JP2002009023A - 半導体基板金属膜研磨用組成物 - Google Patents

半導体基板金属膜研磨用組成物

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JP2002009023A
JP2002009023A JP2000186637A JP2000186637A JP2002009023A JP 2002009023 A JP2002009023 A JP 2002009023A JP 2000186637 A JP2000186637 A JP 2000186637A JP 2000186637 A JP2000186637 A JP 2000186637A JP 2002009023 A JP2002009023 A JP 2002009023A
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polishing
metal film
semiconductor substrate
composition
cellulose
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JP2000186637A
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Masahisa Yokota
昌久 横田
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
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Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板上の金属膜を平坦化する工程にお
いて、金属膜を高速に研磨し、かつ金属膜/絶縁膜の研
磨選択性および段差平坦性に優れ、スクラッチ、ディッ
シング等研磨面の欠陥の発生も抑制できる金属研磨用組
成物およびそれを用いてなる半導体基板上の金属膜の平
坦化方法ならびに半導体基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 金属研磨用組成物として、酸化チタン、
酸化タングステンを含む研磨材を主成分とし、これに鉄
(III)化合物および/またはバナジウム(III〜
V)化合物を研磨促進剤および必要に応じて低結晶性微
細セルロースを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板上に形
成された金属膜を、欠陥を発生させずに高速に研磨し、
しかも金属膜/絶縁膜の研磨選択性に優れ、平坦性の極
めて高い研磨面を得る研磨用組成物、およびそれを用い
てなる半導体基板上の金属膜の平坦化方法、ならびに半
導体基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】LSI技術の急速な進展により、集積回
路は益々微細化や多層配線化の傾向にある。集積回路に
おける多層配線化は、半導体表面の凹凸を極めて大きく
し、これが集積回路の微細化とも間まって断線や電気容
量の低下、エレクトロマイグレーションの発生などをも
たらし、歩留まりの低下や信頼性上の問題をきたす原因
となっている。このため、これまでに多層配線基板にお
ける金属配線や層間絶縁膜を平坦化する種々の加工技術
が開発されてきており、その一つにCMP(Chemical M
echanical Polishing:化学機械的研磨)技術がある。
CMP技術は、半導体製造において層間絶縁膜の平坦
化、埋め込み配線形成、プラグ形成等に必要となる技術
である。
【0003】CMPは、通常半導体材料からなる平坦な
ウェハーをポリッシングプラテンに装着し、湿ったポリ
ッシングパッドに対し一定の圧力で押し付けながらポリ
ッシングプラテンおよびポリッシングパッド各々を回転
することにより行われる。この時ウェハーとポリッシン
グパッドの間に導入される研磨用組成物により、配線や
絶縁膜の凸部を研磨し平坦化を行う。従来より、半導体
基板の金属膜の研磨には種々の研磨用組成物や研磨方法
の提案がなされている。例えば半導体基板上に形成され
たアルミニウム等金属膜の研磨用組成物としては、酸化
アルミニウムをPH3以下の硝酸水溶液中に分散してな
る研磨用組成物(米国特許第4,702,792号)、酸
化アルミニウムや酸化ケイ素を硫酸、硝酸、酢酸等の酸
性水溶液と混合してなる研磨用組成物(米国特許第4,
944,836号)がある。また、酸化アルミニウムを
過酸化水素とリン酸水溶液中に分散した研磨用組成物
(米国特許第5,209,816号)など、酸化アルミニ
ウムまたは酸化ケイ素等の研磨材と、過酸化水素等の酸
化剤よりなる研磨用組成物が通常使用されている。しか
しながら、半導体基板上の金属膜の平坦化に酸化アルミ
ニウムを用いた場合、α型では高い研磨速度を示す反
面、金属膜や絶縁膜の表面にマイクロスクラッチやオレ
ンジピール等の欠陥を発生させることがあった。一方、
γ型や非晶質アルミナまたは酸化ケイ素等の研磨材を用
いた場合、金属膜や絶縁膜の表面のマイクロスクラッチ
やオレンジピール等の欠陥発生を抑えることができる
が、金属膜の研磨に際して十分な研磨速度が得られない
という問題があった。また酸化ケイ素の場合、酸性領域
では表面電荷が不安定になることから粒子の凝集が起こ
り、マイクロスクラッチ等の表面欠陥が発生し易くなる
という問題があった。この他にも、前述のように液状酸
化剤である過酸化水素を用いた場合や、過硫酸アンモニ
ウム等の金属エッチャントを用いた場合(特開平6−3
13164号)、ウェットエッチングが過度に進むこと
によりディッシングやピット、ボイド等の欠陥が発生す
るなど実用化に際し問題があった。
【0004】また、特開平10−163141号では、
二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、窒化
ケイ素、および酸化ジルコニウムからなる群より選ばれ
る研磨剤および水とともに鉄(III)化合物を含む研
磨用組成物が提案されており、過酸化水素等を用いる場
合に較べて銅の研磨速度が速く、しかもスクラッチ、エ
ッチングの発生が少ないとしている。しかしながら、研
磨速度を高めて生産性を上げようと鉄(III)化合物
のような研磨促進剤を大量に使用したり研磨条件を厳し
くするなどするため、ディッシングやスクラッチの発生
が防げない。また、実際の半導体の研磨工程においては
どこで研磨を終了させるかを厳密に管理できることが重
要であり、その為には単に研磨速度が速いだけでは不十
分であり、研磨速度を任意に調節できる技術が重要であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、半導体基板
上の金属膜を高速に研磨し、かつ段差部の平坦性やウェ
ハー面内の均一性に優れ、また研磨微粒子の分散安定性
が極めて良好なことやエッチング性能の抑制が可能であ
ることから被研磨面の欠陥発生を抑制し、金属膜/絶縁
膜の研磨選択性にも優れ、且つ研磨速度の調整が可能な
金属膜研磨用組成物およびそれを用いてなる平坦化方
法、ならびに半導体基板の製造方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、(A)酸化チタ
ン、酸化タングステン、および、酸化チタンおよび酸化
タングステンから選ばれた少なくとも一種とアルミナ、
セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、およびジルコ
ニアから選ばれた少なくとも一種との複合材料より、な
る群から選ばれた少なくとも1種からなる研磨材、およ
び(B)鉄(III)化合物および/またはバナジウム
(III〜V)化合物を含むことを特徴とする半導体基
板金属膜研磨用組成物が基板上の金属膜の研磨において
有効であることを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明は第1に、(A)酸化チ
タン、酸化タングステン、および、酸化チタンおよび酸
化タングステンから選ばれた少なくとも一種とアルミ
ナ、セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、およびジ
ルコニアから選ばれた少なくとも一種との複合材料、よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種からなる研磨材、
および(B)鉄(III)化合物および/またはバナジ
ウム(III〜V)化合物を含むことを特徴とする半導
体基板金属膜研磨用組成物であり、第2に、第1の発明
の研磨用組成物を用いることを特徴とする半導体基板金
属膜の研磨方法、第3に、第1の発明の研磨用組成物を
用いることを特徴とする半導体基板の製造方法を提供す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明について、以下に具体的に
説明する。本発明の研磨用組成物は、(A)酸化チタ
ン、酸化タングステン、および、酸化チタンおよび酸化
タングステンから選ばれた少なくとも一種とアルミナ、
セリア、ゲルマニア、シリカ、チタニア、およびジルコ
ニアから選ばれた少なくとも一種との複合材料、よりな
る群から選ばれた少なくとも1種からなる研磨材、およ
び(B)鉄(III)化合物および/またはバナジウム
(III〜V)化合物を含むことを特徴とする。
【0009】本発明で使用する研磨材は酸化チタン、お
よび/または酸化タングステンを含有するものであり、
これら単独の粒子、酸化チタンおよび酸化タングステン
から選ばれる少なくとも一種とアルミナ、セリア、ゲル
マニア、シリカ、チタニア、およびジルコニアから選ば
れた少なくとも一種との複合材料の粒子、あるいはこれ
ら単独の粒子と複合材料の粒子の混合である。研磨材と
して酸化チタン、酸化タングステン単独の粒子を用いる
場合、その製法は一般に公知の方法が適用できる。例え
ば酸化チタンの場合、硫酸法または塩酸法により焼成過
程を経て紛体とする方法や、硫酸チタンや四塩化チタン
の水溶液を加熱加水分解した後、中和処理等により水中
に分散させたヒドロゾルとする方法、四塩化チタンを気
相火炎法にて粉体を得る方法などがある。
【0010】一方、研磨材として酸化チタン及び/また
は酸化タングステンとアルミナ、セリア、ゲルマニア、
シリカ、チタニア、ジルコニアから選ばれた少なくとも
一種との複合材料を用いる場合、その調整方法としては
固相反応、共沈法、含浸法、気相法等の公知の方法が適
用できる。例えば酸化チタンと二酸化ケイ素の複合材料
の場合、フュームドシリカ、コロイダルシリカ等のシリ
カ粒子を適当な分散媒中でチタンアルコキシドを用いて
複合化させる方法や、酸化チタン粒子を適当な分散媒中
でハイドロジェンシリコーンポリマーを修飾した後焼成
して調整する方法、また両者の原料アルコキシドの加水
分解速度を制御して均質な複合酸化物を調整する配位化
学的ゾルゲル法等を挙げることができる。
【0011】本発明の研磨用組成物に用いる研磨材は通
常、光散乱法により測定した平均粒子径が約15μm以
下のものが好適に用いられる。本発明は、酸化チタン、
酸化タングステンを含有する研磨材を含む研磨用組成物
を使用するに当り、研磨促進剤として鉄(III)化合
物および/またはバナジウム(III〜V)化合物を用
いることを特徴とする。本発明の研磨用組成物に用いる
鉄(III)化合物および/またはバナジウム(III
〜V)化合物の量はそれぞれの化合物の種類、研磨材の
組成、製造方法、研磨条件等により異なるが、通常0.
01〜20重量%程度添加される。特に本発明の研磨用
組成物の場合、低濃度領域でも研磨速度の低下が見られ
ないばかりか、研磨促進剤濃度のある領域以下において
は研磨速度が濃度の低下に応じて下がることを見出し
た。
【0012】その理由は定かではないが、次のように推
察できる。例えば、酸化チタンと鉄(III)化合物を
用いる場合、酸化チタンが鉄(III)イオンを表面に
有効に吸着する一方、鉄(II)イオンはわずかにしか
吸着しない性質を有するため、研磨材自体がその表面に
酸化作用を有することから、促進剤の濃度が低くなって
も研磨速度が速く保たれる研磨材が接触した箇所が選択
的に研磨されるため高度な平坦化を行うことができるも
のと考えられる。その研磨速度の調整が可能になってい
るのではないかと考えられる。
【0013】上記のような研磨促進剤は従来から知られ
ており、銅のような金属を酸化し、研磨材による機械的
な研磨性能を高めるために用いられる。しかしながら、
従来の方法のごとく、酸化チタン、酸化タングステンを
含有する研磨材を用いない場合、研磨速度を上げるため
に研磨促進剤の濃度を高めざるをえなかった。その為デ
ィッシングやピットといったこれまでオーバーエッチン
グにより引き起こされた欠陥の発生しやすくなるという
欠点を生じることになる。
【0014】本発明の場合、研磨用組成物中の研磨促進
剤の濃度を低く保っても研磨速度が高いため、ディッシ
ングやピットといったこれまでオーバーエッチングによ
り引き起こされた欠陥の発生を抑制できる。本発明の研
磨用組成物を用いることの副次的な効果として、研磨促
進剤濃度のある領域以下においては研磨速度が濃度の低
下に応じて下がることを応用することにより研磨速度の
調節もできるので研磨の工程の簡素化が可能となる。
【0015】公知の方法では、研磨促進剤を大過剰に使
用するため、研磨速度をコントロールが難しく、特に研
磨終点のコントロール性が悪くなる。従って、第一のス
テップとして高研磨速度条件で研磨後、別の研磨工程で
第二ステップとして低研磨速度条件で研磨終点のコント
ロールや表面の欠陥発生の防止を防ぐなどの対策をとら
ざるを得ず、工程が複雑となっていた。本発明の方法で
は、研磨促進剤濃度のある領域以下になると研磨速度が
下がるという特長を有するため、その領域付近で研磨促
進剤の量を細かくコントロールすることにより、高速で
の研磨から低速への研磨の移行が容易になり、特に研磨
の終点をコントロールすることができるようになる。
【0016】実際、ウエハを研磨する際に研磨用組成物
をバッチ式に供給するような場合、研磨する金属の量を
考慮して研磨促進剤の添加量を決めることにより、研磨
工程の大部分の時間を高速で研磨し、終盤の部分では研
磨速度が下がるため研磨時間を短縮しても、終点の調整
はやりやすいばかりでなく、欠陥の発生も抑制すること
が1工程で実施できるようになる。研磨用組成物を連続
的に供給しながら研磨を行う場合でも、添加する研磨促
進剤の量をコントロールすることで同様の効果を得るこ
とができる。
【0017】研磨促進剤に用いる鉄(III)化合物の
例としては、硫酸アンモニウム鉄、塩化鉄、臭化鉄、鉄
アセチルアセトナート、クエン酸鉄、燐酸鉄、2−エチ
ルヘキサン酸鉄、硝酸鉄、過塩素酸鉄等が挙げられる。
また研磨促進剤に用いるバナジウム(III〜V)化合
物の例としては、塩化バナジウム、ナフテン酸バナジウ
ム、ステアリン酸バナジウム、酸化硫酸バナジウムなど
があげられる。
【0018】本発明における金属膜研磨用組成物には、
低結晶性微細セルロースを含有させることができる。こ
れにより研磨材粒子の分散安定性が向上し、粒子凝集に
起因する研磨面のスクラッチ傷が抑制されると共に、金
属膜/絶縁膜の研磨選択性も向上する。また、適度な増
粘効果によりスラリー粒子の研磨面への保持性が良好と
なりスラリー消費量が削減でき、さらに良好な分散性か
ら使用済みスラリーは回収した後も再使用できるなど低
コスト化が図れるという特徴も発揮される。本発明に用
いられるセルロースは、平均重合度(DP):100以
下、セルロースI型結晶成分の分率が0.1以下、セル
ロースII型結晶成分の分率が0.4以下であり、かつ
構成するセルロース粒子の平均粒径が5μm以下という
低重合度、低結晶性に特徴がある。ここで平均重合度
(DP)は、乾燥セルロース試料をカドキセンに溶解し
た希釈セルロース溶液の比粘度をウベローデ型粘度計で
測定し(25℃)、その極限粘度数[η]から下記粘度式
(1)および換算式(2)により算出される値である。 [η]=3.85×10-2×MW0.76 (1) DP=MW/162 (2)
【0019】また、セルロールI型結晶成分の分率(χ
)とは、セルロース分散体を乾燥して試料を粉状に粉
砕し錠剤に成形し、線源CuKαで反射法で得た広角X
線回折図において、セルロースI型結晶の(110)面
ピークに帰属される2θ=15.0°にける絶対ピーク
強度h0と、この面間隔におけるベースラインからのピ
ーク強度h1から下記(3)式によって求められる値を
意味する。またセルロースII型結晶成分の分率(χ
II)も同様に、乾燥セルロース試料を粉状に粉砕し錠
剤に成形し、線源CuKαで反射法で得た広角X線回折
図において、セルロースII型結晶の(110)面ピー
クに帰属される2θ=12.6°にける絶対ピーク強度
0*と、この面間隔におけるベースラインからのピー
ク強度h1*から下記(4)式によって求められる値を
意味する。 χ = h1/h0 (3) χII=h1*/h0* (4)
【0020】上記セルロースの平均粒子径は、水中にお
ける粒子間会合を可能な限り切断した状態で、レーザー
回折式等の光散乱法方式により測定した値を示すもので
あり、具体的にはセルロース濃度が約0.5重量%にな
るように水で希釈した後、15000rpm以上の能力
を持つブレンダーで10分間混合処理を行い均一な分散
液とし、次にこれを30分間超音波処理をした試料を測
定したものである。上記セルロースの含量は、使用する
パッド等の条件により異なるが、概ね組成物の全重量に
対して0.1〜5重量%の範囲で用いられる。0.1重
量%より少ないと添加による効果が十分えら得ず、また
5重量%を越えると得られる組成物の粘度が高くなり過
ぎ、取扱い上不具合が生じる。
【0021】本発明における金属膜研磨用組成物には酸
を含有してもよく、用いる酸の種類や得られるスラリー
のPHにより金属膜の研磨性能を制御することができ
る。含有される酸としては公知の無機酸、例えば硫酸、
リン酸、硝酸等、または公知の有機酸、例えばシュウ
酸、酢酸等が挙げられるが、このうち好ましくは硫酸が
挙げられる。研磨用組成物のスラリーPHは、通常約7
以下、好ましくは約5以下で使用される。また、本発明
には必要に応じて鉄(III)化合物および/またはバ
ナジウム(III〜V)化合物以外の公知の酸化剤を含
有しても良い。酸化剤の使用により、オーバーエッチン
グを引き起こさない範囲で金属膜の研磨速度を向上させ
たり、研磨された金属膜の不均一な溶出を防止すること
が期待される。含有させる酸化剤としては、公知の酸化
剤、例えば過酸化物、過塩素酸、過塩素酸塩、ヨウ素
酸、ヨウ素酸塩、過硫酸、過硫酸塩等を挙げることがで
きる。
【0022】本発明の金属膜研磨用組成物は、基本組成
として光触媒性能を有する研磨材を水に分散させたスラ
リー状で用いられる。スラリー状にする分散方法として
は、例えばホモジナイザー、超音波、湿式媒体ミル等に
よる分散方法が挙げられる。スラリー濃度(金属膜研磨
用組成物中の研磨材の含有量)は、通常約1〜30重量
%である。必要に応じてポリカルボン酸アンモニウム等
の公知の分散剤やエタノール、n−プロパノール、is
o−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン等
の水溶性アルコール、またアルキルベンゼンスルホン酸
塩等の界面活性剤やエチレンジアミン四酢酸塩、グルコ
ン酸塩等のキレート化剤を添加することもできる。
【0023】このようにして調整された本発明の金属膜
研磨用研磨用組成物は、半導体基板上に形成された金属
膜の研磨、平坦化に適用される。研磨対象となる半導体
基板上の金属膜は、公知の配線用、プラグ用、コンタク
トメタル層用、バリヤーメタル層用金属膜であり、例え
ばアルミニウム、銅、タングステン、チタニウム、タン
タル、アルミニウム合金、銅合金、窒化チタニウム、窒
化タンタル等からなる群より選ばれる金属膜等が挙げら
れる。特に表面硬度が低く、傷やディシングといった欠
陥が生じ易い銅および銅合金からなる金属膜への適用が
推奨される。
【0024】本発明の半導体基板上の金属膜の平坦化方
法は、上述した光触媒性能を有する研磨材と水を必須成
分とする研磨用組成物を、使用に当り活性光線を照射
し、半導体基板上の金属膜を研磨、平坦化することを特
徴とする。以下、金属膜の平坦化方法について説明す
る。図1(C)に示すように、配線用の金属膜5を埋め
込むことにより得られた半導体基板について、図1
(D)に示すように溝または開口部以外の余分な金属膜
を光触媒性能を有する研磨材と水を含んでなる金属膜研
磨用組成物を用いて研磨することにより、金属膜を取り
除き平坦化する。本発明の半導体基板の製造方法は、シ
リコン基板等の半導体基板上の金属膜を、光触媒性能を
有する研磨材と水を必須成分とする金属膜研磨用組成物
を用いて研磨することを特徴とする。以下、半導基板の
製造方法について説明する。
【0025】初めに、図1(A)のようにシリコン基板
等の半導体基板上1に絶縁膜2を形成した後に、フォト
リソグラフィー法およびエッチング法で絶縁膜2に金属
配線用の溝、あるいは接続配線用の開口部を形成する。
次に図1(B)に示すように、絶縁膜2に形成した溝あ
るいは開口部にスパッタリングやCVD等の方法により
窒化チタニウム(TiN)、窒化タンタル(TaN)等
よりなるバリヤーメタル層3を形成する。次に図1
(C)に示すように、厚みが絶縁膜2に形成した溝また
は開口部の高さ以上となるように配線用の金属膜4を埋
め込む。次に図1(D)に示すように、溝または開口部
以外の余分な金属膜を光触媒性能を有する研磨材と水を
必須成分とする金属膜研磨用組成物を用いて研磨する方
法により取り除く。さらに、上記の方法を必要回数繰り
返すことにより、電子部品として多層配線構造を有する
半導体基板を得ることができる。なお、このように半導
体基板の製造に際し半導体基板上の金属膜の研磨には、
上述した金属膜研磨用組成物または金属膜の平坦化方法
を適用すれば良い。以下、本発明を実施例に基づいて説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでは
ない。
【0026】
【製造例1】<研磨材の調製>研磨材A:還流冷却器、
温度計および撹拌装置を有する反応器にフュームドシリ
カ粉体(AEROSIL50/日本アエロジル(株):
平均粒子径20nm(カタログ値))30gにイソプロ
パノール120gを添加し、撹拌下30℃に昇温した。
これにチタンテトライソプロポキシド8gをイソプロパ
ノール32gに溶解した溶液を30℃にて撹拌下約30
分かけて添加し、さらに大気開放系で30℃にて3時間
撹拌を続けた。得られた反応液からイソプロパノールを
乾燥除去した後、電気炉中にて空気存在下400℃で5
時間焼成する事によりアナターゼ型酸化チタン複合シリ
カ粉体を得た。
【0027】
【製造例2】研磨材B:容器にフュームドシリカ粉体
(AEROSIL50/日本アエロジル(株):平均粒
子径20nm(カタログ値))30gを充填し、容器を
振とうしながらタングステン酸アンモニウムの30%水
溶液12.2gを少量ずつに分けて加え、含浸させた。
得られた粉体を電気炉中にて空気存在下450℃で5時
間焼成することにより、酸化タングステン複合シリカ粉
体を得た。 <低結晶性微細セルロースの調整>木材パルプを65重
量%硫酸に、パルプ含量が4重量%となるように−5℃
で溶解し、このセルロース/硫酸溶液を2.7倍量の水
中に強力撹拌下において注ぎ、セルロースを析出させ
た。得られたフレーク状のセルロース分散液を80℃で
40分間加水分解した後、ろ過、水洗してペースト状の
セルロース微粒子の水分散体を得た。次いでこのゲル状
物にイオン交換水を加えセルロース濃度4.0重量%と
した後、ブレンダーを用い15,000rpmで5分
間、さらに超高圧ホモジナイザーを用い処理圧力1,7
50kg/cm2で4回処理して透明度の高いゲル状の
セルロース分散体を得た。これにより得られたセルロー
スの平均粒子径は0.24μm、セルロース粒子のセル
ロースI型結晶成分およびセルロースII型成分の分率
は、それぞれ0.03および0.16であった。
【0028】
【実施例1】酸化チタン(商品名:ニ酸化チタンP2
5、日本アエロジル社製)を研磨材として、研磨材濃度
が5重量%になるように水と混合した後、撹拌機および
超高圧ホモジナイザーを用いて分散させ、その後さらに
PHが3になるように硫酸を加え、最後に硝酸鉄を濃度
が1wt%になるように添加することにより金属膜研磨
用スラリーを調整した。このスラリーを用い、銅膜、窒
化タンタル膜およびシリコン酸化膜のそれぞれについて
研磨を行い、下記に示す一連の研磨性能評価を実施し
た。研磨は、加工圧力300g/cm2、定盤回転数2
00rpm、研磨布にIC1400(商品名、ロデール
ニッタ社製)を用いた条件で行った。評価結果を表1に
示す。
【0029】
【実施例2】製造例1で得られた光触媒性能を有する研
磨材A(平均粒子径0.8μm)を、その濃度が5重量
%になるように水と混合した後、セルロース濃度がスラ
リー全量に対し1.5wt%になるように上記で調整し
た低結晶性微細セルロースを加え、超高圧ホモジナイザ
ーにより微分散化処理を行った。次いでこれに、PHが
4になるように硫酸を加えて、最後に硝酸鉄を濃度が1
wt%になるように添加することにより金属研磨用スラ
リーを調整した。このスラリーを用い、実施例1と同様
にして研磨性能の評価を実施した。結果を表1に示す。
【0030】
【実施例3】研磨材B(平均粒子径0.5μm)を用い
る以外は実施例2と同様にして研磨スラリーを調整し、
それを用いて研磨性能の評価を実施した。結果を表1に
示す。
【0031】
【実施例4〜6】加える硝酸鉄の量を0.5wt%、
0.1wt%、0.01wt%とする以外は実施例2と
同様にして研磨性能の評価を実施した。結果を表1に示
す。
【0032】
【比較例1】フュームドシリカ粉体(AEROSIL5
0/日本アエロジル(株):平均粒子径20nm)を研
磨材として、その濃度が5重量%になるように水と混合
した後、撹拌機および超高圧ホモジナイザーを用いて分
散させた。最後に硝酸鉄を濃度が1wt%になるように
添加することにより金属研磨用スラリーを調整した。こ
のスラリーを用い、実施例1と同様にして研磨性能の評
価を実施した。結果を表1に示す。
【0033】
【比較例2〜4】加える硝酸鉄の量を0.5wt%、
0.1wt%、0.01wt%とする以外は比較例1と
同様にして研磨性能の評価を実施した。結果を表1に示
す。 <研磨性能の評価> ・研磨レートの測定:研磨前後の各膜厚の変化を研磨時
間で除することにより算出した。 ・段差平滑性の評価:シリコンウェハー上にまず0.2
μm厚の銅膜を形成し、さらにその上に部分的に0.3
μmの銅膜を形成することで、段差を有する銅膜の基板
を作成した。上記で求めた各研磨レートから、0.3μ
mの銅膜を研磨するのに要する時間だけ研磨した後、基
板上の段差を測定することにより段差平滑性を評価し
た。 ・表面欠陥(スクラッチ)評価:研磨後ウェハーを洗
浄、乾燥し、暗室にてスポットライトを当て、目視でス
クラッチの有無を判定した。
【0034】・ディッシング評価:ディッシング発生の
原因である、ウェットエッチング性を評価することによ
り、ディッシング特性の代替評価とした。すなわち、銅
膜付きウェハーを一定時間スラリーに浸漬し、浸漬前後
の膜厚変化を測定し、それを浸漬時間で除することでエ
ッチング速度を求め、下記基準により評価した。 ◎:エッチング速度0.5nm/分未満 ○:エッチング速度0.5〜1nm/分 △:エッチング速度1〜10nm/分 ×:エッチング速度10nm/分超
【0035】・スラリー粒子の分散安定性:室温に1ヶ
月放置した後、スラリー中の研磨粒子の分散性を目視に
て評価した。 ○:粒子の沈降もなく分散性良好 ×:粒子の沈降あるいは濃度むらあり
【0036】表1に示した結果から、本発明の研磨用組
成物は、酸化膜に対して銅膜や窒化タンタル膜の研磨速
度が大きく、また段差平坦化性にも優れていることがわ
かる。さらに、スクラッチやディシングといった欠陥の
発生もなく、スラリー中での研磨粒子の分散安定性にも
優れていることがわかる。また、本発明の研磨用組成物
は研磨促進剤が低い場合でも研磨速度の変化が小さく、
それだけディシングが小さくできる。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の金属膜研磨用組成物は、酸化チ
タン、酸化タングステンを含む研磨材を主成分とし、こ
れに鉄(III)化合物および/またはバナジウム(I
II〜V)化合物を研磨促進剤として加え、さらに必要
に応じて低結晶性微細セルロースを含有することによ
り、高速にCu膜とバリヤーメタルのTaN膜を研磨し
得、かつ金属膜/絶縁膜の研磨選択性に優れる。さらに
は、研磨材自体が化学研磨作用を有するために、段差平
坦化性能にも優れると共に、良好な粒子分散性からスク
ラッチ、ディッシング等の欠陥の発生も抑制できるとい
う半導体基板上の金属膜を研磨する上で極めて有用な性
能を有する材料を見出したものであり、産業上の利用価
値は甚だ大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMP技術を用いた金属配線の形成例を示す概
略断面図。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 絶縁膜 3 バリヤーメタル層 4 金属膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)酸化チタン、酸化タングステン、
    および、酸化チタンおよび酸化タングステンから選ばれ
    た少なくとも一種とアルミナ、セリア、ゲルマニア、シ
    リカ、チタニア、およびジルコニアから選ばれた少なく
    とも一種との複合材料、よりなる群から選ばれた少なく
    とも1種からなる研磨材、および(B)鉄(III)化
    合物および/またはバナジウム(III〜V)化合物を
    含むことを特徴とする半導体基板金属膜研磨用組成物。
  2. 【請求項2】 (C)セルロース粒子を含むことを特徴
    とする請求項1記載の半導体基板金属膜研磨用組成物。
  3. 【請求項3】 (C)セルロース粒子が、その平均重合
    度(DP)が100以下、セルロースI型結晶成分の分
    率が0.1以下、セルロースII型結晶成分の分率が
    0.4以下であり、かつその平均粒径が5μm以下であ
    る請求項2記載の半導体基板金属膜研磨用組成物。
  4. 【請求項4】 PHが7以下でかつスラリー状態である
    ことを特徴とする請求項1〜3記載の半導体基板金属膜
    研磨用組成物。
  5. 【請求項5】 半導体基板金属膜がアルミニウム、銅、
    タングステン、チタニウム、タンタル、アルミニウム合
    金、銅合金、窒化チタニウム、及び窒化タンタルから選
    ばれた少なくとも一種からなる金属膜であることを特徴
    とする請求項1〜4記載の半導体基板金属膜研磨用組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体
    基板金属膜研磨用組成物を用いることを特徴とする半導
    体基板金属膜の研磨方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体
    基板金属膜研磨用組成物を用いることを特徴とする半導
    体基板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006315160A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Fuji Electric Holdings Co Ltd 磁気ディスク用ガラス基板の仕上げ研磨方法
JP2015502417A (ja) * 2012-04-13 2015-01-22 ユービーマテリアルズ インコーポレイテッド 研磨用スラリー及びこれを用いた基板の研磨方法

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