JP2002004242A - 透水性を有する親水護岸構造物及び親水護岸構造物用ブロック - Google Patents

透水性を有する親水護岸構造物及び親水護岸構造物用ブロック

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JP2002004242A
JP2002004242A JP2000187221A JP2000187221A JP2002004242A JP 2002004242 A JP2002004242 A JP 2002004242A JP 2000187221 A JP2000187221 A JP 2000187221A JP 2000187221 A JP2000187221 A JP 2000187221A JP 2002004242 A JP2002004242 A JP 2002004242A
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hydrophilic
deck
revetment structure
water
concrete block
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Rurie Inaba
留里絵 稲葉
Toshio Morishita
敏夫 森下
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Tetra Co Ltd
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Tetra Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 越波による越流水を天端面上から速やかに排
出し、かつ、コンクリートブロックに作用する揚圧力を
好適に低減させることができる親水護岸構造物、及び、
そのような構造物を構築するためのコンクリートブロッ
クを提供する。 【解決手段】 天端面8を含む上段部2と、底面を含む
下段部3と、それらの間に位置する中段部4によって構
成されるコンクリートブロック1であって、上段部2の
側面及び下段部3の側面に、外側方向へ突出する突起7
を形成し、中段部4の水平断面積が、上段部2及び下段
部3の水平断面積よりも小さくなるように構成すること
によって、中段部4においていわゆる「くびれ」を形成
したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波による浸食を防
止して海岸線を保護するための護岸構造物及び護岸構造
物構築用のブロック、特に、人間の歩行或いは自転車の
通行が可能なように構成したデッキ(親水デッキ)を有
する親水護岸構造物、及び、そのような構造物を構築す
るためのコンクリートブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、海岸線においては、波による
浸食を防止する目的で、多数のコンクリートブロックを
敷設してなる護岸構造物(護岸工、被覆工)が構築され
ている。このような護岸構造物に用いられるコンクリー
トブロックとしては、これまでに様々な大きさ、形状の
ものが開発され、実用化されている。
【0003】コンクリートブロックによる従来の護岸構
造物は、純粋に護岸のみを目的としたものが多いが、最
近では、人間の生活環境と自然環境との調和という観点
から、護岸のみを目的とした既設の護岸構造物より更に
沖側に向けて、親水施設としても利用可能な、コンクリ
ートブロックによる護岸構造物を構築しようとするニー
ズが高まっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】護岸構造物は、波によ
る浸食を防止するためのものであるから、当然に来襲波
を受けることになる。このため、コンクリートブロック
による親水護岸構造物を構築しようとする場合には、利
用者の安全性を確保することが重要であり、また、管理
が容易であること(より好ましくは、メンテナンス・フ
リーであること)が望まれる。
【0005】具体的には、親水護岸構造物において来襲
波による越波が生じ、その越流水が構造物の天端面上に
いつまでも滞留していると、親水施設として利用する上
で支障を来すことになるため、かかる親水護岸構造物に
おいては、来襲波による越波が生じた場合に、その越流
水を速やかに処理できるように配慮する必要がある。
【0006】また、来襲波を受けた場合、親水護岸構造
物を構成する各コンクリートブロックには揚圧力が作用
することになるので、構造物の安全性を確保するために
は、この揚圧力を好適に低減させることができるよう工
夫する必要がある。
【0007】本発明は、上記のような課題を解決すべく
なされたものであって、越波による越流水を天端面上か
ら速やかに排出し、かつ、各コンクリートブロックに作
用する揚圧力を好適に低減させることができる親水護岸
構造物、及び、そのような構造物を構築するためのコン
クリートブロックを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る親水護岸構
造物は、上記のような課題を解決するために、捨石層上
に多数のコンクリートブロックを密に配列することによ
って形成した親水デッキを有するとともに、配列された
各コンクリートブロック同士の間に、親水デッキ上より
越流水を排出するためのクリアランスを形成し、親水デ
ッキの下には、前記クリアランスを介して親水デッキ上
より排出された越流水を一時的に滞留させるための空間
を形成したことを特徴としており、これによって透水性
を確保し、越波による越流水を速やかに排出することが
できるようになっている。
【0009】また、配列された各コンクリートブロック
同士の間には、親水デッキ上より越流水を排出するため
のクリアランスのほかに、水位の上昇によってコンクリ
ートブロックの下側より到来した海水を、親水デッキの
下に形成されている空間に流入させるためのクリアラン
スを形成することが好ましく、これにより、水位上昇に
よって各コンクリートブロックに作用する揚圧力を低減
化することが可能となる。
【0010】更に、各コンクリートブロックの天端面に
は、親水デッキ上より越流水を排出するための切欠を設
け、各コンクリートブロックの底面には、水位の上昇に
よってコンクリートブロックの下側より到来した海水
を、親水デッキの下に形成されている空間に流入させる
ための切欠を設けるように構成すれば、越流水の排出
と、揚圧力の軽減を、より効率よく行うことができる。
【0011】尚、このような親水護岸構造物を構築する
際には、天端面を含む上段部と、底面を含む下段部と、
それらの間に位置する中段部によって構成されるコンク
リートブロックであって、上段部の側面及び/又は下段
部の側面に、突起及び/又は凹部が形成されているもの
を用いれば、コンクリートブロックを配列した際、隣接
するコンクリートブロック同士の間には、少なくともそ
の突起の高さ、或いは、凹部の大きさの分だけクリアラ
ンスが形成されるので、これを越流水の排水のために機
能させることができる。
【0012】また、中段部の水平断面積が、上段部及び
下段部の水平断面積よりも小さくなるように構成するこ
とによって、中段部においていわゆる「くびれ」を形成
したコンクリートブロックを用いた親水デッキを構成し
た場合には、親水デッキの下方において、「くびれ」部
分によって大きな空間が確保されることになるので、こ
れを、親水デッキから排出された越流水、及び、水位上
昇によってコンクリートブロックの下側から到来した海
水を一時的に滞留させるための空間として利用すること
ができ、従って、越流水の迅速な排出、及び、揚圧力の
軽減という効果を期待することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】ここで、図面を参照しながら、本
発明の好適な実施形態について説明する。まず、図1の
(1)は、本発明の第1の実施形態に係る親水護岸構造
物の構築に用いられるコンクリートブロック1の側面
図、同図の(2)は、その平面図、図2は、その外観斜
視図である。これらの図からも明らかなように、本実施
形態において使用されるコンクリートブロック1は、上
段部2、下段部3、それらの中間に位置する中段部4、
上段部2と中段部4の間に位置する逆テーパ部5、下段
部3と中段部4の間に位置するテーパ部6とによって構
成されており、これらの各部は、それぞれ平面が矩形状
に形成されている。
【0014】また、上段部2の四つの側面2a,2b,
2c,2d、及び、下段部3の四つの側面3a,3b,
3c,3dには、外側へ向かって突出する突起7(7a
〜7h)がそれぞれ形成されている。
【0015】本実施形態におけるコンクリートブロック
1は、天端面8の寸法が120cm×120cm、高さ
が120cmに設定されており、重量は、約3000k
gに設定されているが、天端面8の寸法については、5
0〜200cm、高さについても、50〜200cm、
重量については、200〜15000kgの範囲で適宜
設定することができる。
【0016】図3は、図1及び図2に示したコンクリー
トブロック1を用いて構築した親水護岸構造物9の断面
構造を示す図であり、この図において10は、既設の護
岸構造物である。この図に示されているように、本実施
形態に係る親水護岸構造物9は、既設の護岸構造物10
の沖側(図3において右側)に構築されている。
【0017】この親水護岸構造物9の具体的な構築方法
について説明すると、まず、既設の護岸構造物10から
沖側に向けて、海底に捨石11を配することにより、土
台となる基礎捨石層12を形成する。
【0018】次に、基礎捨石層12の天面12a上に、
コンクリート製のケーソン13を設置する。そして、基
礎捨石層12の天面12a上であって、ケーソン13の
沖側、及び、基礎捨石層12の先端の傾斜面12b上に
は、適宜、消波ブロック14を配置する。消波ブロック
14は、一種類のみを用いても良いが、形状の異なる複
数種類のものを組み合わせて用いても良い。
【0019】ケーソン13と既設の護岸構造物10との
間のスペースには、捨石11を配置することにより、デ
ッキ下捨石層15を形成する。また、このデッキ下捨石
層15の捨石11とケーソン13との間には、袋詰捨石
ユニット16を配置する。この袋詰捨石ユニット16
は、袋状の化学繊維製ネットの中に比較的大きめの石を
複数詰め込んでなるものであり、裏込め捨石の内部摩擦
角を軽減し、かつ、透水機能を増加させる働きを有す
る。
【0020】デッキ下捨石層15の捨石11と袋詰捨石
ユニット16は、図3に示されているように、ほぼ同一
の高さにまで積層される。そして、それらの捨石11及
び袋詰捨石ユニット16の上層に、図1及び図2に示し
たようなコンクリートブロック1を水平方向に密に配列
する。これらの多数のコンクリートブロック1の天端面
8、及び、ケーソン13の上面13aによって形成され
る平面は、吹き付け加工等が施されることによって滑り
止め処理がなされており、平坦な踏み面として構成され
ることによって、人間の歩行や自転車の通行が可能で、
人が散策したり、憩ったり、或いは、子供が簡単な球技
をしたりできるような広さ(例えば、5〜20m四方程
度)の親水デッキ19として利用することができる。
【0021】尚、捨石11等の上層においてコンクリー
トブロック1を密に並べたとしても、図4(多数のコン
クリートブロック1を水平方向に密に配列した状態を示
す平面図)に示すように、隣接するコンクリートブロッ
ク1の上段部2同士の間、及び、下段部3同士の間に
は、所定幅(約2〜3cm)のクリアランス18が形成
される。このようなクリアランス18は、各コンクリー
トブロック1の上段部2及び下段部3の各側面にそれぞ
れ突出形成されている突起7の存在により、必然的に生
じることになる。
【0022】尚、クリアランス18は、コンクリートブ
ロック1の上段部2(或いは下段部)の各側面に、図9
の(1)または(2)に示すような凹部23によって形
成されるようにしても良い。
【0023】ここで、以上のような方法によって構築し
た親水護岸構造物9の作用について説明する。図3に示
されているように、密に配列されたコンクリートブロッ
ク1の天端面8及びケーソン13の上面13aによって
構成される親水デッキ19は、満潮時の水位(H.W.L.)
よりも高い位置に設定されているので、平常時において
は基本的に海面上に露出していることになる。しかしな
がら、波高の大きな来襲波がケーソン13のエッジ13
bを越えてしまった場合(即ち、越波した場合)、親水
デッキ19は、越流水によって覆われてしまうことにな
る。
【0024】但し、本実施形態における親水護岸構造物
9は、親水デッキ19を構成する各コンクリートブロッ
ク1の上段部2の間に、所定幅のクリアランス18が形
成されているので、越流水は、親水デッキ19上から、
このクリアランス18を抜けて下方へ排出されることに
なる。そして、親水デッキ19上より下方へ排出された
越流水は、更に、デッキ下捨石層15における捨石11
(又は、袋詰捨石ユニット16)の間隙を抜け、基礎捨
石層12を介して海へ還流することになる。
【0025】尚、本実施形態に係るコンクリートブロッ
ク1は、図1及び図2に示されているように、上段部2
及び下段部3よりも横幅及び奥行き寸法(水平断面積)
が小さく設定された中段部4、上段部2の下方に位置す
る逆テーパ部5、及び、下段部3の上方に位置するテー
パ部6とによって、いわゆる「くびれ」が形成されてい
るので、隣接するコンクリートブロック1同士の間に
は、親水デッキ19下において、大きな空間が確保され
ることになる。
【0026】このように、親水デッキ19の下に大きな
空間が確保されることにより、大量の越流水によって親
水デッキ19が覆われてしまった場合であっても、かか
る越流水を親水デッキ19下へ、速やかに排出すること
ができる。
【0027】この点についてより詳細に説明する。前述
したように、親水デッキ19下へ排出された越流水は、
最終的には基礎捨石層12を介して海へ還流されること
になるが、越流水がデッキ下捨石層15の間隙を抜けて
行くには、当然のことながら、ある程度の時間を要す
る。
【0028】そして、捨石11の上層に、側面が垂直面
のみによって構成され、前述したような「くびれ」が形
成されていないコンクリートブロックを配置した場合に
は、親水デッキ19上より排出される越流水の流量(或
いは、所要時間)は、デッキ下捨石層15の間隙を抜け
て行く越流水の流量(或いは、所要時間)に依存してし
まうことになる。従って、親水デッキ19上に大量の越
流水が到来した場合には、先行する越流水がデッキ下捨
石層15の間隙を抜けるまでの間、越流水の一部が親水
デッキ19上に滞留してしまい、速やかに排出されない
という事態が生じ得る。
【0029】これに対し、本実施形態において使用され
るコンクリートブロック1には「くびれ」が形成されて
おり、これによって親水デッキ19下に大きな空間が確
保されることになるので、親水デッキ19上より排出さ
れる越流水の流量(或いは、所要時間)が、捨石11の
間隙を抜けて行く越流水の流量(或いは、所要時間)に
依存するというようなことはなく、親水デッキ19上の
越流水を、「くびれ」によって形成された親水デッキ1
9下の空間へと、速やかに排出させることができる。
【0030】また、本実施形態における親水デッキ19
は、前述したように、隣接するコンクリートブロック1
の下段部3同士の間にも、クリアランス18が形成され
ているので、揚圧力を好適に低減することができる。
尚、ここに言う揚圧力とは、水位の上昇によって海水に
曝されることになるコンクリートブロック1に作用する
水圧であって、コンクリートブロック1を上方へ押し上
げる方向に働く力のことである。
【0031】より具体的に説明すると、本実施形態にお
ける親水護岸構造物9は、図3に示されているように、
基礎捨石層12の天面12a上にデッキ下捨石層15
(及び袋詰捨石ユニット16)が形成されており、海水
は、基礎捨石層12及びデッキ下捨石層15の各捨石1
1の間の隙間を自由に流通することができるようになっ
ているので、デッキ下捨石層15の各捨石11間の隙間
には、ケーソン13よりも沖側の水位と同レベルで海水
が存在している。
【0032】従って、ケーソン13よりも沖側の海水の
水位が、コンクリートブロック1の下端よりも高いレベ
ルにまで上昇した場合には、これに応じてデッキ下捨石
層15に存在する海水の水位も上昇し、コンクリートブ
ロック1を上方へ押し上げようとする揚圧力が、各コン
クリートブロック1に作用することになる。
【0033】但し、前述したように、本実施形態におい
ては、隣接するコンクリートブロック1の下段部3同士
の間にも、クリアランス18が形成されているので、デ
ッキ下捨石層15より上昇してコンクリートブロック1
の底面にまで達した海水は、このクリアランス18を抜
けて、親水デッキ19下の空間に流入することになる。
【0034】このように、本実施形態においては、上昇
した海水の一部を親水デッキ19下の空間に流入させる
ことにより、コンクリートブロック1を上方に押し上げ
ようとする揚圧力を軽減させることができるようになっ
ている。
【0035】尚、前述の通り、本実施形態におけるコン
クリートブロック1は、重量が約3000kgに設定さ
れているが、寸法を変更し、単位面積当たりの重量を調
整することで、揚圧力に対抗して安定状態を確保するこ
とができる。
【0036】次に、本発明の第2の実施形態について説
明する。図5の(1)は、本実施形態において親水護岸
構造物の構築に用いられるコンクリートブロック1の側
面図、同図の(2)は、その平面図、図6は、その外観
斜視図である。これらの図からも明らかなように、この
コンクリートブロック1は、図1及び図2に示したもの
と基本的な構成は共通しているが、上段部2には切欠2
0a,20cが形成され、下段部3には切欠21b,2
1dが形成されている点において異なっている。
【0037】このようなコンクリートブロック1を第1
の実施形態と同様に配列し、図3に示すような親水護岸
構造物9を構築した場合には、来襲波によって到来した
越流水を、より速やかに、親水デッキ19下の空間へと
排出することが可能となる。
【0038】これは、図7(多数のコンクリートブロッ
ク1を水平方向に密に配列した状態を示す平面図)に示
すように、本実施形態においては、隣接するコンクリー
トブロック1同士の間に形成されるクリアランス18だ
けでなく、各コンクリートブロック1の天端面8上に形
成される切欠20a,20cからも、越流水が排出され
ることになるからである。尚、これらの切欠20a,2
0cには、必要に応じてグレーチングを設置することに
より、歩行者における安全性を確保することができる。
【0039】また、図5及び図6に示されているよう
に、このコンクリートブロック1の下段部3には、切欠
21b,21dが形成されているので、海水がデッキ下
捨石層15より上昇して、コンクリートブロック1の下
端にまで達した場合においても、下段部3同士の間に形
成されているクリアランス18、及び、切欠21b,2
1dを抜けて、親水デッキ19下の空間に流入すること
になる。従って、より好適に揚圧力を軽減することが可
能となっている。
【0040】更に、このコンクリートブロック1の下段
部3の切欠21b,21dは、図5及び図6に示されて
いるように、上段部2の切欠20a,20cの鉛直下方
向から外れた位置に形成されているので、水位の上昇に
より海水が下方から下段部3の切欠21b,21dを抜
けて、勢い良く流入した場合であっても、飛沫が上段部
2の切欠20a,20cを抜けて、親水デッキ19上に
まで跳ね上がることを防止することができ、また、上昇
してくる水塊の動きを複雑にさせ、エネルギー滅殺効果
を促進させることができる。
【0041】続いて、本発明の第3の実施形態について
説明する。本実施形態においては、図3に示した親水デ
ッキ19を構成するコンクリートブロック1の配列の中
に、図8に示すような開口部22を形成し、その内部に
は捨石11を充填する。このように構成した場合、親水
デッキ19上に越流水が到来した際に、その越流水をコ
ンクリートブロック1間のクリアランス18、切欠20
a,20cだけでなく、これらの開口部22からも、デ
ッキ下捨石層15へと導くことができるので、より効果
的な越流水の排出が可能となる。
【0042】また、水位の上昇によってコンクリートブ
ロック1に作用する揚圧力も、海水をデッキ下捨石層1
5からこの開口部22へ流入させることによって、飛躍
的に低減化することができる。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る親
水護岸構造物は、来襲波が越波して親水デッキが越流水
に覆われてしまった場合であっても、これを速やかに排
出することができる。
【0044】また、水位の上昇によってコンクリートブ
ロックの下側から到来した海水を親水デッキ下の空間、
或いは、親水デッキの中に形成した開口部に流入させる
ことによって、揚圧力を好適に低減することができる。
【0045】これらの効果が期待できることから、本発
明に係る親水護岸構造物は、利用者の安全性を確保する
ことができ、また、構造物自体の管理が容易であるとい
う効果をも期待することができる。
【0046】更に、本発明に係る親水護岸構造物用ブロ
ックは、上段部の側面及び/又は下段部の側面に、突起
又は凹部が形成され、中段部においていわゆる「くび
れ」が形成されているので、上記のような機能を有する
親水デッキを簡単に構築することができる。
【0047】そして、このような親水デッキ(或いは、
親水デッキを有する親水護岸構造物)を構築することに
より、人が散策したり、憩ったり、或いは、子供が簡単
な球技をしたりできるような、自然環境と調和した人間
の憩いの場を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る親水護岸構造
物の構築に用いられるコンクリートブロック1の見取
図。
【図2】 図1に示したコンクリートブロック1の斜視
図。
【図3】 図1に示したコンクリートブロック1を用い
て構築した親水護岸構造物9の断面図。
【図4】 図1に示したコンクリートブロック1を水平
方向に密に配列した状態を示す平面図。
【図5】 本発明の第2の実施形態に係る親水護岸構造
物の構築に用いられるコンクリートブロック1の見取
図。
【図6】 図5に示したコンクリートブロック1の斜視
図。
【図7】 図5に示したコンクリートブロック1を水平
方向に密に配列した状態を示す平面図。
【図8】 本発明の第3の実施形態における親水デッキ
19の平面図。
【図9】 本発明に係るコンクリートブロック1の他の
適用例を示す平面図。
【符号の説明】
1:コンクリートブロック、 2:上段部、 2a〜2d:上段部の側面、 3:下段部、 3a〜3d:下段部の側面、 4:中段部、 5:逆テーパ部、 6:テーパ部、 7:突起、 8:天端面、 9:親水護岸構造物、 10:既設の護岸構造物、 11:捨石、 12:基礎捨石層、 12a:天面、 12b:傾斜面、 13:ケーソン、 13a:上面、 13b:エッジ、 14:消波ブロック、 15:デッキ下捨石層、 16:袋詰捨石ユニット、 18:クリアランス、 19:親水デッキ、 20a,20c,21b,21d:切欠、 22:開口部、 23:凹部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】捨石層上に多数のコンクリートブロックを
    密に配列することによって形成した親水デッキを有する
    親水護岸構造物であって、 配列された各コンクリートブロック同士の間には、親水
    デッキ上より越流水を排出するためのクリアランスが形
    成され、 親水デッキの下には、前記クリアランスを介して親水デ
    ッキ上より排出された越流水を一時的に滞留させるため
    の空間が形成されていることを特徴とする、透水性を有
    する親水護岸構造物。
  2. 【請求項2】配列された各コンクリートブロック同士の
    間には、親水デッキ上より越流水を排出するためのクリ
    アランスのほかに、水位の上昇によってコンクリートブ
    ロックの下側より到来した海水を、親水デッキの下に形
    成されている空間に流入させるためのクリアランスが形
    成されていることを特徴とする、請求項1に記載の透水
    性を有する親水護岸構造物。
  3. 【請求項3】各コンクリートブロックの天端面には、親
    水デッキ上より越流水を排出するための切欠が形成され
    ていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載
    の透水性を有する親水護岸構造物。
  4. 【請求項4】各コンクリートブロックの底面には、水位
    の上昇によってコンクリートブロックの下側より到来し
    た海水を、親水デッキの下に形成されている空間に流入
    させるための切欠が形成されていることを特徴とする、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の透水性を有す
    る親水護岸構造物。
  5. 【請求項5】親水デッキを構築するために用いられるコ
    ンクリートブロックであって、天端面を含む上段部と、
    底面を含む下段部と、それらの間に位置する中段部によ
    って構成され、 中段部の水平断面積が、上段部及び下段部の水平断面積
    よりも小さくなるように形成されるとともに、 上段部の側面及び/又は下段部の側面に、突起及び/又
    は凹部が形成されていることを特徴とする、親水護岸構
    造物用ブロック。
JP2000187221A 2000-06-22 2000-06-22 透水性を有する親水護岸構造物及び親水護岸構造物用ブロック Pending JP2002004242A (ja)

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