JP2002000121A - テロメレース遺伝子のプロモーターが導入されたトランスジェニックマウス及びその利用 - Google Patents

テロメレース遺伝子のプロモーターが導入されたトランスジェニックマウス及びその利用

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JP2002000121A
JP2002000121A JP2000190137A JP2000190137A JP2002000121A JP 2002000121 A JP2002000121 A JP 2002000121A JP 2000190137 A JP2000190137 A JP 2000190137A JP 2000190137 A JP2000190137 A JP 2000190137A JP 2002000121 A JP2002000121 A JP 2002000121A
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cells
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Fuyuki Ishikawa
冬木 石川
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Kirin Brewery Co Ltd
Rikogaku Shinkokai
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Kirin Brewery Co Ltd
Rikogaku Shinkokai
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 幹細胞検出・同定のための新規な手段の提
供。 【解決手段】 (1)マウステロメレース触媒サブユニ
ット(TERT)のプロモーター領域を含有するDNAと
(2)前記プロモーター領域の制御下に連結されたレポ
ーター遺伝子を含有するDNAとを有するDNAコンス
トラクトが導入されたトランスジェニックマウス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テロメレース遺伝
子のプロモーターが導入されたトランスジェニックマウ
ス及びその利用に関する。
【0002】
【従来の技術】染色体末端であるテロメアは、ヒトやマ
ウスなどの脊椎動物ではTTAGGGの繰り返しDNA配列を
もつ。この特異的なテロメアDNAにテロメア蛋白質が
会合して、テロメア複合体を形成する。単純なDNA二
重鎖切断末端はお互いに融合しやすく非常に不安定であ
るが、生理的なDNA末端であるテロメアはお互いに融
合することなく安定である。従って、テロメアの機能は
染色体末端同士の融合を防ぎ、染色体を安定に保つこと
である。逆にテロメア機能を失った染色体は末端の融合
により非常に不安定となる。
【0003】テロメアDNAは、細胞増殖に伴うS期D
NA複製によって完全には合成されない。この結果、細
胞が増殖するたびにテロメアは短小化する。この末端複
製問題のため、ヒト正常線維芽細胞などは約60〜80
回の細胞分裂を行った後、増殖を停止して老化細胞にな
る。
【0004】末端複製問題にもかかわらず、生殖細胞、
あるいは造血器・皮膚・消化管の上皮細胞など、細胞の
新陳代謝の著しい組織を形成する幹細胞、前駆細胞で
は、莫大な数の細胞分裂を行うことができる、これは、
これらの細胞に末端複製問題を代償する機構が備わって
いるためである。ほとんどの細胞において、この代償は
テロメアDNAを新たに合成付加する酵素テロメレース
によって果たされている。約9割のがん細胞やがん細胞
株も高いテロメレース活性をもち、莫大な数の細胞分裂
を行うことができる。
【0005】テロメレースは、逆転写酵素の一種で、合
成すべきテロメア配列TTAGGGをコードする鋳型RNAと
実際に逆転写活性をもつ触媒サブユニットTERTとからな
っている。TERTは、約1100アミノ酸の蛋白質で、そのカ
ルボキシル側半分には、レトロウイルスなどの逆転写酵
素で保存されているモチーフをもつ。
【0006】テロメレースは、生殖細胞や造血幹細胞、
前駆細胞などの未分化で増殖の速い細胞に特異的に認め
られ、分化した正常体細胞には認められない。この幹細
胞特異的なテロメレースの活性化は活性に必要な鋳型R
NAと触媒サブユニットTERTのうち、TERTの発現調節に
よって行われている。すなわち、鋳型RNA遺伝子TERC
は、テロメレース活性の有無とは関係なしに多くの細胞
で構成的に発現されているのに対して、TERTの発現の有
無は、テロメレース活性の有無と非常によく相関してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、幹細胞
は、生殖細胞や血液系細胞のみならず、体組織中にも存
在しており、これらの幹細胞を高感度に検出し、さらに
単離することができれば、幹細胞の性質を解明し、さら
には組織や器官の再生のための医薬や抗癌剤の開発のた
めに極めて有用である。しかしながら、従来、幹細胞を
高感度で検出し、さらには単離する方法は知られていな
い。従って、本発明は、幹細胞を高感度に検出し、さら
には単離することができる新規な方法を提供しようとす
るものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく、種々検討した結果、幹細胞において特
異的に発現するテロメレース触媒サブユニットの遺伝子
のプロモーター領域にレポーター遺伝子を連結したDN
Aコンストラクトを導入したトランスジェニックマウス
により、上記課題を解決することができることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】従って本発明は、(1)マウステロメレー
ス触媒サブユニット(TERT)のプロモーター領域を含有
するDNAと(2)前記プロモーター領域の制御下に連
結されたレポーター遺伝子を含有するDNAとを有する
DNAコンストラクトが導入されたトランスジェニック
マウスを提供する。好ましくは、前記マウステロメレー
ス触媒サブユニットのプロモーター領域を含有するDN
Aは約7kb長のDNAである。
【0010】他の好ましい態様においては、前記マウス
テロメレース触媒サブユニットのプロモーター領域を含
有するDNAは約120kb長のDNAである。好ましく
は、前記レポーター遺伝子は、βガラクトシダーゼ遺伝
子である。好ましくは、前記レポーター遺伝子を含有す
るDNAはさらに選択マーカー遺伝子を含有する。好ま
しくは、前記選択マーカーはネオマイシン耐性遺伝子で
ある。
【0011】本発明はさらに、前記のトランスジェニッ
クマウスの組織又は器官を摘出し、レポーター遺伝子の
発現生成物を検出することを特徴とする幹細胞の検出方
法を提供する。好ましくは、前記検出はX-gal 染色によ
り行う。本発明はさらに、前記のトランスジェニックマ
ウスから細胞を採取し、前記レポーター遺伝子の発現生
成物を指標としてセルソーティングにより細胞を選択す
ることを特徴とする、幹細胞の採取方法を提供する。
【0012】本発明はさらに、上記の方法により得た細
胞を、被検物質の存在下で培養することを特徴とする、
幹細胞増殖促進物質、幹細胞増殖阻害物質、抗癌物質等
の検出又は測定方法を提供する。本発明はさらに、前記
の方法により得た細胞から、幹細胞の増殖、分化を調節
する因子を単離する方法を提供する。
【0013】本発明はまた、テロメレース触媒サブユニ
ット(TERT)のプロモーター領域を含有するDNAの制
御下に連結された他の遺伝子を幹細胞に輸送するため
の、前記TERTのプロモーター領域を含有するDNAの使
用を提供する。好ましくは、前記DNAはヒト又はマウ
ス由来である。本発明はさらに、テロメレース触媒サブ
ユニット(TERT)のプロモーター領域を含有するDNA
の制御下に連結された他の遺伝子を幹細胞に輸送するの
に必要なサイズを有するTERTのプロモーター領域を含有
するDNAを提供する。好ましくは、前記DNAがヒト
又はマウス由来である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において使用するマウスTE
RTゲノム遺伝子はクローニングされており、約7.5kb
の配列はGenBANK にACCESSION NO.AF121949 として登録
されており、配列情報は入手可能であり、さらにGreenb
erg, R.A. ら、Oncogene Vol.18, No.5, p.1219-1226(1
999)に記載されている。ヒトTERT遺伝子は約40kbのゲ
ノム上にまたがって存在する16個のエクソンによりコ
ードされており、マウスのTERT遺伝子も、同様の構造を
有するものと推定される。
【0015】本発明においては、マウスTERT触媒サブユ
ニットの遺伝子のプロモーター領域を使用する。このプ
ロモーター領域は、コード配列から上流のプロモーター
領域のみを使用してもよく、また、TERT触媒サブユニッ
トをコードするコード領域の全部又は一部分が随伴して
いてもよい。例えば、本発明の実施例においては、TERT
触媒サブユニットのプロモーター領域と第1エクソンと
を含むDNAを使用する。このような、TERT触媒サブユ
ニットのプロモーターを含むDNAは、すでに記載され
ているマウスTERT触媒ドメインの塩基配列情報に基いて
プライマーを設計しこれを用いて、マウスゲノムライブ
ラリーからクローニングすることができる。
【0016】本発明においては、前記のTERT触媒サブユ
ニット遺伝子のプロモーター領域の制御下にレポーター
遺伝子を配置する。レポーター遺伝子としては、その発
現生成物が、発色、染色等の比較的簡単な処理により検
出可能である遺伝子であればよく、例えばβ−ガラクト
シダーゼをコードするDNAが挙げられる。β−ガラク
トシダーゼの発現は、X-gal による発色により、極めて
容易に検出することができる。
【0017】レポーター遺伝子としてはこのほかに、緑
色蛍光色素(GFT)、赤色蛍光色素(RFP)、黄色
蛍光色素(YFP)(いずれもClontechから入手可能)
の構造遺伝子、各種膜貫通蛋白質や抗原認識部位を膜結
合領域に結合させた人工的な融合遺伝子などを用いるこ
とができる。後者の場合、レポーターに対する抗体を用
いてその発現状況を確認することができる。
【0018】β−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子
にすでにクローン化されており、またGenBank ACCESSIN
NO. U73857 に開示されているため、当業者が容易に入
手することができる。レポーターとしてのβ−ガラクト
シダーゼは、例えばIRES(internal ribosomal entry s
ite )−β−ガラクトシダーゼである(Proc.Natl.Aca
d.USA, Vol.91, p.4303-4307(1994) )。
【0019】遺伝子操作、特に目的とする遺伝子が導入
された細胞の選択、を容易にするために、上記レポータ
ー遺伝子のほかに、選択マーカー遺伝子を使用すること
が好ましい。選択マーカー遺伝子としては、種々の薬剤
耐性遺伝子を使用することができ、一例としてネオマイ
シン耐性遺伝子を挙げることができる。具体的な一例と
して、IERS−β−ガラクトシダーゼ遺伝子にネオマイシ
ン耐性遺伝子を連結したDNA(b-geo 遺伝子と称す
る)を挙げることができる。
【0020】TERT触媒サブユニットのプロモーター領域
を含有するDNAとレポーター遺伝子を含有するDNA
とを含んで成るDNAコンストラクトは常法に従ってマ
ウスに導入し、トランスジェニックマウスを作製するこ
とができる。トランスジェニックの作製は周知の常法に
より行うことができ、具体的な方法は実施例に記載す
る。
【0021】マウスにおける幹細胞の検出・同定 前記のごとくTERT触媒サブユニット遺伝子のプロモータ
ーは幹細胞特異的な遺伝子発現を誘導する。従って、ト
ランスジェニックマウス中で、レポーター遺伝子の発現
生成物を検出することにより、幹細胞を検出・同定する
ことができる。このためには、トランスジェニックマウ
スの組織又は器官を常法に従って固定し、切片を調製し
た後、例えばレポーター遺伝子としてβ−ガラクトシダ
ーゼ遺伝子を使用した場合には、X-gal (5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノ
シド)を基質として発色させ、青く発色した細胞を幹細
胞として同定することができる。
【0022】生きた幹細胞の分離 上記のようにして、幹細胞が存在する組織や器官が明ら
かになれば、それらの組織又は器官から生細胞を調製
し、β−ガラクトシダーゼの蛍光基質であるフルオレセ
イン−ジ−β−D−ガラクトピラノシド(FDG,F−
1179)を浸透圧ショックにより上記細胞内に導入し、染
色された細胞を蛍光標示式細胞分取器(FACS)(例え
ば、波長488nmの励起光で励起し、530nmの波長で
検出する)等の常法に従って単離することにより、幹細
胞を濃縮することができる。
【0023】さらに、レポーター遺伝子と共に選択マー
カー遺伝子、例えば薬剤耐性遺伝子、例えばネオマイシ
ン耐性遺伝子がトランスジェニックマウスに導入されて
いる場合には、FACSにより単離した細胞を、ネオマイシ
ン等の薬剤を含有する培地で培養することにより、幹細
胞をさらに濃縮・純化することができる。
【0024】幹細胞特異的抗体の調製 上記のようにして幹細胞を調製した後、その細胞又は細
胞処理物を抗原として使用することにより、常法に従っ
て、幹細胞に対して特異的なポリクローナル抗体、又は
モノクローナル抗体を調製することができる。この様な
抗体は、マウス幹細胞のみならず、ヒトの幹細胞にも交
差反応すると予想されるので、ヒトの幹細胞を検出・同
定することも可能となる。
【0025】その他の用途 幹細胞増幅因子の活性評価系 TERTを発現する幹細胞は、β−ガラクトシダーゼ陽性、
ネオマイシン薬剤耐性を示す。幹細胞は一般に分化しや
すいが、分化した細胞は、TERTを発現しないためこれら
の性質を失ってしまう。従って、β−ガラクトシダーゼ
陽性、ネオマイシン薬剤耐性を指標にして検討している
細胞の未分化性を測定することができる。本技術を用い
ることで、幹細胞増殖因子の評価系を確立することが可
能である。本技術を用いることで、幹細胞の増殖、分化
を制御する分子の探索が可能である。
【0026】本技術によって分取した幹細胞からmRNAを
取得、cDNAライブラリを作製し、サブトラクション法な
どの一般的な技術を用いて幹細胞に特異的に発現する遺
伝子を取得することが可能である。本技術を用いてTERT
の発現調節領域に作用する薬剤のスクリーニングが可能
である。TERTの発現を促進する薬剤は、幹細胞の自己複
製に有効に作用し、TERTの発現を低下させる薬剤は、抗
癌剤として利用することが可能であろう。さらに、これ
らの薬剤のin vivo 評価モデルとして有効であろう。実
際に薬剤を投与することで、幹細胞が増えているか減っ
ているかを検出できる。TERT発現細胞の有無を検討する
ことで、vivoでのTERTの発現に影響がでているか検討で
きる。
【0027】疾患モデルマウスとの掛け合わせによる新
たな病態マウスの作製 種々の癌においてTERTの発現の亢進が癌化に深く関与し
ていると考えられている。TERTレポーターTGマウスと
発癌モデルマウスを交配させることで新たな病態マウス
を作製することが可能である。例えば、大腸癌を高頻度
で作るApcノックアウトマウス、種々の癌を高頻度で
作るp53あるいはp16ノックアウトマウスなどと交
配させることで、発がん過程のどの段階でテロメレース
が陽性となるかを解析することができる。これらは、テ
ロメレースを阻害することで発癌を抑制する薬剤のスク
リーニング系に役立てることができる。
【0028】肝炎ウイルスのコードする蛋白質のトラン
スジェニックマウスは、高頻度で肝炎を起こす。このよ
うなマウスとTERTレポーターTGマウスを交配させるこ
とで、未だ一義的には同定されていない肝組織幹細胞が
肝炎などの細胞障害性病態においてどのような増殖動態
をとるのかを明らかにすることができる。これは、当該
組織の増殖因子をどのようなタイミングと経路で投与す
ることが一番良いかのアッセイ系となりうる。
【0029】TERTは、がん細胞での発現が高いことが知
られている。上記レポーター遺伝子をがん細胞を含む細
胞分画に導入すると、がん細胞で特異的にレポーター遺
伝子発現する。この方法により、がん細胞と正常細胞を
分離することができる。これにより、がん細胞を除去
し、正常細胞だけを分離し患者に戻すことが可能であ
る。がん細胞だけを取り出し、がん細胞にGM-CSFなどの
サイトカイン遺伝子を導入し患者に戻すことでワクチン
療法を実施することが可能になる。がん細胞に免疫原性
の高い遺伝子を導入し患者に戻すことで、免疫療法を実
施することが可能になる。がん細胞を分離し、サブトラ
クションなどの常法を利用することで、がん細胞に特異
的に発現する遺伝子を見いだすことができる。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。実施例1.コンストラクトの作製 1.1 mTERT ゲノム領域を含むBACクローンの同定 Genome Systems社のマウス129/Sv BACライブラリーか
ら、mTERT ゲノム領域を含むBACクローン47E11 をP
CRスクリーニングにより同定した。用いたPCRプラ
イマーは、5'ES-BAC(5'-GAA GGG CAC TGA TGT CGG TCT
CTC)(配列番号:1)および3'ES-BAC(5'-TCA GAA CCC
CAG CGG ACA GCA AGG)(配列番号:2)であった。
【0031】1.2 mTERT 転写開始部位付近のサブク
ローニング 得られたBACクローン47E11 をEcoRl あるいはBamHl
で切断し、プラスミドベクターpBS-SK(-) にサブクロー
ニングした。次に、Cap site cDNA ライブラリーから得
られた情報により、mTERT 転写開始部位付近のプライマ
ーセット(ASP1: 5'-CAC TAG GCA TTG GGC AAC CAA AGT
G(配列番号:3)、及びASP3:5'-ATCTTT TTC GTC GTG
GAC TCT CAG T(配列番号:4))を作製し、このプラ
イマーを用いてmTERT 転写開始部位付近を含む2つのク
ローン47E-1 (約7kbのEcoRl フラグメント)および47
B-10(約6kbのBamHl フラグメント)を同定した。トラ
ンスジェニックマウス作製に用いたレポーターコンスト
ラクトは、この2つのクローンから作製した。
【0032】1.3 レポーターコンストラクトの作製 レポーター遺伝子である IRES-βgeo は、プラスミド p
GT1.8IRES-βgeo から切り出して用いた。まず、 pGT1.
8IRES-βgeo (Proc.Natl.Acad.Sci.USA, Vol.91, p.43
03-4307(1994) )をSallで消化した後、 IRES-βgeo を
含む断片をプラスミドpBS-KS(+) (Stratagene)のXhol
サイトにライゲーションした。次に、得られた IRES-β
geo/pBS-KS(+) をSallとNotlで二重消化し、Bglll サイ
トを含むアダプターDNAをライゲーションした。Bgll
l サイトを含むアダプターDNAは、2つのオリゴヌク
レオチド:5'-TCG ATC GCG AGT TTA AAC AGA TCT GC
(配列番号:5)と5'-GGC CGC AGA TCT GTT TAA ACT C
GC GA(配列番号:6)をアニーリングさせることにより
作製した。
【0033】この操作により、 IRES-βgeo の両端にBg
lll サイトをもつクローンが得られた。 IRES-βgeo を
含む約6kbのBglll フラグメントを、47E1のBglll サイ
トにライゲーションした(47E1-reporter)。最後に、47
E1-reporter をSacll で消化した後、47B10 のSacll フ
ラグメントをライゲーションした(47B10E1-reporte
r)。この一連の操作により、ベクター部分を含めた全
長約17kbのレポーターコンストラクトを作製した。こ
のコンストラクトは、mTERT の転写開始点の上流約5kb
のエキソン1および2(約3kb)を含んでおり、レポー
ター遺伝子 IRES-βgeo は、エキソン1のBglll サイト
に挿入されている。
【0034】実施例2.ES細胞での実験 2.1 エレクトロポレーションによる遺伝子導入 作製したレポーターコンストラクト(47B10E1-reporte
r)をin vitro分化系でよく利用されるES細胞株D3
に導入した。エレクトロポレーションの条件は、細胞
数: 0.9×106 、DNA濃度:60nM、パルス条件:25
0V、 950μF、抵抗値=∞であった。エレクトロポレー
ションの後、G418を 175μg/mlになるように培地に添加
して6〜8日間の選択を行い、耐性コロニー数を計測し
た。
【0035】3回のエレクトロポレーションの結果、2
5の耐性コロニーが得られたので、これらすべてのコロ
ニーをピックアップした。ピックアップした耐性コロニ
ーのうち半量を、2日間培養した後、X-Gal 染色した。
その結果、25クローンのうち5クローンは強く染色さ
れた。残りのうち10クローンは部分的に弱く染色され
た。強い染色が観察された5クローンのうち、細胞状態
が良好な4クローンを継代培養し、in vitro分化誘導実
験に使用した。
【0036】2.2 胚様体形成による分化誘導 胚様体形成によるin vitro分化誘導は以下の手順で行っ
た。まず、細胞をトリプシンで処理し、ES細胞とフィ
ーダー細胞を含む培養液を新しい培養皿に1〜2回移す
ことによりフィーダー細部を除いた。繊維芽細胞である
フィーダー細胞は培養皿に対する接着力が強いので、E
S細胞よりも早く培養皿に接着する。この接着力の違い
を利用すると、培養皿に接着していないES細胞のみを
含む上清を新しい培養皿に移すことにより、ES細胞を
フィーダー細胞から分離できる。
【0037】LIFを含まない培地で1日培養後、培養
皿に接着しているES細胞コロニーを低濃度のトリプシ
ンで処理し、培養皿からコロニー形態を維持したままは
がした。このコロニーを、細胞が接着することのできな
いnon-coating の培養皿に移して浮遊培養した。これに
より、ES細胞コロニーはアグリゲイトをつくり、分化
して、形態的に初期胚に類似した胚様体を形成した。
【0038】2.3 X-Gal 染色、mTERT 遺伝子のRT-P
CR 浮遊培養後1,3,5,10および15日目のES細胞
コロニーのX-Gal 染色を行った。その結果、1日目では
ほとんどのアグリゲイトが染色されたが、3日目より部
分的に染色されない細胞が現れた。染色されない細胞は
5日目、10日目と進むにつれて増加した。とくに卵黄
嚢や血球細胞へと分化した胚様体では染色が認められな
かった。しかしながら、15日目でも一部の胚様体では
X-Gal 陽性の細胞を内包していた。
【0039】そこで、観察されたレポーターの発現が内
在性のmTERT の発現と一致しているかを調べるために、
分化誘導によるmTERT の発現の変化をRT-PCRにより調べ
た。その結果、未分化状態および胚様体形成後のどちら
においてもmTERT の発現が認められた。mTERT の発現は
分化とともに抑制されると予想されるが、胚様体形成は
同調性の良い分化系ではないので、レポーター陽性の細
胞は、ある程度分化しつつも増殖を行っている細胞であ
る可能性も考えられた。
【0040】2.4 テロメレース活性の測定 in vitro分化過程におけるレポーター発現の変化が、テ
ロメレース活性と相関があるかどうかを調べるために、
分化誘導後1,5,10および15日目の胚様体のテロ
メレース活性をストレッチPCR法により測定した。そ
の結果、未分化状態のES細胞および分化誘導後5日目
までは高いテロメレース活性が認められたが、分化誘導
後10日目、15日目ではテロメレース活性の減少が認
められた。このパターンは、X-Gal 染色により観察され
たレポーターの発現パターンと類似しており、分化過程
におけるテロメレース活性とレポーター発現は相関する
と考えられた。
【0041】実施例3.トランスジェニックマウスの作
製と解析 3.1 DNAの精製 作製したレポーターコンストラクト(47B10E1-reporte
r)から、プラスミドベクターpBS-SK(-) を除いた約1
4kbをSallとNotlの二重消化により切り出し、低融点ア
ガロースを用いた電気泳動により分離した。目的のバン
ドをゲルから切り出して70℃で融解した後、β-Agara
se(FMC) により処理した。このサンプルを、フェノー
ル、クロロホルム、イソアミルアルコールで数回処理し
て除タンパクをした後、エタノール沈殿により目的のD
NAサンプルを回収した。
【0042】3.2 マイクロインジェクション マイクロインジェクションにおいては、精製したDNA
を569個の受精卵前核期胚(Crj:BDF1(雌性)×C57B
L/6NCrj(雄性))に注入し、そのうち良好な403個の
胚を16匹の受胚雌(Crj:CD-1) に移植した。妊娠した
12匹の受胚雌から78匹の産仔が得られ、そのうち7
0匹が順調に成長して離乳した。
【0043】3.3 スクリーニングと交配 得られた70匹のマウスから約1cmの尾を採取し、プロ
テイナーゼK処理、フェノール抽出による通常の方法で
ゲノムDNAを回収した。このうち、10μgを制限酵
素BamHl で消化し、電気泳動により分離後、ブロットし
た。サザンハイブリダイゼーションは、 IRES-βgeo 内
の約1.2kbのBamHl フラグメントをプローブに用いて
行った。その結果、11サンプルにおいて陽性シグナル
が認められ、これらのマウスをファウンダーと断定し
た。11匹のファウンダーは6匹が雄で5匹が雌であっ
た。
【0044】ファウンダーマウスのライン番号は以下の
通りである。#52-5,#53-2,#54-1,#59-2,#63-
9,#67-2,#52-8,#59-1,#60-11 ,#64-2,#64-
9。これらのラインのうち、後の5ラインは、トランス
ジーンの伝達が確認できない、あるいはコピー数が著し
く少ないなどの理由のために、解析に至らなかった。得
られたファウンダーマウスをC57BL/6NCrj と交配させる
ことにより、F1マウスを得た。以降のトランスジェニ
ックマウスのスクリーニングは、 IRES-βgeo 内に設定
したプライマーを用いてPCRにより行った(LacZ-1:
5'-TAC TGG AGG CTG AAG TTC AG(配列番号:7),Lac
Z-2:TCG CAG GCT TCT GCT TCA AT(配列番号:8))。
【0045】3.4 組織ブロックのX-Gal 染色 トランスジェニックマウスより、テロメレース活性の高
い胸線と肝臓、ならびにテロメレース活性の低い腎臓の
組織片を調製し、固定後X-Gal 染色を行った。一晩の染
色反応の結果ではレポーター発現は認められなかった。
【0046】3.5 組織切片の作製とX-Gal 染色 組織切片の作製とX-Gal 染色は以下の通りに行った。マ
ウスより組織を摘出し、固定液(2%パラホルムアルデヒ
ド、7.5%シュークロース、100mM NaHPO4(pH7.2))に浸し
て4℃で一晩固定した。固定後、組織細片を洗浄液1
(3%シュークロース、100mM NaHPO4(pH7.2)) に浸して
4℃で2時間、洗浄液2(30% シュークロース、100mM
NaHPO4(pH7.2))に浸して4℃で3時間洗浄した。洗浄
後、組織細片をOCT コンパウンドに包埋、凍結した。切
片は、Cryostat(Leica) を用いて、厚さが10〜15μmに
なるように作製した。
【0047】作製した切片をドライヤーで風乾後、染色
液(1 mg/ml X-Gal, 5mM K3Fe(CN)6, 5mM K4 Fe(CN)6,
2mM MgCl2, 100mM NaHPO4(pH7.2))に浸して、室温で一
晩インキュベートした。翌日染色液を交換して、更に室
温で一晩インキュベートした。この操作を更に3日間行
い陽性シグナルを得た。染色後、切片を4%PBS中パ
ラフォルムアルデヒドに浸して室温で30分インキュベ
ートした。最後に、切片をPBSで2回洗浄して、水性
封入剤でマウントした。
【0048】組織切片のX-Gal 染色を行った結果、小腸
において、腸絨毛の基部に位置する腸陰窩で点在した染
色パターンが認められた(図1)。絨毛の先端部や粘膜
筋の領域ではレポーター発現は認められなかった。ま
た、この染色パターンはトランスジーンの挿入のないマ
ウスでは認められなかった(図2)ことから、トランス
ジェニックマウス特異的なレポーター発現と考えられ
た。さらに、特徴的な染色パターンは少なくとも3つの
ラインのマウスにおいて認められたことから、腸陰窩で
の特異的レポーター発現は、トランスジーンとして用い
たmTERT のゲノム領域により制御されていることが示唆
された。
【0049】腸陰窩は活発に分裂と増殖が行われている
場であり、これにより生じた上皮細胞は腸絨毛に沿って
先端部へ移動して剥脱する。先端部の腸絨毛ではレポー
ター発現が認められなかったことから、分化する前段階
の、増殖を活発に行っている細胞で特異的にレポーター
遺伝子が発現していることが示唆された。しかしなが
ら、テロメレース活性が報告されている肝臓と胸腺につ
いては、3日間の染色を行ってもレポーター発現は認め
られなかった。また、脳、脾臓、皮膚および精巣につい
てもレポーター発現は認められなかった。
【0050】3.6 胚のX-Gal 染色 mTERT をプローブとしたin situ ハイブリダイゼーショ
ンの報告のある受精後11日胚について、X-gal 染色を
行った。胚は、F1のトランスジェニックマウス雄をBD
F1雌マウスと交配させることにより得た。トランスジー
ンの有無は、胚の卵黄嚢よりゲノムDNAを抽出し、P
CRによって確認した。#52-5,#54-1,#63-9に由来
する11日胚のX-gal 染色を行った結果、トランスジー
ンの伝達が確認された胚に特異的なレポーター発現は認
められなかった。一方、#59-2,#52-5および#63-9の
受精後10.5〜13.5日胚では、2日間染色反応を行った胚
で微弱ながら四肢、尾芽などが染色された。これは以前
に報告のあったmTERT のwhole-mount in situ ハイブリ
ダイゼーションのシグナルと類似したパターンであっ
た。
【0051】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> The Circle for the Promotion of Science and Engineering <110> Kirin Brewery Co., LTD. <120> Transgenic mouse to which telomerase gene promoter has been introduced <130> 9 <210> 1 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Primer 5'ES-BAC <400> 1 gaagggcact gatgtcggtc tctc 24
【0052】 <210> 2 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Primer 3'ES-BAC <400> 2 tcagaacccc agcggacagc aagg 24
【0053】 <210> 3 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Primer ASP1 <400> 3 cactaggcat tgggcaacca aagtg 25
【0054】 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Primer ASP3 <400> 4 atctttttcg tcgtggactc tcagt 25
【0055】 <210> 5 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Adapter DNA <400> 5 tcgatcgcga gtttaaacag atctgc 26
【0056】 <210> 6 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Adapter DNA <400> 6 ggccgcagat ctgtttaaac tcgcga 26
【0057】 <210> 7 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Primer LacZ-1 <400> 7 tactggaggc tgaagttcag 20
【0058】 <210> 8 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial sequence <220> <223> Primer LacZ-2 <400> 8 tcgcaggctt ctgcttcaat 20
【0059】 <210> 9 <211> 7498 <212> DNA <213> Mouse <220> <221> Promoter <222> (1)...(4457) <221> CDS <222> (4458)...(4708) <221> CDS <222> (4808)...(6131) <223> Nucleotide sequence of mouse telomerase gene <400> 9 aagcttccag caaaccagtt agagctgagt tgatgctctg aagaagagaa aatgtagaga 60 cggtactgaa caaataatgt ctgggcaaac ctcagacatg aaaatggaag acgtggaaat 120 ccagagaact ctgagggaaa ataaaacaca actccaggtc atcacgggac tcatcaaact 180 gctgaggtgc agccacagag aaaaatctta aaatagccta gaacgatgca tgacacataa 240 agcacagaga agacgaagct gagtctgtct tgtaggaaca acttgagaag acctaaacca 300 ctgcaatgag tgcattctgc taacttagaa tttgctaccc agttcagatc caaaaagggt 360 ttcacaaagt tcaacacaaa acagtagcag gagtggctaa gggggacaca ctgataggaa 420 ttcagagaag tagggaatgc tcatatgggg acattacaaa atgtactttc atgttgctta 480 aatcatttta attgtcaacc acatcaagct aaataatgct ttgaggttca taacatttgg 540 agattatgtc tacactagca gagaaggcac caataacatc ccaattgcta gattctcata 600 gaatcatgag tcacaatggc agagacaggt tctgagagtg tgtccttgtt gtaaacagta 660 tgctctacaa actaagttgg ctgcaatatc actaggcagt gttgtcccat aagacaacta 720 tcacatatgt ggtccagtga tgaccaaagc atcttttagc attttgcaaa tgaagctcaa 780 atcgaatatg actaagctca tgcagtacaa atcaaaggta cactgggata gtttaaaaga 840 tacatacttg tactggttag ttttgtgtca gcttgacaca gctggagtta tcacagagaa 900 aagagcttca gttgaggaaa ttcctccatg agatccagct atagggcatt ttctcaatta 960 gtgatcaagg ggggaaggcc ccttgtgggt gggaccatct ctgggctggt agtcttggtt 1020 ctataagaga gcaggctgag caagccagga gaagcaagcc agtaaagaac atccctccat 1080 ggcttctgca tcagctcctg ctccctgacc tgcttgagtt ccagttctaa cttctttcag 1140 tgatgaacag caatgtggaa atgaaagctg aataaaccct ttcctcccca ttttgcttct 1200 tggtcatgat gtttgtgcag gaatagaaac cctgactaag acaatactat aaaccctaaa 1260 agttgtaaac caaacacatg tgtttccatt aagccatcgt agaacaataa gtactcaacc 1320 ccaagtcaca taactataat cccagccttt gaaaaccggg atcaggaatt caaggctagc 1380 ctcatctata tgtaagatta aagcctgttt gggctgcatg agactttgtt tcaaaaaaaa 1440 aaaaaaaaaa gcaaacaggc aaaaacaaac acaagacaag acagatgtaa aatgaaggag 1500 gggtagatgg gtcaagtaga aaatagcata ggaaacgagt caagtataga agaggtggta 1560 gtaaccagat catgcagaag gactcaaggc catctcctca cagtggctta ggtaggcctt 1620 cctctgctct tgagcagggg cagagttgcc gctttaagga ggggatcagt cacctttaag 1680 aactgaaaag ctgaacagtc ttctcaagtc agaagccagt ggcttcatct tacacctctc 1740 ttccttccct tgctactcat attggatctg atgatttgcc caacttggaa gaaacatctc 1800 ttctgaaggg tttcacagac accccatctt tccgagaaag gaccgcatag gctggccatc 1860 cctgtgctta caaaaggaat aattaagaaa cttaattcca taagcaaata caacctttcc 1920 aagccccaag tggatgattt tatcttactg tttttttata tctcatcaaa taacttccaa 1980 gggctcaaaa atccaaagat gtaaaaaagg aactgagctc tgtttgccaa gccatgagga 2040 ttaaataatg acattcaaag agatttttgt gccctaagta ctttttattg gttttcatag 2100 atggtttaat gtgcaagatg aagcaaacag agatgggagt ggtatcagca tggattaagg 2160 tggcagttgt gagggagggg tactgagaga acaggacaag gtaacctatc taaggagagg 2220 ccaagttggc aagtgccagg gacttctaag cccagaacta gtacacattc cttaggtgct 2280 gtttgggaag tcagggagtc accagccttg ggatctataa aagtgcatgg tggcattcac 2340 tcacatactt cctgagctgt tcgatgttga tgaagtcgtg ggtatgagac tgttgtgtca 2400 gtgacaaact atgtaaatga gaatgattgt ttccatcttg accactaaga cgtaaaccgg 2460 ttccagtgat ctccaaacat ggcaagctac agcagagcag cagccccatc cagagccttg 2520 ccctggttct gaatggggga gaatccagtg ggagtcggtt gctgccagca tgttggggta 2580 gaaggctgga gcatgacagg tccccgagga tttcctgctt cctatatggg tagggatact 2640 tgaggtcctc tcttctacct ccttccctgc agggtttata acctctacca ctgtctgtct 2700 ctgggatagc tcctagggtg cagcccctcc ccaaaaaggc ctctccctgg cctcatgtct 2760 ctaagaacag ctttctaaag caggcctgtt acacaaaggc tcccttttcc tggcttcatc 2820 gttgctggta gacaacttcc actcgttttc cacttcagtt tcttctactc tgttgttatt 2880 tgattctgat gcttgaaccc agggttgtgt agtcagcaag tgctaccccc tccctcctct 2940 tctttgtttt tttgaggcag ggtctcattt tgcccaagtg gacctaaatt tcagcatgta 3000 gctggcctgg ttttgaatgc cttctcatcc tgcctctact tcccaagagt agcttacaag 3060 tgtgcaccac catgccccgc gatattctta tttttgagac tgttttctat gctggtttct 3120 ttggggaact acactaaggt agcttacaag tgtgcaccac catgccccgc gatattctta 3180 tttttgagac tgttttctat gctggtttct ttggggaact acactaaggt agcttcattg 3240 ttggcataaa tttctcagtt caggcccata tctcctaagt agcagaacta agcaaatctc 3300 aaacaaaccc ctcaaaaaga ctgatgtcca ctaaacggac ttctaaaata gctcctgtaa 3360 tcctgagcat ttacaaggcg gcagacctcc tataagggag taaatatgaa aacgcgcctg 3420 ttcaaatgct aggtcggtgg atagaagcaa tttcctcaga aagctgaagg caccaaaggt 3480 tatatttgtt agcatttcag tgtttgccaa actcagctac agtagagatc acagattccc 3540 tatttcccag agattcaaaa ttcagcagcc cctctctaac tatggctcag agtcgtgtca 3600 ttacatatgc cccaacaaca acccccaccc ctatcctacc cccgcctcac acgtgcaagt 3660 actatcacag ttgccaacct agcagagctg ccatcctaag gtcgaggtcg ccgctttggc 3720 tgtgtgcaca ggcaagcgcc ctcacccaat ggccctggcc ttgctatggg tgcgtgagtt 3780 gagatgatgc tctggactct gaggtgaagg ccactggaac agtgaaaaaa gctaacgcag 3840 ggcttttacc tagtcccctt cctttggtgg tgggtgttta cggaacatat ttgggatctg 3900 agtgtatggt cgcaccacaa taaagcctta acctatatag tagaatttca gctgtaatca 3960 ttaagaactg agattgccac cacccacctc actgtctgtg tcaaccacag caggctggag 4020 cagtcagctc aggaacaggc aaaaccttag gtccctccgc ctacctaacc ttcaatacat 4080 caaggatagg cttctttgct tgcccaaacc tcgccccagt ctagaccacc tggggattcc 4140 cagctcaggg cgaaaaggaa gcccgagaag cattctgtag agggaaatcc tgcatgagtg 4200 cgcccccttt cgttactcca acacatccag caaccactga acttggccgg ggaacacacc 4260 tggtcctcat gcaccagcat tgtgaccatc aacggaaaag tactattgct gcgaccccgc 4320 cccttccgct acaacgcttg gtccgcctga atcccgcccc ttcctccgtt cccagcctca 4380 tctttttcgt cgtggactct cagtggcctg ggtcctggct gttttctaag cacacccttg 4440 catcttggtt cccgcacgtg ggaggcccat cccggccttg agcacaatga cccgcgctcc 4500 tcgttgcccc gcggtgcgct ctctgctgcg cagccgatac cgggaggtgt ggccgctggc 4560 aacctttgtg cggcgcctgg ggcccgaggg caggcggctt gtgcaacccg gggacccgaa 4620 gatctaccgc actttggttg cccaatgcct agtgtgcatg cactggggct cacagcctcc 4680 acctgccgac ctttccttcc accaggtggg cctccaggcg ggatccccat gggtcagggg 4740 cggaaagccg ggaggacgtg ggatagtgcg tctagctcat gtgtcaagac cctcttctcc 4800 ttaccaggtg tcatccctga aagagctggt ggccagggtt gtgcagagac tctgcgagcg 4860 caacgagaga aacgtgctgg cttttggctt tgagctgctt aacgaggcca gaggcgggcc 4920 tcccatggcc ttcactagta gcgtgcgtag ctacttgccc aacactgtta ttgagaccct 4980 gcgtgtcagt ggtgcatgga tgctactgtt gagccgagtg ggcgacgacc tgctggtcta 5040 cctgctggca cactgtgctc tttatcttct ggtgcccccc agctgtgcct accaggtgtg 5100 tgggtctccc ctgtaccaaa tttgtgccac cacggatatc tggccctctg tgtccgctag 5160 ttacaggccc acccgacccg tgggcaggaa tttcactaac cttaggttct tacaacagat 5220 caagagcagt agtcgccagg aagcaccgaa acccctggcc ttgccatctc gaggtacaaa 5280 gaggcatctg agtctcacca gtacaagtgt gccttcagct aagaaggcca gatgctatcc 5340 tgtcccgaga gtggaggagg gaccccacag gcaggtgcta ccaaccccat caggcaaatc 5400 atgggtgcca agtcctgctc ggtcccccga ggtgcctact gcagagaaag atttgtcttc 5460 taaaggaaag gtgtctgacc tgagtctctc tgggtcggtg tgctgtaaac acaagcccag 5520 ctccacatct ctgctgtcac caccccgcca aaatgccttt cagctcaggc catttattga 5580 gaccagacat ttcctttact ccaggggaga tggccaagag cgtctaaacc cctcattcct 5640 actcagcaac ctccagccta acttgactgg ggccaggaga ctggtggaga tcatctttct 5700 gggctcaagg cctaggacat caggaccact ctgcaggaca caccgtctat cgcgtcgata 5760 ctggcagatg cggcccctgt tccaacagct gctggtgaac catgcagagt gccaatatgt 5820 cagactcctc aggtcacatt gcaggtttcg aacagcaaac caacaggtga cagatgcctt 5880 gaacaccagc ccaccgcacc tcatggattt gctccgcctg cacagcagtc cctggcaggt 5940 atatggtttt cttcgggcct gtctctgcaa ggtggtgtct gctagtctct ggggtaccag 6000 gcacaatgag cgccgcttct ttaagaactt aaagaagttc atctcgttgg ggaaatacgg 6060 caagctatca ctgcaggaac tgatgtggaa gatgaaagta gaggattgcc actggctccg 6120 cagcagcccg ggtgagcatg gctggtctcc agctgaatgc attaggggcc cagaaaaggg 6180 agacaatggg tggcagtaac ccaggtcccc agtggtgtgg tggctttatg cagtccgtgg 6240 ttggatgagt tccatcttat ggtctctgac tccaagctcc ctccagctcg ccttgcacaa 6300 actaagattc ttgtccaagc cctgggcagg ttctcagggc tggggacatt gtggtgaaca 6360 gataagcaga cggggagcat ggtggatagg agttctggca cagtgcacca gagagagtct 6420 ggaagcgcta gtgagagcta atgtaagggc ccgtggttcg ccaaagaatg ataaccccgg 6480 actcaaatag tatgccaaag caaggagcat ttcattctgc agaaatcaag catgcaggtg 6540 gggggggggg gttgctctca ttccaagatg gagagacaac caagtataga ttttaagggg 6600 atcgggggcc tttatcttac tccatctcta ggggcattcc attactgggg catggggttg 6660 gaggttggaa actgttaatg gggaggtctg gaaacttgct gccccattgt ccttgcttca 6720 ggctaggtag ctgagtagct tctaatggca ggatagtttc tgactagctg tctaaagtct 6780 ggggtgtttg tttttttgtt ttttctagta acttacttgc ctgaacttgc tcagttttta 6840 ggcctggtct cctggactgc caatttgaag cctattaagg agtcagcctg tctcactact 6900 ccaggttatc tataatcccc ctgtagaacg gtacctcact gataacaatg acagaccaac 6960 ataggaaccc actatccttg tggtgcatga gtttcaaagg ttcttctggt cctcccagtg 7020 tgcagatcca tgcttaagct atggtcctcc cagtgtgcag atccgtgctt aagctatggt 7080 cttgcagctg ctcgatctac aaagggtagg gtgaacgaag gaaagataaa tgaaaaaaaa 7140 aaaactgttt cctacagtga agatcgctgc cccatcttag ctatgagaag ggactgggga 7200 gtggagcctg gtgcataaaa gaggattgtg ttacttggaa ggctgcagag cctggactcc 7260 tgtgccctcc ttgcctggtt ttctgggttt aatgttgagg ttggccctct gtagtcacta 7320 cctgacccct tccctttcag ccaaccctcc ggttacaccc tgtgcatgta tggaaggggc 7380 caaacgccct atcctgctct cccttcccca aaattcttag gatattaaca acttatgggg 7440 aaaagatggt agagctatgt ttacccacca tgtacttggg aagctccgaa gtaagctt 7498
【図面の簡単な説明】
【図1】図1においては、トランスジェニックマウス
(A)より小腸を摘出し切片を作成後、β−ガラクトシ
ダーゼ活性をX-gal を基質に用いて検出した。トランス
ジェニックマウスでは、小腸陰窩底部に青く染まる上皮
細胞が認められる。陰窩底部には小腸上皮幹細胞が存在
する。これは、生物の形態を示す図面代用写真である。
【図2】図2においては、対照となる非トランスジェニ
ックマウス(B)より小腸を摘出し切片を作成後、β−
ガラクトシダーゼ活性をX-gal を基質に用いて検出し
た。トランスジェニックマウスでは、小腸陰窩底部に青
く染まる上皮細胞が認められるが(図1)、対照マウス
では認められない。陰窩底部には小腸上皮幹細胞が存在
する。これは、生物の形態を示す図面代用写真である。
【図3】図3は、マウステロメラーゼのアミノ酸配列を
示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/15 G01N 33/68 33/50 C12R 1:91) 33/68 ) //(C12N 5/10 (C12Q 1/34 C12R 1:91) C12R 1:91) (C12N 15/09 ZNA C12N 5/00 B C12R 1:91) 15/00 ZNAA (C12Q 1/34 C12R 1:91) C12R 1:91) Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 AA40 BB13 CB01 CB17 DA12 DA13 DA14 DA36 4B024 AA01 AA11 AA12 BA80 CA04 DA02 DA06 EA04 FA02 GA14 HA20 4B063 QA07 QA08 QA19 QQ08 QQ13 QQ35 QQ67 QR58 QR66 QR77 QR80 QS05 QS28 QS36 QX02 4B065 AA91X AA91Y AB01 BA03 BA25 CA24 CA44 CA46

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)マウステロメレース触媒サブユニ
    ット(TERT)のプロモーター領域を含有するDNAと
    (2)前記プロモーター領域の制御下に連結されたレポ
    ーター遺伝子を含有するDNAとを有するDNAコンス
    トラクトが導入されたトランスジェニックマウス。
  2. 【請求項2】 前記マウステロメレース触媒サブユニッ
    トのプロモーター領域を含有するDNAが約7kb長のD
    NAである請求項1に記載のトランスジェニックマウ
    ス。
  3. 【請求項3】 前記マウステロメレース触媒サブユニッ
    トのプロモーター領域を含有するDNAが約120kb長
    のDNAである請求項1に記載のトランスジェニックマ
    ウス。
  4. 【請求項4】 前記レポーター遺伝子が、β−ガラクト
    シダーゼ遺伝子である、請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のトランスジェニックマウス。
  5. 【請求項5】 前記レポーター遺伝子を含有するDNA
    がさらに選択マーカー遺伝子を含有する、請求項4に記
    載のトランスジェニックマウス。
  6. 【請求項6】 前記選択マーカーがネオマイシン耐性遺
    伝子である、請求項5に記載のトランスジェニックマウ
    ス。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のト
    ランスジェニックマウスの組織又は器官を摘出し、レポ
    ーター遺伝子の発現生成物を検出することを特徴とする
    幹細胞の検出方法。
  8. 【請求項8】 前記検出をX-gal 染色により行う、請求
    項7に記載の染色方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項に記載のト
    ランスジェニックマウスから細胞を採取し、前記レポー
    ター遺伝子の発現生成物を指標としてセルソーティング
    により細胞を選択することを特徴とする、幹細胞の採取
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法により得た細胞
    を、被検物質の存在下で培養することを特徴とする、幹
    細胞増殖促進物質、幹細胞増殖阻害物質、抗癌物質等の
    検出又は測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の方法により得た細胞
    から、幹細胞の増殖、分化を調節する因子を単離する方
    法。
  12. 【請求項12】 テロメレース触媒サブユニット(TER
    T)のプロモーター領域を含有するDNAの制御下に連
    結された他の遺伝子を幹細胞に輸送するための、前記TE
    RTのプロモーター領域を含有するDNAの使用。
  13. 【請求項13】 前記DNAがヒト又はマウス由来であ
    る、請求項12に記載の使用。
  14. 【請求項14】 テロメレース触媒サブユニット(TER
    T)のプロモーター領域を含有するDNAの制御下に連
    結された他の遺伝子を幹細胞に輸送するのに必要なサイ
    ズを有するTERTのプロモーター領域を含有するDNA。
  15. 【請求項15】 前記DNAがヒト又はマウス由来であ
    る、請求項14に記載のDNA。
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