JP2001526022A - 新規なペクチン酸リアーゼ - Google Patents

新規なペクチン酸リアーゼ

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JP2001526022A JP2000522226A JP2000522226A JP2001526022A JP 2001526022 A JP2001526022 A JP 2001526022A JP 2000522226 A JP2000522226 A JP 2000522226A JP 2000522226 A JP2000522226 A JP 2000522226A JP 2001526022 A JP2001526022 A JP 2001526022A
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Abstract

(57)【要約】 多糖リアーゼのファミリーに属するAsn Leu Asn Ser Arg Val Pro (NLNSRVP)からなるペクチン酸リアーゼの新規なグループは、工業的プロセスにおいて、中性またはアルカリ性条件、例えば、洗濯および繊維材料のプロセシングの条件下に、すぐれた性能を有する。ペクチン酸リアーゼはバシラス(Bacillus)種から誘導することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、微生物のペクチン酸リアーゼ(pectate lyases)、さらに詳しくは
、中性およびアルカリ性のpH範囲において、それらの主要な酵素活性としてペク
チン酸リアーゼ活性を示す微生物の酵素、並びに繊維材料、洗剤およびセルロー
ス繊維のプロセシング工業において、このような酵素を使用する方法に関する。
【0002】 発明の背景 ペクチンポリマーは植物細胞壁の重要な構成成分である。ペクチンは、交互す
るホモガラクツロナン(平滑領域)とランダムガラクツロナン(毛状領域)とか
ら構成された主鎖を有する、ヘテロ多糖である。平滑領域は1,4-結合したアルフ
ァ-D- ガラクツロン酸の線状ポリマーである。ガラクツロン酸残基は、通常非ラ
ンダム方式で、変化する程度にカルボキシル基上でメチルエステル化されること
ができ、ポリガラクツロン酸のブロックが完全にメチルエステル化されている。
【0003】 ペクチナーゼは、それらの優先的基質、高度にメチルエステル化されたペクチ
ンまたは低度にメチルエステル化されたペクチンおよびポリガラクツロン酸(ペ
クテート)、およびそれらの反応メカニズムであるベータ−排除または加水分解
、に従って分類することができる。ペクチナーゼは主としてエンド−作用性であ
り、鎖内のランダム部位においてポリマーを切断してオリゴマーの混合物を形成
することができるか、あるいはそれらはエキソ−作用性であり、ポリマーの1端
から攻撃し、モノマーまたは二量体を生成する。ペクチンの平滑領域に作用する
、いくつかのペクチナーゼ活性、例えば、ペクテートリアーゼ(EC 4,2,2,2)、ペ
クチンリアーゼ(EC 4,2,2,10) 、ポリガラクツロナーゼ(EC 3.2.1.15) 、エキソ
−ポリガラクツロネートリアーゼ(EC 4.2.2.9)およびエキソ−アルファ−ガラク
ツロノシダーゼ(EC 3.2.1.82) は、酵素の命名法(1992)により提供される酵素
の分類の中に含められる。
【0004】 ペクチン酸リアーゼは、異なる細菌属、例えば、エルウィニア(Erwinia) 、シ
ュードモナス(Pseudomonas) 、クレブシエラ(Klebsiella)およびザントモナス(X
anthomonas) からクローニングされてきている。また、バシラス・サチリス(Bac
illus subtilis)(Nasser et al.(1993)FEBS 335:319-326)およびバシラス(Baci
llus)種YA-14(Kim et al.(1994)Biosci.Biotechnol.Biochem.58:947-949) から
のペクチン酸リアーゼのクローニングが記載された。
【0005】 バシラス・プミラス(Bacillus pumilus)(Dave およびVaughn(1971)J.Bacterio
l.108:166-174)、バシラス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa )(NagelおよびVa
ughn(1961)Arch.Biochem.Biophys.93:344-352)、バシラス・ステアロサーモフィ
ラス(Bacillus stearothermophilus)(KarbassiおよびVaughn(1980)Can J.Microb
iol.26:377-384) 、バシラス(Bacillus)種(Hasegawa およびNagel(1966)J.Foo
d Sci.31:838-845) およびバシラス(Bacillus)種PK9(Kelly およびFogarty(19
78)Can J.Microbiol.24:1164-1172)により産生される、8−10のpH範囲の最大活
性を有するペクチン酸リアーゼの精製が報告されたが、これらの生物からの遺伝
子をコードするペクチン酸リアーゼのクローニングについての刊行物は見出され
なかった。
【0006】 記載されたすべてのペクチン酸リアーゼは最大の活性のために2 価のカチオン
を必要とし、カルシウムイオンは最も刺激性が強い。 WO98/45393号明細書には、泥の汚れに対して顕著な洗浄性を有するプロトペ
プチナーゼを含有する洗浄組成物が開示されている。 一般に、ペクチナーゼ産生微生物は、広い範囲のペクチン分解または変性酵素
を示す。しばしば、微生物はまたセルラーゼおよび/またはヘミセルラーゼを産
生し、そしてこのような微生物からの複雑な多成分酵素調製物は種々の用途のた
めに最適化することが困難であることがあり、有害作用を有する酵素を含有する
ことさえある。こうして、本発明の目的は、例えば、洗剤または異なる工業的方
法において、所望の作用のみを示すペクチン分解酵素を提供することである。
【0007】 発明の要約 本発明者らは、種々の工業的プロセスにおいて中性またはアルカリ性条件下に
きわめてすぐれた性能を示す、実質的にペクチン酸リアーゼ活性を有する、いく
つかの新規な酵素を今回発見し、同定し、そしてこのような酵素をコードするDN
A 配列を同定することに成功した。これらの酵素は、同一の部分的アミノ酸配列
を有する、少なくとも2つの保存された領域をもつペクチン酸リアーゼの新規な
クラスを形成する。
【0008】 したがって、第1 の面において、本発明は、次の配列:Asn Leu Asn Ser Arg
Val Pro (NLNSRVP )を有する7 個のアミノ酸残基から成る第1アミノ酸配列を
含んでなるペクチン酸リアーゼに関する。それ以上の態様において、ペクチン酸
リアーゼは次の配列:Trp Val Asp His Asn Glu (WVDHNE)およびTrp Ile Asp
His Asn Glu (WIDHNE)から成る群より選択される6個のアミノ酸残基から成る
第2アミノ酸配列をさらに保持することができ、そしてさらにペクチン酸リアー
ゼは必要に応じてまた次の配列:Ser Trp Asn (SWN )を有する3個のアミノ酸
残基から成る第3アミノ酸配列を保持することができる。
【0009】 本発明の5つのペクチン酸リアーゼのDNA 配列は、それぞれ、配列番号:1、
3、5、7および9に列挙される配列であり、そして推定されたアミノ酸配列は
、それぞれ、配列番号:2、4、6、8および10に列挙される配列である。新規
な酵素は酵素の命名法に従い酵素のクラスEC 4.2.2.2の中に分類されると考えら
れる。しかしながら、本発明は、また、従来EC 4.2.2.2に属する酵素に帰属され
るペクテートおよびポリガラクトウロニドに対する活性の外にペクチン(これは
エステル化されていてもよい)に対して触媒活性を示す。
【0010】 第2の面において、本発明は、 i)バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)NCIMB 40482 もしく
はDSM 8721により産生されるポリペプチド; ii) 配列番号:2の位置27−359 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド
; iii)前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)もしくはii) において
定義されたポリペプチドのアナローグ; iv)1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプチド
から誘導され、ただし位置240 におけるアルギニン、および必要に応じてさらに
、位置245 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが前記
ポリペプチドに対して少なくとも42%相同性であるかポリペプチド;あるいは v)精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗体
と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼに関する。
【0011】 1つの面において、本発明は、 (a) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:1に示すヌクレオチド79〜ヌ
クレオチド1077のヌクレオチド配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド分子; (b) 上記(a) の種の相同体; (c) 配列番号:2のアミノ酸残基27〜アミノ酸残基359 のアミノ酸配列に対して
少なくとも45%同一であるペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチド分子; (d) 上記(a) 、(b) もしくは(c) に対して相補的な分子;および (e) 上記(a) 、(b) 、(c) もしくは(d) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0012】 本発明のペクチン酸リアーゼをコードするポリヌクレオチド分子(DNA 配列)
を含んでなるプラスミドpSJ1678 は、大腸菌(Escherichia coli)の株の中に形質
転換された。この菌株は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認
についてのブダベスト条約の規定に従い、DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorg
anismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig,
Fedral Republic of Germany)に受託番号DSM 11788 で1997年9月25日に、本発
明者らにより寄託された。
【0013】 第3の面において、本発明は、 i)バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)ATCC 14580により産
生されるポリペプチド; ii) 配列番号:4の位置28−341 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド
; iii)前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)もしくはii) において
定義されたポリペプチドのアナローグ; iv)1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプチド
から誘導され、ただし位置233 におけるアルギニン、および必要に応じてさらに
、位置238 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが前記
ポリペプチドに対して少なくとも42%相同性であるポリペプチドか;あるいは v)精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗体
と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼに関する。
【0014】 1つの面において、本発明は、 (a) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:3に示すヌクレオチド82〜ヌ
クレオチド1026のヌクレオチド配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド分子; (b) 上記(a) の種の相同体; (c) 配列番号:4のアミノ酸残基28〜アミノ酸残基341 のアミノ酸配列に対して
少なくとも45%同一であるペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチド分子; (d) 上記(a) 、(b) もしくは(c) に対して相補的な分子;および (e) 上記(a) 、(b) 、(c) もしくは(d) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0015】 本発明のペクチン酸リアーゼをコードするポリヌクレオチド分子(DNA 配列)
を含んでなるプラスミドpSJ1678 は、大腸菌(Escherichia coli)の株の中に形質
転換された。この菌株は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認
についてのブダベスト条約の規定に従い、DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorg
anismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig,
Fedral Republic of Germany)に受託番号DSM 11789 で1997年9月25日に、本発
明者らにより寄託された。
【0016】 第4の面において、本発明は、 i)配列番号:14 の16S rDNA配列を有するバシラス(Bacillus)種により産生さ
れるか、または配列番号:14 に対して97.3%より高い16S rDNA配列の相同性を有
するバシラス(Bacillus)属の種により産生されるポリペプチド; ii) 配列番号:6の位置181 −509 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
ド; iii)前記ポリペプチドと少なくとも50%相同性であるi)もしくはii) において
定義されたポリペプチドのアナローグ; iv)1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプチド
から誘導され、ただし位置390 におけるアルギニン、および必要に応じてさらに
、位置395 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが前記
ポリペプチドに対して少なくとも44%相同性であるポリペプチド;あるいは v)精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗体
と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼに関する。
【0017】 1つの面において、本発明は、 (a) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:5に示すヌクレオチド541 〜
ヌクレオチド1530のヌクレオチド配列を含んでなるポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチド分子; (b) 上記(a) の種の相同体; (c) アミノ酸残基181 〜アミノ酸残基509 の配列番号:6のアミノ酸配列に対し
て少なくとも50%同一であるペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチド分子; (d) 上記(a) 、(b) もしくは(c) に対して相補的な分子;および (e) 上記(a) 、(b) 、(c) もしくは(d) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0018】 本発明のペクチン酸リアーゼをコードするポリヌクレオチド分子(DNA 配列)
を含んでなるプラスミドpSJ1678 は、大腸菌(Escherichia coli)の株の中に形質
転換された。この菌株は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認
についてのブダベスト条約の規定に従い、DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorg
anismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig,
Fedral Republic of Germany)に受託番号DSM 12403 で1998年9 月8 日に、本発
明者らにより寄託された。
【0019】 第5の面において、本発明は、 i)バシラス・ハロヅランス(Bacillus haloduranns)種、好ましくはバシラス
(Bacillus)スペーシス、KJ59、DSM 12419 の株により産生されるポリペプチド
; ii) 配列番号:8の位置42−348 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチド
; iii)前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)またはii) において定
義されたポリペプチドのアナローグ; iv)1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプチド
から誘導され、ただし位置240 におけるアルギニン、および必要に応じてさらに
、位置245 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが前記
ポリペプチドに対して少なくとも40%相同性であるポリペプチド;あるいは v)精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗体
と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼに関する。
【0020】 バシラス(Bacillus)種 KJ59 は、既知のバシラス・ハロヅランス(Bacillus
haloduranns)種に属するか、あるいはそれに少なくとも非常に密接に関係し、
特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認についてのブダベスト条約
の規定に従い、DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen
GmbH, Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, Fedral Republic of Germ
any)に受託番号DSM 12419 として1997年9月21日に、本発明者らにより寄託され
た。
【0021】 1つの面において、本発明は、 (a) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:7に示すヌクレオチド124 〜
ヌクレオチド1047のヌクレオチド配列を含んでなるポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチド分子; (b) 上記(a) の種の相同体; (c) 配列番号:8のアミノ酸残基42〜アミノ酸残基348 のアミノ酸配列に対して
少なくとも45%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子; (d) 上記(a) 、(b) または(c) に対して相補的な分子;および (e) 上記(a) 、(b) 、(c) または(d) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0022】 第6の面において、本発明は、 i)配列番号:13 の16S rDNA配列を有するバシラス(Bacillus)種により産生さ
れるか、または配列番号:13 に対して98.1%より高い16S rDNA配列の相同性を有
するバシラス(Bacillus)属の種により産生されるポリペプチド; ii) 配列番号:10 の位置25−335 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
ド; iii)前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)またはii) において定
義されたポリペプチドのアナローグ; iv)1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプチド
から誘導され、ただし位置227 におけるアルギニン、および必要に応じてさらに
、位置232 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが前記
ポリペプチドに対して少なくとも41%相同性であるポリペプチド;あるいは v)精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗体
と免疫学的に反応性であるポリペプチド; である、ペクチン酸リアーゼに関する。
【0023】 1つの面において、本発明は、 (a) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:9に示すヌクレオチド73〜ヌ
クレオチド1008のヌクレオチド配列を含んでなるポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチド分子; (b) 上記(a) の種の相同体; (c) 配列番号:10 のアミノ酸残基25〜アミノ酸残基335 のアミノ酸配列に対し
て少なくとも45%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子; (d) 上記(a) 、(b) または(c) に対して相補的な分子;および (e) 上記(a) 、(b) 、(c) または(d) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。
【0024】 本発明のペクチン酸リアーゼをコードするポリヌクレオチド分子(DNA 配列)
を含んでなるプラスミドpSJ1678 は、大腸菌(Escherichia coli)の株の中に形質
転換された。この菌株は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の国際的承認
についてのブダベスト条約の規定に従い、DSM(Deutsche Sammlung von Mikroorg
anismen und Zellkulturen GmbH, Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig,
Fedral Republic of Germany)に受託番号DSM 12404 として1998年9月8日に、
本発明者らにより寄託された。
【0025】 本発明の他の面において、下記の作用可能に連鎖された因子: 転写プロモーター; a) 配列番号:1に示すヌクレオチド79〜ヌクレオチド1077のヌクレオチド配列
、配列番号:3に示すヌクレオチド82〜ヌクレオチド1026のヌクレオチド配列、配
列番号:5に示すヌクレオチド541 〜ヌクレオチド1530のヌクレオチド配列、配列
番号:7に示すヌクレオチド124 〜ヌクレオチド1047のヌクレオチド配列または配
列番号:9に示すヌクレオチド73〜ヌクレオチド1008のヌクレオチド配列を含んで
なる、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チド分子;b) 配列番号:2のアミノ酸残基27〜アミノ酸残基359 、配列番号:4の
アミノ酸残基28〜アミノ酸残基341 、配列番号:6のアミノ酸残基181 〜アミノ酸
残基509 、配列番号:8のアミノ酸残基42〜アミノ酸残基348 または配列番号:10
のアミノ酸残基25〜アミノ酸残基335 のアミノ酸配列に対して少なくとも50%同
一であるペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド分子;あるいはc)上記 (a)または(b) の縮重ヌクレオチド配列;並びに 転写ターミネーター; を含んでなる発現ベクターが提供される。
【0026】 本発明のなお他の面において、上に開示された発現ベクターが導入されており
、DNA セグメントによりコードされるポリペプチドを発現する、培養した細胞が
提供される。 本発明のそれ以上の面は、 a)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:2に示す残基27〜残基359 のア
ミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; b)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:2のアミノ酸残基27〜アミノ酸
残基359 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; c)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:4に示す残基28〜残基241 のア
ミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; d)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:4のアミノ酸残基28〜アミノ酸
残基341 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; e)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:6に示す残基181 〜残基509 の
アミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; f)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:6のアミノ酸残基181 〜アミノ
酸残基509 のアミノ酸に少なくとも50%同一であるポリペプチド分子; g)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:8に示す残基42〜残基348 のア
ミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; h)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:8のアミノ酸残基42〜アミノ酸
残基348 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; i)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:10 に示す残基25〜残基335 の
アミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; k)ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:10 のアミノ酸残基25〜アミノ
酸残基335 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子;並びに l)上記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)、i)およびk)の種相同体; から成る群より選択される単離されたポリペプチドを提供する。
【0027】 本発明の他の面において、本発明による精製されたペクチン酸リアーゼおよび
酵素活性を有する他のポリペプチドとの組合わせからなる組成物が提供される。 本発明の他の面において、上に開示された発現ベクターが導入された細胞を培
養し、これにより前記細胞はDNA セグメントによりコードされるポリペプチドを
発現し、そしてポリペプチドを回収する、ことからなる、本発明によるペクチン
酸リアーゼを製造する方法が提供される。
【0028】 本発明の新規なペクチン酸リアーゼ酵素は、セルロース材料、特にセルロース
を含有する繊維、糸、織布または不織布の処理、機械的製紙用パルプまたは再循
環廃棄物紙の処理、および繊維の加湿柔軟化のために有用である。処理はセルロ
ース材料を被服の製作または布帛の製作に利用される材料にプロセシングする間
に、例えば、糊抜きまたは精練工程において、あるいはこのような布帛または被
服の工業的または家庭における洗濯の間に実施することができる。 したがって、それ以上の面において、本発明は、実質的にペクチン酸リアーゼ
活性を有する酵素を含んでなる洗浄組成物;およびセルロースを含有する繊維、
糸、織布または不織布を処理するための本発明の酵素の使用を提供する。
【0029】 本発明のペクチン酸リアーゼは、セルロース材料の製造における酵素精練にお
いて、例えば、引き続く染色操作における応答を適切するために、使用するとき
特に有効である。さらに、新規なペクチン酸リアーゼからなる洗浄組成物は洗濯
物上に存在する、ある種の汚染または汚れ、特にガラクタンまたはアラビノガラ
クタンを含有する食物、植物、およびその他から生ずる汚れおよびスポットを除
去または漂白することができることが考えられる。また、新規な酵素からなる洗
浄組成物を使用する処理は、ある種の汚れがセルロース材料に結合するのを防止
できることが考えられる。本発明の酵素は、また、クリーニングを必要とする硬
質表面からある種の汚染または汚れを除去する効果または除去を促進する効果を
有する,硬質表面のクリーニング組成物における成分として有用である。
【0030】 定義 本発明をさらに詳細に説明する前に、下記の用語をまず定義する。 用語「オーソログ」(ortholog)(または「種の相同体」(species homolog
))は、異なる種からの類似のポリペプチドまたはタンパク質に対する相同性を
有する1つの種から得られたポリペプチドまたはタンパク質を意味する。 用語「パラログ」(paralog )は、同一種からの別個のポリペプチドまたはタ
ンパク質に対する相同性を有する、所定の種から得られたポリペプチドまたはタ
ンパク質を意味する。
【0031】 用語「発現ベクター」は、注目のポリペプチドの転写を提供する追加のセグメ
ントに作用可能に連鎖された、注目のポリペプチドをコードするセグメントを含
んでなる、線状または環状のDNA 分子を意味する。このような追加のセグメント
は、プロモーターおよびターミネーターの配列を含むことができ、そして必要に
応じて1またはそれ以上の複製領域、1またはそれ以上の選択可能なマーカー、
エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、およびその他を含むことができる。発
現ベクターは一般にプラスミドまたはウイルスDNA から誘導されるか、あるいは
双方の因子を含有することができる。
【0032】 本発明の発現ベクターは、組換えDNA 手法に好都合に付される発現ベクターで
あることができ、そしてベクターの選択はベクターを導入すべき宿主細胞に依存
するであろう。こうして、ベクターは自律的に複製するベクター、すなわち、染
色体実在物として存在するベクター、であることができ、その複製は染色体の複
製に対して独立であり、例えば、プラスミドである。あるいは、ベクターは、宿
主細胞の中に導入されるとき、宿主細胞の中に組込まれ、それが組込られた1ま
たはそれ以上の染色体と一緒に複製するベクターであることができる。
【0033】 ポリペプチドまたはタンパク質の発現と組み合わせて本発明において使用され
る、用語「発現された組換え体」または「組換え的に発現された」は、この分野
における定義に従い定義される。タンパク質の組換え的発現は、一般に、直ぐ上
に記載した発現ベクターを使用することによって実施される。
【0034】 用語「単離された」は、ポリヌクレオチド分子に適用するとき、ポリヌクレオ
チドがその天然の遺伝的環境から除去され、こうして他の外来のまたは望ましく
ないコーディング配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質の産生系に
おいて使用するために適当な形態にあることを意味する。このような単離された
分子は、それらの天然の環境から分離された分子であり、そしてcDNAおよびゲノ
ムクローンを包含する。本発明の単離されたDNA 分子は、それらが本来関連する
他の遺伝子を含まないが、天然に存在する5'および3'非翻訳領域、例えば、プロ
モーターおよびターミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は当業
者にとって明らかであろう(例えば、Dynan およびTijan 、Nature 316:774-78
、1985参照)。
【0035】 タンパク質/ポリペプチドに適用するとき、用語「単離された」はタンパク質
がその天然の環境以外の条件下に見出されることを意味する。好ましい形態にお
いて、単離されたタンパク質は他のタンパク質、特に他の相同的タンパク質( す
なわち、「同種性不純物」(homologous impurities ) (下文参照))を実質的に
含まない。40%より高い、より好ましくは60%より高い純度の形態でタンパク質
を提供することが好ましい。 なおより好ましくは、SDS-PAGEにより測定して、高度に精製された形態、すな
わち、80%より高い、より好ましくは95%より高い、なおより好ましくは99%よ
り高い純度の形態でタンパク質を提供することが好ましい。
【0036】 用語「単離されたタンパク質/ポリペプチド」は互換的に「精製されたタンパ
ク質/ポリペプチド」と呼ぶことができる。 用語「同種性不純物」(homologous impurities )は、本発明のポリペプチド
が本来得られた同種細胞(homologous cell )に由来する不純物(例えば、本発
明のポリペプチド以外の、任意の不純物を意味する。 用語「から得られた」は、特定の微生物源と組み合わせて本明細書において使
用するとき、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドが特定の源により産
生される、あるいは前記源からの遺伝子が挿入された細胞により産生されたこと
を意味する。
【0037】 用語「に対して内因性」は、特定の微生物源と組み合わせて本明細書において
使用するとき、天然の遺伝子、すなわち、前記源の細胞の中に組換え的に挿入さ
れなかったが、天然に存在する遺伝子、の源の中に存在するために、ポリペプチ
ドが特定の源により産生されることを意味する。 用語「作用可能に連鎖された」は、DNA セグメントについて言及するとき、セ
グメントがそれらの意図する目的に協力して機能するように、例えば、転写がプ
ロモーター中で開始し、コーディングセグメントを通してターミネーターまで進
行するように、セグメントが配置されていることを意味する。
【0038】 用語「ポリヌクレオチド」は、5'から3'末端に読んでデオキシリボヌクレオチ
ドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖のポリマーを意味する。ポ
リヌクレオチドはRNA およびDNA を包含し、そして天然源から単離し、in vitro
で合成するか、あるいは天然および合成の分子の組合わせから製造することがで
きる。
【0039】 用語「ポリヌクレオチド分子の相補体」は、参照配列に比較して相補的塩基配
列および逆方向を有するポリヌクレオチド分子を意味する。例えば、配列5' ATG
CACGGG 3' は5' CCCGTGCAT 3' に対して相補的である。 用語「縮重ヌクレオチド配列」は、1またはそれ以上の縮重コドンを含むヌク
レオチド配列を意味する(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子
に比較して)。縮重コドンはヌクレオチドの異なるトリプレットを含有するが、
同一アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU およびGAC の各々はAspをコ
ードする)。
【0040】 用語「プロモーター」は、RNA ポリメラーゼの結合および転写の開始を提供す
るDNA 配列を含有する遺伝子の部分を意味する。プロモーター配列は、常にでは
ないが、普通に、遺伝子の5'非コーディング領域において見出される。 用語「分泌シグナル配列」は、より大きいポリペプチドの1成分として、より
大きいポリペプチドをそれが合成される細胞の分泌経路を通して向ける、ポリペ
プチド(「分泌ペプチド」)をコードするDNA 配列である。より大きいペプチド
は、分泌経路を通る移行の間に、普通に切断されて分泌ペプチドが除去される。
【0041】 用語「ペクチン」は、ペクテート、ポリガラクツロン酸、およびより高いまた
は低い程度にエステル化することができるペクチンを意味する。 用語「ペクチナーゼ」は、この技術に従い定義されるペクチナーゼ酵素を意味
し、ここでペクチナーゼはペクチン物質、主としてポリ(1,4-アルファ-d- ガラ
クツロニドおよびその誘導体のグリコシド結合を切断する酵素のグループである
(参考文献Saki et al., Pectin,pectinase and protopectnase:production,pro
peties and application,pp 213-294:Advaces in Applied Microbiology vol:39
, 1993参照)。
【0042】 好ましくは、本発明のペクチナーゼは、ペクチン酸(また、ポリガラクツロン
酸と呼ばれる)中のアルファ-1,4- グリオシド結合のトランス脱離によるランダ
ム切断を触媒するペクチナーゼ酵素、例えば、酵素のクラス、ポリガラクツロネ
ートリアーゼ(EC 4.2.2.2)(PGL)(また、ポリ(1,4-アルファ-d- ガラクツロニ
ド) リアーゼとして知られている、 これは、また、ペクチン酸リアーゼとして
知られている)である。
【0043】 発明の詳細な説明 他の関係する配列を得るための本発明の配列の使用方法:本発明のペクチン酸
リアーゼをコードするポリヌクレオチド配列に関係する、本明細書において開示
する配列の情報を、他の相同的ペクチン酸リアーゼを同定する道具として使用す
ることができる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR) を使用して、種々の微生
物源、特に異なるバシラス(Bacillus)種からの他の相同的ペクチン酸リアーゼ
をコードする配列を増幅することができる。
【0044】 ポリヌクレオチド: 本発明の好ましい態様において、本発明は、それぞれ、配列番号:1、3、5
、7または9の同様な大きさの領域に、少なくとも中程度のストリンジェンシイ
条件下に、ハイブリダイズするであろう本発明の単離されたポリヌクレオチド、
またはそれらに対して相補的な配列に関する。
【0045】 特に、本発明のポリヌクレオチドは、配列番号:1の位置79−1077、配列番号:3
の位置82−1026、配列番号:5の位置541 −1530、配列番号:7の位置124 −1047ま
たは配列番号:9の位置73−1008に示す完全な配列(ポリペプチドの成熟部分をコ
ードする)からなる変性された二本鎖DNA プローブ、あるいは配列番号:1、3
、5、7または9のサブ配列からなるプローブ、あるいは少なくとも約100 塩基
対の長さを有する配列番号:1、3、5、7または9のサブ配列からなるプロー
ブに、少なくとも中程度のストリンジェンシイ条件下に、好ましくは高いストリ
ンジェンシイ条件下に、後述するように、ハイブリダイゼーションするであろう
【0046】 ヌクレオチドプローブと、相同的DNA またはRNA 配列との間の中程度または高
いストリンジェンシイを決定するために適当な実験条件は、DNA フラグメントま
たはRNA を含有するフィルターを5×SSC (塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウ
ム、Sambrook et al., 1989)中で10分間前浸漬してハイブリダイズさせ、フィ
ルターを5×SSC 、5×デンハルト溶液(Sambrook et al. 、1989) 、0.5 %の
SDS および100 μg/mlの変性し超音波処理したサケ精子DNA (Sambrook et al.,
1989)の溶液中でプレハイブリダイゼーションし、次いで10ng/ml の濃度のラン
ダムプライムド(Feinberg, A.P. およびVogelstein, B.(1983)Anal.Biochem.132
:6-13),32P-dCTP標識化(1×109cpm/ μg より高い比活性)プローブを含有す
る同一溶液中で約45℃において12時間ハイブリダイゼーションすることを含む
。 次いで、フィルターを2×SSC 、0.5 %のSDS 中で少なくとも60℃(中程度の
ストリンジェンシイ)、なおより好ましくは少なくとも65℃(中程度の/高いス
トリンジェンシイ)、さらにより好ましくは少なくとも70℃(高いストリンジェ
ンシイ)、なおさらにより好ましくは75℃(非常に高いストリンジェンシイ)に
おいて30分間2回洗浄する。オリゴヌクレオチドのプライマーがこれらの条件下
にハイブリダイゼーションする分子は、X線フィルムを使用して検出される。
【0047】 前述したように、本発明の単離されたポリヌクレオチドはDNA およびRNA を包
含する。DNA およびRNA を単離する方法はこの分野においてよく知られている。
問題の遺伝子をコードするDNA およびRNA は、この分野において知られている方
法により遺伝子バンクまたはDNA ライブラリーにおいてクローニングすることが
できる。次いで、本発明のペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドを、例えば、ハイブリダイゼーションまたはPCR により
、同定し、単離する。 本発明は、異なる細菌の株からの対応物のポリペプチドおよびポリヌクレオチ
ド(オーソログまたはパラログ)を提供する。バシラス(Bacillus)属の種を包
含する、グラム陽性好アルカリ性株からのペクチン酸リアーゼのポリペプチドは
特に重要である。
【0048】 本発明により提供される情報および組成物を慣用のクローニング技術と組合わ
せて使用して、本発明のペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドの種の相
同体をクローニングすることができる。例えば、タンパク質を発現する細胞の型
から得られた染色体DNA を使用して、DNA をクローニングすることができる。本
明細書に開示する配列から設計されたプローブでノザンブロットをプロービング
することによって、適当なDNA 源を同定することができる。
【0049】 次いで、陽性の細胞系統の染色体DNA から、ライブラリーを調製する。次いで
、種々の方法により、例えば、完全なまたは部分的DNA で、あるいは開示した配
列をベースとするデジェネレイトプローブの1またはそれ以上の組でプロービン
グすることによって、本発明のペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドを
コードするDNA を単離することができる。また、本明細書に開示する配列から設
計したプロモーターを使用するポリメラーゼ連鎖反応、すなわち、PCR (Mullis
、 米国特許第4,683,202 号) を使用して、DNA をクローニングすることができ
る。
【0050】 追加の方法において、DNA ライブラリーを使用して宿主細胞を形質転換または
トランスフェクトし、そしてバシラス・リヘニフォルミス(B.licheniformis) 、
ATCC 14580からクローニングしたペクチン酸リアーゼ、バシラス・アガラドヘレ
ンス(B.agaradhaerens) 、NCIMB 40482 からクローニングしたペクチン酸リアー
ゼ、または配列番号:14 中に列挙するその16S rDNA配列により同定されるバシラ
ス(Bacillus)種 AAI12からクローニングしたペクチン酸リアーゼ、またはバシ
ラス(Bacillus)種 KJ59 、
【0051】 DSM 12419 からクローニングしたペクチン酸リアーゼ、または配列番号:13 中に
列挙するその16S rDNA配列により同定されるバシラス(Bacillus)種 I534 から
クローニングしたペクチン酸リアーゼ( それらのすべては材料および方法および
酵素に記載されているように発現させ、精製される)に対して発生させた抗体(
モノクローナルまたはポリクローナル)を使用するか、あるいはペクチン酸リア
ーゼ活性を有するポリペプチドに関する活性試験により、問題のDNA の発現を検
出することができる。また、同様な技術をゲノムのクローンの単離に適用するこ
とができる。
【0052】 ペクチン酸リアーゼ酵素を産生する、細菌のバシラス・リヘニフォルミス(Bac
illus licheniformis)種の株、好ましくはATCC 14580株、または本明細書におい
て記載する他のまたは関係する微生物から、大腸菌(Escherichia coli)DSM 1178
9 の中に存在するpSJ1678 の中にクローニングされたDNA 配列のポリペプチドを
コードする部分および/または本発明のアナローグのDNA 配列をクローニングす
ることができる。
【0053】 同様に、ペクチン酸リアーゼ酵素を産生する型のDSM 8721により代表される細
菌のバシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)種の株、または本
明細書において記載する他のまたは関係する微生物から、大腸菌(Escherichia c
oli)DSM 11789 の中に存在するpSJ1678 の中にクローニングされたDNA 配列のポ
リペプチドをコードする部分および/または本発明のアナローグのDNA 配列をク
ローニングすることができる。
【0054】 また、ペクチン酸リアーゼ酵素を産生する、バシラス(Bacillus)種 AAI12、
バシラス(Bacillus)種 KJ59 、DSM 12419 、またはバシラス(Bacillus)種 I
534 の株、または本明細書において記載する他のまたは関係する微生物から、そ
れぞれ、大腸菌(Escherichia coli)DSM 12403 および12404 の中に存在するpSJ1
678 の中にクローニングされたDNA 配列のポリペプチドをコードする部分および
/または本発明のアナローグのDNA 配列をクローニングすることができる。
【0055】 あるいは、大腸菌(Escherichia coli)DSM 11788 、11789 、DSM 12403 および
12404 の中に存在するプラスミドから得ることができる配列、例えば、そのサブ
配列をベースとして、および/またはDNA 配列によりコードされるペクチン酸リ
アーゼの他のアミノ酸配列を発生させないが、酵素の産生に意図される宿主微生
物のコドンの使用に対応するヌクレオチドの置換の導入によるか、あるいは異な
るアミノ酸配列(すなわち、本発明のペクチン酸リアーゼの変異型)を発生させ
ることができるヌクレオチドの置換の導入により、類似の配列を構築することが
できる。本明細書に開示する配列の情報に基づいて、本発明のペクチナーゼをコ
ードしかつ、それぞれ、配列番号:1、3、5、7または9に示すDNA 配列から
なる、全長のDNA 配列をクローニングすることができる。
【0056】 クローニングはこの分野において知られている標準的手順により、例えば、次
のようにして実施される:バシラス(Bacillus)種からゲノムライブラリーを調
製し;このようなライブラリーを適当な基質のプレート上にプレートし;それぞ
れ、配列番号:1、3、5、7または9をベースとするプローブを使用して標準
的ハイブリダイゼーション技術により本発明のポリヌクレオチド配列からなるク
ローンを同定するか、あるいは、それぞれ、配列番号:1、3、5、7または9
からの配列の情報をベースとするプライマーを使用して逆PCR戦略により、例
えば、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)ATCC 14580または
バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)DSM 8721または高度に関
係するバシラス(Bacillus)ゲノムライブラリーからクローンを同定する。逆P
CRに関するそれ以上の詳細については、M.J.MCPherson et al.( ″PCR A prac
tical approach″Infomation Press Ltd、 Oxford England)を参照のこと。
【0057】 本明細書に開示する配列の情報(配列番号: 1、2 、3 、4 、5 、6 、7 、8
、9 および10) に基づいて、当業者は関係する微生物からのゲノムライブラリー
、特にバシラス(Bacillus)属の他の株、例えば、バシラス・サチリス(Bacillu
s subtilis) からのゲノムライブラリーを使用して、同様な戦略により、本発明
の相同的ペクチナーゼをコードするポリヌクレオチド配列を日常的に単離するこ
とができる。
【0058】 あるいは、本発明のペクチン酸リアーゼをコードするDNA は、よく知られてい
る手順に従い、適当な源、例えば、後述する微生物の任意のものから、大腸菌(E
scherichia coli)DSM 11788 、DSM 11789 、DSM 12403 またはDSM 12404 の中に
存在するプラスミドから得ることができるDNA 配列をベースとして製造された合
成オリゴヌクレオチドのプローブを使用して、好都合にクローニングすることが
できる。
【0059】 したがって、大腸菌(Escherichia coli)、DSM 11788 、DSM 11789 、DSM 1240
3 またはDSM 12404 (ここで前述したようにクローニングにより得られたプラス
ミドの各々は寄託された)から、本発明のポリヌクレオチド分子を単離すること
ができる。また、本発明は、それぞれ、大腸菌(Escherichia coli)株、DSM 1178
8 、DSM 11789 、DSM 12403 またはDSM 12404 の各々の単離された、実質的に純
粋な生物学的培養物に関する。
【0060】 ポリペプチド: 配列番号:2のアミノ酸No.27 −359 の配列は成熟ペクチン酸リアーゼ配列であ
る;位置1−26はプロペプチドである。配列番号:4のアミノ酸No.28 −341 の配
列は成熟ペクチン酸リアーゼ配列である;位置1 −27はプロペプチドである。配
列番号:6のアミノ酸No.181−509 の配列は成熟ペクチン酸リアーゼ配列である;
位置1−31はトランシットペプチドである;位置32−86は第1レクチンドメイン
である;位置87−134 は第2レクチンドメインである;位置135 −180 は第3レ
クチンドメインである。
【0061】 配列番号:8のアミノ酸No.42 −348 の配列は成熟ペクチン酸リアーゼ配列であ
る;位置1 −41はプロペプチドである。配列番号:10 のアミノ酸No.25 −335 の
配列は成熟ペクチン酸リアーゼ配列である;位置1 −24はプロペプチドである。
本発明のペクチン酸リアーゼは多糖リアーゼのファミリー1 に属すると考えられ
る。
【0062】 本発明は、また、配列番号:2、4、6、8および10の成熟ポリペプチドに対
して実質的に相同的であるペクチン酸リアーゼのポリペプチドおよびそれらの種
の相同体(パラログまたはオーソログ)を提供する。用語「実質的に相同的」は
、配列番号:2、4、6、8および10に示す配列に対して少なくとも45%、好ま
しくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも
70%、より好ましくは少なくとも85%、なおより好ましくは少なくとも90%の配
列の同一性を有するポリペプチド、またはそれらのオーソログまたはパラログを
意味するために本明細書において使用される。
【0063】 このようなポリペプチドは、配列番号:2、4、6、8および10に示す配列に
対してより好ましくは少なくとも95%同一であり、最も好ましくは少なくとも98
%同一であり、またはそれらのオーソログまたはパラログであろう。配列の同一
性の百分率は、慣用法により、この分野において知られているコンピュータープ
ログラム、例えば、下記の文献に記載されているGSG プログラムパッケージ(Pr
ogram Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Genetics
Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)の中に
提供されているGAP を使用して決定される:Journal of Molecular Biology, 48
, 443-453(これは引用することによって本明細書の一部とされる)。GAP は下記
のポリペプチドの配列の比較の設定で使用される:3.0 のGAP 発生のペナルティ
ーおよび0.1 のGAP エクステンションのペナルティー。
【0064】 ポリヌクレオチド分子の配列の同一性は、同様な方法により、下記のDNA 配列
の比較のための設定とともにGAP を使用して決定される:5.0 のGAP 発生のペナ
ルティーおよび0.3 のGAP エクステンションのペナルティー。 ユニークな第1 アミノ酸配列NLNSRVP (これはユニークであると考えられ、こ
れにより工業的プロセス、例えば、繊維材料の処理および洗濯においてきわめて
すぐれた性能を有する本発明のペクチン酸リアーゼのこの新規なグループに属す
る、新規なペクチン酸リアーゼを同定するために十分である)からなる本発明の
ペクチン酸リアーゼは、好ましくは下記の微生物に由来する:
【0065】 好ましくは細菌、始原菌(arhea) または真菌、特に細菌、例えば、バシラス(
Bacillus)、好ましくは好アルカリ性バシラス(Bacillus)種に属する細菌、こ
れらは下記のものから成る群より選択される:バシラス・リヘニフォルミス(Bac
illus licheniformis)種、バシラス・ハロヅランス(Bacillus haloduranns)お
よびバシラス(Bacillus)種 I534 およびAAI12(それぞれ、配列番号:13 または
14として記載する16S rDNA配列により同定される)、およびにより証明されるよ
うに整列された16S rDNA配列をベースとする、これらの種の任意のもの、好まし
くはこれらの種の各々に対して少なくとも97%、なおより好ましくは少なくとも
98%、相同的である種。
【0066】 これらの高度に関係するバシラス(Bacillus)属の種は、ARB 配列のデータベ
ース(http://www.biol.chemie.tumuenchen.de/pub/ARB/data/において入手可能
な04-Mar-97 からリリースされる)を通して入手可能な整列された発表された16
S rDNA配列を使用して、同定された系統発生的関係に基づいて見出される。ARB
プログラムパッケージ(Stunck、O.およびLudwig、W.1995。
【0067】 ARB-配列のデータのソフトウェアの環境。Department of Microbiology, Univ
ersity of Munich, Munich, Germany, email arb(a)mikro.biologie.tu-muenche
n.de. 、またはwww.at http://www.biol.chemie.tu-muenchen.de/pub/ARB/data/
を介して入手可能)を使用して、配列の解析を実施した。整列は二次構造に基づ
き、そしてマニュアル評価を含むARB 整列(ARB _EDIT4)の自動的整列機能(バ
ージョン2.0)を使用して実施した。
【0068】 ARB プログラムパッケージの中に組込まれたフィリップ・ディスタンス・マト
リックス(Phylip Dsitance Mtrix )オプション(デフォルト値を設定して、す
なわち、補正せずに)を使用して、距離を配列の類似性の百分率に変換すること
によって、配列の類似性を確立した。したがって、バシラス・リヘニフォルミス
(B.licheniformis) 、ATCC 14580に最も密接に関係する種はバシラス・サチリス
(B.subtilis)である;
【0069】 バシラス(Bacillus)種 KJ59 、DSM 12419 に最も密接に関係する種はバシラ
ス・ハロヅランス(B.haloduranns )、DSM 11788(16S データX76442) (これは
非常に密接するので、KJ59株はこの種の1つの株であると考えられる)である;
バシラス(Bacillus)種 AAI12に最も密接に関係する種はバシラス・アガラドヘ
レンス(B.agaradhaerens) 、DSM 485(これは97.3%の16S の相同性を示す)であ
る;そしてバシラス(Bacillus)種 I534 に最も密接に関係する種はバシラス(
Bacillus)種、PN1 、DSM 8714(16SデータX76438)(これは98.1%の16S の相同性
を示す)である。
【0070】 ARB プログラムを使用し、最尤法(G.J.Olsen 、H.Matsuda 、T.Hagstrom、お
よびR.Overbeek.fastDNAmlからのFastDnaML アルゴリズム:最大確度を使用する
DNA 配列の系統樹の構築のための道具。Comput.Appl.Biosci.10(1):41-48、1994
) によりデフォルト値設定)フィルターなしかつ加重マスクなし)を使用して、
系統樹を計算した。
【0071】 実質的に相同的なタンパク質およびポリペプチドは、1または複数のアミノ酸
配列の置換、欠失または付加を有するとして特徴づけられる。これらの変化は好
ましくは最小の特質、すなわち、下記の特質を有する:保存的アミノ酸の置換(
表2 参照)およびタンパク質またはポリペプチドのフォルディングまたは活性に
実質的に影響を与えるない他の置換;小さい、典型的には1〜約30アミノ酸の欠
失;および小さいアミノ- またはカルボキシル- 末端のエクステンション、例え
ば、アミノ末端のメチオニン残基、約20−25残基までの小さいリンカーペプチド
、または精製を促進する小さいエクステンション(親和標識)、例えば、ポリ-
ヒスチジントラクト、プロテインA(Nilsson et al.、EMBO J. 4:1075、1985;Nil
sson et al. 、Meth.Enzymol. 198:3 、1991。
【0072】 一般に、下記の文献を参照のこと:Protein Expression and Purification 2:
95-107、1991、これは引用することによって本明細書の一部とされる。親和標識
をコードするDNA は商業的供給会社から入手可能である( 例えば、Pharmacia Bi
otech.、ニュージャージイ州ピスカタウェイ;New England Biolabs 、マサチュ
セッツ州ベバーリイ)。
【0073】 しかしながら、前述の変化は好ましくは小さい特質であるが、このような変化
は、また、より大きい特質を有し、例えば、本発明のペクチン酸リアーゼポリペ
プチドに対するアミノ- またはカルボキシル- 末端の双方のエクステンションと
して300 またはそれ多いアミノ酸までのより大きいポリペプチドの融合物である
ことができる。
【0074】
【表1】
【0075】 20の標準的アミノ酸に加えて、非標準的アミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロ
リン、6-N-メチルリジン、2-アミノイソ酪酸、イソバリンおよびα- メチルセリ
ン)を本発明によるアミノ酸残基と置換することができる。制限された数の非保
存的アミノ酸、遺伝暗号によりコードされないアミノ酸、および天然に見出され
されないアミノ酸をアミノ酸残基と置換することができる。
【0076】 「天然に見出されされないアミノ酸」は、タンパク質合成後に変性されており
、および/または標準的アミノ酸のそれと異なる、それらの1またはそれ以上の
側鎖の化学的構造を有する。天然に見出されされないアミノ酸は化学的に合成す
ることができるか、あるいは好ましくは商業的に入手可能であり、そしてピペコ
リン酸、チアゾリンカルボン酸、デヒドロプロリン、3-および4-メチルプロリン
、および3,3-ジメチルプロリンを包含する。
【0077】 本発明のペクチン酸リアーゼのポリペプチド中の必須アミノ酸は、この分野に
おいて知られている手法、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査
突然変異誘発に従い同定することができる(CunninghamおよびWells 、Science
244:1081-1085 、1989) 。後者の技術において、単一のアラニンの突然変異を分
子中の残基毎に導入し、生ずる分子を生物学的活性(すなわち、ペクチン酸リア
ーゼ活性)について試験して、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を
同定する。
【0078】 また、Hilton et al. 、J.Biol.Chem. 271:4699-4708、1996参照。また、推定
上の接触部位のアミノ酸の突然変異と組み合わせた、核磁気共鳴、結晶学、電子
回折またはフォトアフィニティー標識化のような技術により決定された、構造の
物理的分析により、酵素の活性部位または他の生物学的を決定することができる
。例えば、下記の文献を参照のこと:de Vos et al., Science 255:306-312, 19
92;Smith et al., J.Mol.Biol. 224:899-904, 1992;Wlodaver et al., FEBS Let
t. 309:59-64, 1992。また、本発明によるポリペプチドに関係するポリペプチド
との相同性の分析から、必須アミノ酸の同一性を推定することができる。
【0079】 突然変異誘発、組換えおよび/またはシャフリングの既知の方法および引き続
く関係するスクリーニング手法、例えば、Reidhaar-OlsonおよびSauer(Science
241:53-57, 1998), Bowie およびSauer(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152-2156
, 1989), WO95/17413 号、またはWO95/22625号により開示される手法を使用して
、多数のアミノ酸置換を作り、試験することができる。
【0080】 簡単に述べると、これらの著者らは、ポリペプチド中の2またはそれ以上の位
置を同時にランダム化するか、あるいは異なる突然変異を組換え/シャフリング
し(WO95/17413号、WO95/22625号)、次いでポリペプチドを機能性について選択
し、次いで突然変異化して、各位置における許容可能な置換のスペクトルを決定
する方法を開示している。使用できる他の方法は、ファージディスプレイ(例え
ば、Lowman et al., Biochem. 30:10832-10837, 1991;Ladner et al., 米国特許
第5,223,409 号;Huse, WIPO 公開WO92/06204号) および領域特異的突然変異誘発
(Derbyshire et al., Gene 46:145, 1986;Ner et al., DNA 7:127, 1988)を包含
する。
【0081】 前述した突然変異誘発/シャフリング法を高い処理量の、自動化されたスクリ
ーニング法と組み合わせて、宿主細胞中のクローニングし、突然変異誘発したポ
リペプチドの活性を検出することができる。活性なポリペプチドをコードする突
然変異誘発したDNA 分子を宿主細胞から回収し、現代的装置により急速に配列決
定することができる。これらの方法は問題のポリペプチド中の個々のアミノ酸残
基の重要性の急速な決定を可能とし、そして未知の構造のポリペプチドに適用す
ることができる。
【0082】 前述の方法を使用して、配列番号:2の残基の残基27−359 、配列番号:4の残基
28−341 、配列番号:6の残基181 −509 、配列番号:8の残基42−348 、および配
列番号:10 の残基25−335 に対して実質的に相同性でありかつ野生型タンパク質
のペクチン酸リアーゼ活性を保持する、種々のポリペプチドを同定しおよび/ま
たは製造することができる。
【0083】 本発明のこのような変異型は、図1の配列の整列中のナンバリングに関して位
置223 に、アミノ酸残基のアルギニンを有するペクチン酸リアーゼである。好ま
しい態様において、このような変異型はまた、第1図の配列の整列中のナンバリ
ングに関して位置228 に、保存されたアルギニンを保持する。したがって、本発
明は、配列番号:2、4、6、8および10の任意のアミノ酸配列から、1または
複数のアミノ酸残基の欠失、置換または付加(以後、突然変異と呼ぶ)により、
誘導されるアミノ酸配列を有するペクチン酸リアーゼに関し、ただしペクチン酸
リアーゼ活性は奪活されておらず、そして突然変異は第1図の整列中の配列のナ
ンバリングの第223 位置およびさらに、必要に応じて第228 位置におけるアルギ
ニンを保存する。
【0084】 これらの位置は、配列番号:2の第240 位置および第245 位置におけるアルギニ
ン(R) 、配列番号:4中の位置233 および238 、配列番号:6中の位置390 および39
5 、配列番号:8中の位置240 および245 、および配列番号:10 中の位置227 およ
び232 に対応する。
【0085】 さらに、前述の保存されたアルギニンに加えて、突然変異は第1図の整列中の
配列のナンバリングの第169 位置にアスパラギン酸(D) および/または第173 位
置にアスパラギン酸(D) および/または第193 位置にリジン(K) を保存すること
が好ましい。これらの位置は、配列番号:2の第186 位置および第190 位置におけ
るアスパラギン酸(D) および第210 位置におけるリジン(K);配列番号:4中の位置
D180、D184およびK204;配列番号:6中の位置D336、 D340 およびK360; 配列番号
:8中の位置D187、D191およびK211、および配列番号:10 中の位置D174、 D178 お
よびK198に対応する。
【0086】 本発明のそれ以上の態様において、配列番号:2、4、6、8および10に記載
する任意の配列の親成熟ポリペプチドが提供され、突然変異体は、グルタミン酸
(E) 、セリン(S) およびスレオニン(T) から成る群より選択されるアミノ酸残基
で置換された上に特定した位置にアスパラギン酸、すなわち、下記の突然変異、
を有する活性ペクチン酸リアーゼである:D169E 、D169S 、D169T 、D173E 、D1
73S 、D173T (第1図の整列のナンバリング)。
【0087】 また、突然変異の程度は特に制限されないが、ただし第223 位置における前述
のアルギニンは保存されている。好ましくは、配列番号:2、4、6、8および
10の任意の配列について計算して、天然または親のペクチン酸リアーゼ酵素のこ
のような突然変異変異型の間に40%またはそれより高い相同性が存在する;配列
番号:2のアミノ酸位置39および359 と配列番号:4のアミノ酸位置46および341 と
の間に42%またはそれより高い相同性が存在する;配列番号:6のアミノ酸位置18
7 および509 の間に44%またはそれより高い相同性が存在する;配列番号:8のア
ミノ酸位置50および348 の間に40%またはそれより高い相同性が存在する;そし
て配列番号:10 のアミノ酸位置40および335 の間に41%またはそれより高い相同
性が存在する。
【0088】 好ましくは、相同性は少なくとも45%であり、好ましくは少なくとも50%であ
り、より好ましくは少なくとも55%であり、より好ましくは少なくとも60%であ
り、なおより好ましくは少なくとも70%であり、なおより好ましくは少なくとも
75%であり、なおより好ましくは少なくとも80%であり、なおより好ましくは少
なくとも85%であり、なおより好ましくは少なくとも90%であり、なおより好ま
しくは少なくとも95%であり、特に少なくとも98%である。
【0089】 本発明のペクチン酸リアーゼは、触媒的ドメインからなる酵素コアに加えて、
また、セルロース結合ドメイン(CBD) を含み、酵素のセルロース結合ドメインお
よび酵素コア(触媒的に活性なドメイン)は作用可能に連鎖されている。セルロ
ース結合ドメイン(CBD) はコード化された酵素の組込まれた部分として存在する
か、あるいは他の起源からのCBD はペクチン分解酵素の中に導入され、こうして
酵素のハイブリッドをつくる。
【0090】 これに関して、用語「セルロース結合ドメイン」は、下記の文献において定義
されたように理解されることを意図する:Peter Tomme et al., ″Cellulose-Bi
nding Domains:Classification and Properties ″in″Enzymatic Degradation
of Insoluble Carbohydrates″, John N.Saddler and Michael H.Penner(編) ,
ACS Symposium Series, No.618, 1996。この定義は120 より多いセルロース結合
ドメインを10のファミリー(I〜X)に分類し、そしてCBD が種々の酵素、例えば、
セルラーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ、アラビノフラノシダーゼ、アセチル
エステラーゼおよびクチナーゼの中に見出される。
【0091】 CBD は、また、藻類、例えば、紅藻(Porphyra purpurea)の中に非加水分解的
多糖結合タンパク質として見出されたる;Tomme et al., op.cit. 参照。しかし
ながら、CBD の大部分はセルラーゼおよびキシラナーゼからのものであり、CBD
はタンパク質のN 末端またはC 末端に見出されるか、あるいは内部に見出される
。酵素のハイブリッドは、この分野において知られており、例えば、WO90/00609
号およびWO95/16782号参照、そしてDNA 構築物を宿主細胞の中に形質転換し、こ
こでDNA 構築物はペクチン分解酵素をコードするDNA 配列に、リンカーを使用す
るか、または使用しないで、結合されたセルロース結合ドメインをコードするDN
A のフラグメントから少なくともなり、そして宿主細胞を成長させて融合した遺
伝子を発現させることによって製造することができる。
【0092】 酵素のハイブリッドは、下記式により記載することができる: CBD-MR-X ここでCBD は少なくともセルロース結合ドメインに相当するアミノ酸配列のN
末端またはC 末端の領域であり;MRは中央領域(リンカー)であり、そして結合
であるか、あるいは好ましくは約2〜100 個の炭素原子、より好ましくは約2〜
20個の炭素原子の短い結合基であるか、あるいは好ましくは約2〜100 個のアミ
ノ酸、より好ましくは約2〜20個のアミノ酸であり、そしてX は本発明のペクチ
ン分解酵素のN末端またはC末端の領域である。
【0093】 好ましくは、本発明の酵素は少なくとも8、より好ましくは8.5 より高い、よ
り好ましくは9より高い、より好ましくは9.5 より高い、より好ましくは10より
高い、なおより好ましくは10.5より高い、特に11より高いpHにおいて、最大の触
媒活性を有し、そして好ましくは酵素の最大の活性は少なくとも50℃、より好ま
しくは少なくとも55℃の温度において得られる。
【0094】 タンパク質の製造 全長のタンパク質、それらのフラグメントおよび融合タンパク質を包含する、
本発明のポリペプチドは、慣用技術に従い遺伝子操作された宿主細胞において製
造することができる。適当な宿主細胞は外因的DNA で形質転換またはトランスフ
ェクトし、培養で成長させることができる型の細胞であり、そして細菌、菌類の
細胞、および培養した高等真核細胞を包含する。細菌細胞、特にグラム陽性微生
物の培養した細胞は好ましい。
【0095】 バシラス(Bacillus)属からのグラム陽性細胞、例えば、バシラス・サチリス
(Bacillus subtilis) 、バシラス・レンツス(Bacillus lentus )、バシラス・
ブレビス(Bacillus brebis )、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus
stearothermophilus) 、バシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus
、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス
・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・サーキュランス(Bacillus
circulans)、バシラス・ラウツス(Bacillus lautus )、バシラス・スリンジエ
ンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agar
adhaerens)またはバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)は特に
好ましい。
【0096】 クローニングしたDNA 分子を操作し、外因的DNA を種々の宿主細胞の中に導入
する技術は下記の文献に記載されている:Sambrook et al., Molecular Cloning
:A Laboratory Manual, 第2 版,Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold
Spring Harbor, NY, 1989;Ausubel et al. (編) ,Current Protocols in Molec
ular Biology, John Wiley & Sons,Inc., NY, 1987; および(Bacillus subtilis
and Oter Gram-Positive Bacteria, Sonensheim et al., 1993, American Soci
ety for Microbiology, ワシントンDC)(これらは引用することによって本明細書
の一部とされる)。
【0097】 一般に、本発明のペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列はその発現に必要
な他の遺伝的因子、例えば、一般に発現ベクター内のプロモーターおよびターミ
ネーターに作用可能に連鎖されている。ベクターは、また、1または複数の選択
マーカーおよび1または複数の複製起点を含有するが、当業者は認識するように
、ある種の系内に、選択可能なマーカーを別のベクター上に設けることができ、
そして外因的DNA は宿主細胞のゲノムの中への組込みにより準備することができ
る。プロモーター、ターミネーター、選択可能なマーカー、ベクターおよび他の
因子の選択は当業者のレベル内の日常的設計事項である。多数のこのような因子
は文献に記載されており、商業的供給会社を通して入手可能である。
【0098】 ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中に向けるために、分泌シグナル配列(
また、洗濯配列、プレプロ配列または前配列として知られている)を発現ベクタ
ーの中に設ける。分泌シグナル配列はポリペプチドのそれであるか、あるいは他
の分泌されたタンパク質から誘導させるか、あるいは新たに合成することができ
る。多数の適当な分泌シグナル配列はこの分野において知られており、そして特
にバシラス(Bacillus)宿主細胞中の分泌のために適当な分泌シグナル配列のそ
れ以上の説明については下記の文献を参照のこと:Bacillus subtilis and Oter
Gram-Positive Bacteria, Sonensheim et al., 1993, American Society for M
icrobiology,ワシントンDC;およびCutting, S.M. (編) ″Molecular Biologic
al Methods for Bacillus ″, John Wiley and Sons, 1990 。
【0099】 分泌シグナル配列をDNA 配列に正しいリーディングフレームで結合する。分泌
シグナル配列は通常問題のポリペプチドをコードするDNA 配列に対して5'に位置
するが、ある種の分泌シグナル配列は問題のDNA 配列の中のどこかに位置するこ
とができる( 例えば、Welch et al., 米国特許第5,037,743 号;Holland et al.,
米国特許第5,143,830 号参照)。
【0100】 慣用手法に従い、栄養素および選択した宿主細胞の成長に必要な他の成分を含
有する培地中で、形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を培養する。
規定した培地および複雑な培地を包含する、種々の適当な培地はこの分野におい
て知られており、そして一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミンおよび
無機質を包含する。また、培地は、成長因子または血清のような成分を必要に応
じて含有する。成長培地は、例えば、発現ベクター上に担持されるか、あるいは
宿主細胞の中に共トランスフェクトされた選択可能なマーカーにより補足される
必須栄養素の欠乏または薬剤選択により、外因的に添加されたDNA を含有する細
胞のために、一般に選択されるであろう。
【0101】 本発明のポリペプチドは、また、バシラス(Bacillus)属に属する野生型株、
好ましくはバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)種およびバシ
ラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)およびバシラス・アガラドヘ
レンス(Bacillus agaradhaerens)種および高度に関係するバシラス(Bacillus)
種(ここですべての種は整列された16S rDNA配列に基づいてバシラス・リヘニフ
ォルミス(Bacillus licheniformis)に対して少なくとも95%相同的である)から
成る群より選択することができる株を発酵させることによって、製造することが
できる。特別に、高度に好ましい例は、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus
licheniformis)、ATCC 14580、およびバシラス・アガラドヘレンス(Bacillus ag
aradhaerens)、DSM 8721である。
【0102】 さらに、本発明のポリペプチドは、前述の株から誘導された突然変異体または
変異型を発酵させることによって製造することができる。このような突然変異体
は、例えば、下記の文献に記載されているように、慣用の突然変異誘発に従い、
問題の株を突然変異原(例えば、NTG(n-メチル-N- ニトロ-N- ニトロスクアニジ
ン)で処理するか、あるいは紫外線に暴露することによって得ることができる。
この突然変異誘発は株の突然変異を刺激するために実施される。突然変異誘発後
、慣用のプレートアッセイまたは液体アッセイを使用して、できるだけ高いペク
チナーゼの収率を与える突然変異体についてスクリーニングすることができる。
【0103】 発酵は炭素源および窒素源ならびに他の必須栄養素を含有する栄養培地中の好
気性条件下に菌株を培養することによって実施することができ、培地は既知の技
術の原理に従い構成される。培地は複合の富んだ培地または最小培地であること
ができる。窒素源は無機および/または有機の特質を有することができる。適当
な無機窒素源が硝酸塩およびアンモニウム塩である。
【0104】 有機窒素源の中で、発酵において多数のものは規則的に使用されている。例は
大豆かす、カゼイン、トウモロコシ、コーンスティープリカー、酵母エキス、尿
素およびアルブミンである。適当な炭素源は炭水化物または炭水化物含有物質で
ある。好ましくは、栄養培地はペクテート、ポリガラクツロン酸および/または
より高いまたはより低い程度にエステル化されたペクチンを炭素源および/また
はペクチナーゼ産生の誘導因子として含有する。あるいは、培地はペクチンに富
んだ物質、例えば、大豆かす、リンゴパルプまたは柑橘類果皮を含有する。
【0105】 本発明のバシラス(Bacillus)属の種は好アルカリ性であるので、培養アルカ
リ性pH値、例えば、少なくともpH8または少なくともpH9において実施されるこ
とが好ましく、このpH値は、成長培地の滅菌後、適当な緩衝剤、例えば、炭酸ナ
トリウムまたは炭酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムとの混合物の添加により得る
ことができる。 適当な培地中の野生型株または突然変異体の発酵は、少なくとも0.5gのペクチ
ナーゼタンパク質/リットルの培養ブロスまたはさらに少なくとも1g/lまたは2g
/lの収量を生ずることができる。
【0106】 タンパク質単離: 発現された組換えポリペプチドが分泌されるとき、ポリペプチドを成長培地か
ら精製することができる。好ましくは、各宿主細胞を培地から除去した後、ポリ
ペプチドを精製する(例えば、遠心により)。 発現された組換えポリペプチドが分泌されないとき、宿主細胞を好ましくは崩
壊させ、ポリペプチドを水性「抽出物」の中に解放させ、これはこのような精製
技術の第1段階である。好ましくは、発現宿主細胞を培地から取出した後、細胞
を崩壊させる(例えば、遠心により)。
【0107】 細胞の崩壊は慣用の技術、例えば、リゾチームの消化によるか、あるいは細胞
を高圧にすることによって実施することができる。このような細胞の崩壊技術の
それ以上の説明については、下記の文献を参照のこと:Robert K.Scobes, Prote
in Purification, Second edition, Springer-Verlag。 発現された組換えポリペプチド(キメラポリペプチド)が分泌されるか、ある
いはされないかにかかわらず、それは分画および/または慣用の精製方法および
媒質を使用して精製することができる。
【0108】 硫酸アンモニウム沈降および酸またはカオトロープ抽出を試料の精製に使用す
ることができる。典型的な精製工程は、ヒドロキシアパタイト、大きさ抽出、FP
LCおよび逆相高性能液体クロマトグラフィーを包含することができる。適当なア
ニオン交換媒質は、誘導化デキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリ
ルアミド、特製シリカ、およびその他を包含する。PEI 、DEAE、QAE およびQ 誘
導体は好ましく、DEAEファスースト- フローセファローズ(Pharmacia、ニュージ
ャージイ州ピスカタウェイ) は特に好ましい。典型的なクロマトグラフィーの媒
質は、フェニル、ブチル、またはオクチル基で誘導化された媒質、例えば、Phen
yl-Sepharose FF(Pharmacia), Toyopearl butyl 650(Toso Haas,ペンシルベニア
州モントゴメリヴィレ),Octyl-Sepharose(Pharmacia)およびその他;またはポ
リアクリル酸樹脂、例えば、Amberchrom CG 71(Toso Haas) およびその他を包含
する。
【0109】 適当な固体の支持体は、ガラスビーズ、シリカをベースとする樹脂、セルロー
ス樹脂、アガロースビーズ、架橋したアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、
架橋したポリアクリルアミド樹脂およびその他を包含し、これらはそれらを使用
する条件下で不溶性である。アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒ
ドロキシル基および/または炭水化物部分によるタンパク質への結合を可能とす
る反応性基で、これらの支持体を変性することができる。
【0110】 カップリングの化学の例は、臭化シアンの活性化、N-ヒドロキシスクシンイミ
ドの活性化、エポキシドのの活性化、スルフヒドリルの活性化、ヒドラジドの活
性化、およびカーボジイミドカップリングの化学のためのカルボキシルおよびア
ミノ誘導体を包含する。これらおよび他の固体の媒質はこの分野においてよく知
られかつ広く使用されており、そして商業的供給会社から入手可能である。
【0111】 特定の方法の選択は、日常的設計の事柄であり、そして一部分選択した支持体
の性質により決定される。例えば、Affinity Chromatogrphy:Principles & Meth
ods, Pharmacia LKB Biotechnology、スイス国ウップサラ、1988、参照。 本発明のポリペプチドまたはそのフラグメントは、また、化学的合成により製
造することができる。本発明のポリペプチドは、モノマーまたはマルチマーであ
ることができ、グリコシル化するか、あるいはしないことができ、ペギル化(peg
ylate)するか、あるいはしないことができ、そして初期のメチオニンアミノ酸残
基を含むか、あるいは含まないことができる。
【0112】 トランスジェニック植物 本発明は、また、本発明のペクチン分解酵素を回収可能な量で発現しかつ産生
するように、この酵素をコードする配列で形質転換された、トランスジェニック
植物、植物の部分または植物細胞に関する。この酵素を植物または植物の部分か
ら回収することができる。組換え酵素を含有する植物または植物の部分をそのま
ま使用することができる。
【0113】 トランスジェニック植物は双子葉植物または単子葉植物、略して双子葉または
単子葉、であることができる。単子葉植物は、イネ科植物、例えば、ナカハグサ
( イチゴツナギ、Poa)、飼料のイネ科植物、例えば、フェスツカ(festuca) 、ロ
リウム(lolium)、温帯のイネ科植物、例えば、アグロスチス(Agrostis)、および
穀物、例えば、コムギ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、モロコシおよ
びトウモロコシ(コーン)である。
【0114】 双子葉植物の例は、タバコ、マメ科の植物、例えば、ハウチワマメ、ジャガイ
モ、テンサイ、エンドウ豆、マメおよび大豆、およびアブラナ科(Brassicaceae
のファミリー) 、例えば、カリフラワー、アマナズナ、セイヨウアブラナおよび
密接に関係するモデルの微生物アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thalian
a)である。 植物の部分の例は、幹、カルス、葉、根、果実、種子、および塊茎である。本
発明の関係において、また、特定の植物の組織、例えば、葉緑体、アポプラスト
、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシソームおよび細胞質は植物の部分であると
考えられる。さらに、組織の由来が何であっても、任意の植物細胞は植物の部分
であると考えられる。
【0115】 また、このような植物、植物の部分および植物細胞の子孫は本発明の範囲内に
入る。 本発明の酵素を発現するトランスジェニック植物または植物細胞は、この分野
において知られている方法に従い構築することができる。要約すると、本発明の
酵素をコードする1または2以上の発現ベクターを植物宿主のゲノムの中に組込
み、そして生ずる修飾されたトランスジェニック植物または植物細胞トランスジ
ェニック植物または植物細胞に増殖させることによって、トランスジェニック植
物または植物細胞は構築される。
【0116】 好都合には、発現構築物は、選択した植物または植物の部分中の遺伝子の発現
に要求される適当な調節配列と作用可能なアソシエーションで、本発明の酵素を
コードする遺伝子からなるDNA 構築物である。さらに、発現構築物は、それが組
込まれた宿主細胞の同定に有用な選択可能なマーカー、および問題の植物の中に
構築物を導入するために必要なDNA 配列を含むことができる。
【0117】 調節配列、例えば、プロモーターおよびターミネーターおよび必要に応じてシ
グナルまたはトランシット配列は、例えば、酵素を発現させる時間、場合および
方法に基づいて決定される。例えば、本発明の酵素をコードする遺伝子の発現は
構成的または誘導可能であるか、あるいは発生、段階または組織特異的であるこ
とができ、そして遺伝子産物を特定の組織または植物の部分、例えば、種子また
は葉にターゲッティングすることができる。調節配列は、例えば、Taque et al.
、Plant 、Phys. 、86:506、1988に記載されている。
【0118】 構成的発現のために、35S-CaMVプロモーターを使用することができる(Frank e
t al. 、1980、Cell 21:285-294)。器官特異的プロモーターは、貯蔵シンク組織
、例えば、種子、ジャガイモ塊茎、および果実からのプロモーター(Edwards & C
oruzzi、1990、Annu.Rev.Genet.24:275-303)、または代謝シンク組織、例えば、
分裂組織からのプロモーター(Ito et al., 1994, Plant Mol.Biol.24:863-878)
、種子特異的プロモーター、例えば、イネからのグルテリン、プロラミン、グロ
ブリンまたはアルブミンのプロモーター(Wu et al., Plant and Cell Physiolog
y Vol.39, No.8 pp.885-889(1998))、
【0119】 レグミンB4からのソラマメ・ ナンテンハギ(Vicia faba)のプロモーターおよびソ
ラマメ・ ナンテンハギ(Vicia faba)からの未知の種子のタンパク質遺伝子(Conra
d U. et al., Journal of Plant Physiology Vol.152, No.6 pp.708-711(1988))
、種子の油体タンパク質からのプロモーター(Chen et al., Plant and Cell Phy
siology Vol.39, No.9 pp.935-941(1998))、ブラシカ・ナプス(Brassica napus)
からの貯蔵タンパク質napAのプロモーター、またはこの分野において知られてい
る他の種子特異的プロモーター、例えば、WO91/14772号に記載されているプロモ
ーターであることができる。
【0120】 さらに、プロモーターは葉特異的プロモーター、例えば、イネまたはトマトか
らのrbcsプロモーター(Kyozuka et al., Plant Physiology Vol.102, No.3 pp.9
91-1000(1993))、クロレラウイルスのアデニンメチルトランスフェラーゼ遺伝子
のプロモーター(Mitra, A.およびHiggins, DW, Plant Molecular Biology Vol.2
6, No.1 pp.85-93(1994)) 、またはイネからのaldP遺伝子のプロモーター(Kagay
a et al., Molecular and General Genetics Vol.248, No.6 pp.668-674(1995))
、または創傷誘導可能なプロモーター、例えば、ジャガイモpin2プロモーター(X
u et al.、Plant Mol.Biol.Vol.22, No.4 pp.573-588(1993)) であることができ
る。
【0121】 プロモーターエンハンサー因子を使用して、植物における酵素のより高い発現
を達成することができる。例えば、プロモーターエンハンサー因子は、プロモー
ターと酵素をコードするヌクレオチド配列との間に位置するイントロンであるこ
とができる。例えば、Xu et al., op cit には、イネのアクチン1 遺伝子の第1
イントロンを使用して発現を増強することが開示されている。 選択マーカーの遺伝子および発現構築物の任意の他の部分は、この分野におい
て入手可能なものから選択することができる。
【0122】 この分野において知られている慣用技術、例えば、アグロバクテリウム(Agrob
acterium) 仲介形質転換、ウイルス仲介形質転換、マイクロインジェクション、
粒子衝撃、生物分解形質転換、およびエレクトロポレーションに従い、植物ゲノ
ムの中にDNA 構築物を組込む(Gasser et al., Science, 244, 1293;Potrykus, B
io/Techn.8, 535, 1990;Shimamoto et al., Nature, 338, 274, 1989) 。
【0123】 現在、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)
培地遺伝子の転移は、トランスジェニック双子葉植物を発生させるために選択さ
れている方法であり(概観については下記の文献を参照のこと:Hooykas & Schi
lperoort, 1992, Plant Mol.Biol.19:15-18)、それはまた単子葉植物の形質転換
のために使用されるが、他の形質転換法はこれらの植物のために一般に好ましい
【0124】 現在、トランスジェニック単子葉植物を発生させるために選択される方法は、
胚のカルスまたは発生する胚の粒子衝撃(形質転換性DNA でコーティングされた
微視的金またはタングステン)である(Christou, 1992, Plant J.2:275-281;Shi
mamoto, 1994, Cur.Opin.Biotechnol.5:158-162;Vasil et al.、1992、Bio/Tech
nology 10:667-674)。単子葉植物を形質転換する別の方法は、下記の文献に記載
されているプロトプラストの形質転換をベースとする:Omirulleh S, et al., P
lant Molecular Biology Vol.21, No.3 pp.415-428(1993)。 形質転換後、この分野においてよく知られている方法に従い、発現構築物を組
込んだ形質転換体を選択し、全植物に再生させる。
【0125】 酵素調製物 本発明の関係において、用語「酵素調製物」は下記のものを意味することを意
図する:微生物の単一の種から、可能ならば単離および精製された、普通の酵素
の発酵産物(このような調製物は通常多数の異なる酵素活性からなる);または
1成分の酵素、好ましくは細菌または菌類の種から、慣用の組換え技術に従い、
誘導された酵素の混合物(これらの酵素は発酵させ、可能ならば別々に単離およ
び精製されており、そして異なる種、好ましくは菌類または細菌の種から由来す
ることができる);または組換えペクチン酸リアーゼの発現のための宿主細胞と
して作用するが、他の酵素、例えば、ペクチンリアーゼ、プロテアーゼ、または
セルラーゼを同時に産生する微生物の発酵産物(これは微生物の天然に存在する
発酵産物、すなわち、対応する天然に存在する微生物により好都合に産生される
酵素複合体である)。
【0126】 本発明のペクチン酸リアーゼ調製物は、下記の酵素から成る群より選択される
1または2以上の酵素をさらに含むことができる:プロテアーゼ、セルラーゼ(
エンド- β-1,4- グルカナーゼ)、β- グルカナーゼ(エンド- β-1,3(4)-グル
カナーゼ)、リパーゼ、クチナーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、アミラー
ゼ、グルコアミラーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノー
ルオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビナナーゼ、ヘミセルラー
ゼ、マンナナーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチルエス
テラーゼ、
【0127】 ラムノガラクツロナンアセチルエステラーゼ、ポリガラクトウロナーゼ、ラムノ
ガラクトウロナーゼ、ガラクタナーゼ、ペクチンリアーゼ、ペクチンメチルエス
テラーゼ、セルロバイオヒドロラーゼ、トランスグルタアミナーゼ;またはそれ
らの混合物。好ましい態様において、調製物中の1または2以上またはすべての
酵素は組換え技術により製造される、すなわち、1または2以上の酵素は、1ま
たは2以上の他の酵素と混合させて、所望の酵素のブレンドを有する酵素調製物
を形成する、1または2以上の単一成分の酵素である。
【0128】 免疫学的交差反応性 精製されたペクチン酸リアーゼ酵素を使用することによって、免疫学的交差反
応性の決定において使用すべきポリクローナル抗体(これらは所定の酵素タンパ
ク質に対して単一特異性である)を製造することができる。さらに詳しくは、下
記の文献に記載されている手順に従い、ウサギを免疫化することによって、本発
明のペクチン酸リアーゼに対する抗血清を発生させることができる:N.Axelsen
et al., in:A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Sci
entific Publcations, 1973, Chapter 23 、またはA.Johnstone およびR.Thorpe
、Immunochemistry in Practice, Blackwell Scientific Publcations, 1982 (
さらに詳しくは、p.27-31)。
【0129】 例えば、塩沈降((NH4)2SO4) 、次いで透析および、例えば、DEAE- セファデッ
クス上の、イオン交換クロマトグラフィーにより、抗血清から精製された免疫グ
ロブリンを得ることができる。Outcherlony の二重拡散分析(O.Ouchterlony in:
Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir,編),Blackwell Scientific
Publcations, 1967, pp.655-706) により、交差免疫電気泳動(N.Axelsen et al
., supra, Chapter 3 および4)によるか、あるいはロケット免疫電気泳動(N.Axe
lsen et al. 、Chapter 2)により、タンパク質の免疫化学的特性決定を実施する
ことができる。
【0130】 洗剤またはクリーニング工業における使用 それ以上の面において、本発明は、本発明のペクチン酸リアーゼ酵素または酵
素調製物からなる洗浄組成物、本発明のペクチン酸リアーゼ酵素または酵素調製
物からなる洗濯溶液を使用する機械的洗濯プロセスの洗濯サイクルの間に布帛を
処理することからなる布帛の機械的処理の方法、およびよりすぐれたクリーニン
グ性能、すなわち、よりすぐれた汚染除去を提供する、本発明のペクチン酸リア
ーゼ酵素または酵素調製物からなるクリーニング組成物、例えば、洗濯、硬質表
面のクリーナー、個人用クリーニングおよび口腔/歯の組成物に関する。
【0131】 理論により拘束されないで、本発明のマンナーゼはガラクトマンナンを含有す
る汚れまたはスポットを効果的に分解または加水分解することができ、したがっ
て、このような汚れまたはスポットを含む洗濯物をクリーニングすることができ
る。 本発明のクリーニング組成物は、少なくとも1種の追加の洗剤成分を含有しな
くてはならない。これらの洗剤成分の正確な特質、およびそれらの混入レベルは
、組成物の物理的形態、およびそれを使用すべきクリーニング操作の特質に依存
するであろう。
【0132】 本発明のクリーニング組成物は、選択された界面活性剤、他の酵素、ビルダー
および/または漂白系から成る群より選択される洗剤成分をさらに含むことが好
ましい。 本発明によるクリーニング組成物は、液体、ペースト、ゲル、棒状製品、タブ
レット、スプレー、フォーム、粉末または粒子であることができる。粒状組成物
はまた「コンパクトな」形態であることができ、そして液状組成物はまた「濃厚
な」形態であることができる。
【0133】 本発明の組成物は、例えば、手および機械による皿洗浄組成物、手および機械
による洗濯洗浄組成物、例えば、洗濯添加剤組成物および汚れた布帛のソーキン
グおよび/または前処理において使用するために適当な組成物、すすぎ添加用布
帛柔軟剤組成物、および一般的家庭用硬質表面クリーニング操作において使用す
るための組成物として配合することができる。このようなカルボヒドラーゼを含
有する組成物は、また、衛生化製品、コンタクトレンズのクレンザー、および健
康および美容ケアー製品、例えば、口腔/歯のケアーおよび個人用クリーニング
組成物として配合することができる。
【0134】 手による皿洗浄法において使用するための組成物として配合するとき、本発明
の組成物は好ましくは界面活性剤および好ましくは有機ポリマー化合物、泡増強
剤、第II族金属イオン、溶剤、ハイドロトロープおよび追加の酵素から成る群よ
り選択される他の洗剤化合物を含有する。
【0135】 洗濯機械洗濯法において使用するための組成物として配合するとき、本発明の
組成物は好ましくは界面活性剤およびビルダー化合物の双方を含有し、そしてさ
らに好ましくは有機ポリマー化合物、漂白剤、追加の酵素、泡抑制剤、分散剤、
石灰石鹸分散剤、汚れ懸濁剤および再付着防止剤および腐蝕抑制剤から成る群よ
り選択される1またはそれ以上の洗剤成分を含有する。洗濯組成物は、また、追
加の洗剤成分として、柔軟剤を含有することができる。このようなカルボヒドラ
ーゼを含有する組成物は、洗濯洗剤組成物として配合するとき、布帛クリーニン
グ、汚染の除去、白色度の維持、柔軟化、色の外観、染料移動阻止および衛生化
を提供することができる。
【0136】 本発明の組成物は、また、固体または液体の形態の洗剤添加剤製品として使用
することができる。このような添加剤製品は、慣用の洗浄組成物の性能を補助ま
たは増強することを意図し、そしてクリーニングプロセスの任意の段階において
添加することができる。 必要に応じて、本発明における洗濯洗剤組成物の密度は、20℃において測定し
て、400 〜1200g/l 、好ましくは500 〜950g/lの組成物の範囲である。
【0137】 本発明における組成物の「コンパクトな」形態は、密度により、そして、組成
物に関して、無機充填剤の塩の量により最良に反映される;無機充填剤の塩は粉
末の形態の洗浄組成物の慣用の成分である;慣用の洗浄組成物において、充填剤
の塩は実質的な量で、典型的には全体の組成物の17〜3 重量%で存在する。コン
パクトな組成物において、充填剤の塩は全体の組成物の15%を超えない、好まし
くは10%を超えない、最も好ましくは5 %を超えない量で存在する。無機の充填
剤の塩、例えば、本発明の組成物において意味するものは、アルカリ金属および
アルカリ土類金属の硫酸塩および塩化物から選択される。好ましい充填剤の塩は
硫酸ナトリウムである。
【0138】 本発明による液状洗剤組成物は、また、「濃厚な形態」であることができ、こ
のような場合において、本発明による液状洗剤組成物は、普通の液状洗剤に比較
して、少量の水を含有するであろう。典型的には、濃厚な液状洗剤の水分は好ま
しくは40%より低く、より好ましくは30%より低く、最も好ましくは20%より低
い。 本発明において使用するために適当な特定の洗剤化合物は、WO97/01629号(こ
れは引用することによって本明細書の一部とされる)に記載されているような特
定の化合物から成る群より選択される。 マンナーゼを本発明によるクリーニング組成物の中に好ましくは組成物の重量
の0.0001%〜2 %、より好ましくは0.0005%〜0.5 %、最も好ましくは0.001 %
〜0.1 %の純粋な酵素のレベルで添加する。
【0139】 本発明における使用可能なセルラーゼは、細菌または菌類の双方のセルラーゼ
を包含する。好ましくは、それらは5 〜12のpH最適条件および50以上のCEVU/mg(
セルロース粘度単位)の比活性を有するであろう。適当なセルラーゼは米国特許
第4,435,307 号、J61078384 号およびWO96/00000号に開示されており、これらの
明細書には、それぞれ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens) 、チエラ
ビア(Thielavia) およびスポロトリクム(Sporotrichum)が開示されている。EP73
9,982 号明細書には、新規なバシラス(Bacillus)種から単離されたセルラーゼ
が記載されている。適当なセルラーゼは、また、GB-A-2075028号;GB-A-2095275
号;DE-OS-22 47 832号およびWO95/26398号に開示されている。
【0140】 このようなセルラーゼの例は、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)
(Humicola grisea var.thermoidea) の株、フミコラ・インソレンス(Humicola
insolens) 、DSM 1800株により産生されたセルラーゼである。他の適当なセルラ
ーゼは、約50kDの分子量、5.5 の等電点を有しかつ415 アミノ酸を含有するフミ
コラ・インソレンス(Humicola insolens) から由来するセルラーゼ;およびフミ
コラ・インソレンス(Humicola insolens) 、DSM 1800に由来する約43kDのエンド
- ベータ-1,4- グルカナーゼである;好ましいセルラーゼはPCT 特許出願No.WO9
1/17243 号に開示されているアミノ酸配列を有する。
【0141】 また、適当なセルラーゼはWO94/21801号に記載されているトリコデルマ・ロン
ギブラキアツム(Trichoderma longibrachiatum) からのEGIII セルラーゼである
。特に適当なセルラーゼは色ケアー利点を有するセルラーゼである。このような
セルラーゼの例は、WO96/29397号、EP-A-0495257号、WO91/17243号、WO91/17244
号およびWO91/21801号に記載されているセルラーゼである。布帛のケアーおよび
/またはクローニング性質に適当な他のセルラーゼは、WO96/34092号、WO96/179
94号およびWO95/24471号に記載されている。
【0142】 前記セルラーゼは、通常、洗浄組成物の重量の0.0001%〜2 %のレベルで洗浄
組成物の中に混入される。 本発明の目的のために好ましいセルラーゼは、アルカリ性セルラーゼ、すなわ
ち、7 〜12のpH範囲においてそれらの最大活性の少なくとも25%、より好ましく
は少なくとも40%を有する酵素である。より好ましいセルラーゼは7 〜12のpH範
囲においてそれらの最大活性を有する酵素である。好ましいアルカリ性セルラー
ゼは、商品名CarezymeR1(Novo Nordisk A/S)で販売されているセルラーゼである
【0143】 アミラーゼ(αおよび/またはβ) は、炭水化物に基づく汚染の除去のために
添加することができる。WO94/02597号明細書(Novo Nordisk A/S 、1994年2月3
日発行)には、突然変異体のアミラーゼを含むクリーニング組成物が記載されて
いる。また、WO95/10603号明細書(Novo Nordisk A/S 、1995年4月20日発行)参
照。クリーニング組成物において使用するための既知の他のアミラーゼは、α-
およびβ- アミラーゼの双方を包含する。α- アミラーゼはこの分野において知
られており、そして米国特許第5,003,257 号、EP252,666 号、WO/91/00353 号
、FR2,676,456 号、EP285,123 号、EP525,610 号、EP368/341 号、および英国特
許明細書第1,296,839 号(Novo)に開示されているものを包含する。
【0144】 他の適当なアミラーゼは、WO94/18314号(1994年8 月18日発行)およびWO96/0
5295号(Genencor 、1996年2 月22日発行)に記載されている安定性が増強された
アミラーゼおよびノボ・ノルディクス社(Novo Nordisk A/S)から入手可能であり
、WO95/10603号(1995年4 月発行)に開示されている直接の親において追加の修
飾を有するアミラーゼ変異型である。また、EP277,216 号、 WO95/26397 号およ
びWO96/23873号( すべてはNovo Nordiskによる)に記載されているアミラーゼは
適当である。
【0145】 商業的α- アミラーゼ製品の例は、Purafact Ox AmR(Genencorから) およびTe
rmamylR 、BanR、FungamylR およびDuramylR(これらのすべてはNovo Nordisk A
/S、デンマーク国、から入手可能である)である。WO95/26937号明細書には、他
の適当なアミラーゼが記載されている:PhadebasR α- アミラーゼ活性のアッセ
イにより測定して、25℃〜55℃の温度範囲および8 〜10の範囲のpH値においてTe
rmamylR の比活性よりも少なくとも25%高い比活性を有することによって特徴づ
けられるα- アミラーゼ。WO96/23873号(Novo Nordisk)に記載されている、上記
酵素の変異型は適当である。活性レベルに関して改良された性質および熱安定性
とより高い活性レベルとの組合わせを有する他のデンプン分解酵素は、WO95/353
82号明細書に記載されている。
【0146】 本発明の目的に対して好ましいアミラーゼは、商品名Termamyl、Duramyl およ
びMaxamyl で販売されているアミラーゼおよび/またはWO96/23873号において配
列番号:2として開示された、増加した熱安定性配列α- アミラーゼ変異型である
。特定の用途のために好ましいアミラーゼは、アルカリ性アミラーゼ、すなわち
、7 〜12のpH範囲においてそれらの最大活性の少なくとも10%、好ましくは少な
くとも25%、より好ましくは少なくとも40%の酵素活性を有する酵素である。よ
り好ましいアミラーゼは7 〜12のpH範囲においてそれらの最大活性を有する酵素
である。デンプン分解酵素は、本発明によるクリーニング組成物の中に、組成物
の重量の0.0001%〜2 %、好ましくは0.00018 %〜0.06%、より好ましくは0.00
024 %〜0.048 %の純粋な酵素のレベルで添加される。
【0147】 キシログルカナーゼという用語は、ワゲニンゲン大学(Wageningenn Universit
y)のVincken およびVoragen[Vincken et al., Plant Physiol., 104:99-107] に
より記載された酵素の族を包含し、そしてこの酵素はHayashi et al.(1989)Plan
t Physiol.Plant Mo.Biol., 40:139-168に記載されているようにキシログルカン
を分解することができる。Vincken et al.は、トリコデルマ・ビリデ(Trichoder
ma viride)(エンド-IV-グルカナーゼ) から精製されたキシログルカナーゼによ
る単離されたリンゴ細胞壁のセルラーゼからのキシログルカンのコーティングの
除去を証明した。この酵素は、細胞壁が埋め込んだセルロースの酵素的分解を増
強し、そしてペクチン酵素と相乗的に働く。ギスト- ブロカデス(Gist-Brocades
) からのラピダーゼLIQ+はキシログルカナーゼ活性を含有する。
【0148】 このキシログルカナーゼは、本発明によるクリーニング組成物の中に、組成物
の重量の好ましくは0.0001%〜2 %、より好ましくは0.0005%〜0.5 %、最も好
ましくは0.001 %〜0.1 %の純粋な酵素のレベルで添加される。 特定の用途のために好ましいキシログルカナーゼは、アルカリ性キシログルカ
ナーゼ、すなわち、7 〜12のpH範囲においてそれらの最大活性の少なくとも10%
、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも40%の酵素活性を有す
る酵素である。より好ましいキシログルカナーゼは7 〜12のpH範囲においてそれ
らの最大活性を有する酵素である。
【0149】 前述の酵素は任意の適当な起源、例えば、植物、動物、細菌、菌類および酵母
の起源であることができる。起源はさらに中温生物または好極限性細菌(好冷生
物、向寒冷生物、好熱性生物、好圧力菌、好アルカリ性生物、好酸性生物、好塩
性生物、およびその他)であることができる。これらの酵素の精製された形態ま
たは非精製形態を使用することができる。現今、本発明のクリーニング組成物に
おける性能効率を最適化するために、タンパク質または遺伝子工学技術により野
生型酵素を修飾することが一般に行われている。例えば、このような組成物の普
通に直面する成分に対する酵素の適合性を増加するように、変異型を設計するこ
とができる。
【0150】 あるいは、酵素変異型の最適pH、漂白剤またはキレート化剤の安定性、触媒活
性およびその他が特定のクリーニングの用途に適合するように調整されるように
、バレリン酸を設計することができる。特に、漂白剤の安定性の場合において酸
化に対するアミノ酸の感受性および界面活性剤の適合性についての表面の変化に
、注目を集中すべきである。このような酵素の等電点はある帯電したアミノ酸の
置換により変更することができ、例えば、等電点を増加させると、アニオン界面
活性剤との適合性の改良を促進することができる。酵素の安定性は、例えば、追
加の塩の架橋を形成し、そして金属結合部位がキレート化剤の安定性を増加する
ようにさせることによって、さらに増加することができる。
【0151】 繊維材料およびセルロース繊維のプロセシング工業における使用 繊維の生物調製または洗剤と組合わせたクリーニングのために、本発明のペク
チン酸リアーゼを他の炭水化物分解酵素(例えば、アラビナーゼ、キシログルカ
ナーゼ、ペクチナーゼ)と組合わせて使用することができる。綿繊維は、ペクチ
ンを含有する一次細胞壁層および主としてセルロースを含有する二次層から成る
。綿の調製または綿の精製下に、一次細胞壁の一部分は除去されるであろう。本
発明は、一次細胞壁の除去による綿の精製の間に、あるいは綿のクリーニングの
間に、残留ペクチン物質の除去および繊維材料の灰色化の防止の促進に関する。
【0152】 本発明の関係において、用語「セルロース材料」は、綿、綿のブレンドまたは
天然または人工のセルロース(例えば、キシラン含有セルロース繊維、例えば、
木材パルプに由来する)またはそれらのブレンドから作られた、繊維、縫製およ
び非縫製布帛、例えば、編物、織布、デニム、糸、およびタオルを意味すること
を意図する。ブレンドの例は、綿またはレーヨン/ビスコースと、1 またはそれ
以上の随伴材料、例えば、羊毛、合成繊維(例えば、ポリアミド繊維、アクリル
繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポ
リ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリ尿素、アラミド繊維)、および
セルロース含有繊維(例えば、レーヨン/ビスコース、ラミー、大麻、亜麻/リ
ネン、ジュート、酢酸セルロース繊維、リオセル)とのブレンドである。
【0153】 本発明の調製物は、大麻、亜麻またはリネンの前処理または加湿柔軟化(retti
ng) のためのセルロース繊維の工業において有用である。 繊維材料工業のためのセルロース材料、例えば、綿繊維の被服の製作用材料へ
のプロセシングはいくつかの工程を含む:糸への繊維の紡糸;糸からの織布また
は編物の構成および引き続く調製、染色および仕上げの操作。織製製品は、1系
列のたて糸の間でよこ糸の製織により構成される;糸は2 つの異なる型であるこ
とができる。編成製品は、1本の連続の糸からのインターロックするループの網
状構造を形成することによって構成される。また、セルロース繊維は不織布に使
用することができる。
【0154】 調製プロセスにおいて、染色操作において適切な応答するように繊維材料を調
製する。調製に含まれる下位の工程は次の通りである: a. 製織前に、ポリマーの糊剤、例えば、澱粉、CMC またはPVA を使用する糊
抜き剤(織製製品について)を添加して、たて糸の速度を増加させる;この物質
はさらにプロセシング前に除去しなくてはならない;
【0155】 b. 精練、その目的は綿繊維からNLNSRVP セルロース材料、特にクチクラ(主
として蝋から成る)および一次細胞壁(主としてペクチン、タンパク質およびキ
シログルカンから成る)を除去することである。適切な蝋の除去は高い湿潤性を
得るために必要であり、すぐれた染色を得るための測度である。一次細胞壁- 特
にペクチン- のトランスジェニック単子葉植物は蝋の除去を改良し、いっそう均
一な染色を保証する。さらに、これは漂白プロセスにおける白色度を改良する。
精練において使用される主要な化学物質は、70g/kgまでの、高い濃度および高い
温度、80〜95℃、における水酸化ナトリウムである;および
【0156】 c. 漂白;通常、精練に引き続いて、酸化剤として過酸化水素を使用する漂白
を実施して、完全に漂白された(白色)布帛を得るか、あるいは染料の鮮やかな
色彩を保証する。 また、この工業において、1工程の組合わせた精練/漂白のプロセスが使用さ
れている。調製プロセスは布帛の状態で最も普通に使用されている;また、精練
、漂白および染色操作を繊維または糸の段階において実施することができる。
【0157】 プロセシングはバッチ式または連続的であることができ、布帛を解放幅または
ロープの形態で液体のプロセシング流れと接触させる。一般に、連続的操作にお
いて、サチュレーターを使用し、これによりほぼ等しい重量の化学浴/重量の布
帛を布帛を適用し、次いで加熱された一時停止チャンパーにおいて、化学反応を
起こす。次いで洗濯区画において、次のプロセシング工程のために布帛を調製す
る。バッチ式プロセシングは一般に1つのプロセシング浴において実施し、これ
により布帛をほぼ8 〜15倍の重量の化学浴と接触させる。
【0158】 反応後、化学物質を排出し、布帛をすすぎ、次の化学物質を適用する。不連続
のパッドー バッチ式プロセシングはサチュレーターを含み、これによりほぼ等し
い重量の化学浴/重量の布帛を布帛を適用し、次いで一時停止期間を置き、これ
は常温パッド- バッチ式の場合において1日またはそれ以上の日数であることが
できる。
【0159】 織製製品は繊維材料の布帛の構成の流行する形態である。製織プロセスにおい
て、たて糸の摩耗を防止するために、「糊付け」を必要とする。澱粉、ポリビニ
ルアルコール(PVA) 、カルボキシメチルセルロース、蝋およびアクリル結合剤は
、入手可能性およびコストのために、典型的な糊付け化学物質である。製織プロ
セス後、織布製品の調製における第1工程として、糊剤を除去しなくてはならな
い。ロープまたは解放幅の糊付け布帛を、糊抜剤を含有するプロセシング液と接
触させる。使用する糊抜剤は除去すべき糊剤の種類に依存する。PVA 糊剤につい
て、熱水または酸化的プロセスがしばしば使用される。綿布帛のための最も普通
の糊剤は澱粉をベースとする。
【0160】 したがって、最もしばしば、綿織布は熱水、澱粉を加水分解するための酵素の
α- アミラーゼおよび湿潤剤または界面活性剤の組合わせにより糊抜きされる。
糊抜きを達成するために十分に長い「保持期間」の間、セルロース材料を糊抜き
化学物質とともに放置する。保持期間はプロセシングの型および温度に依存し、
そして15分〜2時間、あるいはある場合において、数日の間で変化することがで
きる。典型的には、糊抜き化学物質はサチュレーター浴において適用され、この
浴はの約15℃〜約55℃の範囲である。次いで布帛を「J ボックス」のような装置
中で保持し、この装置は糊抜剤の活性を増強するために十分な熱通常約55℃〜約
100 ℃を提供する。除去された糊剤を含む化学物質は、保持期間の終わりにおい
て布帛から洗浄除去される。
【0161】 高い白色度またはすぐれた湿潤性および生ずる染色性を保証するために、糊剤
および他の適用した化学物質を完全に除去しなくてはならない。一般に、効率よ
い糊抜きは下記の調製プロセスのために非常に重要である:精練および漂白。
【0162】 精練プロセスは綿において自然に見出される非セルロース化合物の大部分を除
去する。自然の非セルロース不純物に加えて、精練はほこり、固体および残留す
る製作中に導入された物質、例えば、紡糸、コーニングまたは糊付けの油剤を除
去することができる。精練プロセスにおいて、水酸化ナトリウムまたは関係する
苛性化剤、例えば、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムまたはそれらの混合物が使
用される。一般に、アルカリ安定性界面活性剤をこのプロセスに添加して、疎水
性化合物の可溶化を増強し、および/または布帛上へのそれらの再付着を防止す
る。処理は一般に高い温度、80℃〜100 ℃において、pH13〜14の強アルカリ性溶
液中で精練剤を使用して実施される。
【0163】 化学的プロセスの非特異的特質のために、不純物ばかりでなく、かつまたセル
ロースそれ自体が攻撃され、強度または他の所望の布帛の性質が損傷される。セ
ルロース布帛の柔軟性は残留する天然の綿の蝋の関数である。高温の強くアルカ
リ性の精練プロセスの非特異的特質は、所望の天然の綿の油剤と製作で導入され
る油剤とを区別することができない。さらに、慣用の精練プロセスは、これらの
プロセスからの高度にアルカリ性の流出液のために、環境的問題を引き起こすこ
とがある。精練段階において、布帛は漂白において最適な応答をするように調製
される。不適切に精練された布帛は、引き続く漂白段階においてより高いレベル
の漂白剤を必要とするであろう。
【0164】 漂白工程において、天然の綿顔料は変色し、ジニング、カーディングまたは精
練の間に完全には除去されない、残留する天然の木質の綿のくず成分が除去され
る。今日使用されている主要なプロセスは、アルカリ性過酸化水素の漂白である
。多くの場合において、非常に高い白色度が特に必要でないとき、漂白を精練と
組合わせることができる。
【0165】 下記の実施例において、精練工程は、本発明のペクチン酸リアーゼまたはペク
チン酸リアーゼ調製物を使用して、約50℃〜80℃の温度およびpH約7 〜11におい
て実施し、こうして高度に苛性化剤を代替するか、あるいはそれを補助すること
ができることが示された。最適化された酵素的プロセスは高いペクチンの除去お
よび完全な湿潤性を保証する。
【0166】 植物材料の分解または変性 本発明による酵素または酵素調製物は、本発明のペクチン酸リアーゼの高い植
物細胞壁分解活性のために、植物細胞壁または植物細胞壁に由来するペクチン含
有物質の分解剤または変性剤として好ましく使用される。 本発明のペクチン酸リアーゼを単独で、あるいは他の酵素、例えば、グルカナ
ーゼ、ペクチナーゼおよび/またはヘミセルラーゼと組合わせて使用して、油に
富んだ植物材料からの油の抽出、例えば、大豆からの大豆油、オリーブからのオ
リーブ油、ナタネからのナタネ油またはヒマワリからのヒマワリ油の抽出を改良
することができる。
【0167】 本発明のペクチン酸リアーゼは、植物細胞材料の成分の分離に使用することが
できる。糖または澱粉に富んだ植物材料をかなり商業的に重要な成分(例えば、
テンサイからスクロースまたはジャガイモから澱粉)および重要性が低い成分(
例えば、パルプまたは殻の画分)に分離することは特に重要である。また、タン
パク質または油に富んだ作物を価値があるタンパク質および油と価値が低い殻の
画分に分離することは特に重要である。分離プロセスはこの分野において知られ
ている方法に従い実施される。
【0168】 本発明のペクチン酸リアーゼは、また、果実または野菜ジュースの製造におい
て使用して収量を増加し、そして、例えば、ワインまたはジュースの製造からの
、種々の植物細胞壁に由来する物質または不用な物質、または農業残留物、例え
ば、野菜の殻、マメの殻、テンサイのパルプ、オリーブのパルプ、ジャガイモの
ジャガイモ、およびその他の酵素的加水分解において使用することができる。 植物材料を分解して異なる種類のプロセシングを改良し、ガラクタン以外の他
の成分の精製または抽出、例えば、柑橘類からのペクチンの精製を促進し、飼料
の価値を改良し、水結合能力を減少させ、排水プラントにおける分解を改良し、
植物材料の貯蔵生牧草への変換を改良する、およびその他を実行することができ
る。
【0169】 本発明の酵素調製物により、プロセシングした果実または野菜のコンシステン
シーおよび外観を調節することができる。コンシステンシーおよび外観は、プロ
セシングに使用する得の実際の組合わせの産物、すなわち、本発明のペクチン酸
リアーゼを組合わせる酵素の特異的であることが示された。例は、例えば、リン
ゴ、セイヨウナシまたはベリーからの透明なジュース;例えば、リンゴ、セイヨ
ウナシ、ベリー、柑橘類またはトマトからの曇った安定なジュース;および例え
ば、ニンジンまたはトマトからの黄色顔料;の製造を包含する。
【0170】 本発明のペクチン酸リアーゼは、植物細胞壁由来の材料の粘度の変更するため
に使用することができる。例えば、ペクチン酸リアーゼを使用して、ガラクタン
を含有する飼料の粘度を減少させ、そして粘性のガラクタン含有材料のプロセシ
ングを促進することができる。ガラクタン含有植物材料を本発明の酵素調製物で
、ガラクタン含有材料の完全なまたは部分的分解に適当な条件下に、処理するこ
とによって、粘度を減少させることができる。
【0171】 ペクチン酸リアーゼを、例えば、他の酵素と組み合わせて使用して、植物繊維
からペクチン物質を除去することができる。この除去は、例えば、繊維材料の繊
維または他のセルロース材料の製造において、必須である。この目的のために、
植物繊維材料に関連するペクチン物質の完全なまたは部分的分解に適当な条件下
に、繊維材料を適当な量の本発明のペクチン酸リアーゼで処理する。
【0172】 動物飼料の添加剤 本発明のペクチン酸リアーゼは動物飼料の変性に使用し、そしてin vitro(飼
料の成分の変性により)またはin vivo でそれらの作用を発揮することができる
。ペクチン酸リアーゼは、高い量のアラビノガラクタンまたはガラクタンを含有
する動物飼料の成分、例えば、大豆、ナタネ、ハウチワマメ、およびその他から
の植物材料を含有する飼料への添加に特に適する。飼料に添加するとき、ペクチ
ン酸リアーゼは植物細胞壁材料のin vivo の破壊を有意に改良し、これにより動
物による植物栄養の利用が改善される。
【0173】 これにより、動物の成長速度および/または飼料の変換比(すなわち、摂取し
た飼料の重量/体重増加)が改良される。例えば、摂取可能なガラクタンは、ペ
クチン酸リアーゼを、例えば、β−ガラクトシダーゼと組み合わせて、使用して
、ガラクトースまたはガラクトオリゴマーに分解され、これらは動物により消化
され、こうして飼料の有効エネルギーに寄与される。また、ガラクタンの分解に
より、ペクチン酸リアーゼは非炭水化物の飼料成分、例えば、タンパク質、脂肪
および無機質の消化および吸収を改良することができる。 それ以上の説明については、PCT/DK96/00443号およびその中の実施例を参照の
こと。
【0174】 ワインおよびジュースの処理 本発明の酵素または酵素調製物は、野菜または果実のジュース、特にリンゴま
たはセイヨウナシのジュースの脱ペクチンおよび粘度の減少のために使用するこ
とができる。これは果実または野菜のジュースの中に含有されるペクチン含有物
質を分解するために有効な量の本発明の酵素または酵素調製物で、果実または野
菜のジュースを処理することによって達成される。
【0175】 果実または野菜からのマッシュを処理して、マッシュの抽出性または分解性を
改良するために、酵素または酵素調製物を使用することができる。例えば、酵素
調製物はジュースの製造のためのリンゴおよびセイヨウナシのマッシュの処理、
およびワインの製造のためのブドウのマッシュの処理において使用することがで
きる。
【0176】 ペクチン酸リアーゼの触媒活性の測定 粘度のアッセイAPSU APSU単位:APSU単位のアッセイは、カルシウムを添加しないで基質のポリガラ
クツロン酸を使用する粘度の測定である。 基質の5 %のポリガラクツロン酸ナトリウム塩(Sigma P-1879)を、0.1Mのグリ
シン緩衝液pH10中に溶解する。4ml の基質を40℃において5分間前インキュベー
トする。酵素を添加し(250 μl の体積)ミキサー中で最大速度において10秒間
混合し、次いで40℃において20分間インキュベートする。標準的曲線のために、
5APSU/ml〜100APSU/ml以上の領域の酵素濃度の二重測定を10〜60APSU/ml の最少
4 濃度で実施する。会社ソフラサー(Sofraser, 45700 Villemandeur, France)
からのMIVI 600を使用して、粘度を測定する。粘度を10秒後mVとして測定する。
【0177】 APSU単位を計算するために、前述したように酵素標準的希釈を使用して標準的
曲線を得た: APSU/ml mV 0.00 300 4.00 276 9.00 249 14.00 227 19.00 206 24.00 188 34.00 177 49.00 163 99.00 168
【0178】 プラトーをもつ1相指数的減衰との非線形適合を使用する、グラフパッド・プ
リズム(GrafPad Prism) プログラムを計算に使用した。プラトー+スパンは酵素
を使用しないで得られたmVである。プラトーは100APSU より大きいmVであり、そ
して双方の実施例における粘度の半分の減少は12APSU単位であり、標準誤差は1.
5APSU である。
【0179】 リアーゼアッセイ(235nm において) β- 離脱を測定するために、0.1Mのグリシン緩衝液pH10中に溶解した基質の0.
1 %ののポリガラクツロン酸ナトリウム塩(Sigma P-1879)を使用して、235nm に
おける吸収の増加を測定するアッセイを実施した。触媒速度を測定するために、
235nm における5.2 吸収単位/分は1μmol の不飽和生成物の生成に対応する(N
asuna およびStarr(1966)J.Biol.Chem.Vol.241, pp.5298-5306; およびBartling
, Wegener およびOlsen(1955)Microbiology Vol.141, pp.873-881)。
【0180】 235nm における吸収の連続的測定を用いる、温度制御のクベットホルダー中の
HPダイオード列の分光光度計上で1cm の光路の0.5ml のクベットを使用する定常
状態の条件。定常状態について、少なくとも200 秒間の直線増加を使用して速度
を計算した。それを生成μmol /分の生成物に変換した。
【0181】 寒天アッセイ 0.7 %w/v のポリガラクツロン酸ナトリウム(Sigma P 1879)を含有する寒天プ
レート(例えば、LB寒天)の中に打抜いた4mm の孔に被験溶液を適用することに
よって、ペクチン酸リアーゼ活性を測定した。次いでプレートを特定の温度(例
えば、75℃)において6 時間インキュベートした。
【0182】 次いでプレートを(i)1M のCaCl2 中で0.5 時間または(ii)1%の混合アルキル
トリメチルアンモニウムBr (MTAB、Sigma M-7635) 中で1時間ソーキングした。
これらの手順の双方は寒天内にポリガラクツロン酸塩を沈澱させる。沈澱したポ
リガラクツロン酸塩のバックグラウンド内の透明なゾーンの出現により、ペクチ
ン酸リアーゼ活性を検出することができる。ペクチン酸リアーゼの標準的調製物
の希釈物を使用して、このアッセイの感度を目盛定めされる。
【0183】 終点の分析−ペクチン酸リアーゼについての235nm におけるトランス脱離(高い
カルシウム法:最終インキュベーション混合物中の1mM のカルシウム) この方法において、基質および酵素を37℃において20分間インキュベートし、
次いで235nm において二重結合の形成を測定する。最後に、トランス単位により
モル吸光係数に基づいて、分解速度を計算する。
【0184】 手順: 0.5ml の希釈物を0.5ml の2×基質溶液と混合する。 基質:ポリガラクツロン酸(Sigma P-1879 ロット77H3784) 緩衝液2×:0.1Mのグリシン+2.0mmol のCaCl2 停止試薬:0.02M のH3PO4 インキュベーション温度:37℃ 反応時間:20分 トランス脱離の吸光係数:0.0052μmol/cm
【0185】 酵素をイオンを含有しない水中で0.5 〜5APSU/mlに希釈する。二重反復実験に
おける主要な値は0.5ml である。2×緩衝液中の2%w/v の基質を0.5ml の希釈
した酵素と混合する。双方を37℃の水浴上で5分間前インキュベートする。20分
間インキュベートする。5ml の停止試薬を使用して停止させ、混合する。ブラン
クを酵素と混合し、まず停止試薬を添加し、次いですべての基質を同一体積で添
加する。
【0186】 酵素 0.5ml 基質 0.5ml 停止試薬 5ml 合計の体積 6ml 1cm のクベット中で235nm において吸収を測定する。 0.0052μmol/cmの吸光係数を使用して、トランス脱離の生成/分を計算する。 計算:[(主要+主要)/2−ブランク]0.0052×6×2×酵素希釈/20 分/100
0ml =μmol/分
【0187】材料および方法 株およびドナー微生物 バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、ATCC 14580は、配列
番号:3で表わされるペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列からなる。 バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)、NCIMB 40482 または
DSM 8721は、配列番号:1で表わされるペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列
からなる。 バシラス(Bacillus)スペーシス AAI12は、配列番号:5で表わされるペクチン
酸リアーゼをコードするDNA 配列からなる。
【0188】 バシラス(Bacillus)スペーシス KJ59 、DSM 12419 は、配列番号:7で表わさ
れるペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列からなる。 バシラス(Bacillus)スペーシス I534 は、配列番号:9で表わされるペクチン
酸リアーゼをコードするDNA 配列からなる。 大腸菌(E.coli)DSM 12403 は、配列番号:5で表わされる本発明のペクチン酸リ
アーゼをコードするDNA 配列を含有するプラスミドからなる。
【0189】 大腸菌(E.coli)DSM 12404 は、配列番号:9で表わされる本発明のペクチン酸リ
アーゼをコードするDNA 配列を含有するプラスミドからなる。 大腸菌(E.coli)DSM 11789 は、配列番号:3で表わされる本発明のペクチン酸リ
アーゼをコードするDNA 配列を含有するプラスミドからなる。 大腸菌(E.coli)DSM 11788 は、配列番号:1で表わされる本発明のペクチン酸リ
アーゼをコードするDNA 配列を含有するプラスミドからなる。
【0190】 バシラス(Bacillus)種PL2306。この株は崩壊したapr およびnpr 遺伝子をも
つバシラス・サチリス(B.subtilis)DN1885であり(Diderichasen, B., Wedsted,
U., Hedegaard, L., Jensen, B.R., Sj holm, C.(1990)Cloning of aldB, which
encodes alpha-acetolactate decarboxylase,an exoenzyme from Bacillus bre
vis.J.Bacteriol.172:4315-4321)転写単位において既知のバシラス・サチリス(B
acillus subtilis) セルラーゼ遺伝子を崩壊させ、セルラーゼ陰性細胞を生じた
【0191】 崩壊は本質的に記載されているように実施された(A.L.Sonenshein, J.A.Hoch
およびRichard Losick(1993)Bacillus subtilis and other Gram-Positive Bact
eria, American Society for microbiology, p.618) 。下記の文献に記載されて
いるように、コンピテント細胞を調製し、形質転換させた:Yasbin、R.E.、Wils
on,G.A. およびYoung, F.E.(1975)Transformation and transfection in lysoge
nic strains of Bacillus subtilis:evidence for selective induction of pro
phage in competent cells。J.Bacteriol.121:296-304 。
【0192】 大腸菌(E.coli):SJ2(Diderichsen, B., Wedsted, U., Hedegaaard, L., Jens
en, B.R., Sj holm, C.(1990)Cloning of aldB, which encodes alpha-acetolac
tate decarboxylase,an exoenzyme from Bacillus brevis.J.Bacteriol.172:431
5-4321) 。Bio-Rad GenePulserTMを製造業者が推奨するように使用して、エレク
トロコンピテント細胞を調製し、形質転換した。
【0193】プラスミド pBK-CAMV(Stratagene 、カリフォルニア州ラジョラ) pSJ1678(WO94/19454号、これは引用することによって本明細書の一部とされる、
参照) pMOL944 : このプラスミドは、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis) 中で増殖可能な
プラスミドを作る因子、カナマイシン耐性遺伝子本質的含有し、バシラス・リヘ
ニフォルミス(B.licheniformis) 、ATCC 14580のamyL遺伝子からクローニングさ
れた強いプロモーターおよびシグナルペプチドを有するpUB110誘導体である。シ
グナルペプチドは、それと融合するタンパク質の成熟部分をコードするDNA を好
都合にクローニングさせるSacII 部位を含有する。これは細胞の外部に向けられ
たプレタンパク質を発現させる。
【0194】 プラスミドは、下記に簡単に説明されている慣用の遺伝子工学技術により構築
された。 pMOL944 の構築: pUB110プラスミド(McKenzie 、T.et al.、1986、Plasmid 15:93-103)を、ユニ
ーク制限酵素NciIで消化した。プラスミドpDN1981 上にコード化されたamyLから
増幅されたPCR フラグメント(P.L.J rgensen et al. 、1990、Gene 96:37-41)を
NciIで消化し、NciI消化pUB110の中に挿入してプラスミドpSJ2624 を形成した。
【0195】 使用した2 つのPCR プライマーは下記の配列を有する: # LWN5494 5'-GTCGCCGGGGCGGCCGCTATCAATTGGTAACTGTATCTCAGC -3' # LWN5495 5'-GTCGCCCGGGAGCTCTGATCAGGTACCAAGCTTGTCGACCTGCAGAA TGAGGCAGCAAGAAGAT -3' プライマー#LWN5494はプラスミドの中にNotI部位を挿入する。 次いでプライマーpSJ2624 をSacIおよびNotIで消化し、そしてpDN1981 上にコ
ード化されたamyLから増幅された新しいPCR フラグメントをSacIおよびNotIで消
化し、このDNA フラグメントをSacI-NotI 消化pSJ2624 の中に挿入してプラスミ
ドpSJ2670 を形成した。
【0196】 このクローニングは第1amyL プロモーターのクローニングを同一プロモーター
で置換するが、向きは反対である。PCR 増幅のために使用した2つのPCR プライ
マーは下記の配列を有する: # LWN5938 5'-GTCGGCGGCCGCTGATCACGTACCAAGCTTGTCGACCTGCAGAATG AGGCAGCAAGAAGAT -3' # LWN5939 5'-GTCGGAGCTCTATCAATTGGTAACTGTATCTCAGC -3'
【0197】 プライマーpSJ2670 を制限酵素PstIおよびBclIで消化し、そしてアルカリ性ア
ミラーゼSP722 (WO95/26397号として公開された国際特許出願に開示されている
、これはその全体において引用することによって本明細書の一部とされる)をコ
ードするクローニングされたDNA 配列をPstIおよびBclIで消化し、挿入してpMOL
944 を形成する。PCR 増幅のために使用した2つのPCR プライマーは下記の配列
を有する: # LWN7864 5'-AACAGCTGATCACGACTGATCTTTTAGCTTGGCAC -3' # LWN7901 5'-AACTGCAGCCGCGGCACATCATAATGGGACAAATGGG -3' プライマー#LWN7901はプラスミドの中にSacII 部位を挿入する。
【0198】一般的微生物学的方法 特記しない限り、微生物学の標準的方法を使用して、DNA 操作および形質転換
を実施した(Sambrook et al.(1989) Molecular Cloning:A Laboratory Manual,
Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY;Ausubel, F.M.et al
. (編) ″Current Protocols in Molecular Biology″、John Wiley and Sons
、1995;Hardwood, C.R.,およびCutting, S.M. (編) ″Molecular Biological M
ethods for Bacillus ″, John Wiley and Sons, 1990)。 DNA 操作のための酵素を供給会社の規格書に従い使用した(例えば、制限エン
ドヌクレアーゼ、リパーゼおよびその他はNew England Biolabs Inc.から入手さ
れる)。
【0199】ドナー株の増殖 バシラス・リヘニフォルミス(B.licheniformis) 株ATCC 14580を、ATCC (Amer
ican Type Culture Collection, USA)により特定されているように、液状媒質3
中で増殖させた。37℃および300rpmにおいて18時間インキュベートした後、細胞
を収集し、ゲノムDNA を後述する方法により単離した。 バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)NCIMB 40482 、バシラ
ス(Bacillus)種 AAI12、バシラス(Bacillus)スペーシス KJ59 、DSM 12419
、およびバシラス(Bacillus)種 I534 のすべては、ほぼpH9.7 に調節したpHに
おいてTY中で、50mlの1Mのナトリウム- セスキカルボナト(Sodium-Sesquicarbon
at)/500ml のTYの添加により生長させた。30℃および300rpmにおいて24時間イン
キュベートした後、細胞を収集し、ゲノムDNA を後述する方法により単離した。
【0200】ゲノムDNA 調製物 ドナー微生物として前述のバシラス(Bacillus)属の種を、前述したように液
状培地中で増殖させた。Pitcher et al.が記載する方法により、細胞を収集し、
ゲノムDNA を単離した:Pitcher, D.G., Saunders, N.A., Owen, R.J.;Rapid ex
taction of Bacterial genomic DNA with guanidium thiocyanate;Lett.Appl.Mi
crobiol.1989, 8:151-156 。
【0201】アルカリ耐性バシラス(Bacillus)種からのバクテリオファージラムダのライブ ラリーの発生 インジケーター培地上のプラークとしてカルボヒドラーゼについてスクリーニ
ングできるようにするために、LamdaZAP発現クローニングキットを選択し、スト
ラタジーン(Stratagene)からのBspHI 消化し、脱リン酸化したアームを使用した
。バシラス(Bacillus)DNA をPitcher et al.、1989の方法により単離した。単
離されたDNA をSau3A で部分的に消化し、1%DNA アガロースゲル上でサイズ分
画した。
【0202】 DNA をアガロースゲルから2 〜6Kb の間において切除し、Quiaspin DNAフラグ
メント精製手順(Qiagen GnBH) に従い精製した。100ng の精製した、分画したDN
A を1μg のBspHI 脱リン酸化ZAP 発現ベクターのアームと結合した(4℃、一
夜)。結合反応をGigaPackIII Goldで製造業者の使用説明書に従い(Stratagene)
直接パッケージした。ファージのライブラリーをXL1blue mrf-(Stratagene)で力
価測定した。
【0203】一次ファージライブラリーに由来するプラスミドバンクの発生 アルカリバシラス(Bacillus)ZAPexpressライブラリーからのファージミドバ
ンクの切除: XL1-blue細胞(Stratagene,カリフォルニア州ラジョラ)を、Stratagene ZAPex
press ハンドブック中の質量切除プロトコールにおいて推奨されているように、
調製し、10mMのMgSO4 の中に再懸濁させた。各ライブラリーからの40,000プラー
ク形成単位をFalcon 2059 管の中に入れた。試料を400 μl のXL1-blue細胞およ
び>1010pfus/mlのEXassist M13ヘルパーファージ(Stratagene)と37℃において1
5分間インキュベートした。
【0204】 6ml のNZY ブロスを各管に添加し、次いで管を37℃において2.5 時間撹拌した
。次いで試料を65℃に20分間加熱して大腸菌(E.coli)細胞およびバクテリオファ
ージラムダを殺した;ファージミドは加熱に対して耐性である。試料を3000g に
おいて回転して細胞デブリを除去し、きれいなFalcon 2059 管の中にデカントし
た。一本鎖ファージミドのライブラリーを10%グリセロール(cryopreservent)
に調節し、Stratageneプロトコールに従い力価測定した。本質的に、10μlの処
理した上清の1/10した上清を使用して、200 μlのXLOLR 細胞(10ml のMgSO4 中
の細胞)を感染させた。試料を37℃のインキュベーターの中に15分間入れた。50
μl の5×NZY ブロスを試料に添加し、それらを37℃において45分間撹拌した。
【0205】 100 μl の試料をLBカナマイシンプレート上に配置し、一夜インキュベートし
た。力価が得られた後、各ライブラリーについて、10,000コロニー形成単位を40
0 μl のXLOLR 細胞と混合し、室温において撹拌せずに20分間インキュベートし
た。XLOLR 細胞はStratagene ZAPexpress マニュアル(Stratagene Inc.、カリフ
ォルニア州ラジョラ) に記載されているように製造された。20分後、200 μl の
5 ×NZY 培地、3ml の1×NZY 培地を試料に添加した。試料を200rpm、37℃にお
いて90分間撹拌した。グリセロールを10%の最終濃度に添加し、細胞をアリコー
トで-80XLOLR細胞においてさらに使用するために凍結させた。
【0206】ライブラリーのスクリーニング LB寒天平板上のペクチナーゼの標準的スクリーニングを次のようにして実施し
た:XLOLR 大腸菌(E.coli)細胞中のプラスミドライブラリーを、5000コロニー形
成単位/140mm の直径のペトリプレートの密度でLBカナマイシンプレート上に配
置した。プレートを37℃において一夜インキュベートし、次いで1 %ペクチンDE
35%またはDE75%および1%アガロースをオーバーレイした。プレートを37℃に
おいて一夜インキュベートした後、1%のMTAB溶液をオーバーレイした。2時間
後、MTABを注ぎ出し、陽性の組換え体のクローンがコロニーの回りの透明なゾー
ンにより同定された。陽性の単離物を新鮮なLB培地上でストリーキングし、再び
試験することによって再確証した。
【0207】培地 TY(Ausubel F.M.et al.(編) ″Current Protocols in Molecular Biology″,
John Wiley and Sons, 1995 に記載されているような) 。 LB寒天(Ausubel F.M.et al.(編) ″Current Protocols in Molecular Biology
″、John Wiley and Sons, 1995 に記載されているような) 。 LBPGは0.5 %グルコースおよび0.05M のリン酸カリウム、pH7.0 を補充したLB
寒天である。 BPX 培地はEP0 506 780 号(WO91/09129 号) に記載されている。
【0208】 下記の実施例により、本発明を説明する。実施例1バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)からのペクチ ン酸リアーゼのクローニング、発現、精製および特性決定 本発明のペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列の単離 配列番号:1に示すDNA 配列からなりかつ本発明のペクチン酸リアーゼをコード
するDNA 配列は、寄託された大腸菌(E.coli)、DSM 11788 から、この分野におい
て知られている方法に従うプラスミドDNA の抽出により得ることができる(Sambr
ook et al.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbo
r Lab., Cold Spring Harbor, NY) 。
【0209】 バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)のゲノムライブラリー の構築 バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)NCIMB 40482 のゲノム
DNA を制限酵素Sau3A で部分的消化し、0.7 %アガロースゲル上の電気泳動によ
りサイズ分画した。2 〜7kb の大きさのフラグメントをDEAE- セルロース紙上へ
の電気泳動により単離した(Dretzen, G., Bellard, M., Sassone-Corsi, P., Ch
ambon, P.(1981)A reliable method for the recovery of DNA fragment from a
garose and acrylamide gels.Anal.Biochem., 112:295-298)。
【0210】 単離されたDNA フラグメントをBspHI 消化pSJ1678 プラスミドDNAに結合し
、結合混合物を使用して大腸菌(E.coli)SJ2 を形質転換した。バシラス・アガラ
ドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)NCIMB 40482 のゲノムライブラリーからの
形質転換された細胞を、10μg/mlのクロラムフェニコールおよび0.7 %ポリガラ
クツロン酸ナトリウム(SIGMA P-1879)を含有するLB寒天平板上にプレートした
【0211】 プレートした細胞を37℃において16時間インキュベートした。10μg/mlのクロ
ラムフェニコールおよび0.7 %ポリガラクツロン酸ナトリウム(SIGMA P-1879)を
含有する新鮮なLB寒天平板上にコロニーをレプリカプレートし、これらのプレ
ートを37℃において8時間インキュベートした。もとのマスタープレートを5ml
の1M CaCl2で充満させ、5〜30分後、推定上のポリガラクツロン酸塩分解クロー
ンの回りに明確な曇ったハローが出現した。
【0212】 対応するマスタープレートのクローンをそれ以上の特性決定のために取り上げ
た。大腸菌(E.coli)のクローンの一夜の30XLOLR 細胞の液状TY培養物からプラス
ミドDNAを調製し、Qiagen Qiaspin Prep Kit を製造業者(Qiagen,ドイツ国)
に従い使用してプラスミドDNAを調製することによって、これらのクローンを
さらに特性決定した。
【0213】 バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)NCIMB 40482 の遺伝子
のライブラリーのペクチン酸リアーゼ陽性クローンは、DSM 11788 として受託さ
れた。大腸菌(E.coli)DSM 11788 のプラスミド上のプライマーのウォーキング後
、バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)NCIMB No.40482からの
ペクチン酸リアーゼをコードするDNA の配列番号:1が同定された。
【0214】 活性による陽性のクローンの同定 プレート上でインキュベートした後、コロニーを1組のLB+6CAM 寒天平板上に
レプリカプレートし、次いで37℃においてほぼ20時間さらにインキュベートした
。適当な緩衝液中に1%HSB アガロース、0.7 %ポリガラクツロン酸ナトリウム
を含有するオーバーレイをレプリカプレート上に注ぎ、40℃においてほぼ20時間
インキュベートした。MTA3で沈降させた後、ペクチン酸リアーゼ陽性コロニーが
存在する位置における明瞭なハローの出現により、ペクチン酸リアーゼ陽性コロ
ニーが同定された。 ペクチン酸リアーゼ陽性コロニーからの細胞を寒天上の単一のコロニー単離の
ために広げ、同定されたペクチン酸リアーゼ産生コロニーの各々について、ペク
チン酸リアーゼを産生する単一のコロニーを選択した。
【0215】 陽性クローンの特性決定 再ストリーキングプレートから、ペクチナーゼ陽性クローンが単一のコロニー
として得られ、そしてQiagen Plasmd Prepを製造業者(Qiagen 、ドイツ国) によ
る示されるように使用して、プラスミドを抽出した。表現型が大腸菌(E.coli)SJ
2 の再形質転換により確証され、そしてプラスミドを制限消化により特性決定し
た。
【0216】 ペクチン酸リアーゼをコードするクローニングされた遺伝子のバシラス・サチ リス(Bacillus subtilis) の発現 pSJ1678 (大腸菌(E.coli)/バシラス・サチリス(B.subtilis)シャトルベクタ
ー)上のクローニングされた遺伝子を含有する、大腸菌(E.coli)DSM 11788 のプ
ラスミドプレプを使用して、バシラス・サチリス(B.subtilis)PL2306を形質転換
した。Yasbin et al. が記載するように、コンピテント細胞を調製し、形質転換
した(Yasbin R.E.、 Wilson G.A.& Young F.E.;Transformation and transfecti
on in lysogenic strains of Bacillus subtilis:evidence for selective indu
ction of prophage in cmpetent cells;J.Bacteriology 1975 121:296-304)。
【0217】 バシラス・サチリス(Bacillus subtilis) の形質転換体の単離および試験 6mg/mlクロラムフェニコール、0.4 %グルコース、10mM KH2PO4 を含有するL
B寒天平板上に形質転換された細胞をプレートし、37℃において18時間インキュ
ベートした。大腸菌(E.coli)を使用して前述したように、ペクチン酸リアーゼ陽
性コロニーを同定した。 6mg/mlクロラムフェニコールを含有する10mlのTY培地中に、陽性形質転換体の
各々を接種した。37℃において1日インキュベートし、250rpmにおいて震盪した
後、50μl の上清を取出した。0.7 %のポリペクチン酸ナトリウム(Sigma、US)
を含有するLB寒天平板の寒天の中に打抜かれた孔に10μl の上清を添加した後、
ペクチン酸リアーゼ活性を同定した。
【0218】 37℃において16時間インキュベートした後、プレートを1M CaCl2中で5 〜30分
間ソーキングした。明確な曇ったハローが出現し、ここで上清はペクチン酸リア
ーゼを発現するクローンからのペクチン酸リアーゼを含有した。1つのこのよう
なクローンをMB464 と呼んだ。 細胞を遠心により除去し、残りの上清をペクチン酸リアーゼを精製するための
源として使用した。
【0219】 精製および特性決定 前述したようにして得られたバシラス・サチリス(B.subtilis)形質転換体を、
6mg/mlのクロラムフェニコールを含有する100ml のTY中でインキュベートした。
一夜37℃においてインキュベートかつ250rpmにおいて撹拌した後、100ml の複合
成長培地を含有する1リットルの震盪フラスコにおいて、培養物を接種物として
使用した( 米国特許第5,371,198 号、実施例1、これは引用することによって本
明細書の一部とされる)。 培養物の1ml は接種体積であり、培養物を4日間37℃においてインキュベート
かつ250rpmにおいて撹拌した。
【0220】 発酵培地をNaOHでpH7.5 に調節し、カチオン凝集剤C521(10 %溶液) およびア
ニオン剤A130の0.1 %溶液で凝集させた。室温において、6500mlの発酵培地に30
6ml のC521(10 %) および同時に608ml のA130を撹拌しながら添加した。Sorval
RC3B 遠心機を使用して10,000rpm において30分間遠心することによって、凝集
した物質を分離した。上清をワットマン(Whatman) ガラスフィルターNo.Fで清浄
化した。合計7200mlの透明な溶液が得られた。
【0221】 10kDa の分子量カットオフのフィルトロン限外濾過により、液体を、それぞれ
、500ml および840ml の部分に濃縮した。 pHを酢酸で5.3 に調節し、50mMの酢酸ナトリウム緩衝液pH5.3 と平衡化したS-
セファローズカラムに濃厚物を適用した。2リットルの直線の勾配を使用して最
終濃度0.5MのNaClで、本発明のペクチン酸リアーゼ(B.agaradhaerens) を溶離し
た。バシラス・サチリス(Bacillus subtilis) からのペクチン酸リアーゼはまた
このpHにおいてセファローズに結合するが、より高いpI(7.6/6.0) を有する。ク
ローニングされた本発明のペクチン酸リアーゼは最初に溶出するので、画分をAP
SUおよびバシラス・サチリス(Bacillus subtilis) のペクチン酸リアーゼに対し
て発生させた抗血清に対する反応について分析した。
【0222】 20kDa の分子量カットオフのGR61膜をもつアミコン(Amicon)限外濾過セルを使
用して、バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)のペクチン酸リ
アーゼを濃縮した。 合計90,000APSU単位が得られた。バシラス・サチリス(Bacillus subtilis) の
ペクチン酸リアーゼに対して発生させた抗血清を使用して測定して、この試料は
プロテアーゼおよびバシラス・サチリス(Bacillus subtilis) のペクチン酸リア
ーゼを含有しない。
【0223】 本発明のペクチン酸リアーゼは、SDS-PAGEにおいて36kDa の分子量をもつバン
ドとして容易に見ることができた。このバンドのエレクトロブロッティング後、
N末端は次のように決定された:Ser-Asn-Gly-Pro-Gln-Gly-Tyr-Ala-Ser-Met-As
n-Gly-Gly-Thr 異なるpHにおけるβ- トランス脱離活性(235nm におけるリアーゼアッセイを
使用する)を、40℃における定常状態反応速度論として測定した。相対速度を最
適な活性の百分率として計算し、下記の結果が得られた:
【0224】 pH 活性% 6.5 0 7 5 7.5 8 8 21 8.5 32 9 38 9.5 39 10 52 10.5 47 11 100 11.2 66 11.5 3
【0225】 下記の緩衝液を使用して、pHのプロファイルを測定した: pH6.0: Na-MES 0.1M pH6.5 、7.0 および7.5: Na-MOPS 0.1M pH8.0 および8.5: Tris 0.1M pH9.0 、9.5 、10.0および10.5: Na- グリシン 0.1M pH11〜11.5: Na- 炭酸塩 0.1M MES は2ー[N- モルホリノ] エタンスルホン酸(SIGMA、 No.M-8250) である。 MOPSは3-[N- モルホリノ] プロパンスルホン酸(SIGMA、 No.M-1254) である。 Tris(Merck No.1.08382)。 グリシン(Merck) 。 炭酸ナトリウム(Merck No.6392) 。
【0226】 相応して、異なる温度(pH10)における相対活性が見出された: 温度℃ 活性% 40 69 50 100 55 97 60 68 65 71
【0227】 バシラス・サチリス(B.subtilis)のサブクローニング これらの2つのオリゴヌクレオチドから成るPCR プライマーの組を使用して、
本発明のペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列(配列番号:1)をPCR 増幅し
た:
【化1】 制限部位SacII およびNotIに下線が引かれている。
【0228】 前述したようにバシラス・アガラドヘレンス(B.agaradhaerens)NCIMB 40482か
ら単離された染色体DNA を、Amplitaq DNA Polymerase(Perkin Elmer) を製造業
者の使用説明書に従い使用するPCR 反応において鋳型として使用した。PCR 反応
は、200 μM の各dNTP、2.5 単位のAmplitaqポリメラーゼ(Perkin Elmer,Cetus
、USA)および100pmol の各プライマーを含有するPCR 緩衝液(10mM のTris-HCl、
pH8.3 、50mMのKCl 、1.5mM のMgCl2 、0.01%w/v のゼラチン) 中で構成した。
【0229】 DNA サーマルサークラー(Landgraf 、ドイツ国)を使用して、PCR 反応を実施
した。94℃において1分間インキュベートし、次いで下記の環状のプロファイル
を使用して30環状のPCR を実施した:94℃において30秒間の変性、60℃において
1分間のアニーリング、および72℃において2 分間のエクステンション。0.7 %
のアガロースゲル(NuSieve、 FMC) 中の電気泳動により、増幅生成物の5μl の
アリコートを分析した。DNA フラグメントのサイズ1.0kb の出現は、遺伝子セグ
メントの適切な増幅を示した。
【0230】 PCR フラグメントのサブクローニング QIAquick PCR精製キット(Qiagen 、USA)を製造業者の使用説明書に従い使用し
て、前述したように発生したPCR 生成物の55μl のアリコートを精製した。精製
されたDNA を50μl の10mMのTris-HCl、pH8.5 中で溶離した。5 μgのpMOL944
および25μl の精製されたPCR フラグメントをSacII およびNotIで消化し、0.8
%の低いゲル化温度のアガロース(SeaPlaque GTG、FMC)ゲル中で電気泳動させ、
関係するフラグメントをゲルから切除し、そしてQIAquick Gel抽出キット(Qiage
n 、USA)を製造業者の使用説明書に従い使用して精製した。次いで単離されたPC
R DNA フラグメントをSacII-NotI消化し、精製したpMOL944 に結合させた。16℃
において0.5 μgの各DNA フラグメント、1UのDNA リガーゼおよびT4リガーゼ緩
衝液(Boehringer-Mannheim、Germany)を使用して、結合を一夜実施した。
【0231】 結合混合物を使用して、コンピテントバシラス・サチリス(B.subtilis)PL2306
を形質転換した。形質転換した細胞をLBPG-10 μg/mlのカナマイシンプレート上
にプレートした。37℃において18時間インキュベートした後、いくつかのクロー
ンを新鮮な寒天平板上に再ストリーキングし、また、10μg/mlのカナマイシンを
含む液状TY培養物中で生長させ、そして37℃において一夜インキュベートした。
次の日に、バシラス・サチリス(B.subtilis)プラスミド調製物についての製造業
者の推奨に従いQuiaprep Spin Plasmid Miniprep Kit #27106USGを使用して、1m
l の細胞を使用してプラスミドを細胞から単離した。このプラスミドDNAをDN
A 配列決定のための鋳型として使用した。
【0232】 ペクチン酸リアーゼを含有する1つのクローンを保持し、このクローンをMB50
4 と命名した。 Taq デオキシ- 末端のサイクル配列決定キット(Perkin Elmer 、USA)、蛍光標
識化ターミネーターおよびプライマーとして適当なオリゴヌクレオチドを使用し
て、プライマーウォーキングによるDNA 配列決定により、ペクチン酸リアーゼの
成熟部分に対応するDNA を特性決定した。 Devereux et al.(1984)Nucleic Acids Res.12:387-395 に従い、配列のデータ
の解析を実施した。クローニングしたDNA 配列はバシラス・サチリス(B.subtili
s)において発現され、そして上清中に出現したタンパク質は配列番号:2の成熟タ
ンパク質で表わされる成熟タンパク質に対応した。
【0233】 精製および特性決定 前述したように得られたバシラス・サチリス(B.subtilis)の形質転換体(MB504
) の5000mlの培養流体を125ml の10%521(カチオン)および200ml の0.1 %(ア
ニオン)でpH7.5 において凝集させ、次いで遠心し、濾過した。透明な上清を10
kDa のカットオフのフィルトロンUF膜上で720ml の最終体積に濃縮した。
【0234】 高度に純粋な酵素を得るために、40mlをNaOHでpH8.0 に調節し、次いで25mMの
Tris-HCl、 pH8.0と平衡化した50mlのQ-セファローズカラムに適用した。ペクチ
ン酸リアーゼをカラムをNaCl勾配で溶離した。10kDa の分子量カットオフの膜を
もつアミコン(Amicon)限外濾過セルを使用して、溶離されたペクチン酸リアーゼ
(合計150ml)を濃縮した。濃縮物をセファデックス200 カラムに適用し、約6.1
等電点を有する分子量38kDa の純粋なペクチン酸リアーゼが得られた。
【0235】 純粋な酵素をEDTAに対してpH8.0 (20mMのトリスpH8.0 )およびpH10(20mM の
グリシンpH10)において透析し、円偏光二色性により分析した:EDTAの存在およ
び非存在において、差は見られなかった。 4 つの試料の差動走査熱量測定DSC において、酵素はpH8.0 において最も安定
であり、Tris pH8.0中の約61℃およびEDTAに対して透析後約62℃の融点を有する
ことが示された。pH10において、酵素はEDTAの存在および非存在において59℃に
おいて溶融した。 触媒活性は基質とのインキュベーションの間のEDTAの存在により阻害されるが
、基質とのインキュベーションの間にEDTAを省略した場合、EDTAに対して透析し
た酵素はなお活性であった。2価のカチオン、例えば、Fe++、Li++、Mg++、Cu++ 、Mn++は触媒活性に対して効果をもたなかった。
【0236】 洗剤中の活性 緩衝剤の代わりに商用洗剤を使用し、40℃においてポリガラクツロン酸ナトリ
ウム(Sigma P-1879)と20分間インキュベートし、次いで還元性糖を定量すると、
グリシン緩衝液中で測定した活性に対して37%の相対活性をもつ商業的に入手可
能なヨーロッパの粉末状洗濯洗剤Ariel FuturTM 中で、58%の相対活性をもつ商
業的に入手可能な米国の粉末状洗濯洗剤TideTM中で、および37%の相対活性をも
つ商業的に入手可能な米国の液状洗剤TideTM中で、酵素は活性であった。洗剤濃
度は家庭用の洗剤パッケージについて推奨される濃度に等しく、そして使用した
水道水は18度のドイツ硬度(ヨーロッパの洗剤/ヨーロッパの条件)および9 度
のドイツ硬度(米国の洗剤/米国の条件)を有した。
【0237】 免疫学的性質 デンマーク国の会社DAKOにおいて、慣用技術を使用して前述したように、高度
に精製されたペクチン酸リアーゼに対して、ウサギポリクローナル単一特異性血
清を発生させた。血清はアガロースゲル中の本発明のバシラス・アガラドヘレン
ス(B.agaradhaerens) のペクチン酸リアーゼで見事な単一の沈澱を形成した。
【0238】 実施例2バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)からのペク チン酸リアーゼのクローニング、発現、精製および特性決定 バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、ATCC 14580のゲノム ライブラリーの構築 を、バシラス・アガラドヘレンス(B.agaradhaerens) につい
て実施例1に記載するように実施した。バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus
licheniformis)ATCC 14580遺伝子ライブラリーのペクチン酸リアーゼ陽性クロー
ンは、DSM 11789 として受託された。大腸菌(E.coli)DSM 11789 のプラスミド上
のプライマーウォーキング後、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus lichenif
ormis)ATCC 14580からのペクチン酸リアーゼをコードするDNA の配列番号:3が同
定された。
【0239】 バシラス・サチリス(B.subtilis)のサブクローニング これらの2つのオリゴヌクレオチドから成るPCR プライマーの組を使用して、
本発明のペクチン酸リアーゼをコードするDNA 配列(配列番号:4で表わされる)
をPCR 増幅した:
【化2】
【0240】 制限部位SacII およびNotIに下線が引かれている。 前述したようにバシラス・リヘニフォルミス(B.licheniformis)ATCC 14580 か
ら単離された染色体DNA を、実施例1 に記載するように実施したPCR 反応におい
て鋳型として使用した。DNA フラグメントのサイズ1.0kb の出現は、遺伝子セグ
メントの適切な増幅を示した。 PCR フラグメントのサブクローニングを実施例1に記載するように実施したが
、ただし精製したPCR フラグメントをSacII およびNotII で消化した。ペクチン
酸リアーゼを含有する1つのクローンを保持し、このクローンをMB541 と命名し
た。
【0241】 Taq デオキシ- 末端のサイクル配列決定キット(Perkin Elmer 、USA)、蛍光標
識化ターミネーターおよびプライマーとして適当なオリゴヌクレオチドを使用し
て、プライマーウォーキングによるDNA 配列決定により、ペクチン酸リアーゼの
成熟部分に対応するDNA を特性決定した。 Devereux et al.(1984)Nucleic Acids Res.12:387-395 に従い、配列のデータ
の解析を実施した。クローニングしたDNA 配列はバシラス・サチリス(B.subtili
s)において発現され、そして上清中に出現したタンパク質は配列番号:4の成熟タ
ンパク質で表わされる成熟タンパク質に対応した。
【0242】 精製 MB541 を500ml のバッフル付き震盪フラスコにおいて10μg/mlのカナマイシン
を含む25×200ml のBPX 培地中で37℃において5 日間生長させ、これにより3500
mlの培養ブロスが得られた。pHを酢酸で5.0 に調節し、100ml のカチオン剤(C52
1)および200ml のアニオン剤(A130)を凝集のための撹拌の間に添加した。Sorval
RC3B 遠心機を使用して10000rpm、6 ℃において30分間遠心して、凝集した物質
を分離した。得られる上清は3600mlの合計の体積において370APSU /mlを含有し
た。
【0243】 上清をワットマン(Whatman) ガラスフィルターGF/DおよびC で清浄化し、最後
に10kDa のカットオフのフィルトロンUF膜上で濃縮した。2000mlの合計の体積を
pH8.5 に調節した。50g のDEAE A-50 セファデックス(Pharmacia) を2000mlの50
mMのトリスpH8.5 中で膨潤させた。過剰の緩衝液を廃棄し、透明な濃縮された酵
素溶液をスラリーと15分間混合した。酵素をイオン交換物質からブフナー漏斗上
の吸引により分離した。生ずる溶液を10kDa のカットオフのフィルトロン上で80
0ml の最終体積に濃縮した。
【0244】 高度に精製されたペクチン酸リアーゼを得るために、S-セファローズカチオン
交換クロマトグラフィーを使用する最終工程を実施した。950APSU/ml( 上を参照
)の50mlの溶液を酢酸でpH5.0 に調節した。それを50mmolの酢酸ナトリウムpH5.
0 の緩衝液と平衡化したS-セファローズ(Pharmacia) を含有する50mlのカラムに
適用した。結合したペクチン酸リアーゼを0.5Mの塩化ナトリウムの勾配で溶離し
た。
【0245】 特性決定 純粋な酵素は35kDa のSDS-PAGE中の単一のバンドおよび約6.1 の等電点を与え
た。57750 のモル吸光係数を使用して、タンパク質濃度を測定した(配列から推
定されたアミノ酸組成に基づく)。 235nm において測定できる二重結合の形成による切断のドメインを検出するア
ッセイを使用して、下記のデータが得られた:
【0246】 1. ( 条件:pH10;グリシン緩衝剤;カルシウムなし;基質としてポリガラク
ツロン酸 Sigma P-1879):1 μmol /分/mg。 2. ( 条件:pH10;グリシン緩衝剤;カルシウムなし;基質としてDE 35(35%
エステル化ペクチン) :4 μmol /分/mg。 純粋な酵素をEDTAに対してpH8.0 (20mMのトリスpH8.0 )およびpH10(20mM の
グリシンpH10)において透析し、円偏光二色性により分析した:EDTAの存在およ
び非存在において、差は見られなかった。 4つの試料の差動走査熱量測定DSC において、酵素はpH8.0 において最も安定
であり、Tris pH8.0中の約70℃およびEDTAに対して透析後約75℃の融点を有する
ことが示された。pH10において、酵素はEDTAの存在および非存在において55℃に
おいて溶融した。
【0247】 ペクチン酸リアーゼの触媒活性は基質とのインキュベーションの間のEDTAの存
在により阻害されるが、基質とのインキュベーションの間にEDTAを省略した場合
、EDTAに対して透析した酵素はなお活性であった。2 価のカチオン、例えば、Fe
++、Li++、Mg++、Cu++、Mn++は触媒活性に対して効果をもたなかった。 異なるpH値におけるβ- トランス脱離活性(235nm においてペクチン酸リアー
ゼを使用する)を、下記の緩衝液を使用して、40℃において定常状態の反応速度
論として測定した:
【0248】 pH6.0: Na-MES 0.1M pH6.5 、7.0 および7.5: Na-MOPS 0.1M pH8.0 および8.5: Tris 0.1M pH9.0 、9.5 、10.0および10.5: Na- グリシン 0.1M pH11〜11.5: Na- 炭酸塩 0.1M MES :SIGMA 、No.M-8250 から(2ー[N- モルホリノ] エタンスルホン酸)。 MOPS:SIGMA 、No.M-1254 から(3-[N- モルホリノ] プロパンスルホン酸) 。 Tris:Merck No.1.08382から。 グリシン:MERCK からおよび炭酸ナトリウム:Merck No.6392から。
【0249】 相対速度を最適な活性の百分率として計算し、下記の結果が得られた: pH 活性% 6.5 1 7 5 7.5 4 8 4 8.5 4 9 6 9.5 23 10 100 10.5 測定せず 11 52 11.2 0
【0250】 相応して、異なる温度における相対活性が見出された(pH10): 温度℃ 活性% 40 65 50 87 55 87 60 100 65 95
【0251】 洗剤中の活性 緩衝剤の代わりに商用洗剤を使用し、40℃においてポリガラクツロン酸ナトリ
ウム(Sigma P-1879)と20分間インキュベートし、次いで還元性糖を定量すると、
グリシン緩衝液中で測定した活性に対して44%の相対活性をもつヨーロッパの商
業的に入手可能な粉末状洗濯洗剤Ariel Futur 、51%の相対活性をもつ米国の商
業的に入手可能な粉末状洗濯洗剤Tide、および30%の相対活性をもつ米国の商業
的に入手可能な液状洗剤Tide中で、酵素は活性であった。洗剤濃度は使用および
ヨロッパの条件下で18度のドイツ硬度および米国の条件下で9 度のドイツ硬度の
水道水について推奨されるものであった。
【0252】 免疫学的性質 デンマーク国の会社DAKOにおいて、慣用技術を使用して前述したように、高度
に精製されたペクチン酸リアーゼに対して、ウサギポリクローナル単一特異性血
清を発生させた。血清はアガロースゲル中の本発明のペクチン酸リアーゼで見事
な単一の沈澱を形成し、そしてバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus lichenif
ormis)の粗製産物、例えば、Pulpzyme HC バッチNo.CKF0054またはバッチNo.CKN
00009(Novo Nordisk A/Sから)に対してただ1 つの沈澱のアーチを形成した。
【0253】 実施例3バシラス(Bacillus)種 KJ59 、DSM 12419 からのペクチン酸リア ーゼのクローニング、発現、精製および特性決定 ペクチン酸リアーゼの成熟部分をコードするDNA 配列(配列番号:7)のバシ ラス・サチリス(Bacillus subtilis) 中のサブクローニング 実施例1に記載する手順と正確に同一手順糖、配列番号:7においてコードされ
るペクチン酸リアーゼの成熟部分をコードする配列をクローニングし、pMOL944/
PL2306発現系中で発現させた。唯一の差は、下記の2 つのPCR プライマーを使用
し、そしてバシラス(Bacillus)種 KJ59 、DSM 12419 から単離されたゲノムDN
A を代わりに使用した:
【0254】 #145375 5'-CAT TCT GCA GCC GCG GCA AAT ACG CCA AAT TTC AAC TTA CAA G-3' #145376 5'-CAG CAG TAG CGG CCG CTT ACG GTT GGA TGA CAC CAA CTC-3' 生ずるペクチン酸リアーゼを発現するバシラス・サチリス(B.subtilis)のクロ
ーンをMB888 と命名した。クローニングしたDNA 配列はバシラス・サチリス(B.s
ubtilis)において発現され、そして上清中に出現したタンパク質は配列番号:8の
成熟タンパク質で表わされる成熟タンパク質に対応した。
【0255】 精製 このプラスミド(MB888 )で形質転換したバシラス・サチリス(Bacillus subt
ilis) を、カナマイシンを含有するPS培地中で生長させた。 カチオン凝集剤C521(10 %溶液) およびアニオン剤A130の0.1 %溶液を使用し
て、凝集を実施した。2000mlの発酵培地に、2000mlのイオンを含まない水を添加
し、それはpH6.0 を有し、室温において80mlのC521(10 %) および同時に40mlの
A130を撹拌しながら添加した。Sorval RC3B 遠心機を使用して10,000rpm におい
て30分間遠心することによって、凝集した物質を分離した。上清をワットマン(W
hatman) ガラスフィルターNo.Fで清浄化した。合計40000ml の204,000 トランス
単位を含有する透明な溶液が得られた。
【0256】 10kDa のカットオフのフィルトロン限外濾過により、液体を濃縮した。25mMの
トリスpH8.0 中で30分間平衡化した5gのDEAE A-50 セファデックスで濃縮物を処
理し、ペクチン酸リアーゼは結合せず、濾過してイオン交換物質を除去した。濾
液をHCl でpH5.0 に調節し、25mMの酢酸ナトリウムpH5.0 と平衡化したS-セファ
ローズカラムに適用した。結合したペクチン酸リアーゼをNaCl勾配を使用して、
純粋なタンパク質として溶離した。
【0257】 特性決定 純粋な酵素は36kDa の分子量および8.98のpIを有する。 最適温度はpH10において約65℃である。 相対活性は40℃、pH9 〜11において50%より高い。 ペクチン酸リアーゼは、0.1Mの酢酸ナトリウムpH6.0 中でDSC を使用して測定
して、74℃の融点を有する。
【0258】実施例4バシラス(Bacillus)種 I534 からのペクチン酸リアーゼのクローニ ング、発現、精製および特性決定 ペクチン酸リアーゼの成熟部分をコードするDNA 配列(配列番号:9)のバシ ラス(Bacillus)種 I534 中のサブクローニング 前述と正確に同一手順を使用して、ペクチン酸リアーゼの成熟部分をコードす
る配列(配列番号:9)をクローニングし、pMOL944/PL2306発現系中で発現させた
。唯一の差は、下記の2つのPCR プライマーを使用し、そしてバシラス(Bacill
us)種 I534 から単離されたゲノムDNA を代わりに使用したことである:
【0259】 #136558 5'-CCT GCA GCC GCG GCA AAA GGT GAA AGC GAT TCC ACT ATG-3' #136559 5'-GTT GAG AAA AGC GGC CGC AAC GGA CAC TCG GCT TTA GAG-3' 生ずるペクチン酸リアーゼを発現するバシラス・サチリス(B.subtilis)のクロ
ーンをMB746 と命名した。クローニングしたDNA 配列はバシラス・サチリス(B.s
ubtilis)において発現され、そして上清中に出現したタンパク質は配列番号:10
の成熟タンパク質で表わされる成熟タンパク質に対応した。
【0260】 精製 このプラスミド(MB746 )で形質転換したバシラス・サチリス(Bacillus subt
ilis) を、カナマイシンを含有するPS培地中で生長させた。 カチオン凝集剤C521(10 %溶液) およびアニオン剤A130の0.1 %溶液を使用し
て、凝集を実施した。3700mlの発酵培地に、HCl でpH5.5 に調節し、室温におい
て37mlのC521(10 %) および同時に75mlのA130を撹拌しながら添加した。Sorval
RC3B 遠心機を使用して10,000rpm において30分間遠心することによって、凝集
した物質を分離した。上清をワットマン(Whatman) ガラスフィルターNo.Fで清浄
化した。合計40000ml の1,044,000 トランス単位を含有する透明な溶液が得られ
た。
【0261】 10kDa の分子量カットオフのフィルトロン限外濾過により、液体を550ml に濃
縮した。この産物を50%のMPG(バッチ#9831)で安定化した後、適用試験のために
使用した。 アニオンクロマトグラフィー(HPQ カラム、pH8.0 、25mMのトリス緩衝液を使
用する)により、高度に精製された酵素が得られた;酵素をNaCl勾配により溶離
し、最終精製工程をスーパーデックス200 カラム上のサイズクロマトグラフィー
により実施し、0.1Mの酢酸ナトリウム緩衝液中で展開させた。
【0262】 特性決定 純粋な酵素は35kDa の分子量および6.2 の等電点(pI)を有する。 最適温度はpH10において70℃以上である。 相対活性は40℃の温度、pH9 〜11において50%より高い。 精製されたペクチン酸リアーゼのN 末端は、アミノ酸配列配列番号:10 の位置
25において出発してアミノ酸配列KGESDSTMNAを有する。
【0263】実施例5バシラス(Bacillus)種 AAI12からのペクチン酸リアーゼのクローニ ング、発現、精製および特性決定 ペクチン酸リアーゼの成熟部分をコードするDNA 配列(配列番号:5)のバシ ラス(Bacillus)種 AAI12中のサブクローニング 実施例1に記載する手順と正確に同一手順を使用して、ペクチン酸リアーゼの
成熟部分をコードする配列(配列番号:5)をクローニングし、pMOL944/PL2306発
現系中で発現させた。唯一の差は、下記の2 つのPCR プライマーを使用し、そし
てバシラス(Bacillus)種 AAI12から単離されたゲノムDNA を代わりに使用した
ことである:
【0264】 #80501D1C12 5'-CAT TCT GCA GCC GCG GCA GCA TCA TTT CAG TCT AAT AAA AAT TAT C-3' #80501D1B12 5'-GAC GAC GTA CAA GCG GCC GCG CTA CTG TAC AAC CCC TAC ACC-3' 生ずるペクチン酸リアーゼを発現するバシラス・サチリス(B.subtilis)のクロ
ーンをMB644 と命名した。クローニングしたDNA 配列はバシラス・サチリス(B.s
ubtilis)において発現され、そして上清中に出現したタンパク質は配列番号:6の
成熟タンパク質で表わされる成熟タンパク質に対応した。
【0265】 精製および特性決定 このプラスミド(MB644 )で形質転換したバシラス・サチリス(Bacillus subt
ilis) を、カナマイシンを含有するPS培地中で生長させた。 この酵素はN末端に3つのレクチン結合ドメインを含有することが見出された
【0266】 実施例6セルロース材料のペクチン酸リアーゼ処理 ペクチンの除去および湿潤性に対する温度の効果 典型的なセルロース材料を代表する、100 %の綿の織製綾織物、脱糊剤した被
験布帛#428Uを、実施例2 のバシラス・リヘニフォルミス(B.licheniformis) の
ペクチン酸リアーゼからなる水性酵素溶液で処理し、ここで酵素溶液は9APSU/g
布帛でpH9 および15:1の液比で投与した。処理時間は2時間であり、そして温度
を35〜75℃で変化させた。酵素処理後、布帛をよくすすぎ、乾燥し、次いでルテ
ニウム・レッド(Ruthenium Red) で染色した。染料の吸収を分光光度測定し、そ
してこれは繊維上の残留ペクチンの測度である。
【0267】 出発物質の染料吸収を100 %残留ペクチンとして、そして完全に化学的に精練
、漂白された布帛のそれを0%として使用して、残留ペクチンの百分率を計算し
た。結果を表2に示す。さらに、湿潤性(ドロップ試験−したたり落ちて布帛に
吸収されるようになる水の時間(秒)を測定する)を測定し、無酵素の対照と比
較した。結果を表3に示す。
【0268】
【表2】
【0269】
【表3】 湿潤性の目標は典型的には<5 秒である。 上昇する温度の有益な効果は、双方の応答について明瞭に見られる。
【0270】 実施例7セルロース材料のペクチン酸リアーゼ処理 ペクチン除去に対するpHの効果 典型的なセルロース材料を代表する、100 %の綿の織製綾織物、脱糊剤した被
験布帛#428Uを、実施例2のバシラス・リヘニフォルミス(B.licheniformis) の
ペクチン酸リアーゼからなる水性酵素溶液で処理し、ここで酵素溶液は9APSU/g
布帛で15:1の液比で投与した。処理時間は2時間であり、そして温度を55℃であ
った。pHを8〜11の間で変化させた。酵素処理後、布帛をよくすすぎ、乾燥し、
次いでルテニウム・レッド(Ruthenium Red) で染色した。染料の吸収を分光光度
測定し、そしてこれは繊維上の残留ペクチンの測度である。出発物質の染料吸収
を100 %残留ペクチンとして、そして完全に化学的に精練、漂白された布帛のそ
れを0%として使用して、残留ペクチンの百分率を計算した。結果を表4に示す
【0271】
【表4】 pH最適値はほぼ9.5 であることが見出されたが、すぐれた活性は非常に広い範
囲のアルカリ性の間隔において証明される。
【0272】 実施例8洗剤中の本発明の酵素の使用 実施例2に記載するようにして得られた精製された酵素( バッチ9751) は、慣
用の商業的液状洗剤を使用するミニ洗濯試験において1ppmのレベルで試験したと
き、改良されたクリーニング性能を示した。この試験は慣用の北アメリカの洗濯
条件下に実施した。
【0273】 実施例9バナナで汚れた綿繊維材料に対するカルボヒドラーゼの効果方法 ウルトラ・ツラックス(Ultra Turrax)中で40mlの水で3本のバナナをすりつ
ぶし、均質化した。スタイル(Style)400綿(Testfabtics,Inc.)をこの溶液中でソ
ーキングし、2本ロールの間で絞り、一夜乾燥した。 商業的液状洗剤ブランドのFutur Liquid中で、ヨーロッパの洗濯条件下に、そ
れぞれ、0.1ppm、0.2ppm、1ppmおよび10ppm の実施例2のペクチン酸リアーゼを
洗剤液体に添加し、そして10ppm の実施例1のペクチン酸リアーゼを添加して、
汚れた綿繊維材料を洗濯した。この試験を反復した。 結果 Ariel 液体:バナナの汚れ除去%(100 %は汚れの完全な除去である)
【0274】
【表5】
【0275】 実施例10ペクチン酸リアーゼとCBD との間の融合タンパク質の構築および発 クロストリジウム・テルモセルム(Clostridium termocellum)YS 株からのCipB
遺伝子のCBD をコードするDNA 配列(Poole D M;Morag E;Lamed R;Bayer EA;Hazl
ewood GP;Gilbert HJ(1992)Identification of the Cellulose-binding domain
of the cellulosome subunit S1 from Clostridium thermocellum YS、Fems Mic
robiology Letters Vol.78、No.2-3 pp.181-186)を、下記の2 つのオリゴヌクレ
オチドから成るPCR プライマーの組を使用して、PCR 増幅した:
【0276】
【化3】
【0277】 制限部位SalIおよびNciIに下線が引かれている。 CBD をコードする染色体DNA は下記の文献に記載されているように得ることが
できる:Poole DM;Morag E;Lamed R;Bayer EA;Hazlewood GP;Gilbert HJ(1992)I
dentification of the Cellulose-binding domain of the cellulosome subunit
S1 from Clostridium thermocellum YS、Fems Microbiology Letters Vol.78、
No.2-3 pp.181-186 。実施例1に記載するように実施したPCR 反応において、CB
D をコードするDNA 試料を鋳型として使用した。0.2kb の近似大きさのDNA フラ
グメントの出現は、遺伝子セグメントの適切な増幅を示した。
【0278】 PCR フラグメントのサブクローニング サブクローニングを実施例1に記載するように実施したが、ただし精製された
PCR フラグメントをSalIおよびNotIで消化した。一夜の培養ブロスからプラスミ
ドDNA を単離することによって、いくつかのクローンを分析した。 1つのこのようなクローンを上で使用した寒天平板上で数回再ストリーキング
し、このクローンをMB914 と呼んだ。
【0279】 クローンMB914 を37℃においてTY-10 μg/mlのカナマイシン中で一夜生長させ
、次の日に、バシラス・サチリス(B.subtilis)プラスミド調製物についての製造
業者の推奨に従いQuiaprep Spin Plasmid Miniprep Kit #27106 を使用して、1m
l の細胞を使用してプラスミドを細胞から単離した。このプラスミドDNAをDN
A 配列決定し、そして下記の融合タンパク質に対応するDNA 配列が明らかにされ
た:配列番号:11 および添付されたタンパク質配列の配列番号:12 に示すペクチ
ン酸リアーゼ- リンカー-cbd。
【0280】 ペクチン酸リアーゼ- リンカー-cbd融合タンパク質の発現および検出 MB914 をTY- 培地中の37℃および250rpmにおいて20時間インキュベートした。
1ml の無細胞上清を200 μl のMillipore H2O 中の10%のAvicel(Merck、Darmst
adt 、Germany)と混合した。この混合物を0 ℃において30分間インキュベートし
た。このペクチン酸リアーゼ- リンカー-CBD融合タンパク質がAvicelに結合した
後、結合したタンパク質を有するAvicelを5000g において5分間回転させた。ペ
レットを100 μl のSDS-PAGE緩衝液の中に再懸濁させ、95℃において5分間沸騰
させ、5000g において5分間回転させ、そして25μl を4 〜20%のLaemmli Tris
-Glycine、 SDS-PAGE NOVEX ゲル(Novex、 USA) 上に負荷した。
【0281】 試料をXcellTMMini-Cell(Novex、 USA) 中で製造業者が推奨するように電気泳
動させ、クーマッシーを使用する染色、脱染および乾燥を含む、ゲルのすべての
引き続く取扱いを、製造業者が記載するように実施した。 ほぼ55kDa のタンパク質のバンドの出現は、プラスミドpMB914上にコードされ
るペクチン酸リアーゼ- リンカー-CBDのバシラス・サチリス(B.subtilis)中の発
現を示した。
【0282】 実施例11ペクチン酸リアーゼ(配列番号:10 )による綿布帛の処理 下記の実験を実施して、繊維材料を精練するための配列番号:10 のペクチン酸
リアーゼの使用を評価した。 A. 材料 1) 布帛:織製アーミイカーデッド(army carded) 綿繻子生繊維材料、品質42
8R(242g/m2) を使用した。 2) 装置:Labomat(Mathis、スイス国)を12.5:1の液比(150ml の緩衝剤/酵
素溶液中の12g の布帛)において使用した。
【0283】 3) ペクチン酸リアーゼ:実験1において、配列番号:10 に対応するペクチン
酸リアーゼを使用し、0.02M のリン酸塩緩衝液および0.4g/lの非イオン界面活性
剤(Tergitol 15-S-12 、Union Carbide)を含有する溶液中で配合した。実験2 に
おいて、配列番号:4に対応するペクチン酸リアーゼを使用し、0.05M のリン酸塩
/ホウ酸塩緩衝液、2.0g/lの非イオン界面活性剤(Tergitol 15-S-12 、Union Ca
rbide)、および1.0g/lを含有する溶液中で配合した。
【0284】 B. 手順および結果 実験1において、試験布帛をペクチン酸リアーゼを含有する水溶液と60〜80℃
の温度および7 〜11の範囲のpHにおいて15分間接触させ、次いで残留ペクチンを
定量した。 第3図はpHおよび温度の双方の関数として残留ペクチン%の輪郭プロットを示
し、そして第3図は酵素の投与量の関数として残留ペクチン%を示す。ペクチン
除去のために最適な温度は80℃以上である。実験1において、試験布帛をペクチ
ン酸リアーゼを含有する水溶液と600APSU/kg綿において接触させ、ローラーシス
テム中で絞りして、溶液の取上げを85%とし、そして40〜70℃の温度において60
分間インキュベートし、次いで残留ペクチンを定量した。残留ペクチン%を温度
の関数として下記表に示す。
【0285】
【表6】
【0286】 参考文献 Lever, M. (1972) A new reaction for colormetric determination of carbo
hydrates. Anal. Biochem. 47, 273-279。 N.C. CarpitaおよびD.M. Gibeaut (1993) The Plant Journal 3 : 1-30。 Diderichsen, B., Wedsted, U., Hedegaard, L., Jensen, B.R.,Sjoholm, C.
(1990) Cloning of aldB, which encodes alpha-acetolactate decarboxylase,
an exoenzyme from Bacillus brevis 。 J. Bacteriol. 172 : 4315-4321 。
【0287】 寄託された微生物への言及 寄託当局:Deutshe Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH 住所:Mascheroder Weg 1b, D-38124 Braunschweig, GERMANY (1)標示:NN049338 寄託日:1997年9月25日 寄託番号:DSM 11788 (2)標示:NN049399 寄託日:1997年9月25日 寄託番号:DSM 11789
【0288】 (3)標示:NN049413 寄託日:1998年9月8日 寄託番号:DSM 12403 (4)標示:NN049414 寄託日:1998年9月8日 寄託番号:DSM 12404 (5)標示:NN017545 寄託日:1998年9月21日 寄託番号:DSM 12419
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、配列番号:2、4 、6 、8 および10のアミノ酸配列の成熟部分の配列の
整列、整列番号1 〜344 、を示す。整列番号の位置223 は、配列番号:2の位置24
0 、配列番号:4の位置233 、配列番号:6の位置390 、配列番号:8の位置240 およ
び配列番号:10 の位置227 に対応する。
【図2】 図2は、熱安定性ペクチン酸リアーゼを使用する綿布帛からのペクチンの除去
に対するpHおよび温度の効果のグラフの図解である。ペクチンの除去は残留ペク
チンの%として表す。ペクチン酸リアーゼは100 mol/分/kg 布帛の使用量で適用
した。
【図3】 図3は、綿布帛からのペクチンの除去に対する熱安定性ペクチン酸リアーゼの
投与量の効果のグラフの図解である。ペクチンの除去は残留ペクチンの%として
表す。ペクチン酸リアーゼは100 mol/分/kg 布帛の投与量で適用した。ペクチン
の除去は残留ペクチンの%として表し、そして投与量は mol/ 分/kg 繊維として
表す。ペクチン酸リアーゼは布帛にpH9 および80℃において適用した。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年1月21日(2000.1.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/19 C12N 9/88 1/21 11/18 5/10 (C12N 9/88 9/88 C12R 1:07) 11/18 C12N 15/00 ZNAA //(C12N 9/88 A23L 2/34 C12R 1:07) C12N 5/00 A (31)優先権主張番号 09/073,684 (32)優先日 平成10年5月6日(1998.5.6) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/184,217 (32)優先日 平成10年11月2日(1998.11.2) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ランゲ,ニールズ エリック クレブス アメリカ合衆国,ノースカロライナ 27615,ローリー,ストーンクリフ ドラ イブ 7212,アパートメント 5 (72)発明者 ビョーンバド,マッズ エスケルント デンマーク国,デーコー−1955 フレデリ クスベルウ 3テーホー,ドクトル アビ ルトガールズ アレ 8 (72)発明者 メラール,セーレン デンマーク国,デーコー−2840 ホルテ, ベド フレセーン 9 (72)発明者 グラド,サンネ オー.シュレーダー デンマーク国,デーコー−2750 バーレル ップ,ビゴ バルフェズ アレ 59 (72)発明者 カウピネン,マルクス サカリ デンマーク国,デーコー−2200 コペンハ ーゲン エン 5,エゲガーデ 10 (72)発明者 シュノール,キルク デンマーク国,デーコー−2200 コペンハ ーゲン エン,1.テーベー.,ネーレブ ロガーデ 44アー (72)発明者 コンスベーク,ラルス デンマーク国,デーコー−2840 ホルテ, バーンゲスティン 24アー

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の配列: Asn Leu Asn Ser Arg Val Pro (NLNSRVP ) を有する7個のアミノ酸残基から成る第1アミノ酸配列を含んでなるペクチン酸
    リアーゼ。
  2. 【請求項2】 下記の配列: Trp Val Asp His Asn Glu (WVDHNE)および Trp Ile Asp His Asn Glu (WIDHNE) から成る群より選択される6個のアミノ酸残基から成る第2アミノ酸配列をさら
    に含む、請求項1に記載のペクチン酸リアーゼ。
  3. 【請求項3】 下記の配列: Ser Trp Asn (SWN ) を有する3個のアミノ酸残基から成る第3アミノ酸配列をさらに含む、請求項1
    に記載のペクチン酸リアーゼ。
  4. 【請求項4】 i) バシラス・アガラドヘレンス(Bacillus agaradhaerens)
    NCIMB 40482 もしくはDSM 8721により産生されるか、またはバシラス・アガラド
    ヘレンス(Bacillus agaradhaerens)DSM 8721に対して少なくとも99%の16S rDNA
    配列の相同性を有するバシラス(Bacillus)属の種により産生されるポリペプチ
    ド; ii) 配列番号:2の位置27−359 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
    ド; iii) 前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)またはii) において
    定義されたポリペプチドのアナローグ; iv) 1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプ
    チドから誘導され、ただし位置240 におけるアルギニン、および必要に応じてさ
    らに、位置245 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが
    前記ポリペプチドに対して少なくとも42%相同性であるポリペプチド;あるいは v) 精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗
    体と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼ。
  5. 【請求項5】 a) 配列番号:1に示すヌクレオチド79〜ヌクレオチド1077の
    ヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; b) 配列番号:2のアミノ酸残基27〜アミノ酸残基359 のアミノ酸配列に対して
    少なくとも45%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;お
    よび c) 上記(a) または(b) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコ
    ードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
  6. 【請求項6】 i) バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)
    ATCC 14580により産生されるか、またはバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus
    licheniformis)ATCC 14580に対して少なくとも99%の16S rDNA配列の相同性を有
    するバシラス(Bacillus)属の種により産生されるポリペプチド; ii) 配列番号:4の位置28−341 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
    ド; iii) 前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)またはii) において
    定義されたポリペプチドのアナローグ; iv) 1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプ
    チドから誘導され、ただし位置233 におけるアルギニン、および必要に応じてさ
    らに、位置238 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが
    前記ポリペプチドに対して少なくとも42%相同性であるポリペプチド;あるいは v) 精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗
    体と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼ。
  7. 【請求項7】 a) 配列番号:3に示すヌクレオチド82〜ヌクレオチド1026の
    ヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; b) 配列番号:4のアミノ酸残基28〜アミノ酸残基341 のアミノ酸配列に対して
    少なくとも45%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;お
    よび c) 上記(a) または(b) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコ
    ードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
  8. 【請求項8】 i) 配列番号:14 の16S rDNA配列を有するバシラス(Bacill
    us)種により産生されるか、または配列番号:14 に対して97.3%より高い16S rD
    NA配列の相同性を有するバシラス(Bacillus)種により産生されるポリペプチド
    ; i) 配列番号:6の位置181 −509 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
    ド; ii) 前記ポリペプチドと少なくとも50%相同性であるi)において定義された
    ポリペプチドのアナローグ; iii) 1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプ
    チドから誘導され、ただし位置390 におけるアルギニン、および必要に応じてさ
    らに、位置395 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが
    前記ポリペプチドに対して少なくとも44%相同性であるポリペプチド;あるいは iv) 精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル
    抗体と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼ。
  9. 【請求項9】 a) 配列番号:5に示すヌクレオチド541 〜ヌクレオチド1530
    のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; b) 配列番号:6のアミノ酸残基181 〜アミノ酸残基509 のアミノ酸配列に対し
    て少なくとも50%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;
    および c) 上記(a) または(b) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコ
    ードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
  10. 【請求項10】 i) バシラス・ハロヅランス(Bacillus haloduranns)に
    より産生されるポリペプチド; ii) 配列番号:8の位置42−348 に示すアミノ酸配列を含んでなるポリペプチ
    ド; iii) 前記ポリペプチドと少なくとも45%相同性であるi)またはii) において
    定義されたポリペプチドのアナローグ; iv) 1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプ
    チドから誘導され、ただし位置240 におけるアルギニン、および必要に応じてさ
    らに、位置245 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが
    前記ポリペプチドに対して少なくとも40%相同性であるポリペプチド;あるいは v) 精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル抗
    体と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼ。
  11. 【請求項11】 ポリペプチドがバシラス(Bacillus)スペーシス KJ59 、
    DSM 12419 により産生される、請求項10に記載のペクチン酸リアーゼ。
  12. 【請求項12】 a) 配列番号:7に示すヌクレオチド124 〜ヌクレオチド10
    47のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; b) 配列番号:8のアミノ酸残基42〜アミノ酸残基348 のアミノ酸配列に対して
    少なくとも45%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;お
    よび c) 上記(a) または(b) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコ
    ードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
  13. 【請求項13】 i) 配列番号:13 の16S rDNA配列を有するバシラス(Baci
    llus)属の種により産生されるか、または配列番号:13 に対して98.1%より高い
    16S rDNA配列の相同性を有するバシラス(Bacillus)属の種により産生されるポ
    リペプチド; i) 配列番号:10 の位置25−335 に示すようなアミノ酸配列を含んでなるポリ
    ペプチド; ii) 上記i)において定義されたポリペプチドまたは前記ポリペプチドと少な
    くとも45%相同性であるポリペプチドのアナローグ; iii) 1または複数個のアミノ酸の置換、欠失または付加により前記ポリペプ
    チドから誘導され、ただし位置227 におけるアルギニン、および必要に応じてさ
    らに、位置232 におけるアルギニンが保存され、かつ誘導されたポリペプチドが
    前記ポリペプチドに対して少なくとも41%相同性であるポリペプチド;あるいは iv) 精製された形態の前記ポリペプチドに対して発生させたポリクローナル
    抗体と免疫学的に反応性であるポリペプチド; であるペクチン酸リアーゼ。
  14. 【請求項14】 a) 配列番号:9に示すヌクレオチド73〜ヌクレオチド1008
    のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; b) 配列番号:10 のアミノ酸残基25〜アミノ酸残基335 のアミノ酸配列に対し
    て少なくとも45%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子;
    および c) 上記(a) または(b) の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコ
    ードする、単離されたポリヌクレオチド分子。
  15. 【請求項15】 ポリヌクレオチドがDNA である、請求項5、7、9、11ま
    たは14に記載の単離されたポリヌクレオチド分子。
  16. 【請求項16】 下記の作用可能に連鎖された因子: 転写プロモーター; a) 配列番号:1に示すヌクレオチド79〜ヌクレオチド1077のヌクレオチド配列
    、配列番号:3に示すヌクレオチド82〜ヌクレオチド1026のヌクレオチド配列、配
    列番号:5に示すヌクレオチド541 〜ヌクレオチド1530のヌクレオチド配列、配列
    番号:7に示すヌクレオチド124 〜ヌクレオチド1047のヌクレオチド配列または配
    列番号:9に示すヌクレオチド73〜ヌクレオチド1008のヌクレオチド配列からなる
    、ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    分子;b) 配列番号:2のアミノ酸残基27〜アミノ酸残基359 、配列番号:4のアミ
    ノ酸残基28〜アミノ酸残基341 、配列番号:6のアミノ酸残基181 〜アミノ酸残基
    509 、配列番号:8のアミノ酸残基42〜アミノ酸残基348 または配列番号:10 のア
    ミノ酸残基25〜アミノ酸残基335 のアミノ酸配列に対して少なくとも50%同一で
    あるペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチ
    ド分子;またはc)上記 (a)もしくは(b) の縮重ヌクレオチド配列;並びに 転写ターミネーター; を含んでなる発現ベクター。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の発現ベクターが導入されており、DNA セ
    グメントによりコードされるポリペプチドを発現する培養細胞。
  18. 【請求項18】 a) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:2に示す
    残基27〜残基359 のアミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; b) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:2のアミノ酸残基27〜アミノ
    酸残基359 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; c) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:4に示す残基28〜残基241 の
    アミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; d) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:4のアミノ酸残基28〜アミノ
    酸残基341 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; e) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:6に示す残基181 〜残基509
    のアミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; f) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:6のアミノ酸残基181 〜アミ
    ノ酸残基509 のアミノ酸に少なくとも50%同一であるポリペプチド分子; g) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:8に示す残基42〜残基348 の
    アミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; h) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:8のアミノ酸残基42〜アミノ
    酸残基348 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; i) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:10 に示す残基25〜残基335
    のアミノ酸を含んでなるポリペプチド分子; k) ペクチン酸リアーゼ活性を有しかつ配列番号:10 のアミノ酸残基25〜アミ
    ノ酸残基335 のアミノ酸に少なくとも45%同一であるポリペプチド分子; l) 上記a)、b)、c)、d)、e)、f)、g)、h)、i)およびk)の種相同体; から成る群より選択される単離されたポリペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の精製されたペクチン酸リアーゼまたは請
    求項18に記載の精製されたポリペプチドを含んでなる酵素調製物。
  20. 【請求項20】 請求項16に記載の発現ベクターが導入された細胞を培養し
    、これにより前記細胞はDNA セグメントによりコードされるポリペプチドを発現
    し、そしてポリペプチドを回収する、ことを含んでなる、ペクチン酸リアーゼ活
    性を有するポリペプチドを製造する方法。
  21. 【請求項21】 酵素が(i) 相同的不純物を含有せず、かつ(ii)請求項20に
    記載の方法により製造される、ペクチン酸リアーゼ活性を有する単離された酵素
  22. 【請求項22】 プロテアーゼ、セルラーゼ(エンドグルカナーゼ)、β-
    グルカナーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、α
    - アミラーゼ、グルコアミラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、
    オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、アラビ
    ノシダーゼ、マンナーゼ、キシログルカナーゼ、キシラナーゼ、ペクチンアセチ
    ルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ガラクタナ
    ーゼ、ペクチンリアーゼ、他のペクチン酸リアーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペ
    クチンメチルエステラーゼ、セルロバイオヒドロラーゼ、トランスグルタアミナ
    ーゼ;またはそれらの混合物から成る群より選択される1または複数の酵素をさ
    らに含む、請求項19に記載の調製物。
  23. 【請求項23】 1または複数のセルロース結合ドメイン(CBD) に結合した
    ペクチン酸リアーゼ活性を有するポリペプチド部分を含んでなる融合ポリペプチ
    ド。
  24. 【請求項24】 ポリペプチド部分が請求項1、4、6、8、10および13に
    記載のペクチン酸リアーゼである、請求項23に記載のポリペプチド。
  25. 【請求項25】 CBD がクロストリジウム・テルモセルム(Clostridium ter
    mocellum)YS 株から得られる、請求項23に記載のポリペプチド。
  26. 【請求項26】 配列番号:12 のアミノ酸配列を有する請求項24に記載のポ
    リペプチドおよびペクチン酸リアーゼ活性を有するその突然変異体または変異型
    、ただし位置206 および211 におけるアルギニンが保存されており、そして突然
    変異体または変異型が前記ポリペプチド部分と少なくとも42%相同である。
  27. 【請求項27】 請求項19に記載の酵素調製物または請求項1、4、6、8
    、10または13に記載のペクチン酸リアーゼ酵素と、界面活性剤とを含んでなる洗
    浄組成物。
  28. 【請求項28】 硬質表面を請求項19に記載の酵素調製物または請求項1、
    4、6、8、10または13に記載のペクチン酸リアーゼ酵素を含有するクリーニン
    グ溶液で処理することからなる、硬質表面をクリーニングする方法。
  29. 【請求項29】 機械的洗浄プロセスの洗浄サイクルの間に、請求項19に記
    載の酵素調製物または請求項1、4、6、8、10もしくは13に記載のペクチン酸
    リアーゼ酵素を含有する洗浄溶液で布帛を処理することからなる、布帛を機械的
    に処理する方法。
  30. 【請求項30】 有効量の請求項19に記載の酵素調製物または請求項1、4
    、6、8、10もしくは13に記載のペクチン酸リアーゼ酵素でセルロースの繊維、
    糸または織布もしくは不織布を処理することを含んでなる、セルロースの繊維、
    糸または織布または不織布の性質を改良する方法。
  31. 【請求項31】 酵素調製物または酵素を精練プロセスの工程において使用
    する、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 植物材料を有効量の請求項19に記載の酵素調製物または請
    求項1、4、6、8、10または13に記載のペクチン酸リアーゼ酵素で処理するこ
    とを含んでなる、植物材料を分解または変性する方法。
  33. 【請求項33】 植物材料が柔軟化プロセスに付された再循環された廃棄物
    の紙、機械的製紙用パルプまたは繊維である、請求項32に記載の方法。
  34. 【請求項34】 有効量の請求項19に記載の酵素調製物または請求項1、4
    、6、8、10もしくは13に記載のペクチン酸リアーゼ酵素を動物飼料として慣用
    の動物飼料成分に添加することからなる、動物飼料を製造する方法。
  35. 【請求項35】 ワインまたはジュースを有効量の請求項19に記載の酵素調
    製物または有効量の請求項1、4、6、8、10もしくは13に記載のペクチン酸リ
    アーゼ酵素で処理することを含んでなる、ワインまたはジュースをプロセシング
    する方法。
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