JP2001522689A - 外科用ハンドアクセス装置 - Google Patents

外科用ハンドアクセス装置

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JP2001522689A
JP2001522689A JP2000520706A JP2000520706A JP2001522689A JP 2001522689 A JP2001522689 A JP 2001522689A JP 2000520706 A JP2000520706 A JP 2000520706A JP 2000520706 A JP2000520706 A JP 2000520706A JP 2001522689 A JP2001522689 A JP 2001522689A
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Abstract

(57)【要約】 ハンドアクセス装置(10)は外側スリーブ(11)と、内側スリーブ(12)と、フランジ(13)とを有する。装置(10)の近位端は、ガスによって膨らませた外側スリーブ(11)によってシールされ、遠位端は、内側スリーブ(12)の壁に作用する患者の身体キャビティ内のガス圧力によってつぶされた内側スリーブの壁によってシールされる。装置(10)は、内側スリーブ(12)にエプロン(16)と共に取付けられた内部リング(15)を備える。内部リング(15)は装置を患者の腹壁の下で固定し、エプロン(16)は、患者の身体の切開部位の周りの切り口保護具として作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は外科用ハンドアクセス装置に関し、更に詳細には、最小浸入性外科手
術のための外科用ハンドアクセス装置の改良に関する。
【０００２】 最小浸入性外科手術では、一般的には、ガスが患者の腹腔に導入されて、気腹
を生じさせる。手補助式腹腔鏡手術法(ＨＡＬＳ)は、小さい切開部を患者の腹部
に作り、ハンドアクセス装置を切開部に挿入する、最小浸入性外科手術の洗練さ
れた形態である。ハンドアクセス装置を使用すれば、外科医は手を患者の腹部に
挿入することができ、標準の最小浸入性技術によって成し遂げることができない
多くの処置を行うことができる。
【０００３】 特に有効な１つのハンドアクセス装置が、出願人の欧州特許明細書第0744922 号に開示されているハンドアクセス装置である。この装置は患者の身体に作った
切開部に挿入するためのスリーブを有し、このスリーブは近位端に位置する入口
開口及び遠位端に位置する出口開口を有する。スリーブは、その遠位縁の又はそ
れと隣接した腹腔内のガス圧力によって、出口開口がつぶされる。患者の身体の
外側の装置の膨らまし可能なチャンバーをガス圧力によって膨らますときにシー
ルを強化し且つ装置を患者の身体に固定するトート(taut)バルブもスリーブの遠
位縁に設けられる。この装置は非常に有効で簡単なハンドアクセス装置である。
【０００４】 本発明は、近位端に入口開口を有し、遠位端に出口開口を有する可撓性チュー
ブと、使用中、患者の腹腔内のガス圧力によって果される出口開口シール手段と
、外科医の手又は外科用器具のアクセスを許しながら、入口開口をシールするた
めのシール手段とを有する、最小浸入性外科手術に使用するためのハンドアクセ
スポート装置において、出口開口シール手段と別の且つそれに取付けられない固
定エレメントが、装置を患者の身体キャビティの腹壁に固定するように設けられ
ることを特徴とする前記ハンドアクセスポート装置を提供する。
【０００５】 好ましくは、固定エレメントは、患者の身体の切開部を通して挿入され、そし
て装置を固定すべく患者の身体内で楕円形又は円形に戻る変形可能なリングであ
る。 有利なことには、可撓性チューブは、装置の近位端だけで接合された外側スリ
ーブ及び内側スリーブを有し、フランジが外側スリーブの遠位端に設けられ、フ
ランジは患者の切開部の周りの腹部の皮膚に取付け可能であり、患者の身体キャ
ビティからのガスの通路が、外側スリーブの膨らましを可能にするように内側ス
リーブと外側スリーブとの間に設けられる。
【０００６】 便利なことには、エプロンが、患者の腹壁が内側スリーブと接触する領域に近
接して、内側スリーブの外壁に取り付けられ、固定エレメントがエプロンエレメ
ントの遠位端に位置する。 好ましくは、エプロンは切り口保護具として使用されるようになっており、そ
れにより、エプロンの外壁は切り口の表面に接触する。
【０００７】 有利なことには、出口シール手段は一対の半剛性ストリップを有するカフ(cuf
f)バルブを有し、各ストリップはスリーブの遠位端に形成された一対の対向ポケ
ットの各々に収容される。 便利なことには、外側スリーブの遠位端は膨らまし可能なトロイド形部分を備
え、トロイド形部分は、その端に患者の皮膚と接触させるためのフランジを有す
る。
【０００８】 有利なことには、入口シール手段と出口シール手段との間の外科医の手の周り
で中間バルブとして作用する短いスリーブエレメントが内側スリーブ内に設けら
れる。 加えて、固定エレメントは、患者の身体の外部に取付け可能なリングエレメン
トを含む。
【０００９】 装置は、一般的には、可撓性、不浸透性、生物学的適合性、且つ医療的無菌性
のプラスチック／ポリマー材料で作られる。 本発明の多数の実施形態を例示としてのみ示す添付図面を参照して、本発明を
以下に、より詳細に説明する。
【００１０】 最初に図１を参照すれば、ハンドアクセス装置１０は外側スリーブ１１と、内
側スリーブ１２と、フランジ１３と、インサルフレーション(insulflation)バル
ブ１４とを有する。装置１０は、上述の欧州特許明細書に記載されているような
出願人の先行の装置と同じ仕方で操作される。しかしながら、装置１０は、フェ
ザー(feather)バルブ１７の下でフランジ１３に隣接して内側スリーブ１２にエ プロン１６と共に取付けられた内部リング１５を備えている。装置は側面溶着部
又は横断溶着部を有さず、従って、装置がガスで膨らまされるとき、外側スリー
ブ１１は拡張して、上方及び外方に延び、内側スリーブ、取付けられたエプロン
１６及び可撓性内部リング１５を上方に引く。上方移動の効果は、内部リング１
５を腹壁の下でアンカーとして作用させることにあり、且つ切開部位と外科医が
手術すべき組織との間の追加の保護バリヤーとして作用するエプロン１６の更な
る目的のためにある。加えて、エプロン１６及び内部リング１５の引き上げは、
切開部位を引っ込めるように作用して、外科医が手と前腕を挿入することができ
る、より広い切開内腔を作るのを助ける。カフバルブ１８がリング１５の下に位
置決めされ、且つ内側スリーブ１２の遠位端のＳＡＲＡＮＥＸポケットに封入さ
れた、１ｍｍＶＩＶＡＫの幅１５ｍｍの２本のストリップを有する(ＶＩＶＡＫ 及びＳＡＲＡＮＥＸは登録商標である)。
【００１１】 第２の実施形態２０は、遠位バルブのシールを貫く前に前腕のシールを可能に
すべく、内側スリーブ２２が指先から前腕までをよりうまく収容するようにより
長いこと以外、全体的には、第１の実施形態１０と同様である。
【００１２】 第３の実施形態の装置３０は２つのリング、即ち、内部リング３５及び外部リ
ング３６を有する。トートバルブ３８が内側スリーブ３２の遠位端に付けられる
。
【００１３】 第４の実施形態の装置４０は縮小した外側スリーブ４１とフレーム４３とを有
する。補強されたトートバルブ４８が内側スリーブ４２の遠位端に設けられる。
【００１４】 第５の実施形態５０は、縮小した外側スリーブ５１と内部リング５５とを有す
る。内側スリーブ５３を外側スリーブ５１に連結する側面溶着部５２の長さを短
くすることによって、外側スリーブはその高さが短くされる。内側スリーブ５３
と外側スリーブ５１とを連結する横断溶着部はない。この効果は、外側スリーブ
５１を内側スリーブ５３に対して上下により大きく移動させることにある。
【００１５】 加えて、外側スリーブ５１は、下部分に特別な材料を有するように設計される
。この特別な材料、又は、他の適合可撓性材料５７は、本発明によれば、フラン
ジに連結される。外側スリーブの下部分に特別な材料を含めることにより、下部
分を上部分よりも大きく膨らませる。ガスを装置内に誘導して外側スリーブを膨
らませるとき、内側スリーブ５３は、それに取付けられたエプロン５６及び内部
リング５５と一緒に引き上げられる。内側スリーブ５３を引き上げる外側スリー
ブ５１の能力は内部リング５５によって制限され、この制限により、外側スリー
ブ５１の特別な材料のバルーン効果を生じさせる。バルーン効果により、内部に
固定されたエプロン５６及びリング５５と組合わせた外部フランジ５７及び膨ら
したトロイド５４が、切開部の周りにガスに対する非常に効果的なシールを形成
するように作用し、更に、外部空気に対する無菌シールとして作用するようにな
る。内側スリーブ５３は、一体の切り口保護具として作用する。
【００１６】 トートバルブ５８はウイング５９の内側にストラット(strut)を有する。内側 スリーブ５２は、内側スリーブの反転を防止する側面溶着部を有する。実施形態
６０は、より大きな外側スリーブ６１と、内側リング６５と、トートバルブ６８
とを有する。
【００１７】 実施形態７０は内部リング７５と外部リング７６とを有する。図７ａでは、内
部リングの断面は、６ｍｍに対して８ｍｍである。内部リングはトートバルブ７
８の移動を制限し、従って、手を前腕まで完全にバルブの中に通しやすくする。
【００１８】 実施形態８０は２つのリング８５及び８６と、溶着した平らな布又はドレープ
(drape)８３及び８４とを有し、実施形態９０は２つのリング９５及び９６を備 えた溶着した平らなドレープを有する。外部リング９６はフランジ９７に、より
近い。固定リング９５、９６は、内部リングがテント状に張る力をほとんど取り
除く非常に良い結果を与える。可撓性外側スリーブ９１により、装置のいかなる
部分にもひずみを与えることなしに、外科医の腕の移動を可能にする。
【００１９】 第１０の実施形態では、内側スリーブ１０２の長さは、トートバルブ１０８を
内部リング１０５に直面させるように５０ｍｍだけ増やされている。リング１０
５及び１０６は両方ともポリウレタンで作られる。装置の膨らまし時、ガス損失
及び内部リングに作用するテント状に張る力はない。外側スリーブ１０１は極め
て可撓性であるが、側面溶着部は、外側スリーブ１０１が近位端で反転するのを
防止する。内側スリーブ１０２は、近位端と内部リングとの間を完全にピンと張
っておく。フェザーバルブ１０３が、外科医の腕の周りのシールを形成するのに
使用される。
【００２０】 第１１の実施形態１１０は、外側スリーブ１１１が直線に形成されている以外
、実施形態１００と同様である。スリーブ１１０を図１１及び１２に示す。患者
の所定位置にあるときの外部リング及び、内部リング１１５は、フランジ１１３
からの力をかけ、トートバルブがすぼむのを防ぐ。
【００２１】 ヒンジ１４０及び１５０を使用するトートバルブの変更例を図１３乃至１５ａ
に示す。
【００２２】 勿論、本発明がここに説明した特定の詳細に限られず、例示としてのみ与えら
れ、種々の変更例及び変形例が請求項に記載された本発明の範囲内にあり得るこ
とが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による外科用ハンドアクセス装置の第１の実施形態の側面図である。
【図２】 第１の実施形態よりも長い内側スリーブを有する、本発明による外科用ハンド
アクセス装置の第２の実施形態の側面図である。
【図３】 外科用ハンドアクセス装置の第３の実施形態の側面図である。
【図４】 外科用ハンドアクセス装置の第４の実施形態の側面図である。
【図５】 外科用ハンドアクセス装置の第５の実施形態の側面図である。
【図６】 外科用ハンドアクセス装置の第６の実施形態の側面図である。
【図７】 ハンドアクセス装置の第７の実施形態の側面図である。
【図７ａ】 ハンドアクセス装置の第７の実施形態の変形例の側面図である。
【図８】 ハンドアクセス装置の第８の実施形態の側面図である。
【図９】 ハンドアクセス装置の第９の実施形態の側面図である。
【図１０】 本発明による第１０の実施形態の側面図である。
【図１０ａ】 外側スリーブの側面図である。
【図１１】 本発明によるハンドアクセス装置の第１１の実施形態の側面図である。
【図１１ａ】 外側スリーブの側面図である。
【図１２】 患者の腹壁に位置する第１１の実施形態の斜視図である。
【図１３】 すべての実施形態に使用されるカフバルブの一端の斜視図である。
【図１４】 ヒンジの斜視図である。
【図１４ａ】 カフを付けたヒンジの斜視図である。
【図１５】 変形例のヒンジの斜視図である。
【図１５ａ】 カフを付けた変形例のヒンジの斜視図である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年１月１９日（２０００．１．１９）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正２】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】０００４
【補正方法】変更
【補正内容】
【０００４】 本発明は、近位端に入口開口を有し、遠位端に出口開口を有する可撓性チュー
ブと、使用中、患者の腹腔内のガス圧力によって果される出口開口シール手段と
、外科医の手又は外科用器具のアクセスを許しながら、入口開口をシールするた
めのシール手段とを有し、出口開口シール手段と別の且つそれに取付けられない
固定エレメントが、患者の身体キャビティの腹壁に固定するように設けられた、
最小浸入性外科手術に使用するためのハンドアクセスポート装置において、可撓
性チューブは、装置の近位端でのみ接合された外側スリーブ及び内側スリーブを
有し、フランジが外側スリーブの遠位端に設けられ、前記フランジは切開部位の
周りの患者の腹部に取付け可能である、ことを特徴とする前記ハンドアクセスポ
ート装置を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ， ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，Ｌ Ｕ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ， ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，Ｕ Ｇ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 近位端に入口開口を有し、遠位端に出口開口を有する可撓
    性チューブと、使用中、患者の腹腔内のガス圧力によって果される出口開口シー
    ル手段と、外科医の手又は外科用器具のアクセスを許しながら、入口開口をシー
    ルするためのシール手段とを有する最小浸入性外科手術に使用するためのハンド
    アクセスポート装置において、出口開口シール手段と別の且つそれに取付けられ
    ない固定エレメントが、前記装置を患者の身体キャビティの腹壁に固定するよう
    に設けられたことを特徴とする、前記ハンドアクセスポート装置。
  2. 【請求項２】 前記固定エレメントは、患者の身体の切開部を通して挿入
    され、前記装置を固定すべく患者の身体内で楕円形又は円形に戻る変形可能なリ
    ングである、請求項１に記載のハンドアクセスポート装置。
  3. 【請求項３】 前記可撓性チューブは、前記装置の近位端でのみ接合され
    た外側スリーブ及び内側スリーブを有し、フランジが前記外側スリーブの遠位端
    に設けられ、前記フランジは切開部位の周りの患者の腹部に取付け可能である、
    請求項１又は２に記載のハンドアクセスポート装置。
  4. 【請求項４】 エプロンが前記内側スリーブの外壁に取り付けられ、前記
    固定エレメントは前記エプロンエレメントの遠位端に位置する、請求項３に記載
    のハンドアクセスポート装置。
  5. 【請求項５】 前記エプロンは切り口保護具として使用されるようになっ
    ており、それにより、前記エプロンの外壁は切開部の表面に接触する、請求項４
    に記載のハンドアクセスポート装置。
  6. 【請求項６】 前記外側スリーブの遠位端は患者の皮膚の接触のための膨
    らまし可能なトロイド形部分を備える、請求項３に記載のハンドアクセスポート
    装置。
  7. 【請求項７】 前記出口シール手段はカフバルブからなる、請求項１乃至
    ６の何れか１項に記載のハンドアクセスポート装置。
  8. 【請求項８】 前記カフバルブは一対の半剛性ストリップを有し、各スト
    リップは前記内側スリーブの遠位端に形成された一対の対向ポケットの各々に収
    容される、請求項７に記載のハンドアクセスポート装置。
  9. 【請求項９】 前記入口シール手段と前記出口シール手段との間の外科医
    の手の周りで中間バルブとして作用する短い第３のスリーブエレメントが前記内
    側スリーブ内に設けられる、請求項３に記載のハンドアクセスポート装置。
  10. 【請求項１０】 前記固定エレメントは、患者の身体の外部に取付け可能な
    リングエレメントを含む、請求項１乃至９の何れか１項に記載のハンドアクセス
    ポート装置。
  11. 【請求項１１】 前記装置は可撓性、不浸透性、生物学的適合性、且つ医療
    的無菌性のプラスチック／ポリマー材料で作られる、請求項１乃至１０の何れか
    １項に記載のハンドアクセスポート装置。
  12. 【請求項１２】 実質的には、以下に、添付図面を参照して説明し且つ添付
    図面に示す任意の実施形態によるハンドアクセスポート装置。
JP2000520706A 1997-11-14 1998-11-16 外科用ハンドアクセス装置 Pending JP2001522689A (ja)

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