JP2001523137A - 骨折装具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、骨折巻付け装具、特に上腕骨骨折装具であって、支持すべき四肢特に上腕を取り囲む周方向において巻付けフレキシブルなシェル（１）が設けられており、該シェルが、長手方向に平行に配置されていてそれぞれ隣接して互いに旋回可能に結合されたストリップ（１１）を有しており、かつ面ファスナベルトを介してまとめられる形式のものにおいて、シェル（１）が耐屈曲性のストリップ（１１）から成っており、ストリップ（１１）の内側だけに、呼吸可能でかつ皮膚適合性の材料（１２，２０）が、例えば接着によって取り付けられており、面ファスナベルト（５）が、オーバラップするように巻かれたシェル（１）の外周の回りを完仝に、該シェル（１）の巻付けもしくは装着方向又は引張り方向と常に等しい方向で案内されていることを特徴とする。装具が上腕骨骨折装具として形成されている場合に、ほぼＬ字形の、又は腕-肩形状に合わせられた肩拘束キャップ（２）が、巻付けシェルに固定されていると、有利である。

Description

【発明の詳細な説明】 骨折巻付け装具 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の骨折巻付け装具、特に上腕骨骨折装 具（上腕装具）に関する。このような骨折巻付け装具は例えば、上腕骨の基部１ ／３と末端１／３との間における骨折の際に、怪我をした日に又は、初期の固定 包帯を外した後の後続処置として、装着される。 このような装具は例えば、30938 Burgwendel在のThaemert社のパンフレット２ ／９０「Sarmiento Lattaによるマイアミ骨折装具システムを用いた機能的な保 存療法的な骨折処置のためのマニュアル」に記載されている。このパンフレット に開示された上腕骨骨折装具「システムマイアミ」は、トラフ状の２つの半割シ ェルから成っており、両半割シェルは肩と肘との間における上腕を取り囲んで、 プラスチックループとの関連において面ファスナベルトを介してまとめられる。 両半割シェルは、穿孔された滑らかな耐水性のプラスチックから製造されており 、かつ予め肘から肩までを覆うように配置された二重の木綿チューブの上に装着 される。装着時にはまず初めに前側のシェルが、次いで後ろ側のシェルが装着さ れ、その後で、一方の長辺に互いに間隔をおいて取り付けられた２つの面ファス ナベルトが、前側シェルのプラスチックループを通して案内され、次いで、後ろ 側のシェルの第２の長辺側に相応に間隔をおいて固定された別のプラスチックル ープを通され、そして１８０°再び折り返されて、しっかりと面ファスナ固定さ れる。これによって両方のベルトは片側においてしっかりと固定され、これによ って、痛みを伴う引張りを無視したとしても、装具のずれの生じることがある。 さらに、このように固定された装具はその長手方向においてその下の木綿チュー ブに沿ってずれ、つまり下方に向かって滑り落ち、これによって固定が弛み、さ らに肘の曲げの邪魔になる。このような場合には常に装具を再度開いて、適正な ポジションに上方移動させ、そしてベルトを再びしっかりと引っ張ることが必要 である。このことは一方では痛みを伴うことがあり、かつ他方では骨折に対して 不都合に作用する。また、公知の装具によっては上腕の運動に関するコントロー ルは与えられていない。先行して、骨折の直後に装着されたギプス包帯（固定包 帯）は、つまり肩を越えて延びるキャップを有している。患者がその腕の運動時 にキャップに衝突すると、患者は直ちに腕を引き下げねばならないことを知る。 この場合注意すべきことは次のことである。すなわち、災害外科学の分科もし くは病棟や病院において手術をしない骨折処置の場合に益々よく使用される上腕 骨骨折装具は、それぞれ３つ又は４つのサイズ（Ｓ、 Ｍ、Ｌ及びＸＬ）でかつそれぞれ左腕用及び右腕用に製造されて、準備されねば ならない。特に、まとめられた状態で嵩張るシェル中空体のストックもしくは保 管は、全部で８つの形態（左右用にそれぞれ４つのサイズ）をストックしなくは ならないことを考えると、極めて大きなスペースを必要とする。 確かにこのパンフレットには脛骨骨折装具（下腿装具）も記載されており、こ の脛骨骨折装具では、該脛骨骨折装具を位置固定するためにヒールキャップが設 けられている。ヒールキャップは、先行する位置規定の後で、再度解離不能な固 定ストリップを介して、後ろ側の装具シェルに固定される。この固定が適正に行 われていない場合には、装具高さ又はキャップ角度に関する後調節はもはや行う ことができない。 米国特許第４８７３９６８号明細書に示された尺骨骨折装具（前腕装具）では 、その下側のシェルにＬ字形に成形された手拘束キャップが固定されており、こ の手拘束キャップは、手を前腕に対してほぼ垂直な位置に保つために働く。この 手拘束キャップは下側のシェルに、最初の調節を許すが後での調整はもはや許さ ないラッチリベット（Ratshen-Nieten）を介して決定的に位置固定されている。 米国特許第４７５３２４０号明細書に基づいて公知の、関節を固定して暖めた り冷やしたりする装置は、フレキシブルな繊維断裁から成っており、この繊維断 裁は腕又は脚に巻かれて、オーバラップしない互いに向かい合った縁部における 面ファスナを介して、まとめられる。この場合このシェルは、例えばかかと又は 肩における狭幅の真ん中の長手方向区分を除いて、横方向だけでなく、長手方向 においても極めて柔らかく、前記長手方向区分には必要とあらば非弾性的で屈曲 性の金属棒の挿入によって、例えばかかと又は肩に合わせられた曲げられた形状 を与えることができる。したがって、怪我をした日に又は骨折の後続処置として 保証されねばならない、高い長手方向剛性をもつ不動かつ均一な保持は、これら の公知の装置によっては達成することができない。 米国特許第４４９２２２５号明細書に開示された項部支持及び腕副木は、多層 の材料から形成されている。例えば腕副木又は脚副木のためには外側の硬質フォ ームプレートに内方に向かって、幾つかの非弾性的で容易に変形可能な金属スト リップ、例えば薄いアルミニウムストリップが、取り付けられており、その上に さらに厚い内側クッション層が発泡によって設けられており、これによって材料 厚は少なくとも２５ｍｍになる。さらに、装着された支持の、互いに比較的大き な間隔をおいて位置する幅広の縁部は、単に幾つかの短い面ファスナによってま とめられているだけなので、全体として、もちろん約２０ｍｍ厚さの可撓性の内 側パッドを用いたとしても、十分な長手方向安定性を この公知の支持によって得ることはできない。 米国特許第４５８０５５５号明細書に開示されたポータブルな臀部兼脚副木は 、ナイロン材料の２つの層から構成された長くて薄い断裁から成っており、この 断裁には、１列の平行でフラットなロッドが長手方向ポケット内に縫い込まれて いる。装着時に患者は装具の上に座っており、装具の、脚上側を覆っていない比 較的短い側縁部が上に折り曲げられいて、上部の緊締ベルトを介して脚はベース に固定されている。使用される扁平ロッドが見た目比較的広幅であり、かつ支持 区分の一部にしか存在していないことを無視したとしても、四肢を完全には取り 囲んでいない支持の構成によって、この公知の副木を例えば前腕装具として使用 することは有利ではない。 米国特許第２１３８９７５号明細書に開示された外科の副木は、任意に互いに 配列可能な複数のユニットから成っており、これらのユニットは、任意の箇所に 固定可能なダブルジョイントを介して、一緒に取り付けられてフレキシブルでは ない固定のプレートを形成するか、又は折り畳まれて小さなパケットを形成する ことができる。長手方向において耐屈曲性のシェルを備えた骨折装具のためには 、この公知の副木は部材の幅が大きいことに基づいて使用不能である。 米国特許第１１０１０７６号明細書には、インフレータブルなアームスプリン トつまり空気によって膨ら ますことのできる腕副木が開示されており、この腕副木は平らに折り畳むことの できる部分から成っており、この部分の長手方向縁部は、例えば骨折した脚への 巻付け時に、溝・キー形式で形状結合的（formschluessig）に互いに係合して、 クリップによってまとめられて、ニューマチック式のカフもしくはマンシェット を形成する。このインフレータブルな事故副木は、ギプス包帯を装着するまでの 短時間しか使用できず、長時間のためには使用不能であり、特にこの副木は十分 な長手方向安定性を有していない。 ドイツ連邦共和国実用新案登録第１７５０８７５号に開示された包帯副木は、 横方向ウェブによって結合された金属製の長手方向ビームを備えており、この長 手方向ビームは、大きな切欠きを備えている弾性的でマット状のプラスチック部 分を有しており、これらのプラスチック部分は必要とあらば一緒に取り付けられ ることができる。この弾性的な包帯副木は支持すべき四肢に直接装着されて、そ の上にバンデージを巻き付けることによって固定保持される。患者が必要な場合 には自分で装着することができ、しかも十分な長手方向剛性を有する装具として は、この公知の包帯副木は適していない。 米国特許第２２７３０２８号明細書に開示された副木は、穿孔された波形のプ ラスチック材料から成っており、このプラスチック材料は、必要とあらば適当に 裁断されて装着され、そして適当なバンデージによって固定されるようになって いる。この材料から一時的に製造される副木は、長時間にわたって使用すること ができず、また患者が必要な場合に自分で繰り返し装着することも不可能である 。 さらに米国特許第１９６４６９４号明細書に開示された外科の副木は、穿孔さ れた剛性の複数のシェル部分から成っており、これらのシェルは互いに方形のア ングル部材を介して、長孔とちょうナットとを用いて横方向移動調節可能に配置 されている。この公知の副木は、四肢を全周にわたってしっかりと緊締して最適 に固定する完全な装具としては、使用することができない。 ゆえに本発明の課題は、請求項１の上位概念部に記載された形式の骨折巻付け 装具特に上腕骨骨折装具を改良して、構造が単純であり、四肢部分の呼吸可能で かつ確実な固定を可能にし、しかもすべてのサイズをカバーし巻いて小さくまと めることができるただ２つの装具構成（左用及び右用）を有していて、さらに単 純に、位置決め正確にかつずれないように設計されかつ装着することができ、位 置の後調節を最適に行うことができる骨折巻付け装具を提供することである。 この課題を解決するために本発明の構成では、請求項１の特徴部に記載のよう に構成された。本発明のその他の有利な構成は請求項２以下に記載されている。 本発明によれば、巻付けフレキシブルな装具はただ１つのシェルから形成され ており、このシェルは、長手方向に互いに平行に配置された耐屈曲性の複数のス トリップを有しており、そしてこれらのストリップはそれぞれ隣接して互いに旋 回可能に結合されている。そしてストリップの内側にだけ、例えば木綿織布のよ うな呼吸可能でかつ皮膚適合性の材料が、例えば接着によって取り付けられてお り、そしてシェルを装着状態において固定する面ファスナベルトが、オーバラッ プするように巻かれたシェルの外周の回りを完全に、該シェルの巻付けもしくは 装着方向又は引張り方向と常に等しい方向で案内されている。このように構成さ れた巻付けシェル、つまりフレキシブルな「上腕骨骨折巻付け装具」は、長手方 向において耐屈曲性でかつ横方向において緊密にしっかりと巻くことができる。 取り外された状態においてこの巻付けシェルはフラットに例えばテーブルのよう な支持台の上に置くことができ、かつ／又は、何らかの理由で箱内に梱包するた め又は片付けるためには、ロールの形に小さく巻くことができ、これによって所 要スペースを極めて節約することができる。巻付けシェルがいかなる腕太さにも 難なく適合可能であること、つまりどんなに細い腕にも太い腕にも簡単に装着可 能であり、そしてこの場合両長手方向縁部におけるオーバラップの値に差が出る だけであることによって、本発明による装具は、ただ １つのサイズで、つまり左用と右用の２つの構成形態だけを用意することができ る。すなわち本発明による装具では、従来の８つの構成の代わりに、２つの構成 形態だけで十分である。これによってスペース及び個品数の節約における大きな 利点が、特にストック及び製造に関して得られる。本発明による巻付け装具の装 着もまた簡単である。それというのは本発明による巻付け装具は、ほぼその真ん 中が腕に沿って当て付けられ、両方の端部がオーバラップするように腕にしっか りと巻き付けられ、その後で面ファスナベルト有利には２つの面ファスナベルト を用いて腕における巻付けシェルの固定が行われるからである。さらに、面ファ スナベルトが、装着された巻付けシェルの全周を完全に取り囲むように、該シェ ルの巻付けもしくは装着方向又は引張り方向と常に等しい方向でつまり方向を変 えることなく、巻かれることによって、これらの面ファスナベルトを用いて巻付 け装具のソフトな装着及び固定が、急激な引戻しもしくは緊縛なしに行われる。 有利な構成では、周方向に設けられている少なくとも１つの金属ループ又はプラ スチックループと、単数又は複数の面ファスナ固定ポイントとによって、さらに 大きな装着確実性が得られる。シェル外周部における面ファスナベルトの位置固 定もしくは位置案内を可能にするために、比較的高価なガイドループの代わりに 、単に単数又は複数の周方向隆起部、突子又はこれに 類したものを、それぞれ対を成して配置することも可能である。 本発明の有利な構成では、ストリップがプラスチック、木又は金属又はこれら の材料の組合せから製造されている。材料の選択は、価格や環境に対する意識等 のような価値観に依存する判断に基づいて、個々に行うことができる。 ストリップは有利には例えば硬質プラスチックにような硬質材料から製造され 、幅約９ｍｍで厚さ約３ｍｍに設計される。 本発明の別の有利な構成では、ストリップが、木綿‐麻布、ウール織布又はこ れに類した繊維製品のような通気性で引裂き強度のあるフレキシブルな支持材料 に取り付けられているか又は接着によって固定されている。繊維製の支持材料は 同時に２つの働きを果たし、つまり一方では呼吸可能で滑りにくくかつ皮膚快適 性の内側ライニングとして働くので、装具の装着前に木綿チューブを予め上腕に 巻くことはもはや不要である。支持材料はまた他方において同時に、耐屈曲性の ストリップの間における旋回エレメントもしくはジョイントエレメントとして働 き、ロール内側に支持材料を備えた緊密なロールとして形成された巻付けシェル の巻付けを可能にする。ストリップの間におけるストリップの細い中間室は、さ らに繊維性の支持材料を通して空気交換を可能にし、これによって発汗を抑える 。 そしてフレキシブルな巻付けシェルが構成されている材料（布）は皮膚適合性で あるので、従来プラスチックシェルの下に使用されていた木綿チューブは省くこ とができる。 本発明の別の構成では、ストリップが互いに直接、つまり間に異なる材料を介 在させることなしに、枢着的に結合されており、この場合各ストリップがその両 長手方向狭幅側にジョイントエレメント、つまり軸部分もしくはジョイントソケ ット部分を有している。これらの部分は、種々異なった構成を有することができ 、この場合公知の適宜な構造形式、特にロールシャッタ、ベネチアンブラインド 、巻上げシャッタ式の食器棚等から公知の、対応するストリップ、ロッド等の間 におけるジョイント結合形式を、使用することができる。 常に、ほぼ円筒形のジョイントソケットと該ジョイントソケットに旋回可能に 係合するジョイント軸とは、ストリップもしくは条片の長手方向の延び全体に沿 って延在しており、この場合ジョイント軸は強度に対する要求に応じて、全体的 に一体に形成されていても又は互いに間隔をおいて配置された複数の部分に分割 されていてもよい。この場合常に重要なことは次のことである。すなわちこの場 合、ストリップ相互の十分な旋回可能性が保証されていることと、ストリップが 横方向もしくは接線方向において十分なまとまりを有 していることである。 この場合ストリップは中実材料から製造されているか又は、ロールシャッタ技 術から公知のボックス中空形状として製造されていて、内部補強リブを備えてい ることができる。内部補強されたボックス中空形状を有する後者の構成では、ジ ョイント軸はフックの形式で構成されており、このフックは、隣接したストリッ プの狭幅側のジョイントソケットに、旋回可能にかつ長手方向シフト可能（公知 の手段によってまとめられた後で長手方向シフトをロック可能）にしかも接線方 向もしくは横方向において幾分遊びをもって容易に相互にシフト可能に係合して いる。このように構成されていると、例えば押出し成形によるプラスチック材料 からの製造の場合における有利な製造形式のみならず、さらに次のような極めて 大きな利点が得られる。すなわちこのような構成では、巻付けシェルを装着した 後でベルトによってシェルを全体的になお幾分緊密に引っ張ることができる。そ れというのは個々のストリップはジョイントにおいて幾分接近方向にシフトされ るか又はさらに離れる方向に引っ張られることができるからである。シェルが装 着されて固定された後で、シェルが幾分緩すぎるということが、確認された場合 には、シェル全体を取り外すのではなく、ベルトを幾分、例えば次の面ファスナ 固定ポイントまで解放され、次いで幾分きつく全周にわたって巻付け直すだけで よく、これによってストリップは相互に接近移動させられて、周囲は全体として 減じられ、そして巻付けシェルはよりきつく固定されることになる。腕における 血液循環が中断され得るほどきつく固定されている場合には、ベルトを簡単かつ 迅速に部分的に弛めて、次いで幾分緩く締め直すことができ、この場合患者は特 別な補助を必要とすることも又は装具を新たに装着し直す必要もない。 本発明の別の構成では、本発明による巻付けシェルは一体的に、実質的に同じ 材料から製造されており、この場合ストリップ及び間に位置するジョイントは、 ストリップの間に細い屈曲ウェブが配置されていることによって実現され得る。 ストリップの間におけるこのような屈曲ウェブは、薄い中間ウェブであってよ く、このような薄い中間ウェブは、ストリップの内側底部か又は上に、ストリッ プの間の真ん中の高さに配置されている。ストリップの間においてウェブが真ん 中に配置されている場合には、次のような大きな利点が得られる。すなわちこの 場合、巻付けフレキシブルでかつ同時に長手方向剛性の一体的な部材が得られ、 この部材は両側に向かって等しく良好な巻付け特性もしくは弾性特性を有してい る。これによって左側用及び右側用の構成形態のための製造途中において、材料 から同じシェル形状を切り取ることができ、その後で次いでベルト、面ファスナ 固定ポイント及びループを取付けもしくは固定することによって、左右が決定さ れる。またこれらのベルト、面ファスナ固定ポィント及びループは場合によって は後で接着テープを用いて、相応に右側又は左側にマーキングされたポイントに 取り付けられることができるで、必要とあらば現場でわずかな手間によって左側 用装具又は右側用装具を準備することが可能である。結果的にこの構成では、従 来必要であった８つの構成形態を準備する代わりに、ただ１つの構成形態を準備 するだけで済む。したがってこのように構成された本発明による装具は、製造コ ストに関しても、コスト節減に大いに貢献するストックに関しても、極めて有利 である。 本発明による巻付け装具は結局一体的な構成においても、ストリップの間にお ける屈曲ウェブは外方に向かって湾曲されたアーチとして形成されることができ 、この場合ストリップは、アーチにほぼ等しい厚さを有している。そして全体と して、相応な特性つまり横方向における良好な弾性と長手方向における大きな剛 性とを備えたほぼ波形鉄板に似た構成が得られる。 ストリップ間における直接的な結合形式を備えた、つまり繊維製の支持材料を 有していないこれらすべての構成では、既に述べたように、ウェブの内側に、有 利には繊維材料から成る、呼吸可能で皮膚適合性の内側ライニングを取り付ける ことができる。また、ウェ ブ又は結合部分などにそれぞれ孔及び／又はスロットを十分な通気のために設け ると有利である。装着周囲から隆起したウェブ及び付加的に配置された孔又はス ロットを備えた構成では、ウェブの下に形成された通路・中空室を通して良好な 空気循環を行うことができる。 本発明の別の有利な構成では、装具が上腕骨骨折装具として形成されている場 合に、ほぼＬ字形の、又は腕-肩形状に合わせられた肩拘束キャップが、巻付け シェルの、装着状態において外側の区分に、位置調節可能に固定されている。こ の肩拘束キャップは上側のシェルゾーンにおいてほぼ真ん中に固定されていて、 腕の外側形状に追従してまず初めはほぼ鉛直に、その後で肩を越えてキャップ状 に延びており、そして上側の区分において肩にほぼ垂直に支持されている。この ようになっていることによって、鉛直方向における支持が存在することに基づい て、装具が滑り落ちることは阻止される。また付加的に、患者による上腕の運動 に関するコントロールが行われている。 装具の長手方向におけるずれを阻止するために、装具に拘束キャップもしくは 拘束エレメントを設けることは確かに公知である。しかしながら公知の拘束キャ ップもしくは拘束エレメントは、長手方向における相互の相応なポジションに予 め合わせられた後で最終的に固定されるので、キャップを必要な場合に後で長手 方向移動させること又は旋回させることはもはや不可能である。したがって患者 は、装具の一度行われた位置決めが最適でない場合でも、それで満足しなくては ならない。 本発明による肩拘束キャップは、有利には、鉛直方向の長いガイドアームとほ ぼ水平方向に延びる短い支持アームとを有しており、両アームは互いに円弧状に 移行し合っている。支持アームはこの場合その外側端部の下側に、パッドを有し ており、該パッドは円形フォームラバーパッドとして形成されているか又は、肩 部の丸み全体にわたって延びている縦長ストリップ状のパッドとして形成されて いる。円形のパッドは、それによってより正確な鉛直方向支持が得られることに 基づいて、有利である。 本発明の有利な構成では、肩拘束キャップの長いガイドアームがその下側端部 区分で、オーバラップするようにかつ形状を合わせられてシェルに載せられて長 手方向シフト可能にかつ鉛直方向／長手方向に対して旋回可能に、シェルに固定 されている。このように構成されていると、必要に応じて、肩に対する装具のポ ジションを前調節又は後調整することができる。また、肩拘束キャップの容易な 旋回可能性によって肩における最適な支持を得ることができる。それというのは 、肩のポジションは、人の姿勢に応じてつまり背中又は肩の直線度又は湾曲度に 応じて、人によって種々様 々だからである。 シェルに沿ってガイドアームを介して行われる肩拘束キャップの移動可能性及 び／又は旋回可能性を得るために、本発明の別の有利な構成では、ガイドアーム の、シェルとオーバラップする下側端部区分に、互いに平行な２つの縦長のガイ ドスロットが設けられており、該ガイドスロットを貫いて、シェルに不動に固定 された各１つのねじボルトが、垂直に貫通している。このねじボルトに配置され た、ちょうナット又は刻み付ナットのようなナット、つまり工具無しに手によっ て迅速にかつ特別な力を要することなく操作可能なナットを介して、結合を迅速 に解離又は固定することが可能である。したがって患者は自分で、装具の装着後 に、単にねじ結合部を容易に弛めることによって、肩拘束キャップを長手方向に おいて移動させること及び／又は鉛直ポジションからさらに前方又は後方に容易 に旋回させることができ、その結果、装具の最適な固定及び装着特性と共に、最 適な支持及び極めて良好な装着快適さが得られる。 本発明の別の有利な構成では、肩拘束キャップが溝状に、装着状態におけるシ ェルと同じ曲率半径をもって、成形されているか又は、装具の取付け・取外し時 に幾分横方向弾性的に接線方向の旋回変形を可能にしており、しかも肩拘束キャ ップが、巻付けシェルのストリップとほぼ同じ材料から製造されていて、有利に は通気口を備えた耐水性のプラスチックから成っている。 快適な装着特性を得るために本発明の別の有利な構成では、肩拘束キャップの 支持アームの上側端部が、半円形に丸く構成されていて、かつ同時に部分的に輪 郭が丸いパッドに合わせられている。 次に図面に示された幾つかの実施例を参照しながら本発明を説明する。 第１図は、肩拘束キャップを備えた巻付け装具を装着された状態で示す側面図 、 第２図は、第１図に示された装具を斜め前から見た図、 第３図は、第１図及び第２図に示された装具を後ろから見た図、 第４図は、第１図〜第３図に示された右腕用の装具を開いた状態で示す図、 第５図は、第４図のＶ−Ｖ線に沿った部分的な断面図、 第６図は、第４図のＶＩ−ＶＩ線に沿った部分的な断面図であって、ロールシ ャッタ構成を示す図、 第７図は、第６図の矢印ＶＩＩの方向から見た部分的に断面された平面図、 第８図は、第７図の矢印ＶＩＩＩの方向から見た巻付けシェルストリップの長 手方向狭幅側を示す図、 第９図は、別の実施例による巻付けシェルの長手方 向経過を示す図、 第１０図は、第９図の矢印Ｘの方向から見た図、 第１１図は、真っ直ぐな曲げウェブを備えた、別の実施例による巻付け装具の 長手方向経過を示す図、 第１２図は、第１１図に示された実施例の平面図、 第１３図は、円弧状のウェブを備えた巻付けシェルの長手方向経過を示す図、 第１４図は、第１３図に示された巻付けシェルの平面図である。 第１図〜第４図に示されているように、図示の実施例では上腕骨骨折装具とし て示されている本発明による装具は、巻付けフレキシブル（rollflexible）なつ まりフレキシブルに巻き付けることができるただ１つのシェル１（巻付けシェル ：Roll-Schale）から成っており、このシェル１はオーバラップして上腕に巻き 付けられ、この状態で２つの面ファスナ付ベルト５を介してしっかりと保持され る。面ファスナ付ベルトはこの場合巻付けシェル１に、面ファスナ固定ポイント ６及びプラスチック製又は金属製のガイドループ７を介して位置決め固定されて いる。ベルト５はこの場合常に同じ周方向において、装着された巻付けシェルの 回りを延びており、かつその外端部で、ベルト始端部の対応する上側の面ファス ナポイントに固定されている。 特に、装具の右腕用の１実施例が示されている第４ 図から分かるように、巻付けシェル１は、肩及び肘に対する最適な装着を可能に するために、上側縁部及び下側縁部に異なった切取り部を備えている。面ファス ナ付ベルトは巻付けシェルの片側もしくは半部に固定されていて、巻付けシェル と堅く結合された端部の上側にそれぞれ１つの面ファスナ固定ポイント６を有し ている。他方のシェル半部には複数のガイドループ７が設けられており、これら のガイドループを通して、シェル１の装着後にベルト５は位置固定されて貫通案 内される。 第１図〜第４図特に第４図から分かるように、巻付けシェル１の上側ゾーンに はつまりほぼ真ん中には、肩拘束キャップ２が固定されており、この肩拘束キャ ップ２はほぼ肩‐腕の形状もしくは湾曲に追従して、ほぼＬ字形に形成されてい る。眉拘束キャップ２は、横着された状態においてほぼ鉛直方向に延びるガイド アーム２ａと、水平方向に延びている上側の支持アーム２ｂとから成っており、 両アーム２ａ，２ｂは、間に位置している湾曲部分によって互いに移行している 。 ガイドアーム２ａの、後ろ側のシェルにオーバラップしている下側端部には、 鉛直方向もしくは長手方向に延びる互いに平行な２つのガイドスロット３が設け られており、これらのガイドスロット３を通って、シェル１に垂直に突出するよ うに固定された各１つのねじボルト４が貫通して突出している。これらのねじボ ルト４にはそれぞれちょうナット９が螺合しており、これらのちょうナット９の 下には、ナットの良好な支持を可能にするために、第６図からより正確に分かる ようにワッシャ１０が設けられている。 支持アーム２ｂの、丸く面取りされた上側端部には、下側に例えばフォーム材 料製の丸いクッション又はフォーム材料を満たされたパッド８として形成された 丸いクッションが、配置されている。これによって装具のいわば一点における快 適な鉛直支持が、保証される。 第１図〜第５図から、特に第５図から分かるように、本発明による装具の巻付 けシェル１はフレキシブルな支持材料１２から成っており、この支持材料１２は 例えばしっかりとした木綿-麻布材料から成っている。この支持材料１２の上に は、耐屈曲性の条片状のストリップ１１が互いに平行にかつ接近させられて、例 えば接着によって取り付けられ、そしてフレキシブルな巻付けシェルの形を形成 している。ストリップ１１間の細い中間室は、良好な空気交換を可能にし、かつ 発汗を阻止する。 第６図〜第８図に示された実施例ではストリップ１１は直接互いに枢着結合さ れており、この場合一方の長手方向狭幅側にはジョイント軸１３が設けられてい て、これらのジョイント軸１３は他方の長手方向狭幅側に配置されたジョイント ソケット１４もしくは軸受 に係合している。軸１３と軸受もしくはソケット１４はこの実施例ではほぼ円筒 形に形成されており、かつ第７図及び第８図から分かるように、連続的に一体的 に形成されていても又は複数に分割されていてもよい。各ストリップ１１の内側 にはそれぞれ、呼吸可能でかつ皮膚適合性の内側ライニング２０が、例えば接着 によって取り付けられている。 また第６図からも分かるように、肩拘束キャップ２は巻付けシェル１のストリ ップ１１に、ねじボルト４とナット９ここではちょうナットとを介して、かつ該 ナットの下にワッシャ１０を挟んで固定されている。 第９図及び第１０図に示された実施例では、ストリップ１１は内部補強リブ１ ７を備えた中空ボックス形状として形成されている。ジョイント軸１３はフック として形成されており、このジョイント軸１３もしくはフックは軸受開口もしく はジョイントソケット１４に係合していて、この場合軸受開口もしくはジョイン トソケット１４はフックの狭幅の固定ウェブを緊密に取り囲んでおり、この場合 フック長さはジョイントソケット深さ対して次のように、すなわちストリップ１ １の少なくともわずかな接線方向シフトもしくは横方向における内方シフトもし くは外方シフトがその旋回結合部にわたって可能であるように、形成されている 。第９図から分かるように、ストリップ１１は周囲に合わせられた湾曲を有する ことができる。第１０図に 示されているように、フック底部には通気スロット１５が設けられており、これ らの通気スロット１５は良好な空気循環を保証する。 第１１図及び第１２図に示された別の実施例ではストリップ１１がブリッジも しくはウェブ１８を介して曲げ弾性的に互いに結合されており、この場合ウェブ １８はほぼ真ん中でストリップ１１に取り付けられている。第１２図から分かる ように、ウェブ１８及び／又はストリップ１１には、良好な通気のために役立つ スロットもしくは孔１６が設けられている。 第１３図及び第１４図に示された最後の実施例では、ストリップ１１の間に弾 性的なウェブとして外方に向かって湾曲したアーチ１９が設けられている。これ らのアーチ１９は特に、周方向における弾性を可能にし、かつ場合によっては内 方への巻付けを可能にしており、そして波形鉄板又は段ボールの形式で長手方向 における剛性を高めている。 第６図〜第１４図に示されたすべての実施例において分かるように、それぞれ シェル１の内側においてストリップ１１には呼吸可能な内側ライニング２０が、 例えば接着によって取り付けられている。 最後にさらに付言すれば、実質的に同様に構成された本発明による巻付け装具 は、しかしながら肩拘束キャップなしに尺骨骨折装具（前腕装具）としても、肩 拘束キャップの代わりにヒールキャップを備えて脛骨 骨折装具（脚装具）としても使用することができ、この場合その都度巻付けシェ ルの（端部及び基部の）輪郭を幾分変えるだけでよい。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年６月１９日（１９９９．６．１９） 【補正内容】 明細書 骨折装具 本発明は、請求項１もしくは請求項５の上位概念部に記載の骨折装具、特に上 腕骨骨折装具（上腕装具）に関する。このような骨折装具は例えば、上腕骨の基 部１／３と末端１／３との間における骨折の際に、怪我をした日に又は、初期の 固定包帯を外した後の後続処置として、装着される。 このような装具は例えば、30938 Burgwendel在のThaemert社のパンフレット２ ／９０「Sarmiento Lattaによるマイアミ骨折装具システムを用いた機能的な保 存療法的な骨折処置のためのマニュアル」に記載されている。このパンフレット に開示された上腕骨骨折装具「システムマイアミ」は、トラフ状の２つの半割シ ェルから成っており、両半割シェルは肩と肘との間における上腕を取り囲んで、 プラスチックループとの関連において面ファスナベルトを介してまとめられて固 定される。両半割シェルは、穿孔された滑らかな耐水性のプラスチックから製造 されており、かつ予め肘から肩までを覆うように配置された二重の木綿チューブ の上に装着される。装着時にはまず初めに前側のシェルが、次いで後ろ側のシェ ルが装着され、その後で、一方の長辺に互いに間隔をおいて取り付けられた２つ の面ファスナベルトが、前側シェルのプラスチックループを通して案内され、次 いで、後ろ側のシェルの第２の長辺側に相応に間隔をおいて固定された別のプラ スチックループを通され、そして１８０°再び折り返されて、しっかりと面ファ スナ固定される。これによって両方のベルトは片側においてしっかりと固定され 、これによって、痛みを伴う引張りを無視したとしても、装具のずれの生じるこ とがある。さらに、このように固定された装具はその長手方向においてその下の 木綿チューブに沿ってずれ、つまり下方に向かって滑り落ち、これによって固定 が弛み、さらに肘の曲げの邪魔になる。このような場合には常に装具を再度開い て、適正なポジションに上方移動させ、そしてベルトを再びしっかりと引っ張る ことが必要である。このことは一方では痛みを伴うことがあり、かつ他方では骨 折に対して不都合に作用する。また、公知の装具によっては上腕の運動に関する コントロールは与えられていない。先行して、骨折の直後に装着されたギプス包 帯（固定包帯）は、つまり肩を越えて延びるキャップを有している。患者がその 腕の運動時にキャップに衝突すると、患者は直ちに腕を引き下げねばならないこ とを知る。 この場合注意すべきことは次のことである。すなわち、災害外科学の分科もし くは病棟や病院において手術をしない骨折処置の場合に益々よく使用される上腕 骨骨折装具は、それぞれ３つ又は４つのサイズ（Ｓ、Ｍ、Ｌ及びＸＬ）でかつそ れぞれ左腕用及び右腕用に製造されて、準備されねばならない。特に、まとめら れた状態で嵩張るシェル中空体のストックもしくは保管は、全部で８つの形態（ 左右用にそれぞれ４つのサイズ）をストックしなくはならないことを考えると、 極めて大きなスペースを必要とする。 確かにこのパンフレットには脛骨骨折装具（下腿装具）も記載されており、こ の脛骨骨折装具では、該脛骨骨折装具を位置固定するためにヒールキャップが設 けられている。ヒールキャップは、先行する位置規定の後で、再度解離不能な固 定ストリップを介して、後ろ側の装具シェルに固定される。この固定が適正に行 われていない場合に、装具高さ又はキャップ角度に関する後調節はもはや行うこ とができない。 ドイツ連邦共和国特許第２０７８９３号明細書には、特に骨折をバンデージ固 定するための、包帯のための可撓性の木製板が開示されており、この木製板では 、複数の細い木製条片が近接して並べられて麻布又はこれに類したものににかわ で固定されているか又は、麻布又はこれに類したものに接着された１枚の板が外 側に平行な複数の溝を有しており、これによって少なくとも一方の方向に巻くこ とができるようになっている。しかしながらこの公知の装置を四肢にどのように 固定するかについては、当該明細書に何ら開示されて いない。たぶん、この場合の固定はバンデージ固定つまり包帯を巻くことによっ て行われるものと思われる。患者自身が自分で装着することのできる巻付け装具 （Rollorthese）としては、この公知の装置は使用不能である。 また英国特許第２１０８８４９号明細書に開示された脚副木では、比較的広幅 の長手方向ポケットに長手方向固定部材として板が挿入されている。この脚副木 は、比較的短い複数のベルトによって、該ベルト及び副木ポケットにおける面フ ァスナエレメントを用いて固定される。この公知の装置は、脚を一時的に固定す るためにしか適しておらず、不使用時に小さく丸めておける例えば上腕装具とし て使用することは、不可能である。 ゆえに本発明の課題は、請求項１もしくは請求項５の上位概念部に記載された 形式の骨折装具特に上腕骨骨折装具を改良して、構造が単純であり、四肢部分の 呼吸可能でかつ確実な固定を可能にし、しかもすべてのサイズをカバーし巻いて 小さくまとめることができるただ２つの装具構成（左用及び右用）を有していて 、さらに単純に、位置決め正確にかつずれないように装着することができ、位置 の後調節を最適に行うことができる骨折装具を提供することである。 この課題を解決するために本発明の構成では、請求項１もしくは請求項５の特 徴部に記載のように構成さ れた。本発明のその他の有利な構成は請求の範囲におけるその他の請求項に記載 されている。 本発明によれば、周方向において巻付けフレキシブルな１つのシェルから形成 された装具は、長手方向に互いに平行に配置されていてそれぞれ隣接して互いに 旋回可能に結合されている耐屈曲性の複数のストリップから成っており、かつ面 ファスナベルトを介してまとめられて固定される。そしてストリップの内側にだ け、例えば木綿織布のような呼吸可能でかつ皮膚適合性の材料が、例えば接着に よって取り付けられており、そして面ファスナベルトが、オーバラップするよう に巻かれたシェルの外周の回りを完全に、該シェルの巻付けもしくは装着方向又 は引張り方向と常に等しい方向で案内されている。さらに、ストリップは互いに 直接枢着的に結合されており、この場合各ストリップはその両方の長手方向狭幅 側に、側方に突出していて少なくとも部分的に円筒形の、長手方向に延びるジョ イント軸を有しており、このジョイント軸は、隣接したストリップの他方の長手 方向狭幅側の、長手方向に延びる円筒形のジョイントソケット又は軸受に、長手 方向シフト可能かつ旋回可能に、しかしながら周方向においては引出し不能に、 突入している。 このように構成された巻付けシェル、つまりフレキシブルな「上腕骨骨折装具 」は、長手方向において耐屈曲性でかつ横方向において緊密にしっかりと巻くこ とができる。取り外された状態においてこの巻付けシェルはフラットに例えばテ ーブルのような支持台の上に置くことができ、かつ／又は、何らかの理由で箱内 に梱包するため又は片付けるためには、ロールの形に小さく巻くことができ、こ れによって所要スペースを極めて節約することができる。巻付けシェルがいかな る腕太さにも難なく適合可能であること、つまりどんなに細い腕にも太い腕にも 簡単に装着可能であり、そしてこの場合両長手方向縁部におけるオーバラップの 値に差が出るだけであることによって、本発明による装具は、ただ１つのサイズ で、つまり左用と右用の２つの構成形態だけを用意することができる。すなわち 本発明による装具では、従来の８つの構成の代わりに、２つの構成形態だけで十 分である。これによってスペース及び個品数の節約における大きな利点が、特に ストック及び製造に関して得られる。本発明による巻付け装具の装着もまた簡単 である。それというのは本発明による巻付け装具は、ほぼその真ん中が腕に沿っ て当て付けられ、両方の端部がオーバラップするように腕にしっかりと巻き付け られ、その後で面ファスナベルト有利には２つの面ファスナベルトを用いて腕に おける巻付けシェルの固定が行われるからである。さらに、面ファスナベルトが 、装着された巻付けシェルの全周を完全に取り囲むように、該シェルの巻付けも しくは装着方向又は引張り方向と常に等しい方向でつ まり方向を変えることなく、巻かれることによって、これらの面ファスナベルト を用いて巻付け装具のソフトな装着及び固定が、急激な引戻しもしくは緊縛なし に行われる。有利な構成では、周方向に設けられている少なくとも１つの金属ル ープ又はプラスチックループと、単数又は複数の面ファスナ固定ポイントとによ って、さらに大きな装着確実性が得られる。シェル外周部における面ファスナベ ルトの位置固定もしくは位置案内を可能にするために、比較的高価なガイドルー プの代わりに、単に単数又は複数の周方向隆起部、突子又はこれに類したものを 、それぞれ対を成して配置することも可能である。 ジョイントエレメント、つまり軸部分もしくはジョイントソケット部分は、種 々異なった構成を有することができ、この場合公知の適宜な構造形式、特にロー ルシャッタ、ベネチアンブラインド、巻上げシャッタ式の食器棚等から公知の、 対応するストリップ、ロッド等の間におけるジョイント結合形式を、使用するこ とができる。常に、ほぼ円筒形のジョイントソケットと該ジョイントソケットに 旋回可能に係合するジョイント軸とは、ストリップもしくは条片の長手方向の延 び全体に沿って延在しており、この場合ジョイント軸は強度に対する要求に応じ て、全体的に一体に形成されていても又は互いに間隔をおいて配置された複数の 部分に分割されていてもよい。この場合常に重要なこ とは次のことである。すなわちこの場合、ストリップ相互の十分な旋回可能性が 保証されていることと、ストリップが横方向もしくは接線方向において十分なま とまりを有していることである。 この場合ストリップは中実材料から製造されているか又は、ロールシャッタ技 術から公知のボックス中空形状として製造されていて、内部補強リブを備えてい ることができる。内部補強されたボックス中空形状を有する後者の構成では、ジ ョイント軸はフックの形式で構成されており、このフックは、隣接したストリッ プの狭幅側のジョイントソケットに、旋回可能にかつ長手方向シフト可能（公知 の手段によってまとめられた後で長手方向シフトをロック可能）にしかも接線方 向もしくは横方向において幾分遊びをもって容易に相互にシフト可能に係合して いる。このように構成されていると、例えば押出し成形によるプラスチック材料 からの製造の場合における有利な製造形式のみならず、さらに次のような極めて 大きな利点が得られる。すなわちこのような構成では、巻付けシェルを装着した 後でベルトによってシェルを全体的になお幾分緊密に引っ張ることができる。そ れというのは個々のストリップはジョイントにおいて幾分接近方向にシフトされ るか又はさらに離れる方向に引っ張られることができるからである。シェルが装 着されて固定された後で、シェルが幾分緩すぎるということが、確認された場合 には、シェル全体を取り外すのではなく、ベルトを幾分、例えば次の面ファスナ 固定ポイントまで解放され、次いで幾分きつく全周にわたって巻付け直すだけで よく、これによってストリップは相互に接近移動させられて、周囲は全体として 減じられ、そして巻付けシェルはよりきつく固定されることになる。腕における 血液循環が中断され得るほどきつく固定されている場合には、ベルトを簡単かつ 迅速に部分的に弛めて、次いで幾分緩く締め直すことができ、この場合患者は特 別な補助を必要とすることも又は装具を新たに装着し直す必要もない。 前記課題を解決する別の構成（請求項５記載の構成）では、周方向において巻 付けフレキシブルなシェルから形成された装具が、長手方向に互いに平行に配置 されていてそれぞれ隣接して互いに旋回可能に結合された耐屈曲性のストリップ から成っており、かつ面ファスナベルトを介してまとめられて固定されるように なっている。そしてストリップの内側だけに、木綿織布のような呼吸可能でかつ 皮膚適合性の材料が、例えば接着によって取り付けられており、面ファスナベル トが、オーバラップするように装着されたシェルの外周の回りを完全に、該シェ ルの装着方向又は引張り方向と常に等しい方向で案内されている。さらに、スト リップが弾性的なウェブを介して互いに結合されており、しかも、ストリップの 間におけるウェブが、外方 に向かって湾曲されたアーチとして形成されており、この場合ストリップが、ア ーチにほぼ等しい厚さを有しており、これによってほぼ波形鉄板に似た構成が与 えられており、全体として、横方向においてフレキシブルでかつ長手方向におい て剛性のまとまったつまり一体的なエレメントが形成されている。 ストリップ間における直接的な結合形式を備えたこの構成では、ウェブの内側 に、有利には繊維材料から成る、呼吸可能で皮膚適合性の内側ライニングを取り 付けることができる。また、ウェブ又は結合部分などにそれぞれ孔及び／又はス ロットを十分な通気のために設けると有利である。装着周囲から隆起したウェブ 及び付加的に配置された孔又はスロットによって、ウェブの下に形成された通路 ・中空室を通して良好な空気循環を行うことができる。 本発明の有利な構成では、ストリップがプラスチック、木又は金属又はこれら の材料の組合せから製造されている。材料の選択は、価格や環境に対する意識等 のような価値観に依存する判断に基づいて、個々に行うことができる。 ストリップは有利には例えば硬質プラスチックにような硬質材料から製造され 、幅約９ｍｍで厚さ約３ｍｍに設計される。 本発明の別の有利な構成では、装具が上腕骨骨折装具として形成されている場 合に、ほぼＬ字形の、もし くは腕-肩形状に合わせられた肩拘束キャップが、巻付けシェルの、装着状態に おいて外側の区分に、位置調節可能に固定されている。この肩拘束キャップは上 側のシェルゾーンにおいてほぼ真ん中に固定されていて、腕の外側形状に追従し てまず初めはほぼ鉛直に、その後で肩を越えてキャップ状に延びており、そして 上側の区分において肩にほぼ垂直に支持されている。このようになっていること によって、鉛直方向における支持が存在することに基づいて、装具が滑り落ちる ことは阻止される。また付加的に、患者による上腕の運動に関するコントロール が行われている。 装具の長手方向におけるずれを阻止するために、装具に拘束キャップもしくは 拘束エレメントを設けることは確かに公知である。しかしながら公知の拘束キャ ップもしくは拘束エレメントは、長手方向における相互の相応なポジションに予 め合わせられた後で最終的に固定されるので、キャップを必要な場合に後で長手 方向移動させること又は旋回させることはもはや不可能である。したがって患者 は、装具の一度行われた位置決めが最適でない場合でも、それで満足しなくては ならない。 本発明による肩拘束キャップは、有利には、鉛直方向の長いガイドアームとほ ぼ水平方向に延びる短い支持アームとを有しており、両アームは互いに円弧状に 移行し合っている。支持アームはこの場合その外側端 部の下側に、パッドを有しており、該パッドは円形フォームラバーパッドとして 形成されているか又は、肩部の丸み全体にわたって延びている縦長ストリップ状 のパッドとして形成されている。円形のパッドは、それによってより正確な鉛直 方向支持が得られることに基づいて、有利である。 本発明の有利な構成では、肩拘束キャップの長いガイドアームがその下側端部 区分で、オーバラップするようにかつ形状を合わせられてシェルに載せられて長 手方向シフト可能にかつ鉛直方向／長手方向に対して旋回可能に、シェルに固定 されている。このように構成されていると、必要に応じて、肩に対する装具のポ ジションを前調節又は後調整することができる。また、肩拘束キャップの容易な 旋回可能性によって肩における最適な支持を得ることができる。それというのは 、肩のポジションは、人の姿勢に応じてつまり背中又は肩の直線度又は湾曲度に 応じて、人によって種々様々だからである。 シェルに沿ってガイドアームを介して行われる肩拘束キャップの移動可能性及 び／又は旋回可能性を得るために、本発明の別の有利な構成では、ガイドアーム の、シェルとオーバラップする下側端部区分に、互いに平行な２つの縦長のガイ ドスロットが設けられており、該ガイドスロットを貫いて、シェルに不動に固定 された各１つのねじボルトが、垂直に貫通している。 このねじボルトに配置された、ちょうナット又は刻み付ナットのようなナット、 つまり工具無しに手によって迅速にかつ特別な力を要することなく操作可能なナ ットを介して、結合を迅速に解離又は固定することが可能である。したがって患 者は自分で、装具の装着後に、単にねじ結合部を容易に弛めることによって、肩 拘束キャップを長手方向において移動させること及び／又は鉛直ポジションから さらに前方又は後方に容易に旋回させることができ、その結果、装具の最適な固 定及び装着特性と共に、最適な支持及び極めて良好な装着快適さが得られる。 本発明の別の有利な構成では、屑拘束キャップが溝状に、装着状態におけるシ ェルと同じ曲率半径をもって、成形されているか又は、装具の装着・取外し時に 幾分横方向弾性的に接線方向の旋回変形を可能にしており、しかも肩拘束キャッ プが、巻付けシェルのストリップとほぼ同じ材料から製造されていて、有利には 通気口を備えた耐水性のプラスチックから成っている。 快適な装着特性を得るために本発明の別の有利な構成では、肩拘束キャップの 支持アームの上側端部が、半円形に丸く構成されていて、かつ同時に部分的に輪 郭が丸いパッドに合わせられている。 次に図面に示された幾つかの実施例を参照しながら本発明を説明する。 第１図は、肩拘束キャップを備えた巻付け装具を装着された状態で示す側面図 、 第２図は、第１図に示された装具を斜め前から見た図、 第３図は、第１図及び第２図に示された装具を後ろから見た図、 第４図は、第１図〜第３図に示された右腕用の装具を開いた状態で示す図、 第５図は、第４図のＶ−Ｖ線に沿った部分的な断面図であって、別の構成（ロ ールシャッタ構成）を示す図、 第６図は、第５図の矢印ＶＩの方向から見た部分的に断面された平面図、 第７図は、第６図の矢印ＶＩＩの方向から見た巻付けシェルストリップの長手 方向狭幅側を示す図、 第８図は、別の実施例による巻付けシェルの長手方向経過を示す図、 第９図は、第８図の矢印ＩＸの方向から見た図、 第１０図は、円弧状のウェブを備えた巻付けシェルの長手方向経過を示す図、 第１１図は、第１０図に示された巻付けシェルの平面図である。 第１図〜第４図に示されているように、図示の実施例では上腕骨骨折装具とし て示されている本発明による装具は、巻付けフレキシブル（rollflexible）なつ まりフレキシブルに巻き付けることができるただ１つのシェル１（巻付けシェル ：Roll-Schale）から成っており、このシェル１はオーバラップして上腕に巻き 付けられ、この状態で２つの面ファスナ付ベルト５を介してしっかりと保持され る。面ファスナ付ベルトはこの場合巻付けシェル１に、面ファスナ固定ポイント ６及びプラスチック製又は金属製のガイドループ７を介して位置決め固定されて いる。ベルト５はこの場合常に同じ周方向において、装着された巻付けシェルの 回りを延びており、かつその外端部で、ベルト始端部の対応する上側の面ファス ナポイントに固定されている。 特に、装具の右腕用の１実施例が示されている第４図から分かるように、巻付 けシェル１は、肩及び肘に対する最適な装着を可能にするために、上側縁部及び 下側縁部に異なった切取り部を備えている。面ファスナ付ベルトは巻付けシェル の片側もしくは半部に固定されていて、巻付けシェルと堅く結合された端部の上 側にそれぞれ１つの面ファスナ固定ポイント６を有している。他方のシェル半部 には複数のガイドループ７が設けられており、これらのガイドループを通して、 シェル１の装着後にベルト５は位置固定されて貫通案内される。 第１図〜第４図特に第４図から分かるように、巻付けシェル１の上側ゾーンに はつまりほぼ真ん中には、 肩拘束キャップ２が固定されており、この肩拘束キャップ２はほぼ肩-腕の形状 もしくは湾曲に追従して、ほぼＬ字形に形成されている。肩拘束キャップ２は、 横着された状態においてほぼ鉛直方向に延びるガイドアーム２ａと、水平方向に 延びている上側の支持アーム２ｂとから成っており、両アーム２ａ，２ｂは、間 に位置している湾曲部分によって互いに移行している。 ガイドアーム２ａの、後ろ側のシェルにオーバラップしている下側端部には、 鉛直方向もしくは長手方向に延びる互いに平行な２つのガイドスロット３が設け られており、これらのガイドスロット３を通って、シェル１に垂直に突出するよ うに固定された各１つのねじボルト４が貫通して突出している。これらのねじボ ルト４にはそれぞれちょうナット９が螺合しており、これらのちょうナット９の 下には、ナットの良好な支持を可能にするために、第５図からより正確に分かる ようにワッシャ１０が設けられている。 支持アーム２ｂの、丸く面取りされた上側端部には、下側に例えばフォーム材 料製の丸いクッション又はフォーム材料を満たされたパッド８として形成された 丸いクッションが、配置されている。これによって装具のいわば一点における快 適な鉛直支持が、保証される。 第５図〜第７図に示された実施例では、互いに近接して平行に並んで配置され た耐屈曲性の条片状のスト リップ１１が、直接互いに枢着結合されており、この場合一方の長手方向狭幅側 にはジョイント軸１３が設けられていて、これらのジョイント軸１３は他方の長 手方向狭幅側に配置されたジョイントソケット１４もしくは軸受に係合している 。軸１３と軸受もしくはソケット１４はこの実施例ではほぼ円筒形に形成されて おり、かつ第６図及び第７図から分かるように、連続的に一体的に形成されてい ても又は複数に分割されていてもよい。各ストリップ１１の内側にはそれぞれ、 呼吸可能でかつ皮膚適合性の内側ライニング２０が、例えば接着によって取り付 けられている。 第５図からも分かるように、肩拘束キャップ２は巻付けシェル１のストリップ １１に、ねじボルト４とナット９ここではちょうナットとを介して、かつ該ナッ トの下にワッシャ１０を挟んで固定されている。 第８図及び第９図に示された実施例では、ストリップ１１は内部補強リブ１７ を備えた中空ボックス形状として形成されている。ジョイント軸１３はフックと して形成されており、このジョイント軸１３もしくはフックは軸受開口もしくは ジョイントソケット１４に係合していて、この場合軸受開口もしくはジョイント ソケット１４はフックの狭幅の固定ウェブを緊密に取り囲んでおり、この場合フ ック長さはジョイントソケット深さ対して次のように、すなわちストリップ１１ の少なくともわずかな接線方向シフトもしくは横方向 における内方シフトもしくは外方シフトがその旋回結合部にわたって可能である ように、形成されている。第８図から分かるように、ストリップ１１は周囲に合 わせられた湾曲を有することができる。第９図に示されているように、フック底 部には通気スロット１５が設けられており、これらの通気スロット１５は良好な 空気循環を保証する。 第１０図及び第１１図に示された実施例では、ストリップ１１の間に曲げ弾性 的なウェブが設けられており、これらのウェブは外方に向かって湾曲したアーチ １９として形成されている。これらのアーチ１９は特に、周方向における弾性を 可能にし、かつ場合によっては内方への巻付けを可能にしており、そして波形鉄 板又は段ボールの形式で長手方向における剛性を高めている。 第５図〜第１１図に示されたすべての実施例において分かるように、それぞれ シェル１の内側においてストリップ１１には呼吸可能な内側ライニング２０が、 例えば接着によって取り付けられている。 最後にさらに付言すれば、実質的に同様に構成された本発明による巻付け装具 は、しかしながら肩拘束キャップなしに尺骨骨折装具（前腕装具）としても、肩 拘束キャップの代わりにヒールキャップを備えて脛骨骨折装具（脚装具）として も使用することができ、この場合その都度巻付けシェルの（端部及び基部の）輪 郭を幾分変えるだけでよい。 請求の範囲 1. 骨折装具、特に上腕骨骨折装具であって、支持すべき四肢を取り囲む周方向 において巻付けフレキシブルなシェル（１）が設けられている形式のものにおい て、シェル（１）が、長手方向に平行に配置されていてそれぞれ隣接して互いに 旋回可能に結合された耐屈曲性のストリップ（１１）から成っており、かつ面フ ァスナベルトを介してまとめられて固定されるようになっており、ストリップ（ １１）の内側だけに、呼吸可能でかつ皮膚適合性の材料（２０）が取り付けられ ており、面ファスナベルト（５）が、オーバラップするように装着されたシェル （１）の外周の回りを完全に、該シェル（１）の装着方向又は引張り方向と常に 等しい方向で案内されており、さらに、ストリップ（１１）が互いに直接枢着的 に結合されており、この場合各ストリップ（１１）が一方の長手方向狭幅側に、 側方に突出していて少なくとも部分的に円筒形の、長手方向に延びるジョイント 軸（１３）を有しており、該ジョイント軸（１３）が、隣接したストリップ（１ １）の他方の長手方向狭幅側の、長手方向に延びる円筒形のジョイントソケット （１４）又は軸受に、長手方向シフト可能かつ旋回可能に、しかしながら周方向 においては引出し不能に、突入していることを特徴とする 骨折装具。 2. ジョイント軸（１３）が長手方向に一体的に、縦長の通気スロット（１５） 又は孔（１６）を備えて形成されているか、又は長手方向に互いに間隔をおいて 配置された複数のジョイント軸部材から成っている、請求項１記載の骨折装具。 3. ストリップ（１１）が中実材料から形成されているか又は、内部補強リブ（ １７）を備えたボックス中空形状に形成されている、請求項１記載の骨折装具 4. ストリップ（１１）がロールシャッタエレメントとして形成されており、こ の場合一方のストリップ（１１）の、ジョイントフックとして形成されていて狭 幅側において突出したジョイント軸（１３）が、隣接したストリップ（１１）の 狭幅側のジョイントソケット（１４）に、旋回可能にかつ長手方向シフト可能に しかもジョイントソケット（１４）の接線方向もしくは周方向において幾分遊び をもって容易に相互にシフト可能に係合している、請求項１から３までのいずれ か１項記載の骨折装具。 5. 骨折装具、特に上腕骨骨折装具であって、支持すべき四肢を取り囲む周方向 において巻付けフレキシブルなシェル（１）が設けられている形式のものにおい て、シェル（１）が、長手方向に平行に配置されていてそれぞれ隣接して互いに 旋回可能に結合さ れた耐屈曲性のストリップ（１１）から成っており、かつ面ファスナベルトを介 してまとめられて固定されるようになっており、ストリップ（１１）の内側だけ に、呼吸可能でかつ皮膚適合性の材料（２０）が取り付けられており、面ファナ ベルト（５）が、オーバラップするように装着されたシェル（１）の外周の回り を完全に、該シェル（１）の装着方向又は引張り方向と常に等しい方向で案内さ れており、さらに、ストリップ（１１）が弾性的なウェブ（１９）を介して互い に結合されており、しかも、ストリップ（１１）の間におけるウェブが、外方に 向かって湾曲されたアーチ（１９）として形成されており、この場合ストリップ （１１）が、アーチ（１９）にほぼ等しい厚さを有しており、この場合ほぼ波形 鉄板に似た構成が与えられており、全体として、横方向においてフレキシブルで かつ長手方向において剛性のまとまったエレメントが形成されていることを特徴 とする骨折装具。 6. ストリップ（１１）がプラスチック、木又は金属又はこれらの材料の組合せ から製造されていて、有利には幅約９ｍｍで厚さ約３ｍｍである、請求項１又は ５記載の骨折装具。 7. 装具が上腕骨骨折装具として形成されている場合に、Ｌ字形の、又は腕‐肩 形状に合わせられた肩拘束キャップ（２）が設けられており、該肩拘束キャッ プ（２）が、装着状態において巻付けシェル（１）の外側区分に、手によって位 置調節可能に固定されている、請求項１又は５記載の骨折装具。 8. 肩拘束キャップ（２）が、装着された状態で見て、鉛直方向の長いガイドア ーム（２ａ）と水平方向に延びる短い支持アーム（２ｂ）とを有しており、両ア ーム（２ａ，２ｂ）が互いに円弧状に移行し合っている、請求項７記載の骨折装 具。 9. 支持アーム（２ｂ）がその外側端部の下側に、パッド（８）を有しており、 該パッド（８）が円形に形成されているか又は、縦長のストリップとして肩部の 丸み全体にわたって延びている、請求項７又は８記載の骨折装具。 10．ガイドアーム（２ａ）がその下側端部区分で、オーバラップするようにかつ 形状を合わせられてシェル（１）に載せられて長手方向シフト可能にかつ同時に わずかに鉛直方向／長手方向に対して旋回可能に、シェル（１）に固定されてい る、請求項７又は９記載の骨折装具。 11．ガイドアーム（２ａ）の下側端部区分に、互いに平行な２つの縦長のガイド スロット（３）が設けられており、該ガイドスロット（３）を貫いて、シェル（ １）に垂直に突出するように固定された各１つのねじボルト（９）が貫通してい て、ちょうナット又は刻み付ナットのような各１つのナット（４）が 、ねじボルト（４）の突出した端部にしっかりと螺合可能である、請求項１０記 載の骨折装具。 12．肩拘束キャップ（２）が溝状に、装着状態におけるシェル（１）と同じ曲率 半径をもって、成形されているか又は、装具の装着・取外し時に幾分横方向弾性 的に旋回変形を可能にしており、しかも肩拘束キャップ（２）が、通気口を備え た耐水性のプラスチックのような、巻付けシェル（１）のストリップ（１１）と 同じ材料から製造されている、請求項７から１１までのいずれか１項記載の骨折 装具。 13．巻付けシェル（１）、該巻付けシェルのストリップ（１１）及びキャップ（ ２）が、その内側に、呼吸可能で皮膚適合性の内側ライニング（２０）を備えて おり、しかも該内側ライニングが例えば繊維織布、木綿織布又はプラッシュライ ニングである、請求項７から１１までのいずれか１項記載の骨折装具。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ， ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，Ｌ Ｓ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ， ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＥＥ，Ｅ Ｓ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ， ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，Ｍ Ｘ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ， ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 骨折巻付け装具、特に上腕骨骨折装具であって、支持すべき四肢を取り囲む 周方向において巻付けフレキシブルなシェル（１）が設けられており、該シェル が、長手方向に平行に配置されていてそれぞれ隣接して互いに旋回可能に結合さ れたストリップ（１１）を有しており、かつ面ファスナベルトを介してまとめら れる形式のものにおいて、シェル（１）が耐屈曲性のストリップ（１１）から成 っており、ストリップ（１１）の内側だけに、木綿織布のような呼吸可能でかつ 皮膚適合性の材料（１２，２０）が、例えば接着によって取り付けられており、 面ファスナベルト（５）が、オーバラップするように巻かれたシェル（１）の外 周の回りを完全に、該シェル（１）の巻付けもしくは装着方向又は引張り方向と 常に等しい方向で案内されていることを特徴とする骨折巻付け装具。 2. ストリップ（１１）がプラスチック、木又は金属又はこれらの材料の組合せ から製造されていて、幅約９ｍｍで厚さ約３ｍｍである、請求項１記載の骨折巻 付け装具。 3. ストリップ（１１）が、木綿-麻布又は繊維製品のような通気性で耐摩耗性 のフレキシブルな支持材料（１２）に取り付けられているか又は接着によって 固定されている、請求項１又は２記載の骨折巻付け装具。 4. ストリップ（１１）が互いに直接枢着的に結合されており、この場合各スト リップ（１１）が一方の長手方向狭幅側に、側方に突出していて少なくとも部分 的に円筒形の、長手方向に延びるジョイント軸（１３）を有しており、該ジョイ ント軸（１３）が、隣接したストリップ（１１）の他方の長手方向狭幅側の、長 手方向に延びる円筒形のジョイントソケット（１４）又は軸受に、長手方向シフ ト可能かつ旋回可能に、しかしながら周方向においては引出し不能に、突入して いる、請求項１記載の骨折巻付け装具。 5. ジョイント軸（１３）が長手方向に一体的に、縦長の通気スロット（１５） 又は孔（１６）を備えて形成されているか、又は長手方向に互いに間隔をおいて 配置された複数のジョイント軸部材から成っている、請求項４記載の骨折巻付け 装具。 6. ストリップ（１１）が中実材料から形成されているか又は、内部補強リブ（ １７）を備えたボックス中空形状に形成されている、請求項４記載の骨折巻付け 装具。 7. ストリップ（１１）がロールシャッタエレメントとして形成されており、こ の場合一方のストリップ（１１）の、ジョイントフックとして形成されてい て狭幅側において突出したジョイント軸（１３）が、隣接したストリップ（１１ ）の狭幅側のジョイントソケット（１４）に、旋回可能にかつ長手方向シフト可 能にしかも接線方向又は周方向において幾分遊びをもって容易に相互にシフト可 能に係合している、請求項４から６までのいずれか１項記載の骨折巻付け装具。 8. ストリップ（１１）が、同じ材料から成る真ん中に配置された薄いフレキシ ブルなウェブを介して、互いに一体的に結合されており、この場合ウェブ（１８ ）及び／又はストリップ（１１）が呼吸兼通気孔（１６）又は呼吸兼通気スロッ ト（１５）を有している、請求項４記載の骨折巻付け装具。 9. ストリップ（１１）の間におけるウェブが、短い真っ直ぐなウェブ（１８） である、請求項８記載の骨折巻付け装具。 10．ストリップ（１１）の間におけるウェブが、外方に向かって湾曲されたアー チ（１９）として形成されており、この場合ストリップ（１１）が、アーチ（１ ９）にほぼ等しい厚さを有しており、この場合ほぼ波形鉄板に似た構成が与えら れており、全体として、横方向においてフレキシブルでかつ長手方向において剛 性のまとまったエレメントが形成されている、請求項８記載の骨折巻付け装具。 11．装具が上腕骨骨折装具として形成されている場合 に、Ｌ字形の、又は腕‐肩形状に合わせられた肩拘束キャップ（２）が設けられ ており、該肩拘束キャップ（２）が、装着状態において巻付けシェル（１）の外 側区分に、手によって位置調節可能に固定されている、請求項１記載の骨折巻付 け装具。 12．肩拘束キャップ（２）が、装着された状態で見て、鉛直方向の長いガイドア ーム（２ａ）と水平方向に延びる短い支持アーム（２ｂ）とを有しており、両ア ーム（２ａ，２ｂ）が互いに円弧状に移行し合っている、請求項１１記載の骨折 巻付け装具。 13．支持アーム（２ｂ）がその外側端部の下側に、パッド（８）を有しており、 該パッド（８）が円形に形成されているか又は、縦長のストリップとして肩部の 丸み全体にわたって延びている、請求項１１又は１２記載の骨折巻付け装具。 14．ガイドアーム（２ａ）がその下側端部区分で、オーバラップするようにかつ 形状を合わせられてシェル（１）に載せられて長手方向シフト可能にかつ同時に わずかに鉛直方向／長手方向に対して旋回可能に、シェル（１）に固定されてい る、請求項１１から１３までのいずれか１項記載の骨折巻付け装具。 15．ガイドアーム（２ａ）の下側端部区分に、互いに平行な２つの縦長のガイド スロット（３）が設けられており、該ガイドスロット（３）を貫いて、シェル（ １）に垂直に突出するように固定された各１つ のねじボルト（９）が貫通していて、ちょうナット又は刻み付ナットのような各 １つのナット（４）が、ねじボルト（４）の突出した端部にしっかりと螺合可能 である、請求項１４記載の骨折巻付け装具。 16．肩拘束キャップ（２）が溝状に、装着状態におけるシェル（１）と同じ曲率 半径をもって、成形されているか又は、装具の装着・取外し時に幾分横方向弾性 的に旋回変形を可能にしており、しかも肩拘束キャップ（２）が、例えば通気口 を備えた耐水性のプラスチックのような、巻付けシェル（１）のストリップ（１ １）と同じ材料から製造されている、請求項１１から１５までのいずれか１項記 載の骨折巻付け装具。 17．巻付けシェル（１）、該巻付けシェルのストリップ（１１）及びキャップ（ ２）が、その内側に、呼吸可能で皮膚適合性の内側ライニング（２０）を備えて おり、しかも該内側ライニングが例えば繊維織布、木綿織布又はプラッシュライ ニングである、請求項１１から１５までのいずれか１項記載の骨折巻付け装具。