JP2002001336A - 電圧印加処理装置 - Google Patents

電圧印加処理装置

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JP2002001336A
JP2002001336A JP2000185329A JP2000185329A JP2002001336A JP 2002001336 A JP2002001336 A JP 2002001336A JP 2000185329 A JP2000185329 A JP 2000185329A JP 2000185329 A JP2000185329 A JP 2000185329A JP 2002001336 A JP2002001336 A JP 2002001336A
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Masayuki Sato
正之 佐藤
Masahiko Miura
雅彦 三浦
Shigeto Adachi
成人 足立
Junji Haga
潤二 芳賀
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に円筒状電極−棒状電極を採用した電圧印
加処理装置を対象とし、漏れ電流を可及的に低減して電
力効率を高め、被処理液に対する殺菌・浄化、脱色・脱
臭、分解などの効果を高めることのできる電圧印加処理
装置を提供すること。 【解決手段】 少なくとも1対の円筒型電極と棒状電極
の間に電圧を印加し、該電極間に存在する被処理液を電
気化学的に処理する電圧印加処理装置であって、少なく
とも一方の電極は、他方の電極との対峙面側において、
導電部を非連続に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば下水処理場
や屎尿処理場における下水処理過程或いは食品工場や化
学工場の排水過程等から排出される有機性廃液を、生物
学的に好気性処理または嫌気性処理したり、下水処理設
備や焼却設備等から排出される排液や各種工場排液を脱
色・脱臭処理し、或いはダイオキシンや環境ホルモン、
PCBなどの難分解性物質を分解したり、更には上下水
を清浄化し、あるいは食品加工水や清涼飲料水、酒など
を製造する際の減菌、殺菌、脱色、脱臭等に用いられる
電圧印加処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上述した様な被処理液の浄化・殺菌法と
しては、活性炭処理、オゾン処理、半透膜処理などが汎
用されている。しかし活性炭処理では、有機質汚濁物質
の吸着除去は可能であるが殺菌効果は発揮されず、しか
も活性炭の頻繁な交換が必要となる。またオゾン処理
は、脱色、脱臭、殺菌などの効果には優れているが、設
備の維持管理が煩雑でコスト高になるという問題があ
り、汚水処理などへの実用性を欠く。
【0003】本出願人はこうした従来技術の問題点に鑑
み、独自の水処理技術として高電圧パルス放電処理また
はパルス電界印加処理によって被処理液の浄化・殺菌を
行なう技術を開発し、先に特開2000-93972号として提案
した。
【0004】この公開発明は、例えば図1に示す如く電
気絶縁性処理槽1内に平板状プラス電極2と平板状マイ
ナス電極3が配置されており、該電極2と電極3の間
に、貫通穴4を設けた電気絶縁性隔壁5が配置されてお
り、該隔壁5により被処理液導入側槽1aと被処理液取
出側槽1bに分離されている。そして、プラス電極2は
電源6に接続すると共に、マイナス電極3はアース部7
に接続されており、上記電源6によって電極2,3間に
パルス状の高電圧を印加できる様に構成されている。
【0005】被処理液は、貯溜槽8から管路9を経て流
入口10から前記導入側槽1aへ導入され、前記貫通穴
4を通過した後、前記取出側槽1bおよび取出口11を
経て管路12からポンプPにより貯溜槽8に返還され
る。そして上記貫通穴4を通過する際に、被処理液は前
記電極2,3に印加される高電圧パルスによって電気化
学的浄化・殺菌処理を受ける。
【0006】この様な装置における電極2,3間にパル
ス状の電圧を印加すると、前記貫通穴4に電解が集中す
るので、該貫通穴4内を通過する被処理液はより高い密
度の電気化学的処理を受け、消毒、殺菌、脱色、脱臭な
どを効率よく進めることができ、被処理液の電気化学的
処理法として非常に有効な方法として推奨される。
【0007】ところが上記公開発明を含めて、平板電極
−平板電極を用いた従来の電気化学的処理設備では、処
理時に多量の漏れ電流が生じ易く、電力効率が低下する
ばかりでなく、該漏れ電流によって生じるジュール熱に
より被処理液が加熱され、被処理液として特に清涼飲料
などを用いたときに、該清涼飲料などが変質したり風味
が損なわれることがある。こうした現象は、前記図1に
示した様な装置の隔壁5を省略し、板状の電極2,3間
で直接通電処理を行なう場合(図2参照)にも生じてく
る。
【0008】更に、例えば図3(平面略図)に示す如
く、棒状電極2aと円筒状電極3aを使用し、棒状電極
2aから円筒状電極3a方向に放射状に電界を作用さ
せ、被処理液に対する影響領域の拡大を図った装置も考
えられるが、この様な装置でも前述した様な漏れ電流が
大きく、急激な電圧低下によって処理効率は著しく低下
してくる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に着目してなされたものであって、その目的は、特
に円筒状電極−棒状電極を採用した電圧印加処理装置を
対象とし、漏れ電流を可及的に低減して電力効率を高め
ることのできる技術を確立することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明にかかる電圧印加処理装置とは、少なく
とも1対の円筒型電極と棒状電極の間に電圧を印加し、
該電極間に存在する被処理液を電気化学的に処理する電
圧印加処理装置であって、少なくとも一方の電極は、他
方の電極との対峙面において、導電部が非連続に形成さ
れているところに特徴を有している。
【0011】本発明にかかる上記電圧印加処理装置にお
いては、前記他方の電極との対峙面が、導電部と絶縁部
に挟まれた構造によって電極表面の導電部が非連続に形
成されているものは、本発明の好ましい実施態様であ
り、また前記一対の電極が、円筒型電極と複数個の環状
電極とからなり、該環状電極が絶縁体によって挟まれた
構造を有するものも好ましい態様として推奨される。ま
た、前記円筒状電極が網目構造を有しているものは、漏
れ電流をより低レベルに抑えることのできる好ましい実
施態様として推奨される。
【0012】
【発明の実施の形態および実施例】本発明者らは前述し
た様な課題の下で、特に電圧印加時における漏れ電流に
注目して研究を進めた。
【0013】ここで、漏れ電流の大小による被処理液に
与える影響を図4,5の電圧−時間グラフによって説明
すると、次の通りである。
【0014】即ち電圧印加処理時における漏れ電流の多
い場合は、図4に示す如く処理時間の経過と共に電圧は
急勾配で低下し、それにつれて高電圧印加による電界の
効果(浄化・殺菌効果)は急激に低下する。しかも漏れ
電流は、ジュール熱の発生による被処理液の温度上昇を
招き、食品や清涼飲料水等に適用した場合に風味を劣化
させる大きな原因になる。これに対し漏れ電流が少ない
場合は、図5に示す如く電圧の低下が少なく、その分電
圧印加による電界が高レベルに維持され、電力効率、ひ
いては被処理液に対する処理効率が向上し、また、ジュ
ール熱による昇温も抑えられるので、食品や清涼飲料水
等に適用した場合でも風味を劣化させることがなくな
る。
【0015】この様なことから、被処理液に電圧を印加
して電気化学的処理を行なう際には、漏れ電流を極力抑
えることが極めて重要になるのである。
【0016】他方本発明者らは、これまでの実験で経験
された、漏れ電流が電極の形状によってかなり変わると
いう新たな知見の下で、電極の形状により漏れ電流が具
体的にどの様に変わるか、更には漏れ電流を抑えるうえ
で最も好ましい電極はどの様なものであるか、を明確に
するため、様々の形状・構造の電極を使用した場合の漏
れ電流について実験を重ねた。以下、その実験の経緯を
追って具体的に説明していく。
【0017】まず第1の実験では、前記図2に示した様
な処理装置を使用し、電極として下記構成の平板状−平
板状電極[図6(A)]、平板状−針状電極[図6
(B)]およびメッシュ円筒状−リング状電極[図6
(C)]の3種の組合せ電極を用いて、処理効率を調べ
た。
【0018】 平板状−平板状電極:ステンレス製、両電極A,Bとも直径30mm の円形平板、電極間距離30mm 平板状−針状電極:ステンレス製、平板状電極A;直径30mmの円 形平板、針状電極C;直径1.0mm、電極間距離45mm メッシュ円筒状−リング状電極:ステンレス製、メッシュ円筒状電極 D;メッシュ線径0.5mm、メッシュ間距離2mm、筒直 径60mm、高さ50mm リング状電極E:ステンレス製、リング外径6mm、リング 長さ0.5mm、配置;3個の導電リングをシリコン製絶縁 リング(直径6mm)を介して12mm間隔で配置。
【0019】尚、上記図6(C)で用いたリング状電極
は、図7の一部断面側面図に示す如く、導電性の芯材S
に3個の導電性リングXと絶縁性リングYを交互に篏挿
し、個々の導電性リングXは芯材Sを介して電気的に接
続すると共に、各導電性リングXの表面側は絶縁性リン
グYによって分断された、全体として棒状構造を有して
いる。従って電圧印加時においては、各導電性リングX
の露出した表面からメッシュ筒状電極方向に放電もしく
は電界印加が行われる。
【0020】被処理液としては大腸菌(K−12)含有
水200mlを使用し、各電極間に高電圧パルス(コン
デンサー容量:2nF、印加電圧:12kV、パルス周
波数:50Hz)を印加することによって、被処理液に
高電圧電界処理を施し、処理後の大腸菌の生残率を調べ
た。生残率は、処理後の液を寒天培地に平板培養し、生
残した菌数から算出した。
【0021】結果は図8に示す通りであり、平板状−平
板状および平板状−針状の電極の組合せでは、いずれも
大腸菌生残数の低下傾向が緩やかで且つその数も多いの
に対し、メッシュ円筒状−リング状電極の組合せでは、
生残数の低下傾向が急激で且つその数も少なく、短時間
の処理で高い殺菌効果が発揮されることを確認できる。
【0022】また第2の実験では、前記図2と同様の装
置を使用し、電極としてメッシュ状円筒電極(メッシュ
の構成は前記と同じ)−棒状電極(直径6mmのステン
レス製)[図9(A)参照]、およびメッシュ状円筒電極
(同前)−リング状電極(リングの寸法、配置は前記図7
と同じ)[図9(B)参照]を使用し、夫々の浄化効率を
比較した。但しこの実験では、被処理液として50mg
/リットル濃度のフェノール溶液を使用し、高電圧パル
ス条件は、コンデンサー容量:10nF、印加電圧:2
4kV、パルス周波数:50Hzとした。
【0023】結果は図10に示す通りであり、メッシュ
円筒状電極−棒状電極の組合せでは、処理液のフェノー
ル濃度の低下傾向が相対的に緩やかで、且つ全てのフェ
ノールが分解されるのに20分を要するのに対し、メッ
シュ状円筒電極−リング状電極の組合わせでは、フェノ
ール濃度の低下傾向が急激となり、10分の処理でフェ
ノール濃度は殆ど0にまで低下しており、前者に比べて
極めて高い処理効率が得られることを確認できる。
【0024】これらの実験によっても確認できる様に、
メッシュ状円筒電極を使用した場合(或いは通常の円筒
状電極を使用した場合)でも、その対極として配置され
る電極を導電部が全面に露出した棒状とするか、或いは
電極表面の導電部が絶縁部で遮断されて部分的に露出し
た構造のものとするかによって、処理効率が著しく変わ
ってくることを確認できる。
【0025】こうした顕著な違いが得られた理由は次の
様に考えられる。即ち漏れ電流は、基本的に電極の表面
積と比例関係にあり、棒状電極の表面に絶縁部を形成す
ることで導電部の表面積が減縮され、それに伴って漏れ
電流も減少すると考えられる。しかも、棒状電極を導電
部が絶縁部で分断された構造とすると、該導電部と絶縁
部の境界部に電界が集中し易くなり、当該部分に電界密
度の高い部分ができて電界処理効率が向上し、また放電
を行なう場合はより低い投入電圧で放電が起こり、いず
れにしてもエネルギー効率が高まって処理効率が向上す
るものと考えられる。
【0026】従って本発明では、電極の少なくとも1方
が、前述の如く他方の電極との対峙面側において、導電
部を非連続に形成したものであれば、漏れ電流低減によ
る処理効率向上効果を得ることができ、その好ましい態
様は、図示した如く芯部側電極を、リング状導電部と絶
縁部を組合わせて導電部を非連続に形成したものであ
る。
【0027】しかしながら、導電部を非連続に形成する
ための具体的な態様は図示したものに限定される訳では
なく、例えば図11(A)に示す如く、導電性棒状電極
の表面にテープ状の絶縁材を格子状に巻回して格子状の
絶縁部Yを形成し、該格子間に導電部Xを非連続に形成
したもの、図11(B)に示す如く、円形、多角形、その
他任意の形状の導電部Xを絶縁部Yで囲まれた形で電極
表面に露出させたもの、図11(C)に示す如く、絶縁材
を適度の間隔を空けて螺旋状に巻回し、螺旋状に導電部
Xを露出させると共に、該導電部Xを任意の位置・間隔
で絶縁部Yにより電気的に分断したもの等、要は電極表
面の導電部Xが対極面対峙側において絶縁材を介して非
連続に形成されたものであれば同様の作用を得ることが
できる。
【0028】また図示例では、芯部側の電極表面の導電
部を非連続に形成した例を示したが、同様の理由から、
円筒状電極の導電部表面を例えば絶縁性短筒などを介し
て非連続に形成することも有効である。
【0029】更に本発明者らは第3の実験で、芯部側電
極の表面に露出されるリング状導電部Xの、絶縁部Y表
面からの突出度合いによって処理効率がどの様に変化す
るかを確認するため、次の実験を行なった。即ち、処理
装置全体としては前記実験1で使用したのと同じ装置を
使用し、芯部側電極として図12(A)〜(C)に示す
如く導電部Xの突出度合いを変えたものを使用した以外
は、前記実験1と同じ被処理液と高電圧パルス条件を採
用して大腸菌の生残数を調べた。
【0030】結果は図13に示す通りであり、処理効率
は導電部Xを絶縁部Yと面一としたときに最も高く、導
電部Xを絶縁部Yから突出させたものでは処理効率が最
も低く、更に導電部Xを絶縁部Yに対して窪ませたもの
でも、面一のものよりも処理効率は低くなることを確認
できる。この結果から、高い処理効率を得るには導電部
Xを絶縁部Yと面一にしたものが最善であることが分か
る。
【0031】こうした結果が得られた理由は次の様に考
えられる。即ち、導電部Xが絶縁部Yから突き出してい
る場合は、当該導電部が被処理液に接している面積が大
きいため漏れ電流が増大し易く、それに伴って処理効率
は低下し、一方導電部Xが絶縁部Yから引っ込んでいる
場合は、被処理液との接触面積は狭く電界集中は起こり
易いものの、電界が絶縁部Yの隙間に集中するため、処
理効率は却って低下するものと考えられる。これらに対
し、導電部Xを絶縁部Yに対して面一にすると、導電部
Xと被処理液との接触面積が小さくて漏れ電流を最小限
に抑えることができると共に、導電部Xと絶縁部Yの境
界部に集中する電界が対電極方向に有効に生じ、電界の
作用が被処理液により効果的に作用するばかりでなく、
放電を行なう場合はより低い投入電圧で対電極方向への
放電が起こり易くなるためと思われる。
【0032】上記の様に本発明では、1方の電極とし
て、図示例の如くリング状の導電材と絶縁材を組合わ
せ、全体として棒状とした電極を用いた例を示してお
り、この様に電極の対極面側表面を電気的に分断した構
造とすることによって漏れ電流を可及的に低減し、ひい
ては処理効率を大幅に高めることが可能となる。同様の
趣旨で、円筒状電極の対峙電極側表面を電気的に分断し
た構造とすることによっても、漏れ電流を抑えることが
できるし、両方の電極を同様に電気的に分断した構造と
してやれば、漏れ電流抑制効果を一段と高めることがで
きるので好ましい。
【0033】また円筒状電極については、平板筒状の電
極を使用することも勿論可能であるが、図示例に示した
様なメッシュ状円筒電極を使用すれば、メッシュを構成
する各導線部が通電面となり、メッシュ間の隙間は絶縁
部と同様の機能を果たすので、この様なメッシュ状筒状
電極を使用した場合の方が漏れ電流を一層効果的に抑制
することができるので好ましい。
【0034】この様な電極を用いて電圧印加処理を行な
う際に適用される電圧の程度は、被処理液の種類や被処
理対象物の含有濃度等によっても異なるので一律に決め
ることはできず、また被処理対象液によっては高電圧を
印加して電極間に放電を生じさせたり、或いは放電を生
じない程度の電圧に止めて処理を行なうことが可能であ
る。
【0035】印加電圧を、電極間でプラズマ放電を生じ
ない程度に抑えて処理を行なう場合の例は、特に食品加
工水や清涼飲料水などに殺菌処理等を施す場合である。
即ちこれらの被処理液に適用する場合は、高電圧を印加
して電極間に放電を起こさせると、殺菌効率などは向上
するものの、放電に伴って電極金属や処理槽を構成する
金属の溶出がおこり、これらが被処理液中にコンタミ
(不純物)として混入する恐れが生じてくるので、印加
電圧は放電を生じない程度に抑えることが望ましい。
【0036】これに対し印加電圧を高めてプラズマ放電
を積極的に起こさせる場合の例は、上記の様にコンタミ
混入が障害とならない被処理液、例えば下水処理場や屎
尿処理場における下水処理過程或いは食品工場や各種化
学工場排液の脱色・脱臭、有害成分の分解などに適用す
る場合であり、これらの廃液処理に適用する場合は、放
電によって生じる衝撃波や紫外線などを積極的に活用し
て脱色・脱臭、分解、浄化などの効率を高めることが望
ましい。
【0037】なお電圧印加によって放電を生じるか否か
の基準は、被処理液の種類によっても若干変わってくる
ことがあるが、水性液を被処理液として使用する際の一
般的基準としては、電界強度が約30kV/cmを境に
してそれ以上の高電圧を印加すると放電が起こる。そし
て印加電圧を約30kV/cm未満に抑えると無放電状
態の処理に止めることができるが、5〜30kV/cm
程度の印加電圧でも清涼飲料水などの殺菌などには十分
有効に活用できる。
【0038】また上記電圧印加効果は、印加電圧をパル
ス状とすることによってエネルギー効率を一段と高める
ことができるので好ましい。尚パルス波形やパルス間隔
などは被処理液の汚染状態などに応じて適宜設定すべき
ものであって、特に限定されない。
【0039】かくして本発明の装置を使用すれば、被処
理液の種類や汚染状況、コンタミ混入が許容されるか否
か等に応じて、印加電圧を適正に設定することによっ
て、例えば下水処理場や屎尿処理場における下水処理過
程或いは食品工場や各種化学工場排液の脱色・脱臭処
理、或いはダイオキシンや環境ホルモン、PCBの如き
難分解性物質の分解、更には上下水の浄化・殺菌、ある
いは食品加工水や清涼飲料水、酒などを製造する際の減
菌、殺菌、脱色、脱臭等に有効に活用できる。特に本発
明装置によれば、漏れ電流の抑制により印加電圧に応じ
た最大の処理効率を得ることができ、更には漏れ電流に
よるジュール熱の発生も抑えられるので、清涼飲料水や
酒類などの劣化や風味の低下を生じる恐れもなくなる。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、円
筒型電極と棒状電極を組合わせた装置に高電圧を印加し
て被処理液を電気化学的に処理する際に、該装置の少な
くとも一方の電極を、他方の電極との対峙面において導
電部を非連続に構成することによって漏れ電流を可及的
に抑制し、被処理液の脱色・脱臭、浄化・殺菌等の効果
を印加電圧に応じて最大限有効に発揮させ得ることにな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件出願人が先に提案した発明の高電圧印加処
理装置を示す概略説明図である。
【図2】高電圧印加処理装置の他の例を示す概略説明図
である。
【図3】本発明が適用される円筒状−棒状電極の例を示
す概略平面図である。
【図4】電圧印加処理時における漏れ電流が多い場合に
おける電圧の降下勾配を示す説明図である。
【図5】電圧印加処理時における漏れ電流が少ない場合
における電圧の降下勾配を示す説明図である。
【図6】実験で使用した組合わせ電極を示す説明図であ
る。
【図7】実験で芯部側電極として用いたリング状電極を
示す一部破断側面図である。
【図8】図6に示す電極を用いた場合の処理効率(大腸
菌生残数の変化)を示すグラフである。
【図9】実験に用いた電極構造を示す概略説明図であ
る。
【図10】図9に示した組合わせ電極を用いた場合の処
理効率(フェノール濃度の変化)を示すグラフである。
【図11】本発明で好ましく使用される棒状電極の他の
例を示す説明図である。
【図12】導電部Xの突出度合いを変えた芯部側電極を
示す一部破断側面図である。
【図13】芯部側電極における導電部Xの絶縁部(絶縁
部)Yからの突出状態が処理効率に与える影響を示した
グラフである。
【符号の説明】
1 処理槽 2,3 電極 4 貫通穴 5 絶縁性隔壁 1a 被処理液導入側槽 1b 被処理液取出側槽 6 電源 7 アース部 8 貯溜槽 9,12 管路 10 流入口 11 取出口 2a 棒状電極 3a 円筒状電極 A,B 平板状電極 C 針状電極 D メッシュ円筒状電極 E リング状電極(棒状電極) S 芯材 X 導電部(導電性リング) Y 絶縁部(絶縁性リング)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 成人 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 芳賀 潤二 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 Fターム(参考) 4D061 DA08 DB01 DB19 DC03 DC04 DC09 EA13 EB07 EB31 EB34 EB35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1対の円筒型電極と棒状電極
    の間に電圧を印加し、該電極間に存在する被処理液を電
    気化学的に処理する電圧印加処理装置であって、少なく
    とも一方の電極は、他方の電極との対峙面側において、
    導電部が非連続に形成されていることを特徴とする電圧
    印加処理装置。
  2. 【請求項2】 前記他方の電極との対峙面が、導電部と
    絶縁部に挟まれた構造を有している請求項1に記載の電
    圧印加処理装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の電極が、円筒型電極と複数個
    の環状電極とからなり、該環状電極は絶縁体によって挟
    まれている請求項2に記載の電圧印加処理装置。
  4. 【請求項4】 前記円筒状電極が、網目構造を有してい
    る請求項1〜3のいずれかに記載の電圧印加処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011126A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Panasonic Electric Works Co Ltd 機能液生成装置
JP2019048256A (ja) * 2017-09-08 2019-03-28 株式会社ナカボーテック 電解装置

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