIDに用いることにより
単一量子磁束量子デバイスにおいて新しい機能をもつ素
子を実現できる。また、バイククリスタル酸化物超電導
膜6の接合界面が上記のように直線状に長い形本実施形
態のバイクリスタル酸化物超電導体を所定の長さに切断
して形成したものであるので、各素子間で特性にばらつ
きがなく、また長いままで利用した場合においては、場
所間での特性にばらつきのないものができ、いずれの場
合も電気特性にばらつきがなく、優れたジョセフソン接
合素子が得られる。
【0025】(SQUIDの実施形態)本発明のSQU
IDの一実施形態例について図4乃至図6を参照して以
下に説明する。本実施形態のSQUIDは、図4に示す
ように本実施形態のバイクリスタル酸化物超電導膜体を
用いて形成した高温超電導ジョセフソン接合素子の接合
界面の特性を有する高温超電導ジョセフソン接合JJを
2個含む超電導リング20が備えられた素子である。超
電導リング20は、本実施形態のバイクリスタル酸化物
超電導体のバイクリスタル酸化物超電導膜体6をフォト
リソグラフィー技術と、Arイオンを用いるイオンミリ
ング法等のエッチング技術により形成したものである。
この超電導リング20のジョセフソン接合JJは、図1
のバイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面の位置7
と同じ場所に生じている。この超電導リング20の上面
には、蒸着法等によりAuからなる取り出し電極25が
4個設けられている。図5は、図4に示すSQUIDの
等価回路を示す図である。図5からdc−SQUIDが
実現できることがわかる。本実施形態のSQUIDは、
後述の図10と同様に、0磁場で超電導臨界電流値がほ
ぼ0の極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返す特
性を示すことができる。従って、本実施形態のSQUI
Dは、従来のs−s波接合のジョセフソン接合を用いた
SQUIDと異なる特性を有していることがわかる。ま
た、本実施形態のジョセフソン接合素子の接合界面の特
性を有するジョセフソン接合JJを含むことにより、場
所間での特性にばらつきのないものができ、いずれの場
合も電気特性にばらつきがなく、優れたSQUIDが得
られる。
IDの一実施形態例について図4乃至図6を参照して以
下に説明する。本実施形態のSQUIDは、図4に示す
ように本実施形態のバイクリスタル酸化物超電導膜体を
用いて形成した高温超電導ジョセフソン接合素子の接合
界面の特性を有する高温超電導ジョセフソン接合JJを
2個含む超電導リング20が備えられた素子である。超
電導リング20は、本実施形態のバイクリスタル酸化物
超電導体のバイクリスタル酸化物超電導膜体6をフォト
リソグラフィー技術と、Arイオンを用いるイオンミリ
ング法等のエッチング技術により形成したものである。
この超電導リング20のジョセフソン接合JJは、図1
のバイクリスタル酸化物超電導膜6の接合界面の位置7
と同じ場所に生じている。この超電導リング20の上面
には、蒸着法等によりAuからなる取り出し電極25が
4個設けられている。図5は、図4に示すSQUIDの
等価回路を示す図である。図5からdc−SQUIDが
実現できることがわかる。本実施形態のSQUIDは、
後述の図10と同様に、0磁場で超電導臨界電流値がほ
ぼ0の極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返す特
性を示すことができる。従って、本実施形態のSQUI
Dは、従来のs−s波接合のジョセフソン接合を用いた
SQUIDと異なる特性を有していることがわかる。ま
た、本実施形態のジョセフソン接合素子の接合界面の特
性を有するジョセフソン接合JJを含むことにより、場
所間での特性にばらつきのないものができ、いずれの場
合も電気特性にばらつきがなく、優れたSQUIDが得
られる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
この実施例に限定されるものではなく特許請求の範囲の
記載に基づいて把握されるものであることはいうまでも
ない。この実施例においては、図3に図示する液相成長
装置を使用してバイクリスタル基板上にc軸配向の酸化
物超電導薄膜を成膜し、バイクリスタル酸化物超電導膜
体を製造した。その際には、上記したとおり装置全体を
わずかに傾斜させることにより膜表面に異相が残らずき
れいな表面が得られることから3゜傾斜させた。基板と
しては、MgOバイクリスタル基板を使用した。基板の
接合傾角(θ)については、非対称45゜のものを使用
した。バイクリスタル酸化物超電導膜を形成するに当た
っては、基板は、予めYBaCuOの種膜を形成したも
のを使用した。種膜の形成は、パルスレーザーデポジシ
ョン(Pulse Laser Deposition)法を使用し、真空雰囲
気中、基板温度680〜730℃で行った。その際のレ
ーザーの周波数は5Hzとした。
この実施例に限定されるものではなく特許請求の範囲の
記載に基づいて把握されるものであることはいうまでも
ない。この実施例においては、図3に図示する液相成長
装置を使用してバイクリスタル基板上にc軸配向の酸化
物超電導薄膜を成膜し、バイクリスタル酸化物超電導膜
体を製造した。その際には、上記したとおり装置全体を
わずかに傾斜させることにより膜表面に異相が残らずき
れいな表面が得られることから3゜傾斜させた。基板と
しては、MgOバイクリスタル基板を使用した。基板の
接合傾角(θ)については、非対称45゜のものを使用
した。バイクリスタル酸化物超電導膜を形成するに当た
っては、基板は、予めYBaCuOの種膜を形成したも
のを使用した。種膜の形成は、パルスレーザーデポジシ
ョン(Pulse Laser Deposition)法を使用し、真空雰囲
気中、基板温度680〜730℃で行った。その際のレ
ーザーの周波数は5Hzとした。
【0027】酸化物超電導膜形成用の原料成分として
は、Y1Ba2Cu3Ox粉末とBa3Cu7O10とが10:
90質量比で均一に混合された混合粉末を使用し、それ
を炉11内で960〜970℃にし、加熱溶融させた。
溶融後、融液温度を一旦980〜1050℃に上昇さ
せ、1時間保持した。ついで、910〜970℃に急冷
し、過飽和状態になったところで、種膜を形成した基板
を融液液面にわずかに接触させ、その状態を維持しなが
ら1分程度回転させた。
は、Y1Ba2Cu3Ox粉末とBa3Cu7O10とが10:
90質量比で均一に混合された混合粉末を使用し、それ
を炉11内で960〜970℃にし、加熱溶融させた。
溶融後、融液温度を一旦980〜1050℃に上昇さ
せ、1時間保持した。ついで、910〜970℃に急冷
し、過飽和状態になったところで、種膜を形成した基板
を融液液面にわずかに接触させ、その状態を維持しなが
ら1分程度回転させた。
【0028】その後引き続き回転させながらゆっくりと
引き上げることにより基板上にバイクリスタル酸化物超
電導膜を成長させた。成膜時の雰囲気は、窒素雰囲気と
し、基板の回転数は、軸の回転数の制御により80rp
mとし、基板の引き上げ速度は2μm/minとして、
成膜操作を2分間行った。形成された膜の厚さは3μm
であった。成膜後500℃の酸素中で、80時間酸化処
理を行った。得られた膜の組成は、Y1Ba2Cu3O6.9
であった。また、比較例として接合傾角(θ)が非対
称45゜のMgOバイクリスタル基板上に気相成長法に
より厚さ3μmのバイクリスタル酸化物超電導膜を成膜
し、バイクリスタル酸化物超電導体を得た。ここで得ら
れた膜の組成は、実施例と同様にY1Ba2Cu3O6.9
であった。
引き上げることにより基板上にバイクリスタル酸化物超
電導膜を成長させた。成膜時の雰囲気は、窒素雰囲気と
し、基板の回転数は、軸の回転数の制御により80rp
mとし、基板の引き上げ速度は2μm/minとして、
成膜操作を2分間行った。形成された膜の厚さは3μm
であった。成膜後500℃の酸素中で、80時間酸化処
理を行った。得られた膜の組成は、Y1Ba2Cu3O6.9
であった。また、比較例として接合傾角(θ)が非対
称45゜のMgOバイクリスタル基板上に気相成長法に
より厚さ3μmのバイクリスタル酸化物超電導膜を成膜
し、バイクリスタル酸化物超電導体を得た。ここで得ら
れた膜の組成は、実施例と同様にY1Ba2Cu3O6.9
であった。
【0029】また、実施例で得られたバイクリスタル酸
化物超電導膜は、図1と同様に基板と同一の位置に接合
界面が現出し、接合傾角(θ)も基板と同一となった。
その接合界面の微細構造(結晶構造)は、図6の光学顕
微鏡写真に示されるとおりであり、その接合界面は、数
百nm以上の長さで直線状に形成されていることがわか
る。一方、比較例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜の接合界面の微細構造(結晶構造)は、図7の光学
顕微鏡写真に示されるとおりであり、その接合界面の構
造は、200nmより小さい微小間隔で曲がりくねりが
生じた形状となっていることがわかる。
化物超電導膜は、図1と同様に基板と同一の位置に接合
界面が現出し、接合傾角(θ)も基板と同一となった。
その接合界面の微細構造(結晶構造)は、図6の光学顕
微鏡写真に示されるとおりであり、その接合界面は、数
百nm以上の長さで直線状に形成されていることがわか
る。一方、比較例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜の接合界面の微細構造(結晶構造)は、図7の光学
顕微鏡写真に示されるとおりであり、その接合界面の構
造は、200nmより小さい微小間隔で曲がりくねりが
生じた形状となっていることがわかる。
【0030】次に、実施例で得られたバイクリスタル酸
化物超電導膜体の臨界電流特性を測定するために、バイ
クリスタル酸化物超電導膜に集束イオンビームを照射
し、5〜50μm程度の線幅をもつストリップ状のパタ
ーンを形成した。ここでストリップ状のパターンを形成
する際、バイクリスタル酸化物超電導膜の接合界面の位
置がパターンの長さ方向と交差するように、すなわち、
パターンを横切るように形成される。図8に、実施例で
得られたバイクリスタル酸化物超電導膜からなるストリ
ップパターンの接合界面の微細構造(結晶構造)を電子
顕微鏡(TEM)に観察した結果を示す。図8から実施
例で得られたバイクリスタル酸化物超電導膜からなるス
トリップパターンの接合界面(バイクリスタル酸化物超
電導膜の接合界面)は、曲がりくねりもなく、直線的の
形状となっており、また、接合界面を形成する二つの結
晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面からなること
がわかる。
化物超電導膜体の臨界電流特性を測定するために、バイ
クリスタル酸化物超電導膜に集束イオンビームを照射
し、5〜50μm程度の線幅をもつストリップ状のパタ
ーンを形成した。ここでストリップ状のパターンを形成
する際、バイクリスタル酸化物超電導膜の接合界面の位
置がパターンの長さ方向と交差するように、すなわち、
パターンを横切るように形成される。図8に、実施例で
得られたバイクリスタル酸化物超電導膜からなるストリ
ップパターンの接合界面の微細構造(結晶構造)を電子
顕微鏡(TEM)に観察した結果を示す。図8から実施
例で得られたバイクリスタル酸化物超電導膜からなるス
トリップパターンの接合界面(バイクリスタル酸化物超
電導膜の接合界面)は、曲がりくねりもなく、直線的の
形状となっており、また、接合界面を形成する二つの結
晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面からなること
がわかる。
【0031】次に、作製したストリップパターンにAu
電極を形成し、種々の温度(K)、磁場(G)で電流−
電圧特性を四端子法により測定した。また、ここでの測
定は、1μVを臨界電流の基準電圧として磁界を掃引し
ながら、超電導臨界電流Icの磁場H依存性を調べた。
その結果、実施例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜からなるストリップパターンは、図9に示すよう
に、通常のs波対称性を有する超電導体のフラウンホー
ファパターンと異なり、特異な超電導臨界電流−磁場特
性(超電導臨界電流−磁界特性)、すなわち、0G(0
磁場)で超電導臨界電流がほぼ0μAの極小値を示し、
しかも超電導臨界電流値は磁場の絶対値の増加とともに
減少しながら周期的に極大、極小を繰り返す特性をもつ
ことがわかる。実施例の酸化物超電導バイクリスタル膜
からなるストリップパターンが示す特性のうち0G(0
磁場)で超電導臨界電流がほぼ0の極小値を示すこと
は、s波対称性を有する超電導体では起こり得ない。
電極を形成し、種々の温度(K)、磁場(G)で電流−
電圧特性を四端子法により測定した。また、ここでの測
定は、1μVを臨界電流の基準電圧として磁界を掃引し
ながら、超電導臨界電流Icの磁場H依存性を調べた。
その結果、実施例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜からなるストリップパターンは、図9に示すよう
に、通常のs波対称性を有する超電導体のフラウンホー
ファパターンと異なり、特異な超電導臨界電流−磁場特
性(超電導臨界電流−磁界特性)、すなわち、0G(0
磁場)で超電導臨界電流がほぼ0μAの極小値を示し、
しかも超電導臨界電流値は磁場の絶対値の増加とともに
減少しながら周期的に極大、極小を繰り返す特性をもつ
ことがわかる。実施例の酸化物超電導バイクリスタル膜
からなるストリップパターンが示す特性のうち0G(0
磁場)で超電導臨界電流がほぼ0の極小値を示すこと
は、s波対称性を有する超電導体では起こり得ない。
【0032】次に、実施例で得られたバイクリスタル酸
化物超電導膜体を用いて図4と同様のSQUIDを作製
した。この実施例のSQUIDの超電導リング20の配
線パターンは、幅5μm、長さ30μmであり、また、
リングの大きさは、30μm×30μmであった。この
SQUIDのバイクリスタル酸化物超電導膜6の電気抵
抗の温度依存性を調べたところ88K以下で、超電導特
性を示し、良質の薄膜dc−SQUIDであることがわ
かった。
化物超電導膜体を用いて図4と同様のSQUIDを作製
した。この実施例のSQUIDの超電導リング20の配
線パターンは、幅5μm、長さ30μmであり、また、
リングの大きさは、30μm×30μmであった。この
SQUIDのバイクリスタル酸化物超電導膜6の電気抵
抗の温度依存性を調べたところ88K以下で、超電導特
性を示し、良質の薄膜dc−SQUIDであることがわ
かった。
【0033】図10に、実施例のSQUIDの77Kに
おける超電導臨界電流の磁場依存性を示す。図10から
実施例のSQUIDは、0磁場で超電導臨界電流値がほ
ぼ0の極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返すこ
とがわかる。また、図11に直流バイアス電流のもとで
の実施例のSQUIDの出力電圧と磁場の関係を示す。
図10乃至図11から実施例のSQUIDの超電導臨界
電流は、周期的な磁場依存性が観測され、高感度性能が
実現されていることがわかる。なお、周期の磁場は、
0.02Gで超電導リング20の面積と単一磁束量子の
関係から求められる値に一致した。従って、実施例のS
QUIDは、従来のs−s波接合のジョセフソン接合を
用いたSQUIDと異なる特性を有していることがわか
る。
おける超電導臨界電流の磁場依存性を示す。図10から
実施例のSQUIDは、0磁場で超電導臨界電流値がほ
ぼ0の極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返すこ
とがわかる。また、図11に直流バイアス電流のもとで
の実施例のSQUIDの出力電圧と磁場の関係を示す。
図10乃至図11から実施例のSQUIDの超電導臨界
電流は、周期的な磁場依存性が観測され、高感度性能が
実現されていることがわかる。なお、周期の磁場は、
0.02Gで超電導リング20の面積と単一磁束量子の
関係から求められる値に一致した。従って、実施例のS
QUIDは、従来のs−s波接合のジョセフソン接合を
用いたSQUIDと異なる特性を有していることがわか
る。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明のバイクリス
タル酸化物超電導膜体は、バイクリスタル基板上に形成
されたバイクリスタル酸化物超電導膜の接合界面を形成
する二つの結晶粒が共にc軸配向結晶粒であって、これ
ら二つの結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面、
もしくは{110}面と{010}面からなるものであるの
で、接合界面に曲がりくねりのない、すなわちSQUI
D等の電気素子としても利用可能な直線状の接合界面を
有するバイクリスタル酸化物超電導膜体を提供できる。
また、本発明の高温超電導ジョセフソン接合素子は、
上記の構成の本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体
が備えられ、上記バイクリスタル酸化物超電導膜の接合
界面により生じる特性を利用しているので、0磁場で超
電導臨界電流がほぼ0の極小値を示し、しかも超電導臨
界電流値は磁場の絶対値の増加とともに周期的に極大、
極小を繰り返す特性を示すことができ、金属系超電導体
によるs−s波接合のジョセフソン接合のフラウンホー
ファーパターンとは異なる超電導臨界電流−磁界依存性
(超電導臨界電流−磁場依存性)を示す高温超電導ジョ
セフソン接合素子を提供できる。また、本発明の超電導
量子干渉素子は、上記構成の本発明の高温超電導ジョセ
フソン接合素子の接合界面の特性を有する高温超電導ジ
ョセフソン接合を2個以上含む超電導リングが備えられ
た素子であって、0磁場で超電導臨界電流値がほぼ0の
極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返す特性を示
すので、新しい機能を有する超電導量子干渉素子を実現
できる。
タル酸化物超電導膜体は、バイクリスタル基板上に形成
されたバイクリスタル酸化物超電導膜の接合界面を形成
する二つの結晶粒が共にc軸配向結晶粒であって、これ
ら二つの結晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面、
もしくは{110}面と{010}面からなるものであるの
で、接合界面に曲がりくねりのない、すなわちSQUI
D等の電気素子としても利用可能な直線状の接合界面を
有するバイクリスタル酸化物超電導膜体を提供できる。
また、本発明の高温超電導ジョセフソン接合素子は、
上記の構成の本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体
が備えられ、上記バイクリスタル酸化物超電導膜の接合
界面により生じる特性を利用しているので、0磁場で超
電導臨界電流がほぼ0の極小値を示し、しかも超電導臨
界電流値は磁場の絶対値の増加とともに周期的に極大、
極小を繰り返す特性を示すことができ、金属系超電導体
によるs−s波接合のジョセフソン接合のフラウンホー
ファーパターンとは異なる超電導臨界電流−磁界依存性
(超電導臨界電流−磁場依存性)を示す高温超電導ジョ
セフソン接合素子を提供できる。また、本発明の超電導
量子干渉素子は、上記構成の本発明の高温超電導ジョセ
フソン接合素子の接合界面の特性を有する高温超電導ジ
ョセフソン接合を2個以上含む超電導リングが備えられ
た素子であって、0磁場で超電導臨界電流値がほぼ0の
極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返す特性を示
すので、新しい機能を有する超電導量子干渉素子を実現
できる。
【図1】 本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体の
実施形態例を示す斜視図である。
実施形態例を示す斜視図である。
【図2】 本実施形態のバイクリスタル酸化物超電導膜
の接合界面を形成する二つの結晶粒の粒界界面が{11
0}面と{100}面から構成されている場合の粒界界面
の状態の説明図である。
の接合界面を形成する二つの結晶粒の粒界界面が{11
0}面と{100}面から構成されている場合の粒界界面
の状態の説明図である。
【図3】 本発明のバイクリスタル酸化物超電導膜体の
製造に好適に用いられる液相成長装置の1例を示す図で
ある。
製造に好適に用いられる液相成長装置の1例を示す図で
ある。
【図4】 本実施形態のSQUIDの概略構成を示す平
面図である。
面図である。
【図5】 図4のSQUIDの等価回路を示す図であ
る。
る。
【図6】 実施例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜の接合界面の結晶構造を示す光学顕微鏡写真であ
る。
導膜の接合界面の結晶構造を示す光学顕微鏡写真であ
る。
【図7】 比較例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜の接合界面の結晶構造を示す光学顕微鏡写真であ
る。
導膜の接合界面の結晶構造を示す光学顕微鏡写真であ
る。
【図8】 実施例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜からなるストリップパターンの接合界面の結晶構造
を示す電子顕微鏡写真である。
導膜からなるストリップパターンの接合界面の結晶構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図9】 実施例で得られたバイクリスタル酸化物超電
導膜の超電導臨界電流の磁場依存性を示す図である。
導膜の超電導臨界電流の磁場依存性を示す図である。
【図10】 実施例のSQUIDの77Kにおける超電
導臨界電流の磁場依存性を示す図である。
導臨界電流の磁場依存性を示す図である。
【図11】 直流バイアス電流のもとでの実施例のSQ
UIDの出力電圧と磁場の関係を示す図である。
UIDの出力電圧と磁場の関係を示す図である。
【図12】 従来のs−s波接合型のジョセフソン接合
素子の説明図である。
素子の説明図である。
【図13】 従来のs−s波接合型のSQUIDの説明
図である。
図である。
3 バイクリスタル基板 4 バイクリスタル基板の接合界面の位置 6 バイクリスタル酸化物超電導膜 7 バイクリスタル酸化物超電導膜の接合界面の位置 8、9 バイクリスタル酸化物超電導膜の結晶軸 20 超電導リング 25 取り出し電極 JJ ジョセフソン接合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 公一 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超 電導工学研究所内 (72)発明者 山田 容士 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超 電導工学研究所内 (72)発明者 文 建国 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超 電導工学研究所内 (72)発明者 榎本 陽一 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超 電導工学研究所内 (72)発明者 平林 泉 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超 電導工学研究所内 (72)発明者 腰塚 直己 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団法 人 国際超電導産業技術研究センター 超 電導工学研究所内 Fターム(参考) 4G077 AA03 BC52 CG01 ED06 HA10 4M113 AA52 AC08 AC39 AD35 AD36 AD37 BA01 BA04 BA18 BA21 CA34 5G321 AA01 AA04 CA04 CA21 CA27
Claims (6)
- 【請求項1】 バイクリスタル基板上に形成されたバイ
クリスタル酸化物超電導膜の接合界面を形成する二つの
結晶粒が共にc軸配向結晶粒であって、これら二つの結
晶粒の粒界界面が{110}面と{100}面、もしくは
{110}面と{010}面からなることを特徴とするバイ
クリスタル酸化物超電導膜体。 - 【請求項2】 バイクリスタル酸化物超電導膜は、0.
5μm以上の長い直線状の接合界面を有していることを
特徴とする請求項1記載のバイクリスタル酸化物超電導
膜体。 - 【請求項3】 前記バイクリスタル酸化物超電導膜は、
酸化マグネシウムバイクリスタル基板上に液相エピタキ
シー法により形成されたREBa2Cu3O7- δ(但し、
REは、Yと希土類元素のうちから選択される1種以上
の元素)系のバイクリスタル超電導膜であることを特徴
とする請求項1又は2記載のバイクリスタル酸化物超電
導膜体。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一項のバイク
リスタル酸化物超電導膜体が備えられ、前記バイクリス
タル酸化物超電導膜の接合界面により生じる特性を利用
した高温超電導ジョセフソン接合素子。 - 【請求項5】 前記バイクリスタル酸化物超電導膜の接
合界面により生じる特性は0磁場で超電導臨界電流がほ
ぼ0の極小値を示し、しかも超電導臨界電流値は磁場の
絶対値の増加とともに周期的に極大、極小を繰り返すこ
とを特徴とする請求項4記載の高温超電導ジョセフソン
接合素子。 - 【請求項6】 請求項4又は5記載の高温超電導ジョセ
フソン接合素子の接合界面の特性を有する高温超電導ジ
ョセフソン接合を2個以上含む超電導リングが備えられ
た素子であって、0磁場で超電導臨界電流値がほぼ0の
極小値を示し、周期的に極大、極小を繰り返すことを特
徴とする超電導量子干渉素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000182223A JP2002009353A (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | バイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導量子干渉素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000182223A JP2002009353A (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | バイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導量子干渉素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002009353A true JP2002009353A (ja) | 2002-01-11 |
Family
ID=18683026
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000182223A Pending JP2002009353A (ja) | 2000-06-16 | 2000-06-16 | バイクリスタル酸化物超電導膜体及び該膜体を用いた高温超電導ジョセフソン接合素子並びに超電導量子干渉素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002009353A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100853716B1 (ko) * | 2007-05-29 | 2008-08-25 | 일진전기 주식회사 | 촉매전기히터를 이용한 질소산화물 저감장치 |
KR100857511B1 (ko) * | 2007-05-29 | 2008-09-08 | 일진홀딩스 주식회사 | 바이패스관을 이용한 질소산화물 저감장치 |
WO2009119411A1 (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ZnO単結晶の製造方法、それによって得られた自立ZnO単結晶ウエファー、並びに自立Mg含有ZnO系混晶単結晶ウエファーおよびそれに用いるMg含有ZnO系混晶単結晶の製造方法 |
JP2009234825A (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-15 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | ZnO単結晶の製造方法およびそれによって得られた自立ZnO単結晶ウエファー |
CN109964139A (zh) * | 2016-08-26 | 2019-07-02 | 皇家霍洛威和贝德福德新学院 | 超导装置 |
-
2000
- 2000-06-16 JP JP2000182223A patent/JP2002009353A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100853716B1 (ko) * | 2007-05-29 | 2008-08-25 | 일진전기 주식회사 | 촉매전기히터를 이용한 질소산화물 저감장치 |
KR100857511B1 (ko) * | 2007-05-29 | 2008-09-08 | 일진홀딩스 주식회사 | 바이패스관을 이용한 질소산화물 저감장치 |
WO2009119411A1 (ja) * | 2008-03-26 | 2009-10-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | ZnO単結晶の製造方法、それによって得られた自立ZnO単結晶ウエファー、並びに自立Mg含有ZnO系混晶単結晶ウエファーおよびそれに用いるMg含有ZnO系混晶単結晶の製造方法 |
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