JP2001525373A - シーラントのためのフィブリン溶解阻害剤 - Google Patents

シーラントのためのフィブリン溶解阻害剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、フィブリンシーラントを製造するためのキットを提供し、(A)(a)フィブリンモノマー製剤;(b) クロット保護に有効な量のフィブリン溶解阻害タンパク質を含む安定化製剤;および(c) フィブリンモノマー製剤をフィブリンクロットに転化するのに有効な非酵素重合剤製剤を含むか、または、(B) (a')フィブリンモノマーおよびクロット保護に有効な量のフィブリン溶解阻害タンパク質を含む、フィブリンモノマー製剤;ならびに(c')フィブリンモノマー製剤をフィブリンクロットに転化するのに有効な重合剤製剤を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、フィブリン溶解阻害剤を含むフィブリンシーラント(sealant) 、そ
のようなフィブリン溶解阻害剤を単離する方法および、遠心力を用いて自動化さ
れたプロセスによってそのようなフィブリン溶解阻害剤を単離する装置に関する
【0002】 「フィブリン」シーラントは、手術での出血を減らし、かつ手術で、または傷
つけることによって切り裂かれた血管および組織を封止するために広く使用され
ている。「フィブリン」という語は、歴史的に、「フィブリン」シーラントが、
フィブリンの前駆体、すなわちフィブリノーゲンを含む物質としてデリバリーさ
れるので、この文脈では誤った名称とみることができる。そのようなシーラント
において、フィブリノーゲン物質は、フィブリノーゲンをフィブリンに転化させ
るプロテイナーゼ酵素と共に、封止されるべき部位に一緒にデリバリーされてい
る(co-delivered)。十分な量のフィブリンがフィブリノーゲンから形成されると
、フィブリンは自発的にフィブリンポリマーへと重合し、十分なポリマーが集合
すると、このポリマーはフィブリンクロット(clot)を形成する。一般に、転化酵
素は、ウシのトロンビンであった。最近では、しかしながら、封止されるべき部
位へ、重合に対して安定化された「フィブリンモノマー」形状でフィブリンをデ
リバリーする有効なシーラントが記載されている。その部位では、安定化条件が
逆にされ、有効なクロットを形成する。エドワードソン(Edwardson) ら、欧州特
許出願EP 592,242参照。
【0003】 このEP 592,242のフィブリンモノマーシーラントの特別な利点の1つは、この
シーラントが、手術のたった数分前に少量の患者血液から速やかに製造でき、こ
れは、標準的な実験室器具を用いて行うことができることである。従来のシーラ
ントのフィブリノーゲン物質を得る方法は大変な労力を要し、かつ、自動化がよ
り困難である。フィブリンモノマーを製造するための特定の道具がまた最近記載
されていて、これらの道具は、自家組織のシーラントを、速い、再現性が高く、
高信頼性でかつ安全性の高い方法で、患者から製造することを可能にする。ホル
ム(Holm)、「遠心機試薬受渡し系(Centrifuge Reagent Delivery System)」, WO
96/16713 、ホルム(Holm)ら、「血漿からフィブリンI を分離する方法および装
置(Method and Device for Separating Fibrin I from Blood Plasma) 」、WO 9
6/16714 およびホルム(Holm)、「環状フィルターを用いた遠心機 (Centrifuge w
ith Annular Filter) 」、WO 96/16715 参照。これらの特許出願は、遠心機で操
作する成形した装置を記載する。装置の第1の室は血液で満たされ、遠心分離の
プロセスによって、ペレット状の細胞性血液画分から血漿を分離する。血漿を第
2の室へ移し、そこへ、ビオチンに共有結合している転化酵素を挿入する。この
酵素は、血漿中のフィブリノーゲンをフィブリンに転化させるように働き、この
フィブリン分子は互いに結合してポリマーを形成し、このポリマーは沈殿して固
体を形成する。フィブリン沈殿物は、遠心分離によりペレット状にされ、残った
血漿は第1の室へ戻される。ペレット状にされたフィブリン沈殿物を可溶化液体
で溶解し、これは、最も多くの場合、酸性のpHで緩衝された水性溶液である。
粘稠なフィブリンモノマー溶液を、ビオチンを結合する水性ビーズと混合して、
痕跡量のビオチン化された(botinylated) 転化酵素を除去した後、アガロースビ
ーズを除去するフィルターを通して、第3の室へと洗い(例えばシリンジで)入
れる。保持されたアガロースは、高親和性のアビジン‐ビオチン相互作用によっ
て結合されたどのような残留酵素をも含む。可溶化されたフィブリンモノマー組
成物は、エドワードソン(Edwardson) ら、欧州特許出願EP 592,242に記載された
ように、シーラントとして使用することができる。
【0004】 よってこれらの改善は、自家組織シーラントを、速い自動化された方法で製造
することを可能にし、そのようにして製造された自家組織シーラントは、外来性
のプロテイナーゼ酵素、例えばウシのトロンビンを含まない。しかしながら、そ
のように製造すると、シーラントは、フィブリン溶解に対する多量の阻害剤を含
まない。これらの阻害剤は、シーラントがフィブリンクロットを形成するのに使
用された後に速度を制限することができ、そのとき、身体のハウスキーピング酵
素がクロットになったフィブリンを除去する。アプロチニン(ウシの肺から分離
された分子量6200のポリペプチド)は、1つのそのようなフィブリン溶解阻害剤
である。ウシのアプロチニンはもちろん、上記したシーラントに加えることがで
きるが、このことは、シーラントの実質的な利点を部分的に害し、その利点とは
、自家組織的にシーラントを製造する能力であり、よって、シーラントおよびシ
ーラントと共に形成されたクロットは、患者から得た生物ポリマーしか含まない
という利点である。事実、患者にウシのアプロチニンを繰返し使用すると、悪い
結果、例えば過敏反応が付随した。このように、従来必要とされているものは、
治療されるべき種、最も好ましくは患者自身から、フィブリン溶解の適当な阻害
剤を容易に製造する方法である。特に、必要とされるのは、上記した自動化され
た方法と調和できる方法である。 (発明の概要) 本発明は、フィブリンシーラントを製造するためのキットを提供し、このキッ
トは、 (a)フィブリンモノマー製剤;(b) クロット保護に有効な量のフィブリン
溶解阻害タンパク質を含む安定化製剤;および(c) フィブリンモノマー製剤をフ
ィブリンクロットに転化するのに有効な、非酵素重合剤製剤を含む第1のキット
(A) または、 (a') フィブリンモノマーおよびクロット保護に有効な量のフィブ
リン溶解阻害タンパク質を含む、フィブリンモノマー製剤;および(c')フィブリ
ンモノマー製剤をフィブリンクロットに転化するのに有効な重合剤製剤を含む第
2のキット(B) である。好ましくは、フィブリンクロット安定化に有効な量は、
(i) 溶液である安定化製剤では、少なくとも約70μg/mlアルファ-2- 抗プラズミ
ン(より好ましくは少なくとも200 μg/ml、なおより好ましくは少なくとも400
μg/ml);または(ii)固体である安定化製剤では、少なくとも約70 mg アルファ
-2- 抗プラスミン/フィブリン1g(より好ましくは少なくとも120mg/g 、なおよ
り好ましくは少なくとも30mg/g)である。好ましくは、フィブリンモノマー製剤
は液体であり、製剤中のフィブリンモノマーの濃度は、少なくとも約8mg/ml (
より好ましくは少なくとも15 mg/ml、なおより好ましくは少なくとも30 mg/ml)
である。好ましくは、フィブリンモノマー製剤は、フィブリン可溶化に有効な量
の酸を含み、重合剤製剤は、その酸の量をフィブリン可溶化に有効な量未満にす
るのに十分な量の塩基を含み、または、フィブリンモノマー製剤は、フィブリン
モノマー凍結乾燥物および水性緩衝液含有重合剤製剤を含む。
【0005】 本発明はまた、動物からフィブリンシーラントを形成する方法であって、(a)
フィブリン溶解阻害タンパク質を含む、動物からの第1の抽出物を、抽出用具(i
mplement) に結合している、クロット阻害剤結合リガンドと接触させること;(b
) フィブリン溶解阻害タンパク質を含む第1の組成物を単離すること;(c) フィ
ブリノーゲンを含み、かつ第1の抽出物と同じであることができる、動物からの
第2の抽出物をフィブリノーゲン転化酵素と接触させること;および(d) クロッ
ト形成に有効な量のフィブリンモノマーを含む第2の組成物を、接触した第2の
抽出物から単離すること、ここで、単離したフィブリン溶解阻害タンパク質の量
は、少なくともクロット形成に有効な量の第2の組成物を安定化するのに十分で
あること を含む方法を提供する。好ましくは、第1および第2の抽出物は同じであり、第
1の抽出物は血液または血液誘導体である。
【0006】 この方法は、(e) 第2の組成物を、フィブリンモノマー製剤をフィブリンクロ
ットへ転化させるのに有効な重合剤組成物と接触させること;および(f) さらに
、第2の組成物を、クロット保護に有効な量の第1の組成物と接触させることに
よって、さらに、(1) 組織を封止して、流体損失を防ぐか、または組織への付着
を防ぐこと、または(2) 材料をコーティングして、その生物学的適合性を増加す
ることを含むことができる。 (定義) 本願の目的のために、以下の用語は、以下に示した意味を有する。 ・抽出用具(implement) 「抽出用具」は、そこに結合された分子の溶液からの除去を容易にする構造で
ある。抽出用具は、限定されないが、沈降もしくはろ過(限外ろ過を含む)によ
って除去することができる固体またはより大きい分子、結合対の一部(結合対の
他の部分は、第1の結合対を溶液から抽出するのに使用することができる)およ
び、電場または磁場を用いて抽出することができる帯電したもしくは磁気を帯び
た粒子を包含する。 ・フィブリン 重合してフィブリンポリマーの沈殿を形成することができる、フィブリノーゲ
ンの多数の誘導体(例えば、フィブリンI (すなわち、desAA-フィブリン)、フ
ィブリンII(すなわち、desAAdesBBフィブリン)またはdes BBフィブリン)のう
ちの1つ。誘導体は、フィブリノーゲンからA またはB フィブリノペプチドを開
裂することによって作られる。 ・フィブリンクロット形成に有効な量 クロット形成フィブリンの有効量は、フィブリンシーラントとして使用される
のに十分なクロット物質を形成するフィブリン(例えば、フィブリンモノマー)
の量または濃度(液体状の場合)である。 ・フィブリンクロット保護に有効な量 フィブリン溶解阻害剤の有効量は、フィブリンに添加されたとき、有効なフィ
ブリンシーラントとして組織中または組織上にフィブリンクロットが残る時間を
増大させる、アルファ-2- 抗プラスミンまたは他のフィブリン溶解阻害タンパク
質の量である。 ・フィブリンモノマー フィブリンモノマーは、可溶性の形態に保持され、かつ、例えば、酸性pHま
たはカオトロピック剤(chaotropic agent)のような重合阻害剤の存在によって、
または、重合を阻止する形、例えば十分に水和または凍結された形に保持される
ことによって、クロットをつくるのを妨げられたフィブリンである。フィブリン
モノマーの別の形は、自己重合しないが、別のフィブリンに関連した分子、例え
ばフィブリノーゲンと重合する、操作されたフィブリンの形である。そのような
操作されたフィブリンは、セダーホルム(Cederholm) ら、「組換えフィブリン鎖
、フィブリンおよびフィブリン‐同族体(Recombinant Fibrin Chains, Fibrin a
nd Fibrin-Homologs) 」, PCT 出願 PCT/US95/05527, 1995年5月2日出願に記
載されている。 ・フィブリンポリマー フィブリンモノマーの重合を妨げない条件下で、フィブリン分子が非共有的に
相互作用してポリマー(ここで、「フィブリンポリマー」と呼ぶ)を形成し、こ
れは、十分な塊が達成されると、クロット様の特性を有する目に見える付着性の
沈殿を形成する。因子XIIIa の作用によって、フィブリンポリマーは、共有的に
架橋されることができる。因子XIIIa の架橋作用の前に、フィブリンポリマーは
、逆にフィブリンモノマーへと転化されることができる。幾らかの初期のそのよ
うな架橋が生じたときでさえ、フィブリンポリマーは逆にフィブリンモノマーへ
と転化されることができると考えられる。 ・フィブリン溶解阻害タンパク質 フィブリン溶解阻害タンパク質は、哺乳動物の体液中に見出されるポリペプチ
ドまたは、そのような哺乳動物のポリペプチドから誘導されるポリペプチドであ
り、フィブリンクロットに注入されるかまたはさもなければ組み込まれるときに
、フィブリンクロットが、プラスミンまたはプラスミノーゲンを有する組織と接
触すると、例えば、組織を共に結合する、体液の漏れを制限する、組織の付着を
防ぐ、または材料の生物学的適合性を増加することにおいて有効なままである時
間を増大させる。フィブリン溶解阻害タンパク質の例としては、アルファ-2- 抗
プラスミン、アルファ-2- マクログロブリンおよびアプロチニンを包含する。 ・高親和性結合 第1の物質と第2の物質との間の高親和性結合は、第1または第2の物質が、
他の物質の分離のための親和性リガンドとして使用されるようにするのに十分な
結合力を有する結合である。典型的には、高親和性結合は、約105 -1以上、よ
り好ましくは約106 -1以上、なおより好ましくは約107 -1以上の会合定数に
反映される。 (発明の詳細な記載) フィブリノーゲンからフィブリンへの転化後、フィブリンは、非共有的相互作
用、例えば水素結合、イオン性結合、疎水性相互作用およびファン デル ワー
ルスの相互作用により、速やかに重合する。重合したフィブリンはクロットを形
成する。このクロットは、因子XIIIの活性形(因子XIIIa と呼ばれるトランスグ
ルタミナーゼ酵素)の命令下で、共有的架橋を形成することによって成熟するこ
とができる。フィブリンクロットによる血管の望まない閉塞の防止は、プラスミ
ンと呼ばれるタンパク質分解酵素によってなされると考えられる。プラスミンは
、非常に調節されたプロセスで、プラスミノーゲンと呼ばれる前駆体から形成さ
れる。
【0007】 血液は、プラスミンの阻害剤を含み、これはアルファ-2- マクログロブリンお
よびアルファ-2- 抗プラスミン(AP)を包含する。アルファ-2- 抗プラスミンは、
血液中の主なプラスミン阻害剤であると考えられる。アオキ(Aoki)ら、J. Clin.
Invest. 60:361, 1977 およびコレン(Collen)およびウィマン(Wiman) 、Blood
51:563-569, 1978参照。APとプラスミンとの間の反応は2段階で生じ、第1段階
は急速な可逆的相互作用(107 モル/秒程度の速度定数)であり、第2段階はよ
り遅い分子内転位であって、アルファ-2- 抗プラスミンとプラスミンとの間に共
有結合の形成を生じる(105 モル/秒程度の速度定数)。クロット形成部位では
、アルファ-2- 抗プラスミンは、フィブリンポリマーを架橋させるのと同じ酵素
(因子XIIIa )の活性によって、フィブリンに共有的に結合するようになる。
【0008】 上記したように、欧州特許出願EP 592,242に記載されたフィブリン組成物は、
重合を妨げられたフィブリン、すなわちフィブリンモノマーからなる。非常に多
くの場合、この重合阻止は、フィブリンをpH約4を有する水性溶液に可溶化す
ることによって達成される。手術において使用して体液損失を最小にし、または
組織を共に結合することができるクロットを形成するために、重合阻止条件は逆
にされ、これは、フィブリンポリマー沈殿の急速な形成を生じる。一般に、重合
阻止は、フィブリン組成物の酸性を中性化し、同時に組成物をクロット形成が意
図される部位に噴霧することによって、逆にすることができる。
【0009】 手術および他の用途においてシーラントとして使用するために、欧州特許出願
EP 592,242に記載されたフィブリン組成物は、有用にも、フィブリン溶解ハウス
キーピング機能を駆使するプラスミンの阻害剤、例えば阻害剤アプロチニン、ア
ルファ-2- 抗プラスミンまたはアルファ-2- マクログロブリンを含むことができ
る。そのような阻害剤は、シーラントが、高いフィブリン溶解活性を有する組織
、例えば前立腺に施用されたとき、得られるクロットの滞在時間を増加させる。
しかしながら、EP 592,242のシーラントの開発を進めた考えと一致して、そのよ
うな阻害剤は好ましくは、シーラント組成物が、シーラントが施用される患者か
ら得たその活性成分のすべてを有することを可能にする速い方法で、血液から容
易に分離される。この方法は好ましくはまた、ホルム(Holm)、WO 96/16713 、ホ
ルム(Holm)ら、WO 96/16714 およびホルム(Holm)、WO 96/16715 に記載された装
置によって利用可能なような自動化された方法に容易に適用可能でなければなら
ない。この方法はさらに、十分な濃度でフィブリン溶解阻害剤を分離して、有用
なフィブリン溶解阻害剤機能をフィブリンシーラントに提供しなければならない
。本発明は、本発明の概要および以下の明細書にさらに記載した、そのような方
法を提供する。 A.フィブリン溶解阻害タンパク質を結合するリガンド アルファ-2- 抗プラスミンはプラスミノーゲンに結合し、特に、プラスミノー
ゲンのいわゆる「クリングル(Kringle) 」ドメインの1つ以上に結合し、このド
メインは、凝固またはフィブリン溶解に関連する多数のタンパク質において見出
される結合ドメインである。これらのクリングルドメインは、約80個のアミノ酸
配列からなり、それぞれが、保存された位置に3つのジスルフィド結合を有する
。フーバー(Hoover)ら、Biochemistry 32: 10936-10943, 1993。これらの配列は
、さらに以下で記載するように、アルファ-2- 抗プラスミンに結合する他のリガ
ンドを同定する手順のための基礎として使用することができる。AP- 結合リガン
ドはまた、アルファ-2- 抗プラスミン結合活性を保護しながら、プラスミノーゲ
ンまたはプラスミンを、プロテイナーゼ、例えばエラスターゼまたはキモトリプ
シン(プラスミンの酵素活性を壊すことができる)で消化することによって製造
することができる。そのようなプロテイナーゼ消化生成物は、精製せずに直接使
用することができるか、または精製の過程を、結合活性を有する画分を分離する
ために適用することができる。以下に記載した方法または従来公知の他のタンパ
ク質化学もしくは分子生物学の技術によって、さらなるAP- 結合リガンドを同定
することができる。
【0010】 フィブリン溶解阻害タンパク質、例えばアルファ-2- 抗プラスミンおよびアル
ファ-2- マクログロブリンを分離するのに使用することができるさらなる親和性
リガンドは、適当なモノクローナルおよびポリクローナル抗体、染料およびキレ
ート化した亜鉛イオンを含む。 B.一般的精製方法 1.固体担体の実施態様 図1は、フィブリン溶解阻害剤を結合するリガンドがフィブリン溶解阻害タン
パク質を分離するのにどのように使用されるか、および特に、そのようなポリペ
プチドをフィブリンモノマーと共にどのようにして分離するかについて概説する
【0011】 まず、血液を集め、血漿をそれから分離する。血液は、抗凝固剤、例えばクエ
ン酸三ナトリウムと混合して、約0.5 重量/体積%の最終濃度にすることができ
、血漿は、遠心分離によって分離することができ、遠心分離で、血液の細胞成分
を除去する。結合したリガンド(フィブリン溶解阻害タンパク質に結合する)を
有する固体担体を血漿と混合して、血漿中に見出されるフィブリン溶解阻害タン
パク質を結合する。本発明の1つの実施態様においては、固体担体を血漿から分
離する。固体担体は、固体担体を用いて除去されるかまたは固体担体に非特異的
に結合する流体中に見出される高分子を除去するように設計された溶液で洗浄す
ることができる。例えば、固体担体は、実質的に中性のpH、例えば約6〜8の
pHを有し、イオン強度約0.05M 〜約0.3Mを有する水性緩衝液で洗浄することが
できる。洗浄液の全部または一部(例えば最初の洗浄液)を血漿と混合すること
ができ、これを次に、さらに処理して、フィブリンモノマーを分離する。
【0012】 より詳細には、モノクローナル抗体が使用される場合には、抗体およびフィブ
リン溶解阻害タンパク質を会合させるための条件は、抗体の特性によって変化す
る。これらの特性は、標準的実験によって同定できる。ポリクローナル抗体が使
用される場合には、解離条件はしばしば、低いpH、例えば約2.5 のpHであり
得る。低いpHが使用されるなら、フィブリン溶解阻害タンパク質が低いpHに
さらされる時間を最小にするように気をつける。染料結合のためには、解離は典
型的には、高められたイオン強度の溶液を用いてなされる。亜鉛キレート化は、
図2の重合後の実施態様(以下で論じる)に、より適用できる。というのは、フ
ィブリノーゲンは、亜鉛への競合する結合を示し、この競合結合は、血清からフ
ィブリンを涸渇させた後亜鉛結合を使用することを好ましくするからである。
【0013】 固体担体を次に、リガンドとフィブリン溶解阻害タンパク質との間の相互作用
を不安定にするために、以下にさらに記載するような条件を用いて溶出する。フ
ィブリン溶解阻害タンパク質を溶出した後、緩衝液を、フィブリンシーラントの
フィブリン溶解阻害剤として使用するのに適した、または凍結乾燥によって処理
するのに適した緩衝液と交換することができる。
【0014】 フィブリノーゲンをフィブリンに転化する酵素が血漿に加えられる。フィブリ
ノーゲンをフィブリンに転化する際に、好ましくは、因子XIIIa のトランスアミ
ナーゼ活性によるフィブリン分子間の架橋形成を防ぐように気をつける。これは
、例えば、因子XIIIa 阻害剤、例えば重金属(例えば水銀)、チオメロサール(t
hiomerosal) {[(o-カルボキシフェニル)チオ]エチル水銀ナトリウム塩}、
阻害抗体またはカルシウムキレート化剤(カルシウムは酵素にとって必要な共同
因子なので)の使用を含む多数の技術によってなすことができる。カルシウムキ
レート化剤としては、これらに限定されないが、EGTA(エチレンジアミン四酢酸
、エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)四酢酸)等を包含する。
例えば、転化酵素は、約0.1 μg/ml〜約100 μg/mlの濃度、好ましくは約0.5 μ
g/ml〜約50μg/mlの濃度で使用されるバクストロキソビン(baxtroxobin) である
【0015】 図2において、図1の手順に対する実質的な差異は、フィブリンが重合され、
除去された後、固体担体が加えられることである。 図1および2の実験体系において、フィブリノーゲン転化酵素はバトロキソビ
ン(batroxobin)(Btx)(ボスロップス (Bothrops) 属のヘビのヘビ毒液からのプ
ロテイナーゼ)である。適当な特異性を有する他のプロテイナーゼをまた使用す
ることができる。ヘビ毒液プロテイナーゼが特に適当であり、これは、限定され
ることはないが、アグルシストロドン アキュタス (Aglcistrodon acutus ) 、
アグルシストロドン コントルトリックス コントルトリックス (Aglcistrodon contortrix contortrix ) 、アグルシストロドン ハリス パラス (Aglcistrod on halys pallas ) 、アグルシストロドン (Aglcistrodon) (カロセラスマ (Ca lloselasma ) )ロドストマ (rhodostoma) 、ボスロップス アスペル (Bothrops asper ) 、ボスロップス アトロックス (Bothrops atrox) 、ボスロップス イ
リスラリス (Bothrops insularis) 、ボスロップス ジャララカ (Bothrops jar araca ) 、ボスロップス ムージェヌル (Bothrops Moojenl) 、ラケシス ムタ
ムタ (Lachesis muta muta) 、クロタルス アダマンティウス (Crotalus ada manteus ) 、クロタルス ドリサス テリフィカス (Crotalus durissus terrif icus ) 、トリメレスルス フラボルビリディス (Trimeresurus flavorviridis)
、トリメレスルス グラミネウス (Trimeresurus gramineus) およびビティス
ガボニカ (Bitis gabonica) からの毒液酵素を含む。
【0016】 フィブリノーゲン転化酵素は、転化酵素結合パートナー(partner) (親和性過
程で使用されて製剤中の酵素濃度を減らす)に有利に結合する。実施例において
、転化酵素結合パートナーは、ビオチンであり、これは、ビオチン- アビジン結
合対(著しく高い親和性を有して結合する1対の分子)の一部分である。アビジ
ンについてのアミノ酸配列は、デイホフ(Dayhoff) 、タンパク質配列のアトラス
(Atlas of Protein Sequence) 、vol.5, National Biomedical Research Founda
tion, Washington, DC, 1972(また、デランゲ(DeLange) およびファング(Huang
) 、J. Biol. Chem. 246:698-709, 1971参照)に記載されており、ストレプトア
ビジン(Streptavidin)についてのアミノ酸配列は、アルガラナ(Argarana)ら、Nu
cl. Acid Res. 14:1871-1882, 1986に記載されている。核酸配列は、例えば、以
下のように入手可能である:(1) アビジンについて鶏のmRNA、Gene Bank Acc. N
o. X05343 、ゴア(Gore)ら、Nucl. Acid Res. 15:3595-3606, 1987;(2) アビジ
ンについて鶏のホワイトレグホーン(White Leghorn) 遺伝子株、Gene Bank Acc.
No.L27818;(3) ストレプ.アビジニー(Strep. avidinii) からのストレプトア
ビジン(Streptavidin)、Gene Bank Acc. No. X03591 、アルガラナ(Argarana)ら
、Nucl. Acid Res. 14:1871-1882, 1986;(4) ストレプ.アビジニー(Strep. av
idinii) からのストレプトアビジン(Streptavidin)についての合成遺伝子、Gene
Bank Acc. No.A00743、エドワーズ(Edwards) 、WO89/03422;および(5) ストレ
プトアビジン(Streptavidin)についての合成遺伝子、Gene Bank Acc. No.X65082
、トンプソン(Thompson)ら、Gene 136: 243-246, 1993 。
【0017】 アビジンおよびストレプトアビジンは、モノマーを使用することができるが、
好ましくは4量体の形で使用される。高い親和性を有して結合する他の結合対と
しては、ポリペプチドまたは他の分子に特異的な抗体、抗体が利用可能な、また
は製造することができる任意のポリペプチド、チオレドキシン(フェニルアルシ
ンオキシドを結合する)(発現ベクターは、例えば、インビトロゲン(Invitroge
n), Carlshad, CAから入手可能なチオレドキシン融合タンパク質ベクターpTrxFu
s を含む)、2価のカチオン、例えばニッケルIIに結合するポリ-His配列(発現
ベクターは、例えば、インビトロゲンから入手可能なpThioHisベクターA,B およ
びC を含む)、グルタチオンに結合するグルタチオン-S- トランスフェラーゼ
ベクター(例えば、ファルマシア バイオテク(Pharmacia Biotech), Piscatawa
y, NJ から入手可能なベクター)を包含する。そのような抗体を製造する方法は
、ポリペプチド発現系のここでの豊富な記載および公知の抗体製造方法に照らし
て、当業者に入手可能である。抗体の製造方法については、例えば、アウスベル
(Ausubel) ら、分子生物学における短いプロトコル(Short Protocols in Molecu
lar Biology)、John Wiley & Sons, New York, 1992 参照。そのような著しく高
い親和性結合特性は、非常に便利であるが、必須ではない。製剤中の転化酵素濃
度を減らすために親和性結合過程で使用することができる任意の親和性をここで
使用できる。親和性の過程が単に、転化酵素に対して抗体を使用するなら、その
ときは、本発明のこの態様は、結合した転化酵素結合パートナーを必要としない
。というのは、酵素自体が転化酵素結合パートナーを含むからである。
【0018】 フィブリノーゲンからフィブリンへと酵素による転化中にフィブリンモノマー
の重合を妨げるようにプロセスが設計されないなら、形成されたフィブリンはフ
ィブリンポリマーへと重合し、それによってフィブリンクロットを形成する。よ
って、結合されたフィブリン溶解阻害タンパク質を有する固体担体がフィブリノ
ーゲン転化酵素の添加後に残る実施態様においては、血漿からの所望の画分は、
固体クロットおよび、フィブリン溶解阻害タンパク質が結合されている固体担体
を含む。血漿をフィブリノーゲン転化酵素にさらす前に固体担体が血漿から除去
される、図1の示された実施態様においては、所望の画分は、フィブリンポリマ
ー(フィブリンポリマーと同時に処理される成分を含むことができる)からなる
固体画分である。例えば遠心分離またはろ過によってこれらの固体を集める。固
体が、固体担体(結合されたフィブリン溶解阻害タンパク質を有する)およびフ
ィブリンポリマーの両方からなる幾つかの実施態様においては、固体クロットか
らフィブリンモノマーが形成される前に、フィブリン溶解阻害タンパク質が溶出
される条件を適用することができる。あるいは、フィブリンモノマーをまず製造
することができるが、フィブリン溶解阻害タンパク質のクロット安定化活性を保
護する、フィブリンモノマーを形成するための条件の選択には気をつけなくては
ならない。そのような条件は、分離されるべきフィブリン溶解阻害タンパク質に
依存して変わる。フィブリン溶解阻害タンパク質がアルファ-2- 抗プラスミンで
ある場合には、好ましくは、低いpHにさらす時間または程度を制限するように
気をつける。
【0019】 固体が分離された後、フィブリンクロットからフィブリンモノマーを回収し、
固体担体(結合されたフィブリン溶解阻害タンパク質を有する)が存在するなら
、フィブリン溶解阻害タンパク質を、固体担体に結合した阻害剤結合リガンドか
ら解離させる。可溶化剤をフィブリンクロットに添加することによって、フィブ
リンモノマーを回収する。そのような可溶化剤としては、例えば酸溶液、例えば
pH約5以下の水性溶液または、カオトロピック剤、例えば尿素、臭化ナトリウ
ム、グアニジンヒドロクロリド、シアン化カリウム、ヨウ化カリウムもしくは臭
化カリウムを包含することができる。可溶化剤を、フィブリンモノマーを維持す
るのに有効な最小濃度(すなわち、フィブリン可溶化有効量)付近で使用するこ
とができる。フィブリンモノマーを形成するための多数の条件が、エドワードソ
ン(Edwardson) ら、欧州特許出願EP 592,242に記載されている。
【0020】 そこに第2の結合パートナー(転化酵素結合パートナーに競合的な結合パート
ナー)を結合した固体材料を次に、フィブリンモノマー製剤に加えて、製剤中に
見出され続けることができるように、どのような転化酵素をも結合する。使用し
たプロトコルによって、(a) 固体材料、(b) 固体担体または(c) 任意の残留する
フィブリンクロット物質を含むことができる固体を次に、ろ過または遠心分離に
よって除去する。
【0021】 処理された材料は、手順によって、(1) フィブリンモノマーおよびフィブリン
溶解阻害タンパク質を含む製剤、(2) フィブリンモノマーおよびフィブリン溶解
阻害タンパク質を含む異なる製剤または(3) フィブリン溶解阻害タンパク質の製
剤を含むことができる。そのような処理された材料は、例えば約4℃以下の液体
形状、凍結された形状または乾燥形で、例えば凍結乾燥物として貯蔵することが
できる。凍結乾燥物は、標準的方法によって形成される。これらの凍結乾燥物は
一般に、精製水中または緩衝水性溶液中で再構成される。フィブリンモノマーに
ついては一般に、本プロセスにおいて先に使用した可溶化剤の同じ溶液組成物を
使用して、凍結乾燥物を再構成することができる。または、ユーザーが、再構成
でフィブリンを重合することを望むなら、(a) 可溶化剤を欠く水性溶液もしくは
(b) 凍結乾燥物において行った任意の可溶化条件を逆にすることができる水性溶
液が使用される。
【0022】 示されているように、フィブリンシーラント(すなわちクロット)を形成する
ために、フィブリンモノマー、非酵素重合剤およびフィブリン溶解阻害タンパク
質を互いに混合することができる。重合剤は、フィブリンモノマーの重合を妨げ
る条件を逆にするのに有効な任意の試薬である。例えば、フィブリンモノマーが
酸性溶液(例えば0.2M酢酸ナトリウム、pH4溶液)中にあるなら、重合剤は塩
基性溶液、例えば、HEPES (N-[2- ヒドロキシエチル] ピペラジン-N'-[ エタン
スルホン酸] )、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、重炭
酸緩衝液、例えば重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウム、クエン酸の3金属塩
、酢酸塩および硫酸塩の溶液であることができるが、これらに限定されない。好
ましいアルカリ性緩衝液としては、炭酸塩/重炭酸塩;グリシン;ビスヒドロキ
シエチルアミノエタンスルホン酸(BES) ;ヒドロキシエチルピペラジンプロパン
スルホン酸(EPPS);トリシン(Tricine) ;モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)
;トリスヒドロキシメチルアミノエタンスルホン酸(TES) ;シクロヘキシルアミ
ノエタンスルホン酸(CHES);トリスヒドロキシメチルアミノエタンスルホン酸(T
ES) を包含する。使用されるアルカリ性緩衝液の量は、フィブリンを重合させる
のに十分な量でなければならない。フィブリンモノマー含有組成物約10部〜約1
部を、約1部のアルカリ緩衝液と混合するのが好ましい。そのような比が約9:
1であるのがさらに好ましくさえある。好ましい比は、緩衝液、その濃度および
pHならびにフィブリンポリマーの所望の濃度に依存する。可溶化剤として酸性
のpHが使用される場合には、好ましくはフィブリンの可溶化は、カルシウムイ
オンの存在下で(例えば約20mMの濃度で)生じる。
【0023】 特に好ましい実施態様においては、水性製剤の3つの流れを混合して、急速な
クロット形成プロセスを開始する。これらの製剤は、フィブリンモノマー製剤、
フィブリン溶解阻害タンパク質および非酵素重合剤である。得られるゲル形成混
合物を、十分な時間柔軟なままにしておくために、シーラント混合物は一般に、
シーラントが受容者(recipient) 表面に施用されるプロセス中に、または施用の
前数分以内に形成される。一般に、シーラント混合物は、便利なことに、約30秒
以下の時間柔軟なままである。
【0024】 特に好ましい実施態様においては、3つの流れが集まり、混合するように噴霧
される。適当な噴霧ヘッドは、U.S. Patent Nos. 5,605,541、5,376,079 および
5,520,658 ならびにPCT 出願 97/20585 に記載されている。 2.二次的結合プロトコル いくつかの実施態様においては、フィブリンクロット阻害剤結合リガンドは、
(1) 第3の結合パートナーもしくは他のもの(高親和性結合対の一部)または(2
) 別の抽出用具に付くことができる。このように、フィブリンクロット阻害剤結
合リガンドは、溶液条件下で血漿または血清と接触されることができ、次いで、
フィブリン溶解阻害タンパク質は、例えば血漿または血清を、高親和性結合対の
他の部分(第4の結合パートナー)を結合する固体材料と接触させることによっ
て分離されることができる。図3は、図2に類似のそのような実施態様を示す。
フィブリンクロット阻害剤結合リガンド- 固体担体を血清に加える代わりに、フ
ィブリンクロット阻害剤結合リガンド(第3の結合パートナーが付着されている
)を加える。次に、第4の結合パートナーが付着されている固体材料を使用して
、フィブリン溶解阻害タンパク質を血清から除去する。図においては、血清が固
体材料を通してろ過されるが、他の形の接触がもちろん利用可能である。
【0025】 示された精製のすべては、分離されたフィブリン溶解阻害タンパク質およびフ
ィブリンモノマーが、フィブリンシーラントを形成する前に、別々に保持される
ことを示す。好ましい実施態様においては、これらの成分は別々に保持される。
しかしながら、本発明はそのように限定されない。例えば、フィブリンモノマー
およびフィブリン溶解阻害タンパク質が凍結乾燥物またはさもなければ、乾燥形
状である場合には、2成分を一緒に貯蔵するのが便利である。 C.固体担体および固体材料の製造 阻害剤結合リガンドおよび第2の結合パートナーがそれぞれ結合される固体担
体または固体材料は、最も好ましくは、炭水化物に基づく材料、例えばアガロー
ス、架橋したアガロースまたは架橋したデキストランの粒子である。「固体材料
」という語は、「固体担体」という語と同じタイプの固体をいうように、ここで
は使用されているが、それに結合した親和性リガンドのタイプの差を強調するに
は、別々の語がここで使用される。最も多くの場合、固体担体または固体材料に
結合されるべき分子はポリペプチドであることが予想され、そのために、共有結
合のために最も便利な官能性はしばしば、ポリペプチドにおいてアミノ基または
チオ基である。分子を固体担体または固体材料に共有結合するための方法は当分
野でよく知られており、例えば、臭化シアンで固体担体もしくは固体材料に反応
性の部位を作ること、または固体担体もしくは固体材料を2官能性の試薬、例え
ばジグリシジルエーテルと反応させることを包含する。例えば、「固体担体への
付着(Attachment to Solid Supports)」、ミーンズ(Means) およびフィーニー(F
eeney)、タンパク質の化学的変性(Chemical Modification of Proteins) 、Hold
en-Day, San Francisco, 1971, pp. 40-43または、アフィニティクロマトグラフ
ィー(Affinity Chromatography) ;実際のアプローチ(Practical Approach)、デ
ィーン(Dean)ら版、IRL Press, Oxford, 1991 参照。シリカに基づく材料との結
合のためには、アルキルオキシシラン基が、例えば2官能性のカップリング試薬
のシリカ反応性基を提供することができる。例えば、γ- グリシドキシプロピル
トリメトキシシランを、シリカに基づく材料と反応させることができ、これは次
に、タンパク質と(グリシジルエーテル基によって)直接反応されるか、または
、第2段階、例えばグリシジルエーテルをアミンと反応させた後、糖タンパク質
(穏やかに酸化されて(例えば過ヨウ素酸塩を用いて)アルデヒド基を含む)を
還元的アルキル化によって付着させることが使用される。好ましいカップリング
化学は、炭水化物に基づく固体担体をヒドラジド基と反応させ、次いで、還元的
アルキル化によって糖タンパク質(穏やかに酸化されて(例えば過ヨウ素酸塩を
用いて)アルデヒド基を含む)を結合する。アクセルソン(Axelsson)ら、Thromb
. Haemost. 36: 517, 1976参照。 D.固体担体との相互作用 フィブリン溶解阻害タンパク質を、結合した阻害剤結合リガンドを含む固体担
体と会合させるための好ましい溶液条件は、実質的に中性のpHの水性緩衝液の
使用を含む。フィブリン溶解阻害タンパク質と固体担体が接触される温度は、好
ましくは約0℃〜約40℃である。本発明の方法においては、出発物質中のフィブ
リン溶解阻害タンパク質のすべてが固体担体と会合される必要はないが、十分な
量が会合されて、クロットの安定化を与えるのが望ましい。したがって、例えば
、アルファ-2- 抗プラスミンを含むほとんどの体液を用いると、体液と、結合し
たAP- 結合リガンドを含む固体担体との最初の接触の数分以内に、十分な会合を
予想することができる。フィブリン溶解阻害剤を生成する血漿は、好ましい実施
態様においては、シーラントのフィブリンを生成するのに使用されるのとほぼ同
じ量の血漿である。
【0026】 固体担体に結合された阻害剤結合リガンドとフィブリン溶解阻害タンパク質と
の間の相互作用を不安定化するのに有用な試薬は、フィブリン溶解阻害タンパク
質、例えばアルファ-2- 抗プラスミンを結合するのに競合する物質、担体に結合
されていないAP- 結合リガンド、例えばリジン、6-アミノヘキサン酸および他の
リジン類似体を含む。固体担体への非特異的吸着を最小にするために、例えば、
溶出溶液は、適当な緩衝液および十分な塩(例えば0.5M NaCl )の存在下で、そ
のようなリジン類似体10mMであることができる。
【0027】 1つの実施態様においては、フィブリン溶解阻害タンパク質の、固体担体に結
合した阻害剤結合リガンドからの解離を果たす条件は、好ましくは、転化酵素の
結合パートナーと第2の結合パートナーとの間の相互作用を見込む。このように
、固体材料に結合した第2の結合パートナーは、(a) 固体担体を除去し、かつ(b
) 転化酵素の結合パートナーと第2の結合パートナーとの間の相互作用を有利に
するために条件を変更する必要なしに、残留する転化酵素を除去するのに使用す
ることができる。 E.代替のAP- 結合リガンドの作成 プラスミノーゲンのクリングル領域は、代替のAP- 結合リガンドの設計のため
のモデルとして役立つ。ヒトプラスミノーゲンのクリングルI 領域(残基84から
162 に対応)は、特に有用なモデルである。1つの設計のアプローチは、ビーゼ
ン(Beysen)らによって、J. Immunol. Methods 102, 259, 1987に記載されたマル
チピン合成ペプチド系(Multipin Synthetic Peptide System) である。このアプ
ローチ下では、例えば、クリングル領域の1つと関係のある多数のポリペプチド
を、ポリエチレン/ポロプロピレンリンカーによってミクロタイタープレート(m
icrotiter plate)のウェルの表面に付着した形で合成することができる。これら
の表面結合ペプチドのアルファ-2- 抗プラスミンに対する親和性を、標識したア
ルファ-2- 抗プラスミンを用いて測定することができる。そのような結合アッセ
イは典型的には、非特異的結合を減らすための固体表面の処理、クリングル領域
に関係しないポリペプチドを使用して非特異的結合の量を示すこと、および確立
されたAP- 結合リガンド、例えばプラスミノーゲンを使用してアッセイが効力が
あることを確認することを含む。
【0028】 AP- 結合部分を同定するためのさらなる技術は、例えば、フォダー(Fodor) ら
により、「非常に大規模の不動化されたポリマー合成(Very Large Scale Immobi
lized Polymer Synthesis)」、WO 92/10092 に記載された、結合の化学手順(com
binatorial chemistry procedure) を含むことができる。あるいは、組換えで生
成されたポリペプチドの多様性ライブラリーを、ファージの表面に示す、ファー
ジ提示(phage display) 技術を使用することができる。アルファ-2- 抗プラスミ
ンを結合する能力について選択されたファージを増殖することができ、そのゲノ
ムの関連した部分を配列決定して、結合の可能性を有するポリペプチドを同定す
ることができる。そのようなファージ提示技術は、ダイアックス コーポレーシ
ョン オブ ケンブリッジ(Dyax Corporation of Cambridge), Massachusettsに
属する特許文献[ロバート ラドナー(Robert Ladner) ら、U.S. Patent Nos. 5
,223,409(新規な結合タンパク質の命令された進化(Directed Evolution of Nov
el Binding Protein) )および5,403,484 (ウィルス発現キメラ結合タンパク質
(Viruses Expressing Chimeric Binding Proteins))]に記載されている。 F.ミセラネウス アスペクツ(Miscellaneous aspects) 体液をフィブリン源として使用するときには、多くの場合、フィブリンの補助
的因子、例えば因子XIIIまたは因子XIIIa およびトロンビンを用いて分離するの
が望ましい。フィブリンポリマーの可逆的な形成によってフィブリンを分離する
精製の技術を使用するときには、フィブリンポリマーは、多数のそのような補助
的な因子に対する親和性を有し、よって、分離された精製物はそれらの因子を保
持すると考えられる。幾つかの場合には、十分な量の補助的な因子の共分離(co-
isolation)を確実にするために、非フィブリン物質がフィブリンポリマーから洗
い落とされる量を、例えばフィブリンポリマーが本発明に従う方法の過程で圧縮
される程度を制限することによって、制限するのが望ましい。
【0029】 本発明は、出血を調節するためのフィブリンに基づく系を有する任意の動物を
処置するために使用することができるが、好ましくは哺乳動物、最も好ましくは
ヒトを処置するために使用される。 以下の実施例によってさらに本発明を説明するが、もちろん、いかなるやり方
でも本発明の範囲を制限すると解釈してはならない。 実施例1‐プラスミノーゲン断片の製造およびAP- 結合リガンドの架橋アガロー
スへの付着 プラスミノーゲンのタンパク質分解性断片を製造して、AP- 結合リガンドを与
えた。この断面は、ソットラップ ジェンセン(Sottrup Jensen)、クレイス(Cla
eys)、ザイデル(Zajdel)、ピーターセン(Petersen)およびマグヌッソン(Magnuss
on) により、化学的フィブリン溶解および血栓崩壊における進行(Progress in C
hemical Fibrinolysis and Thrombolysis), 3: 191-209, 1978に記載されている
ようにして製造した。プラスミノーゲン断片を、ウィマン(Wiman) 、Biochemist
ry J. 191: 229-232, 1980に記載されているようにして、アガロース担体へ付着
させた。
【0030】 本明細書で引用したすべての刊行物および参考文献(これらに限定されないが
、特許および特許出願を含む)は、参照することにより、そのすべてが本明細書
に組み込まれており、それは、あたかも個々の各刊行物または参考文献が詳細に
かつ個別に示されて、完全に記載されているように、参照することにより本明細
書に組込まれているかのようである。本明細書が優先権主張するあらゆる特許出
願がまた、刊行物および参考文献について上記したやり方で、参照することによ
って、そのすべてが本明細書に組み込まれている。
【0031】 本発明は、好ましい実施態様を強調して記載してきたが、好ましい装置および
方法における変形物を使用することができ、かつ本発明がここに詳細に記載した
以外の別な方法で実施できることは、当業者には明らかであろう。したがって、
本発明は、特許請求の範囲で規定した本発明の意図および範囲内に包含されるす
べての変形を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、自家組織のフィブリン溶解阻害剤を含むフィブリンシーラントを製造
するための手順の概略を示し、阻害剤は、フィブリンを重合する前に血漿から除
去される。
【図2】 図2は、自家組織のフィブリン溶解阻害剤を含むフィブリンシーラントを製造
するための手順の概略を示し、阻害剤は、重合後の血清から除去される。
【図3】 図3は、血清中または血漿中の、自家組織のフィブリン溶解阻害剤が、まず溶
液相中の親和性リガンドに結合される代替的手順を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA12 DD22 EE41 FF36 4C084 AA03 DC01 MA17 NA03 ZA531 4C087 AA01 DA15 MA17 NA03 ZA53

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィブリンシーラントを製造するためのキットであって、 (A) (a) フィブリンモノマー製剤; (b)クロット保護に有効な量のフィブリン溶解阻害タンパク質を含む安定化製
    剤;および (c)フィブリンモノマー製剤をフィブリンクロットに転化するのに有効な、非
    酵素重合剤製剤 を含む第1のキット;または、 (B) (a')フィブリンモノマーおよびクロット保護に有効な量のフィブリン溶解阻
    害タンパク質を含む、フィブリンモノマー製剤;および (c')フィブリンモノマー製剤をフィブリンクロットに転化するのに有効な重
    合剤製剤 を含む第2のキット であるキット。
  2. 【請求項2】 フィブリン溶解阻害タンパク質が、アルファ-2- 抗プラスミ
    ンである請求項1記載のキット。
  3. 【請求項3】 フィブリンクロットを安定化させるのに有効な量のアルファ
    -2- 抗プラスミンが、 (i) 溶液である安定化製剤で、少なくとも約70μg/ml;または (ii)固体である安定化製剤で、少なくとも約70 mg /フィブリン1g である請求項2記載のキット。
  4. 【請求項4】 フィブリンモノマー製剤が液体であり、製剤中のフィブリン
    モノマーの濃度が、少なくとも約8mg/ml である請求項3記載のキット。
  5. 【請求項5】 フィブリンモノマーおよびフィブリン溶解阻害タンパク質が
    、同じ動物から得られる請求項1記載のキット。
  6. 【請求項6】 フィブリンモノマー製剤がフィブリン可溶化に有効な量の酸
    を含み、かつ重合剤製剤が、酸の量をフィブリン可溶化に有効な量未満にするの
    に十分な量の塩基を含む請求項1記載のキット。
  7. 【請求項7】 フィブリンモノマー製剤がフィブリンモノマー凍結乾燥物を
    含み、かつ重合剤製剤が水性緩衝液を含む請求項1記載のキット。
  8. 【請求項8】 動物からフィブリンシーラントを形成する方法であって、 (a) フィブリン溶解阻害タンパク質を含む、動物からの第1の抽出物を、抽出
    用具に結合している、クロット阻害剤結合リガンドと接触させること; (b) フィブリン溶解阻害タンパク質を含む第1の組成物を単離すること; (c) フィブリノーゲンを含み、かつ第1の抽出物と同じであってもよいが、動
    物からの第2の抽出物をフィブリノーゲン転化酵素と接触させること;および (d) クロット形成に有効な量のフィブリンモノマーを含む第2の組成物を、接
    触した第2の抽出物から単離すること、 ここで、単離したフィブリン溶解阻害タンパク質の量は、少なくともクロット
    形成に有効な量の第2の組成物を安定化するのに十分であること を含む方法。
  9. 【請求項9】 第1および第2の抽出物が同じであり、第1の抽出物は血液
    または血液誘導体である請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 クロット阻害剤結合リガンドが、1つ又は複数の、プラス
    ミノーゲンからのクリングルドメインを含む請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記抽出用具が固体担体である請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記抽出用具が第3の結合パートナーであり、該第3の結
    合パートナーは、高親和性結合対のうちの一部である請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 (e) 第2の組成物を、フィブリンモノマー製剤をフィブリ
    ンクロットへ転化させるのに有効な重合剤組成物と接触させること;および (f) さらに、第2の組成物を、クロット保護に有効な量の第1の組成物と接触さ
    せること によって、 (1)組織を封止して、流体損失を防ぐか、もしくは組織への付着を防ぐこと、ま
    たは(2) 材料をコーティングして、その生物学的適合性を増加することをさらに
    含む請求項8記載の方法。
  14. 【請求項14】 (a1)動物から血漿を採集すること; (a2)血漿を、抽出用具に結合しているアルファ-2- 抗プラスミン結合リガンドと
    混合すること; (b1)抽出用具を採集すること; (b2)抽出用具から、クロット保護に有効な量のアルファ-2- 抗プラスミンを含む
    第1の製剤を分離すること; (c1)血漿を、フィブリノーゲン転化酵素と接触させること;および (d1)クロット形成に有効な量のフィブリンモノマーを含む第2の組成物を、血漿
    から単離すること を含む請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 段階(c1)の接触を、抽出用具が採集された後に行う請求項
    14記載の方法。
  16. 【請求項16】 (1) 流体損失に対して、もしくは組織に関する組織付着を
    防ぐために、組織を封止すること、または(2) 材料をコーティングして、その生
    物学的適合性を増加させる方法であって、 (a) フィブリンモノマー製剤を、組織または材料に適用すること; (b) クロット保護に有効な量のフィブリン溶解阻害タンパク質を含む安定化製
    剤を、組織または材料に適用すること;および (c) フィブリンモノマー製剤をフィブリンクロットに転化するのに有効な非酵
    素重合剤製剤を、組織に適用すること によって組織の表面にフィブリンポリマーを形成することを含む方法。
  17. 【請求項17】 前記3つの適用される製剤が、水性製剤であって、それぞ
    れは、3つの流れが集まり混合するように、別々の流れで適用される請求項16
    記載の方法。
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