JP2001526179A - 金属/チオール殺生剤 - Google Patents

金属/チオール殺生剤

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Abstract

(57)【要約】 金属が、ピリチオンまたはある他のチオール化合物などの錯化剤により、金属:錯化剤錯体の形でキレートした組成物を記載し、ここでの金属は、ビスマス、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択する。組成物を、殺菌、静菌、抗バイオフィルム、抗真菌、および抗ウイルス剤として、および消毒薬および防腐剤として使用する方法も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、米国特許出願第08/960,031号(1997年10月28日
出願)の一部継続出願である:これは、米国特許出願第08/428,464号
(1995年4月25日出願、現在は放棄)の継続出願である米国特許出願第0
8/883,584号(1997年6月26日出願)の一部継続出願である。
【0002】 (技術分野) 本発明は、細菌、ウイルスおよび他の微生物の活性の改善および阻害を行うた
めの組成物およびその方法に関する。より詳細には、本発明は、特定の金属:チ
オール錯体および金属/チオール混合物ならびにその使用に関する。殺菌性およ
び静菌性が明らかにされ、それらは抗バイオフィルム性である。本発明はまた、
特定の金属:ピリチオン錯体および金属/ピリチオン混合物の抗バイオフィルム
での使用に関する。
【0003】 (背景技術) 消化管の感染性疾患は、世界中で大きな健康問題を引き起こしている。感染性
の下痢疾患は、発展途上国における罹患率および死亡率の主要な原因の1つであ
る。発展途上国において、下痢および大腸炎は、抗生物質による治療が行われて
いるときに頻発する症状である。サルモネラ(Salmonella)属細菌、
赤痢菌(Shigella)、カンピロバクター(Campylobacter
)属細菌または大腸菌(E.coli)で汚染された食物は大きな健康問題をも
たらす。下痢は、旅行者における最も頻発する不快なものである。現在では、潰
瘍でさえ、感染性疾患と見なされている。
【0004】 ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)が潰瘍の
確からしい原因であったということが1983年に発見されたことによって、こ
の生物を胃腸(GI)管から一掃するための治療を開発することにおける集中的
な活動が急に引き起こされた。抗生物質、H阻害剤およびビスマス化合物の組
合せを含む治療が出現した。このような治療は、再発を防止するために、ビスマ
スに大きく頼っている。現在では、ビスマスを投与するための好ましい形態は、
次クエン酸塩(subcitrate)(コロイド状の次クエン酸ビスマス、す
なわち、CBS)としてであり、あるいは次サリチル酸塩(subsalicy
late)(BSS、ペプト−ビスモル(Pepto−Bisumol)(登録
商標)として市販)としてである。
【0005】 コロイド状の次クエン酸ビスマスまたは次サリチル酸ビスマスがヘリコバクタ
ーピロリを一掃するのを助ける機構は完全に理解されておらず、現在、研究中で
ある。コロイド状の次クエン酸ビスマスの特性に関する総説については、Wag
staff他、Drugs、36:132から157(1988)を参照のこと
。明らかに、ビスマス活性の1つだけの機構によって、文献に示唆されている抗
潰瘍効果のすべてを説明することはできない。実際には、多数の治療活性が関与
していると考えられる。
【0006】 ビスマス化合物は、多数の他の医学的適用においても使用されている。例えば
、ビスマス化合物は、抗下痢剤として、調子が悪くなった胃、吐き気、嘔吐のた
めに経口的に使用され、そして内用消臭剤として使用され、そして皮膚消毒剤と
して使用されている。ビスマス化合物はまた、旅行者の下痢に対して予防的に使
用され、そしてヨードホルム・パラフィンペーストとして使用されている。ビス
マス化合物は、手術傷の感染を制限するために使用されている。一般に、ビスマ
スは、医学的有用性が明らかにされた抗菌性を有している。しかし、ビスマス化
合物の効き目は、特に鉄が存在する場合には比較的弱い。さらに、ビスマスを使
用することによる大きな問題の1つは、水溶液におけるその不溶性である。
【0007】 ビスマスはまた、細菌におけるビルレンス因子の発現に対する選択的な効果を
有する。それにもかかわらず、細菌増殖を阻害する濃度よりも低い濃度で、K.
pneumoniaeおよびその腸内細菌科の他のメンバーの夾膜多糖(CPS
)の発現が抑制された。ビスマスはまた、接着に関与するいくつかのピリ線毛の
発現を抑制する。ビスマスの抗菌能は、鉄が低い条件のもとで特に強くなる。鉄
が増大すると、細菌に対するビスマスの阻害効果は弱くなる。ビスマスに加えて
、アンチモンおよびヒ素もまた、限られた抗菌活性を示すが、このような活性は
大きな用量を使用することが必要である。これは、その全身的な毒性および水に
おけるその溶解性がないことのために必ずしも利用できるとは限らない。
【0008】 大部分の先行技術の抗菌剤は、バイオフィルムと直面したときに有用性が著し
く低下することで悩まされていた。「バイオフィルム」は、細菌(およびときに
は、酵母を含む他の微生物)の共生的な共同体である:この場合、(種々のタイ
プの細菌をも含み得る)完全な共同体は、少なくとも部分的には、単一のユニッ
トとして作用する。著しい量の夾膜多糖が分泌され、そしてこの夾膜多糖は生物
を一緒に結びつけている。代謝および繁殖は、通常の細菌コロニーと比較して著
しく遅い。バイオフィルムは、大部分の走化性介入に対して比較的非応答的であ
る。夾膜多糖によって、表面下部の細菌に対する抗生物質の接触が妨げられてい
る。さらに、抗生物質によって媒介される表面細菌の溶解は、望ましくないこと
に、表面下の細菌に養分を提供する。細胞分裂および増殖を攻撃することによっ
て機能する抗生物質は、分裂および増殖をほとんど行わないバイオフィルムの細
菌にはあまり作用しない。
【0009】 (発明の開示) 本発明の目的は、細菌感染、真菌感染またはウイルス感染の予防または阻止を
含む広範囲の抗菌適用に関してより効果的な組成物および方法を提供することで
ある。
【0010】 本発明の別の目的は、細菌を一掃することである。
【0011】 本発明のさらに別の目的は、腐敗を防止することである。
【0012】 本発明のさらに別の目的は、バイオフィルムの形成または増殖を防止し、そし
て既に形成されたバイオフィルムを減らすための方法および成分を提供すること
である。
【0013】 本発明のさらに別の目的は、乾癬を処置することである。
【0014】 本発明のさらに別の目的は、口腔カンジダ症を処置することである。
【0015】 本発明のさらに別の目的は、真菌感染および酵母感染を処置することである。
【0016】 本発明のさらに別の目的は、カンジダ(Candida)属真菌の感染および
クリプトコッカス(Cryptococcus)属菌類の感染を処置することで
ある。
【0017】 1つの実施形態において、本発明は、細菌増殖を抑制する方法を提供する。こ
の方法は、そのような抑制が所望される領域に、下記のものからなる群から選択
される抗菌性配合物を含む抗菌剤を与えるステップを含む: (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチオン錯化剤と、(i
i)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属また
はその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチオン錯化剤と(ii
)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属または
その化合物とを含み、(iii)(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくと
も1つのイオウ原子が(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造
を有する錯体;および (C)(B)の錯体と、(i)チオール含有錯化剤ならびに(ii)ビスマス、
アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物と
からなる群から選択される少なくとも1種とを含む組合せ。
【0018】 用語「チオール」は、適切なpHの条件(例えば、チオールが使用される条件
のもとでそのようなイオウ原子が脱プロトン化されているか、あるいは完全に、
または部分的にプロトン化されているかどうかにかかわらず、化合物の最も低い
pKaよりも著しく低いpH条件)のもとでスルフヒドリル基の形態で存在する
ことができる1つまたは複数個のイオウ原子を含有する化合物を示すために本明
細書中において使用されている。「チオール基」は、「チオール」のイオウまた
は−SH基を意味する。
【0019】 用語「混合物」および用語「組合せ」は、本発明の抗菌剤、あるいは本発明に
従ってそのような抗菌剤を含む製造物の最終的な使用条件のもとで互いに相互作
用することができる十分に近いそれらの近傍で2つ以上の成分を使用することを
包含する。特定の疾患に対する処置が必要な患者は、問題としている疾患が存在
することを示す症状を示す患者、あるいはそのような存在を示す診断試験に応答
する患者である。予防的介入が必要な患者は、曝されることによるか、あるいは
それ以外により、問題としている疾患に罹る危険性が一般の集団よりも高い患者
である。
【0020】 本明細書中に記載されている抗菌剤は、微生物増殖を抑制するために、微生物
の侵入を減らすために、製造物または表面を処置して微生物の侵入に対する製造
物の抵抗性を改善するために、バイオフィルムを減らすために、細菌のバイオフ
ィルムへの変換を防止するために、微生物感染の予防または阻止を行うために、
腐敗を防止するために、そして本明細書中に記載されている他の使用のために使
用することができる。本発明の抗菌剤はまた、ヘルペス属ウイルス(サイトメガ
ロウイルス、1型単純ヘルペスウイルスおよび2型単純ヘルペスウイルスなど)
によるウイルス感染の予防または阻止を含む多数の抗ウイルス目的に有用である
。本発明の抗菌剤の他の内用的および外用的な薬学的使用には、細菌感染、結核
、ヘリコバクターピロリ感染、および消化性潰瘍疾患の処置または防止が含まれ
るが、これらに限定されない。1つの実施形態において、本発明の薬剤は、細菌
に対して一般的には致死的でない投薬量で使用される。しかし、それにもかかわ
らず、そのような投薬量は、別の方法で自然の免疫応答に抵抗する保護的な多糖
コーティングを減らすのに十分である。従って、この技術は、抗生物質の場合に
認められる程度にまでヒトの共生微生物(例えば、正常な腸内フローラなど)を
傷つけることなく、免疫系媒介による細菌感染の一掃を助けると考えられる。
【0021】 1つの実施形態において、本発明は、バイオフィルムを減らす方法を提供する
。この方法は、バイオフィルムを、下記のものからなる群から選択される抗菌性
配合物を含む抗菌剤と接触させることを含む: (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素から
なる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)(B)
(i)のピリチオン錯化剤が(B)(ii)の第V族金属に結合する配位結合を
含む分子構造を有する錯体;および (C)(B)の錯体と、(i)ピリチオン錯化剤ならびに(ii)ビスマス、ア
ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物から
なる群から選択される少なくとも1つの化学種とを含む組合せ。
【0022】 ピリチオンを含有するこの同じ抗菌剤は、この薬剤をバイオフィルムに適用す
ることによってバイオフィルムを減らすために使用することができる。この薬剤
または、細菌を致死量以下のこの薬剤と接触させることによって細菌を一掃する
ことなく、細菌のバイオフィルムへの変換を抑制するために使用することができ
る。従って、この薬剤は、より無差別的な抗生物質の程度にまで正常な腸内フロ
ーラを傷つけることがない薬学的使用に好適である。他の使用には、口腔カンジ
ダ症の限定された処置(例えば、そうでなければ100μMから1mMの抗微生
物剤を有する普通の口内洗浄による;1日あたり1回から3回の洗浄)が含まれ
る。他の使用には、乾癬、他のカンジダ属真菌の感染、クリプトコッカス属菌類
の感染、および本明細書中に記載されている他の感染の処置が含まれるが、これ
らに限定されない。
【0023】 別の実施形態において、本発明は、細菌増殖を抑制する方法を提供する。この
方法は、そのような抑制が所望される領域に、下記のものからなる群から選択さ
れる抗菌性配合物を含む少なくとも1つの抗菌剤を与える段階を含む: (A)ジチオール錯化剤と、ビスマスまたはビスマス含有化合物とを含む混合物
; (B)(i)ジチオール錯化剤と(ii)ビスマスまたはビスマス含有化合物と
を含み、(iii)前記チオール含有化合物の少なくとも1つのイオウ原子がビ
スマスに結合する配位結合を含む分子構造を有する錯体;および (C)(B)の錯体と、(i)ジチオール錯化剤および(ii)ビスマスまたは
ビスマス含有化合物とからなる群から選択される少なくとも1つの化学種とを含
む組合せ; ただし、前記抗菌性配合物におけるビスマス対ジチオール錯化剤のモル比は1
:2から3:1の間であり; (A)、(B)および(C)のそれぞれのジチオール錯化剤は、第1の炭素原
子に結合した1つのチオール基と、第2の炭素原子に結合した別のチオール基と
を有し、第1の炭素原子は、0個から3個の介在原子によって第2の炭素原子か
ら隔てられ; 前記の第V族金属:錯化剤の5:10mMの溶液は、410nmの波長におけ
る光の吸光度が少なくとも1.5であり;そして 前記錯体の少なくとも1%が水からブタノールに分配される(ただし、分配試
験は、それぞれ、25℃の等量の水およびブタノール、ならびに前記の金属対錯
化剤の5:10mMの溶液を使用して行われる)。
【0024】 別の実施形態において、本発明は、下記のものからなる群から選択される抗菌
性配合物を含む抗菌剤を提供する: (A)(i)その分子構造において、少なくとも1つのチオール基を有し、かつ
酸素を有しない錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群
から選択される第V族金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)その分子構造において、少なくとも1つのチオール基を有し、かつ
酸素を有しない錯化剤と、(ii)ビスマス、ヒ素およびアンチモンからなる群
から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)(B)(i)
のチオール含有錯化剤の少なくとも1つのイオウ原子が(B)(ii)の金属に
結合する配位結合を含む分子構造を有する錯体;および (C)(B)の錯体と、(i)その分子構造において酸素を有しないチオール含
有錯化剤ならびに(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択
される第V族金属またはその化合物からなる群から選択される少なくとも1つの
化学種とを含む組合せ; ただし、前記抗菌剤は下記の特徴の少なくとも1つを有する: (1)前記抗菌剤は粉末形状である; (2)前記抗菌性製剤は溶液中に存在し、溶液のpHは7.0以下である; (3)前記抗菌性配合物は、アルコールを含有する溶液である; (4)前記錯体の少なくとも1%が水からブタノールに分配される(ただし、分
配試験は、それぞれ、25℃の等量の水およびブタノール、ならびに前記の金属
対錯化剤の5:10mMの溶液を使用して行われる);あるいは (5)前記の第V族金属の5mM溶液およびチオール含有錯化剤の10mM溶液
は、410nmの波長における光の吸光度が少なくとも1.5である。
【0025】 本発明の他の特徴および利点は、添付した図面を参照して、本発明の下記の説
明から明らかになる。
【0026】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明により、第V族金属およびチオールは、いずれかの成分によって個々に
もたらされ得る何らかの穏和な活性を上まわる相乗的なレベルの活性をもたらす
。理論によりとらわれるものではないが、本発明のいくつかの実施形態において
、金属およびチオールは、金属とチオールの少なくとも1つのイオウ原子との間
の配位結合を有する錯体を形成すると考えられる。このような錯体が形成される
ことによって、いくつかの異なる利点を得ることができる。例えば、このような
錯体は、親水性環境および親油性環境の両方でより好適な溶解性を有し、それに
よって、より良好にその標的に到達することができる。再度ではあるが、理論に
よりとらわれるものではないが、チオールは、第V族金属のキャリアとして作用
することができ、そして金属をその標的に送達することができ、その後、局所的
に得ることができる別の金属との配位結合を形成することができ、そしてそのよ
うな金属に関して類似する輸送および送達をもたらすことができると考えられる
。ビスマスは、キャリアのチオールと、生物学的プロセスに関与するチオールと
の間でのチオール交換を行い得ることもまた仮定されている。ビスマスをチオー
ル含有酵素に加えることは、細胞プロセスおよび呼吸プロセスに対する有害作用
を有するようである。実際、金属:チオール錯体の有効性は、少なくとも部分的
には、エネルギー産生に直接かかわっている細菌細胞膜における膜電位を低下さ
せるためであると考えられている。この考えは、大腸菌の膜電位が、ビスマス:
2,3−ジメルカプトプロパノールの5:2.5μM溶液に曝された場合に低下
したときに明らかにされた。
【0027】 従って、本発明のシステムは、(a)錯体、(b)未錯化チオール、および(
c)未錯化金属の局所的な濃度に関して時間とともに変動する傾向がある。下記
においてより詳しく説明されているように、本発明の抗菌剤において使用されて
いる金属およびチオールの全体的な比率は、薬剤が使用される環境に依存して広
範囲にわたって変化させることができる。金属およびチオールとしての物質もま
た、意図された使用および局所的環境によって変化させることができる。金属お
よびチオールが本発明に従って取ることができる形態、および一方をもう一方に
錯化させることを容易にする方法は、下記の2つの異なる節においてより詳しく
記載されている:1つの節は金属に関し、もう1つはチオールに関する。
【0028】 錯体のインシトゥでの形成が水分の存在下で容易に生じることは特に好都合で
ある。微生物増殖は湿った環境でもたらされやすく、従って、微生物増殖を促進
する同じ環境によって、抗菌活性を得るために好ましい錯体の形成もまた促進さ
れることは好都合である。
【0029】 錯体がその場で生成し得るために、そしてチオールおよび金属を混合すること
によって得られる相乗作用は、錯体の形成にすべてが帰因し得るものではないと
考えられるために、本発明の抗菌剤は、チオールおよび金属の単なる混合物の形
態で与えることができ、あるいはチオールおよび金属が相互作用して抗菌活性を
もたらし得る十分な近傍にチオールおよび金属を置くことによって与えることが
できる。本明細書中で使用されている「混合物」は、これらの成分を、使用条件
のもとで、それらが局所的な細菌または他の標的に対して相互作用することがで
きる互いに十分に接近するように置くことを含む。当然的には、金属およびチオ
ールは、それらが互いに容易に接触し、そして好ましい錯体を形成するために一
方からもう一方への配位結合の形成を容易にする形態で提供されることが好まし
い。
【0030】 あるいは、本発明の抗菌剤は、金属:チオール錯体から主として既に構成され
た形態であって、ほんの限られた量の未錯化チオールまたは未錯化金属を有する
形態でその作用部位に提供することができる。本発明のこの形態は多数の方法で
製造することができる。例えば、金属およびチオールは、同じ溶液に溶解するこ
とができる。錯体を形成させた後、錯体は、未錯化チオールまたは未錯化金属か
ら標準的な技術によって分離することができる。そのような技術には、一方の成
分またはもう一方の成分を沈澱させること、特異的な捕捉剤の使用、pHを調節
すること、および錯体を沈澱させるための他の技術が含まれるが、これらに限定
されない。同様な方法で、あるいは他の知られている技術によって、金属塩の形
態で最初に供給された金属のために溶液に存在する任意のアニオンを除くことが
できる。しかし、そのようなアニオンを除くことは、厳密には、必ずしも必要で
はない。そのようなアニオンがシステムに存在することによって、あるいは(錯
体が粉末形態または結晶形態で提供される場合に)金属:チオール錯体の結晶に
そのようなアニオンが取り込まれることによってでも、通常は、抗菌活性の重大
な減少は生じない。
【0031】 錯体の形成および分解の両方が、その場で、特に、本発明の薬剤が細菌と相互
作用しているときに、そうでなければ使用中に生じ得ることが予想される。従っ
て、錯体、未錯化金属および未錯化チオールの相対的な濃度は時間とともに変化
し得る。当然なことではあるが、使用中に、これらの成分の1つまたは複数を断
続的または連続的のいずれかで補充することができる。
【0032】 金属、チオールまたは錯体のいずれかは、液体形態または固体形態で与えるこ
とができる。本発明の抗菌剤は、溶媒、稀釈剤、賦形剤、保存剤、乳化剤、ある
いはにおい、味覚またはpHなどを調節するための化合物をさらに含むことがで
きる。
【0033】 本発明の抗菌剤における使用のために1つだけの金属または1つだけのチオー
ルを選ぶことは必ずしも必要ではない。複数の異なる金属(例えば、ビスマスお
よびアンチモンを一緒に)使用することができる。同様に、複数のチオール(例
えば、エタンジチオールおよびブタンジチオールを一緒に)使用することができ
る。複数の金属およびチオールは様々な異なる方法でシステムに提供される。例
えば、1つの金属は遊離のイオンとして提供され得るが、それ以外の金属は塩の
形態で加えられる。1つだけの金属が使用される場合でも、そのいくらかは遊離
の形態で加えることができ、そしていくらかは塩の形態で加えることができる。
広範囲の異なる塩を使用することができる。同様に、1つまたは複数のそのよう
な変化が、チオール成分が本発明に提供される場合に可能である。このような変
化は交換可能であるが、下記においてより詳しく記載されているように、いくつ
かの好ましいものは、いくつかの関連において、より良好な結果をもたらす。
【0034】 本発明の抗菌剤は液体形態または固体形態のいずれかでその作用部位に導入さ
れ得るだけでなく、本発明の薬剤を液体形態で適用すること、および溶媒を蒸発
留去して除き、乾燥した成分のみを残すこともまた可能である。例えば、カテー
テルは、例えば、使用中における将来の細菌増殖を防ぐために、本発明に従って
処理することができる。1つの実施形態において、カテーテルは、本発明の抗菌
剤の溶液に浸漬することができ、次いで乾燥して、本発明の抗菌性配合物の乾燥
した成分をカテーテルに残すことができる:この場合、乾燥成分は保存期間中お
よび使用まで留まっている。他の製造物を同様に浸漬することができる。
【0035】金属 金属の説明 本発明の金属成分として、ビスマス、アンチモンまたはヒ素のいくつかの塩を
使用することができる。金属は塩の形で存在する必要はないが、金属塩はしばし
ば金属を溶液にし、そしてチオール化合物を含む本発明の錯化剤に入手および利
用できるようにするために使用される。本発明の好ましい塩は、その錯化剤と錯
体を生成するために、その金属をより利用および入手しやすくする塩である。塩
の例の中には、金属硝酸塩、次没食子酸塩、クエン酸塩、酸化物および次サリチ
ル酸塩が含まれるが、それに限定されるものではない。好ましくは、その金属塩
は、硝酸ビスマス、コロイド状次クエン酸ビスマスおよび次サリチル酸ビスマス
のようなビスマス塩である。ビスマスは、本発明の抗菌物質では、アンチモンお
よびヒ素よりも著しく効果的であることが証明されている。例えば、チオールと
してジメルカプロールを用いた試験では、ビスマスは、アンチモンおよびヒ素よ
りも、おおよそ1桁性能が優れていた。なお、アンチモンとヒ素の両方はジメル
カプロールと相互に作用して、ジメルカプロール単独、ヒ素単独またはアンチモ
ン単独よりも、より良い結果を生じる。
【0036】金属塩の溶解度 金属:チオール錯体の活性は使用される塩の種類によって変化する可能性があ
る。この活性に影響を与える1つの要因は、錯体の使用または調製の条件下での
その金属塩の溶解度である。金属を錯化剤と結合させる場合の期待される1つの
利点は、金属の溶解度が上がることである。その上に、その金属塩の溶解性が良
くなればなるほど、その金属はチオールと錯体を作るのに利用しやすくなると推
定される。この点に関しては、その金属塩を溶解する溶媒の選択も、その金属塩
の溶解度の検討を基にした活性に影響を及ぼす可能性がある。
【0037】金属:錯化剤のモル比 金属:錯化剤の溶解性を最大にするのに考慮するもう一つの要因は、その最終
的なモル比である。この比は、金属塩の最終濃度を決める上での1つの要因であ
り、したがってその金属塩の溶解度に影響を及ぼす可能性がある。例えば、その
金属塩の溶解度は、高い金属濃度およびより高い金属:錯化剤比では、より重要
な要因である。
【0038】金属塩の選択に対するpHの影響 金属:チオール錯体の活性を最大にするために金属塩を選択する上でのなおも
う一つの考慮すべき問題は、調製される金属:チオール錯体溶液の望ましいpH
、または本発明が使用されるべき所の、特にインシトゥで錯体が生成される所の
局部的なpHである。好ましくは、使用される金属塩は、その最終的な錯体溶液
の望ましいpHを包含しているpH範囲で良好な緩衝能力を有することである。
この方法、その塩をその錯体溶液のpHをある限界以内に維持するための緩衝剤
として使用することもできる。しかしながら、その金属塩は、特にそのような溶
液が緩衝剤として作用する別の塩を含んでいるときには、その錯体溶液で緩衝剤
として作用しなければならないことはない。
【0039】 しかしながら、その金属:チオール錯体の活性は使用される塩の種類によって
変わるけれど、そのような活性はチオールのない金属の活性よりも常にかなり高
いと出願人が決定したということを指摘することは重要である。したがって、本
発明は、本発明が調製されるかまたは使用される溶媒の錯化剤溶液で、完全また
は部分的である、あるいは完全または部分的である可能性を有する、任意の金属
塩の使用を包含している。
【0040】チオール チオールおよびピリチオンによるビスマスの抗菌活性の向上と向上した活性につ
いての好ましいパラメータ 出願者は、有機チオール化合物がビスマスの抗菌活性を向上させることができ
ることを決定した。好ましいチオールの中には、1つから2つのスルフヒドリル
基、特に2つのスルフヒドリル基を有するものもある。それらは両親媒性である
ことが好ましく、そしてビスマス、ヒ素およびアンチモンに配位結合を作ること
ができる。多くのものも同様にアルコールであるが、水酸基の存在が活性を向上
させるようには見えない。事実、非常に活性な化合物である、ビスマスプロパン
ジチオールおよびビスマスエタンジチオールの中には水酸基を含まないものもあ
る。しかしながら、水酸基は、ビスマス:ジメルカプロールのようなある種のビ
ス−チオールの安定性を、活性をひどく妨害することなく、向上させるように思
われる。化合物ビスマス:β−メルカプトエタノール、およびビスマス:2−メ
ルカプトエチルアミンは、ビスマス:2−メルカプトエチルアミンのアミノ基に
対して同じ位置に水酸基があることを除けば、構造的に同じである。この差は、
ビスマス:2−メルカプトエチルアミンの活性が5分の1になり、そしてビスマ
ス:β−メルカプトエタノールと比較して異なる最適モル比になる。ジメルカプ
ト−コハク酸は構造的にはジメルカプロールと似ているけれど、酸基の存在がビ
スマスとの相乗作用を破壊するに十分である。酸素原子(特に、水酸基の部分で
ない時)、アミン、および特にチオールの酸基置換が活性を減少させた。試験さ
れた多くの他のチオール化合物はビスマスと共同的ではなく、小さな炭化水素骨
格(例えば、C以下、特にC−C)にカルボン酸塩を持たないチオール基
が好ましい分子構成である。炭素、硫黄および水素以外の原子を持たないチオー
ルも特に効果的であることが証明されている。
【0041】 出願者は、ジチオールは、より良いキレート化剤なので、概してモノチオール
よりも活性であることを発見した。最適な活性を達成するためには、モノチオー
ルのレベルよりも低いレベルのジチオールが必要である。同じ抑制活性を達成す
るためには、ジメルカプロールのほぼ3倍の3−メルカプト−2−ブタノールが
必要であった。化合物、DMSAおよびジメルカプトプロパン−1−スルホン酸
はジオールであり、優れたビスマスのキレート化剤であるが、抗菌相乗作用を示
さなかったし、親油性でもなかった。ビスマス−チオールのキレート化合物の親
油性は、後段でより詳細に論議されるように、抗菌活性の非常に良い前兆となる
ものである。このモデルが、どの疎水性モノチオールも、または少なくともわず
かな疎水性を持つどのジチオールもビスマスと共同的であろうと予測する。出願
者はまた、トリチオシアヌル酸および2,5−ジメルカプト−1,3,4−チア
ジアゾールのような3つ以上のチオールを含んでいる化合物も良いキレート化剤
であると決定した。
【0042】 したがって、好ましい実施例では、本発明は、2−メルカプト−3−ブタノー
ル、β−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン、モノチオグリセ
ロール、およびp−クロロチオフェノールから成る群から選ばれた化合物のよう
な1つのスルフヒドリル基を含んでいるチオール化合物によってキレート化され
たビスマスを含む組成物を提供する。
【0043】 最も好ましくは、キレートを作る化合物は、3,4−ジメルカプトトルエン、
エタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、2,3−ジメルカプト−1−プ
ロパノール、1,4−ジメルカプト−2,3−ブタンジオール、1,3−プロパ
ンジチオール、および1,4−ブタンジチオールから成る群から選ばれた化合物
のような複数のスルフヒドリル基(例えば、2つ)を含んでいる。本親出願書の
明細書に開示されているチオールには、ジメルカプロール、β−メルカプトエタ
ノールおよびジチオトレイオトールが含まれる。これらの3つは、望ましい場合
には、本明細書のどの実施例からも除かれるかもしれない。
【0044】 異なるチオールの存在においてビスマスの活性の向上レベルの変動の結果とし
て、そのような向上を予測するための異なったモデルを以下に述べる。
【0045】チオール基の近辺 化合物ビスマス−2,3−BDT(2,3−ブタンジチオール)は、ほとんど
のバクテリアに対して、ビスマス:エタンジチオール(下記に詳細に論じる)の
ように良好であるように見える。しかしながら、ビスマス−1,4−ブタンジチ
オール(1,4−ブタンジチオール)は活性が約100分の1であり、隣位のジ
チオールは離れたジチオールよりも良く作用することを示している。ビスマス:
プロパンジチオール(1,3−プロパンジチオール)は非常に良く作用するが、
燐位のジチオール程ではなく、燐位のジチオールが最も良く作用し、次に炭素1
つ離れたものが続くけれど、他のジチオールは効果がより少ないということを示
唆している。
【0046】 したがって、本発明の好ましい実施例では、キレート化するチオール化合物に
ある2つの炭素原子のいずれも1つのスルフヒドリル基に結合されており、そし
て硫黄原子に結合された炭素原子は互いに0から3の介在している原子、好まし
くは0から1の介在原子によって分離されている。最も好ましくは0、すなわち
、その場合はこれらの2つの炭素原子は直接共有結合している。
【0047】黄色の強さ 水溶液の黄色の強さはビスマスとチオールの高モル比での活性の向上の前兆と
なるものである。ほとんどのビスマス−チオールは、大きな吸収係数を持ったビ
スマス:ジメルカプロールおよびビスマス:プロパンジチオール(それぞれ6.
2および12.4)を除いて、1.0から2.6の吸収係数を持つ410 nm
での吸光度を示している。ビスマス:ジメルカプロールおよびビスマス:プロパ
ンジチオールは、ビスマスとチオールの高い比(3:1から2:1)で最適に作
用する。黄色は、金属イオン錯体に共通の配位子金属電荷移動帯(LMCT)か
ら生じると信じられている。「柔らかい」B3+イオンと「柔らかい」チオレー
ト硫黄の組合せは、配位子金属電荷移動帯に有利であるはずである。したがって
、黄色の強さを、生成したビスマス−チオール錯体の量の尺度および生成したキ
レートの程度の尺度として使用することができる。次いで、アルカリ性ビスマス
−チオール溶液の黄色を、低濃度でビスマスを最もよくキレート環にするチオー
ルを選別するのに使用することができる。したがって、本発明のビスマス:ジチ
オール組成物の5:10 mM溶液が、波長410 nmで、少なくとも1.5
の、好ましくは少なくとも10の好ましい光吸光度を有する。
【0048】ブタノールへの溶解度(lipopholicity) ビスマスをチオールと化合させる場合に予想される1つの利点は、ビスマスの
水への溶解度を増加させることだと思われる。これらの薬品の疎水性は活性にと
って重要であり、水への溶解度は明らかな特質である。様々な条件の下での溶解
度は、ビスマス−チオールの汎用性と潜在的な有用性を強める。これらの薬品を
使って、多くの配合物および組成物が可能である。水への溶解度は、pHと組成
の両方に左右される。例えば、ビスマス:ジメルカプロールは、そのモル比次第
で、酸と塩基の両方に可溶である。またビスマス:ジメルカプロールを使って、
たいていの抗菌活性を保持する粉末を生成することができる。異なる環境におい
て溶解性を保持するためにビスマス:ジメルカプロールを配合できるということ
は、この種類の化合物の汎用性を増やすことになる。
【0049】 しかしながら、ビスマス−モノチオールまたはビスマス−ジチオールの範囲の
それぞれにおいて最も活性なビスマス−チオールはブタノールに最も可溶性でも
あることに注目することは重要である。したがって、ブタノールへの溶解度から
、ビス−ジチオールのどんな錯体が最も共同的であるかを予測できる。それゆえ
に、好ましい実施例においては、ビスマス−ジチオールの5:10 mM溶液が
、等容積の水とブタノールを使用して25℃で分配されるとき、水からブタノー
ルの中に分配される錯体の、少なくとも1%、より好ましくは少なくとも10%
、そして最も好ましくは少なくとも50%という結果になる。
【0050】PHの影響 ビスマス:ジメルカプロールのようなビスマス−チオールの化学についての非
常に多くの様相に対するPHの影響は、チオール基のイオン化の反映である。ジ
メルカプロール単独では、最初のチオールはpH10で完全に脱プロトンされて
、そして第2のチオールはpH11で脱プロトンされる。ビスマスが1:2のモ
ル比で溶液に添加されると、これが劇的に変わる。両方の脱プロトンが、はるか
に低いpHで起こり、最初のチオールはpH5で脱プロトンを完了し、第2のチ
オールはpH9で完了する。妥当な結論は、Bi3+イオンへのジメルカプロー
ルの配位がイオン化を促進するということである。このプロセスの間、ジメルカ
プロールはビスマスに配位したままであると考えることができる。理論に縛られ
ることを意図せずに、pH9でのビスマス:ジメルカプロールの溶解度の変化を
次の通り説明できるかもしれない。もしもビスマス:ジメルカプロール錯体がB
i(ジメルカプロール)であり,次いでその2つのチオールが脱プロトンされ
ると、その錯体はより多くイオンを含むので、より可溶性である。しかしながら
、塩基性条件は、ビスマスの存在によって加速される結果であるチオールのジス
ルフィドへの自動酸化を促進する。このことが、不安定性と抗菌活性の両方が、
pHが4.5から9.0になると何故増加するのかを説明している。この活性を
全て、温度を上げることによって、およびモル比を変えることによってさらに上
げることができる。たった1つのチオールをイオン化すると(pHが5−7)、
ビスマス:ジメルカプロールは速度の遅い活性を示す。pHが4.5より下では
、活性がなく、錯体は生成されない。最大の活性および不安定性は、高いpHお
よび温度で、最適モル比において生じる。低いpKa’sを持ったチオールは、
かなり酸性の条件下での使用に好ましい。
【0051】 多くの微生物に対する自然の防御は、微生物もまた機能しないより酸性側のp
Hでかなり弱められるということを認めることが重要である。普通、有毒なスル
フヒドリルおよび金属は、保護のためにそれ自身のスルフヒドリル化合物(例え
ば、グルタチオンおよびDBSペリプラズム酵素)を使うバクテリアによって除
去される。しかしながら、pHが3以下では、これらの内因性のスルフヒドリル
はプロトン化され、活性が弱い。この理由で、可能性がある場合には、酸性環境
が好ましい。酸性環境にある時は、より酸性のpHで活性である本発明のチオー
ル(例えば、比較的低いpKa’sを持つチオール)が好ましい。そのようなチ
オールは都合よく脱プロトンされて(完全にまたは部分的に)、本発明の好まし
いチオール金属錯体をいっそうよく生成するけれど、低pHは同時にその目標の
自然防御を弱くする。このよい例は、低いpH環境でビスマスの存在下に完全に
活性である1,3−プロパンジチオールである。したがって、ビスマス:プロパ
ンジチオールを、胃の酸性環境において潰瘍の処置(例えば、Helicoba
cter pyloriの無力化または絶滅)に都合よく使用することができる
。他の実施例では、本発明の低pKaチオールを、最初の例の酸性媒体に供給す
ることもできる。酸性度は有用であるけれど、もしもpHが金属の存在下で、選
択されたチオールの有効なpKaよりも低いと、錯体の生成に望ましくない影響
を有することもあり得る。したがって、低いpH環境が予想される場合には、p
Kaはチオールを選択するに際しての非常に重要な基準である。
【0052】金属をチオールと錯体にする 錯体の形をしているチオール化合物によるビスマス、アンチモンおよびヒ素の
キレート化は、それらの溶解度を高め、そして効果的な処置に必要なこれら金属
の投薬量を減少させ、そうして毒性問題を減少させる。このキレート化は、例え
ば、そのチオール化合物をビスマス、アンチモンまたはヒ素の塩のプロピレング
リコール溶液に溶解することによって達成することができる。その後、水または
プロピレングリコールを使用して、サンプルを望ましい濃度までさらに希釈する
ことができる。
【0053】防腐剤コーティングとしてのビスマス−チオール剤 カテーテル、胃管、気管内挿入管、および人工装具装置のような移植片または
装置を、ビスマス−チオールで被覆して、バクテリア、特にブドウ球菌の付着ま
たは存続を最小にすることができる。換気装置、貯水槽、空気調節装置、フィル
ター、塗料、または他の物体のような装置を、長期間にわたって生物膜のない状
態にすることができる。移植術後、骨の置換えの後、歯科処置中、または移植中
に経口または組織的に与えられた少量のビスマス−チオールは、ブドウ球菌およ
び他のバクテリアの棲付を防止できる。その薬品を装置中に組み込むことは、加
熱中数週間にわたって局部的に抗菌剤をゆっくり放出する限り、より有効足り得
る。
【0054】抗菌剤、抗真菌剤および抗生物膜剤としての金属−ピリチオン ビスマス:ピリチオン錯体は、ピリチオン単独またはビスマス単独よりも抗菌
活性がかなり増加することを示している。ビスマスピリチオンは同時に、カンジ
ダおよびクリプトコックス属のようなイーストに対して良好な抗真菌活性を示す
【0055】 出願者は、驚いたことに、ビスマス:ピリチオン錯体は生物膜に対して有効で
あるということ、その錯体は細菌粘液層に浸透し、そして生物膜のないバクテリ
アの群落においてさえ粘液層を減じるように見えるということを発見した。アン
チモンおよびヒ素は同じような錯体を生成するものと期待されるが、ただし金属
/チオールの混合物および錯体がまさにその事例であったように、それらの効果
はビスマスの効果に遅れるかもしれない。それゆえに、本発明は、前記金属がビ
スマス、ヒ素およびアンチモンから成る群から選ばれている本発明の抗菌金属/
ピリチオンの混合物および錯体を効果的な量適用することによって、生物膜の生
成または成長を防止する方法、またはすでに生成した生物膜を減少させるための
方法を提供する。ビスマスが好ましい。その金属およびピリチオンは、金属およ
びチオールについて前述した全ての異なる方法でその系に提供される可能性があ
る。
【0056】 ある種のチオール化合物と組み合わせて、ビスマスの抗菌活性を1000倍に
向上させることができる。ビスマス−チオールは広範囲のバクテリアに対して活
性であり、きょう膜多糖(CPS)の発現を防止する。そのチオールピリチオン
(PYR)は、優れた抗菌性および抗真菌性であり、活性であり、そして同様に
CPSの発現を防止する。ビスマスとPYRの組合せ(BisPYR)は優れた
性質を示した。バクテリア阻止は、NCCLS標準にしたがって、Muelle
r Hinton brothのmicrobroth希釈によって評価された
。CPSの発現は、特定培地での18時間にわたる成長と、それに続くウロン酸
含有量によって測定されるCPSのカチオン界面活性剤による抽出およびアルコ
ールによる沈殿とによって測定された。2:1のモル比で組み合わせると、ビス
マスピリチオン(BisPYR)はPYR単独の6倍の抗菌活性を示した。耐バ
ンコマイシン腸球菌のいくつかの菌株に対するMBC(PYR単位で)は50〜
60から10〜20μMに、緑膿菌に対しては140から30μMに、そして黄
色ブドウ球菌に対しては40から10μMに低下した。肺炎桿菌に対しては、M
BCは4分の1に低下し(60から15μMに)、そしてCPSは2μMで90
%より以上抑制された。BisPYRも同様にRPMI broth中のmic
robroth希釈によって、真菌類に対して試験された。カンジダおよびクリ
プトコックス属のいくつかの種に対しては、BisPYRのMICsはPYR単
独よりも2分の1から10分の1に低下した。Aspergillisまたはフ
ザリウム属の種は一般にPYR およびBisPYRに耐性があった。PYRと
比較して、BisPYRは一般に広い範囲のバクテリアおよびイーストに対して
より活性であり、ビスマスまたはPYR単独の場合よりCPS発現の抑制が強い
ことを示した。
【0057】 本発明は、また、一般にバクテリアへの致死として要求されるよりも低い投与
量でビスマス:ピリチオンの医薬品用途を考えている。致死量以下のビスマス:
ピリチオンの投与量は体重1kg当たりビスマスが約50から150μg(静脈
内に投与されるとき)であると予想される。経口では、投与量は10から100
倍に、特に体重1kg当たり1から10mg、特に体重1kg当たり3から7m
gになるだろう。1日に1回または2回の投与が勧められる。理論に縛られるこ
とを意図せずに、金属とピリチオン(混合物、錯体または両方)は、致死量以下
で投与されると、保護的な多糖類皮膜を減じるかまたは除去してしまうだろう。
したがって、バクテリアまたはイーストを通常の人間の免疫応答に対してより敏
感にさせる。この処置は、望ましい腸内の生理的寄生菌などのような普通の健康
な微生物群落を実質的に保護するという利点を有する。150μgから約1mg
の静脈内投与量は、患者に明らかな毒性を与えることなしに、(バクテリアまた
はイーストを)直接殺すことになりそうである。
【0058】ビスマス:チオールの抗ウイルス特性 ビスマスは抗ウイルス剤であるとは知られていない。事実、Bi(NO
もジメルカプロールもどちらも単独では、数種のウイルスの感染価に対して何の
明らかな影響も有していない。しかしながら、生体内実験は、サイトメガロウイ
ルス、単純ヘルペスウイルスのタイプ1(HSV−1)、およびタイプ2の感染
価は、本発明に従ってビスマス:チオール組成物で処置した後にかなり減少する
ことを示した。50μMのBi(NOと25μMのジメルカプロールの混
合物(ビスマス:ジメルカプロール)を利用した。したがって、本発明は、サイ
トメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスのタイプ1および単純ヘルペスウイル
スのタイプ2から成る群から選ばれたウイルスによって引き起こされるウイルス
感染を防止するまたは抑制する方法を提供するものであり、チオール化合物によ
りキレート化されたビスマスを金属:チオール錯体の形で含んでいる組成物の抗
ウイルスとして治療上有効な量を、それを必要としている患者に投与する段階を
含んでいる。
【0059】ビスマス−チオールの組合せのモル比 ビスマス−チオールの組合せを、最適活性を決めるために、広い範囲のモル比
で試験した。マウスの腹腔内に与えると、ビスマスまたはジメルカプロール単独
の場合よりも毒性は4分の1から6分の1になるが、ビスマス:ジメルカプロー
ルは1:2のモル比でマウスに対して最も毒性が強い。チオール含有量が高いと
、悪臭があり、皮膚を刺激することも判明した。そのチオール溶液に硝酸ビスマ
スを添加すると、2:1の比で、硫黄の臭いおよびジメルカプロールの刺激作用
が除去されたが、1:2の比では完全ではなかった。高いチオール濃度だけで最
適活性を達成するビスマス−チオール化合物は、これらの好ましくない影響のた
め有用性が劣るかもしれない。そのデータは、ビスマス:ジメルカプロールの各
成分がもう一つの成分の好ましくない性質を緩和することを示している。
【0060】 したがって、本発明の好ましい実施例では、金属(ビスマスが好ましい)とチ
オール化合物(ジチオールが好ましい)のモル比はほぼ1:2からほぼ3:1で
ある。より好ましくは、このモル比はほぼ1:1からほぼ3:1、さらにより好
ましくは、ほぼ2:1からほぼ3:1、そして最も好ましくは、ほぼ3:1であ
る。以下に見られるように、本発明が用いられている特別な用途によってその言
及内容が少し変わる。
【0061】本発明の好ましい用途 本発明は、本明細書に記述したように広範囲の抗菌用途に応用できる。その用
途は、表面消毒薬、話題の調合薬、個人衛生用途(例えば、抗菌石鹸、脱臭剤、
またはそれと同様なもの)、および全身的な薬剤製品(例えば、helicob
acter pyloriによって引き起こされる潰瘍のような体内の細菌感染
症の処置用)のように変化する。多くの他の用途を以下にて論じる。こうして、
本発明を広範囲の製品に組み込むことができる。本発明を、すでに微生物汚染の
あるどんな領域でも直接使用することができるし、あるいは代わりに将来の汚染
を阻止するためにある領域で予防的に使用することもできる。用途の包括的な
ストが下の表1の欄1に明らかにされている。示された欄2から4は、各用途の
ために、最良の結果を得るためにある種のパラメータを変化させることができる
方法に関する優先権を明らかにしている。これらの優先権は、本明細書の他のと
ころで論じられたこれらの一般的な優先権以外のものであり、驚くべき利点を提
供する。例えば、低いモル比は本発明の成分の表面吸光度を高める傾向がある。
【表1】
【0062】製薬用途 以下に論じられるように、金属:錯化剤を、微生物感染に苦しんでいる、また
は微生物感染を受けやすい患者の状態を処置するまたは予防するために投与する
ことができる。特に、本発明の組成物は、helicobacter pylo
ri、疱疹、乾せん、カンジダ感染、およびクリプロコックス感染によって引き
起こされる消化性潰瘍の獲得を処置するまたは耐えるのに有用である。予防薬用
途として勧められる投与量は本明細書で記述されている治療上の投与量と同じで
ある。
【0063】 本発明の1つの態様に従って、いったん微生物(バクテリアの、ウイルス性ま
たはイースト)感染が決まると、金属:チオール錯化剤を、その微生物を捕らえ
て根絶するに十分な投与量で投与する。しかしながら、本発明の抗菌剤を、それ
を人間の自然な免疫応答により敏感にしているバクテリアの被覆を弱めるのに十
分であるより低い投与量(経口投与するときは、体重1kg当たり1から10m
g、好ましくは5から10mgの金属、および静脈内に投与するときは体重1k
g当たり100μgから1mg、好ましくは500μgから1mgの金属)で投
与するのが好ましい。当然、担当している臨床医が個々の患者の応答に基づいて
投与量を増やしたり減らしたりすることができる。
【0064】 金属:錯化剤(ピリチオンであろうと他のチオールであろうと)が経皮のまた
はtransmucosal技術により投与されると、その与えられた投与量を
、既知の方法で、すなわち、(1)ローション剤、軟骨剤、乳剤、ゲルまたはは
り薬が使われる場所を変えることによって、(2)それが使われる表面積の大き
さを変えることによって、(3)活性成分の濃度を変えることによって、(4)
伝搬体、キャリヤなどを変えることによって、増やしたり減らしたりすることが
できる。例えば、表面積を増やすことは、もしも活性成分の濃度が一定のままで
あれば、与えられた活性成分の投与量を当然増加させることになる。同じ方法で
、与えられる投与量は、与えられる基剤中の活性成分濃度が増加すると増加し、
濃度の減少に伴い減少する。伝搬体またはキャリヤを変更すると、同様に、既知
の方法で与えられる投与量も変えることができる。その後、症候的な軽減が得ら
れていることを立証するために症候学的に、または既知の技術により他の方法で
感染を測定することのによって、患者を監視することができる。
【0065】 本発明で使用されているように、本発明の金属:錯化剤(ピリチオンであろう
と他のチオールであろうと)を、追加のキャリヤまたは希釈剤を用いてまたは用
いないで、経口、全身的、経皮、transmucosal、または他の典型的
なルートによって投与することができる。経口投与用の製薬組成物では、金属:
錯化剤は、その組成物の総重量に関して重量で5および99%の間の濃度である
のが好ましく、50および99%がより好ましく、80および99%が特に好ま
しい。
【0066】 経皮投与用に調製するときは、金属:錯化剤は、その組成物の総重量に関して
重量で2および20%の間の濃度であるのが好ましく、5および15%がより好
ましく、5および10%が特に好ましい。
【0067】 その金属:錯化剤を、それ自身によって、あるいは他の抗菌剤、抗ウイルス剤
または抗真菌剤の存在下に投与することができる。一つの実施例では、追加の抗
真菌剤が、本発明の金属チオール混合物および/または錯体に添加される。
【0068】 経口投与−消化性潰瘍 ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylori)に起因す
る消化性潰瘍疾患の処置のための好ましい投与方法は経口投与であり、好ましい
金属:錯体剤は、致死量以下の体重kgあたりビスマス100μg−1mg、好
ましくは500μg−1mgで投与される(モル比がそれぞれ2:1である)ビ
スマスと1,3−プロパンジチオールである。これらの投与量は、特に低いpH
においてバクテリアを殺すことが期待される。少なくとも、この製剤はコロニー
形成を抑制し、免疫系応答により感受性であるバクテリアを弱体化させるであろ
う。実際、後の目的のためには、低投与量であっても効果的でありうる。上述投
与量が、単に弱体化させるというよりも殺すことが予測される理由は、(1)低
pHにおいてバクテリアの感受性を上昇させ、(2)使用の条件下でビスマス:
1,3−プロパンジチオールの効能である。1,3−プロパンジチオールはその
メルカプト基のpkaが低いことから、胃の酸性環境でのヘリコバクターピロリ
(Helicobacter pylori)の処置のための好ましい錯体剤で
ある。酸性環境で、低pkaはチオール基の確実な脱プロトン化、したがって金
属とチオール硫黄間の望ましい配位結合のより容易な形成を助ける。
【0069】 経口経路による投与の際、本発明の抗菌剤は、体重1kg、1日あたり100
μgから1mg、好ましくは500μgから1mgの範囲の簡易な投与量を提供
する濃度での経口投与のために、例えば噴霧乾燥ラクトースおよびステアリン酸
マグネシウムのような従来の賦形剤によって、錠剤あるいはカプセルに調剤され
てよい。
【0070】 活性物質は、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムあるいはリン酸第2カルシ
ウムなどの固体、粉状担体物質、およびポリビニルピロリトン、ゼラチンあるい
はセルロース誘導剤などの結合剤と混合することで、あるいはステアリン酸マグ
ネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、「カルボワックス(Carbowax)」
あるいはポリエチレングリコールも加えることで、錠剤あるいは糖衣錠コアに組
込める。もちろん経口投与形態の場合、味覚改善物質も加えることができる。活
性物質はまた、適切な担体中で固体分散状態で投与することができる。このよう
な担体は例えば、1,000から20,000ダルトンまでの様々な分子量のポ
リエチレングリコールおよびポリビニルピロリドン(例えばAmerican
Chemicals Ltd., Montreal, CanadaのPov
idone)からなる群より選ばれてよい。
【0071】 さらなる形態として、硬質ゼラチンのようなプラグカプセル、同様に例えばグ
リセリンのような軟化剤あるいは可塑剤を含む密封軟質ゼラチンカプセルを用い
ることができる。プラグカプセルは、好ましくはたとえばラクトース、サッカロ
ース、マンニトール、ジャガイモデンプンあるいはアミロペクチン等のデンプン
、セルロース誘導体あるいは非常に分散したケイ酸のような充填剤との混合で粒
状の形をした活性物質を含む。軟質ゼラチンカプセルにおいて、活性物質は好ま
しくは植物油あるいは液体ポリエチレングリコール等の適切な液体内に溶解ある
いは懸濁される。
【0072】 局所投与−乾癬および皮膚感染症 細菌皮膚感染症あるいは乾癬処置のための好ましい投与方法は局所投与である
。局所ゲル、軟膏、外用水薬等を用意するために、当技術分野で一般的に使用さ
れている薬理学的に許容可能ないくつかのものを基材として使用してよい。本発
明の抗菌剤は、好ましくは20uM−10mM金属、さらに好ましくは100u
M−1mMの濃度にて提供される。患部への1日あたり1回から2回の塗布を推
奨する。
【0073】 経皮デリバリー 本発明の組成物が軟膏、外用水薬、ゲル、クリーム等として経皮投与のために
調剤されるとき、活性物質はヒト皮膚あるいは粘膜と親和性を持ち、皮膚あるい
は粘膜を通した化合物の経皮あるいは経粘膜浸潤を高める適切な担体と混ぜられ
る。適切な担体は当技術分野で知られており、Glaxal Canada L
imitedから入手可能なKlucel HFおよびGlaxal塩基を含む
が、これらに限定されない。他の適当な賦形剤は、KollerおよびBuri
, S.T.P. Pharma 3(2), 115−124, 1987に
おいて見出すことができる。担体は、好ましくは活性成分が使用した濃度で周囲
の温度において可溶性であるようなものである。担体は、この物質を塗布した皮
膚の局部を通した前駆物質の確実な浸透を許容するのに十分な期間まで、流れた
り蒸発したりすることなしに、塗布した皮膚あるいは粘膜の局部上でこの前駆物
質を保つための十分な粘性を持つべきである。担体は典型的には例えば薬学的に
許容できる溶媒および濃化剤等のいくつかの成分の混合物である。有機および無
機溶媒は、例えば水とエタノール等のアルコールのような疎水性および脂肪親和
性溶解を促進することができる。望ましくは、担体は、もし(重量で)10%金
属:錯体剤および90%担体として調剤され、疾病領域へ金属:錯体剤の形で金
属が10μgから10mg、好ましくは100μgから1mg、さらに好ましく
は500μgから1mgの提供量で1日2回塗布した場合、感染あるいは乾癬の
症状が減少あるいは消滅させるであろうものである。
【0074】 担体は、軟膏、外用水薬、ゲルおよびクリームで一般に使用され、化粧品と医
学分野でよく知られている様々な添加剤を含んでもよい。例えば、芳香剤、抗酸
化剤、香水、ゲル化剤、カルボキシメチルセルロース等の濃化剤、界面活性剤、
安定剤、緩和薬、着色料等が存在してもよい。
【0075】 外用水薬、軟膏、ゲルあるいはクリームは、余剰分がないように皮膚に完全に
すり込むべきであり、ほぼすべての経皮浸透が起こるまで、好ましくは投与後少
なくとも15分間、さらに好ましくは少なくとも30分間、皮膚の塗布部位を洗
わないであろう。
【0076】 経皮パッチを既知の技術にしたがって本発明の物質をデリバリーするために使
用してもよい。これは典型的には例えば、0.5から4日間といった長い期間塗
布し、しかし活性成分のゆっくりとしたそして一定の送達を許容しながら、より
小さい表面領域へ活性物質を接触させる。
【0077】 改良され、使用されている多くの経皮ドラッグデリバリーシステムが、本発明
の活性成分をデリバリーするのに適切である。放出の速度は典型的にマトリック
ス拡散によって、あるいは制御膜を経る活性成分の通過によって制御される。
【0078】 経皮装置の機構的な側面は、当技術分野でよく知られており、例えば参照によ
り本明細書に組み込まれている、米国特許第4,162,037号、第5,15
4,922号、第5,135,480号、第4,666,441号、第4,62
4,665号、第3,742,951号、第3,797,444号、第4,56
8,343号、第4,064,654号、第5,071,644号、第5,07
1,657号において説明されている。さらなる背景が、欧州特許第02799
82号および英国特許明細書第2185187号により提供されている。
【0079】 この装置は粘着性マトリックスおよび貯蔵型経皮デリバリー装置を含む、当技
術分野で既知の一般的な型のいずれでもよい。本装置は、活性成分および/ある
いは担体を吸収する繊維を組み込んだ薬品含有マトリックスを含んでよい。貯蔵
型装置において、貯蔵は担体に対してそして活性成分に対して不浸透性のポリマ
ー膜によって規定されうる。
【0080】 経皮装置において、装置それ自身は望ましい局部皮膚表面に接触して活性成分
を保持する。このような装置において活性成分に対する担体の粘着性はクリーム
もしくはゲルによるのと比べてあまり関与しない。経皮装置の溶媒系は、例えば
オレイン酸、直鎖アルコール乳酸塩およびジプロピレングリコール、あるいは当
技術分野で知られている他の溶媒系を含んでよい。活性成分はこの担体中に溶解
もしくは懸濁してよい。
【0081】 皮膚への接着のために経皮パッチは中央に穴のあいた外用粘着テープ上に載せ
てよい。この粘着剤は好ましくは使用前にそれを保護するためにリリースライナ
ーにより覆われる。リリースに望ましい典型的な素材は、ポリエチレンとポリエ
チレンコート紙を含み、好ましくは取り除くのが簡便なようにシリコンコート紙
を含む。装置を適用するために、リリースライナーは簡単にはがれ、粘着剤が患
者の皮膚に接着する。参考により本明細書に組み込まれている、米国特許第4,
135,480号において、Bannonらは、皮膚に装置を固定するための非
接着性の手段を備える他の装置を記載している。
【0082】 静脈注射 無菌液剤もまた静脈に投与できる。活性物質は無菌水、生理食塩水あるいは他
の適切な無菌の注射可能な溶媒を用いて投与する時に溶解あるいは懸濁されうる
無菌固相組成物として、金属:錯体剤の形で、体重1kgあたり金属が最終濃度
100μgから1mg、好ましくは500μgから1mgになるように調製され
うる。担体は必須不活性結合剤、懸濁剤、潤滑剤、香味剤、甘味料、保存料、色
素および被覆剤を含むことが考えられている。
【0083】 本発明による処置は、すべての細菌感染症状がなくなるまで望ましいに過ぎな
い。体内の細菌叢の存在をなくすために必要以上に延長した期間で処置を引き延
ばさないように気をつけるべきである。
【0084】 抗真菌剤の添加 所望であれば、本発明の製剤それ自身が抗真菌活性を有するとしても、本発明
の抗菌剤は既知の抗真菌剤を追加あるいは混合してよい。
【0085】 好ましい物質としてのビスマス:ジメルカプロール 調製、モル比、投与量および毒性 ビスマス:ジメルカプロール等のビスマス−チオール物質は、いくつかの標準
手法により調製することができる。好ましい実施形態において、10mM/5m
M(比2:1)でのビスマス−チオールの1ml溶液を調製するために、200
μlの硝酸ビスマス保存液(10mlプロピレングリコール中48.5mg B
i(NO)を795μlプロピレングリコールに加える。その後、チオー
ル(この場合2,3−ジメルカプトプロパノール)1モーラー溶液5μlをこの
混合液に加え、勢いよく振る。もう一つの実施形態において、10mM/20m
M(比1:2)でビスマス−チオールの1ml溶液を調製するために、200μ
lの硝酸ビスマス保存液(10mlプロピレングリコール中48.5mgBi(
NO)をプロピレングリコール778μlに加える。その後、チオール(
この場合2,3−ジメルカプトプロパノール)1モーラー溶液20μlをこの混
合液に加え、勢いよく振る。水酸化ナトリウムを可溶化するために加える。
【0086】 極端な温度にビスマス:ジメルカプロール保存液をさらすことの抗菌活性への
影響を、沸騰するまで暖めることにより、そして加圧滅菌することにより試験し
た。ビスマス:ジメルカプロールは沸騰には耐性であるが、減圧滅菌により壊れ
ることがわかった。様々なビスマス:ジメルカプロール調製物の安定性は、定期
的に試験した長期間の間室温および4℃で保たれた。ビスマス:ジメルカプロー
ルはかなり安定な物質であることがわかった。ビスマス:ジメルカプロール活性
は4℃においておくと少なくとも1ヶ月間安定であるが、室温(RT)では50
0/600uMのビスマス:ジメルカプロール溶液は2週間でその活性の50%
を消失するだろう。500/150uMのビスマス:ジメルカプロール溶液は室
温において2、3日でその活性の50%を消失する。
【0087】 ジメルカプロールに対するビスマスの理想のモル比はおよそ1:2から3:1
の範囲であることが明らかになった。ビスマス:ジメルカプロールは1:2の時
細菌に対して最も効果的であり、しかし2:1の時最も安定である。異なる比を
この物質の望ましい特性に依存しながら使用できる。
【0088】 水溶液中に50uMのBi3+を溶かすことは不可能であるが、500mMB
3+はpH9−10で存在する1.2 Mジメルカプロールの溶液中に溶ける
。さらにジメルカプロールは脂肪酸親和性なので、ビスマス:ジメルカプロール
はアセトン、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル、DMSOおよび
1−ブタノール中でさえ可溶性であるが、クロロホルム、オクタノール、酢酸エ
チルあるいはイソアミルアルコールには溶けない。しかしながら異なるビスマス
チオールは独特の溶解特性を持つ。
【0089】 ゲル濾過分析を基にすると、2:1比のビスマス:ジメルカプロールは多価陽
イオンとして存在する。ビスマス:ジメルカプロールは1つの末端が高い正の電
荷を帯びているので、酸の中でその溶解度を増す。もう一方の末端においては脂
肪親和性であり、したがって、非極性溶媒に可溶である。
【0090】 濃縮したビスマス:ジメルカプロール溶液のpHがアルカリ範囲以下に下がっ
たとき黄色沈殿物が形成されるので、ジメルカプロールのBi3+に対する親和
性は高い。Bi3+単独で白色沈殿物を形成する。沈殿物を沈殿させ、上清を取
り除き、新たなアルカリ緩衝液を加えた後、沈殿物は再溶解し、細菌に対して活
性を持つ。このことは、沈殿がBi3+のみではなく、むしろ完全なビスマス:
ジメルカプロールであることを示している。これは、1:2ビスマス:ジメルカ
プロールが酸性の胃内では沈殿する可能性があるが、しかし小腸では溶解するで
あろうことを示唆する。腸溶性コートされたビスマス:ジメルカプロールはこの
ような沈殿をさけることができただろう。
【0091】 最適なBi3+投与量は、ジメルカプロールの500mg/kgを越えないよ
うな経皮および局所投与量、およびジメルカプロールの50mg/kgを越えな
い注射投与量による1日あたり0.01mg/kgから357mg/kgの範囲
であることがわかっている。これは30ml(525mgサブサリチル酸ビスマ
ス)が3週間1日4回(2.1g/日)投与されたPepto−Bismol(
登録商標)に対するヒトでの集中的な管理と矛盾がない。ヒトでのサブサリチル
酸ビスマスの最大摂取量は4.2g/日である。これは30gマウスにおけるB
3+の18mg/日あるいは600mg/kg/日、あるいは300mg/k
g量と同等である。ヒトに対するビスマス:ジメルカプロールでのBi3+の最
大経口投与量はマウスに対するビスマス:ジメルカプロールの最も高い安全投与
量と等しい。したがって最大Bi3+濃度は、すでにビスマス:ジメルカプロー
ル治療の代わりに変える必要のない他の治療上のBi3+化合物として確立され
た。驚くべきことにビスマス:ジメルカプロールは、細菌に対して1000倍ま
で強力であるにもかかわらず、現存しているBi3+化合物に比べ毒性が少ない
。高投与量のジメルカプロールは毒性であり、深刻なふるえを伴う急死となるの
で、ジメルカプロールは制限因子であることが分かった。
【0092】 2つの別々の試行によると、マウスの腹膜内注射の際、ビスマス:ジメルカプ
ロール(LD50=140±40mgBi3+/kg)h、Bi(NO
LD50=52±13mgBi3+/kg)あるいはBi−システイン(LD
=49±12mgBi3+/kg)に比べてかなり毒性が低い。マウスは少な
くとも5日間は病的状態あるいは死亡の兆候を示さずにビスマス:ジメルカプロ
ールの形での60mgのBi3+/kgの腹膜内投与に対して耐性である。した
がって、Bi3+/kgは特に腹膜内投与するときに、他の化合物に比べてビス
マス:ジメルカプロールキレート化合物として低い毒性である。
【0093】 ビスマス:ジメルカプロールは細菌の広い範囲に対して活性がある。特に、ヘ
リコバクターピロリ(H.pylori)、黄色ブドウ球菌(S.aureus
)およびクロストリジウムディフィシル(C.difficile)に対して効
果的であり、腸球菌(enterococci)およびある嫌気性菌に対しては
あまり効果がない。試験した47のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aur
eus)のうち、どれも耐性の兆候を示さなかった。ほとんどの細菌は、17u
MBi3+以下のビスマス:ジメルカプロールで抑制される。しかしながら、寒
天希釈試験において、MICは大腸菌(E.coli)に対して3倍高く、これ
は寒天培地中の化合物によってビスマス:ジメルカプロール活性が中和されてい
ることを示唆している。寒天希釈試験によるデータは培養液で見られるものとか
なり関連する。
【0094】 ビスマス−エタンジチオール(BisEDT) 多くの適用に対する好ましいビス−チオール化合物は、ビスマス−エタンジチ
オールである。これはビスマス:ジメルカプロールより強い抗菌剤である。これ
は典型的にはほとんどの細菌に対して4倍強く働き、バークホルデリア(Bur
kholderia)あるいはバンコマイシン耐性腸球菌等の強い耐性微生物に
対して10倍よく働く。最大の改善は、人工股関節、心臓弁、カテーテルなどの
移植片上に粘着している日和見感染病原体でもある正常皮膚細菌の表皮ブドウ球
菌(Staphylococcus epidermidis)に対するもので
ある。表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)ATCC12228を抑
制するために必要なビスマス:エタンジチオールのMICは、0.1μM Bi
3+であり、これは土壌中で通常みられるものより少量のビスマスである。10
のメチシリン耐性表皮ブドウ球菌(S.epidermidis)(MRSE)
はビスマス:エタンジチオール中の0.85から1.75μMの間のビスマスす
べてに感受性であった。きわめて低いビスマス:エタンジチオールの濃度(6μ
Mビスマス)で嫌気性菌、グラム陽性およびグラム陰性細菌、および抗生物質耐
性細菌を含むすべての細菌を抑制できる。これは他のノンチオールビスマス化合
物に比べて1000倍の値である。
【0095】 以下でこれまでのところビスマス:エタンジチオールに感受性の細菌株種を示
す。バークホルデリア カパシア(Burkholderia capacia
)、エンテロコッカス ファエカリス(Enterococcus faeca
lis)、ストレプトファモナス(Stenotrophomonas)種、霊
菌(Serratia marcescens)、プロテウスブルガリス(Pr
oteus vulgaris)、エンテロバクター(Enterobacte
r cloacae)、サルモネラエンテリティディス(Salmonella
enteritidis)、大腸菌(Escherichia coli)、
肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、緑膿菌(Pseu
domonas aeruginosa)、表皮ブドウ球菌(Staphylo
coccus epidermidis)、黄色ブドウ球菌(Staphylo
coccus aureus)、プロビデンシアスタリティ(Providen
cia stuartii)、リステリア菌(Listeria monocy
togenes)、結核菌(Mycobacterium tuberculo
sis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、アエロモニアスヒド
ロフィラ(Aeromonias hydrophila)、レジオネラ(Le
ginolla)種、B群連鎖球菌(Streptcocci)、化膿性連鎖球
菌(Streptococcus pyogenes)、肺炎連鎖球菌(Str
eptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haem
ophilus influenzae)、フレクスナー赤痢菌(Shigel
la flexneri)、ヘリコバクターピロリ(Helicobacter
pylori)、マイコバクテリウムアビウム(Mycobacterium
avium)、腸炎エルシニア菌(Yersinia enterocoli
tica)、カンピロバクター(Campylobacter)種。試験した嫌
気性菌はまた1から8μM Bi3+間すべてで感受性であり、これにはディフ
ィシリ菌(Clostridium dificile)の6株種、ウェルシュ
菌(Clostrisium perfringends)の2株種、フラジリ
ス菌(Bacteroides fragilis)の2株種が含まれる。
【0096】 エタンジチオールを用いることの1つの不都合な点は、その臭いにおいである
。しかしながら、ビスマスとエタンジチオールを合わせると、もはやにおわない
。ビスマス:エタンジチオールの他のあらゆる側面は都合のよいことばかりであ
る。ビスマス:ジメルカプロールと比較して、ビスマス:エタンジチオールは5
0倍安価で、そしてなんの毒性もない。Aldrich Chemical C
ompanyからの添付MSDS書によると、ビスマス:エタンジチオールのマ
ウスに対する致死率はジメルカプロールのそれとほとんど等しい。ビスマス:エ
タンジチオールは単に少量しか必要としないため、ビスマス:ジメルカプロール
に比べ毒性が小さい。また、すべてのモル比およびpHにおいてより安定な化合
物である。
【0097】 実験の詳細 細菌株および培養 細菌基準培養液(Difco Laboratories,Detroit,
MI)を細菌の広いスペクトルを試験するために使用した。細菌株種はエンテロ
バクター(Enterobacter cloacae)ATCC23355、
大腸菌(E.coli)ATCC25922、肺炎桿菌(Klebsiella
pneumoniae)ATCC13883、プロテウスブルガリス(Pro
teus vulgaris)ATCC13315、緑膿菌(Pseudomo
nas aeruginosa)ATCC27853、霊菌(Serratia
marcescens)ATCC8100、黄色ブドウ球菌(Staphyl
ococcus aureus)ATCC25923、化膿性連鎖球菌(Str
eptococcus pyogenes)ATCC19615、エンテロコッ
カスファエカリス(Enterococcus faecalis)ATCC2
9212、およびネズミチフス菌(Salmonella typhimuri
um)ATCC14028を含む。他の使用した腸病原体は、腸内毒素原性大腸
菌ATCC43896、腸管出血性(ベロトキシン産生)大腸菌ATCC351
50、フレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)ATCC1
2022、および腸炎エルシニア菌(Yersinia enterocoli
tica)ATCC27729であった。バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aurue)(MRSA)は臨床菌
株であった。レジュネラニューモフィラ菌(Legionella pneum
ophila)株3−69、B2−5−D1、ATCC33152およびGol
ver単離菌はBinax、Incより入手した。嫌気性菌として、クロストリ
ジウムディフィセル(Clostridium difficile)ATCC
9698、バクテロイデスフラギリス(Bacterpides fragil
is)ATCC23745、および1つのBacteroides fragi
lis臨床単離菌、ヒストリティウム菌(Clostridium histo
lyticum)ATCC19401、ウェルシュ菌(Clostridium
perfringens)ATCC13124、バクテロイデスオバタス(B
acteroides ovatus)ATCC8483、およびアクチノミセ
スオドントリティカス(Actinomyces odontolyticus
)ATCC17929を含めた。試験したもう一つの株はE.faeciumA
TCC2358である。嫌気培養条件はBBL GasPak Plus系を用
いて確立した。嫌気性菌は5%ヒツジ血液を含むTrypticase Soy
寒天(BBL,Cockysville,MD)上で培養し、6つの抗生物質耐
性大腸菌臨床株はBBL Campy Pouch Microaerophi
lic系(Becton Dickinson,Cockeysville,M
D)内で、Muller−Hinton血液寒天上で培養した。
【0098】 感受性試験 感受性試験を培養液希釈、寒天希釈および寒天拡散を含む様々な方法によって
行った。培養液希釈試験のために、スターター培養液を4時間200rpm、3
5℃で中間指数期まで育て、0.5 McFarland標準懸濁液を調製する
のに使用し、さらにMueller−Hinton細胞培養液(BBL)中で1
:100(5×10CFU/ml)に希釈した。培養液をインキュベートし、
Avantage Microbiology系(Abbott Labora
tories, Irving,TX)で濁度をモニターした。増殖抑制は培養
増殖開始前の遅滞時間をモニターすることにより(6)、また24時間増殖にお
ける3通りの細菌の標準プレーティングによって測定した。培養液遅滞時間は、
コンピュータ生成増殖曲線より得た。MICは、24±2時間の濁度を抑制した
最も低い薬物濃度として示した。生存細菌数(CFU/ml)および継代培養を
Nutrient寒天(BBL)上で、標準プレーティングすることで行った。
寒天希釈試験のために、無菌綿棒をNutrient寒天上に0.5MacFa
rland標準を接種するために使用した。吸収紙ディスクを寒天の表面に載せ
た。このディスクを15μlまでの硝酸ビスマス、ジメルカプロール、あるいは
その両方を含む溶液にしみこませた。
【0099】 プレートを36℃で一晩インキュベートした。6mmディスクの直径を含む抑
制部分の直径をノギスで測定した。寒天拡散試験は一般的にMueller−H
intonII寒天で行った。レジオネラ菌(Legionella)菌株をB
CYE寒天(BBL)上で培養し試験した。寒天希釈試験(ヘリコバクターピロ
リ(H.pylori)および嫌気性菌)のために、ビスマス:ジメルカプロー
ルを含むMueller−Hinton血液寒天を調製した。溶解Muelle
r−Hinton寒天培地を50℃まで冷却し、脱繊維素化ウマ血液を最終濃度
5%になるように加えた。ビスマス:ジメルカプロール粉末を、寒天をプレート
に注ぐ間、ビスマス:ジメルカプロールの濃度増加にともなって寒天培地を作る
間徐々に加えた。ヘリコバクターピロリ(H.pylori)のNo.1 Ma
cFarland標準と同等の懸濁液を寒天表面に(10μl)スポットした。
プレートをCampyポーチ中で5日間37℃でインキュベートした。MICは
増殖を抑制した最低薬物濃度として示した。
【0100】 殺菌アッセイを培養液で行った。最小殺菌濃度を、18−24時間インキュベ
ート時に最初の生存細菌数を99.9%まで減少させた薬物濃度として記録した
。生存細菌数は適切な寒天培地上の標準プレーティングによって測定した。殺菌
活性へのpHの影響を生理食塩水中で指数期の大腸菌(E.coli)ATCC
25922株を洗浄することおよび生存数を10CFU/mlにあわせること
で測定した。試料を以下に示したpHでの10mMの緩衝液を含むように調製し
た。クエン酸pH4、2[N−モルホリノ]スルホン酸エタン(MES)pH5
およびpH6、3[N−モルホリノ]スルホン酸プロパン(MOPS)pH7、
トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン(TRIS)pH8およびpH9。p
H3およびpH4のリン酸緩衝液(10mM)も使用した。ビスマス:ジメルカ
プロールを100μMで試料に加えた。培養液を24時間36℃にてインキュベ
ートし、コロニー計数のために繰り返しサンプリングした。
【0101】 ビスマス:ジメルカプロールの大腸菌(E.coli)ATCC25922に
対する殺菌活性をいくつかの温度で評定した。10/ml後期指数期の細菌の
食塩水懸濁液を75/37.5μMビスマス:ジメルカプロールとともに25℃
、35℃、42℃および50℃でインキュベートした。細菌生存をNuteri
ent寒天(BBL)上にプレーティングした標準寒天により測定した。
【0102】 安定性および溶解性 ビスマス:ジメルカプロール(BisBAL)を、10 Mジメルカプロール
(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)2.5か
ら10μlを1mlのプロピレングリコール中50mM Bi(NOに加
えることでモル比2:1から1:2までの間で調製した。試料を水あるいはプロ
ピレングリコール中で希釈した。プロピレングリコールの最終濃度を、抗細菌効
果の混同を防ぐために≦1%にとどめた。pHを10N NaOH、あるいは濃
HClの添加により調節した。試料を細胞培養液中の大腸菌(E.coli)A
TCC25922に対する安定性について週単位で試験した。溶解性試験で、様
々なモル比でビスマス:ジメルカプロール成分を混合し、エッペンドルフ(Ep
pendorf)5415Microfuge中で2分間遠心することで沈殿さ
せた。沈殿したビスマス:ジメルカプロールは先に測量してあるチューブ内で凍
結乾燥した。沈殿物の重量を測量し、溶解率をえるために20.8(化合物mg
中の総重量)で割った。滴定試験では、100mMジメルカプロール 5ml、
あるいは水中の50/100mMBisBALにNaOHを加え、それぞれの水
酸化物の添加後のpHの上昇を記録した。
【0103】 ビスマス−チオール類の脂肪親和性を、1−ブタノール中で2相に分けること
で評定した。ビスマス−チオール溶液を精製水中5/10mMの濃度で、10N
NaOHを加えることによりpH9−10として調節した。等量の1−ブタノ
ールを加え、30秒間チューブを激しく混合し、液体相を分離するためにパルス
遠心した。明黄色溶液の吸収(A410nM)を410nmの波長で、Milt
on Roy Spectronic 601 UV/VIS分光高度計を用い
て両方の相で記録した。ビスマス:ジメルカプロールの吸光度は水中よりもブタ
ノール中で高く、0.8という生の吸光度データに調節した。
【0104】 生化学試薬 50mM Bi(NO(Sigma)の保存溶液をプロピレングリコー
ル(Sigma)中で調製した。Sigmaより入手したチオール試薬および錯
体剤を様々な比で加えた。共同作用に対するスクリーニングにおける標準モル比
はビスマス対チオール、1:2であった。安定性試験で使用したものを除いて、
すべての溶液を毎日調製し、室温で保った。
【0105】 実施例1 ビスマス:ジメルカプロールの毒性 ビスマス:ジメルカプロールの毒性試験を35g Swiss−Webste
rメスマウスで行った。ビスマス:ジメルカプロールを経口および腹膜内に投与
した。表2に示すように、マウスは経口でジメルカプロールのある程度高い投与
量による12.5mgのBi3+(357mg/kg 50同等ヒト投与量)に
耐性だった。Bi3+と合わせた時、500mg/kgのジメルカプロール用量
は無毒であり、一方1g/kgでは2、3時間の内にすべてのマウスが死んだ。
単独で投与した場合、500mg/kgのジメルカプロールは1時間以内にすべ
てのマウスを殺し、250mg/kgでは5匹の内1匹のマウスが死んだ。
【0106】 ジメルカプロール単体の経口投与LD50は333mg/kgと計算された。
ジメルカプロール単体のラットでの筋肉内投与LD50は86.7mg/kgで
ある(Merck Manual)。マウスにおけるジメルカプロールに対する
腹膜内投与LD50は、60mg/kgである。マウスに対する経口投与LD
は5倍以上高く、おそらく消化管からのジメルカプロールの吸収が制限されて
いるからである。ビスマス:ジメルカプロールでのジメルカプロールに対する経
口投与LD50はずっと高く、556mg/kgである。明らかにBi3+はジ
メルカプロールの経口毒性を減らす。したがって、ジメルカプロールはビスマス
:ジメルカプロール経口調製物中の毒性部分であり、しかしBi3+と合わさっ
た場合、経口投与で毒性ではない。さらに、ビスマス:ジメルカプロールとして
経口で投与されたジメルカプロールは、腹膜内に投与されたジメルカプロールに
比べほぼ10倍低い毒性であった。
【0107】 ヒトにおけるジメルカプロールの閾値毒性筋肉注射投与量は、5mg/kg(
Sulzberger,1946)よりも低く、これはビスマス:ジメルカプロ
ールとして経口投与では耐性であったジメルカプロールの1000分の1である
。これらのデータは、ビスマス:ジメルカプロール中のジメルカプロールの最小
抑制濃度(MIC)が100−500μg/kgであるので、ジメルカプロール
毒性は、ビスマス:ジメルカプロール治療中の問題ではない可能性があることを
示している。
【表2】
【0108】 さらなる実験でビスマス:ジメルカプロールの局所毒性を調査するため、やけ
どをさせたマウスに肺炎桿菌(K.pneumoniae)で攻撃した。376
/621mg/kgのビスマス:ジメルカプロールを局部的に、あるいは焼痂の
下に投与したとき死亡率は2−3日間だけ早まった。しかしながら38/62m
g/kgでは局所に投与したとき死亡率を早めることはなく、3.8/6.2m
g/kgでは局所的あるいは焼痂下のどちらかで投与したときも、死亡率に影響
しなかった。やけど敗血病モデルにおけるビスマス:ジメルカプロールの致死率
は、経口モデルにおいてみられるものとにている。このデータは、ビスマス:ジ
メルカプロールの形態での経口あるいは局所投与のジメルカプロール毒性の閾値
が500mg/kg以上であり、一方全身毒性閾値が50mg/kg以上である
ことを示唆している。
【0109】 殺菌剤として、あるいは無生命表面上での使用のためにはビスマス:ジメルカ
プロール濃度は上に設定する制限を上回ることができる。特にBi3+500m
Mとジメルカプロール1Mに達しそして超える濃度を殺菌目的のために使用でき
る。さらにBi3+50μMおよびジメルカプロール100μMより低い濃度を
防腐あるいは保存のために使用できる。
【0110】 もう一つの研究は、哺乳類細胞に対するビスマス:ジメルカプロールの毒性で
ある。ビスマス:ジメルカプロールは、動物試験および他の非公式観察を元にす
ると著しく細胞障害性でもなく前炎症性でもなかった。処置した動物の便中の血
液あるいは粘液の証拠はなく、またビスマス:ジメルカプロールの大量投与によ
る過敏症の兆候もなかった。少量のジメルカプロールの手への偶然の接触はかな
り刺激となりうるが、ビスマス:ジメルカプロールはこのジメルカプロール濃度
の100倍でさえ皮膚に刺激を与えない。ジメルカプロール単独で、5%溶液と
して投与したとき、とても毒性があり、胃粘膜に対してきわめて刺激的である(
Cattell,1942)。さらに予備結果は、ビスマス:ジメルカプロール
が100×静菌濃度でさえも好中球に対して細胞障害性ではないことを示した。
【0111】 実施例2 ビスマス:ジメルカプロールの抗菌活性 細菌と培養条件 院内病原体をビスマス:ジメルカプロールの抗菌活性の範囲を測定するために
使用した。以下の細菌をたとえばMuller−HintonII等の標準細胞
培養液にて一晩培養した。肺炎桿菌(Klebsiella pneumoni
a)O1:K2株52145、Non O1 コレラ菌(Vibrio cho
lerae)株NRT36S、腸炎菌(Salmonella enterit
idis)株ATCC14028、フレクスナー赤痢菌(Shigella f
lexneri)ATCC12022、腸炎エルシニア菌(Yersinia
enterocolitica)ATCC27729、腸管出血性大腸菌(Es
cherichia coli)O157:H7(ATCC35150)、腸内
毒素原性大腸菌(Escherichia coli)ATCC43896。嫌
気菌としてウェルシュ菌(Clostridium perfringens)
ATCC13124およびフラジリス菌(Bacteroides fragi
lis)ATCC23745を使用した。10のアミノグリコシド抗生物質に耐
性の緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)はScheri
ng−Ploughコレクションより入手した。プロビデンシア(Provid
encia)、セラチア(Serratia)およびキサントモナス(Xant
homonas)のいくつかの臨床単離菌を試験した。プロテウス属(Prot
eus)はプロテウスブルガリス(P.vulgaris)O:19、プロテウ
スブルガリス(P.vulgaris)ATCC49990、プロテウスミラビ
リス(P.mirabilis)ATCC49995、プロテウスミラビリス(
P.mirabilis)ATCC51286、プロテウスミラビリス(P.m
irabilis)ATCC49565を含み、ヘリコバクターピロリ(H.p
ylori)のシュードモナスセパシア(Pseudomonas cepac
ia)単離菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(S.aureus)(MRSA
)およびバノマイシン耐性腸球菌(VRE)もまた使用した。黄色ブドウ球菌(
Staphylococcus aureus)(ATCC25923)、大腸
菌(Escherichia coli)(ATCC25922)、緑膿菌(P
seudomonas aeruginosa)PA01の基準株を比較のため
用意した。緑膿菌(P. aeruginosa)のpyoverdene変異
株RAO6609およびK394を使用した。以下の鉄レセプター変異株を使用
した。大腸菌(E.coli) H1443(wt)、E.coli H854
(fiu)、E.coli C1087(cir)、E.coli C1072
(tonB)、E.coli AB1515−およびE.coli AB151
5−1F(Fe2+輸送欠損)。大腸菌(E.coli)の複数の抗生物質耐性
(mar)、およびsox変異株を利用し、これは菌株MC4100(wt)、
MC4100/p9(Mar)、MC4100 Tn9 △1738、MC41
00 Tn1Okan soxR201を含んだ。これらの株を必要に応じて、
アンピシリン(50μg/ml)、カナマイシン(20μg/ml)、あるいは
クロルアンフェニコール(10μg/ml)を含む寒天培地上で継代することで
維持した。コレラ菌(Vibrio cholerae)株は、395、569
、El tor Ogawa N16961、El tor Inaba P2
7459、1837、168019およびMO−10を含んだ。菌株1837、
168019およびMO−10は鞘を持つことが知られている。細菌を一週間単
位でBloodあるいはNutrient寒天プレートで継代した。
【0112】 Muller−HintonII培養液(BBL System,USA)は
ほとんどの感受性試験で使用した細胞培養液である。過剰のグルコースをいれ、
窒素を制限した化学的制限培養液(DW)を肺炎桿菌(K.pneumonia
e)培養液内での鞘産生を促進するために使用した(Domenico,199
1)。MacFrarland標準懸濁液(0.5)を中間指数期のスターター
培養液より調製し、さらに試験培養液中に1:100に希釈した。細菌を化学療
法剤でカスタマイズした調査キュベット内に入れ、Advantage系(Ab
bott Laboratories,USA)にのせた。培養液をゆっくりと
34.5℃で振り、A670nmにて繰り返しモニターした。抑制は培養増殖開
始前の遅滞時間を記録することで評定した。遅滞時間はコンピュータ生成増殖曲
線より得た。24時間抑制濃度(IC24)は24±1時間の培養液遅滞時間を
作り出す平均抗生物質濃度(N≧3)として定義した。このデータは統計学的測
定(すなわちスチューデントt検定)のパラメトリックパラメーターを提供した
。いくつかの細菌で、NCCLS標準とともに、血液あるいはMuller−H
inton寒天プレート上での寒天拡散によって感受性を解析した。ビスマス:
ジメルカプロールの様々な混合液の殺菌活性(CFU/mlの99.9%の減少
)を大腸菌(E.coli)ATCC25922を用いた液体培養で評価した。
ビスマス:ジメルカプロールへのヘリコバクターピロリ(H.pylori)の
感受性をBlood寒天上のCampyポーチバッグ(Becton Dick
inson,Cockeysville,MD)内で血液寒天プレート上で試験
した。プレートを5日間36℃でインキュベートした。感受性も寒天希釈にて測
定した。
【0113】 細胞培養液成分のビスマス:ジメルカプロール活性への影響をそれぞれの必須
の成分の量を制限したあるいは過剰量を加えた化学的制限培地で評定した。酸素
圧効果を好気性、微好気性(Candle jar)、および嫌気性(GasP
ak)条件での寒天拡散によって測定した。濾紙ディスクに157μg Bi
、186μgジメルカプロールまたは157μg/31μgビスマス:ジメル
カプロール(モル比3:1)をしみこませた。他の量および比も試験した。pH
または温度等の培養条件効果を細胞培養液で評価した。
【0114】 耐性細菌 アミノグリコシド耐性緑膿菌(Pseudomonas aeruginos
a)を試験し、これには酵素不活性化株、および透過性を減少させた株の両方を
含んでいる。大腸菌(E.coli)の増殖耐性(marあるいはsox)変異
株を試験したが、これはこのような細菌が抗生物質に抵抗するために流入機構を
使用しているからである。プロビデンシア(Providencia)、セラチ
ア(Serratia)およびキサントモナス(Xanthomonas)のい
くつかの臨床単離菌をビスマス:ジメルカプロールに対する感受性について試験
したが、これはこれらの細菌がクロルヘキシジン(CHX)に抵抗する傾向にあ
るからである。プロテウス(Proteus)もクロルヘキシジンに対して抵抗
性である傾向にある。シュードモナスセパシア(Pseudomonas ce
pacia)を試験した。これは最も耐性な種の一つである。
【0115】結果 ビスマス:ジメルカプロールは、メチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレ
ウス(Staphylococcus aureus)(MRSA)のようなグ
ラム陽性生物に対して特に有効であることが分かった。バンコマイシン耐性エン
テロコッキ(enterococci)(VRE)は、ビスマス:ジメルカプロ
ールによって阻害された。37℃での24時間インキュベーションの後の両方の
抗生物質耐性種に対する剤によって生じた阻害のゾーン直径は、表3に概説され
る。
【表3】
【0116】 試験したバンコマイシン耐性エンテロコッキおよびメチシリン耐性エス.アウ
レウス(S.aureus)の全ての株を、ビスマス:ジメルカプトールによっ
て阻害させたが、しかし、Bi(NOによっては最小限しか阻害されず、
そしてジメルカプトール単独によっては阻害されなかった。メチシリン耐性エス
.アウレウスは、特に感受性があり、そしてそれは、27.9±2.5mmのさ
らに別の部分的ゾーンの阻害を示した。バンコマイシン耐性エンテロコッキ単離
ではなんら部分的ゾーンは見られなかった。
【0117】 グラム陰性細菌も、ビスマス:ジメルカプトールに非常に感受性があることが
分かった。消化管病原体の全ては、一様に感受性がある。終了点として24時間
阻害濃度(IC24)を用いて、以下の細菌:ビブリオ・コレラ(Vibrio
cholerae)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella
typhimurium)、シゲラ・フレキスネリ(Shigella fle
xneri)、イェルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia ente
rocolitica)、腸毒素産生および腸侵襲性大腸菌(E.coli)を
、ミューラ−ヒントンIIで一夜生育させた。大腸菌およびサルモネラは、25
0−500μM Bi3+の存在下でよく生育する一方で、ブイ.コレラ、エス
.フレキスネリ、およびワイ.エンテロコリチカは、50μM B3+までよく
耐えることができた。18時間での培養誘導期も最終培養濁りのいずれも、Bi
3+濃度によって限界以上に影響を受けなかった。まったく対照的に、3μMジ
メルカプロール(0.37μg/ml)と混合した12μMでのBi3+(4.
3μg/ml)は、全ての細菌に完全に阻害性があった。大腸菌ATCC259
22についての静菌性および殺菌性濃度は、類似であった(およそ15μM B
3+/5μMジメルカプロール)。大腸菌の多重耐性(marまたはsox)
変異株も、ビスマス:ジメルカプトールに同様に感受性があった。ケイ.ニュー
モニア(K.Pneumoniae)(IC24=30/10μM)およびシュ
ードモナス・アエロギノサ(Pseudomonas aeroginosa)
(IC24=8/2.7μM)のような他のグラム陰性好気性バシリ(baci
lli)も、ビスマス:ジメルカプトールに感受性を示した。アミノグリコシド
抗生物質に対して耐性である10個のピー.アエルギノサ(P.aerugin
osa)株の内、全ては、それらがアミノグリコシド透過性または酵素不活性化
変異株であるかどうかにかかわらず、ビスマス:ジメルカプトールに同様に感受
性があった。6個のプロテウス(Proteus)の株、2個のプロビデンシア
(Providencia)および1つのセラチア(Serratia)株も、
感受性が低いことを示した(≦30/10μM)。7個のキサントモナス(Xa
nthomonas)単離物は、同様に感受性があった。OgawaおよびIn
abaを含めたブイ.コレラの7個の株は、全て15/5μMビスマス:ジメル
カプトールより低い感受性があった。ブルトコルデリア・セパキア(Burtc
holderia cepacia)の単独の臨床単離物は、高いMIC(90
/30μM)を示す唯一の株であった。
【0118】 嫌気性菌も試験し、それによりアクチモマイセス・オドントリチカス(Act
imomyces odontolyticus)で22.5/45μMで、ク
ロストリジウム・SPP(Clostridium spp.)については50
/100μMで、そしてバクテロイデス・SPP.(Bacteroides
spp.)については100/200μMで阻害された。ヘリコバクター・ピロ
リ(Helicobacter pylori)は、1と6μM Bi3+の間
のビスマス:ジメルカプトールに感受性を示す。
【0119】 データが明瞭に示すとおり、試験したグラム陽性およびグラム陰性細菌および
嫌気性菌および好気性細菌は、ビスマス:ジメルカプトールに感受性であった。
それらは、消化管中の正常な微生物叢と考えられるので、バクテロイドスの中で
見つけられたビスマス:ジメルカプトールに対する大きな耐性が、有用である可
能性があることに注目すべきである。さらに、ビスマス:ジメルカプトールは、
ストレプトコッキおよびピー.アウレギノサの両方に対して特に活性であること
が分かり、そしてそれは、抗細菌剤としてまれであり、そして非常に有用な特性
であった。
【0120】 胃腸管を阻害する細菌は、嫌気性条件下で成長するので、嫌気性環境下でビス
マス:ジメルカプトールの阻害効力を測定した。BBL ガスパックプラス(G
asPakPlus)嫌気性菌システム(メリーランド州コッキースビル(Co
ckeysville、MD)のベクトン・ディキンソン)を用いて、寒天拡散
によって、6個の大腸菌を試験した。ビスマス抗細菌活性は、鉄によって逆行さ
せることができるので、選択された株は、鉄摂取研究に使用したものであった。
結果は、表4に概説される。
【表4】
【0121】 データは、嫌気性条件下でビスマス:ジメルカプトール活性にただ10から2
0%の減少があったことを示す。厳密な嫌気性菌クロストリジウム・ペルフリン
ゲンス(Clostridium perfringens)およびバクテロイ
デス・フラギリス(Bacteroides fragilis)を使用する寒
天拡散研究も、おそらく溶解性が減少されたことにより、ビスマス:ジメルカプ
トールがOの不在下で最小限に影響されることを示唆する。ヘリコバクター・
ピロリの10個の臨床単離物も、寒天拡散によってビスマス:ジメルカプトール
に対する感受性について、微量親気性雰囲気下で試験した。Bi3+(157μ
g)またはジメルカプトール(186μg)単独が、阻害をほとんど生じないか
、または阻害のゾーンを生じないとき、ビスマス:ジメルカプトール(157/
31μg)は、一般に、8と10mmとの間のゾーン直径を生じた。
【0122】 ビスマス:ジメルカプトールは、強力な抗微生物剤である。Bi3+またはジ
メルカプトールのいずれか単独に比較して、ビスマス:ジメルカプトール活性は
、よりいっそう高い規模の桁である。わずかの例外と伴に、他のビスマス化合物
またはジメルカプトールは、1−10mMの範囲内でMICを示し、そしてビス
マス:ジメルカプトールより100から1000倍少ない効力である。ジメルカ
プトールでキレート化される場合、他の三価金属(例えば、Al3+、Ga3+
、Cr3+、Ru3+、Fe3+、Sc3+、Y3+)は、抗細菌活性が増強さ
れたことを示さない。
【0123】 Bi3+に対比して、ビスマス:ジメルカプトールの抗細菌効果は、鉄濃度か
ら独立である。Bi3+(または他の三価金属)の抗細菌効果は、培養培地にマ
イクロモル量の鉄を添加することによって逆行させることができる。しかし、ミ
リモル量の鉄は、細菌におけるビスマス:ジメルカプトールの影響を逆行または
減少させない。他のビスマス化合物とは対照的に、鉄濃度におけるビスマス:ジ
メルカプトール組成物の従属性の欠如は、その条件が嫌気性であり、そして鉄が
豊富である下部胃腸管での治療的利益のものである。ビスマス:ジメルカプトー
ルは、消化管微生物叢に考慮すべき効果を有することが示された一方で、ビスマ
ス・サブサリシレート単独は、これらの細菌について目立った生育阻害効果は示
さない。特に、単独のビスマス:ジメルカプトールは、24時間の期間をかけて
ラットで、60%まで糞便材料の生成を減少させた。マウスに100μlの1m
Mまたは10mMビスマス−ジメルカプトール(2:1比)を、2週間、毎日二
回与えると、血液寒天で好気的に、または嫌気的に糞便細菌成長の数で90%ま
たは99%減少になった。
【0124】 他の陽イオン、例えば銅、銀および金は、ビスマス:ジメルカプトール活性に
おいて相殺する効果を示す。特に、78μMでの銅は、1xおよび10xの阻害
効果を相殺したが、ビスマス:ジメルカプトールのMICは100xではない。
したがって、これらの拮抗剤は、必要な場合に、ビスマス:ジメルカプトールを
相殺させるのに使用することができた。
【0125】 ビスマス:ジメルカプトールは、莢膜多糖(CPS)産生を際立って阻害する
こともできる。莢膜多糖は、減圧乾燥に対する保護のため、そして宿主防御に対
する偽装のために多くの細菌によって産生される。クレブシエラ・ニューモニア
エ(Klebsiella pneumoniae)について0.25のMIC
で、ビスマス:ジメルカプトールは、莢膜発現の60%を阻害することができた
こと、そして半分のMIC未満で、ジメルカプトールは、糖についての化学的分
析によって測定されるとおり、80%以上まで莢膜発現を減少させたことが示さ
れる実験を行った。対照的に、防腐剤、感染防止剤、および保存剤として有用な
局所剤であるクロルヘキシジン(CHX)は、MICの0.75でさえ莢膜多糖
発現になんら際立った影響を示さなかった。莢膜多糖として表層コーティングが
減少されるときに、細菌が、抗莢膜抗血清の存在下で白血球細胞(WBC)によ
って食作用摂取に徐々に傷つきやすくなるので、莢膜発現でのこの減少は、重要
である。0.5未満のMICで、100WBC当たりの食作用を受けた細菌の数
は、ビスマス:ジメルカプトール処理なしの19からビスマス:ジメルカプトー
ル処理で600以上まで増加したことも示された。いくつかの他のビスマス化合
物は、莢膜多糖発現および食作用摂取に類似の効果を示すが、100倍高い濃度
が必要とされる。さらに、上に検討されたとおり、培養培地に鉄を添加すると、
Bi(NOまたはビスマス・サブサリシレートの抗莢膜多糖効果を相殺し
たが、ビスマス:ジメルカプトールのものには影響しない。
【0126】 ビスマス:ジメルカプトールは、バイオフィルム生物を効果的に阻害すること
も示された。特に、ビスマス:ジメルカプトールは、それがプランクトン性細菌
状態にあるときに、バイオフィルムでの細菌に対して有効であることが示された
。他の公知薬でこの許容量を示すものはない。
【0127】 ビスマス:ジメルカプトールは、血液を通して自由に流れる代わりに、当初の
接触で組織にしっかりと付着するので、ビスマス:ジメルカプトールは、組成物
の安全性および耐性を増大する強力な粘着特性を示す。さらに、その組成物は、
皮膚、消化管粘膜および他の組織に密着して粘着するので、ビスマス:ジメルカ
プトールのこれらの特性は、組成物の細菌永続性に加わり、それにより期間が増
加されるための保護を供する。
【0128】 ビスマス:ジメルカプトール組成物は、その全体の値または有用さを改善する
他の剤と組合わせることができることと理解すべきである。特に、抗酸化剤のよ
うな添加剤は、ビスマス:ジメルカプトールと共に使用して、貯蔵寿命を延長さ
せることができる。トコフェロールのような抗酸化剤は、ビスマス:ジメルカプ
トールに適合性があることが示された。さらに、これらが、組成物の活性を改善
することが示されたときに、セトリマイドまたはツイッタージェント(Zwit
tergent)3−14のようなポリカチオン性洗剤を、添加することができ
た。ビスマス:ジメルカプトールは、別の膜活性生物致死剤であるクロルヘキシ
ジンであるより洗剤(例えば、SDS、ツウィーン80)による相殺に対して1
00倍以上耐性がある。したがって、ビスマス:ジメルカプトールを、石鹸およ
び洗剤と混合することが容易である。さらに、被覆または効力を増す、抗生物質
混合物、抗真菌、抗マイコバクテリアまたは抗ウイルス剤を、特に胃腸管の潰瘍
性疾患に対して有用な、H.ピロリに対するものを含ませることができる。結局
、その場所でpHを増加させ、そして溶解性を改善するアルカリ、平衡剤、H
−ブロッカーなどのような、他の化合物、および密度または粘り強さを変化させ
るビスマス:ジメルカプトールと混和できる担体化合物を含むことができる。ジ
メルカプトールは、賛成できない臭いを有するので、他の剤を添加して、生じる
生成物の味または臭いを改善することができることも意図される。
【0129】 ビスマス:ジメルカプトールは、広範な感染性の剤および病原体による感染を
阻害および防止するのに有用である。組成物は、経口で、腹膜内で、筋肉内で、
皮下で、静脈内で、および局所に供することができる。液体、粉末、錠剤、また
はカプセルとして提供することができる。組成物は、医療装置またはカテーテル
のような移殖物を被覆するのに使用すること、または手術用スクラブ中で濃厚に
することができることも意図される。ビスマス:ジメルカプトールは、抗細菌剤
として石鹸に組込むか、または消臭/汗止め剤(脚または腋用途)、口腔洗浄剤
、コンタクトレンズ液、洗浄剤、塗料、食品および他の生鮮製品に使用すること
もできる。さらに、ビスマス:ジメルカプトールは、パルプおよび製紙で、水性
タオル、水性フィルター、排気装置、空気清浄装置でのような工業製品でのバイ
オフィルム形成を阻害するのに使用することができるか、または腐敗防止混合物
中に組込まれる。ビスマス:ジメルカプトールは、水泳用プール、ボート、およ
び湿潤条件にかけた他の表面上にある、種々の装置上にあるバイオフィルム集団
を防止または死滅させるのに有用である。結局、それは、化粧品または個人用救
急用品で保存剤または防腐剤として使用することもできる。
【0130】 ビスマス:ジメルカプトールの作用の機構は、十分に分かっていないが、非常
に可溶な形態(Bi3+/ジメルカプトール比=1:2)は、100倍低い可溶
性種で活性において類似しない(比=2:1)ので、ビスマス:ジメルカプトー
ルの活性は、単独で溶解性が増大されたことによって総計することができないこ
とが知られている。さらに、他のチオール含有キレート化剤、特にジメルカプト
−コハク酸(DMSA)、2,3−ジメルカプトプロパン−1−スルホン酸(D
MPS)、およびアミノ酸システインは、同様にまたはジメルカプトールよりよ
くビスマスを可溶化させるが、しかし、それらは、その抗細菌特性を増大させな
い。
【0131】 ビスマス:ジメルカプトールは、ポリカチオン性と同様に両親媒性(両親和性
)として特徴づけられてきた。このような特性を有する化合物は、一般に膜活性
化剤である。すなわち、それらは、細菌の膜を中断させることによって一次的に
作用する。100/33.3μMビスマス:ジメルカプトールで処理した大腸菌
の電子マイクログラフは、これらの知見を支持する。ビスマス:ジメルカプトー
ルは、膜内で濃縮されるようである。しかし、巨大分子の漏れはほとんど、また
はなにも起こらず、そしてそれにより、ビスマス:ジメルカプトールが溶菌また
は透過性化を促進しないことが示唆される。大腸菌のビスマス:ジメルカプトー
ル処理直後の細胞外ペントースにおける増加は、拡散の放出をも示唆する。
【0132】 ビスマス:ジメルカプトールは、Bi3+のチオール交換によって、膜の酵素
活性、特に膜ATPaseのものを不活性化することによって、その効果を強力
に発揮する可能性があることも考えられる。莢膜および粘液発現は、エネルギー
集約的であり、そしてATPase阻害の結果と同様に、予備阻害レベルでビス
マス:ジメルカプトールによって実質的に遮断される。必須でなく、莢膜多糖産
生は、細菌成長が影響を及ぼされる前に止めることができる。このような阻害は
、Bi(NOについては500μM以上で起こるが、ビスマス:ジメルカ
プトールについては5μMで起こる。上で検討したとおり、効力における目立っ
た増加は、水での溶解性が増加したことによって説明することができない。その
代わり、ビスマス:ジメルカプトールの新規構造は、細菌膜への透過性を促進す
ると考えられる。グラム陰性細菌の外側膜を通しての浸透は、ボリンから概ね独
立であると思われ、そして抗生物質流入機構によって影響を及ぼされない。むし
ろ、ビスマス:ジメルカプトールは、クロルヘキシジンまたはポリミキシンBと
同様に外側膜を浸透する。そのポリカチオン両親媒性構造は、負に負荷された両
親媒性外側膜に対する親和力を促進する。
【0133】実施例3:数種のビス−チオールおよびビス−非チオールの抗微生物活性 溶解性を増加させることによって活性を増強させようとして、ビスマスを、数
種の強力なキレート化剤と混合した。試験した非チオール化合物は、D−ペニシ
ルアミン、2,2‘−ジアミノ酪酸、スペルミジン、シス1,3−ジクロロプロ
ペン、EDDA、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3プロパンジオール、サリチル
ヒドロキサミン酸、亜硫酸ナトリウム、およびEDTAであった。試験チオール
としては、ジメルカプトール(ビスマス)、δ−メルカプトエタノール(δME
)、2−メルカプトエチルアミン(MEN)、ジチオスレイトール(DTT)、
ジメルカプトプロパン−1−スルホン酸(DMPS)、ジメルカプトコハク酸(
DMSA)、1−モノチオグリセロール(MTG)、1,3−プロパンジチオー
ル(PDT)、3−メルカプト−2−ブタノール(MBO)、2−メルカプトピ
リミジン、2−チオウラシル、1−チオδ−D−グルコース、チオサリチル酸、
チオメロザール、チオ乳酸、メソ−1−1’−ジメルカプトアジピン酸、トリ酪
酸2,3−ジメルカプトプロパノール、チオグリコール酸、チオストレプトン、
L−システイン、還元グルタチオン、p−チオクレゾール、チオジグリコール、
2−メルカプトベンゾチアゾール、ピリチオン、チオアニソール、2−ヒドロキ
シエチル ジスルフィド、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオー
ル(BDT)、1,5−ペンタンジチオール、1−ペンタンジチオール、1,6
−ヘキサンジチオール、1,2−エタンジチオール(EDT)が挙げられる。エ
タンジチオールおよびブタンジチオールは、ビスマス活性をほとんど1000倍
に増強することが示された。非チオール化合物は、ビスマス抗細菌活性になにも
影響を示さなかった。しかし、チオールキレート化剤ビスマス、プロパンジチオ
ール、ジチオスレイトール、3−メルカプト−2−ブタノール、δ−メルカプト
エタノール、2−メルカプトエチルアミン、および1−モノチオグリセロールは
、大腸菌成長の阻害によって測定されるとおり、ビスマスの抗細菌活性を25か
ら300倍まで増強させた(表5)。硝酸ビスマスまたはチオールについてのM
ICは、別々に、低いミリモル(−3mM)の範囲内にあったが、しかし生育培
地でのそれらの不溶性のため正確に測定することができなかった。チオール酸(
すなわち、ジメルカプトプロパン−1−スルホン酸またはジメルカプト−コハク
酸)のいずれもは、それらが、黄色のような溶液中での類似の特性を示し、そし
て水溶性を増強したが、ビスマスと組合わせて活性を増強させるものはなかった
【表5】
【0134】 7個の活性ビスマス−チオール複合体は、様々なモル比で最適活性を示した。
モル比とMICとの間の関係は、図2に例示される。ビスマスの抗細菌活性は、
チオール濃度を増加させながら増加したが、さらに追加のチオールが減少効果を
示す平坦域に達した。MICoptは、最適モル比でのビスマスの阻害濃度とし
て規定され、そして、基本的に、添加された最低量のチオールで達成した最適抗
細菌活性であった。4つの最も活性なビスマス−チオール化合物(ビスマス:1
,3−プロパンジチオール、ビスマス:ジメルカプトール、ビスマス:ジチオス
レイトール、およびビスマス:3−メルカプト−2−ブタノール)は、十分なチ
オールが添加されたときに、比較的低いMICを生じた。それらのそれぞれの最
適比では、MICは、Bi(NOよりほとんど300倍低かった(MIC
;から3000μM)。しかし、ビスマス:1,3−プロパンジチオールおよび
ビスマス:ジメルカプトールのみが、3:1比で有効であった。ビスマス:ジチ
オスレイトールおよびビスマス:2,3−メルカプト−2−ブタノールについて
のMICoptは、1:1の比で起こった。ビスマス:δ−メルカプトエタノー
ルについてのMICoptは、1:2モル比で起り、ビスマス:ジメルカプトー
ルのものの2倍であった。最終的に、2−メルカプトエチルアミンおよび1−モ
ノチオグリセロールについてのMICoptは、それぞれ、1:3および1:4
のモル比で起こり、そしてビスマス:ジメルカプトールより8倍高かったが、し
かしBi(NOより25倍低かった。
【0135】 MICopt、で、そして2:1の比の両方で、大腸菌に対するMICデータ
の概要は、表5で示される。ジチオールは、3:1から1:1の最適ビスマス−
チオールモル比で、ビズマスで最大の相互作用を生じた。モノチオールは、一般
的に、協力薬としてではなく、そして最適抗細菌活性については1:1から1:
4までのモル比が必要とされた。特に、モノチオールおよびジチオールが分離さ
れるときに、ビスマス−チオール化合物の抗細菌活性と親油性との間の強力な関
係がある。各系統での最大の活性ビスマス−チオールは、ブタノール中での最も
可溶性のものでもあった(表5)。ビスマス:プロパンジチオールおよびビスマ
ス:ジメルカプトールも、アルカリ性溶液中で最大の黄色を生じたが(表5)、
それは、形成された複合体の量の指標である。
【0136】 ビスマスとの比較のために、数種の三価金属を、チオール化合物と混合し、そ
して抗細菌活性について試験した。試験した金属としては、第二鉄、塩化アルミ
ニウム(III)、塩化クロム(III)、酸化ガリウム(III)、ルテニウ
ム赤、酸化スカンジウム(III)、硝酸イットリウム(III)、および酸化
イットリウム(III)が挙げられる。これらの金属イオンの内のいずれかと組
合せたジメルカプトールでは、1:2モル比で大腸菌に対する増強された抗細菌
活性がないことが注目された。アンチモンのジメルカプトール増強またはヒ素の
抗細菌活性が注目されたが、しかしビスマスのものと同じ規模のものではなかっ
た。
【0137】 濃縮されたビスマス:ジメルカプトール溶液の安定性は、pH、温度およびジ
メルカプトール(ビスマス)濃度に左右された。ビスマス:ジメルカプトールは
、酸性では安定であったが、しかし中性付近または塩基性溶液ではそうではなか
った。pH9では、25℃で500μM Bi3+/600μMジメルカプトー
ルの半減期は、およそ3週間であった一方で、500/150μM溶液のものは
、<1週間であった。したがって、アルカリ性pHでは、安定性は、ビスマス:
ジメルカプトールのモル比に左右される。対照的に、pH2で2:1ビスマス:
ジメルカプトール溶液は、25℃で2ヶ月後に、活性の注目すべき損失がないこ
とを示した。ビスマス:ジメルカプトール水溶液(5mM/2.5mM)は、p
H<4で不明確に安定であったが、pH6−7で徐々に下がった(t1/2;1
−2週間)。プロピレングリコール中で製造されたビスマス:ジメルカプトール
溶液は、3と11.6との間のpH値で安定性の損失がないことを示したが、し
かし100mM HClの添加は活性を壊した。ビスマス:ジメルカプトール溶
液をオートクレーブにかけると、活性を壊したが、しかし、30分間100℃で
加熱すると、活性において認識できる効果はなかった。
【0138】 殺細菌活性は、温度を上げながら増加した。75/37.5μMのビスマス:
ジメルカプトール溶液は、25℃で、1ログ単位まで、35℃で、ぼほ6ログ単
位まで、そして42℃または50℃で9ログ単位まで24時間での生育可能な大
腸菌の数を減少させた。ビスマス:ジメルカプトールの存在なしにこれらの温度
で培養した細菌は、25℃または35℃での生育性に減少は示さず、42℃では
1ログ単位の減少を、そして50℃では3−4ログ単位の減少を示した。
【0139】 NaOHでのジメルカプトールおよびビスマス:ジメルカプトールモル比の滴
定を行った。ジメルカプトール滴定の結果は、ジメルカプトール上の2つのチオ
ール基について、8.5と10のpKa値に対応して、pH9から10、および
10から11の2つの変化領域を示した。溶液は、滴定の間、均質であり、そし
て透明であった。ビスマス:ジメルカプトールの滴定曲線も、pH3.5から4
?5.0(pKa;2.9)、およびpH6.0から9.0(pKa;5.3)
で2つの変化領域を示した。ビスマス滴定と対照的に、沈殿物が溶解して、透明
な黄色溶液を形成するpH8.0まで、溶液は、黄色沈殿物で濁っていた。
【0140】 別のpH依存性変数は、抗細菌活性であった(図4)。100/50μMビス
マス:ジメルカプトールを用いた10/mlの大腸菌に対する殺細菌活性は、
pH4.5から9まで次第に増加した。これは、NaOHを用いたビスマス:ジ
メルカプトールの滴定曲線および黄色のビスマス:ジメルカプトール沈殿物の溶
解作用に続く。pH8および9で、殺細菌活性は、比較的迅速であったが、それ
は、5時間培養で、生育可能な細菌をほぼ10CFU/mlまで減少させた。
pH5から7で、殺細菌活性は、24時間で完璧であったが、なお、5時間培養
で、ただ1つまたは2つの対数減少が観察された。pH4では、対照値のものよ
り上の殺細菌活性で観察されるものはなく、それにより、ビスマス:ジメルカプ
トールがこのpHではおおむね不活性であることが示された。ビスマス:ジメル
カプトール存在なしに、大腸菌をpH4または9にかけると、生育性にただ最小
の影響を示した。
【0141】 ビスマス:ジメルカプトールについての活性のスペクトラムは、むしろ広範で
あることを立証した。いくつかの医療的に重要な細菌に対するビスマス:ジメル
カプトールについての阻害および殺細菌濃度は、表6に列挙される。MICは、
液体に関しては5.9から63.0μM Bi3+の範囲にあり、そして粉末で
は8.3から33.2μg/mlの範囲にあった。イー.フェカリス(E.fa
ecalis)は、ビスマス:ジメルカプトールに対してもっとも耐性があった
。対照的に、エス.アウレウスおよびエス.ピオゲネスは、ビスマス:ジメルカ
プトールに対して6倍以上敏感であった。ビスマス:ジメルカプトールは、腸内
グラム陰性病原体、エス.チフィムリウム、腸毒素産生大腸菌、腸出血性(ベロ
毒素産生)大腸菌、エス.フレキスネリ(S.flexneri)、およびワイ
.エンテロコリチカ(Y.enterocolitica)、およびイー.クロ
アカエ(E.cloacae)、ケイ.ニューモニアエ(K.pneumoni
ae)、ピー.ブルガリス(P.vulgaris)およびピー.アエルギノサ
(P.aeruginosa)も阻害した。数種の病原体のビスマス:ジメルカ
プトール阻害は、ビスマス単独のものより>100倍増加された。殺細菌濃度は
、MICより25−30%高かった。全体で、イー.フェカリスのみが、ビスマ
ス:ジメルカプトールの殺細菌活性に耐性があった。
【表6】
【0142】 数種の細菌は、寒天拡散によって感受性についても試験した。一般に、試験し
た全ての細菌は、表7に記録された阻害のゾーンによって例示されるとおり、硝
酸ビスマスまたはジメルカプトール単独に対してよりビスマス:ジメルカプトー
ルに対していっそう敏感であった。グラム陽性細菌の中でも、ビスマス:ジメル
カプトールは、スタフィロコッキに対して非常に有効であるが、ストレプトコッ
キに対しては活性が低い。47のメチシリン耐性エス.アウレウス(MRSA)
単離物および18のバンコマイシン耐性エンテロコッキ(VRE)のうち、メチ
シレン耐性エス.アウレウスは、27.9±3.5mmまで拡大する阻害の部分
的ゾーンを示した。メチシレン耐性エス.アウレウスについての部分的ゾーンは
見られなかった。寒天拡散によって試験したグラム陰性細菌としては、6つの大
腸菌、4つのエル.ニューモフィラ(L.pneumophila)および3つ
のピー.アエルギノサ単離物が挙げられ、そしてその全ては、ビスマス:ジメル
カプトールに感受性を示したが、その構成成分部分に対する応答はごくわずかで
あった。
【表7】
【0143】 ビスマス:ジメルカプトールは、H.ピロリおよび嫌気性細菌に対しても有効
であった。表8では、種々の臨床単離物および対照株を用いた寒天拡散研究を概
説される。数種の任意の細菌を、嫌気性条件下で相前後して研究した。得られた
MICは、ジメルカプトールと1:2の比で、2.2から100μM Bis
まで変化した。バクテロイドス(Bacteroides)は、一般に、他の
細菌よりいっそう耐性がある一方で、H.ピロリ、シー.ジフィシレ(C.di
fficile)およびエス.アウレウスは、最も感受性があった。H.ピロリ
の結果は、テトラサイクリン、アンピシリン、およびメトロニダゾール耐性株を
含めた6つの抗生物質耐性単離物からの平均であった。大腸菌のビスマス:ジメ
ルカプトール阻害も、寒天拡散研究で嫌気性条件下で起こった。
【表8】
【0144】 水中でのビスマス:ジメルカプトールの溶解性も、図3に示されるとおり、p
Hおよびモル比に依存した。pH10では、ビスマス:ジメルカプトール(5m
MのBi3+)は、1:1.8モル比まで、いっそうチオールを添加したとき、
徐々に可溶性になった。比>1.5:1でのBisBAlは、塩基中で最も可溶
性が低い一方で、比<1:1.5はいっそう可溶性であった。pH3で、ビスマ
ス:ジメルカプトール(5mMのBi3+)は、いっそうチオールを加えたとき
、徐々に不溶性になり、酸中で1.2:1モル比で完全に可溶性であり、そして
<1:1.5で最も可溶性が低かった。1:1以上またはより下のモル比でのご
くわずかな変化は、酸または塩基での溶解性を劇的に変化させた。アルカリ性溶
液では、ビスマス:ジメルカプトールの1:2形態は、500mM近くまでH
OでのBi3+可溶性を増加させた一方で、酸溶液では、2:1形態は、>50
mM Bi3+までプロピレングリコール中でのBi3+を増加させた。ジチオ
スレイトール、δ−メルカプトエタノール、1−モノチオグリセロール、ジメル
カプトプロパン−1−スルホン酸およびジメルカプトコハク酸のような他のチオ
ール化合物も、同様の形態で水中の溶解性を際立って増強させた。
【0145】 ある種のビスマス−チオール化合物は、1−ブタノール中でも可溶性であり、
そしてそれは、新油性の測定法として使用された。水からブタノール層に分配し
たpH9−10での50/100mM溶液の含有率は、2.7から81.5まで
の範囲にあった(表5)。MICは、特にジチオールをモノチオールから分離し
た後、親油性と相関した。ビスマスと、メシチリン耐性株エス.アウレウス、ジ
メルカプトプロパン−1−スルホン酸、L−システイン、ジメルカプトアジピン
酸のようなチオールおよび酸性基を含む複合体は、相乗作用を示さなかった一方
で、ある程度までブタノール中で分配する全ての複合体は、抗細菌性相乗作用を
示した。
【0146】実施例4:ビスマス:ジメルカプトールの抗ウイルス活性 ビスマス:エタンジチオールまたはビスマス:ジメルカプトールのようなビス
マスチオールは、ヘルペスのようなウイルスの使用について示唆される。アデノ
ウイルス、エコウイルス、および呼吸性合胞体のウイルスの感染性力価は、50
μM Bi(NO、25μMジメルカプトール(ビスマス−ジメルカプト
ール)を用い、37℃で3時間後に変化しなかった。しかし、サイトメガロウイ
ルス、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)、およびHSV−2の感染性は
、それぞれ、83%、99.2%および>99.9%減少した。Bi(NO
もジメルカプトールもいずれも単独で効果を示さなかった。In vivo実
験は、単純ヘルペスウイルス1で皮膚に感染させた毛なしマウスの局所(25μ
l)および経口(100μl)治療から構成された。治療は、5日間、日に三回
行われた。病巣を0から10(重篤な帯状疱疹形態の潰瘍)で等級分けした。局
所治療については、8週齢マウスを使用し、10は、DMSOで処置し、そして
10は、10mM Bi(NO、5mMジメルカプトールで処置した。実
験群について6日で2.9で、14%の死亡率であるのに比べて、対照群は、6
日で7.5のPMLSを、そして14日までに50%死亡率を示した。したがっ
て、ビスマス−ジメルカプトールは、細胞外ヘルペスウイルスの感染性を不活性
化し、そしてマウスの単純ヘルペスウイルス1型感染を修飾する。
【0147】実施例5:カンジダ(Candida)種、クリプトコッカス・ネオフォルマン
ス(Cryptococcus neoformans)、および線状菌に対す
るピリチオン単独および硝酸ビスマスとの組み合わせでの活性 ピリチオン単独(プロピレングリコール中)および硝酸ビスマスとの組み合わ
せ(2:1での硝酸ビスマス:ピリチオン比)での効力は、カンジダ・アルブカ
ンス(Candida albcans)(7つの単離物)、シー.パラプシロ
シス(C.parapsilosis)(1つの単離物)、シー.グラブラタ(
C.grabrata)(1つの単離物)、シー.トロピカリス(C.trop
icalis)(1つの単離物)、クリプトコッカス・ネオフォルマス(Cry
ptococcus neoformans)(5つの単離物)、アスペルギル
ス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)(1つの単離
物)、エイ.フラブス(A.flavus)(1つの単離物)、およびフサリウ
ム・ソラニ(Fusarium solani)(1つの単離物)に対して調査
した。RPMIブロス中の微量ブロス希釈法(重炭酸ナトリウムなしで、L−グ
ルタミンおよび3[N−モルフォリノ]プロパンスルホン酸緩衝液165mMを
用いて)を用いて、抗菌感受性試験を行った。酵母については、NCCLS(M
27−T、15刊10号)によって、MICを測定した。線状菌については、提
案した標準化手段を行った(J.Clin.Microb.、35巻、139−
143頁、1997年)。10CFU生物は、ピリチオン単独(40から0.
3μMまで)および硝酸ビスマスおよびピリチオンの組合せ(2:1比)(40
/20−0.6/0.3μM)の一連の二倍希釈を含むウエルに接種した。成長
対照ウエルは、薬剤不含であり、そして陰性対照は、RPMI中で生物不含であ
った。その後、MIC微量希釈平板は、35℃で、48時間(カンジダについて
)および72時間(クリプトコッカスおよび線状菌について)インキュベートし
た。MICは、成長対照(MIC−2)の80%阻害および任意の識別しうる成
長を防止する濃度(MIC−0)の結果を生じる最低濃度として規定された。ピ
リチオン単独、および硝酸ビスマスとの組合わせでの最小殺菌濃度(MFC)は
、各ウエルからサブロウ・デキストロース寒天に100μlサンプルを載せるこ
とによって測定した。MFCは、24時間インキュベーション後、最初の接種の
CFUの数で、90%減少を起す最低濃度として規定した。
【0148】 種々のカンジダ種に対するピリチオン対ビスマス:ピリチオンを比較する上で
、以下のことは、表9から解釈される。MIC−2およびMFC値の間になにも
際立った差異は見られなかったが、ピリチオンおよびビスマス:ピリチオンのM
IC−0は、酵母単離物の多くの間で際立って異なる。したがって、ビスマス:
ピリチオンは、MIC−0データによって、カンジダに対して、ピリチオン単独
より4倍またはそれ以上の阻害であった。
【表9】
【0149】 クリプトコッキの中で、一般に、ビスマスを、ピリチオンと組合わせたとき対
ピリチオン単独で活性で2−4倍も増加があった(表10)。
【表10】
【0150】 表11に示される結果は、アスペルギルス・フミガツス(Aspergill
us fumigatus)、エイ.フラブス(A.flavus)およびフサ
リウム・ソラニ(Fusarium solani)は、ピリチオン単独、およ
び硝酸ビスマスとの組合わせでの両方に耐性があった。
【表11】
【0151】実施例6:ブルクホルデリア・セパシア(Burkholderia cepa
cia)に対するビス−チオールの活性 ビスマスは、B.セパシアに対して試験させるために、強力なキレート化剤と
して様々のチオール化合物と組合わせた。試験した様々なチオールは、2−メル
カプト−3−ブタノール、p−クロロチオフェノール、3,4−ジメルカプトト
ルエン、ピリチオン、1,2−エタンジチオール、および2,3−ジメルカプト
ール−1−プロボノールであった。表12には、B.セパシアに対する異なるビ
スマス−チオールおよびクロラムフェニコール阻害活性の結果が概説される。
【表12】
【0152】 表12中のデータは、ビスマス−チオール化合物、特にビスマス:3,4−ジ
メルカプトトルエン、ビスマス:ピリチオンおよびビスマス:2−メルカプト−
3−ブタノールが、ブルクホルデリア・セパシアに対して阻害活性を示すことを
指示する。ビスマス:2−メルカプト−3−ブタノールは、クロラムフェニコー
ルを含めた全ての他のものより優れている。したがって、ビスマス:2−メルカ
プト−3−ブタノールは、嚢胞性繊維症の患者での肺感染の治療または予防での
選択の剤として考えられるべきであった。
【0153】 別の実験では、ビスマス:p−クロロチオフェノールも、B.セパシア(MI
C=7.2±0.3μM Bi3+)および大腸菌(MIC=13.3μM B
3+)に対して抗細菌活性を発現することが示された。
【0154】実施例7:K.ニューモニアエ(K.Pneumoniae)莢膜発現における
ビスマス:チオールの影響 K.ニューモニアエ中で莢膜の発現を予防するそれらの能力を試験するために
、ビスマスを、様々の比および様々の濃度でp−クロロチオフェノールおよび3
,4−ジメルカプトトルエン化合物と混合させた。図5に示される結果では、2
:1および1:2モル比でのビスマス:p−クロロチオフェノール、および2:
1モル比でのビスマス:3,4−ジメルカプトトルエンが、K.ニューモニアエ
中での莢膜の発現を予防することが示される。1:2モル比でのビスマス:p−
クロロチオフェノール、および2:1モル比でのビスマス:3,4−ジメルカプ
トトルエンが、ビスマス:ジメルカプトールに類似して、K.ニューモニアエ中
での莢膜の発現を予防する。
【0155】本発明の効力についての実験的証拠 様々の細菌を死滅させる効力。メチシリン耐性スタフィロコッカス・エピデルミ
ディス(Staphylococcus epidermidis)に対するビ
スマス:エタンジオールについてのMIC90は、1.63μM Bi3+であ
る。エス.エピデルミディス対照株(ATCC 12228)に対して、MIC
は、0.09μMであった。スタフィロコッカス・アウレウスATCC2592
3は、2.1μMで感受性があった。非常に耐性のある病原体を含めて実質的に
全ての細菌は、≦5.2μMでビスマス:エタンジチオールに感受性があった。
バンコマイシン耐性エンテロコッキおよびB群ストレプトコッキ(strept
ococci)は、15μMビスマス:エタンジチオールと同じくらい高いMI
Cを示しながら、わずかに多い耐性がある。 細菌成長の遅延。ビスマス:ジメルカプトール(50/75mM)で被覆された
ハイドロゲルカテーテルは、数週間、細菌成長を阻止した。被覆カテーテルを、
細菌を播種した新しい寒天に毎日、移殖した。カテーテルは、20日間、エッシ
ェリキア・コリの成長を阻止し、そして39日後、なお阻害性があった。したが
って、ビスマス−チオール中にハイドロゲル被覆樹脂を浸漬して、水性環境にゆ
っくりと放出する抗細菌被覆を提供した。コーティングは、様々の細菌に対して
3週間またはそれ以上続く。 抗バイオフィルムの剤としてのビスマス−チオールの効力 ビスマス−チオール(BT)は、医薬および工業の両方でバイオフィルム(バ
イオフィルム)と戦うために有用である。数種のビスマス:チオールが、今まで
のところ発見されてきており、各々は様々の品質および効力を有する。抗バイオ
フィルム作用でのビスマス−チオールについての利点は、 1)比較的低い濃度での効力。10μMでのビスマス−ジメルカプトールは、一
回に数週間、シュードモナス(Pseudomonas)、バシルス、アシドボ
ラックス(Acidovorax)、またはビブリオ・SPP(Vibrio
spp.)によるバイオフィルム形成を阻害する。クレブシエラ(Klebsi
ella)またはシュードモナスから生じた莢膜および粘膜発現は、ビスマス−
ジメルカプトール中に5μM Biで実質的に排除された。結果では、同じ目的
のためには5ppmの塩素が必要とされるのに対し、ほんの2ppm(10μM
)ビスマス−ジメルカプトールが、バイオフィルムを防止するために必要とされ
ることが示される。 2)バイオフィルム形成の防止。粘膜生成細菌(シュードモナス、アシドボラッ
クス、バシルス、ビブリオ・SPP.)によるバイオフィルムは、ビスマス:ジ
メルカプトール(1−10μM Bi3+)15日間かけて>90%まで防止さ
れた。ビスマス:ジメルカプトールは、25μM Bi3+で海洋性細菌ハイポ
モナス(Hyphomonas)から生じたバイオフィルムをも防止した。 3)莢膜および粘膜形成の阻害。クレブシエラ莢膜発現は、5μM Bi3+
、ビスマス:ジメルカプトールによって>90%まで防止された。シュードモナ
ス・アルギネート発現は、2.5μM Bi3+で、ビスマス:ジメルカプトー
ルによって>90%まで、そして4μM Bi3+で、ビスマス:エタンジチオ
ールによって80%まで防止された。 4)予備形成バイオフィルムに対する、プランクトン生物に対するのと同じ効力
。バイオフィルムは、通常、プランクトン生物より抗生物質死滅に50−500
倍耐性があるが、しかしビスマス:ジメルカプトールについては、MBCプラン
クトン性生物は、MBCバイオフィルムとほぼ同じである。カチオン性親油性剤
は、バイオフィルムの中心に浸透し、そして固着性生物を死滅させることができ
ると思われる。ビスマス:ジメルカプトールは、それらを溶菌または透過するこ
となしに細菌を死滅させ、したがってバイオフィルムで他の細菌をいっそう深く
に供給しないと思われる。
【0156】 したがって、本発明は、バイオフィルムの形成または成長を防止することが望
まれる領域に、その金属が、ビスマス、ヒ素およびアンチモンから構成される群
から選択されるものである金属:チオール複合体の形態でチオール化合物によっ
てキレート化された金属を含む有効量の組成物を塗布する段階を含むことを特徴
とする、バイオフィルムの形成または成長を防止する方法を提供する。
【0157】 本発明は、特定のその具体例に対する関係で記述されたが、多くの他の変異お
よび修飾および他の使用法は、当業者に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビスマス:ジメルカプロール(BisBAL)(本発明によるビスマス:ジチ
オール錯体)およびクロルヘキシジン(CHX)(消毒剤、消毒薬および保存剤
として有用な既知の代表的な薬剤)の夾膜および細菌粘液に対する効果の比較を
示すグラフである。
【図2】 ビスマス−チオールキレーターの静菌活性に対するビスマス対チオール化合物
のモル比の効果を示す。硝酸ビスマスを、種々のモル比のプロパンジチオール(
白丸)、ジメルカプロール(●)、ジチオスレイトール(■)、3−メルカプト
−2−ブタノール(△)、2−メルカプトエチルアミン(□)、および1−モノ
チオグリセロール(◆)と一緒にして、肉汁培地に加えた。大腸菌の感受性を4
:1から1:4のモル比で三連で測定した。静菌活性濃度を、増殖を24±2時
間の間阻害するキレーターと組み合わせたビスマスの濃度として定義した。結果
は、平均および標準偏差を得るために三連で行った試験を示す。
【図3】 ビスマス:ジメルカプロールの溶解性に対するモル比およびpHの効果を示す
。10%プロピレングリコールでの5mMのビスマス溶液を、pH3(■)また
はpH10(●)のいずれかで、様々なモル比のジメルカプロールと一緒にした
。生じた沈澱を沈降させ、凍結乾燥して、重量を測定した。溶解性(%)を、加
えた成分の総重量に対する沈澱物の重量によって求めた。結果は、平均および標
準偏差を得るために三連で行った試験を示す。
【図4】 ビスマス:ジメルカプロールの殺菌活性に対するpHの効果を示す。大腸菌を
中期対数期まで肉汁培養で増殖させ、生理食塩水で1回洗浄し、そして生理食塩
水に再懸濁し、そしてpH4(□)、pH5(■)、pH6(○)、pH7(●
)、pH8(◇)およびpH9(◆)の10mM緩衝液の存在下、100/50
μMのビスマス/ジメルカプロールで処理した。培養物を、1時間、3時間、5
時間および24時間でサンプリングした。時間に対する生存率の減少を、平均お
よび標準偏差を得るために、適切な稀釈物の標準的な寒天置床法によって三連で
求めた。
【図5】 モル比が2:1および1:2のビスマス:p−クロロチオフェノール(Bis
OCl)およびモル比が2:1のビスマス:3,4−ジメルカプトトルエン(B
is:TOL)の種々の濃度のK.pneumoniaeにおける夾膜の発現に
対する効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/04 A61P 31/04 31/10 31/10 31/12 31/12 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BC17 HA07 MA01 MA02 MA04 MA17 NA14 ZA66 ZA67 ZA89 ZB35 ZC75 4C206 AA01 AA02 JA52 JA55 MA01 MA02 MA04 NA14 ZA66 ZA67 ZA89 ZB35 ZC75 4H011 AA02 BA01 BA06 BB16 BB18 BC02 BC03 BC04 BC06 BC18 DA02 DA03 DA05 DA13

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチ
    オン錯化剤と、(ii)アンチモンまたはヒ素の第V族金属またはその化合物と
    を含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチオン錯化剤と(i
    i)アンチモンまたはヒ素の第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)
    前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つの硫黄原子が前記(B
    )(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)アンチモンまたはヒ素の第V族金
    属またはその化合物とからなる群から選択される少なくとも1種、および前記(
    B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗細菌製剤を含む抗細菌剤を、抑制を所望する領域に
    供給する段階を含む、細菌増殖の抑制方法。
  2. 【請求項2】 前記抗細菌製剤において、前記チオール含有錯化剤に対する
    前記第V族金属のモル比が1:2と3:1の間である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記抗細菌製剤において、前記チオール含有錯化剤に対する
    前記第V族金属のモル比が1:1と3:1の間である、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記抗細菌製剤において、前記チオール含有錯化剤に対する
    第V族金属のモル比が2:1と3:1の間である、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記各(A)、(B)および(C)のチオール含有錯化剤が
    、その分子構造に、少なくとも2個のスルフヒドリル基を有する、請求項1に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記各(A)、(B)および(C)の第V族金属がアンチモ
    ンである、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記各(A)、(B)および(C)の第V族金属がヒ素であ
    る、請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記各(A)、(B)および(C)の第V族金属がヒ素であ
    り、前記各(A)、(B)および(C)のチオール含有錯化剤が、その分子構造
    に少なくとも2個のスルフヒドリル基を有する、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 一方のスルフヒドリル基が第一炭素原子に結合し、他方のス
    ルフヒドリル基が第二炭素原子に結合し、前記第一炭素原子は0〜3個の介在原
    子により前記第二炭素原子から離間する、請求項5に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記第一炭素原子は0〜1個の介在原子により第二炭素原
    子から離間する、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記第V族金属:チオール含有錯化剤の5:10mM溶液
    が、410nmの波長において少なくとも1.5の吸光度を有する、請求項1に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記第V族金属:チオール含有錯化剤の5:10mM溶液
    が、410nmの波長において少なくとも10の吸光度を有する、請求項11に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 25℃において等容量の水とブタノール、ならびに、前記
    錯化剤に対する前記第V族金属の5:10mM溶液をそれぞれ使用して分配した
    場合に、少なくとも1%の前記錯体が水からブタノールに分配される、請求項1
    に記載の方法。
  14. 【請求項14】 25℃において等容量の水とブタノール、ならびに、前記
    錯化剤に対する前記第V族金属の5:10mM溶液をそれぞれ使用して分配した
    場合に、少なくとも10%の前記錯体が水からブタノールに分配される、請求項
    1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 25℃において等容量の水とブタノール、ならびに、前記
    錯化剤に対する前記第V族金属の5:10mM溶液をそれぞれ使用して分配した
    場合に、少なくとも10%の前記錯体が水からブタノールに分配される、請求項
    11に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記各(A)、(B)および(C)のチオール含有錯化剤
    が、3,4−ジメルカプトトルエン、トリチオシアヌル酸、2,5−ジメルカプ
    ト−1,3,4−チアジアゾール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、
    2−メルカプト−3−ブタノール、β−メルカプトエタノール、2−メルカプト
    エチルアミン、および1−モノチオグリセロール、エタンジチオール、2,3−
    ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,4−ジメルカプト−2,3
    −ブタンジオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール
    、およびp−クロロチオフェノールからなる群から選択される、請求項1に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 前記チオール含有錯化剤が1,3−プロパンジチオールで
    あり、前記第V族金属がビスマスであり、前記抗細菌剤が5.0未満までのpH
    の溶液中に存在する、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記チオール含有錯化剤が1,3−プロパンジチオールで
    あり、前記第V族金属がヒ素であり、前記抗細菌剤が3.0以下のpHの溶液中
    に存在する、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記細菌がマイコバクテリアである、請求項1に記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 細菌増殖の抑制を所望する前記領域に抗真菌剤を加えるこ
    とをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリ
    チオン錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択
    される第V族金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチオン錯化剤と(i
    i)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属また
    はその化合物とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少
    なくとも1つの硫黄原子が前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む
    分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素
    からなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗細菌製剤を含む有効量の抗細菌剤を、治療または抑
    制の必要な患者に投与する段階を含む、結核罹患の治療方法または抑制方法。
  22. 【請求項22】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリ
    チオン錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択
    される第V族金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチオン錯化剤と(i
    i)ビスマス、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択される第V族金属また
    はその化合物とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少
    なくとも1つの硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含
    む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素
    からなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗細菌製剤を含む抗細菌剤を、治療または抑制の必要
    な患者に投与する段階を含む、消化性潰瘍疾病またはヘリコバクター・ピロリ感
    染罹患の治療方法または抑制方法。
  23. 【請求項23】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリ
    チオン錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択
    される第V族金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリチオン錯化剤と(i
    i)ビスマス、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択される第V族金属また
    はその化合物とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少
    なくとも1つの硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含
    む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗細菌製剤を含む有効量の抗細菌剤を、治療または抑
    制の必要な患者に投与する段階を含む、ヘルペス罹患の治療方法または抑制方法
  24. 【請求項24】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤
    と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族
    金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤と(ii)ビスマス
    、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択される第V族金属またはその化合物
    とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つ
    の硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造を
    有する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素
    からなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤に、バイオフィルムを
    接触させる段階を含む、バイオフィルムの減少方法。
  25. 【請求項25】 前記バイオフィルムが細菌を含む、請求項24に記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 前記少なくとも1つの錯化剤が、その分子構造に酸素を欠
    失する、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤
    と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族
    金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤と(ii)ビスマス
    、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択される第V族金属またはその化合物
    とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つ
    の硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合す配位結合を含む分子構造を有
    する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素
    からなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される製剤を含むバイオフィルム抑制剤に細菌を接触させる
    段階を含む、前記細菌のバイオフィルムへの転換を防止する方法。
  28. 【請求項28】 前記バイオフィルムが細菌を含む、請求項27に記載の方
    法。
  29. 【請求項29】 致死下量の前記抗微生物剤に前記細菌を接触させる、請求
    項27に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記少なくとも1つの錯化剤が、その分子構造に酸素を欠
    失する、請求項27に記載の方法。
  31. 【請求項31】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤
    と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族
    金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤と(ii)ビスマス
    、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択される第V族金属またはその化合物
    とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つ
    の硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造を
    有する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素
    からなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤に、減少を所望する細
    菌を接触させる段階を含む、エキソポリサッカライドの細菌分泌を減少させる方
    法。
  32. 【請求項32】 前記少なくとも1つの錯化剤が、その分子構造に酸素を欠
    失する、請求項31に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記少なくとも1つの錯化剤が、その分子構造に酸素を欠
    失する、請求項31に記載の方法。
  34. 【請求項34】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤
    と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族
    金属またはその化合物とを含む混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤と(ii)ビスマス
    、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択されるV族金属またはその化合物と
    を含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つの
    硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造を有
    する錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素
    からなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む有効量の抗微生物剤を、損傷を防
    止することが所望される生成物上に加える段階を含む、損傷を防止する方法。
  35. 【請求項35】 (A)(i)少なくとも1つのチオール基を有する非ピリ
    チオン錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素からなる群から選択
    される第V族金属またはその化合物との混合物; (B)(i)少なくとも1つのチオール基を有する錯化剤と(ii)ビスマス
    、ヒ素およびアンチモンからなる群から選択される第V族金属またはその化合物
    とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つ
    の硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造を
    有する非ピリチオン錯体;ならびに、 (C)(i)チオール含有錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ; からなる群から選択される抗ウイルス製剤を含む医薬組成物の有効量を、これを
    必要とする患者に投与する段階を含む、ヘルペスウイルス感染の防止方法または
    阻止方法。
  36. 【請求項36】 (A)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、アンチモ
    ンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との混合物
    ; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)前記
    (B)(i)の前記ピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結
    合する少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素から
    なる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択される
    少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合わせ; からなる群から選択される製剤を含むバイオフィルム防止剤の致死下量に細菌を
    接触させる段階を含む、前記細菌を根絶することなく前記細菌のバイオフィルム
    への転換を抑制する方法。
  37. 【請求項37】 前記バイオフィルムが細菌を含む、請求項36に記載の方
    法。
  38. 【請求項38】 前記細菌のバイオフィルムへの転換の抑制を所望する領域
    に、抗真菌剤を加えることをさらに含む請求項36に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記金属がビスマスである、請求項36に記載の方法。
  40. 【請求項40】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)前記
    (B)(i)の前記ピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)のV族金属に結合
    する少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤に、バイオフィルムを
    接触させる段階を含む、バイオフィルムを減少させる方法。
  41. 【請求項41】 前記バイオフィルムが細菌を含む、請求項40に記載の方
    法。
  42. 【請求項42】 前記金属がビスマスである、請求項40に記載の方法。
  43. 【請求項43】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(ii)前記(
    B)(i)のピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結合する
    少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤の治療有効量に、治療
    または抑制の必要な患者の口腔を接触させることを含む、鵞口瘡罹患の治療方法
    または抑制方法。
  44. 【請求項44】 前記金属がビスマスである、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物を含み、(iii)前記(
    B)(i)の前記ピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結合
    する少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ: からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤の治療有効量を、治療
    または抑制の必要な患者に投与することを含む、乾癬罹患の治療方法または抑制
    方法。
  46. 【請求項46】 前記金属がビスマスである、請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)前記
    (B)(i)の前記ピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結
    合する少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤の治療有効量を、治療
    または抑制の必要な患者に投与することを含む、真菌感染罹患の治療方法または
    抑制方法。
  48. 【請求項48】 前記金属がビスマスである、請求項47に記載の方法。
  49. 【請求項49】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)前記
    (B)(i)の前記ピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結
    合する少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤の治療有効量を、治療
    または抑制の必要な患者に投与することを含む、酵母感染罹患の治療方法または
    抑制方法。
  50. 【請求項50】 前記金属がビスマスである、請求項49記載の方法。
  51. 【請求項51】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)前記
    (B)(i)のピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結合す
    る少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素から
    なる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択される
    少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤の治療有効量を、治療
    または抑制の必要な患者に投与することを含む、カンジダ感染罹患の治療方法ま
    たは抑制方法。
  52. 【請求項52】 前記金属がビスマスである、請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 (A)(i)ピリチオン錯化剤と、(ii)ビスマス、ア
    ンチモンおよびヒ素からなる群から選択される第V族金属またはその化合物との
    混合物; (B)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とを含み、(iii)前記
    (B)(i)のピリチオン錯化剤が、前記(B)(ii)の第V族金属に結合す
    る少なくとも1つの配位結合を含む分子構造を有する錯体;ならびに、 (C)(i)ピリチオン錯化剤と(ii)ビスマス、アンチモンおよびヒ素か
    らなる群から選択される第V族金属またはその化合物とからなる群から選択され
    る少なくとも1種、および前記(B)の錯体の組合せ: からなる群から選択した抗微生物製剤を含む抗微生物剤の治療有効量を、治療ま
    たは抑制の必要な患者に投与することを含む、クリプトコックス感染罹患の治療
    方法または抑制方法。
  54. 【請求項54】 前記金属がビスマスである、請求項53記載の方法。
  55. 【請求項55】 抗微生物剤は、 (A)(i)その分子構造に、少なくとも1つのチオール基を有し全く酸素を
    有さない錯化剤と、(ii)アンチモンまたはヒ素の第V族金属とを含む混合物
    ; (B)(i)その分子構造に、少なくとも1つのチオール基を有し全く酸素を
    有さない錯化剤と(ii)ヒ素またはアンチモンの第V族金属またはその化合物
    とを含み、(iii)前記(B)(i)のチオール含有錯化剤の少なくとも1つ
    の硫黄原子が、前記(B)(ii)の金属に結合する配位結合を含む分子構造を
    有する錯体;ならびに、 (C)(i)その分子構造に全く酸素を含まないチオール含有錯化剤と(ii
    )アンチモンまたはヒ素の第V族金属またはその化合物とからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種、および前記(B)の錯体を含む組合せ; からなる群から選択される抗微生物製剤を含む抗微生物剤であって、 当該抗微生物剤は以下の特徴: (1)粉末形状であること; (2)当該抗微生物製剤は溶液中に存在し、該溶液のpHは7.0以下であるこ
    と; (3)当該抗微生物製剤はアルコール含有溶液中に存在すること; (4)25℃において等容量の水とブタノール、ならびに、前記錯化剤に対する
    前記金属の5:10mM溶液をそれぞれ使用して分配した場合に、少なくとも1
    %の前記錯体が水からブタノールに分配されること、 (5)前記第V族金属の5mM溶液と前記チオール含有錯化剤の10mM溶液は
    、410nmの波長において少なくとも1.5の吸光度を有すること、 の少なくとも1つを有する抗微生物剤。
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