JP2002001590A - 殺菌手段を有する減容機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 減容機で医療廃棄物の減容作業をするとき
に、発生する不衛生な有害物を消毒する。 【解決手段】 ドラム缶２１内の医療廃棄物２２を、油
圧シリンダ３のロッド４先端に取付けた圧縮板６で圧縮
減容する減容機で、圧縮板の昇降でドラム缶の開口部を
閉塞開放する防止蓋５の上面に、ドラム缶内に消毒液を
噴霧するノズル９とドラム缶内を照射する殺菌灯１３と
を設ける。医療廃棄物の減容作業時に医療廃棄物から発
生する液状、霧状の不衛生な有害物を、消毒液の噴霧と
殺菌灯による照射で消毒できるので、作業員の作業環境
を衛生的に維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、ドラム缶に投入
された医療廃棄物を圧縮して容積を減らすために使用さ
れる減容機に関し、詳しくは、減容作業を行なう作業員
の作業環境を衛生的に維持できるようにした減容機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ドラム缶に投入された医療廃棄物を減容
する減容機は、油圧シリンダのロッド端に取付けられた
圧縮板で、ドラム缶内の医療廃棄物を油圧シリンダの作
動により圧縮減容するものである。ドラム缶が満杯にな
ると上蓋をして、約２５００℃の高温でドラム缶ごと溶
融して金属とスラグとを分離する。そして、金属は回収
して再利用し、スラグは骨材として、例えば道路舗装用
のコンクリート骨材などに利用する。

【０００３】ところで、医療廃棄物はプラスチック袋や
プラスチック容器に密封されているが、圧縮の過程で破
れた袋や壊れた容器から瓶のかけらや注射針などがドラ
ム缶外に飛散する危険があった。さらに、液状、或いは
霧状になった不衛生な有害物がドラム缶から飛散するこ
とがあった。

【０００４】そこで本出願人は、先に「減容機に於ける
防止蓋」を考案をして実用新案登録出願をした（実用新
案登録第３０６１９７９号）。このびんのかけらなどの
飛散を防止する防止蓋は、圧縮時にドラム缶の外周面上
端に着脱自在に嵌め込まれるもので、びんのかけら、注
射針などがドラム缶から飛び出すのを防止するものであ
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧縮板
の降下にともない降下した防止板がドラム缶を閉塞した
状態で行なわれる減容から、減容を終えた圧縮板の上昇
により防止蓋が上昇して、ドラム缶の閉塞を解いて上昇
して停止するまでの減容作業時に、医療廃棄物から発生
する霧状や液状の不衛生な有害物が、ドラム缶閉塞時に
は防止蓋とドラム缶との隙間から、又ドラム缶開放時に
はドラム缶から飛散して、作業員の作業環境を不衛生に
することは避けられなかった。

【０００６】この発明が解決しようとする課題は、上記
のようなドラム缶外に飛散する霧状や液状の有害物を消
毒して、作業員の作業環境を衛生的に維持することにあ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の特徴は、ドラ
ム缶に投入した医療廃棄物を、油圧シリンダのロッドの
先端に取付けた圧縮板で圧縮減容する減容機に於いて、
圧縮板の降下によりドラム缶の開口部を覆い、医療廃棄
物の減容を終えた圧縮板の上昇により前記開口部を開放
する防止蓋の上面に、ドラム缶内に消毒液を噴霧するノ
ズルとドラム缶内を照射する殺菌灯とを設けたことを特
徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】公知の減容機について説明する
と、１はドラム缶２１を載置する基台で、フレーム２が
立設されている。３は復動形の油圧シリンダで、フレー
ム２の先端に鉛直方向に立設されている。４は油圧シリ
ンダ３のロッドで、防止蓋５を貫通し、先端には圧縮板
６が取付けられている。

【０００９】防止蓋５は、油圧シリンダ３の作動による
圧縮板６の降下とともに降下して、ドラム缶２１の開口
部を覆って、びんのかけらなどがドラム缶から飛散する
のを防止し、圧縮を終えた圧縮板の上昇により前記開口
部を開放する。圧縮板６は、油圧シリンダ３の作動によ
り、袋や容器に入った医療廃棄物２２を圧縮して減容す
る。

【００１０】７は消毒液を噴霧する噴霧ユニットで、ポ
ンプ８とノズル９とから主としてなり、防止蓋５の水平
な上面に取付けられている。ノズル９は、圧縮板６によ
る医療廃棄物２２の減容作業時にドラム缶２１内に消毒
液を噴霧する。１０は消毒液タンクで、フレーム２に着
脱自在に取付けられており、消毒液タンク内の消毒液は
ポンプ８によりノズル９に送られる。１１は防止蓋に設
けた開口部で、ノズルの先端はこの開口部から下方に突
出する。なお、消毒液には、塩化ベンザルコニウム液１
０％を１００〜２００倍に希釈して使用している。

【００１１】１２は殺菌灯ユニットで、防止蓋５の上面
に取付けられ、殺菌灯１３及び反射板１４とから主とし
てなる。１５は防止蓋に設けた開口部であって、殺菌灯
１３は、医療廃棄物２２を減容するとき、ドラム缶内を
この開口部から照射する。１６は殺菌灯の保護部材で、
図示例では透明なアクリル板が用いられており、前記開
口部１５を閉塞して減容時にびんのかけらなどで殺菌灯
が壊れるのを防ぐ。

【００１２】ノズル９の消毒液の噴霧開始及び殺菌灯１
３の点灯は、防止蓋５が油圧シリンダ３の作動で下降を
所定の位置に達したとき、例えばドラム缶２１の高さに
達したときに行なわれる。そして、医療廃棄物２２の減
容が完了して防止蓋が上昇し、再度前記位置に達したと
き、ノズルの消毒液の噴霧停止及び殺菌灯の消灯が行な
われる。このような噴霧、点灯は、防止蓋５と減容機の
不動部であるフレーム２との間に、リミットスイッチを
設けることで容易にできる。

【００１３】

【発明の効果】減容機に消毒液の噴霧、殺菌灯の照射に
より、医療廃棄物を減容作業する際、ドラム缶内から発
生する不衛生な霧状、液状の有害物を消毒できるので、
作業員の作業環境を衛生的に維持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】要部の一部欠截側面図である。

【図２】要部の平面図である。

【図３】側面図である。

【符号の説明】

３ 油圧シリンダ ５ 防止蓋 ６ 圧縮板 ９ ノズル １３ 殺菌灯 ２１ ドラム缶 ２２ 医療廃棄物

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラム缶に投入した医療廃棄物を、油
   圧シリンダのロッドの先端に取付けた圧縮板で圧縮減容
   する減容機に於いて、圧縮板の降下によりドラム缶の開
   口部を覆い、医療廃棄物の減容を終えた圧縮板の上昇に
   より前記開口部を開放する防止蓋の上面に、ドラム缶内
   に消毒液を噴霧するノズルとドラム缶内を照射する殺菌
   灯とを設けたことを特徴とする殺菌手段を有する減容
   機。