JP2001524113A - 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルを含有する歯科用抗菌材料 - Google Patents

2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルを含有する歯科用抗菌材料

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JP2001524113A JP54725598A JP54725598A JP2001524113A JP 2001524113 A JP2001524113 A JP 2001524113A JP 54725598 A JP54725598 A JP 54725598A JP 54725598 A JP54725598 A JP 54725598A JP 2001524113 A JP2001524113 A JP 2001524113A
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Abstract

(57)【要約】 抗菌作用を有する重合性歯科用材料を提供する。それらは歯科用保護用表面被膜剤、コンポジット、コンポマー、裂溝封鎖剤、歯科用セメント、歯科用接着剤および類似の材料のような歯科用材料を含み、さらに、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルを含有する。

Description

【発明の詳細な説明】 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル を含有する歯科用抗菌材料関連出願 この出願は、1997年4月28日に提出された米国仮出願第60/044, 995号に基づく優先権を主張するものである。技術分野 本発明は重合可能な歯科材料に関する。特に、本発明は抗菌効果を有するその ような材料に関する。具体的には、本発明は、歯科用保護塗剤(protective dent al varnishes)、コンポジット類(composites)、コンポマー類(compomers)、 裂溝封鎖剤(fissure sealants)、歯科用セメント(dental cements)、歯科用 ボンディング剤(dental bonding agents)などの歯科材料であって、2,4, 4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルを含むものに関する。発明の背景 細菌の繁殖(bacterial flora)と歯周病やカリエスの進行との関係を立証す る多数の刊行物がある[P.Axelsson et al.in:J.Clin.Perio.5,133-151(1 978)]。それゆえ、このような歯科の病気を減らすために、細菌の繁殖を抑える 必要がある。 口腔内での細菌の繁殖を抑えるためにこれまで最も広く採られてきた方法は、 機械的清浄化法たとえば歯をブラッシングすることであった。この方法は個別的 処置としてはかなり有効であることがわかってきたが、再発率はそれでも高い。 また、人々に生涯にわたって続けられる良い口腔衛生習慣を身につけさせる、と いう課題もある。 口腔内微生物を抑制するために各種材料が開発されてきた。それらの中には、 クロルヘキシジンや四級アンモニウム塩などの抗菌剤を含むマウスリンス、歯磨 き剤(dentlfrices)、ジェルなどがある。ただし、これらの材料には短期間の 抗菌作用しかない。 クロルヘキシジンをポリマー中に埋め込んで塗剤とすることにより、抗菌剤を 連続的に放出する材料ができている。しかしながら、この材料にはいくつかの欠 点が見られている。たとえば、クロルヘキシジンには変色および味覚変化といっ た副作用があることが報告されており、この副作用を低減しようとして希釈した り芳香剤を用いたりしてもうまく行かないことが多かったことから、これまで広 く受け入れてはもらえなかった。 さらに重要なことは、こうしたクロルヘキシジン塗剤は限られた期間しか有効 でないということである。これは、そのポリマーマトリックスが架橋されていな いため、抗菌剤が数日以内に溶脱するのを防ぐことができないからである。たと えば、米国特許第4496322号には、クロルヘキシジンアセテート、ベンゾ インガム、および口腔受容性の溶媒からなる歯科用塗剤が開示されている。この 組成物は、歯に塗布されると乾燥して被膜を形成し、その被膜が抗菌剤を数日間 にわたって連続的に放出する。 PCT国際公開第89/10736号(PCT WO 89/10736)には、クロルヘキ シジンを加えて口腔内液に可溶にした歯科用グラスポリアルケノエートセメント (dental glasspolyalkenoate cements)が記載されている。しかしながら、こ の材料は歯に塗布されてから1〜4週間で溶解するため、長期間用の歯科材料と しては適していない。 広い抗菌スペクトルをもつ抗菌剤2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキ シジフェニルエーテルは、また「トリクロサン」として25年以上も前から知ら れている。これは、石鹸、手の消毒剤、消臭剤、洗濯用品、織物処理、洗剤、フ ットパウダー、シャンプー、あるいは使い捨て用紙製品に広く用いられている。 これは、多くの有機溶媒に溶け、加水分解に対して安定であり、ヒトおよび環境 に対して安全であるとされている。トリクロサンはきわめて効果的な抗微生物剤 であって、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方に効くとともに、真菌、酵母 およびウイルスにも有効な広い抗菌スペクトル活性をもっている[Ciba-Geigy:I rgasan,Important toxicological and ecological data,2512 E;Ciba-Gelgy: Irgasan MP:General information on chemical,physical,microbiological an d toxicological properties]。長期の実験においても、トリクロサンに対する 細菌の耐性は出てこなかった[C.L.Jones et al.,in:J.Dent.Res.67,46- 50(1988)]。 より最近になって、トリクロサンは歯磨き(toothpastes)やマウスリンスと いったオーラルケア製品にも使われ始めた。コルゲートパーモライブ社(Colgat e Palmolive Company)ではトリクロサンを歯磨きの成分として採用し、それが 歯垢細菌に対して効果的だということを証明した[Bolden T.E.et al.in:J. Clin.Dent.4,125-131(1992)]。トリクロサンを含む歯磨き剤の試験では、歯 垢を減少させることがわかった[K.W.Stephen et al.,in:J.Periodontal.6 1,674-679(1990)]。発明の目的 本発明の目的は、重合性歯科用材料を提供することである。 本発明の他の目的は、微生物と関連のあるカリエスや他の歯の病気を減少させ るのを促進する材料を提供することである。 本発明のさらなる目的は、抗菌剤を有する材料を提供することにより抗菌効果 をもたらすことである。 本発明のさらに他の目的は、抗菌剤を有しない材料に近い物性を有する歯科用 材料を提供することである。 本発明のこれらの目的、およびここでの記載から明らかになるであろう他の目 的は、以下記載され、また請求の範囲に記載された本発明によって達成される。本発明の要約 広いスペクトラムを有する抗菌剤のトリクロサン約0.001〜約20重量% を、他の歯科用材料に添加することで上記目的を達成することができる。トリク ロサンの水溶性は低く、架橋したポリマーマトリックス中に包埋され、またトリ クロサンの溶脱は少ないので、長期間の抗菌効果が得られる。トリクロサンの有 効量を加えても、歯科用材料の機械的性質には影響をおよぼさない。本発明を実施するための好適な実施態様 本発明は、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル を組成物中に混合することによって抗菌効果を有する重合性歯科用材料であるこ とを特徴とする。抗菌効果を有する硬化性歯科用材料は、歯の予防や回復治療の ために提供されるものであり、この材料にはエナメル、象牙質、歯科用金属等と 共に使用することを意図する材料も含まれる。 本発明の歯科用材料は、単一もしくは複数の架橋性または硬化性の樹脂材料の マトリックスを含むことが好ましい。そのような材料には、たとえば、メタクリ レート化合物(好ましくは、ジメタクリレート)、ウレタン化合物等が挙げられ る。従来のどのような歯科用樹脂または硬化性の歯科用マトリックス材料も本発 明の範囲に含まれる。また、歯科用材料は、フィラー、フッ化物、安定剤、開始 剤、溶剤および歯科用材料中で従来から使用されている他の物質を含むことがで きる。 以下に具体的に説明するように、歯科用材料にトリクロサンを導入すると抗菌 性が付与される。この抗菌性により、カリエスや他の微生物関連の歯の疾患が減 少させられる。通常、歯科用材料は、歯が損壊のおそれに曝されたり、あるいは 既に損壊を受けた場合に使用されるので、これら歯科用材料へのトリクロサンの 導入は、口腔内の最も必要とされ、或いは所望される箇所に正確に抗菌性物質を 送達できるという更なる利点を有する。 本発明に係る硬化性歯科用材料においては、抗菌剤であるトリクロサンをポリ マーマトリックス中に包埋する。このようにすると、トリクロサンはこれら歯科 用材料から急速には溶脱できないので、これら材料に長期持続性の抗菌効果が付 与される。本発明のかかる観点について以下に具体的に説明する。 トリクロサンの導入は、歯科用ボンディング剤、コンポジット修復材、コンポ マー修復材、裂溝封鎖剤、或いは他の慣用の抗菌効果の所望される歯科用材料に 用いることができる。予想に反して、これら歯科用材料中への十分量のトリクロ サンの導入は、これら材料の機械的性質に有害な影響を与えないことが判った。 上記で簡単に説明した重合性歯科用材料は、硬化すると重合体を形成する材料 である。この重合体形成の機構は、化学的に、或いは(例えば、可視光の)照射 により開始することができる。化学的硬化はラジカル重合または酸塩基反応によ り起こすことができる。重合性歯科用材料は、コンポジット、コンポマー、裂溝 封鎖剤、歯科用セメント、歯科用ボンディング剤、および他の類似の材料を包含 している。 これら歯科用材料に、約0.001〜約20重量パーセントのトリクロサンを 導入することで抗菌効果を具有せしめる。トリクロサンは、好ましくは未重合状 態の歯科用材料に添加する。硬化すると、重合体の網目構造が形成され、この構 造は歯科用材料を硬化させるだけでなく、トリクロサンに対するマトリックスと して働き、トリクロサンを急速に溶脱しないように包埋する。この重合体網目構 造が、トリクロサンの長期に亘る抗菌性効力を確実なものにする。 [一般的実験例] 以下の各実施例は、本発明を更に具体的に説明するためのものである。本発明 を具体的に説明するために、それぞれ種々の量のトリクロサンを含む、歯科用保 護用表面被膜剤、コンポジット歯科用修復材および歯科用ボンディング剤を調製 した。しかし、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではなく、上 述したように、他の種々の歯科用材料もまた本発明の範囲に包含されるものであ ることは理解されるべきである。以下に例示する本発明の実施例のそれぞれにつ いて、その抗菌効果、溶脱傾向および/またはそれに関連する物理的または機械 的性質を試験した。 実施例1:抗菌性保護表面被膜剤 次の成分を含有する、露出した象牙質に適した抗菌性保護表面被覆剤を調製し た。 実施例1組成物 − エタノール 80重量% − UDMA−樹脂(2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13−ジオキ ソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1,16−ジイル ジメタクリレート) 10.5重量% − PENTA(ジペンタエリトリトールペンタアクリレエートモノホスフェー ト 4.8重量% − ウレタン樹脂R5−62−1(7,7,9,63,63,65−ヘキサメチ ル−4,13,60,69−テトラオキソ−3,14,19,24,29,34 ,39,44,49,54,59,70−ドデカンオキサ−5,12,61,6 8−テトラアザ−ドヘプタコンタ−1,72−ジイルジメタクリレート) 3. 0重量% − 4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.6重量% − 2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール 0.1重量% − セチルアミンフッ化水素酸塩 0.2重量% − トリメチロールプロパントリメタクリレート 0.6重量% − カンファーキノン 0.2重量% この混合物(100重量%)に、下記に述べるトリクロサンをいろいろな量で 添加した。この表面被覆剤は粘度が低く、象牙質の中に深く浸透した。塗布した 後、風乾することによって溶剤を除去した。歯科硬化用ランプを用いることによ り可視光で20秒間硬化処理を行った。薄いが、強いポリマーフィルム(約2な いし6ミクロンの厚さ)が残った。 抗菌試験 以下に述べるように、インビトロ試験で、上記組成物(2重量%トリクロサン )のフィルムがストレプトコッカス・ミュータンスに対して抗菌作用を持つこと が示された。 テストプレートに約50μlの実施例1の抗菌表面被膜剤組成物を入れた。対 照として、フッ化物及び/またはトリクロサンを含まない以外は組成が同じ同様 な処方物を調製した。溶剤のエタノールを窒素下で蒸発させ、表面被膜剤を酸素 阻害による不完全な重合を防止するため窒素下で光硬化させた。 これらのテストプレートに、ほぼ5×104CFUのストレプトコッカス・ミ ュータンスを含むPBS+10%血清の液50μlを入れた。接触時間は37℃ で30秒、10分、1時間、3時間、6時間とした。液を入れないテストプレー トをネガティブコントロールとして使用した。各試験は3連でおこなった。つい で、試験溶液を新しいプレートに移し増殖させた。MTTテストを行って生きて いるストレプトコッカス・ミュータンスを検出した。 この試験は日を変えて2回行った。表Iと表IIに得られた結果を示す。 表I 表II これらの試験からトリクロサンを含む抗菌性表面被膜剤処方物はストレプトコ ッカス・ミュータンスに対しては効力が高いことがわかる。 材の溶出後にも抗菌効果が残ることを示すために、37℃で7日間0.9%N aCl中で前もって溶出した同種のテストプレートで試験を繰り返した。やや低 下はするものの、トリクロサン含有テストプレートの抗菌効力は顕著である。結 果を表IIIに示す。 表III 溶脱試験 表面被膜剤中のその抗菌効果にも拘わらず、トリクロサンの溶脱率が低いこと を示すために、約1.2g(幅2mm、直径25mm)のプラーク(plaque)を、 溶媒エタノール(上記のように樹脂混合物基準でトリクロサン含量6.25重量 %)以外は、実施例1の表面被膜剤成分の混合物から作成した。これらプラーク を光硬化しそして人工唾液(リンゲル液)中に37℃で20日間保存した。UV /Vis分光分析により、トリクロサンは人工唾液中に見いだされなかった。対 照実験においては、プラーク中に包埋されたトリクロサンの全量の0.1%以下 が溶脱した。然しながらプラーク中に含まれているフッ化物は、多分フッ化物イ オンが比較的小さな寸法であるが故に、溶脱した。 この低いトリクロサン溶脱は他の実験によっても証明された。上記記載のプラ ークを500回の熱サイクルに掛けた(5℃と55℃、各20秒)。熱サイクル 前後の秤量により1%の重量差が示されそしてもし全てのトリクロサンが溶脱し てしまったときに期待される6.25%の損失は見られなかった。 プラークのトリクロサン溶脱を測定する実験をかなり高濃度のトリクロサンを 含む混合物(樹脂混合物基準で40重量%)で繰り返した。再び、プラークを溶 媒エタノール以外の表面被膜剤成分の混合物から作成した。 これらプラークを光硬化しそして人工唾液(リンゲル液)中に37℃で14日 間保存した。UV/Vis分光分析により、トリクロサンの幾らかが人工唾液中 に見いだされた。キャリブレーションによりこれはプラーク中の全トリクロサン 含量のたった0.2%の溶脱に相当することを示した。 機械的性質 表面被膜の堅さに関するトリクロサンの効果を証明するために、トリクロサン の含量を変えた(樹脂混合物基準の重量%)約1.2g(幅2mm、直径25m m)のプラークを溶媒エタノールを除く実施例1の表面被膜剤成分の混合物から 作成した。樹脂比率の異なった混合物を使用した。プラークを光硬化し、そして バーコル硬度(Barcol hardness)を測定した。 低濃度のトリクロサンを含む抗菌表面被膜の硬度はトリクロサンを全く含まな い表面被膜の硬度に比べて高いことが見出された。かなり高濃度のトリクロサン 濃度に於いてのみ表面被膜の硬度は低下した。 熱サイクル(500サイクル、5℃で20秒間、55℃で20秒間)により硬 度は幾らか低下したが、トリクロサンを全く含まない組成物でのものよりも顕著 には低下しなかった。機械的試験結果を表IVに報告する。 表IV:硬化した樹脂組成物の硬度(バーコル硬度 934−1) * 「<」は「以下」を意味する。 実施例2:抗菌コンポジット 複合修復材を、73.7%ガラスフィラー(γ−メタクリロイルオキシプロピ ルトリメトキシシランでシラン化したBarium Aluminum Corning 7724 ガ ラス)と26.3%樹脂マトリックスから混合して得た。樹脂マトリックスは、 次の材料からなっていた。 実施例2組成 98.582重量% EBPADMAウレタン樹脂(エトキシ化ビスフェノー ル−A−ジメタクリレートウレタン樹脂) 0.025重量% 2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾル 0.163重量% カンファーキノン 0.4重量% 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.65重量% N−メチル−ジエタノールアミン 0.018重量% 2,5−ジヒドロキシテレフタル酸ジエチルエステル 0.081重量% トリエチレングリコールジメタクリレート 0.081重量% ビスフェノール−A−ジメタクリレート フィラーと樹脂を混合する前に、樹脂マトリックス中にトリクロサンを溶解さ せることにより、トリクロサンの種々の量を含ませた。 抗菌効果 インビトロ試験では、トリクロサンの種々の量を含む、手動混合した複合修復 材は、ストレプトコッカス・ミュータンスに対する抗菌効果を有することが示さ れた。 テストプレートの各々に、硬化した複合材の単一の円柱状試料(直径5mm、 高さ約2mm)を入れた。これらのテストプレートに、PBS+10%血清中ス トレプトコッカス・ミュータンスの約5×104CFUを含む液体50μlを入 れた。接触時間は、37℃で30秒間、10分間、1時間、3時間および6時間 とした。液体を入れないテストプレートは、ネガティブコントロールとして使用 した。各試験を3回行った。続いて、試験溶液を新しいプレートに移し増殖させ た。MTTテストを行い、生存しているストレプトコッカス・ミュータンスを検 出した。 殺菌と37℃での0.9%水性NaCl溶液を用いた7日間の前溶出の後に、 同じ試料で試験を繰り返した(表Vの第2溶出を参照)。これらの複合材は、ト リクロサン含有量に伴い増加しそして前溶出の後は減少するという驚く抗菌効果 を示した。 表V 実験用歯科複合材の抗菌特性 *はマトリックス基準 機械的特性 トリクロサンの種々の量を含む上記の手混合複合修復材の圧縮強度を測定した 。結果を表VIに示す。 表VI:複合修復材の圧縮強度 *はマトリックス基準 本発明の複合修復材を用いると、圧縮強度の変化は、マトリックス中の10% トリクロサン含有量まで見られなった。しかし、15%トリクロサンでは、圧縮 強度がいくらか減少した。 実施例3:抗菌性歯科用接着剤 トリクロサン(trichlosan)を含む抗菌性歯科用接着剤配合物を接着および抗 菌性についてテストした。接着剤は下記の物質からなっていた。 実施例3の組成 −80重量% エタノール −10.5重量% UDMA−樹脂(2,7,7,9,15−ペンタメチル−4 ,13−ジオキソ−3,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1 ,16−ジイルジメタクリレート) −4.8重量% PENTA(ジペンタエリトリトール ペンタアクリレート モノフォスフェート) −3.0重量% ウレタン樹脂R5−62−1(7,7,9,63,63,65 −ヘキサメチル−4,13,60,69−テトラオキソ−3,14,19,24 ,29,34,39,44,49,54,59,70−ドデカンオキサ−5,1 2,61,68−テトラアザ−ドヘプタコンタ−1,72−ジイルジメタクリレ ート) −0.6重量% エチル 4−ジメチルアミノベンゾエート −0.1重量% 2,6−ジ−tert−ブチル−P−クレゾール −0.2重量% セチルアミン ヒドロフルオリド −0.6重量% トリメチロールプロパン トリメタクリレート −0.2重量% カンファーキノン この混合物(100%)に、下記の種々な量のトリクロサンを添加した。 抗菌性のテスト 試験管内でのテストにおいて、種々な量のトリクロサンを含む歯科用接着剤は 、ストレプトコッカス・ミュータンスに抗菌効果を有することが示された: テストプレートを、上記物質を含む歯科用接着剤の約50μlで充たした。溶 媒エタノールを窒素雰囲気下で蒸発し、そして酸素阻害による不完全な重合を防 止するために、表面処理剤を窒素雰囲気下で光硬化した。 これらのプレートを、PBS+10%血清中に約5×104CFUのストレプ トコッカス・ミュータンスを含む液体の50μlで充たした。接触時間は、37 ℃で30秒、10分、1時間、3時間および6時間であった。未充填のテストプ レートをネガティブコントロールとして使用した。各テストは3回行った。次に 、テスト溶液を新しいプレートに移し、そして濃縮(enrichment)にかけた。 MTTテストを行って、生存しているストレプトコッカス・ミュータンスを検出 した。上記物質の溶出後に抗菌効果がなお存在していることを示すために、37 ℃で7日間0.9%NaCl中で滅菌および前溶出を行った後に、上記テストを 同じテストプレートを用いて繰り返した(表VII、第2溶出参照)。抗菌効力は いくらか低くなるが、その効力はなお、トリクロサン含有テストプレートにおい て顕著である。 表VII:第1および第2溶出におけるトリクロサン含有歯科用接着剤の抗菌効果 *樹脂母材に基づく これらの結果は、本発明の抗菌性歯科用接着剤が、トリクロサンの含有量の上 昇に伴って上昇する著しい抗菌効果を示すということを表している。また、溶出 後、抗菌性歯科用接着剤はなお、初期よりもわずかばかり低い抗菌効力を示す。 機械的特性 機械的特性の評価のために、エタノールの代わりにアセトンを溶剤(80重 量%)として使用した処方物を用いた。その他の点において、組成物は変化する ことのないままであった。抗菌性接着剤を塗布する前の予備的処理は、調節溶液 (36%リン酸ゲル)を使用したものであった。TPH Spectrum(Dentsply)を光 硬化型複合樹脂として使用した。 接着強度は、エナメル質と象牙質に対する複合樹脂のせん断接着強度により定 めた。人間の臼歯を使用した。エナメル質の接着評価のために、6個の人間の臼 歯の表面をカーボランド(carborund)(SiC)で研磨した。この新しくて乾 いたエナメル質表面をエッチング溶液で20秒間処理し、続けて、圧縮空気で乾 燥させた。この後、接着剤を塗布し、20秒後に圧縮空気による乾燥を実施した 。この被膜を、Spectrum硬化用光線(Dentsply International Inc.)を用いて 、20秒間光硬化させた。続いて、内径5mm、高さ2mmのプラスチック製の 型をこの表面に固定し、TPH Spectrumを型内に充填した。Spectrum硬化用光線を 使用して、この表面に、型をとおして、40秒間可視光線を照射した。光硬化の 後、この歯を37℃で24時間保存し、熱サイクルを500回(5℃で20秒間 、55℃で20秒間)実施した。次いで、これを石膏に包埋し、Zwick Z010/TN 2A卓上万能試験機を使用して、1分間当たり1ミリメートル(mm/min)の 速度で評価を行った。 象牙質の接着評価のために、6個の人間の臼歯の表面を、ダイヤモンド鋸を用 いて露出させ、#500の紙ヤスリで研磨した。この新しくて乾いた象牙質表面 を調節溶液で20秒間処理し、続けて、紙タオルを用いて注意深く乾燥させた。 この乾燥によって、乾いた外観の表面を残さなければならないが、ざらざらし過 ぎていてはならない。この後、接着剤を塗布し、20秒後に圧縮空気による乾燥 を実施した。この被膜を、Spectrum硬化用光線(Dentsply)を用いて、20秒間光 硬化させた。続いて、内径5mm、高さ2mmのプラスチック製の型をこの表面 に固定し、TPH Spectrumを型内に充填した。Spectrum硬化用光線を使用して、こ の表面に、型をとおして、40秒間可視光線を照射した。光硬化の後、この歯を 37℃で24時間保存し、熱サイクルを500回(5℃で20秒間、55℃で2 0秒間)実施した。次いで、これを石膏に包埋し、Zwick Z010/TN2A卓上万能試 験機を使用して、1mm/minの速度で評価を行った。 表VIII:象牙質及びエナメル質に対する抗菌性歯科用接着剤の接着 これらの評価は、歯科用接着剤中に3重量%までのトリクロサンが含まれるこ とによって、エナメル質に対する接着が変化しないことを示している。1%及び 2%のトリクロサンを含む歯科用接着剤の象牙質に対する接着の値は、トリクロ サンを含まない歯科用接着剤のそれらの値より極端に低くはない。トリクロサン 濃度がこれより高い場合だけ、接着の値は極端に低下する。 従って、ここで述べた抗菌性歯科用組成物が、本発明の目的を達成するのに有 効であることは明らかである。本発明の原理は、例証として論じられた実施態様 によって明らかとなった。よって、組成物の成分、量、グレード、プロセス、お よび、方法条件等についての修正は可能であるが、それでもなおこれらの原理の 範囲内に含まれることを当業者は認めるであろう。より詳細には、例えば、上記 のように例示したもの以外の歯科用材料を、所望の溶脱および機械的特性を有し ながら抗菌性とすることができ、これらはすべて本発明の範囲に含まれる。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテ ルからなる歯科用材料。 2.抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテ ルからなる重合性歯科用材料。 3.約0.01乃至約50重量%の抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’ −ヒドロキシジフェニルエーテルからなる、請求項1記載の歯科用材料。 4.約0.1乃至約30重量%の抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’− ヒドロキシジフェニルエーテルからなる、請求項1記載の歯科用材料。 5.約0.5乃至約25重量%の抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’− ヒドロキシジフェニルエーテルからなる、請求項1記載の歯科用材料。 6.約1乃至約20重量%の抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒド ロキシジフェニルエーテルからなる、請求項1記載の歯科用材料。 7.表面被膜剤、コンポジット、コンポマー、封鎖剤、歯科用接着剤、および セメントからなる群から選択される歯科用組成物、および約1乃至約20重量% の抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルか らなる歯科用材料。 8.前記歯科用組成物がさらに架橋性ポリマーからなり、歯科用組成物の硬化 後に前記2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルが架 橋ポリマーマトリックス中に包埋される、請求項7記載の歯科用材料。 9.前記2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテルが 包埋により水性環境下での溶脱が防止されている、請求項8記載の歯科用材料。 10.抗菌剤に基づく抗菌作用を有する、請求項9記載の歯科用材料。 11.前記歯科用材料が、抗菌剤 2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキ シジフェニルエーテルを含まない材料と実質的に同様な構造的特性を有している 、請求項9記載の歯科用材料。
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