JP2001526247A - 樹状ポリマーサッカリド抱合体、該抱合体を含有する薬剤、その製造方法およびその使用 - Google Patents

樹状ポリマーサッカリド抱合体、該抱合体を含有する薬剤、その製造方法およびその使用

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JP2001526247A
JP2001526247A JP2000525144A JP2000525144A JP2001526247A JP 2001526247 A JP2001526247 A JP 2001526247A JP 2000525144 A JP2000525144 A JP 2000525144A JP 2000525144 A JP2000525144 A JP 2000525144A JP 2001526247 A JP2001526247 A JP 2001526247A
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マレスキ ペーター
プラツェク ヨハネス
ラデューヒェル ベルント
ヴァインマン ハンス−ヨアヒム
ベルンドルフ ディートマール
ミッセルヴィッツ ベルント
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Abstract

(57)【要約】 その分枝がビニルシアニド単位から製造されているアミノ基含有の樹状ポリマー、金属イオン含有の信号を与える基およびモノサッカリドもしくはオリゴサッカリド、ならびに場合により無機および/または有機塩基、アミノ酸もしくはアミノ酸アミドのカチオンからなる抱合体は、診断法および治療において貴重な化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、特許請求の範囲において特徴付けられている対象、つまりその分枝
がビニルシアニド単位からなるアミノ基含有の樹状ポリマー、金属イオン含有信
号を与える基およびモノサッカリドもしくはオリゴサッカリド、ならびに場合に
より有機および/または無機塩基、アミノ酸またはアミノ酸アミドのカチオンか
らなる抱合体、該化合物を含有する薬剤、診断法におけるその使用ならびにこれ
らの化合物および薬剤の製造方法に関する。
【0002】 リンパ節転移は、悪性腫瘍を有する患者の約50〜70%において見られる(
Elke, M. Lymphknotenerkrankungen. In: W. Frommhold, H. S. Stender and P.
Thurn (eds.), Radiologische Diagnostik in Klinik und Praxis, 7th editio
n, Vol. IV, pp. 475-512, Stuttgart-New York: Georg Thieme Verlag, 1984)
。悪性疾患へのリンパ節の関与は、開始するべき治療措置に対して重大な影響を
及ぼす。従ってリンパ節の発病をできる限り早期に、かつできる限り正確に診断
することは患者にとって極めて重大である。
【0003】 しかし医学の実践では従来、造影剤により支援されたリンパ管造影法によって
、不満足な結果が得られたのみである。ヨード添加油、例えばケシ油のヨード添
加脂肪酸エステルを用いたレントゲン検査は一方では、確かに良好なリンパ節中
での蓄積能力および有用なコントラスト作用を有しているが、しかし他方ではそ
の公知の副作用(Keinert, K., Koehler, K., and Platzbecker, H., Komplikat
ionen und Kontraindikationen. In: M. Luening, M. Wiljasalo, and H. Weiss
leder(eds.), Lymphographie bei malignen Tumoren, pp.40-50. Stuttgart: Ge
org Thieme Verlag, 1976)に基づいて、一般的に適用することも、問題なしに 適用することもできない。これらは特に迅速に適用する場合、リンパ管の容易な
損傷性に関連して外傷を促進する可能性がある。一連の欠点はこれらの造影剤の
油性に基づいている。油状物の懸濁は血液中で初めて行われるので、油滴の大き
さを予め測定することができない。油滴が大きすぎた場合、しばしば、例えば肺
中での微小塞栓が不可避である。間質腔からリンパ毛細管への大きな油滴の取り
込みはほとんど不可能であるので、リンパ管およびリンパ節の描出は例えば皮下
もしくは実質組織内注射後に例外的なケースで行われるのみである。
【0004】 最後に挙げた欠点は、リンパ内適用によって克服することができるのみである
が、しかしその際、同様に合併症を起こさないことのない予備的な色素マーキン
グおよび局所麻酔下での手術によるリンパ管の露出を甘受しなくてはならない。
もう1つの欠点は、ヨード添加油をベースとする造影剤は適用後、再び排泄され
るまでに極めて長い時間を要する。製剤形に依存して排泄時間は数週から数ヶ月
である。
【0005】 ヨード添加油の乳化により、上記の欠点を克服することが試みられた。このこ
とにより粘度および滴の粒径を低減することができた。この方法で毛細管の通過
を改善し、かつエマルジョンの安定化の際に塞栓の危険性を減少することができ
た。しかしこの部分的な成果はその他の欠点による犠牲を払わなければならなか
った。例えばこの関係で造影剤mlあたりのヨード含有率の効果的な減少および
これと結びついて必然的に生じるコントラストの損失、リンパ節における比較的
大きな局所毒性、肝毒性作用および組織学的に検出可能な異物反応の例が挙げら
れ、これらは添加された乳化剤により増強される。
【0006】 ヨード添加油をベースとする造影剤はすべて、あまり安定しておらず、かつ前
記の副作用に基づいて限定的に使用可能であるのみである。EP0022056
号中でリンパ管造影剤として提案された、三沃化5−アミノイソフタル酸の誘導
体もまた、医学的な実践では、ここに設定された期待を満足しない。というのは
該造影剤は適用後に再びリンパ系から拡散流出するからである。その不満足な蓄
積能力に基づいて、これらの水性製剤形はせいぜい限定的に末梢リンパ管造影法
のために適切であるにしかすぎない。
【0007】 リンパ系の描出のために、水溶性のヨード添加造影剤、例えばロトロラン(lo
trolan)(Isovist(R))は限定された適用範囲を有するのみである。間質腔への
注入(皮内、皮下もしくは筋肉内)により、同様に注入箇所の供給範囲において
存在しているリンパ管もしくはリンパ節のみを造影する。高度に水溶性の低分子
物質は、引き続きリンパ管から間質へと拡散する。この欠点はコンピューター断
層撮影法の敏感な方法によっても相殺することができない。
【0008】 核医学では放射性99mTc−トレーサーを間接的なリンパ節描出のために使用 する。限定された空間的な解像以外にここでもまた、注射箇所に供給されたリン
パ管系を描出するのみであるという欠点を有する。
【0009】 核共鳴断層撮影法のためのリンパ管造影剤として、超常磁性酸化鉄粒子、例え
ばAMI−227が提案されている(Guimaraes, R., Clement, O., Bittoun, J
. Carnot, f.,およびFrija, G. MR lymphography with superparamagnetic iron
nanoparticles in rats: pathologic basis for contrast enhancement. Am J.
Roentgenol., 162, 201-207, 1994)。しかし従来動物において得られた研究結
果は、該粒子の高い投与量にもかかわらず、不満足な造影を示すのみである。
【0010】 リンパ管造影剤として提案されている種々の化合物(Hanka, L. et al., Radi
ology 1996, 198. 365-370)は、このような動物特異性(ラット対モルモットお
よびウサギ)を有しているので、そのさらなる開発を中止しなくてはならなかっ
た。
【0011】 従ってさらに、非経口投与後にリンパ組織内で富化し、かつ例えば公知の構造
に対して診断用の投与量と致死量との間に有利な安全性の間隔(安全幅(margin
of safety)が存在するという、上記の欠点を有していない化合物を提供するとい
う課題が生じた。この課題は本発明により解決される。
【0012】 その分枝がビニルシアニド単位から製造されているアミノ基含有樹状ポリマー
、金属イオン含有の信号を与える基およびモノサッカリドまたはオリゴサッカリ
ド、ならびに場合により無機および/または有機塩基、アミノ酸またはアミノ酸
アミドのカチオンからなる本発明による抱合体は、意外にも特にリンパ管造影の
ためのNMR診断薬の製造にとって適切であることが判明した。
【0013】 該物質は意外なことに以下の利点を有している: 良好な造影のために十分なリンパ系中での富化、 高い認容性(LD50)、 わずかな排泄時間(これは通常14日間以内に98%以上が体外に排出される
)、 その高い緩和率(Relaxibity)により、より少ない投与量で適用することができ
る、 該物質はしばしばリンパ節組織の形態学的な区別をも可能にする、 該物質は偏向的な動物特異性を有していない。
【0014】 本発明による抱合体は一般式I: P(K)m(L−Z)n (I) [式中、 Pは、(n+m)がそれぞれ水素原子1つ減少しているk個のアミノ基を有す
る樹状ポリマーを表し、その分枝はビニルシアニド単位から製造されており、そ
の際(n+m)≦kであるべきであり、 nおよびmは、それぞれ1〜149の整数を表し、 kは、12〜150の数を表し、 Kは、金属イオンを有する信号を与える基を表し、 Lは、リンカーを表し、かつ Zは、ヒドロキシル基1つ減少しているモノサッカリドまたはオリゴサッカリ
ドを表す]により記載することができる。
【0015】 Pを表し、その(n+m)がそれぞれ水素原子1つ減少しているk個のアミノ
基を有するポリマーは、ビニル基単位から製造されたデンドリマーであり、これ
らは例えば特許明細書WO93/14147号、WO93/12073号、WO
95/02008号、WO95/20619号、WO96/02588号、EP
684044号、EP672703号およびUS−5,530,092号に記載
されており、かつこれらはDSMポリアミンと呼ばれ、その際、繰返単位は3−
アミノ−プロピレン−または3−アミノ−2−メチル−プロピレン−基である[
相応する式の表示の第34頁および第35頁を参照のこと]。有利には信号を与
える基(K)およびLを介して結合したその都度ヒドロキシル基1つ減少してい
るモノサッカリドまたはポリサッカリド(Z)の合計(n+m)は、ポリマー中
に含有されているアミノ基の数と同じである、つまりこれはP中に含有されてい
るアミノ基の完全な占有である。該ポリマーは有利には32個または64個のア
ミノ基を含有しており、その中で例えば3、4、6、7、8、11、13、14
、16、18、19、21、47個の信号を与える基Kおよび例えば9、8、1
8、17、16、13、11、10、20、6、29、27、33個のL基を介
して結合したその都度ヒドロキシル基1つ分だけ減少しているモノサッカリドま
たはポリサッカリドZと結合している。
【0016】 アミノ基の数が不足している場合、(n+m)の合計は有利には≧k−4であ
る。
【0017】 信号を与える基Kは、一般式II、III、IV、VまたはVIの基からなる
キレート錯体である。
【0018】
【化17】
【0019】 前記式中、 R1は、相互に無関係に水素原子または原子番号20〜32、37〜39、4 2〜44、49または57〜83の元素の金属イオン等価物を表し、 R2は、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C7−アルキル基、フェニ ル基またはベンジル基を表し、 Vは、
【0020】
【化18】
【0021】 の基を表し、その際、 oは、0〜10の数を表し、 pおよびIは、それぞれ0または1の数を表すが、ただしpは、Iが数1を表
す場合にのみ数1を表し、 T1は、−NHCS−基または−CO−基を表し、 Uは、−CHR3−CONR3−M1−または−CH2−CH(OH)−M2−基 を表し、その際、R3は相互に無関係にR2の意味するものを表すか、または基−
CH2−(CH2o−COOHを表し、かつM1およびM2は、それぞれフェニレ ン基または直鎖状、分枝鎖状、飽和もしくは不飽和C1〜C20−アルキレン鎖を 表し、これは1〜5個の(CH2o−COOH、1〜5個のOR2基または1〜 8個の酸素原子により置換されていてもよく、1〜2個の−NH−、1〜2個の
−C(=NH]−、1〜5個の−CONR3−、1〜5個の−NR3CO−、1〜
2個のフェニレン基または1〜2個のフェニレンオキシ基を有していてもよいが
、ただしその際、少なくとも2個の基R1は、上記の原子番号の元素の金属イオ ン等価物を表す。
【0022】 本発明による化合物をNMR診断法における適用のために用いる場合、信号を
与える基の金属イオンは、常磁性でなくてはならない。これは特に原子番号21
〜29、42、44および58〜70の元素の二価または三価のイオンである。
適切なイオンは例えばクロム(III)イオン、鉄(II)イオン、コバルト(
II)イオン、ニッケル(II)イオン、銅(II)イオン、プラセオジム(I
II)イオン、ネオジム(III)イオン、サマリウム(III)イオンおよび
イッテルビウム(III)イオンである。その強い磁気モーメントに基づいて、
ガドリニウム(III)イオン、テルビウム(III)イオン、ジスプロシウム
(III)イオン、ホルミウム(III)イオン、エルビウム(III)イオン
、鉄(III)イオンおよびマンガン(II)イオンは特に有利である。
【0023】 核医学における本発明による化合物の使用のために、金属イオンは放射性でな
くてはならない。例えば元素銅、コバルト、ガリウム、ゲルマニウム、イットリ
ウム、ストロンチウム、テクネチウム、インジウム、イッテルビウム、ガドリニ
ウム、サマリウム、イリジウム、レニウムおよびビスマスの放射性同位体が適切
である。テクネチウム、ガリウム、インジウムおよびレニウムは有利である。
【0024】 本発明による化合物をレントゲン診断法での適用のために用いる場合、金属イ
オンは有利にはより大きい原子番号の元素から誘導してX線の十分な吸収を達成
しなくてはならない。この目的のために、原子番号25および26ならびに57
〜83の元素の金属イオンを有する生理学的に認容性の錯塩が適切であることが
判明した。
【0025】 マンガン(II)イオン、鉄(II)イオン、鉄(III)イオン、プラセオ
ジム(III)イオン、ネオジム(III)イオン、サマリウム(III)イオ
ン、ガドリニウム(III)イオン、イッテルビウム(III)イオンまたはビ
スマス(III)イオン、特にジスプロシウム(III)イオンが有利である。
【0026】 R1中に場合により存在している酸性の水素原子、つまり中心イオンにより置 換されていないものは、場合により完全に、または部分的に無機および/または
有機塩基またはアミノ酸またはアミノ酸アミドのカチオンにより交換されていて
もよい。
【0027】 適切な無機カチオンは、例えばリチウムイオン、カリウムイオン、カルシウム
イオンおよび特にナトリウムイオンである。有機塩基の適切なカチオンは特に、
第一級、第二級または第三級アミン、例えばエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、モルホリン、グルカミン、N,N−ジメチルグルカミンおよび特にN−メ
チルグルカミンのカチオンである。アミノ酸の適切なカチオンは例えばリジン、
アルギニンおよびオルニチンのカチオン、ならびにその他の酸性または中性のア
ミノ酸のアミドである。
【0028】 分子量5000〜200000D、有利には15000〜60000Dを有す
る本発明による化合物は、冒頭に記載した所望の特性を有している。該化合物は
その使用のために必要な数の金属イオンを錯体中に安定して結合して有している
【0029】 これらはリンパ系中で富化し、組織の潅流による描出を可能にし、組織中の血
液容量を測定し、かつ血液の緩和時間もしくは濃度を選択的に短縮する可能性を
与える。そのような生理学的な情報は、細胞外造影剤、例えばGd−DTPA[
Magnevist(R)]の使用によって得ることができない。この観点から現代の造影法
である核スピン断層撮影法およびコンピューター断層撮影法の場合の使用分野、
つまり転移性の、特に悪性の腫瘍の特異的な診断および細胞増殖抑制治療、抗炎
症治療もしくは血管拡張治療の際の早期の治療コントロールもまた生じる。
【0030】 本発明によるサッカリド−ポリマー錯体は、間質および特に静脈内リンパ管造
影のために著しく適切である。
【0031】 細胞外造影剤、例えばGd−DTPA[Magnevist(R)]に対するその他の利点
として、核スピン断層撮影法のための造影剤としてより高い効率(より高い緩和
率)を挙げなくてはならず、これは診断のために必要な投与量の顕著な低下につ
ながる。同時に本発明による造影剤は溶液として血液に対して等浸透圧に調製す
ることができ、かつこのことにより体の浸透圧による負荷を減少し、このことは
該物質の減少した毒性(より高い毒性の閾値)において現れる。より低い投与量
およびより高い毒性閾値は、現代の造影法における造影剤の適用の安全性の顕著
な向上につながる。
【0032】 本発明のもう1つの利点は、これからは、親水性または親油性で大環状または
開鎖状の、低分子または高分子リガンドを有する錯体が得られるようになったこ
とにある。このことにより、該ポリマー錯体の相容性および薬物動態学を化学的
な置換により制御する可能性が与えられる。
【0033】 R2に関する有利な置換基は水素原子、メチル基、イソプロピル基、フェニル 基およびベンジル基である。Vを表す有利な基は、例えばCH264基、CH2 −O−C64基、(CH24基、(CH26基および(CH210基であり、そ の際、C64基はT1に結合している。
【0034】 R3に関して有利な置換基は水素原子、メチル基、CH2COOH基および(C
22COOH基である。
【0035】 M1として例えば次のものが挙げられる:
【0036】
【化19】
【0037】 その際、αは基CONR3に対する結合箇所およびβはT1に対する結合箇所を示
す。
【0038】 有利には次の基である:
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】 基M2として例えば次のものが挙げられる:
【0042】
【化22】
【0043】 その際、αは基−CH(OH)−への結合箇所およびβはT1への結合箇所を表 す。
【0044】 有利には基:
【0045】
【化23】
【0046】 である。
【0047】 特に有利には基:
【0048】
【化24】
【0049】 である。
【0050】 基Zとして、モノサッカリドに関してはその都度、それぞれピラノース型また
はフラノース型で存在しており、ヒドロキシル基1つ減少したヘキソース、ペン
トースおよびN−アセチル−ノイラミン酸ならびにこれらの誘導体が挙げられる
。ピラノース型で存在しているヘキソース、例えばD−ガラクトース、D−マン
ノース、D−グルコース、L−フコース、ガラクトース−6−スルフェート、マ
ンノース−6−スルフェート、D−グルコサミン−6−スルフェート、D−グル
コサミン−3,4,6−トリスルフェートおよびN−アセチルグルコサミンは有
利である。有利なモノサッカリドとして例えばN−アセチル−2−アミノ−2−
デオキシ−D−グルコース、−D−ガラクトースおよびD−マンノース、6−デ
オキシ−L−ガラクトースならびにN−アセチル−ノイラミン酸が挙げられる。
Zが、オリゴサッカリドを表す場合、これは直鎖状または分枝鎖状に上記のモノ
サッカリドから構成されていてもよく、その際、結合は末端または鎖の内部で行
われていてもよい。オリゴサッカリドとして例えば次のものが挙げられる:シア
リル−ルイスx(例えばH. Ohmoto et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 1339を参 照のこと);デソキシ−シアリル−ルイスx(例えばW. Stahl et al., Angew. C
hemie 1994, 106, 2186を参照のこと);シアリル−Lex(例えばW. Stahl, J.
prak. Chemie 1995, 337, 441を参照のこと);ゲンチオビオース(例えばFluk
a Chemie AG, スイス);ラクトース;マルトース;ラクツロース;ラクトNA c; N,N′,N″−トリアセチルキトトリオース;
【0051】
【化25】
【0052】 N,N′−ジアセチルキトビオース;N,N′,N′″,N″″−テトラアセチ
ルキトテトラロース;マルトトリオース;ジガラクツロン酸;トリガラクツロン
酸(Carbohydrates International AB、スウェーデン)。
【0053】 有利にはモノサッカリドまたはポリサッカリドへのポリマーの(リンカーLを
介した)結合を、糖のC−2位を介して、特に有利にはC−1位を介して行う。
【0054】 リンカーLを介してそれぞれヒドロキシル基1つ減少しているモノサッカリド
またはオリゴサッカリドはPに結合しているが、該リンカーは基T2−M3−Xよ
り記載され、その際M3は直接結合を表すか、またはM1に関して記載されている
ものを表し、T2は、−NHCS基、−C(=NH)基、−CH2基またはCO基
を表し、かつPに結合し、Xは、NH、CO、OおよびSを表し、かつZに結合
する。M3として例えば基:
【0055】
【化26】
【0056】 が挙げられ、その際、γはXへの結合箇所を表し、かつδはT2への結合箇所を 表す。
【0057】 有利にはM3は、直接結合および基:
【0058】
【化27】
【0059】 を表す。
【0060】 一般式Iの本発明による抱合体の製造は自体公知の方法で行い、これは、 a)一般式VII: P(K′)m (VII) [式中、 K′は、一般式II′、III′、IV′、V′またはVI′:
【0061】
【化28】
【0062】
【化29】
【0063】 (式中、 R1′は、相互に無関係に水素原子、酸保護基または原子番号20〜29、3 9、42、44または57〜83の元素の金属イオン等価物を表し、かつ R2、V、o、p、TおよびUは、上記のものを表し、その際一般式VIII : L*−Z′ (VIII) のn′個のモノサッカリドまたはオリゴサッカリドを有し、ここで n′=1〜3nであり、 Z′は、Zに関して記載したものを表すが、しかしその際、Z中に場合により
含有されているカルボキシ基、アミノ基およびヒドロキシ基は、場合により保護
されており、 L*は、基T2′−M3′Xを表し、ここで T2′は、−NCS、−C(=NH)OCH3、−CHO、−CO−Fg−基を
表し、その際、 Fgは、
【0064】
【化30】
【0065】 −O−CO−R4を表し、その際R4は直鎖状または分枝鎖状のC1〜C7−アルキ
ル鎖を表し、 M3′は、M3に関して記載したものを表すが、しかしその際、M3中に場合に より含有されているカルボキシ基は場合により保護されており、かつ Xは、NH、CO、OおよびSを表す)の基を表す]のポリマー錯体(形成剤
)の抱合体または b)一般式IX: P(L′−Z′)n (IX) [式中、 L′は、Lに関して記載したものを表すが、しかしその際、L中に場合により
含有されているカルボキシ基は場合により保護されており、かつ P、Z′およびnは、上記のものを表し、その際、m′は、錯体または錯形成
剤K*を表し、その際m′=1〜3mであり、かつK*は一般式:
【0066】
【化31】
【0067】
【化32】
【0068】
【化33】
【0069】 (式中、 R1′、R2、V、UおよびFgは上記のものを表し、かつ T1′は、−NCS、−CO−Fg、−C(=NH)OCH3または−CHOを
表す)の化合物を表す]のポリマーサッカリドの抱合体または c)一般式X: P−(H)k (X) [式中、 Pおよびkは、上記のものを表す]のポリマーを、ワンポット反応で、一般式
VIII: L*−Z′ (VIII) [式中、 n′、L*およびZ′は、上記のものを表し、その際、m′は、錯体または錯 形成剤K*を表し、その際K*は、一般式:
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】 (式中、m′、R1′、R2、V、T1およびFgは、上記のものを表す)の化合 物を表す]のn′個のモノサッカリドまたはオリゴサッカリドと反応させ、その
際、場合により必要とされる金属イオンの導入を、場合により必要とされる保護
基の分離の前または後で行うが、ただしその際、R1′が保護基を表す場合、こ れを金属イオンの導入前に分離するべきである。
【0073】 R1が、酸保護基を表す場合、もしくはL′、M3′およびZ′中に含まれるカ
ルボキシ基が保護されている場合、低級アルキル基、アリール基およびアラルキ
ル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジ
ル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ビス−(p−ニトロフェニ
ル)−メチル基、ならびにトリアルキルシリル基が該当する。
【0074】 場合により所望される保護基の分離は、当業者に公知の方法(例えばE. Wuens
ch, Methoden der Org. Chemie, Houben-Weyl, 第XV/1巻、第4版、1974年 、315頁を参照のこと)で、例えば加水分解、水素化分解、温度0℃〜50℃
で水アルコール溶液中でアルカリを用いたエステルのアルカリ性けん化、鉱酸を
用いるか、またはt−ブチルエステルの場合にはトリフルオロ酢酸を用いた酸性
のけん化により行う。
【0075】 ヒドロキシ保護基として、例えばベンジル−、4−メトキシベンジル−、4−
ニトロベンジル−、トリチル−、ジフェニルメチル−、トリメチルシリル−、ジ
メチル−t−ブチル−シリル−、ジフェニル−t−ブチルシリル基が該当する。
モノサッカリドおよび/またはオリゴサッカリドの1−OH−基のための保護基
として、メチル基もまた適切である。
【0076】 ヒドロキシ基は例えばTHP−エーテル、アルキルエーテル、α−アルコキシ
エチルエーテル、MEM−およびMOM−エーテルとして、あるいは芳香族また
は脂肪族カルボン酸、例えば酢酸およびクロロ酢酸、安息香酸、レブリン酸また
は2−クロロアセトキシメチル(もしくはエチル)安息香酸(GIT Fachz. Lab.
1996, 46)として存在していてもよい。ポリオールの場合、ヒドロキシ基はケタ
ールの形で、例えばアセトン、アセトアルデヒド、シクロヘキサノンまたはベン
ズアルデヒドで保護されていてもよい。
【0077】 カルボキシル基が同時に存在する場合、ヒドロキシ基は分子間のエステル化に
より相応するラクトンへと保護されて存在していてもよい。
【0078】 ヒドロキシ保護基は、当業者に公知の文献方法で、例えば水素化分解、リチウ
ム/アンモニアを用いた還元的分離、エーテルおよびケタールの酸処理またはエ
ステルのアルカリ処理により遊離することができる(例えば"Protective Groups
in Organic Synthesis", T.W. Greene, John Wiley and Sons 1981を参照のこ と)。
【0079】 アミン保護基として、当業者に通例のベンジルオキシカルボニル基、t−ブト
キシカルボニル基、トリフルオロアセチル基、フルオレニルメトキシカルボニル
基、ベンジル基、ホルミル基、4−メトキシベンジル基、2,2,2−トリクロ
ロエトキシカルボニル基、フタロイル基、1,2−オキサゾリン基、トシル基、
ジチアスクシノイル基、アリルオキシカルボニル基、スルフェート基、ペント−
4−エンカルボニル基、2−クロロアセトキシメチル(もしくは−エチル)ベン
ゾイル基、テトラクロロフタロイル基、アルキルオキシカルボニル基が挙げられ
る[Th. W. Greene, P.G.M. Wuts, Protective Groups in Organic Syntheses,
2nd ed., John Wiley and Sons(1991)、第309〜385頁、E. Meinjohanns e
t al., J. Chem. Soc. Pekin Trans 1, 1995, 405; U. Ellensik et al., Carbo
hydrate Research 280, 1996, 251; R. Madsen et al, J. Org. Chem. 60, 1995
, 7920, R.R. Schmidt, Tetrahedron Letters 1995, 5343]。
【0080】 a)に記載した反応は、例えばP. Erbacher et al., Bioconjugate Chem. 199
5, 6, 401; G. Molema et al., J. Med. Chem. 1991, 34, 1137; J.L. Montero
et al., Bull. Soc. Chim. France, 1994, 131, 854; P. Midoux et al., Nucle
ic Acids Research 1993, 21, 871; M. Andersson et al., Bioconjugate Chem.
1993, 4, 246; R. Roy et al., Tetrahedron Letters 1995, 36, 4377; U.K. S
aha et al., J. Chem. Soc. Chem. Comm. 1995, 2571; C.R. McBroom et al., M
ethods Enzymol. 1972, 28, 212に記載されている当業者に通例の方法により行 う。これらは溶剤、例えば水、塩化メチレン、アセトニトリル、クロロホルム、
DMSO、ピリジン、エタノール/水、エタノール/アセトニトリル、ジオキサ
ン、DMF、THF、低級アルコール、テトラメチル尿素、N−メチルピロリド
ン、ポリエチレングリコール、12−ジメトキシエタン、ジメチルアセトアミド
、1,2−ジクロロエタン、あるいは可能であれば、これらと水との混合物中で
、温度−10℃〜100℃、有利には0℃〜50℃、特に有利には室温で、5分
〜72時間で、有利には1〜24時間、特に有利には1〜14時間で、場合によ
り有機もしくは無機塩基、例えば芳香族もしくは脂肪族アミン、アルカリ金属も
しくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩、および第四級ア
ンモニウム水酸化物を添加して行う。例えば、トリエチルアミン、ジ−イソプロ
ピル−N−エチルアミン(ヒューニッヒ塩基(Huenig-Base))、N−メチルモル ホリン、トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、ルテジ
ン、2,4,6−トリメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチ
ルイミダゾール、テトラメチルグアニジン、DBU、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、カルシウム、マグネシウム、バリウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩
が挙げられる。反応は、当業者に公知の緩衝液中で、有利にはpH8〜11、特
に有利にはpH8.5〜9で行う。pH値の調整は、有利にはpHスタットを使
用して行う。T2′が、CHO基を表す場合、カップリングは、還元剤の補助下 に還元的アミノ化により当業者に公知の方法で実施する(J.-P. Sabri et al.,
Tetrahedron Letters 1994, 35, 1181; M.D. Bomann et al., J. Org. Chem. 19
95, 60, 5995; S. Bhattacharyya et al., J. Chem. Soz. Pekin Trans. I 1994
, 1; O.S. Artyushin et al., Ser. Khim 1991, 9, 2154; R.F Borch et al., J
ACS 1971, 93, 2897)。還元剤として例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水
素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、ピリ
ジン−BH3、水素化リチウムアルミニウムおよび水素化ホウ素亜鉛を使用する 。例えばパラジウムもしくはニッケル触媒による接触水素化もまた適切である。
【0081】 FgがOH基を表す場合、当業者に公知のカップリング試薬、例えばDCCl
、EEDQ、シュターブ(Staab)試薬、BOP、PyBOP、TBTU、TDB TU、HBTU(例えばFournic-Zaluski et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 25
96; Houben-Weyl, Band XV/2, Teil II, 1974; Y.M. Angell et al., Tetrahedr
on Letters 1994, 35, 5981; L.A. Carpino et al., J. Chem. Soc. Commun. 19
94, 201; H-O. Kim et al., Tetrahedron Letters 1995, 36, 6013; D. Papaioa
nnou et al., Tetrahedron Letters, 1995, 36, 5187, G. Stemple et al., Bio
org. Med. Letters 1996, 6, 55を参照のこと)を用いて現場での活性化も実施 することができる。
【0082】 b)に記載されている一般式IXのポリマーサッカリド−抱合体と、一般式I
I″〜VII″およびII′aの錯体もしくは錯形成剤K*との反応は、同様に 例えばUS−5,135,737号、H. Takalo et al., Bioconjugate Chem. 1
994, 5, 278;EP0430863号、EP0331616号、WO96/016
55号、EP0271180号、US−5,364,613号、WO95/17
451号およびWO96/02669号に記載されている自体公知の方法で行う
。該物質を溶剤、例えば水、塩化メチレン、アセトニトリル、クロロホルム、D
MSO、ピリジン、エタノール/水、エタノール/アセトニトリル、ジオキサン
、DMF、THF、低級アルコール、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン
、ポリエチレングリコール、12−ジメトキシエタン、ジメチルアセトアミド、
1,2−ジクロロエタン、あるいは可能であればこれらの水との混合物中で、温
度−10℃〜100℃、有利には0〜50℃、特に有利には室温で5分〜72時
間以内に、有利には1〜24時間、特に有利には1〜14時間で、場合により有
機もしくは無機塩基、例えば芳香族もしくは脂肪族アミン、アルカリ金属もしく
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは炭酸水素塩および第四級水酸化
アンモニウムを添加して実施する。例えばトリエチルアミン、ジ−イソプロピル
−N−エチルアミン(ヒューニッヒ塩基)、N−メチルモルホリン、トリブチル
アミン、テトラメチルエチレンジアミン、ピリジン、ルテジン、2,4,6−ト
リメチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、テ
トラメチルグアニジン、DBU、リチウム−、ナトリウム−、カリウム−、カル
シウム−、マグネシウム−、バリウムの水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩が挙げら
れる。反応は、当業者に公知の緩衝液中、有利にはpH8〜11、特に有利には
pH8.5〜9で行う。pH値の保持は、有利にはpHスタットを使用して行う
。T2′がCHO基を表す場合、カップリングは還元剤の補助下に当業者に公知 の方法で還元的アミノ化により実施する(J.-P. Sabri et al., Tetrahedron Le
tters 1994, 35, 1181; M.D. Bomann et al., 7. Org. Chem. 1995, 60, 5995;
S. Bhattacharyya et al., J. Chem. Soz. Pekin Trans. I 1994,1; O.S. Artyu
shin et al., Ser. Khim 1991, 9. 2154; R. F. Borch et al., JACS 1971, 93,
2897)。還元剤として例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナ トリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カルシウム、ピリジン−BH3 、水素化リチウムアルミニウムおよび水素化ホウ素亜鉛を使用する。接触水素化
もまた適切である。
【0083】 a)およびb)に記載した反応は有利には式VIIIの活性サッカリドもしく
は活性錯体もしくは錯形成剤K*を過剰量で用いて、有利には1.5〜3倍過剰 で行う。
【0084】 c)に記載されたワンポット反応は、a)およびb)に記載した反応条件下で
一般式Xのポリマーと、m′=1〜3mK*およびn′=1〜3nL*−Z′の混
合物とを反応させることにより行う。ポリマー中に含有されているアミノ基の占
有比は、比n′:m′により制御する。
【0085】 上記の反応a)〜c)の後で必要な、もしくはすでにK′またはK*中で行わ れた金属イオンの導入は、例えばドイツ特許出願公開第3401052号に開示
されているように、原子番号20〜32、37〜39、42〜44、49、57
〜83の元素の金属酸化物もしくは金属塩(例えば硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩
化物または硫酸塩)を、水および/または低級アルコール(例えばメタノール、
エタノールもしくはイソプロパノール)中に溶解するか、または懸濁させ、かつ
当量の錯形成リガンドの溶液または懸濁液と反応させ、かつ引き続き、所望の場
合には、存在する酸基の酸性の水素原子を無機および/または有機塩基、アミノ
酸またはアミノ酸アミドのカチオンにより置換することにより実施する。
【0086】 この場合、中和はナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウムまたはカル
シウムの無機塩基(例えば水酸化物、炭酸塩または重炭酸塩)および/または特
に第一級、第二級および第三級アミン、例えばエタノールアミン、モルホリン、
グルカミン、N−メチル−およびN,N−ジメチルグルカミンの有機塩基、なら
びに塩基性のアミノ酸、例えばリジン、アルギニンおよびオルニチンまたは本来
中性または酸性のアミノ酸、例えば馬尿酸、グリシンアセトアミドを用いて行う
【0087】 錯化合物の製造のため、例えば水性の溶液または懸濁液中の酸性の錯塩に、中
和点が達成されるまでの量の所望の塩基を添加する。引き続き得られた溶液を真
空下で蒸発乾固させる。形成された中性塩を、水と混和可能な溶剤、例えば低級
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、低級ケトン(
アセトンなど)、極性エーテル(テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジ
メトキシエタンなど)の添加により沈殿させ、こうして容易に単離され、かつ良
好に精製される結晶を得ることはしばしば有利である。所望の塩基をすでに反応
混合物の錯体形成中に添加し、かつこのことによりプロセス工程を節約すること
は特に有利であることが判明した。
【0088】 酸性の錯化合物が複数の遊離の酸性基を有している場合、対イオンとして無機
のカチオンと有機のカチオンとを有している中性の混合塩を製造することはしば
しば有利である。
【0089】 これは例えば、錯形成リガンドを水性の懸濁液もしくは溶液中で、中心イオン
を供給する元素の酸化物もしくは塩、および中和のために必要とされる量の有機
塩基の半分と反応させ、形成された錯塩を単離し、これを所望の場合に精製し、
かつ次いで完全な中和のために必要とされる量の無機塩基を添加することにより
行うことができる。塩基の添加の順序は逆であってもよい。
【0090】 このようにして得られたポリサッカリド−抱合体の精製は、場合によりpH値
の調整後に、酸または塩基の添加によりpH6〜8、有利には約7に、有利には
適切な孔径を有する膜(例えばAmicon(R)-XM30, Amicon(R)-YM10, Amicon(R)-YM
3)を用いた限外濾過により、または例えば適切なSephadex(R)−ゲルを用いたゲ
ル濾過により行う。
【0091】 中性の化合物の場合、イオン性の成分を分離するためにポリマー錯体をアニオ
ン交換体、例えばIRA67(OH-型)および場合により付加的にカチオン交 換体、例えばIRC50(H+型)に通過させることがしばしば有利である。
【0092】 出発物質として必要とされる一般式VII: P(K′)m (VII) のポリマー錯体(形成剤)−抱合体、および一般式IX: P(L′−Z′)n (IX) のポリサッカリド−抱合体の製造は、自体公知の方法で、一般式X: P−(H)k (X) のポリマーを、一般式II″〜VI″およびII′aもしくは一般式VIII: L*−Z′ (VIII) のN′で活性化されたモノサッカリドまたはオリゴサッカリドのm′の錯体また
は錯形成剤K*と、a)およびb)に記載した反応条件下で反応させることによ り行う。
【0093】 一般式Xのポリマーは、遊離アミンの形で、またはその塩の形で、例えば塩酸
塩、臭化水素塩または硫酸塩として使用することができる。これらは文献(例え
ばWO93/14147号、WO93/12073号、WO95/02008号
、WO95/20619号、WO96/02588号、EP684044号、E
P672703号およびUS5,530,092号)から公知である。
【0094】 使用される錯体もしくは錯形成剤K*は、文献から公知であるか、または文献 から公知の方法により得られる: II″およびII′a:例えばEP263059号を参照のこと、 III″′:例えばDE19507822号、DE19580858号、DE
19507819号を参照のこと、 IV″:例えばWO91/14459号を参照のこと、 V″:例えばUS−5,053,503号、WO96/02669号、WO9
6/01655号、EP0430863号、EP255471号、US−5,2
77,895号、EP0232751号、US−4,885,363号を参照の
こと、 VI″′:例えばUS−4,923,985号を参照のこと。
【0095】 原料として必要とされる一般式VIIIのモノサッカリドおよびポリサッカリ
ドは同様に文献から公知であるか、または文献から公知の方法に類似させて得ら
れる(実験の部もまた参照のこと):例えばEP0128097号;A.J. Jonas
et al., Biochem. J. 1990, 268, 41;JP特許明細書04211099号;D.H
. Buss et al, J. Chem. Soc. C. 1968, 1457; C.M. Hilditch et al., J. Appl
. Phycol. 1991, 3, 345; M. Monsigny et al., Biol. Cell 1984, 51, 187; E.
P. Dubois et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 1996, 6, 13
87; C.R. McBroom et al., Methods Enzymol. 1972, 28, 212, M. Ponpipom et
al., J. Med. Chem. 1981, 24, 1388; J. Haensler et al., Bioconjugate Chem
. 1993, 4, 85; Y. Miura et al., Carbohydrate Research 1996, 289, 193; R.
Roy et al., Tetrahedron Letters 1995, 36, 4377; W. Stahl et al., Angew.
Chemie 1994, 106, 2186; U. Sprengard et al., Angew. Chemie 1996, 108, 3
59; A. Toepfer et al., Tetrahedron Letters 1995, 36, 9161; U. Sprengard
et al. Angew. Chemie 1995, 107, 1104; D. Zanini et al., Tetrahedron Lett
ers 1995, 36, 7383; R. Roy et al., J. Chem. Commun. 1996, 201; W. Spevak
et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 1018; E.A.L. Biessen et al., J. Med. Ch
em. 1995, 38, 1846; K. Yamada et al., Tetrahedron Letters 1995, 36, 9496
; Lemieux et al., JACS 1975, 97, 4076; S. Koto et al., Bull. Chem. Soc.
Jap. 1976, 49, 2639; P.W. Austin et al., J. Chem. Soz. C 1965, 1419; H.
Paulsen, Angew. Chem. 1990, 102, 851; R.R. Schmidt et al., Angew. Chem.
1986, 98, 213; H. Kunz, Angew. Chem. 1987, 99, 297; J. Banoub, Chem. Rev
iew 1992, 92, 1167; H. Paulsen, Angew. Chem. 1982, 94, 184, R.R. Schmidt
et al., Liebigs Ann. Chem. 1983, 1249; H.A. van Doren et al., Carbohydr
ate Research 1989, 194, 71, F.D. Tropper et al., J. Carbohydr. Chem. 199
2, 11, 751; T. Sugawara et al., Carbohydrate Research 1992, 230, 117, Y.
C. Lee et al., Biochemistry 1976, 15, 3956; Blomberg et al., J. Carbohyd
r. Chem. 1992, 11, 751を参照のこと。
【0096】 本発明による薬剤の製造は、同様に自体公知の方法で、本発明による錯化合物
を、場合により製剤学で通例の添加剤を添加して、水性媒体中に懸濁させるか、
または溶解させ、かつ引き続き該懸濁液または溶液を場合により滅菌することに
より行う。適切な添加剤は例えば生理学的に問題のない緩衝液(例えばトロメタ
ミン)、錯形成剤または弱い錯体の添加剤(例えばジエチレントリアミンペンタ
酢酸または相応するCa−ポリサッカリド−ポリマー錯体)または、必要な場合
には、電解質、例えば塩化ナトリウムまたは、必要な場合には、酸化防止剤、例
えばアスコルビン酸である。
【0097】 腸内投与またはその他の目的のために、水中または生理食塩水中の本発明によ
る物質の懸濁液または溶液が所望される場合、これを製剤学で通例の補助剤[例
えばメチルセルロース、ラクトース、マンニット]および/または界面活性剤[
例えばレシチン、Tween(R)、Myrj(R)]および/または味の改善のための香料[ 例えばエーテル油]1種以上と混合する。
【0098】 原則として錯塩を単離しないで本発明による薬剤を製造することもまた可能で
ある。いずれにしても、錯体を形成していない毒性のある金属イオンが本発明に
よる塩および塩溶液に実質的に含まれていないようにキレート形成を実施するこ
とに特に注意を払わなくてはならない。
【0099】 このことは例えば呈色指示薬、例えばキシレノールオレンジを用いて、製造プ
ロセスの間にコントロール滴定により保証することができる。
【0100】 従って本発明は、錯化合物およびその塩の製造方法に関する。最終的な安全性
として単離された錯塩の精製が残る。
【0101】 本発明による薬剤は有利には1マイクロモル〜1.3マイクロモル/lの錯塩
を含有し、かつ通例0.0001〜5ミリモル/kgの量で投与される。これら
は腸内投与および非経口投与のためのものである。本発明による錯化合物を、 1.NMR診断法およびレントゲン診断法のために原子番号21〜29、39
、42、44および57〜83の元素のイオンを有するその錯体の形で、 2.放射線診断法および放射線治療のために、原子番号27、29,31、3
2,37〜39、43、49、62、64、70、75および77の元素の放射
性同位体との錯体の形で、 使用する。
【0102】 本発明による薬剤は、核スピン断層撮影法のための造影剤としての適性にとっ
ての多種多様な前提条件を満足する。そこで該薬剤は、経口もしくは非経口投与
後に信号強度の上昇により、核スピン断層撮影法を用いて得られた画像をその造
影力において改善することに著しく適切である。さらに該薬剤は、異物による体
に対する負荷をできる限りわずかな量にするために必要とされる高い作用、およ
び検査の非侵入性の特性を保持するために必要とされる良好な相容性を有してい
る。
【0103】 本発明による薬剤の良好な水溶性およびわずかな浸透圧重量モル濃度により、
高濃度の溶液を製造することが可能になり、このため循環の体積負荷を代表的な
境界値に保持し、かつ体液による希釈を相殺する、つまりNMR診断薬は、NM
R分光分析法のための薬剤よりも100〜10000倍良好に水溶性でなくては
ならない。さらに本発明による薬剤は高いインビトロ安定性を有しているのみで
はなく、意外なほど高いインビボ安定性を有しているので、錯体中で共役結合し
ておらず、自体毒性のイオンの放出または交換は、新規の造影剤が完全に再度排
出されるまでの時間内に極めて緩慢に行われるのみである。
【0104】 一般には本発明による薬剤をNMR診断薬として適用するために、0.000
1〜5ミリモル/kg、有利には0.005〜0.5ミリモル/kgの量で投与
する。適用の詳細は、例えばH.-J. Weinmann et al., Am J. of Roentgenology
142, 619(1984)で議論されている。
【0105】 器官特異的NMR診断薬の特に低い投与量(1mg/体重kg以下)は、例え
ば腫瘍および心筋梗塞の検出のために使用可能である。
【0106】 本発明による薬剤は、その有利な放射性およびその中に含有されている錯化合
物の良好な安定性に基づいて放射線診断薬としても適切である。その適用および
投与量の詳細は例えば"Radiotracers for Medical Applications", CRC-Press,
Boca Raton, Floridaに記載されている。
【0107】 放射性同位体を用いたもう1つの造影法は、陽電子を射出する同位体、例えば 43 Sc、44Sc、52Fe、55Coおよび68Gaを使用する陽電子射出断層撮影法
である(Heiss, W.D.; Phelps, M.E.; Positron Emission Tomography of Brain
, Springer Verlag Berlin, Heidelberg, New York 1983)。
【0108】 本発明による化合物は、意外にも血液脳関門を有していない領域における悪性
および良性の腫瘍の区別のためにも適切である。該化合物はまた、完全に体外に
排出され、従って認容性が良好であることによっても優れている。
【0109】 本発明による物質は悪性腫瘍中で富化する(健康な組織へは拡散しないが、し
かし腫瘍血管の高い透過性)ので、該化合物は悪性腫瘍の放射線療法を支援する
こともできる。該化合物は使用される同位体の量および種類によってのみ相応す
る診断薬から区別される。この場合、できる限り狭い飛程を有するエネルギー量
の多いの短波の放射線による腫瘍細胞の破壊が目的である。このために錯体中に
含有されている金属(例えば鉄またはガドリニウム)と、イオン化放射線(例え
ばX線)との、または中性子線との相互作用を利用する。この効果により金属錯
体が存在する箇所(例えば腫瘍中)で局所的な放射線量が著しく上昇する。悪性
の組織中で同じ放射線量を発生させるために、該金属錯体を適用すると、健康な
組織への放射線負荷を著しく低下させ、ひいては患者にとって負担となる副作用
を回避することができる。従って本発明による金属錯体−抱合体は、悪性腫瘍の
放射線療法の際の放射線感受性物質としても適切である(さらにメスバウアー効
果または中性子捕獲療法を利用することができる)。適切なβ射出イオンは例え
46Sc、47Sc、48Sc、72Ga、73Gaおよび90Yである。わずかな半減期
を有する適切なα−射出性イオンは例えば211Bi、212Bi、213Biおよび214 Biであり、その際、212Biは有利である。適切な光子放出イオンおよび電子 放出イオンは158Gdであり、これは157Gdから中性子捕獲により得ることがで
きる。
【0110】 本発明による治療薬のインビボの適用の際に、これらを適切なキャリア、例え
ば血清または生理食塩水と一緒に、およびその他のタンパク質、例えばヒト血清
アルブミンと一緒に投与することができる。この場合投与は細胞の障害の種類、
利用される金属イオンおよび造影法の種類に依存する。
【0111】 本発明による治療薬は非経口で、有利には静脈内に適用する。
【0112】 放射線治療薬の適用の詳細は、例えばR.W. Kozak et al., TIBTEC, Oktober 1
986, 262で論じられている。
【0113】 本発明による薬剤は、レントゲン造影剤として、特にコンピュータ断層撮影法
(CT)のために著しく適切であり、その際、生化学的薬理学においてヨード含
有の造影剤から公知のアナフィラキシー類似の反応の徴候は認識されなかった。
該薬剤はデジタルサブトラクション技術のために管応力の比較的高い領域での良
好な吸収特性に基づいて貴重である。
【0114】 一般に本発明による薬剤はレントゲン造影剤としての適用のためにメグルミン
ジアトリゾエートに類似させて0.1〜5ミリモル/kg、有利には0.25〜
1ミリモル/kgの量で投与することができる。
【0115】 レントゲン造影剤の適用の詳細は例えばBarke, Roentgenkontrastmittel, G.
Thieme, Leipzig(1979)およびP. Thurn, E. Buecheler "Einfuehrung in die Ro
entgendiagnostik", G. Thieme, Stuttgart, New York(1977)に論じられている 。
【0116】 総じて診断医学および治療医学における新規の可能性を開拓する新規のポリマ
ー−金属錯体を合成することに成功した。
【0117】 以下の実施例は本発明の対象を詳細に説明するためのものである。
【0118】 以下の実施例において使用される当業者にとって公知かつ慣例の略号を用いて
、しばしば反復する特定の化合物名を以下で名前を挙げる、および/または構造
式により一度説明する; その際、 ←それぞれ以下に記載される、これを介してポリマーPへの結合が行われる分子
の位置を表す。
【0119】 1)DTPA:[ビス−(2−アミノエチル)−アミン−N,N,N′,N″
,N″−五酢酸]
【0120】
【化36】
【0121】 2)Gd−DTPA:[ビス−(2−アミノエチル)−アミン−N,N,N′
,N″,N″−五酢酸]モノ−ナトリウム塩のガドリニウム錯体
【0122】
【化37】
【0123】 3)DTPA−一無水物−モノエチルエステル
【0124】
【化38】
【0125】 4)DTPA−テトラ−t−ブチルエステル(中心的なカルボキシメチル官能
基):3,9−ビス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−6−カルボキシメチ
ル−3,6,9−トリアザウンデカン酸−ジ−t−ブチルエステル
【0126】
【化39】
【0127】 5)DTPA−テトラ−t−ブチルエステル(末端カルボキシメチル官能基)
: 6,9−ビス−(t−ブトキシカルボニルメチル)−3−カルボキシメチル−3
,6,9−トリアザウンデカン酸−3,9−ジ−t−ブチルエステル
【0128】
【化40】
【0129】 6)Gly−Me−DOTA−トリ−t−ブチルエステル: 10−[1−(カルボキシメチルカルバモイル)−エチル]−1,4,7,10
−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエステル
、臭化ナトリウム:
【0130】
【化41】
【0131】 7)Gd−Gly−Me−DOTA: 10−[1−(カルボキシメチルカルバモイル)−エチル]−1,4,7,10
−テトラアザ−シクロドデカン−1,4,7−三酢酸のガドリニウム錯体
【0132】
【化42】
【0133】 8)64er−DSM−ポリアミン:
【0134】
【化43】
【0135】 9)32er−DSM−ポリアミン:
【0136】
【化44】
【0137】 10)ラクトビオノラクトン: O−β−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン
【0138】
【化45】
【0139】 11)ラクトビオノラクトン−アミド: O−β−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−
アミド
【0140】
【化46】
【0141】 例1 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−ガラクトピラノシル]26−抱合体[ナトリウ
ム塩として] a)64er−DSM−ポリアミンとDTPAとからなるポリアミド[ナトリ
ウム塩として] 64er−DSM−ポリアミン5.0g(0.7ミリモル;遊離アミノ官能基
44.8ミリモルに相応)を、蒸留水400ml中に溶解させ、かつ1モル濃度
のカセイソーダ溶液を用いて9.5のpH値を調整する。引き続きDTPA−一
無水物−モノ−エチルエステル(EP0263051A1号、EP045074
2A1号およびEP0413405A1号に記載されているように調製)合計2
1.6g(53.7ミリモル)を滴加し、その際反応溶液のpH値を1モル濃度
のカセイソーダ溶液の添加により9.5で一定に保持する。添加終了後に、室温
でさらに15分間、後攪拌し、かつ引き続き反応溶液のpH値を32%のカセイ
ソーダ溶液の添加により11.5に調整する。室温で12時間の反応時間後に蒸
留水を用いて全体積800mlになるまで補充する。このようにして得られた水
性生成物溶液をYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて3回、蒸留水に対して限
外濾過する。残留した残留物を脱イオン水を用いて体積500mlになるまで補
充し、かつ水性の生成物溶液を凍結乾燥させる。
【0142】 収量:非晶質の粉末として14.04g(88.3%;使用されるポリアミンに
対する)、 含水率:8.46%。
【0143】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C47.16、H6.63、N14.41、Na7.69、 測定値:C46.88、H6.79、N14.32、Na7.01。
【0144】 元素分析ならびに0.0025モルのガドリニウム硫酸塩−測定溶液を用いた
比色滴定後に、指示薬としてキシレノールオレンジの存在下で、59.9%のポ
リマーのDTPA−負荷率が生じる(分子あたり38個のDTPA単位に相応)
。定量的なニンヒドリン反応ならびにTNBS法を用いた定量的なアミノ基測定
(このためにFields, R., J. Biochem. 1971, 124, 581-590およびさらに詳細な
文献Chem. Rev.. 60, 39(1960); Tetrahedron, 34, 1285(1978);47, 8791(1991)
を比較のこと)の後、平均してポリマー分子あたり25.8個の遊離アミノ官能
基が存在する。
【0145】 b)64er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−ガラクトピラノシル]26−抱合体[ナトリウ
ム塩として] 例1a)からの表題化合物1.0g(0.044ミリモル;遊離アミノ官能基
1.14ミリモルに相応)を、脱イオン水80ml中に溶解させ、かつ該溶液の
pH値を1モルの塩酸を用いて9.5に調整する。引き続きp−イソチオシアナ
トフェニル−β−D−ガラクトピラノース(M. Ponpipom et al., J. Med. Chem
. 24, 1388; 1981およびJ. Haensler et al., Bioconjugate Chem. 4, 85, 1993
により調製、相応するアニリン前駆物質からのイソチオシアネートの一般的な形
成のためには例えば次のものを参照のこと:D.H. Buss, I.J. Goldstein; J. Ch
em. Soc., 1968, 1457-1461, McBroom C. R. Samanen C. H. and Goldstein I.J
., Methods Enzymol. 1972, 28, 212-219)を合計1.55g(4.9ミリモル )添加し、その際、反応溶液のpH値を0.1モル濃度のカセイソーダ溶液を用
いて9.5で一定に保持する。22℃で12時間の反応時間の後に濾過し、かつ
蒸留水で全体積250mlになるまで補充する。YM3−限外濾過膜(Amicon)
を介して反応溶液を3回限外濾過し、次いで残留した残留物を凍結乾燥させ、非
晶質で無色の固体1.30g(理論値の95%)が得られる。
【0146】 含水率:3.8%。
【0147】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C47.83、H6.23、N11.79、S2.70、Na5.66
、 測定値:C47.04、H6.46、N11.53、S2.77、Na5.58
. 遊離アミノ官能基の定量的な測定のために一般に使用されるニンヒドリン反応
ならびにTNBS法は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基は存在
しない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値からβ−D−ガラクトース
40%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あたり26個のガラクトース基に
相応)。平均ピラノース−負荷率を確認するための比色フェノール−硫酸−測定
(Dubois et al., Anal. Chem. 1956, 28, 3, 350)は、結果として分子あたり D−ガラクトース基において39.68%の平均統計学的負荷率を生じ、ひいて
は単独で元素比率のパーセンテージにより確認された負荷率と同一であると見な
すことができる(ここでは分子あたり26個のD−ガラクトース基が判明した)
【0148】 c)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−β−D−ガラクトピラノシル]26−抱合体[ナ
トリウム塩として] 例1b)からの表題化合物1.27g(0.0411ミリモル;DTPAにお
いて1.56ミリモルに相応)を、クエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.3)4
0ml中に溶解させ、かつ室温で蒸留水10ml中の塩化ガドリニウム0.42
g(1.59ミリモル)の溶液を添加する。室温で15分間の反応時間後、反応
溶液を1モル濃度のカセイソーダ溶液を用いてpH7.2に調整する。YM3−
限外濾過膜(Amicon)を介して3回限外濾過後、残留した残留物を凍結乾燥させ
る。
【0149】 非晶質で無色の固体として上記の表題化合物1.44g(理論値の97.2%
)。
【0150】 含水率:3.89%。
【0151】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.00、H5.45、N10.11、S2.31、Gd16.5
3、Na2.42、 測定値:C39.87、H5.74、N9.98、S2.28、Gd16.58
、Na2.42。
【0152】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA60%およ
びD−ガラクトース40%のポリマーの平均負荷率(分子あたり38個のGd−
DTPA単位および20個のD−ガラクトース基に相応)が生じる。表題化合物
中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能で
ある。
【0153】 例2 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA)38−[1−(4−チオウ
レイドフェニル)−α−D−マンノ−ピラノシル]26−抱合体[ナトリウム塩と
して] a)64er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−α−D−マンノ−ピラノシル]26−抱合体[ナトリウ
ム塩として] 例1b)に関して記載されている方法と同様に、例1a)からの表題化合物0
.75g(0.033ミリモル;遊離アミノ官能基0.855ミリモルに相応)
と、p−イソチオシアナトフェニル−α−D−マンノピラノース[Monsigny et
al., Bio. Cell. 51, (1984), 187により調製]1.2g(3.8ミリモル)と の反応により、後処理後に上記の表題化合物0.93g(理論値の92.4%)
が非晶質で無色の固体として得られる。
【0154】 含水率:4.86%。
【0155】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C47.83、H6.23、N11.79、S2.70、Na5.66
、 測定値:C47.76、H6.51、N11.48、S2.81、Na5.74
【0156】 表題化合物の定量的ニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物は
遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値
から、α−D−マンノース40%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あたり
26個のマンノース基に相応)。
【0157】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−α−D−マンノ−ピラノシル]26−抱合体[ナ
トリウム塩として] 例2a)からの表題化合物0.85g(0.027ミリモル;DTPA1.0
4ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム
0.28g(1.06ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯
化する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物958.2mg(理論値の98.
5%)が非晶質の粉末として得られる。
【0158】 含水率:6.14%。
【0159】 元素分析(無水の物質に対する): 計算値:C41.00、H5.45、N10.11、S2.31、Gd16.5
9、Na2.42、 測定値:C40.02、H5.61、N9.82、S2.24、Gd16.63
、Na2.46。
【0160】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA60.3%
およびD−マンノース39.7%のポリマーの平均負荷率(分子あたり38個の
Gd−DTPA単位および26個のD−マンノース基に相応)が生じる。表題化
合物中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可
能である。表題化合物のT1およびT2−緩和率を水中ならびに血漿中で測定する
。測定は40℃で、磁界強度0.47テスラで行い、T1−シーケンス:180 ゜−TI−90゜[逆回復(Inversion Recovery)]ならびにT2−シーケンス: 90゜−TE−180゜[CPMG]。
【0161】 すべての緩和率測定を、Minispec PC20上で行い、かつ比較試料としてす
べての場合で濃度1ミリモル/LのGd−DTPAの溶液を使用した。
【0162】 R1(水)=13.9±0.0(L/ミリモル・s)、 R1(血漿)=17.6±0.2(L/ミリモル・s)、 R2(水)=16.8±0.3(L/ミリモル・s)、 R2(血漿)=22.9±1.3(L/ミリモル・s)。
【0163】 例3 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−(4
−チオウレイドフェニル)−β−D−グルコ−ピラノシル]26−抱合体[ナトリ
ウム塩として] a)64er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−グルコ−ピラノシル]26−抱合体[ナトリウ
ム塩として] 例1b)に関して記載されている方法と同様に、例1a)からの表題化合物0
.9g(0.04ミリモル;遊離アミノ官能基1.04ミリモルに相応)と、p
−イソチオシアナトフェニル−β−D−グルコピラノース[Monsigny et al., B
io. Cell. 51, (1984), 187; M. Ponpipom et al., J. Med. Chem. 24, 138(198
1)により調製]1.44g(4.56ミリモル)との反応により、後処理後に非
晶質で無色の固体1.12g(理論値の90.6%)が得られる。
【0164】 含水率:3.75%。
【0165】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C47.83、H6.23、N11.79、S2.70、Na5.66
、 測定値:C47.76、H6.51、N11.48、S2.81、Na5.74
【0166】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、D−グルコース40%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あたり2
6個のグルコース基に相応)。
【0167】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−β−D−グルコピラノシル]26−抱合体[ナト
リウム塩として] 例3a)からの表題化合物1.0g(0.032ミリモル;DTPA1.23
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム0
.33g(1.24ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯化
する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.14g(理論値の99.2%)
が非晶質の粉末として得られる。
【0168】 含水率:5.47%。
【0169】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.00、H5.45、N10.11、S2.31、Gd16.5
9、Na2.42、 測定値:C40.98、H5.38、N10.22、S2.40、Gd16.4
3、Na2.40。
【0170】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA60%およ
びD−グルコース40%のポリマーの平均負荷率(分子あたり38個のGd−D
TPA単位および26個のD−グルコース基に相応)が生じる。表題化合物中、
定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である
【0171】 例4 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−(4
−チオウレイドフェニル)−α−L−フコ−ピラノシル]26−抱合体[ナトリウ
ム塩として] a)64er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−α−L−フコ−ピラノシル]26−抱合体[ナトリウム
塩として] 例1b)に関して記載されている方法と同様に、例1a)からの表題化合物1
.1g(0.048ミリモル;遊離アミノ官能基1.26ミリモルに相応)と、
p−イソチオシアナトフェニル−α−L−フコピラノース[Tamio et al., Jpn.
Kokai Tokio Koho, Jp4211099およびHilditch et al., J. Appl. Phycol. 3(4)
, 345, (1991)により調製]1.65g(5.57ミリモル)との反応により、 後処理後に上記表題化合物が非晶質で無色の固体として1.35g(理論値の9
2.4%)得られる。
【0172】 含水率:8.03%。
【0173】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C48.48、H6.32、N11.95、S2.74、Na5.73
、 測定値:C48.02、H6.28、N12.01、S2.70、Na5.81
【0174】 表題化合物の定量的ニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物は
遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値
から、α−L−フコース40%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あたり2
6個のα−L−フコース基に相応)。
【0175】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−α−L−フコピラノシル]26−抱合体[ナトリ
ウム塩として] 例4a)からの表題化合物1.2g(0.039ミリモル;DTPA1.49
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム0
.40g(1.51ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯化
する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.37g(理論値の98.5%)
が非晶質の粉末として得られる。
【0176】 含水率:5.81%。
【0177】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.48、H5.51、N10.23、S2.34、Gd16.7
8、Na2.45、 測定値:C41.31、H5.54、N10.17、S2.38、Gd16.5
5、Na2.48。
【0178】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA60%およ
びα−L−フコース40%のポリマーの平均負荷率(分子あたり38個のGd−
DTPA単位および26個のα−L−フコース単位に相応)が生じる。表題化合
物中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能
である。
【0179】 例5 64er−DSM−ポリアミン(Gd−DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−N−アセチル−β−D−グルコサミノピラノシル]26 −抱合体[ナトリウム塩として] a)64er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)38−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−N−アセチル−β−D−グルコピラノシル]26−抱合
体[ナトリウム塩として] 例1b)に関して記載されている方法と同様に、例1a)からの表題化合物0
.9g(0.04ミリモル;遊離アミノ官能基1.26ミリモルに相応)と、2
−[アセチルアミノ−2−デオキシ]−1−[4−(イソチオシアナトフェニル
)]−β−D−グルコピラノース[Jonas, A. J. et al., Biochem. J. (1990)2
68, 1により調製]1.61g(4.56ミリモル)との反応により、後処理後 に非晶質で無色の固体として上記の表題化合物926mg(理論値の92.2%
)が得られる。
【0180】 含水率:7.68%。
【0181】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C44.10、H4.62、N9.26、S3.32、Na6.96、
測定値:C44.21、H6.58、N9.31、S3.28、Na6.92。
【0182】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、2−[アセチルアミノ−2−デオキシ]−1−フェニル−β−グルコピ
ラノース40%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あたり26個の2−[ア
セチルアミノ−2−デオキシ]−1−フェニル−β−D−グルコピラノース基に
相応)。
【0183】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−N−アセチル−β−D−グルコサミノピラノシ
ル]26−抱合体[ナトリウム塩として] 例5a)からの表題化合物0.9g(0.036ミリモル;DTPA1.36
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム0
.38g(1.45ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯化
する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.26g(理論値の92.3%)
が非晶質の粉末として得られる。
【0184】 含水率:8.46% 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.54、H5.44、N10.81、S2.25、Gd16.1
2、Na2.36、 測定値:C41.74、H5.40、N10.96、S2.27、Gd15.9
9、Na2.28。
【0185】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA60%およ
びN−アセチル−D−グルコサミン40%のポリマーの平均負荷率(分子あたり
38個のGd−DTPA単位および26個のN−アセチル−D−グルコサミン基
に相応)が生じる。表題化合物中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミ
ノ官能基はもはや検出不可能である。
【0186】 例6 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−ガラクトピラノシル]14−抱合体[ナトリウ
ム塩として] a)32er−DSM−ポリアミンとDTPAとからなるポリアミド[ナトリ
ウム塩として] 32er−DSM−ポリアミン5.0g(1.42ミリモル;遊離アミノ官能
基45.5ミリモルに相応)を蒸留水400ml中に溶解させ、かつ1モル濃度
のカセイソーダ溶液を用いて9.5のpH値を調整する。引き続きDTPA−一
無水物−モノ−エチルエステル合計21.9g(54.6ミリモル)を滴加し、
その際、反応溶液のpH値を1モル濃度のカセイソーダ溶液の添加により9.5
で一定に保持する。添加終了後、室温でさらに15分間、後攪拌し、かつ引き続
き反応溶液のpH値を、32%のカセイソーダ溶液の添加により11.5に調整
する。室温で12時間の反応時間後に、蒸留水で全体積が800mlになるまで
補充する。こうして得られた生成物水溶液を、蒸留水に対してYM3−限外濾過
膜(Amicon)を用いて3回限外濾過する。残留した残留物を脱イオン水で体積5
00mlになるまで補充し、かつ生成物水溶液を凍結乾燥させる。
【0187】 収量:非晶質の粉末として15.5g(理論値の91.2%;使用されるポリ
アミンに対する)、 含水率:7.43%。
【0188】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C43.74、H7.21、N13.57、Na13.83、 測定値:C43.21、H7.18、N13.82、Na13.94。
【0189】 元素分析ならびに指示薬としてキシレノールオレンジの存在下で0.0025
モルの硫酸ガドリニウム−測定溶液を用いた比色滴定の後、55.8%のポリマ
ーのDTPA−負荷率が生じる(分子あたり18のDTPA単位に相応)。定量
的なニンヒドリン反応ならびにTNBS法(このためにFields, R., J. Biochem
., 1971, 124 , 581-590およびさらにChem. Rev., 60, 39(1960); Tetrahedron,
34, 1285(1978); 47, 8791(1991)を参照のこと)を用いた定量的なアミノ基測 定後、ポリマー分子あたり平均して14個の遊離アミノ官能基が存在する。
【0190】 b)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−ガラクトピラノシル]14−抱合体[ナトリウ
ム塩として] 例1b)に関して記載したように、例6a)からの表題化合物1.0g(0.
0835ミリモル;遊離アミノ官能基1.17ミリモルに相応)と、p−イソチ
オシアナトフェニル−β−D−ガラクトピラノース1.60g(5.03ミリモ
ル)との反応は、後処理後に上記の表題化合物1.25g(理論値の91.3%
)が非晶質で無色の粉末として得られる。
【0191】 含水率:8.36%。
【0192】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C45.34、H6.65、N11.12、S2.74、Na10.1
1、 測定値:C44.98、H6.51、N11.02、S2.68、Na10.1
4。
【0193】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、β−D−ガラクトース44%(分子あたり14個のβ−ガラクトース基
に相応)によるポリマーの負荷率が生じる。ポリアミンの平均的なピラノース負
荷率の測定のための比色フェノール−硫酸−測定(Dubois et al., Anal. Chem.
1956, 28, 3, 350)の結果、分子あたりβ−D−ガラクトース基において43 .75%の平均的な統計学的負荷率が生じ、かつ従って単独で元素のパーセント
比により確認された負荷率と同一であると見なすことができる(ここで分子あた
り26個のβ−D−ガラクトース基が判明した)。
【0194】 c)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−β−D−ガラクトピラノシル]14−抱合体[ナ
トリウム塩として] 例6b)からの表題化合物1.0g(0.061ミリモル;DTPA1.10
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム0
.29g(1.15ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯化
する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.05g(理論値の96.2%)
が非晶質の粉末として得られる。
【0195】 含水率:4.93%。
【0196】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.33、H6.06、N10.14、S2.50、Gd15.7
6、Na2.30、 測定値:C41.28、H5.97、N10.08、S2.52、Gd15.8
0、Na2.28。
【0197】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA56%およ
びβ−D−ガラクトース44%のポリマーの平均負荷率(分子あたり18個のG
d−DTPA単位および14個のガラクトース基に相応)が生じる。表題化合物
中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能で
ある。
【0198】 例7 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA)18−[1−(4−チオウレ
イドフェニル)−α−D−マンノピラノシル]14−抱合体[ナトリウム塩として
] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−α−D−マンノピラノシル]14−抱合体[ナトリウム
塩として] 例1b)に関して記載されている方法と同様に、例6a)からの表題化合物0
.95g(0.079ミリモル;遊離アミノ官能基1.11ミリモルに相応)と
、p−イソチオシアナトフェニル−β−D−マンノピラノース1.52g(4.
77ミリモル)との反応により、後処理後に非晶質で無色の固体として上記の表
題化合物1.22g(理論値の96.2%)が得られる。
【0199】 含水率:5.93%。
【0200】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C45.34、H6.65、N11.12、S2.74、Na10.1
1、 測定値:C45.20、H6.49、N11.20、S2.66、Na10.2
1。
【0201】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、α−D−マンノース44%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あた
り14個のα−D−マンノース基に相応)。
【0202】 b)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−α−D−マンノピラノシル]14−抱合体[ナト
リウム塩として] 例7a)からの表題化合物1.1g(0.067ミリモル;DTPA1.21
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム0
.30g(1.22ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯化
する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.18g(理論値の98.6%)
が非晶質の粉末として得られる。
【0203】 含水率:3.98%。
【0204】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.33、H6.06、N10.14、S2.50、Gd15.7
6、Na2.30、 測定値:C41.27、H6.10、N10.21、S2.54、Gd15.8
3、Na2.36。
【0205】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA56%およ
びα−D−マンノース44%のポリマーの平均負荷率(分子あたり18個のGd
−DTPA単位および14個のD−マンノース基に相応)が生じる。表題化合物
中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能で
ある。
【0206】 例8 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−グルコピラノシル]14−抱合体[ナトリウム
塩として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−β−D−グルコピラノシル]14−抱合体[ナトリウム
塩として] 例1b)に関して記載されている方法と同様に、例6a)からの表題化合物1
.2g(0.10ミリモル;遊離アミノ官能基1.4ミリモルに相応)と、p−
イソチオシアナトフェニル−β−D−グルコピラノース1.92g(6.03ミ
リモル)との反応により、後処理後に非晶質で無色の固体として上記の表題化合
物1.50g(理論値の91.6%)が得られる。
【0207】 含水率:6.49%。
【0208】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C45.34、H6.65、N11.12、S2.74、Na10.1
1、 測定値:C44.98、H6.60、N11.19、S2.70、Na10.1
9。
【0209】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、β−D−グルコース44%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あた
り14個のβ−D−グルコース基に相応)。
【0210】 b)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−β−D−グルコピラノシル]14−抱合体[ナト
リウム塩として] 例8a)からの表題化合物1.40g(0.085ミリモル;DTPA1.5
4ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したように塩化ガドリニウム水溶
液0.38g(1.56ミリモル)で錯化する。後処理および凍結乾燥後に表題
化合物1.50g(理論値の98.4%)が非晶質の粉末として得られる。
【0211】 含水率:7.33%。
【0212】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.33、H6.06、N10.14、S2.50、Gd15.7
6、Na2.30、 測定値:C41.22、H6.10、N10.22、S2.48、Gd15.7
1、Na2.28。
【0213】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA56%およ
びβ−D−グルコース44%のポリマーの平均負荷率(分子あたり18個のGd
−DTPA単位および14個のβ−D−グルコース基に相応)が生じる。表題化
合物中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可
能である。
【0214】 例9 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−α−L−フコピラノシル]14−抱合体[ナトリウム塩
として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−α−L−フコピラノシル]14−抱合体[ナトリウム塩
として] 例1b)に記載されている方法と同様に、例6a)からの表題化合物1.0g
(0.083ミリモル;遊離アミノ官能基1.17ミリモルに相応)と、p−イ
ソチオシアナトフェニル−α−L−フコピラノース1.50g(5.03ミリモ
ル)との反応により、後処理後に非晶質で無色の固体として上記の表題化合物1
.25g(理論値の93.6%)が得られる。
【0215】 含水率:6.74%。
【0216】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C45.97、H6.74、N11.28、S2.78、Na10.2
5、 測定値:C46.03、H6.81、N11.32、S2.75、Na10.1
9。
【0217】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、α−L−フコース44%によるポリマーの負荷率が生じる(分子あたり
14個のα−L−フコース基に相応)。
【0218】 b)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−α−L−フコピラノシル]14−抱合体[ナトリウム塩
として] 例9a)からの表題化合物1.1g(0.068ミリモル;DTPA1.22
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したようにして塩化ガドリニウム0
.31g(1.24ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用し、錯化
する。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.19g(理論値の98.6%)
が非晶質の粉末として得られる。
【0219】 含水率:7.23%。
【0220】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C41.85、H6.14、N10.27、S2.53、Gd15.9
6、Na2.33、 測定値:C41.81、H6.08、N10.21、S2.50、Gd16.0
0、Na2.34。
【0221】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA56%およ
びα−L−フコース44%のポリマーの平均負荷率(分子あたり18個のGd−
DTPA単位および14個のα−L−フコース基に相応)が生じる。表題化合物
中、定量的なニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能で
ある。
【0222】 例10 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−N−アセチル−β−D−グルコサミノピラノシル]14 −抱合体[ナトリウム塩として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−[1−(4−
チオウレイドフェニル)−N−アセチル−β−D−グルコピラノシル]14−抱合
体[ナトリウム塩として] 例1b)に記載されている方法と同様に、例6a)からの表題化合物1.4g
(0.11ミリモル;遊離アミノ官能基1.63ミリモルに相応)と、2−[ア
セチルアミノ−2−デオキシ]−1−[4−(イソチオシアナトフェニル)]−
β−D−グルコピラノース[Jonas, A. J. et al., Biochem. J. (1990)268, 1 により調製]2.50g(7.04ミリモル)との反応により、後処理後に非晶
質で無色の固体として上記の表題化合物1.25g(理論値の93.6%)が得
られる。
【0223】 含水率:7.33%。
【0224】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C44.11、H6.43、N15.13、S2.55、Na9.41
、 測定値:C44.08、H6.22、N15.11、S2.58、Na9.38
【0225】 表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー生成物
は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント
値から、N−アセチル−D−グルコサミン44%によるポリマーの負荷率が生じ
る(分子あたり14個のN−アセチル−β−D−グルコサミン基に相応)。
【0226】 b)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−[1−
(4−チオウレイドフェニル)−N−アセチル−β−D−グルコサミノピラノシ
ル]14−抱合体[ナトリウム塩として] 例10a)からの表題化合物1.6g(0.09ミリモル;DTPA1.64
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したように塩化ガドリニウム0.4
2g(1.66ミリモル)を、塩化ガドリニウム水溶液の形で使用して錯化する
。後処理および凍結乾燥後に表題化合物1.70g(理論値の98.7%)が非
晶質の粉末として得られる。
【0227】 含水率:5.51%。
【0228】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C40.45、H5.90、N13.88、S2.34、Gd14.7
6、Na2.16、 測定値:C40.36、H5.87、N13.94、S2.34、Gd14.8
1、Na2.20。
【0229】 こうしてガドリニウム対硫黄の元素のモル比から、Gd−DPTA56%およ
びN−アセチル−β−D−グルコサミン44%のポリマーの平均負荷率(分子あ
たり18個のGd−DTPA単位および14個のN−アセチル−β−D−グルコ
サミン基に相応)が生じる。表題化合物中、定量的なニンヒドリン反応を用いて
遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0230】 例11 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(α−D−マンノピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36−抱
合体 a)N−(2−ブロモプロピオニル)−グリシンベンジルエステル 塩化メチレン500ml中に溶解したグリシンベンジルエステルp−トルエン
スルホン酸塩100g(296.4ミリモル)およびトリエチルアミン89.9
8g(889.2ミリモル)に0℃で徐々にα−ブロモ−プロピオニルクロリド
60.97g(355.7ミリモル)を滴加する。その際、温度を0℃〜5℃に
保持する。5%の塩酸水溶液1000mlを添加し、かつ有機相を分離する。有
機相をもう一度、5%の塩酸水溶液500mlを用いて洗浄し、硫酸マグネシウ
ムにより乾燥させ、かつ真空下で蒸発乾固させる。残留物をジ−イソプロピルエ
ーテルから再結晶させる。
【0231】 収量:69.39g(理論値の78%)。
【0232】 元素分析: 計算値:C48.02、H4.70、N4.67、Br26.62、 測定値:C47.91、H4.82、N4.51、Br26.47。
【0233】 b)1−[1−ベンジルオキシカルボニルメチルカルバモイル)−エチル]−
1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン クロロホルム1000ml中に溶解させた1,4,7,10−テトラアザシク
ロドデカン86.14g(500ミリモル)に例11a)からの表題化合物50
g(166.6ミリモル)を添加し、かつ室温で24時間攪拌する。水600m
lで3回洗浄し、硫酸マグネシウムを介して有機相を乾燥させ、かつ真空下で蒸
発乾固させる。
【0234】 収量:淡黄色の油状物53.48g(理論値の82%)、 含水率:1.5%。
【0235】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C61.36、H8.50、N17.89、 測定値:C62.03、H8.75、N17.36。
【0236】 c)10−[1−ベンジルオキシカルボニルメチルカルバモイル)−エチル]
−1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−
t−ブチルエステル、臭化ナトリウム アセトニトリル500ml中の例11b)からの表題化合物50g(127.
7ミリモル)および炭酸ナトリウム54.14g(510.8ミリモル)に室温
でブロモ酢酸−t−ブチルエステル82.20g(421.4ミリモル)を滴加
し、かつ60℃で12時間攪拌する。0℃に冷却し、かつ塩から濾別する。濾液
を蒸発乾固させ、かつ残留物をシリカゲルを用いてクロマトグラフィー処理する
(溶離剤:塩化メチレン/メタノール=20:1)。
【0237】 収量:無色の固体90.83g(理論値の85%)。
【0238】 元素分析: 計算値:C54.54、H7.59、N8.37、Na2.75、Br9.55
、 測定値:C54.37、H7.71、N8.21、Na2.83、Br9.69
【0239】 d)10−[1−カルボキシメチルカルバモイル)−エチル]−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸−トリ−t−ブチルエス
テル、臭化ナトリウム 例11c)からの表題化合物90g(107.5ミリモル)を、イソプロパノ
ール1000ml中に溶解させ、かつパラジウム触媒5g(10%Pd/C)を
添加した。室温で一夜水素化する。触媒から濾別し、かつ濾液を蒸発乾固させる
。残留物をジオキサンから再結晶させる。
【0240】 収量:結晶質の固体77.06g(理論値の96%)。
【0241】 元素分析: 計算値:C49.86、H7.69、N9.38、Na3.08、Br10.7
0、 測定値:C49.73、H7.79、N9.21、Na3.19、Br10.8
3。
【0242】 e)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−トリ−t−
ブチルエステル−アミド)28−抱合体 Gly−Me−DOTA−トリ−t−ブチルエステル(例11dの表題化合物
)20.0g(26.8ミリモル)を室温で無水ジメチルホルムアミド100m
l中に溶解させ、かつ撹拌下でN−ヒドロキシスクシンイミド3.7g(32.
16ミリモル)を添加する。引き続き清澄な反応混合物を0℃に冷却し、かつ該
温度でジシクロヘキシルカルボジイミド合計6.6g(32.16ミリモル)を
添加する。0℃で30分間および室温で2.5時間の攪拌時間の後で沈殿したジ
シクロヘキシル尿素を濾別する。このようにして得られた濾液を今度は徐々に室
温で、無水DMF中の64er−DSM−ポリアミン5.0g(0.7ミリモル
;遊離のアミノ官能基44.8ミリモルに相応)およびトリエチルアミン4.5
g(44.8ミリモル)の攪拌される溶液に滴加する。室温で12時間の反応時
間後に、真空下で蒸発乾固させ、かつ残留した残留物にジクロロメタン200m
lを添加する。不溶性の成分の濾別後に、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液
、ならびに水で2回洗浄する。硫酸ナトリウムによる有機生成物相の乾燥後、濾
過し、かつ溶剤を真空下で留去する。淡黄色に着色した油状物13.03g(理
論値の82.4%、使用されるポリアミンに対する)が得られ、これをさらに精
製することなくその後の合成工程で即座に使用する。上記の表題化合物の定量的
なニンヒドリン反応の後、分子あたり平均して35.8個の遊離アミノ官能基が
存在する。
【0243】 元素分析: 計算値:C65.29、H10.65、N16.12、 測定値:C64.95、H10.58、N16.22。
【0244】 f)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−トリ−t−
ブチルエステル−アミド)28−(3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル
)−1−チオ−α−D−マンノピラノシル−3−プロピン−アミド)36−抱合体 無水ジクロロメタン100ml中に溶解した例12a)からの表題化合物3.
0g(0.132ミリモル;遊離のアミノ官能基4.8ミリモルに相応)に室温
でトリエチルアミン587mg(5.8ミリモル)を添加する。引き続きジクロ
ロメタン60ml中の3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−チオ
−α−D−マンノピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイミド
エステル(J. Haensler et al., Bioconjugate Chem. 4, 85, (1993); Chipowsk
y, S., and Lee, Y.C. (1973), Synthesis of 1-thio-aldosides; Carbohydrate
Research 31, 339-349により調製)2.8g(5.28ミリモル)を滴加する 。室温で12時間の反応時間後に、ジクロロメタンで全体積500mlになるま
で補充する。有機相を順次水で2回および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗
浄し、かつ硫酸ナトリウムにより乾燥させる。濾過後、溶剤を真空下で留去して
乾固させる。表題化合物4.60g(理論値の92.6%)が無色の油状物とし
て得られる。表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリ
マー中に遊離のアミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0245】 元素分析: 計算値:C58.69、H8.51、N8.51、S3.07、 測定値:C58.73、H8.60、N8.60、S3.10。
【0246】 表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値から、α−D−マンノーステトラ
アセテート56.7%の平均負荷率が生じる(分子あたり36個のα−D−マン
ノース基に相応)。
【0247】 g)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(−α−マンノピラノシル−1−チオ−3−プロピオン−アミド)36−抱合体 例12b)からの表題化合物4.0g(0.10ミリモル)を無水ジクロロメ
タン100ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計75m
l滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留し
た残留物に水100mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。残
留物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニア
溶液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留去
し、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶液
をその都度ジエチルエーテル60mlで2回抽出する。水性の生成物溶液を10
%の塩酸水溶液の添加によりpH3.0にし、水で全体積800mlになるまで
補充し、かつYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾
過する。残留した残留物を脱イオン水で体積500mlになるまで補充し、かつ
凍結乾燥させる。
【0248】 収量:非晶質の粉末として2.2g(理論値の76.8%)、 含水率:7.37%。
【0249】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C50.68、H7.76、N13.12、S4.01、 測定値:C50.42、H7.91、N13.30、S4.11。
【0250】 h)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)28−(−α−D−マンノピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド
36−抱合体 例12c)からの表題化合物2.0g(0.07ミリモル、Gly−Me−D
OTA1.94ミリモルに相応)を蒸留水50ml中に溶解させ、かつ該溶液の
pH値を10%の塩酸水溶液の滴加により2.0に調整する。引き続き室温で塩
化ガドリニウム0.52g(1.98ミリモル)を添加し、かつ該反応溶液を6
0℃で12時間攪拌する。室温で1モル濃度のカセイソーダ溶液の添加により反
応溶液をpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積800mlになるまで補充する。
残留した残留物をYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限
外濾過後、凍結乾燥させる。表題化合物2.27gが6.39%の含水率を有す
る非晶質で無色の粉末として得られる(理論値の98.2%、使用されるポリア
ミンに対する)。
【0251】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C44.08、H6.50、N11.41、S3.48、Gd13.2
9、 測定値:C44.15、H6.61、N11.37、S3.54、Gd13.3
5。
【0252】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比(1.30)から、Gd−Gly−Me−
DOTA43.7%およびα−D−マンノース56.3%のポリマーの平均負荷
率が生じる(分子あたり28個のGd−Gly−Me−DOTA−単位および3
6個のα−D−マンノース基に相応)。表題化合物中、定量的なニンヒドリン反
応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0253】 例12 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(−α−L−フコピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36−抱
合体 a)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−トリ−t−
ブチルエステル−アミド)28−[3−(2,3,4,6−トリ−O−アセチル)
−1−チオ−α−L−フコピラノシル−3−プロピオン−アミド)36−抱合体 無水ジクロロメタン80ml中の例11e)からの表題化合物2.5g(0.
11ミリモル;遊離アミノ官能基3.96ミリモルに相応)の攪拌される溶液に
室温でトリエチルアミン486mg(4.8ミリモル)を添加する。引き続きジ
クロロメタン60ml中の3−(2,3,4,6−トリ−O−アセチル−1−チ
オ−α−L−フコピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイミド
エステル(J. Haensler et al., Bioconjugate Chem. 4, 85, (1993); Chipowsk
y, S., and Lee, Y. C.(1973), Synthesis of 1-thio-aldosides; Carbohydrate
Research 31, 339-346と同様に調整)2.0g(4.35ミリモル)の溶液を 滴加する。室温で12時間の反応時間後に、ジクロロメタンで全体積500ml
になるまで補充する。有機相を順次、水で2回、および飽和炭酸水素ナトリウム
溶液で2回洗浄し、かつ硫酸ナトリウムにより乾燥させる。濾過後に溶剤を真空
下で留去して乾固させる。表題化合物3.32g(理論値の85.1%、使用さ
れるポリアミンに対する)が、無色の油状物として得られる。表題化合物の定量
的なニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基はも
はや検出不可能である。
【0254】 元素分析: 計算値:C59.71、H8.81、N10.24、S3.23、 測定値:C59.09、H8.60、N9.98、S3.17。
【0255】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(α−L−フコピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36−抱合
体 例12a)からの表題化合物4.0g(0.112ミリモル)を無水ジクロロ
メタン80ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計60m
l滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留し
た残留物に水80mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。残留
物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニア溶
液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留去し
、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶液を
その都度ジエチルエーテル60mlで2回抽出する。水性の生成物溶液を10%
の塩酸水溶液の添加によりpH3.0にし、水で全体積800mlになるまで補
充し、かつYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾過
する。残留した残留物を脱イオン水で体積500mlになるまで補充し、かつ凍
結乾燥させる。
【0256】 収量:上記の表題化合物2.37g(理論値の76.2%)、無色で非晶質の粉
末、 含水率:7.43%。
【0257】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C52.79、H8.09、N13.67、S4.17、 測定値:C52.66、H7.99、N13.40、S4.14。
【0258】 c)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)28−(−α−L−フコピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド) 36 −抱合体 例12b)からの表題化合物2.0g(0.072ミリモル;Gly−Me−
DOTA2.02ミリモルに相応)を、蒸留水40ml中に溶解させ、かつ溶液
のpH値を10%の塩酸水溶液の滴加により2.0に調整する。引き続き室温で
塩化ガドリニウム534mg(2.04ミリモル)を添加し、かつ60℃で12
時間、反応溶液を攪拌する。室温で反応溶液を1モル濃度のカセイソーダ溶液の
添加によりpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積500mlになるまで補充する
。YM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾過後、残留
した残留物を凍結乾燥させる。表題化合物が、含水率9.09%を有する非晶質
で無色の粉末として2.26gが得られる(理論値の98.1%、使用されるポ
リアミンに対する)。
【0259】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C45.57、H6.72、N11.80、S3.80、Gd13.7
4、 測定値:C45.68、H6.86、N11.08、S3.59、Gd13.5
6。
【0260】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比(1.32)から、Gd−Gly−Me−
DOTA43.8%およびα−L−フコース56.2%(分子あたり28個のG
d−Gly−Me−DOTA−単位および36個のα−L−フコース基に相応)
のポリマーの平均負荷率が生じる。表題化合物中で定量的なニンヒドリン反応を
用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0261】 例13 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(β−D−グルコピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36−抱
合体 a)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−トリ−t−
ブチルエステル−アミド)28−[3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル
)−1−チオ−β−D−グルコピラノシル−3−プロピオン−アミド)36−抱合
体 無水ジクロロメタン80ml中の例11e)からの表題化合物2.5g(0.
11ミリモル;遊離アミノ官能基3.96ミリモルに相応)の攪拌される溶液に
室温でトリエチルアミン486mg(4.8ミリモル)を添加する。引き続きジ
クロロメタン60ml中の3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−
チオ−β−D−グルコピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステル(J. Haensler et al., Bioconjugate Chem. 4, 85, (1993); Chip
owsky, S., and Lee, Y. C.(1973), Synthesis of 1-thio-aldosides; Carbohyd
rate Research 31, 339-346と同様に調整)2.31g(4.35ミリモル)の 溶液を滴加する。室温で12時間の反応時間後に、ジクロロメタンで全体積50
0mlになるまで補充する。有機相を順次、水で2回、および飽和炭酸水素ナト
リウム溶液で2回洗浄し、かつ硫酸ナトリウムにより乾燥させる。濾過後に溶剤
を真空下で留去して乾固させる。表題化合物3.70g(理論値の89.4%)
が、無色の油状物として得られる。表題化合物の定量的なニンヒドリン反応は陰
性である、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0262】 元素分析: 計算値:C58.69、H8.51、N9.67、S3.07、 測定値:C58.60、H8.42、N9.88、S3.14。
【0263】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(β−D−グルコピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36−抱
合体 例13a)からの表題化合物3.5g(0.087ミリモル)を無水ジクロロ
メタン80ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計60m
l滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留す
る残留物に水80mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。残留
物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニア溶
液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留去し
、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶液を
その都度ジエチルエーテル60mlで2回抽出する。水性の生成物溶液を10%
の塩酸水溶液の添加によりpH3.0にし、水で全体積800mlになるまで補
充し、かつYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾過
する。残留した残留物を脱イオン水で体積500mlになるまで補充し、かつ凍
結乾燥させる。
【0264】 収量:非晶質の粉末として1.97g(理論値の78.8%)、 含水率:5.45%。
【0265】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C50.68、H7.76、N13.12、S4.01、 測定値:C50.48、H7.89、N13.42、S4.14。
【0266】 c)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)28−(β−D−グルコピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド) 36 −抱合体 例13b)からの表題化合物1.5g(0.052ミリモル;Gly−Me−
DOTA1.47ミリモルに相応)を、蒸留水40ml中に溶解させ、かつ溶液
のpH値を10%の塩酸水溶液の滴加により2.0に調整する。引き続き室温で
塩化ガドリニウム393mg(1.50ミリモル)を添加し、かつ60℃で12
時間、反応溶液を攪拌する。室温で反応溶液を1モル濃度のカセイソーダ溶液の
添加によりpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積500mlになるまで補充する
。YM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾過後、残留
した残留物を凍結乾燥させる。表題化合物が、含水率8.47%を有する非晶質
で無色の粉末として1.66gが得られる(理論値の96.3%)。
【0267】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C44.08、H6.50、N11.41、S3.48、Gd13.2
9、 測定値:C44.18、H6.59、N11.52、S3.55、Gd13.1
2。
【0268】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比(1.32)から、Gd−Gly−Me−
DOTA43.4%およびβ−D−グルコース56.6%(分子あたり28個の
Gd−Gly−Me−DOTA−単位および36個のβ−D−グルコース基に相
応)のポリマーの平均負荷率が生じる。表題化合物中に定量的なニンヒドリン反
応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0269】 例14 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(−β−D−ガラクトピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36 −抱合体 a)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−トリ−t−
ブチルエステル−アミド)28−[3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル
)−1−チオ−β−D−ガラクトピラノシル−3−プロピオン酸−アミド)36
抱合体 無水ジクロロメタン100ml中の例11e)からの表題化合物3.0g(0
.132ミリモル;遊離アミノ官能基3.96ミリモルに相応)の攪拌される溶
液に室温でトリエチルアミン587mg(5.8ミリモル)を添加する。引き続
きジクロロメタン60ml中の3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
1−チオ−β−D−ガラクトピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスク
シンイミドエステル(J. Haensler et al., Bioconjugate Chem. 4, 85, (1993)
; Chipowsky, S., and Lee, Y. C.(1973), Synthesis of 1-thio-aldosides; Ca
rbohydrate Research 31, 339-346と同様に調整)2.8g(5.28ミリモル )の溶液を滴加する。室温で12時間の反応時間後に、ジクロロメタンで全体積
500mlになるまで補充する。有機相を順次、水で2回、および飽和炭酸水素
ナトリウム溶液で2回洗浄し、かつ硫酸ナトリウムにより乾燥させる。濾過後に
溶剤を真空下で留去して乾固させる。表題化合物4.44g(理論値の89.4
%)が、無色の油状物として得られる。表題化合物の定量的なニンヒドリン反応
は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である
【0270】 元素分析: 計算値:C58.69、H8.51、N9.67、S3.07、 測定値:C58.58、H8.62、N9.80、S3.02。
【0271】 表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値から、β−D−ガラクトーステト
ラアセテート56.5%を有するポリマーの平均負荷率が生じる(分子あたり3
6個のβ−D−ガラクトース基に相応)。
【0272】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gly−Me−DOTA−アミド)28 −(β−D−ガラクトピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド)36
抱合体 例14a)からの表題化合物4.0g(0.10ミリモル)を無水ジクロロメ
タン100ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計75m
l滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留し
た残留物に水100mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。残
留物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニア
溶液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留去
し、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶液
をその都度ジエチルエーテル60mlで2回抽出する。水性の生成物溶液を10
%の塩酸水溶液の添加によりpH3.0にし、水で全体積800mlになるまで
補充し、かつYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾
過する。残留した残留物を脱イオン水で体積500mlになるまで補充し、かつ
凍結乾燥させる。
【0273】 収量:非晶質の粉末として2.3g(理論値の80.36%)、 含水率:5.44%。
【0274】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C50.68、H7.76、N13.12、S4.01、 測定値:C50.91、H7.90、N13.10、S3.98。
【0275】 c)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)28−(β−D−ガラクトピラノシル−1−チオ−3−プロピオン酸−アミド
36−抱合体 例14b)からの表題化合物2.0g(0.07ミリモル;Gly−Me−D
OTA1.94ミリモルに相応)を、蒸留水50ml中に溶解させ、かつ溶液の
pH値を10%の塩酸水溶液の滴加により2.0に調整する。引き続き室温で塩
化ガドリニウム520mg(1.98ミリモル)を添加し、かつ60℃で12時
間、反応溶液を攪拌する。室温で反応溶液を1モル濃度のカセイソーダ溶液の添
加によりpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積800mlになるまで補充する。
YM3−限外濾過膜(Amicon)を介して蒸留水に対して3回限外濾過した後、残
留した残留物を凍結乾燥させる。表題化合物2.20gが、含水率6.38%を
有する非晶質で無色の粉末として得られる(理論値の95.3%)。
【0276】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C44.08、H6.50、N11.41、S3.48、Gd13.2
9、 測定値:C43.86、H6.39、N11.48、S3.65、Gd13.1
4。
【0277】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比(比1.36)から、Gd−Gly−Me
−DOTA42.2%およびβ−D−ガラクトース57.8%(分子あたり27
個のGd−Gly−Me−DOTA−単位および36個のβ−D−ガラクトース
基に相応)のポリマーの平均負荷率が生じる。表題化合物中に定量的なニンヒド
リン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0278】 例15 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)14−(α−D−マ
ンノピラノシル−1−チオプロピオン酸−アミド)18−抱合体[ナトリウム塩と
して] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−テトラ−t−ブチルエステ
ル−アミド)14 3,9−ビス(t−ブトキシカルボニルメチル)−6−カルボキシメチル−3
,6,9−トリアザウンデカンジカルボン酸−ジ−t−ブチルエステル(次の欧
州特許明細書に記載されているように調製:EP0430863号、EP033
1616号およびEP0271180号)20.0g(32.37ミリモル)を
室温で無水ジメチルホルムアミド100ml中に溶解させ、かつ撹拌下にN−ヒ
ドロキシスクシンイミド4.47g(38.84ミリモル)を添加する。引き続
き清澄な反応混合物を0℃に冷却し、かつ該温度で、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド7.97g(38.84ミリモル)を添加する。0℃で30分間および室
温で2.5時間の反応時間後に沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別する。この
ようにして得られた濾液を今度は室温で、無水DMF60ml中の32er−D
SM−ポリアミン6.7g(1.9ミリモル;遊離アミノ官能基60.8ミリモ
ルに相応)およびトリエチルアミン6.5g(64.7ミリモル)の攪拌される
溶液に徐々に滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させ
、かつ残留した残留物にジクロロメタン250mlを添加する。不溶性の成分の
濾別後に有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、および水で2回洗浄する。有機
生成物相を硫酸ナトリウムにより乾燥後、濾過し、かつ溶剤を真空下で留去する
。淡黄色に着色した油状物18.1g(理論値の80.4%;使用されるポリア
ミンに対する)が得られ、該油状物をさらに精製することなく直ちにその後の合
成工程のために使用する。上記の表題化合物の定量的なニンヒドリン反応後に、
分子あたり平均して18個の遊離アミノ官能基が存在する。
【0279】 元素分析: 計算値:C60.01、H10.04、N12.22、 測定値:C60.13、H9.91、N12.34。
【0280】 b)32er−DSM−ポリアミン−DTPA−テトラ−t−ブチルエステル−
アミド)14−[(3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル)−1−チオ−
α−D−マンノピラノシル−3−プロピオン−アミド)18 無水ジクロロメタン100ml中の例15a)からの表題化合物3.5g(0
.29ミリモル;遊離アミノ官能基5.3ミリモルに相応)の攪拌される溶液に
室温でトリエチルアミン820mg(8.1ミリモル)を添加する。引き続きジ
クロロメタン60ml中の3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−
チオ−α−D−マンノピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステル(Lee, Y.C. et al., Biochemi., Vol. 15, No. 18, 1976, 3956-3
963; Krohn, K.A. et al., J. Nucl. Med., Vol. 26, 10, 1985, 1157-1167)3
.97g(7.49ミリモル)の溶液を滴加する。室温で12時間の反応時間後
に、ジクロロメタンで全体積500mlになるまで補充する。有機相を順次、水
で2回、および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄し、かつ硫酸ナトリウム
により乾燥させる。濾過後に溶剤を真空下で留去して乾固させる。表題化合物5
.06g(理論値の89.4%)が、無色の油状物として得られる。表題化合物
のニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基はもは
や検出不可能である。
【0281】 元素分析: 計算値:C56.13、H8.29、N7.48、S2.96、 測定値:C56.35、H8.40、N7.36、S2.89。
【0282】 表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値から、D−マンノーステトラアセ
テート56%によるポリマーの平均負荷率が生じる(分子あたり18個のD−マ
ンノース基に相応)。
【0283】 c)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)14−(α−D−マ
ンノピラノース−1−チオ−プロピオンアミド)18−抱合体[ナトリウム塩とし
て] 例15b)からの表題化合物5.84g(0.30ミリモル)を無水ジクロロ
メタン100ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計75
ml滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留
した残留物に水100mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。
残留物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニ
ア溶液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留
去し、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶
液をその都度ジエチルエーテル60mlで2回抽出し、引き続き10%の塩酸水
溶液の添加によりpH3.0にし、水で全体積800mlになるまで補充し、か
つYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾過する。改
めて限外濾過後、残留した残留物を脱イオン水で体積500mlになるまで補充
し、かつ凍結乾燥させる。引き続き水300ml中に取り、かつ生じた生成物溶
液のpH値を1モル濃度のカセイソーダ溶液の添加により7.2に調整する。
【0284】 収量:非晶質で無色の粉末として3.16g(理論値の87.0%)、 含水率:5.89%。
【0285】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C42.48、H4.48、N6.91、Na10.59、S4.75
、 測定値:C42.22、H4.56、N7.03、Na10.23、S4.70
【0286】 表題化合物のニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ
官能基はもはや検出不可能である。
【0287】 d)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)14−(α−
D−マンノピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)18[ナトリウム塩
として] 例15c)からの表題化合物2.67g(0.22ミリモル;DTPA3.0
8ミリモルに相応)を、蒸留水70ml中に溶解させ、かつ溶液のpH値を10
%の塩酸水溶液の滴加により5.2に調整する。引き続き室温で蒸留水10ml
中に溶解した塩化ガドリニウム815mg(3.10ミリモル)の溶液を添加し
、かつ室温で12時間、反応溶液を攪拌する。反応溶液を1モル濃度のカセイソ
ーダ溶液の添加によりpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積500mlになるま
で補充する。YM3−限外濾過膜(Amicon)を介して蒸留水に対して3回限外濾
過後、残留した残留物を凍結乾燥させる。表題化合物が、含水率7.09%を有
する非晶質で無色の粉末として2.88g(理論値の98.0%)得られる。
【0288】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C38.66、H4.06、N6.27、S4.31、Gd16.44
、Na2.48、 測定値:C38.78、H4.14、N6.12、S4.49、Gd16.60
、Na2.38。
【0289】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比から、Gd−DTPA44%およびα−D
−マンノース56%(分子あたり14個のGd−DTPA−単位および18個の
α−D−マンノース基に相応)のポリマーの平均負荷率が生じる。表題化合物中
でニンヒドリン反応を用いて遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0290】 例16 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)14−(β−D−グ
ルコピラノシル−1−チオプロピオン酸−アミド)18−抱合体[ナトリウム塩と
して] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−テトラ−t−ブチルエステ
ル−アミド)14 3,9−ビス(t−ブトキシカルボニルメチル)−6−カルボキシメチル−3
,6,9−トリアザウンデカンジカルボン酸−ジ−t−ブチルエステル(次の欧
州特許明細書に記載されているようにして調製:EP0430863号、EP0
331616号およびEP0271180号)10.0g(16.35ミリモル
)を室温で無水ジメチルホルムアミド50ml中に溶解させ、かつ撹拌下にN−
ヒドロキシスクシンイミド2.23g(19.42ミリモル)を添加する。引き
続き清澄な反応混合物を0℃に冷却し、かつ該温度で、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド3.99g(19.42ミリモル)を添加する。0℃で30分間および
室温で2.5時間の反応時間後に沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別する。こ
のようにして得られた濾液を今度は徐々に室温で、無水DMF30ml中の32
er−DSM−ポリアミン3.35g(0.95ミリモル;遊離アミノ官能基3
0.4ミリモルに相応)およびトリエチルアミン3.25g(32.35ミリモ
ル)の攪拌された溶液に徐々に滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空
下で蒸発乾固させ、かつ残留した残留物にジクロロメタン150mlを添加する
。不溶性の成分の濾別後に有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、および水で2
回洗浄する。有機生成物相を硫酸ナトリウムにより乾燥後、濾過し、かつ溶剤を
真空下で留去する。淡黄色に着色した油状物8.87g(理論値の78.8%;
使用されるポリアミンに対する)が得られ、該油状物をさらに精製することなく
直ちにその後の合成工程のために使用する。上記の表題化合物の定量的なニンヒ
ドリン反応後に、分子あたり平均して18個の遊離アミノ官能基が存在する。
【0291】 元素分析: 計算値:C60.01、H10.04、N12.22、 測定値:C60.20、H10.12、N12.38。
【0292】 b)32er−DSM−ポリアミン−DTPA−テトラ−t−ブチルエステル
−アミド)14−[(3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル)−1−チオ
−β−D−グルコピラノシル−3−プロピオン−アミド)18 無水ジクロロメタン100ml中の例16a)からの表題化合物3.5g(0
.29ミリモル;遊離アミノ官能基5.3ミリモルに相応)の攪拌される溶液に
室温でトリエチルアミン820mg(8.1ミリモル)を添加する。引き続きジ
クロロメタン60ml中の3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−
チオ−β−D−グルコピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステル(Lee, Y.C. et al., Biochemi., Vol. 15, No. 18, 1976, 3956-3
963; Krohn, K.A. et al., J. Nucl. Med., Vol. 26, 10, 1985, 1157-1167;J.
Haensler et al., Bioconjugate Chem. 4, 85, (1993); Chipowsky, S., and Le
e Y.C. (1973), Synthesis of 1-thio-aldosides; Carbohydrate Research 31,
339-346に記載されているようにして調製)3.97g(7.49ミリモル)の 溶液を滴加する。室温で12時間の反応時間後に、ジクロロメタンで全体積50
0mlになるまで補充する。有機相を順次、水で2回、および飽和炭酸水素ナト
リウム溶液で2回洗浄し、かつ硫酸ナトリウムにより乾燥させる。濾過後に溶剤
を真空下で留去して乾固させる。表題化合物4.94g(理論値の87.3%)
が、無色の油状物として得られる。表題化合物のニンヒドリン反応は陰性である
、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0293】 元素分析: 計算値:C56.13、H8.29、N7.48、S2.96、 測定値:C56.04、H8.33、N7.40、S2.90。
【0294】 表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値から、β−D−グルコーステトラ
アセテート56%によるポリマーの平均負荷率が生じる(分子あたり18個のβ
−D−グルコース基に相応)。
【0295】 c)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)14−(β−D−グ
ルコピラノース−1−チオ−プロピオンアミド)18−抱合体[ナトリウム塩とし
て] 例16b)からの表題化合物5.84g(0.30ミリモル)を無水ジクロロ
メタン100ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計75
ml滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留
した残留物に水100mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。
残留物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニ
ア溶液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留
去し、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶
液をその都度ジエチルエーテル60mlで2回抽出し、引き続き10%の塩酸水
溶液の添加によりpH3.0にし、水で全体積800mlになるまで補充し、か
つYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3回限外濾過する。改
めて限外濾過後、残留した残留物を脱イオン水で体積500mlになるまで補充
し、かつ凍結乾燥させる。引き続き水300ml中に取り、かつ生じた生成物溶
液のpH値を1モル濃度のカセイソーダ溶液の添加により7.2に調整する。
【0296】 収量:非晶質で無色の粉末として3.16g(理論値の87.0%)、 含水率:5.89%。
【0297】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C42.48、H4.48、N6.91、Na10.59、S4.75
、 測定値:C42.36、H4.50、N6.98、Na10.41、S4.78
【0298】 表題化合物のニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ
官能基はもはや検出不可能である。
【0299】 d)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)14−(β−
D−グルコピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)18[ナトリウム塩
として] 例16c)からの表題化合物2.67g(0.22ミリモル;DTPA3.0
8ミリモルに相応)を、蒸留水70ml中に溶解させ、かつ溶液のpH値を10
%の塩酸水溶液の滴加により5.2に調整する。引き続き室温で蒸留水10ml
中の塩化ガドリニウム815mg(3.10ミリモル)の溶液を添加し、かつ室
温で12時間、反応溶液を攪拌する。反応溶液を1モル濃度のカセイソーダ溶液
の添加によりpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積500mlになるまで補充す
る。YM3−限外濾過膜(Amicon)を介して蒸留水に対して3回限外濾過した後
、残留した残留物を凍結乾燥させる。表題化合物が、含水率8.96%を有する
非晶質で無色の粉末として2.79g(理論値の95.0%)得られる。
【0300】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C38.66、H4.06、N6.27、S4.31、Gd16.44
、Na2.48、 測定値:C38.60、H4.06、N6.22、S4.21、Gd16.54
、Na2.34。
【0301】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比から、Gd−DTPA44%およびβ−D
−グルコース56%(分子あたり14個のGd−DTPA−単位および18個の
β−D−グルコース基に相応)のポリマーの平均負荷率が生じる。表題化合物中
でニンヒドリン反応により遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である。
【0302】 例17 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)14−(α−D−マ
ンノピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナトリウム
塩として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−テトラ−t−ブチルエステ
ル−アミド)13−抱合体 3,9−ビス(t−ブトキシカルボニルメチル)−3−カルボキシメチル−3
,6,9−トリアザウンデカンジカルボン酸−ジ−t−ブチルエステル(次の欧
州特許明細書に記載されているようにして調製:EP0430863号、EP0
331616号およびEP0271180号)25.0g(40.46ミリモル
)を室温で無水ジメチルホルムアミド100ml中に溶解させ、かつ撹拌下にN
−ヒドロキシスクシンイミド5.58g(48.50ミリモル)を添加する。引
き続き清澄な反応混合物を0℃に冷却し、かつ該温度で、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド10.0g(48.50ミリモル)を添加する。0℃で30分間およ
び室温で2.5時間の反応時間後に沈殿したジシクロヘキシル尿素を濾別する。
このようにして得られた濾液を今度は徐々に室温で、無水DMF100ml中の
32er−DSM−ポリアミン9.0g(2.56ミリモル;遊離アミノ官能基
82.0ミリモルに相応)およびトリエチルアミン8.2g(82.0ミリモル
)の攪拌される溶液に徐々に滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下
で蒸発乾固させ、かつ残留した残留物にジクロロメタン300mlを添加する。
不溶性の成分の濾別後に有機相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、および水で2回
洗浄する。有機生成物相を硫酸ナトリウムにより乾燥後、濾過し、かつ溶剤を真
空下で留去する。淡黄色に着色した油状物25.1g(理論値の86.7%;使
用されるポリアミンに対する)が得られ、該油状物をさらに精製することなく直
ちにその後の合成工程のために使用する。上記の表題化合物の定量的なニンヒド
リン反応後に、分子あたり平均して19個の遊離アミノ官能基が存在する。
【0303】 元素分析: 計算値:C60.95、H9.99、N12.51、 測定値:C61.04、H10.06、N12.58。
【0304】 b)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−テトラ−t−ブチルエステ
ル−アミド)13−[(3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル)−1−チ
オ−α−D−マンノピラノシル−3−プロピオン−アミド)19−抱合体 無水ジクロロメタン100ml中の例17a)からの表題化合物4.0g(0
.35ミリモル;遊離アミノ官能基6.72ミリモルに相応)の攪拌される溶液
に室温でトリエチルアミン815mg(8.0ミリモル)を添加する。引き続き
ジクロロメタン100ml中の3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−
1−チオ−α−D−マンノピラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル(Lee, Y.C. et al., Biochemi., Vol. 15, No. 18, 1976, 39
56-3963; Krohn, K.A. et al., J. Nucl. Med., Vol. 26, 10, 1985, 1157-1167
)3.91g(7.4ミリモル)の溶液を滴加する。室温で12時間の反応時間
後に、ジクロロメタンで全体積500mlになるまで補充する。有機相を順次、
水で2回、および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄し、かつ硫酸ナトリウ
ムにより乾燥させる。濾過後に溶剤を真空下で留去して乾固させる。表題化合物
5.82g(理論値の86.4%)が、無色の油状物として得られる。表題化合
物のニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ官能基はも
はや検出不可能である。
【0305】 元素分析: 計算値:C55.94、H8.05、N7.34、S3.16、 測定値:C5.02、H8.13、N7.29、S3.14。
【0306】 表題化合物の元素分析の硫黄のパーセント値から、α−D−マンノーステトラ
アセテート58%によるポリマーの平均負荷率が生じる(分子あたり19個のα
−D−マンノース基に相応)。
【0307】 c)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)13−(α−D−マ
ンノピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナトリウム
塩として] 例17b)からの表題化合物5.0g(0.26ミリモル)を無水ジクロロメ
タン120ml中に溶解させる。引き続き0℃でトリフルオロ酢酸を合計85m
l滴加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で蒸発乾固させる。残留し
た残留物に水125mlを添加し、かつ改めて真空下で留去して乾固させる。残
留物をメタノール100ml中に溶解させ、かつ室温で32%の水性アンモニア
溶液50mlを添加する。室温で12時間の反応時間後に、真空下で溶剤を留去
し、かつ残留した残留物を蒸留水200ml中に溶解させる。水性の生成物溶液
をその都度ジエチルエーテル80mlで2回抽出する。引き続き10%の塩酸水
溶液の添加により水性の生成物溶液をpH3.0にし、水で全体積800mlに
なるまで補充し、かつYM3−限外濾過膜(Amicon)を用いて蒸留水に対して3
回限外濾過する。改めて限外濾過後、残留した残留物を脱イオン水で体積500
mlになるまで補充し、かつ凍結乾燥させる。引き続き水300ml中に取り、
かつ生じた生成物溶液のpH値を1モル濃度のカセイソーダ溶液の添加により7
.2に調整する。
【0308】 収量:非晶質で無色の粉末として2.78g(理論値の84.7%)、 含水率:8.94%。
【0309】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C46.78、H6.72、N6.60、S4.08、Na8.67、
測定値:C46.59、H6.88、N6.39、S4.33、Na8.81。
【0310】 表題化合物のニンヒドリン反応は陰性である、つまりポリマー中に遊離アミノ
官能基はもはや検出不可能である。
【0311】 d)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)13−(α−
D−マンノピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナト
リウム塩として] 例17c)からの表題化合物2.5g(0.19ミリモル;DTPA2.57
ミリモルに相応)を、蒸留水70ml中に溶解させ、かつ溶液のpH値を10%
の塩酸水溶液の滴加により5.2に調整する。引き続き室温で蒸留水10ml中
の塩化ガドリニウム683mg(2.60ミリモル)の溶液を添加し、かつ室温
で12時間、反応溶液を攪拌する。反応溶液を1モル濃度のカセイソーダ溶液の
添加によりpH7.2にし、かつ蒸留水で全体積500mlになるまで補充する
。YM3−限外濾過膜(Amicon)を介して蒸留水に対して3回限外濾過後、残留
した残留物を凍結乾燥させる。表題化合物2.80g(理論値の98.3%)が
、含水率6.72%を有する非晶質で無色の粉末として得られる。
【0312】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C43.15、H6.28、N6.09、S4.08、Gd13.68
、Na1.98、 測定値:C43.22、H6.34、N6.14、S4.17、Gd13.72
、Na2.05。
【0313】 硫黄対ガドリニウムの元素のモル比から、Gd−DTPA42%およびα−D
−マンノース58%(分子あたり13個のGd−DTPA−単位および19個の
α−D−マンノース基に相応)のポリマーの平均負荷率が生じる。表題化合物中
に定量的なニンヒドリン反応により遊離アミノ官能基はもはや検出不可能である
【0314】 例18 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)13−(β−D−ガ
ラクトピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナトリウ
ム塩として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−テトラ−t−ブチルエステ
ル−アミド)13−[(3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル)−1−チ
オ−β−D−ガラクトピラノシル−3−プロピオン−アミド)19−抱合体 例17b)に関して記載した方法と同様にして、例17a)からの表題化合物
5.0g(0.44ミリモル;遊離のアミノ官能基8.4ミリモルに相応)と、
3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−チオ−β−D−ガラクトピ
ラノシル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(Lee, Y.C
. et al., Biochemi., Vol. 15, No. 18, 1976, 3956-3963; Krohn, K.A. et al
., J. Nucl. Med., Vol. 26, 10, 1985, 1157-1167により調製)4.88g(9
.23ミリモル)との反応を実施して上記の表題化合物7.48g(理論値の8
8.3%)が無色の油状物として形成される。
【0315】 元素分析: 計算値:C55.94、H8.05、N7.34、S3.16、 測定値:C56.02、H8.11、N7.38、S3.20。
【0316】 表題化合物は陰性のニンヒドリン反応を示す。元素分析の硫黄のパーセント値
から、分子あたり19個のβ−D−ガラクトース基のポリマーの平均負荷率が生
じる。
【0317】 b)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)13−(β−D−ガ
ラクトピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナトリウ
ム塩として] 例17c)に関して記載されている方法と同様にして、例18a)からの表題
化合物7.0g(0.36ミリモル)の保護基の分離を実施し、凍結乾燥後、上
記の表題化合物3.93g(理論値の86.3%)が非晶質の粉末として形成さ
れる。
【0318】 含水率:4.58%、 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C46.78、H6.72、N6.60、S4.08、Na8.67、
測定値:C46.83、H6.90、N6.54、S3.98、Na8.87。
【0319】 c)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)13−(β−
D−ガラクトピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナ
トリウム塩として] 例17d)に関して記載されている方法と同様にして、例18b)からの表題
化合物3.5g(0.27ミリモル;DTPA3.60ミリモルに相応)を、塩
化ガドリニウム956mg(3.64ミリモルに相応)で錯化して、上記の表題
化合物を形成させる。
【0320】 収率:無色で非晶質の粉末として表題化合物3.92g(理論値の97.3%)
、 含水率:7.33%。
【0321】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C43.15、H6.28、N6.09、S4.08、Gd13.68
、Na1.98、 測定値:43.20、H6.38、N6.14、S4.13、Gd13.75、
Na2.05。
【0322】 上記の表題化合物の分子あたりの平均的な負荷率: Gd−DTPA−単位 13および β−D−ガラクトピラノース単位 19。
【0323】 例19 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)13−(β−D−グ
ルコピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナトリウム
塩として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−テトラ−t−ブチルエステ
ル−アミド)13−[(3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル)−1−チ
オ−β−D−グルコピラノシル−3−プロピオン−アミド)19−抱合体 例17b)に関して記載した方法と同様にして、例17a)からの表題化合物
6.0g(0.53ミリモル;遊離のアミノ官能基10.03ミリモルに相応)
と、3−(2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−β−D−グルコピラノ
シル)−プロピオン酸−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(Lee, Y.C. et
al., Biochemi., Vol. 15, No. 18, 1976, 3956-3963; Krohn, K.A. et al., J
. Nucl. Med., Vol. 26, 10, 1985, 1157-1167により調製)5.83g(11.
03ミリモル)との反応を実施して上記の表題化合物8.70g(理論値の85
.6%)が無色の油状物として形成される。
【0324】 元素分析: 計算値:C55.94、H8.05、N7.34、S3.16、 測定値:C55.96、H8.00、N7.32、S3.14。
【0325】 表題化合物は陰性のニンヒドリン反応を示す。元素分析の硫黄のパーセント値
から、分子あたり19個のβ−D−グルコース基のポリマーの平均負荷率が生じ
る。
【0326】 b)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)13−(β−D−グ
ルコピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体[ナトリウム
塩として] 例17c)に関して記載されている方法と同様にして、例19a)からの表題
化合物8.0g(0.41ミリモル)の保護基の分離を実施し、凍結乾燥後、上
記の表題化合物4.54g(理論値の87.6%)が非晶質の粉末として形成さ
れる。
【0327】 含水率:3.97%、 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C46.78、H6.72、N6.60、S4.08、Na8.67、
測定値:C46.70、H6.91、N6.33、S4.25、Na8.66。
【0328】 c)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)13−(β−
D−グルコピラノース−1−チオ−3−プロピオン−アミド)19−抱合体 例17d)に関して記載されている方法と同様にして、例19b)からの表題
化合物4.0g(0.31ミリモル;DTPA4.11ミリモルに相応)を、塩
化ガドリニウム1100mg(4.20ミリモルに相応)で錯化して、上記の表
題化合物を形成させる。
【0329】 収量:無色で非晶質の粉末として表題化合物4.55g(理論値の96.3%)
、 含水率:6.82%。
【0330】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C43.15、H6.28、N6.09、Na2.00、S4.08、
Gd13.68、 測定値:C43.20、H6.36、N6.14、Na2.04、S4.12、
Gd13.72。
【0331】 上記の表題化合物の分子あたりの平均的な負荷率: Gd−DTPA−単位 13および β−D−グルコピラノース単位 19。
【0332】 例20 32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−(O−β−D
−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−アミド
14−抱合体[ナトリウム塩として] a)32er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)18−(O−β−D
−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−アミド
14−抱合体[ナトリウム塩として] 例6a)からの表題化合物1.0g(0.0835ミリモル;遊離アミノ官能
基1.17ミリモルに相応)を、室温で無水ジメチルスルホキシド10ml中に
懸濁させる。引き続き無水ジメチルスルホキシド20ml中のO−β−D−ガラ
クトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン[次の文献中に
記載の方法により調製:(a) Williams, T. et al., (b) Kobayashi, K. Sumitom
o, H., Ina, Y., Polym. J. 1985, 17, 567, (c) Hiromi Kitano, Katsuo Sohda
, and Ayako Kosaka, Bioconjugate Chem. 1995, 6, 131-134]2.60g(7 .25ミリモル)の溶液を滴加し、かつ反応溶液を40℃で1時間攪拌する。上
記の表題化合物は、反応溶液を撹拌下で無水メタノール250mlに添加するこ
とにより得られ、このことにより表題化合物が無色の沈殿物として形成される。
このようにして得られた沈殿物を吸引濾過し、メタノールで充分に後洗浄し、か
つ引き続き蒸留水300ml中に溶解させ、かつ限外濾過膜(YM−3、Amicon
)を介して濾過する。残留した残留物を水中に取り、かつ凍結乾燥させる。
【0333】 収量:無色の凍結乾燥物として1.22g(理論値の87.2%)、 含水率:5.98%。
【0334】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C43.35、H6.84、N9.71、Na9.89、 測定値:C43.54、H6.92、N9.65、Na10.01。
【0335】 元素分析ならびに指示薬としてキシレノールオレンジの存在下で0.0025
モルの硫酸ガドリニウム−測定溶液を用いた比色滴定後に、56.8%のポリマ
ーのDTPA−負荷率が生じる(分子あたり18個のDTPA単位の相応)。定
量的なニンヒドリン反応後、表題化合物中で遊離アミノ官能基は検出不可能であ
る。
【0336】 b)32er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)18−(O−
β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−
アミド)14−抱合体[ナトリウム塩として] 例20a)からの表題化合物0.5g(0.03ミリモル;DTPA0.54
ミリモルに相応)を、例1c)に関して記載したように、蒸留水7.5ml中に
溶解させた酸化ガドリニウム143mg(0.55ミリモル)で錯化する。後処
理および凍結乾燥後に、表題化合物0.53g(理論値の98.0%)が非晶質
の粉末として得られる。
【0337】 含水率:7.23%、 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C39.59、H6.26、N8.87、Gd15.45、Na2.2
6、 測定値:C39.66、H6.18、N8.97、Gd15.60、Na2.3
0。
【0338】 例21 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−(O−β−D
−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−アミド
26−抱合体[ナトリウム塩として] a)64er−DSM−ポリアミン−(DTPA−アミド)38−(O−β−D
−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−アミド
26−抱合体[ナトリウム塩として] 例1a)からの表題化合物1.0g(0.044ミリモル;遊離アミノ官能基
1.14ミリモルに相応)を、室温で無水ジメチルスルホキシド10ml中に懸
濁させる。引き続き無水ジメチルスルホキシド20ml中のO−β−D−ガラク
トピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン[次の文献中に記
載の方法により調製:(a) Williams, T. et al., (b) Kobayashi, K. Sumitomo,
H., Ina, Y., Polym. J. 1985, 17, 567, (c) Hiromi Kitano, Katsuko Sohda,
and Ayako Kosaka, Bioconjugate Chem. 1995, 6, 131-134]2.55g(7.
12ミリモル)の溶液を滴加し、かつ反応溶液を40℃で1時間攪拌する。上記
の表題化合物は、反応溶液を室温で撹拌下に無水メタノール250mlに添加す
ることにより得られ、このことにより表題化合物が無色の沈殿物として形成され
る。このようにして得られた沈殿物を吸引濾過し、メタノールで十分に後洗浄し
、かつ引き続き蒸留水300ml中に溶解させ、かつ限外濾過膜(YM−3、Am
icon)を介して濾過する。残留した残留物を水中に取り、かつ凍結乾燥させる。
【0339】 収量:無色の凍結乾燥物として1.32g(理論値の90.4%)、 含水率:3.92%。
【0340】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C43.41、H6.09、N9.84、Na10.49、 測定値:C43.60、H6.31、N9.95、Na10.70。
【0341】 元素分析ならびに指示薬としてキシレノールオレンジの存在下に0.0025
モルの硫酸ガドリニウム−測定溶液を用いた比色滴定後に、59.8%のポリマ
ーのDTPA−負荷率が生じる(分子あたり38個のDTPA単位に相応)。定
量的なニンヒドリン反応後、表題化合物中で遊離アミノ官能基は検出不可能であ
る。
【0342】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA−アミド)38−(O−
β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−D−グルコノ−1,5−ラクトン−
アミド)26−抱合体[ナトリウム塩として] 例21a)からの表題化合物1.0g(0.03ミリモル;DTPA1.14
ミリモル)を、例1c)に関して記載したように、蒸留水10ml中に溶解させ
た酸化ガドリニウム0.30g(1.15ミリモル)で錯化する。後処理および
凍結乾燥後に、表題化合物1.06g(理論値の96.3%)が非晶質の粉末と
して得られる。
【0343】 含水率:7.23%、 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C39.44、H5.45、N8.94、Gd16.30、Na2.3
8、 測定値:C39.53、H5.53、N9.02、Gd16.44、Na2.4
1。
【0344】 例22 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)38 −[1−O−(4−チオウレイド−テトラエチレングリコール−フェニル)−β
−D−ガラクトピラノシル]26−抱合体 a)1−O−[4−ニトロフェニル]−テトラエチレングリコール テトラエチレングリコール863.2g(5モル)を無水トルエン2.5l中
に溶解させ、かつ室温で順次88%の水酸化カリウム粉末159.4g(2.5
モル)および硫酸水素テトラブチルアンモニウム7.5gを添加する。次いで0
℃で強撹拌下に無水トルエン500ml中の4−フルオロニトロベンゼン53m
l(500ミリモル)を滴加する。添加終了後にさらに0℃で4時間および室温
で12時間、後攪拌する。後処理のために反応混合物を氷水2000ml中に攪
拌混入し、かつ引き続きトルエン相を分離し、かつ水相を慎重にトルエンで抽出
する。合した有機相を水で洗浄後、硫酸ナトリウムにより乾燥させ、濾過し、か
つ溶剤を真空下で留去して乾固させる。残留した、淡黄色に着色した油状の残留
物をカラムクロマトグラフィーにより精製する(溶離剤:酢酸エステル/ヘキサ
ン=3:1)。淡黄色に着色した油状物135.8g(理論値の86.1%)が
得られる。
【0345】 元素分析: 計算値:C53.33、H6.71、N4.44、 測定値:C53.27、H6.68、N4.50。
【0346】 b)2,3,4,6−テトラアセチル−β−D−ガラクトピラノシル−1−O
−[(4−ニトロフェニル)−テトラエチレングリコール] β−D−ガラクトースペンタアセテート10g(市販品;アルドリッヒ(Aldri
ch))を、無水の1,2−ジクロロエタン40ml中に溶解させ、かつ1,2− ジクロロエタン15ml中の例22a)からの表題化合物8.0g(25.6ミ
リモル)を添加する。引き続き四塩化スズ3.9ml(33.3ミリモル)を室
温で徐々に滴加し、かつこのようにして得られた反応溶液を室温で12時間、後
攪拌する。後処理のために水を添加し、有機相を分離し、かつ残留した水相を慎
重にジクロロメタンで抽出する。硫酸ナトリウムによる有機相の乾燥後、濾過し
、かつ溶剤を真空下で留去して乾固させる。残留した油状の残留物をカラムクロ
マトグラフィーを用いて精製する(溶離剤:ジクロロメタノール/メタノール=
20:1)。
【0347】 上記の表題化合物14.6g(理論値の88.2%)が無色の油状物として得
られる。
【0348】 元素分析: 計算値:C52.09、H6.09、N2.17、 測定値:C52.13、H6.11、N2.21。
【0349】 c)β−D−ガラクトピラノシル−1−O−[(4−ニトロフェニル]−テト
ラエチレングリコール] 例22b)からの表題化合物33.93g(52.56ミリモル)を無水メタ
ノール680ml中に溶解させ、かつナトリウムメタノラート0.8g(14.
8ミリモル)を添加する。室温で12時間の反応時間後に、反応溶液をIRA−
120−(H+)−カチオン交換体(R)の滴加により中和し、交換体から吸引濾過
し、かつ溶剤を真空下で留去して乾固させる。こうして得られた表題化合物(2
3.3g;理論値の95.5%)をそれ以上精製することなく直接その後の還元
工程のために使用する。
【0350】 元素分析: 計算値:C50.31、H6.54、N2.93、 測定値:C50.48、H6.74、N3.07。
【0351】 d)β−D−ガラクトピラノシル−1−O−[(4−アミノフェニル)−テト
ラエチレングリコール] 例22c)からの表題化合物14.61g(30.6ミリモル)の還元を、文
献[例えば次のものを参照のこと:Taylor, J. K. et al., J. Chem. Soc., Che
m. Commun.; 1993, 1410; Goldstein, I. J., Methods in Enzymologie, Vol. X
XVII, Part B., 212-219, 1972]に記載されている方法により還元剤として水素
(1気圧)、触媒として硫酸バリウム上のパラジウム(10%)および溶剤とし
て無水メタノールの使用下に行う。文献に記載されている後処理後に表題化合物
13.15g(理論値の96%)が無色の油状物として得られる。
【0352】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C53.68、H7.43、N3.13、 測定値:C53.43、H7.60、N3.20。
【0353】 e)β−D−ガラクトピラノシル−1−O−[(4−イソチオシアナトフェニ ル)−テトラエチレングリコール] 例22d)からの表題化合物13.24g(30.0ミリモル)と、80%の
水性エタノール850ml中のチオホスゲン合計5.1mlとの文献から公知の
反応[J. Goldstein, D.H. Buss, J. Chem. Soc. C, (1968), 1457を参照のこと
]により、後処理後に上記の表題化合物12.62g(理論値の86%)が、無
色の油状物として得られる。
【0354】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C53.26、H6.60、N2.96、S6.77、 測定値:C53.13、H6.69、N3.04、S6.84。
【0355】 f)10−[1−カルボキシメチルカルバモイル)−エチル]−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸 例11d)からの表題化合物77g(103.1ミリモル)をトリフルオロ酢
酸500ml中に溶解させ、かつ室温で3時間攪拌する。蒸発乾固させ、残留物
を水300mlに取り、かつ該溶液をReillex(R)425PVPで充填したカラム
に添加する。水で溶離する。生成物含有フラクションを合し、かつ蒸発乾固させ
、残留物をメタノール/アセトンから再結晶させる。
【0356】 収量:無色の吸湿性固体44.04g(理論値の84%)、 含水率:6.5%。
【0357】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C47.99、H6.99、N14.73、 測定値:C47.83、H7.12、N14.55。
【0358】 g)10−[1−カルボキシメチルカルバモイル)−エチル]−1,4,7,
10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7−三酢酸のガドリニウム錯体 水400ml中に溶解した例22f)からの表題化合物40g(84.12ミ
リモル)に、酸化ガドリニウム15.27g(42.06ミリモル)を添加し、
かつ3時間90℃に加熱する。蒸発乾固させ(真空)、かつ残留物を90%の水
性エタノールから再結晶させる。結晶を吸引濾過し、エタノールで1回、次いで
アセトンおよび最後にジエチルエーテルで洗浄し、かつ130℃で真空炉におい
て乾燥させる(24時間)。
【0359】 収量:無色の結晶質粉末50.53g(理論値の93%)、 含水率:2.5%。
【0360】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C36.24、H4.80、N11.12、Gd24.97、 測定値:C36.35、H4.95、N10.98、Gd24.80。
【0361】 h)64er−DSM−ポリアミン(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド
38−抱合体 無水ジメチルスルホキシド15ml中の例22g)からの表題化合物5.0g
(7.95ミリモル)の攪拌される懸濁液に、70℃で塩化リチウム0.68g
(15.9ミリモル)を添加する。70℃で30分後に今度は清澄な反応溶液に
N−ヒドロキシスクシンイミド1.83g(15.9ミリモル)を添加し、かつ
反応混合物を該温度でさらに1時間保持する。13℃に冷却後、ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド4.52g(23.85ミリモル)を添加し、かつ反応溶液を
13℃でさらに1時間、その後22℃で12時間攪拌する。こうして得られた例
22g)からの表題化合物N−ヒドロキシスクシンイミドエステルの反応溶液に
、今度は22℃で無水ジメチルスルホキシド15ml中に溶解した64er−D
SM−ポリアミン1.43g(0.20ミリモル、遊離アミノ官能基13.23
ミリモルに相応)の溶液を添加し、かつさらに室温で12時間攪拌する。後処理
後に反応溶液を22℃でアセトン1.5l中に滴加し、その際表題化合物が無色
の沈殿物として析出する。該沈殿物を吸引濾過し、蒸留水200ml中に溶解さ
せ、かつYM3−限外濾過膜(AMICON(R))を介して3回限外濾過する。残留し た残留物を蒸留水300ml中に溶解させ、濾過し、かつ凍結乾燥させる。
【0362】 収量:非晶質で無色の固体として上記の表題化合物4.0g(理論値の86.0
%、使用されるポリアミンに対する) 含水率:7.67%。
【0363】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C37.06、H5.24、N11.37、Gd25.54、 測定値:C37.13、H5.37、N11.22、Gd25.32。
【0364】 元素分析後にGd−Gly−Me−DOTA59.3%(分子あたり38個の
Gd−Gly−Me−DOTA単位に相応)を有するポリマーの負荷率が生じる
。ニンヒドリンおよびTNBS法を用いたポリマー中に残留する遊離アミノ官能
基の測定により、平均値として遊離アミノ官能基40.7%が生じ、これはつま
りポリマー分子中に26個の遊離アミノ官能基が存在する。
【0365】 i)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)38−[1−O−(4−チオウレイド−テトラ−エチレングリコール−フェニ
ル]−β−D−ガラクトピラノシル]26−抱合体 例1b)に記載されている方法と同様に、例22h)からの表題化合物4.0
g(0.17ミリモル、遊離アミノ官能基4.42ミリモルに相応)と、例22
e)からの表題化合物10.92g(23.0ミリモル)との反応により後処理
後に上記の表題化合物5.04g(使用されるポリアミンに対して理論値の83
.0%)が無色の凍結乾燥物として得られる。
【0366】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C42.59、H5.70、N7.44、S2.33、Gd16.71
、 測定値:C42.38、H5.84、N7.63、S2.43、Gd16.89
【0367】 定量的なニンヒドリン反応ならびにTNBS法は陰性である、つまりポリマー
生成物は遊離アミノ官能基を含有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のモ
ル値から、分子あたり26個のβ−D−ガラクトース基および38個のGd−G
ly−Me−DOTA錯体のポリマーの負荷率が生じる。
【0368】 例23: 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)38 −[1−O−(4−チオウレイド−テトラエチレングリコール−フェニル)−α
−L−フコピラノシル]26−抱合体 a)α−L−フコピラノシル−1−O−[(4−イソチオシアナトフェニル)
−テトラエチレングリコール] 例22e)からの表題化合物の形成に関して例22a)〜22e)に記載され
ている方法と同様にして、α−L−フコーステトラアセテート12.76g(3
8.4ミリモル、市販品、シグマ(Sigma))の反応により上記の表題化合物13 .16g(理論値の72.4%、4つの合成工程を経由)が無色の油状物として
得られる。
【0369】 元素分析(無水の物質に対する): 計算値:C52.26、H6.60、N2.96、S6.77、 測定値:C52.44、H6.69、N3.08、S6.68。
【0370】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)38−[1−O−(4−チオウレイド−テトラ−エチレングリコール−フェニ
ル)−α−L−フコピラノシル]26−抱合体 例1b)に記載されているものと同様の反応実施により例22h)からの表題
化合物5.0g(0.21ミリモル、遊離のアミノ官能基5.58ミリモルに相
応)と、例23a)からの表題化合物13.73g(29.0ミリモル)との反
応により、上記の表題化合物6.48g(理論値の86.3%、使用されるポリ
アミンに対する)が無色の凍結乾燥物として得られる。
【0371】 元素分析(無水の物質として計算): 計算値:C42.59、H5.70、N7.44、S2.33、Gd16.71
、 測定値:C42.38、H5.84、N7.63、S2.43、Gd16.89
【0372】 定量的なニンヒドリン反応ならびにTNBS法は陰性である、つまりポリマー
生成物は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のモル
値から分子あたり26個のα−L−フコース基および38個のGd−Gly−M
e−DOTA錯体が生じる。
【0373】 例24 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)38 −[1−O−(4−チオウレイドテトラエチレングリコイル−フェニル)−α−
D−マンノピラノシル)26−抱合体 a)α−D−マンノピラノシル−1−O−[(4−イソチオシアナトフェニル
)−テトラエチレングリコール] 例22e)からの表題化合物の形成に関する例22a)〜22e)に記載され
ている方法と同様にして、α−D−マンノースペンタアセテート15g(38.
4ミリモル、市販品、シグマ)を反応させ、上記の表題化合物13.22g(理
論値の72.4%、4つの合成工程を経由)が無色の油状物として形成される。
【0374】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C53.26、H6.60、N2.96、S6.77、 測定値:C53.13、H6.69、N3.04、S6.84。
【0375】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)38−[1−O−(4−チオウレイド−テトラエチレングリコール−フェニル
)−α−D−マンノピラノシル]26−抱合体 例1b)に記載されているものと同様の反応実施により、例22h)からの表
題化合物5.0g(0.21ミリモル、遊離アミノ官能基5.58ミリモル)と
、例24a)からの表題化合物13.8g(29.0ミリモル)の反応を実施し
、上記の表題化合物6.48g(理論値の86.3%、使用されるポリアミンに
対する)が、無色の凍結乾燥物として形成される。
【0376】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C42.59、H5.70、N7.44、S2.33、Gd16.71
、 測定値:C42.38、H5.84、N7.63、S2.43、Gd16.89
【0377】 定量的なニンヒドリン反応およびTNBS法は陰性である、つまりポリマー生
成物は遊離アミノ官能基を有していない。表題化合物の元素分析の硫黄のモル値
から分子あたり26個のα−D−マンノース基および38個のGd−Gly−M
e−DOTA錯体を有するポリマーの負荷率が生じる。
【0378】 例25 64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミド)38 −[1−O−(4−チオウレイド−テトラエチレングリコール−フェニル)−β
−D−グルコピラノシル]26−抱合体 a)1−O−[4−イソチオシアナトフェニル]−テトラエチレングリコイル
−β−D−グルコピラノース 例22e)からの表題化合物の形成に関して例22a)〜22e)に記載され
ている方法と同様にして、β−D−グルコースペンタアセテート[Rosemann, S.
et al., Biochemistry 1973, 12:997-1000により調製;類似の合成についてはM
onsigny, M., et al., Biol. Cell., 51, 187(1984)もまた参照のこと]8.5 2g(21.77ミリモル)の反応により上記の表題化合物8.17g(理論値
の79%、4つの合成工程を経由)が無色の油状物として得られる。
【0379】 元素分析(無水の物質に対して計算): 計算値:C53.26、H6.60、N2.96、S6.77、 測定値:C53.18、H6.72、N3.09、S6.84。
【0380】 b)64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−Me−DOTA−アミ
ド)38−[1−O−(4−チオウレイド−テトラエチレングリコイル−フェニル
)−β−D−グルコピラノシル]26−抱合体 例1b)に記載されているものと同様の反応実施により例22h)からの表題
化合物4.0g(0.17ミリモル、遊離のアミノ官能基4.42ミリモルに相
応)と、例25a)からの表題化合物10.92g(23.0ミリモル)との反
応により、上記の表題化合物4.86g(理論値の80.5%、使用されるポリ
アミンに対する)が無色の凍結乾燥物として得られる。
【0381】 元素分析(無水の物質として計算): 計算値:C46.19、H5.95、N9.58、S2.82、Gd9.87、
測定値:C46.30、H5.90、N9.69、S2.66、Gd9.78。
【0382】 例26 静脈内注射後のリンパ節富化 例2からの表題化合物[64er−DSM−ポリアミン−(Gd−DTPA) 38 −[1−(4−チオウレイドフェニル)−α−D−マンノピラノシル]26−抱
合体]をラットにおいて体重1kgあたりGd200マイクロモルの投与量で注
射する。物質適用後に種々の時点で単核食細胞系(MPS;肝臓、脾臓、腸間膜
および末梢リンパ節)の組織中でのGd−濃度をICP−AESを用いて測定す
る。
【0383】
【表1】
【0384】 Gd−濃度の増加はリンパ節で最も顕著である。すでに注射1時間後からリン
パ節中のGd−絶対濃度は、肝臓および脾臓中よりも明らかに高い。該物質はす
べてのリンパ節群において同じように良好に富化する。というのもGd−濃度は
腸間膜および末梢リンパ節に均一に分散するからである。従って該物質、ならび
にここに記載されている本発明による物質のその他の物質のすべてのリンパ節群
における物質富化の目的は満足される。注射後24時間のリンパ節中での極めて
高いGd−濃度ならびに本発明による物質(R1(水中)=17.0L/ミリモ ル*sec)の極めて高い緩和率に基づいて、この物質での静脈内MR−リンパ 管造影のために極めて少量の投与量(≧Gd10マイクロモル/kg)で作業す
ることも可能である。
【0385】 例27 静脈内注射後のMR画像 例24からの表題化合物[64er−DSM−ポリアミン−(Gd−Gly−
Me−DOTA−アミド]38−[1−O−(4−チオウレイド−テトラエチレン
グリコイル−フェニル)−α−D−マンノピラノシル]26−抱合体を、ラット中
で体重kgあたりGd200マイクロモルの投与量で注射する。信号の影響を体
外での種々のリンパ節群において調査する。
【0386】 ラットにおける、例24からの表題化合物200マイクロモルの静脈内適用後
、寒天に埋め込まれたリンパ節群のT1で数値決定された体外MR画像(SE4
00/15)(図1および2) 造影においても本発明による物質の静脈内MRリンパ管造影に対する適性は明
らかになる。というのもすべての調査されたリンパ節群において注射後24時間
で明らかな強化を観察することができるからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ラットにおける例24からの表題化合物の静脈内適用後の寒天に埋め込まれた
リンパ節群の体外MR画像を表す図
【図2】 ラットにおける例24からの表題化合物の静脈内適用後の寒天に埋め込まれ
たリンパ節群の体外MR画像(24時間後)を表す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08B 37/00 C08F 20/42 C08F 20/42 A61K 49/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AL,AM,A U,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CN ,CU,CZ,EE,GE,GH,GM,HU,ID, IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,L C,LK,LR,LS,LT,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,RO,RU, SD,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,T T,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ベルント ラデューヒェル ドイツ連邦共和国 ベルリン ゴランツシ ュトラーセ 132 (72)発明者 ハンス−ヨアヒム ヴァインマン ドイツ連邦共和国 ベルリン ヴェストホ ーフェナー ヴェーク 23 (72)発明者 ディートマール ベルンドルフ ドイツ連邦共和国 ホーエン ノイエンド ルフ アイヒェンアレー 42 アー (72)発明者 ベルント ミッセルヴィッツ ドイツ連邦共和国 グリーニッケ ハット ヴィッヒシュトラーセ 61 Fターム(参考) 4C057 BB03 BB04 BB07 CC01 4C085 HH03 HH05 HH07 KB78 KB79 LL03 4C090 AA02 BA52 BA53 BA97 BB04 BB11 BB12 BB13 BB14 BB18 BB26 BB53 BB54 BB62 BB92 DA23

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その分枝がビニルシアニド単位からなるアミノ基含有樹状ポ
    リマー、金属イオン含有の信号を与える基およびモノサッカリドまたはオリゴサ
    ッカリドならびに場合により無機および/または有機塩基、アミノ酸またはアミ
    ノ酸アミドのカチオンからなる抱合体。
  2. 【請求項2】 一般式I: P(K)m(L−Z)n (I) [式中、 Pは、(n+m)がそれぞれ水素原子1つ減少しているアミノ基k個を有して
    いる樹状ポリマーを表し、その分枝はビニルシアニド単位からなっており、その
    際(n+m)≦kであるべきであり、 nおよびmは、それぞれ1〜149の整数を表し、 kは、12〜150の数を表し、 Kは、金属イオン含有の信号を与える基を表し、 Lは、リンカーを表し、かつ Zは、ヒドロキシル基1つ減少しているモノサッカリドまたはオリゴサッカリ
    ドを表す] により構成されている、請求項1記載の抱合体。
  3. 【請求項3】 信号を与える基(K)およびLを介して結合しており、それ
    ぞれヒドロキシル基1つ減少しているモノサッカリドまたはポリサッカリド(Z
    )の合計(n+m)が、ポリマー中に含有されているアミノ基の数kと同じであ
    る、請求項2記載の一般式Iの抱合体。
  4. 【請求項4】 kが、32または64の数を表す、請求項3記載の抱合体。
  5. 【請求項5】 Pは、(n+m)がそれぞれ水素原子1つ減少しているアミ
    ノ基k個を有している樹状のポリマーを表し、その分枝がアクリルニトリルまた
    はメタクリルニトリルから構成されている、請求項2記載の一般式Iの抱合体。
  6. 【請求項6】 信号を与える基Kとして、一般式II、III、IV、Vま
    たはVI: 【化1】 【化2】 [式中、 R1は、相互に無関係に水素原子または原子番号20〜32、37〜39、4 2〜44、49または57〜83の元素の金属イオン等価物を表し、 R2は、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C7−アルキル基、フェニ ル基またはベンジル基を表し、 Vは、 【化3】 の基を表し、その際、 oは、0〜10の数を表し、 pおよびIは、それぞれ0または1の数を表すが、ただしpは、Iが数1を表
    す場合にのみ数1を表し、 T1は、−NHCS−または−CO−基を表し、 Uは、−CHR3−CONR3−M1−または−CH2−CH(OH)−M2−基 を表し、その際、R3は相互に無関係にR2の意味するものを表すか、または基−
    CH2−(CH2o−COOHを表し、かつM1およびM2は、それぞれフェニレ ン基または直鎖状、分枝鎖状、飽和もしくは不飽和C1〜C20−アルキレン鎖を 表し、これは1〜5個の(CH2o−COOH、1〜5個のOR2基または1〜 8個の酸素原子により置換されていてもよく、1〜2個の−NH−、1〜2個の
    −C(=NH)−、1〜5個の−CONR3−、1〜5個の−NR3CO−、1〜
    2個のフェニレン基または1〜2個のフェニレンオキシ基を有するが、ただしそ
    の際、基R1の少なくとも2個は、上記の原子番号の元素の金属イオン等価物を 表す]の基からなるキレート錯体を含有している、請求項2記載の一般式Iの抱
    合体。
  7. 【請求項7】 M1が基: 【化4】 α−CH2−CH2−CO−NH(CH26−β、α−(CH25−β を表し、その際αは基−CONR3への結合箇所およびβはT1への結合箇所を表
    す、請求項1記載の抱合体。
  8. 【請求項8】 M2が基: 【化5】 を表し、その際αは、基−CH(OH)−への結合箇所およびβはT1への結合 箇所を表す、請求項6記載の抱合体。
  9. 【請求項9】 モノサッカリドとして、それぞれピラノース型もしくはフラ
    ノース型で存在しているヘキソース、ペントースまたはN−アセチル−ノイラミ
    ン酸、またはこれらの誘導体を含有している、請求項1記載の抱合体。
  10. 【請求項10】 モノサッカリドとして、ピラノース型で存在しているヘキ
    ソースまたはその誘導体を含有している、請求項1記載の抱合体。
  11. 【請求項11】 モノサッカリドが、2−アミノ−2−デオキシ−、N−ア
    セチル−2−アミノ−2−デオキシ−、6−デオキシ−、2−デオキシ−、5−
    カルボキシ−または1−アミノ−1−デオキシ−誘導体として存在している、請
    求項9記載の抱合体。
  12. 【請求項12】 請求項9記載のモノサッカリドから構成されたオリゴサッ
    カリドを含有している、請求項1記載の抱合体。
  13. 【請求項13】 Zが、C−1−原子のところでヒドロキシル基1つ減少し
    たモノサッカリドまたはオリゴサッカリドを表す、請求項2記載の一般式Iの抱
    合体。
  14. 【請求項14】 Zが、C−2−原子のところでヒドロキシル基1つ減少し
    たモノサッカリドまたはオリゴサッカリドを表す、請求項2記載の一般式Iの抱
    合体。
  15. 【請求項15】 Lが、基T2−M3−Xを表し、その際、M3は直接結合を 表すか、またはM1に関して記載したものを表し、T2は−NHCS基、−C(=
    NH)基、−CH2基またはCO基を表し、かつPに結合し、Xは、NH、CO 、OおよびSを表し、かつZに結合する、請求項2記載の一般式Iの抱合体。
  16. 【請求項16】 M3が直接結合を表すか、または基: 【化6】 γ−(CH22−CO−(CH23−δ を表し、その際γはXへの結合箇所を表し、かつδはT2への結合箇所を表す、 請求項15記載の抱合体。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の一般式I: P(K)m(L−Z)n (I) [式中、 Pは、(n+m)がそれぞれ水素原子1つ減少しているアミノ基k個を含有し
    ている樹状ポリマーを表し、その分枝はビニルシアニド単位から製造されており
    、その際(n+m)≦kであるべきであり、 nおよびmは、それぞれ1〜149の整数を表し、 kは、12〜150の数を表し、 Kは、一般式II、III、IV、VまたはVI: 【化7】 【化8】 (式中、 R1は、相互に無関係に水素原子または原子番号20〜32、37〜39、4 2〜44、49または57〜83の元素の金属イオン等価物を表し、 R2は、水素原子、直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C7−アルキル基、フェニ ル基またはベンジル基を表し、 Vは、 【化9】 の基を表し、その際、 oは、0〜10の数を表し、 pおよびIは、それぞれ0または1の数を表すが、ただしpは、Iが数1を表
    す場合にのみ数1を表し、 T1は、−NHCS−基または−CO−基を表し、 Uは、−CHR3−CONR3−M1−基または−CH2−CH(OH)−M2− 基を表し、その際、R3は相互に無関係にR2の意味するものを表すか、または基
    −CH2−(CH2o−COOHを表し、かつM1およびM2は、それぞれフェニ レン基または直鎖状、分枝鎖状、飽和もしくは不飽和C1〜C20−アルキレン鎖 を表し、これは1〜5個の(CH2o−COOH、1〜5個のOR2基または1 〜8個の酸素原子により置換されていてもよく、1〜2個の−NH−、1〜2個
    の−C(=NH)−、1〜5個の−CONR3−、1〜5個のNR3CO−、1〜
    2個のフェニレン基または1〜2個のフェニレンオキシ基を有していてもよいが
    、ただしその際、基R1の少なくとも2個は、上記の原子番号の元素の金属イオ ン等価物を表す)からなるキレート錯体のための磁性金属イオン含有の信号を与
    える基を表し、 Lは、リンカーを表し、かつ Zは、ヒドロキシル基1つ減少しているモノサッカリドまたはオリゴサッカリ
    ドを表す]の抱合体の製造方法において、 a)一般式VII: P(K′)m (VII) [式中、 K′は、一般式II′、III′、IV′、V′またはVI′: 【化10】 【化11】 (式中、 R1′は、相互に無関係に水素原子、酸保護基または原子番号20〜29、3 9、42、44もしくは57〜83の元素の金属イオン等価物を表し、かつ R2、V、o、p、TおよびUは、上記のものを表す)の基を表す]、 L*−Z′ (VIII) [式中、 n′=1〜3個のn、 Z′は、Zに関して記載したものを表すが、しかしその際、Z中に場合により
    含有されているカルボキシ基、アミノ基およびヒドロキシ基は保護されていても
    よく、 L*は、基T2′−M3′−Xを表し、その際、 T2′は、−NCS、−C(=NH)OCH3、−CHO、−CO−Fg−基を
    表し、その際、 Fgは、 【化12】 4が直鎖状もしくは分枝鎖状のC1〜C7−アルキル鎖を表す−O−CO−R4
    表し、 M3′は、M3に関して記載したものを表すが、しかしその際、M3に場合によ り含有されているカルボキシ基は保護されていてもよく、かつ Xは、NH、CO、OおよびSを表す]のポリマー錯体(形成剤)の抱合体、
    または b)一般式IX: P(L′−Z′)n (IX) [式中、 L′は、Lに関して記載したものを表すが、しかしその際、L中に場合により
    含有されているカルボキシ基は保護されていてもよく、かつ P、Z′およびnは、上記のものを表し、 その際、m′個の錯体または錯形成剤K*を有し、その際m′=1〜3個のm であり、かつK*は、一般式 【化13】 【化14】 (式中、 R1′、R2、V、UおよびFgは、上記のものを表し、かつ T1′は、−NCS、−CO−Fg、−C(=NH)OCH3または−CHOを
    表す)の化合物を表す]のポリマーサッカリド抱合体、または c)一般式X: P−(H)k (X) [式中、 Pおよびkは、上記のものを表す]のポリマー を、ワンポット反応において、一般式VIII: L*−Z′ (VIII) [式中、 n′、L*およびZ′は、上記のものを表し、その際m′個の錯体または錯形 成剤K*を有し、その際K*は、一般式: 【化15】 【化16】 (式中、m′、R1′、R2、V、T1′、UおよびFgは上記のものを表す)の 化合物を表す]のn′のモノサッカリドまたはオリゴサッカリドと反応させ、そ
    の際場合により必要とされる金属イオンの導入を、場合により必要とされる保護
    基の分離の前または後で行うが、ただしその際、R1′が保護基を表す場合、該 基は金属イオンの導入前に分離するべきであることを特徴とする、請求項1記載
    の一般式Iの抱合体の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の抱合体少なくとも1種を、場合により製剤
    学で通例の添加剤と共に含有する医薬品。
  19. 【請求項19】 NMR造影のための、請求項1記載の抱合体少なくとも1
    種を、場合により製剤学で通例の添加剤と共に含有する診断薬。
  20. 【請求項20】 NMRリンパ管造影法のために使用する、請求項19記載
    の診断薬。
  21. 【請求項21】 レントゲン診断法のための、請求項1記載の抱合体少なく
    とも1種を、場合により製剤学で通例の添加剤と共に含有する診断薬。
  22. 【請求項22】 放射線診断法および放射線治療のための、請求項1記載の
    抱合体少なくとも1種を、場合により製剤学で通例の添加剤と共に含有する診断
    薬。
  23. 【請求項23】 NMR診断法のための診断薬を製造するための請求項1記
    載の生理学的に認容性の抱合体少なくとも1種の使用。
  24. 【請求項24】 NMRリンパ管造影法のための診断薬を製造するための請
    求項1記載の生理学的に認容性の抱合体少なくとも1種の使用。
  25. 【請求項25】 請求項18記載の医薬品を製造するための方法において、
    水または生理食塩水中に溶解しているか、または懸濁している抱合体を、場合に
    より製剤学で通例の添加剤と共に腸内または非経口投与に適切な形にすることを
    特徴とする、請求項18記載の医薬品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005538947A (ja) * 2002-05-08 2005-12-22 メディカル エンザイムズ アクチエンゲゼルシャフト 化学修飾のための活性糖質含有保護試薬、その製造及び使用

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