JP2002006669A - 画像形成装置、および定着装置 - Google Patents

画像形成装置、および定着装置

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JP2002006669A
JP2002006669A JP2000188907A JP2000188907A JP2002006669A JP 2002006669 A JP2002006669 A JP 2002006669A JP 2000188907 A JP2000188907 A JP 2000188907A JP 2000188907 A JP2000188907 A JP 2000188907A JP 2002006669 A JP2002006669 A JP 2002006669A
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roller
oil
fixing
fixing device
oil application
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JP2000188907A
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English (en)
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Akinori Toyoda
昭則 豊田
Noriyuki Tajima
典幸 田島
Kazumasa Hayashi
一雅 林
Yasuhito Yuasa
安仁 湯浅
Masao Otsuka
正雄 大塚
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オイルの供給過剰によりOHPがスリップす
る問題を解決するためにオイル塗布ローラを離接する
と、定着ローラの熱が奪われて新たにOHP透過性が悪
くなる問題が発生する。 【解決手段】 定着ローラと加圧ローラと加熱部材を用
いてトナーを記録材上に熱と圧力との作用で定着する定
着装置において、表面材料がシリコーンゴム、フッ素ゴ
ム、フルオロシリコーンゴムのいずれかの耐熱ゴムから
なり定着ローラに当接するバッファーローラと、少なく
とも表面材料がフッ素樹脂の多孔質部材で内部にオイル
を保持するオイル塗布ローラと、前記オイル塗布ローラ
はバッファーローラに当接してオイルを塗布すること
と、前記トナーの結着樹脂がポリエステル樹脂からな
り、少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体を含むこと
と、前記バッファーローラと前記オイル塗布ローラと間
で当接、離間する機構と、を有することを特徴とする定
着装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー画像を形成
するプリンタ、複写機等の画像形成装置において、離型
オイルを用いて定着画像を作成する定着装置、または、
この定着装置が適用される画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成プロセスによっ
てカラー画像を形成するプリンタ、複写機等の画像形成
装置で使用されるカラートナーは、記録材に定着された
時に優れた透光性を有することが必要とされている。こ
の優れた透光性を確保するために、速やかに溶融し、か
つ低溶融粘度でのバインダー樹脂からなるカラートナー
を用い、シリコーンゴム系加熱ローラを備えた定着装置
で、このカラートナーを定着する方法が従来から採用さ
れてきた。
【0003】しかしながら、前記の定着装置では、定着
部材の表面がシリコーンゴムで構成されており、かつ、
前記バインダー樹脂からなる低溶融粘度のカラートナー
を使用するので、溶融したカラートナーが定着部材の表
面に付着するホットオフセットが発生しやすい。このた
め、定着部材の表面に、シリコーンゴムとの親和性がよ
く比較的安価なシリコーンオイルなどの離型剤を多量に
塗布している。
【0004】そこで、従来からオイルを定着部材の表面
に供給する方式として、オイルタンクからバッファーロ
ーラを介して定着部材へオイルを均一に塗布するオイル
タンク方式が用いられている。
【0005】しかし、バッファーローラは、オイル膨潤
により部分的に外径が大きくなり、定着部材との間の接
触圧にむらが発生し、高い接触圧の部分ではオイル塗布
量が増加し、一方、低い接触圧の部分ではオイル塗布量
は減少する。この結果、定着部材上でオイルが不均一な
むらとなり、特にOHP画像上でオイルが過剰に付いた
部分の透過性が悪くなる。このオイル膨潤によりバッフ
ァーローラの寿命が短くなることが従来の技術課題であ
った。
【0006】またオイルタンク方式は、オイルをフェル
ト、オイル輸送パイプなどにより供給する機構、不要な
オイルをブレード等によって回収する機構、定着器全体
からのオイルの漏れを防止ための機構などによって装置
が大型化する問題が発生する。
【0007】そこで、装置の小型化を目的として、各種
ロール形状のオイル塗布ローラが提案されている。その
一つとして外周部に小さな穴を多数開けたパイプの中央
部に離型オイルを内在させ、その外周にノメックス等の
耐熱性フェルトを巻き付けたオイル塗布ローラが特公平
1−60144号公報に示されている。また、オイルの
浸出量を制御し、ロールの軸方向へオイルの拡散を行
い、全体的に均一に塗布するために、紙等の多孔材を巻
いた部材上に耐熱性フェルトを巻き付けたオイル塗布ロ
ーラが実開昭61−104469号公報に示されてい
る。更に弾性を付与するためにシリコーンゴムスポンジ
等を中間層として設けたオイル塗布ローラが特開平5−
123623号公報に示されている。また耐熱性フェル
トの代わりに他の耐熱性多孔質素材を使用したオイル塗
布ローラが特開昭61−104469号公報に示されて
いる。
【0008】しかしながらこれらのオイル塗布ローラに
関する従来技術においては、表面のフェルト又は多孔質
材に浸出したオイルが、直接定着ロールに塗布されて移
行されるため、オイル塗布量の制御は困難であった。そ
こでオイル塗布量の制御を可能にするものとして、耐熱
性フェルト又は多孔質材の表面に耐熱性の微多孔質膜の
層を設け、これによりオイル透過量の制御を行わせるオ
イル塗布ローラが特開昭61−183679号公報に示
されている。また、さらに微少な量のオイルを精度良く
均一に塗布するオイル塗布ローラとして、微多孔質膜の
代わりに、微多孔質膜の空隙部にシリコーンゴムとオイ
ルの混合物を充填した複合膜をオイル透過制御層として
使用するオイル塗布ローラが特開昭62−178992
号公報に示されている。
【0009】しかしながら、オイル塗布ローラを定着部
材へ当接する構成において、定着部材が回転すると、オ
イル塗布ローラから定着部材へ塗布されたオイルが定着
ニップ部に溜まり、紙が通過する時にそのニップ部のオ
イルが画像の先端に付着する問題と、OHPシートがオ
イルでスリップを起こす問題が発生する。
【0010】また、常にオイル塗布ローラが定着部材に
接触しており、オイルは必要以外に消費されるため、オ
イル塗布ローラの寿命が短くなる問題も発生する。
【0011】そこで、オイル塗布ローラから不要なオイ
ルの供給を防止するための方法が特開平4−2044
7、特開平11−224019に提案されている。オイ
ル塗布ローラの離接を行い、必要な時のみに定着部材に
オイルを供給する方法である。
【0012】これらの方法を用いた場合、必要に応じて
オイル塗布ローラと定着部材とを離接するので、ニップ
部にオイルが溜まらず、オイルが画像の先端に付着する
問題とOHPシートが通紙しない問題とは解決できる。
また、必要時以外はオイルを消費しないのでオイル塗布
ローラの長寿命も可能である。
【0013】しかしながら、オイル塗布ローラを離接す
る方法を用いた場合、冷えたオイル塗布ローラが定着部
材に接触した際に、定着部材表面の熱を奪うために、定
着部材の表面の温度が急激に低下して、その結果、カラ
ートナーを十分に溶かすことができないので、OHP画
像の透光性が低下する問題が発生する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】更に、オイルの過剰供
給によりOHPスリップが発生する問題とOCRを離接
する事により定着ローラの表面温度が低下しOHP透過
性が悪くなる問題とを解決するために、ヒートローラと
バッファーローラとを当接させて、バッファーローラと
オイル塗布ローラとを当接、離間する方法によって、バ
ッファーローラを介してヒートローラにオイルを塗布す
る手段が考えられる。このバッファーローラとオイル塗
布ローラとの組み合わせた形態によって過剰なオイル供
給やオイル塗布ローラ接触時の温度低下を防止すること
ができる。しかし、オイル塗布ローラを離接した場合、
ゴム部材でできたバッファーローラが摩耗し、その部分
で定着ローラへのオイル塗布量が減少し、オフセットが
発生する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題を解決
するために、結着樹脂としてポリエステル樹脂を有し,
少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体を含むトナー
と、記録紙上の前記トナー像を定着するための定着装置
として、定着ローラと、定着ローラに当接する加圧ロー
ラと、定着ローラを加熱する加熱部材と、少なくとも表
面材料がシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコ
ーンゴムのいずれかの耐熱ゴムからなり、定着ローラに
当接するバッファーローラと、少なくとも表面材料がフ
ッ素樹脂の多孔質部材で内部にオイルを保持し、前記バ
ッファーローラに当接してオイルを塗布するオイル塗布
ローラと、前記バッファーローラと前記オイル塗布ロー
ラとを接離する接離機構と、を有する定着装置と、を備
えることを特徴とする画像形成装置である。
【0016】この画像形成装置によれば、コハク酸を含
有したポリエステル樹脂をバインダーとするトナーがオ
イル塗布ローラへ付着しても、コハク酸モノマーとして
含有したトナーは弾性を有するのでオイル塗布ローラが
バッファーローラへ当接した際の摩耗を低減できる。こ
れによりオイルの塗布むらを防止し、ホットオフセット
を発生しにくくする。
【0017】また本発明は、結着樹脂としてポリエステ
ル樹脂を有し,少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体
を含むトナーを、定着ローラと加圧ローラと加熱部材を
用いて、記録材上に熱と圧力との作用で定着する定着装
置であって、少なくとも表面材料がシリコーンゴム、フ
ッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムのいずれかの耐熱ゴ
ムからなり、定着ローラに当接するバッファーローラ
と、少なくとも表面材料がフッ素樹脂の多孔質部材で内
部にオイルを保持し、バッファーローラに当接してオイ
ルを塗布するオイル塗布ローラと、前記バッファーロー
ラと前記オイル塗布ローラとを接離する接離機構と、を
有することを特徴とする定着装置である。
【0018】この定着装置によれば、コハク酸を含有し
たポリエステル樹脂をバインダーとするトナーがオイル
塗布ローラへ付着しても、コハク酸モノマーとして含有
したトナーは弾性を有するのでオイル塗布ローラがバッ
ファーローラへ当接した際の摩耗を低減できる。これに
よりオイルの塗布むらを防止し、ホットオフセットを発
生しにくくする。
【0019】また、本発明は少なくともオイル塗布ロー
ラの内部が弾性部材からなることを特徴とする定着装置
である。
【0020】この定着装置によれば、内部が弾性体のオ
イル塗布ローラは柔らかく当接するので、バッファーロ
ーラに傷が入りにくくなる。これによってオイルの塗布
むらを防止し、ホットオフセットを発生しにくくする。
【0021】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラがバッファーローラに離接する位置よりも回転上流
の位置で、クリーニングローラがバッファーローラに当
接することを特徴とする定着装置である。
【0022】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
に付着したトナーは、当接した際、バッファーローラに
傷を付けていたが、バッファーローラに付着したトナー
はクリーニングローラによりあらかじめ除去されオイル
塗布ローラには付着しにくくなる。その結果、トナーの
付着でオイル塗布ローラ表面が硬くなることを防止でき
るので、バッファーローラ表面に傷は付きにくくなる。
これによってオイルの塗布むらを防止し、ホットオフセ
ットを発生しにくくする。
【0023】さらに本発明は、少なくとも表面材料がフ
ッ素樹脂からなる定着ローラを用いることを特徴とする
定着装置である。
【0024】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
が当接する際に定着ローラとバッファーローラとの間に
加わる加重が大きくなる。この瞬間に定着ローラによっ
てバッファーローラがダメージを受けて表面が摩耗する
問題が発生する。そこで摩擦抵抗の少ないフッ素樹脂系
の定着ローラ表面とすることにより、バッファーローラ
表面に傷が入ることを低減できる。これによってオイル
の塗布むらを防止し、ホットオフセットを発生しにくく
する。
【0025】さらに本発明は、少なくともベルトと加圧
ローラとを用いてトナーを記録材上に熱と圧力との作用
で定着することを特徴とする定着装置である。
【0026】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
が当接する際に定着ローラとバッファーローラとの間に
加わる加重が大きくなる。この瞬間、定着ローラでバッ
ファーローラがダメージを受けて表面が摩耗する問題が
発生する。そこで定着ローラの代わりに変形しやすいベ
ルトを用いることにより加重が加わった時の力を緩和で
きるので、バッファーローラ表面に傷が入ることを低減
できる。これによってオイルの塗布むらを防止し、ホッ
トオフセットを発生しにくくする。
【0027】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラのバッファーローラに対する押圧力をオイル塗布ロ
ーラの回転1周目は低くして、回転2周目以降は1周目
の押圧力より高くすることを特徴とする定着装置であ
る。
【0028】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
が当接した際にバッファーローラに傷が入るが、回転1
周目に弱い力で押圧、2周目以降で高い力で押圧の手段
を用いることによって、急激にオイルローラが強い力で
当接しないので、バッファーローラに傷が付きにくい。
これによりオイルの塗布むらを防止でき、ホットオフセ
ットを発生しにくくする。
【0029】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラの押圧力をオイル塗布ローラの残量が少なくなるに
つれて押圧力を上げることを特徴とする定着装置であ
る。
【0030】この定着装置によれば、オイル残量が十分
にある時は当接の押圧力を低くできるのでバッファーロ
ーラへ傷が入りにくくなる。これによってオイルの塗布
むらを防止でき、ホットオフセットを発生しにくくす
る。
【0031】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラとクリーニングローラとが一体型ユニットとなって
いることを特徴とする定着装置である。
【0032】この定着装置によれば、バッファーローラ
を用いることで構成が複雑となり、定着ローラに紙が巻
き付いた際にその紙を取り除くことが難しくなるが、オ
イル塗布ローラとクリーニングローラとを一体化するこ
とにより簡単にジャム処理ができるようになる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
詳細に説明する。
【0034】本発明に用いるヒートローラは内部に耐熱
ゴムによる弾性体を有し、表面に離形性の良いシリコー
ンゴム、フッ素ゴム、PFAチューブやテフロン(登録
商標)コート、ナイロンのいずれかを有する事が望まし
い。また、必要に応じて加熱部材が配置される。
【0035】また、本発明に用いる加圧ローラは内部に
耐熱ゴムによる弾性体を有し、必要に応じて表面に離形
性の良いシリコーンゴム、フッ素ゴム、PFAチューブ
やテフロンコート、ナイロンのいずれかを有する事が望
ましい。線圧は0.98N/cmから19.6N/cm
の力の範囲で任意に設定する。また、必要に応じて内部
に加熱源が配置される。
【0036】また、本発明に用いるトナーを溶かす加熱
部材は、ハロゲンランプやセラミックヒータ等である。
熱を発生するもので有ればいかなる熱源を用いてもかま
わない。
【0037】また、本発明に用いるバッファーローラは
ゴム部材によるオイルの担持性、拡散性、耐熱性の観点
からシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーン
ゴムのいずれかの耐熱ゴム、またはこれらの混合物から
なることが望ましい。
【0038】また、本発明に用いられるトナーには酸成
分としてコハク酸が含まれる。それ以外にテレフタル
酸、マレイン酸、フマル酸、トリメット酸などが必要に
応じて使われる。コハク酸は酸成分のモノマー比率で
0.1wt%〜50wt%が望ましい。また、より好ま
しくは0.5〜40wt%である。さらにより好ましく
は1〜30wt%である。
【0039】コハク酸モノマー含有量が少ないとトナー
の弾性効果が出にくく、オイル塗布ローラ離接時にバッ
ファーローラが傷つく問題が発生する。一方、コハク酸
含有量が多すぎると樹脂自体のガラス転移温度が低下し
て、高温放置時にトナーが凝集する問題が発生する。
【0040】また、本発明における線型ポリエステルを
構成している単量体のうち、アルコール成分としては、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビ
スフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノール
A、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビス
フェノールAアルキレンオキシド付加物、その他の二価
のアルコールを挙げることができる。これらのうち、好
ましくはエチレングリコール、ポリオキシエチレン化ビ
スフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノー
ルAなどである。
【0041】また、本発明に用いるクリーニングローラ
表面がSUS、アルミ等の金属やこれらの表面をメッ
キ、焼き付け、紙で巻く等の処理が用いられる。定着ロ
ーラやバッファーローラに傷を付けない観点から、ロー
ラ形状で回転させながらクリーニングすることが望まし
い。
【0042】また、本発明においてベルト部材を用いた
定着装置は、少なくとも定着ローラとヒートローラと加
圧ローラのローラ3本とベルトからなる。ベルトは定着
ローラとヒートローラとの外周にベルトがかけられた構
成で、定着ローラと加圧ローラ間に所定の圧力が加えら
れる。また、ヒートローラ内部にはランプ、セラミック
等の加熱部材が配置される。トナーは定着ローラと加圧
ローラとの間に挟み込まれたベルト表面と接触しなが
ら、熱と圧力により定着される。
【0043】また、本発明に用いるベルトは耐熱性と変
形自在性とを有するニッケル電鋳ベルトやポリイミドベ
ルトの耐熱ベルトが用いられる。離形性を向上するため
に表面層としてシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹
脂が用いられる。
【0044】また、オイルローラの当接、離間はカム等
を用いて必要に応じて行われる。圧力等についても任意
調整できるものである。
【0045】また、本発明に用いる離型オイルとして
は、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フルオ
ロシリコーンオイル、フェニルシリコーンオイル、アミ
ノ変性シリコーンオイル、メルカプト変性などの各種変
性シリコーンオイル等が挙げられる。また、それらのオ
イルの混合物であっても良い。またそのオイル粘度につ
いても特に限定はないが、実使用を考えて粘度は0.1
〜100mm2/sである範囲が望ましい。
【0046】本発明のオイル塗布ローラは、内部にオイ
ルを担持する層と表面のオイル塗布量を制御する層の積
層構造を有するオイル塗布ローラが近年の主流となりつ
つある。
【0047】また、本発明のオイル塗布ローラは、表面
のオイルを制御する層にフッ素樹脂の多孔質膜を用いる
こと望ましい。オイルを均一に塗布できる性質と、オイ
ル塗布ローラがバッファーローラに当接する際にオイル
が塗布ローラから多量に滲み出す現象を防止できる。
【0048】フッ素樹脂の多孔質膜として、特にポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)を延伸法によって製
造したものが多孔組織の均一性、空隙組織の均一性等の
観点から最適である。多孔質PTFE膜の膜厚は、0.
001〜1mm、好ましくは0.005〜0.1mmで
あり、空隙率は20〜98%、好ましくは50〜90%
であり、平均孔径は0.05〜15μm、好ましくは
0.1〜2μmである。
【0049】更に、本発明のオイル塗布量を制御する層
に、フッ素樹脂の多孔質膜とシリコーンゴム及び離型オ
イルの混合物との複合体を用いても良い。この場合の複
合化方法としては、シリコーンゴム及び離型オイルの混
合物をフッ素樹脂多孔質膜に含浸させた後、架橋させる
方法が好ましい。ここで用いるシリコーンゴムとしては
RTV(室温硬化型)シリコーンゴム、LTV(低温硬
化型)シリコーンゴム、HTV(加熱硬化型)シリコー
ンゴム、紫外線硬化型シリコーンゴムなどが最適であ
る。また、離型オイルとしては、シリコーンオイル、特
にジメチルシリコーンオイルがよく用いられる。シリコ
ーンゴムと離型オイルとの混合物を含浸架橋させる場
合、シリコーンゴムと離型オイルとの混合比は2:98
で目標オイル透過量に応じて規定されるが、2:98よ
り離型オイルの含有量を少なくするのが好ましい。離型
オイルの含有量がこれより多いと、シリコーンゴム中に
離型オイルを含有しきれなくなって未ゲル化状態とな
り、オイルの透過制御が困難となる。また、シリコーン
ゴム及び離型オイルの混合物の含浸量は、空孔が充填さ
れる割合が100%以内であるように適宜決定すること
ができる。
【0050】内部にオイルを担持する部材として紙、セ
ラミック、金属製のパイプ、弾性部材等が望ましい。よ
り好ましくは離接時のバッファーローラへの傷が入る課
題を考慮してオイル担持部材として弾性部材を用いるこ
とである。この弾性部材は保持されるオイルに侵され
ず、また、使用温度に耐えられる材料が好ましい。この
ようなものとして、例えばノメックスフェルト、ノメッ
クス組み紐、ノメックス繊維束、硝子繊維束、カーボン
繊維束、カーボン繊維フェルト、各種セラミック焼結多
孔体、シリコーンゴム多孔質スポンジ、ポリエステル系
ポリウレタン発泡体、アラミド繊維束、ポリイミドフォ
ーム、メラミンフォーム、その他の各種プラスチックス
ポンジ又はフォーム、多孔質体、焼結体、繊維束等が挙
げられる。
【0051】また、本発明のオイル担持部材に用いる中
空パイプはアルミ、SUS等の金属パイプに複数個の穴
のおいたものが望ましい。
【0052】本発明は表面がフッ素樹脂の多孔質膜で内
部がオイル担持層であるが、その間にオイル拡散層を挟
んでも良い。この場合、オイル拡散層は、オイルが塗布
される相手ロールとの接触を良くするため適度な柔軟性
又は弾性を有するものが好ましく、またオイル拡散性の
良いものが好ましい。このようなものとしては、ポリエ
ステル系フェルト、ノメックスフェルト、シリコーンゴ
ムスポンジ、ウレタンフォームにシリコーンゴムを複合
化させた複合材フォーム、メラミンフォーム、ポリイミ
ドフォーム等がある。更に、必要によってこの層がフッ
素ゴム、シリコーンゴム等の弾性体との組み合わせであ
っても良い。
【0053】また、本発明に用いるオイル塗布ローラに
用いる軸の材料としてはアルミ、鉄、SUS等の各種金
属を用いることができる。
【0054】また、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ック各色カラー5%の原稿を用いて、3枚/分の速度で
印字テストを行った。印字テストにはカラーレーザープ
リンタ(DP−CL16:panasonic製)をも
ちい、定着装置部分は改良した。
【0055】なお、印字テスト中は2万枚毎にオイル塗
布ローラを交換した。
【0056】また1000枚毎に、OHPシート(CG
3700:スリーエム社製)上にシアン100%の全面
ベタ画像と、ナショナル指定紙(坪量64g/m2:F
Q−P5A4MT)上にシアン100%+イエロー10
0%の全面ベタグリーン画像と、をそれぞれ5枚ずつ定
着させた。ニップに溜まるオイルでスリップしてOHP
ジャムが発生する問題とオイルの塗布むらでオフセット
が発生する問題との評価を行った。
【0057】
【実施例】以下に本発明の好適な実施例について、図1
ないし図4を参照して詳細に説明する。
【0058】なお、画像形成装置における定着装置の他
の構成は、従来と同様であって、周知慣用事項であるの
で、説明を省略する。
【0059】(実施例1)以下、本発明の実施例で用い
た定着装置について説明する。
【0060】図1において、定着装置は定着ローラ1
と、加圧ローラ7を有する。定着ローラ1と加圧ローラ
7はそれぞれ金属製中空ローラ芯金2と8の外面に、弾
性層3と9を設けている。弾性体3の上にはさらにオイ
ル担持ゴム層4を設けている。定着ローラ1の内部には
ヒータ5が設けられ、外面には温度センサー6が配置さ
れている。加圧ローラ7は加圧バネ10により定着ロー
ラ1に押しつけられている。カラートナー13を有する
記録材11は、案内板12に沿って動く。また、定着ロ
ーラ1にバッファーローラ14が当接し、さらに、この
バッファーローラ14に対してレバー17で保持された
オイル塗布ローラ15が離接機構16により必要に応じ
て当接、離間を行う構成となっている。
【0061】定着部材としての定着ローラ1は、長さが
250mm、外径が28mm、厚さ1mmのアルミニウ
ム製中空ローラ芯金2の表面に、JIS規格によるゴム
硬度(JIS−A)が30度のシリコーンゴムからなる
厚さ1mmの弾性層3を設けている。この上に、接着層
およびオイル防御層としてフッ素ゴム層(図示せず)が
設けられ、更に、シリコーンゴム層4が100umの厚
みで塗工され外径が約30mmとなっている。
【0062】この定着ローラ1は内部に加熱用の700
Wのランプヒータであるヒータ5を有し、図示しない駆
動モータから駆動力を受けて100mm/sで回転す
る。定着ローラ表面温度はサーミスタ6を用いて表面温
度170度に制御した。
【0063】また、OHP画像定着の際は50mm/s
と半速での定着を行った。
【0064】加圧部材としての加圧ローラ7は、長さが
250mm、外径30mmである。これは外径27m
m、厚さ1mmのアルミニウムからなる中空ローラ芯金
8の表面にJIS規格によるゴム硬度(JIS−A)が
55度のシリコーンゴムからなる厚さ1.5mmの弾性
層9を設けている。この加圧ローラ7は、回転可能に設
置されており、片側147Nのバネ加重のバネ10によ
って定着ローラ1との間で幅4.0mmのニップ幅を形
成している。
【0065】バッファーローラ14は外径Φ14mmの
アルミニウム製中空ローラ上に、JIS−Aでのゴム硬
度が50度、肉厚1mmのシリコーンゴム層が形成さ
れ、外径16mm、長さ240mmとなった構成であ
る。バッファーローラ14は0.5N/cmで定着ロー
ラに圧接されている。
【0066】レバー17に支持されているオイル塗布ロ
ーラ15は、オイル担持部の長さが240mm、外径が
25mmである。バッファーローラ14に対し、当接離
間が行われる。トナーの付着した記録材の先端が定着器
のニップ部を通過する1秒前にあらかじめオイル塗布ロ
ーラ15はバッファーローラ14に0.5N/cmの力
で定着ローラに圧接した。また、記録材の後端が通過す
る時間を予測し、あらかじめ0.5秒前にオイル塗布ロ
ーラの離間を行った。
【0067】次に本発明のオイル塗布ローラについて説
明する。
【0068】図2は本発明の実施例に係るオイル塗布ロ
ーラの断面図、および、側面図である。
【0069】内径21mm、外径23mmの長さ240
mmアルミニウムの中空パイプ22にΦ1.0mmの穴
を20個(図示せず)に開けた。
【0070】穴はパイプ左端部から10mmのところに
まずドリルで穴を開け、その後、パイプを10mm右に
ずらし、100度回転させた後に次の穴を開けた。更に
10mm右にずらし、100度回転する手順を繰り返し
合計20カ所の穴を開けた。シャフト部は21に図示し
た。
【0071】その上にシリコーン系接着剤により、厚さ
2mmのノメックスフェルトを幅30mmのテープ上に
切り出したものを螺旋状に巻き付け接着することにより
オイル拡散層23を形成した。更にこの表面にオイル制
御層24を巻き付けた。これはフッ素樹脂多孔質部材で
ある、膜厚40μm、空隙率75%、平均孔径0.2μ
mの延伸多孔質PTFEフィルム(商品名ゴアテック
ス:ジャパンゴアテックス社製)をその表面にシリコー
ン系接着剤でドット状に塗布し、巻き付け接着した。更
にこの延伸多孔質フィルムに、シリコーンゴム(KE1
06:信越化学社製)30%、シリコーンオイル(KF
96:信越化学社製)70%の割合で混合したものを含
浸させ過剰分を掻き落とした後、150℃で40分間加
熱して架橋することによりオイル透過制御層24となる
複合膜を形成した。その後、アミノ変性シリコーンオイ
ル(アミノ当量は30000g/mol、粘度1mm2
/s:信越シリコーン社製)の入ったタンクにオイル塗
布ローラを含浸させ、オイル塗布ローラ内に50gのオ
イルを入れた。
【0072】また、トナーに用いるポリエステル樹脂は
酸成分として脂肪族系の酸成分としてドデセニル無水コ
ハク酸が25mol%、芳香族系の酸成分としてテレフ
タル酸を75mol%とし、アルコール成分としてポリ
オキシプロピレン(2、2)−2、2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンを100mol%用いたもの
であり、軟化温度は高化式フローテスターで測定したと
ころ111.5℃であった。
【0073】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。定着ニップ部でOHPのジャムは発生しなかった。
普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセットは90
000枚目までは全く発生せず、91000枚目ではじ
めて1枚で部分的なオフセットが発生した。また、OH
P透過率は最低で87.1%、平均92.1%であっ
た。
【0074】(実施例2)実施例1でのオイル塗布ロー
ラの内部がアルミニウムの中空パイプに代わって、ウレ
タンスポンジからオイル塗布ローラを作成し、アミノ変
性シリコーンオイル50gを含浸させた。その他条件は
実施例1と同じである。
【0075】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。定着ニップ部でOHPのジャムは発生しなかった。
普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセットは10
5000枚目までは全く発生せず、106000枚目で
はじめて1枚で部分的なオフセットが発生した。また、
OHP透過率は最低で88.1%、平均92.4%であ
った。
【0076】(実施例3)図3に示すように、実施例1
でオイル塗布ローラがバッファーローラに離接する位置
よりも回転上流の位置で、クリーニングローラをバッフ
ァーローラに当接させた。クリーニングローラはアルミ
ニウムの中空パイプであり長さは240mm、外径はΦ
16mmとした。
【0077】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。定着ニップ部でOHPのジャムは発生しなかった。
普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセットは10
7000枚目までは全く発生せず、108000枚目で
はじめて1枚で部分的なオフセットが発生した。また、
OHP透過率は最低で86.4%、平均91.9%であ
った。
【0078】(実施例4)実施例1の定着ローラで接着
層のフッ素ゴムと表面のシリコーンゴムの替わりに、P
FAチューブを用いた定着ローラを作成した。
【0079】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。定着ニップ部でOHPのジャムは発生しなかった。
普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセットは11
8000枚目までは全く発生せず、119000枚目で
はじめて1枚で部分的なオフセットが発生した。また、
OHP透過率は最低で87.9%、平均94.8%であ
った。
【0080】(実施例5)図4は定着ローラ37とヒー
トローラ31との間にベルト41がかけられている。定
着ローラ37と加圧ローラ47との間に所定の加重がか
けられており、ベルトと加圧ローラとの間でニップが形
成される。ヒートローラ31の内部にはヒータ5が設け
られ、外面には温度センサー36が配置されている。
【0081】加圧ローラ47は加圧バネ40により定着
ローラ37に押しつけられている。カラートナー13を
有する記録材11は、案内板12に沿って動く。また、
ベルト41にバッファーローラ44が当接し、さらに、
このバッファーローラ44に対してレバー17で保持さ
れたオイル塗布ローラ15が離接機構16により必要に
応じて当接、離間を行う構成となっている。
【0082】定着部材としての定着ローラ37は、長さ
が250mm、外径が14mm、厚さ1mmのアルミニ
ウム製中空ローラ芯金38の表面に、JIS規格による
ゴム硬度(JIS−A)が20度のシリコーンゴムから
なる厚さ3mmの弾性層3を設けている。この上にシリ
コーンゴム層39が3mmの厚みで形成され外径が約2
0mmとなっている。図示しない駆動モータから駆動力
を受けて100mm/sで回転する。
【0083】ヒートローラ31は肉厚1mm、外径20
mmのアルミニウムの中空パイプからなっている。内部
に加熱用の700Wのランプヒータ5を有し、定着ロー
ラ表面温度はサーミスタ36を用いて表面温度170度
に制御した。
【0084】また、OHP画像定着の際は50mm/s
と半速での定着を行った。
【0085】加圧部材としての加圧ローラ7は、長さが
250mm、外径20mmである。これは外径16m
m、厚さ1mmのアルミニウムからなる中空ローラ芯金
38の表面にJIS規格によるゴム硬度(JIS−A)
が55度のシリコーンゴムからなる厚さ2mmの弾性層
39を設けている。この加圧ローラ47は、回転可能に
設置されており、片側147Nのバネ加重のバネ10に
よって定着ローラ1との間で幅5.0mmのニップ幅を
形成している。
【0086】ベルト41は外径Φ60mmのニッケル電
鋳ベルトの上に厚み50μmのPFAコート層を設けた
ものである。
【0087】バッファーローラ44は外径Φ14mmの
アルミニウム製中空ローラ上に、JIS−Aでのゴム硬
度が50度、肉厚1mmのシリコーンゴム層が形成さ
れ、外径16mm、長さ240mmとなった構成であ
る。バッファーローラ44は0.5N/cmで定着ロー
ラに圧接されている。
【0088】レバー17に支持されているオイル塗布ロ
ーラ15は、実施例1で用いたオイル塗布ローラであり
オイル担持部の長さが240mm、外径が27mmであ
る。バッファーローラ44に対し、当接離間が行われ
る。トナーの付着した記録材の先端が定着器のニップ部
を通過する1秒前にあらかじめオイル塗布ローラ15は
バッファーローラ44に0.5N/cmの力で定着ロー
ラに圧接した。また、記録材の後端が通過する時間を予
測し、あらかじめ0.5秒前にオイル塗布ローラの離間
を行った。
【0089】これらのベルトを用いた定着装置にて定着
試験を行った。
【0090】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは122000枚目までは全く発生せず、12300
0枚目ではじめて1枚で部分的なオフセットが発生し
た。また、OHP透過率は最低で86.9%、平均9
3.8%であった。
【0091】(実施例6)実施例1でのオイル塗布ロー
ラのバッファーローラへの押圧力をオイル塗布ローラの
回転1周目は0.3N/cm、回転2周目以降は0.5
N/cmとした。その他は実施例1と同じ条件とした。
【0092】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。
【0093】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは128000枚目までは全く発生せず、12900
0枚目ではじめて1枚で部分的なオフセットが発生し
た。また、OHP透過率は最低で88.1%、平均9
3.8%であった。
【0094】(実施例7)実施例1でのオイル塗布ロー
ラのバッファーローラへの押圧力をオイル塗布ローラ1
万目までは0.4N/cm、1〜2万枚目までは0.6
N/cmとした。その他は実施例1と同じ条件とした。
【0095】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。
【0096】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは124000枚目までは全く発生せず、12500
0枚目ではじめて1枚で部分的なオフセットが発生し
た。また、OHP透過率は最低で87.1%、平均9
2.6%であった。
【0097】(実施例8)実施例3におけるオイル塗布
ローラとクリーニングローラとを一体としたユニットを
作成した。
【0098】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。
【0099】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは118000枚目までは全く発生せず、11900
0枚目ではじめて1枚で部分的なオフセットが発生し
た。また、135000枚目にベタグリーン画像を定着
した際に普通紙が定着ローラに巻き付く問題が発生し
た。この時に、オイル塗布ローラとクリーニングローラ
とを一体ユニットにしたものを取り外すと容易に普通紙
の巻き付きを処理ができた。
【0100】(比較例1)実施例1において離接機構を
外して常にオイル塗布ローラをバッファーローラに当接
した定着装置にて実験を行った。はじめの1枚目より定
着ニップ部に溜まったオイルが原因でOHPがスリップ
する問題が発生した。
【0101】(比較例2)また、実施例1のトナーに用
いたポリエステル樹脂のかわりに、酸成分としてのコハ
ク酸を用いずに芳香族系のテレフタル酸を主成分とし、
一方、アルコール成分としてポリオキシプロピレン
(2、2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパンを主成分としたポリエステル樹脂を試作した。
軟化温度は高化式フローテスターで測定したところ11
2.1℃であった。
【0102】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。
【0103】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは5000枚目で発生した。さらに、7000枚目で
定着ローラに紙が巻き付く問題も発生した。
【0104】(比較例3)実施例1のオイルローラにお
いて、表面にPTFE多孔質部材を付けないで、中間層
のノーメックスフェルトを表層としたオイル塗布ローラ
を作成した。他は実施例1と同様の条件とした。
【0105】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。
【0106】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは6000枚目で発生した。さらに、8000枚目で
定着ローラに紙が巻き付く問題も発生した。
【0107】(比較例4)実施例1のバッファーローラ
のかわりに外径Φ16のアルミニウム製のローラを作成
した。他は実施例1と同様の条件とした。
【0108】これらの定着装置を用いて定着試験を行っ
た。
【0109】定着ニップ部でOHPのジャムは発生しな
かった。普通紙の全面ベタグリーン画像では、オフセッ
トは3000枚目で発生した。さらに、4000枚目で
定着ローラに紙が巻き付く問題も発生した。
【0110】
【発明の効果】本発明は、結着樹脂としてポリエステル
樹脂を有し,少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体を
含むトナーと、記録紙上の前記トナー像を定着するため
の定着装置として、定着ローラと、定着ローラに当接す
る加圧ローラと、定着ローラを加熱する加熱部材と、少
なくとも表面材料がシリコーンゴム、フッ素ゴム、フル
オロシリコーンゴムのいずれかの耐熱ゴムからなり、定
着ローラに当接するバッファーローラと、少なくとも表
面材料がフッ素樹脂の多孔質部材で内部にオイルを保持
し、前記バッファーローラに当接してオイルを塗布する
オイル塗布ローラと、前記バッファーローラと前記オイ
ル塗布ローラとを接離する接離機構と、を有する定着装
置と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0111】この画像形成装置によれば、コハク酸を含
有したポリエステル樹脂をバインダーとするトナーがオ
イル塗布ローラへ付着しても、コハク酸モノマーとして
含有したトナーは弾性を有するのでオイル塗布ローラが
バッファーローラへ当接した際の摩耗を低減できる。こ
れによりオイルの塗布むらを防止し、ホットオフセット
を発生しにくくする。
【0112】また本発明は、結着樹脂としてポリエステ
ル樹脂を有し,少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体
を含むトナーを、定着ローラと加圧ローラと加熱部材を
用いて、記録材上に熱と圧力との作用で定着する定着装
置であって、少なくとも表面材料がシリコーンゴム、フ
ッ素ゴム、フルオロシリコーンゴムのいずれかの耐熱ゴ
ムからなり、定着ローラに当接するバッファーローラ
と、少なくとも表面材料がフッ素樹脂の多孔質部材で内
部にオイルを保持し、バッファーローラに当接してオイ
ルを塗布するオイル塗布ローラと、前記バッファーロー
ラと前記オイル塗布ローラとを接離する接離機構と、を
有することを特徴とする定着装置である。
【0113】この定着装置によれば、コハク酸を含有し
たポリエステル樹脂をバインダーとするトナーがオイル
塗布ローラへ付着しても、コハク酸モノマーとして含有
したトナーは弾性を有するのでオイル塗布ローラがバッ
ファーローラへ当接した際の摩耗を低減できる。これに
よりオイルの塗布むらを防止し、ホットオフセットを発
生しにくくする。
【0114】また、本発明は少なくともオイル塗布ロー
ラの内部が弾性部材からなることを特徴とする定着装置
であることが好ましい。
【0115】この定着装置によれば、内部が弾性体のオ
イル塗布ローラは柔らかく当接するので、バッファーロ
ーラに傷が入りにくくなる。これによってオイルの塗布
むらを防止し、ホットオフセットを発生しにくくする。
【0116】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラがバッファーローラに離接する位置よりも回転上流
の位置で、クリーニングローラがバッファーローラに当
接することを特徴とする定着装置であることが好まし
い。
【0117】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
に付着したトナーは、当接した際、バッファーローラに
傷を付けていたが、バッファーローラに付着したトナー
はクリーニングローラによりあらかじめ除去されオイル
塗布ローラには付着しにくくなる。その結果、トナーの
付着でオイル塗布ローラ表面が硬くなることを防止でき
るので、バッファーローラ表面に傷は付きにくくなる。
これによってオイルの塗布むらを防止し、ホットオフセ
ットを発生しにくくする。
【0118】さらに本発明は、少なくとも表面材料がフ
ッ素樹脂からなる定着ローラを用いることを特徴とする
定着装置であることが好ましい。
【0119】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
が当接する際に定着ローラとバッファーローラとの間に
加わる加重が大きくなる。この瞬間に定着ローラによっ
てバッファーローラがダメージを受けて表面が摩耗する
問題が発生する。そこで摩擦抵抗の少ないフッ素樹脂系
の定着ローラ表面とすることにより、バッファーローラ
表面に傷が入ることを低減できる。これによってオイル
の塗布むらを防止し、ホットオフセットを発生しにくく
する。
【0120】さらに本発明は、少なくともベルトと加圧
ローラとを用いてトナーを記録材上に熱と圧力との作用
で定着することを特徴とする定着装置であることが好ま
しい。
【0121】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
が当接する際に定着ローラとバッファーローラとの間に
加わる加重が大きくなる。この瞬間、定着ローラでバッ
ファーローラがダメージを受けて表面が摩耗する問題が
発生する。そこで定着ローラの代わりに変形しやすいベ
ルトを用いることにより加重が加わった時の力を緩和で
きるので、バッファーローラ表面に傷が入ることを低減
できる。これによってオイルの塗布むらを防止し、ホッ
トオフセットを発生しにくくする。
【0122】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラのバッファーローラに対する押圧力をオイル塗布ロ
ーラの回転1周目は低くして、回転2周目以降は1周目
の押圧力より高くすることを特徴とする定着装置である
ことが好ましい。
【0123】この定着装置によれば、オイル塗布ローラ
が当接した際にバッファーローラに傷が入るが、回転1
周目に弱い力で押圧、2周目以降で高い力で押圧の手段
を用いることによって、急激にオイルローラが強い力で
当接しないので、バッファーローラに傷が付きにくい。
これによりオイルの塗布むらを防止でき、ホットオフセ
ットを発生しにくくする。
【0124】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラの押圧力をオイル塗布ローラの残量が少なくなるに
つれて押圧力を上げることを特徴とする定着装置であ
る。
【0125】前記特徴の定着装置によれば、オイル残量
が十分にある時は当接の押圧力を低くできるのでバッフ
ァーローラへ傷が入りにくくなる。これによってオイル
の塗布むらを防止でき、ホットオフセットを発生しにく
くする。
【0126】さらに本発明は、少なくともオイル塗布ロ
ーラとクリーニングローラとが一体型ユニットとなって
いることを特徴とする定着装置であることが好ましい。
【0127】この定着装置によれば、バッファーローラ
を用いることで構成が複雑となり、ヒートローラに紙が
巻き付いた際にその紙を取り除くことが難しくなるが、
オイル塗布ローラとクリーニングローラとを一体化する
ことによって簡単にジャム処理ができるようになる。
【0128】以上の効果により、OHPジャムが発生せ
ず、オイルローラ離接時の温度低下も発生しない上で、
なおかつ、バッファーローラに傷が入りホットオフセッ
トが発生する現象を防止し、定着装置の長寿命化を実現
できる。また、紙ジャム処理が容易となりメンテナンス
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の定着装置の側断面図
【図2】本発明の実施例1のオイル塗布ローラの側断面
【図3】本発明の実施例3の定着装置の側断面図
【図4】本発明の実施例5の定着装置の側断面図
【符号の説明】
1 定着ローラ 2,8 金属製中空ローラ芯金 3,9 弾性層 4 オイル担持ゴム層 5 ヒータ 6 温度センサー 7 加圧ローラ 10 加圧バネ 11 記録材 12 案内板 13 カラートナー 14 バッファーローラ 15 オイル塗布ローラ 16 離接機構 17 レバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/087 G03G 9/08 331 (72)発明者 林 一雅 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 湯浅 安仁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 大塚 正雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2H005 CA08 DA06 DA10 2H033 AA09 BA43 BA44 BA58 BB01 BB28 CA01 CA39 3J103 AA02 AA13 AA14 AA15 AA24 AA32 AA33 AA41 AA51 AA81 BA03 BA23 BA41 BA43 CA45 CA66 FA01 FA18 FA23 GA02 GA52 GA57 GA58 GA64 GA66 GA73 HA03 HA04 HA05 HA12 HA15 HA18 HA37 HA43 HA48 HA53 HA60

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結着樹脂としてポリエステル樹脂を有し,
    少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体を含むトナー
    と、 記録紙上の前記トナー像を定着するための定着装置とし
    て、 定着ローラと、 定着ローラに当接する加圧ローラと、 定着ローラを加熱する加熱部材と、 少なくとも表面材料がシリコーンゴム、フッ素ゴム、フ
    ルオロシリコーンゴムのいずれかの耐熱ゴムからなり、
    定着ローラに当接するバッファーローラと、 少なくとも表面材料がフッ素樹脂の多孔質部材で内部に
    オイルを保持し、前記バッファーローラに当接してオイ
    ルを塗布するオイル塗布ローラと、前記バッファーロー
    ラと前記オイル塗布ローラとを接離する接離機構と、 を有する定着装置と、を備えることを特徴とする画像形
    成装置。
  2. 【請求項2】結着樹脂としてポリエステル樹脂を有し,
    少なくとも酸成分としてコハク酸誘導体を含むトナー
    を、定着ローラと加圧ローラと加熱部材を用いて、記録
    材上に熱と圧力との作用で定着する定着装置であって、 少なくとも表面材料がシリコーンゴム、フッ素ゴム、フ
    ルオロシリコーンゴムのいずれかの耐熱ゴムからなり、
    定着ローラに当接するバッファーローラと、 少なくとも表面材料がフッ素樹脂の多孔質部材で内部に
    オイルを保持し、バッファーローラに当接してオイルを
    塗布するオイル塗布ローラと、 前記バッファーローラと前記オイル塗布ローラとを接離
    する接離機構と、を有することを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】少なくともオイル塗布ローラの内部が弾性
    部材からなることを特徴とする請求項2に記載の定着装
    置。
  4. 【請求項4】少なくともオイル塗布ローラがバッファー
    ローラに離接する位置よりも回転上流の位置で、クリー
    ニングローラがバッファーローラに当接することを特徴
    とする請求項2または3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 【請求項5】少なくとも表面材料がフッ素樹脂からなる
    定着ローラを用いることを特徴とする請求項2〜4のい
    ずれかに記載の定着装置。
  6. 【請求項6】少なくともベルトと加圧ローラとを用いて
    トナーを記録材上に熱と圧力との作用で定着することを
    特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 【請求項7】少なくともオイル塗布ローラのバッファー
    ローラに対する押圧力をオイル塗布ローラの回転1周目
    は低くして、回転2周目以降は1周目の押圧力より高く
    することを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の
    定着装置。
  8. 【請求項8】少なくともオイル塗布ローラの押圧力をオ
    イル塗布ローラの残量が少なくなるにつれて押圧力を上
    げることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の
    定着装置。
  9. 【請求項9】少なくともオイル塗布ローラとクリーニン
    グローラとが一体型ユニットとなっていることを特徴と
    する請求項2〜8のいずれかに記載の定着装置。
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JP (1) JP2002006669A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006201727A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Ricoh Co Ltd トナー、現像剤及び画像形成装置

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JP2006201727A (ja) * 2005-01-24 2006-08-03 Ricoh Co Ltd トナー、現像剤及び画像形成装置

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