JP2001520722A - 下流障害物を備えたターボジェットエンジンの逆推力装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ターボファンエンジンの逆推力装置が、順方向推力位置でターボファンエンジンの排気管の外壁に組み込まれ、展開位置で推力を反転しながら偏向障害物を構成する下流障害物（２）を含む。各下流障害物（２）は可動内部パネル（１３）を備え、下流障害物（２）およびパネル（１３）は、反転位置への移行時に異なる角度変位量を有し、移動手段（６、７）は、下流障害物（２）及び内部パネル（１３）に共通である。

Description

【発明の詳細な説明】 下流障害物を備えたターボジェットエンジンの逆推力装置 本発明は、二重流のターボジェットエンジン（ターボファンエンジン）または 単一流のターボジェットエンジン型の飛行機のエンジンに取り付けるための下流 障害物を備えた逆推力装置に関する。 フランス特許公開第２６２２９２８号は、下流位置に配置されてターボファン エンジンの二次流または冷却流の推力を反転させる逆推力装置の例を示している 。このタイプの逆推力装置では、下流障害物またはハウジングが、二次流または 流れ全体を反転するのに加えてまた、正方向すなわち順方向推力作動時に排気ダ クトを形成する。従って前記障害物の下流端は、この場合、管路、特にターボフ ァンエンジンに適用される場合には二次流の流れが循環する環状管路の外壁の下 流端を構成し、障害物は、逆推力装置の固定構造体に回転可能に取り付けられる 。 添付の第１図と第２図は、それぞれ順方向推力作動位置および逆推力位置にお いて、既知のタイプの逆推力装置の実施形態 を示す。この場合、逆推力装置は、ターボジェットエンジンまたはナセルに固定 された上流固定構造体１から構成され、流体の流れが循環する環状管路を外側に 画定する内壁と、内壁に固定されるカウリングと、２個の側面構造５とを含む。 ２個の下流障害物２は、特に側面構造５により支持されるピボット１０によって 固定構造体に回転可能に取り付けられ、側面構造５は、障害物２の移動ロック制 御システム６を同様に支持する。この実施形態では、ロッド７がその一端８の位 置９で障害物２にジャッキ６の可動部を結合する。障害物２の下流端４は、カウ リングを下流に延長しながら外壁の流出端を構成し、同一平面上にはない。障害 物２は、その上流端に反転流ガイドスポイラ１２を支持する。 フランス特許公開第２３４８３７１号、米国特許第５１７６３４０号または英 国特許公開第２２５２２７９号に記載された、下流障害物のピボットが固定され ている既知の解決方法では、障害物が、その外部形状（プロフィル）に対して内 部形状が固定されているという主な欠点を有する。このために、内部形状の展開 位置での配向が障害物の全体的な移動に依存し、この移動は、逆推力装置の効率 を増すために前記障害物の下流端に接 するまで制限される。これによってダクト出口が下流に斜めに切られるので、順 方向ジェットで空気力学的な損失を招く。米国特許第５１７６３４０号および英 国特許公開第２２５２２７９号は、障害物に結合される独立した特定の機械シス テムによって、これらの損失をなくしている。 英国特許公開第２１６８２９８号によれば、障害物は、外部パネルと内部パネ ルから構成されるが、各パネルに対して独立した制御システムを備えなければな らないので、質量が増加し、２個のパネル間の同期という問題が出てくる。しか も考慮されている中央回転の技術は、中央の切り込みが広幅である内部パネルを 下流でそらせ、また、不連続なラインで内部パネルを覆う斜めの外部パネルを下 流でそらせなければならなくなる。これらの結合要素が順方向ジェットで起こす 空気力学的な妨害は大きい。 周知の解決法の欠点を持たずにこうした条件に応えることができる上記のタイ プのターボジェットエンジンの逆推力装置は、各下流障害物が可動内部パネルを 備え、前記下流障害物および内部パネルは、逆推力動作に対応する位置への移行 時に異なる角度ストローク（角度変位量）を有し、移動手段は、下流障害 物及び結合する内部パネルに共通であり、前記移動手段が、逆推力装置の固定構 造体に固定して取り付けられることを特徴とする。 本発明の他の特徴及び長所は、添付図に関する本発明の実施形態の以下の説明 を読めば一層理解されるだろう。 第１図は、既知のタイプの下流障害物をもつ逆推力装置を備えたターボジェッ トエンジン後部の、回転軸を通る面による縦断面図である。 第２図は、第１図による既知のタイプの実施形態を反転ジェットモードで示す 図である。 第３図は、可動ピボットに入る可動内部パネルを備えた本発明の実施形態によ る下流障害物付き逆推力装置を、正方向ジェット位置で示す第１図と同様の縦断 面図である。 第４図は、第３図に記載された本発明の実施形態を反転ジェットモードで示す 図である。 第５図は、第４図に記載された反転ジェットモードにおける障害物及びパネル の斜視図である。 第６図は、固定ピボットに入る可動内部パネルを備えた本発明の実施形態によ る下流障害物付き逆推力装置を、順方向ジェ ット位置で示す第１図と同様の縦断面図である。 第７図は、第６図に記載した本発明の実施形態を反転ジェットモードで示す図 である。 第８図は、出ている可動内部パネルを備えた本発明の実施形態による下流障害 物付き逆推力装置を、順方向ジェット位置で示す第１図と同様の縦断面図である 。 第９図は、第８図に記載した本発明の実施形態を反転ジェットモードで示す図 である。 第３図、第４図、第５図に示した本発明の実施形態によれば、固定構造体に結 合するピボット点（軸点）１０を中心として連結される下流障害物２が、上流で 固定構造体１を、下流で内部パネル１３を覆っている。内部パネル１３は、障害 物２に結合するピボット点１８を中心として連結される。 内部パネル１３は、順方向ジェット位置で側面ビーム５の内部構造物を結合す る一定構造を有し、また幅を制限することができ、この場合には適切な底３およ び側面１１を有する中央空洞が下流障害物２の構造に設けられている。下流障害 物２のこのような構成によって、反転ジェット位置で内部パネル１３を収容する ことができ、排気流を最適にガイドする。内部パネル １３の側面の切り込みあるいは切り抜きは対称とし、下流障害物２の中央軸に対 してずれており、また多少とも広がっている。 反転ジェット位置で下流障害物を展開する（広げる）には、一般に固定構造体 １の横あるいは側面ビーム（結合部分）５に配置されたジャッキ６によって実施 し、障害物２に結合される点（箇所）９に一端が接続されているロッド７を移動 して、固定構造体に結合されるピボット点１０を中心として障害物２とそれに結 合される可動パネル１３とを回転駆動する。この運動の時に、一端がピボット点 １７でビーム５に結合されて他端がピボット点１６で内部パネル１３に結合され るロッド１５は、障害物２よりも大きい角度ストローク（行程または距離）を伴 ってピボット点１８を中心として前記内部パネルを回転駆動する。ピボット点１ ８は、障害物２の側面の縁に配置されるか、または側面１１に含まれる。駆動ジ ャッキ６は、逆推力装置の固定構造体に固定式に取り付けられ、順方向ジェット 位置と反転ジェット位置との間で角度位置が変動しない。 障害物２の内部での内部パネル１３の移動能力（可能性）を増すために、内部 パネル１３の上流端は、障害物２のスポイラ１２の最も下流にあるように制限さ れ、それと同時に排気ダク ト１４の形状の連続性および順方向ジェットにおける固定構造体との気密性を確 保する。これによってまた、反転ジェット位置でスポイラ１２の最大の長さｈを 得ることができる。 障害物２の内部に可動パネル１３の内部形状１４を入れるので、可動パネル１ ３の前記内部形状１４と固定構造体の下流端との間の距離を示す著しい幾何学的 なパラメータ、距離Ｈの調整能力（可能性）を増すことができる。 第４図に示すように、可動パネル１３の下流端３０により駆動軸で排気口を塞 ぎ、かくして障害物の各下流端４が同様に接触するまで障害物２の展開位置で追 加調整可能になり、各下流端４は、可動パネルの下流端３０と揃えられるか、ま たは上流に来ることができる。所望の目的に応じて、反転ジェット位置では下流 端３０の間の漏れ（流出）を維持しても、維持しなくてもよい。 側面ジャッキによる駆動の場合、障害物２の間か、可動パネル１３の間か、ま たはジャッキとロッドを用いて、開口部の最終受け面を設ける。 これによってさらに、順方向ジェット位置でも前記下流端４を駆動軸の垂直面 に最も近い面に戻すことができるので、当業 者が「魚の骨」または「フィシュマウス（ｆｉｓｈ−ｍｏｕｔｈ）」と称する現 象によって発生する空気力学的な損失が低減される。 内部パネル１３の構造が、反転ジェット段階で下流障害物２の構造を覆うので 、前記下流障害物の軽量構造を使用可能になり、下流構造は、逆推力装置の高温 一次流に接触しない。 第６図および第７図は、上記の実施形態に対して、可動内部パネル１３の駆動 モードに関する変形実施形態を提案している。 この実施形態では、ジャッキ６が２個のロッド７と２０を同時に制御する。ロ ッド７の一端８はジャッキの可動部分に結合され、他端は障害物２に連結する点 ９に結合される。障害物２のピボット１０はビーム５に結合する。第二のロッド ２０も同様に、一端が点２２でジャッキの可動部分に結合され、他端が可動パネ ル１３に連結する点２１に結合されており、可動パネル１３のピボット点２３が 同様にビーム５に結合されている。 点８と２２は、一体化していてもしていなくてもよく、所望の運動特性を得る ようにジャッキに配置される。点９、１０、２１、２２の位置は、所望の運動特 性に依存し、障害物２とパネル１３とのピボット点は同心にすることができる。 第８図と第９図は、本発明による別の実施形態を示しており、障害物２とそれ に結合する内部パネル１３が反転ジェット位置における展開時に互いに離れ、可 動パネル１３は、障害物２よりも小さい角度ストロークを有する。 反転ジェット位置における内部パネル１３の展開は、一般に固定構造体１の側 面アームまたはビーム５に配置されるジャッキ６によって行われ、一端が前記パ ネルに連結する点９に結合されるロッド７を移動し、固定構造体に結合されるピ ボット点２４を中心としてパネルを回転駆動する。この運動の時に、一端が点２ ６で内部パネル１３に結合されて他端が点２７で障害物２に結合されるロッド２ ５は、固定構造体に結合されるピボット点１０を中心として前記障害物を回転駆 動する。 反転ジェット位置では、障害物２の内壁２８の下流部分ならびに、内部パネル １３の内壁１４の全体とその上流端に配置されるスポイラ２６とによって流れが ガイドされ、排気口は駆動軸において前記障害物２の下流端４により塞がれ、障 害物は、駆動軸の垂直面に配置される。 スポイラ２６は、所望の効果に従って最適化される任意の角度を、パネル１３ の内壁と共に形成する。 反転ジェット位置では、内部パネル１３の下流端３０と障害物２の内壁２８と の間に漏れ口３１が存在するが、この漏れ口は残留推力を解消または制御するこ とができ、さらには、この残留推力を追加逆推力に転用することができる。こう した追加逆推力は、所望の空気力学的な性能に応じて増減可能である。 障害物２と内部パネル１３の駆動は、機械、電気、空気式、単筒または伸縮式 の中央ジャッキによって行われ、行程の最終受け面はジャッキにより形成するこ とができる。前記ジャッキは、逆推力装置の上流の固定構造体に固定式に取り付 けられ、駆動ロッドによって障害物２及び内部パネル１３に接続される。 第６図および第７図に記載されたロッドによる駆動原理は、この構成に適用で き、また第４図および第５図に記載された障害物に結合される可動ピボットによ る駆動構成にも適用することができる。 本発明による構成配置は、内部パネル１３と障害物２との角度が異なる配置に よって、いずれの場合にも反転を最適化することができ、障害物２の下流端４の 斜め切断を低減し、さらには解消できる。 上記の特定の配置はさらに、反転ジェット位置での漏れ調整 及びこうした漏れの再配向（新たな方向づけ）を最適化できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ボシエル，ギイ・ベルナール フランス国、エフ―76610・ル・アーブル、 リユ・ピエール・マンデス・フランス、 316

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ターボジェットエンジンの順方向推力作動時、二次流の環状管路の外壁に組 み込まれてターボジェットエンジンのファンの排気ダクトの下流端を形成し、展 開位置では推力を反転しながら二次流の偏向障害物を構成するための可動要素ま たは下流障害物（２）を含み、前記障害物（２）が、固定ピボット（１０）を中 心として回転可能に取り付けられ且つ移動手段（６、７）に結合されたターボフ ァンエンジンの逆推力装置であって、各下流障害物（２）が、可動内部パネル（ １３）を備え、前記下流障害物（２）および内部パネル（１３）は、逆推力動作 に対応する位置に移行するときに異なる角度ストロークを有し、移動手段（６、 ７）は、下流障害物（２）と、結合された内部パネル（１３）とに共通であって 、逆推力装置の固定構造体に固定して取り付けられることを特徴とするターボフ ァンエンジンの逆推力装置。 ２．内部パネル（１３）は、側面ビーム（５）の位置で逆推力装置の固定構造体 に結合するピボット（２３）を中心として連結され、可動内部パネル（１３）は 、障害物（２）より大きい 角度ストロークを有することを特徴とする請求項１に記載のターボファンエンジ ンの逆推力装置。 ３．内部パネル（１３）は、逆推力装置の固定構造体の側面ビーム（５）に配置 されるピボット（２４）を中心として連結され、可動内部パネル（１３）は、障 害物（２）より小さい角度ストロークを有することを特徴とする請求項１に記載 のターボファンエンジンの逆推力装置。 ４．内部パネル（１３）は、障害物（２）に結合されるピボット（１８）を中心 として連結され、可動内部パネル（１３）は、障害物（２）より大きい角度スト ロークを有することを特徴とする請求項１に記載のターボファンエンジンの逆推 力装置。 ５．可動内部パネル（１３）は、障害物（２）より小さい角度ストロークを有す ることを特徴とする請求項１に記載のターボファンエンジンの逆推力装置。 ６．内部パネル（１３）は、固定構造体の側面ビーム（５）にパネルを結合する ロッド（１５）により連動され、障害物（２）及び内部パネル（１３）の共通移 動手段は、ジャッキ（６）と結合ロッド（７）とを含み、ジャッキ（６）が、逆 推力装置の固定構造体に固定して取り付けられることを特徴とする請求項 ４に記載のターボファンエンジンの逆推力装置。 ７．内部パネル（１３）は、幅が、底（３）と側面（１１）とにより画定される 中央空洞を有する障害物（２）よりも狭く、排気流を制御しながら反転ジェット 位置で前記内部パネル（１３）を収容可能であることを特徴とする請求項１から ６のいずれか一項に記載のターボファンエンジンの逆推力装置。 ８．内部パネル（１３）は、ジャッキ（６）の可動部分にパネルを結合（２２） する第２のロッド（２０）により連動され、ジャッキ（６）は、第１のロッド（ ７）を介して障害物（２）を移動し、また第二のロッド（２０）により内部パネ ル（１３）を移動する共通移動手段を構成し、ジャッキ（６）は、逆推力装置の 固定構造体に固定して取り付けられることを特徴とする請求項２に記載のターボ ファンエンジンの逆推力装置。 ９．障害物（２）及び内部パネル（１３）の共通移動手段は、ジャッキ（６）と 、ジャッキ（６）および内部パネル（１３）の間の結合ロッド（７）とを含み、 ロッド（７）が、反転ジェット位置で内部パネル（１３）の下流端（３０）と障 害物（２）の内壁（２８）との間に漏れ口（３１）を作るようにロッド（２５） を介して前記障害物（２）を連動し、ジャッキ（６）が、 逆推力装置の固定構造体に固定して取り付けられることを特徴とする請求項３に 記載のターボファンエンジンの逆推力装置。