JP2001525141A - 改良型人工耳及び耳道システムとその製造手段 - Google Patents
改良型人工耳及び耳道システムとその製造手段Info
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Abstract
(57)【要約】
耳甲介、窩及び耳道を有する積層人工耳介であって、耳道23は、耳道23の入口中心から耳甲介12の後部壁までの距離(A)(図7参照)が15mm〜20mmの範囲内であり、耳道の入口中心から耳甲介底部までの距離(B)(図8参照)が9mm−15mmの範囲内であり、耳道23の入口中心との曲がり目(C)(図9参照)の整合がほぼ水平であるように、耳甲介12に対して構成され配置される。
Description
【発明の詳細な説明】
改良型人工耳及び耳道システムとその製造手段
本発明は、新しい人工耳及び耳道システムと、その製造手段とに関する。
本発明は、バイノーラル(両耳)三次元音声録音と関連技術の分野、及び騒音
測定と聴覚プロテーゼ開発の分野で特に用途がある。
人工頭部録音システムは現在周知である(例えば米国特許第1,855,14
9号参照)。通常の人工頭部システムは、人工頭部組立体の側面に設置された1
対のマイクロホンを備えるが、その場所には耳道が1対の人工耳介(目に見える
耳たぶ)に挿入されている。人工頭部によってなされた録音は多くの三次元音声
「キュー」を組み込んでおり、我々の脳はそれを使用して三次元空間中の音源の
位置を解釈するので、こうした録音は、ヘッドホンで聴取される場合非常に劇的
な三次元効果を提供する。さらに最近では、人工頭部による音響測定(頭部伝達
関数−HRTFの測定)を行い、デジタル信号処理を使用して、頭部と耳の効果
を電子的に合成することができる。しかし、こうした効果は初期、特に初めて聞
いたときには非常に劇的に知覚されるが、より厳密に試験される場合現在の人工
頭部のいくつかの重大な欠陥が明らかになった。
2つの主要な欠陥は(a)貧弱な「高さ」効果と(b)貧弱な前後の区別であ
る。例えば、(a)について、このことが意味するのは、録音が頭の頂部を越え
て(例えば左耳に近い位置から、頭部を越えて右耳に近い位置に)移動する音源
からなされる場合、音源は頂部を越えるのではなく直接頭部を通過して移動する
ように思われるということである。(b)について、録音が一定の距離(例えば
1メートル)の円に沿った水平面上で人工頭部の周囲を移動する音源からなされ
る場合、録音された音源は左耳から右耳への弧に沿って前後に移動し、常に聴取
者の前方にあって後方にはないように思われる。こうした空間的不正確さは、大
部分の実際の音源が人工頭部/聴取者の前方にあり、こうしたより極端な位置に
ない録音目的の場合見過ごされたり無視されることが多い。しかし、現在利用可
能な人工頭部の貧弱な空間精度のため、コンピュータ・ゲーム適用業務、没入型
仮想現実、シミュレーション等のために必要な十分な360°音場の合成が妨げ
られる。
多くの研究者は、なぜこうした人工頭部システムが上記の点で不十分なのか頭
を悩ませてきた。小型マイクロホンを実験協力志願者の耳介または耳道に埋め込
むことによって本物の頭部−耳システムで測定を行うことに注目した者もあった
。また、商業的製造業者の製品を改良しようとして、固有の人工頭部システムの
構築に踏み切った者もあり、場合によっては協力志願者の耳から型取りして複製
及び使用した者もあった。1つの極端な例では、米国特許第4,680,856
号(Zuccarelli)は、できる限り厳密に現実を模倣するため、骨、二
重ねじれ楕円耳道、エウスタキオ管、歯及び皮膚を含む頭蓋の解剖学的構造全体
を複製またはシミュレートしようとした。Zuccarelliは良好な前後の
区別を提供するためかつらが必要だとまで述べている!明らかに、この最後のア
プローチは、費用と操作上の要因(重量、大きさ及び外観)の面で量産品には全
く不適当である。さらに、このアプローチは十分な左右整合を有するシステムの
作成に対応していないが、それは、構造中の何れかの音響空洞の大きさ、形状ま
たは位置において、製造中に導入される非常に小さな左右の差異も全体的な特性
及びHRTFの大きな差異を生じるからである。
ステレオ効果の最初の実演は1890年代にパリで行われたと考えられている
が、その際には、舞台の正面の端から端まで及ぶ配列中に配置された多数のマイ
クロホンが各々隣接した部屋の個々のイヤホンに接続され、聴取者は、隣接した
対のイヤホン(とひいてはマイクロホン)の使用によって、空間的特性を有する
非常に現実的な音響再生が提供されることを発見した。ダミーヘッド型音響再生
方法の最初の明示的報告は1927年付けの米国特許第1,855,149号に
現れるが、そこでは、左右信号間の自然な、頭部に関連する到達時間と振幅の差
が音声中に音響的に旋回する音声を録音することが目的であり、再生は、イヤホ
ン再生器または、「仮想音源が固定される」ように聴取者の左右に直接配置され
た等距離スピーカの何れかによって達成された。1931年出願の英国特許第3
94325号(Blumlein)は従来技術の、現代のステレオに関するが、
そこではディスクをカットして信号を録音する手段と共に、2つかそれ以上のマ
イクロホンと伝送回路中の適当な素子が使用され、スピーカの方向性依存ラウド
ネスを提供した。ステレオ録音及び再生は、1950年代まで商業的に活用され
なかった。
現在、従来技術のステレオは、主としてBlumleinの振幅ベース・ステ
レオであるが、そこでは多数の独立したモノラル録音が、スピーカの左右ラウド
ネス差によって聴取者のスピーカの間の音響舞台中の空間に有効に「配置」され
る。これは「パンポット」によって達成される。人工残響その他の効果を追加し
て、こうした録音の空間的様相(部屋の音響効果及び距離)を向上させることが
可能である。
生録音がなされる場合、(a)同じ場所、または(b)およそ頭部1つ分程度
離れた間隔で配置されたステレオ・マイクロホン対を使用するのが一般的である
。この後者の場合はある程度演奏の自然
な音像の再生への道を歩んでいるが、1950年代以来、ステレオ音像の品質を
改善すると共にバイノーラル信号を発生するダミーヘッド録音方法が実験された
いくつかの時期があった。
歴史的には、「ステレオ」という術語は1950年代に作られ、2つかそれ以
上の伝送チャネルによる音声再生に当てはめられた。1970年代にダミーヘッ
ド・マイクロホン技術を使用する録音への関心が復活し、もっぱらこうした手段
によってなされる録音について「バイノーラル」という表現が作られた。ごく最
近には、「バイノーラル」という術語は、人間の頭部と外部の耳の音響処理効果
が合成される電子的相当物についても使用された。
ダミーヘッド(バイノーラル)録音システムは、人工の実物大頭部と、場合に
よっては胴を備えており、そこでは1対の高品質マイクロホンが耳の耳道位置に
設置されている。外耳部分は平均的な人間の寸法に従って再現され、シリコン・
ゴムまたは同様の材料から製造されるので、マイクロホンが録音した音声はダミ
ーヘッド及び耳によって音響的に修正され、脳が使用する自然な音声の定位のす
べてを有する。
1930年代及び1940年代のバイノーラル音声録音用の幾分荒削りで簡単
な人工頭部の開発に続いて、音響技師達は、こうした頭部構造物が、補聴器また
は、聴覚防護器(耳栓)といった他の装置を試験及び評価する理想的なプラット
フォームであることを知るようになった。その結果、人工頭部の開発により学問
的な関心が払われるようになり、その構造とエンジニアリングにより多くの注意
が払われた。例えば、Torick(「音響試験用電子ダミー」E.L.Tor
ick他、オーディオ技術学会機関誌、1988年10月、16、(4)、39
7〜402ページ)とBurkhardt及びSachs(音響研究用人体測定
学的人体模型、M.D.B
urkhardt及びR.M.Sachs、米国音響学会機関誌、1975年7
月、58、(1)214〜222ページ)による論文は、人工頭部に関するより
多くの情報を研究するための2つの優れた論文である。簡単な、ごく初期の頭部
構造物はバイノーラル録音用には十分であるが、人間の解剖学的構造の貧弱な表
現であることがすぐに明らかになった。その主要な理由は、初期の録音用頭部に
装着されたマイクロホンが、マイクロホン格子が模造耳道の端部にではなく、耳
甲介の谷の底(耳の用語法については図1を参照されたい)と同一平面に設置さ
れているということである。これは音声録音の状況では問題ではないが、耳道自
体の実際の存在と音響インピーダンスが重要な特徴となる耳内部の補聴器の開発
には明らかに不適当である。この欠点を軽減するために、シラキュース大学のZ
wislocky教授は、耳道の特性を模倣する音響カプラを考案した。これは
大学内のいくつかの報告書で説明され、後にKnowles Electron
icsによるKEMAR人体模型で使用するため商業的に開発された(米国特許
第5,033,086号)が、これは製造上の視点から元の構造を改善したもの
である。Zwislockiのカプラはステンレス鋼製で、寸法21.5×21
.5×15mmの立方形状の構造物で、人工耳に結合される1つの面の入口ポー
トと、向かい合う面の12mmマイクロホン・ポートとを特徴とする。残りの4
つの面の各々には、小さい、同調された音響回路側面分岐か存在する。各側面分
岐は個々に特定の慣性、抵抗及びコンプライアンスを有するので、カプラの全体
的なインピーダンス対周波数特性は、約8kHzまで、非常に正確に成人の特性
に一致する。この点以外は、マイクロホン振動板の反射表面は、鼓膜と余りにも
異なっているので、収容できない。
音響研究の面では、この形態の耳カプラは異なった製造業者によ
って製造される同様の製品と共に、非常に高い精度の耳道シミュレーションが必
要な用途に応用されるようになった。しかし、オーディオ録音の場合、耳道は深
刻な実際的問題を提示するが、それはすなわち、耳道シミュレータの1次4分の
1波長共振が3.9kHz付近で非常に大きな強調(10〜15dBになること
も多い)を発生し、これが約2.8kHzの耳甲介腔の同様に大きな共振に追加
されるということである。その結果は3kHz付近の大きな25〜30dBの共
振ピークの存在であり、それは補償しなければならず、さもなければ録音は音質
的に非常に不正確なものになる。こうした全体的な異常の訂正は可能である。ア
ナログ法を使用しては達成は困難であるが、デジタル・フィルタリングを使用す
れば実現可能である。しかし、これが達成されても、共振による強調によって応
答の非共振領域はシステムの雑音下限の方向に30dB事実上押し下げられるの
で、やはり信号対雑音比を犠牲にしなければならない。さらに、12mmマイク
ロホンを使用するため、雑音性能の劣る非スタジオ型マイクロホンを使用しなけ
ればならない。こうした理由から、耳道によらない頭部システムはスタジオ録音
用にいまだに好適であるが、できる限り最上の信号対雑音比が要求される。Sh
aw及びTeranshiによる研究(E.A.G.Shaw及びR.Tera
nshiによる「近接音源により外耳複製品と実際の人間の耳で発生する音圧」
と題された論文、米国音響学会機関誌、1968、44、(1)240〜249
ページ)によって、音圧レベル(SPL)は耳道入口から鼓膜まで直線的に縮小
することが示され、耳道シミュレータのない人工頭部の使用が有効であると主張
された。しかし、この結果はその実験方法のため十分注意して見なければならな
いが、それというのも耳介または耳道の何れかにごく小さな測定変換器を導入す
るだけでも耳の全体的な音響特性に実質
的に影響するからである。
現在市販されているいくつかの種類の人工頭部が存在する。以下説明される、
次の4つは最も広く使用されている種類であるが、我々はより小規模な製造業者
製の日本とアメリカの他のいくつかの種類のことも聞き知っている。主要な特徴
が以下示される。
Bruel & Kjaerによって製造される既知の人工頭部(B&K41
00型)は、人体模型の首の上に取り付けられた音声減衰布を備える胴シミュレ
ータの上に設置された人工頭部を特徴とする。頭部は中空の「外郭」の形態であ
り、マイクロホンは外郭組立体の側面の金属板に直接設置される。首は17度の
角度て前方に傾けられるよう調整できる。耳介シミュレータはシリコン・ゴム型
で、耳道の延長以外はIEC 959及びCCITT P.58準拠の寸法であ
り、B&K4165マイクロホンが耳甲介腔に設置される。総重量は7.9kg
である。
別の既知の人工頭部であるKu100は、Georg Neumann Gm
bHによって製造され1970年代末期以来使用された周知のKu80及びKu
81シリーズ頭部の後継機種である。Ku80は1981年に改良されてKu8
1と改名されており、スピーカ互換性の改良(これは等化器フィルタの変更に関
する場合がある)を意味する「i」という接辞のついたいくつかの変形が存在し
た。頭部は剛性のゴムを充填した要素で、前後に分割しマイクロホンと電池室に
アクセスすることができる。頭部は人工耳道型マイクロホン・カプラを装備して
おり、内蔵FET前置増幅器を有するNeumann 21mm、KM100シ
リーズ小型コンデンサ・マイクロホンを使用する。頭部は電子等化を装備してい
るが、これはおそらくはアナログ・フィルタであり、電池駆動式で頭部自体の内
部に位置する。この頭部は吊り下げまたは三脚設置に適しており、
肩を有さない。重量は2.7kgで、艶消し黒である。
別の周知の人工頭部である、Head Acoustics GbmHによっ
て製造されるAachen(Head Acoustics)システムは、本発
明者が人間の聴覚の重要な特徴を表すと主張する非常に単純な構造に基づいてい
る点で、他の人工頭部と異なっている。耳の形状と頭部の寸法は、頭部の構造を
単純化する等式の組合せに従っている。これは初め、自動車工業での騒音測定用
に開発された。この頭部は三脚設置に適しており、必要な場合取り付け可能な肩
を有している。重量は7kgで、艶消し黒である。等化ユニットが普通頭部と共
に供給される。
さらに周知の人工頭部システムは、Knowles Electronics
Inc.によって製造されるKEMAR[Knowles Electron
ics Manikin for Acoustlc Research]であ
る。この人体模型システムは1970年代に開発され、補聴器の研究及び開発用
に広く使用された。このシステムはモジュラ形態で利用でき、必要に応じて使用
される胴を含む。頭部は中空で、上部頭蓋外周に沿って分割され、共振を減衰し
外郭自体を通る音の伝達を減少させるため、内面は鉛を充填したエポキシで被覆
されている。12mmB&KマイクロホンがZwislockiカプラを使用し
て外郭に取り付けられ、カプラ入口はシリコン・ゴム耳介の開口に直接接続され
ている。耳介ゴムは2つの異なった種類の混合物であり、人間の耳の機械的特性
をできる限り綿密にシミュレートする。様々な高さの、いくつかの異なった首ユ
ニットが利用可能である。また様々な適用業務のため、様々な耳の種類が利用可
能である。
上記の市販の頭部はどれも十分な「高さ」のキューを提供せず、これまで使用
された人工耳の相対的非能率のため、前後の区別も貧
弱である。
研究者の中には、実際の耳または実際の耳の彫刻による複製品の何れかから型
取りすることで耳を複製したものもあった。しかし、これは次の理由から不満足
である。
(a)左右の整合が極めて貧弱で、訂正または調整できない。
(b)成形誤差が存在し、縮みや歪みを導入する。
(c)寸法に対する管理がないので、特定の値を指定することができない。
(d)耳ユニットと耳道またはマイクロホン・マウント結合配置が不明確であ
る。結合配置と耳道またはマイクロホン・マウントは非常に重要な部分であるこ
とが発見された。
成形部品の縮みのため、人工耳を正確に成形するのは非常に困難である。さら
に、深いアンダーカットのため、耳のような3次元構造物を製造するために機械
を使用することは困難である。おそらくそれは、いくつかの3次元「ブロック」
を製造してからそれらを組み立てることで達成されるが、これを配置することは
困難であり、3次元形式の連結整合ラグを必要とする。
文献中には、我々によって不正確であることが発見された多くの主張が存在す
る。例えば、耳介、皮膚及び他の部分のために使用される材料の種類が重要であ
り、人工耳は人間の耳と同様の質感または感触を有するラテックスまたはゴムと
いった材料から製造しなければならないと主張されるのが一般的である。実験と
測定によって、耳介が製造される材料は音響的に比較的重要でなく、皮膚のシミ
ュレーションは不必要であることが判明した。
先行技術は、特性が皮膚の特性と大きく異なっているため硬質の材料は音響測
定用の人工耳の製造に適していないということを示唆している。しかし、HRT
F測定値の比較によって、反対に、材料
の選択は重要でないことが発見された。実際には、物理的寸法の安定性のため、
硬質の材料を使用することが好ましい(ゴムの耳はたるんだりねじれたりして、
その音響空洞の形状と寸法を歪め、ひいては関連するHRTFを大きく変化させ
ることがある)。
本発明の目的は、従来人工耳介のために普通適当と考えられておらず、好適に
はコンピュータ管理によって、管理された再現可能な方法で製造できる材料を利
用して、音源の高さに関する改善されたキューと、改善された前後の区別を提供
する正確な寸法の人工耳介及び耳道を提供することである。
積層物からなる物品を重ね合わせることで3次元物品を構成する方法が知られ
ている。その例は、国際特許出願第WO91/12957号及び第WO87/0
7538号、欧州特許出願第0633129A1号及び第0667227A2号
、米国特許第5031,483号及び英国特許出願第2,297516A号に見
られる。
特に米国特許第5031,483号は、各々が機械加工された形状を有する複
数のシートを積み重ねて成形品を製造する技術を開示している。このシートが積
み重ねられ、最終物品を形成する。
人工耳介設計の専門家にとっては、多面的または段のある縁部が生じるため、
積層構造を使用して人間の耳介の複製を再現することは普通適当、または望まし
いと考えられないかもしれない。その最初の印象は、薄層の各境界面に形成され
たこうした段または不整合が人工耳の全体的な音響性能を損なうということであ
る。それと反対に、(1つの薄層から次の薄層への段になった変化を必ずしも除
去せずに)薄層の断面形状を「調整」し、さらに人工耳の全体的な音響性能を最
適化することができることが判明した。
本発明のさらなる目的は、録音及び、3次元音声合成用の適当なデータ提供に
適した十分な方向情報を提供する手段を提供すること
である。
本発明の1つの態様によれば、積層人工耳介を製造する方法が提供され、
(a)第1材料で人間の耳介の3次元モデルを形成する段階と、
(b)成形材料中に前記モデルを封入する段階と、
(c)モデルの断面形状を出現させるために封入されたモデルを機械加工する
段階と、
(d)段階(c)によって出現した断面形状の画像を作成する段階と、
(e)間隔の離れた平行な平面中にモデルの断面形状を出現させるために段階
(c)を増分的に反復し、段階(d)を反復する段階と、
(f)前記間隔の離れた平行な平面の間の距離に対応する厚さの材料の複数の
未完成自己支持シートを提供し、ブリッジ支持具によって材料の各シートから支
持されるモデル耳介の断面形状の複製を製作するために前記段階(d)によって
製作された画像を使用する段階と、
(g)段階(c)によって出現した各断面形状について段階(f)を反復する
段階と、
(h)前記モデルの積層複製を形成するために、前記シートの重なりを互いに
組み立て接着する段階とを含む。
好適には、段階(d)は切削工具の運動方向を制御するためのデータを前記像
から導出する段階を含み、段階(f)は、段階(d)によって導出されたデータ
の制御の元で運動するようプログラムされた切削工具によって材料の各シートを
機械加工する段階を含む。
好適には、段階(f)は前記画像に対応するマスクを製作するために段階(d
)によって製作された像を使用する段階を含み、かつ
段階(f)はマスクされていない材料を除去する段階を含む。
材料のシートは感光性で、マスクされていない材料はマスクされたシートを光
と現像液にさらすことで除去される。
好適には、人工耳道が前記モデルの積層複製に取り付けられる。
モデルは剛性プラスチック材料から製作され、成形材料はモデルの材料と異な
った色の剛性プラスチック材料である。
画像は封入されたモデルの断面を電子的に走査することで導出されるか、また
は封入されたモデルの断面を写真複写することで導出される。
好適には画像はデジタル化電子画像に変換される。
この電子画像が使用され、C.N.C.機械切削工具の運動方向を制御する二
進法コンピュータ制御コードを導出する。
本発明のさらなる態様によれば、最後に言及された方法によって構成された積
層人工耳介が提供される。
好適には、人工耳介は請求項12に記載の積層人工耳介を有し、人工耳介が耳
甲介、窩及び耳道を有し、耳道23の入口中心から耳甲介の後部壁までの距離(
図7の(A))が15mm〜20mmの範囲内であり、耳道の入口中心から耳甲
介底部までの距離(図8の(B))が9mm〜15mmの範囲内であり、耳道の
入口中心との曲がり目(図9の(C))の整合がほぼ水平であるように、耳道が
耳甲介に対して構成され配置されることを特徴とする。
本明細書の請求項14に記載の人工耳介の好適実施形態では、耳道23のボア
27は、ボア27の開いた端部から、ボア27の中心軸に沿って、マイクロホン
33の圧力感応表面34の平面29までが、3.9KHzの基本波共振を有する
共振空洞を形成するような寸法である半径と長さ(図13の(a))を有する直
円柱ボア27を備えている。
ボアは、ボアの長さ(図13の(a))と半径の合計の寸法が22mmに等し
いような寸法である。例えば、ボアの直径が7mm、マイクロホンの圧力感応表
面の平面の角度がボアの縦軸に対して45°、ボアの長さが18.5mmである
。
好適には、耳道のボアの中心軸から耳甲介の後部壁までの距離は16.6mm
(平均)であり、耳道軸から耳甲介底部までの距離は11.3mm(平均)であ
る。
本発明のさらなる態様によれば、請求項1に記載の方法によって製造される耳
介を有する人工耳を使用して音声を録音する方法が提供されるが、その際人工耳
によって受信される音波は信号フィルタを有する信号プロセッサによって処理さ
れ、その頭部伝達関数が、録音を行う際使用される人工耳の人工耳介と耳道の測
定値に対応する測定値に基づく信号処理アルゴリズムから導出される。
本発明は、ここで例として、添付の図面に関して説明される。
図1は、人間の耳介の主要部分の概略を例示する。
図2〜図5は、本発明によって構成された人工耳で使用される人工耳介を製造
する様々な段階を示す。
図6は、本発明によって構成された人工耳のコンピュータ生成「ワイヤフレー
ム」図を示す。
図7〜図9は、人工耳の設計の重要な特徴を示す、本発明によって構成された
人工耳の様々な断面トポグラフィーのコンピュータ生成図である。
図10〜図13は、本発明によって構成された人工耳道の適切な寸法の計算を
例示する概略図を示す。
図14は、本発明によって構成された人工耳道とマイクロホン組立体の概略を
示す。
図15は、本発明によって構成された人工耳の端部立面図の概略
を示す。
図1を参照すると、人間の耳介10(外側耳たぶ)の主要部分は、舟状窩9と
呼ばれる皮膚の肉質周辺部のくぼみ、耳介の最上部にある窩11と呼ばれる共振
空洞、及び、鼓膜が配置される耳道(図示せず)に至る共振室である耳甲介12
を備えている。窩11は15kHz程度の高い周波数の音声に特に反応するが、
聴取者の脳が音源の高さと共に頭部の前または後ろから発する音声を区別できる
ようにするキューの形成に寄与するのは耳介のこの部分である。耳道の詳細と内
耳の構成部分は図1では図示されない。
図2を参照すると、通常ポリウレタンのような硬質プラスチック材料で、1対
の「基準」耳介が作成される。これは、ポリウレタンを切断及び整形することと
、彫刻された耳介の物理的属性を順次修正する一連の反復実験によって人工耳介
を彫刻することによってなされる。各彫刻は、製作される形状及び寸法の空間的
特性と調整を確認する聴覚試験の対象になる。例えば、窩空洞11の深さを変更
し、鼓膜に当たる位置に置かれたマイクロホンを使用してこのことが1対の耳介
の空間的特性に対して有する効果を聞くことができる。広い範囲の聴取者に適し
た満足な耳介の形状が最終的に達成されると、各耳介10は図2に示されるよう
に成形皿14の中に配置され、彫刻された耳介と異なった色の成形エポキシまた
は樹脂15によって完全に封入される。成形皿14は下面から突出した軸16を
備えているので、旋盤(図示せず)に設置できる。また、成形皿14はフライス
盤でフライス加工するために取り付けられることもできる。さらに、成形皿14
は成形皿14の基部に垂直な方向に延びる3つの細い棒またはチューブ17を有
する。これらの棒17は耳介10の周囲に配置され、位置合わせと空間基準測定
の手段を提供する。
封入された耳介10を伴う成形皿14は旋盤(またはフライス盤)に取り付け
られ、成形物は、耳介10の第1区分(舟状窩9の先端)が出現するまで、最も
外部の面から徐々に注意深く取り出される。さらに1mmの区分が、旋盤の切削
工具を1mmの距離だけ注意深く進めることで取り出され、基準棒17を含む成
形物の結果として生じる露出区分が、スキャナまたは写真複写機を使用して画像
化される。次の1mmの区分が機械加工され、さらに新しく露出した区分の画像
がスキャナまたは写真複写機を使用して作成される。通常の断面図が図3に示さ
れる。この処理は、耳介10の基部に到達し、封入された耳介10の全体か取り
出されるまで繰り返される。通常、処理全体には、1mm間隔の平行な平面で作
成された25の断面画像が含まれる。
耳介10の断面の画像の集合は各々コンピュータ・タブレットを使用してデジ
タル化され、デジタル化区分が編集されて誤りが除去され、隣接画像間の必要な
補間または平滑化を提供する。このデジタル化画像が使用され、以下説明される
ようにCNCフライス盤の切削工具の運動方向を制御する座標を生成する。
次に、図4を参照すると、支持カラー18がデジタル化された耳の各層の周囲
に描かれ、細い2mm厚のひも要素12によって耳に接続され、次の組み立てを
可能にする。また、ジグ組立体穴19が図案の各層に追加される。次に、各積層
要素(図4)が1mm厚の硬質ポリスチレン・シートから切り抜かれる。耳介1
0の断面形状を含む各積層要素は、各デジタル化画像から導出されたCNC指令
の制御の元で切り抜かれる。切削工具は、耳介10の形状を切り抜くが、耳介区
分と支持カラー18の周辺の間に延びるブリッジ支持具12を残すようにプログ
ラムされる。
積層物形成の代替方法では、デジタル化画像を生成しC.N.C
.機械を使用して形状を切り抜く代わりに、形状はフォトエッチングまたは化学
的エッチングを使用して作成される。
例えば、支持カラー18は、Brewers T1059として知られるポリ
イミドのような感光性ポリマー製である。成形耳介10の各断面形状から得られ
た画像が使用されてフォトレジストマスクが作成され、フォトレジストマスクは
、支持カラー18の表面に貼付される。不必要な材料は、マスクされた支持カラ
ーを、普通の方法で紫外線と現像液にさらすことで除去される。
支持カラー18を化学的エッチング可能な金属で製作し、適切にマスクされた
支持カラーを化学的エッチングすることも可能である。
すべての積層要素が切断されると、それらは、ジグ21の周囲に等間隔で配置
された位置決め捧22を有する、図5に示されるようなジグ21の中に、層毎に
積み重ねられる。この段階で、積層物の重なりは、元の取り出された基準耳介1
0の量子化された複製に類似している。最初の少数の層は、ブリッジ支持具12
によって支持カラー18に接続された矩形設置基部を備えている。最初の少数の
層18の矩形設置基部とブリッジ支持具12は(ポリスチレンが使用されている
ならば溶剤接着剤のような)適当な接着剤を使用して互いに接着される。次の積
層要素が各々組立体ジグ21の位置決め棒22に差し込まれる際、耳介断面形状
10だけが互いに接着され、ブリッジ支持具12は接着されないままであり、各
個別層が接着された後切り離される。その結果、上部層、例えば層6〜25がす
べて接着された耳介区分10によって前の層にだけ取り付けられる一方、層1〜
5もブリッジ支持具20によってカラー18に取り付けられる。この方法で、接
着された円盤18の重なりは人工耳介の組立中ジグ21の位置決め棒22によっ
て位置合わせされている。
接着剤が硬化すると、完成した耳介10は、下部層の少数の残りのブリッジ支持
具20を切断することでカラー18から解放される。
完成した耳介10のコンピュータ生成「ワイヤフレーム」図が図6に示される
。
上記で説明されたように人工耳介10を製造する場合、いくつかの重要な寸法
と物理的配置が確実に正しくなるようにすることが極めて重要である。我々が重
要であることを発見し、先行技術にはない特徴は次の通りである。
(a)窩11は十分深くなければならない。これは説明または定量化すること
は困難であるが、いくつかの従来の既知の人工耳介が不十分であり、本発明によ
って構成された耳介は0.2cc〜0.7cc、好適には0.5ccという十分
な容積を有していたことが分かっている。
(b)耳道入口の中心から耳甲介後部壁までの距離(図7参照)が重要である
。16mm〜20mmの距離が適切であり、平均値16.6mmが好適であるこ
とが判明した(但し、我々の試作品はわずかに大きな距離(18.5mm)を有
していたが、十分良好に機能している)。
(c)耳道入口の中心から耳甲介底部までの距離(図8参照)が重要である。
平均値は11.3mmであるべきことが判明した。
(d)耳道入口の中心とほぼ水平な後部耳甲介壁の屈曲点の位置合わせが、図
9に示されるように非常に重要である。
構造物の材料は、(Zuccarelliへの米国特許(米国特許4,680
,856)と対照的に)重要でないことが判明した。非常に軟質のエラストマー
と硬質の剛性プラスチックとの間に重大な差は発見されなかった。重要なのは寸
法であるので、取扱いが容易で寸法が安定している剛性プラスチックを使用する
ことが好適で
ある。
「段のある」縁部を生じる個々の積層物の不連続な性質によって音響干渉問題
が発生し得るため、1mm厚積層物(この厚さは積層構造物の仕上げ細部と製造
の複雑さとの妥当な妥協点である)の重なりから人工耳を構築することは明らか
に正しくないと考える者があるかもしれない。しかし、z平面(積み重ね方向)
での1mm量段階は、通常20Hz〜20kHzである正常な聴覚範囲よりかな
り上の非常に高い周波数に対応するので、これは正しくない。
人工頭部技術における耳道の役割を理解することが重要である。最初の従来の
既知の人工頭部は人工耳道を組み込んでおらず、単に録音マイクロホンを耳介に
挿入しただけであり、マイクロホンの振動板要素は耳道入口が位置するはずの場
所に大まかに配置されるだけであった。これにはいくつかの理由がある。第1に
、特にスタジオ品質のマイクロホンの直径は、耳道の直径(7〜8mm)よりは
るかに大きい(20mm以上)ので、こうしたマイクロホンをシミュレートされ
た耳道構造の中に設置するのは物理的に困難である。第2に、マイクロホンは空
洞に設置されるので、感度が低くなり、空洞が共振するので、不必要なくし形フ
ィルタリング効果が導入される。
さらに、従来、耳道自体は空間効果に寄与せず、空間効果は専ら頭部の存在と
耳介の形状によると考えられていた。ほとんど例外なく、従来人工耳道の存在が
重要であると考えられる場合、それは単にインピーダンス整合特性または物理的
理由から必要であるとされ、必ずしもシステムの空間特性のためではなかった。
実際、耳道の存在は空間特性のためには不必要であるという論文が発表されてい
る。耳道に侵入する補聴器プロテーゼまたは耳栓(「聴覚防護器」)を試験する
場合、同一平面に設置されたマイクロホンを使用する
ことができないので、耳道の設計を検討しなければならないことは明らかである
。しかし、この場合空間効果に対する性能の関連性は検討されていない。人工耳
道シミュレータに注目した人工頭部組立体の最初の報告の1つは、1966年に
書かれたBauer他の論文(B.B.Bauer、A.J.Rosenhec
k及びL.A.Abbagnaroによる「音響試験用外耳複製品」と題された
論文、米国音響学会機関誌、1967年、42、(1)204〜207ページ)
であるが、その耳道の寸法は、Olson(「音響工学」、Olson、(D
Van Nostrand Co.Inc.、ニュージャージー州プリンストン
、1960年)559ぺージ)のデータ、すなわち長さ22mm、直径7.6m
mに基づいている。長さの寸法は音響共振測定値から逆算されたことは確かだと
思われ、被験者への潜在的な危険を考慮すると実際に物理的測定がなされたこと
はありそうにない。これが真実であれば、測定された3.9kHzの共振を使用
して21.99mmの耳道長さを計算しているが、これは、以下説明されるよう
に不正確な耳道への直角終端を想定している。この基礎にたって計算を進め90
°終端を有する22mmのシミュレートされた自動を作成するならば、それは確
かに「正しい」3.9kHzの共振を特徴とし、シミュレーションが確認された
と思われるだろう。しかし、以下の我々の確認によれば、正しい空間応答のため
には45°終端が必要であり、3.9kHzの正しい、自然な共振周波数を提供
するために長さは別様に計算されなければならない。
耳道の基本共振特性は一端を閉じたチューブのものであるので、基本共振は波
長λの4分の1がチューブの長さに対応する時、すなわちλ=4Lの時発生する
。空気中の音の速度を343ms−1と想定すると、共振周波数fr(kHz)
は343/4L(Lはmm
単位)に等しいことが計算できる。上記で言及されたBauerとその同僚の耳
道は、以下説明されるTorick他のものと同様に、約3.9kHzの基本共
振を示す応答特性を発表していたが、これはこの公式によれば、22mmの長さ
と一致する。
個人通信装置の音響試験用に設計された、E.L.Trick他の1968年
の人工頭部システムでは、やはり耳道組立体が組み込まれていた。これは測定シ
ステムの音響負荷が現実の状況を表し、当時知られていた「6cc」及び「2c
c」音響カプラより優れたものであった。Torick他は、およそ長さ2.2
cm、直径0.76cm、容積1ccのほぼ円筒形のチューブを構成することで
、耳道と鼓膜の音響定数を一致させようとした。Torick他は、先にZwi
slockiが耳道と鼓膜の組合せに対する約1.6ccの有効容積を報告した
ことを認め、鼓膜(とおそらくは周囲のコンプライアンス)による同等の容積の
寄与が約0.6ccであるという結論に達した。
Torickとその同僚はさらに進んで耳道の集中素子伝送線路モデルを作成
し、(格子の存在する)B&K4132マイクロホンを、マイクロホン格子の制
動抵抗を保持する段のあるチューブの端部に軸方向に設置した。制動抵抗は、耳
道/マイクロホン・システムの総合インピーダンスが実際の耳の耳道と同様にな
るように調整された。著者達は人間の幾何学的配置を複製しようとしたが、マイ
クロホンは軸上に(すなわち耳道要素と整合して)設置された。しかし、実際に
は、鼓膜は下向きに(かつごくわずか前方向きに)およそ45゜の角度で存在し
ている。
しかし、耳の構造(図1参照)をさらに注意深く検討すると、それは耳甲介腔
12と耳道(図1では図示せず)2つの主要な共振要素によって表されることが
観察される。これらは互いに直角に結合
され(その場合耳道の入口が耳甲介12の最も内側の壁に開く)、外界から鼓膜
(図1では図示せず)への連続した通路を構成する。この2つの共振空洞は、そ
の結合の仕方と共に、重要な要素であり、空間的に正確な人工頭部システムを構
成する場合正確に再現しなければならないと思われる。耳介と耳道を正しく再現
しなければならないだけでなく、2つの間の境界面も、特に幾何学的位置の面で
同様に非常に重要である。
上記で言及され、文献中で一般に述べられているように、人間の耳道は、ほぼ
長さ22mm、直径約7〜8mmの閉じた円筒形チューブに似ている。この長さ
は90゜終端の場合約3.89kHzの基本(4分の1波長)共振周波数に対応
する。しかし、鼓膜は実際には下向きに45°の角度で配置されているので、「
耳道の長さ」という表現は正確には何に関連するだろうか?図10を参照すると
、45゜終端を示すチューブの断面図が示されるが、それは中心線距離(b)、
最大長さ(c)または最小長さ(a)のどれを意味するだろうか?合理的に、こ
れまで何度か述べられた22mmという耳道の長さは中心線寸法(b)であると
予想する者があるかもしれない。しかし、45°終端と22中心線寸法の人工耳
道を構成すると、共振周波数の測定値は約3kHz(必要な3.9kHzではな
い−23%の差である)となる。これはなぜだろうか?
回答は波頭が45゜終端で反射される仕方にある。すなわち以下の通りである
。
中心線に沿って耳道23に入る波頭(図11)を検討されたい。波頭は終端に
出会うまで中心線長さ(a)に沿って進み、その地点で波頭を下向きに、この場
合経路(b)に沿って送る反射を経験する。耳道の床に出会うと、波頭はその経
路に沿って正確に後方に反射され、終端に向かって上向きに進んだ後長さに沿っ
て外向きに進
み入口の外に出る。従って、耳道の有効長さLeffは、中心線距離(a)プラ
ス耳道直径(b)の2分の1に等しく、すなわちLeff=(a+d/2)であ
る。
ここで耳道23の上縁の経路に沿って耳道に入り移動する波頭(図12)を検
討されたい。終端角度は45゜なので、第1経路長さcは(a−d/2)に等し
く、第2経路長さはチューブの直径dに等しい。従ってこの場合有効経路長さは
(a−d/2)+dに等しい。これは(A+d/2)に等しいので、前の場合と
正確に同じであるが、前の場合は波頭経路は中央であった。検査によって、経路
が耳道の下縁に沿っている場合でも、有効経路長さはやはりLeff=(a+d
/2)であることが見られるだろう。
要約すると、45゜反射境界を終端とする端部の開いたチューブの有効共振長
さは、入口と境界の間の中心線の長さとチューブの直径の2分の1の合計に等し
い。この方法を使用して、必要な生理的3.9kHz共振を示す45°耳道の寸
法を計算することができる。以前と同様、有効長さが22mmでなければならな
いので、中心線距離は22mmマイナス直径の2分の1に等しくなければならな
い。チューブを直径7mmとするならば、中心線距離は18.5mmである。従
って、正しい45゜の終端角度を示し、かつ3.9kHzの正しい生理的基本共
振を有する耳道23は、図13に示される寸法を有する。
図13から、チューブの上部区分はかなり短い(直径の2倍の長さしかない)
ことに注意することが重要である。文献では耳道は1方向導波管として働くこと
が示されることが多いが、これは可聴スペクトルの音の波長は耳道の直径より大
きいので、横方向伝播モードは不可能であり、縦方向伝播だけだからである。例
えばマイクロ波コンジット、光ファイバ及び集積光素子といった他の閉じた構造
での導波現象は周知である。しかし、導波管の端部(入口と出口)から数波長を
越える距離の導波管では単一モード伝播が優勢であるが、端部付近では優勢でな
いことを示すことができる。従って、耳道は「1方向導波管として機能する」と
いう理由で耳道の物理的特性を重要でないものとして等閑視することは誤りであ
る。鼓膜(またはマイクロホン振動板)は入口に十分に近いので、この見解は不
適格となる。従って、先行技術で知られるような、90°の角度でマイクロホン
を設置した耳道の終端は、3次元音声録音またはHRTF測定用といった妥当で
有効な空間属性が必要な場合には適切でない。
肉のようでない材料を使用して耳道構造物を製作するのは問題があると考える
者があるかもしれないが、これは全く真実でないことが判明した。人工耳道組立
体を作成するこれまでの試みでは、金属または同様の硬質材料を使用することが
一般的であったが、米国特許第4,680,856号(Zuccarelli)
は、人間の耳道の材料特性を複製することが極めて重要であると主張している。
すなわち、米国特許第4,680,856号は次のように説明している。
「耳道(24mm長)の最初の8mmは好適にはゴム製であるが、残りの16
mmはプラスター等の内部層を有し、それぞれ中耳の繊維軟骨と骨質の部分をシ
ミュレートする」
この主張は重要でないことが発見された。
耳道の非常に詳細な複製が正確な空間特性のために必要だと考える者があるか
もしれない。実際、米国特許第4,680,856号(Zuccarelli)
は次の点が重要だと述べている。「本発明によるシステムは、耳道の中に、内燃
機関の消音器と同様に作用する急な膨らみを有する」「耳道の役目を果たす空洞
は、軸上
にねじれた楕円形区分円筒の区分を有するので、外部オリフィスに対応する壁は
前方にあり、徐々に傾いて下部前方となり、一方後部の壁は上部後方となる。後
者が平坦になればなるほど、後者の凸部は高くなる」
こうした複雑な説明と対照的に、上記の寸法特性(図13)を示す簡単な金属
(またはプラスチック)の耳道23が、有効な耳介10と共に(かつ正しく結合
されて)使用される場合優秀な空間特性を提供することが発見された。さらに、
金属(またはプラスチック)の使用によって製造が容易になり、設置される構造
物からの伝導音の拾い上げ(「マイクロホニック効果)に関する耳道の効果的な
音響分離が提供される。
鼓膜により近い構造と材料のものではなく音響反射性のマイクロホンが使用さ
れるのは問題ではないかと考える者があるかもしれないが、これも真実でないこ
とが判明した。実際には鼓膜はおよそ0.6の反射率を有するが、大部分のマイ
クロホンの振動板と格子はおそらくおよそ0.95以上のはるかに大きい値を有
する。その結果、マイクロホンを終端とするシステムの共振特性は人間の耳道の
例より大きなQ因子を有するので、軽量の開放気孔フォームラバー減衰栓24を
人工耳道23全体に導入することが好都合であることが判明した。これは共振ピ
ークの大きさを約5dB低減する作用を有し、組立体の空間応答または空間特性
の他の部分には全く影響しない。
本発明による耳道組立体に設置された12mmスタジオ型マイクロホンを示す
断面図が図14に示され、完成した耳/耳道/マイクロホン組立体が図15に示
される。
図14を参照すると、人工耳道は、直径8mmの直円柱ボア27を有する金属
またはプラスチックのブロック26を備えている。7
mmの内径を有する真鍮のチューブ28がブロック26のボア27に固定されて
いる。ブロック26はボア27の縦軸に対して45°の角度で傾斜した面29を
有する。同様に、チューブ28の一端は面29と同じ角度の平面で終了する。チ
ューブ28は2mm厚の設置プレート30を通じて延びるが、設置プレート30
によって人工耳介10の基部への人工耳道の取り付けが可能になる。チューブ2
8はプレート30から3mmの距離だけ突出する。
直径12mmの中央直円柱くぼみ32を有する第2ブロックはブロック24に
固定され、くぼみ32の中心軸がボア27の縦軸と交差する。直径12mmのマ
イクロホンがくぼみ32に設置され、マイクロホンの格子34はブロック24及
び31の直面する平面に置かれる。
図15を参照すると、上記で説明されたように製造され、集積構造物として組
み立てられて、図14に従って構成された人工耳道構造物23を装備する積層耳
介10の側面立面図が示される。人工耳道23はプレート30によって人工耳介
10に取り付けられ、プレート30には2つの構造物がボルトで固定される。耳
介構造物のボルト穴は図示される(図6)が、耳道の穴はわかりやすくするため
省略されている。2mm厚のスペーサ35が実験作業のためにここに含まれるこ
とが示されるが、これは耳介10の基部に接着される。
本発明によって製造された積層耳介は人工頭部録音システムで使用される。各
積層耳介は画像のマスタ集合と同一である(左右の耳介はジグ内で1組の支持具
18を逆の順序に配置することで構築される)という事実を考慮すると、非常に
正確な録音がなされるが、これは各耳介によって受信された音波がマイクロホン
によって電気信号に変換され、それが、録音を行うために使用される実際の積層
耳の測定値に正確に対応する測定値から導出された頭部伝達関数と共にアルゴリ
ズムとフィルタを使用する信号プロセッサによって(デジタル的に)処理される
からである。明らかに、同一の整合対の積層耳介を人工頭部録音システムで使用
し、本発明によって製作された耳介を装備しているかまたはいない他の人工頭部
録音システムで使用する適当な信号処理フィルタを生成することができる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成11年8月3日(1999.8.3)
【補正内容】
明細書
別の既知の人工頭部であるKu100は、Georg Neumann Gm
bHによって製造され1970年代末期以来使用された周知のKu80及びKu
81シリーズ頭部の後継機種である。Ku80は1981年に改良されてKu8
1と改名されており、スピーカ互換性の改良(これは等化器フィルタの変更に関
する場合がある)を意味する「i」という接辞のついたいくつかの変形が存在し
た。頭部は剛性のゴムを充填した要素で、前後に分割しマイクロホンと電池室に
アクセスすることができる。頭部は人工耳道型マイクロホン・カプラを装備して
おり、内蔵FET前置増幅器を有するNeumann 21mm、KM100シ
リーズ小型コンデンサ・マイクロホンを使用する。頭部は電子等化を装備してい
るが、これはおそらくはアナログ・フィルタであり、電池駆動式で頭部自体の内
部に位置する。この頭部は吊り下げまたは三脚設置に適しており、肩を有さない
。重量は2.7kgで、艶消し黒である。
別の周知の人工頭部である、Head Acoustics GbmHによっ
て製造されるAachen(Head Acoustics)システム15(米 国特許第4631962号参照)
は、本発明者が人間の聴覚の重要な特徴を表す
と主張する非常に単純な構造に基づいている点で、他の人工頭部と異なっている
。耳の形状と頭部の寸法は、頭部の構造を単純化する等式の組合せに従っている
。これは初め、自動車工業での騒音測定用に開発された。この頭部は三脚設置に
適しており、必要な場合取り付け可能な肩を有している。重量は7kgで、艶消
し黒である。等化ユニットが普通頭部と共に供給される。
さらに周知の人工頭部システムは、Knowles Elect
ronics Inc.によって製造されるKEMAR[KnowIes El
ectronics Manikin for Acoustic Resea
rch]である。この人体模型システムは1970年代に開発され、補聴器の研
究及び開発用に広く使用された。このシステムはモジュラ形態で利用でき、必要
に応じて使用される胴を含む。頭部は中空で、上部頭蓋外周に沿って分割され、
共振を減衰し外郭自体を通る音の伝達を減少させるため、内面は鉛を充填したエ
ポキシで被覆されている。12mmB&KマイクロホンがZwislockiカ
プラを使用して外郭に取り付けられ、カプラ入口はシリコン・ゴム耳介の開口に
直接接続されている。耳介ゴムは2つの異なった種類の混合物であり、人間の耳
の機械的特性をできる限り綿密にシミュレートする。
耳介ゴムは2つの異なった種類の混合物であり、人間の耳の機械的特性をできる
限り綿密にシミュレートする。様々な高さの、いくつかの異なった首ユニットが
利用可能である。また様々な適用業務のため、様々な耳の種類が利用可能である
。
上記の市販の頭部はどれも十分な「高さ」のキューを提供せず、これまで使用
された人工耳の相対的非能率のため、前後の区別も貧弱である。
研究者の中には、実際の耳または実際の耳の彫刻による複製品の何れかから型
取りすることで耳を複製したものもあった。しかし、これは次の理由から不満足
である。
(a)左右の整合が極めて貧弱で、訂正または調整できない。
(b)成形誤差が存在し、縮みや歪みを導人する。
(c)寸法に対する管理がないので、特定の値を指定することができない。
(d)耳ユニットと耳道またはマイクロホン・マウント結合配置が不明確であ
る。結合配置と耳道またはマイクロホン・マウントは非常に重要な部分であるこ
とが発見された。
成形部品の縮みのため、人工耳を正確に成形するのは非常に困難である。さら
に、深いアンダーカットのため、耳のような3次元構造物を製造するために機械
を使用することは困難である。おそらくそれは、いくつかの3次元「ブロック」
を製造してからそれらを組み立てることで達成されるが、これを配置することは
困難であり、3次元形式の連結整合ラグを必要とする。
文献中には、我々によって不正確であることが発見された多くの主張が存在す
る。例えば、耳介、皮膚及ひ他の部分のために使用される材料の種類が重要であ
り、人工耳は人間の耳と同様の質感または感触を有するラテックスまたはゴムと
いった材料から製造しなけ
ればならないと主張されるのが一般的である。実験と測定によって、耳介が製造
される材料は音響的に比較的重要でなく、皮膚のシミュレーションは不必要であ
ることが判明した。
Duda R Oの「頭部伝達関数のモデル化」アシロマ会議議事録、パシフ ィックグローブ、1993年11月1〜3日、第2巻、1993年11月1日、 電気電子技術者学会、996〜1000ページ、XP000438445は、頭 部伝達関数(HRTF)が鼓膜に達する音声への音源の変換の特性を表し、バイノーラ ル聴覚の中心であることを開示している。それは波動伝播と回折の結果であるの で、有限パラメータ・フィルタによって概算できるに過ぎない。アクシマス(axi muth)と高さに対するHRTFの関数依存性がこの論文で説明され、様々な人工 頭部モデルが説明されている。米国特許第4,631,962号(Genuit)のもの を含む説明されたモデルの多くは、正確なHRTFを生じる十分な精度で人間の 耳介の幾何学的配置を複製していない。従って、有限パラメータ・フィルタによ っても許容可能なHRTFを生じることは困難である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.積層人工耳介を製造する方法であって、 (a)第1材料で人間の耳介の3次元モデルを形成する段階と、 (b)成形材料中に前記モデルを封入する段階と、 (c)前記モデルの断面形状を出現させるために前記封入されたモデルを機械 加工する段階と、 (d)前記段階(c)によって出現した前記断面形状の画像を作成する段階と 、 (e)間隔の離れた平行な平面中に前記モデルの断面形状を出現させるために 前記段階(c)を増分的に反復し、前記段階(d)を反復する段階と、 (f)前記間隔の離れた平行な平面の間の距離に対応する厚さの材料の複数の 未完成自己支持シートを提供し、ブリッジ支持具によって材料の各シートから支 持されるモデル耳介の断面形状の複製を製作するために前記段階(d)によって 製作された画像を使用する段階と、 (g)前記段階(c)によって出現した各断面形状について前記段階(f)を 反復する段階と、 (h)前記モデルの積層複製を形成するために、前記シートの重なりを互いに 組み立て接着する段階とを含む方法。 2.前記段階(d)が前記画像から、切削工具の運動方向を制御するデータを 導出する段階を含み、前記段階(f)が、前記段階(d)によって導出された前 記データの制御の元で運動するようプログラムされた切削工具によって材料の各 シートを機械加工する段階を含む、請求項1に記載の方法。 3.前記段階(f)が、前記画像に対応するマスクを製作するた めに前記段階(d)によって製作された前記画像を使用する段階を含み、かつ前 記段階(f)がマスクされていない材料を除去する段階を含む、請求項1に記載 の方法。 4.材料の前記シートが感光性であり、前記マスクされていない材料が、前記 マスクされたシートを光と現像液にさらすことで除去される、請求項3に記載の 方法。 5.人工耳道が前記モデルの前記積層複製に取り付けられる、請求項1〜4の 何れか1つに記載の方法。 6.前記モデルが剛性プラスチック材料製である、請求項1〜5の何れか1つ に記載の方法。 7.前記成形材料が前記モデルのものと異なった色の剛性プラスチック材料で ある、請求項の1〜6の何れか1つに記載の方法。 8.前記画像が前記封入されたモデルの断面を電子的に走査することで導出さ れる、請求項1〜7の何れか1つに記載の方法。 9.前記画像が前記封入されたモデルの断面を写真複写することで導出される 、請求項1〜7の何れか1つに記載の方法。 10.前記画像がデジタル化電子画像に変換される、請求項9に記載の方法。 11.前記電子画像が、C.N.C.機械切削工具の運動方向を制御する二進 法コンピュータ制御コードを導出するために使用される、請求項2〜10の何れ か1つに記載の方法。 12.請求項1〜11の何れか1つに記載の方法によって構成される積層人工 耳介。 13.前記人工耳介が耳甲介、窩及び耳道を有し、前記耳道23の入口中心か ら前記耳甲介12の後部壁までの距離(A)が15mm〜20mmの範囲内であ り、前記耳道の入口中心から前記耳甲介底部までの距離(B)が9mm−15m mの範囲内であり、前記耳 道の入口中心との曲がり目(C)の整合がほぼ水平となるように、前記耳道が前 記耳甲介に対して構成され配置されることを特徴とする、請求項12に記載の積層 人工耳介。 14.前記人工耳道23が、ブロックを通じて延びかつボア27の縦軸に対し て45°の角度の平面29で終わっている前記ボア27を有する前記ブロック2 6を備え、マイクロホン33が前記平面29に置かれた圧力感応表面34を有す る、請求項13に記載の人工耳介。 15.前記耳道23の前記ボア27が、前記ボア27の開いた端部から、前記 ボア27の中心軸に沿って、前記マイクロホン33の前記圧力感応表面34の平 面29までが、3.9KHzの基本共振を有する共振空洞を形成するような寸法 である半径と長さ(a)を有する直円柱ボア27を備える、請求項14に記載の 人工耳介。 16.前記ボア27の長さ(a)と前記ボアの半径の合計の寸法が20〜23 mmの範囲内である、請求項3に記載の人工耳介。 17.前記ボア27の直径が7mmであり、前記平面29の角度が45°で長 さ(a)が18.5mである、請求項9に記載の人工耳介。 18.前記耳道の前記ボアの中心軸から前記耳甲介の後部壁までの平均距離( A)が16.6mmである、請求項13に記載の耳。 19.前記耳道の軸から前記耳甲介の底部までの平均距離(B)が11.3m mである、請求項13に記載の耳介。 20.前記窩が0.2cc−0.7ccの容積を有する、請求項13に記載の 耳介。 21.前記窩の平均容積が0.5ccである、請求項20に記載の耳介。 22.請求項1〜請求項11の何れか1つによって構成された1 対の積層耳介を備える人工頭部。 23.請求項1〜請求項11の何れか1つに記載の方法によって製造された耳 介を有する人工耳を使用して音声を録音する方法であって、前記人工耳によって 受信された音波が電気信号に変換されて信号フィルタを有する信号プロセッサに よって処理され、その頭部伝達関数が、録音を行う際使用される前記人工耳の前 記人工耳介と耳道の測定値に対応する測定値に基づく信号処理アルゴリズムから 導出される方法。 24.音声を表す電気信号を処理する方法であって、信号フィルタを有する信 号プロセッサを使用して前記電気信号を処理する段階を含み、その頭部伝達関数 が、請求項1〜23の何れか1つによって構成された人工耳介と耳道から得られ た測定値に基づく信号処理アルゴリズムから導出される方法。
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