JP2001520874A - 細いシガレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、シガレット紙に包装されたタバコ繊維束を有するフィルターシガレットに関する。この繊維束は、直径５〜７ｍｍであり、最大１ｍｇの凝結物の煙収量を有し、＞９０％の相対保持率を有するタバコ側のフェルターエレメントを有し、＜１０％の相対保持率を有する口側のフィルターエレメントを有する。そして、このフィルターシガレットは、包装紙およびコーティング紙において周囲方向に走る換気ゾーンを備え、この換気ゾーンは口側のフィルター末端の間隔に存在し、その長さが、口側の栓よりも少なくとも１ｍｍ小さい。繊維束活用比ニコチン／凝結物・１０が１．０以上であり、このフィルターの総延長は、２５〜３０ｍｍであって、その直径は５〜７ｍｍであり、そして口側のフィルター栓の長さが１３〜１８ｍｍである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、直径が約６ｍｍおよび長さが９０〜１００ｍｍならびに煙収量が最
大１ｍｇ凝結物である、細いフィルターシガレットに関する。

【０００２】 上記の寸法の細いシガレットは、確かにこれまで何年もの間公知であったが、
これらは、「軽い」または「超軽い（Ｕｌｔｒａｌｅｉｃｈｔ）」シガレットと
してではなく、充填量密度および吸い込み抵抗ならびに紙の多孔性を有し、これ
らのシガレットは、今日、その値が０．１ｍｇニコチン／１ｍｇ凝結物を有する
超軽いシガレットに全く到達していない。これまで，当該分野において、８また
は７ｍｍのようなより小さな直径では超軽いシガレットは全く製造不可能である
と考えられていた。

【０００３】 本発明の課題は、直径約６ｍｍを有するフィルターシガレットを製造すること
であり、これは、その０．１／１ｍｇのニコチン／凝結物値に基づいて、超軽い
シガレットとして明らかに格付けされ、そして喫煙の際に、通常の吸い込み抵抗
係数を達成する。

【０００４】 この課題の解決のために、特許請求の範囲１の特徴部分が作用する。

【０００５】 本発明のパラメーターの組合せを通じて、驚くべき方法で、この目的が達成さ
れ、ここで、喫煙者にとって結果が特に満足行くものである。本発明のシガレッ
トは、魅力的な形状を有し、充分感覚的であり、そしてまた心地よい吸い込み抵
抗を有し、これは、喫煙の際に肯定的に作用する。

【０００６】 本発明は、以下の添付の実施例においてより詳細に説明される。

【０００７】 直径が６．１ｍｍで、その充填密度が１８４ｍｇ／ｃｍ³であるタバコ繊維束 が製造された。タバコ繊維束の長さは、７０ｍｍであった。このタバコ繊維束は
、１００ｄａＰａ（デカパスカル）の吸い込み抵抗が得られるように充填された
。ここで、８０〜１２０ｄａＰａの範囲が適切である。タバコ繊維束のための包
装として、２４ＣＯＲＥＳＴＡ単位（ＣＵ）の多孔性を有するシガレット紙が選
択された。適切な領域は８〜６０ＣＯＲＥＳＴＡ単位である。このタバコは、い
わゆるＩＮＣＯＭ方法によれば、５５％の膨張タバコ部分を有した。他の方法で
は、膨張タバコの部分は、４０〜１００％の間であった。「膨張」タバコとは、
ＤＥ−ＰＳ ２９ ０３ ３００号、同３１ １９ ３３０号または同３４ １
４ ６２５号に記載の膨張方法によって製造されるタバコをいう。これらの方法
はまた、「ＩＮＣＯＭ方法」とも称する。

【０００８】 このようにして製造されたタバコ繊維束は、洞がない二重フィルターが付着し
ており、ここで、繊維束側のフィルター切片は紙から、そして口側のフィルター
切片は酢酸セルロースからなっていた。二重フィルターの総延長は、２７ｍｍで
あり、ここで、繊維束側の紙フィルターの長さは１２ｍｍであり、そして口側の
酢酸セルロースフィルターの長さは１５ｍｍであった。酢酸セルロースフィルタ
ーの口側末端の１２および１３ｍｍの距離に、従って紙フィルター切片に対して
２および３ｍｍの距離において、２列のレーザー穿孔が包装を通って走り、ここ
を超えて、フィルターにおける換気が導かれ得る。酢酸セルロースフィルター切
片の領域において多孔性の列が存在するので、これらの切片を通してのみ換気が
流れ、それゆえ、この紙切片を通る流れには影響しない。それによって、紙フィ
ルター切片を通る主な煙流の流れが比較的層流であり、ここで、良好なニコチン
および凝結物の減少に成功し得ることが達成される。他方、そこに付着する酢酸
セルロースフィルター切片において、換気によって主な煙流の渦が巻かれ、これ
が、味覚の改善に明白に寄与する。

【０００９】 酢酸セルロースフィルターと紙フィルターとの組合せを通じて、さらに、吸わ
れたシガレットが生物学的に実質的により良好に分解されることが達成される。
なぜなら、廃棄されるシガレット吸い差しの過半は、生物学的に分解可能な材料
からなるからである。

【００１０】 この実施態様の個々のパラメーターは、表１〜４の形式で発明の詳細な説明の
末尾に再現する。

【００１１】 シガレットの喫煙は、ますます批判されている。なぜなら、特に非喫煙者は、
煙およびその臭いを通じて気分が害されるからである。実施例１からの本発明の
シガレットは、この点で、殆どの通常市販されるシガレットに対して明白な利点
をすでに示す。なぜなら、それら自身が、煙となるタバコの重量が少ないため、
約４０％少ない副流煙を含み、それに対応して、空間の煙っぽさを減少させ、新
鮮、および濁った、空間において臭いの印象を少なくさせ、そして衣服、毛、お
よびカーテン、絨毯などの家具の臭いの減少を導く（表４を参照のこと）。

【００１２】 副流煙とは、シガレットの火が消えつつある間に点火部（Ｇｌｕｔｋｅｇｅｌ
）の前の領域から発生する煙をいう。環境大気においてはまた、通常これらの煙
がいわゆる「間接喫煙（Ｅｎｖｉｒｏｎｍｅｎｔａｌ Ｔｏｂａｃｃｏ Ｓｍｏ
ｋｅ）ＥＴＳ）」または「受動喫煙（ｓｅｃｏｎｄ−ｈａｎｄ ｓｍｏｋｅ）」
として分配される。タバコ製品から環境大気において喫煙の際に出る煙量を比較
するために、通常、試験量のための規定容積を有する空間および測定のためのサ
ンプリングに適したデバイスにおいて各調査試験物の規定数の見本に煙を発生さ
せる。煙量は、例えば、規定のサンプル容量からの圧電秤（Ｐｉｅｚｏｗａａｇ
ｅ）上への煙粒子の沈澱によって測定され得る。この方法によって測定された粒
子の重量を、本発明のシガレットの実施態様によって発生した煙量を、通常市販
される比較のためのシガレットとの比較を行うために、表４にそれぞれ３回の測
定の平均値として示す。

【００１３】 サンプリング後、その空間を、喫煙者および非喫煙者からなる訓練されたパネ
ルの被験者（すなわち、１群）によって視覚的および臭いで評価した。これらの
被験者は、視覚的な試験の基準「煙の程度」およびにおいの試験基準「シガレッ
トの臭い」で、０〜１００の点数で彼らの印象を記録した。これらの感覚試験の
数字の結果を、統計学的に評価し、群にまとめ、そして「煙の程度」および「シ
ガレットの臭い」の試験基準の以下の概念的な基準分けに従って整理した：「．
．．しない」、「わずかに．．．する」、「少し．．．する」、「強く．．．す
る」、「非常に強く．．．する」。この結果を、表４の第４列および５列に列挙
する。この実施態様は、通常市販されるシガレットよりも少ない煙の印象を定量
的（−４３％）および定性的に示す。

【００１４】 さらなる改良は、実施例１からのタバコ繊維束が、特殊な紙（例えば、Ｆａ．
Ｅｃｕｓｔａ、Ｐｉｓｇａｈ Ｆｏｒｅｓｔ、ＮＣ、Ｕ．Ｓ．Ａ．からなる）で
包装される場合に示される。この紙は、異なる性能の段階（面積重量が増えるに
したがって紙ＮＳ１〜ＮＳ３）において、使用され得る。可能な実施態様は、実
施例２ａ〜２ｃであり、ここで、使用者がＮＳ１のようなより少ない作用の紙（
この紙は、通常の紙からは視覚的およびその使用上の性能において異ならない）
を選択するか、またはより高い性能（これは、増加する面積重量に伴って、消費
者にはまた、特殊な紙が使用されるという視覚的な（より厚く、より白い）信号
を出す）を伴う紙に決定するかは使用される領域に依存する。実施例２ａ〜２ｃ
によって、視覚的な煙の印象が、明らかに減少した（表４を参照のこと）。味覚
の点では、この実施例は、実施例１との比較において、専門家および喫煙パネル
の被験者によって同程度と評価され、そして実施例２ａの場合において、より豊
かでそしてより芳香性が高いと評価された。

【００１５】 喫煙の臭いもまた、実施例２ａ〜２ｃについて、その強さにおいて、通常市販
される比較対象シガレットのものよりもいくらか少なく感じられた。さらなる改
良は、繊維束の包装の第二の層の上に、芳香をもたらすことによって可能であり
、ここで、この芳香は、特許明細書ＤＥ４２ ４４ ４６７においてこの例とし
て記載されるように、喫煙の臭いに肯定的に影響する。本明細書にしたがって製
造された実施例３ａおよび３ｂ（ここで、タバコ繊維束、フィルターおよび物理
的および分析学的データは、実施例１に対応する）は、価値の試験基準「シガレ
ット煙の臭い」において顕著な減少を示す（表４を参照のこと）。

【００１６】 実施例４において量的に煙の量が減少するさらなる可能性は、実施例Ｉからの
タバコの混合物を１００％に膨張させることによって実現した。それによって、
タバコの重量が３００ｍｇ未満になり、そして粒子重量が、市販のシガレットに
比較してほぼ８０％減少する。実施例１に記載されるような形態の同じシガレッ
トの一つに対しても、６０％を超える減少が達成される。

【００１７】 いくつかの市場（とくに、日本、韓国、およびハンガリー）において、喫煙者
は活性炭を含むシガレットを好む。活性炭は、通常、フィルターエレメントのタ
バコ側に用いられる。活性炭を含まないシガレットとの比較において、この製品
は、専門家によって、一貫してよりマイルドで、そしてより柔らかいと評価され
る。これは、活性炭の能力に起因するが、現在のところ、煙がフィルターを通し
て流れる間に、気体相の物質（例えば、アクロレインまたはアセトアルデヒド）
が吸着される。２つのさらなる実施態様において、実施例１に記載されたシガレ
ットにおいて、紙でできたフィルター栓からなる繊維束側は、重量比で５０％ま
でが活性炭によって衝撃を受ける。活性炭の導入は、原理的に、２つの方法に従
う。

【００１８】 第一に、二重のフィルターのための紙でできた支柱の調製の間に活性炭を散布
することによる；粒子の均等な分配のために、さらなる結合剤または接着促進剤
（Ｈａｆｔｍｉｔｔｅｌ）が使用される。

【００１９】 第二に、紙の製造プロセスの間の非常に細かい粉砕した活性炭粒子の導入によ
る。これは、その粒子の特に均等な分配および利用可能な孔の容積の非常に効果
的な使用（使用した重量にもとづく量に比較して）をもたらす。

【００２０】 別の実施態様において、第一の方法に従って３０ｍｇの活性炭がもたらされ、
そして気体相の上述の物質の５０％の減少が達成された。第二の方法に従って同
量の活性炭を導入し、その結果、９０％の現象（実施例１に比較して）が達成さ
れる。

【００２１】 （実施例）

【００２２】

【表１】 実施例

【００２３】

【表２】 実施例の説明 註：形式およびフィルター構成は表１に記載する。

【００２４】

【表３】 使用したシガレット紙の説明

【００２５】

【表４】 副流煙の定量的および定性的評価 １）独市場１９９６で最も売上のあった６つのキングサイズの標章付きシガレッ
トが調査された。各々の標章についてｎ＝３の調査からの平均値を示す。各々の
標章の平均値は、１２．４〜１７．２の範囲にわたる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ) ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ， ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，Ｄ Ｋ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ， ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，Ｌ Ｖ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ， ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，Ｕ Ｓ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＷ (72)発明者 シェーファー， ザビーネ ドイツ国 デー−22869 シェーネフェル ト， ノイエンカンプ 12 (72)発明者 クノール， ソルベイ ドイツ国 デー−22547 ハンブルク， ユッカー シュトラーセ 16イー Ｆターム(参考） 4B045 AA15 AA46 AA50 AB12 AB16 BB02 BC15 BC36 BD19 BD32 BD40 BD52 BD54

Claims (19)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 以下の特徴を有するフィルターシガレット： （ａ）シガレット紙によって取り巻かれるタバコ繊維束（Ｔａｂａｋｓｔｒａ
   ｎｇ）であって、直径が５〜７ｍｍである、タバコ繊維束を有し； （ｂ）最大１ｍｇの凝結物の煙収量を有し； （ｃ）９０％を超える相対的保持率を有するタバコ側のフィルターエレメント
   を有し； （ｄ）１０％未満の相対的保持率を有する口側のフィルターエレメントを有し
   ； （ｅ）包装紙およびコーティング紙において円周方向に走る換気ゾーンであっ
   て、口側のフィルター末端から間隔をおいて存在し、その長さが、口側の栓の長
   さよりも少なくとも１ｍｍ小さい、換気ゾーンを有し； （ｆ）繊維束活用（Ａｕｓｂｅｕｔｕｎｇ）比ニコチン／凝結物・１０が１．
   ０以上であり； （ｇ）フィルターの総延長が、２５〜３０ｍｍであって、その直径が５〜７ｍ
   ｍであり； （ｈ）口側のフィルター栓の長さが１３〜１８ｍｍである。
2. 【請求項２】 前記換気の程度が７０〜９５％の間である、請求項１に記載
   のフィルターシガレット。
3. 【請求項３】 前記換気開口部が、シガレットにおいてレーザーオンライン
   穿孔によって形成されている、請求項２に記載のフィルターシガレット。
4. 【請求項４】 前記レーザーオンライン穿孔が、好ましくは、できる限り少
   ない小さな穴を伴って、２列で生成される、請求項３に記載のフィルターシガレ
   ット。
5. 【請求項５】 前記フィルターシガレットのタバコ側のフィルターエレメン
   トが紙材料からなり、該紙材料が１００％までの紡績セルロース繊維を含む、請
   求項１〜４のいずれか１項に記載のフィルターシガレット。
6. 【請求項６】 前記フィルターシガレットのタバコ側のフィルターエレメン
   トが紙材料からなり、該紙材料が５０重量％までの活性炭を含む、請求項１〜４
   のいずれか１項に記載のフィルターシガレット。
7. 【請求項７】 前記タバコ側のフィルターエレメントが最大６０ｄａＰａ／
   ｃｍの吸い込み抵抗（Ｚｕｇｗｉｄｅｒｓｔａｎｄ）を有する、請求項１〜６の
   いずれか１項に記載のフィルターシガレット。
8. 【請求項８】 前記口側のフィルターエレメントが最大３０ｄａＰａ／ｃｍ
   の吸い込み抵抗を有する、請求項１〜６のいずれか１項に記載のフィルターシガ
   レット。
9. 【請求項９】 前記口側のフィルターエレメントが少なくとも５〜８の単独
   デニール値およびＹ形態の単繊維切断面を有する、請求項１〜８のいずれか１項
   に記載のフィルターシガレット。
10. 【請求項１０】 前記口側のフィルターエレメントが少なくとも１５，００
    ０〜２０，０００の総デニール値を有する、請求項１〜９のいずれか１項に記載
    のフィルターシガレット。
11. 【請求項１１】 前記タバコ繊維束が１００〜２００ｍｇ／ｃｍ³の充填密 度を有する、請求項１〜１０のいずれか１項に記載のフィルターシガレット。
12. 【請求項１２】 前記タバコ繊維束が６５〜７５ｍｍの長さを有する、請求
    項１〜１１のいずれか１項に記載のフィルターシガレット。
13. 【請求項１３】 前記タバコ繊維束が０．７〜１．７のｄａＰａ／ｃｍの吸
    い込み抵抗を有する、請求項１〜１２のいずれか１項に記載のフィルターシガレ
    ット。
14. 【請求項１４】 前記タバコ繊維束が少なくとも４０〜１００％の膨張タバ
    コ部分を有する、請求項１〜１３のいずれか１項に記載のフィルターシガレット
    。
15. 【請求項１５】 前記タバコ繊維束を取り巻く紙が８〜６０コレスタ（Ｃｏ
    ｒｅｓｔａ）の空気透過率を有する、請求項１〜１４のいずれか１項に記載のフ
    ィルターシガレット。
16. 【請求項１６】 前記タバコ繊維束を取り巻く紙が２４コレスタの空気透過
    率を有する、請求項１〜１５のいずれか１項に記載のフィルターシガレット。
17. 【請求項１７】 前記シガレット紙が可視の副流煙を減少させ、それにより
    ２０コレスタ以下の空気透過率を有する、請求項１〜１６のいずれか１項に記載
    のフィルターシガレット。
18. 【請求項１８】 前記シガレット紙が、２０〜５０ｇ／ｍ²の面積当たりの 重量を有する、請求項１〜１７に記載のフィルターシガレット。
19. 【請求項１９】 前記シガレット紙が、２０〜５０重量％の充填物含量を有
    する、請求項１〜１８に記載のフィルターシガレット。