JP2001523506A - 流体が充填されたシステムを用いた侵襲式圧力測定における測定値の誤りを補正するための方法及び装置 - Google Patents
流体が充填されたシステムを用いた侵襲式圧力測定における測定値の誤りを補正するための方法及び装置Info
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Abstract
Description
値の誤り(falsification)を補正(correct)するための方法及び装置に関する。こ
の方法では、測定された圧力は流体が充填されたシステムを介して外部の圧力ト
ランスデューサへ伝えられ、トランスデューサが圧力信号を電気信号に変換する
。
式圧力測定に関連してここ10年にわたって使用されてきた。こうしたシステム
はカテーテルとも呼ばれ、侵襲式心臓学、集中医療及び麻酔においてしばしば用
いられており、正確な圧力測定のために使われている。動脈血管系におけるイン
ピーダンス測定、心室の収縮あるいは弛緩の異常の定容力を測定するための圧力
の時間微分(dp/dt)を求めるのに特に適している。このためには、元の圧
力信号の共振を元に対して忠実に、すなわち位相と振幅に関して忠実に、およそ
30Hzまで解析することが可能でなければならない。
外部に(すなわち患者の体の外側に)圧力トランスデューサを取り付けて、流体
が充填されたシステムを介して行われる。これらのシステムの長さ、断面、配置
及び材料の弾性に応じて、カテーテルの先端での入力圧力信号の共振、減衰、エ
ネルギ損失は異なってくる。
ーテルの先端の中に一体化され、変換された信号が電気ラインを介して体の外側
へ導かれる。この解決策は先端圧力センサーカテーテルとして知られている。こ
の形の圧力測定の欠点は先端圧力センサーカテーテルが非常に高価で、また、形
状や寸法に関してバリエーションが非常に限定されることである。従って、この
解決策は科学分野において限られた範囲に浸透しているだけである。
動として考えて、共振周波数と減衰係数をアナログ電気回路あるいは対応する数
値アルゴリズムによって決定した後、システムの伝達関数の2次補正を実行する
ことである。このアプローチの欠点は2次のシステムとして考えることがそのシ
ステムの実際の物理を簡単化しすぎていることである。実際のシステムでは、特
に、比較的複雑なシステムの場合には多数の共振が起きている。システムのカテ
ーテルを交換するなどの、通常の、また頻繁な変更が行われるときでも、原則と
して、伝達関数は実際のシステム個々に対して新たに決定される必要があり、患
者に対してフラッシング(flushing)テストあるいは方形波テストを行って伝達関
数を決定することは問題がある。また、伝達関数はシステムの弾性に依存し、シ
ステムの弾性は充填圧力、流体に溶解しているガス、そして、システムの材料特
性に依存する。最後に、これらのシステムは操作が非常に複雑である。
成されており最適化されているようなシステムを使用することである。このシス
テムは圧力トランスデューサと、チューブと、3方コックと、コックのアレイと
、カテーテルと、場合によっては、アッテネータとを有している。この方法の欠
点は、試験の労力が非常に大きいことであり、また、侵襲式心臓学においては極
めて多様なシステムが使われ、この方法の使用が限定されることである。さらに
、この減衰をスイッチオフしてシステム中の血液や空気による減衰を排除するこ
とができないことである。カテーテルの作業者が見慣れているために、彼らは減
衰を不適切にフラッシュ(flush)されたシステムと関連付けるようになり、彼ら はそうした減衰したシステムを誤って解釈しやすい。
、用途に汎用性があるような、流体が充填されたシステムにおける侵襲式圧力測
定を行うための方法及び装置を提供することである。 この発明においては、この目的は、請求項1又は請求項7の特徴を有するよう
な方法と、この方法を実行するための請求項45の特徴を有するような装置によ
って実現されている。
りに可変長さの信号で作業を行うことによって信号を評価し処理することによっ
て、位相と振幅に関して忠実な圧力プロファイルの補正が可能である。このよう
にして、最小の誤差しか生じない最適な区間長さを決定して、その後の補正に用
いることができる。
も、侵襲式圧力測定の装置化の面でも費用が軽減される。また、タイプに依存す
る制約はもはやなく、その結果、患者にとって最適なシステムあるいはカテーテ
ルを相当する精度を失わずに使用することができる。
な評価が可能となる。信号の補正はオンラインとオフラインの両方で可能である
。
差がベース信号の長さを変えて比較される。予め決められたベース信号長さから
始めて、ベース信号の逆変換が元の信号と比較される。この比較においては、選
択された信号の長さに応じて変化する偏差あるいは誤差が求められる。次に、ど
のベース信号長さがスタート点とされたかに応じて、信号長さは段階的に増大あ
るいは減少される。誤差が予め決められた値に達すると、すなわち特定の精度に
達すると、区間長さの変化が停止されて計算の労力が軽減されるようになってい
る。逆変換と元の信号との偏差の最小値が決定されたときに最適な区間長さが見
つかる。
るのが好ましいことがわかった。区間長さを長くすると偏差が小さくなる場合に
は、誤差の決定を伴う変換ルーチンは、偏差に対して予め決められた値あるいは
最小値に達するまで繰り返される。このようにして見いだされた区間長さあるい
はグラフ(curve)区間が、この補正方法のフーリエ変換にとって最適である。な ぜなら、測定された信号は実質的には完全に高調波振動に分解され、誤差は最小
になるからである。心拍の長さよりも小さい値は最小の長さであると仮定される
。0.3秒の最小信号長さが好ましい値であるということがわかった。
のステップサイズを逆変換と元の信号との偏差に比例して変える。誤差が小さけ
れば、それに応じて変化も小さくする。なぜなら、区間長さはすでに最適値に近
く、可能な最も高い分解能が小さなステップサイズによって得られるからである
。誤差が大きいと、それに応じて同じことが反対の意味で当てはまる。
関係して評価及び処理することによって、位相と振幅に関して忠実な圧力プロフ
ァイルの補正が可能である。他の補正方法は心拍の様々な周波数を不適切にしか
考慮することができない。
データが補正データレコードのマトリックスから呼び出され、非常に多くのデー
タレコードを迅速かつ容易に利用可能になっている。実験的に決定された補正デ
ータレコードの数を商業的に許容可能なオーダの大きさに保つためには、厳密に
整合したデータが欠如しているときに、最も近いデータレコードの間で補間を行
う。
る。信号の位相補正を、その信号の振幅がある点のみで行うことが好ましいこと
がわかっている。
は、カテーテルの先端が圧力にさらされるデバイスの中へ挿入される。このデバ
イスは様々な媒体圧力及び周波数にさらされる。個々の測定においては、媒体圧
力は決められた等間隔のステップサイズで変化させられ、周波数スペクトルの最
低周波数(基本周波数)も同様に決められた等間隔のステップサイズで変化させ
られる。これらの設定によって、媒体の圧力/周波数の座標格子が形成される。
この座標格子は補正データレコードのマトリックスに対するベースになる。これ
と別の場合には、伝達特性を白色雑音によって決定し、出力信号と伝達関数との
デコンボリューションによって補正を行う。参照圧力測定は、好ましくは、先端
圧力センサーカテーテルである別の測定用システムで行う。
ステム励振に対する補正データレコードを決定することが好ましいことがわかっ
ている。計算上の理由から、0.1Hzから1Hzの間の範囲にあることが好ましい基本
振動をベースにして、システムを等間隔の高調波で励振する。決められた上限か
ら、必要な励振周波数の数が得られる。励振周波数に対しては、40Hzが生理学的
に適切な上限であることがわかっている。
させられる。これらの設定によって、種々の媒体圧力に対する1組の補正データ
レコードが得られる。参照圧力測定は、前のように、別の測定用システムで行わ
れる。
致させるために、圧力信号区間は補正データレコードの分解能に相当する比がサ
ンプリングレートとグラフ区間との間に得られるまで繰り返し増加される(multi
ply)。もし、分解能に相当しない場合には、サンプリングレートとグラフ区間と
の間で次に小さい比が設定され、次の対応するラインへラウンドアップ(roundin
g up)することによって補正データレコードのスペクトルラインへの割り当てが 行われることが好ましい。
ンスデューサとアナログ/デジタル変換器の間に増幅器が設けられる。圧力トラ
ンスデューサは信号処理及び解析装置の電源ラインによって必要な動作電圧が供
給されて駆動される。
さがわかっていることが非常に重要である。なぜなら、このようにしてのみ、心
拍は正確に処理が可能だからである。心拍の長さは自己相関関数及びその時間に
関する1次微分によって計算されることが好ましい。30〜40Hzの高い遮断周波数
を有するローパスフィルタを用いたプリフィルタリングがオプションで設けられ
ており、交流システムの干渉の可能性をなくすようになっている。
レコードを適切に割り当てる必要がある。種々のシステムは様々な形に設計され
ており、異なる共振周波数を有し、ビルトオン部分によってかなり変わるため、
測定値を記録する前に試験信号応答によってシステムの同定が行われる。カテー
テルの先端において圧力トランスデューサの方へ、決められた信号が参照圧力ト
ランシミッタ(キャリブレータ)から送信されて、実験的に見いだされたシステ
ム応答とシステム応答が比較される。このようにして分類を行うことができ、シ
ステムが関係するかあるいは補正データレコードが関係するシステムに適した情
報が得られる。信号を圧力トランスデューサからカテーテル先端の方へ伝送し、
その信号応答を実験的に見いだされたシステム応答と比較してもよい。
析とグラフの最小値及び最大値の解析とを組み合わせることによって基本周波数
を決定すると好ましいことがわかっている。特に基本周波数をオンラインで決定
するときには、長さを長くしながら自己相関関数を繰り返し、長さを長くしたと
きの自己相関関数の最初の最大値すべてを集めるのが好ましい。その後、最も頻
繁に生じる最大値を分布解析によって決定する。
さすなわち信号の遅延時間を決定することが好ましい。ある変形においては、シ
ステム同定は自動的に行われる。
の同定及び補正データレコードの選択における対応する考慮が好ましい。各圧力
トランスデューサはタイプやモデルによって圧力信号を異なる形に変換するため
、異なる動作電圧が必要になり、個別に駆動される必要がある。こうした適応性
は測定値の誤りをできる限り小さくし、適切な駆動を行うには好ましい。
同定において手動相互作用を行って、計算されたオプションに加えて、あるいは
それとは別に選択あるいは入力を行うこともできる。
ムの弾性に関連する。従って、材料特性に応じて、システム内に広がる平均内部
圧力による初期ストレスが違うと、システムの伝達特性は著しく変わる。従って
、媒体圧力の連続的な測定は自動信号解析の一部である。補正データレコードの
選択は媒体圧力に従って行われる。
検出されると好ましい。これは、決定されたシステム同定に基づいて行われる。
過剰な偏差は検出され、無視される。この方法のある変形においては、圧力信号
の補正に加えて、簡単な自己相関によって人為的影響の識別と除去が行われる。
自己相関関数においては、圧力プロファイルにおける干渉スパイクが自動的に検
出され、場所が特定される。スパイクの箇所でグラフを補間することによって、
干渉が除去される。
圧力信号の形状解析を行ってもよい。その結果、それに応じて、補正データレコ
ードを編集して選択するための改良された方法が利用可能になる。
になっており、オペレータが血液凝固や小さな気泡による機械的な減衰を検出で
きるようになっている。
を提供する静的な校正オプションが設けられていることが都合がよい。測定され
た圧力はゼロ点校正によってゼロ点と仮定され、信号を表示する圧力モニターシ
ステムに対するベースとして作用する。このようにして、例えば血圧変動や測定
ごとのシステムに関係したオフセットを考慮する必要なく、互いに比較可能な表
示が可能になる。信号解析及び処理装置と圧力モニタリングシステムとの間の接
続をチェックするため、また、校正をチェックするために、参照圧力(例えば10
0mmHg、装置のメニュで設定が可能である)を圧力モニタリングシステムへ送る ことができる。参照圧力と同じように、蓄積されている様々な圧力曲線を試験信
号として圧力モニタリングシステムへ送ってもよい。
ポスト補正されたりして、干渉信号が除去され、できる限る誤りのない信号プロ
ファイルにされる。こうしたポスト補正は、補正され、場合によって平滑化され
た圧力信号の時間に関する1次微分に基づいて実行される。ポストフィルタリン
グを行うには、周波数あるいは平均値フィルタが適している。
共振応答の変化に自動的に適応が行われるようになっている。血圧の変化は、例
えば、循環に関係した反応や薬剤によって引き起こされ、共振応答の変化はシス
テム特有の性質を有する。対応する変数は連続的に決定され、信号解析及び処理
装置へ連続的に送られる。信号解析及び処理装置は補正データレコードの選択の
ときにこの変化を考慮に入れる。
が充填されたシステムと、圧力トランスデューサとを有する。圧力トランシデュ
ーサは圧力パルスを電気信号に変換する。そこには、圧力トランスデューサ及び
アナログ/デジタル変換器の元の電圧信号に対する記録装置が接続されている。
アナログ/デジタル変換器はデジタル処理するために信号を処理する。例えばコ
ンピュータとして設計されている信号解析及び処理装置においては、個々のデー
タレコードには、システムに依存した補正ファクタがデジタルフーリエ解析に基
づいて設けられ、インターフェースへ送られる。出力装置は対応する信号を、例
えば、アナログ信号として、デジタル信号として、プリンタ出力として、あるい
はモニタ上への表示として処理する。
とを有しており、補正された信号をモニタリングシステムへ供給することができ
、また増幅された形でコンピュータへ伝送したり、及び/又はデジタルの形のま
まにしておくことができる。
タレコードマトリックスは信号解析及び処理装置のメモリの中に蓄積されること
が好ましい。対応するデータ処理プログラムと連結して、それぞれの又は補間さ
れた補正ベクトルを選択し、適当であれば補間し、デジタル化された圧力信号と
組み合わされる。
を利用するために、この装置は補償されない信号の信号出力を有していて、オペ
レータが補正された圧力信号を純粋な形の信号と比較して補正方法をチェックす
るようになっていることが好ましい。
ては、それらを測定するための装置が設けられている。決定された測定値は補正
データレコードの選択に影響する。 以下では、図面に示されている実施の形態に基づいてこの発明をさらに詳しく
説明する。
ている。この配置においては、いわゆるカテーテル1は圧力を測定しようとする
箇所の近傍まで患者の動脈あるいは静脈の中を通って移動される。患者がカテー
テル1の影響をできる限り受けないようにするために、カテーテルは可能な限り
小さい寸法になっている。カテーテル1自身は弾性材料から成っており、管状に
設計されている。流体が充填されたカテーテル1の先端には開口部が設けられて
おり、この開口部を介して圧力パルスが記録され、カテーテル1や同じように流
体が充填されたライン2を通して圧力トランスデューサ3へ伝えられる。
号はそれに応じて表示されたり評価されたりする。原則として、この方法が長い
間使われてきた。このシステムの伝達関数の2次補正がアナログ電気回路あるい
は対応する数値アルゴリズムによって共振周波数や減衰係数を決定した後に行わ
れていた。
効率的な補正を行うために、この発明の方法では圧力トランスデューサ3と信号
解析及び処理装置5との間にアナログ/デジタル変換器4が配置されている。こ
のアナログ/デジタル変換器は圧力トランスデューサ3のアナログ信号をデジタ
ル信号へ変換する。このデジタル信号は信号解析及び処理装置5の入力へ加えら
れる。信号解析及び処理装置5の内部では、デジタルフーリエ解析に基づいた補
正ファクタが測定データに掛けられて、出力あるいは評価装置6へ送られる。
。まず、接続された圧力トランスデューサ3の手動あるいは自動の同定が行われ
る。引き続いて、好ましくはキャリブレータによって発生される圧力パルスの形
の試験信号が伝送される。別の場合には、パルスの発生は圧力トランスデューサ
3によって行われる。カテーテルラインのシステムのパラメータは信号応答から
決定され、補正データレコードの選択はこのパラメータに基づいて行われる。侵
襲式圧力測定に使用される成分が非常に多いこととパラメータの数が非常に多い
ことから、厳密に整合する補正データレコードが常に利用可能とは限らないため
、必要な値は既存のデータレコードから補間法によって決定され、これが補正に
用いられる。
5から表示あるいは評価装置6へ送られる。表示はモニターシステムとプリンタ
出力のどちらでも行える。モニタの規格に応じて、信号はまずデジタル/アナロ
グ変換器へ供給され、その後デジタル信号を処理することのできるモニタへ直接
に出力されるか又は送られる。妥当であれば、信号は表示に適したフォーマット
になるようにさらに処理される。
蓄積し評価する。この場合には、データはデジタル/アナログ変換器では処理さ
れず、補正から直接送られる。
るいは補正するという別の可能性もある。これを行う前提は、システム特有のデ
ータと測定条件に関する情報が存在していて、後で補正データの適切な選択が行
えることである。このために、データは圧力トランスデューサ3のすぐ後で記録
され、CDやフロッピーディスクなどの適当な蓄積媒体に蓄積されることが好ま
しい。
ており、補正された信号を補正されない信号と比較する可能性が設けられている
。これは、一方においてはオペレータが見慣れていることは完全には変更せず、
他方では補正方法のチェックを行うことができるという効果がある。訓練された
オペレータは、例えば、流体が充填されたシステムの中に気泡が存在することを
補正されない信号から検出することができ、それに応じた測定を行うことができ
る。信号の分岐をアナログ/デジタル変換器4の前と後の両方で行うことができ
る。適切な大きさの信号を得るためには上流に増幅器を配置することが好ましい
。
を駆動して、測定しようとする圧力を大気圧に対して校正する。信号解析及び処
理装置5の上には駆動素子が設けられている。この駆動素子を駆動すると、測定
しようとする圧力がゼロ点と仮定され、後の測定や出力に対するベースとして作
用する。
ックするために、参照圧力信号及び蓄積されている様々な圧力曲線が出力装置6
へ送られる。設定信号と実際の信号の値との違いから、偏差及び実行しようとす
る補償を決定することができる。測定チェーン全体をチェックする必要があると
きには、参照圧力信号を患者の圧力信号のかわりに接続し、妥当な場合には、信
号解析及び処理装置5において各チャンネルに対して必要なオフセットと直線性
の補正を実行することができる。
ている。システムの自然な動的特性を、従って補正データレコードを決定するた
めに、流体が充填されており通気されているチューブ7が使用される。チューブ
7には、充填、通気、先端圧力センサーカテーテル10を用いた参照圧力測定、
カテーテルの挿入(テストシステム)及び圧力発生装置9(バイオテック(Biote
k))のために連結部8がそれぞれ設けられている。
れた周波数スペクトルの圧力で励振する。個々の測定において、媒体の圧力は通
常は0mmHg〜130mmHgの範囲で等間隔のステップサイズで変化させられる。励振信
号の周波数成分は、基本振動及び多数の高調波振動から構成されている。基本振
動は通常は0.25Hzであり、160の高調波振動が励振され、従って、40Hzの上限周 波数が等間隔で実現される。基本振動周波数として他の周波数も可能であり、同
じようにして高調波の数を変更できるのは言うまでもない。しかし、上述した値
は妥当な選択である。
って計算される。次に、補正データレコードベクトルが参照圧力のスペクトルラ
インを対応する流体圧力のスペクトルラインで複素数の割り算をすることによっ
て得られる。この結果は、この測定の各スペクトルラインに対する単位のない複
素数の補正ファクタである。すべての測定をいっしょにして、調べているシステ
ムに対する補正データレコードマトリックスを形成する。これらは信号解析及び
処理装置5に蓄積される。
応している。心拍速度は心拍ごとにかなり変化することがあり得る。従って、基
本周波数を連続的に解析することは自動信号解析の一部であり、自己相関関数に
よって決定される。
元の信号との比較から得られる。区間長さは誤差が最小になるように選択される
ことが好ましい。誤差は経験的にはおよそ1%である。このことは、補正方法に とって最適な区間長さが決定されたことを意味している。 フーリエ係数の数は、従って補正データレコードは、解析される区間の長さあ
るいは基本周波数に依存する。
らない変数である。流体が充填されたシステムのシステム伝達特性は、カテーテ
ル1及びライン2のシステムの弾性に特に依存する。従って、材料特性に応じて
システムの中に広がる平均内部圧力により初期ストレスが違うと、システム伝達
特性は著しく変わる。従って、媒体圧力の連続測定も同じように自動信号解析の
一部である。補正データレコードの選択は媒体圧力に応じて行われる。
して、数値フィルタを使用したりフィルタの遮断周波数が変えられる。フィルタ
の遮断周波数は経験的には40から100Hzの間である。こうしたフィルタリングは 、例えば、50Hzの交流システムによって干渉が引き起こされたときに必要になる
。 補正のために信号を特徴付けるには、基本周波数あるいは区間長さと媒体圧力
が必要である。 基本周期の決定の例が図3に示されている。このために、まず、自己相関関数
(ACF)が計算される。閾値を越えるメインの最大値が起きるまでの時間が基
本周期である。
体圧力は信号のフーリエ変換の最初のスペクトルライン(周波数ゼロにおけるラ
イン、直流成分)の規格化されたレベルから得られる。 また、励振信号の周波数成分に対するシステムの伝達特性の依存性はより高次
の高調波振動に基づいた信号の単なる形状解析によってカウンタ(counter)され 、対応して補正データレコードが修正される。
ァクタの複素補正係数が掛けられる。心拍に関係した解析における補正データレ
コードの編集と同じようにして、圧力信号は基本周波数とその高調波振動が閾値
を越えたときだけ補正データレコードの最高周波数に対応する上限周波数(この
場合には40Hzである)まで補正される。他の周波数成分はすべてゼロに設定され
る。 乗算によって圧力信号の補正されたフーリエスペクトルが求まる。これを離散
逆フーリエ変換によって逆変換して、補正された圧力信号を求める。
波数と媒体圧力という変数を使用して、補正データレコードマトリックスから、
対応する補正データレコードを選択する。測定の位置がマトリックスの座標点に
正確には位置していないときには、重み付けされた補間を用いて隣接する係数か
らすべての係数を新たに計算する。
換するための点の数が決定される。補正される区間は必要に応じて2倍あるいは
多数倍されてフーリエ解析される。圧力信号の複素フーリエ係数に、選択された
、あるいは補間された補正ベクトルの複素補正係数が掛けられる。
とを一致させるために、補正データレコードの分解能に対応する比がサンプリン
グレートとグラフ区間の長さとの間で得られるまで、圧力信号の区間(ここでは
心拍)が繰り返し増加させられる。
ル分解能)に対する補正係数が存在するときには、1000Hzのサンプリングレート
において、圧力信号のグラフ区間は少なくとも4000点を含んでいなければならな
い。なぜなら、そのときには、サンプリングレートとグラフ区間の長さとの比は
1/4(<=>0.25Hz)になるからである。この比が正確に得られない場合には、 次に小さな比(<1/4)が設定される。次に、次の対応するラインまでラウンドア
ップすることによって、補正データレコードのスペクトルラインへの割り当てが
行われる。 基本周波数を決定するために、長さを変えた自己相関関数の最大値の分布解析
がグラフの最大値及び最小値の解析と組み合わされる。
波数は自己相関関数(ACF)によって計算される。この場合には、最初の最大
値までの関数値の数が心拍の長さ、言い換えると、基本周波数の逆数に対応して
いる。オンライン操作においては、測定値の数は最初は小さく、時間とともに増
大するため、ACFは長さを長くして繰り返される。これによって、かなり違う
第2の心拍が結果に大きく影響するという問題が生じる。心拍の長さがいつ適切
に決定されたかに関して最適な判定をするために、長さを長くしたときのACF
の最初の最大値すべてを集めて、最も頻繁に生じる最大値を分布解析によって選
択する。
くすことが可能である。区間長さを決定するために、デジタル化した圧力信号の
最小長さ(例えば0.3秒)に対して複素フーリエスペクトルを計算する。補正デ ータレコードの最高周波数(いまの場合には40Hz)によって決まる決められた限
界以上の周波数成分をゼロに設定する。その後、スペクトルを変換して時間領域
へ戻し、元のグラフとポイントごとに比較する。この比較によって、特定の値の
偏差が求まる。次に、調べる区間長さを段階的に長くして、変換、周波数フィル
タリング、逆変換及び偏差の決定を偏差の最小値が見つかるまで繰り返す。この
ようにして決定された区間長さは区間長さの決定に引き続いて行われる補正方法
のフーリエ変換にとって最適である。
リエ変換の160点をグラフ区間の1000点に適用できるようにするには、40Hzまで の対応する周波数ラインを使って補正を行い、グラフ区間の値を掛ける。他の周
波数ラインはすべてゼロに設定する。乗算によって、圧力信号の補正されたフー
リエスペクトルが求まる。次にこのスペクトルを離散逆フーリエ逆変換によって
逆変換して、補正された圧力信号にする。
フィルタリングすることができる。数値フィルタをユーザがオプションでオンオ
フすることができ、フィルタの遮断周波数を変えることができる。2から20点の 長さを有する自在に構成可能な平均値フィルタ(平均フィルタを移動する)が設
けられている周波数フィルタリングへ平均値フィルタリングを連結して信号が改
善される。これらのフィルタもスイッチをオンオフすることができる。補正結果
を改善するために、追加補正をスイッチオンしてもよい。この補正は補正信号に
対して点ごとの時間に関する1次微分を足したり引いたりし、n点移動する。
Claims (49)
- 【請求項1】 流体が充填されたシステムを用いた侵襲式圧力測定における測
定値の誤りを補正するための方法であって、 測定された圧力が流体が充填されたシステムを介して外部の圧力トランスデュ
ーサへ送られ、この圧力トランスデューサが圧力信号を電気信号へ変換し、 電気信号がアナログ/デジタル変換器(4)へ送られ、デジタル化された信号
がデジタルフーリエ解析に基づいて動作する信号解析及び処理装置(5)へ供給
され、信号が区間ごとに解析され、信号が区間解析に基づいて実験的に決定され
た補正データと組み合わされ、補正データがフーリエ係数として出され、信号解
析及び処理装置(5)によって補正された信号が出力及び/又は評価装置(6)
へ送られる方法。 - 【請求項2】 前記補正しようとする信号の区間長さが、ベース信号の長さの
変化とベース信号の逆変換と元の信号との比較によって決定され、逆変換と元の
信号との偏差が予め決められた値であると仮定される請求項1記載に方法。 - 【請求項3】 前記区間長さが逆変換と元の信号との偏差の最小値によって決
定される請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記区間長さがベース信号長さから始めて段階的に変化させら
れる請求項2又は請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 前記区間長さが最小長さから始めて段階的に増加させられる請
求項4記載の方法。 - 【請求項6】 前記区間長さの変化のステップサイズが逆変換と元の信号との
偏差に比例して変えられる請求項2〜請求項5のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項7】 流体が充填されたシステムを用いた侵襲式圧力測定における測
定値の誤りを補正するための方法であって、 測定された圧力が流体が充填されたシステムを介して外部の圧力トランスデュ
ーサへ送られ、この圧力トランスデューサが圧力信号を電気信号へ変換し、 電気信号がアナログ/デジタル変換器(4)へ送られ、デジタル化された信号
がデジタルフーリエ解析に基づいて動作する信号解析及び処理装置(5)へ供給
され、信号が心拍をベースに解析され、信号が心拍に関係した解析に基づいて実
験的に決定された補正データと組み合わされ、補正データがフーリエ係数として
出され、信号解析及び処理装置(5)によって補正された信号が、出力及び/又
は評価装置(6)へ送られる方法。 - 【請求項8】 前記測定された値の補正データが補正データレコードマトリッ
クスから呼び出される請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項9】 前記補正データが補正データレコードベクトルとして呼び出さ
れる請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 前記信号の位相及び/又は振幅の補正が行われる請求項1〜
請求項9のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項11】 前記信号の位相補正は信号が振幅を有する点でのみ行われる
請求項10記載の方法。 - 【請求項12】 前記補正データレコードの間で補間が行われる請求項1〜請
求項11のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項13】 前記補正データレコードマトリックスを決定するために、流
体が充填されたシステムが圧力にさらすことのできる装置(7)の中へ挿入され
、この装置が様々な媒体圧力及び周波数にさらされ、参照圧力測定が別の圧力測
定システム(10)で行われ、高調波解析が行われる請求項1〜請求項12のい
ずれか一項記載の方法。 - 【請求項14】 前記補正データレコードを決定するために、システム励振に
対して周波数格子が使用される請求項1〜請求項13のいずれか一項記載の方法
。 - 【請求項15】 前記周波数格子が基本振動と高調波振動に基づいている請求
項14記載の方法。 - 【請求項16】 基本周波数が0.2Hz〜3Hzの間の範囲にある請求項15記載の
方法。 - 【請求項17】 決められた上限に等間隔で達するまで、対応する数の高調波
振動が励振される請求項16記載の方法。 - 【請求項18】 前記上限が40Hzである請求項17記載の方法。
- 【請求項19】 補正データレコードの分解能に対応する比がサンプリングレ
ートとグラフ区間長さとの間で得られるまで前記圧力信号区間が繰り返されて、
補正しようとする信号のスペクトルラインと補正データレコードベクトルのスペ
クトルラインとが一致させられる請求項1〜請求項18のいずれか一項記載の方
法。 - 【請求項20】 もしもそれが分解能に相当しない場合には、サンプリングレ
ートとグラフ区間長さとの間で次に小さな比が設定され、次の対応するラインへ
ラウンドアップすることによって補正データレコードのスペクトルラインへの割
り当てが行われる請求項20記載の方法。 - 【請求項21】 前記流体が充填されたシステムの伝達特性が白色雑音によっ
て決定され、出力信号と伝達関数とのデコンボリューションによって補正が行わ
れる請求項13記載の方法。 - 【請求項22】 前記信号が圧力トランスデューサ(3)とアナログ/デジタ
ル変換器(4)との間で増幅される請求項1〜請求項21のいずれか一項記載の
方法。 - 【請求項23】 前記圧力トランスデューサ(3)は信号解析及び処理装置(
5)によって電圧が供給されて駆動される請求項1〜請求項22のいずれか一項
記載の方法。 - 【請求項24】 前記基本周波数が自己相関関数と時間に関するその1次微分
とによって決定される請求項7〜請求項23のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項25】 前記基本周波数が種々の長さの自己相関関数の最大値の分布
解析とグラフの最小値及び最大値の解析とを組み合わせることによって決定され
る請求項7〜請求項23のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項26】 前記基本周波数をオンラインで決定するために、長さを長く
しながら自己相関関数が繰り返され、長さを長くしたときの自己相関関数の最初
の最大値がすべて集められ、最も頻繁に生じる最大値が分布解析によって決定さ
れる請求項25記載の方法。 - 【請求項27】 前記信号の遅延時間を決定するために、圧力信号と患者のE
CGとの相互相関がとられる請求項7〜請求項26のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項28】 システム同定が試験信号応答によって行われる請求項1〜請
求項27のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項29】 前記システム同定が自動的に実行される請求項28記載の方
法。 - 【請求項30】 前記システム同定において、手動相互作用が行われる請求項
28又は請求項29記載の方法。 - 【請求項31】 前記媒体圧力の連続測定が行われる請求項1〜請求項30の
いずれか一項記載の方法。 - 【請求項32】 前記試験信号が圧力トランスデューサ(3)によって発生さ
れる請求項28記載の方法。 - 【請求項33】 前記試験信号がキャリブレータによって発生される請求項2
8記載の方法。 - 【請求項34】前記圧力トランスデューサ(3)各々への適応が行われる請求
項1〜請求項33のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項35】 人為的影響の識別がシステム同定、高調波ベース周波数及び
信号媒体圧力に基づいて行われる請求項1〜請求項34のいずれか一項記載の方
法。 - 【請求項36】 人為的影響の識別及び除去が自己相関関数によって行われ、
スパイクの箇所における測定値の補間によって干渉が平滑化される請求項35記
載の方法。 - 【請求項37】 前記基本周波数、媒体圧力及び圧力信号の形状の解析が高調
波解析によって行われる請求項1〜請求項36のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項38】 高調波のより高次の基本振動を考慮して補正が行われる請求
項37記載の方法。 - 【請求項39】 変換されない信号を出力可能である請求項1〜請求項38の
いずれか一項記載の方法。 - 【請求項40】 ゼロ点校正の形の測定システムの校正、参照圧力測定及び/
又は試験信号が行われる請求項1〜請求項39のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項41】 前記信号がポストフィルタリング及び/又はポスト補正され
る請求項1〜請求項40のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項42】 前記信号のポスト補正が圧力信号の時間に関する1次微分に
基づいて行われる請求項41記載の方法。 - 【請求項43】 前記ポストフィルタリングが周波数及び/又は平均値フィル
タによって行われる請求項42記載の方法。 - 【請求項44】 圧力変化の結果として起きる共振応答の変化への自動適応が
行われる請求項1〜請求項43のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項45】 請求項1又は請求項7の方法を実行するための装置であって
、 侵襲式圧力記録のための流体が充填されたシステムと、圧力トランスデューサ
(3)と、圧力トランスデューサ(3)の元の電圧信号に対する記録装置と、ア
ナログ/デジタル変換器(4)と、好ましくはコンピュータである信号解析及び
処理装置(5)と、インターフェースと、出力あるいは評価装置(6)とを有す
る装置。 - 【請求項46】 前記インターフェースがデジタル/アナログ変換器、増幅器
及び/又はアダプタとして設計されている請求項45記載の装置。 - 【請求項47】 補正データレコードマトリックスが信号解析及び処理装置(
5)のメモリの中に蓄積されている請求項45又は請求項46記載の装置。 - 【請求項48】 補正されない信号を信号出力するようになっている請求項4
5〜請求項47のいずれか一項記載の装置。 - 【請求項49】 血圧変動を測定するための装置が設けられている請求項45
〜請求項48のいずれか一項記載の装置。
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