JP2001524125A - 配位白金族触媒錯体ならびにアルカンのエステルおよびその誘導体への触媒的変換のための改良されたプロセス - Google Patents

配位白金族触媒錯体ならびにアルカンのエステルおよびその誘導体への触媒的変換のための改良されたプロセス

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JP2001524125A JP54800298A JP54800298A JP2001524125A JP 2001524125 A JP2001524125 A JP 2001524125A JP 54800298 A JP54800298 A JP 54800298A JP 54800298 A JP54800298 A JP 54800298A JP 2001524125 A JP2001524125 A JP 2001524125A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、酸化酸性媒体中、高温で、安定な白金族配位子触媒錯体を使用して、低級アルカン出発物質(例えば、メタン)を、エステル、および必要に応じて種々の誘導体(例えば、メタノール)に選択的に酸化するための改良されたプロセスであり、そしてビジアジン配位子を用いる新規白金族配位子錯体のクラスに関し、これは酸化酸性媒体中高温で、アルカン変換反応において有効な触媒であるほどに十分安定である。

Description

【発明の詳細な説明】 配位白金族触媒錯体ならびにアルカンのエステルおよびその誘導体への 触媒的変換のための改良されたプロセス 発明の分野 本発明は、配位子が補助する貴金属または白金族触媒を使用する低級アルカン のその対応するエステルへの変換のための改良されたプロセス、およびアルカン 変換反応の触媒において有用である新規な配位(ligated)白金族触媒に関する。 本発明のプロセスはまた、追加のおよび任意の変換工程を含み、それにより、エ ステル生成物は、アルコールまたはアルキルハライドのような他の中間体または 誘導体へ変換され得、それは、続いてガソリンのような液体炭化水素へ変換され 得る。より詳細には、本発明は、酸化酸性媒体中、高温で、安定な白金族配位子 触媒錯体を使用する、低級アルカン出発物質をその対応するエステルおよび必要 に応じて種々の誘導体(例えば、メタノール)に選択的に酸化するための改良さ れたプロセス、ならびに酸化酸性媒体中、高温で、アルカン変換反応において有 効な触媒であるために十分に安定である新規の白金族配位子錯体のクラスに関す る。 発明の背景 低級アルカンを、有用なより反応性の生成物(例えば、一価または多価アルコ ールまたはアルキルハライド、これらは必要に応じて、より分子量の大きい通常 は液体の炭化水素(例えばガソリン)へ続いて変換され得る)に酸化的に変換する ための実行可能な触媒プロセスは、化学および石油プロセス産業において長い間 望まれてきた目標であった。天然ガス産業部門の場合、このような触媒プロセス は、遠隔地で産出された天然ガスまたはメタンを、メタノールのようなより容易 に輸送可能な液体に変換できるようにし得、これは続いて、化学的供給原料とし て直接使用され得るか、または公知のプロセス技術によりガソリンのような液体 炭化水素へ変換され得る。エタンのような他の低級アルカンの場合、多価アルコ ール(例えば、エチレングリコール)をもたらす直接触媒酸化は、オレフィン出発 物質を用いる従来のプロセスに対して魅力のある代替物であり得る。 アルカンの部分酸化のための触媒プロセスを考案する上で敷居となる問題は、 アルカンのC-H結合の非反応性、および問題のアルカンの完全な酸化(例えば、メ タンからCO2へ)もまた触媒すること無く、アルカン反応剤の1つ以上のC-H結合 の活性化、およびそこでの後続反応を促進する触媒物質を見いだすことの難しさ である。この敷居となる問題は、少なくともある程度までは、米国特許第5,233, 113号および第5,306,855号(本発明者らのうちの数名の名前で認可されている) において記載される触媒プロセスにより解決されており、その中で、高収率な、 メタンのメチルエステル(ならびにC-H結合を含む他の炭化水素)への選択的酸化 が、強力な酸性の酸化媒体の存在下、金属触媒の特定のクラスで得られ得ること が教示されている。特に、前述の米国特許は、Mendeleevの表のクラス「B」金 属および/またはPearsonの「軟らかい」または境界の金属カチオンが、メタン のようなアルカンをアルキルエステルまたは部分酸化されたその誘導体へ転換す るために、酸化剤と一緒に強酸化耐性酸媒体中、触媒量で用いられ得ることを教 示する。米国特許第5,233,113号および5,306,855号において開示される、軟らか いB族の金属および金属イオンの中で、適切な触媒としては、最も良い触媒活性 は水銀(Hg)だとされるが、VIII族貴金属または白金族、すなわち、Pd、Pt、Rh、 Ir、Ru、およびOsのカチオンである。 白金族のカチオンは、前述の米国特許第5,233,113号および第5,306,855号にお いて記載されるように、良好な酸化剤であり、そしてアルカンおよび他の炭化水 素の酸化反応においてかなり有効であり得る。しかしながら、これらの金属イオ ンの持つ有名な問題は、不可逆的還元を介した触媒の失活、それに続く貴金属の 金属形態での析出へ向かうそれらの傾向である。このことは、バルク(bulk)金属 形態が、通常の反応温度において、白金族または貴金属にとって熱力学的に好ま しい形態であるためである。貴金属のこの特性は、それらの「不活性な(noble) 」特性の根底となる理由であり、腐食に対する周知の耐性である。 触媒の損失のこの問題に加えて、さらに複雑な問題は、これらの貴金属の分散 した金属形態が炭化水素の燃焼に対する良好な触媒であることが周知であるとい うことである。結果的に、バルク金属の形成は、中間体酸化生成物が所望される 場合において、非選択的酸化反応を触媒し得る。結果として、反応選択性は、タ ーンオーバー数(turnover number)に対して逆比例する傾向がある。従って、Pt カチオンが化学量論的酸化剤として使用される化学量論的反応条件下、熱濃硫酸 中メタンとH2Pt(OH)6との間の典型的な反応において、全てのPtカチオンが消費 されない限り、メチルエステルに対して75%を上回る選択性が観測され得る。こ れらの条件下、白金は主に、重硫酸メチルへの選択的酸化に対して活性である可 溶性カチオンとして存在する。しかしながら、Ptカチオンが増加したターンオー バー数で触媒的に利用される条件下、バルク金属の析出が優勢になり、そして重 硫酸メチルへの反応選択性は、CO2が第一級炭素含有生成物である点まで急速に 低下する。これらの問題は、貴金属カチオンの選択的酸化反応における触媒とし てのより広範な使用の欠如に対する第一の根拠である。そのような失活パターン は、Pd(II)により触媒されるエチレンのアセトアルデヒドへの酸化において十分 に実証されている。 上記で指摘されるように、第2番目の引用された特許、米国特許第5,306,855 号は、Hg(II)が、酸化強酸性媒体中、メタンのメタノールへの酸化に対して最も 有効な触媒であることを教示している。この場合、バルク金属への還元による金 属イオンの損失という問題は、Hgのバルク金属形態が不活性ではなく、そしてカ チオン状態が金属状態より熱力学的に好ましいために、軽減される。しかしなが ら、この金属は、遊離のSO3を含む硫酸溶媒中、主要な副生成物、メタンスルホ ン酸が生成されるという不利点を被っている。貴金属はこれらの不利点を被らな いが、上記に議論されるような触媒の失活および乏しい選択性の問題のために使 用されてこなかった。従って、貴金属の使用においてバルク金属の形成の問題と 取り組むことは有利である。 アルカンの酸化反応における貴金属の使用を可能にするための1つの可能性は 、反応系を、貴金属の金属形態の溶解および再酸化を可能にするように、および /または金属性の金属の形成を防止するように改変することである。特定の場合 に おいて、このことは、金属のイオン形態を安定化する配位子の使用により達成さ れ得る。従って、ケトンへのオレフィン酸化のためのPdカチオン触媒の場合(Wac kerプロセス)、Pd触媒を活性なカチオン状態に安定化するために塩素イオンが加 えられる。他の配位子がその系において調査されてきたが、一般に塩化物が、触 媒系の得られる安定性および高い効率のために、最も理想的な配位子であること が見いだされている。有機型配位子(例えば、アミン、ホスフィン、チオール、 アルコール、臭化物、ヨウ化物、シアン化物など)は、それらが塩化物ほど有効 ではなく、そして酸化または反応の酸性条件により破壊され得るために使用され ない。 Wacker化学におけるPd(II)の塩化物安定化に基づいて、熱濃硫酸中での白金の 安定化のための塩化物の使用が、アルカンの酸化について試験された。アルカン は、大部分において非常により乏しい金属中心へ配位するアルカンの能力のため に、オレフィンよりも非常に反応性が乏しい。アルカンの配位は、有効な触媒の ための基本的な必要条件の1つである。結果的に、活性な触媒に配位するほとん どの種の添加は、競合的な結合およびアルカンの配位の防止によって、反応性を 阻害し得ることが一般に見いだされる。このことは、酸化強酸性媒体中のアルカ ンの酸化のためにWacker型条件の使用が試験された場合であることが見いだされ た。従って、硫酸パラジウムまたは硫酸白金の硫酸溶液への塩化物の添加は、メ タンとの反応性の完全な阻害をもたらした。塩化物の配位力と比較して弱いメタ ンの配位力と一致して、塩化物の添加は、貴金属カチオンとの強固な結合、重合 性金属塩化物としてのカチオンの析出、および触媒活性の損失をもたらした。 前述の米国特許において開示される、メタンのメチルエステルへの酸化のため の反応系は、酸化および強酸性の両方である。これらの条件下、有用な期間安定 であり、それによりアルカンとの反応を可能にする、白金族との金属-配位子触 媒を形成する配位子を見つけることは、非常に興味深いことである。そのような 配位(ligated)金属触媒は、金属-配位子結合の破断により破壊され得る。酸化酸 性媒体中、このことは、酸化または結合のために必要とされる部位(単数または 複数)における配位子のプロトン化のいずれかを通して容易に起こり得る。配位 子の酸化の防止は手強い課題を表すが、プロトン化および配位子の損失の防止は なおさらに興味深いことであり得る。プロトン化反応は、濃硫酸のような、プロ トンの利用能が非常に高い酸性媒体中、非常に容易である。一般に、配位子は孤 立電子対の供与を介して貴金属カチオンに配位し、金属と配位結合を形成する。 従って、配位子の孤立電子対のプロトン化は、配位子の不可逆的損失および付随 する金属カチオンの安定化の欠如をもたらし得る。濃硫酸のプロトン活性は非常 に高く、任意の程度の塩基性を示すほとんどの種に結合する。孤立電子対を有す るヘテロ原子(例えば、O、N、S、およびP)のような塩基性原子を介して結合し ている配位子の場合、プロトン化は完全にかつ素早いことが予想される。強酸性 媒体中存在する極微量の非プロトン化形態は、金属カチオンを効果的に安定化し ない。従って、配位子の使用が、酸化酸性媒体中、アルカンのエステルまたは他 の部分酸化誘導体への変換において、白金族が触媒として用いられる場合に生じ る触媒活性の急速な損失に対する解決法を提供し得るか、または提供するだろう ということは当業者には明らかではない。 発明の要旨 酸化強酸性媒体中、低級アルカン反応剤を部分酸化してエステルを形成するた めの白金族触媒が、白金族-配位子錯体を用いることにより実質的に向上され得 ることが現在見いだされており、ここで、用いられる配位子は、白金族との単座 または多座配位錯体を形成するヘテロ原子含有配位子であり、そしてそのように 形成される錯体は、少なくも10分間、少なくとも約180℃の温度で、強酸性反応 媒体中で安定である。この場合の安定性は、白金族触媒錯体が、反応媒体におけ る不溶性の組合せを通して反応を触媒し得なくなる、または触媒的に活性な種の 分解をもたらすプロトン化および/または酸化を通して構造を欠失するのではな く、有用な反応速度で部分酸化反応を触媒するのに十分な量でその触媒的に活性 な形態にあり続ける点で、酸性反応媒体における動力学的安定性を示す。上記で 記載される白金族配位子錯体を用いることにより、驚くべきことに、得られる触 媒が十分に活性であること、すなわち実用上有用な収率のエステル反応生成物が 、酸性酸化反応媒体中、反応温度で、上記で記載される安定性の最小レベルを触 媒 錯体に与える、単座または多座ヘテロ原子含有配位子によって得られ得ることが 見いだされた。 従って、その最も広義の言葉において、本発明は、低級アルカンを部分酸化し てエステルを形成するための改良されたプロセスであり、それは、低級アルカン 、酸化剤、強酸、および白金族との単座または多座配位子錯体を形成するヘテロ 原子含有配位子で安定化された触媒量の白金族を含む触媒を接触させる工程を含 む。上述の錯体は強酸中少なくとも約10分間、約180℃の温度で安定であり、そ して上述の接触させる工程は、エステル化条件で生じて、存在する触媒金属のモ ル量よりも多いモル量で酸の低級アルキルエステルを生成する。アルキルエステ ルが反応の生成物であることが予想されるが、プロトン化アルコールの形成もま た、アルカン、強酸、および酸化剤の反応生成物であることが予想され得、そし てそれ故、本発明のプロセスにおいてプロトン化アルコールがエステル生成物の 等価物であるとみなされることを、注記することが重要である。他の広範な局面 において、本発明のプロセスは、部分酸化のアルキルエステル生成物が、H2Oま たはHClのような求核剤と反応して、低級アルカン出発物質の官能化誘導体(例え ば、アルコールまたはアルキルクロリド)を生成し、そして必要に応じて低級ア ルカンの官能化誘導体がより大きい分子量の炭化水素に触媒的に変換される、続 くプロセス工程を含む。 本発明のさらなる局面は、配位(ligated)白金族触媒錯体の新規クラスに関し 、これは本発明のプロセスにおいて用いられる酸性酸化反応媒体中、高いレベル の触媒的活性を示す。これらの新規触媒組成物は、式MLmXnの、触媒的に活性な 白金族/配位子錯体を含み、ここで、Mは白金族であり、Lは、必要に応じて1個 以上の、ヒドロカルビル基もしくは置換ヒドロカルビル基、または-SO3Hおよび フッ化物から選択される置換基、あるいはそれらの任意の混合物で置換されたビ ジアジン(bidiazine)配位子であり、Xは、ハロゲン化物、ヒドロキシド、硫酸塩 、硫酸水素塩、硝酸塩、およびリン酸塩から選択される酸化耐性アニオンである か、または強酸反応剤の共役アニオン塩基であり、mは1または2であり、そし てnは白金族の酸化状態に依存する1〜8の整数である。 発明の説明 本発明のプロセスは、米国特許第5,233,113号および/または第5,306,855号( これらは両方とも本明細書中で参考として援用される)において記載される段階 的プロセスと、それらにおいて記載されるプロセスの第一(またはエステル形成 )の工程において用いられる触媒を除いては、本質的に類似している。参考の特 許において指摘されるように、本プロセスの第一の工程は、触媒(この場合は、 配位(ligated)白金族触媒錯体)の存在下、高温で、低級アルカンを酸および酸 化剤と接触させて、アルキルエステル生成物を生成する工程を含む。 本発明のプロセスの第一の、またはエステル形成工程において用いられる触媒 は、適切には、白金族との単座または多座配位子錯体を形成するヘテロ原子含有 配位子で安定化された白金族であり、上述の錯体はエステル形成工程のための溶 媒として用いられる強酸中、少なくとも約10分間、約180℃の温度で安定である 。この事について、強酸の存在下、約180℃(これはエステル形成反応のための温 度範囲の代表的な下限である)で、約10分未満の接触時間で、実質的な不安定性 および触媒的活性の欠如を示す、白金族配位子錯体が、工業規模のプロセスにお いて有用であるエステル生成物の十分な空間-時間収率を提供しないことが見い だされている。好ましくは、触媒錯体は、強酸中、少なくとも約30分間、および 最も好ましくは2時間より長く安定である。触媒錯体に用いられる単座または多 座、好ましくは二座配位子は、適切には、1個以上の窒素、硫黄、またはリン原 子、もしくはそれらの混合物を介して白金族と結合するヘテロ原子含有配位子で ある(例えば、ホスフィン、有機リン化合物、アミン、および環の窒素および/ または硫黄原子を含む複素環式有機化合物)。好ましくは、触媒錯体のための安 定化配位子は、ヘテロ原子含有配位子であり、ここでヘテロ原子は白金族と二座 配位子錯体を形成する窒素である。原則として、任意の白金族(例えば、Pt、Pd 、Rh、Ir、Rh、およびOs、またはそれらの混合物)がエステル形成反応において 使用される触媒錯体に用いられ得るが、白金族はPdおよびPtまたはそれらの混合 物から選択されることが好ましく、そしてPtが触媒的活性の観点から最も好まし い。 好ましくは、エステル形成反応において用いられる触媒錯体は、式MLmXnの白 金族配位子錯体であり、ここで、Mは白金族であり、Lは、必要に応じて1個以上 の、ヒドロカルビル基もしくは置換ヒドロカルビル基、または-SO3Hおよびフッ 化物から選択される置換基、あるいはそれらの任意の混合物で置換されたビジア ジン(bidiazine)配位子であり、Xは、ハロゲン化物、ヒドロキシド、硫酸塩、硫 酸水素塩、硝酸塩、およびリン酸塩から選択される酸化耐性アニオンであるか、 または強酸反応剤の共役アニオン塩基であり、mは1または2であり、そしてnは 用いられる白金族の酸化状態に依存する1〜8の整数である。Mが白金である場 合、Xは好ましくは、1、2、3、または4であり、そして最も好ましくは1ま たは2である。これらの好適な白金族配位子錯体は、新規であると考えられ、そ れ故に本発明の別の局面を含む。上記の式により記載される新規触媒組成物のう ち、Mが白金を表し、そしてLが以下の式のビジアジン配位子を表すものが特に好 ましい: ここで、Y、Y'、Z、およびZ'は、窒素または炭素であるが、ただしY、Y'、Z、 およびZ'のうち1個は窒素でなければならず、かつY、Y'、Z、およびZ'のうち残 りは炭素でなければならず、RおよびR'は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロ カルビル、フッ化物、または-SO3Hであり、そしてm'およびn'は、0、1、2、 または3である。上記の式のビジアジン配位子に配位(ligated)された白金錯体 は、強酸媒体中、180℃またはそれより高温で、2時間より長く〜数日間の範囲 の持続時間中、基本的に触媒活性の損失が観測されないという唯一の安定性を保 持する。この好適なクラスの適したビジアジン配位子化合物の例は、以下のビジ アジン化合物である(これらは必要に応じて上記に記述されるように置換され得 る): 最も好ましいのは、Mが上記で与えられる式の白金を表し、Lが2,2'-ビピリミ ジン(好ましくは非置換)であり、そしてXが塩化物、臭化物、およびヨウ化物か ら選択されるハロゲン化物である触媒である。もっとも好適な触媒組成物におい て、mは1であり、そしてnは2である。 本発明の触媒錯体は、そのような金属配位子錯体を調製するための任意の従来 の方法により調製され得る。適切には、触媒錯体は、適切なモル比で、白金族( 化合物またはバルク金属形態で);配位子化合物、および水性または弱酸性媒体 中、酸化耐性アニオンを含有する無機塩を混合して錯体を形成することにより、 別々に調製され、これは次いで、エステル形成反応において使用される酸性酸化 反応媒体に加えられ得る。この事について、適切に微細に分割された金属の分散 体であるバルク金属形態に加えて、白金族は可溶性の塩化合物(例えば、ハロゲ ン化物もしくは硝酸塩)の形態で、または酸化物もしくは水酸化物として、加え られ得る。用いられる無機塩は、適切には、アルカリもしくはアルカリ土類金属 塩、または塩基性カチオン(例えば、アンモニウム塩)を含む他の塩である。白金 族を、アニオンが上記の式においてXについて記述された酸化耐性アニオン(例え ば、ハロゲン化物、ヒドロキシド、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、またはリン酸 塩)の中の1つである塩の形態で加え、それにより無機塩成分の別個の付加の必 要を回避することはまた都合がよい。 本発明の好適な局面において、好適な白金族配位子錯体は、触媒成分をエステ ル形成反応に用いられる強酸媒体へ直接加え、そして低級アルカンの対応するエ ステルへの部分酸化に使用される反応帯または容器中で、触媒をインサイチュで 形成させることにより、最も簡便に調製され得ることが見いだされている。すな わち、この好適な局面において、活性触媒は、この低級アルカン反応剤の導入前 に、バルクまたは化合物形態の白金族、好ましくは白金化合物、ビジアジン化合 物、および酸化耐性アニオン含有無機塩を、エステル形成反応のための反応媒体 として用いられる強酸中、混合することにより、オキシエステル形成反応帯中、 インサイチュで調製される。この触媒錯体が別々に調製されるかまたはインサイ チュで形成されるかのいずれの場合にしても、調製に適切に使用される、白金族 :ビジアジン配位子:無機塩成分のモル比は、反応帯中の強酸の濃度、温度、お よび用いられる配位子の性質に依存して、約1〜2:0.5〜1:1〜2である。2 ,2'-ビピリミジン配位子および酸化耐性アニオンの供給源としてNaClを使用する 、インサイチュで形成される白金配位子触媒錯体について、Pt:配位子:Clの最 適なモル比は、メタンの部分酸化において、100%のH2SO4中220℃で最も高い触 媒活性のために約1:0.75:2である。 エステル形成反応における白金族触媒錯体の触媒的活性が、ハロゲン化物イオ ンまたはテルルあるいはアンチモンの無機塩もしくはそれらの混合物を含む、共 触媒または酸化共力剤(synergist)を加えることにより増強され得ることもまた 、見いだされている。どのような理論にも束縛されることを望まないが、白金族 触媒は2つの別個の工程(すなわち、急速であるC-H結合活性化工程、および律速 段階であるらしい酸化工程)で機能し、そして共触媒の存在が酸化工程の酸化速 度を増加させて、それにより触媒サイクルの速度を増加させるようである。上記 で与えられるような式MLmXnの、Xがハロゲン化物である白金族配位子触媒が使用 される場合、共触媒は、共触媒から得られる利益を最大限にするために、テルル およびアンチモン塩から選択されるべきである。この点について、好適な共触媒 は、Te(IV)およびTe(VI)塩、最も好ましくはTeハロゲン化物塩(例えば、TeCl4、 TeCl5、およびTeBr4)を含む。存在する触媒錯体の量と比較して適切に用いられ る共触媒の量は、使用される他の反応条件に依存して、広い範囲にわたり変化し 得るが、代表的には、存在する白金族触媒錯体1モルあたり約0.5モルと4モル との 間の範囲の共触媒である。好ましくは、共触媒は、反応帯において用いられる触 媒錯体1モルあたり約1〜約2モルで存在する。 エステル形成反応のための出発物質として適切に用いられ得る低級アルカンは 、C1〜C8直鎖または分岐鎖アルカン(例えば、メタン、エタン、プロパン、イソ ブタン、ヘキサン、およびヘプタン)を含む。好ましくは、低級アルカン出発材 料は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖アルカン、すなわちメタン、エタン、プロ パン、またはブタンであり、そして最も好ましくは、アルカン出発物質は、天然 ガス貯蔵所において見いだされるようなメタンの純粋でない形態を含むメタンで ある。 エステル形成反応において用いられる酸化剤は、参考の米国特許第5,233,113 号および第5,306,855号において開示されるもののような強力な酸化剤、例えば 、HNO3、過塩素酸、過酸化物(H2O2、CH3CO3H、K2S2O8)、次亜塩素酸塩(例えばNa OCl)、O2、O3、SO3、NO2、およびシアン、ならびに0.3ボルトより大きい酸化還 元電位を有する種々の他の酸化物質(例えば、キノン、ハロゲン、セレンカチオ ン、テルルカチオンなど)であり得る。材料費、入手可能性、および有効性の観 点から好適な酸化剤は、SO3、H2SO4、およびO2を含むが、一方O2で再生され得る 酸化剤(例えば、SO3、H2O2、キノン、およびセレンおよび/またはテルルのカチ オン)もまた有利である。本発明のプロセスの実行において、酸化剤は、アルカ ン出発物質を加える前、または後、または間に、エステル反応帯へ加えられ得る 。用いられる酸化剤の量は、代表的には、反応帯へ加えられるアルカン出発材料 の量と少なくとも化学量論的である。 同様に、エステル形成反応において反応媒体または溶媒として用いられる酸は 、参考の米国特許(上記を参照のこと)において記載される酸のいずれかであり得 、HNO3、H2SO4、CF3CO2H、CF3SO3H、H3PO4、HCl、HF、HPA(ヘテロポリ酸)、B( OH)3、(CF3SO2)2HN、(CF3SO2)3CHなどのような有機または無機酸、H4P2O7、H2S2 O7などのようなこれらの酸無水物、および2種以上のこれらの酸と無水物との混 合物、ならびにCH3CO2H/BF3、H3PO4/BF3、H3PO4/SbF5、HF/BF3のような酸とルイ ス酸との混合物を含む。好ましい酸は、2.0未満のpKaを有する強酸であり、H2SO4 およびCF3SO3Hが特に好ましい。理論に束縛されることなく、酸の機能は、-OSO3 H、-OSO2CF3、ま たは-OH2 +のような電子吸引基を含有するアルキル化合物を生成することである と考えられる。一般に、電子吸引基の機能は、アルキル基を求電子触媒による過 酸化から「保護する」ことであると思われる。この「保護」の形態は、芳香環が ニトロ化されている場合に観測されるものと類似している;ニトロ基の電子吸引 性特徴のために、求電子種により続いて起こる酸化が阻害され、そしてニトロ- アレーンが「保護される」。参考の特許(上記を参照のこと)において注記される ように、酸は、それが反応媒体として、およびプロセスにおける反応剤として( すなわち酸がアニオンを分け与えてアルカンの酸化においてエステルを形成する )の両方で作用し得るために、望ましくは過剰に使用される。この事について、 用いられる酸は、望ましくは、注記される反応媒体中、白金族錯体により自分自 身を酸化しない酸化耐性である。最も好ましい場合において、H2SO4が、SO3、O2 、およびH2SO4から選択される酸化剤と一緒に、反応媒体として用いられる。こ の後者の場合、H2SO4は酸および酸化剤の両方として機能する。この事について 、白金族触媒、特に白金の、Hg(II)に勝る鍵となる利点は、これらの触媒が、遊 離SO3の存在下、アルカンからアルカンスルホン酸を生成しないことである。 エステル形成反応は、当該分野で周知の加工処理方法または技術を使用して、 バッチ的にまたは連続的にのいずれかで行われ得る。用いられる触媒錯体の量は 、少なくとも触媒量でなければならず、その量は約50ppmの間の範囲であり、そ して存在する全液体の1.0モル%が効果的である。さらに、エステル形成反応の 温度は、代表的には50℃を上回り、そして好ましくは95℃と250℃との間であり 、約180℃〜230℃の範囲にある温度が最も好ましい。メタンがアルカン反応剤で ある場合、それは約50psigを上回る圧で、好ましくは約450psigを上回る圧で加 えられる。エステル形成反応において、これらの条件は、反応器へ投入された触 媒錯体のモル量よりも大きいモル量で酸のアルキルエステルの生成をもたらす。 実際、本発明の触媒錯体を用いて、90%の選択性で80%より大きいアルカン(メ タン)の転換、および300より大きい触媒の回転数(turnover)で10-7mol/cc.秒の 空間時間収率が、達成可能である。 プロセスの任意の工程において、参考特許(上記を参照のこと)において記載さ れるように、求核剤はエステルと反応して低級アルカンの官能化誘導体を形成し 、 次いで官能化誘導体は相対的により大きい分子量の炭化水素へ触媒的に転換され る。第一の任意の工程において、エステルは求核物質と直接反応し得るか、また は必要に応じて、エステルは洗浄(flashing)または蒸留によりエステル形成反応 から回収され、次いで水またはハロゲン化水素のような求核物質と反応してアル カン出発材料の官能化誘導体を生成し得る。例えば、出発アルカンとしてメタン を使用して調製されたメチルエステルの場合、官能化誘導体は、この求核剤がH2 Oである場合はメタノール;求核剤がHCl、HBr、またはHIのようなハロゲン化水 素である場合はハロゲン化メチル;求核剤がNH3である場合はメチルアミン;も しくは求核剤がH2Sである場合はメチルチオール、あるいは求核剤がHCNである場 合はアセトニトリルである。一般に、種々の他の官能化誘導体が、最初のメチル エステルから、他の求核剤との反応により生成され得る(例えば、求核剤がトリ フルオロ酢酸である場合のトリフルオロ酢酸メチルのような他のエステル)。単 語「求核剤」が、概してこの関係において使用され、そして当業者に対して多く のこのような交換反応が考慮され得ることが、理解されるべきである。これらの 反応は、容易に完了まで進行する。過剰の求核剤が望ましい。好ましい求核剤は 、H2Oである。なぜならば、それがまたエステル形成反応において生成され得る からである。生成物メタノールは直接使用され得るか、または引き続く任意の工 程において種々の炭化水素へ転換され得る。 引き続く任意のプロセス工程は、官能化アルカン誘導体の転換(例えば、メタ ノールから、より長鎖の、またはより大きい分子量の炭化水素へ)を含む。 メタノールおよび他のメチル中間体をより大きい分子量の炭化水素へ転換する ために適したプロセスは、Butterらの米国特許第3,894,107号および第3,979,472 号において見いだされる。Butterは、メチル中間体を650°〜1000°Fの間の温度 で、アルミノケイ酸塩触媒、好ましくはHZSM-5と接触させることによるオレフィ ンおよび芳香族化合物の生成を示している。 同様に、Butterは、好ましい触媒である酸化アンチモンおよびHZSM-5を、250 °〜700℃の間の温度で使用するプロセスを示唆している。 ZSM-5ゼオライトは、メチルアルコールをガソリン範囲の炭化水素に転換する ために適したモレキュラーシーブ触媒として開示されてきた。例えば、Argauer らの米国特許第3,702,886号、およびChangらの第3,928,483号を参照のこと。 他のプロセスは以下に記載されるものを含む:Olahの米国特許第4,373,109号( メタノールおよび他のメチル中間体の低級オレフィンへの二官能酸-塩基触媒化 転換);Currieらの米国特許第4,687,875号(短鎖脂肪族アルコールを短鎖炭化水 素(short change hydrocarbon)へ転換するための触媒としてのヘテロポリ酸の金 属配位錯体;Kaiserの米国特許第4,524,234号(アルミノリン酸モレキュラーシー ブを使用する好ましくはメタノールからの炭化水素の生成);およびFont Freide らの米国特許第4,579,996号(層状粘土を使用するC1〜C4モノハロアルカンからの 炭化水素の生成);など。上記のそれぞれは、本プロセスの第二の任意の工程に 潜在的に適しており、そしてそれらの内容は本明細書中で参考として援用される 。 実施例 以下の実施例は、本発明のプロセスにおいて、配位(ligated)白金族触媒錯体 を用いて達成される利点のいくつかを実証する。 一般的手順 A.反応生成物の分析 反応生成物は、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(H PLC)、および核磁気共鳴(NMR)により分析した。メタンの硫酸中の白金化合物と Packard 5880 GCでガスクロマトグラフィーにより分析した。ガス、Ne、CH4、CO2 、CO、SO2、およびCH3Clに対する応答因子を、較正ガス混合物(Alphagaz)の注 入により得た。ネオンを、内部標準として原料メタンに加えた(3モル%)。 反応の液相を、HPLCおよびNMRの両方により分析した。HPLC分析のために、1m Lの反応溶液を3mLの蒸留水に加えて95℃で2時間加熱することにより、反応溶よび屈折率検出器を備えたHewlett-Packard 1050 HPLCに注入した。溶離液は水 中0.01%のH2SO4であった。可溶性有機生成物、メタノール、酢酸、ギ酸、およ びホルムアルデヒドに対する応答因子を、標準溶液から測定した。 反応溶液をまた、多核NMR(1Hおよび13C)により分析した。無溶媒の反応溶液中 の生成物濃度を、内部標準として酢酸を使用してNMRにより測定した。B.触媒の合成 Pt(bpym)Cl2を含む触媒を、一般的な文献の手順に従い合成した(Kiernan,P.M .、Ludi,A.、J.C.S.Dalton、1978、1127)。簡単に言えば、化学量論的比で 加えられたK2PtCl4および適切な配位子を、蒸留水に加えて数時間撹拌させた。 この間、最初のオレンジ色溶液は曇っていき、そして析出物を形成した。溶液が 退色してしまった時点で、反応系を濾過して粉末を得た。大抵の場合において、 固体は風乾して使用した。Pt(bpym)Cl2の場合、固体は水和物、Pt(bpym)Cl2・0. 5H2Oを形成した。暗緑色の固体をアセトンに加えることにより固体を脱水して、 オレンジ色固体を得た。C.反応手順 白金触媒錯体の硫酸中アルカン反応剤との反応を、300ccのオートクレーブま たは100ccのParrボンベのいずれかで行った。インサイチュでのサンプリングを 用いる質量平衡および力学的研究を300ccのオートクレーブ中で行い、一方バッ チ反応をParrボンベ中で行った。 300ccのオートクレーブ(Autoclave Engineers)は、Hasteloy Cから構成されて いた。内部部品は、タンタルである(撹拌シャフト、インペラー(impeller)、お よびバッフル)か、またはガラスで被覆されていた。反応系を、インペラーに連 結された外部Magnaドライブ攪拌機により撹拌した。反応溶液を、反応器本体に ぴったりと合わせたガラスの付け裏中に充填した。高圧供給シリンダーを使用し て、メタンを反応器中へ供給した。反応器中へ供給されたメタンの量を、供給シ リンダーの圧力降下により測定した。 硫酸中のエステル形成反応を、180℃〜220℃の間の反応温度で1〜6時間行っ た。300ccオートクレーブで行われる反応を、代表的にはバッチモードで行った 。反応の終わりに、反応器を水ジャケットを使用して室温まで冷却し、そして気 相を空になったシリンダーへ流出させた。ガスをGCにより分析した。反応器頭部 空間の空になったシリンダー中への第二の排出を、最終的な反応器圧が500torr 未満になるように行った。第二の排出を行い、可溶性ガスの大部分を反応溶液か ら除去した。第二の排出からのガスもまた、GCにより分析した。反応溶液をHPLC およびNMRにより分析した。 反応系の炭素質量平衡を、内部標準としてネオンを使用することにより、およ び理想気体の法則を使用して退出ガスの量を測定することにより、の2つの別の 方法で測定した。代表的には、両方の方法は95%より大きい炭素質量平衡値を与 えた。 反応を、100ccParrボンベでより小さい規模でもまた行った。これらの反応系 子を使用することにより撹拌した。反応溶液体積(代表的には5ml)を、涙孔を備 えたガラスバイアルへ加えた。気相の分析はGCにより、および溶液相はHPLCおよ びNMRにより行った。炭素質量平衡値は、Parrボンベにおいて得られなかった。 選択性を、測定可能な生成物、主としてメタノールおよびCO2から決定した。 硫酸中のメタンおよびエタンの酸化のための実験的方法の、いくつかの特定の 実施例を以下に記載する。 実施例1 この実施例は、100.5%のH2SO4中、高圧でヨウ化2,2'-ビピリミジン白金触媒 錯体(Pt(bpym)I2)を使用するメタンの酸化を記載する。実験を、上記で記載され る手順を使用して、300ccのオートクレーブ中で行った。 Pt(bpym)I2(3.64g、6.0mmol)およびH2SO4(100.5%;120mL)の混合物を、ガラ スで裏打ちされたオートクレーブに入れた。反応器を窒素でフラッシュし、200 ℃に加温し、次いでメタンで500psiに加圧した。200℃で240分後、反応を停止 し、反応器を冷却して排気し、そして出たガスを収集した。GCによる気相の分析 は、14.314mmolのCO2および163.848mmolのSO2を示した。 反応溶液および反応器洗浄溶液を、それぞれ1mLのアリコートを取り出し、3m LのH2Oに希釈し、サンプルバイアルに密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロッ ク中に置くことにより分析した。加水分解後、溶液を冷却し、遠心分離し、そし てHPLCにより分析した。HPLC追跡は、最初の反応溶液中860.4mMのメタノール濃 度、および合計で103.252mmolのメタノールを示した。メタノールへの選択性は8 0.04%であり、88.92%のメタン転換を基準にして71.17%のメタノール収率であ った。炭素質量平衡は、92.53%であった。選択性は、最終反応生成物中に見い だされるメタノールのモルを、反応時間100中に消費されたメタンのモルで割る ことにより決定される、メタノール生成物へのパーセント選択性として定義され る。パーセント転換は、時間100で投入されたメタンのモルで割られた、消費さ れたメタンのモルとして計算され、そしてパーセント収率は、選択性と転換をか ける事により決定される。 実施例2 実施例1に記載される手順を使用して、一連の実験を行い、先行技術の水銀触 媒を、本発明の配位(ligated)触媒と、メタンのメタノールへの酸化において比 較した。これらの実験は、300ccのオートクレーブ中で行った。触媒の濃度は、 白金触媒について50mM、およびHgSO4について100mMであった。触媒をインサイチ ュで生成した(H2Pt(OH)6+bpym+TeCl4)実験において生成するメタノールの濃度 は1.05Mであった。結果は以下の表1に与えられ、ここでパーセント選択性(メ タノールに対する)およびパーセントメタン転換は、実施例1で定義されるとお りである。 実施例3 この実施例は、96%のH2SO4中、高圧で臭化2,2'-ビピリミジン白金触媒錯体(P t(bpym)Br2)を使用するメタンの酸化を記載する。反応を、100mLのParr反応器中 で行った。 Pt(bpym)Br2(0.128g、0.25mmol)およびH2SO4(96%;5mL)の混合物を、撹拌 子とともにガラス容器に入れ、次いでこれをParrボンベ反応器に入れた。反応器 をメタンでフラッシュし、次いでメタンで400psiに加圧して、油浴中に入れた。 撹拌しながら浴を215℃まで加温した。215℃で120分後、圧力は610psiに上がっ ていた。この時点で、油浴を取り除き、そして反応器を水浴中で冷却した。冷却 後、反応器を排気し、そして出たガスを収集してGCにより分析した。GC追跡は、 0.152mmolのCO2および1.787mmolのSO2を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC追跡は、最初の反応溶液中 、487.0mMの濃度(2.435mmole)でメタノールを示した。 実施例4 この実施例は、96%のH2SO4中、高圧で塩化アンミン白金触媒錯体(c-Pt(NH3)2 Cl2)を使用するメタンの酸化を記載する。 t-Pt(NH3)2Cl2(0.175g、0.585mmol)およびH2SO4(96%;5.85mL)の混合物を、 撹拌子とともにガラス容器に入れ、次いでこれをParrボンベ反応器に入れた。反 応器をメタンでフラッシュし、次いでメタンで500psiに加圧して、油浴中に入れ た。撹拌しながら浴を180℃まで加温した。180℃で25分後、圧力は550psiに上が っていた。この時点で、油浴を取り除き、そして反応器を水浴中で冷却した。冷 却後、反応器を排気し、そして出たガスを収集してGCにより分析した。GC追跡は 、CO2(0.052mmol)、SO2(4.04mmol)、およびCH3Cl(0.402mmol)を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC追跡は、最初の溶液中、49 3.5mMの濃度(2.887mmole)でメタノールを示した。 実施例5 実施例1に記載される手順を使用して、一連の実験を行い、先行技術の水銀触 媒を、本発明の配位触媒(PtCl2、およびH2Pt(OH)6)と、メタンのメタノールへの 酸化において比較した。これらの実験を、実施例3に記載される手順を使用して Parrボンベ中で行った。触媒の濃度は、PtCl2が100mMであったことをのぞいて、 25mMであった。触媒をインサイチュで生成した(H2Pt(OH)6+bpym+TeCl4)実験に おいて生成するメタノールの濃度は1.05Mであった。結果は以下の表2に与えら れ、ここでパーセント選択性(メタノールに対する)は、最終生成物に見いだされ るメタノールのモルを、反応時間100で消費されるメタンのモルで割ることによ り決定される。 実施例6 この実施例は、96%のH2SO4中、高圧でトリエチルホスフィン白金塩酸塩触媒 錯体(Pt(PEt3)2HCl)を使用するメタンの酸化を記載する。 Pt(PEt3)2HCl(0.117g、0.25mmol)、TeCl4共酸化剤(0.107g、0.397mmol)、お よびH2SO4(96%;5mL)の混合物を、撹拌子とともにガラス容器に入れ、次いでこ れをParrボンベ反応器に入れた。反応器をメタンでフラッシュし、次いでメタン で400psiに加圧して、油浴中に入れた。撹拌しながら浴を190℃まで加温した。1 90℃で120分後、圧力は570psiに上がっていた。この時点で、油浴を取り除き、 そして反応器を水浴中で冷却した。冷却後、反応器を排気し、そして出たガスを 収集してGCにより分析した。GC追跡は、0.028mmolのCO2、0.099mmolのCH3Cl、お よび0.514mmolのSO2を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC迫跡は、51.4mMの濃度(0.2 57mmole)でメタノールを示した。 実施例7 この実施例は、102%のH2SO4中、高圧で塩化2,2'-ビピリミジン白金触媒錯体( Pt(bpym)Cl2)を使用するエタンの酸化を記載する。 Pt(bpym)Cl2(0.212g、0.50mmol)、およびH2SO4(102%;5mL)の混合物を、撹 拌子とともにガラス容器に入れ、次いでこれをParrボンベ反応器に入れた。反応 器をエタンでフラッシュし、次いでエタンで250psiに加圧して、油浴中に入れた 。撹拌しながら浴を150℃まで加温した。150℃で60分後、圧力は360psiに上がっ ていた。この時点で、油浴を取り除き、そして反応器を水浴中で冷却した。冷却 後、反応器を排気し、そして出たガスを収集してGCにより分析した。GC追跡は、 0.015mmolのCO2、および0.760mmolのSO2を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC追跡は、16.6mMの濃度で1, 2-エタンジオール、および7.6mMの濃度で1-クロロ-2-エタノールを示した。 実施例8 この実施例は、102%のH2SO4中、高圧で2,2'-ビピリミジン白金硫酸塩触媒錯 体(Pt(bpym)SO4)を使用するエタンの酸化を記載する。 Pt(bpym)SO4(0.112g、0.25mmol)、およびH2SO4(102%;5mL)の混合物を、 撹拌子とともにガラス容器に入れ、次いでこれをParrボンベ反応器に入れた。反 応器をエタンでフラッシュし、次いでエタンで250psiに加圧して、油浴中に入れ た。撹拌しながら浴を150℃まで加温した。150℃で60分後、圧力は360psiに上が っていた。この時点で、油浴を取り除き、そして反応器を水浴中で冷却した。冷 却後、反応器を排気し、そして出たガスを収集してGCにより分析した。GC追跡は 、0.015mmolのCO2、および2.352mmolのSO2を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC追跡は、32.6mMの濃度でエ タノール、および1.8mMの濃度で酢酸を示した。続くイオンクロマトグラフィー は、イセチオン酸、HOCH2CH2SO3H、を644mMの濃度で示した。 実施例9 実施例3に記載される手順を使用して、一連の単座配位子白金触媒錯体を、96 %のH2SO4中メタンのメタノールへの酸化に対する活性について試験した。結果 は以下の表3に与えられ、ここで「選択性」は、最終反応生成物に見いだされる メタノールのモルを、反応時間100で消費されるメタンのモルで割ることにより 決定される、メタノール生成物に対するパーセント選択性を示す。 実施例10 実施例3の手順を使用して、さらに一連の白金触媒(錯体化、または非錯体化) を、メタンのメタノールへの酸化について試験した。結果は以下の表4に与えら れ、ここで使用される配位子は、enすなわちエチレンジアミン、bpyすなわち2,2 '-ビピリジン、bpymすなわち2,2'-ビピリミジン、bpym'すなわち4,4'-ビピリミ ジン、bpyzすなわち2,2'-ビピラジン、bpdzすなわち3,3'-ビピリダジンを含む。 選択性は、上記の実施例9において記載されるように決定した。 *酸化を助けるためにTeCl4を溶媒へ加えた 実施例11 実施例1に記載される反応手順を使用して、メタンのメタノールへの触媒的酸 化における、予め形成された触媒錯体とインサイチュで形成される触媒錯体との 比較を行った。この場合、使用される触媒錯体は、上記で記載されるように予め 形成されたPt(bpym)Cl2であるか、または触媒成分(ビピリミジン、塩化物、およ び白金、またはビピリミジン、硫酸塩、および白金)からインサイチュで形成さ れた。結果は表5に示される。これらの反応を、300ccのオートクレーブで行っ た。これらの実験に対する白金濃度は50mMであった。反応を、500psigのCH4/Ne 下、215℃で90分行った。化学量論的な「Pt(bpym)(Cl)(OSO3H)」触媒を、Pt(bpy m)Cl2およびPt(bpym)SO4をそれぞれ25mM加えることにより調製した。 実施例12 実施例11に記載されるのと類似の様式で、触媒錯体が種々のモル比の触媒成分 (ビピリミジン、塩化物、および白金)からインサイチュで調製される場合の、メ タンのメタノールへの酸化における塩化ビピリミジン白金触媒錯体の触媒活性を 試験した。これらの変更の触媒活性に対する影響は、以下の表6に示され、ここ で、形成されたメタノールの量(mMで)は表にした欄に与えられる。 実施例13 本発明の触媒錯体の活性に対する種々の共触媒の効果を、実施例3に開示され る一般的手順を使用して評価した。以下の表7に与えられる実験結果は、メタノ ール生産性に対するハロゲン化物およびテルル塩のような添加物の効果を示す。 実験を、Parrボンベ中400psigのCH4/Ne下、96%H2SO4中で120分間行った。白金 濃度は、各実験において50mMであった。 実施例14 さらなる配位白金触媒錯体を、実施例3の一般的手順を使用して、メタンのメ タノールへの転換について試験した。試験された触媒、および関係する試験条件 、ならびに結果を以下の表8に列挙する。py ピリジン Me1m 1-メチルイミダゾール DPP 2,3-ビス(2-ピリジル)ピラジン Tp ヒドリド-トリス(1-ピラゾリル)ボレート pdtri 3-(2-ピリジル)-5,6-ジフェニル-1,2,4-トリアジン-p,p'-ジスルホ ン酸 tacn 1,4,7-トリアザシクロノナン aquin 5-アミノキノキサリン biim 2,2'-ビイミダゾール pybpym 4-(2-ピリジル)-2,2'-ビピリミジン dpbpym 4,6-ジフェニル-2,2'-ビピリミジン phbpym 6-フェニル-4-ヒドロキシ-2,2'-ビピリミジン TAP 1,4,5,8-テトラアザフェナントレン HAT 1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン pypym 2-(2-ピリジル)ピリミジン 実施例15 表9は、実施例7の一般的手順を使用した、エタノール、1,2-エタンジオール 、およびハライド置換アナログへのエタンの選択的酸化を調査したいくつかの実 験を列挙する。これらの実験を、300psigのCH3CH3/Ne(2.99mol%のNe)を使用し て、Parrボンベで行った。硫酸濃度、反応温度、および時間を、表に列挙する。 Ne、O2、N2、CH3CH3、CO2、およびCH3CH2Clを含む気体を収集し、そしてメタン 実験におけるようにGCにより分析した。液相を、蒸留水で1:3に希釈し、95℃ で2時間加熱して重硫酸エステルをアルコールへ加水分解し、そしてHPLCにより 分析した。HPLCは、エタノール、1,2-エタンジオール、酢酸、1-クロロ-2-エタ ノール、およびアセトアルデヒドについて較正した。 X=Cl、Br、OSO3H 実施例16 この実施例は、96%のH2SO4中、高圧でPt(NH2CSCSNH2)Cl2を使用するメタンの 酸化を記載する。 Pt(NH2CSCSNH2)Cl2(0.098g、0.25mmol)、およびH2SO4(96%;5mL)の混合物 を、撹拌子とともにガラス容器に入れ、次いでこれをParr反応器に入れた。反応 器をメタンでフラッシュし、次いでメタンで400psiに加圧して、油浴中に入れた 。撹拌しながら浴を190℃まで加温した。190℃で120分後、圧力は620psiに上が っていた。この時点で、油浴を取り除き、そして反応器を水浴中で冷却した。冷 却後、反応器を排気し、そして出たガスを収集してGCにより分析した。GC追跡は 、1.545mmolのCO2、および3.369mmolのSO2を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC追跡は、最初の反応溶液中 98.4mMの濃度(0.492mmole)でメタノールを示した。 実施例17 この実施例は、96%のH2SO4中、高圧でPtS2を使用するメタンの酸化を記載す る。 PtS2(0.198g、0.76mmol)、およびH2SO4(96%;5mL)の混合物を、撹拌子と共 にガラス容器に入れ、次いでこれをParr反応器に入れた。反応器をメタンでフラ ッシュし、次いでメタンで440psiに加圧して、油浴中に入れた。撹拌しながら浴 を180℃まで加温した。180℃で85分後、圧力は630psiに上がっていた。この時点 で、油浴を取り除き、そして反応器を水浴中で冷却した。冷却後、反応器を排気 し、そして出たガスを収集してGCにより分析した。GC追跡は、1.274mmolのCO2、 および5.422mmolのSO2を示した。 反応溶液の1mLアリコートを3mLのH2Oに希釈し、そしてサンプルバイアルに 密閉し、これを95℃で120分間加熱ブロック中に置いた。加水分解後、溶液を冷 却し、遠心分離し、そしてHPLCにより分析した。HPLC追跡は、最初の反応溶液中 69mMの濃度(0.345mmole)でメタノールを示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 31/04 C07C 31/04 31/08 31/08 31/34 31/34 67/00 67/00 69/14 69/14 C07D 237/08 C07D 237/08 239/26 239/26 241/12 241/12 // C07C 51/16 C07C 51/16 53/08 53/08 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, US,UZ,VN,YU (72)発明者 ギャンブル,スコット アメリカ合衆国 カリフォルニア 94544, ヘイワード,グッドウィン ストリート 238 (72)発明者 トーブ,ヘンリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94305, スタンフォード,ジェロナ ロード 441

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.低級アルカンを部分酸化してエステルを形成するためのプロセスであって、 該プロセスは、該低級アルカン、酸化剤、強酸、および白金族と単座または多座 配位子錯体を形成するヘテロ原子含有配位子で安定化された触媒量の白金族を含 む触媒を接触させる工程を含み、該錯体は該強酸中約180℃の温度で少なくとも 約10分間安定であり、そして該接触させる工程はエステル化条件で起こり、存在 する触媒金属のモル量よりも大きいモル量で該酸の低級アルキルエステルまたは プロトン化アルコールを生成する、プロセス。 2.前記触媒がヘテロ原子含有配位子で安定された白金族であり、ここで該ヘテ ロ原子が白金族と二座配位子錯体を形成する窒素である、請求項1に記載のプロ セス。 3.前記触媒が、ハロゲン化物イオン、およびテルルもしくはアンチモンの無機 塩、またはそれらの混合物から選択される共触媒を組み込む、請求項1または2 に記載のプロセス。 4.前記白金族が白金およびパラジウムから選択される、請求項3に記載のプロ セス。 5.前記白金族が白金である、請求項4に記載のプロセス。 6.前記触媒が式MLmXnの錯体を含み、ここで、Mは白金族であり、Lは、必要に 応じて1個以上の、ヒドロカルビル基もしくは置換ヒドロカルビル基、または-S O3H、フッ化物、もしくは塩化物から選択される置換基、あるいはそれらの任意 の混合物で置換されたビジアジン配位子であり、Xは、ハロゲン化物、ヒドロキ シド、硫酸塩、重硫酸塩、トリフレート、硝酸塩、およびリン酸塩から選択され る酸化耐性アニオンであるか、または用いられる前記強酸の共役アニオン塩基で あり、mは1または2であり、そしてnは1〜8の整数である、請求項2に記載の プロセス。 7.Mが白金であり、そしてLが以下の式のビジアジン配位子である、請求項6に 記載のプロセス:ここで、Y、Y'、Z、およびZ'は、窒素または炭素であるが、ただしY、Y、Z、お よびZ'のうち1個は窒素でなければならず、かつY、Y'、Z、およびZ'の残りは炭 素でなければならず、RおよびR'は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビ ル、フッ化物もしくは塩化物、または-SO3Hであり、そしてm'およびn'はそれぞ れ、0、1、2、または3である。 8.前記触媒がさらに、テルルおよびアンチモンの無機塩またはそれらの混合物 から選択される共触媒を、前記触媒錯体との完全な混合物で含む、請求項6また は7に記載のプロセス。 9.前記ビジアジン配位子が2,2'-ビピリミジンであり、そしてXが塩化物、臭化 物、およびヨウ化物から選択されるハロゲン化物である、請求項6に記載のプロ セス。 10.前記白金族が白金である、請求項9に記載のプロセス。 11.前記触媒がさらに、テルルのハロゲン化物塩を、前記触媒錯体との完全な 混合物で含む共触媒を含む、請求項10に記載のプロセス。 12.前記酸化剤が、HNO3、過塩素酸、次亜塩素酸塩、過酸化化合物(H2O2、CH3 C O3H、K2S2O8)、O2またはO3、SO3、NO2、H2SO4、シアン、キノン、ハロゲン、セ レンカチオン、テルルカチオン、および0.3ボルトより大きい酸化還元電位を有 する他の酸化物質からなる群より選択される、請求項1、2、6、7、または1 1に記載のプロセス。 13.前記酸が、HNO3、H2SO4、CF3CO2H、CF3SO3H、H3PO4、HCl、HF、HPA(ヘテ ロポリ酸)、B(OH)3、(CF3SO22HN、(CF3SO2)3CHなど、H4P2O7、H2S2O7などの ようなこれらの酸の無水物、および2種以上のこれらの酸と無水物との混合物、 ならびにCH3CO2H/BF3、H3PO4/BF3、H3PO4/SbF5、HF/BF3のようなルイス酸と酸と の混合物からなる群より選択される、請求項12に記載のプロセス。 14.前記低級アルカンがメタン、エタン、またはプロパンから選択される、請 求項1、2、6、7、または11に記載のプロセス。 15.前記低級アルカンがメタンである、請求項14に記載のプロセス。 16.前記酸化剤が、SO3、H2SO4、およびO2から選択される、請求項11に記載 のプロセス。 17.前記酸がH2SO4である、請求項16に記載のプロセス。 18.前記酸化剤がH2SO4である、請求項17に記載のプロセス。 19.前記低級アルカンがメタンまたはエタンである、請求項18に記載のプロ セス。 20.前記低級アルカンがメタンである、請求項19に記載のプロセス。 21.前記触媒が、前記低級アルカンの反応剤を接触させる前に、前記強酸中で 、 白金化合物、ビジアジン化合物、および酸化耐性アニオンを含む無機塩を混合す ることによりインサイチュで調製される、請求項7または9に記載のプロセス。 22.前記強酸がH2SO4である、請求項21に記載のプロセス。 23.前記無機塩が、塩化物、臭化物、またはヨウ化物から選択されるアニオン を含むハロゲン化金属である、請求項22に記載のプロセス。 24.テルルのハロゲン化物塩を含む共触媒がまた、前記低級アルカンの反応剤 と接触する前に前記強酸に加えられる、請求項23に記載のプロセス。 25.前記低級アルカンが、メタン、エタン、またはプロパンから選択される、 請求項24に記載のプロセス。 26.前記低級アルカンの反応剤がメタンである、請求項25に記載のプロセス 。 27.式MLmXnの触媒的に活性な白金族/配位子錯体を含む触媒組成物であって 、ここで、Mは白金族であり、Lは、必要に応じて1個以上の、ヒドロカルビル基 もしくは置換ヒドロカルビル基、あるいは-SO3Hおよびフッ化物もしくは塩化物 またはそれらの任意の混合物から選択される置換基で置換されたビジアジン配位 子であり、Xは、ハロゲン化物、ヒドロキシド、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、お よびリン酸塩から選択される酸化耐性アニオンであり、mは1または2であり、 そしてnは1〜8の整数である、触媒組成物。 28.前記白金族が、白金またはパラジウムから選択される、請求項27に記載 の触媒組成物。 29.前記白金族が白金である、請求項28に記載の触媒組成物。 30.Xが、塩化物、臭化物、またはヨウ化物から選択されるハロゲン化物であ る、請求項29に記載の触媒組成物。 31.Lが以下の式のビジアジン配位子である、請求項29に記載の触媒組成物 : ここで、Y、Y'、Z、およびZ'は、窒素または炭素であるが、ただしY、Y'、Z、お よびZ'のうち1個は窒素でなければならず、かつY、Y'、Z、およびZ'の残りは炭 素でなければならず、RおよびR'は、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビ ル、フッ化物、または-SO3Hであり、そしてm'およびn'はそれぞれ、0、1、2 、または3である。 32.前記触媒がさらに、テルルおよびアンチモンの無機塩またはそれらの混合 物から選択される共触媒を、前記触媒錯体との完全な混合物で含む、請求項27 または31に記載の触媒組成物。 33.前記ビジアジン配位子が2,2'-ビピリミジンである、請求項31に記載の 触媒組成物。 34.前記触媒がさらに、テルルの無機塩である共触媒を前記触媒錯体との完全 な混合物で含む、請求項33に記載の触媒組成物。 35.前記テルルの無機塩が、塩化テルル、臭化テルル、またはヨウ化テルルか ら選択されるハロゲン化テルルである、請求項34に記載の触媒組成物。 36.強酸溶媒中に溶解された、請求項27に記載の触媒組成物。 37.前記強酸がH2SO4である、請求項36に記載の触媒組成物。 38.前記触媒錯体が、白金族化合物、ビジアジン配位子、および前記酸化耐性 アニオンを含む無機塩を、前記強酸溶媒中混合することにより調製される、請求 項36に記載の触媒組成物。 39.前記触媒がさらに、前記触媒錯体との完全な混合物で、テルルまたはアン チモンの無機塩またはそれらの混合物である共触媒を含む、請求項27に記載の 触媒組成物。 40.前記低級アルカンの部分酸化により得られる低級アルキルエステルが、続 いて求核剤と反応して該低級アルカンの官能化誘導体を生成する、請求項1、2 、6、7、9、または11に記載のプロセス。 41.前記求核剤が、Yが(OH、SH、Cl、Br、I、NH2、またはCN)である式H-Yの化 合物を含む、請求項40に記載のプロセス。 42.前記求核剤がH2Oであり、そして前記官能化誘導体が前記低級アルカンの 出発物質の一価または多価アルコール誘導体である、請求項41に記載のプロセ ス。 43.前記求核剤がH2Sであり、そして前記官能化誘導体が前記低級アルカンの 出発物質のアルキルチオール誘導体である、請求項41に記載のプロセス。 44.前記低級アルカンがメタンであり、そして前記官能化誘導体がメタノール である、請求項42に記載のプロセス。 45.前記低級アルカンの部分酸化により得られる低級アルキルエステルが、 (a)前記低級アルキルエステルを求核剤と反応させて該低級アルカンの官能化誘 導体を生成する工程、および(b)該低級アルカンの該官能化誘導体をより大きい 分子量の炭化水素へ触媒的に変換する工程、により、より大きい分子量の炭化水 素へ変換される、請求項1、2、6、7、9、または11に記載のプロセス。 46.低級アルカン供給流れが酸性媒体中酸化剤で触媒的に酸化されてエステル を生成し、次いでそのように得られた該エステルは求核剤と反応して官能化中間 体を生じ、続いて該官能化中間体をより大きい分子量の炭化水素へ触媒的に変換 する、該低級アルカン供給流れを相対的により大きい分子量の炭化水素に変換す るためのプロセスであって、該プロセスは、改良点として、触媒的酸化において 、白金族と単座または多座配位子錯体を形成するヘテロ原子含有配位子で安定化 された触媒量の白金族を含む触媒を使用することを包含し、該錯体が約180℃の 温度で少なくとも約10分間、酸性媒体中で安定である、プロセス。
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