JP2001523111A - 構造体架橋オリゴヌクレオチドを使用した標的依存型反応 - Google Patents

構造体架橋オリゴヌクレオチドを使用した標的依存型反応

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、核酸を分析するための方法および組成物に関する。特に、本発明は、核酸の配列および配列変化を検出して特徴づけるための方法および組成物に関する。本発明の方法は、遺伝的多型(例えば、ヒトの疾病と関連したもの)の検出および/または同定を可能にし、かつ病原体の同定(例えば、ウイルスおよび細菌株の同定)を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】 構造体架橋オリゴヌクレオチドを使用した標的依存型反応 発明の分野 本発明は、核酸を分析するための方法および組成物に関し、特に核酸の配列お よび配列変化を検出および特徴づけるための方法および組成物に関する。 発明の背景 特定の核酸の配列および配列変化の検出および特徴づけは、感染を示すウイル ス性または細菌性核酸配列の存在、疾患および癌に関連した哺乳動物遺伝子の変 異体または対立遺伝子の存在を検出するため、ならびに法医学サンプルおよび父 親決定における核酸のソース(source)を同定するために利用されている。ヒト由 来遺伝子および病原性生物由来遺伝子についての核酸配列データが蓄積するにつ れて、特定の配列における未知および既知の突然変異についての、迅速、費用効 果、かつ使用が簡単なテストに対する要求が急速に増している。 核酸セグメントを突然変異について走査する方法が多く考案されている。1つ の選択としては、各テストサンプル(例えば、細菌株を含んでいる疑いのある臨 床サンプル)の遺伝子配列全体を決定することである。これは、約600ヌクレオチ ド未満の配列については、増幅材料(例えば、PCR反応産物)を使用して行うこと ができる。これにより、目的のセグメントをクローニングする時間および費用が 省ける。しかし、DNA配列決定のために専用設備および高度な訓練を受けた人員 が必要であり、またこの方法は臨床現場において実用的かつ有効であるには労力 および費用がかかり過ぎる。 配列決定に伴う困難を考慮して、核酸の所定のセグメントをいくつかの別レベ ルにおいて特徴づけることができる。最も低い分解能では、電気泳動において同 じゲル上での既知の標準的な移動と比較することにより分子の大きさを定量でき る。電気泳動に先立って制限酵素の組合わせで開裂して整然化された地図を構築 することによって、分子のより詳細な写真が得られる。標識されたプローブと のハイブリダイゼーションによって断片中の特定配列の存在を検出することがで きる。あるいはまた、上述したように、鎖終結ヌクレオチド類似体の存在下にお ける部分的化学分解もしくはプライマー伸長によって正確なヌクレオチド配列を 定量することができる。 類似した配列間(例えば、ある遺伝子の野生型のものと突然変異形態のもの)の 単一塩基の違いを検出するためには、分析は多くの場合最も高いレベルの分解能 が要求される。問題のヌクレオチドの位置が予め分かっている場合には、直接配 列決定することなく単一塩基変化を試験する方法がいくつか開発されている。例 えば、目的の突然変異が制限認識配列内にある場合、消化のパターンにおける変 化を診断ツールとして用いることができる(例えば、制限断片長多型[RFLP]分析) 。このようにして、RFLPの産生または破壊によって単一点突然変異を検出するこ とができる。 単一塩基突然変異は、RNアーゼAを用いたRNA-RNAまたはRNA-DNAヘテロ二重 らせんの開裂によっても同定されている(Myersら,Science 230:1242[1985]お よびWinterら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:7575[1985])。ミスマッチ箇所 での開裂によってできたRNA断片の存在および大きさによって突然変異が検出さ れ、その位置が求まる。DNAヘテロ二重らせんにおける単一ヌクレオチドミスマ ッチ箇所も、いくつかの化学薬品によって認識および開裂され、単一塩基置換を 検出するための代替的な方法が得られる(総称的に「ミスマッチ化学開裂」(MCC)と 称される(Gogosら,Nucl.Acids Res.,18:6807-6817[1990]))。しかし、この方 法は、臨床実験での使用に適さない非常に有毒な化学薬品の2つである四酸化オ スミウム(osmium tetroxide)およびピペリジンを使用しなければならない。バク テリオファージT4エンドヌクレアーゼVIIなどの酵素が「酵素ミスマッチ開裂:(E MC)(Youilら,Genomics,32:431[1996])」で使用されている。しかし、ミスマッ チ開裂法の全てが一部のミスマッチ塩基対に対する感度に欠けており、ミスマッ チ箇所から離れた部位においてバックグラウンド開裂しがちである。さらに、ヘ テロ二重らせん形成に使用する精製断片の生成は、労力がかかり過ぎ、時間を消 費する。 RFLP分析は感度が低いという問題があり、大量のサンプルを必要とす る。RFLP分析を点突然変異の検出に使用する場合、その性質上、既知の制限エン ドヌクレアーゼの制限配列内にある単一塩基変化のみの検出に限定される。さら に、入手可能な酵素の多くは4〜6塩基対の認識配列を有し、多くの大規模DNA 操作において開裂の頻度が高過ぎる(EcksteinおよびLilley(編),Nucleic Acids and Molecular Biology,vol.2,Springer-Verlag,Heidelberg[1988])。従っ て、ほとんどの突然変異はこのような部位内にないため、希な場合にしか適用で きない。 8塩基対特異性を有する切断頻度の低い制限酵素が多く単離されており、遺伝 子マッピングにおいて幅広く使用されている。しかし、これらの酵素は数が少な く、G+Cに富んだ配列の認識に限定されており、高度にクラスター化しがちな部 位で開裂する(BarlowおよびLehrach,Trends Genet.,3:167[1987])。最近、12 塩基対を上回るかもしれない特異性のある、グループIイントロンにコードされ たエンドヌクレアーゼが発見された(PerlmanおよびButow,Science 246:1106[19 89])。しかし、これもまた数が少ない。 制限酵素認識配列内に変化がない場合、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド (ASO)を、未知のヌクレオチド付近でハイブリダイズするように設計し、プライ マー伸長またはライゲーション事象をマッチまたはミスマッチ箇所の指標として 使用することができる。放射性標識されたASOとのハイブリダイゼーションも、 特異的点突然変異の検出に適用されている(Conner,Proc.Natl.Acad.Sci.,8 0:278[1983])。この方法は、ヌクレオチドが1つ異なっている短いDNA断片の融 解温度の違いに基づいている(Wallaceら,Nucl.Acids Res.,6:3543[1979])。 同様に、短いオリゴヌクレオチドからなる長いアレイとのハイブリダイゼーショ ンがDNA配列決定方法として現在使用されている(BainsおよびSmith,J.Theor. Biol.,135:303[1988])(Drmanacら,Genomics 4:114[1989])。いずれの方法を行 うにしても、ミスマッチな二重らせんの形成がないかまたは減少し、完全な二重 らせんが安定したままであるような条件下で行うことが必要である。このような 条件を「高ストリンジェンシー」条件と言う。ハイブリダイゼーション条件のス トリンジェンシーは、当該分野で知られているいくつかの方法によって変えるこ とができる。一般に、核酸二重らせんの形成を増大させるような条件の変化 (例えば、塩濃度の上昇、または溶液温度の低下)は、ハイブリダイゼーション条 件のストリンジェンシーを低下させると考えられている。逆に、塩の減少および 温度の上昇は条件のストリンジェンシーを高めると考えられている。変更および 制御が簡単なため、温度を変化させて、核酸ハイブリダイゼーション反応のスト リンジェンシーを制御することは一般的である。 ミスマッチ箇所の存在にのみ基づくハイブリダイゼーションの識別力はプロー ブの長さを限定してしまう。なぜなら、二重らせんが長ければ長いほど単一ミス マッチ箇所が二重らせんの安定性に与える影響が少なくなるからである。複雑度 の高いゲノム(例えば、ヒトDNA)中の突然変異を検出するために設計したオリゴ ヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションのための最適長さが16〜22ヌクレオチ ドであり、単一塩基の識別が可能なハイブリダイゼーションストリンジェンシー の温度範囲は10℃までである(Wallace[1979],前掲)。しかし、通常はより範囲 が狭く、G-Tなどのいくつかのミスマッチ箇所については1〜2℃の範囲と小 さい。これらの範囲は、温度、pH、塩濃度、および脱安定剤の存在(例えば、尿 素、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド)などの他の反応条件がストリンジェ ンシーを変化させた場合には、さらに狭くなる。従って、このような高いストリ ンジェンシーハイブリダイゼーション法を使用した突然変異の検出に成功するた めには、二重らせんの安定性に影響をもたらす全てのパラメータを厳密に制御す ることが重要となる。 オリゴヌクレオチドプローブと標的核酸との相同性の程度に加えて、ハイブリ ダイゼーションの効率も標的分子の二次構造に依存する。実際、プローブに相補 的な標的分子の領域が、標的の他の領域と共に分子内構造の形成に関わる場合、 これはプローブの結合効率を低下させる。このような二次構造によるハイブリダ イゼーション妨害は、ハイブリダイゼーションによる配列分析にとって高いスト リンジェンシー条件が重要であることの別の理由である。高いストリンジェンシ ー条件は二次構造形成の可能性を低くする(Gamperら,J.Mol.Biol.,197:349[ 1987])。二次構造形成の可能性を低くする別の方法としては、標的分子の長さを 短くして、鎖内相互作用が生じるのを少なくすることである。これは、いくつか の方法により行うことができ、酵素的、化学的、または熱的開裂もしくは分解 が含まれる。現在、このようなステップを一般的に使用されているハイブリダイ ゼーションによる配列分析方法において行い、標的核酸を短いオリゴヌクレオチ ドに断片化することは標準的な手法である(Fodorら,Nature 364:555[1993])。 ASOはまたPCR方法にも適用されている。この場合、またはプライマー伸長を基 本とするあらゆるアッセイにおいて、調査されるヌクレオチドは、プライマーオ リゴヌクレオチドの3'末端に対向配置される。塩基が相補的である場合、DNAポ リメラーゼはプライマーを容易に伸長できる;塩基がミスマッチである場合、伸 長がブロックされうる。この方法によるPCRブロッキングは、ある程度は成功し たが、全てのミスマッチ箇所が伸長をブロックできたわけではなかった。事実、 プライマーの3'末端にある「T」残基は、一般的なPCR酵素であるTaq DNAポリメラ ーゼが使用された場合には、いずれの非相補的ヌクレオチドとミスマッチ対合し た場合にも適度な効率で伸長することができる(Kwokら,Nucl.Acids.Res.18: 999[1990])。さらに、3'-5'エキソヌクレアーゼ「プルーフリーディング」活性を 有する任意の酵素(例えば、Vent DNAポリメラーゼ、New England Biolabs,Beve rly MA)を使用した場合、まずミスマッチ箇所を除去し、その後マッチしたヌク レオチドを補充してさらに伸長を続ける。これは、この種の直接的突然変異同定 におけるPCRの適用範囲を劇的に限定する。 突然変異検出の別の2つの方法は、マイナーな配列変化に応答した電気泳動移 動度における変化を検出することに基づいている。これらの方法の1つである「 変性勾配ゲル電気泳動」(DGGE)と称される方法は、わずかに異なる配列が勾配ゲ ル上で電気泳動により分解されると異なるパターンの局所的溶解を示すという観 察に基づく。このように、ヘテロおよびホモ二重らせんの電気泳動移動度におけ る変化は対応するので、ホモ二重らせんと、それとヌクレオチドが1つ異なるヘ テロ二重らせんとの溶解特性の違いを使用して標的配列内における突然変異の存 在を検出することができるため、変異体を区別することができる。分析される断 片(通常PCR産物)は、一端にG-C塩基対の長いストレッチ(30〜80)が「クランプ(c lamp)」されており、鎖が完全に解離することなく目的の配列を完全に変性するこ とができる。GC「クランプ」がDNA断片に付着していることにより、DGGEによって 認識され得る突然変異画分が増える(Abramsら,Genomics 7:463[1990])。GC クランプを1つのプライマーに付着させることは、増幅配列が低い解離温度を有 することを確実にするために重要である(Sheffieldら,Proc.Natl.Acad.Sci. ,86:232[1989];ならびにLermanおよびSilverstein,Meth.Enzymol.,155:482[ 1987])。この技術は温度勾配ゲルを用いて改変開発され(Wartellら,Nucl.Acid s Res.,18:2699-2701[1990])、またこの方法はRNA:RNA二重らせんにも適用でき る(Smithら,Genomics 3:217[1988])。 DGGEの利用における制限としては、テストする特定の核酸配列のそれぞれに対 して変性条件を最適化しなければならないという要件が挙げられる。さらに、こ の方法は、ゲルを調製し、電気泳動時に必要な高温を維持するための専用設備を 必要とする。テストする配列のそれぞれに対して、1つのオリゴヌクレオチドに クランプテイルを合成するのに伴う費用も主に考慮すべき問題である。さらに、 DGGEのためには、長い移動時間が必要となる。DGGEの長い移動時間は、一定変性 ゲル電気泳動(CDGE)と称されるDGGEの改変法において短縮された(Borrensenら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8405[1991])。CDGEは、未知の突然変異を検出 する効率を高めるために、ゲルが異なる変性条件下で行われることを必要とする 。DGGEおよびCDGEの両方とも臨床実験における使用に適していない。 DGGEと同様の技術(温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)と称される)は、化学的変性勾 配ではなく熱的勾配を利用する(Scholzら,Hum.Mol.Genet.,2:2155[1993])。 TGGEは、電界に対して垂直な方向に温度勾配を生成することのできる専用の設備 を必要とする。TGGEは、比較的小さいDNA断片における突然変異を検出できる。 つまり、大きい遺伝子セグメントを走査する場合にはゲルの移動前に多数のPCR 産物を使用しなければならない。 「一本鎖高次構造多型」(SSCP)と称される別の一般的な方法が、Hayashi,Sekya 、および共同研究者らによって開発され(Hayashi,PCR Meth.Appl.,1:34-38, [1991]で概説されている)、これは核酸の一本鎖が非変性条件下で特徴的なコン ホメーションをとり、これらのコンホメーションが電気泳動の移動度に影響を与 えるという観察に基づいている。相補鎖は、2本の鎖が互いから分離するのに十 分に異なる構造をとる。所定の断片の配列における変化はコンホメーションも変 化させ、結果的に移動度を変化させ、これを配列変化についてのアッセ イとして利用することができる(Oritaら、Genomics 5:874[1989])。 SSCPプロセスでは、通常両方の鎖に標識を有するDNAセグメント(例えば、PCR 産物)を変性し、次いで非変性ポリアクリルアミドゲル上でゆっくりと電気泳動 分離を行う。その結果、分子内相互作用が形成され、移動の間妨害を受けること がなくなる。この技術はゲル組成および温度の変化に非常に左右されやすい。こ の方法の重大な制限は、見かけ上は同様の条件下にて異なる実験で得られたデー タを比較する際に比較が困難なことである。 ジデオキシフィンガープリンティング(ddF)技術は、遺伝子を未知の突然変異 の存在について走査するために開発された別の技術である(LiuおよびSommer,PC R Methods Applic,4:97[1994])。ddF法は、サンガージデオキシ配列決定法の要 素をSSCPと組み合わせたものである。ジデオキシ配列決定反応は、1つのジデオ キシターミネーターを用いて行い、次いで反応産物を非変性ポリアクリルアミド ゲル上で電気泳動にかけて、SSCP分析のように終結セグメントの移動度の変化を 検出する。ddFの方が、感度が高い点でSSCPよりも改善されたものであるが、ddF は高価なジデオキシヌクレオチドを使用しなければならず、この技術はSSCPに適 した大きさの断片(即ち、最適な突然変異検出のためには200〜300塩基の断片)の 分析にまだ限定されている。 上記制限に加えて、上記方法は全て、分析できる核酸断片の大きさによって制 限されている。直接的な配列決定アプローチのためには、600塩基対を上回る配 列はクローニングを必要とし、その結果、断片全体を網羅するためには時間がか かり、欠失サブクローニングまたはプライマー歩行のいずれかの手間がかかる。 SSCPおよびDGGEは、大きさがさらに厳しく制限される。これらの方法は、配列変 化に対する感度が低下するため大きい断片には適さないと考えられる。SSCPは、 200塩基対以内の断片では単一塩基置換の90%を検出できると報告されているが 、400塩基対断片では検出が50%未満にまで低下する。同様に、DGGEの感度も断 片の長さが500塩基対に達すると低下する。直接配列決定とSSCPとの組み合わせ であるddF法も、スクリーニングできるくらいの比較的小さい大きさのDNAに限定 されている。 核酸の鎖が呈するコンホメーションに基づく配列多型を検出する別の方法は、 [1996];PCT国際出願第PCT/US95/14673号[WO 96/15267];同時係属出願第08/484 ,956号および同第08/520,946号)。この方法は、構造特異的ヌクレアーゼの作用 を利用して折りたたみ構造を開裂することによって、(例えば、電気泳動により) 大きさごとに分解できる生成断片のセットを作ることができる。この方法は、大 きさに対する感度がより低いため、遺伝子断片ではなく遺伝子全体を分析するこ とができる。 多くの場合(例えば、多くの臨床実験において)、電気泳動分離および分析は技 術的に実用的ではないかもしれず、または費用効果的に多数のサンプルを処理す ることを許容できないかもしれない。コンホメーションもしくは断片の電気泳動 分離、またはゲルを可視化するための複雑かつ高価な方法(例えば、暗室設備、 ブロッティング設備または蛍光画像処理器)を必要とすることなく、核酸の特徴 的なコンホメーションを分析する方法が明らかに必要とされている。 上述したように、あらゆる核酸セグメントが呈しうる見かけ上偶発的な折りた たみコンホメーションに加えて、いくつかの核酸が呈する折りたたみ構造は、そ の核酸の機能に様々な点で関連している。例えば、tRNA構造はタンパク質アセン ブリにおけるその適切な機能のために重要であり、リボソームRNA(rRNA)構造は リボソームの正確な機能にとって必須であり、正確な折りたたみはグループI自 己スプライシングイントロンの触媒機能に必須である(例えば、WoeseおよびPace (91頁)、Noller(137頁)、およびCech(p.239)の章,GestelandおよびAtkins(編)、 The RNA World,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor, NY[1993]を参照されたい)。ウイルスRNAにおける折りたたみ構造は、感染性(Pro utskiら,J Gen Virol.,78(Pt 7):1543-1549[1997])、改変スプライシング(War dら,Virus Genes 10:91[1995])、翻訳フレームシフト(Bidouら,RNA 3:1153[19 97])、パッケージング(Millerら,J Virol.,71:7648[1997])、および他の機能 と関連づけられている。原核生物および真核生物の両方において、RNA構造は、 翻訳減衰(Girelliら,Blood 90:2084[1997])、選択的スプライシング(Howeおよ びAres,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12467[1997])、およびRNA分解のため のシグナリング(Veyruneら,Oncogene 11:2127 [1995])を含むメカニズムを通じて遺伝子発現の転写後制御に関わっている。メ ッセンジャーRNA二次構造も、そのRNAの細胞内における局在化と関連づけられて いる(SeranoおよびCohen,Develop.,121:3809-3818[1995])。DNAにおいては、 十字形構造もまた遺伝子発現の制御と関連付られていることが示されている(Han keら,J.Mol.Biol.,246:63[1995])。これらの少ない例からも、生物内で折り たたみ構造をシグナルとして使用することがめずらしくなく、非タンパク質コー ドRNA(rRNAなど)、またはゲノムRNAもしくはメッセンジャーRNAの非タンパク質 コード領域に限定されるものでもないことがわかるであろう。 表現型の変化に伴う突然変異および多型のいくつかは、核酸が呈する構造を変 化させることにより作用する。上述した機能および経路のいずれも、このような 構造変化により変更できる(例えば、効力の低下または上昇)。このような機能の 変化は、医学的に関連した効果を伴うこともあり、これには、病原体における、 腫瘍増殖または形態学(Thompsonら,Oncogene 14:1715[1997])、薬物耐性または 毒性(MangadaおよびIgarishi,Virus Genes 14:5[1997],Wardら,前掲)が含ま れるがこれらに限定されない。例えば、血中の鉄利用率は、鉄貯蔵タンパク質で あるタンパク質フェリチンによって制御されている。フェリチン量は、転写後に 鉄調節タンパク質とフェリチンmRNAの5'末端非翻訳領域にある構造(鉄応答エレ メント、即ちIRE)とを結合して、鉄量が低い場合に翻訳をブロックすることによ り構造制御されている。白内障形成に関連した鉄貯蔵障害である遺伝性高フェリ チン血症のいくつかのケースは、IREにおける突然変異により構造が変化または 欠失して翻訳調節が妨害されることにより生じていることがわかっている。 これらの少ない例からも、核酸構造を迅速に分析する能力は基礎的および臨床 的な研究ならびに診断のために有用なツールとなることが容易に理解できるであ ろう。さらに、核酸構造の正確な同定により、アンチセンスオリゴヌクレオチド 、アプタマー、およびペプチド核酸薬などの核酸を直接標的とした治療薬の設計 および適用が容易になる。本発明は、折りたたみ核酸と相互作用するオリゴヌク レオチドを設計する方法を提供する。このようなオリゴヌクレオチドは、診断( 即ち、構造の検出もしくは分析)または治療(即ち、構造機能の変更)のいずれか の目的に使用できることが意図されている。核酸構造を検出するのに使用する場 合には、得られるオリゴヌクレオチド/折りたたみ核酸標的複合体が直接検出さ れるか(例えば捕捉によって)、または複合体形成(ライゲーション、プライマー 伸長、またはヌクレアーゼ開裂反応を含むがこれらに限定されない)によって可 能となるさらなる触媒反応の結果検出されてもよいことが意図される。当業者で あれば、これらの基本的な酵素反応における架橋オリゴヌクレオチドの性能が、 これらの基本的な反応の反復性能(サイクル配列決定、ポリメラーゼ連鎖反応、 リガーゼ連鎖反応、サイクリングプローブ反応、およびInvaderTM侵入開裂反応 を含むがこれらに限定されない)に基づくアッセイにおける利用性を示している ことが容易に分かるであろう。本発明は、基本的な酵素反応系の各々、およびIn vaderTM侵入開裂系における架橋オリゴヌクレオチドの使用方法を提供する。 発明の概要 本発明は、核酸を処理するための方法および組成物に関し、特に、核酸の配列 および配列変化を検出して特徴づけるための方法および組成物に関する。本発明 は、特定の核酸配列を検出する新規方法の基礎をなす、一本鎖核酸がとるコンホ メーションを調べる方法を提供する。本発明は、他の用途もあるが、特に臨床診 断(病原性生物の検出および同定を含むがこれらに限らない)のための新規検出 法の使用を包含する。 本発明は、核酸の配列および配列変化を検出して特徴づける方法において、プ ローブオリゴヌクレオチドと折りたたみ核酸鎖との相互作用を使用するものであ る。他の実施形態では、本発明は、機能の決定または機能の変更としての、核酸 の特定の構造化領域の分析において、構造に基づいた核酸の相互作用を使用する ものである。プローブと標的核酸配列との特異的相互作用により形成された複合 体(すなわち、所定のセットの反応条件のもとで再現可能であり、予測可能であ る)を本明細書中では「プローブ/折りたたみ標的核酸複合体」という。考えら れる相互作用は、オリゴヌクレオチドの連続的な共直線性相補性塩基への標準的 ハイブリダイゼーションの組合せであり得、また、分析すべき核酸鎖上の非連続 的な相補性領域への標準的塩基対合を含みうる。これに関連して、「標準的塩基 対合」とは、A型またはB型の二重らせん構造を形成するための相補性塩基間、 アデノシンとチミジン間、またはウラシルとグアニン間で起こる水素結合をさす 。このような標準的塩基対合はワトソン−クリック塩基対合ともいう。本発明の オリゴヌクレオチド(すなわち、プローブと標的)間の相互作用には、三重らせ ん構造、四重らせん集合体、多重塩基水素結合、例えばtRNAに見られるような核 酸三次構造体内に観察されるものなどの、当技術分野で知られた非標準的核酸相 互作用が含まれる。一実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチド間の相互 作用は主に非標準的核酸相互作用からなると考えられる。一実施形態において、 特異的プローブ/折りたたみ標的核酸複合体は互いに対して特異な相補性を欠く オリゴヌクレオチドを使用する(例えば、短い核酸プローブは長い核酸またはそ の相補鎖内の単一部位にのみ相補性を示すのに十分な長さのセグメントを含まな い)。 本発明は、非連続的な相補性領域と相互作用するように設計されたプローブの 使用を含む。一実施形態において、このようなプローブは、単一のオリゴヌクレ オチド内に、対象となる標的核酸中の2以上の非連続領域に対して相補性のセグ メントを組み入れることにより構築される。 別の実施形態においては、前記混合物が水性溶液中に存在する。本発明は用い る水性溶液の性質によって限定されない。水性溶液は1価および2価のイオン、 非イオン性界面活性剤、バッファー、安定剤などを含みうる。 本発明は、a)i)1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むデオキシリ ボ核酸(DNA)配列を有する折りたたみ標的、およびii)該折りたたみ標的の 少なくとも一部に相補的な1以上のオリゴヌクレオチドプローブ、を用意し、そ してb)該折りたたみ標的と該1以上のプローブとを、該プローブが該折りたた み標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような 条件下で混合する、ことを含んでなる方法を提供する。プローブと標的核酸間の 相補性の程度は完全であっても、部分的であってもよい(例えば、少なくとも1 個のミスマッチ塩基対を含みうる)。該方法は折りたたみ標的DNAを得るため に用いられる標的DNAの性質によって限定されない。一実施形態において、標 的DNAは一本鎖DNAからなる。別の実施形態においては、標的DNAは二本 鎖DNAからなる。折りたたみ標的DNAは、DNAを変性(例えば、加熱)し 、次に該DNAの鎖内二次構造体を形成させることにより、一本鎖または二本鎖 のいずれの標的DNAからも作ることができる。該方法は折りたたみ標的DNA を形成する方法によって限定されない。標的DNAは当技術分野で知られた様々 な方法(例えば、加熱、アルカリへの暴露など)により変性した後で、鎖内二重 らせんの形成に有利な条件下(例えば、冷却、DNA溶液の希釈、pHの中和など )で復元される。 該方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質によっても限定されない。これら のプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修 飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。 好ましい実施形態において、該方法は前記プローブ/折りたたみ標的複合体の 存在を検出することをさらに含む。検出ステップを採用する場合は、プローブま たは標的DNAのいずれか(または両方)が標識(すなわち、検出可能な成分) を含むことができる。本発明は用いる標識の性質または標識の位置(すなわち、 DNA配列の5'末端、3'末端、内部)により限定されない。当技術分野では種々 の適当な標識が知られており、フルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、 ヘキサクロロフルオレセイン、Cy3、Cy5、ジゴキシゲニン、ラジオアイソトープ (例:32P、35S)などがある。他の好ましい実施形態において、該方法は形成 されたプローブ/折りたたみ標的複合体を定量することをさらに含む。該方法は 定量に用いる手段により限定されない。標識した(例えば、フルオレセインまた は32P)折りたたみ標的DNAが用いられる場合、定量(例えば、プローブ/折 りたたみ標的複合体中に存在する蛍光または放射能の量の測定)のための手段は 当技術分野で公知である。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体中のプロー ブは折りたたみ標的の一本鎖領域にハイブリダイズする。別の好ましい実施形態 において、前記プローブは固相支持体によるその捕捉を可能とする成分を有する オリゴヌクレオチドからなる。本発明は捕捉を可能とするために用いられる成分 の性質によって限定されない。当技術分野では、ビオチン、アビジン、ストレプ トアビジンを含めて、多数の適当な成分が知られている。さらに、当技術分野で は、フルオレセインやジゴキシゲニンなどの多くの小さな化合物が、適切な抗体 による特異的捕捉のためのハプテンとして機能しうることが知られている。抗体 による特異的捕捉を可能にするために、タンパク質コンジュゲートを使用しても よい。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検 出は、該プローブが固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ /折りたたみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含む。以下に詳しく述べる ように、当技術分野では多数の適当な固相支持体(例えば、アガロース、ナイロ ン、ポリスチレンのようなプラスチック、ガラスまたはシリコンから構成される ビーズ、粒子、ディップスティック、ウエファ、チップ、膜または平坦な表面) が知られており、本方法で使用することができる。 特に好ましい実施形態においては、前記成分がビオチン成分からなり、前記固 相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物を有する表面で構成されており、 該化合物がアビジンおよびストレプトアビジンよりなる群から選択される。 別の実施形態において、折りたたみ標的は固相支持体によるその捕捉を可能と する成分を有するデオキシリボ核酸配列からなる。上述したように、多数の適当 な成分が知られており、本方法で使用することができる。さらに他の実施形態で は、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検出が、該折りたたみ標的が 固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複 合体を固相支持体にさらすことを含む。好ましい実施形態においては、前記成分 がビオチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物 を有する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびストレプトアビジン よりなる群から選択される。 好ましい実施形態において、前記プローブは固相支持体に結合される。プロー ブは、折りたたみ標的核酸とのハイブリダイゼーションに利用可能なやり方で固 相支持体に結合される。本発明はプローブを固相支持体に結合させる手段によっ て制限されない。プローブを固相支持体上でin situ合成することができ、また 、プローブ上に存在する成分を介して固相支持体にプローブを(合成後に)結合 させることもできる(例えば、ビオチン化プローブとアビジンまたはストレプト アビジンを含む固相支持体を使用)。他の好ましい実施形態においては、折りた たみ標的核酸が固相支持体に結合される。これは例えば折りたたみ標的上に存在 する成分を用いて行うことができる(例えば、ビオチン化標的核酸とアビジンま たはストレプトアビジンを含む固相支持体を使用)。 本発明はまた、a)i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含むもの、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第 1部分、および第1折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折 りたたみ標的の第2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含むもの、iii)第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブ であって、第1オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折りたたみ標的 の第1部分に相補的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2 の折りたたみ標的の第2部分に相補的であるもの、およびiv)第1、第2、第3 および第4の試験ゾーンを含む固相支持体であって、各ゾーンが第1および第2 のオリゴヌクレオチドプローブを捕捉し固定化することができるもの、を用意し 、b)第1折りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを、該第1プロ ーブが第1折りたたみ標的に結合して第1混合物中のプローブ/折りたたみ標的 複合体を形成するような条件下で接触させ、c)第1折りたたみ標的と第2オリ ゴヌクレオチドプローブとを、該第2プローブが第1折りたたみ標的に結合して 第2混合物中のプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触 させ、d)第2折りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを接触させ て第3混合物を形成し、e)第2折りたたみ標的と第2オリゴヌクレオチドプロ ーブとを接触させて第4混合物を形成し、そしてf)第1、第2、第3および第 4の混合物を、該プローブが捕捉され固定化されるような条件下で、前記固相支 持体の第1、第2、第3および第4の試験ゾーンにそれぞれ添加する、ことを含 んでなる方法を提供する。プローブと標的核酸間の相補性の程度は完全であって も、部分的であってもよい(例えば、少なくとも1個のミスマッチ塩基対を含み うる)。 好ましい実施形態において、ステップd)における第1プローブは第2折りたた み標的と実質的にハイブリダイズしない。すなわち、第1プローブ/第2折りた たみ標的複合体の形成が絶対に起こらないという必要はないが、この複合体はご くわずかしか形成されない。他の好ましい実施形態において、ステップd)におけ る第1プローブの第2折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションは、ステップ c)における第1プローブの第1折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比 べて低下している。 該方法は第1および第2の標的の性質によって制限されない。第1および第2 の標的は二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAでありうる。この方法はオリ ゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これらのプローブはDN A、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修飾ヌクレオチド、 ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。好ましい実施形態において 、 第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる。 本発明はさらに、a)i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折り たたみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1 以上の一本鎖領域を含むもの、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である 第1部分、および第1折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1 折りたたみ標的の第2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折り たたみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1 以上の一本鎖領域を含むもの、iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持 体であって、該ゾーンのそれぞれが固定化された第1および第2のオリゴヌクレ オチドプローブを含み、第1オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折 りたたみ標的の第1部分に相補的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第 1および第2の折りたたみ標的の第2部分に相補的であるもの、を用意し、そし てb)第1および第2の折りたたみ標的と固相支持体とを、第1および第2のプ ローブが第1折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複 合体を形成するような条件下で接触させる、ことを含んでなる方法を提供する。 本発明は第1および第2の折りたたみ標的の性質により限定されない。第1およ び第2の標的は二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAから誘導することがで きる。プローブは標的核酸に対して完全にまたは部分的に相補的でありうる。こ の方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これらのプ ローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修飾ヌ クレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。好ましい実施 形態において、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる 。本発明は上述したように用いる固相支持体の性質により限定されない。 好ましい実施形態において、ステップb)の接触は、第1折りたたみ標的を第1 試験ゾーンに添加し、第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加することを含 む。他の好ましい実施形態において、第1および第2のプローブは前記試験ゾー ンの別々の部分に固定化される。 好ましい実施形態において、第2試験ゾーン中の第1プローブは第2折りたた み標的と実質的にハイブリダイズしない。すなわち、第1プローブ/第2折りた たみ標的複合体の形成が絶対に起こらないという必要はないが、この複合体はご くわずかしか形成されない。他の好ましい実施形態においては、第2試験ゾーン 中の第1プローブが、第1試験ゾーン中の第1プローブの第1折りたたみ標的へ のハイブリダイゼーションと比べて、低い効率で第2折りたたみ標的にハイブリ ダイズする。 ある実施形態において、第1および第2の折りたたみ標的はDNAからなる。 他の実施形態において、第1および第2の折りたたみ標的はRNAからなる。 本発明はまた、a)i)核酸標的、およびii)1以上のオリゴヌクレオチドプロ ーブ、を用意し、b)該標的が1以上の折りたたみ構造体を形成して1以上のプ ローブと相互作用するような条件下で核酸標的とプローブを処理し、そしてc) プローブと標的の間で形成された複合体を分析する、ことを含んでなる核酸の処 理方法を提供する。好ましい実施形態において、該方法は標的/プローブ複合体 を捕捉するための固相支持体を用意することをさらに含む。このような捕捉は構 造体の形成後に起こっても、複合体の形成前にプローブまたは標的のいずれかを 支持体に結合させてもよい。 該方法は用いる核酸標的の性質によって限定されない。ある実施形態において 、ステップ(a)の核酸は実質的に一本鎖である。他の実施形態において、該核酸 はRNAまたはDNAである。核酸標的は7-デアザ-dATP、7-デアザ-dGTPおよび dUTPを含むがこれらに限らないヌクレオチド類似体を含むことが考えられる。核 酸標的は二本鎖であってもよい。二本鎖の核酸標的を用いる場合、ステップ(b) の処理は、i)二本鎖核酸を実質的に一本鎖とし、そしてii)一本鎖核酸を、そ れが二次構造をとるような条件にさらす、ことを含む。本発明は二本鎖核酸を実 質的に一本鎖とするのに用いる方法により制限されない。当技術分野で知られた 種々の手段を採用することができる。二本鎖核酸を実質的に一本鎖とするための 好適な手段は温度を高めることによるものである。 好ましい実施形態においては、該方法は1以上の標的/プローブ複合体を検出 するステップをさらに含む。本発明は該複合体の検出に用いる方法によって制限 されない。 本発明の方法は微生物の検出および同定に使用することが考えられる。本発明 の微生物は種々の微生物から選択され、本発明は微生物のいかなる特定のタイプ にも限定されない。それどころか、本発明は細菌、真菌、原生動物、繊毛虫、ウ イルスを含むがこれらに限らない生物に対して使用することが意図される。微生 物は特定の属、種、株または血清型に限定されるものではない。実際、細菌はカ ンピロバクター属、エシェリキア属、ミコバクテリウム属、サルモネラ属、シゲ ラ属、スタフィロコッカス属のメンバーを含むがこれらに限らない群から選択さ れると考えられる。一つの好ましい実施形態において、微生物は多剤耐性ヒト結 核菌(Mycobacterium tuberculosis)の株である。また、本発明はC型肝炎ウイル ス、ヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルスを含むがこれらに限らないウ イルスに対して使用することが意図される。 本発明の別の実施形態は、1以上の微生物を含むと思われるサンプルから核酸 を抽出し、抽出した核酸と1以上のオリゴヌクレオチドプローブとを、抽出核酸 が1以上の二次構造を形成して1以上のプローブと相互作用するような条件下で 接触させる各ステップを含んでなる、微生物の菌株を検出し同定する方法を包含 する。ある実施形態において、該方法は複合体を固相支持体に捕捉するステップ をさらに含む。別の実施形態において、該方法は捕捉した複合体を検出するステ ップをさらに含む。一つの好ましい実施形態において、本発明はさらに、サンプ ルから単離した抽出核酸からの検出核酸を、1以上の基準微生物由来の分離した 複合体と比較することを含む。そのような場合に、1以上の基準微生物由来の核 酸の配列は関連しているが異なっていてよい(例えば、変異型配列つまり既知の もしくは以前に特徴づけられた変異型配列の野生型対照)。 別の好適な実施形態において、本発明は、1以上のプローブオリゴヌクレオチ ドと接触させる核酸標的を生成させるために、抽出ステップ後に抽出核酸から多 型遺伝子座を単離するステップをさらに含む。一実施形態では、多型遺伝子座の 単離がポリメラーゼ連鎖反応増幅により達成される。別の実施形態では、ポリメ ラーゼ連鎖反応が7-デアザ-dATP、7-デアザ-dGTPおよびdUTPを含むがこれらに限 らないヌクレオチド類似体の存在下で実施される。ポリメラーゼ連鎖反応増幅は 、多型遺伝子座に由来するコンセンサス遺伝子配列にマッチするまたは相補的な オリゴヌクレオチドプライマーを使用することが考えられる。一実施形態にお いて、多型遺伝子座はリボソームRNA遺伝子を含む。特に好ましい実施形態に おいては、リボソームRNA遺伝子が16SリボソームRNA遺伝子である。 本発明はまた、各種微生物の1以上の対立遺伝子に特徴的な(すなわち、診断 に役立つ)遺伝子フィンガープリントの記録基準ライブラリーを作製する方法を 包含し、該方法は微生物の遺伝子配列に由来する核酸標的を用意することを含み 、1以上の微生物を含むと思われるサンプルから核酸を抽出し、抽出した核酸と 1以上のオリゴヌクレオチドプローブとを、抽出核酸が1以上の二次構造を形成 して1以上のプローブと相互作用するような条件下で接触させ、捕捉した複合体 を検出し、捕捉した複合体の試験可能な記録基準を維持する、各ステップを含む 。 「遺伝子フィンガープリント」とは、核酸配列の変化(例えば、欠失、挿入ま たは単一の点置換)が標準的塩基対合により検出可能な配列を変更し、同時に形 成される構造体を変更し、それゆえに標的とプローブオリゴヌクレオチドとの相 互作用の様相を変える(例えば、相互作用が起こるプローブの同一性を変更し、 かつ/または相互作用の部位もしくは強度を変更する)ことを意味する。結合さ れたプローブの同一性および相互作用の強度の尺度は、核酸配列を反映して変異 体の迅速な検出および同定を可能とする、核酸の「フィンガープリント」として 役立つインフォーマティブプロフィール(informative profile)を構成する。 本発明の方法は両方の鎖(例えば、センス鎖とアンチセンス鎖)の同時分析を 可能にし、高レベルのマルチプレキシング(multiplexing)に理想的である。生成 された産物は定性分析、定量分析およびポジショナル解析にかけやすい。本方法 は自動化することができ、しかも溶液中でも固相(例えば、固相支持体上)でも 実施することができる。本方法は、現行の方法論よりも長い核酸断片の分析が可 能であるという点で強力である。 本発明は、a)i)1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むデオキシリ ボ核酸(DNA)配列を有する折りたたみ標的、およびii)該折りたたみ標的の 少なくとも一部に相補的な1以上のオリゴヌクレオチドプローブ、を用意し、そ してb)該折りたたみ標的と該1以上のプローブとを、該プローブが該折りたた み標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような 条件下で混合する、ことを含んでなる方法を提供する。プローブと標的核酸間 の相補性の程度は完全であっても、部分的であってもよい(例えば、少なくとも 1個のミスマッチ塩基対を含みうる)。該方法は折りたたみ標的DNAを得るた めに用いられる標的DNAの性質によって限定されない。一実施形態において、 標的DNAは一本鎖DNAからなる。別の実施形態においては、標的DNAは二 本鎖DNAからなる。折りたたみ標的DNAは、DNAを変性(例えば、加熱) し、次に該DNAの鎖内二次構造体を形成させることにより、一本鎖または二本 鎖のいずれの標的DNAからも作ることができる。該方法は折りたたみ標的DN Aを形成する方法によって限定されない。標的DNAは当技術分野で知られた様 々な方法(例えば、加熱、アルカリへの暴露など)により変性した後で、鎖内二 重らせんの形成に有利な条件下(例えば、冷却、DNA溶液の希釈、pHの中和な ど)で復元される。 該方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質によっても限定されない。これら のプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修 飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。 好ましい実施形態において、該方法は前記プローブ/折りたたみ標的複合体の 存在を検出することをさらに含む。検出ステップを採用する場合は、プローブま たは標的DNAのいずれか(または両方)が標識(すなわち、検出可能な成分) を含むことができる。本発明は用いる標識の性質または標識の位置(すなわち、 DNA配列の5'末端、3'末端、内部)により限定されない。当技術分野では種々 の適当な標識が知られており、フルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、 ヘキサクロロフルオレセイン、Cy3、Cy5、ジゴキシゲニン、ラジオアイソトープ (例:32P、35S)などがある。他の好ましい実施形態において、該方法は形成 されたプローブ/折りたたみ標的複合体を定量することをさらに含む。該方法は 定量に用いる手段により限定されない。標識した(例えば、フルオレセインまた は32P)折りたたみ標的DNAが用いられる場合、定量(例えば、プローブ/折 りたたみ標的複合体中に存在する蛍光または放射能の量の測定)のための手段は 当技術分野で公知である。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体中のプロー ブは折りたたみ標的の一本鎖領域にハイブリダイズする。別の好ましい実施形態 において、前記プローブは固相支持体によるその捕捉を可能とする成分を有する オリゴヌクレオチドからなる。本発明は捕捉を可能とするために用いられる成分 の性質によって限定されない。当技術分野では、ビオチン、アビジン、ストレプ トアビジンを含めて、多数の適当な成分が知られている。さらに、当技術分野で は、フルオレセインやジゴキシゲニンなどの多くの小さな化合物が、適切な抗体 による特異的捕捉のためのハプテンとして機能しうることが知られている。抗体 による特異的捕捉を可能にするために、タンパク質コンジュゲートを使用しても よい。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検 出は、該プローブが固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ /折りたたみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含む。以下に詳しく述べる ように、当技術分野では多数の適当な固相支持体が知られており(例えば、アガ ロース、ナイロン、ポリスチレンのようなプラスチック、ガラスまたはシリコン から構成されるビーズ、粒子、ディップスティック、ウエファ、チップ、膜また は平坦な表面)、本方法で使用することができる。 特に好ましい実施形態においては、前記成分がビオチン成分からなり、前記固 相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物を有する表面で構成されており、 該化合物がアビジンおよびストレプトアビジンよりなる群から選択される。 別の実施形態において、折りたたみ標的は固相支持体によるその捕捉を可能と する成分を有するデオキシリボ核酸配列を含む。上述したように、多数の適当な 成分が知られており、本方法で使用することができる。さらに他の実施形態では 、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検出が、該折りたたみ標的が固 相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複合 体を固相支持体にさらすことを含む。好ましい実施形態においては、前記成分が ビオチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物を 有する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびストレプトアビジンよ りなる群から選択される。 好ましい実施形態において、前記プローブは固相支持体に結合される。プロー ブは、折りたたみ標的核酸とのハイブリダイゼーションに利用可能なやり方で固 相支持体に結合される。本発明はプローブを固相支持体に結合させる手段によっ て制限されない。プローブを固相支持体上でin situ合成することができ、また 、プローブ上に存在する成分を介して固相支持体にプローブを(合成後に)結合 させることもできる(例えば、ビオチン化プローブとアビジンまたはストレプト アビジンを含む固相支持体を使用)。他の好ましい実施形態においては、折りた たみ標的核酸が固相支持体に結合される。これは例えば折りたたみ標的上に存在 する成分を用いて行うことができる(例えば、ビオチン化標的核酸とアビジンま たはストレプトアビジンを含む固相支持体を使用)。 本発明はまた、a)i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含み、さらに2以上の非連続部分と1以上の介在領域を含むも の、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1折り たたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第2部分 と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であって、該第 1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含み、 さらに2以上の非連続部分と1以上の介在領域を含むもの、iii)第1および第2 の架橋オリゴヌクレオチドであって、第1架橋オリゴヌクレオチドが第1および 第2の折りたたみ標的の第1部分の該2以上の非連続部分に相補的であり、第2 架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第2部分の該2以 上の非連続部分に相補的であるもの、およびiv)第1、第2、第3および第4の 試験ゾーンを含む固相支持体であって、各ゾーンが第1および第2の架橋オリゴ ヌクレオチドを捕捉し固定化することができるもの、を用意し、b)第1折りた たみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを、該第1プローブが第1折りた たみ標的に結合して第1混合物中のプローブ/折りたたみ標的複合体を形成する ような条件下で接触させ、c)第1折りたたみ標的と第2オリゴヌクレオチドプ ローブとを、該第2プローブが第1折りたたみ標的に結合して第2混合物中のプ ローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触させ、d)第2折 りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを接触させて第3混合物を形 成し、e)第2折りたたみ標的と第2オリゴヌクレオチドプローブとを接触させ て第4混合物を形成し、そしてf)第1、第2、第3および第4の混合物を、該 プローブが捕捉され固定化されるような条件下で、前記固相支持体の第1、第2 、第3および第4の試験ゾーンにそれぞれ添加する、ことを含んでなる方法を提 供する。プローブと標的核酸間の相補性の程度は完全であっても、部分的であっ てもよい(例えば、少なくとも1個のミスマッチ塩基対を含みうる)。 好ましい実施形態において、ステップd)における第1プローブは第2折りたた み標的と実質的にハイブリダイズしない。すなわち、第1プローブ/第2折りた たみ標的複合体の形成が絶対に起こらないという必要はないが、この複合体はご くわずかしか形成されない。他の好ましい実施形態において、ステップd)におけ る第1プローブの第2折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションは、ステップ c)における第1プローブの第1折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比 べて低下している。 該方法は第1および第2の標的の性質によって制限されない。第1および第2 の標的は二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAを含みうる。この方法はオリ ゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これらのプローブはDN A、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修飾ヌクレオチド、 ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。好ましい実施形態において 、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる。 本発明はさらに、a)i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折り たたみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1 以上の一本鎖領域を含むもの、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である 第1部分、および第1折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1 折りたたみ標的の第2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折り たたみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1 以上の一本鎖領域を含むもの、iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持 体であって、該ゾーンのそれぞれが固定化された第1および第2のオリゴヌクレ オチドプローブを含み、第1オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折 りたたみ標的の第1部分に相補的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第 1および第2の折りたたみ標的の第2部分に相補的であるもの、を用意し、そ してb)第1および第2の折りたたみ標的と固相支持体とを、第1および第2の プローブが第1折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的 複合体を形成するような条件下で接触させる、ことを含んでなる方法を提供する 。本発明は第1および第2の折りたたみ標的の性質によって制限されない。第1 および第2の標的は二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAから誘導すること ができる。プローブは標的核酸に対して完全にまたは部分的に相補性でありうる 。この方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これら のプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修 飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。好ましい 実施形態において、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAから なる。本発明は上述したように用いる固相支持体の性質により制限されない。 好ましい実施形態において、ステップb)の前記接触は、第1折りたたみ標的を 第1試験ゾーンに添加し、第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加すること を含む。別の好ましい実施形態では、第1および第2のプローブが試験ゾーンの 別々の部分に固定化される。 好ましい実施形態において、第2試験ゾーン中の第1プローブは第2折りたた み標的に実質的にハイブリダイズしない。すなわち、第1プローブ/第2折りた たみ標的複合体の形成が絶対に起こらないという必要はないが、この複合体はご くわずかしか形成されない。別の好ましい実施形態では、第2試験ゾーン中の第 1プローブが、第1試験ゾーン中の第1プローブの第1折りたたみ標的へのハイ ブリダイゼーションと比べて、低い効率で第2折りたたみ標的にハイブリダイズ する。 ある実施形態においては、第1および第2の折りたたみ標的がDNAからなる 。別の実施形態においては、第1および第2の折りたたみ標的がRNAからなる 。 本発明はまた、a)i)核酸標的、およびii)1以上のオリゴヌクレオチドプロ ーブ、を用意し、b)該標的が1以上の折りたたみ構造体を形成して1以上のプ ローブと相互作用するような条件下で核酸標的とプローブを処理し、そしてc) プローブと標的の間で形成された複合体を分析する、ことを含んでなる核酸の処 理方法を提供する。好ましい実施形態において、該方法は標的/プローブ複合体 を捕捉するための固相支持体を用意することをさらに含む。このような捕捉は構 造体の形成後に起こっても、複合体の形成前にプローブまたは標的のいずれかを 支持体に結合させてもよい。 該方法は用いる核酸標的の性質によって限定されない。ある実施形態において 、ステップ(a)の核酸は実質的に一本鎖である。他の実施形態において、該核酸 はRNAまたはDNAである。核酸標的は7-デアザ-dATP、7-デアサ-dGTPおよび dUTPを含むがこれらに限らないヌクレオチド類似体を含むことが考えられる。核 酸標的は二本鎖であってもよい。二本鎖の核酸標的を用いる場合、ステップ(b) の処理は、i)二本鎖核酸を実質的に一本鎖とし、そしてii)一本鎖核酸を、そ れが二次構造をとるような条件にさらす、ことを含む。本発明は二本鎖核酸を実 質的に一本鎖とするのに用いる方法により制限されない。当技術分野で知られた 種々の手段を採用することができる。二本鎖核酸を実質的に一本鎖とするための 好適な手段は温度を高めることによるものである。 好ましい実施形態においては、該方法は1以上の標的/プローブ複合体を検出 するステップをさらに含む。本発明は該複合体の検出に用いる方法によって制限 されない。 本発明の方法は微生物の検出および同定に使用することが考えられる。本発明 の微生物は種々の微生物から選択され、本発明は微生物のいかなる特定のタイプ にも限定されない。それどころか、本発明は細菌、真菌、原生動物、繊毛虫、ウ イルスを含むがこれらに限らない生物に対して使用することが意図される。微生 物は特定の属、種、株または血清型に限定されるものではない。実際、細菌をカ ンピロバクター属、エシェリキア属、ミコバクテリウム属、サルモネラ属、シゲ ラ属、スタフィロコッカス属のメンバーを含むがこれらに限らない群から選択す ることが考えられる。一つの好ましい実施形態において、微生物は多剤耐性ヒト 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の株である。また、本発明はC型肝炎ウイ ルス、ヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルスを含むがこれらに限らない ウイルスにも使用することが意図される。 本発明の別の実施形態は、1以上の微生物を含むと思われるサンプルから核酸 を抽出し、抽出した核酸と1以上のオリゴヌクレオチドプローブとを、抽出核酸 が1以上の二次構造体を形成して1以上のプローブと相互作用するような条件下 で接触させる各ステップを含んでなる、微生物の菌株を検出し同定する方法を包 含する。ある実施形態において、該方法は複合体を固相支持体に捕促するステッ プをさらに含む。別の実施形態において、該方法は捕捉した複合体を検出するス テップをさらに含む。一つの好ましい実施形態において、本発明はさらに、サン プルから単離した抽出核酸由来の検出核酸を、1以上の基準微生物由来の分離し た複合体と比較することを含む。そのような場合に、1以上の基準微生物由来の 核酸の配列は関連しているが異なっていてよい(例えば、変異型配列つまり既知 のもしくは以前に特徴づけられた変異型配列の野生型対照)。 別の好適な実施形態において、本発明は、1以上のプローブオリゴヌクレオチ ドと接触させる核酸標的を生成させるために、抽出ステップ後に抽出核酸から多 型遺伝子座を単離するステップをさらに含む。一実施形態では、多型遺伝子座の 単離がポリメラーゼ連鎖反応増幅により達成される。別の実施形態では、ポリメ ラーゼ連鎖反応が7-デアザ-dATP、7-デアザ-dGTPおよびdUTPを含むがこれらに限 らないヌクレオチド類似体の存在下で実施される。ポリメラーゼ連鎖反応増幅は 、多型遺伝子座に由来するコンセンサス遺伝子配列にマッチするまたは相補的な オリゴヌクレオチドプライマーを使用することが考えられる。一実施形態におい て、多型遺伝子座はリボソームRNA遺伝子を含む。特に好ましい実施形態にお いては、リボソームRNA遺伝子が16SリボソームRNA遺伝子である。 本発明はまた、各種微生物の1以上の対立遺伝子に特徴的な(すなわち、診断 に役立つ)遺伝子フィンガープリントの記録基準ライブラリーを作製する方法を 包含し、該方法は微生物の遺伝子配列に由来する核酸標的を用意することを含み 、1以上の微生物を含むと思われるサンプルから核酸を抽出し、抽出した核酸と 1以上のオリゴヌクレオチドプローブとを、抽出核酸が1以上の二次構造体を形 成して1以上のプローブと相互作用するような条件下で接触させ、捕捉した複合 体を検出し、そして捕捉した複合体の試験可能な記録基準を維持する、各ステッ プを含む。 「遺伝子フィンガープリント」とは、核酸配列の変化(例えば、欠失、挿入ま たは単一の点置換)が標準的塩基対合により検出可能な配列を変更し、同時に形 成される構造体を変更し、それゆえに標的とプローブオリゴヌクレオチドとの相 互作用の様相を変える(例えば、相互作用が起こるプローブの同一性を変更し、 かつ/または相互作用の部位もしくは強度を変更する)ことを意味する。結合さ れたプローブの同一性および相互作用の強度の尺度は、核酸配列を反映して変異 体の迅速な検出および同定を可能とする、核酸の「フィンガープリント」として 役立つインフォーマティブプロフィールを構成する。 本発明の方法は両方の鎖(例えば、センス鎖とアンチセンス鎖)の同時分析を 可能にし、高レベルのマルチプレキシング(multiplexing)にとって理想的である 。生成された産物は定性分析、定量分析およびポジショナル解析にかけやすい。 本方法は自動化することができ、しかも溶液中でも固相(例えば、固相支持体上 )でも実施することができる。本方法は、現行の方法論よりも長い核酸断片の分 析が可能であるという点で強力である。 本発明はさらに、核酸標的中の構造体形成を確認する方法を提供し、該方法は 、a)i)1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含み、さらに2以上の非連 続部分と1以上の介在領域を含む、デオキシリボ核酸配列を有する折りたたみ標 的、およびii)該折りたたみ標的の2以上の非連続部分に相補的な1以上の架橋 オリゴヌクレオチドプローブ、を用意し、そしてb)該折りたたみ標的と該1以 上の架橋オリゴヌクレオチドプローブとを、該架橋オリゴヌクレオチドプローブ が該折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形 成するような条件下で混合する、各ステップを含んでなる。 好ましい実施形態において、前記折りたたみ標的の1以上の介在領域は少なく とも5個のヌクレオチドを含む。さらに他の実施形態では、標的のいずれかおよ び/または架橋オリゴヌクレオチドのいずれかが任意の長さの非ヌクレオチドス ペーサーからなる介在領域を含む。好ましい実施形態において、第1および第2 のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる。別の実施形態において、該方 法は前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することをさらに含む。 さらに他の実施形態において、該方法は形成されたプローブ/折りたたみ標的複 合体を定量することをさらに含む。該方法のさらに他の実施形態では、前記プロ ーブ/折りたたみ標的複合体中の該架橋オリゴヌクレオチドプローブが該折りた たみ標的の少なくとも1つの一本鎖領域にハイブリダイズする。 該方法は折りたたみ標的DNAを得るために用いる標的DNAの性質によって 限定されないし、折りたたみ標的DNAを作製する方法によっても限定されない 。該方法はまた、架橋オリゴヌクレオチドプローブの性質によって制限されない 。これらのプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であって よく、修飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。 好ましい実施形態において、該方法は前記プローブ/折りたたみ標的複合体の 存在を検出することをさらに含む。検出ステップを採用する場合は、架橋オリゴ ヌクレオチドプローブまたは標的DNAのいずれか(または両方)が標識(すな わち、検出可能な成分)を含むことができる。本発明は用いる標識の性質または 標識の位置(すなわち、DNA配列の5'末端、3'末端、内部)により限定されな い。当技術分野では種々の適当な標識が知られており、フルオレセイン、テトラ クロロフルオレセイン、ヘキサクロロフルオレセイン、Cy3、Cy5、ジゴキシゲニ ン、ラジオアイソトープ(例:32P、35S)などがある。他の好ましい実施形態 において、該方法は形成されたプローブ/折りたたみ標的複合体を定量すること をさらに含む。該方法は定量に用いる手段により限定されない。標識した(例え ば、フルオレセインまたは32P)折りたたみ標的DNAが用いられる場合、定量 (例えば、プローブ/折りたたみ標的複合体中に存在する蛍光または放射能の量 の測定)のための手段は当技術分野で公知である。 他の好ましい実施形態において、架橋オリゴヌクレオチドプローブは固相支持 体によるその捕捉を可能とする成分を有する架橋オリゴヌクレオチドからなる。 本発明は捕捉を可能とするために用いられる成分の性質によって限定されない。 当技術分野では、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンを含めて、多数の適 当な成分が知られている。さらに、当技術分野では、フルオレセインやジゴキシ ゲニンなどの多くの小さな化合物が、適切な抗体による特異的捕捉のためのハプ テンとして機能しうることが知られている。抗体による特異的捕捉を可能にする ために、タンパク質コンジュゲートを使用してもよい。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検 出は、該架橋オリゴヌクレオチドプローブが固相支持体によって捕捉されるよう な条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含 む。以下に詳しく述べるように、当技術分野では多数の適当な固相支持体(例え ば、アガロース、ナイロン、ポリスチレンのようなプラスチック、ガラスまたは シリコンから構成されるビーズ、粒子、ディップスティック、ウエファ、チップ 、膜または平坦な表面)が知られており、本方法で使用することができる。 特に好ましい実施形態では、該成分はビオチン成分からなり、前記固相支持体 が該ビオチン成分に結合できる化合物を有する表面で構成されており、該化合物 がアビジンおよびストレプトアビジンよりなる群から選択される。 別の実施形態において、折りたたみ標的は固相支持体によるその捕捉を可能と する成分を有するデオキシリボ核酸配列を含む。上述したように、多数の適当な 成分が知られており、本方法で使用することができる。さらに他の実施形態では 、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検出が、該折りたたみ標的が固 相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複合 体を固相支持体にさらすことを含む。好ましい実施形態においては、該成分がビ オチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物を有 する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびストレプトアビジンより なる群から選択される。 好ましい実施形態において、該架橋オリゴヌクレオチドプローブは固相支持体 に結合される。該プローブは、折りたたみ標的核酸とのハイブリダイゼーション に利用可能なやり方で固相支持体に結合される。本発明は架橋オリゴヌクレオチ ドプローブを固相支持体に結合させる手段によって制限されない。架橋オリゴヌ クレオチドプローブを固相支持体上でin situ合成することができ、また、架橋 オリゴヌクレオチドプローブ上に存在する成分を介して固相支持体にプローブを (合成後に)結合させることもできる(例えば、ビオチン化プローブとアビジン またはストレプトアビジンを含む固相支持体を使用)。他の好ましい実施形態に おいては、折りたたみ標的核酸が固相支持体に結合される。これは例えば折りた たみ標的上に存在する成分を用いて行うことができる(例えば、ビオチン化標的 核酸とアビジンまたはストレプトアビジンを含む固相支持体を使用)。 本発明はまた、核酸標的の構造体を分析する方法を提供し、該方法は、a)i) 第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的であって、該第 1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むも の、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1折り たたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第2部分 と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であって、該第 1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むも の、iii)第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドであって、第1架橋オリゴヌ クレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第1部分に相補的であり、第2 架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第2部分に相補的 であるもの、およびiv)第1、第2、第3および第4の試験ゾーンを含む固相支 持体であって、各ゾーンが第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドを捕捉し固 定化することができるもの、を用意し、b)第1折りたたみ標的と第1架橋オリ ゴヌクレオチドとを、該第1架橋オリゴヌクレオチドが第1折りたたみ標的に結 合して第1混合物中のプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような条件下 で接触させ、c)第1折りたたみ標的と第2架橋オリゴヌクレオチドとを、該第 2架橋オリゴヌクレオチドが第1折りたたみ標的に結合して第2混合物中のプロ ーブ/折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触させ、d)第2折り たたみ標的と第1架橋オリゴヌクレオチドとを接触させて第3混合物を形成し、 e)第2折りたたみ標的と第2架橋オリゴヌクレオチドとを接触させて第4混合 物を形成し、そしてf)第1、第2、第3および第4の混合物を、該第1および 第2の架橋オリゴヌクレオチドが捕捉され固定化されるような条件下で、前記固 相支持体の第1、第2、第3および第4の試験ゾーンにそれぞれ添加する、こと を含んでなる。 該方法は第1および第2の標的の性質によって限定されない。第1および/ま たは第2の標的は1以上の非連続領域と1以上の介在領域を含むことができる。 好ましい実施形態において、介在領域は少なくとも5個のヌクレオチドを含む。 該方法は架橋オリゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これら の架橋オリゴヌクレオチドプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組 合せ物であってよく、修飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含ん でいてもよい。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の架橋オリゴ ヌクレオチドプローブが1以上の介在領域を含む。別の実施形態では、架橋オリ ゴヌクレオチドプローブの介在領域が少なくとも2個のヌクレオチドを含む。さ らに他の実施形態では、標的のいずれかおよび/または架橋オリゴヌクレオチド のいずれかが任意の長さの非ヌクレオチドスペーサーからなる介在領域を含む。 好ましい実施形態において、第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドプローブ はDNAからなる。 別の実施形態において、ステップd)における第1架橋オリゴヌクレオチドは第 2折りたたみ標的と実質的にハイブリダイズしない。さらに別の実施形態では、 ステップd)における第1架橋オリゴヌクレオチドの第2折りたたみ標的へのハイ ブリダイゼーションが、ステップc)における第1架橋オリゴヌクレオチドの第1 折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比べて低下している。さらなる実 施形態において、第1および第2の標的はDNAからなり、かつ/または第1お よび第2の架橋オリゴヌクレオチドはDNAからなる。 本発明はまた、折りたたみ核酸標的を分析する方法を提供し、該方法は、a)i )第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的であって、該 第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含む もの、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1折 りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第2部 分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であって、該 第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含む もの、iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持体であって、該ゾーンの それぞれが固定化された第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドを含み、第1 架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第1部分に相補的 であり、第2架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第2 部分に相補的であるもの、を用意し、そしてb)第1および第2の折りたたみ標 的と固相支持体とを、第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドが第1折りたた み標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような 条件下で接触させる、ことを含んでなる。 いくつかの実施形態において、ステップb)の接触は、第1折りたたみ標的を第 1試験ゾーンに添加し、第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加することを 含む。他の実施形態において、第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドは前記 試験ゾーンの別々の部分に固定化される。さらに他の実施形態において、第2試 験ゾーン中の第1架橋オリゴヌクレオチドは第2折りたたみ標的と実質的にハイ ブリダイズしない。さらなる実施形態においては、第2試験ゾーン中の第1架橋 オリゴヌクレオチドが、第1試験ゾーン中の第1架橋オリゴヌクレオチドの第1 折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比べて、低い効率で第2折りたた み標的にハイブリダイズする。 該方法は第1および第2折りたたみ標的の性質やそれらの作製方法によって限 定されない。該方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質やそれらの作製方法に よっても限定されない。これらのプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれ らの組合せ物であってよく、修飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物など を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1および/または第2の折り たたみ標的が少なくとも5個のヌクレオチドを含む1以上の介在領域を含む。別 の実施形態では、第1および/または第2の架橋オリゴヌクレオチドプローブが 少なくとも2個のヌクレオチドを含む1以上の介在領域を含む。さらに他の実施 形態では、標的のいずれかおよび/または架橋オリゴヌクレオチドのいずれかが 任意の長さの非ヌクレオチドスペーサーからなる介在領域を含む。好ましい実施 形態において、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる 。本発明はまた、上述したように用いる固相支持体の性質によって限定されない 。該方法のいくつかの好ましい実施形態では、第1および第2の折りたたみ標的 がDNAからなる。別の実施形態では、第1および第2の折りたたみ標的がRN Aからなる。さらに他の実施形態では、第1および第2の架橋オリゴヌクレオチ ドがDNAからなる。 一実施形態において、本発明は、a)i)1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖 領域を含むデオキシリボ核酸(DNA)配列を有する折りたたみ標的、およびii )該折りたたみ標的の少なくとも一部に相補的な1以上のオリゴヌクレオチドプ ローブ、を用意し、b)折りたたみ標的と1以上のプローブとを、該プローブが 折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成す るような条件下で混合する、ことを含んでなる方法を提供する。プローブと標的 核酸間の相補性の程度は完全であっても、部分的であってもよい(例えば、少な くとも1個のミスマッチ塩基対を含みうる)。該方法は折りたたみ標的DNAを 得るために用いられる標的DNAの性質によって限定されない。一実施形態にお いて、標的DNAは一本鎖DNAからなる。別の実施形態においては、標的DN Aは二本鎖DNAからなる。折りたたみ標的DNAは、DNAを変性(例えば、 加熱)し、次に該DNAの鎖内二次構造体を形成させることにより、一本鎖また は二本鎖のいずれの標的DNAからも作ることができる。該方法は折りたたみ標 的DNAを作製する方法によって限定されない。標的DNAは当技術分野で知ら れた様々な方法(例えば、加熱、アルカリへの暴露など)により変性した後で、 鎖内二重らせんの形成に有利な条件下(例えば、冷却、DNA溶液の希釈、pHの 中和など)で復元される。 該方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質によっても限定されない。これら のプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修 飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。 好ましい実施形態において、該方法は前記プローブ/折りたたみ標的複合体の 存在を検出することをさらに含む。検出ステップを採用する場合は、プローブま たは標的DNAのいずれか(または両方)が標識(すなわち、検出可能な成分) を含むことができる。本発明は用いる標識の性質または標識の位置(すなわち、 DNA配列の5'末端、3'末端、内部)により限定されない。当技術分野では種々 の適当な標識が知られており、フルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、 ヘキサクロロフルオレセイン、Cy3、Cy5、ジゴキシゲニン、ラジオアイソトープ (例:32P、35S)などがある。他の好ましい実施形態においで、該方法は形成 されたプローブ/折りたたみ標的複合体を定量することをさらに含む。該方法 は定量に用いる手段により限定されない。標識した(例えば、フルオレセインま たは32P)折りたたみ標的DNAが用いられる場合、定量(例えば、プローブ/ 折りたたみ標的複合体中に存在する蛍光または放射能の量の測定)のための手段 は当技術分野で公知である。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体中のプロー ブは折りたたみ標的の一本鎖領域にハイブリダイズする。別の好ましい実施形態 において、前記プローブは固相支持体によるその捕捉を可能とする成分を有する オリゴヌクレオチドからなる。本発明は捕捉を可能とするために用いられる成分 の性質によって限定されない。当技術分野では、ビオチン、アビジン、ストレプ トアビジンを含めて、多数の適当な成分が知られている。さらに、当技術分野で は、フルオレセインやジゴキシゲニンなどの多くの小さな化合物が、適切な抗体 による特異的捕捉のためのハプテンとして機能しうることが知られている。抗体 による特異的捕捉を可能にするために、タンパク質コンジュゲートを使用しても よい。 好ましい実施形態において、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検 出は、該プローブが固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ /折りたたみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含む。以下に詳しく述べる ように、当技術分野では多数の適当な固相支持体(例えば、アガロース、ナイロ ン、ポリスチレンのようなプラスチック、ガラスまたはシリコンから構成される ビーズ、粒子、ディップスティック、ウエファ、チップ、膜または平坦な表面) が知られており、本方法で使用することができる。 特に好ましい実施形態においては、前記成分がビオチン成分からなり、前記固 相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物を有する表面で構成されており、 該化合物がアビジンおよびストレプトアビジンよりなる群から選択される。 別の実施形態において、折りたたみ標的は固相支持体によるその捕捉を可能と する成分を有するデオキシリボ核酸配列を含む。上述したように、多数の適当な 成分が知られており、本方法で使用することができる。さらに他の実施形態では 、前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在の検出が、該折りたたみ標的が固 相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複合 体 を固相支持体にさらすことを含む。好ましい実施形態においては、前記成分がビ オチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合できる化合物を有 する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびストレプトアビジンより なる群から選択される。 好ましい実施形態において、前記プローブは固相支持体に結合される。プロー ブは、折りたたみ標的核酸とのハイブリダイゼーションに利用可能なやり方で固 相支持体に結合される。本発明はプローブを固相支持体に結合させる手段によっ て制限されない。プローブを固相支持体上でin situ合成することができ、また 、プローブ上に存在する成分を介して固相支持体にプローブを(合成後に)結合 させることもできる(例えば、ビオチン化プローブとアビジンまたはストレプト アビジンを含む固相支持体を使用)。他の好ましい実施形態においては、折りた たみ標的核酸が固相支持体に結合される。これは例えば折りたたみ標的上に存在 する成分を用いて行うことができる(例えば、ビオチン化標的核酸とアビジンま たはストレプトアビジンを含む固相支持体を使用)。 本発明はまた、a)i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含むもの、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第 1部分、および第1折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折 りたたみ標的の第2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含むもの、iii)第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブ であって、第1オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折りたたみ標的 の第1部分に相補的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2 の折りたたみ標的の第2部分に相補的であるもの、およびiv)第1、第2、第3 および第4の試験ゾーンを含む固相支持体であって、各ゾーンが第1および第2 のオリゴヌクレオチドプローブを捕捉し固定化することができるもの、を用意し 、b)第1折りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを、該第1プロ ーブが第1折りたたみ標的に結合して第1混合物中のプローブ/折りたたみ標的 複合体を形成するような条件下で接触させ、c)第1折りたたみ標的と第2オリ ゴ ヌクレオチドプローブとを、該第2プローブが第1折りたたみ標的に結合して第 2混合物中のプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触さ せ、d)第2折りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを接触させて 第3混合物を形成し、e)第2折りたたみ標的と第2オリゴヌクレオチドプロー ブとを接触させて第4混合物を形成し、そしてf)第1、第2、第3および第4 の混合物を、該プローブが捕捉され固定化されるような条件下で、前記固相支持 体の第1、第2、第3および第4の試験ゾーンにそれぞれ添加する、ことを含ん でなる方法を提供する。プローブと標的核酸間の相補性の程度は完全であっても 、部分的であってもよい(例えば、少なくとも1個のミスマッチ塩基対を含みう る)。 好ましい実施形態において、ステップd)における第1プローブは第2折りたた み標的と実質的にハイブリダイズしない。すなわち、第1プローブ/第2折りた たみ標的複合体の形成が絶対に起こらないという必要はないが、この複合体はご くわずかしか形成されない。他の好ましい実施形態において、ステップd)におけ る第1プローブの第2折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションは、ステップ c)における第1プローブの第1折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比 べて低下している。 該方法は第1および第2の標的の性質によって制限されない。第1および第2 の標的は二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAを含みうる。この方法はオリ ゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これらのプローブはDN A、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修飾ヌクレオチド、 ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。好ましい実施形態において 、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる。 本発明はさらに、a)i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折り たたみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1 以上の一本鎖領域を含むもの、ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である 第1部分、および第1折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1 折りたたみ標的の第2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折り たたみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1 以上の一本鎖領域を含むもの、iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持 体であって、該ゾーンのそれぞれが固定化された第1および第2のオリゴヌクレ オチドプローブを含み、第1オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折 りたたみ標的の第1部分に相補的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第 1および第2の折りたたみ標的の第2部分に相補的であるもの、を用意し、そし てb)第1および第2の折りたたみ標的と固相支持体とを、第1および第2のプ ローブが第1折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複 合体を形成するような条件下で接触させる、ことを含んでなる方法を提供する。 本発明は第1および第2の折りたたみ標的の性質により限定されない。第1およ び第2の標的は二本鎖または一本鎖のDNAまたはRNAから誘導することがで きる。プローブは標的核酸に対して完全にまたは部分的に相補的でありうる。こ の方法はオリゴヌクレオチドプローブの性質によって限定されない。これらのプ ローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく、修飾ヌ クレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。好ましい実施 形態において、第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる 。本発明は上述したように用いる固相支持体の性質により限定されない。 好ましい実施形態において、ステップb)の接触は、第1折りたたみ標的を第1 試験ゾーンに添加し、第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加することを含 む。他の好ましい実施形態において、第1および第2のプローブは前記試験ゾー ンの別々の部分に固定化される。 好ましい実施形態において、第2試験ゾーン中の第1プローブは第2折りたた み標的と実質的にハイブリダイズしない。すなわち、第1プローブ/第2折りた たみ標的複合体の形成が絶対に起こらないという必要はないが、この複合体はご くわずかしか形成されない。他の好ましい実施形態においては、第2試験ゾーン 中の第1プローブが、第1試験ゾーン中の第1プローブの第1折りたたみ標的へ のハイブリダイゼーションと比べて、低い効率で第2折りたたみ標的にハイブリ ダイズする。 ある実施形態において、第1および第2の折りたたみ標的はDNAからなる。 他の実施形態において、第1および第2の折りたたみ標的はRNAからなる。 本発明はまた、a)i)核酸標的、およびii)1以上のオリゴヌクレオチドプロ ーブ、を用意し、b)該標的が1以上の折りたたみ構造体を形成して1以上のプ ローブと相互作用するような条件下で核酸標的とプローブを処理し、そしてc)プ ローブと標的の間で形成された複合体を分析する、ことを含んでなる核酸の処理 方法を提供する。好ましい実施形態において、該方法は標的/プローブ複合体を 捕捉するための固相支持体を用意することをさらに含む。このような捕捉は構造 体の形成後に起こっても、複合体の形成前にプローブまたは標的のいずれかを支 持体に結合させてもよい。 該方法は用いる核酸標的の性質によって限定されない。ある実施形態において 、ステップ(a)の核酸は実質的に一本鎖である。他の実施形態において、該核酸 はRNAまたはDNAである。核酸標的は7-デアザ-dATP、7-デアザ-dGTPおよび dUTPを含むがこれらに限らないヌクレオチド類似体を含むことが考えられる。核 酸標的は二本鎖であってもよい。二本鎖の核酸標的を用いる場合、ステップ(b) の処理は、i)二本鎖核酸を実質的に一本鎖とし、そしてii)一本鎖核酸を、そ れが二次構造をとるような条件にさらす、ことを含む。本発明は二本鎖核酸を実 質的に一本鎖とするのに用いる方法により制限されない。当技術分野で知られた 種々の手段を採用することができる。二本鎖核酸を実質的に一本鎖とするための 好適な手段は温度を高めることによるものである。 好ましい実施形態においては、該方法は1以上の標的/プローブ複合体を検出 するステップをさらに含む。本発明は該複合体の検出に用いる方法によって制限 されない。 本発明の方法は微生物の検出および同定に使用することが考えられる。本発明 の微生物は種々の微生物から選択され、本発明は微生物のいかなる特定のタイプ にも限定されない。それどころか、本発明は細菌、真菌、原生動物、繊毛虫、ウ イルスを含むがこれらに限らない生物に対して使用することが意図される。微生 物は特定の属、種、株または血清型に限定されるものではない。実際、細菌はカ ンピロバクター属、エシェリキア属、ミコバクテリウム属、サルモネラ属、シゲ ラ属、スタフィロコッカス属のメンバーを含むがこれらに限らない群から選択さ れると考えられる。一つの好ましい実施形態において、微生物は多剤耐性ヒト結 核菌(Mycobacterium tuberculosis)の株である。また、本発明はC型肝炎ウイル ス、ヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルス、インフルエンザウイルス( 例:インフルエンザA型)を含むがこれらに限らないウイルスに対して使用する ことが意図される。 本発明の別の実施形態は、1以上の微生物を含むと思われるサンプルから核酸 を抽出し、抽出した核酸と1以上のオリゴヌクレオチドプローブとを、抽出核酸 が1以上の二次構造を形成して1以上のプローブと相互作用するような条件下で 接触させる各ステップを含んでなる、微生物の菌株を検出し同定する方法を包含 する。ある実施形態において、該方法は複合体を固相支持体に捕捉するステップ をさらに含む。さらに別の実施形態において、該方法は捕捉した複合体を検出す るステップを含む。一つの好ましい実施形態において、本発明はさらに、サンプ ルから単離した抽出核酸からの検出核酸を、1以上の基準微生物由来の分離した 複合体と比較することを含む。そのような場合に、1以上の基準微生物由来の核 酸の配列は関連しているものの異なっていてよい(例えば、変異型配列つまり既 知のもしくは以前に特徴づけられた変異型配列の野生型対照)。 別の好適な実施形態において、本発明は、1以上のプローブオリゴヌクレオチ ドと接触させる核酸標的を生成させるために、抽出ステップ後に抽出核酸から多 型遺伝子座を単離するステップをさらに含む。一実施形態では、多型遺伝子座の 単離がポリメラーゼ連鎖反応増幅により達成される。別の実施形態では、ポリメ ラーゼ連鎖反応が7-デアザ-dATP、7-デアザ-dGTPおよびdUTPを含むがこれらに限 らないヌクレオチド類似体の存在下で実施される。ポリメラーゼ連鎖反応増幅は 、多型遺伝子座に由来するコンセンサス遺伝子配列にマッチするまたは相補的な オリゴヌクレオチドプライマーを使用することが考えられる。一実施形態におい て、多型遺伝子座はリボソームRNA遺伝子を含む。特に好ましい実施形態にお いては、リボソームRNA遺伝子が16SリボソームRNA遺伝子である。 本発明はまた、各種微生物の1以上の対立遺伝子に特徴的な(すなわち、診断 に役立つ)遺伝子フィンガープリントの記録基準ライブラリーを作製する方法を 包含し、該方法は微生物の遺伝子配列に由来する核酸標的を用意することを含み 、1以上の微生物を含むと思われるサンプルから核酸を抽出し、抽出した核酸と 1 以上のオリゴヌクレオチドプローブとを、抽出核酸が1以上の二次構造を形成し て1以上のプローブと相互作用するような条件下で接触させ、捕捉した複合体を 検出し、捕捉した複合体の試験可能な記録基準を維持する、各ステップを含む。 「遺伝子フィンガープリント」とは、核酸配列の変化(例えば、欠失、挿入ま たは単一の点置換)が標準的塩基対合により検出可能な配列を変更し、同時に形 成される構造体を変更し、それゆえに標的とプローブオリゴヌクレオチドとの相 互作用の様相を変える(例えば、相互作用が起こるプローブの同一性を変更し、 かつ/または相互作用の部位もしくは強度を変更する)ことを意味する。結合さ れたプローブの同一性および相互作用の強度の尺度は、核酸配列を反映して変異 体の迅速な検出および同定を可能とする、核酸の「フィンガープリント」として 役立つインフォーマティブプロフィール(informative profile)を構成する。 本発明の方法は両方の鎖(例えば、センス鎖とアンチセンス鎖)の同時分析を 可能にし、高レベルのマルチプレキシング(multiplexing)に理想的である。生成 された産物は定性分析、定量分析およびポジショナル解析にかけやすい。本方法 は自動化することができ、しかも溶液中でも固相(例えば、固相支持体上)でも 実施することができる。本方法は、現行の方法論よりも長い核酸断片の分析が可 能であるという点で強力な方法である。 本発明はさらに、核酸標的中の構造体形成を確認する方法を提供し、該方法は 、a)i)1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含み、さらに2以上の非連 続部分と1以上の介在領域を含む、デオキシリボ核酸配列を有する折りたたみ標 的、およびii)該折りたたみ標的の2以上の非連続部分に相補的な1以上の架橋 オリゴヌクレオチドプローブ、を用意し、そしてb)該折りたたみ標的と該1以 上の架橋オリゴヌクレオチドプローブとを、該架橋オリゴヌクレオチドプローブ が該折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形 成するような条件下で混合する、各ステップを含んでなる。 好ましい実施形態において、前記折りたたみ標的の1以上の介在領域は少なく とも5個のヌクレオチドを含む。さらに他の実施形態では、標的のいずれかおよ び/または架橋オリゴヌクレオチドのいずれかが任意の長さの非ヌクレオチドス ペーサーからなる介在領域を含む。好ましい実施形態において、第1および第2 のオリゴヌクレオチドプローブはDNAからなる。別の実施形態において、該方 法は前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することをさらに含む。 さらに他の実施形態において、該方法は形成されたプローブ/折りたたみ標的複 合体を定量することをさらに含む。該方法のさらに他の実施形態では、前記プロ ーブ/折りたたみ標的複合体中の該架橋オリゴヌクレオチドプローブが該折りた たみ標的の少なくとも1つの一本鎖領域にハイブリダイズする。 該方法は折りたたみ標的DNAを得るために用いる標的DNAの性質によって 限定されないし、折りたたみ標的DNAを作製する方法によっても限定されない 。該方法は架橋オリゴヌクレオチドプローブの性質によっても限定されない。こ れらのプローブはDNA、RNA、PNAおよびこれらの組合せ物であってよく 、修飾ヌクレオチド、ユニバーサル塩基、付加物などを含んでいてもよい。 好ましい実施形態では、この方法はさらに、プローブ/折りたたみ標的複合体 の存在を検出することを含む。検出工程が、標識[すなわち、検出可能な成分(m oiety)]を含んでいてもよい架橋オリゴヌクレオチドプローブもしくは標的DNA のいずれか一方(またはそれらの両方)を用いる場合、本発明は、用いる標識の 性質または該標識の位置(すなわち、5’末端、3’末端、DNA配列の内部)に よって限定されない。多種多様の好適な標識が当業界で知られており、フルオレ セイン、テトラクロロフルオレセイン、ヘキサクロロフルオレセイン、Cy3、Cy5 、ジゴキシゲニン、放射性同位元素(例えば、32P、35P)が挙げられる。別の 好ましい実施形態では、この方法はさらに、形成されたプローブ/折りたたみ標 的複合体の量を定量することを含む。この方法は、定量に用いる手段によって限 定されない。標識した折りたたみ標的DNAを用いる場合(例えば、フルオレセイン または32P)、定量の手段は当業界では公知である(例えば、プローブ/折りたた み標的複合体中に存在する蛍光または放射能の量の測定)。 プローブ/折りたたみ標的複合体の検出はまた、結合した際にのみ起こり得る プローブについての触媒反応(catalyzed reaction)を含むことができる。そのよ うな触媒反応は酵素によって仲介されてもよいとする。例としては(しかし、限 定しようとするものではないが)、結合した架橋オリゴヌクレオチドプローブは 、DNAポリメラーゼによって伸長され、リガーゼの作用によって別の核酸に結合 し、あるいは構造特異的ヌクレアーゼによって切断(開裂)されてもよい。さら に、その触媒作用は酵素的なものではなく化学的なものであってもよいとする。 例えば、フェナントロリン(phenanthroline)-Cuのような化合物による核酸の開 裂は二重らせん構造に特異的である。標的の複合体の鎖の状態または他の構造的 特徴に関与するような様式で核酸に作用し得る化合物であれば如何なるものも、 プローブ/折りたたみ標的複合体の検出に使用できるものとする。 標的核酸と実質的に相補的なプローブとの間に形成される二重らせんに特異的 に作用する触媒反応であれば如何なるものも、架橋プローブ/折りたたみ標的複 合体に対して作用するように構成できるものとする。 別の実施形態では、結合したプローブは、1つ以上の別の核酸を必要とする反 応に関与でき、そのような反応としては、例えば連結反応、ポリメラーゼ連鎖反 応、5’ヌクレアーゼ反応(Lyamichevら,Science 260:778(1993);米国特許第5, 422,253号;引用により本明細書に組み入れる)、またはインベーダー(Invader)T M 侵入的開裂反応(invasive cleavage reaction)[PCT国際出願PCT/US97/01072(W O97/27214);同時継続出願第08/599,491号,同第08/682,853号,同第08/756,386 号,同第08/759,038号および同第08,823,516号;それらの全部を引用により本明 細書に組み入れるものとする]が挙げられる。1つの実施形態では、その別の核 酸としては、別のハイブリダイズしたプローブを含む。別の実施形態では、その 別の核酸としては標的を含む。好ましい実施形態では、その別の核酸としては、 折りたたみ標的の2つ以上の非連続部分に相補的な架橋オリゴヌクレオチドプロ ーブを含む。 触媒反応が作用する核酸は標識されていてもよいものとする。したがって、触 媒反応が作用している複合体の検出は、その反応の標識化生成物の検出を含み得 る。本発明は、用いる標識の性質によって限定されるものではなく、その標識と しては、例えば、色素もしくは放射性核種(例えば、32P)、フルオレセイン成分 、ビオチン成分、光発光性成分(luminogenic)、蛍光発光性成分(fluorogenic)、 リン光性成分(phosphorescent)または蛍光団(fluorophores)を、蛍光共鳴エネル ギー伝達(fluorescence resonance energy transfer;FRET)による発光を抑制 できる部分と組合せて含む標識が挙げられるが、それらに限定されない。上記で 列記した標識のいずれかを含む核酸の検出には多数の方法が利用可能である。例 えば、ビオチン標識化オリゴヌクレオチドは、ストレプトアビジン−アルカリホ スファターゼ・コンジュゲートを用いる非同位体検出法を用いて検出できる。フ ルオレセイン標識化オリゴヌクレオチドは、フルオレセイン画像化装置(imager) を用いて検出できる。オリゴヌクレオチドは異なる標識で標識してもよい。その 異なる標識は、触媒反応の前にプローブ上に存在させることができる。この実施 形態では、標識が同じ複合体への結合から外れること(例えば、FRET分析による )を、プローブ/折りたたみ標的複合体の形成を検出するのに用いることができ る。あるいはまた、触媒反応により(例えば、標識化核酸への連結によって、ま たは標識化ヌクレオシド三リン酸を用いた多量体化により)1つ以上の標識を複 合体に付加してもよい。 また、標識化オリゴヌクレオチド(反応したもの、または未反応のもの)は電 気泳動以外の手段で分離してもよいものとする。例えば、ビオチン標識化オリゴ ヌクレオチドは、アビジン(もしくはストレプトアビジン)で被覆した常磁性ま たは磁性ビーズまたは粒子を用いて、反応混合物中に存在する核酸から分離でき る。このようにして、ビオチン化オリゴヌクレオチド/アビジン−磁性ビーズ複 合体は、該複合体を磁界に曝すことによって混合物中の他の成分から物理的に分 離できる。さらに、反応したオリゴヌクレオチドからのシグナルは、物理的に分 離しなくても、未反応のオリゴヌクレオチドのシグナルから分離(resolve)でき る。例えば、複合体中の少なくとも1個の核酸が別のオリゴヌクレオチドへ結合 したり、または切断されたり、連結したり、もしくはポリメラーゼ伸長したりす ことによって起こり得るようなサイズの変化は、溶液中の回転速度を変化させ、 蛍光標識された複合体または生成物の分子が蛍光偏光分析により検出できるよう にする。しかしながら、分析手段が上述の方法に限定しようとするものではない 。核酸分析の当業者であれば、本発明のプローブ/折りたたみ標的複合体の検出 に容易に適用可能な、標識核酸および未標識核酸の両方を分析するための多数の 別の方法があることがわかるであろう。 別の好ましい実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドプローブは、固相支持体 によるその捕捉を可能にする成分(moiety)を有する架橋オリゴヌクレオチドを含 む。本発明は、捕捉を可能にするのに用いられる成分の性質によって限定されな い。多数の好適な成分が当業界で知られており、例えば、ビオチン、アビジンお よびストレプトアビジンが挙げられるが、それらに限定されない。ざらに、当業 界では、フルオレセインおよびジゴキシゲニンのような、適当な抗体による特異 的捕捉のためのハプテンとして作用し得る多くの小さな化合物が知られている。 タンパク質コンジュゲートもまた、抗体による特異的捕捉を可能にするために使 用することができる。 好ましい実施形態において、プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出す ることは、架橋オリゴヌクレオチドプローブが固相支持体によって捕捉されるよ うな条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複合体を該固相支持体に曝すことを 含む。後記でさらに詳細に述べるように、多数の好適な固相支持体が当業界では 知られており(例えば、アガロース、ナイロン、ポリスチレン等のプラスチック 、ガラスまたはシリコンから作られるビーズ、粒子、ディスク、ウエハー、チッ プ、膜または平坦な表面)、本発明の方法で用いることができる。 特に好ましい実施形態において、上記成分はビオチン成分を含み、上記固相支 持体は、該ビオチン成分に結合可能な化合物を有する表面で構成されており、そ して該化合物はアビジンおよびストレプトアビジンからなる群から選ばれる。 別の実施形態では、折りたたみ標的は、固相支持体によるその捕捉を可能にす る成分を有するデオキシリボ核酸配列を含み、上記で述べたように、多数の好適 な成分が知られており、本発明の方法に使用できる。さらに別の実施形態では、 プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することは、該折りたたみ標的が 固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りたたみ標的複 合体を該固相支持体に曝すことを含む。好ましい実施形態では、上記成分はビオ チン成分を含み、上記固相支持体は、該ビオチン成分に結合可能な化合物を有す る表面で構成され、そして該化合物はアビジンおよびストレプトアビジンからな る群から選ばれる。 好ましい実施形態において、架橋オリゴヌクレオチドプローブが固相支持体に 結合される。そのプローブは、架橋オリゴヌクレオチドプローブが折りたたみ標 的核酸とのハイブリダイゼーションに利用できるようにして、固相支持体に結合 される。本発明は、架橋オリゴヌクレオチドプローブを固相支持体へ結合させる のに用いる手段によって限定されるものではない。架橋オリゴヌクレオチドプロ ーブは、固相支持体上にin situで合成されてもよいし、または該プローブは( 合成後に)架橋オリゴヌクレオチドプローブ上に存在する成分を介して(例えば 、ビオチン化プローブとアビジンもしくはストレプトアビジンを含む固相支持体 とを用いて)固相支持体に結合させてもよい。別の好ましい実施形態では、折り たたみ標的核酸が固相支持体に結合される。これは、例えば、折りたたみ標的上 に存在する成分を用いて(例えば、ビオチン化標的核酸とアビジンもしくはスト レプトアビジンを含む固相支持体とを用いて)達成できる。 本発明はまた、(a)(i)第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含むもの、(ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第 1部分、および第1折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折 りたたみ標的の第2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りた たみ標的であって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以 上の一本鎖領域を含むもの、(iii)第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドで あって、該第1架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第 1部分に相補的であり、該第2架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折り たたみ標的の第2部分に相補的であるもの、および(iv)第1、第2、第3および 第4の試験ゾーンを含む固相支持体であって、各ゾーンが第1および第2の架橋 オリゴヌクレオチドを捕捉し固定化することができるもの、を用意し;(b)第1 折りたたみ標的と第1架橋オリゴヌクレオチドとを、該第1架橋オリゴヌクレオ チドが該第1折りたたみ標的に結合して第1混合物中のプローブ/折りたたみ標 的複合体を形成するような条件下で接触させ;(c)第1折りたたみ標的と第2架 橋オリゴヌクレオチドとを、該第2架橋オリゴヌクレオチドが該第1折りたたみ 標的に結合して第2混合物中のプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するよう な条件下で接触させ;(d)第2折りたたみ標的と第1架橋オリゴヌクレオチドと を接触させて第3混合物を形成し;(e)第2折りたたみ標的と第2架橋オリゴヌ クレオチドとを接触させて第4混合物を形成し;そして(f)第1、第2、第3お よび第4の混合物を、該第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドが捕捉され固 定化されるような条件下で、前記固相支持体の第1、第2、第3および第4の試 験ゾーンにそれぞれ添加する、ことを含んでなる方法も提供する。 この方法は、上記第1および第2の標的の性質によって限定されない。上記第 1および/または第2の標的は、1つ以上の非連続領域、ならびに1つ以上の介 在領域を含み得る。好ましい実施形態では、介在領域は少なくとも5個のヌクレ オチドを含む。この方法はまた、架橋オリゴヌクレオチドプローブの性質によっ ても限定されない。これらの架橋オリゴヌクレオチドプローブは、DNA、RNA、PN Aおよびこれらの組合せを含んでもよく、さらに、修飾ヌクレオチド、普遍的塩 基、付加物、等を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、第1および/また は第2の架橋オリゴヌクレオチドプローブは、1つ以上の介在領域を含む。別 の実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドプローブの介在領域は少なくとも2個 のヌクレオチドを含む。さらに別の実施形態では、標的のいずれか、および/ま たは架橋オリゴヌクレオチドのいずれかが、任意の長さの非ヌクレオチドスペー サーからなる介在領域を含む。好ましい実施形態では、第1および第2のオリゴ ヌクレオチドプローブはDNAを含む。好ましい実施形態では、第1および第2の 架橋オリゴヌクレオチドプローブはDNAを含む。 別の実施形態では、工程(d)における第1の架橋オリゴヌクレオチドは、第2 の折りたたみ標的に実質的にハイブリダイズしない。さらに別の実施形態では、 工程(d)における第1の架橋オリゴヌクレオチドの第2の折りたたみ標的へのハ イブリダイゼーションは、工程(c)における第1の架橋オリゴヌクレオチドの第 1の折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションよりも低下している。さらに別 の実施形態では、第1および第2の標的はDNAを含み、および/または第1およ び第2の架橋オリゴヌクレオチドはDNAを含む。 本発明はまた、折りたたみ核酸標的を分析するための方法であって、(a)(i)第 1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的であって、該第1 部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むもの 、(ii)第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1折りた たみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第2部分と 異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であって、該第1 部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むもの 、(iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持体であって、該ゾーンのそ れぞれが固定化された第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドを含み、該第1 架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第1部分に相補的 であり、該第2架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第 2部分に相補的であるもの、を用意し;そして(b)第1および第2の折りたたみ 標的と固相支持体とを、第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドが第1折りた たみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するよう な条件下で接触させる、ことを含んでなる方法も提供する。 幾つかの実施形態では、工程(b)の接触は、第1折りたたみ標的を第1試験ゾ ーンに添加し、第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加することを含む。別 の実施形態では、第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドは試験ゾーンの別々 の部分に固定化される。さらに別の実施形態では、第2試験ゾーン中の第1架橋 オリゴヌクレオチドは第2折りたたみ標的に実質的にハイブリダイズしない。さ らに別の実施形態では、第2試験ゾーン中の第1架橋オリゴヌクレオチドは、第 1試験ゾーン中の第1架橋オリゴヌクレオチドの第1折りたたみ標的へのハイブ リダイゼーションと比べて低い効率で第2折りたたみ標的にハイブリダイズする 。この方法は、第1および第2の折りたたみ標的の性質にも、それらを作製する ための方法にも制限されない。この方法はまた、オリゴヌクレオチドプローブの 性質にも、それらの作製方法にも制限されない。これらプローブは、DNA、RNA、 PNAおよびそれらの組合せを含んでいてもよく、さらに修飾ヌクレオチド、普遍 的塩基、付加物、等を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1および/また は第2の折りたたみ標的は、少なくとも5個のヌクレオチドからなる1つ以上の 介在領域を含む。さらに別の実施形態では、第1および/または第2の架橋オリ ゴヌクレオチドプローブは、少なくとも2個のヌクレオチドからなる1つ以上の 介在領域を含む。さらに別の実施形態では、標的のいずれか、および/または架 橋オリゴヌクレオチドのいずれかが、任意の長さの非ヌクレオチドスペーサーか らなる介在領域を含む。好ましい実施形態では、第1および第2のオリゴヌクレ オチドプローブはDNAを含む。本発明は、上述のような使用する固相支持体の性 質によって制限されない。この方法の幾つかの好ましい実施形態では、第1およ び第2の折りたたみ標的はDNAを含む。別の実施形態では、第1および第2の折 りたたみ標的はRNAを含む。さらに別の実施形態では、第1および第2の架橋オ リゴヌクレオチドはDNAを含む。 本発明は、構造体化核酸標的を検出する方法であって、(a)(i)1以上の二本鎖 領域と1以上の一本鎖領域を含み、さらに2以上の非連続部分と1以上の介在領 域を含む核酸配列を有する折りたたみ標的、(ii)該折りたたみ標的の2以上の非 連続部分に結合可能な、1以上の架橋オリゴヌクレオチドプローブ、および(iii )反応体、を用意し;(b)該折りたたみ標的と該プローブとを、該プローブが該折 りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成 するような条件下で混合し;そして(c)該プローブ/折りたたみ標的複合体を該 反応体で処理して、1以上の修飾プローブを生成する、各工程を含んでなる方法 を提供する。 本発明はさらに、(a)二本鎖部分を含む介在領域により分離された第1および 第2の非連続一本鎖領域を含む標的核酸;該第1および第2の非連続一本鎖領域 に結合できる架橋オリゴヌクレオチド;およびポリメラーゼおよびリガーゼより なる群から選択される反応体、を用意し;そして該標的核酸と該架橋オリゴヌク レオチドと該反応体とを、該架橋オリゴヌクレオチドが修飾されて修飾オリゴヌ クレオチドを生成するような条件下で混合する、ことを含んでなる方法を提供す る。 この方法の幾つかの実施形態では、反応体はポリメラーゼであり、さらに別の 実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは伸長したオリゴヌクレオチドを含む。 さらに別の実施形態では、反応体はポリメラーゼであり、かつ修飾オリゴヌクレ オチドは伸長したオリゴヌクレオチドを含む。さらに別の実施形態では、反応体 はリガーゼであり、さらに別の実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは連結さ れたオリゴヌクレオチドを含む。さらに別の実施形態では、反応体はリガーゼで あり、かつ修飾オリゴヌクレオチドは連結されたオリゴヌクレオチドを含む。 この方法のさらに別の実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドは第1および第 2の非連続一本鎖領域のそれぞれの10個未満のヌクレオチドに結合することがで きる。さらに別の実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドは第1および第2の非 連続一本鎖領域のそれぞれの8個以下のヌクレオチドに結合することができる。 この方法のさらに別の実施形態では、標的核酸はDNAであり、幾つかの好まし い実施形態では、そのDNAはウイルスDNAである。さらに別の好ましい実施形態で は、そのウイルスは、パルボウイルス科、パルボウイルス科、アデノウイルス科 、ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、イリドウイルス科およびポックス ウイルス科よりなる群から選択される。例えば、本発明は、あらゆるDNA含有ウ イルスの検出方法を包含するものとし、そのようなDNA含有ウイルスとしては、 例えば、パルボウイルス属、デペンドウイルス属、パピローマ(乳頭腫)ウイル ス属、ポリオーマウイルス属、マストアデノウイルス属、アビアデノウイルス属 (aviadenoviruses)、ヘパドナウイルス属、単純ウイルス属(simplexviruses)(例 えば、単純ヘルペスウイルス1型および2型)、水痘ウイルス属(varicelloviru ses)、サイトメガロウイルス属、ムロメガロウイルス属(muromegaloviruses)、 リンホクリプトウイルス属(lymphocryptoviruses)、シータリンホクリプトウイ ルス属(thetalymphocryptoviruses)、ラディノウイルス属(rhadinoviruses)、イ リドウイルス属、ラナウイルス属(ranaviruses)、ピシニウイルス属(piscinivir uses)、オルソポックスウイルス属、パラポックスウイルス属、アビポックスウ イルス属(avipoxviruses)、カプリポックスウイルス属、レポリポックスウイル ス属、スイポックスウイルス属(suipoxviruses)、ヤタポックスウイルス属(yata poxviruses)およびムルシポックスウイルス属(mulluscipoxvirus)が挙げられる が、これらに限定されない。したがって、本発明は、任意のDNAウイルス科に限 定しようとするものではない。 この方法のさらなる実施形態では、標的核酸はRNAであり、幾つかの好ましい 実施形態では、そのRNAはウイルスRNAである。さらに別の好ましい実施形態では 、そのウイルスは、ピコルナウイルス科、カルシウイルス科、レオウイルス科、 トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウイ ルス科、アレナウイルス科、ラブドウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤウイ ルス科およびレトロウイルス科からなる群から選択される。例えば、本発明は、 RNA含有ウイルスの検出方法を包含するものとし、そのようなRNA含有ウイルスと しては、例えば、エンテロウイルス属(例えば、ポリオウイルス類、コクサッキ ーウイルス類、エコーウイルス類、エンテロウイルス類、A型肝炎ウイルス、脳 心筋炎ウイルス、メンゴウイルス、ライノウイルス類およびアフトウイルス類) 、カリチウイルス属、レオウイルス属、オルビウイルス属、ロタウイルス属、ビ ルナウイルス属、アルファウイルス属、ルビウイルス属、ペスチウイルス属、フ ラビウイルス属(例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス類、デング熱ウイ ルス、日本脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイル ス、西ナイル熱ウイルス、キャサヌール森林病ウイルス、オムスク出血熱ウイル ス、ヨーロッパ型および極東型ダニ媒介脳炎ウイルス、ならびに跳躍病ウイルス )、インフルエンザウイルス属(例えば、A型、B型およびC型)、パラミクソ ウイルス属、麻疹ウイルス属、肺炎ウイルス属、ベシクロウイルス属、リッサウ イルス属、フィロウイルス属、コロナウイルス属、ブンヤウイルス属、フレボウ イルス属、ナイロウイルス属(nairoviruses)、ウウクウイルス属(uukuviruses) 、ハンタウイルス属、肉腫および白血病ウイルス、オンコ(肉腫)ウイルス、HT LV、スプマウイルス属、レンチウイルス属ならびにアレナウイルス属が挙げられ るが、それらに限定されない。 本発明はまた、(a)二本鎖領域を含む介在領域により分離された第1および第 2の非連続一本鎖領域を含む標的核酸;該第1および第2の非連続一本鎖領域に 結合できる架橋オリゴヌクレオチド;該第1非連続一本鎖領域の一部に結合でき る第2オリゴヌクレオチド;および開裂手段を用意し;そして、(b)該標的核酸 と該架橋オリゴヌクレオチドと該第2オリゴヌクレオチドと該開裂手段とを、該 第2オリゴヌクレオチドまたは該架橋オリゴヌクレオチドのいずれかが開裂され るような条件下で混合する、ことを含んでなる方法も提供する。 幾つかの好ましい実施形態では、開裂手段はヌクレアーゼを含む。別の好まし い実施形態では、開裂手段は耐熱性5’ヌクレアーゼを含む。さらに別の好まし い実施形態では、その耐熱性5’ヌクレアーゼはテルムス(Thermus)種の天然ポ リメラーゼから誘導された改変ポリメラーゼを含む。 この方法の別の実施形態では、混合の条件は、オリゴヌクレオチドのオーバー ラップ領域を規定するように、架橋オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチ ドの標的核酸へのハイブリダイゼーションを可能にするものである。幾つかの実 施形態では、そのオーバーラップ領域は1個の塩基を含み、別の実施形態では、 そのオーバーラップ領域は1個より多い塩基を含む。 この方法のさらなる実施形態では、標的核酸はDNAであり、幾つかの好ましい 実施形態では、そのDNAはウイルスDNAである。さらに別の好ましい実施形態では 、そのウイルスは、パルボウイルス科、パルボウイルス科、アデノウイルス科、 ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、イリドウイルス科およびボックスウ イルス科よりなる群から選択される。例えば、本発明は、あらゆるDNA含有ウイ ルスの検出方法を包含するものとし、そのようなDNA含有ウイルスとしては、例 えば、ノペルボウイルス属、デペンドウイルス属、パピローマ(乳頭腫)ウイル ス 属、ポリオーマウイルス属、マストアデノウイルス属、アビアデノウイルス属(a viadenoviruses)、ヘパドナウイルス属、単純ウイルス属(simplexviruses)(例え ば、単純ヘルペスウイルス1型および2型)、水痘ウイルス属(varicelloviruses )、サイトメガロウイルス属、ムロメガロイルス属(muromegaloviruses)、リンホ クリプトウイルス属(lymphocryptoviruses)、シータリンホクリプトウイルス属( thetalymphocryptoviruses)、ラディノウイルス属(rhadinoviruses)、イリドウ イルス属、ラナウイルス属(ranaviruses)、ピシニウイルス属(pisciniviruses) 、オルソポックスウイルス属、パラポックスウイルス属、アビポックスウイルス 属(avipoxviruses)、カプリポックスウイルス属、レポリポックスウイルス属、 スイポツクスウイルス属(suipoxviruses)、ヤタポックスウイルス属(yatapoxvir uses)およびムルシポックスウイルス属(mulluscipoxvirus)が挙げられるが、こ れらに限定されない。したがって、本発明は、任意のDNAウイルス科に限定しよ うとするものではない。 この方法のさらなる実施形態では、標的核酸はRNAであり、幾つかの好ましい 実施形態では、そのRNAはウイルスRNAである。さらに別の好ましい実施形態では 、そのウイルスは、ピコルナウイルス科、カルシウイルス科、レオウイルス科、 トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウイ ルス科、アレナウイルス科、ラブドウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤウイ ルス科およびレトロウイルス科からなる群から選択される。例えば、本発明は、 RNA含有ウイルスの検出方法を包含するものとし、そのようなRNA含有ウイルスと しては、例えば、エンテロウイルス属(例えば、ポリオウイルス類、コクサッキ ーウイルス類、エコーウイルス類、エンテロウイルス類、A型肝炎ウイルス、脳 心筋炎ウイルス、メンゴウイルス、ライノウイルス類およびアフトウイルス類) 、カリチウイルス属、レオウイルス属、オルビウイルス属、ロタウイルス属、ビ ルナウイルス属、アルファウイルス属、ルビウイルス属、ペスチウイルス属、フ ラビウイルス属(例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス類、デング熱ウイ ルス、日本脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイル ス、西ナイル熱ウイルス、キャサヌール森林病ウイルス、オムスク出血熱ウイル ス、ヨーロッパ型および極東型ダニ媒介脳炎ウイルス、ならびに跳躍病ウイル ス)、インフルエンザウイルス属(例えば、A型、B型およびC型)、パラミクソ ウイルス属、麻疹ウイルス属、肺炎ウイルス属、ベシクロウイルス属、リッサウ イルス属、フィロウイルス属、コロナウイルス属、ブンヤウイルス属、フレボウ イルス属、ナイロウイルス属(nairoviruses)、ウウクウイルス属(uukuviruses) 、ハンタウイルス属、肉腫および白血病ウイルス、オンコ(肉腫)ウイルス、HT LV、スプマウイルス属、レンチウイルス属ならびにアレナウイルス属が挙げられ るが、それらに限定されない。 本発明はまた、(a)介在領域により分離された第1および第2の非連続一本鎖 領域を含む標的核酸であって、該介在領域が連結一本鎖部分により分離された第 1二本鎖部分と第2二本鎖部分を含むもの;および該第1および第2の非連続一 本鎖領域に結合できる架橋オリゴヌクレオチド、を用意し;そして(b)該標的核 酸と該架橋オリゴヌクレオチドとを、該架橋オリゴヌクレオチドが該標的にハイ ブリダイズしてオリゴヌクレオチド/標的複合体を形成するような条件下で混合 することを含んでなる方法も提供する。 この方法のさらなる実施形態では、標的核酸はDNAであり、幾つかの好ましい 実施形態では、そのDNAはウイルスDNAである。さらに別の好ましい実施形態では 、そのウイルスは、パルボウイルス科、パルボウイルス科、アデノウイルス科、 ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、イリドウイルス科およびポックスウ イルス科よりなる群から選択される。例えば、本発明は、あらゆるDNA含有ウイ ルスの検出方法を包含するものとし、そのようなDNA含有ウイルスとしては、例 えば、パルボウイルス属、デペンドウイルス属、パピローマ(乳頭腫)ウイルス 属、ポリオーマウイルス属、マストアデノウイルス属、アビアデノウイルス属(a viadenoviruses)、へパドナウイルス属、単純ウイルス属(simplexviruses)(例え ば、単純ヘルペスウイルス1型および2型)、水痘ウイルス属(varicelloviruses )、サイトメガロウイルス属、ムロメガロイルス属(muromegaloviruses)、リンホ クリプトウイルス属(lymphocryptoviruses)、シータリンホクリプトウイルス属( thetalymphocryptoviruses)、ラディノウイルス属(rhadinoviruses)、イリドウ イルス属、ラナウイルス属(ranaviruses)、ピシニウイルス属(pisciniviruses) 、オルソポックスウイルス属、パラポックスウイ ルス属、アビポックスウイルス属(avipoxviruses)、カプリポックスウイルス属 、レポリポックスウイルス属、スイポックスウイルス属(suipoxviruses)、ヤタ ポックスウイルス属(yatapoxviruses)およびムルシポックスウイルス属(mullusc ipoxvirus)が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、本発明は、任 意のDNAウイルス科に限定しようとするものではない。 この方法のさらなる実施形態では、標的核酸はRNAであり、幾つかの好ましい 実施形態では、そのRNAはウイルスRNAである。さらに別の好ましい実施形態では 、そのウイルスは、ピコルナウイルス科、カルシウイルス科、レオウイルス科、 トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウイ ルス科、アレナウイルス科、ラブドウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤウイ ルス科およびレトロウイルス科からなる群から選択される。例えば、本発明は、 RNA含有ウイルスの検出方法を包含するものとし、そのようなRNA含有ウイルスと しては、例えば、エンテロウイルス属(例えば、ポリオウイルス類、コクサッキ ーウイルス類、エコーウイルス類、エンテロウイルス類、A型肝炎ウイルス、脳 心筋炎ウイルス、メンゴウイルス、ライノウイルス類およびアフトウイルス類) 、カリチウイルス属、レオウイルス属、オルビウイルス属、ロタウイルス属、ビ ルナウイルス属、アルファウイルス属、ルビウイルス属、ペスチウイルス属、フ ラビウイルス属(例えば、C型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス類、デング熱ウイ ルス、日本脳炎ウイルス、マリーバレー脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイル ス、西ナイル熱ウイルス、キャサヌール森林病ウイルス、オムスク出血熱ウイル ス、ヨーロッパ型および極東型ダニ媒介脳炎ウイルス、ならびに跳躍病ウイルス )、インフルエンザウイルス属(例えば、A型、B型およびC型)、パラミクソウ イルス属、麻疹ウイルス属、肺炎ウイルス属、ベシクロウイルス属、リッサウイ ルス属、フィロウイルス属、コロナウイルス属、ブンヤウイルス属、フレボウイ ルス属、ナイロウイルス属(nairoviruses)、ウウクウイルス属(uukuviruses)、 ハンタウイルス属、肉腫および白血病ウイルス、オンコ(肉腫)ウイルス、HTLV 、スプマウイルス属、レンチウイルス属ならびにアレナウイルス属が挙げられる が、それらに限定されない。 本発明はさらに、核酸構造を分析する方法であって、配列データ入力手段[核 酸配列情報をデータの保存および/または処理ができるデバイスに入力するため の任意の手段(例えば、配列情報を受取って保存するためのコンピューター入力 デバイスおよびソフトウエア)として定義される]、開裂データ入力手段[データ の保存および/または処理ができるデバイスに核酸内の開裂部位の位置に関する 情報を入力するための任意の手段(例えば、配列情報を受取って保存するための コンピューター入力デバイスおよびソフトウエア)として定義される]、および 核酸構造推定手段[入力データに基づいて核酸配列を推定できる任意の手段(例 えば、配列データおよび他のデータ入力に基づいて核酸またはタンパク質の構造 を推定するように設計されたソフトウエア)として定義される]を用意し;核酸 配列データ(1以上の該核酸組成の配列に関する任意のデータとして定義される )を該配列データ入力手段に提供して配列データ結果を出し;構造特異的開裂デ ータ(1以上の核酸組成の開裂状態に関する任意のデータとして定義される)を 該開裂データ入力手段に提供して開裂データ結果を出し;そして、該配列データ 結果と該開裂データ結果を該核酸構造推定手段に提供して、推定上の核酸構造[ ユーザーが理解できる(例えば、絵文字表示)、または構造情報を理解可能な任意 の形態でユーザーに中継するデバイスが判読できる任意の構造として定義される ]を得る、ことを含んでなる方法を提供する。 幾つかの実施形態では、本発明はさらに、核酸構造を分析する方法であって、 (e)塩基対データ入力手段および第2核酸構造推定手段を用意し;(f)塩基対デ ータを該塩基対データ入力手段に提供して塩基対データ結果を出し;そして(g) 該配列データ結果、該開裂データ結果および該塩基対データ結果を第2核酸構造 推定手段に提供して、第2の推定上の核酸構造を得る、各工程を含んでなる方法 を提供する。図面の説明 図1は、本発明の検出方法の1つの実施形態の概略図である。 図2A〜図2Dは、M.tuberculosis由来katG遺伝子のセグメントを表わす概 略図である。配列に応じて、DNAのセグメントは2Cおよび2Dに図示された ステム・ループ構造を形成することができる。図2Cおよび2D中の矢印は、こ れらの構造を該構造に特異的なCleavase(登録商標)Iヌクレアーゼで処理した ときに開裂される部位を表わす。各構造の左側の黒いバーは、katGプローブが結 合する領域を示し、このバーの中の突出部分はプローブとkatG標的との間のミス マッチ塩基対の部位を示す。図2A〜図2Dは、配列番号1〜4の一部(それぞ れ構造2A〜2D)を表わす。 図3は、CFLP(登録商標)法を用いたkatG基質の開裂パターンの蛍光画像スキ ャンを左側に表わす。レーンの上の文字は、これらのDNA断片が図2に図示され たそれぞれの構造を含むことを示す。矢印は、図2中の矢印により示された部位 における開裂で生成された37ヌクレオチド(nt)産物を示す。右側のグラフは、 構造プローブ化アッセイにおいて、図2に図示された各々の分子がkatG捕捉プロ ーブと複合体形成して固相支持体に結合したときに測定した蛍光強度を示す。 図4は、一つの捕捉プローブを用いて、異なる量のフランキング配列を有する katG標的DNAの2つの変異体をマイクロタイタープレートに結合させたときに測 定した蛍光強度を示すグラフを表わす。 図5は、CFLP(登録商標)法およびDNA配列決定法の両方による幾つかのタイ プのHCVの分析を示す。CFLP(登録商標)開裂産物を示すレーンの横に配列レー ンを解析した。これにより、各HCV遺伝子型の分析において、開裂された部位お よび構造領域の正確な同定が可能となった。これらの領域で相互作用させるため に選択されたプローブは右側に示されている(配列番号11〜19)。 図6は、実施例3で検証されたHCV遺伝子型について決定された配列のアライ ンメント(整列)を提供する。設計されたプローブに相補的なHCV標的内の部位 には下線を引き、太字で示している。プローブの数は各部位の上に示す。配列番 号20〜23が図6に表わされている。 図7は、所定のプローブにより所定のHCV型を固相支持体に捕捉したあとに測 定した蛍光信号を示すグラフを表わす。 図8A、BおよびCは、室温(約22℃)〜50℃の温度範囲で所定のプローブに より所定のHCV型を固相支持体に捕捉したあとに測定した蛍光信号を示すグ ラフを表わす。 図9A〜9Dは、臨床サンプルから得た異なるHCV型を所定のプローブにより 固相支持体に捕捉した後に測定した蛍光信号を示すグラフを表わす。 図10は、3つのテスト分子#80(配列番号39)、#81(配列番号40)およひ#82 (配列番号41)の各々により推定される折畳み構造を示す概略図を表わす。 図11Aおよび図11Bは、これらの研究において使用される捕捉オリゴヌクレオチ ドを示す概略図を表わす。便宜上、図10に図示したテスト分子3つ全てについて 検査を行い、これらはテスト分子#80(配列番号39)におけるこれら3つの分子 の相補的な領域と整列させて示されている。 図12A〜12Dは、所定のプローブにより3つのテスト分子#80(配列番号39)、# 81(配列番号40)および#82(配列番号41)を固相支持体に捕捉したあとに測定 した蛍光信号を示すグラフを表わす。幅の広い4番目のパネル(図12D)は、比 較しやすくするために最初の各3つのパネルからの蛍光信号をまとめて1つの蛍 光強度スケール上に書きなおしたものを表わす。 図13Aおよび13Bは、所定のプローブにより3つのテスト分子#80(配列番号39) 、#81(配列番号40)および#82(配列番号41)を固相支持体に捕捉したあとに 測定した蛍光信号を示すグラフを表わす。各捕捉テストに使用したプローブの名 前は、これらの図のパネルにおいて各パネルの上に示されている。 図14は、折畳み構造を開裂するために5’および3’ヌクレアーゼを用いて得た データに基づいて架橋オリゴヌクレオチドの2つのセグメント、を選択するため の方法を示す概略図を表わす。このような開裂反応を使用して、折畳み構造の上 流または下流にある領域を探し当てることができ、これにより相補的な配列を選 択して架橋オリゴヌクレオチドが作製しやすくなる。 図15は、1a、1b、2a/cおよび3a型を表わすHCVの4種類の244ntセグメントのア ラインメントを表わす。1a型はその全体が表わされているが、他の型の場合は差 異のみを示している。CFLP(登録商標)開裂により生成された開裂部位は、配列 に沿って垂直な線により示されており、最も弱い開裂部位は、破線で示される。 図16Aおよび16Bは、HCV1a型由来244nt断片の2つの可能な二次構造の概略図を 表わす。 図17Aは、HCV1a型由来244nt断片および2つのトランケートされた205nt断片の CFLP(登録商標)法による分析を表わす。有意な開裂バンドのサイズはパネルの 右側に示される。 図17Bは、HCV1a型由来の244ntアンプリコンの領域について推定される構造の うち2つの概略図を表わす。CFLP(登録商標)データは、標的DNAが溶液中で複 数の配座を呈することを示し、各配座は開裂パターンに影響を与えることを示し ている(Browら、前掲)。 図17Cは、この領域の推定構造と相互作用するように設計された3つの架橋オ リゴヌクレオチド(配列番号53、64および65)の概略図を表わす。標的に整列さ せたときにこれと相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図18A〜Dは、HCV1a、1b、2a/cおよび3a型にそれぞれ由来する244ntアンプリコ ンの領域のための推定構造の概略図を表わす。18B〜Dにおいて、1a型配列と異な る塩基を太字で示す。各々を6つの異なる設計の架橋オリゴヌクレオチド(配列 番号53、54、55、56、57および58)に整列させる。標的に整列させたときにこれ に相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。各プローブの3’末端接触配列(「c」を 除く)は、一番右のステムの上流の8連続標的塩基に相補的であるが、小さな中 央ステムを表記したことによりこのアラインメントが見えなくなっている。 図19は、HCV1a、1b、2a/cおよび3a由来のアンプリコンを所定プローブにより 固相支持体に捕捉したあとに測定した蛍光信号を示すグラフを表わす。各捕捉テ ストで使用したプローブを示す文字は各バーの下に示し、任意の蛍光ユニットに おける信号を、各パネルの左側に示す。 図20Aは、非架橋プローブ「a」および「e」ならびに架橋プローブ「b」〜「d 」に整列させたHCV1a型由来のアンプリコンにおける構造の概略図を表わす。標 的に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図20Bは、完全に相補的な非架橋オリゴヌクレオチド「a」(配列番号52)と塩基 対を形成すると思われるHCV1a型由来のアンプリコンにおける構造の概略 図である。標的に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す 。 図21は、各レーンの上に示したように、図20Aに図示されたプローブおよびHCV 1a、1b、2a/cおよび3a型に由来する折りたたみ標的鎖を用いた、あるいはヒトゲ ノムDNAを対照として用いた、プライマー伸長反応生成物の蛍光画像スキャンを 表わす。矢印は、170ヌクレオチド(nt)の伸長産物を示す。 図22は、非架橋プローブ「a」および「e」ならびに架橋プローブ「b」(それぞ れ配列番号52、53および59)に整列させたHCV1a型由来アンプリコンにおける構造 の概略図を表わす。標的に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒 線で示す。 図23は、いくつかの温度で行った反応における図22に図示したプローブと標的 とを用いたプライマーの伸長反応生成物の蛍光画像スキャンを表わす。各反応温 度はパネルの一番上に示し、非反応プローブは左側の矢印と記号で示してある。 矢印は170ヌクレオチド(nt)伸長産物を示す。 図24は、非架橋プローブ「a」および「e」、架橋プローブ「b」〜「d」ならびに リゲーションヌクレオチド「f」(それぞれ配列番号52、59、53、57、58および62 )に整列させたHCV1a型由来アンプリコンにおける構造の概略図を表わす。標的に 整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図25は、HCV1a、1b、2a/cおよび3a由来のアンプリコンを所定プローブおよび プローブの組み合わせにより固相支持体に捕捉したあとに測定した蛍光信号を示 すグラフを表わす。各捕捉テストで使用したプローブを示す文字は各バーの下に 示し、任意の蛍光ユニットにおける信号を、各パネルの左側に示す。 図26は、非架橋プローブ「a」および「e」、架橋プローブ「b」〜「d」およびリ ゲーションオリゴヌクレオチド「f」(それぞれ配列番号52、59、53、57および58 )に整列させた非構造化合成標的(配列番号63)の概略図を表わす。標的に整列 させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図27は、図24および図26に図示されたプローブと標的とを用いたリゲーション 反応生成物の蛍光画像スキャンを表わす。非反応プローブは左側の矢印で8ntお よび18ntのところで示される。矢印は、プローブ「f」と「a」、「b」、「c」または 「d」との間の33ntリゲーション生成物、ならびに「f」と「e」と の間の23ntリゲーション生成物を示す。 図28は、HCV1a、1b、2a/cおよび3a型由来の標的アンプリコンを用いた、様々 な温度で行われた反応におけるリゲーションプローブ「f」および架橋プローブ 「b」を用いたリゲーション反応生成物の蛍光画像スキャンを表わす。左側の矢 印は、18ntの非反応プローブおよび33ntのリゲーション生成物を示す。 図29Aおよび29Bは、非架橋プローブ「a」および「e」、架橋プローブ「b」〜「d 」および侵入型開裂プローブ「g」(それぞれ配列番号52、53、57、59および58) に整列させた、それぞれHCV1a型由来のアンプリコンまたは非構造化合成標的( 配列番号63)における構造の概略図を示す。標的に整列させたときにこれに相補 的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図30は、図29Aおよび図29Bに示したプローブおよび標的を用いた侵入型開裂反 応生成物の蛍光画像スキャンを表わす。(開裂プローブ「g」(配列番号60)のほ かに)各反応で使用した標的DNAおよびプローブの識別は各レーンの上に示し、 非反応プローブは左側の矢印および文字で示してある。矢印は、4ヌクレオチド (nt)開裂生成物を示す。 図31は、架橋プローブ「b」(配列番号53)および侵入型開裂プローブ「h」(配 列番号61)に整列させたHCV型1a由来アンプリコンにおける構造の概略図を表わ す。標的に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図32は、レーンの上に示したように、様々な温度で行った反応における、図31 に図示したプローブおよび標的を用いた侵入性開裂反応生成物の蛍光画像スキャ ンを表わす。(開裂プローブ「h」(配列番号61)のほかに)各反応で使用した標 的DNAおよびプローブの識別は各レーンの上に示し、非反応プローブは右側の矢 印および文字で示す。矢印は、4ヌクレオチド(nt)開裂生成物を示す。 図33は、図29Aおよび31に図示されたプローブおよび標的を用いた侵入型開裂 反応生成物の蛍光画像スキャンを表わす。各反応で使用した標的DNAおよびプロ ーブの識別は各レーンの上に示し、使用した開裂プローブはレーンの下に示す。 非反応プローブは片側に矢印および文字で示す。矢印は、4ヌクレオチド(nt) 開裂生成物を示す。 図34は、ポリメラーゼ連鎖反応におけるプライマーとして架橋オリゴヌクレオ チドを使用する1つの実施例を表わす概略図である。この図中における「a〜e」 の記号は、反応の一般的ステップを示すために使用されている。 図35は、架橋オリゴヌクレオチドの標的依存性リゲーションのあとにリガーゼ 連鎖反応による架橋リゲーション生成物を検出した2つの実施例を示す概略図で ある。この図中の「a〜c」の記号は、反応ステップを示すために使用される。ス テップaまたはbの後にはステップcが続く(即ちbはステップの進行には従わない) 。 図36は、M.tuberculosisのrpoB遺伝子由来128ヌクレオチド断片に対してCFLP (登録商標)方法を用いて生成された開裂パターンの蛍光画像スキャンを表わす (右側レーン)。所定サイズ(ヌクレオチド長)の断片を有するマーカーを左側レ ーンに示し、rpoB断片からの有意な開裂バンドのサイズをパネルの右側に示す。 図37Aは、M.tuberculosisのrpoB遺伝子由来の128ヌクレオチド断片の2つの 可能な二次構造の2つの概略図を表わす。 図37Bは4つの概略図を表わす。1つはrpoBアンプリコンのヌクレオチド62を ヌクレオチド114と塩基対形成させたときに折り畳まれると思われるステムの図 であり、3つの突然変異分子(1、2および3で示される)もまた図示される。 図37Cは、異なるスペーサー領域(配列番号106、107、108および109)を有す る架橋プローブに整列させた、ヌクレオチド62と114との塩基対を有するM.tube rculosisのrpoB遺伝子由来のアンプリコンにおける構造化部位の概略図を表わす 。プローブに相補的である該標的の領域は、標的構造の下の黒線で示される。グ ラフは、このアンプリコンを所定のプローブで固相支持体に捕捉した後に測定し た蛍光信号を示す。各捕捉テストで使用したプローブを示す番号は各バーの上に 示し、各プローブにおけるスペーサーは各バーの下に示す。蛍光信号はパネルの 左側に、この標的の捕捉のための直鎖状(非架橋)対照プローブを用いた実験で 測定した信号のパーセンテージとして示される。 図38Aは、架橋プローブ17〜20(配列番号110、111、112および113)に整 列させたM.tuberculosisのrpoB遺伝子由来のアンプリコンにおける3つの構造 化部位の概略図を表わす。標的に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の 間の黒線で示される。グラフは、これらのアンプリコンを所定のプローブで固相 支持体に捕捉した後に測定した蛍光信号を示す。各捕捉テストで使用したプロー ブを示す番号は各バーの下に示し、蛍光信号は、これらの標的の捕捉のための直 鎖状(非架橋)対照プローブを用いた実験で測定した信号のパーセンテージとし て、パネルの左側に示される。 図38Bは、架橋プローブ78〜106および63〜87(それぞれ配列番号114および115 )に整列させたM.tuberculosisのrpoB遺伝子由来のアンプリコンにおける2つ の構造化部位の概略図を表わす。標的に整列させたときにこれに相補的な領域は 、鎖の間の黒線で示される。グラフは、このアンプリコンを所定のプローブで固 相支持体に捕捉した後に測定した蛍光信号を示す。各捕捉テストで使用したプロ ーブを示す番号は各バーの下に示し、蛍光信号は、この標的の捕捉のための直鎖 状(非架橋)対照プローブを用いた実験で測定した信号のパーセンテージとして 、パネルの左側に示される。 図38Cは、架橋プローブ84〜102、57〜119または84〜102(それぞれ配列番号11 6、117および118)に整列させたM.tuberculosisのrpoB遺伝子由来のアンプリコ ンにおける3つの構造化部位の概略図を表わす。標的に整列させたときにこれに 相補的な領域は、鎖の間の黒線で示される。グラフは、このアンプリコンを所定 のプローブで固相支持体に捕捉した後に測定した蛍光信号を示す。各捕捉テスト で使用したプローブを示す番号は各バーの下に示し、蛍光信号は、この標的の捕 捉のための直鎖状(非架橋)対照プローブを用いた実験で測定した信号のパーセ ンテージとして、パネルの左側に示される。 図39は、M.tuberculosisのrpoB遺伝子由来のアンプリコンにより形成され得 る3つの構造(「a」、「b」および「c」)の概略図を表わす。これら3つの各構造 は、この断片の5'末端からCFLP(登録商標)開裂62〜63ヌクレオチドを生じ得る ため、CFLP(登録商標)ゲルパターンのこの領域における信号に影響を与える。 図40は、4方向ジャンクションを生成しうる架橋プローブ(配列番号118) に整列させた図39からの構造「b」の概略図を表わす。グラフは、2つの異なる サイズのアンプリコンをこのプローブで固相支持体に捕捉した後に測定した蛍光 信号を示す。蛍光信号は、これらの標的の捕捉のための直鎖状(非架橋)対照プ ローブを用いた実験で測定した信号のパーセンテージとして、パネルの左側に示 される。 図41は、変更されていない、またはトランケートされてより短いステムを不安 定にするよう突然変異された、図39からの構造「b」の概略図を表わす。また、 より長い残存ステムとハイブリダイズするように設計された架橋プローブ62〜98 (配列番号119)、および所定のプローブによる短縮されたアンプリコンの固相支 持体への捕捉後に測定された蛍光信号を示すグラフも示される。蛍光信号は、こ の標的の捕捉のための直鎖状(非架橋)対照プローブを用いた実験で測定した信 号のパーセンテージとして、パネルの左側に示される。 図42は、架橋プローブ63〜87(配列番号115)に整列させた図39からの構造「c」 、および3つの異なるサイズのアンプリコンを所定のプローブで固相支持体に捕 捉した後に測定した蛍光信号を示すグラフを表わす。蛍光信号は、これらの標的 の捕捉のための直鎖状(非架橋)対照プローブを用いた実験で測定した信号のパ ーセンテージとして、ノペネルの左側に示される。 図43Aは、2つの7ヌクレオチド相補領域(配列番号120)を有する架橋プロー ブに整列させたHCV1a型由来アンプリコンにおける構造の概略図を表わす。標的 に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の黒線で示す。 図43Bは、2つの7または8ヌクレオチド相補領域(それぞれ配列番号121およ び122)を有する架橋プローブに整列させたHCV1b型由来アンプリコンにおける構 造の概略図を表わす。標的に整列させたときにこれに相補的な領域は、鎖の間の 黒線で示す。 図44Aは、所定のプローブによりHCV1a、1b、2a/cおよび3a型由来ァンプリコン を固相支持体に捕捉したあとに測定した蛍光信号を示すグラフを表わす。各捕捉 テストに使用したアンプリコンは、各バーの下に示す。蛍光信号は、この標的の 捕捉のための直鎖状(非架橋)対照プローブを用いた実験で測定した信号のパー センテージとして、パネルの左側に示される(1は100%である)。 図44Bは、各パネルの一番上に示した所定のプローブによりHCV1a、1b、2a/cお よび3a型由来アンプリコンを固相支持体に捕捉したあとに測定した蛍光信号を示 すグラフを表わす。各捕捉テストに使用したアンプリコンは、各バーの下に示す 。蛍光信号は、この標的の捕捉のための直鎖状(非架橋)対照プローブを用いた 実験で測定した信号のパーセンテージとして、パネルの左側に示される(1は100 %である)。 定義 本発明を理解し易くするために、以下にいくつかの用語を定義する。 「遺伝子」なる用語は、ポリペプチドまたは前駆体の生成に必要な制御配列お よびコード配列を含んでなるDNA配列を意味する。該ポリペプチドは、完全長コ ード配列により、または、所望の酵素活性が保持される場合に限り該コード配列 のいずれかの一部分によりコードされうる。 「野生型」なる用語は、天然に存在する起源から単離された場合の遺伝子また は遺伝子産物の特徴を有する、遺伝子または遺伝子産物を意味する。野生型遺伝 子は、ある個体群中で最も頻繁に観察され、したがって該遺伝子の「正常」また は「野生型」形態と任意に称されているものである。それに対し、「修飾(され た)」または「突然変異体」なる用語は、野生型の遺伝子または遺伝子産物と比 較した場合、配列の修飾および/または機能的性質の修飾(すなわち、改変され た性質)を示す遺伝子または遺伝子産物を意味する。天然に存在する突然変異体 は単離することができ、これらは、野生型の遺伝子または遺伝子産物と比較した 場合、改変された性質を有するという事実により同定されることが注目される。 本明細書中で使用する「LTR」なる用語は、プロウイルス(すなわち、レト ロウイルスの組込み形態)の各末端に見いだされる長末端反復を意味する。該L TRは、転写制御エレメント、ポリアデニル化シグナル、および該ウイルスゲノ ムの複製および組込みに必要な配列を含む多数の調節シグナルを含有する。該ウ イルスLTRは、U3、RおよびU5と称される3つの領域に分けられる。 U3領域は、エンハンサーおよびプロモーターエレメントを含有する。U5 領域は、ポリアデニル化シグナルを含有する。R(反復)領域は、U3領域および U5領域を分離し、R領域の転写配列は該ウイルスRNAの5'および3'の両末端 に出現する。 本明細書中で使用する「オリゴヌタレオチド」なる用語は、2個以上のデオキ シリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、好ましくは4個以上、通常11個以 上よりなる分子と定義される。正確な大きさは多数の因子に依存し、そのため、 これらの因子は該オリゴヌクレオチドの最終的な機能または用途に依存する。該 オリゴヌクレオチドは、化学合成、DNA複製、逆転写またはその組み合わせを含 むいずれの方法で生成させてもよい。 モノヌクレオチドは、1つのモノヌクレオチドペントース環の5'リン酸(phos phate)基がその隣の3'酸素にリン酸ジエステル結合を介して1方向に結合する ような態様で反応してオリゴヌクレオチドを生成するため、オリゴヌクレオチド の末端は、その5'リン酸基がモノヌクレオチドペントース環の3'酸素に結合し ていないなら「5'末端」と、その3'酸素が後続のモノヌクレオチドペントース 環の5'リン酸基に結合していないなら「3'末端」と称される。本明細書では、 たとえ核酸配列がより大きなオリゴヌクレオチドの内部にある場合であっても、 それが5'および3'末端を有すると称することもある。 2つの異なる非オーバーラップオリゴヌクレオチドが同じ線状相補的核酸配列 の異なる領域に対してアニーリングし、一方のオリゴヌクレオチドの3'末端が 他方の5'末端に面する場合、前者を「上流」オリゴヌクレオチドと、後者を「 下流」オリゴヌクレオチドと称することがある。 「プライマー」なる用語は、プライマー伸長が開始する条件下に置かれた場合 、合成開始点として作用する能力を有するオリゴヌクレオチドを意味する。オリ ゴヌクレオチド「プライマー」は、精製された制限消化物としで天然に存在して もよいし、合成的に製造されてもよい。 プライマーは、その3'末端に鋳型の特異的配列の鎖に対して「本質的に」相 補的な領域を有するよう選ばれる。プライマーは、プライマー伸長が生じるよう 、鋳型鎖とハイブリダイズするのに十分な程度に相補的でなければならない。プ ライマー配列は、鋳型の正確な配列を反映している必要はない。例えば、非 相補的ヌクレオチド断片がプライマーの5'末端に結合していてもよく、この場 合、該プライマー配列の残りの部分は該鎖に本質的に相補的となっている。ハイ ブリダイゼーション、およびそれによるプライマー伸長産物合成のための鋳型プ ライマー複合体形成に十分な程度に、該プライマー配列が鋳型配列との相補性を 有していれば、非相補的塩基またはより長い配列が該プライマー中に点在してい てもよい。 本明細書で用いる「ハイブリダイズする」および「ハイブリダイゼーション」なる 用語は、塩基対合相互作用により相補的配列を標的核酸(検出される配列)にアニ ーリングすることを意味する(MarmurおよびLane,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:453[1960]ならびにDotyら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 46:461[1960])。「 アニールされる」および「ハイブリダイズされる」なる用語は、明細書を通じて代 替的に使用されており、オリゴヌクレオチドと標的核酸との特異的かつ再現可能 な全ての相互作用を包含することを意図しており、これには安定性および/また は特異性のために非規則的相互作用を利用して相補性および結合相互作用が部分 的にしかない領域を結合することも含まれる。 本明細書中で使用する核酸配列の相補体は、一方の配列の5'末端が他方の3' 末端と対合するように該核酸配列と並べた場合に「逆平行な会合」となるオリゴ ヌクレオチドを意味する。天然核酸中では一般に見られないある塩基が本発明の 核酸に含まれていてもよく、例えば、イノシン、7−デアザグアニンなどが挙げ られる。相補性は完全である必要はなく、安定な二重らせんがミスマッチな塩基 対またはマッチでない塩基を含有していてもよい。核酸技術分野の当業者であれ ば、例えばオリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成および配 列、イオン強度およびミスマッチな塩基対の頻度を含む多数の変数を考慮して、 二重らせんの安定性を経験的に決定することができる。 核酸に関して使用する「非規則的」なる用語は、標準的塩基対合または「ワトソ ン-クリック」塩基対合以外の相互作用を指し、これにはG-TおよびG-U塩基対、フ ーグスティーン相互作用、三重らせん構造、四重らせん凝集体、および核酸三次 構造で観察されるような多塩基水素結合(例えばtRNAに見出される)が含まれる。 核酸二重らせんの安定性は、融解温度、すなわち「Tm」により測定することが できる。一定条件下での特定の核酸二重らせんのTmは、平均して塩基対の半分が 解離する温度である。 本明細書中で使用する「プローブ」なる用語は、プローブ中の少なくとも1つの 配列と他方の核酸中の配列との相補性によりまたはその他の再現可能な誘引相互 作用の手段により、他方の核酸中の配列と共に二重らせん構造またはその他の複 合体を形成するオリゴヌクレオチドを意味する。 本明細書中で使用する「シグナルプローブ」および「シグナルオリゴヌクレオチ ド」なる用語は、反応または相互作用の進行または生成物の検出を可能にするた めに使用するあらゆるオリゴヌクレオチドに関して代替的に使用される。シグナ ルプローブは標識されたものまたは標識されていないものであり得、反応機構に より改変されたものでも改変されないままのものでもあり得る。 本明細書中で使用する「標識」なる用語は、検出可能な(好ましくは定量可能 な)シグナルを得るのに使用することができ、核酸またはタンパク質に結合する ことができる、いずれかの原子または分子を意味する。標識は、蛍光、放射能、 比色分析、重量分析、X線回折または吸収、磁性、酵素活性などにより検出可能 なシグナルを与えるものであり得る。 「標的核酸」および「核酸基質」なる用語は、本明細書において代替的に使用され 、変性され再生されると(即ち、鎖内水素結合形成によって単独で折りたたむと) 少なくとも1つの折りたたみ構造を形成する核酸分子を意味する。核酸標的には 、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAが含まれうる。 本明細書中で使用する「折りたたみ標的」なる用語は、少なくとも1つの二次構 造領域(即ち、核酸の一本鎖内に少なくとも1つの二本鎖領域および少なくとも 1つの一本鎖領域)を含む核酸鎖を意味する。折りたたみ標的は、二次構造の領 域に加えて三次構造の領域を含んでいてもよい。 「実質的に一本鎖」なる用語は、核酸標的に関して用いた場合には、標的分子が 主に一本鎖核酸として存在し、鎖間塩基対合相互作用により結合している二本鎖 核酸として存在する二本鎖標的とは対照的であることを意味する。 核酸は、安定性のために塩基対合に依存して二次構造を形成する。異なる配 列の核酸(一本鎖DNA、変性二本鎖DNAまたはRNA)の一本鎖はたとえ密接に関連し たもの同士であっても、単独で折りたたみ、特有の二次構造を呈する。標的の配 列における変化は、二重らせん領域を破壊したり、または安定性を上昇し、いく つかの領域ではプローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションに対する 影響の受け易さが変化する。特定の理論に限定されるわけではないが、標的集団 における個々の分子はそれぞれ、1つまたは2、3の構造体(即ち、二重らせん 領域)しか呈さないと考えられているが、サンプルを全体的に分析した場合、プ ローブのハイブリダイゼーションから複合したパターンを作成できる。プローブ の結合を変化できる多くの構造は、たった2,3塩基対の長さでありがちで不安 定にみえる。これらの構造のいくつかは、その領域におけるプローブのハイブリ ダイゼーションにより置き換えられるかもしれず、その他は、隣接プローブのハ イブリダイゼーションによって安定化され、プローブ/基質二重らせんが標的鎖 内二重らせんと同軸配列されて、両方の安定性が増す。小さい配列変化に応答し たこれらの構造の形成または破壊は、プローブ/標的複合体形成のパターンに変 化を生じる。20〜55℃の範囲(特に20〜40℃の範囲が好ましい)の温度が本発明の 方法を実施するのに適した温度である。 本明細書中で使用する「配列変化」(sequence variation)なる用語は、2つの 核酸鋳型間の核酸配列の相違を意味する。例えば、野生型構造遺伝子およびこの 野生型構造遺伝子の突然変異形態は、単一塩基置換および/または1以上のヌク レオチドの欠失または挿入の存在により配列に違いを有しうる。該構造遺伝子の これらの2つの形態は、互いに配列が異なると言われている。該構造遺伝子の第 2の突然変異形態が存在することもある。この第2突然変異形態は、該野生型遺 伝子および該遺伝子の第1突然変異形態の両方と配列が異なると言われている。 しかし、本発明では、配列変化を検出するために1以上の形態の遺伝子の間で比 較する必要がない。本発明の方法は、所定の核酸標的について複合体形成の特徴 的かつ再生可能なパターンを生成するため、野生型または他の対照を参照するこ となくあらゆる核酸標的から特徴的な「フィンガープリント」を得ることができる 。本発明は、対照を参照すること、および標的の変異体形態を野生型または公知 の変異体対照と比較して標的核酸の変異体形態を同定 することなしに両方の「フィンガープリンティング」核酸についての方法の使用を 意図している。 「構造プローブ特性」、「ハイブリダイゼーション特性」および「ハイブリダイ ゼーションプロフィール」は本明細書において代替的に使用され、折りたたみ標 的核酸とプローブまたはプローブセットとの複合体形成の測定レベルを示す。こ のような測定レベルは、参照標的または参照プローブを含む複合体形成のレベル と比較すると折りたたみ標的核酸に特有のものである。 本明細書中で使用する「ヌクレオチド類似体」なる用語は、7−デアザプリン (すなわち、7−デアザ−dATPおよび7−デアザ−dGTP)などの修飾されたまたは 天然に存在しないヌクレオチドを意味する。ヌクレオチド類似体には塩基類似体 が含まれ、デオキシリボヌクレオチドおよびリボヌクレオチドの修飾形態よりな る。本明細書中で使用される「ヌクレオチド類似体」なる用語は、PCR混合物に存 在する標的に関して使用される場合は、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP以外のヌク レオチドの使用を意味し、従ってPCRにおけるdUTP(天然に存在するdNTP)とはPCR におけるヌクレオチド類似体の使用を指す。反応混合物中でdUTP、7-デアザ−dA TP、7-デアザ-dGTPまたはその他のいずれかのヌクレオチド類似体を使用して生 成したPCR生成物はヌクレオチド類似体を含む。 「遺伝子配列にマッチしたまたは相補的なオリゴヌクレオチドプライマー」は、 一本鎖または二本鎖核酸の鋳型依存型合成を促進できるオリゴヌクレオチドプラ イマーを意味する。遺伝子配列にマッチしたまたは相補的なオリゴヌクレオチド プライマーは、PCR、RT-PCRなどにおいて使用できる。上記したように、オリゴ ヌクレオチドプライマーは、標的または鋳型配列と完全に相補的である必要はな い。プライマーは、鋳型と十分に相互作用し、鋳型依存型合成により伸長できれ ばよい。 本明細書中で使用する「開裂構造体」なる用語は、少なくとも1つのプローブ ・オリゴヌクレオチドと標的核酸との相互作用によって形成されで少なくとも1 つの二重らせん領域を形成する構造体である。得られた構造体は、酵素など(し かし、それに限定されない)の開裂手段によって開裂可能である。開裂構造体は 、上記開裂手段による特異的な開裂に対する基質である。これに対し て、核酸分子は、二次構造とは無関係に核酸分子を開裂するホスホジエステラー ゼなどの薬剤による非特異的な開裂に対する基質である(すなわち、二本鎖構造 の形成が全く必要ない)。 本明細書中で使用する「開裂手段」なる用語は、開裂構造体を開裂する能力を 有するいずれかの手段を意味し、例えば酵素が挙げられるが、これに限定される ものではない。該開裂手段としては、5'ヌクレアーゼ活性を有する天然DNAP(例 、Taq DNAポリメラーゼ、大脳菌(E.coli)DNAポリメラーゼI)、より詳細には、 5'ヌクレアーゼ活性を有するが合成活性を欠く修飾DNAPなどが挙げられる。核 酸鋳型中の天然に存在する構造体を開裂(構造特異的開裂)するという5'ヌクレ アーゼが有する能力は、該核酸中の特異的配列を前もって知ることなく核酸中の 内部配列相違を検出するのに有用である。このように、それらは構造特異的酵素 である。開裂手段は、5'ヌクレアーゼ活性のみを有する酵素に限 びXPGタンパク質を含む)、Taq DNAポリメラーゼ、および大腸菌DNAポリメラーゼ Iを含む種々のソースから得られるヌクレアーゼ活性を含みうる。本発明の開裂 手段は、開裂構造体の形成に応答して核酸分子を開裂する。該開裂手段が、該開 裂構造体中のいずれかの特定の位置で該開裂構造体を開裂することは必要ではな い。 「構造特異的ヌクレアーゼ」または「構造特異的酵素」なる用語は、核酸分子中 の特異的二次構造を認識し、構造体を作っている特定の配列に関わることなく、 これらの構造体を開裂する酵素である。 酵素(例えば5'ヌクレアーゼ)に関して用いられる「耐熱性」なる用語は、 その酵素が、上昇させた温度(すなわち、約55℃以上)で機能性または活性であ る(すなわち、触媒作用を果たし得る)ことを示す。 本明細書中で使用する「開裂産物」なる用語は、開裂手段を開裂構造体と反応 させること(すなわち、開裂構造体を開裂手段で処理すること)により生成される 産物を意味する。 「標的核酸」なる用語は、少なくとも1つのプローブ・オリゴヌクレオチドと の少なくとも部分的な相補性を有する可能性のある配列を含む核酸分子を意 味する。該標的核酸は、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAを含有し得る。 「プローブ・オリゴヌクレオチド」なる用語は、標的核酸と相互作用して複合 体を形成するオリゴヌクレオチドを意味する。複合体には開裂構造体も含まれう る。「非標的開裂産物」なる用語は、標的核酸から誘導されない開裂反応生成物を 意味する。本発明の方法において、開裂構造の開裂は、プローブオリゴヌクレオ チド内において生じうる。この標的核酸依存型開裂によって生成されたプローブ オリゴヌクレオチドの断片は「非標的開裂産物」である。 「インベーダー・オリゴヌクレオチド」なる用語は、標的核酸とハイブリダイ ズして、その3'末端が、ハイブリダイズされる隣接オリゴヌクレオチドプロー ブにおける構造特異的ヌクレアーゼ開裂の部位を位置づけるオリゴヌクレオチド を意味する。1つの実施形態において、その3'末端は、隣接プローブの第一の 標的相補的ヌクレオチドと同一の配列のうち少なくとも1つのヌクレオチドを有 する。これらのヌクレオチドは、相補的標的核酸における同じヌクレオチドへの ハイブリダイゼーションについて競合する。別の実施形態において、インベーダ ー・オリゴヌクレオチドは単一3'ミスマッチヌクレオチドを有し、標的核酸上で 隣接する(しかし重複しない)部位とハイブリダイズする。 核酸基質に関して使用する「実質的に一本鎖」なる用語は、該基質分子が主に 一本鎖核酸として存在することを意味し、鎖間塩基対合相互作用により結合され る二本の核酸鎖として存在する二本鎖基質とは対照的である。 「コンセンサス遺伝子配列」は、2つ以上の遺伝子配列を比較して得られ、遺伝 子の所定のセグメントにおいて最もよく存在するヌクレオチドを示す遺伝子配列 を意味する。コンセンサス配列は規則的配列である。 「多型性遺伝子座」なる用語は、集団中のメンバー間で変異を示すような集団 中に存在する遺伝子座である(すなわち、最も一般的な対立遺伝子は0.95未満の 頻度を有する)。これに対し、「単形性遺伝子座」は、該集団のメンバー間で見 られる変異がほとんどないか全くない遺伝子座である(該集団の遺伝子プール中 の最も一般的な対立遺伝子が0.95の頻度を上回る遺伝子座と一般にみなされてい る)。 本明細書中で使用する「微生物」なる用語は、小さすぎて肉眼で観察できな い生物を意味し、細菌、ウイルス、原虫、真菌および繊毛虫が含まれるが、これ らに限定されるものではない。 「微生物遺伝子配列」なる用語は、微生物由来の遺伝子配列を意味する。 「細菌」なる用語は、真正細菌種および原始細菌種を含むいずれかの細菌種を 意味する。 「ウイルス」なる用語は、自律複製能を有さない(すなわち、複製には宿主細 胞機構の使用を要する)偏性限外顕微鏡的細胞内寄生体を意味する。 「多剤耐性」なる用語は、微生物の処理に使用される2以上の抗生物質または 抗微生物剤に耐性である微生物を意味する。 「非連続的」なる用語は、分析する標的核酸内の領域を説明するのに使用される 場合には、領域が介在核酸(または非核酸スペーサー)によって分離されている ことを意味することを意図している。本発明は、介在核酸の大きさ(または非核 酸スペーサーの大きさ)により限定されるものではないことが意図される。しか し、好ましい実施形態において、介在配列は少なくとも5ヌクレオチドの長さを 有する。 「非連続的」なる用語は、核酸プローブ内の領域を説明するのに使用される場合 には、標的核酸の非連続的領域とハイブリダイズ可能な配列を意味する。本発明 は、介在核酸を有するプローブに限定されることは意図されていない。つまり、 プローブの非連続的領域は、非連続的領域を分離する介在核酸を有する標的の非 連続的領域に対する結合と関連して、機能的に定義される。いずれにせよ、本発 明のプローブは介在核酸(または非核酸スペーサー)を有していてもよい(が必ず しも有する必要はない)。 「介在核酸」、「介在部分」、「介在領域」、「介在核酸配列」、および「介在配列」な る用語は、核酸配列における2つ以上の領域(例えば、非連続的領域)を分離する 核酸(一本鎖または二本鎖)を意味する。本発明において、1つ以上の介在配列を 有するプローブを用いる場合、このような介在配列を1塩基だけのミスマッチ核 酸と区別するために、プローブ上の介在配列が少なくとも2つの核酸の長さであ るようにする。 「架橋」なる用語は、核酸の種類(例えば、オリゴヌクレオチド、プローブ、プ ライマーなど)に関して使用される場合には、折りたたみ標的核酸の非連続部位 を橋渡しするように作成された核酸を意味する。例えば、架橋プローブおよび架 橋プライマーはそれぞれ、検出またはその後プライマー伸長されるそれぞれの構 造体にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを意味しうる。ただし、「プライ マー」および「プローブ」は他の種類の相互作用または反応を示すのに使用される 場合もある。 「非架橋」なる用語は、核酸の種類(例えば、オリゴヌクレオチド、プローブ、 プライマーなど)に関して使用される場合には、構造体(つまり、ハイブリダイゼ ーションパートナー核酸と実質的に相補的な領域を含む構造体)にハイブリダイ ズすること意図しない核酸を意味する。 「反応体」なる用語は、本来の核酸化学またはヌクレオチド組成から検出可能な 変化を作る標的核酸または非標的核酸に対して作用可能な薬剤を意味する。 「触媒された反応」または「触媒反応」なる用語は、核酸以外の反応体によって触 媒または作用される核酸に対する作用を意味する。 「改変プローブ」および「改変オリゴヌクレオチド」なる用語は、反応体の作用に よって本来の組成から変化したプローブを意味する。このような変化には、ヌク レアーゼなどによる開裂、ポリメラーゼなどによる伸長、または別の核酸へのラ イゲーション、または実体(タンパク質、核酸、検出可能成分、または固体支持 体など)への化学的架橋などによって共有結合的相互作用を介した別の実体への 結合が挙げられるがこれらに限定されるものではない。 発明の説明 本発明の方法は、核酸(例えばDNAおよびRNA)中の突然変異およびその他の多 型の検出の手段を提供するために、ハイブリダイゼーション時のミスマッチおよ び折りたたみ構造の複合効果を利用する。基質分子の一次構造(配列)、二次構造 (単純折りたたみ)および三次構造(二次折りたたみ間の相互作用)の同時プロ ービングを、本明細書では単に「構造プロービング」と称する。本発明の方法は 、高ストリンジェンシー条件および標的の断片化による二次構造の破壊をしない で、分子内構造の形成を重視した条件、 すなわち、低ストリンジェンシー条件で非断片化標的鎖を使用する。こうして、 本発明のプロービング方法は一回のアッセイで核酸間の変異をどんなレベルでも 検出するように設計される。 二本鎖核酸の融点範囲よりも低い温度(すなわち、長鎖[すなわち、>100bp ]核酸の融点よりも低い;これは平均的なG-C含量の核酸について、一般的に約8 5℃未満の温度とされる)で、一本鎖核酸は分子内折りたたみの複雑な過程をた どる。この過程の最初の急速なステップには短い範囲の局部的なステムループ(s tem-loop)構造の形成が関与する。折りたたみ過程の後期には、異なる局部ドメ イン間の相互作用の結果、三次または全体構造の形成が生じる(Zarrinkar and W illiamson,Science 265:928[1994]およびZarrinkar and Williamson,Nat.Struct .Biol.,3:432[1996])。プローブの結合に対する標的の二次構造の影響はDNAおよ びRNAについて十分な報告がある(Gamperら、上記;Fedorovaら、FEBS Lett.302: 47[1992];Limaら、Biochem.,31:12055[1992];Godardら、Nucl.AcidsRes.,22:4 789[1994];Zarrinkar and Williamson,[1994],上記;Parkhurst and Parkhurs t,Biochem.,34:285[1995];およびSchwilleら、Biochem.,35:10182[1996])。分 子内二次構造中で安定な二本鎖を形成する標的配列は、一本鎖として存在する配 列よりも105〜106倍低いプローブ結合定数を有する可能性がある(Limaら、上記) 。構造体化された領域についてのハイブリダイゼーション定数の減少は、より高 い解離速度定数によるというよりは、主として低い会合速度定数によるものであ り(Limaら、上記;Gamperら、上記;およびParkhurst and Parkhurst,上記)、標 的中の構造体が標的分子内の相補的領域へのプローブの接近をブロックするとい うモデルを支持している。 標的配列中の突然変異は、その分子の局部的および全体的コンホメーションの 両方を変化させる。核酸の一本鎖から推定されるコンホメーションは、多数の試 験反応条件で形成される構造体に対応して切断する構造特異的ヌクレアーゼを使 用して、プローブ化することができる(Browら、上記)。こうした切断により、そ れらの構造体を反映し、かつ特定の鎖を特徴付ける生成断片の集合体が作製され る。切断パターンをもたらす構造体は、鎖の厳密な 核酸配列に対して極めて鋭敏であり、数百ヌクレオチドの長さの核酸中、わずか に1個の塩基の差異でも、生成された切断パターン中で検出するのに十分な折り たたみコンホメーションの変化をもたらし(Browら、上記)、そしてSSCPでの電気 泳動度の変化を生み出すほどである。これらの変化の結果、それまでは塩基対を 形成していたある領域が不対となることがあり、またその逆もある。プローブの ハイブリダイゼーション速度を測定することによって、標的分子のいずれかの領 域が分子内構造体を形成するかどうかを判定することが可能である。以下の実施 例では、DNA断片を特性づけするため(すなわち構造プロービングのため)多重 オリゴヌクレオチドの使用について記載する。この技法は図1に図式的に示され ている。 図1において、本発明の構造プロービングアッセイを使用して、異なっている が関連がある3種の標的核酸を分析する。Allele/Type1は始原型標的配列(例 えば遺伝子Xの野性型対立遺伝子)を表し、Allele/Type2および3は同一の標 的配列の別々の対立遺伝子(例えば遺伝子Xの2種の対立遺伝子変異体)を表す 。3つの標的核酸上の1〜5の番号を付けた太線の領域はプローブ1〜5に相補的な 標的上の領域を表す。Allele/Type2はAllele/Type1に対して1個の塩基の変異 (例えば点突然変異)を含有している(Allele/Type2の領域3および4の間に小 さな白抜き円で示されている)。この変異はこのType2標的にプローブが結合す る領域には見られないが、この変異がType1分子に対してType2分子の二次構造 を変化させるので、Type2分子の領域3は本質的にプローブ3とハイブリダイズ することができない。Allele/Type3もまたAllele/Type1に対して1個の塩基の 変異(例えば点突然変異)を含有している(Allele/Type3の領域3中に小さな白 抜き円で示されている)。この分子中の変異はプローブ結合領域内に位置してお り、プローブ3がType3分子に結合する効率を低下させる。標的核酸を実質的に 一本鎖にし(すなわち、例えば加熱によって変性させ)、その後(例えば冷却によ って)二次構造を形成することを可能にし、次にプローブ1〜5とハイブリダイズ させる。このプローブ/標的複合体を固相支持体上に捕捉し、各標的についてプ ローブ1〜5のそれぞれと結合する標的の量を 測定することによって、プローブの構造特性(ハイブリダイゼーション特性また はプロフィルとも称する)を得る。図1に示す図式は、シグナル変化がプローブ /標的のミスマッチ、またはプローブ結合部位(すなわち、標的上の少なくとも 部分的にプローブに相補的な領域)をブロックする局部構造の形成のいずれかに 起因することを説明するものである。(数百ヌクレオチドにもなる)いくらかの 距離がある配列間の相互作用が関与する三次構造もまた、結合をブロックするこ とがある。すなわち、実施例1で使用するkatG標的で見られるように、1つの部 位の突然変異が数百ヌクレオチドも離れたプローブの結合に影響することがある 。 以下の実施例において、オリゴヌクレオチドプローブにビオチン部分を含ませ て、ストレプトアビジンでコーティングした固相支持体にさらすことによって、 プローブとハイブリダイゼーション複合体を形成した標識標的DNAを捕捉できる ようにする。この方法による固定化に使用する場合、本明細書中ではこのプロー ブを「捕捉プローブ」と称する。その後、DNA上の標識を検出して、捕捉されたD NAの量をプローブ/標的ハイブリダイゼーションの効率、したがってある特定の 結合の相互作用の強度に反映させることができる。 以下の実施例において、使用する固相支持体は96ウェルマイクロタイタープレ ートのウェルである。便宜上このフォーマットを選択したが、本発明の方法はマ イクロタイタープレートまたは何らかの特定の支持体の使用には限定されない。 本発明は多くのタイプの固相支持体の使用を想定しており、限定するわけではな いが、ビーズ、粒子、ディップスティック(dipstick)、膜、およびシリコン若し くはガラス平面が含まれる。また、検出可能な標識はプローブに含ませるけれど も、表面へのプローブ/標的複合体の結合は標的核酸との相互作用を介すること (例えばビオチン化標的核酸の使用)を想定している。 本明細書に示す実施形態において、各プローブ配列について別々のハイブリダ イゼーションおよび固相支持体捕捉測定を実施することによって、標的核酸(例 えば目的のDNA断片)の種々のプローブに対する親和性を評価す る。例えば別種の蛍光染料またはその他の検出可能な部分分子で別種の標識をし たプローブを1つの複合体形成反応において同時に使用することを企図している 。各種の波長での励起および検出を行うことができる蛍光測定器などの、数種の タイプのシグナルを検出することができる器具の使用によって、結合したプロー ブのそれぞれのシグナルの寄与を評価することができる。 タイピングの適用によっては、変異体がいくつかの配列(およびその結果とし ての構造)の中の任意の1つであってもなお同一のタイプとして分類されること がある(例えば、HCVにおいてはタイプ1bに分類される多数の配列変異体がある) 。1タイプ内のサブタイプを別々に同定する必要がなければ、少なくとも1つの タイプのプローブが別種の既知の変異体のそれぞれと相互作用するように、プロ ーブ混合物を用意すればよい。標的が混合物中のいずれのプローブとも適切に( すなわち期待した親和性で)相互作用する場合、特定のサブタイプ変異体との同 一性とは無関係に、広範なタイプの中の1つであると推定することができる。こ のようにして、(多くの急速に変化する病原体などのような)機能またはタイプ に影響しないで配列が変化することが知られている遺伝物質を、プローブの複合 マトリックスまたは配列決定の必要がない単一のアッセイによって分析すること ができる。 以下の議論において、捕捉プローブとしてオリゴヌクレオチドプローブを議論 する。この用語の使用は、この方法に関する可能な組合せの列挙の繰り返しを回 避するためのみの、便宜的なものであり、下記の各実施形態は上記の任意のプロ ーブ/標的組合せ(例えば標識プローブおよび捕捉標的DNA、ならびにその反対 )の組合せを使用することができる。 本発明の方法において使用するプローブは、標的核酸によって推定される構造 の予備的分析をすることなく使用することができる。こうしたアッセイを設計す る際、標的配列の全長にわたるような(すなわち、標的の全長にわたって、実質 的に均等な間隔の標的の領域に相補的であるような)プローブを設計する。この ように設計されたプローブを段階的に各種の密度になるようにすることができる 。例えば、標的の非常に高度の分離フィンガープリントを得るように、プローブ がそれぞれ1若しくは2,3のヌクレオチドずつハ イブリダイゼーション部位をシフトするか、またはわずかに低い分離度でも全体 を網羅するように、隣接するがオーバーラップはしていない領域とハイブリダイ ズするようにプローブを設計することができる。あるいは、もっと低分離度のス クリーニングのために、プローブ間をずっと大きな間隔にすることができる。こ の間隔の選択はアッセイの要求に応じて決まる。より高密度のフィンガープリン トはどんな可能な多型を同定するにしてもより大きな確からしさを持つことにな り、また単一塩基の変化の同定(例えば癌およびその他の疾病に関係した突然変 異の同定)の確度が必要な状況には、より好適である。さらに変異することが予 想される標的(例えば急速に変化しているウイルス)について遺伝子のタイピン グを実施する場合は、正確な同定のために、より低密度のプローブ群で十分であ る。下記の例はC型肝炎ウイルスのタイプの同定のためのこうした分析を提供し ている。与えられたどんな場合についても、適切に選択した参照標的分子を使用 して、選択した1プローブまたは一連のプローブが特定のアッセイの要求を満足 する程度に遺伝子の変異体同士を識別することができるかどうかを経験的に判定 することができる。1プローブまたは一連のプローブを一旦選択すると、どのプ ローブが標的に結合し、またどの程度の効率でそれらのプローブが結合するか( すなわちどれだけのプローブ/標的複合体が検出されるか)の分析によって、標 的のコンホメーションのハイブリダイゼーション特性が得られる。こうした特性 のための可能なフォーマットの1つは、図4,7,8および9に示されるような 、標的と各プローブとの間で形成された複合体の測定量のグラフによるものであ る。構造プロービングまたはハイブリダイゼーション特性をこれらの図に示した 棒グラフの使用に限定するつもりはない。限定するわけではないが、線、パイ(p ie)若しくは面積グラフまたは三次元トポグラフ表現を含む、数学的および物理 的情報の表現に通常使用されるいずれの方法によっても、この特性を保存、表現 または分析することを意図するものである。このデータは数字マトリックスとし て、または視党的、数学的に、若しくはコンピュータアルゴリズムによって分析 することができるその他のどんなフォーマットとしても使用することができる。 得られる核酸構造体の特性は、実際のヌクレオチド配列を決定することを必要 としない、特定の分子の配列特異的同定資料として役に立つ。特定の配列を、そ の特性とある参照特性とを比較することによって同定することができるが、完全 マトリックス(すなわち1連のプローブの各局部において1ヌクレオチドずつ移 動させたプローブ)に対する配列特異的(すなわち、二次および三次構造の影響 を排除するため、高ストリンジェンシーでの)ハイブリダイゼーションによって 、分子の実際の配列を推定するアルゴリズムの使用は、本発明の様相若しくは必 須要件ではなく、また範囲内のものでもない。 プローブを設計する際には、折りたたみに関与することが知られているかまた は推測される領域をハイブリダイゼーション部位として選択するように、標的核 酸によって椎定される構造に関する情報を使用することを想定している。こうし た技法は対象とする標的同士を識別するのに必要と考えられるプローブの数を減 少させることになる。 核酸が関与する構造の情報を得るためには、フェナンスロリン/銅、EDTA-Fe2 + 、シスプラチン、エチルニトロソ尿素、ジメチルピロカルボネート、ヒドラジ ン、ジメチル硫酸、および亜硫酸水素塩などの核酸構造に感受性の化学物質の使 用を含む、多くの方法が使用される。こうした化学試薬は構造に基づく開裂の原 因となるか、またはヌクレオチドの修飾をもたらし、これらは逆転写酵素若しく はその他のDNAポリメラーゼの複写を休止するかブロックするかによって、ある いはフィンガープリンティングまたはその他のクロマトグラフィー法によるなど して、その後検出することができる。当業者であれば、核酸鎖内のヌクレオチド の修飾の検出のためのその他の多数の方法を熟知している。 各種の起源からの構造特異的ヌクレアーゼを使用して、酵素プロービングを実 施することができる。RNA構造の分析において、コブラ毒V1ヌクレアーゼなど の二本鎖特異的ヌクレアーゼが広く使用されてきた(例えば、Lowman and Draper ,J.Biol.Chem.,261:5396[1986]参照)。その他、好適な5'ヌクレアーゼとして、C leavaseR酵素(Third Wave Technologies,Inc.,Madison,WI)、Taq DNAポリメラー ゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、およ び真核生物由来構造特異的エンドヌクレアーゼ(例えば、ヒト、マウスおよびXen opus XPG酵素、酵母RAD2酵素)、マウスFEN-1エンドヌクレアーゼ(Harrington a nd Lieber,Genes and Develop.,3:1344[1994])ならびに仔牛胸腺5'-3'エキソヌ クレアーゼ(Muranteら、J.Biol.Chem.,269:1191[1994])などがある。その他、 DNA修復エンドヌクレアーゼファミリーのメンバー(例えば、Drosophila melano gaster由来のRrpI酵素、酵母RAD 1/RAD 10複合体および大腸菌Exo III)などの3 'ヌクレアーゼ活性を有する酵素もまた、核酸の構造を調べるのに好適である。 実施例3において、HCVゲノムのPCR増幅されたセグメント中の折りたたみ領域を 同定するためのCFLPR法の使用について記載する。 二次構造を形成すると考えられる領域に関して何の情報も得ることができない 核酸のセグメントについて、プローブの選択の1ステップとして構造分析を使用 しようとする場合、構造によってもたらされた修飾または開裂の部位を同定しな ければならない。修飾または開裂を、部分的に反応性の(すなわち、試験サンプ ル中の分子集団の中で、それぞれが1または2,3のみの切断または修飾を受け るような)条件下で実施することができれば、最も好都合である。サンプルを全 体として分析した時、各反応部位が示され、したがって全部位を同定することが できる。一例として、CFLPR開裂反応を使用して、末端標識核酸断片の部分的開 裂産物のサイズが(例えば電気泳動によって)解明されたとき、その結果は標識 末端から測定して、各開裂の部位を示すラダー(ladder)バンドとなる。DNA合成 をブロックする化学的修飾について、同様の分析を実施することができる。部分 的に修飾された分子へのあるプライマーの伸長では終結産物群が組み込まれた(n ested)セットが生成することとなる。その産物をサイズマーカー(例えば市販の サイズ比較のためのDNA断片)と比較することによって、開裂/修飾の部位の決 定をある程度正確に行なうことができるが、さらに正確な測定は、解明すべき核 酸の同一のセグメントに関してその試験サンプルに沿ったDNA配列決定用ラダー を作製しなければならない。これによって、開裂または修飾の正確な部位の迅速 な同定が可能になる。 核酸の二次構造を明らかにするため、通常2つの技法が適用されてきた。これ らは結晶構造の分析またはNMRなどの物理的技法、および比較または系統発生的 分析などの分析的技法である。物理的分析は今でもある与えられた核酸について の折りたたみ構造の完全な決定をするための唯一の方法である。しかし、最終目 的が多数の分子の分析である場合は、このレベルの分析は非実用的である。群を 抜いて最も頻繁に使用される生物学的核酸の分析方法は系統発生的または比較技 法である。この分析法は機能的に相同な配列は同様の構造をとるであろうという 生物学的パラダイムに基づいている。配列を配列の保存、ステムループの保存に ついて、また予測される構造を維持する代償性配列変化についてスクリーニング する。不幸なことに、こうした分析は関連する配列の数が統計的分析にとって十 分大きい場合にのみ適用することができる。 1つの核酸の有効な分析には多数の手段の使用を必要とする。使用可能な手段 の多くは与えられた分子によって仮定される可能な構造について部分的な情報を 与えることができる。上述のように、これらの方法として、酵素的分析、化学的 構造のプロービング、および塩基対形成の領域のコンピュータによる分析が含ま れる。その他、線状分子の部分を欠失させて折りたたみへのその影響を上に示し た方法によって分析する、欠失試験が、互いに相互作用する核酸の領域をより確 実に同定する助けとなり得る。これらのどの方法も、単独では、架橋性オリゴヌ クレオチドに同時に接触するほど十分近接していると考えられる何らかの非隣接 領域を確実に同定するほどの物理的情報を提供することはできない。例えば、最 も普通に使用される核酸折りたたみプログラムの1つ、「mfold」(Zuker,Scienc e 244:48[1989];Jaegerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:7706[1989];Jaegerら 、Meth.Enzymol.183:281[1990])は、可能な限り最低の自由エネルギーを有する 構造を予測するため、折りたたみ構造の安定性に対する塩基対の組合せ、ループ 、突出部(bulge)などの各種の二次構造の様相の影響について、あらかじめ決定 された物理的測定値を使用する。この技法はエネルギー最小化技法と称される( 総説について、Gaspin and Westhof,J.Mol.Biol.254:163[1995]参照)。形成され る ことが最も考えられる(例えば熱力学的に有望な)構造のみを与えるように、mf oldおよびその他のコンピュータを基礎とする折りたたみアルゴリズムを作成す ることができるが、ソフトウェアにエネルギー的にごくわずかに好ましくない構 造を示すことを許すだけでも、ある与えられた核酸鎖について予測される構造は 、通常数ダースである。これらの構造が非常に安定であり、そして実際に天然に 存在することが証明されるとしても、それらは「次善の」構造と称される。なぜ ならば、それらはソフトウェアパラメーターに基づき、好適度が劣る自由エネル ギーを持つものとして算出されるからである。その他の方法(例えば折りたたみ 構造の分析または物理的方法)から誘導した情報を使用することによって、対形 成する構造の数を極めて多数の可能な構造から2,3の有望なものに劇的に減少さ せることができる。 その他のソフトウェアに基づく1技法として、与えられた核酸鎖について予測 される次善の構造の群内の各塩基について利用し得る対形成相手の数の総計が関 与するものがある(Zuker and Jacobson,Nucl.Acids Res.23:2791[1995])。各塩 基についての対形成の数、または「p-num」は、各塩基位置の対形成の厳密度の 量的尺度、すなわち可能な対形成相手の数を与える。周囲の領域よりも低いp-nu mを有する塩基を含有する予測された構造は、物理的または系統発生的保存性の データによって立証された構造と強い相関性があることが観察された。したがっ て、mfoldおよびp-numを共に使用することは、ある核酸鎖によって仮定される構 造を同定する作業を簡略化する助けとなり得る(Genetics Computer Group,Madis on,WI)。 核酸の折りたたみに関するエネルギー最小化プログラムの重大な限界は、mfol dを含むそれら全部が十分確定されていないエネルギーパラメーターを含む非常 に単純化した熱力学モデルを使用していることである。その結果として、予測さ れる最適構造は溶液中の実際の核酸のコンホメーションに対応していないかもし れない。このための部分的な解決法としては、算出された構造の数を次善のエネ ルギーを有する構造を含むように拡大し、それによってそれらの中の1つが実際 のものによりよい相関を有するチャンスを増大させることである。このステップ では膨大な数の可能な構造を生成することが あり、別の分析手段を伴わないで現実の構造を同定するのは困難であるかもしれ ない。例えば、実施例8に記載するHCV 1A型アンプリコンについて行なわれたmf old予測の結果は32個の予測構造となった。 次善の構造の効率的なスクリーニングは実験データまたは系統発生的分析から 誘導された制約をコンピュータアルゴリズム中に組み込むことによって達成され る。十分特性づけされた特異性を有する構造特異的ヌクレアーゼの使用は、開裂 の部位によって、開裂に対する構造上の要件に基づく追加の情報が伝えられると いう利点を有する。これについて、本明細書ては、5'ヌクレアーゼ、CleavaseRI ヌクレアーゼでの開裂によって得られる可能性がある情報について議論すること によって説明するが、基質の構造が十分確定された(すなわち、開裂が構造中の どこで発生し得るかが既知である)その他の構造特異的開裂剤についても、同一 の推定的技法が同様に適用可能でかつ有用である。CleavaseR酵素の特異性は、 開裂がヘアピン二重らせんの5'末端で最初の塩基対の後で発生するものである(L yamichevら、上記)。このことは、どの開裂部位も構造中で対になるに違いない 塩基と、これと対になる塩基が鎖中の下流にあるに違いないことの両方を確定す ることを意味している。これを以下のように説明することができる:位置iに開 裂部位があるならば、ヌクレオチドiはj>iであるヌクレオチドJと塩基対に なる。mfoldを取り上げると、パラメーターfi02'および'p i-i+1 1-i-1'はヌ クレオチドiおよびi+1が(互いにではない)何かと塩基対となるはすで、そし てiおよびi+1はそれぞれ1からi-1までのヌクレオチドとは塩基対になることが できないことを特定する。このタイプのパラメーターは「ソフト」パラメーター と考えることができる。なぜならば、塩基対形成は必須であるが、iおよびi+1 の特異的塩基対形成相手が未確定のままだからであって、これらのヌクレオチド の多数の塩基対形成相手を予測するために、これらのパラメーターを使用して、 次善の折りたたみを生成することが可能になる。これによって、開裂データに相 関する構造のみを予測するため、折りたたみアルゴリズムを改変せずに、存在す る制約パラメーターの使用が可能になる。位置lで開裂が発生するならば、以下 の制約、'fi01’(ヌクレオチドiが 塩基対形成を強制される)および'p 10 i-1'(1からi-1までのヌクレオチド の塩基対形成が禁止される)を使用して、これを説明するために、一連の構造を 算出することができる。例えば、HCV1a DNAの位置90での主要開裂部位に対応し 得る構造を生成させるため、mfold version 2.3(http://www.ibc.wustl.edu/〜 zuker)を使用し、制約'f 90 01'および'p 10 89'を付けてHCV1aの244nt DN A断片(図15)の折りたたみを実施した。予測する構造を図16Aに示す。この構造 では位置90の開裂部位を予測するだけではなく、位置102-103,161および173で の開裂も説明されており、これによってDNA分子中での実際の塩基対形成を表す 良好な候補になっていることは重要である。図16Aに示す構造では位置118-119お よび173の開裂部位が説明されていない。相当する構造を明らかにするため、制 約'f 118 01'および'p 10 117'(ヌクレオチド1-117は塩基対を形成せず、ヌ クレオチド118は塩基対を形成している)を使用して、折りたたみを実施した。 生成した構造の1つを図16Bに示す。やはりこの構造でも位置117-118の開裂部位 が合理的に予測されるばかりでなく、位置123での開裂がどのようにして起きる かも示されている。実施例8に記載する実験の進行中に、開裂部位および32個の 次善の折りたたみの手動の比較を使用して、同一の2つの構造を同定した。それ ぞれの方法によって、5'ヌクレアーゼの構造特異性の知見をもとに、既知の基質 構造から開裂部位を変化させる必要があるすべての予測される構造を考慮から除 外することが可能になった。これによって、可能な構造の範囲が32から2に減少 した。3'ヌクレアーゼなどのその他の酵素、または構造内で塩基対を形成するは ずのその他の部位を同定することができる、二重らせん特異的化学的試薬を使用 して、さらにこの範囲を狭めることができる。 ヌクレオチドiについて予測される別々の塩基対形成相手の中から、「PCRウ ォーキング(walking)」と称する欠失/突然変異を組合せた技術を使用して、位 置iのCleavaseR部位に相当するものを実験によって決定することができる。こ のPCRウォーキング技術は、分析する配列よりも短い変異体で、ヌクレオチド1 から選択されたヌクレオチド1の相手までのみを含む 変異体であるPCRサブ断片のCFLP分析を基礎としている。例えば、ソフト制約に よってmfoldでヌクレオチド25がヌクレオチド67と対形成することを予測する場 合、PCRウォークのサブ断片にはヌクレオチド1-67を含ませることになる。試験 する各塩基対について、2種のサブ断片変異体を作成する。1つは野性型配列を 有し、もう1つはヌクレオチドiの推定上の塩基対形成相手(すなわち、3'末端 ヌクレオチド)がiに相補的でない塩基1つで置換されているものである。上記 の例においては、置換される塩基は位置67のものとなる。 次に、これらの両方のサブ断片について、CFLPR開裂分析を実施する。推定上 の対形成相手が実際にiと塩基対を形成する場合、野性型PCRサブ断片ならばi の直後で開裂を示すはずであるが、置換した変異体ならば開裂をしないかまたは 開裂の部位を移動するかのいずれかを示すはずである。開裂が両サブ断片におい て同一である場合は、iは別の部位で塩基対を形成している。当初の部位での開 裂が両断片において存在しない場合は、当初の対形成相手がおそらくサブ断片を 形成する際に欠失してしまった領域にあったと考えられる。ヌクレオチドiの塩 基対形成相手jが一旦決定されると、この情報をmfoldプログラムにおいて、強 制的にヌクレオチドiおよびi+1をヌクレオチドjおよびj-1と塩基対形成させる 、「ハード(hard)」制約として使用することができる。 各開裂部位について同様の操作を繰り返し、それによってCFLPRで確定された 一連の制約を産生することができる。各グループがその分子の可能な構造の1つ を確定するように、適合する制約をグループにまとめることができる。 この操作を使用して、HCV 1b 5'UTR領域の244ヌクレオチドRT-PCR断片の可能 な二次構造を見つけだした。制約を付けないでmfoldプログラムを使用したHCV1b 断片のエネルギー最小化折りたたみでは29の構造が作成され、2つの最も安定な 構造間の自由エネルギーの差はわすかに1.3%であった。位置90での主要開裂部 位を指定するソフト制約'f 90 02'および'p 90-91 1-89'を使用した折りたた みでは28構造が作成され(2つの最も安 定な構造間の差は1.4%であった)、その中の17個でヌクレオチド90および135の 間で塩基対となっていることが推定され、4個でヌクレオチド90および105の間 で塩基対となっていることが推定され、別の4個で90−184塩基対が推定され、 2個で90−229塩基対が推定され、そして1個で90−198塩基対が推定された。PC Rウォーキング分析で、位置90の開裂はヌクレオチド90および135間の塩基対形成 によって説明することができることが示された。この情報を「ハード」制約'f 9 0 135 2'として使用することはヌクレオチド90−91および134-135間での塩基対 形成を強制するものである。この制約を使用した折りたたみの結果では18構造と なり、最適のおよび次善の構造間のΔGはなおわずかに1.4%であった。 位置161の開裂部位に関する同様の研究では、これがヌクレオチド205と対形成 することが示された。開裂部位90および161に関する制約は適合性である。すな わち、これらの結果は互いに排除性の構造ではなく、併合することができること を意味している。両制約をつけた折りたたみプログラムを実施して、13構造が作 成され、2つの最も安定な構造間の差異は3.4%に増大した。位置33および173の 開裂部位について、2つの新たな制約を追加して、このプロセスを継続したとこ ろ、予測される構造の数は10に減少し、最適および第1の次善の構造間の自由エ ネルギーの差異は7.2%に増大し、この最適構造がこの分子によって形成される と考えられる確率が増大した。 要約すると、我々は本明細書において、結晶学および核磁気共鳴などの高価で 時間がかかる伝統的な技術を使用しない、核酸構造の分析に関する段階的なプロ セスを記載する。このプロセスは以下のステップを含む:a)CFLPR分析を実施し て、ステムの5'側で塩基対形成をしているヌクレオチドを同定し、b)この部分的 塩基対情報をmfoldなどの折りたたみ予測プログラムにおける「ソフト制約」と して使用して、CFLPRデータに矛盾しない可能な折りたたみコンホメーションの 図式図(またはその他の好適なアウトプット)を作成し、c)PCR欠失および指向 性(directed)突然変異を使用して、5'側のヌクレオチドが水素結合しているステ ムの3'側のヌクレオチドの同一性 を確認し、そしてd)この全塩基対形成情報を折りたたみ予測プログラムにおける 「ハード制約」として使用して、高度に精選された予測構造のセットを作成する 。特定の適用によっては、各ステップで作成されるデータの複雑さに応じて、(a )から(d)までの中の1以上のステップを省略してもよい。上に記載したように、 このタイプの分析を実施するために、多数の二次構造予測アルゴリズムと多数の 物理的分析法を組合せることもできる。好都合な1例として、mfoldソフトウェ アと組み合わせたCFLPR開裂法の使用について本明細書で議論するが、これは本 発明の範囲を限定するものとして提供するのではない。このプロセスで得られた 構造情報を、本発明の構造プローブの設計ばかりではなく、CFLPR、SSCP、およ び同様の突然変異検出法の改良、ならびに標的鎖構造の干渉の結果として支障が 出る多くのハイブリダイゼーションに基づく方法の改良において使用することが できる。これらとして、限定するわけではないが、ポリメラーゼ連鎖反応、ジデ オキシヌクレオチド連鎖終結配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定 およびその他のチップハイブリダイゼーション法、リボザイム核酸開裂、ならび にin vivoでの遺伝子発現のアンチセンス操作が含まれる。 上記の構造マッピング法の他に、重合酵素の作用に基づいた、構造情報を得る ために使用することができる方法がいくつかある。長い間、逆転写酵素ではRNA 二次構造を通した重合には困難が伴い得ると見られてきた。この理由のため、ク ローニングまたはPCR増幅の前の全長逆転写を容易にするために、高温度で使用 することができる逆転写酵素が探索されてきた(Myersら、Biochem.,30:7661[199 1])。こうした休止効果が得られるポリメラーゼを計画的に使用することによっ て、鋳型鎖中で形成された構造を(例えば標識プライマーの伸長によって)休止 部位の位置からマッピングすることができる。 DNAポリメラーゼの使用に基づくもう1つの技法は、DNAポリメラーゼの中に、 鋳型鎖中で折りたたみに出会ったとき、「鎖スイッチング(switching)」と称さ れた機構によって見かけ上構造を横切って重合し、それによって構造化された介 在配列の補体を欠失するものがあるという観察を利用する。 本発明の実用上は、鎖スイッチングの機構の解釈は必要ではないが、鎖スイッチ ングには、ある配列の小部分(1塩基のレベルのこともある)が重複するような いくらかの程度の置換合成と、次にその延長された鎖の3'末端が鋳型構造の離れ た側の配列と対形成する、分岐点移動が関与するものと確信されている(Patelら 、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:2969[1996])。構造マッピングのために、この機 構を少なくとも2つの方式で使用することができると考えられる。例えば、上述 のようにCFLPR反応において3'ヌクレアーゼを使用してある構造の3'側がマッピ ングされた場合、構造形成領域に沿って、またはこれを横切ってのいずれかでプ ライマーの3'末端が重合する状態になるように、プライマーを設計する。その鋳 型に相補的な配列の他に、プライマーの3'末端に1または2,3の縮重ヌクレオ チド(例えばプライマーの別のコピー上の同一の位置の2以上のヌクレオチド) を補充して、下流の配列と無関係に鎖スイッチングの機会を提供するようにする 。次にそのプライマーを鎖スイッチングにとって好ましい条件で伸長する(Patel ら、上記)。こうした部位の(例えばクローニングまたは配列決定による)単離 によって、折りたたみ構造を形成するために寄り集まって来る配列が同定される はずであり、こうして架橋オリゴヌクレオチドの設計が容易になる。第2の技法 はある特定の推定上の構造に隣接するプライマーを使用しないことを除いて、同 様である。この実施形態において、分析すべき鎖を正常なプライマーを使用して プライミングし、同一のまたは同様の鎖スイッチングに好適な条件で合成を実施 する。(例えば合成反応中のマンガンの使用による)塩基の取込み違いをし易い 条件を使用し、これによってポリメラーゼの休止を促進すると、分岐点移動およ び鎖スイッチングの機会がさらに提供されることになる。次に第1の技法のよう に分岐点の分析を実施する。これらの方法によって、開裂構造の両側を同定する ことができることになる。作成された分子の集合体の中に各種の配列のための別 の対形成相手が表示されることも期待される。 関連する核酸を識別するためには、別々の開裂または修飾の部位を示す領域が 、本発明の方法において別々にプローブに対して応答をする二次構造を有する確 率が最も高い。これには2つの理由がある。第1に、開裂または修 飾はその開裂または修飾アッセイの条件下で、ある構造が与えられた部位で形成 されることの物理的証拠である。第2に、CFLPR法によって検出される構造は主 として局所性である(すなわち、核酸鎖上で互いに近接している配列で形成され る、Browら、上記)ことがわかったので、観察される変化はおそらく変更された 開裂部位に近い塩基の変化に起因すると考えられる。別々の開裂または修飾部位 を示す領域とハイブリダイズまたは複合体化するオリゴヌクレオチドプローブを 設計することによって、プローブのその部位との複合体化に影響するような塩基 の変化(一次構造の変化)または折りたたみの変化(二次構造の変化)のいずれ かを発見する確率がより高くなり、したがって比較する標的間の識別を容易にす る。上記のような折りたたみ構造形成の複雑な性質により、また与えられたどん なプローブも多数の形式で標的と相互作用すると考えられるので、このようにし てプローブを選択しても、ある特定のプローブが診断上の判別を提供することを 保証するものではない。これはそうなることの確率を増大させるための1指針と して提供されるものである。特性づけされていない標的または一群の標的で研究 する場合、こうしたプローブの多様性の使用がプローブ/標的複合体形成の最も 識別可能な特色を与えるであろう。 1実施形態において、本発明の方法において使用するプローブを、ある標的の 変異体について識別可能な特性を提供する程度に短くすることが好ましい。約20 ntよりも長い(例えば20〜40nt)プローブは温度を上げたとき(例えば約40℃よ りも高温で)特異的な様相で標的核酸と相互作用することができ、したがって本 方法での使用に好適である。しかし、反応を約40℃未満で実施するならば、この サイズ範囲のプローブは標的上の複数の部位と相互作用することがあり、変異体 間の識別を低下させる。この場合、標的間の識別を強化するには、より高い反応 温度またはよりストリンジェントな溶液条件(例えば、低塩、ジメチルスルホキ シド若しくはホルムアミドなどのヘリックス不安定化剤含有)が有用になるよう である。とくに好ましい実施形態において、本発明の方法を周囲温度(例えば20 〜25℃)で実施する。下記の実施例で示すように、アッセイを室温で実施する場 合、40℃またはそ れ以下のTmを有する小型プローブ(例えば10〜20nt)は必要な識別を提供する ことができる。このサイズ範囲のプローブはその反応条件下では、標的の構造に 無関係にプローブの結合効率を減少させる影響がある、それ自体上で折りたたま れる可能性も少ない。 上述のように、捕捉プローブは標的と任意の数の方式で相互作用するかもしれ ない。例えば、別の実施形態において、捕捉プローブが標的核酸の2以上の領域 と接触することがある。標的核酸が記載したように折りたたまれるとき、一本鎖 のままの2以上の領域が1個の捕捉プローブと接触することができるほど近接し ていることもある。こうした配置にある捕捉オリゴヌクレオチドを、標的核酸内 の離れた位置の領域とこれらが相互作用するかもしれない事実を反映させるため 、本明細書では「架橋」または「架橋性」オリゴヌクレオチドと称する。用語「 架橋」および「架橋性」の使用によってこれらの遠位の相互作用を何らかの特定 のタイプの相互作用に限定するつもりはない。これらの相互作用としては、G-T 塩基対、Hoogstein相互作用、三重らせん構造、四重らせん凝集、およびtRNA中 に見られるような、核酸の三次構造内で観察される多塩基(multibase)水素結合 などの、当業界で既知の規則的でない核酸の相互作用を含むことを想定している 。この用語は標的鎖上の相互作用の領域について何ら特定の空間的方向を指示す るつもりでもない。すなわち、架橋オリゴヌクレオチド中の接触領域の順番が標 的鎖中の対応する接触領域と同一の配列内序列である必要があることを意図して はいない。この順番は反対であっても、あるいは無秩序でもよい。 合成オリゴヌクレオチドが介在する配列をループ外に出す(loop out)かまたは 内部折りたたみ構造の塩基を架橋するような様相でRNAおよびDNA両鎖中の非隣接 配列とハイブリダイズすることができることは知られている(Richardsonら、J.A m.Chem.Soc.,113:5109[1991];Francoisら、Nucl.Acid.Res.,22:3943[1994])。 しかし、これらの参照文献では、別々の折りたたみ構造間を識別することができ るか、または介在配列が構造化していない(unstructured)場合に有意に減少した 効率で結合する架橋オリゴヌクレオチドの設計または使用について、示唆してい ない。本発明は、安定性が最小の相 補性領域を有する架橋捕捉プローブの使用および設計によって、架橋プローブを 標的鎖構造中の変化に感受性にする方法を提供する。最小の安定性(すなわち、 非常に低い融点温度を有する)は多くの方法で作製することができる。これには 、融点温度を低下させるための、短い長さの相補性の使用、低G-C含量、および /または塩基類似体またはミスマッチの使用が含まれる。長さが異なる架橋プロ ーブによる捕捉の効率に及ぼす標的の構造の変化の影響を試験するため、3つの 試験分子を作製した。これらを図10に図式的に示す。試験分子#80(配列番号39 )は自己相補性の長いセグメントを有し、図示したように折りたたまれたとき、 このオリゴヌクレオチドによって形成された8塩基対のヘアピンはループ端部の 「トリループ(triloop)」配列(すなわち、3ヌクレオチドがヘアピンのループ 部分を形成する)によってさらに安定化する(Hiraroら、Nucleic Acids Res.22( 4):576[1994])。試験分子#81(配列番号40)においては、ステムが2つのミス マッチによって中断され、安定性が劣る構造を形成しており、そして試験分子# 82(配列番号41)においては自己相補性の領域が完全に除去されている。これら 3つの分子全部が捕捉オリゴヌクレオチドの結合について同一の標的領域を有し ており、これらの使用実験を実施例6に記載する。 架橋性オリゴヌクレオチドが塩基対となったステムのいずれかの側の配列に接 触する時、形成される構造は3ウェイまたは3アームジャンクション(3-way or 3-arm junction)と称される。こうしたジャンクションについては、その物理的 構造を決定するため、およびこれらの構造中にその他のヌクレオチドが含まれる 場合にその物理的構造に生じる差異を評価するために、広く研究されてきた。ジ ャンクション部位に余分なヌクレオチドが含まれて、3つの鎖が一緒になってい る場合(すなわち、「突出した(bulged)」構造が形成される場合)、突出部がない 構造に比較して、この構造の方が柔軟であって、アーム間のいくらかの程度の同 軸スタッキング(stacking)がその構造を安定化していることが示されている(例 えば、Zhongら、Biochem.,32:6898[1993];およびYangら、Biochem.,35:7959[19 96]参照)。ジャンクションを形成 するプローブのその部分に2つのチミジンヌクレオチドを含ませたものが特に好 ましい。 架橋性捕捉プローブの設計または選択に使用することができる技法が多数ある 。上記のように、用語「捕捉プローブ」は、本発明の架橋性プローブについて固 相支持体上に標的鎖を捕捉するための適用に限定するつもりではない。架橋性プ ローブのその他の適用を以下の実験的実施例で記載する。さらに、議論を簡潔に し、また反復を避けるため、このセクションでは本発明の1実施形態、すなわち 、標的核酸の2つの領域のみと相互作用する架橋オリゴヌクレオチドの作製プロ セスについて記載する。しかし、本発明を2つの相互作用部位のみを有するオリ ゴヌクレオチドの使用に限定するつもりではない。折りたたまれた1標的分子上 の多数の部位と相互作用することができる架橋オリゴヌクレオチドを作製するこ とを意図するものである。 2以上の短いオリゴヌクレオチド配列を結合させることによって架橋オリゴヌ クレオチドを作製することができる。架橋オリゴヌクレオチドの作製は、これら の配列が単独で使用されたとき、何ら特定の相互作用の性質に限定されることな く、与えられた折りたたみ標的と相互作用すると判定されたという観察に基づく か、あるいは配列組成、相補性または類似の分析に基づいて、これらがこうした 相互作用をする能力があると推定することもできる。こうした配列の標的分子に 接触する推定上の能力を反映するため、便宜上、こうした配列を本明細書では「 接触配列」と称する。特定の配列の接触配列としての指定は、どの特定の実施形 態においても、その配列が標的に接触しているかまたは接触するのに必要である ことを意味するつもりではない。 別の実施形態において、両配列を1個の分子に組み込む新たなオリゴヌクレオ チドを合成するかまたはそれ以外によって作製することによって、接触配列を結 合させることができる。1実施形態において、配列を架橋オリゴヌクレオチド内 で隣接させて(すなわち、介在するヌクレオチドまたはその他の間隔を充当する 物質が何もなく)結合させる。別の実施形態においては、別のヌクレオチドによ って作られる間隔を有し、接触配列は隣接していない。好ましい1実施形態にお いて、図11Aにいくつかの架橋プローブについて 図示したように、接触配列を2個のチミジンヌクレオチドによって架橋する。別 の好ましい実施形態において、架橋性オリゴヌクレオチド中の接触配列を、架橋 性オリゴヌクレオチド自体が折りたたみ構造を含むように、自己相補性の領域を 含有する核酸の1セグメントによって連結させる。この架橋オリゴヌクレオチド 内のステム・ループ折りたたみ構造は、標的核酸中のステムの反対側に位置して いるならば、4ウェイHolliday構造を形成することが可能になり、これはそのア ームの同軸スタッキングによって安定化する(Duckettら、Cell 55:79[1988])。 別法として、個々の配列をd-スペーサー(Glen Research Corp.(Sterling,VA)) 、またはポリエーテル(Cload and Shephartz,J.Am.Chem.Soc.,113:6324[1991] )などのその他の化学鎖等、当業界で普通に知られているような非ヌクレオチド スペーサーと連結することによって、架橋オリゴヌクレオチドを作製することが できる。 接触配列を、合成後に、酵素的に(例えば連結反応)または化学的相互作用に よって、共有結合(例えば交差結合)若しくは非共有結合(例えば抗原−抗体相 互作用において形成されるようなアフィニティ結合)のいずれかを産生するよう にして、架橋プローブを形成するように連結することもできる。 プローブおよび標的間での複合体の形成は広範囲の溶液条件を使用して実施す ることができる。ハイブリダイゼーションの分野で、フイルターおよび膜(Samb rookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY[1989])ならびにシリコン若しくはガ ラスウェハー、チップまたはスライドなどのその他の固相支持体(Maskos and S outhern,Nucl.Acids Res.,20:1675[1992])について、「低ストリンジェンシー 」とみなされる条件が十分確定されている。複合体の形成を標的またはプローブ のいずれかの固相支持体への結合前に行なうか、あるいはこれらの分子の1つを 支持体に結合させた後に行なってもよいことを意図している。複合体形成の動力 学および機構は、複合体形成が溶液中または固相支持体のいずれで実施されるか に応じて変更し得るものと認識され、またこれらは本発明の範囲内であるとみな される。支持体の 同一性もまた複合体の形成に影響すると考えられる。しかし、複合体が検出し得 るレベルで形成され得るかぎり、その範囲の条件は本方法での使用に適切である と考えられる。 さらに、複合体を生体細胞中(in vivo)または組織サンプル中(in situ)な どのサンプル源から単離していない核酸上で形成することも想定している。また 、細胞内で見出される核酸はその細胞に元来含まれるものでも、または(例えば ウイルス感染によって、実験室で誘導したトランスフェクションによって、また は導入した核酸からのin vivo転写によってなどの)細胞中に導入したものでも よいことを想定している。細胞内の核酸に適用する本発明の方法は特定の起源ま たは細胞型の核酸に限定されない。 本発明の方法で使用するために、当業界で既知の多数の固相支持体を意図する 。以下の実施例において、支持体媒体として96ウェルマイクロタイタープレート を使用する。この方法を核酸分析に普通に使用されるその他の核酸支持体に適用 することもできる。これらとして、限定するわけではないが、ビーズ、粒子、膜 、フィルター、ディップスティック、スライド、プレートおよびマイクロチップ が含まれる。こうした支持体は核酸分析に適合することが知られている多数の素 材で構成することができる。これらとして限定するわけではないが、アガロース 、スチレン、ナイロン、ガラスおよびシリコンが含まれる。 各個の複合体形成(すなわち1個のプローブで1個の標的を評価するもの)は 適用例によっては十分に情報がある。その他の適用例においては、1個の標的に 対して多数のプローブを使用することが望ましい。多数のプローブについては、 多数のプローブが1表面に規則的なパターンで結合したアレイフォーマット(arr ay format)を使用するのが有用である。ガラススライドおよびマイクロチップな どの表面にこうしたアレイを作成する方法は当業界で既知である(Southernら、G enomics 13:1008[1992];Cheeら、Science 274:610[1996];およびFoderら、Sci ence 251:767[1991];ならびにSouthernらの米国特許第5,436,327号、Matsonら の米国特許第5,429,807号およびPeaseらの米国特許第5,599,695号、これらの全 部を参照により本 明細書に組み入れる)。 A. 触媒反応における架橋オリゴヌクレオチドの使用 以上論じたように、標的核酸と実質的に相補的なプローブとの間で形成される 2重らせん上で特異的に作用し得る触媒反応は、架橋プローブ/折りたたみ標的 複合体上で行えるように構成できるものとする。プライマー伸長、連結反応およ び構造特異的ヌクレアーゼ開裂における架橋プローブの使用を実証ずる例を以下 に提供する。プライマー伸長反応および連結反応は、当業界では周知であり、こ れらの反応を実施する基礎的方法は公表されており(例えば、Sambrookら,前掲 を参照すること)、さらに酵素の製造者によってもしばしば提供される。インベ ーダー侵入的開裂反応は、オリゴヌクレオチドプローブが標的核酸にハイブリダ イズすると直ちにそれらの開裂に使われる構造特異的なヌクレアーゼの使用に基 いている。反応の性質により、標的核酸の各コピーに対してプローブオリゴヌク レオチドの多数のコピーの開裂を可能にする。この技術およびその改変法の完全 な記載は、PCT国際出願第PCT/US97/01072号(WO 97/27214)および同時係属中の出 願番号第08/599,491号、第08/682,853号、第08/756,386号、第08/759,038号およ び第08/823,516号に含まれており、これらの全ては本明細書に参照により組み入 れられる。簡単に説明すると、インベーダーアッセイは、核酸混合物内の特異的 標的配列を検出する方法である。該アッセイは、一緒にプローブ系を形成する少 なくとも2つの合成オリゴヌクレオチドと構造特異的ヌクレアーゼとの協調作用 (coordinate action)に依る。該プローブ系のオリゴヌクレオチドは、シグナル オリゴヌクレオチドおよびインベーダーオリゴヌクレオチドと呼ぶことができる 。標的鎖に対する実質的な相補性の程度により、これらのオリゴヌクレオチドの それぞれが標的鎖の特定領域を定義する。これらの領域は、プローブ系が標的鎖 にハイブリダイズしたときに、インベーダーオリゴヌクレオチドはシグナルオリ ゴヌクレオチドの上流にあるように、そして、インベーダーオリゴヌクレオチド 配列はプローブオリゴヌクレオチド配列と少なくともヌクレオチド1個分だけオ ーバーラップする(すなわち、プローブ系のオリゴヌクレオチドにより定義され る標的核酸の2領域が少なくとも1個のヌクレオチドを共有す る)ように配向していなければならないか、または、オーバーラップのないとき は、オリゴヌクレオチドにより定義される2つの標的領域は隣接しなければなら ず、かつインベーダーオリゴヌクレオチドの3'末端はその部位で標的鎖に相補的 でない1つの追加のヌクレオチドを有しなければならない。 該ヌクレアーゼは、プローブ系と特定の標的核酸とのハイブリダイゼーション により形成される構造を認識して、シグナルオリゴヌクレオチドを開裂するが、 開裂の正確な部位はインベーダーオリゴヌクレオチドとのオーバーラップの量に 依存する。もし構造物が部分的に分解して、開裂シグナルオリゴヌクレオチドが 元の完全なシグナルオリゴヌクレオチドにより置き換えられるように反応が行わ れれば(例えば、シグナルプローブの速やかな解離と結合を促進するように高温 で実施されれば)、標的核酸の各コピーについて多重プローブを開裂することが でき、その後、存在する標的の量は産物蓄積速度とインキュベーション時間から 計算可能である。 インベーダーアッセイのヌクレアーゼは、上記で規定した構造を特異的に認識 し、シグナルオリゴヌクレオチド内で開裂してそれにより開裂産物を生産できる ものであればどのヌクレアーゼも含む。このようなヌタレアーゼは、限定される ものでないが、真性細菌DNAポリメラーゼに関連した5'ヌクレアーゼ、およびDNA 修復に関連したFEN1、RAD2およびXPGクラスのヌクレアーゼを含む。 インベーダープローブ系のオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、PNAおよびそれ らの組合わせ、ならびに修飾ヌクレオチド、普遍的塩基、付加物などを含んでな ってよい。それらは、完全に、もしくは部分的にそれらの同族標的配列と相補的 であってよい。さらに、それらは標識されていても標識されていなくてもよい。 検出は、開裂産物の分析によるものであってもよいし、または残留する未開裂 シグナルプローブの分析によるものであってもよい。開裂産物の検出は標識の遊 離によるものでもよい。そのような標識は、色素;32Pのような放射性ラベル; ビオチンのような結合成分;ジゴキシゲニンのようなハプテン;光発光性、リン 光性または蛍光発光性成分:蛍光色素単独、または蛍光色素を蛍光共鳴エネルギ ー伝達(FRET)により放出スペクトルを抑制もしくはシフトすることができる 成分と組合せたものを含んでなる。 開裂産物は、物理的分離(例えば、電気泳動、ハイブリダイゼーションもしく は支持体への選択的結合)により、または物理的分離を用いずに(例えば、FRET に基く分析での蛍光の変化により、または蛍光偏光分析での溶液中の回転速度の 変化により)分析できる。 開裂産物は、実質的にオリゴヌクレオチドを使用することができるどの反応ま たは読取り法にも使うことができる。このような反応としては、連結反応、鋳型 非依存性核酸ポリメラーゼによるテーリング、および鋳型非依存性核酸ポリメラ ーゼによるプライマー伸長のような酵素依存性修飾反応を含んでなる。産物の修 飾は、1つ以上の標識もしくは結合成分を付加すること、質量を変えること、特 定配列を付加すること、さもなくば、開裂産物の特異的分析を容易にすることに 役立つ。 開裂産物は、in vitro転写に応答性のプロモーターのような機能的構造体また は他のタンパク質結合部位を完成させるために使うことができる。該オリゴヌク レオチド産物はまた、開裂構造体を完成させて侵入的開裂反応を可能にするため に使うことも可能であり、その産物は、さらなる侵入的開裂反応への関与を含む 上記の方法のいずれかに使うことができる。 インベーダーアッセイで使われるオリゴヌクレオチドプローブのいずれかまた は全ては、標的鎖内の非連続配列に接触するように作製できるものとする。以下 の実施例において、上流インベーダーオリゴヌクレオチドは、構造体を架橋し、 そして非架橋プローブの開裂を指令するように作られる。 本発明の構造プローブ方法の具体的な用途を以下に記載する。 B.構造プローブ方法を使う病原体の検出および同定 1.多剤耐性結核菌(M.tuberculosis)の検出と同定 過去10年間に、米国および全世界に結核の発生率の著しい復活が起っている。 米国では、結核の発生率は過去10年問着実に上昇しており、この疾患に感染した アメリカ人は1000万人に達し、年間2000人の死亡者が数えられている。こ の状況はニューヨーク市では深刻であり、この市では該発生率は過去10年間に2 倍以上となり、1990年の米国の全ての新発症例の14%を占める(Friedenら,New Engl.J.Med.,328:521[1993])。 ニューヨーク市のこの危機は、最近の発症例の著しい割合(3分の1にもあた る)が1種以上の抗結核薬剤に耐性であるので、とりわけ緊急の事態である(Fri edeら,前掲、およびHughes,Scrip Magazine May[1994])。多剤耐性結核(MDR-T B)は、一次感染の不完全な治療から生じる医原性疾患である(Jacobs,Jr.,Clin. Infect.Dis.,19:1[1994])。MDR-TBは、MDR-TB株によリ感染されやすい免疫無防 備状態者に、そうでない健常者よりも特に重大な危機を投げかけると思われる(J acobs,J.,前掲)。免疫無防備状態者におけるMDR-TBの死亡率は、そうでない非 無防備状態者の<50%の死亡率と比較して、恐ろしく高く、しばしば90%を越え る(Donnabellaら,Am.J.Resplr.Dis.,11:639[1994])。 臨床的視点からみれば、結核は、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis )の極度に長い世代時間ならびに他のより速やかに増殖するマイコバクテリウム (mycobacterium)の環境的蔓延のために、常に診断が困難である。結核菌の倍 加時間は20〜24時間であり、通常の方法による増殖は結核菌を陽性と同定するた めに典型的には4〜6週間を必要とする(Jacobs,Ir.ら,Science 260:819[1993] およびShinnickおよびJones in Tuberculosis:Pathogenesis,Protection and Co ntrol,Bloom編,American Society of Microbiology,Washington,D.C.[1994],pp. 517-530)。所与の株の薬剤感受性を診断するためにはさらに3〜6週間を要する こともある(ShinnicおよびJones,前掲)。言うまでもないが、患者に徴候が現れ ていてもいなくても、ほとんど確実に伝染している遅延期間中、感染した個体な らびに公衆への健康リスクは無視できなぃ。いったん薬剤耐性プロフィールが明 らかにされ、診断が行われるとなると、一人の患者治療は、$250,000の費用と2 4ヶ月の期間を要しうる。 該疾患発生率の最近の爆発的増加は、MDR株の投げかけた恐ろしいリスクと共 に、結核菌の検出ならびに結核菌臨床単離物の薬剤耐性プロフィールの解明を加 速するための方法および製品の研究活動の発展および商業的開発に拍車をかけ ている。これらの方法のいくつかは、主に、所与の株が結核菌であるかまたは結 核菌以外のマイコバクテリウム種であるかを確認する研究に当てられている。古 典的な方法より速やかに結核菌が陽性であると同定することを可能にする培養に 基く方法および核酸に基く方法の両方が開発されており:検出時間は6週間以上 から2週間(培養に基く方法)または2日間(核酸に基く方法)に短縮されてい る。培養に基く方法は、現在、臨床研究室で広く使われているが、直接臨床サン プルに適用することができる迅速な核酸に基く方法がいくつか開発中である。以 下に記載する技術では全て、最初に、痰のような臨床サンプルは「除染(deconta minate)」して(通常はN-アセチル-L-システインおよびNaOHの前処理によって行 われる)、マイコバクテリウム種以外の種による汚染を低減することが必要であ る(ShinnickおよびJones,前掲)。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が結核菌の検出に応用されており、臨床標本か ら直接、その存在を1〜2日間で検出するために使うことができる。さらに高感 度の技術は、2ステップ法によるものであり:第1ステップは、PCR増幅そのも のであり、第2は、アンプリコンの結核菌特異的オリゴヌクレオチドプローブに 対するハイブリダイゼーションまたはRFLPもしくはDNA配列決定による分析のよ うな分析ステップである(ShlnnickおよびJones,前掲)。 増幅結核菌の直接試験(AMTDT;Gen-Probe)は、臨床標本から標的rRNA配列を 直接増幅する転写介在増幅(TMA;本質的に自己持続配列反応(self-sustained sequence reaction)[3SR]増幅)に基づくものである。rRNAがいったん増幅され ると、それを、その後、PACE2のような色素標識アッセイにより検出する。この アッセイは、臨床サンプル中に存在する物質による阻害を高度に受け易い。 サイクリングプローブ反応(CPR;ID Biomedical)。結核菌の存在を検出するた めの診断手法として開発中であるこの技術は、シグナルプローブ分子の蓄積を測 定する。シグナル増幅は、結核菌特異的配列のようなDNA-RNA-DNAの3部構成プ ローブを標的核酸にハイブリダイズすることにより実施する。RNAseHを加えると 、キメラプローブのRNA部が分解して、DNA部を遊離し、これが経時的に線形に蓄 積して標的配列が存在することを示す(Yule,Bio/Technol., 12:1335[1994])。RNAプローブの使用が必要であることは、特にRNase汚染がしば しば存在する粗臨床サンプルで使用する場合には、欠点となる。 上記の核酸に基く検出および識別の方法は、より伝統的な培養に基く方法より 明らかな時間節減をもたらす。それらは臨床使用に入ったばかりであるが、結核 菌の日常診断におけるそれらの有用性はまだ疑問であり、その大きな理由は、培 養に基く方法と比較して、交差汚染および低感度に関連する諸問題にある。さら に、これらの方法の多くは呼吸系標本の分析に限定されている(Yule,前掲)。 i)結核菌(M.tuberculosis)の抗生物質耐性プロフィールの決定 a) 培養に基く方法:結核菌(M.tuberculosis)が陽性と同定されたら 、該株の抗生物質耐性の程度と性質を特性決定する必要がある。抗生物質耐性を 決定するために使われる伝統的な方法は正比例寒天希釈法であり、培養の希釈物 を抗生物質を含有する培地上および抗生物質を含有しない対照培地上にプレーテ ィングする。この方法は、典型的には、未知の臨床サンプルの診断および特性決 定に必要な時間にさらに2〜6週間を加える(Jacobs,Jr.,前掲)。 ルシフェラーゼレポーターマイコバクテリオファージ(LRM)アッセイは、199 3年に初めて記載された(Jacobs,Jr.ら,[1993],前掲)。このアッセイにおいては 、ルシフェラーゼ遺伝子のクローニングコピーを含有するマイコバクテリオファ ージでマイコバクテリア培養物を感染させる。ルシフェリンとATPが存在すると 、発現されるルシフェラーゼは光子を生じ、肉眼もしくは光度計によって容易に 識別可能であり、抗生物質存在下でのマイコバクテリウム増殖の程度を正確に決 定することができる。十分な培養物が得られると(通常培養後10〜14日)、アッセ イは2日間で完了することができる。この方法は、LRMは結核菌に特異的でない という事実に問題があり:それらは、M.smegmatisおよびM.bovis(例えば、BCG )にも感染し、そのために陽性結果の解釈を複雑にする。2つの種間の識別は、 結核菌の増殖をサポートしない特殊培地(例えば、NAP培地)での増殖により実 施しなければならない。これの確認にはさらに2〜4日を要する。 抗生物質耐性を決定するための上記の培養に基く方法は、推定上の新抗マイコ バクテリウム薬剤および遺伝子標的が未だ同定されてない薬剤の効果を評価する 上で或る役割を果し続けるであろう。しかし、前線医薬の多くを含む、多数の抗 マイコバクテリウム薬剤への耐性を分子ベースで解明する最近の成功により、も っと迅速でもっと正確で、もっと情報を与えるDNA多形に基くアッセイの使用が 可能になった。 b) DNAに基く方法: イソニアジド、リファンピン、ストレプトマイシ ン、フルオロキノロン、およびエチオナミドに対する耐性に関わる遺伝子座は、 同定されている(Jacobs,Jr,.前掲;Heymら,Lancet 344:293[1994];およびMorrl sら,J.Infect.Dis.,171:954[1995])。イソニアジド(inh)およびリファンピン (rif)の組合わせならびにピラジナミドおよびエタンブトールもしくはストレ プトマイシンは、通常、結核菌の確認された症例に対する攻撃の第1ラインとし て使用される(Banerjeeら,Science 263:227[1994])。したがって、これらの薬剤 の1つ以上に対して耐性があることは、短期コースの化学治療の場合には悲惨な 意味をもちうる。このような耐性株の症例が増加しているので、それらを検出し 、それによる有効でない、恐らくは有害な治療を続ける支出および公衆衛生有害 物(community health hazards)を低減するための迅速なアッセイの開発が必要と されている。薬剤耐性に関わる遺伝子座のいくつかが同定されたことにより、薬 剤耐性をもたらすヌクレオチド変化の迅速なスクリーニングのための変異検出技 術の適用が容易になってきた。臨床標本から直接、大量の標的DNAを複製するこ とに成功しているPCRおよびSDAのような増幅方法が利用可能になると、DNAに基 く抗生物質プロフィール作成の手法は、通常の培養に基く方法より遥かに迅速に なる。 薬剤耐性をもたらす変異の遺伝子同定で最も広く用いられている技術は、DNA 配列決定、制限断片長多形(RFLP)、PCR-本鎖立体配座多形(PCR-SSCP)、およびPC Rジデオキシフィンガープリント法(PCR-ddF)である。これらの技術は全て、上 に論じた欠点を有する。それらはいずれも、正確かつユニークに個々の対立遺伝 子を同定する迅速で再現性ある手法を提供しない。 これに対して、本発明の構造プローブ法(structure probing method)は、オ リゴヌクレオチドプローブと標的核酸との一次、二次および三次構造レベルでの 相互作用に基づく方法を提供する。この方法は、上に記載した技術の時間、スキ ルおよび費用の一部しか必要とせず、臨床研究室で一般的に見られる計装(例え ば、マイクロタイタープレートリーダー)を使って実施することができる。 MDR-TB検出のためのこの方法の適用を、本明細書ではkatG遺伝子から増幅した DNAのセグメントを使って例示した。限定されるものでないが、イソニアジド(in hA)、ストレプトマイシン(rpsLおよびrrs)、およびフルオロキノリン(gyrA)に 対する耐性の付与に関わる遺伝子を含むMDR-TBに関連した他の遺伝子も、等しく 本発明の構造プローブアッセイに好適である。 2.C型肝炎ウイルスの検出と同定 C型肝炎ウイルス(HCV)感染は、世界中で、輸血後の非A型、非B型(NANB )肝炎の腫瘍な原因となっている。さらに、HCVは、世界中で、肝細胞癌(HCC) および慢性肝疾患の主要な病因である。HCV感染は、主に輸血受給者および静脈 投与薬剤使用者に伝達されるが、子孫への母体からの伝達および器官移植の受給 者への伝達も報じられている。 陽性鎖RNAC型肝炎ウイルスのゲノムは、5'および3'非コード領域(すなわち 、5'および3'非翻訳領域)ならびにコアタンパク質(C)、2つのエンベロープ糖 タンパク質(E1およびE2/NS1)および6つの非構造糖タンパク質 (NS2-NS5b) をコードするポリプロテインコード領域を含む複数の領域を含んでなる。小さい (9.4kb)RNAゲノムの分子生物学分析は、単離物の間でゲノムの幾つかの領域は 非常に高度に保存されているが、他の領域はかなり速やかに変化しうることを示 した。5’非コード領域(NCR)は、HCV中の最も高度に保存されている領域であ る。これらの分析により、これらのウイルスを6つの基礎的遺伝子型に区分し、 そしてさらに12のサブタイプに分類することができた(HCV遺伝子型の命名および 区分は変ってゆく;最新の分類スキームは、例えば、Altamiranoら,J.Infect.Di s.,171:1034[1995]を参照すること))。これらのウイルス群は、様々な地理的領 域と関連しており、大発生の原因物質の正確な確認が該疾患のモニタリングに重 要である。米国ではグループ1 HCVしか観察されてないが、欧州および日本で は共に、多数のHCV遺伝子型が観察されてい る。 ウイルス単離物を決定する能力により、HCVの様々な型による感染からの、お よび1個体における複数のタイプによる感染からの臨床結果の比較が可能になる 。HCVのタイプは、インターフェロンによる治療の効果の差とも関連し、グルー プ1に感染した個体についてはわずかな応答しかない(Kanaiら,Lancet 339:154 3[1992]およびYoshiokaら,Hepatol.,16:293[1992])。感染した個体をウイルス タイプについて予備スクリーニングすることにより、臨床医はさらに正確な診断 を行いかつ費用的に無駄な薬剤治療を避けることができる。 HCV単離物の遺伝子型を決定する既存の方法としては、伝統的な血清型決定、H CVゲノムのセグメントのPCR増幅とDNA配列決定もしくはHCV特異的プローブへの ハイブリダイゼーションとの組合わせ、およびPCR増幅したHCVDNAのRFLP分析を 含む。これらの方法は全て、上述の制限を受ける(すなわち、DNA配列決定はあま りにも労力を要する煩雑なもので臨床研究室向けに実用化するには費用がかかり :RFLPは感度が低い)。 血漿もしくは血清から抽出したRNAから得たHCV配列を増幅するための、普 遍的で遺伝子型特異的プライマーが設計されている(Okamotoら,J.Gen.Virol.,7 3:673[1992];Yoshiokaら,Hepatol.,16:293[1992]およびAltamiranoら,前掲)。 これらのプライマーを、本発明の構造プローブアッセイにおいて基質となるPCR 産物を作製するために使うことができる。本明細書に示されるように、構造プロ ーブアッセイは、HCV単離物のタイプ決定の迅速かつ正確な方法を提供する。HCV の構造プローブアッセイにより、HCVの主遺伝子型およびサブタイプの間の区別 が可能になり、したがってHCV単離物の遺伝子型決定の改良法が提供される。 3. 細菌病原体の検出と同定 細菌病原体の同定とタイプ決定は、感染症疾患の臨床管理に極めて重要である 。微生物の正確な同定は疾患状態を健康状態から区別するために使われるのみで なく、抗生物質または他の抗微生物療法が治療に適切であるか、またそれらのど ちらが最も治療に適切であるかを決定する基本でもある。病原体タイプ決定の伝 統 的方法は、増殖特性、色、細胞もしくはコロニーの形態学、抗生物質感受性、染 色性、臭い、および細菌を同定する特異抗体との反応性を含む各種の表現型の特 徴を使っている。これらの方法は全て、存在が疑われる病原体の培養を必要とし 、高価な材料および人件費、作業者曝露の危険、誤った取扱いによる偽陽性およ び少ない生存細胞数によるもしくは多くの病原体の難しい培養要件による偽陰性 を含むいくつもの重大な欠点がある。さらに、培養法は、診断を達成するために 比較的長い時間を要し、かつこのような感染は潜在的に生命を脅かす恐れがある ので、抗生物質療法はしばしば結果を得る前に開始される。多くの場合、病原体 は、正常のフローラを作る生物に非常に類似しており、上に挙げた方法により接 種株から識別することができないかも知れない。このような場合、病原体株の存 在の決定は、さらに最近開発された分子タイプ決定法によりもたらされる高度の 分離を必要とするであろう。 目的の生物由来の遺伝子材料を試験する複数の方法が開発されている。この形 式の分析を実施する1つの方法は、種特異的核酸プローブと試験すべき生物由来 のDNAもしくはRNAとのハイブリダイゼーションによる。これは、試験する変性核 酸をメンブラン支持体上に固定し、病原体由来のDNAもしくはRNAが存在するとき のみ結合する標識核酸プローブでプローブする(釣り上げる)ことによって行う。 このようにして、病原体を同定することができる。さらに、生物を電気泳動分離 およびニトロセルロースもしくはナイロンメンブラン支持体に移す前に、ゲノム DNAを1つ以上の制限酵素で消化する上記のRFLP法を使って区別することができ る。種特異的核酸プローブによってプローブするとバンドパターンが現れ、もし それが単離物間で変化を示せば、株間を識別する再現性のある方法として使うこ とができる。しかし、これらの方法は、上に概述した欠点を受け易く:複合体( すなわち、全ゲノム)標的に対する配列特異的ハイブリダイゼーションに基くア ッセイは時間がかかり、もしハイブリダイゼーションのストリンジェンシーが巧 く調節されてないと誤ったまたは間違った結果をあたえうるし、RFLP同定は、分 析すべきDNAに適切な制限酵素部位の存在に依存する。 診断手法としてのハイブリダイゼーションおよびRFLPに関するこれらの問題を 解決するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅に基く複数の分子解 析の方法が一般化してきた。PCRフィンガープリント法と呼ばれるよく使われる 方法の1つでは、PCRにより作製される1つの断片のサイズを同定標識に使う。 この形式のアッセイでは、プライマーは可変のタンデム繰返し配列(真核生物の VNTRと呼ばれる)を含有する領域を標的にする。繰返しの数、およびしたがって PCRアンプリコンの長さは所与の病原体の特徴を有し、単一反応でこれら遺伝子 座の複数を同時増幅することにより、特異的でかつ再現性のあるフィンガープリ ントを作製することが可能であり、近縁の種間の識別を可能にする。 しかし、生物が非常に近縁であるいくつかの事例では、増幅の標的はサイズ差 を示さず、増幅したセグメントは、より精密に同定するために、さらにプローブ しなければならない。これは、固相支持体上で、上に記載した全ゲノムハイブリ ダイゼーションと類似の様式で行われるが、これもまた、該アッセイと同様の、 様々なストリンジェントに伴う問題を有する。代りに、PCR断片の内部を配列特 異的連結反応事象の鋳型として使うことができる。LCRについて上に概略を記し たように、この方法では、連結される一本鎖プローブは、目的の配列に沿って、 同定する多形のいずれかのサイドに配置されるので、連結反応が成功したか失敗 したかは、その部位における特異的ヌクレオチド配列の存在または不在によって 示されるであろう。PCR産物解析のハイブリダイゼーションまたは連結反応法の いずれかにより、プローブ結合の領域における正確な配列の知識は次々に得られ るに違いないが、プローブ結合領域の外側の差異は検出されない。これらの方法 は、完全に特性決定がされていない新しい単離物の検討およびタイプ決定に対し ては適切でない。 本発明の方法では、細菌のリボソームRNA遺伝子の保存領域を認識するプライ マーにより、これらの遺伝子の改変部位を含むセグメントの増幅が可能になる。 リボソーム遺伝子配列における改変は、類似生物間をDNA配列レベルで区別する 容認された方法になっているのみでなく、一致した変化速度によりこれらの配列 を生物の進化の関連性を評価するために使うことができる。つまり、核酸が配列 レベルでより類似しているほど、対象の生物はより近縁であると考えられる(Wo ese,Microbiol.Rev.,51:221-271[1987])。本発明により、これらの配列から誘 導される増幅産物を使って、高度に個別化された構造フィンガープリント (例えば、一連のプローブによる複合体形成のプロフィール)を作製することが 可能になり、多形の部位、特性、さらには存在を予め知らなくとも、配列多形性 の検出が可能になる。プライマーを適切に選択すれば、本発明の方法を使って分 析した場合に遠縁の生物同士の比較を可能にするPCR産物を作製するために、PCR 増幅が全てを包含するようにする(例えば、最も高度に保存されたリボソーム配 列を使って)こともできるし、あるいは、該プライマーを所与の属に非常に特異 的であるように選んで、種および亜種レベルでの検討を可能にすることができる 。リボソーム遺伝子の試験はこれらの特性決定において非常に有用であるが、細 菌のタイプ決定における構造プローブ法の使用はこれらの遺伝子に限られない。 限定されるものでないが、特定の増殖特性(例えば、炭素源資化性、抗生物質耐 性、メチシリン耐性または抗原産生)、または特定の細胞形態学(線毛形成のよ うな)に関連する遺伝子を含む他の遺伝子も同様に、本発明の構造プローブアッ セイに適している。 C. 臨床サンプルから核酸の抽出 構造プローブアッセイを使う臨床サンプルの微生物の検出と同定に使う核酸基 質を提供するために、該サンプルから核酸を抽出する。核酸は様々な臨床サンプ ル(新鮮もしくは凍結組織、細胞懸濁液(例えば、血液)、大脳脊椎液、痰、尿、 など)から、様々な標準技術または市販キットを使って抽出することができる。 例えば、組織サンプルからRNAまたはDNAの単離を可能にするキットは、キアゲン 社(Qiagen,Inc.,Chatsworth,CA)およびストラタジーン社(Stratagene(La Jolla,CA))から市販されている。例えば、QIAamp血液キットは、(新鮮、凍結 もしくは乾燥)血液ならびに骨髄、体液または細胞懸濁液からのDNAの単離を可 能にする。QIAamp組織キットは、筋、器官および腫瘍のような組織からのDNAの 単離を可能にする。 (血液、細菌コロニー、ウイルスプラーク、または大脳脊髄液のような)比較 的均質な標本からの粗抽出物は、(尿、痰または糞便のような)もっと複合した 標本よりユニークなPCR産物の増幅の鋳型としてより適していることがわかって いる(Shibata in PCR:The Polymerase Chain Reaction,Mullisら,編, Birkhauser,Boston[1994],pp,47-54)。増幅すべき物質(例えば、標的核酸)の 比較的少ないコピーしか含有しない大脳脊髄液のようなサンプルは、直接PCRに 加えることができる。血液サンプルは、赤血球の阻害特性によりPCRに特別な問 題をもたらす。血液をPCRに使用する前に、赤血球を除去しなければならない; この目的のためには古典的および市販の両方の方法がある(例えば、QIAamp Bloo dキット、Chelex 100 column[Biorad]の通過、その他)。結核菌の直接検出のた めに選んだ標本の痰からの核酸の抽出では、予め除染し他の細菌種を死滅させる か増殖を阻害する必要がある。この除染は、典型的には、サンプルをN-アセチル -L-システインおよびNaOHで処理することにより実施される(ShinnickおよびJone s,前掲)。この除染プロセスは、痰標本を分析の前に培養するときにのみ必要で ある。 実験 次の実施例は、本発明のある特定の好ましい実施形態および様態を実証するの に役立つものであり、本発明の範囲を限定しようとするものではない。 以下の開示において、次の省略を適用する:℃(摂氏温度);g(重力場);vol( 容量);w/v(重量対容量);v/v(容量対容量);BSA(ウシ血清アルブミン);CTAB(セ チルトリメチルアンモニウムブロマイド);HPLC(高圧液体クロマトグラフィー) ;DNA(デオキシリボ核酸);IVS(介在配列);p(プラスミド);ml(マイクロリット ル);ml(ミリリットル);mg(マイクログラム);pmoles(ピコモル);mg(ミリグ ラム);MOPS(3-[N-モルホリノ]プロパンスルホン酸);M(モル);mM(ミリモル); mM(マイクロモル);nm(ナノメートル);nt(ヌクレオチド);bp(塩基対);kb(キ ロ塩基対);kdal(キロダルトン);OD(光学密度);EDTA(エチレンジアミン四酢酸 );FITC(フルオレセインイソチオシアネート);IPTG(イソプロピルチオガラクト シド);X-Gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-b-D-ガラクトシダーゼ);SDS( ドデシル硫酸ナトリウム);NaPO4(リン酸ナトリウム);Tris(トリス(ヒドロキシ メチル)-アミノメタン);PMSF(フェニルメチル-スルホニルフルオライド);TBE( トリス-ボレート-EDTA、すなわち、塩酸でなく硼酸で滴定し、EDTAを含有する トリス緩衝液);PBS(リン酸緩衝化食塩水);Ab Peptlde(抗体ペプチド、st.Loul s,MO);PPBS(1mM PMSFを含有するリン酸緩衝化食塩水);PAGE(ポリアクリルアミ ドゲル電気泳動);Tween(ポリオキシエチレン-ソルビタン);JBL(JBL,San Louis Obispo,CA);Boehringer Mannheim(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN);D ynal(Dynal A.S.,Oslo,Norway);Epicentre(Epicentre Technologies,Madison,W I);MJ Research(MJ Research,Inc.,Watertown,MA);National Biosciences(Nat ional Biosciences,Plymouth,MN);New England Biolabs(New England Biolabs, Beberly,MA):Novagen(Novagen,Inc.,Madison,WI);Perkin Elmer(Perkin Elmer ,Norwalk,CT);Promega Corp.(Promega Corp.,Madison,WI);Stratagene(Stra tagene Cloning System,La Jolla,CA);Third Wave(Third Wave Technologies,I nc.,Madison,WI);およびUSB(U.S.Biochemical,Cleveland,OH)。 20X SSPE(塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム、EDTA)は、1リットル当り: 174グラムの塩化ナトリウム、27.6グラムのNaH2PO4・H2Oおよび7.4グラムのEDTA を含有し;pHは7.4にNaOHで調節される。PBS(リン酸緩衝化食塩水)は、1リッ トル当り:8グラムのNaCl、0.2グラムのKCl、1.44グラムのNa2PO4および0.24グ ラムのKH2PO4を含有し;pHは7.4にHClで調節される。 実施例1 1つの構造と1つのプローブミスマッチが複合して存在すると それぞれが単独に影響するより高感度の識別が得られる この実施例では、閉鎖構造の形成、単一塩基ミスマッチの存在、またはこれら 両方が一度に存在すること、のいずれかがオリゴヌクレオチド結合にあたえる影 響を調べた。構造の結合効率への影響を、ミスマッチの影響から切り離すために 、4つのkatG DNA標的変異体を選んだ(配列番号1、2、3および4)。これら4 つの標的のプローブハイブリダイゼーション部位の領域の構造は図2に示し、 そして、構造物2Cおよび2D(それぞれ配列番号3および4)における大きな ステム−ループの存在は、構造特異的Cleavase(登録商標)Iヌクレアーゼ(Th ird Wave)で消化することにより確認し、開裂部位は構造2Cおよび2D上に矢 印で示す。図2のそれぞれの構造物の左の黒い太線は捕捉プローブが結合すると 予測される領域を示す。構造物2Bおよび2Dの黒い太線で示したねじれ(kink )は捕捉プローブとkatGの間のミスマッチの部位を示す。 a) 結核菌(M.tuberculosis)のkatG遺伝子における変異のCFLP(登録商標) 分析 i) katG遺伝子配列を含有するプラスミドの作製 野生型結核菌(M.tuberculosis)またはイソニアジド耐性に関連するkatG遺伝 子に変異を含有する結核菌から単離したゲノムDNAは、ウール博士(Dr.J.Uhl,Ma yo Clinlc,Rochester,MN)から入手した。これらの株は野生型およびS315Tと名 付けられた(Cockerill,IIIら,J.Infect.Dis.,171:240[1995])。株S315Tは、野 生型katG遺伝子のコドン315にGからCへの変異を含有する。 結核菌katG遺伝子の620bp領域を上記の株由来のDNAから、PCRを使って増幅し た。katG遺伝子配列を増幅するために使ったプライマーは、KatG904(5'-AGCTCG TATGGCACCGGAAC-3')(配列番号5)およびKatG1523(5'-TTGACCTCCCACCCGACTTG-3' )(配列番号6)であって;これらのプライマーはkatG遺伝子の620bp領域を増幅す る。PCRを最終反応容量100μlで実施し、0.5mMのKatG904およびKatG1523プライ マー、1.5mM MgCl2、20mMTris-HCl、pH8.3、50mM KCl、それぞれ0.05%のTween (登録商標)-20およびNonidet(登録商標)P-40非イオン界面活性剤、60mMの全 4dNTPを含有した。反応混合物を95℃で3分間加熱し、その後、5単位のTaq DN Aポリメラーゼを加えて増幅を開始し、95℃で1分間、60℃で1分間および72℃ で2分間の処理を35サイクル連続した。 PCR増幅したkatG断片をクローニングするために、1μlの各PCR産物を使って、 線状pT7 Blue Tベクター(Novagen,Madison,WI)に連結した。連結反応産物を使っ てコンピテントJM109細胞を形質転換し、そして、インサートを もつpT7 Blue Tベクターを含有するクローンを、40mg/ml X-Gal、40mg/mlIPTGお よび50mg/mlアンピシリンを含有するLBプレート上で白色により選択した。PCRサ ンプルのそれぞれに対して、4個のコロニーを拾い上げ、50mg/mlカルベニシリ ンを含有する2ml LB培地で一夜増殖した。プラスミドDNAをアリカリミニプレッ ププロトコル(Sambrookら,前掲)を使って単離した。 クローニングしたkatG断片を分析するために、各クローンからのプラスミドDN Aの1μlを、PCRにより、0.5mMのKatG904およびKatG1523プライマー、1.5mM MgCl2 、20mM Tris-HCl、pH8.3、50mM KCl、それぞれ0.05%のTween(登録商標)-20 およびNonidet(登録商標)P-40非イオン界面活性剤、60mMの全4dNTPおよび5 単位のTaq DNAポリメラーゼを含有する100μlの反応液を使って増幅した。PCRは 、95℃で1分間、60℃で1分間および72℃で2分間の処理を、35サイクル実施し た。PCR産物は、6%未変性ポリアクリルアミドゲル上、0.5X TBE緩衝液中で、 電気泳動により分離し、620bp断片を生じたクローンを選択して、さらに分析を 行った。 センス鎖の5'末端をテトラクロロフルオレセイン(TET)で標識したDNA(391b p)の断片を、クローニングしたkatG遺伝子から、プライマー5'-TET-AGCTCGTATG GCACCGGAACC-3'(配列番号7)および5'-GGACCAGCGGCCCAAGGTAT-3'(配列番号8 )を使って作製した。このサイズの野生型katG DNA断片を加熱により変性すると 、ヌクレオチドA37-C45塩基対をヌクレオチドG381-T389(センス鎖の5'-末端か ら数えた)により折りたたむことが可能になった。野生型配列は、図2Cに示す ように、bp385のC(C385)に相補的なbp41のG(G41)を有し;S315T変異配列 は、図2Bに示すように、C385に非相補的なbp41のC(C41)を有してヘアピンの 形成を破壊する。さらに2つの非野生型配列を、C385をG385に変えた別のプライ マ-(5'-GGACCACCGGCCCAAGGTATCT-3';配列番号9)を3'末端に使うことにより作 製した。これにより、G41対G385ミスマッチ(図2A)およびC41対G385塩基対を もつ断片を作製することができた(図2D)。 PCR反応を次の通り実施した:PCR混合物は5ngのプラスミドDNA鋳型、 1X PCR緩衝液、200mMの各4dNTP、0.5mMの各プライマー、5単位のTaq DNAポリ メラーゼおよび最終反応容量100μlになるように水を含有した。PCRサイクリン グ条件は、95℃で45秒、60℃で1分30秒および72℃で2分とし、全部で30サイク ル実施し、その後4℃で反応完結(soaking)した。391bp PCR産物を「高純度PC R産物精製キット」(Boehringer Mallnheim)を使って精製した。この断片のセッ ト(配列番号1〜4)により、単一プローブを使ってプローブと標的との間の複 合体形成に及ぼすミスマッチ、二次構造または両者の組合わせの影響を評価する ことが可能になった。 ii) CFLP(登録商標)反応 CFLP(登録商標)反応を、4つのkatG変異体(2A〜2D)からの各5'-TET標 識増幅産物について実施した。各CFLP(登録商標)反応物は、約20fmoleの増幅 産物、10μlの1X CFLP(登録商標)緩衝液(10mM MOPS pH7.5,0.05% Tween(登録 商標)20および0.05% Nonidet(登録商標)P40非イオン界面活性剤)中の50単 位のCleavase(登録商標)Iヌクレアーゼおよび0.2mM MnCl2を含んだ。反応物 を酵素およびMnCl2を除く全成分で構築し、95℃に15秒間加熱し、その後反応温 度の50℃に冷却した。酵素およびMnCl2を加えて開裂反応を開始し、5分間イン キュベートした。反応物は、95%ホルムアミドの4mlと共に10mM EDTAおよび0.02 %メチルバイオレットを加えて停止した。生成物を95℃で30秒間加熱し、アリコ ートを7M尿素を含む10%変性ポリアクリルアミドゲル(19:1架橋)にて45mM Tri s-Borate、pH8.3、1.4mM EDTAの緩衝液中で電気泳動することにより分離した。 ゲルは、FMBIO-100(Hitachi)のイメージアナライザーを使って可視化した。生 じた画像を図3の左パネルに示す。レーンA〜Dは、それぞれ構造物2A〜2D を含有する反応物からのCFLP反応産物を含有する。レーンCおよびDは、レーン AおよびBには存在しない産物(37nt;矢頭により示された)を含有し、このこ とは、図2に示した構造物2Cおよび2D中の大きなステムループの存在を示す 。 b) 結核菌katG遺伝子標的の構造プローブ分析 これらの実験では、捕捉プローブを溶液中で標的DNAに結合させ、その後固相 支持体に固定させる。上記のkatGの391bp断片を、PCRにより、5'-フルオレセイ ン標識プライマー(配列番号7)を使って作製した。熱変性され、かつ図2に記 述した4つの配列(配列番号l〜4)の1つを有しセンス鎖の5'末端を標識され た391bpkatG産物40fmole、ビオチン化捕捉プローブ(配列番号10)1.5pmole0.01 mg/ml tRNA、0.2%アセチル化BSA、4.5X SSPEおよび150μlになるH2Oを含有する ハイブリダイゼーション混合物を構築した。 その後、混合物のアリコート(100μl)を、ストレプトアビジンでコートした 96ウエルプレート(Boehringer Mannheim)内のウエルに移し、室温で30分間イ ンキュベートした。その後、プレートを1X PBSで3回、0.01% Tween(登録商標 )-20非イオン界面活性剤で洗浄し、その後、PBS中に0.2% I-ブロック(Tropix ,Bedford,MA)および0.05% Tween(登録商標)-20非イオン界面活性剤を含有す る溶液で30分間処理してブロックした。ブロッキングの後、該プレートを、0.1 % Tween(登録商標)-20非イオン界面活性剤を含有するPBSで3回洗浄した。ア ルカリホスファターゼとコンジュゲートさせた0.75u/ml抗フルオレセイン抗体の 0.2% Iブロック緩衝液中の1:5000希釈液を、プレートに100μl/ウエルの容量 で加えた。1/2時間後、プレーを3回TBS(25mM Tris-Cl,0.15M NaCl,pH7.2)で 洗浄した。100マイクロリットルのAttophos(登録商標)蛍光基質(JBL)を各ウ エルに加え、プレートを室温で1時間インキュベートした後、Prekin-Elmer Cyt ofulor-4000セットを使って450/50nmで励起し、580/50nmでの発光を検出して、 蛍光を読取った。各アッセイをそれぞれ3回づつ実施し、標準偏差を図3の右側 パネルのそれぞれのカラムの頂部に黒い太線部で表した。蛍光強度は、任意の蛍 光単位で示した。図3において、「A〜D」は、構造プローブアッセイにおいて 、それぞれ、構造物2A〜2Dを使用したことを示す。 図3に示した結果は、標的DNAとプローブとの間のミスマッチ、ならびに二次 構造の差異を示しており、これは、野生型と変異DNAの間のより良い識別につな がる。 実施例2 DNA二次構造の変化は、 標的DNAと捕捉プローブとの間に様々な結合能力をもたらす 標的配列の状態(すなわち、フランキング核酸の長さおよび同一性)は、標的 セグメントの二次構造、したがってハイブリダイゼーションアクセシビリティに 影響を与え得る。この効果を例示するために、DNAの標的セグメントを、制限酵 素による前処理有りまたは無しで、制限酵素開裂により影響を受けない部位に相 補的な捕捉プローブにさらした。制限酵素BamHIを使って、野生型(図2C)ま たは実施例1に記載したS315T変異体(図2B)のkatG DNAの391bp5'-フルオレ セイン標識断片を消化した。制限酵素は、5'標識断片を391ntから256ntへ短かく した。捕捉プローブは、これらkatGDNA標的の最初の50nt内に位置する配列と相 補的である。全ての反応物で等量のDNA標的物を使った。制限消化物は、2pmole の5'-フルオレセイン標識DNA、10μlの10X BamHI、160単位のBamHI酵素およびH2 Oを含み、最終容量を100μlとした。反応物を37℃で2時間インキュベートした 。消化後、ハイブリダイゼーションアッセイを上に記載したとおり、捕捉プロー ブ(配列番号10)を使って実施した。結果を図4に示す。図4では、試験したそ れぞれの標的/プローブ複合体についての、(標的/プローブ複合体として)捕 捉された標識標的の量を示す(任意の蛍光単位を使って表示した)。図4に、次 の省略を使った:C(構造2C):B(構造2B):C/BamHI(BamHIで消化した構 造2C);B/BamHI(BamHIで消化した構造2B)。 2CDNA標的(配列番号3)は捕捉プローブに完全に相補的な部位を有する が、2BDNA標的(配列番号2)は捕捉プローブに相補的な領域の中央近くに 単一の塩基ミスマッチを有する。このミスマッチにも関らず、DNA間のこのプロ ーブへのハイブリダイゼーションによるこれら2つの391ntの(すなわち、BamHI で消化されてない)DNA間の識別は非常に弱い。図4に示されるように、酵素消 化後に、野生型と変異DNAの間の結合効率の差は増加する。該プローブがハイブ リダイズするkatG DNAのセグメントは酵素により開裂されない ので、ハイブリダイゼーションパターンの変化を説明するのは、標的DNAの折り たたみ構造の変化であると結論することができる。このことは、ミスマッチは核 酸変異体間の識別を増強することはできるが、ハイブリダイゼーションによるDN A間の識別には必要でないことを示す。これらの結果は、プローブと標的間の( 例えば、完全または部分的)相補性の度合以外の変数(例えば、標的の二次およ び三次構造)が、関係配列間を識別するより優れた手段を提供しうることも実証 する。 実施例3 HCV遺伝子型決定のための多重捕捉プローブを使う ハイブリダイゼーション分析 本発明の方法では、類似の核酸間のハイブリダイゼーションによる識別のため に、ミスマッチと構造の両方が使われているので、構造特異的ヌクレアーゼ、例 えば、Cleavase(登録商標)Iヌクレアーゼの使用により作製されるパターンは 、異なる変異体との異なる結合性質を示す見込みのある領域を選択する方法とし て使うことができる。CFLP(登録商標)法は、目的のDNA断片の構造の存在を示 すので、そして構造物中の変化は実際の配列変化の近位にあることが多いので、 CFLP(登録商標)開裂部位もしくはその近くにある捕捉プローブを選ぶことによ り、異なる変異体においてアクセシビリティーが変化する配列を選ぶ確率を高め る。図5は、C型肝炎ウイルスからの断片の比較に適用したこのプローブ選択手 段を記述する図を示す。図5で、左のパネルは配列決定ゲルのフルオロイメージ ャ一走査を示し、CFLP(登録商標)開裂反応の産物は、CFLP(登録商標)開裂反 応で使用するのと同じ標的DNAを用いて作製した配列決定ラダーの隣で分離され ている。中央のパネルは左パネルで示したゲルのセクションの拡大である。右パ ネルは、9つのHCVプローブの配列を示す(配列番号11〜19);これらのプローブ は、5'ビオチン部分を含むように合成された。 HCVの5つのサブタイプ;1a、1b、2b、2cおよび3aを、CFLP(登録商標)開裂 法およびサイクル配列決定の両方を使い分析した。CFLP(登録商標)反 応は、次のように各HCV単離物からの各5'-フルオレセイン標識アンプリコン について実施した。各CFLP(登録商標)反応は、ほぼ20fmoleのアンプリコン、10 μlの1X CFLP(登録商標)緩衝液(10mM MOPS pH7.5、0.05% Tween(登録商標)2 0および0.05% Nonidet(登録商標)P40非イオン界面活性剤)中の25単位のClea vase(登録商標)Iヌクレアーゼおよび0.2mM MnCl2を含んだ。反応物を酵素お よびMnCl2を除く全成分で構築し、95℃で15秒間加熱し、その後反応温度55℃ま で冷却した。酵素およびMnCl2を加えて開裂反応を開始し、2分間インキュベー トした。反応は、95%ホルムアミドの4μlと共に10mM EDTAおよび0.02%メチル バイオレットを加えて停止した。産物を85℃で2分間加熱し、アリコートを、45 mM Tris-Borate、pH8.3、1.4mM EDTAの緩衝液中で7M尿素を含む10%変性ポリア クリルアミドゲル(19:1架橋)による電気泳動により分離した。ゲルは、FMBIO- 100イメージアナライザー(Hitachi)を使って可視化した。 これらのHCVのサブタイプに対するCFLP(登録商標)パターンを図5に示す。HCV の異なるサブタイプは異なるCFLP(登録商標)パターンを与え、これらは異なる内 部二次構造を有することを意味する。プローブを、1a、1b、2cおよび3aHCVサブ タイプ間の構造差を検出するように設計した。捕捉プローブを図5の右パネルに 示す。これらのHCV捕捉プローブのそれぞれがHCV標的の配列沿いに結合可能な領 域を図6に示す。図6において、プローブ結合領域の位置は、太字を使い下線を 引き、配列上にプローブ名を記す。コンセンサスHCV配列(配列番号20)、およびH CVサブタイプ1a、1b、2cおよび3a(それぞれ、配列番号20〜23)を示す。 捕捉プローブ(配列番号11〜19)は、合成的にビオチンで5'末端に標識され、 ゲル電気泳動により精製される。HCV標的DNAは、5'-フルオレセイン標識プライ マーを使ったPCRにより、アンチセンス鎖の5'末端でフルオレセインにより標識 される。HCV標的DNAの増幅に用いられるプライマーは、5'プライマー:5'-Fl-CT CGCAAGCACCCTATCA(配列番号24)および3'プラーイマー:5'-GCAGAAAGCGTCTAGCC ATGG(配列番号25)であった。PCR反応物は、5ngのプラスミドDNA鋳型、1X PCR 緩衝液(Boehringer Mannheim)、 200mMの各dNTP、0.5mMの各プライマー(配列番号24および25)、5単位のTaq DNA ポリメラーゼ(Boehringer Mannheim)および水を含有し、最終容量を100μlと した。PCRサイクリング条件は、95℃で45秒、55℃で45秒および72℃で1分を、3 0サイクル実施し、その後、72℃で5分伸長し、4℃で反応完結した。得られた24 4bpPCR産物(1a、1b、2cおよび3a型それぞれに対する配列番号26〜29)を「高純 度PCR産物精製キット」(Boehringer Mannhelm)を使って精製し、製造者の指示に 従ってdH2O中に溶出した。捕捉アッセイの各サンプルについては、光吸収に基い て同量のDNAを使った。ストレプトアビジンでコートした96ウエルマイクロタイ タープレートでの構造プローブ分析を上記のとおり実施した。各アッセイは3重 に実施し、標準偏差は図7の各列の頂部に黒い太線部で示した。結果を図7に示 す。 各プローブと所与の標的との複合体について測定した蛍光強度の列グラフは、 各HCVサブタイプを明示する特徴的な「特性」を形成する。構造の影響は、プロ ーブ#40(配列番号16)に結合する標的からのシグナル強度を検証することによ り例示することができる。1bおよび3a標的は両方とも完全にプローブ#40に相補 的であり、3a標的はほとんど検出できないシグナルであり、1b型標的シグナルは 非常に強い。プローブ#251(配列番号12)は、HCVサブタイプ標的の4つ全てに 完全に相補的であるにも関らず、該プローブのHCV標的への結合は同様のシグナ ル変化を示す。 実施例4 オリゴヌクレオチドによる構造プローブ法に及ぼす温度の影響 最も伝統的なハイブリダイゼーション方法は、標的間に予測される識別を行う ための温度の制限枠が小さい(すなわちほぼ10℃未満)。様々なハイブリダイゼー ション温度下で、(上に記載した)4つのHCVサブタイプの構造プローブ分析を 実施して、DNAの二次構造およびプローブ/標的複合体の安定性にあたえる温度 の影響を試験した。3つの異なる温度;室温(ほぼ20〜25℃)、37℃および50℃を 使った。 HCVサブタイプ1a、1bおよび3aのプロフィールを図7に示す。HCVサブタイプ1b のプロフィールを図8Bに示す。HCVサブタイプ3aのプロフィールを図8Cに示す。2 5℃の温度範囲(ほぼ25〜50℃)におけるこれら3つのHCVについてのハイブリダ イゼーションプロフィールを図8A〜8Cに示す(各列の下の数字は、用いた捕捉プ ローブを示した:各試験温度によって目盛りが異なることに注意すること)。こ れら3つのHCVサブタイプに対するプロフィールは、試験した25℃の温度範囲に ついては本質的に同じである。しかし、使用温度が高いほど、プローブ-DNA標的 結合は不安定になり、したがって、全体の蛍光強度は低下した。これらの結果は 、構造プローブ法の識別能力が非常に安定しており、広範囲の温度について一貫 性を維持することを示す。 実施例5 HCV臨床単離物の構造プローブ分析 HCV臨床単離物の構造プローブ分析を、室温ハイブリダイゼーション温度で実 施して、HCV遺伝子型決定のための診断試験開発の実行可能性を検証した。臨床 サンプルから作製した12HCVアンプリコンを入手して(Molecular Pathology DePt .,Uniy.of Wisconsin Clics,Madison,WI)、構造プローブアッセイに用いた。こ れらの標的は、アンプリコール(Amplicor)HCV検出キット(Roche Molecular S ystems,Alamed,CA)を使って増幅した異なる患者サンプル由来のウイルスRNAのR T-PCR産物であった。これらの臨床アンプリコンに対して、実施例4に記載した プライマー対(配列番号24および25)を使いさらにPCR反応を実施して、アンチ センス鎖上に5'フルオレセイン標識を含んでなるdsPCR産物を作製した。PCR条件 は実施例4に記載したとおりであった。得られたHCV標的を構造プローブアッセ イに用いて、実施例1に記載したとおり実施した 得られたプロフィールを(実施例3および4ならびに図7に記載したHCVサブ タイプについて決定したプロフィールに基づいて)タイプ別に分類し、図9A〜9D に示した(タイプはシングルパスDNA配列決定により独立して決定し た)。得られたタイプを同定するに十分な部分配列は次のとおりである:#67(配 列番号30)、#69(配列番号31)、#72(配列番号32)、#73(配列番号33)、#74(配列番 号34)、#81(配列番号35)、#85(配列番号36)、#86(配列番号37)および#91(配列番 号38)。 HCV1a型の4つの異なるアンプリコンを図9A(#69、#72、#73および#85)に示 し、全てが図7に示す1a型と類似のプロフィールを有する。HCV3a型の3つの異 なるアンプリコンのプロフィールを図9B(#81、#91および#95)に示し、全て のプロフィールは互いに、および図7に示す3a型と類似している。HCV2c型(#67 )のアンプリコンとHCV2b型(#74)のアンプリコンのプロフィールを図9Dに示す 。HCV1bの2つのアンプリコンに対するプロフィールを図9D(#66および#86)に 示す。 アンプリコン#86のプロフィールは、1b型よりむしろ1a型のプロフィールによ り類似していた。CFLP(登録商標)分析に基いて、アンプリコン#86を1b型に分類 した。しかし、図9Cに示したプローブセットを使うと、構造ブローブアッセイで 得られるハイブリダイゼーションプロフィールは1a型のものにより類似してみえ た。配列解析の結果、このサンプルには余分の変異があり、それがプローブ#40 に対するハイブリダイゼーション応答を変え、より1a型に似たプロフィールを作 製することが示された。アンプリコン#86におけるTからCへの変異に基いて、 アンプリコン#86に完全に相補的な配列を有する追加の捕捉プローブを試験した( プローブ#53;配列番号19)。アンプリコン#86標的および捕捉プローブ#53を使う 構造プローブアッセイは、もっと典型的な1b型と煩似したプロフィールを作製し た。これらの結果は、構造プローブアッセイを使うことにより、アンプリコン# 86標的の構造に関する追加の情報を得たことを実証する。 これらのデータは、HCV単離物の未知の(すなわち、特性決定されていない) セットが、構造プローブアッセイの使用を通してHCVタイプにより、生じたプロ フィールを今までに特性決定された単離物のプロフィール(ずなわち、基準プロ フィール)と比較して、同定することができることを実証する。 以上から、本発明は、コンフオメーションもしくは断片の電気泳動分離、また は、煩雑な高価な可視化ゲルの方法(例えば、暗室設備、ブロッティング設備ま たは蛍光イメージャー)を必要とせずに、核酸の特徴的なコンフォメーションの 分析の方法を提供することは明らかである。本発明の新規の方法により、ヒト遺 伝子内の変異体(例えば、突然変異体(mutations))の迅速な同定、ならびに臨 床サンプル中の病原体の検出および同定が可能になる。 かくして、前の実施例はオリゴヌクレオチド結合が標的DNAの閉鎖構造の形成 により影響を受けることを実証する。これらの事例のそれぞれにおいて、標的核 酸と結合し捕捉するために使われるオリゴヌクレオチドは、標的の単一領域に実 質的に相補的であるように設計される。次の2つの実施例は、標的DNAの複数の 非連続領域と相互作用するように設計されたオリゴヌクレオチドの使用を実証す る。本発明の方法のある実施様態では、オリゴヌクレオチド(すなわち、架橋オ リゴヌクレオチド)は、標的鎖の折りたたみ構造の形成によって非常に近接した 領域と相互作用するように設計される。接続セグメントの片側に相補的な短いセ クションを使うことにより、架橋オリゴヌクレオチドが相補的なセクションの両 方の結合に依存し、そして介在する折りたたみ構造の変化もしくは不在が架橋オ リゴヌクレオチドと標的DNAの間の親和性に有意な変化を引き起こすことを意図 している。 実施例6 相補領域の大きさは同じ相補領域を含むが、折りたたみ構造の異なる標的間を 識別する架橋オリゴヌクレオチドの能力に影響を及ぼす 本実施例では、架橋オリゴヌクレオチドの各末端において相補性を持つ長さの 、試験分子#80、81および82(配列番号39-41)間を識別する架橋オリゴヌクレオ チドの能力に対する影響を調べた。前記のように、これらのオリゴヌクレオチド は、本実施例の架橋オリゴヌクレオチドがハイブリダイズし得る同一の相補領域 を有している。本試験に使用された架橋オリゴヌクレオチドは図11Aの下半分に 示され、それらが試験分子#80(配列番号39)とハイブリダイズするであろう方 向に並んでいる。#78、#4および#79(配列番号42、43、44)としで示される3 つの架橋オリゴヌクレオチドが使用され、これらはそれぞれ標的#80(配列番号3 9)において形成されたヘアピンの各末端に相補的な6、7または8個のヌクレ オチドを有していた。標的相補的な2領域は、各オリゴヌクレオチドにおいて1 対のチミジンヌクレオチドにより分断され、三足接合にさらなる柔軟性を与える (Zhongら,Blochem,32:6898[1993];およびYangら,Biochem.,35:7959[1996]) 。ビオチニル化されたオリゴヌクレオチドはすべて、合成後、標準的なオリゴヌ クレオチド精製法を用いてゲル精製した。 これらのハイブリダイゼーション解析では、捕捉プローブを溶液中で標的DN Aと結合させ、次いで前記実施例に記載されたように固相支持体に固定化した。 これら各試験に関しては(前記の3つの架橋オリゴヌクレオチドの各々を3種の 試験分子の各々に対して試験した)、150mlの4.5X SSPE中に図10(配列番号39-4 1)に示されたような20fmolのフルオレセイン標識試験分子、1.5pmolのビオチニ ル化捕捉プローブ78、4または79(配列番号42-44)のうちの1つ、10mg/ml tRN Aおよび0.2%アセチル化BSAを含有する150μlのハイブリダイゼーション混合物 を構成した。この混合物を室温で30分間インキュベートした。 次いで混合物のアリコート(100μl)をストレプトアビジンで被覆した96ウエル プレート(Boehringer Mannheim)中のウエルに移し、室温で20分間インキュベー トした。次いでこのプレートを0.01%Tween(登録商標)-20非イオン性洗剤を含 むTBS(25mM Tris-Cl、0.15M NaCl、pH7.2)で3回洗浄した。その後、各ウェ ルに(0.2%Iブロックバッファー(Tropix,Bedford,MA)中、アルカリ性ホスフ ァターゼと結合させた0.75U/mlの抗フルオレセイン抗体の1:5000希釈液100μlを 加えた。室温にて20分後、このプレートを0.01%Tween(登録商標)-20を含むTBS で3回洗浄した。次いで各ウェルに100μlのAttophos蛍光基質(JBL,San Louis O bisbo,CA)を加え、プレートを37℃で1時間インキュベートした後、Perkin-Elm er Cytofluor-4000セットを用いて450/50nmにおける励起まで、また580/50nmで 放射を検出するまで蛍光の読み取りを行った。各アッセイは2回行い、標準偏差 は図12の右のパネルの各欄の上に黒い棒線で示されている。この図では、蛍光強 度は任意の蛍光単位で示されている。 図12に示された結果は、DNA標的のヘアピンの各末端に8塩基対を有する架橋 オリゴヌクレオチド#79(配列番号44)が、7個の塩基対を有するオリゴヌクレ オチド(#4;配列番号43)よりも標的DNAに対しよりよい結合活性を与え、 それは6個の塩基対しか持たないオリゴヌクレオチド(#78;配列番号42)より も良好であることを示している。さらに、より短いフランキング配列を有するオ リゴヌクレオチドは、種々の試験分子に対する結合に有意な違いを示さず、この ことはこれらの試験条件下では構造の存在または不在がそれらの結合に重要でな いことを示している。これに対し、8塩基対のフランクを有するオリゴヌクレオ チドは、非構造#82(配列番号41)分子と比較した場合、折りたたみ分子#80(配 列番号39)および#81(配列番号40)に対して6ないし7倍高い親和性を持って いた。このことは架橋オリゴヌクレオチドがこれまでの報告(Francoisら,Nucl .Acid.Res.22:3943[1994])に比べ、標的分子の折りたたみ構造の違いを評価 するのに好適であることを実証するものである。 本実験系においては8塩基対のフランクというのが明らかに好ましい大きさで あるが、任意のある架橋オリゴヌクレオチド系に必要とされる塩基対の絶対数は 、前記の考察のように、ハイブリダイゼーション部位のGC含量、その下で反応が 行われる温度および溶液条件、ならびに架橋される構造の性質などの相互作用の 安定性に作用するその他の因子に影響し得る。このように、いくつかの系では架 橋オリゴヌクレオチドはアッセイ系に適するいずれかの適当な長さを含んでなる ものと考えられる。 実施例7 架橋オリゴヌクレオチド 本実施例では、架橋オリゴヌクレオチドがいかにして図11Bに示されるような 標的ヘアピン構造と結合するかを確認するために2つのスキームを検討した。本 発明を実施し、使用するためにはメカニズムの理解は必ずしも必要ではないし、 また本発明をいずれの特定のメカニズムに限定しようとするものでもないが、1 つの可能性として図の上半分に示されるように、ある架橋オリゴヌクレオチド分 子があるDNA標的分子と結合するということがある。第2の可能性としては、2 以上の架橋オリゴヌクレオチド分子が1つのDNA標的分子に結合しで、単一の架 橋オリゴヌクレオチドにより上手く構造中にかかっているというよりも、結合ま たは検出を助長する複合体にビオチン部分が2つ存在することに起因する明白な シグナルの増強が挙げられる。 これら2つの可能性を区別するために、図11Bに示されるようにさらに2つの オリゴヌクレオチドを合成した(オリゴヌクレオチド#114および#115[それぞれ配 列番号45および46])。オリゴヌクレオチド#114(配列番号45)は、2つの突然変 異が標的DNAのヘアピンの右末端とはハイブリダイズできないように導入されて いる以外は、#79(配列番号44)とほとんど同一である。同様に、オリゴヌクレ オチド#115(配列番号46)は、2塩基の突然変異を有する#79(配列番号44)の 変異型であり、従って標的DNAのヘアピンであれば左末端にはハイブリダイズで きない。オリゴヌクレオチド#79(配列番号44)の折りたたみ分子と結合する能 力が本当にこの構造を架橋する単一のオリゴヌクレオチドに依存するならば、「 擬」架橋オリゴヌクレオチド#114および#115(それぞれ配列番号45および46)の いずれでもこのようなには行えないはずである。しかしながら、結合の増強が実 際に、図11Bの下半分で#114および#115(それぞれ配列番号45および46)に関し て示されたように配列されていると考えられる2コピーの#79(配列番号44)の 存在によるものであるならば、ともに使用される#114および#115(それぞれ配列 番号45および46)は同様の結果をもたらすはずである。 架橋機能の試験に加え、各架橋オリゴヌクレオチドの中央のスペーシングチミ ジンの必要性を評価した。中央の2つのTを欠く以外はオリゴヌクレオチド#79 と同じ相補的フランキング配列を有するオリゴヌクレオチドを作出した。このオ リゴヌクレオチド(#116[配列番号47])は図11Aの下半分に示されている。さら に、#79(配列番号44)の結合半分の間に物理的架橋を有する必要性を試験する ため、図11Aに示されたように各々の試験分の一方の末端と、#117(配列番号48 )の右末端と、また#118(配列番号49)の左末端と相補性を有し、かつ、各々2 つのスペーサーT残基の1つを有する半分子を作出した。最後に、いずれの架橋 活性も持たずに結合するに十分な相補性を有するそれぞれ2つの隣接する10量体 オリゴヌクレオチドを作出した。これらのうち一方はすべでの場合で構造化され ていない左フランク(#FD91;配列番号50)と相補的であったが、他方は折りた たみ試験分子(#2;配列番号51)の構造に関与する配列と相補的であった。これ らは図11Aの上半分に示されている。 ハイブリダイゼーション解析は、15fmoleのフルオレセインで標識した試験分 子を使用し、架橋オリゴヌクレオチドの量は、#114と#115(それぞれ配列番号45 および46)を併用する場合には全量1.5pmoleを維持した以外は、実施例6に示し たようにして行った。結果は図13Aおよび13Bに示されている。 結果から遡ると、10量体対照オリゴヌクレオチドは期待された結合プロフィー ルを示した。すなわち、構造化されていない領域、#FD91(配列番号50)と相補 的なオリゴヌクレオチドは試験分子の各々とほぼ同等の親和性で結合したが、分 子#80および#81(それぞれ配列番号39および40)中で構造をなす部分と相補的な オリゴヌクレオチドは構造化されてない試験分子#82(配列番号41)としか十分 には結合しなかった。このことはさらに、本発明の方法の実施形態においては構 造だけが捕捉プローブの結合における重要な決定因子であるこどを示している。 いずれのスペーサー残基も含まないオリゴヌクレオチド、#116(配列番号47) を試験分子と結合する能力に関して試験した場合、このオリゴヌクレオチドは折 りたたみ分子と非折りたたみ分子の間を識別できないことがわかった(図13Aを参 照)。このことは、ハイブリダイゼーション架橋構造が、相補的なセグメント間 のいくつかのスペーシング材料の存在により大幅に増強されることを実証するも のである。 最後に、擬架橋オリゴヌクレオチドを個別に、また組み合わせて試験した場合 の結果が図13Bに示されている。これらのデータにより、オリゴヌクレオチド#11 4および#115(それぞれ配列番号45および46)が単独または併用のいずれかで真 の架橋、#79(配列番号44)の結合プロフィールを複製するこどができないこと がわかる。構造化されていない試験分子#82(配列番号41)との結合の増強は、 おそらくは両オリゴヌクレオチドとの結合に対するこの分子の接近のしやすさに 起因するものであろう。#114、115および分子#82(それぞれ配列番号45、46およ び41)を組み合わせた場合に見られる約650蛍光単位の蛍光シグナルは、#79(配 列番号44)を#82(配列番号41)と組み合わせた場合に見られるシグナルとほぼ 同じであることを注記する。このことは、2コピーの#79(配列番号44)が#82( 配列番号41)でのシグナル生成に関与する可能性があるという考えを支持するも のである。 本発明が、立体配座もしくは断片の電気泳動による分離、またはゲルを視覚化 する精巧で費用のかかる方法(例えば、暗室の準備、ブロッティング装置または 蛍光画像装置)を必要とせずに、特徴的な核酸の立体配座の解析方法を提供する ものであることは前記から明らかである。本発明の新規方法により、ヒト遺伝子 内の変異(例えば突然変異)の迅速な同定、ならびに臨床サンプルにおける病原 体の検出および同定が可能となる。 前記の実施例は、隣接していない相補配列とのハイブリダイゼーションによる 捕捉特異的標的分子のための架橋オリゴヌクレオチドの使用を実証した。しかし ながら、架橋オリゴヌクレオチドの使用はハイブリッド捕捉に限定されるもので はない。折りたたみ標的分子とハイブリダイズする架橋オリゴヌクレオチドは、 酵素がそれらの補体であるとわかっているプローブを修飾する用途をはじめ、ほ とんどいずれもの用途において標準的なオリゴヌクレオチドの代わりとして使用 できる。かかる酵素的修飾としては、限定されるものではないが、プライマー伸 長、連結反応および構造特異的核酸開裂が挙げられる。これら基本酵素反応にお ける架橋オリゴヌクレオチドの性能は、限定されるものではないが、サイクルシ ークエンシング、ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応、サイクリングプロ ーブ反応およびInvader(商標)侵入開裂反応をはじめとする、これらの反応の 反復実行に基づくアッセイにおいてそれらの有用性の指標となることは、当業者 ならば容易に理解するであろう。以下の実施例は、基本酵素反応系の各々におけ る架橋オリゴヌクレオチドの使用を実証するものである。 実施例8 C型肝炎ウイルス由来アンプリコンの折りたたみ構造の解析 および架橋オリゴヌクレオチドの設計 プローブとの結合のための候補構造を同定する方法は、i)すべての修飾または 開裂部位を正確に位置決定し:ii)最も有望な構造セットを推定し、修飾手段の 特異性と適合するものを選択し;次いでiii)最も有望な構造にわたるようプロー ブを設計および試験することを含む。所望であれば、工程ii)で推定された情報 は、PCRウォーキングなどの欠失解析、または相互作用により影響を受けた塩基 対の一方の末端の選択的抑制または除去を可能とするのと同等のいずれかの方 法により確認することができる。 ここではIa型HCVに由来する244個のヌクレオチドのアンプリコンに関して、こ の段階的アプローチが示されている。4種のHCVアンプリコンのすべてにおける 開裂部位の同定は実施例3に記載されている。図15はHCV遺伝子型1a、1b、2a/c および3aの5'UTR領域の配列を示し、開裂部位がマークしてある。2aおよび2a/c という表示は一貫して相互交換的に使用され、同じHCVウイルス種を指し、その アンプリコンは配列番号22である。 次いで1a型配列を、Genetics Computer Group(Madison,WI)を通じてか、ま 入手できるmfoldバージョン2.3プログラムを用いて折りたたみ推定した。折りた たみは、選択された37℃の折りたたみ温度でDNAまたはRNAパラメーターのいずれ かを用いてなした。出力は最適構造(最低自由エネルギー)および算出された自 由エネルギーが20%以下しか増強されていない(20%半最適条件(suboptimality of 20%)と呼ばれる)構造のいずれもを含むように設定した。他のすべてのプ ログラムパラメーターには欠如値(default values)を使用した。RNA/パラメー ターを用いる折りたたみでは32の可能性ある構造が作成されたが、DNAパラメー ターでは18の構造が得られた。RNAパラメーターを用いて推定された2つの構造 は、CFLP(登録商標)解析から得られた開裂データと最高の一致を示した。これ らの構造、32のうち1番目と30番目が図16Aおよび16Bに示されている。 前記の解析により推定された構造は、推定される下流の対合相手を欠失させた 断片に対するCFLP(登録商標)解析の使用により確認できる(Browら,前掲)。こ のアプローチはPCRウォーキングと呼ばれ、ここではHCV 1a型244個のヌクレオチ ドのアンプリコンの161位におけるCFLP(登録商標)開裂にあずかる対合相手の 確認によって示されている。Mfoldプログラムでは161位のGが205位のCと対合し た構造が推定された(図17A、左の配座異性体)。このことを確認するために2つ の欠失アンプリコンを作製した。各アンプリコンは205個のヌクレオチド長であ った。一方は3'末端にC205を含んでいたが、他方は205位のTが置換され塩基対が 分断されていた。PCRは、下流プライマー67および68が全 長アンプリコンを増幅するために使用される配列番号25に置き換えられいる以外 は、実施例3に記載されたように行った。得られたDNAは、精製し、CFLP(登録 商標)解析に付し、実施例3に記載されたように解像および視覚化した。得られ た画像は図17Bに示されている。欠失断片の残基205の同定は上の各レーンに示さ れ、実施例3のシークエンシングラダーとの比較によって決定された選択開裂バ ンドの大きさは右に示されている。 この解析の目的である161個のヌクレオチドのバンドに注目すると、天然の205 Cを維持した161開裂を有するが、205T断片においてはこの塩基対の分断はそのバ ンドの欠損を引き起こすことがわかり、かくしてこのことは161/205相互作用の 存在を支持するものである。205個のヌクレオチドの塩基は161Gと直接相互作用 せず、CからTへの変異は二次的な結果として161含有構造を変化させる他の場所 に立体配座的変異を引き起こした可能性があることに注目すべきである。そうで ある可能性は低いが、この可能性はデータを解析する際、特に予期されない結果 が生じた場合、常に意識に留めておくべきである。驚くべきことではないが、欠 失および突然変異もそのパターンの他の場所でパターン変異を起こし、このこと はいかに小さな変異であってもCFLP(登録商標)により検出する必要があること を示している。 CFLP(登録商標)に、mfoldおよびPCRウォーキングのデータの組み合わせに基 づくと、この領域に関する3つの最も有望な立体配座が選択され、3つの架橋オ リゴヌクレオチドがこの構造をわたるよう設計された。これらは図17Cに模式的 に示されている。「b」(配列番号53)および「n」(配列番号65)変異体は特に 小さな中心幹に関する差異を有する同じ立体配座を呼び出す。mfoldにより推定 すると、この構造の存在は、244量体に関してCFLPRパターンによっては推定され ない(図17A、右のレーン)。 結論として、構造(「n」;配列番号65)にわたるか、またはより大きな幹の上流 の8個の隣接する塩基に相補的である(「b」:配列番号53)かのいずれかの架橋 プローブが設計された。「m」(配列番号64)架橋プローブは他の立体配座異性体 の単一の幹の塩基にわたるよう設計された。これらプローブの各々が実施例6に 記載のようにHCV 1aアンプリコンに対する結合に関して試験された。「m」(配 列番号64)および「n」(配列番号65)プローブは有意な量の標的を捕捉することは できないが、「b」(配列番号53)プローブは以下の実施例に記載されるように効 果的であることがわかった。 「b」オリゴヌクレオチド(配列番号53)をモデルとして用い、いくつかの変 異型架橋を設計し、プローブ中の種々の介在配列の作用といずれかの接触配列中 の誤対合包摂における作用を比較した。これらの架橋プローブは模式的に示され 、それらがHCV 1aとともに整列させた場合の推定構造は図18Aに示されている。 「k」プローブ(配列番号56)の中心における接続ラインは、2つの部分がいず れの介在配列も用いずに直接連結していることを示す。介在領域のための修飾に は、接触配列を連結する際の代替のヌクレオチドの使用およびさらなる介在配列 の省略が含まれる。2つの接触配列のいずれかの中間には誤対合が含まれ、両結 合が捕捉に必要かどうかが評価される。 244bpの標的DNAをPCRにより作出し、実施例3に記載のように単離した(それぞ れ1a、1b、2cおよび3a型に対して配列番号26ないし29)。これらの捕捉プローブ それらの5'末端でフルオレセインで左右対称に標識し、ゲル電気泳動により精製 した。標的DNAはそのアンチセンス鎖の5'末端においてビオチンで標識した。こ れらのプローブの各々を、実施例6に記載したように、(図18Aないし18Dに模式 的に示したような)HCVアンプリコンに対する結合に関して試験した。各アッセ イは2回行い、標準偏差は図19の各欄の上に黒い棒線で表した。蛍光強度は任意 の蛍光単位で示し、各チャートの欄の左側に示されている。各捕捉反応に含まれ るプローブは各グラフ欄の下に示されている。模式図では示されていないが対照 プローブ(49-3:5'-FI-GCGAAAGGCCTTGTGG;配列番号66)はすべてのHCV変異体 とハイブリダイズし、各反応におけるDNAの有無と量を変えるために各標的とと もに使用した。各パネルの一番右の欄は対照反応に由来するシグナルを示してい る。 これらのデータは、機能的架橋オリゴヌクレオチドはほとんどの試験において より高いシグナルが示される余分のヌクレオチドを有するものであるが、種々の 介在配列を用いて設計してもよいし、または介在配列を全く用いずに設計しても よいことを示している(「k」;配列番号56)。いずれかの末端に誤対合が含まれ る場合に見られる低いシグナルは、両接触配列が結合にあずかることを立証する ものである。驚くべきことに、2a/c型の試験において、オリゴヌクレオチド「i 」(配列番号54)に由来するシグナルは「b」(配列番号53)よりも大きいことがわ かる。図18Cにおけるこの接合点を調べたところ、この種は1a型に対してCからT への変異を有し、Tは「i」プローブ(配列番号54、の介在配列のA残基の1つと 相互作用し、それにより相互作用が増強されることが示された。ここで、また後 の実施例では、この架橋設計は3aアンプリコンとは十分には相互作用しないこと がわかり、このことはこれがこの特定の変異体に対する好ましい立体配座ではな いであろうことを示唆するものである。しかしながらやはり、これらのデータは 好適な架橋プローブを設計する際に使用者に利用可能な柔軟性を実証している。 実施例9 架橋オリゴヌクレオチドのプライマー伸長 C型肝炎ウイルスゲノムのセグメントの244bpのDNAコピーの折りたたみは前記に 示されている。標的内の折りたたみ構造の存在が鋳型に依存するDNAポリメラー ゼによるプローブの伸長を妨げないということを示すため、推定された構造にわ たってハイブリダイズするよう設計された架橋オリゴヌクレオチドをプライマー 伸長反応に用いた。244bpの標的DNAはPCRにより作出し、実施例8に記載したよ うに単離した。架橋プライマー(a、b、c、dおよびe、それぞれ配列番号52、53 、57、58および59)は、HCV 1a型アンプリコンの折りたたみ構造とハイブリダイ ズすると予測される場合として図20Aに示されている。「a](配列番号52)として 示されるオリゴヌクレオチドは、いくつかの条件では架橋として働き得ることが 示唆されるある程度の相補性を有している可能性があるが、非折りたたみ標的と 十分にハイブリダイズするものと考えられる非架橋プライマーとして設計された 。これは図20Bに模式的に示されている。 各プライマー伸長反応には、Mg++を含有する10μlの1X PCRバッファー(Boehri nger Mannheim)中に50fmo1eの244bp標的DNAかまたは10ngのヒトゲノムDNA(Novag en #69237-1,Madison,WI)のいずれか、1pmoleのフルオレセインで標識した架 橋オリゴヌクレオチド、5単位のKlenTaqポリメラーゼ(Abペプチ ド)および各dNTP0.1mMが含まれていた。すべての成分で構成した反応混合物を 2分間95℃に加熱し、次いで1時間40℃まで冷却した。反応は10mM EDTAおよび0 .02%メチルバイオレットを含む5μlの95%ホルムアミドを添加することにより終 了させた。次いでサンプルを95℃で1時間加熱し、アリコートを45mM Tris-ホウ 酸塩、pH8.3、1.4mM EDTAバッファー中の7M尿素を含む10%変性ポリアクリルアミ ド(19:1架橋)による電気泳動によって分離した。ゲルはM.D.Scanner(Molecular Dynamics,Sunnyvale,CA)を用いて視覚化した。得られた画像は図21のパネルに 示されている。 各反応に用いられる標的DNAおよび架橋プライマー/プローブが示されている 。プライマー伸長の産物は170bpのバンドとしてパネルの左の矢印により示され ている。これらのデータから「b」架橋オリゴヌクレオチド(配列番号53)は、 あらゆるウイルス種由来の折りたたみHCV標的に対する合成をプライミングして 特に非架橋「a」プライマー(配列番号52)と同レベルのシグナルを生成できる ことがわかる。HCV標的の代わりにヒトゲノムDNAを用いた第1のレーン(最も左 )の実験は、特異性の低いまたは非特異的なプライミングを示し、これはHCV折 りたたみ配列のプライマーの特異性を実証するものである。単一の塩基の誤対合 が架橋のいずれかの末端に導入されると(「c」および「d」プライマー;それぞれ 配列番号57および58)、シグナルは劇的に低下する。架橋プライマーの3'部分だ けが提供された場合(「e」;配列番号59)には、伸長はまたほとんど存在しなく なる。これらのデータは、a)プライマー伸長にはこれらの架橋オリゴヌクレオチ ドの両相補部分が必要とされ、このことはそのオリゴヌクレオチドが真の架橋で あることを実証するものであること:さらにb)単一領域において相補性のある8 個を越えない隣接するヌクレオチドを有する架橋オリゴヌクレオチドを用いて、 その折りたたみ構造の使用によりHCVウイルス配列を特異的に認識させることが できることを実証するものである。 前記の非架橋オリゴヌクレオチド(すなわち標的鎖の隣接する相補塩基の領域 とハイブリダイズするオリゴヌクレオチド)の性能は、酵素活性に対する折りた たみ標的構造の作用を評価するための架橋オリゴヌクレオチドの性能と比較した 。しかしながら、折りたたみ構造は高温で変性して、非架橋オリゴヌクレオチド に 比べて架橋オリゴヌクレオチドの架橋効率が低下する可能性がある。この作用を 実証するため、図22で示されたような構造の存在を低くするよう選択された温度 の範囲でプライマー伸長実験を行った。 この試験に関しては、架橋、非架橋および半プライマー(「a」、「b」および「e」 ;配列番号52、53および59)だけを試験した。各プライマーの伸長反応には、M g++を含有する10mの1X PCRバツファー(Boehringer Mallnheim)中に150fmoleの24 4bp標的DNA、1pmoleのフルオレセインで標識した架橋オリゴヌクレオチド、5単 位のKlenTaqポリメラーゼ(Abペプチド)および各dNTP0.1mMが含まれていた。す べての成分とともに反応混合物を95℃にて2分間加熱し、次いで1時間種々の伸 長温度まで冷却した。反応は40℃、45℃、50℃、55℃および60℃で行った。この 反応は10mM EDTAおよび0.02%メチルバイオレットを含む95%ホルムアミド5mlの添 加により終了させた。生成物を90℃にて1分間加熱し、そのアリコートを45MmTr is-ホウ酸塩、pH8.3、1.4mM EDTAバッファー中で、7M尿素を含む10%変性ポリア クリルアミドゲル(19:1架橋)による電気泳動により分離した。ゲルはM.D.Scan ner(Molecular Dynamics,Sunnyvale,CA)を用いて視党化した。得られた画像は 図23のパネルに示されている。各反応に用いた温度(℃)およびプライマーは前 記各レーンの上に示されている。 伸長した生成物は170bpのバンドとしてパネルの左側の矢印で示されている。 このデータから非架橋オリゴヌクレオチド(「a」;配列番号52)は各々の試験温 度で合成をプライミング可能であることがわかる。しかしながら、架橋オリゴヌ クレオチド(「b」;配列番号53)は反応の温度を挙げると、その合成をプライミ ングする能力を失う。このことはさらに、架橋オリゴヌクレオチドは標的鎖に折 りたたみの存在を必要とすることを実証するものである。このことはまた、架橋 オリゴヌクレオチド結合を助けるためか、または前記実施例に記載したような構 造に基づく配列の識別を可能にするためかのいずれかの標的折りたたみ構造の使 用が、非架橋用途のために使用されるより低い温度でなされることが好ましいこ とを示している。所与の構造を維持するのに必要な正確な温度は、所与の構造の 大きさおよび安定性によって大幅に異なるが、本明細書に示されたような単純な 温度滴定が最適な反応条件を確認するのに役に立つであろう。 当業者ならば、架橋オリゴヌクレオチドの標的依存伸長は、最小適合をもつ標 準法を用いる標的配列増幅に関するポリメラーゼ連鎖反応法に適合させることが できることを理解するであろう。PCRにおいては、プライマーのいずれかまたは 双方を選択して、非隣接配列の特異的認識により最初の標的認識を行えばよい。 両プライマーがこのようにして形成されている反応の模式的表示は図34に示され ている。これは各工程ですべての生成物が示されるわけではないPCRダイアグラ ムの簡略化された形式であり、示された生成物は1対の架橋オリゴヌクレオチド が設計される方式を実証するために選択される。記載されたこの例は本発明の適 用のメカニズムにおける実例を意図したものであって、限定するものではない。 34aに示されるように、第1鎖は前記のような折りたたみ標的鎖からコピーされ ると考えられる。架橋オリゴヌクレオチドは(鎖伸長が起こる温度に比べて)低 温で標的とアニーリングすると考えられる。反応温度を選択された伸長温度に向 かって上昇させると(図34b)、折りたたみ構造は中断されるが、ここで部分的に 伸長したプライマーはその長さが長くなるため解離しないであろう。このことに よりポリメラーゼはプライマーを十分に伸長させて二本鎖を形成ずることが可能 となる(図34c)。次のPCRサイクルでは、加熱により鎖を変性させ、次いで反応を 再び適当なアニーリング温度まで冷却した後、新たに合成された鎖は第2の架橋 プライマーの結合部位として機能することができる明白な折りたたみ構造をとる と考えられる(図34d)。第2プライマーが十分に伸長すると、完全に相補的な配 列を有する元の架橋オリゴヌクレオチドの代わりとなろう。続くPCRサイクルに おいては、前者の架橋オリゴヌクレオチドはここでは標準の十分相補的なオリゴ ヌクレオチドとして機能し、元の結合部位の3'末端間の標的領域が増幅される。 架橋オリゴヌクレオチドにより付加されて生じたフランキング配列は架橋配列に 独自なものであると考えられる。 PCRにおいて架橋プライマーを用いるための条件の選択は、誤対合した、また は変性したオリゴヌクレオチドを使用するために計画された反応とは違いはない (Compton,in PCR Protocols,Innisら,(編),[1990],39頁)。PCRの最初の数 サイクルでは、架橋の接触形成を許容するであろうアニーリング温度を使用する ことが望ましいと考えられる。この反応温度は直接的測定をはじめとする(例 えば温度制御分光光度計における)当技術分野で公知のいくつかの方法により、 または前記の多くの実施例に記載されたプレート捕捉によるなど、本明細書で提 供された方法の使用により、または本実施例に記載されたような温度滴定により 、いずれの架橋オリゴヌクレオチドに関しても経験的に決定することができた。 最大特異性のための主なオリゴヌクレオチド設計もまた当技術分野で公知の標準 的な実施と同様である。例えば、PCRオリゴヌクレオチドの最大特異性のために は、オリゴヌクレオチドの5'末端がより高い局部的安定性を有し、かつ3'末端が より低い局部的安定性を有するよう安定性を歪めて実施されることが多い。次い で条件(例えば、十分に高いアニーリング温度)を、5'末端も結合しなければ3' 末端配列が上手く結合しないように選択する。これにより非標的部位における3' 末端残基の意図されないハイブリダイゼーションによって起こった誤ったプライ ミングが防げる。 架橋オリゴヌタレオチドは同様の歪みで設計できる。さらに、架橋オリゴヌク レオチドを3'末端の安定性が低くなるよう(例えば、A/T塩基対または短い接触 配列に使用による)選択して、他の接触配列が上手く結合せずに、その標的部位 が認識されることがなく、それによってPCRアッセイにおける架橋オリゴヌクレ オチドの識別力を高めるられることが考えられる。 実施例10 フランキングオリゴヌクレオチドと組み合わせた 架橋オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション解析 標準的なプローブを用いるいくつかの反応は、極めて近接した2以上のオリゴ ヌクレオチドのハイブリダイゼーションを必要とする。例えば、オリゴヌクレオ チドプローブを連結するための連結反応には、標的または鋳型鎖に隣接して(す なわちギャップなしに)少なくとも2つのプローブがハイブリダイズする必要が ある。Invader(商標)反応にはオリゴヌクレオチドが隣接して、または1以上 のヌクレオチドがオーバーラップしてハイブリダイズする必要がある。これらの 両シナリオにおいて、相補鎖上で隣接部位が結合することは、得られる個々の二 重らせん領域が同軸上にらせんが積み重なることにより協同して安定化されるこ とを意味する。言い換えれば、各二重らせんはより安定であり、すなわち単独よ りも他方が存在している方がより高い見かけの融点を持つであろう。折りたたみ 標的構造の安定性に基づいた遺伝子型のハイブリダイゼーションに基づく識別で は、架橋プローブの増強された結合安定性により、プローブの設計における欠失 を補償する変異を識別する能力が低下する可能性がある。 隣接するオリゴヌクレオチドの作用を調べるため、連結反応アッセイ用に設計 された架橋オリゴヌタレオチドおよび隣接オリゴヌクレオチドに対してハイブリ ダイゼーション捕捉試験を用いた。これらのオリゴヌクレオチドは酵素アッセイ に使用される場合には、単独か、または対としてかのいずれかで試験した。これ らの試験のために、捕捉プローブ(配列番号52、53、60および66)をそれらの5' 末端でフルオレセインを用いて合成的に標識し、ゲル電気泳動により精製した。 これらのプローブは図24に模式的に示されているものの中でロウアーケース(low er case)の文字により識別される。HCV標的DNAを実施例3に記載したようにPCR により増幅したが、アンチセンス鎖の5'末端はフルオレセインの代わりにビオチ ンで標識した。HCV標的DNAの増幅に使用したプライマーは5'プライマー:5'-B-C TCGCAAGCACCCTATCA(配列番号24)と3'プライマー:5'-GCAGAAAGCGTCTAGCCATGG (配列番号25)であった。PCR反応は実施例3に記載したように行い、得られた2 44bpのPCR産物(それぞれ1a、1b、2cおよび3a型に対する配列番号20ないし23) は「高純度PCR産物精製キット(High Pure PCR Purlfication Kit)」(Boehringer Mannheim)を用いて精製し、製造業者の指示に従ってdH2Oで溶出した。捕捉アッ セイにおける各サンプルについては同量のDNAを用いた。 ハイブリダイゼーション解析は前記実施例に記載のものと同様であった。各試 験について、0.2%アセチル化BSA、4.5X SSPE溶液100μl中に20fmoleの熱変性さ せた244bpのHCVPCR産物、各1pmoleのフルオレセイン標識架橋オリゴヌクレオチ ドおよび図24に示された連結オリゴヌクレオチドプローブ(「b」、「a」および「f」 、それぞれ配列番号53、52および62)ならびに0.01mg/ml tRNAを含有するハイ ブリダイゼーション混合物を作製した。この混合物を室温で30分間インキュベー ションした後、混合物をストレプトアビジンを被覆した96穴プレ ート(Boehringer Mannheim)のウェル中に移し、室温で30分間インキュベートし た。次いでこのプレートを0.01%Tween(登録商標)-20非イオン性洗剤とともに0 .2%I-ブロック(Tropix,Bedford,MA)を含有する1X PBSで3回洗浄した。0.2%I- ブロックバッファー中のアルカリホスファターゼと結合した抗フルオレセイン抗 体0.75u/mlの1:5000希釈液を各ウエルに添加した。室温で20分後、プレートをTB S(25mM Tris-Cl,0.15M NaCl,pH7.2)で3回洗浄した。100μlのAttophos(登録 商標)蛍光基質(JBL)を各ウエルに添加し、プレートを室温で1時間インキュベ ートした後、Perkin-Elmer Cytofluor-400セットを用いて、450/50nmにおいて励 起させ、また580/50nmにおいて放射を検出するために蛍光の読み取りを行った。 各アッセイは2回行い、標準偏差は図25の各欄の上に黒い棒線で示されている。 この図では蛍光強度は任意の蛍光単位で示ざれ、各チャートパネルの左側に示さ れている。各捕捉反応に含まれるプローブは各グラフ欄の下に示されている。模 式図では示されていないが、すべてのHCV変異体とハイブリダイズする対照プロ ーブ(「49-3」;5'-FI-GCGAAAGGCCTTGTGG;配列番号66)を、各反応におけるDNA の有無と量を変えるために各標的とともに使用した。各パネルの一番左の欄は対 照反応に由来するシグナルを示している。 さらに、HCVの捕捉に関して架橋および非架橋オリゴヌクレオチドの比較を行 った。「a」(非架橋)および「b」プローブ(それぞれ配列番号52および53)に由 来するシグナルを比較することにより、標的に連続して相補的なわずか8個のヌ クレオチドを有する架橋オリゴヌクレオチドが、完全に相補的なオリゴヌクレオ チドである18個のヌクレオチドとほぼ同等の親和性で標的と結合することがわか り、このことは架橋設計の効力を実証するものである。オリゴヌクレオチドの各 々は1a型HCVと最も強く結合し、1bおよび2a/c型に対してはわずかに効率が低く 、3a型とはあまり強くは結合しない。この示差的な結合が対照オリゴヌクレオチ ド見られ、特に3a型で明白に見られる変化率から外れるその程度は、さらに標的 核酸の折りたたみに基づく型を識別するこれらのプローブの能力を示した。 架橋結合シグナルに対する隣接オリゴヌクレオチドの作用。Invader(商標) 開裂アッセイで使用され、図29中で示されるプローブであるプローブ「g」(配 列番号60)は、「f」プローブ(配列番号62)と同じ標的相補的配列を有するだけ でなくそれを捕捉プローブとして働かせるための5フルオレセイン標識も有する ので含まれ、一方「f」は連結を意図したものなので含まれない。「g」プローブ (配列番号60)はまた、「f」(配列番号62)には含まれない4個のT残基の短い5' テイル(tail)を含んでなる。組成中で同一ではないが、「g」(配列番号60)に由 来する捕捉シグナルは、HCV標的と「f」(配列番号62)オリゴヌクレオチドとの間 の相互作用強度の良好な指標となるはずである。捕捉オリゴヌクレオチドの各々 に由来する塩基シグナル(下に「b」および「a」とマークされた欄)、および隣接 するオリゴヌクレオチドの付加の影響は、連結プローブ「f」(配列番号62)を含ん だ反応におけるシグナルを調べることによりわかる。「a」ないし「a/f」を比較 することによって、第2のオリゴヌクレオチドの右在は非架橋「a」プローブ( 配列番号52)によるこれらHCV標的の捕捉に対する影響は少ないか、全くないこ とがわかる。これに対しすべての場合において、「f」オリゴヌクレオチド(配 列番号62)の付加は架橋「b」(配列番号53)オリゴヌクレオチドによる結合を実 質的に増強させる。「f」(配列番号62)は標識されておらず、プレート結合また はシグナル生成のいずれにも寄与してはいないので、これらの欄に見られる付加 的なシグナルは「b」(配列番号53)の増強された結合によるものに違いない。こ のようにフランキングオリゴヌクレオチドを用いて増強される結合の安定性を用 いてあらゆる型の標的の捕捉において架橋オリゴヌクレオチドの性能を高めるこ とができる。逆に、実施例7に記載したように、目的が微細な構造変化に最大限 に影響を受けやすい系を作り出すことである場合にのみ、架橋オリゴヌクレオチ ドの設計の際に安定性の増強を考慮しなければならない。隣接するオリゴヌクレ オチドの結合が要求されるアッセイにおいて最大の識別が望まれる場合には、隣 接するオリゴヌクレオチドに最も近い架橋の接触セグメントを短くする、または そうでなければその安定性を低下させることが望ましいと考えられる。塩基類似 体またはミスマッチの使用によるなど、オリゴヌクレオチド結合の親和性を低下 させる一般的な方法は当技術分野で十分に公知である。 実施例11 隣接するオリゴヌクレオチドへの 架橋オリゴヌクレオチドの標的依存的連結 架橋オリゴヌクレオチドと連結オリゴヌクレオチドとの間の連結に及ぼすミス マッチの影響を調べるため、適当に配向された相補的な領域を有する直鎖状(す なわち非折りたたみ)オリゴヌクレオチド標的を対照標的として使用するために 合成した(配列番号63)(すなわち幹(stem)の存在下で連結の影響を調べるため) 。この連結により配列された対照標的と架橋オリゴヌクレオチドは図26に示され ている。244bpのds HCV標的DNAを調製するためのPCR条件は前記に記載したもの と同様である。 各連結反応には、1X Ampli-リガーゼ(登録商標)バッファー(Epicenter)10μl 中に200fmoleの標的DNA、架橋および連結オリゴヌクレオチドを各lpmoL100単位 のAmpli-リガーゼ(登録商標)(Episinter)が含まれていた。対照反応は標的DNAを 用いずに行った。酵素および酵素バッファーを除くすべての成分で反応を組み立 て、3分間95℃に加熱し、次いで45℃の反応温度にまで冷却した。連結反応は酵 素および酵素バッファーの添加により開始させ、1時間インキュベートした。10 mM EDTAおよび0.02%メチルバイオレットを含む95%ホルムアミド4μlの添加によ り反応を終了させた。この生成物を90℃で1分間加熱し、アリコートを45mM Tri s-ホウ酸塩、pH8.3、1.4mM EDTAバッファー中、7M尿素を含む15%の変性ポリアク リルアミドゲル(19:1架橋)による電気泳動によって分離した。ゲルはM.D.スキ ャナー(Molecular Dynamics,Sunnyvale,CA)を用いて視覚化した。得られた画 像は図27のパネルに示されている。各バンドのヌクレオチドの大きさはパネルの 左側に示されている。 標識された未反応のプローブは18個のヌクレオチドのバンド(aないしd;すな わち配列番号52、53、57および58に相当するプローブ)か、または8個のヌクレ オチドのバンド(e;すなわち配列番号59に相当するプローブ)かのいずれかと して肉眼で確認できる。オリゴヌクレオチド「f」(配列番号62)と架橋プローブ 「a」から「c」(それぞれ配列番号52、53および57)との間の連結の産物は、パネ ルの上付近の33個のヌクレオチドのバンドとして肉眼で確認できるが、「f」(配 列番号62)と「e」(配列番号59)との間の連結の産物は23個のヌクレオチドのバン ドとして示されている。これらのデータから、すべての架橋オ リゴヌクレオチドを折りたたみ標的を鋳型として用いて連結のために正しく配列 させることができることがわかる。連結効率は、各レーンにおける生成物の強度 と非架橋オリゴヌクレオチド「a」(配列番号52)の連結に由来する強度とを比較 することにより評価できる。両接触配列において完全に相補的なプローブ「b」( 配列番号53)は1a型HCVに対して最も強いシグナルを示し、これはこれらのオリゴ ヌクレオチドの捕捉試験で見られる結合と一致する。最も短いオリゴヌクレオチ ド「e」(配列番号59)の連結は、8個のヌクレオチドのプローブでさえこのアッ セイにおいてあるレベルで連結されるのに十分安定であることを示している。最 少量の連結は連結部位の最も近くにミスマッチを有する架橋プローブで見られ、 これはオリゴヌクレオチドのこの部分に関するハイブリダイゼーションの低下、 またはミスマッチ付近のリガーゼ酵素の活性の低下、あるいはこれらの作用の組 み合わせを反映している。 架橋オリゴヌクレオチドのプライマー伸長に関して前記したように、上昇させ た連結温度での折りたたみ構造は変性し、非架橋オリゴヌクレオチドに比べ架橋 オリゴヌクレオチドの結合効率を低下させる。連結反応においてこの影響を調べ るために、またHCVの型によるアンプリコンの識別における折りたたみの影響を 調べるために、4つのアンプリコン型のすべてに対して一定の温度範囲でさらな る実験を行った。熱に安定なリガーゼ活性は高ストリンジェンシー条件の下(例 えば約45℃より高い温度)での使用を意図したものなので、一般に10ないし30℃ で使用されるT4 DNAリガーゼがより低い温度で行われる連結に使用された。 各連結反応には、10μlの1X T4リガーゼ(登録商標)バッファー(Promega)中 に200fmoleの標的DNA、1pmoleのフルオレセインで標識された架橋オリゴヌクレ オチド、1pmoleの連結オリゴヌクレオチドおよび3単位のT4リガーゼ(Promega) が含まれていた。酵素および濃縮酵素バッファーを除くすべての成分で反応を組 み立て、3分間95℃に加熱し、次いで25℃か45℃のいずれかの反応温度にまで冷 却した。連結反応は酵素および濃縮酵素バッファーの添加により開始させ、その 成分の各々を先に挙げた最終濃度にし、1時間インキュベートした。10mM EDTA および0.02%メチルバイオレットを含む95%ホルムアミド4μlの添加により反応 を終了させた。この生成物を90℃で1分間加熱し、アリコートを 45mM TrIs-ホウ酸塩、pH8.3、1.4mM EDTAバッファー中、7M尿素を含む15%の変性 ポリアクリルアミド(19:1架橋)による電気泳動によって分離した。ゲルはM.D. スキャナー(Molecular DynamIcs,Sunnyvale,CA)を用いて視覚化した。得られ た画像は図28のパネルに示されている。反応温度はパネルの上に示され、リガー ゼ酵素を含まない対照反応も示されている。標識された未反応のプローブは18個 のヌクレオチドのバンドとして肉眼で確認できる。連結の産物は、パネルの上付 近の33個のヌクレオチドのバンドとして肉眼で確認できる。 2種の温度での生成バンドの実験により、より低い温度での識別の期待された 上昇が確認される。1aおよび1b型に由来するシグナルは非常に類似しているが、 2a/cおよび3aに由来するシグナルはずっと低い。3aの結果は、図25で示された「 b」および「f」プローブ(それぞれ配列番号53および62)の組み合わせを用いた 捕捉データに一致し、2a/c由来のシグナルは捕捉におけるものより相対的に低い 。いずれの特定のメカニズムにも限定されるものではないが、この作用はこの温 度でのリガーゼの基質特異性に起因するものである可能性がある(例えば、仮定 される構造は酵素を阻害するように配置されたループまたは凸部を有している可 能性がある)。しかしながらやはり、この実験は、これらのウイルス型が非スト リンジェント条件の下で行われる連結反応を用いて識別され得ることを実証する ものである。わずかに高い温度では、生成バンドはほぼ同等であり、また強度が より高い。このシグナルの均一性はこの温度での構造の部分的なまたは完全な分 断に起因する可能性がある。8個のヌクレオチドの「e」(配列番号59)対照分子 でさえ直鎖状合成標的(「S.T.」;配列番号63)上で「f」連結オリゴヌクレオチ ド(配列番号62)と効率的に連結できることが図27で認められた。このことは、 リガーゼが、それらの推定Tmを越える温度でさえ、むしろ短いオリゴヌクレオチ ドを連結できることを示している。図28で45℃での反応においてこの構造は折り たたまれないので、架橋オリゴヌクレオチドはこの様式で連結にあずかり(すな わちその3'末端のみが結合する)、これらの条件下での型間を識別する能力を消 失させるのかも知れない。シグナル強度はこの温度で酵素の活性の増強、架橋立 体配座にわたるこの構造に対する酵素の選択性、またはこれらもしくはその他の 因子の組み合わせを反映し得る。 より低い温度条件下での連結は、架橋オリゴヌクレオチドを用いてこの種の反 応において折りたたみ標的分子を同定できることを実証するものである。これら の実施例の架橋オリゴヌクレオチドの3'末端の接触配列はこれらの反応において 明らかに安定化されているので(すなわち、オリゴヌクレオチド「c」(配列番号 57)についてのこの部分におけるミスマッチが、他の実施例に示された捕捉、プ ライマー伸長および開裂アッセイにおけるよりプローブの架橋活性に与える影響 がより少ない)、この領域における安定性の低い接触配列を提供することが望ま しいであろう。オリゴヌクレオチドのTmを低下させる手段は当技術分野で十分に 公知であり、いくつかの方法はPCRプライマーの設計に関して前記で考察されて いる。 まさに架橋オリゴヌクレオチドプライマー伸長のための条件はシグナル増幅の ためのポリメラーゼ連鎖反応に適合させることができるので、架橋オリゴヌクレ オチドの連結はリガーゼ連鎖反応に適合させることができる。標的特異的連結の 事象は、連結点がLCRにあるとき、たとえそれが中心になくとも、検出すべき特 異的分子を作り出すことであると考えることができる。2つの可能な配置を図35 に模式的に示している。この図のすべてのパネルでは、連結点は連結された核酸 のカラットポイント(carat poInt)により表されている。第1のパネル、図35aで は、架橋オリゴヌクレオチドは6量体または8量体などの短い配列の付加により 伸長されると考えられる。同軸上の積み重ねにより安定化された短いオリゴヌク レオチドの連結は当技術分野で公知であり(KaczorowskiおよびSzybalski,Gene 179:189[1996])、図27に示された「e」オリゴヌクレオチド(配列番号59)の連 結により実証される。代わりに35bで示された配置は、各々構造内に架橋されて いる2つのより長いプローブの連結を示している。限定されるものではないが、 非架橋オリゴヌクレオチドと架橋オリゴヌクレオチドの5'末端との連結、または 単一の折りたたみ標的上に組み立てられた2種以上のオリゴヌクレオチドの連結 をはじめとする、本発明の範囲内の他の配置も当業者に明らかであろうと考えら れる。 前記で挙げた実施形態および配置の各々において、連結事象は標的核酸には見 られない独特の隣接配列を作り出すであろう。この独特の配列は次いでそれ自身 、 限定されるものではないがリガーゼ連鎖反応をはじめとするいくつかの手段によ り検出され得る。特異的配列の検出のためのリガーゼ連鎖反応の実施は当技術分 野で十分に公知であり、架橋連結をこの増幅法へ適合させる手段は文献から容易 に容易に確かめられる(例えば、参照により本明細書に組み入れる13arany,PCR Meth.App.1:5[1991]および米国特許第5,494,810号を参照)。架橋オリゴヌクレ オチドはまた、ギャップ充填LCR(例えば、参照により本明細書に組み入れる米 国特許第5,427,930号を参照)のような改変LCRアッセイ、または他の変法で使用 してもよい。本発明の架橋オリゴヌクレオチドをリガーゼ連鎖反応と組み合わせ ることにより、研究者は前記で考察した構造特性付けの利益を得ることができ、 捕捉またはPCR増幅を介在させることなく対象のサンプルに対し直接実施するこ とができる。 実施例12 侵入的架橋オリゴヌクレオチドによって指令されるプローブの標的依存性開裂 前述の実施例は、折りたたみ標的の各コピーあたり最大で1つのイベントを作 り出すような反応において架橋オリゴヌクレオチドが基質として働く能力を示し ている。オリゴヌクレオチドを使用することに基づく多数の応用法があり、それ らの応用法においては標的核酸の各コピーにつき多くのシグナルを産生するよう に反応が形造られている。そのような反応としてはリガーゼ連鎖反応、ポリメラ ーゼ連鎖反応、サイクルシークエンシング、およびサイクリングプローブ反応な どのヌクレアーゼ検出アッセイがあるが、それらに限定されない。我々は、その ような反応は非連続的プローブ結合を利用して形造ることができることをここに 示す。架橋プローブの使用によって、いくつかの実施形態においては上述のよう に構造に基づくタイピングを、標的からのシグナルを増幅することもできる反応 において用いることが可能になるであろう。一重鎖標的核酸であっても、検出あ るいはアンチセンスの適用のためのプローブの結合に、非常にわずかな配列のみ しか実際には利用できないように折りたたまれることがあるということもよく知 られている。非連続な部位と結合するプローブの能力は、標的核酸の外表面のみ と相互作用するようなプローブをデザインすることを可能にし、それによってこ れまではハイブリダイゼーション法では特性を調べることができなかった標的の 検出あるいはタイピングが可能となる。 インベーダー反応は標的核酸が一対のオリゴヌクレオチドと接触して上述のよ うな開裂構造を作ることを含んでいる。シグナルプローブは開裂後その構造物か ら離れ、未開裂のコピーと置き換わってまたサイクルを開始し、それによって反 応の過程で各標的が開裂したプローブのコピーを多数作ることができるようにな る。このアッセイに用いられるプローブと標的は図29A,29B,および31に示した 。シグナルプローブ("g";配列番号60)の架橋オリゴヌクレオチドの安定性に及ぼ す影響については実施例9で述べた。 この実施例の実験においては、侵襲的開裂反応は全て、10フェムトモルの244b p標的DNAもしくは合成直鎖標的、各10ピコモルのフルオレセイン標識した架橋オ リゴヌクレオチド及びフルオレセイン標識したプローブ("g"もしくは"h"配列番 号60もしくは61)、10mM MOPS、7.5mM MgCl2、20ngの5'ヌクレアーゼAfuFENl(す なわち、Archaeoglobus fulgidusより得たFEN1、PCT/US97/21783、本明細書に参 照により取り込むこととする)、および水を加えて全量を10μlとした混合物を用 いた。反応は酵素と7.5mM MgCl2を除く全ての構成成分を集め、95℃で2分間加 熱した。次いで、反応物を所定の反応温度まで冷却し、酵素と7.5mM MgCl2を添 加することによって反応を開始し、1時間インキュベートした。次いで、10μl の95%ホルムアルデヒドを10mM EDTAおよび0.02%のメチルヴァイオレットととも に添加して反応を終わらせた。その生成物を90℃で1分間加熱し、アリコートを 7M尿素を含む20%変性ポリアクリルアミドゲルで(19:1クロスリンク)、1.4mM EDT Aを含む45mMのTris-ホウ酸緩衝液pH8.3中で電気泳動することによって解離させ た。ゲルをM.D.Scanner(Molecular Dynamics,Sunnyvale,米国カリフオルニア 州)を用いて可視化した。 第一のアッセイはHCVの変異体および合成非折りたたみ標的がこのアッセイで 標的として働く能力があるか調べた。すべての反応は"g"シグナルプローブ(配列 番号60)を用い、55℃でインキュベートした。その結果得られた像は図30に示す 。各アッセイで用いた標的DNAのタイプおよび架橋プローブは各ライン上に示 した。この図では、反応しなかったプローブは矢印で示し、それらの文字はパネ ルの左側に示し、さらに開裂でできた4nt(4個のヌタレオチド)産物も矢印で示 した。 各レーンの4ntバンドの強度を調べた結果、折りたたみ標的の各タイプ(1a,1 b,2a/cおよび3a)に対し、シグナルプローブ"g"(配列番号60)の開裂を行わせる ことにおいて架橋プローブ"b"(配列番号53)は直鎖プローブ"a"(配列番号52)と ほぼ同様の性能であった。これに対して1つの接触配列に1個のミスマッチを持 つか("c"および"d";配列番号57および58)、あるいは1つの接触配列を欠いてい るか("e";配列番号59)どちらかの架橋プローブは開裂構造を有意な程度にまで完 成させることはできなかった。このことは、どの接触配列においても連続的な相 補性を8塩基以下しか持たない架橋オリゴヌクレオチドが、それにも関わらずこ のHCV配列を特異的に検出することを示しているだけでなく、また、プローブ中 の接触配列の双方ともがこの機能に重要であることも示している。 非折りたたみ合成標的から生ずるシグナルはこれらのプローブが本質的に完全 に結合した場合に期待される産物の収率の最大値を示している。本発明の開発中 に行われた以前の実験に基づいて期待されたようにそのシグナルは驚くほど強く はないとしてもより強力である。また、本発明の開発中に行われた以前の実験に 基づいて期待されたように、半分の分子、それは折りたたみ標的上の構造を横断 するものではないが、それはその構造が取り除かれる際の性能を大いに向上させ ることはなく、一方非架橋プローブの性能はこの標的に対する多数のミスマッチ を有するので低くなる(図29Bを参照せよ)。 上述のとおり、プライマーの伸長と架橋オリゴヌクレオチドの連結には、温度 を上げると折りたたみ構造が変性し、非架橋オリゴヌクレオチドに比較すると架 橋オリゴヌクレオチドの結合効率が低下する。この効果をインベーダー反応で調 べるために、種々の温度での追加実験を行った。インベーダーアッセイは温度サ イクルをさせることなくターンオーバーしうるようにシグナルプローブのTm付近 で行われるので、より短いプローブ分子(”h”;配列番号61)がより低温で作用さ せるために作られた。このことを図31に示している。インベーダー反応は上述の とおり、架橋プローブ”b"(配列番号53)および”h”シグナルプローブ(配列番 号61)を用い、インキュベーションを30℃,35℃,および40℃で行った。4種のH CVの単位核酸配列(amplicon)のタイプのすべてを試験した。その結果得られた像 を図32のパネルに示す。各反応に用いられたプローブと標的、およびインキュベ ーション温度はパネルの上に記載されている。右側の矢印は、未反応のプローブ をそれらの文字で示し、また4nt開裂産物を示している。4ntバンドのそれぞれ について任意に定めた蛍光単位で表した蛍光強度を各レーンの下に示した;プロ ーブを含まない反応のレーンの同じ位置でもバックグラウンドレベルを求めるた め蛍光を測定し(カッコ内の数値)、各レーンの産物の示す数値からバックグラウ ンドの数値を差し引いた。 これらのデータを検討したところ、”b"(配列番号53)架橋は侵入的開裂におい てはすべての温度で機能したが、より低い温度での反応ではHCVタイプ3aレーン とその他のタイプとではより大きなシグナルの差を示した。この結果は、タイプ 3a単位核酸配列がこの領域内では試験したその他の3タイプと同じ構造ではない ことを示しており、実施例8および10で述べた捕捉実験から得たデータと一致し ている。このことはまた、隠された配列の相異をこの方法で区別するには、標的 分子の折りたたみを起こさせるような温度条件で行えば最も容易に行いうること をも示している。 このことはさらに図33に示した反応データの検討によっても支持される。この パネルでは多数の標的に対して架橋プローブと非架橋プローブの一連のものを用 いて55℃と35℃の2種類の温度で生ずるシグナルを比較している。各反応で用い られている標的DNAとプローブが何であるのかは各レーンの上に示し、用いた開 裂プローブはレーンの下に示している。未反応のプローブは矢印及びその文字を パネルのどちらかの側に示し、矢印は開裂による4個のヌクレオチド(nt)の産物 を示す。4ntバンドのそれぞれについて任意に定めた蛍光単位で表した蛍光度を 各レーンの下に示した。プローブを含まない反応のレーンの同じ位置でもバック グラウンドレベルを求めるため蛍光を測定し(カッコ内の数値)、各レーンの産物 の示す数値からバックグラウンドの数値を差し引いた。 図33に示したデータはHCVサンプルの検出シグナルのプロフィールが前述の実 施例と同様であることを示し、さらにこのアッセイではミスマッチ架橋プロー ブ("c"および"d";配列番号57および58)、ならびに半プローブ("e";配列番号59) は限定的な機能しかないことを示している。同様に、架橋オリゴヌクレオチドが 全く排除されてしまった場合にはプローブの開裂は検出されない。さらに、HCV 標的の代わりにヒトゲノムDNAを用いて反応させた場合は、バックグラウンド以 上に認められるシグナルは現れず、これは「ストリンジェント」および「非スト リンジェント」のどちらの条件下でもこのアッセイが特異性を有することを示し ている。 実施例13 Mycobacterium tuberculosisの抗生物質耐性に関連する遺伝子から由来する DNAの構造分析およびそのDNAへの架橋プローブの結合 過去10年間に米国および世界中で結核の発症の非常に大きな再来があった。世 界では毎年報告される新患者数は1990年の750万人から2000年までには1020万人 へと増加するものと予測されている。この結核の再来について警戒しなければな らない特徴は1種以上の抗結核剤に耐性の(すなわち多剤耐性結核[MDR-TB])M.tu berculosis株を有する患者数の増加である。 リファンピシン(rif)およびイソニアジド(inh)の2種の抗生物質のどちらかあ るいはその双方に対する耐性を有することが、M.tuberculosisの株を多剤耐性で あると判断する際の基準となっている。両剤ともに強力な抗菌性を有し、これら の薬剤に対してまず最初に耐性を獲得することはまれであるので(自発的な変異 で耐性を獲得する率はリファンピシリンに対してはおよそ10-8、イソニアジドに 対しては10-8から-9である)、ごく最近まではこれらの2種類の抗生物質は結核 の進行および拡大と戦うために用いられる最も強力な第一線の薬剤であるとされ ていた。しかし、米国における結核の患者を調査したところ、その三分の一もの 多数の患者が1種以上の抗結核剤に耐性の株に感染していた;単離されたM.tube rculosisを培養すると25%以上がイソニアジドに耐性で、19%がイソニアジドおよ びリファンピシン双方に耐性であった(Friedenら,New Eng.J.Med.328:521[1 993])。リファンピシンに対する耐性はM.tuberculosisのrpoB遺伝子て検出および同定することができ、これらの変異がこれらの遺伝子の折りたたみ コンホメーションに影響を与えていることを示している(Browら,J.Clin.Micr obiol.,34:3129[1996];およびPCT国際出願No.PCT/US95/14673[WO96/15267];同 時に継続中の出願No.08/484,956および08/520,946)。それ故我々は、架橋プロ ーブと相互作用するための鎖の折りたたみによって、十分に近接した位置となる 非連続配列を同定するプロセスを示すためのモデルとしてこの遺伝子を選んだ。 本発明の詳細な説明では、標的の二次構造の分析、およびいかなる折りたたみ 核酸分子とも相互作用する架橋プローブのデザインのためのステップ毎の工程を 概説している。その工程は:a)ステムの5'末端側で塩基対を形成するヌクレオチ ドを同定するためのCFLP分析を行う;b)CFLPデータと一致する折りたたみコンフ ォメーションで可能な形を図として示すダイアグラム(あるいは他の適当な出力 形式で)を作るために、mfoldなどの折りたたみ予測プログラムにおいてこの部分 的塩基対形成の情報を"緩い制約"として用いる;c)5'末端側のヌクレオチドが水 素結合しているステムの3'末端側上にあるヌクレオチドの同定(identities)を 確認するためにPCR欠失と指令された変異誘発を用いる;d)高い精度の予測構造 のセットを作るために、折りたたみ予測プログラムにおいて全塩基対の情報を" 厳しい制約"として用いる:およびe)予測されたステムと相互作用する架橋プロ ーブのデザインと試験を行う。各ステップで得られたデータの複雑性にもよるが 、特定の応用法で(a)から(d)の1つ以上のステップを除くこともできる。「本発 明の説明」の節で述べたように、このタイプの分析を行うために多数の物理的分 析方法を多数の二次構造予測アルゴリズムと組み合わせることができる;CFLP開 裂法をmfoldソフトウェアとともに用いることについては、ここに便利な例とし て述べているが、それは本発明の範囲を限定するものとして示したものではない 。 非ウイルス性の標的の分析法を示すためにDNA断片をM.tuberculosisのrpoB遺 伝子から増幅した。M.tuberculosis培養物から抽出したDNAはCDC(米国疾病管理 センタ−Center for Disease Control,Atlanta,米国ジョージア 州)から得た。ゲノムDNAはCDCで既報の方法によりシリコン処理されたガラスビ ーズを用いて調製された(Plikaytlsら,J.Clin.Microblol.,28:1913[1990]) 。rpoB遺伝子の193bpの断片(配列番号69)はゲノムDNAサンプルのPCR増幅をrpo10 5(順向)CGTGGAGGCGATCACACCGCAGACGT(配列番号70)およびrpo273(逆向)GACCTCCAG CCCGGCACGCTCACGT(配列番号71)をプライマーとして用いて作製した。この断片は 81bpのリフアンピシン耐性領域を含んでいる。この単位核酸配列はTOPO-TAクロ ーニングキット(K4550-40,Invltrogen,Carlsbad,米国カリフォルニア州)を用 いてクローニングした。rpoB遺伝子の128bpの副断片(配列番号72)は結果とし て得られたプラスミドから、5'-CGCCGCGATCAAGGAGTTCT-3'(配列番号73)の配列を 持つTET標識順向プライマーおよび5'-GCTCACGTGACAGACCGCCG-3'(配列番号74)の 配列を持つ逆向プライマーを用いて増幅して得た。PCR反応は最終容量を100μl として行い、その中には:2ngのゲノムDNA、各プライマーを35ピコモル、各デオ キシリボヌクレオチド(Perkin Elmer,Foster City,米国カリフォルニア州)を5 0μM、1X PCR緩衝液 NP4O)、IMベタイン、5% DMSO、およびTaqポリメラーゼ2.5ユニットを含有する。 PCRサイクル条件は初回の変性が95℃で5分間、30サイクルの変性を94℃で1分 間、アニーリングを58℃で1分間、および伸長を72℃で1分間、最終の伸長を72 ℃で7分間行った。PCR増幅後、断片をエキソヌクレアーゼI(United States bio chemical,Cleveland,米国オハイオ州)で37℃で45分間処理して精製し、その後 、High Pure PCR Product Purification Kitスピンカラム(Boehringer Mannheim ,Indianapolis,米国インディアナ州)で処理した。精製した産物をPicoGreen( 登録商標)アツセイ(Molecular Dynamics,Eugene,米国オレゴン州)を用いて製 造者の推奨する方法に従って定量した。同じPCRのやり方を末端切断型および変 異型単位核酸配列の作成に下記のとおり用いた。順向プライマーは変えず、逆向 およびミスマッチプライマーは下記のうちの1つを用いた(プライマーの名称は 作成すべき構築物を示している)。121断片(配列番号76)作成のための75−121(逆 行)TGACAGACCGCCGGGCCC(配列番号75)、121ミスマッチ断片(配列番号78)作成のた めの75-121(ミスマッチ)AGACAGACCGCCGGGCCC(配列 番号77)、119断片(配列番号80)作成のための57-119(逆行)ACAGACCGCCGGGCCCCA (配列番号79)、119ミスマッチ断片(配列番号82)作成のための57-119(ミスマッチ )CCAGACCGCCGGGCCCCA(配列番号81)、118断片(配列番号84)作成のための53-118( 逆行)CAGACCGCCGGGCCCCAG(配列番号83)、118ミスマッチ断片(配列番号86)作成の ための53-118(ミスマッチ)GAGACCGCCGGGCCCCAG(配列番号85)、114断片(配列番 号88)作成のための62-114(逆行)CCGCCGGGCCCCAGCGCCGA(配列番号87)、114ミス マッチ断片(配列番号90)作成のための62−114(ミスマッチ)GCGCCGGGCCCCAGCGCCG A(配列番号89)、114ミスマッチ(113)断片(配列番号92)作成のための63-113(ミ スマッチ)CGGCCGGGCCCCAGCGCCGA(配列番号91)、110断片(配列番号94)作成のため の69-110(逆行)CGGGCCCCAGCGCCGACA(配列番号93)、110ミスマッチ断片(配列番号 96)作成のための69−110(ミスマッチ)AGGGCCCCAGCGCCGACA(配列番号95)、106断 片(配列番号98)作成のための78-106(逆行)CCCCAGCGCCGACAGTCG(配列番号97)、1 06ミスマッチ断片(配列番号100)作成のための78-106(ミスマッチ)TCCCAGCGCCG ACAGTCG(配列番号99)、87断片(配列番号102)作成のための63-87(逆行)CGCTTGTGG GTCAACCCCGA(配列番号101)、87ミスマッチ断片(配列番号104)作成のための63-87 (ミスマッチ)AGCTTGTGGGTCAACCCCGA(配列番号103)。rpoB捕捉の全実験で単位核 酸配列はそのセンス鎖上にTETの代わりにビオチンで標識した。 CFLPスキャンニング反応は15ng(175フェムトモル)の精製PCR産物を最終容量が 15μlとなるように蒸留水で希釈して用いて行った。CFLPの最適条件は前述のと おり定めた。簡潔に記せば、3種類の異なる反応時間(2,4,および6分間)および 5種類の異なる温度(40,45,50,55,および60℃)の組み合わせを調べた。開裂 産物の長いものと短いものがほぼ均等に分布するような最適なパターンとなる条 件を選択した。増幅した断片を希釈したものを95℃15秒間で変性させ、反応温度 (50℃)まで冷却し5μlの酵素混合物とあわせて最終容量が20μlとな および1X CFLP緩衝液(10mM MOPS,pH7.5,0.05% Tween 20,0.05%NP40)が含まれ ている。反応は4分後に16μlの停止緩衝液(10mM EDTA pH8.0および0.02% メチルバイオレットを含む95%ホルムアルデヒド、)の添加により停止させた。開 裂産物を、7M尿素(0.5X TBE中)を含有する15%変性PAGE(19:Iクロスリンク)上 で解離させた。この結果得られたパターンを585nmのフィルターを取り付けたHit achi FMB10-100蛍光画像分析機を用いて可視化した。 rpoBの128ヌクレオチドセグメントのCFLP分析で、図36に示すようにCFLPのパ ターンの中から鍵となるバンドとして長さが45,53,57,62,69,75,78,およ び84ヌクレオチドのバンドを同定した。これらの主要バンド位置は以後の分析の ために選択された。上述のとおり、CleavaseI酵素はその特異性によってこれら のヌクレオチドがその構造中の鎖の下流にある開裂されるヌクレオチドと塩基対 を作るようにさせる。 いかなる追加の制約もせずにCFLPパターンからmfold2.3ソフトウェアを用いて 行ったこの単位核酸配列の構造分析では、可能な構造は7種類のみであった。こ のような少数であるので、図36に示す主要開裂産物を説明するような2つの変異 体を選択するためには手動分析で十分であった。開裂部位は図37Aに示す構造上 に示している(構造は下記のPCR walkingデータから「厳しい制約」を用いて得た ものである)。 62の位置のCFLPバンドに寄与している構造物および構造物の開裂分析をここで プロセスの次のステップを示すために用いる。図37Aに示した構造物のいずれも 、ヌクレオチド62のC(シトシン)はヌクレオチド114のG(グアニン)と塩基対を作 ることが示されている。これらの位置の間で形成されるステムは双方の構造物で 同一であり、図38Aの上部に再度示されている。これらの塩基間の相互作用を確 認する1つのステップは、ヌクレオチド62との塩基対形成を防ぐためにヌクレオ チド114を変えたこの鎖の末端切断型を作り、その結果得られるCFLP開裂を調べ ることである(これをこの考察では"PCR walking"と名付ける)。このことは図37B の下部の中央の構造物で変異体No.2として図で示されている。同様に末端切断さ れているが推定上の62/114の塩基対は保持している対照の分子を左側に変異体1 として示している。これら2つの分子のCFLPパターンは図37Bの右側にゲル像中 に示しており、矢印は62の位置のバンドを示している。第一レーンのデータによ ってわかるようにCFLPパターンは末端切断型対照の62の位 置に強いシグナルがあり、これはヌクレオチド62が塩基対を作る際にnt114(この 構築物では欠失している)の下流のいかなるものをも必要としないことを確認す るものである。レーン2の壊れた塩基対を有する変異体の分析では、62/114の塩 基対の除去は開裂を位置で1つ分シフトさせ63/113塩基対とすることを示してい る。さらに、変異体3として右側に示したようなヌクレオチド113を変えること による63/113の塩基対の除去という変異は、この短いステム領域をほぼ排除し、 この特異なCFLPバンドをパターンから全く排除する(レーン3;この位置のわずか に見られる残存シグナルに寄与している因子については下記に述べる)。このこ とは、CFLP開裂と組み合わされた末端切断と変異の組み合わせが、予測された構 造物中の特異的塩基対を調べ(interrogate)確認するためにどのように用いる ことができるかを示しており、それによってさらにコンピューターによるモデリ ングにおいての「厳しい制約」としてのそれらの使用が可能となる。図37Aに示 した構造物はそのようなPCR walkingによって求めた厳しい制約を用いて作った 。架橋プローブをデザインする前にさらにコンピューター分析を行うことは必要 ではない。所望により、架橋プローブはPCR walkingデータを根拠にしてデザイ ンしうる。 図37Bに示したデータに基づいて、このステムの基部にまたがるように数種の 架橋プローブをデザインした。rpoB捕捉実験の全てにおいて単位核酸配列のセン ス鎖上にTETの替わりにビオチンで標識した。これらの捕捉分析において、捕捉 プローブは溶液中の標的DNAに結合し、実施例8で述べたように、その複合体は 固相支持体上に固定される。各アッセイでハイブリダイゼーション混合液は20フ ェムトモルのビオチン標識試験分子、1.5ピコモルのフルオレセイン標識捕捉プ ローブ、10μg/ml tRNA、および0.2%アセチル化BSAを150μlの4.5XS SPE中に含 むように製した。その混合液を室温で30分間インキュベートした。 その混合液のアリコート(100μl)を、ストレプトアビジンをコートした96ウエ ルプレート(Boehringer Mannheim)のウエルに移し、室温で20分間インキュベー トした。そのプレートを、非イオン性界面活性剤Tween-20を0.01%含むTBS(25mM Tris-HCI,0.15M NaCl,pH7.2)で3回洗った。次いで、アルカリフォスファター ゼとコンジュゲートさせた0.75u/mlの抗フルオレセイン抗体を0.2% I-ブロック緩衝液で1:5000希釈したものを100μl、各ウエルに添加した。室温で 20分間置いた後、プレートを0.01% Tween-20を含むTBSで3回洗った。次いで、A ttophos蛍光基質(JBL,San Louis Obispo,米国カリフオルニア州)を100μl各ウ エルに添加し、プレートを37℃で1時間インキュベートし、蛍光の観察は450/50 nmで励起し、発光を580/50nmで検出するようにセットしたPerkin-Elmer Cytoflu or-4000を用いて行った。各アッセイは2回測定で行い、標準偏差は各グラフの 各カラムの上部の黒い横線で示している。 このステムに結合するようにデザインされたオリゴヌクレオチドを図37Cに62/ 114構造物と並べて示している。接触配列をリンクさせるためにいくつかの異な るアプローチが用いられ、それらにはスペーサーなしの直接リンケージ(オリゴ ヌクレオチド62-114bのギャップとして示されている;配列番号105)、(62-1l4a[ 配列番号106];62-114c[配列番号107];62−l14d[配列番号108])で示されているい くつかの異なるジヌクレオチド、各スペーサー群あたり1つのDを用い(すなわち DDはそのようなスペーサーを2つつなげていることを示している)、"D"で示され るd-スペーサー(62-114e[配列番号109])(Glen Research Corp.(Sterling,米国 バーモント州))が挙げられる。 これらのプローブの折りたたみ標的を結合する効率は図37Cの下部にグラフで 示している。各棒の下の文字はスペースのアイデンティティーを示し、"NS"はス ペーサーがないことを示す。捕捉反応は上述のとおり行い、パネルの左側の番号 は捕捉標的DNA/プローブ複合体からの蛍光を測定したもので、同じ単位核酸配列 が直鎖の(非架橋)対照オリゴヌクレオチド5'-FLTCCTTGATCGCGG-3'(配列番号123) を捕捉する際に測定されるシグナルに対する百分率として示されたものである。 これらのデータからCFLP、コンピューター折りたたみモデリング、およびPCR wa lkingの組み合わせを、標的分子上の非連続的部位へ結合することが可能なプロ ーブをうまくデザインするために用いることができることがわかる。"TT"スペー サーを有し、標的に対するミスマッチをどちらかの接触配列中に有する架橋プロ ーブは、実施例7の架橋プローブで示したものと同様にrpoB DNAへの結合をほと んど示さず(標的なしのバックグラウンドと等しいシグナル;データは示してい ない)、双方の接触配列の相互作用が必要であることを確認した。 この構造にまたがるプローブの選択においていくつかのスペーサーは他のスペ ーサーより良好であった。図37Cのプローブの結合性能はバックグラウンド値よ りはるかに高いが、異なるスペーサーが接触配列を変えることなく結合を増強す る可能性もある。同様に、実施例9-11に記載した酵素反応において異なるスペー サーが異なる働き方をする可能性がある。もしこれらの架橋プローブの何らかの 応用法において最適なスペーサーを見つけだすことが望ましいのであれば、より 広範囲な比較を行いうる。例えば、すべての可能なジヌクレオチドの順列を評価 することは、スペーサーなしおよび非ヌクレオチドスペーサーを使うという選択 肢に加えて、全部で16個の可能性があり、単純だが広範囲な試験となるであろう 。他の長さの接触配列を用いることも可能ではあるが、ステムのどちらかの側の 8個のヌクレオチドからなる接触配列を用いることは第1次試験用に便利であり 、成功するという合理的可能性がある。所望により、より短い接触配列を第l次 試験あるいは最適なスペーサーのアレンジメントが同定された後に試みても良い 。現在の自動オリゴヌクレオチド合成法は容易であり低コストてあるので、この 数の試験用プローブを創り出すことはやっかいなことではない。 rpoB単位核酸配列中のその他の予測構造に結合する架橋プローブのデザインに おいて同様のアプローチを用いた。そのような構造のいくつかを図38A,38B,お よび38Cに示した。比較のために、オリゴヌクレオチド62-114(a)(配列番号106) を持つ62-114構造物を図38Cに再度示した。これらの図のそれぞれにおいて、CFL P,PCR walking,および折りたたみ予測によって分析した塩基対は取り上げたス テムの基部にあり、DNA断片の5'末端から測ったヌクレオチドの位置は矢印で示 した。対応する架橋プローブ(53-118(cg)[配列番号110];69-110(cg)[配列番号11 1];75-121(a)(ta)[配列番号112];75-121(b)(ta)[配列番号113];78-106(cg)[配列 番号114];63-87(gc)[配列番号115];84-102(at)[配列番号116];57-119(at)[配列 番号117];62-113[配列番号118];および62-98[配列番号119])はこれらの同じ塩 基対番号によって同定される(例えば、ヌクレオチド75と121の間に形成された塩 基対にまたがるようにするためにデザインされたプローブは75-121と呼ぶ)。も し2つのプローブが同一の塩基対を標的とした場合にはそれらのプローブはさら にその次に小文字が入ることによって区 別される(例えば75-121(a),および75−121(b))。75−121プローブの場合には、 標的材料が構造物の基部の3'末端に完全な8ヌクレオチドを有していないため、 この位置の7ヌクレオチドのみを有する架橋プローブを作った(75-121(a);配列 番号112)。PCR産物は非鋳型"A"ヌクレオチドを3'末端に含みうるので(カッコで 示す)、余分の"T"を持つ架橋プローブを作った。この塩基対の存在によってこの 接触配列の二重鎖を8ヌクレオチドに延ばすことになるであろう。すべてのプロ ーブは、ヌクレオチド2個のスペーサーを挟む2つのヌクレオチド8個の接触配 列(標的と相補的な)を持つようにデザインした。これら3つの図のそれぞれには 、示されたプローブによる各単位核酸配列の固相支持体での捕捉後に測定した蛍 光シグナルのグラフを含んでいる。各捕捉試験で用いられたプローブを示す番号 は各棒の下に示してある。シグナルは、直鎖状(非架橋)の完全に相補的なプロー ブの結合によって検出されるシグナルの百分率として示している。これらのプロ ーブのうちのいくつかは結合性が悪いが(すなわち直鎖状の対照オリゴヌクレオ チドでのシグナルの約5%未満)、これらのデータはさらに、単一の架橋プローブ で結合しうる非連続標的配列を同定するのにこの方法が有効であることを示して いる。 上述のとおり、CFLP開裂パターンにおいていくつかの異なる構造的異性体(co nformer)が単一のバンドに寄与することはあり得る。このことは開裂部位の上 流のヌクレオチドがいくつかの異なる下流のヌクレオチドと異なる時点で対とな るか、あるいはある集団の中で核酸分子の異なるコピーと対となることを意味し ている。図37Bに示した、rpoB単位核酸配列中のヌクレオチド62および63と塩基 対を作るようなパートナーを調べた際のPCR walkingデータを振り返ってみると 、単位核酸配列中の欠失および突然変異によって好ましい構造が壊された場合で すら62の位置で開裂の残存があったことが認められる。このことはこの部位での 開裂に寄与する、他のより好ましくない折りたたみコンホメーションがあったか もしれないことを意味している。そのような別のコンホメーションを探す1つの 方法は、mfoldなどのプログラムを用いてエネルギー的に見てより好ましくない 構造を注意深く調べることである。そのような分析をヌクレオチド62および63が 対を作りうる他の領域を同定するために行った。主要な62/114構造 および2種のより好ましくない変異体を図39に示す。架橋プローブをこれらの変 異体構造のそれぞれの存在を調べられるようにデザインした。それらは図40-42 に示している。 分子の集合の中でこれらの別の構造物、それは架橋プローブ結合によって見出 すのだが、それがどのように現れるかは標的分子の長さによって影響を受けるも のと思われ、それは多数の様式のうちのいずれかによると考えられる。そのよう な様式として、次のものが挙げられるがそれらには限定されない:より長い分子 は、とりうる可能性のある構造物のより多様な集合である可能性があり、それに よって最適条件でない構造物のいかなるものもそのシグナルのパーセンテージを より低くしてしまう;追加的な配列が存在すれば、より好ましくない構造物のあ る部分と競合する相補性を有する領域を提供する可能性があり、それによってそ の集合中のその存在を減少させる;追加的な配列は、より好ましくない構造物と 直接的には相互作用しない追加的なステムを形成する可能性があるが、それにも 関わらずその追加的ステムは立体位置的またはその他の相互作用によってプロー ブの結合を阻害する。この効果を調べるために、図39に示した構造物と結合する ようにデザインされた架橋を数種類の長さの標的分子を用いて調べた。完全長( すなわち128-mer)単位核酸配列(配列番号72)は図39(a)に示した最も好ましい構 造物を形成できるようにし、また、プローブ62-114と完全な8ヌクレオチドでの 接触をその構造物のどちらの側でも行えるようにした。標的を121個のヌクレオ チドまで削ると(配列番号76)、下流での62−114プローブとの接触が7個のヌク レオチドになるが、変異体39(b)と結合するようにデザインされた62-113プロー ブの完全な8ヌクレオチドでのハイブリダイゼーションは可能である。この構造 物へのプローブの結合は4方向の"Holliday"交叉(junction)を作り出す。この 構造物ではヌクレオチド62と113は塩基対を形成していないが、この命名法は標 的鎖内の接触配列の位置を反映させるためにプローブオリゴヌクレオチドに用い る。さらにより好ましくない構造物を調べるために、標的をさらに62-114および 62-113プローブの双方に相補的な領域を除去して113個のヌクレオチドにまで切 断した。113の位置での野生型のグアニンからシトシンへの置換によって("113MM ",配列番号92)、39(a)および39(b)の構造物の双方の中のヌク レオチド113の塩基対形成にミスマッチが、異なる推定上の相手とであるが、起 こる。 図40,41,および42のそれぞれには、示されたプローブによる各単位核酸配列 の固相支持体での捕捉後に測定した蛍光シグナルのグラフを含んでいる。各捕捉 試験に用いられた標的分子の型を示す番号は各棒の下に示している。シグナルは 、直鎖状(非架橋)の完全に相補的なプローブの結合によって検出されるシグナル の百分率として示している。 図4の捕捉データは構造物を架橋するプローブは2個のヘアピンを形成するこ とのできる配列の塩基と交差するように作ることができることを示唆している。 121個のヌクレオチドの単位核酸配列が標的とされた際に観察されるシグナルの 増加はこの切断がこのコンホメーションを取り入れたものの集合のパーセンテー ジを増加させることを示唆している。短縮された変異体である113MMは標的上の 2カ所の接触部位のうちの1カ所がこの変異体では欠失しており、結合が期待で きないので、このプローブでは試験していない。 コンホメーション39(b)の2つのステムのうちの1つのみと交差するようにデ ザインされた架橋プローブもデザインし(62-98,配列番号119)、それは図41に示 されている。このプローブでは、このコンホメーション中の第2のより短いステ ムが存在することによって結合を弱くするかあるいはブロックすることが予想さ れる。113の位置に”C”を有する標的変異体ではより不安定で短いステムを持つ であろうし、またこのプローブとのより強い結合を示すことが予想される。この プローブでの捕捉データは完全長単位核酸配列の大多数がこのプローブとは結合 し得ないと考えられるような構造であることを示している。標的が121に短縮さ れると、より多くの分子が折りたたまれてこれらの結合配列に接近できるように なる。最後に、分子が113個のヌクレオチドに短縮され、代わりのコンホメーシ ョンが不安定化されると、62-98架橋プローブからの結合シグナルは非架橋対照 からのシグナルの80%を超え、この以前には次善であったコンホメーションを取 り入れた分子の集合のパーセンテージが劇的に増大したことが確かめられる。 図41に示すものに加えて別の次善のコンホーマーが予測しうる。この別の変異 体は図42に示しており、それはヌクレオチド63と87の間に塩基対を作るこ とを予言している。63-87プローブ(配列番号115)の結合は62-98ブローブで観察 されたものと類似の特徴を示す;この構造は128merあるいは121merの標的分子の どちらにも顕著な集合を形成するようには思えない。標的が双方とも短縮され、 113の位置に"C"変異が加えられた場合にはこの部位への結合は顕著に増加し、非 架橋対照からのシグナルの約13%となる。それが同じ分子(113MM標的)の別のコン ホーマーであり、62-98構造物の存在によってこのプローブの結合がブロックさ れるようなプローブの結合によって実際に促進されるようなコンホメーショナル シフトを欠いているので、シグナルが62-98構造で起こったほどは増加しないの は驚くにはあたらない。 これらのデータは隔たった(distal)配列が局地的な構造に影響を及ぼすこと ができることを明らかに示しており、以前に行われた観察結果(Browら,上述の 文献)と一致するものである。本発明の構造分析法は構造的相互作用を行う領域 を明確に同定する方法を提供する。しかし、この方法が架橋プローブのデザイン および最適化にとどまらない有用性を有することも意図されている。このタイプ の構造分析法は構造に基づいて行われる他の分析法の性能を改善するためにも用 いうる。例えば、遺伝子のいくつかの領域は、変異が折りたたみ標的核酸のコン ホメーションを検出可能なほどは変えないので、CFLPおよび/またはSSCPでうま く分析できない。他の応用法においては、ハイブリダイゼーション(例えば検出 、分析、あるいはアンチセンスの目的での)に有用な、分子のある部位が鎖の折 りたたみによって接近し得ないことがある。ここに記載した構造分析法を用いて 得られた知識によって、これらの方法でより容易に調べ得るような標的材料また は部位の選択が可能となる。例えば、CFLPおよびSSCP分析のための材料を作るた めに用いられるPCRプライマーを望ましくない構造相互作用を排除するために再 配置でき、あるいはPCRプライマーに材料の折りたたみ動作様式を特異的に変え るために選んだ突然変異または余分の配列を含ませることもできる。PCRプライ マーは、結果として得られた単位核酸配列鎖の選択された部分に対して相補的な 領域を含めることもでき、その隔離によって対象とする部位をより望ましいコン ホメーションで曝すことができるようになる(すなわち、突然変異や多型性をよ り明らかに示したり、他の目的でのハイブリダイゼーションをより容易に行 えるようにしたりする)。別の実施形態においては、望ましくない構造は、追加 のハイブリダイゼーションプローブを用意することによって破壊する(disrupt )ことができる。明らかに、そのような破壊を行うプローブが対象となる部位と 直接にあるいはその近接した部位と相互作用を行う必要はない;そのような破壊 用プローブの結合が対象の部位とははるかに離れた位置で行われてもよいことを 意図している。唯一の必要事項はそのプローブの結合が対象となる核酸によって 作られるコンホメーションに好ましい変化を起こすということである。その効果 はかなり直接的であっても(例えば望ましくない構造の形成を直接的にブロック することによって)、あるいは問接的であっても(例えば究極的には望ましくない 構造の排除という結果となるコンホメーションのシフトの連鎖によって)よい。 破壊のための配列が、対象の配列と同じ鎖の一部分ではないように作られる、こ の後者の実施形態は、in vivoでアンチセンス法を行うにあたって特に応用しう るものとなるであろう。 実施例14 架橋オリゴヌクレオチド 上述の構造分析法を用いて、標的となるHCV 244bp DNA、これは前に用いたも のと同じ標的であるが、このための新たな架橋オリゴヌクレオチドをデザインし た。塩基対を161と205の位置の間に形成すると予測される構造にまたがるような プローブの1セットをデザインし(図43A)、もう一方は塩基対を3.3と77の位置の 間に形成する新たに同定された構造にまたがるようにデザインした(図43B)。 G161/C205(7)、G33/C77(7)、およびG33/C77(8)(それぞれ配列番号120,121, および122)の3種類の架橋オリゴヌクレオチドを用い、それらは7または8個の ヌクレオチドがそれぞれ標的のHCVのサブタイプ1a,1b,2a/c,および3a(配 列番号26-29)に形成されているヘアピンのそれぞれの側に対して相補的であった 。それらのオリゴヌクレオチドの5'末端を合成によってフルオレセイン標識し、 ゲル電気泳動で精製した。ハイブリダイゼーション混合液は、10-20フェムトモ ルのビオチン標識試験HCV単位核酸配列(実施例3に記載したように調 製したが実施例8に記載のビオチニル化プライマーを用いた)、1.5ピコモルのフ ルオレセイン標識捕捉プローブのうちの1種、0.01mg/ml tRNA、および0.2%アセ チル化BSAを150μlの4.5X SSPEに含有するように混合した。混合液を室温で30分 間インキュベートした。 その混合液のアリコート(100μl)を、ストレプトアビジンをコートした96ウエ ルプレート(Boehringer Mannhelm)のウエルに移し、室温で20分間インキユベー トした。そのプレートを、非イオン性界面活性剤Tween-20をO.01%含むTBS(25mM Tris-HCl,0.15M NaCl,pH7.2)で3回洗った。次いで、アルカリフォスファター ゼとコンジュゲートさせた0.75u/mlの抗フルオレセイン抗体を0.2%I-ブロック緩 衝液(Tropix,Bedford,MA)で1:5000希釈したものを100μl、各ウエルに添加し た。室温で20分間置いた後、プレートを0.01% Tween-20を含むTBSで3回洗つた 。次いで、Attophos蛍光基質(JBL,San Louis Obisbo,米国カリフォルニア州) を100μl各ウエルに添加し、プレートを37℃で1時間インキュベートし、蛍光の 観察は450/50nmで励起し、発光を580/50nmで検出するようにセットしたPerkin-E lmer Cytofluor-4000を用いて行った。各アッセイは2回測定で行い、標準偏差 は図44Aおよび44Bの各カラムの上部の黒い横線で示し、蛍光の強度は任意に定め た蛍光単位で示している。 これらのデータは、より短い接触配列を使用すれば架橋プローブを用いて変異 体の構造を探る際の識別能力を増強させることができることを示している。G33/ C77(8)プローブ(配列番号122)による捕捉で得たデータは図44Aに示しているが 、G33/C77(7)プローブ(配列番号121)でのシグナルを示している図44Bの中央のパ ネルと比較しうる。後者のプローブは前者と同じ構造に結合するが相補性はスペ ーサーの各側面の7個のヌクレオチドのみである。蛍光シグナルの総量は減少す るものの、短いプローブの使用によって異なるHCV遺伝子型間のシグナルの相違 は大きくなり、それによってこれらの型のより正確な同定が可能となる。同様に 、G161/C205(7)プローブ(配列番号120)、これは実施例8に記載のプローブ"b"( 配列番号53)に類似しているがどちらかの末端がヌクレオチド1個分短いもので あるが、このプローブは同様の効果を示した。HCVの上記と同じ4つのタイプへ の"b"の結合を調べた結果は図19および25に示されているが、その結果では、1a 、1b、および2a/cの各タイプは、各パネルに示されている非架橋対照と比較する と類似の量のシグナルを生じているが、3aはプローブ"b"とうまく結合していな いことが示されている。これに比較して、より短いプローブであるG161/C205(7) からの捕捉シグナルは図44Bの右側のパネルに示されているが、1a、1b,および2a /cのノーマライズしたシグナル間ではるかに大きな識別能力を示し、それらの各 々は他のものと明確に区別し得た。これらのデータは、より短い接触配列を有す るプローブを使用することによって、密接に関連していると考えられる核酸分子 (すなわち配列中で1個または2-3個のヌクレオチドのみが異なるような分子)の 構造をより高感度で区別することができるようになることを示している。 上記の記述から、本発明が、電気泳動によるコンホメーションもしくは断片の 分離、またはゲルを可視化するための複雑で高価な方法(例えば暗室用品、ブロ ッティング装置、もしくは蛍光像測定器)を必要とすることなく核酸内の二次構 造の分析法を提供することも明らかである。本発明の新規の方法によって、ヒト を含む各種の生物から得られる遺伝子内の変異体(例えば突然変異)の迅速な同定 が可能となる。 上記の明細書中に述べた公表文献および特許はそのすべてをここに参照によっ て取り込むこととする。ここに記載した本発明の方法とシステムに本発明の範囲 および精神から垂離することなく各種の改変および変更を加えることは当業者で あれば自明のことであろう。本発明は特定の好ましい実施形態と関連づけること によって記載されてはいるが、請求の範囲に示されている本発明はそのような特 定の実施形態に限定されるべきものではないことは理解されるべきである。確か に、本発明を実施するためのここに記載した方法の各種の改変は分子生物学ある いは関連分野の当業者であれば自明なものであるが、それらは下記の請求の範囲 内に含まれることが意図される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 09/034,205 (32)優先日 平成10年3月3日(1998.3.3) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,CA,J P,US (72)発明者 プルーデント,ジェイムス,アール. アメリカ合衆国 53719 ウィスコンシン 州,マディソン,カントリー グローブ ドライブ 3750 (72)発明者 フォース,ランス アメリカ合衆国 53717 ウィスコンシン 州,マディソン,ヒドゥン ハロウ トレ ース 12 (72)発明者 ネリ,ブルース,ピー. アメリカ合衆国 53711 ウィスコンシン 州,マディソン,キルケニー プレイス 5714 (72)発明者 ブロウ,メアリー,アン,ディー. アメリカ合衆国 53711 ウィスコンシン 州,マディソン,ハマースリー ロード 5905 (72)発明者 アンダーソン,トッド,エー. アメリカ合衆国 53705 ウィスコンシン 州,マディソン,ユニバーシティー アベ ニュー ナンバー323 2302 (72)発明者 ドールバーグ,ジェイムス,イー. アメリカ合衆国 53705―1316 ウィスコ ンシン州,マディソン,メリル スプリン グス ロード 1119

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.a) i) 1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含むデオキシリボ核酸 配列を有する折りたたみ標的、および ii) 該折りたたみ標的の少なくとも一部に相補的な1以上のオリゴヌク レオチドプローブ、 を用意し、そして b) 該折りたたみ標的と該1以上のプローブとを、該プローブが該折りたた み標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するよう な条件下で混合する、 ことを含んでなる方法。 2.前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することをさらに含む、 請求項1に記載の方法。 3.形成されたプローブ/折りたたみ標的複合体を定量することをさらに含む、 請求項1に記載の方法。 4.前記プローブ/折りたたみ標的複合体中の該プローブが該折りたたみ標的の 一本鎖領域にハイブリダイズする、請求項1に記載の方法。 5.前記プローブが固相支持体によるその捕捉を可能とする成分を有するオリゴ ヌクレオチドからなる、請求項2に記載の方法。 6.前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することが、該プローブ が固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りたたみ標 的複合体を固相支持体にさらすことを含む、請求項5に記載の方法。 7.前記成分がビオチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合 可能な化合物を有する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびスト レプトアビジンよりなる群から選択される、請求項6に記載の方法。 8.前記折りたたみ標的が標識されている、請求項1に記載の方法。 9.前記折りたたみ標的が固相支持体によるその捕捉を可能とする成分を有する デオキシリボ核酸配列からなる、請求項2に記載の方法。 10.前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することが、該折りたた み標的が固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りた たみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含む、請求項9に記載の方法。 11.前記成分がビオチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合 可能な化合物を有する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびスト レプトアビジンよりなる群から選択される、請求項10に記載の方法。 12.前記プローブが標識されている、請求項1に記載の方法。 13.前記プローブが固相支持体に結合される、請求項1に記載の方法。 14.前記折りたたみ標的核酸が固相支持体に結合される、請求項1に記載の方法 。 15.a) i) 第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的で あって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本 鎖領域を含むもの、 ii) 第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1 折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第 2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であっ て、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領 域を含むもの、 iii)第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブであって、第1オリ ゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折りたたみ標的の第1部分に相補 的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折りたたみ標 的の第2部分に相補的であるもの、および iv) 第1、第2、第3および第4の試験ゾーンを含む固相支持体であっ て、各ゾーンが第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブを捕捉し固定化 することができるもの、 を用意し、 b) 第1折りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを、該第1プ ローブが第1折りたたみ標的に結合して第1混合物中のプローブ/折りたたみ 標的複合体を形成するような条件下で接触させ、 c) 第1折りたたみ標的と第2オリゴヌクレオチドプローブとを、該第2プ ローブが第1折りたたみ標的に結合して第2混合物中のプローブ/折りたたみ 標的複合体を形成するような条件下で接触させ、 d) 第2折りたたみ標的と第1オリゴヌクレオチドプローブとを接触させて 第3混合物を形成し、 e) 第2折りたたみ標的と第2オリゴヌクレオチドプローブとを接触させて 第4混合物を形成し、そして f) 第1、第2、第3および第4の混合物を、該プローブが捕捉され固定化 されるような条件下で、前記固相支持体の第1、第2、第3および第4の試験 ゾーンにそれぞれ添加する、 ことを含んでなる方法。 16.ステップd)における前記第1プローブが第2折りたたみ標的と実質的にハイ ブリダイズしない、請求項15に記載の方法。 17.ステップd)における第1プローブの第2折りたたみ標的へのハイブリダイゼ ーションが、ステップc)における第1プローブの第1折りたたみ標的へのハイ ブリダイゼーションと比べて低下している、請求項15に記載の方法。 18.第1および第2の標的がDNAからなる、請求項15に記載の方法。 19.第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブがDNAからなる、請求項15 に記載の方法。 20.a) i) 第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的で あって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本 鎖領域を含むもの、 ii) 第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1 折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第 2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であっ て、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領 域を含むもの、 iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持体であって、該ゾーン のそれぞれが固定化された第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブを含 み、第1オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の折りたたみ標的の第 1部分に相補的であり、第2オリゴヌクレオチドプローブが第1および第2の 折りたたみ標的の第2部分に相補的であるもの、 を用意し、 b) 第1および第2の折りたたみ標的と固相支持体とを、第1および第2の プローブが第1折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標 的複合体を形成するような条件下で接触させる、 ことを含んでなる方法。 21.ステップb)の前記接触が、第1折りたたみ標的を第1試験ゾーンに添加し、 第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加することを含む、請求項20に記載 の方法。 22.第1および第2のプローブが前記試験ゾーンの別々の部分に固定化されてい る、請求項21に記載の方法。 23.第2試験ゾーン中の第1プローブが第2折りたたみ標的に実質的にハイブリ ダイズしない、請求項22に記載の方法。 24.第2試験ゾーン中の第1プローブが、第1試験ゾーン中の第1プローブの第 1折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比べて、低い効率で第2折り たたみ標的にハイブリダイズする、請求項22に記載の方法。 25.第1および第2の折りたたみ標的がDNAからなる、請求項20に記載の方法 。 26.第1および第2の折りたたみ標的がRNAからなる、請求項20に記載の方法 。 27.第1および第2のオリゴヌクレオチドプローブがDNAからなる、請求項20 に記載の方法。 28.核酸標的中の構造体形成を確認する方法であって、 a) i) 1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領域を含み、さらに2以上の 非連続部分と1以上の介在領域を含む、デオキシリボ核酸配列を有する折りた たみ標的、および ii) 該折りたたみ標的の2以上の非連続部分に相補的な1以上の架橋オ リゴヌクレオチドプローブ、 を用意し、そして b) 該折りたたみ標的と該1以上のプローブとを、該プローブが該折りたた み標的にハイブリダイズしてプローブ/折りたたみ標的複合体を形成するよう な条件下で混合する、 ことを含んでなる方法。 29.前記折りたたみ標的の1以上の介在領域が少なくとも5個のヌクレオチドを 含む、請求項28に記載の方法。 30.前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することをさらに含む、 請求項28に記載の方法。 31.形成されたプローブ/折りたたみ標的複合体を定量することをさらに含む、 請求項28に記載の方法。 32.前記プローブ/折りたたみ標的複合体中の該プローブが該折りたたみ標的の 少なくとも一本鎖領域にハイブリダイズする、請求項28に記載の方法。 33.前記架橋オリゴヌクレオチドプローブが固相支持体による該架橋オリゴヌク レオチドプローブの捕捉を可能とする成分をさらに含む、請求項30に記載の方 法。 34.前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することが、該架橋オリ ゴヌクレオチドプローブが固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該 プローブ/折りたたみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含む、請求項33 に記載の方法。 35.前記成分がビオチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合 可能な化合物を有する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびスト レプトアビジンよりなる群から選択される、請求項34に記載の方法。 36.前記折りたたみ標的が標識されている、請求項28に記載の方法。 37.前記折りたたみ標的が固相支持体によるその捕捉を可能とする成分を有する デオキシリボ核酸配列からなる、請求項30に記載の方法。 38.前記プローブ/折りたたみ標的複合体の存在を検出することが、該折りたた み標的が固相支持体によって捕捉されるような条件下で、該プローブ/折りた たみ標的複合体を固相支持体にさらすことを含む、請求項37に記載の方法。 39.前記成分がビオチン成分からなり、前記固相支持体が該ビオチン成分に結合 可能な化合物を有する表面で構成されており、該化合物がアビジンおよびスト レプトアビジンよりなる群から選択される、請求項38に記載の方法。 40.前記架橋オリゴヌクレオチドプローブが標識されている、請求項28に記載の 方法。 41.前記架橋オリゴヌクレオチドプローブが固相支持体に結合される、請求項28 に記載の方法。 42.前記折りたたみ標的核酸が固相支持体に結合される、請求項28に記載の方法 。 43.核酸標的の構造体を分析する方法であって、 a) i) 第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的で あって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本 鎖領域を含み、さらに2以上の非連続部分と1以上の介在領域を含むもの、 ii) 第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1 折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第 2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であっ て、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領 域を含み、さらに2以上の非連続部分と1以上の介在領域を含むもの、 iii)第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドであって、第1架橋オリ ゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第1部分の該2以上の非 連続部分に相補的であり、第2架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折 りたたみ標的の第2部分の該2以上の非連続部分に相補的であるもの、および iv) 第1、第2、第3および第4の試験ゾーンを含む固相支持体であっ て、各ゾーンが第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドを捕捉し固定化する ことができるもの、 を用意し、 b) 第1折りたたみ標的と第1架橋オリゴヌクレオチドとを、該第1架橋オ リゴヌクレオチドが第1折りたたみ標的に結合して第1混合物中のプローブ/ 折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触させ、 c) 第1折りたたみ標的と第2架橋オリゴヌクレオチドとを、該第2架橋オ リゴヌクレオチドが第1折りたたみ標的に結合して第2混合物中のプローブ/ 折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触させ、 d) 第2折りたたみ標的と第1架橋オリゴヌクレオチドとを接触させて第3 混合物を形成し、 e) 第2折りたたみ標的と第2架橋オリゴヌクレオチドとを接触させて第4 混合物を形成し、そして f) 第1、第2、第3および第4の混合物を、該第1および第2の架橋オリ ゴヌクレオチドが捕捉され固定化されるような条件下で、前記固相支持体の第 1、第2、第3および第4の試験ゾーンにそれぞれ添加する、 ことを含んでなる方法。 44.ステップd)における第1架橋オリゴヌクレオチドが第2折りたたみ標的と実 質的にハイブリダイズしない、請求項43に記載の方法。 45.ステップd)における第1架橋オリゴヌクレオチドの第2折りたたみ標的への ハイブリダイゼーションが、ステップc)における第1架橋オリゴヌクレオチド の第1折りたたみ標的へのハイブリダイゼーションと比べて低下している、請 求項43に記載の方法。 46.第1および第2の標的がDNAからなる、請求項43に記載の方法。 47.第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドがDNAからなる、請求項43に記 載の方法。 48.折りたたみ核酸標的を分析する方法であって、 a) i) 第1部分と第2部分を含む核酸配列を有する第1折りたたみ標的で あって、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本 鎖領域を含むもの、 ii) 第1折りたたみ標的の第1部分と同一である第1部分、および第1 折りたたみ標的に対して核酸配列が変化しているため第1折りたたみ標的の第 2部分と異なる第2部分、を含む核酸配列を有する第2折りたたみ標的であっ て、該第1部分と第2部分がそれぞれ1以上の二本鎖領域と1以上の一本鎖領 域を含むもの、 iii)第1および第2の試験ゾーンを含む固相支持体であって、該ゾーン のそれぞれが固定化された第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドを含み、 第1架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標的の第1部分に 相補的であり、第2架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の折りたたみ標 的の第2部分に相補的であるもの、 を用意し、そして b) 第1および第2の折りたたみ標的と固相支持体とを、第1および第2の 架橋オリゴヌクレオチドが第1折りたたみ標的にハイブリダイズしてプローブ /折りたたみ標的複合体を形成するような条件下で接触させる、 ことを含んでなる方法。 49.ステップb)の前記接触が、第1折りたたみ標的を第1試験ゾーンに添加し、 第2折りたたみ標的を第2試験ゾーンに添加することを含む、請求項48に記載 の方法。 50.第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドが前記試験ゾーンの別々の部分に 固定化される、請求項48に記載の方法。 51.第2試験ゾーン中の第1架橋オリゴヌクレオチドが第2折りたたみ標的に実 質的にハイブリダイズしない、請求項50に記載の方法。 52.第2試験ゾーン中の第1架橋オリゴヌクレオチドが、第1試験ゾーン中の第 1架橋オリゴヌクレオチドの第1折りたたみ標的へのハイブリダイゼーション と比べて、低い効率で第2折りたたみ標的にハイブリダイズする、請求項50に 記載の方法。 53.第1および第2の折りたたみ標的がDNAからなる、請求項48に記載の方法 。 54.第1および第2の折りたたみ標的がRNAからなる、請求項48に記載の方法 。 55.第1および第2の架橋オリゴヌクレオチドがDNAからなる、請求項48に記 載の方法。 56.a) i) 二本鎖部分からなる介在領域により分離された、第1および第2の 非連続一本鎖領域を含む標的核酸、 ii) 該第1および第2の非連続一本鎖領域に結合できる架橋オリゴヌク レオチド、および iii)ポリメラーゼおよびリガーゼよりなる群から選択される反応体、 を用意し、そして b) 該標的核酸と該架橋オリゴヌクレオチドと該反応体とを、該架橋オリゴ ヌクレオチドが修飾されて修飾オリゴヌクレオチドを生成するような条件下で 混合する、 ことを含んでなる方法。 57.前記反応体がポリメラーゼであり、前記修飾オリゴヌクレオチドが伸長した オリゴヌクレオチドからなる、請求項56に記載の方法。 58.前記反応体がリガーゼであり、前記修飾オリゴヌクレオチドが連結されたオ リゴヌクレオチドからなる、請求項56に記載の方法。 59.前記架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の非連続一本鎖領域のそれぞ れの10個未満のヌクレオチドに結合することができる、請求項56に記載の方法 。 60.前記架橋オリゴヌクレオチドが第1および第2の非連続一本鎖領域のそれぞ れの7個以下のヌクレオチドに結合することができる、請求項59に記載の方法 。 61.前記標的核酸がDNAである、請求項56に記載の方法。 62.前記DNAがウイルスDNAである、請求項61に記載の方法。 63.前記ウイルスがパルボウイルス科、パポバウイルス科、アデノウイルス科、 ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、イリドウイルス科、およびポック スウイルス科よりなる群から選択される、請求項62に記載の方法。 64.前記標的核酸がRNAである、請求項56に記載の方法。 65.前記RNAがウイルスRNAである、請求項64に記載の方法。 66.前記ウイルスがピコルナウイルス科、カリチウイルス科、レオウイルス科、 トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウ イルス科、アレナウイルス科、ラプドウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤ ウイルス科、およびレトロウイルス科よりなる群から選択される、請求項65に 記載の方法。 67.a) i) 二本鎖領域からなる介在領域により分離された、第1および第2の 非連続一本鎖領域を含む標的核酸、 ii) 該第1および第2の非連続一本鎖領域に結合できる架橋オリゴヌク レオチド、 iii)該第1非連続一本鎖領域の一部に結合できる第2オリゴヌクレオチ ド、および iv) 開裂手段、 を用意し、そして b) 該標的核酸と該架橋オリゴヌクレオチドと該第2オリゴヌクレオチドと 該開裂手段とを、該第2オリゴヌクレオチドまたは該架橋オリゴヌクレオチド のいずれかが開裂されるような条件下で混合する、 ことを含んでなる方法。 68.前記開裂手段がヌクレアーゼを含む、請求項67に記載の方法。 69.前記ヌクレアーゼが耐熱性の5'ヌクレアーゼを含む、請求項68に記載の方法 。 70.耐熱性の5'ヌクレアーゼがテルムス(Thermus)種の天然ポリメラーゼから誘 導された改変ポリメラーゼを含む、請求項69に記載の方法。 71.前記ヌクレアーゼがPyrococcus Woesii FEN-1エンドヌクレアーゼ、Methano coccus Jannaschii FEN-1エンドヌクレアーゼ、Pyrococcus furiosus FEN-1エ ンドヌクレアーゼ、およびArchaeoglobus fulgidus FEN-1エンドヌクレアーゼ よりなる群から選択される、請求項68に記載の方法。 72.前記混合の条件が、前記オリゴヌクレオチドのオーバーラップ領域を規定す るように、架橋オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドの標的核酸への ハイブリダイゼーションを可能にする、請求項67に記載の方法。 73.前記オーバーラップ領域が1個の塩基を含む、請求項72に記載の方法。 74.前記オーバーラップ領域が1個より多い塩基を含む、請求項72に記載の方法 。 75.前記標的核酸がDNAである、請求項67に記載の方法。 76.前記DNAがウイルスDNAである、請求項75に記載の方法。 77.前記ウイルスがパルボウイルス科、パポバウイルス科、アデノウイルス科、 ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、イリドウイルス科、およびポック スウイルス科よりなる群から選択される、請求項76に記載の方法。 78.前記標的核酸がRNAである、請求項67に記載の方法。 79.前記RNAがウイルスRNAである、請求項78に記載の方法。 80.前記ウイルスがピコルナウイルス科、カリチウイルス科、レオウイルス科、 トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウ イルス科、アレナウイルス科、ラプドウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤ ウイルス科、およびレトロウイルス科よりなる群から選択される、請求項79に 記載の方法。 81.a) i) 介在領域により分離された、第1および第2の非連続一本鎖領域を 含む標的核酸であって、該介在領域が連結一本鎖部分により分離された第1二 本鎖部分と第2二本鎖部分を含むもの、および ii) 該第1および第2の非連続一本鎖領域に結合できる架橋オリゴヌク レオチド、 を用意し、そして b) 該標的核酸と該架橋オリゴヌクレオチドとを、該架橋オリゴヌクレオチ ドが該標的にハイブリダイズしてオリゴヌクレオチド/標的複合体を形成する ような条件下で混合する、 ことを含んでなる方法。 82.前記標的核酸がDNAである、請求項81に記載の方法。 83.前記DNAがウイルスDNAである、請求項82に記載の方法。 84.前記ウイルスがパルボウイルス科、パポバウイルス科、アデノウイルス科、 ヘパドナウイルス科、ヘルペスウイルス科、イリドウイルス科、およびポック スウイルス科よりなる群から選択される、請求項83に記載の方法。 85.前記標的核酸がRNAである、請求項81に記載の方法。 86.前記RNAがウイルスRNAである、請求項85に記載の方法。 87.前記ウイルスがピコルナウイルス科、カリチウイルス科、レオウイルス科、 トガウイルス科、フラビウイルス科、オルソミクソウイルス科、パラミクソウ イルス科、アレナウイルス科、ラプドウイルス科、コロナウイルス科、ブンヤ ウイルス科、およびレトロウイルス科よりなる群から選択される、請求項86に 記載の方法。 88.核酸構造を分析する方法であって、 a) i) 配列データ入力手段、 ii) 開裂データ入力手段、および iii)核酸構造推定手段、 を用意し、 b) 核酸配列データを該配列データ入力手段に提供して配列データ結果を出 し、 c) 構造特異的開裂データを該開裂データ入力手段に提供して開裂データ結 果を出し、そして d) 該配列データ結果と該開裂データ結果を該核酸構造推定手段に提供して 、推定上の核酸構造を得る、 ことを含んでなる方法。 89.e) 塩基対データ入力手段および第2核酸構造推定手段を用意し、 f) 塩基対データを該塩基対データ入力手段に提供して塩基対データ結果を 出し、そして g) 該配列データ結果、該開裂データ結果および該塩基対データ結果を第2 核酸構造推定手段に提供して、第2の推定上の核酸構造を得る、 各ステップをさらに含む、請求項87に記載の方法。
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