JP2001520471A - 自動的に可変入力周波数に調整しロックすることのできるフェーズ・ロック・ループ - Google Patents

自動的に可変入力周波数に調整しロックすることのできるフェーズ・ロック・ループ

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JP2001520471A
JP2001520471A JP2000516436A JP2000516436A JP2001520471A JP 2001520471 A JP2001520471 A JP 2001520471A JP 2000516436 A JP2000516436 A JP 2000516436A JP 2000516436 A JP2000516436 A JP 2000516436A JP 2001520471 A JP2001520471 A JP 2001520471A
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ナップ,デイビッド・ジェイ
トレジャー,デイビッド・エス
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ハリス,ラリー・エル
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オアシス・デザイン・インコーポレーテッド
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    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03LAUTOMATIC CONTROL, STARTING, SYNCHRONISATION OR STABILISATION OF GENERATORS OF ELECTRONIC OSCILLATIONS OR PULSES
    • H03L7/00Automatic control of frequency or phase; Synchronisation
    • H03L7/06Automatic control of frequency or phase; Synchronisation using a reference signal applied to a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/16Indirect frequency synthesis, i.e. generating a desired one of a number of predetermined frequencies using a frequency- or phase-locked loop
    • H03L7/18Indirect frequency synthesis, i.e. generating a desired one of a number of predetermined frequencies using a frequency- or phase-locked loop using a frequency divider or counter in the loop
    • H03L7/197Indirect frequency synthesis, i.e. generating a desired one of a number of predetermined frequencies using a frequency- or phase-locked loop using a frequency divider or counter in the loop a time difference being used for locking the loop, the counter counting between numbers which are variable in time or the frequency divider dividing by a factor variable in time, e.g. for obtaining fractional frequency division

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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Networks Using Active Elements (AREA)
  • Transmitters (AREA)
  • Channel Selection Circuits, Automatic Tuning Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 フェーズ・ロック・ループ(PLL)のフィードバック・ループ内に位置するクロック分周器の周波数分周係数を自動的かつ動的に調整する装置を提供する。周波数分周係数は、PLLに転送される入力信号周波数の変化に基づいて修正される。入力信号周波数が増加した場合、電圧制御発振器の入力に結合された判定回路は、この変化をコード化デジタル信号として記録する。したがって、この信号は、現在の分周係数と現在の入力信号周波数に応じて現在の周波数分周係数を修正する。判定回路はA/D変換器としてモデル化することができ、判定回路とクロック分周器との間に配置される制御ユニットは、状態図としてモデル化することができる。状態図の各状態は、周波数分周係数またはこの分周係数の変化を示し、コード化デジタル信号はある状態から他の状態への可能な変化を示す。PLLは、周波数分周係数を修正することにより、PLLから出力されるクロック信号を変更せずに、変化した入力信号周波数に動的にロックすることができる。したがって、PLLは、様々な入力信号周波数に対処することができ、しかもデジタル・プロセッサにタイミング基準として転送される比較的一定のクロック信号を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (1.発明の分野) 本発明は、集積回路に関し、詳細には、PLL出力信号周波数をそれほど変更
せずに、フェーズ・ロック・ループ(PLL)のフィードバック・ループ内で、
入力信号の周波数の変化を自動的に検出しこの周波数に増分的にあるいは直接ロ
ックすることのできるPLLに関する。
【0002】 (2.関連技術の説明) PLLは一般に、信号の周波数および/または位相を制御するために多数の電
子機器分野で使用されている。使用例にはたとえば、周波数シンセサイザ、アナ
ログ・デジタル変調器、クロック回復回路としての応用分野が含まれる。
【0003】 PLLは、クロック回復回路として、たとえば、着信データのストリームから
タイミング基準を抽出する。タイミング基準または回復されたクロックは、一般
にデータ・ストリーム内のデータの遷移に同期する。タイミング基準は、たとえ
ば伝送チャネルの受信端に配置されたPLLから出力される。受信端にあるPL
Lを使用してクロック信号を再構築すると、データをデータとは別のクロック信
号とともに転送することが不要になる。
【0004】 伝送チャネルを通って転送されるデータ・ストリームの遷移速度または周波数
を修正することが望ましいことが多い。したがって、伝送チャネルの受信端にあ
るPLLは、様々な周波数の入力信号を受け付けることができなければならない
。入力信号がデータを含む場合、PLLが通常のデータ転送速度と高データ転送
速度の両方をサポートすることが重要である。したがって、入力信号がクロック
信号である場合、PLLは様々なクロック周波数を受け、そのうちの1つを選択
することができなければならない。
【0005】 PLLへの入力信号周波数は伝送機構(すなわち、送信機、受信機、およびチ
ャネル)の伝送速度に応じて異なる周波数でよいが、一般に、PLL出力に結合
されたデジタル回路は比較的一定の速度で動作することが望ましい。大部分の例
では、デジタル回路またはデジタル・プロセッサのクロック周波数は、製造業者
の指定する周波数範囲内の周波数で動作しなければならない。したがって、PL
Lが入力信号周波数にロックされたとき、PLLからの出力信号(以下では「ク
ロック信号」と呼ぶ)はデジタル回路やデジタル・プロセッサの動作仕様を超え
てはならない(そのような動作仕様未満でなければならない)。たとえば、デー
タ転送速度が高くなることによって入力信号周波数が変化した場合、PLLは、
この変化した入力信号周波数にロックすることを試みる。
【0006】 大部分の場合、PLLは、PLLから出力されるクロック信号の周波数が入力
信号周波数の倍数でなければならない応用分野で使用される。これは、大部分の
例では、デジタル・プロセッサが、送られるデータ・ストリームよりも高い周波
数で動作できるからである。入力信号周波数とクロック信号周波数との間に静的
な差を実現するために、PLLのフィードバック・ループにクロック分周器が配
置される。クロック分周器は周波数分周係数を備える。分周係数が大きくなると
、それに比例して、入力信号周波数に対してクロック信号周波数が増加する。し
たがって、たとえば、入力信号周波数が1.0xであり分周係数が16である場
合、クロック信号周波数は16.0xである。
【0007】 残念なことに、分周係数は通常、入力信号周波数の変化に対して静的である。
入力信号周波数の変化に応じて自動的または動的に変更できない場合、クロック
信号に関する多数の問題が生じる。分周係数が静的(または一定)である場合、
フィードバック信号周波数は、「ロック解除」の瞬間に、増加する入力信号周波
数とは瞬間的に異なる値になる。これによって、PLL電圧制御発振器(「VC
O」)へのDC電圧が増大し、したがってクロック信号周波数が増加する。クロ
ック信号が定常値になり、PLLフィードバック・ループ内でクロック信号が入
力信号周波数にほぼ一致するように分周されたとき、PLLが「ロックされた」
という。残念なことに、PLLがロックされると、クロック信号は、それが接続
されるデジタル・プロセッサの最大周波数を超えることがある。この場合、デジ
タル・プロセッサはその内部状態を失い、かつ/または誤動作を起こす恐れがあ
る。さらに、クロック信号がデジタル・プロセッサの最大周波数を超えた場合、
VCOがその動的動作範囲から逸脱する可能性がある。
【0008】 (発明の概要) 上記で概略的に説明した問題は主として、PLLを改良することによって解決
される。この改良ではたとえば、PLLのループ・フィルタとVCOとの間に判
定回路が挿入される。判定回路は、入力信号の周波数の変化を示す、VCOに印
加されるDC電圧を監視する。判定回路は、1つまたは複数のしきい値電圧に対
するDC電圧を示すコード化信号を制御ユニットに供給する。制御ユニットは、
PLLフィードバック・ループのクロック分周器内の周波数分周係数を維持また
は修正することによって、コード化信号に応答する。したがって、VCOへの入
力は、入力信号の周波数を示す。
【0009】 判定回路は、制御ユニットと組み合わせられて、VCOの入力でのDC電圧に
基づいて適切な分周係数を選択することのできる制御機能を備えることになる。
判定回路はたとえば、基本的にDC値を取り出し、このDC値と1つまたは複数
の基準電圧との関係に基づいてデジタル・コード化信号を生成するアナログ・デ
ジタル(「A/D」)変換器として実施される。制御ユニットは、様々なデジタ
ル・コード化信号をそれぞれの異なる方法で認識し、既存(現在)の分周係数M
に応じるか、あるいは既存の分周係数Mおよび既存(現在)の入力信号周波数に
応じて分周係数を固有に修正するようにハードウェアまたはソフトウェアで実施
することができる。
【0010】 判定回路および制御ユニットは、クロック分周器を介して高速および低速の着
信データおよび/またはクロック入力周波数にPLLを適合する働きをする。よ
り高速のデータ・ストリームに対処するために入力信号周波数を増加すべきであ
る場合、判定回路は、基準電圧に対する、VCOの入力でのDC電圧の増大に基
づくコード化信号をディスパッチすることによって応答する。このコード化信号
は次いで、クロック分周器分周係数の現在の状況に基づいて制御ユニットによっ
て解釈される。好ましくは、制御ユニットをどのようにプログラムするかに応じ
て、入力信号周波数が増加した場合、それに比例してクロック分周器の周波数分
周係数が減少する。この場合、2つの重要な結果が生じる。第1に、新しい周波
数分周係数に基づく、クロック分周器から転送されるフィードバック信号周波数
は、入力信号周波数にほぼ等しく、それによってPLLが急速にロックされる。
フィードバック信号周波数と入力信号周波数との間に差がない場合、DC電圧は
、周波数分周係数のさらなる遷移を生じさせないように、電圧基準値に対するミ
ッドスケール・ロック値に高速に遷移する。第2に、PLLから出力されるクロ
ック信号は前の周波数を保持し、入力信号周波数が増加したときと、周波数分周
係数が変更されたときにクロック信号の受ける影響が最小限に抑えられる。した
がって、本発明の装置および/または回路は、たとえば、下流側デジタル回路に
転送されるクロック信号を修正または変更せずに可変入力信号周波数に対する高
速ロック状況を実現する。
【0011】 代替実施態様では、フィードバック信号周波数は、周波数分周係数の第1の反
復変更の後で、変化した入力信号周波数にほぼ等しくならなくてもよい。DC電
圧は、周波数分周係数を変更した後でもしきい値を超えたままでいるか、あるい
はしきい値を超えるように遷移することができる。DC電圧をミッドスケールの
ままにする(すなわち、入力信号周波数および出力信号周波数をロックする)場
合は他の(第2およびその後の)反復変更が必要になる。現在の出力信号周波数
がわかっており、かつ周波数分周係数が(1回または複数の反復変更の後で)わ
かっている場合、本発明の技法を使用して、変化した(すなわち、次の)入力信
号の周波数またはデータ転送速度を求めることができる。それにより、判定回路
および制御ユニットは、直接あるいは分周係数の反復変更によって入力信号周波
数の自動検出を可能にする。高速に入力信号にロックするのに必要な直接的な変
更では高分解能周波数分周係数が使用され、現在の分周器状態と次の分周器状態
との差の大きさは任意の整数または小数でよい。
【0012】 広義には、本発明はPLLを企図する。このPLLは、そのフィードバック・
ループ内に配置されたクロック分周回路を備える。このクロック分周器は、好ま
しくは、PLLに転送される入力信号の周波数の変化に反比例するように修正す
る周波数分周係数を備える。現在の周波数分周係数に1.0よりも大きな正の数
Mを乗じることによって周波数分周係数が修正され、入力信号の現在の周波数に
1/Mを乗じることによって入力信号の周波数の変化が修正される。別法として
、現在の周波数分周係数に1/Mを乗じることによって周波数分周係数を修正す
ることができ、したがって、入力信号の現在の周波数にMを乗じることによって
入力信号の周波数の変化を修正することができる。
【0013】 本発明はさらに装置を企図する。この装置は、入力信号周波数を受け取り出力
信号周波数(すなわち、クロック信号周波数)を生成するように結合される。位
相検出器およびループ・フィルタは、入力信号周波数と分周係数によって減少さ
れた出力信号周波数との間の差に対応するDC電圧を生成するように結合される
。VCOは、DC電圧を受け取り、DC電圧に応じて出力信号周波数を変更する
ように結合される。クロック分周回路は、出力周波数を受け取り、分周係数によ
って減少された出力信号周波数を分周係数に応じて位相検出器に転送するように
結合される。判定回路は、DC電圧を受け取り、DC電圧と基準電圧との比較に
基づいてコード化信号を生成するように結合される。制御ユニットは、コード化
信号を受け取り、それに応答して周波数分周係数を自動的に(動的に)修正する
ように結合される。
【0014】 本発明はさらに、PLLのフィードバック・ループ内のクロック分周器を自動
的かつ動的に変更する方法を企図する。このクロック分周器は、クロック信号の
周波数を入力信号の周波数に直接または反復的にロックするように変更される。
この方法はさらに、フィードバック信号の位相および周波数を入力信号と比較す
る検出器からのDC電圧を監視するステップを含む。フィードバック信号の周波
数を入力信号の周波数の変化とほぼ一致するように変更し、同時に、出力信号の
周波数をほぼ一定に維持することができる。フィードバック信号周波数が再び、
変化した入力信号周波数と一致するようにフィードバック信号を再調整する前に
、基準電圧とDC電圧との比較に基づいてフィードバック信号周波数が変更され
る。
【0015】 本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み添付の図面を参照し
たときに明らかになろう。
【0016】 本発明では様々な修正形態および代替形態が可能であるが、図面には一例とし
て本発明の特定の実施形態を示し、本明細書で詳しく説明する。しかし、本発明
の図面および詳細な説明が、開示される特定の形態に本発明を限定するものでは
なく、逆に、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲の範囲
内のすべての修正形態、均等形態、および代替形態をカバーするものであること
を理解されたい。
【0017】 (発明の詳細な説明) 次に、図面を参照すると、図1はPLL12に入力される信号10を示してい
る。入力信号は、x、mx、およびx/mとして示された様々な周波数で転送さ
れる。この場合、mは基本周波数xの変動を表す。たとえば、より高いデータ転
送速度が必要である場合、入力信号周波数を増加することができ、データ転送速
度を低下させなければならない場合にも同様のことが生じる。入力信号の周波数
は主として、送信構成要素と受信構成要素の関数であり、したがって、PLL1
2内の構成要素とは異なるように変動することができる。
【0018】 PLL12は、一例によれば、位相/周波数(「PFD」)検出器14、ルー
プ・フィルタ18、VCO20、およびクロック分周器22を含む。クロック分
周器22は、PLL12のフィードバック・ループ内に配置され、入力信号周波
数とより周波数の高い出力信号との間の乗算係数を備えている。PFD14は、
たとえば、排他的ORゲートまたはR−Sラッチを備え、周波数検出の場合には
、入力どうしの間の周波数差に比例する非相補出力を生成する任意の回路を備え
るマルチプライヤ(またはミキサ)として構成することができる。ループ・フィ
ルタ18は、PFD14からの出力を保持する導体とVCO20への入力を保持
する導体との間にリンクされたキャパシタおよび抵抗器を備える受動素子を用い
て実装することができる。ループ・フィルタ18は、PFD14から転送される
レール駆動信号から遷移ノイズを除去する働きをし、したがって、ループに安定
性を付与する。このノイズの原因は、たとえば、入力信号フリッカおよび/また
はPFD14遷移条件である。VCO20はたとえば、直列接続された奇数のイ
ンバータを備えるリング発振器として実装することができる。
【0019】 PLL12内に示されている構成要素は多数の異なる方法で構成することがで
きる。各構成要素を実現するのに必要な機構および回路は、必要な精度および応
用分野に応じて変更することができる。したがって、前述の例は各構成要素を実
行する方法の一例に過ぎない。各構成要素が使用される応用分野の必要に応じて
構成要素の形態および構造に変形および修正を施すことができる。
【0020】 VCO20は、周波数が、ループ・フィルタ18から供給されるDC電圧の一
次関数である周期的出力を生成するように設計される。たとえば、DC電圧が増
大した場合、VCO20は出力信号周波数を増加させる。出力信号は、PLL1
2の負荷として結合されたデジタル回路に転送されると共に、クロック分周器2
2にも転送される。クロック分周器22は、出力信号(クロック信号)周波数を
入力信号周波数の倍数にすることのできる周波数分周係数を含む。したがって、
クロック信号周波数は、PFD14にフィードバックされる前に減少される(す
なわち、分周される)。周波数分周係数Mは、必要な周波数乗算の量に応じてリ
アルタイムで修正される。したがって、係数Mは1.0以上の数である。Mが整
数である場合、周波数分周は、たとえばデジタル・カウンタによって適切に実行
することができる。
【0021】 判定回路30および制御ユニット32は、PLL12に含められるか、あるい
はPLL12とは別に設けられる。判定回路30は基本的に、基準電圧とVCO
20に供給されるDC電圧との比較をデジタル形式でコード化するA/D変換器
である。たとえば、最も簡単な形式の2つの基準電圧があってよい。第1の基準
電圧は、ミッドスケール電圧とVDDとの間の値になるように構成することができ
、それに対して、第2の基準電圧はミッドスケール電圧とグランドとの間に設定
することができる。たとえば、DC電圧が第1の基準電圧を超えた場合(場合に
よっては、入力信号周波数が急速に増加したことを示す)、判定回路は、この増
加を示すバイナリ信号をコード化する。入力信号周波数が減少した場合にはこの
逆になり、DC電圧が第2の基準電圧を超え、固有にコード化された他の信号が
生成される。しかし、2つよりも多くの基準電圧を使用できることが認識されよ
う。DC電圧がミッドスケールを超え一方の基準電圧も超えたが、他方の基準電
圧は超えていない場合、比較の結果として得られるデジタル信号は十分なバイナ
リ・ビットを有し、DC電圧が存在する基準電圧どうしの間のウィンドウを表示
する。
【0022】 図2は、一般にA/Dコード化を実行する判定回路30の一例を示す。2つの
基準電圧を使用する場合、DC電圧が第1の基準電圧vt+を超えた場合に第1の
比較器34がデジタル「1」値を生成する。DC電圧が第2の基準電圧vt-より
も低い場合には第2の比較器がデジタル「1」値を生成する。一例によれば、第
1の基準電圧はミッドスケールとVDDとの間の値でよく、それに対して第2の基
準電圧はミッドスケールとグランドとの間の値である。もちろん、他の多数の比
較器および関連する基準電圧があってよい。追加の基準電圧は、A/D変換器出
力の分解能を向上させるためにグランドとVDDとの間で互いに定量可能な距離だ
け間隔を置いて設定することができる。図2に示す例は、コード化された2ビッ
ト出力を表す。しかし、PLL周波数の分解能を高める必要がある場合、追加の
比較器および関連する基準電圧によって2つよりも多くのバイナリ・ビットをコ
ード化することができる。
【0023】 2つの比較器および2つの基準電圧によって、DC電圧が(1)vt+を超えて
いるか、それとも(2)vt-とvt+との間であるか、それとも(3)vt-よりも
低いかを示す2ビット・バイナリ値が生成される。追加の比較器および基準電圧
によって、DC電圧が、厳密に定義された電圧範囲内のどこに位置しているかを
示すことができる。DC電圧の厳密な表示が与えられた場合、制御ユニット32
は、現在の分周器状態を知っている適切な「次の」分周器状態に遷移することに
よって、この電圧により高速に(かつ直接)応答することができる。しかし、2
つの比較器のみを使用する場合は、自動レンジング機能を実行することができる
。具体的には、分周器状態を反復的に変更し、最終的に高分解能によってもたら
される直接的な変更を実現することができる。図3は反復検出技法を示し、それ
に対して図4は直接検出を示す。
【0024】 図3は、反復自動レンジング技能によって制御ユニット32を実現する際に使
用される状態図40である。図40は状態42、44、および46を示している
。状態42は、判定回路30上のDC電圧によって示される入力信号周波数が上
しきい値(たとえば、vt+)を超えた場合にクロック分周器22内の周波数分周
係数を減分することを示す。入力信号周波数が高過ぎる場合、上しきい値と下し
きい値との間のDC電圧を示す状態44への遷移が起こる。さらに、DC電圧が
、低い周波数を示す下しきい値よりも低くなった場合、状態44から状態46へ
の遷移が起こる。状態図40では、3つの検出可能なレベルおよび2つの比較器
が仮定されており、次のレベルは現在のレベルに隣接している。たとえば、現在
の入力周波数が4xであり次の入力周波数が16xに増加する場合、DC値は、
上しきい値を超え、制御ユニット上の「周波数高過ぎ」信号としてコード化され
る。制御ユニットは、分周係数をたとえばa÷16からa÷15に減分すること
によって、状態図40に示すように応答する。判定回路が再び周波数高過ぎ信号
をコード化した場合には、最終的に適切な分周係数、たとえば÷4に達するまで
減分が継続する。
【0025】 反復手法の少なくとも1つの利益は、それが入力信号周波数検出器として使用
されることである。出力信号周波数を比較的一定にしておかなければならないこ
とを知り、さらに現在の周波数分周係数を知ることによって、入力信号周波数が
変化した場合に次の入力周波数を判定することができる。反復手法は、DC電圧
がしきい値を超えるか、あるいはしきい値よりも低くなったときには、予め定め
た増分に従って分周係数を変更する。このような増分によって最終的に、DC電
圧は、状態44および対応するロック条件を示すミッドスケールの近傍の電圧に
なる。状態44での周波数分周係数が変更前の出力信号周波数と共に判明し、そ
れによって、変更後の(すなわち、次の)入力信号周波数を検出することができ
る。
【0026】 図4は、より直接的で高速の検出/ロッキング機能によって制御ユニット32
を実現するために使用される状態図48である。かなり狭いウィンドウとして決
められたウィンドウ内のDC電圧に応じて分周係数を変更する必要がある場合に
は、2つよりも多くのレベルと3つよりも多くの比較器が必要である。図4の例
では、7つのレベルおよび8つの比較器を使用して様々なウィンドウを生成する
ことができる。分周係数は状態50、52、54、および56の間で直接変更す
ることができる。したがって、図4は、ある周波数分周状態から他の周波数分周
状態への遷移を行うときに(7つのウィンドウまたは状態を表す)少なくとも3
つのコード化ビットを必要とするコーディングを示す。
【0027】 図5は、制御ユニット32を実施するために使用されるより一般的な状態図6
0を示す。Mの値と点線で示すオプションとに応じて、直接検出/ロッキング、
または最終的にロック状態を得るための反復レンジングを行うことができる。状
態図60は、コード化デジタル信号を認識し、したがって、分周係数を現在の周
波数分周係数から次の周波数分周係数に修正するハードウェアまたはソフトウェ
アで実施することができる。したがって、コード化信号は入力信号周波数の可能
な変化を示し、状態図60は、(図1に示す)クロック分周器22に対するコー
ド化信号の効果を示す。
【0028】 たとえば、状態62で示すように現在の分周係数をxとしてモデル化する場合
、分周係数は変更することも、あるいは現在の状態のままでいることもできる。
コード化信号が00である場合、状態62は変化しない。しかし、コード化信号
が01である場合、分周係数は状態62から状態64に変化する。しかし、コー
ド化信号が10である場合、分周係数は変化しないことも、あるいは状態66に
変化することもできる。このオプションは、コード化信号10に隣接する点線で
示されている。
【0029】 状態図60を調べると、コード化信号が01であるときには、周波数分周係数
が状態66から62に増加し、次いで状態64に増加することがわかる。逆に、
コード化信号が10である場合、周波数分周係数は減少する。3つの状態が示さ
れているが、状態の数は、コード化信号内のビット量と、適切な周波数分周を実
現するために必要な分解能の量とに応じて3つより多くてもよいことが理解され
よう。
【0030】 状態図60を一例に従って実施するにはどうすべきかについての理解を助ける
ために、他の例を示す。状態62内のxが4であり、状態64および66内のm
も4であると仮定すると、状態62がa÷4状態を表し、状態64がa÷16を
表すことは明らかである。本発明の利益を得るためと、与えられた例について状
態62および64の機能を理解するためにのみ、以下の表1を与える。
【表1】
【0031】 図1ないし図4と表1を共に参照するとわかるように、表1の第1行は、クロ
ック分周器22内の現在の分周器状態a÷4を示す。また、現在の入力周波数は
4xである(図1のmは4に等しい)。これらの既存の条件から、行1は、次の
入力周波数が4xのままであることを示す。この場合、しきい値より高いDC電
圧も、あるいはしきい値より低いDC電圧も生成されない。したがって、ハイ比
較器34およびロー比較器36からの比較ハイ/ロー出力は00である。状態6
2に対する00コード化信号の効果(xは4に等しい)は、状態を変更しないこ
とである。したがって、次の分周器状態は状態62のままである(すなわち、÷
4)。したがって、現在/次の出力信号周波数は16x(すなわち、4x現在/
次の入力周波数x現在/次の分周器状態)のままである。
【0032】 表1の次の行は、入力信号周波数が4xから1xに減少した場合にどうなるか
を示す。DC電圧が低下するのは、入力信号周波数が減少し、したがって、比較
ハイ/ロー・コード化信号01が生成されたときである。図5に示す01コード
化信号は、状態を状態62から状態64に変更する。これは、(状態64内のm
が4に等しいとき)現在の分周器状態としてのa÷4がa÷16に変更されるこ
ととして示されている。しかし、現在の分周器状態に現在の入力周波数を乗じた
値は、次の分周器状態に次の入力周波数を乗じた値と等しいので、現在/次の出
力周波数は16xのまま変更されない。
【0033】 表1の行3は、行1および行2についての上記の説明によって明らかになろう
。しかし、一例として、比較ハイ/ロー・コード化信号10が分周状態に影響を
与えない(あるいは状態を変更しない)ことがわかる。しかし、2つよりも多く
の状態がある場合、必要に応じて、10コード化値によって状態遷移を起こすこ
とができることが理解されよう。表1の例では、表を簡単にすることのみのため
に2つの状態しか示されていない。しかし、図5は、第3の状態、および場合に
よっては他の多数の状態、ならびに状態62から状態66への遷移に対するコー
ド化信号10の効果を示す。
【0034】 表1の行4ないし行6は、図5と共に、コード化信号が10である場合の状態
64から状態62への遷移を示す。それ以外の場合、与えられた例において、コ
ード化信号が00または01である場合には、状態64は変化しない。
【0035】 表1に示す例は、2つの異なる入力信号周波数および2つの異なるクロック分
周器状態を示す。さらに一例を挙げると、表1は、2つの比較器のみと、これら
の比較器に印加される2つの異なるしきい値電圧のみとから得られる2ビット・
コード化信号を示す。しかし、多数の入力信号周波数と、多数のクロック分周器
状態および比較器、基準電圧などを適用できることが認識されよう。入力信号周
波数およびクロック分周状態の数にかかわらず、趣旨は同じである。入力信号周
波数が、クロック分周器から転送されるフィードバック信号周波数よりも高い場
合、フィードバック・ループは、VCO入力電圧を増大させ、入力信号周波数と
の一致を試みる。同様に、入力信号周波数がフィードバック信号周波数よりも低
い場合、フィードバック・ループは、VCO入力電圧を低下させ、入力信号周波
数との一致を試みる。比較器のうちのどれかが「1」出力を生成した場合、この
ことは、クロック分周器22によって設定される現在の周波数範囲に対して入力
信号周波数が高過ぎるか、あるいは低過ぎることを意味する。制御ユニット32
は、判定回路30のコード化出力を評価し、適切なクロック分周器制御信号を選
択し、PLL12が入力信号周波数にロックすることを可能にする。
【0036】 制御ユニット32の趣旨は、クロック分周器22内の分周係数の現在の値を維
持するか、あるいは現在の値から増減させることである。これによって、VCO
入力電圧がミッドスケールにリセットされる。次いで、PLLが入力信号周波数
にロックし、判定回路の次の出力がたとえば、00になる。
【0037】 本開示の利益を有する当業者には、本発明が、アナログ部分とデジタル部分の
両方を有する任意の集積回路に適用できるとみなされることが理解されよう。こ
の集積回路は、PLL、判定回路、および制御ユニットをすべて単一のモノリシ
ック基板内に含むことができる。特許請求の範囲をすべてのそのような修正およ
び変更を包含するものと解釈することが所期され、したがって、本明細書および
図面は制限的なものではなく例示的なものとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変周波数を有する入力信号を受け取りその周波数にロックするように構成さ
れた本発明によるPLLのブロック図である。
【図2】 例示的な一実施形態による図1に示す判定回路の回路図である。
【図3】 入力信号の周波数の変化に対してPLL周波数分周係数の反復的レンジング/
検出を実行するための、例示的な一実施形態による図1に示す制御ユニットの状
態図である。
【図4】 入力信号の周波数の変化に対してPLL周波数分周係数の直接検出を実行する
ための、例示的な一実施形態による図1に示す制御ユニットの状態図である。
【図5】 入力信号の周波数の変化に対してPLL周波数分周係数の反復的レンジング/
検出および直接高解像度レンジング/検出を実行するための、例示的な一実施形
態による図1に示す制御ユニットの状態図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年4月17日(2000.4.17)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 自動的に可変入力周波数に調整しロックすることのできるフェ
ーズ・ロック・ループ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (1.発明の分野) 本発明は、集積回路に関し、詳細には、PLL出力信号周波数をそれほど変更
せずに、フェーズ・ロック・ループ(PLL)のフィードバック・ループ内で、
入力信号の周波数の変化を自動的に検出しこの周波数に増分的にあるいは直接ロ
ックすることのできるPLLに関する。
【0002】 (2.関連技術の説明) PLLは一般に、信号の周波数および/または位相を制御するために多数の電
子機器分野で使用されている。使用例にはたとえば、周波数シンセサイザ、アナ
ログ・デジタル変調器、クロック回復回路としての応用分野が含まれる。
【0003】 PLLは、クロック回復回路として、たとえば、着信データのストリームから
タイミング基準を抽出する。タイミング基準または回復されたクロックは、一般
にデータ・ストリーム内のデータの遷移に同期する。タイミング基準は、たとえ
ば伝送チャネルの受信端に配置されたPLLから出力される。受信端にあるPL
Lを使用してクロック信号を再構築すると、データをデータとは別のクロック信
号とともに転送することが不要になる。
【0004】 伝送チャネルを通って転送されるデータ・ストリームの遷移速度または周波数
を修正することが望ましいことが多い。したがって、伝送チャネルの受信端にあ
るPLLは、様々な周波数の入力信号を受け付けることができなければならない
。入力信号がデータを含む場合、PLLが通常のデータ転送速度と高データ転送
速度の両方をサポートすることが重要である。したがって、入力信号がクロック
信号である場合、PLLは様々なクロック周波数を受け、そのうちの1つを選択
することができなければならない。
【0005】 PLLへの入力信号周波数は伝送機構(すなわち、送信機、受信機、およびチ
ャネル)の伝送速度に応じて異なる周波数でよいが、一般に、PLL出力に結合
されたデジタル回路は比較的一定の速度で動作することが望ましい。大部分の例
では、デジタル回路またはデジタル・プロセッサのクロック周波数は、製造業者
の指定する周波数範囲内の周波数で動作しなければならない。したがって、PL
Lが入力信号周波数にロックされたとき、PLLからの出力信号(以下では「ク
ロック信号」と呼ぶ)はデジタル回路やデジタル・プロセッサの動作仕様を超え
てはならない(そのような動作仕様未満でなければならない)。たとえば、デー
タ転送速度が高くなることによって入力信号周波数が変化した場合、PLLは、
この変化した入力信号周波数にロックすることを試みる。
【0006】 大部分の場合、PLLは、PLLから出力されるクロック信号の周波数が入力
信号周波数の倍数でなければならない応用分野で使用される。これは、大部分の
例では、デジタル・プロセッサが、送られるデータ・ストリームよりも高い周波
数で動作できるからである。入力信号周波数とクロック信号周波数との間に静的
な差を実現するために、PLLのフィードバック・ループにクロック分周器が配
置される。クロック分周器は周波数分周係数を備える。分周係数が大きくなると
、それに比例して、入力信号周波数に対してクロック信号周波数が増加する。し
たがって、たとえば、入力信号周波数が1.0xであり分周係数が16である場
合、クロック信号周波数は16.0xである。
【0007】 残念なことに、分周係数は通常、入力信号周波数の変化に対して静的である。
入力信号周波数の変化に応じて自動的または動的に変更できない場合、クロック
信号に関する多数の問題が生じる。分周係数が静的(または一定)である場合、
フィードバック信号周波数は、「ロック解除」の瞬間に、増加する入力信号周波
数とは瞬間的に異なる値になる。これによって、PLL電圧制御発振器(「VC
O」)へのDC電圧が増大し、したがってクロック信号周波数が増加する。クロ
ック信号が定常値になり、PLLフィードバック・ループ内でクロック信号が入
力信号周波数にほぼ一致するように分周されたとき、PLLが「ロックされた」
という。残念なことに、PLLがロックされると、クロック信号は、それが接続
されるデジタル・プロセッサの最大周波数を超えることがある。この場合、デジ
タル・プロセッサはその内部状態を失い、かつ/または誤動作を起こす恐れがあ
る。さらに、クロック信号がデジタル・プロセッサの最大周波数を超えた場合、
VCOがその動的動作範囲から逸脱する可能性がある。
【0008】 本発明の一態様によれば、フェーズ・ロック・ループのフィードバック・ルー
プ内の電圧制御発振器の出力に動作可能に結合されたクロック分周回路を備え、
そのクロック分周器が、フェーズ・ロック・ループのほぼ一定の出力周波数を維
持するために、フェーズ・ロック・ループに転送される入力信号の周波数の変化
に反比例するように修正される周波数分周係数を備え、その周波数分周係数は、
入力信号の周波数の変化がしきい値量を超えたかどうかを判定するために電圧制
御発振器の入力に動作可能に結合された判定回路によって修正されるフェーズ・
ロック・ループが提供される。
【0009】 好ましくは、周波数分周係数は、現在の周波数分周係数に1.0よりも大きな
正の係数Mを乗じることによって修正され、入力信号の周波数の変化は、入力信
号の現在の周波数に1/Mを乗じることによって修正される。
【0010】 周波数分周係数は、現在の周波数分周係数に1/M(Mは1.0よりも大きな
係数)を乗じることによって修正され、入力信号の周波数の変化は、入力信号の
現在の周波数にMを乗じることによって修正されるのが望ましい。
【0011】 判定回路は複数の比較器を備え、各比較器は、入力信号の周波数の変化に比例
するdc電圧を受け取るように接続されるのが有利である。
【0012】 好ましくは、複数の比較器はそれぞれ、さらに固有の基準電圧をるように接続
され、この基準電圧とdc電圧が比較される。
【0013】 好ましい実施態様では、前述の種類のフェーズ・ロック・ループは、入力信号
周波数を受け、出力信号周波数を生成するように結合され、位相検出器は、入力
信号周波数と分周係数によって減少された出力信号周波数との間の差に対応する
dc電圧を生成するように結合され、電圧制御発振器は、dc電圧を受けてdc
電圧に応じて出力信号周波数を変更するように結合され、クロック分周回路は、
出力周波数を受け、分周係数によって減少された出力信号周波数を分周係数に従
って位相検出器に転送するように結合され、判定回路は、dc電圧を受け、dc
電圧と基準電圧との比較に基づいてコード化信号を生成するように結合され、制
御ユニットは、コード化信号を受け取り、それに応答して周波数分周係数を修正
するように結合される。
【0014】 制御ユニットは、現在の周波数分周係数およびコード化信号に基づいて制御信
号を送るのが望ましい。
【0015】 コード化信号はバイナリ・ビットからなるのが有利である。
【0016】 好都合には、バイナリ・ビットの数は2である。
【0017】 好ましくは、位相検出器は周波数検出器を備える。
【0018】 本発明は、それぞれ、フェーズ・ロック・ループから転送される入力信号の周
波数、およびフェーズ・ロック・ループに転送される入力信号の周波数に出力信
号の周波数をロックするようにフェーズ・ロック・ループのフィードバック・ル
ープ内のクロック分周器を変更する方法であって、フィードバック信号の位相お
よび周波数を入力信号と比較する検出器からのdc電圧出力を監視すること、お
よび入力信号の周波数が変化する前の基準電圧とdc電圧との比較に基づいて出
力信号の周波数の変更とほぼ一致するようにフィードバック信号の周波数を反比
例的に変更することを含む方法にも関する。
【0019】 好ましくは、上記の変更は、入力信号の周波数の増加に反比例するようにフィ
ードバック信号の周波数を減少させることを含む。
【0020】 好都合には、上記の変更は、入力信号の周波数の減少に反比例するようにフィ
ードバック信号の周波数を増加させることを含む。
【0021】 上記で概略的に説明した問題は主として、PLLを改良することによって解決
される。この改良ではたとえば、PLLのループ・フィルタとVCOとの間に判
定回路が挿入される。判定回路は、入力信号の周波数の変化を示す、VCOに印
加されるDC電圧を監視する。判定回路は、1つまたは複数のしきい値電圧に対
するDC電圧を示すコード化信号を制御ユニットに供給する。制御ユニットは、
PLLフィードバック・ループのクロック分周器内の周波数分周係数を維持また
は修正することによって、コード化信号に応答する。したがって、VCOへの入
力は、入力信号の周波数を示す。
【0022】 判定回路と制御ユニットを組み合わせることによって、VCOの入力でのDC
電圧に基づいて適切な分周係数を選択することのできる制御機能が実現される。
判定回路はたとえば、基本的にDC値を取り出し、このDC値と1つまたは複数
の基準電圧との関係に基づいてデジタル・コード化信号を生成するアナログ・デ
ジタル(「A/D」)変換器として実装することができる。制御ユニットは、様
々なデジタル・コード化信号をそれぞれの異なる方法で認識し、既存(現在)の
分周係数Mに応じるか、あるいは既存の分周係数Mおよび既存(現在)の入力信
号周波数に応じて分周係数に固有の修正を施すようにハードウェアまたはソフト
ウェアに実装することができる。
【0023】 判定回路および制御ユニットは、クロック分周器を介して高速および低速の着
信データおよび/またはクロック入力周波数にPLLを適合する働きをする。よ
り高速のデータ・ストリームに対処するために入力信号周波数を増加すべきであ
る場合、判定回路は、基準電圧に対する、VCOの入力でのDC電圧の増大に基
づくコード化信号を送ることによって応答する。このコード化信号は次いで、ク
ロック分周器分周係数の現在の状況に基づいて制御ユニットによって解釈される
。好ましくは、制御ユニットをどのようにプログラムするかに応じて、入力信号
周波数が増加した場合、それに比例してクロック分周器の周波数分周係数が減少
する。この場合、2つの重要な結果が生じる。第1に、新しい周波数分周係数に
基づく、クロック分周器から転送されるフィードバック信号周波数は、入力信号
周波数にほぼ等しく、それによってPLLが急速にロックされる。フィードバッ
ク信号周波数と入力信号周波数との間に差がない場合、DC電圧は、周波数分周
係数のさらなる遷移を生じさせないように、電圧基準値に対するミッドスケール
・ロック値に高速に遷移する。第2に、PLLから出力されるクロック信号は前
の周波数を保持し、入力信号周波数が増加したときと、周波数分周係数が変更さ
れたときにクロック信号の受ける影響が最小限に抑えられる。したがって、本発
明の装置および/または回路は、たとえば、下流側デジタル回路に転送されるク
ロック信号を修正または変更せずに可変入力信号周波数に対する高速ロック状況
を実現する。
【0024】 代替実施態様では、フィードバック信号周波数は、周波数分周係数の第1の反
復変更の後で、変化した入力信号周波数にほぼ等しくならなくてもよい。DC電
圧は、周波数分周係数を変更した後でもしきい値を超えたままでいるか、あるい
はしきい値を超えるように遷移することができる。DC電圧をミッドスケールの
ままにする(すなわち、入力信号周波数および出力信号周波数をロックする)場
合は他の(第2およびその後の)反復変更が必要になる。現在の出力信号周波数
がわかっており、かつ周波数分周係数が(1回または複数の反復変更の後で)わ
かっている場合、本発明の技法を使用して、変化した(すなわち、次の)入力信
号の周波数またはデータ転送速度を求めることができる。それにより、判定回路
および制御ユニットは、直接あるいは分周係数の反復変更によって入力信号周波
数の自動検出を可能にする。高速に入力信号にロックするのに必要な直接的な変
更では高分解能周波数分周係数が使用され、現在の分周器状態と次の分周器状態
との差の大きさは任意の整数または小数でよい。
【0025】 広義には、本発明はPLLを企図する。このPLLは、そのフィードバック・
ループ内に配置されたクロック分周回路を備える。このクロック分周器は、好ま
しくは、PLLに転送される入力信号の周波数の変化に反比例するように修正す
る周波数分周係数を備える。現在の周波数分周係数に1.0よりも大きな正の数
Mを乗じることによって周波数分周係数が修正され、入力信号の現在の周波数に
1/Mを乗じることによって入力信号の周波数の変化が修正される。別法として
、現在の周波数分周係数に1/Mを乗じることによって周波数分周係数を修正す
ることができ、したがって、入力信号の現在の周波数にMを乗じることによって
入力信号の周波数の変化を修正することができる。
【0026】 本発明はさらに装置を企図する。この装置は、入力信号周波数を受け取り出力
信号周波数(すなわち、クロック信号周波数)を生成するように結合される。位
相検出器およびループ・フィルタは、入力信号周波数と分周係数によって減少さ
れた出力信号周波数との間の差に対応するDC電圧を生成するように結合される
。VCOは、DC電圧を受け取り、DC電圧に応じて出力信号周波数を変更する
ように結合される。クロック分周回路は、出力周波数を受け取り、分周係数によ
って減少された出力信号周波数を分周係数に応じて位相検出器に転送するように
結合される。判定回路は、DC電圧を受け取り、DC電圧と基準電圧との比較に
基づいてコード化信号を生成するように結合される。制御ユニットは、コード化
信号を受け取り、それに応答して周波数分周係数を自動的に(動的に)修正する
ように結合される。
【0027】 本発明はさらに、PLLのフィードバック・ループ内のクロック分周器を自動
的かつ動的に変更する方法を企図する。このクロック分周器は、クロック信号の
周波数を入力信号の周波数に直接または反復的にロックするように変更される。
この方法はさらに、フィードバック信号の位相および周波数を入力信号と比較す
る検出器からのDC電圧を監視するステップを含む。フィードバック信号の周波
数を入力信号の周波数の変化とほぼ一致するように変更し、同時に、出力信号の
周波数をほぼ一定に維持することができる。フィードバック信号周波数が再び、
変化した入力信号周波数と一致するようにフィードバック信号を再調整する前に
、基準電圧とDC電圧との比較に基づいてフィードバック信号周波数が変更され
る。
【0028】 本発明の他の目的および利点は、以下の詳細な説明を読み添付の図面を参照し
たときに明らかになろう。
【0029】 本発明では様々な修正形態および代替形態が可能であるが、図面には一例とし
て本発明の特定の実施形態を示し、本明細書で詳しく説明する。しかし、本発明
の図面および詳細な説明が、開示される特定の形態に本発明を限定するものでは
なく、逆に、特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲の範囲
内のすべての修正形態、均等形態、および代替形態をカバーするものであること
を理解されたい。
【0030】 (発明の詳細な説明) 次に、図面を参照すると、図1はPLL12に入力される信号10を示してい
る。入力信号は、x、mx、およびx/mとして示された様々な周波数で転送さ
れる。この場合、mは基本周波数xの変動を表す。たとえば、より高いデータ転
送速度が必要である場合、入力信号周波数を増加することができ、データ転送速
度を低下させなければならない場合にも同様のことが生じる。入力信号の周波数
は主として、送信構成要素と受信構成要素の関数であり、したがって、PLL1
2内の構成要素とは異なるように変動することができる。
【0031】 PLL12は、一例によれば、位相/周波数(「PFD」)検出器14、ルー
プ・フィルタ18、VCO20、およびクロック分周器22を含む。クロック分
周器22は、PLL12のフィードバック・ループ内に配置され、入力信号周波
数とより周波数の高い出力信号との間の乗算係数を備えている。PFD14は、
たとえば、排他的ORゲートまたはR−Sラッチを備え、周波数検出の場合には
、入力どうしの間の周波数差に比例する非相補出力を生成する任意の回路を備え
るマルチプライヤ(またはミキサ)として構成することができる。ループ・フィ
ルタ18は、PFD14からの出力を保持する導体とVCO20への入力を保持
する導体との間にリンクされたキャパシタおよび抵抗器を備える受動素子を用い
て実装することができる。ループ・フィルタ18は、PFD14から転送される
レール駆動信号から遷移ノイズを除去する働きをし、したがって、ループに安定
性を付与する。このノイズの原因は、たとえば、入力信号フリッカおよび/また
はPFD14遷移条件である。VCO20はたとえば、直列接続された奇数のイ
ンバータを備えるリング発振器として実装することができる。
【0032】 PLL12内に示されている構成要素は多数の異なる方法で構成することがで
きる。各構成要素を実現するのに必要な機構および回路は、必要な精度および応
用分野に応じて変更することができる。したがって、前述の例は各構成要素を実
行する方法の一例に過ぎない。各構成要素が使用される応用分野の必要に応じて
構成要素の形態および構造に変形および修正を施すことができる。
【0033】 VCO20は、周波数が、ループ・フィルタ18から供給されるDC電圧の一
次関数である周期的出力を生成するように設計される。たとえば、DC電圧が増
大した場合、VCO20は出力信号周波数を増加させる。出力信号は、PLL1
2の負荷として結合されたデジタル回路に転送されると共に、クロック分周器2
2にも転送される。クロック分周器22は、出力信号(クロック信号)周波数を
入力信号周波数の倍数にすることのできる周波数分周係数を含む。したがって、
クロック信号周波数は、PFD14にフィードバックされる前に減少される(す
なわち、分周される)。周波数分周係数Mは、必要な周波数乗算の量に応じてリ
アルタイムで修正される。したがって、係数Mは1.0以上の数である。Mが整
数である場合、周波数分周は、たとえばデジタル・カウンタによって適切に実行
することができる。
【0034】 判定回路30および制御ユニット32は、PLL12に含められるか、あるい
はPLL12とは別に設けられる。判定回路30は基本的に、基準電圧とVCO
20に供給されるDC電圧との比較をデジタル形式でコード化するA/D変換器
である。たとえば、最も簡単な形式の2つの基準電圧があってよい。第1の基準
電圧は、ミッドスケール電圧とVDDとの間の値になるように構成することができ
、それに対して、第2の基準電圧はミッドスケール電圧とグランドとの間に設定
することができる。たとえば、DC電圧が第1の基準電圧を超えた場合(場合に
よっては、入力信号周波数が急速に増加したことを示す)、判定回路は、この増
加を示すバイナリ信号をコード化する。入力信号周波数が減少した場合にはこの
逆になり、DC電圧が第2の基準電圧を超え、固有にコード化された他の信号が
生成される。しかし、2つよりも多くの基準電圧を使用できることが認識されよ
う。DC電圧がミッドスケールを超え一方の基準電圧も超えたが、他方の基準電
圧は超えていない場合、比較の結果として得られるデジタル信号は十分なバイナ
リ・ビットを有し、DC電圧が存在する基準電圧どうしの間のウィンドウを表示
する。
【0035】 図2は、一般にA/Dコード化を実行する判定回路30の一例を示す。2つの
基準電圧を使用する場合、DC電圧が第1の基準電圧vt+を超えた場合に第1の
比較器34がデジタル「1」値を生成する。DC電圧が第2の基準電圧vt-より
も低い場合には第2の比較器がデジタル「1」値を生成する。一例によれば、第
1の基準電圧はミッドスケールとVDDとの間の値でよく、それに対して第2の基
準電圧はミッドスケールとグランドとの間の値である。もちろん、他の多数の比
較器および関連する基準電圧があってよい。追加の基準電圧は、A/D変換器出
力の分解能を向上させるためにグランドとVDDとの間で互いに定量可能な距離だ
け間隔を置いて設定することができる。図2に示す例は、コード化された2ビッ
ト出力を表す。しかし、PLL周波数の分解能を高める必要がある場合、追加の
比較器および関連する基準電圧によって2つよりも多くのバイナリ・ビットをコ
ード化することができる。
【0036】 2つの比較器および2つの基準電圧によって、DC電圧が(1)vt+を超えて
いるか、それとも(2)vt-とvt+との間であるか、それとも(3)vt-よりも
低いかを示す2ビット・バイナリ値が生成される。追加の比較器および基準電圧
によって、DC電圧が、厳密に定義された電圧範囲内のどこに位置しているかを
示すことができる。DC電圧の厳密な表示が与えられた場合、制御ユニット32
は、現在の分周器状態を知っている適切な「次の」分周器状態に遷移することに
よって、この電圧により高速に(かつ直接)応答することができる。しかし、2
つの比較器のみを使用する場合は、自動レンジング機能を実行することができる
。具体的には、分周器状態を反復的に変更し、最終的に高分解能によってもたら
される直接的な変更を実現することができる。図3は反復検出技法を示し、それ
に対して図4は直接検出を示す。
【0037】 図3は、反復自動レンジング技能によって制御ユニット32を実現する際に使
用される状態図40である。図40は状態42、44、および46を示している
。状態42は、判定回路30上のDC電圧によって示される入力信号周波数が上
しきい値(たとえば、vt+)を超えた場合にクロック分周器22内の周波数分周
係数を減分することを示す。入力信号周波数が高過ぎる場合、上しきい値と下し
きい値との間のDC電圧を示す状態44への遷移が起こる。さらに、DC電圧が
、低い周波数を示す下しきい値よりも低くなった場合、状態44から状態46へ
の遷移が起こる。状態図40では、3つの検出可能なレベルおよび2つの比較器
が仮定されており、次のレベルは現在のレベルに隣接している。たとえば、現在
の入力周波数が4xであり次の入力周波数が16xに増加する場合、DC値は、
上しきい値を超え、制御ユニット上の「周波数高過ぎ」信号としてコード化され
る。制御ユニットは、分周係数をたとえばa÷16からa÷15に減分すること
によって、状態図40に示すように応答する。判定回路が再び周波数高過ぎ信号
をコード化した場合には、最終的に適切な分周係数、たとえば÷4に達するまで
減分が継続する。
【0038】 反復手法の少なくとも1つの利益は、それが入力信号周波数検出器として使用
されることである。出力信号周波数を比較的一定にしておかなければならないこ
とを知り、さらに現在の周波数分周係数を知ることによって、入力信号周波数が
変化した場合に次の入力周波数を判定することができる。反復手法は、DC電圧
がしきい値を超えるか、あるいはしきい値よりも低くなったときには、予め定め
た増分に従って分周係数を変更する。このような増分によって最終的に、DC電
圧は、状態44および対応するロック条件を示すミッドスケールの近傍の電圧に
なる。状態44での周波数分周係数が変更前の出力信号周波数と共に判明し、そ
れによって、変更後の(すなわち、次の)入力信号周波数を検出することができ
る。
【0039】 図4は、より直接的で高速の検出/ロッキング機能によって制御ユニット32
を実現するために使用される状態図48である。かなり狭いウィンドウとして決
められたウィンドウ内のDC電圧に応じて分周係数を変更する必要がある場合に
は、2つよりも多くのレベルと3つよりも多くの比較器が必要である。図4の例
では、7つのレベルおよび8つの比較器を使用して様々なウィンドウを生成する
ことができる。分周係数は状態50、52、54、および56の間で直接変更す
ることができる。したがって、図4は、ある周波数分周状態から他の周波数分周
状態への遷移を行うときに(7つのウィンドウまたは状態を表す)少なくとも3
つのコード化ビットを必要とするコーディングを示す。
【0040】 図5は、制御ユニット32を実施するために使用されるより一般的な状態図6
0を示す。Mの値と点線で示すオプションとに応じて、直接検出/ロッキング、
または最終的にロック状態を得るための反復レンジングを行うことができる。状
態図60は、コード化デジタル信号を認識し、したがって、分周係数を現在の周
波数分周係数から次の周波数分周係数に修正するハードウェアまたはソフトウェ
アで実施することができる。したがって、コード化信号は入力信号周波数の可能
な変化を示し、状態図60は、(図1に示す)クロック分周器22に対するコー
ド化信号の効果を示す。
【0041】 たとえば、状態62で示すように現在の分周係数をxとしてモデル化する場合
、分周係数は変更することも、あるいは現在の状態のままでいることもできる。
コード化信号が00である場合、状態62は変化しない。しかし、コード化信号
が01である場合、分周係数は状態62から状態64に変化する。しかし、コー
ド化信号が10である場合、分周係数は変化しないことも、あるいは状態66に
変化することもできる。このオプションは、コード化信号10に隣接する点線で
示されている。
【0042】 状態図60を調べると、コード化信号が01であるときには、周波数分周係数
が状態66から62に増加し、次いで状態64に増加することがわかる。逆に、
コード化信号が10である場合、周波数分周係数は減少する。3つの状態が示さ
れているが、状態の数は、コード化信号内のビット量と、適切な周波数分周を実
現するために必要な分解能の量とに応じて3つより多くてもよいことが理解され
よう。
【0043】 状態図60を一例に従って実施するにはどうすべきかについての理解を助ける
ために、他の例を示す。状態62内のxが4であり、状態64および66内のm
も4であると仮定すると、状態62がa÷4状態を表し、状態64がa÷16を
表すことは明らかである。本発明の利益を得るためと、与えられた例について状
態62および64の機能を理解するためにのみ、以下の表1を与える。
【表1】
【0044】 図1ないし図4と表1を共に参照するとわかるように、表1の第1行は、クロ
ック分周器22内の現在の分周器状態a÷4を示す。また、現在の入力周波数は
4xである(図1のmは4に等しい)。これらの既存の条件から、行1は、次の
入力周波数が4xのままであることを示す。この場合、しきい値より高いDC電
圧も、あるいはしきい値より低いDC電圧も生成されない。したがって、ハイ比
較器34およびロー比較器36からの比較ハイ/ロー出力は00である。状態6
2に対する00コード化信号の効果(xは4に等しい)は、状態を変更しないこ
とである。したがって、次の分周器状態は状態62のままである(すなわち、÷
4)。したがって、現在/次の出力信号周波数は16x(すなわち、4x現在/
次の入力周波数x現在/次の分周器状態)のままである。
【0045】 表1の次の行は、入力信号周波数が4xから1xに減少した場合にどうなるか
を示す。DC電圧が低下するのは、入力信号周波数が減少し、したがって、比較
ハイ/ロー・コード化信号01が生成されたときである。図5に示す01コード
化信号は、状態を状態62から状態64に変更する。これは、(状態64内のm
が4に等しいとき)現在の分周器状態としてのa÷4がa÷16に変更されるこ
ととして示されている。しかし、現在の分周器状態に現在の入力周波数を乗じた
値は、次の分周器状態に次の入力周波数を乗じた値と等しいので、現在/次の出
力周波数は16xのまま変更されない。
【0046】 表1の行3は、行1および行2についての上記の説明によって明らかになろう
。しかし、一例として、比較ハイ/ロー・コード化信号10が分周状態に影響を
与えない(あるいは状態を変更しない)ことがわかる。しかし、2つよりも多く
の状態がある場合、必要に応じて、10コード化値によって状態遷移を起こすこ
とができることが理解されよう。表1の例では、表を簡単にすることのみのため
に2つの状態しか示されていない。しかし、図5は、第3の状態、および場合に
よっては他の多数の状態、ならびに状態62から状態66への遷移に対するコー
ド化信号10の効果を示す。
【0047】 表1の行4ないし行6は、図5と共に、コード化信号が10である場合の状態
64から状態62への遷移を示す。それ以外の場合、与えられた例において、コ
ード化信号が00または01である場合には、状態64は変化しない。
【0048】 表1に示す例は、2つの異なる入力信号周波数および2つの異なるクロック分
周器状態を示す。さらに一例を挙げると、表1は、2つの比較器のみと、これら
の比較器に印加される2つの異なるしきい値電圧のみとから得られる2ビット・
コード化信号を示す。しかし、多数の入力信号周波数と、多数のクロック分周器
状態および比較器、基準電圧などを適用できることが認識されよう。入力信号周
波数およびクロック分周状態の数にかかわらず、趣旨は同じである。入力信号周
波数が、クロック分周器から転送されるフィードバック信号周波数よりも高い場
合、フィードバック・ループは、VCO入力電圧を増大させ、入力信号周波数と
の一致を試みる。同様に、入力信号周波数がフィードバック信号周波数よりも低
い場合、フィードバック・ループは、VCO入力電圧を低下させ、入力信号周波
数との一致を試みる。比較器のうちのどれかが「1」出力を生成した場合、この
ことは、クロック分周器22によって設定される現在の周波数範囲に対して入力
信号周波数が高過ぎるか、あるいは低過ぎることを意味する。制御ユニット32
は、判定回路30のコード化出力を評価し、適切なクロック分周器制御信号を選
択し、PLL12が入力信号周波数にロックすることを可能にする。
【0049】 制御ユニット32の趣旨は、クロック分周器22内の分周係数の現在の値を維
持するか、あるいは現在の値から増減させることである。これによって、VCO
入力電圧がミッドスケールにリセットされる。次いで、PLLが入力信号周波数
にロックし、判定回路の次の出力がたとえば、00になる。
【0050】 本開示の利益を有する当業者には、本発明が、アナログ部分とデジタル部分の
両方を有する任意の集積回路に適用できるとみなされることが理解されよう。こ
の集積回路は、PLL、判定回路、および制御ユニットをすべて単一のモノリシ
ック基板内に含むことができる。特許請求の範囲をすべてのそのような修正およ
び変更を包含するものと解釈することが所期され、したがって、本明細書および
図面は制限的なものではなく例示的なものとみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 可変周波数を有する入力信号を受け取りその周波数にロックする
ように構成された本発明によるPLLのブロック図である。
【図2】 例示的な一実施形態による図1に示す判定回路の回路図である。
【図3】 入力信号の周波数の変化に対してPLL周波数分周係数の反復的
レンジング/検出を実行するための、例示的な一実施形態による図1に示す制御
ユニットの状態図である。
【図4】 入力信号の周波数の変化に対してPLL周波数分周係数の直接検
出を実行するための、例示的な一実施形態による図1に示す制御ユニットの状態
図である。
【図5】 入力信号の周波数の変化に対してPLL周波数分周係数の反復的
レンジング/検出および直接高解像度レンジング/検出を実行するための、例示
的な一実施形態による図1に示す制御ユニットの状態図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トレジャー,デイビッド・エス アメリカ合衆国・78746・テキサス州・オ ースティン・バートン スカイウエイ・ 2904・アパートメント 332 (72)発明者 スサント,トニー アメリカ合衆国・78758・テキサス州・オ ースティン・チェリイ ドライブ・12018 (72)発明者 ハリス,ラリー・エル アメリカ合衆国・78735・テキサス州・オ ースティン・ノブ オーク・4405 Fターム(参考) 5J106 AA04 CC01 CC21 CC41 CC53 DD36 DD37 DD44 EE03 FF08 GG09 HH10 KK08 KK15 PP07 QQ01 RR18 【要約の続き】 セッサにタイミング基準として転送される比較的一定の クロック信号を維持することができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェーズ・ロック・ループのフィードバック・ループ内に配
    置されたクロック分周回路を備え、前記クロック分周器が、フェーズ・ロック・
    ループに転送される入力信号の周波数の変化に反比例するように修正されるよう
    になされた周波数分周係数を備えるフェーズ・ロック・ループ。
  2. 【請求項2】 前記周波数分周係数が、現在の周波数分周係数に1.0より
    も大きな正の係数Mを乗じることによって修正され、前記入力信号の周波数の前
    記変化が、前記入力信号の現在の周波数に1/Mを乗じることによって修正され
    る請求項1に記載のフェーズ・ロック・ループ。
  3. 【請求項3】 前記周波数分周係数が、現在の周波数分周係数に1/M(M
    は1.0よりも大きな係数)を乗じることによって修正され、前記入力信号の周
    波数の前記変化が、前記入力信号の現在の周波数にMを乗じることによって修正
    される請求項1に記載のフェーズ・ロック・ループ。
  4. 【請求項4】 前記周波数分周係数が、入力信号の周波数の変化がしきい値
    量を超えているかどうかを判定するように動作可能に結合された判定回路によっ
    て修正されるようになされる請求項1に記載のフェーズ・ロック・ループ。
  5. 【請求項5】 前記判定回路が複数の比較器を備え、各比較器が、入力信号
    の周波数の変化に比例するdc電圧を受け取るように接続される請求項4に記載
    のフェーズ・ロック・ループ。
  6. 【請求項6】 複数の比較器の各々がさらに、固有の基準電圧を受け取るよ
    うに接続され、dc電圧が前記基準電圧と比較される請求項5に記載のフェーズ
    ・ロック・ループ。
  7. 【請求項7】 入力信号周波数を受け取り出力信号周波数を生成するように
    結合された装置であって、 入力信号周波数と分周係数によって減少された出力信号周波数との間の差に対
    応するdc電圧を生成するように結合された位相検出器と、 dc電圧を受け取り、dc電圧に応じて出力信号周波数を変更するように結合
    された電圧制御発振器と、 出力周波数を受け取り、分周係数によって減少された出力信号周波数を分周係
    数に従って位相検出器に転送するように結合されたクロック分周回路と、 dc電圧を受け取り、dc電圧と基準電圧との比較に基づいてコード化信号を
    生成するように結合された判定回路と、 コード化信号を受け取り、それに応答して周波数分周係数を修正するように結
    合された制御ユニットとを備える装置。
  8. 【請求項8】 周波数分周係数を修正することによって、dc電圧が、電圧
    制御発振器に周波数分周係数の修正に反比例するように出力信号周波数を変更す
    る状態に変更される請求項7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 前記制御ユニットが、現在の周波数分周係数およびコード化
    信号に基づいて制御信号をディスパッチする請求項7に記載の装置。
  10. 【請求項10】 前記コード化信号がバイナリ・ビットを含む請求項7に記
    載の装置。
  11. 【請求項11】 前記バイナリ・ビットの数が2である請求項7に記載の装
    置。
  12. 【請求項12】 前記位相検出器が周波数検出器を備える請求項7に記載の
    装置。
  13. 【請求項13】 それぞれ、フェーズ・ロック・ループから転送される入力
    信号の周波数およびフェーズ・ロック・ループに転送される入力信号の周波数に
    出力信号の周波数をロックするようにフェーズ・ロック・ループのフィードバッ
    ク・ループ内のクロック分周器を変更する方法であって、 フィードバック信号の位相および周波数を入力信号と比較する検出器からのd
    c出力を監視すること、および フィードバック信号の周波数を入力信号の周波数の変化とほぼ一致するように
    変更し、同時に、入力信号の周波数が変化する前の基準電圧とdc電圧との比較
    に基づいて出力信号の周波数をほぼ一定に維持することを含む方法。
  14. 【請求項14】 前記変更が、入力信号の周波数の増加に反比例するように
    フィードバック信号の周波数を減少させることを含む請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記変更が、入力信号の周波数の減少に反比例するように
    フィードバック信号の周波数を増加させることを含む請求項13に記載の方法。
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