JP2002001574A - アルミニウム合金製ブレージングシート及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム合金製ブレージングシート及びその製造方法Info
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Abstract
成形性及び耐エロージョン性が優れたアルミニウム合金
製ブレージングシートを提供する。 【解決手段】 アルミニウム合金製ブレージングシート
の構成を、Al−Mn系合金からなる心材1と、この心
材2の両面に形成されたAl−Si系合金からなるろう
材3とからなる3層構造とする。この心材3はその圧延
方向に対して直角な方向の断面における平均結晶粒径を
50μm以下とし、クラッド率を50%以上とする。ま
た、このブレージングシートには1乃至5%の予歪を付
与する。なお、ろう材3の一方を犠牲層2とすることが
できる。
Description
ージョン性が優れたアルミニウム合金製ブレージングシ
ート及びその製造方法に関し、特に、ろう付けにより組
み立てられる熱交換器の材料として好適なアルミニウム
合金製ブレージングシート及びその製造方法に関する。
る高性能化及びコストの低減を達成するため、材料の薄
肉化及び軽量化が検討されている。熱交換器の材料に
は、アルミニウム合金にろう材をクラッドしたアルミニ
ウム合金製ブレージングシートが一般的に使用されてい
るが、材料を薄肉化するためには材料の耐食性を向上さ
せる必要がある。そのため、従来より、ブレ−ジングシ
ートにおける侵食(エロージョン)を抑制し耐食性を向
上させるため、ブレージングシートのろう付による熱を
利用して心材の結晶粒径を増大させる方法が検討されて
いる(特開2000−38631号公報及び特開平8−
291353号公報等)。
材成分としてFe及びCu等を添加し、また、冷間圧延
及び仕上げ焼鈍を施した材料における圧延方向に対して
直角な方向の面(以下、C断面という)の平均結晶粒径
を40μm以下にすることにより、ろう付け時の加熱で
心材の再結晶が促進され、ろうの侵食が抑制されるアル
ミニウム合金材が記載されている。
は、電縫加工により熱交換器用チューブを得るブレージ
ングシート条の心材のC断面における平均結晶粒径を3
0μm以下とし、更にこのブレージングシート条を硬質
材とすることを特徴とする電縫加工性に優れたアルミニ
ウム合金ブレージング条が記載されている。このブレー
ジングシート条は、粒界の量を増やして応力を分散させ
て電縫加工時に割れを生じなくするため、板厚を0.4
mm以下とし、犠牲材のクラッド率を5乃至30%と
し、ろう材のクラッド率を5乃至30%としている。
000−38631号公報に開示された方法では、心材
にFe及びCuを多量に添加した場合、Al−Fe系の
粗大化合物が晶出する。また、Cuは粒界腐食の感受性
を高める。このため、耐食性に影響を及ぼす虞があるば
かりか、プレス加工時にプレス成形性を損なう虞もある
という問題点がある。
示されたブレージングシート条をチューブ材以外の用
途、例えばヘッダ等に使用した場合、硬質材を使用して
いるため、プレス成形性が劣る虞があるという問題点が
ある。
のであって、薄肉材においても耐食性を損ねることな
く、成形性及び耐エロージョン性が優れたアルミニウム
合金製ブレージングシートを提供することを目的とす
る。
ム合金製ブレージングシートは、Al−Mn系合金から
なる心材と、前記心材の両面にクラッドされたAl−S
i系合金からなるろう材層とを有し、圧延後に焼鈍さ
れ、この焼鈍後に1乃至5%の予歪を付与されたもので
あり、前記心材はその圧延方向に対して直角な方向の断
面における平均結晶粒径が50μm以下であり、前記心
材は全板厚に対する心材の板厚の百分率として定義され
るクラッド率が50%以上であることを特徴とする。
シートに1乃至5%の予歪を付与することにより、プレ
ス成形後のブレージングシートにおいて、エロージョン
が極大となる1%弱の歪量が付与された部位が発生する
ことを防止し、ブレージングシートの耐エロージョン性
を向上させることができる。また、心材の圧延方向に対
して直角な方向の断面における平均結晶粒径を50μm
以下とすることにより、良好な成形性を実現することが
できる。更に、心材のクラッド率を50%以上とするこ
とにより、心材の板厚を確保し、成形性を向上させると
共に、ろう付後のブレージングシートの強度を確保する
ことができる。
と前記ろう材層との間にクラッドされたアルミニウム又
はアルミニウム合金からなる中間層を有し、前記中間層
はその圧延方向に対して直角な方向の断面における平均
結晶粒径が100μm以下であることが好ましい。
に中間層を設けることにより、ろう材層のろうが心材を
侵食することを防止できる。また、中間層の平均結晶粒
径を100μm以下とすることにより、良好な成形性を
実現することができる。
ージングシートは、Al−Mn系合金からなる心材と、
前記心材の一方の面にクラッドされたAl−Si系合金
からなるろう材層と、前記心材の他方の面にクラッドさ
れたアルミニウム又はアルミニウム合金からなる犠牲層
とを有し、圧延後に焼鈍され、この焼鈍後に1乃至5%
の予歪を付与されたものであり、前記心材はその圧延方
向に対して直角な方向の断面における平均結晶粒径が5
0μm以下であり、前記心材は全板厚に対する心材の板
厚の百分率として定義されるクラッド率が50%以上で
あることを特徴とする。
犠牲層を設けることにより、この犠牲層をろう付後に犠
牲陽極として使用することができるため、ブレージング
シートの耐食性を向上させることができる。
ングシートの製造方法は、Al−Mn系合金からなる心
材の両面にAl−Si系合金からなるろう材層をクラッ
ドする工程と、このクラッド材を380乃至530℃の
温度範囲に1℃/秒以上の急熱加熱により加熱した後、
この温度に20秒以下保持する焼鈍工程と、この焼鈍後
のクラッド材に1乃至5%の予歪を付与する工程と、を
有することを特徴とする。
ージングシートの製造方法は、Al−Mn系合金からな
る心材の一方の面にAl−Si系合金からなるろう材層
をクラッドし、前記心材の他方の面にアルミニウム又は
アルミニウム合金からなる犠牲層をクラッドする工程
と、このクラッド材を380乃至530℃の温度範囲に
1℃/秒以上で急熱加熱した後、この温度に20秒以下
保持する焼鈍工程と、この焼鈍後のクラッド材に1乃至
5%の予歪を付与する工程と、を有することを特徴とす
る。
に限定することにより、心材、中間層及び犠牲層の組織
を微細化することができ、ブレージングシートの成形性
を向上させることができる。
付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実
施例に係るアルミニウム合金製ブレージングシートの構
成を示す断面図であって、(a)は両面ろう材の3層ク
ラッド材、(b)は片面犠牲層の3層クラッド材、
(c)は中間層を有する4層クラッド材、(d)は中間
層を有する5層クラッド材を示す。
図1(a)に示すように、Al−Mn系合金からなる心
材1の両面に、例えばAl−Si系合金からなるろう材
3がクラッドされてなる3層クラッド構造材である。ま
た、図1(b)に示すように、心材1の一方の面にろう
材3がクラッドされ、心材1の他方の面にアルミニウム
又はアルミニウム合金からなる犠牲層2がクラッドされ
てなる3層クラッド構造材である。更に、図1(c)に
示すように、心材1の裏面にろう材3がクラッドされて
おり、また、心材1の表面にはアルミニウム又はアルミ
ニウム合金からなる中間層4がクラッドされ、この中間
層4の表面にろう材3がクラッドされてなる4層クラッ
ド構造材とすることができる。更にまた、心材1の両面
に中間層4がクラッドされ、更にその中間層4の表面に
ろう材3がクラッドされた5層クラッド構造材とするこ
ともできる。このとき、心材1のクラッド率、即ち、ブ
レージングシート全体の板厚に対する心材1の板厚は、
50%以上である。また、心材1の圧延方向に対して直
角な方向の断面(C断面)における平均結晶粒径は50
μm以下である。
造方法について説明する。図1(a)に示すブレージン
グシートの場合においては、先ず、心材1の両面にろう
材3をクラッドし、所定の板厚まで圧延したクラッド材
を得る。そして、最終焼鈍工程において、このクラッド
材を380乃至530℃の温度範囲に1℃/秒以上の急
速加熱により加熱し、この温度で20秒以下保持する。
そして、このクラッド材を、例えば50℃/分以上の降
温速度で冷却する。
予歪とは、プレス成形の前に予め材料に付与しておく歪
である。本実施例においては、最終焼鈍後のクラッド材
をテンションレベラにより圧延方向に1乃至5%伸ばす
ことにより、予歪を付与する。これにより、心材1にお
けるC断面の平均結晶粒径が50μm以下であり、1乃
至5%の予歪が付与されたブレージングシートを製造す
ることができる。また、テンションレベラを使用する替
わりに更に圧延加工を施すことにより予歪を付与するこ
とも可能である。なお、図1(b)乃至(d)に示す3
乃至5層構造のブレージングシートも、同様にして製造
することができる。
説明する。
断面における心材の平均結晶粒径:50μm以下、心材
のクラッド率が50%以上 心材のC断面における平均結晶粒径が50μmを超える
と、心材の成形性が低下し、プレス加工時において割れ
が生じやすくなる。また、心材のC断面における平均結
晶粒径が50μm以下であっても、心材のクラッド率が
50%未満であると、成形加工時においてろう材層の影
響が大きくなる。このため、成形性が劣化すると共に、
ろう付け後の心材部分が少なくなり、ろう付け後の熱交
換器において所望の強度が得られない。なお、クラッド
率は、ブレージングシートの全板厚に対する心材の板厚
の百分率として定義されるものである。従って、心材は
C断面における平均結晶粒径を50μm以下とし、心材
のクラッド率は50%以上とする。
層又は犠牲層の平均結晶粒径:100μm以下 図1(b)に示すように、犠牲層2を有する3層のブレ
ージングシートにおいては、ろう付け後の犠牲陽極とし
て働かせるため、片面に犠牲層2が設けられている。ま
た、図1(c)及び(d)に示すように、4層又は5層
のブレージングシートにおいては、ろう付け時に、ろう
材層3のろうが心材1を侵食することを防止するために
中間層4が設けられている。前記効果を得るためには、
この犠牲層2及び中間層4には一定以上の厚さが必要で
ある。但し、ブレージングシートの成形性を確保するた
めには、これらの犠牲層2及び中間層4の結晶粒径につ
いても制御する必要がある。犠牲層2又は中間層4のC
断面における平均結晶粒径が100μmを超えると、プ
レス成形性が低下する虞がある。従って、犠牲層及び中
間層はそのC断面における平均結晶粒径を100μm以
下とすることが好ましい。なお、耐エロージョン性を向
上させるためには、中間層の平均結晶粒径は大きいほう
が有利である。このため、中間層の平均結晶粒径につい
ては、100μm以下の範囲内でなるべく大きいほうが
好ましい。
組成については、特に限定されるものではないが、成形
性を確保しつつ耐エロージョン特性を向上させるため
に、犠牲層及び中間層については、Zrを0.05乃至
0.20質量%含有することができる。更に、中間層は
Mgを0.6質量%以下含有することもできる。更にま
た、心材、犠牲層及び中間層がFeを含有する場合、成
形性及び耐食性を維持するためには、その含有量は低い
ことが好ましく、Feの含有量は0.3質量%以下とす
ることが好ましい。
に1℃/秒以上で急熱加熱した後、20秒以下保持 本発明のブレージングシートの製造方法においては、図
1(a)乃至(d)に示すような3乃至5層のクラッド
材を形成し、冷間圧延を施した後、所定の条件にて焼鈍
を行う。本発明では、室温から焼鈍温度まで1℃/秒以
上の昇温速度で急速加熱することにより、心材、中間層
及び犠牲層の結晶を適正に微細化し結晶粒径を制御する
ことができる。昇温速度が1℃/秒未満では、心材、中
間層及び犠牲層の結晶粒が粗大化し、成形性が劣化す
る。従って、昇温速度は1℃/秒以上とする。このよう
な急速加熱は連続焼鈍炉によって行うことができる。ま
た、焼鈍温度が380℃未満では、ブレージングシート
が完全に焼鈍されず、心材に亜結晶粒が残存して成形性
が低下する。一方、焼鈍温度が530℃を超えると、加
熱中にろう材が溶融してしまうため、ブレージングシー
トを製造することができない危険性があると共に、各層
の結晶粒が粗大化してしまい、プレス成形性が低下す
る。従って、焼鈍温度は380乃至530℃とする。更
に、温度範囲が適正であっても、保持時間が20秒を超
えると、各層の結晶粒が粗大化して成形性が劣化する。
従って、焼鈍工程における保持時間は20秒以下とす
る。なお、前記範囲内であっても、焼鈍温度が高温域に
あると、結晶粒が若干成長し粗大化してしまうため、4
00乃至450℃の温度範囲まで5℃/秒以上で急速加
熱し、保持時間を20秒以下とすることがより好まし
い。
定しないが、降温速度を50℃/分未満とした場合、若
干ながら結晶粒の粗大化が認められる場合がある。この
ため、降温速度は50℃/分以上とすることが好まし
い。
ス成形される。このとき、プレス成形によりブレージン
グシートに数%の歪が付与される。ところが、本発明の
ブレージングシートは、歪が1%弱の低歪域において、
ろう付時のエロージョンが極大となる。エロージョンが
起こると、心材がろうによって侵食され、心材の厚さが
減少する。通常、プレス成形に伴い、1%弱の低歪域の
部位はブレージングシート内に不可避的に発生するた
め、ブレージングシート内にエロージョンが極大となる
部位が不可避的に発生する。しかしながら、ブレージン
グシートに付与される歪が1%以上である場合には、エ
ロージョンは減少する。従って、予め、エロージョンが
極大となる歪量以上の歪をブレージングシートに付与し
ておけば、プレス成形後にエロージョンが極大となる部
位の発生を防止することができる。一般に、予歪の付与
はブレージングシートの成形性を低下させるが、本発明
のブレージングシートは、組織の微細化により成形性を
向上させているため、若干の予歪を付与しても成形性を
著しく低下させることはない。本発明においては、成形
性と耐エロージョン性との両立を図り、予歪の範囲を規
定した。
トにおける予歪と耐エロージョン性との相関を調べるべ
く実験研究し、1%弱の低歪域においてエロージョンが
極大になることを見出した。このため、本発明における
予歪の範囲を1%以上とした。なお、好ましくは3%以
上である。一方、5%を超えて予歪を付与した場合は、
成形性が低下することを見出した。従って、成形性と耐
エロージョン性との両立を図るため、予歪の範囲は5%
以下とした。なお、好ましくは4%以下である。
ロージョン性が優れたアルミニウム合金製ブレージング
シートを製造し、その特性を比較例と比較して具体的に
説明する。
用、中間層用、犠牲層用及びろう材層用アルミニウム合
金を通常の方法により、溶解及び鋳造し、鋳塊を作製し
た。これらのアルミニウム合金材を組み合わせ、板厚が
3mmになるまで熱間圧延加工し、更に板厚が0.4m
mになるまで冷間圧延し、下記表2に示す各ブレージン
グシートを作製した。次に、下記表3に示す最終焼鈍条
件で熱処理を行った。次に、テンションレベラにより、
予歪として0乃至7%の歪をブレージングシートに付与
した。
トについて、以下に示す評価を行った。成形性の評価
は、JISZ2247に準じたエリクセン試験を行い、
このエリクセン値を評価した。この結果を表4に示す。
本実施例においては、エリクセン値が8mm以上の場合
を合格とした。また、心材、中間層及び犠牲層の結晶粒
径は、最終焼鈍後のブレージングシートから試料を採取
し、C断面が観察できるように樹脂に埋め込み、研磨及
びエッチング処理後、光学顕微鏡により結晶組織を写真
撮影し、平均結晶粒径を求めた。この結果を表4に示
す。
ロージョン性を評価するために、各ブレージングシート
から板幅方向30mm及び圧延方向100mmの大きさ
の試験片を採取し、窒素雰囲気下で595℃に加熱され
た炉に前記試験片を入れ2分間保持し、炉中ろう付を行
った。この炉中ろう付の前後に、前記試験片の断面を写
真撮影し、炉中ろう付前の心材の板厚から炉中ろう付後
の心材の板厚を減じた値をエロージョン深さとした。こ
の結果を表4に示す。
添加されていないことを示し、表2及び表4に示す
「−」は該当する層が形成されていないことを示す。ま
た、表2のクラッド率とは、ブレージングシートの全板
厚に対する各部材の板厚の割合を百分率で表したクラッ
ド率を示し、「(15×2)」は、クラッド率が15%
の層が2層形成されていることを示す。更に、表3の保
持時間の欄に示す「0」は所定の温度まで加熱した後、
直ちに冷却したことを示す。
の実施例である。実施例No.1乃至7はいずれも成形
性及び耐エロージョン性が優れていた。特に、実施例N
o.6は最も焼鈍温度が低く、特に良好な成形性を示し
た。また、実施例No.7は心材の両側に中間層を具備
するため、ろう材のろうが心材に侵食することを防止で
き、特に良好な耐エロージョン性を示した。
は比較例である。比較例No.8はバッチ炉により焼鈍
したため、焼鈍における保持時間が長く、心材及び中間
層の結晶粒が粗大化し、成形性が低下した。比較例N
o.9は連続焼鈍炉にて低速で通板したため昇温速度が
遅く、心材及び中間層の結晶粒が粗大化し、成形性が低
下した。比較例No.10は焼鈍温度が本発明の上限値
を超えていたため、心材及び中間層の結晶粒が粗大化
し、成形性が低下した。比較例No.11は連続焼鈍炉
にて低速で通板したため昇温速度が遅く、心材及び中間
層の結晶粒が粗大化し、成形性が低下した。比較例N
o.12は予歪を付与しなかったため、耐エロージョン
性が劣っていた。比較例No.13は予歪の量が本発明
の上限値を超えていたため、成形性が低下した。比較例
No.14は心材の両側に中間層を具備するため、耐エ
ロージョン性は良好であったが、心材のクラッド率が5
0%未満であるため、中間層及びろう材層の影響が大き
くなり、成形性が低下した。なお、比較例No.14は
ろう付後の強度も低かった。また、比較例No.15は
焼鈍における保持時間が長く、心材及び中間層の結晶粒
が粗大化し、成形性が低下した。
心材の平均結晶粒径及びクラッド率を適切に規定し、焼
鈍後に予歪を付与することにより、成形性及び耐エロー
ジョン性が優れたアルミニウム合金製ブレージングシー
トを得ることができる。また、中間層及び犠牲層の結晶
粒径を制御することにより、ブレージングシートの成形
性をより向上させることができる。本発明に係る製造方
法により、心材、中間層及び犠牲層の結晶粒径を制御す
ることが可能となる。本発明に係るアルミニウム合金製
ブレージングシートを使用することにより、熱交換器の
軽量化及び小型化を図ることができる。
ージングシートを示す断面図であって、(a)は心材の
両面にろう材層を有する3層クラッド材、(b)は心材
の一方の面にろう材層を有し他方の面に犠牲層を有する
3層クラッド材、(c)は心材とろう材層の間に中間層
を有する4層クラッド材、(d)は2層の中間層有する
5層クラッド材を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】 Al−Mn系合金からなる心材と、前記
心材の両面にクラッドされたAl−Si系合金からなる
ろう材層とを有し、圧延後に焼鈍され、この焼鈍後に1
乃至5%の予歪を付与されたものであり、前記心材はそ
の圧延方向に対して直角な方向の断面における平均結晶
粒径が50μm以下であり、前記心材は全板厚に対する
心材の板厚の百分率として定義されるクラッド率が50
%以上であることを特徴とするアルミニウム合金製ブレ
ージングシート。 - 【請求項2】 Al−Mn系合金からなる心材と、前記
心材の一方の面にクラッドされたAl−Si系合金から
なるろう材層と、前記心材の他方の面にクラッドされた
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる犠牲層とを
有し、圧延後に焼鈍され、この焼鈍後に1乃至5%の予
歪を付与されたものであり、前記心材はその圧延方向に
対して直角な方向の断面における平均結晶粒径が50μ
m以下であり、前記心材は全板厚に対する心材の板厚の
百分率として定義されるクラッド率が50%以上である
ことを特徴とするアルミニウム合金製ブレージングシー
ト。 - 【請求項3】 前記心材の少なくとも一方の面と前記ろ
う材層との間にクラッドされたアルミニウム又はアルミ
ニウム合金からなる中間層を有し、前記中間層はその圧
延方向に対して直角な方向の断面における平均結晶粒径
が100μm以下であることを特徴とする請求項1又は
2に記載のアルミニウム合金製ブレージングシート。 - 【請求項4】 前記犠牲層はその圧延方向に対して直角
な方向の断面における平均結晶粒径が100μm以下で
あることを特徴とする請求項2に記載のアルミニウム合
金製ブレージングシート。 - 【請求項5】 Al−Mn系合金からなる心材の両面に
Al−Si系合金からなるろう材層をクラッドする工程
と、このクラッド材を380乃至530℃の温度範囲に
1℃/秒以上の急熱加熱により加熱した後、この温度に
20秒以下保持する焼鈍工程と、この焼鈍後のクラッド
材に1乃至5%の予歪を付与する工程と、を有すること
を特徴とするアルミニウム合金製ブレージングシートの
製造方法。 - 【請求項6】 Al−Mn系合金からなる心材の一方の
面にAl−Si系合金からなるろう材層をクラッドし、
前記心材の他方の面にアルミニウム又はアルミニウム合
金からなる犠牲層をクラッドする工程と、このクラッド
材を380乃至530℃の温度範囲に1℃/秒以上で急
熱加熱した後、この温度に20秒以下保持する焼鈍工程
と、この焼鈍後のクラッド材に1乃至5%の予歪を付与
する工程と、を有することを特徴とするアルミニウム合
金製ブレージングシートの製造方法。
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