JP2001520203A - 腫瘍ワクチン - Google Patents

腫瘍ワクチン

Info

Publication number
JP2001520203A
JP2001520203A JP2000516696A JP2000516696A JP2001520203A JP 2001520203 A JP2001520203 A JP 2001520203A JP 2000516696 A JP2000516696 A JP 2000516696A JP 2000516696 A JP2000516696 A JP 2000516696A JP 2001520203 A JP2001520203 A JP 2001520203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tumor
ifn
cells
liposomes
release
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000516696A
Other languages
English (en)
Inventor
エルンシュト ワーグナー
ラルフ キルヒャイス
ダン イェー アー クロムメリン
スローテン マーイケ ファン
ゲルト ストルム
Original Assignee
ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング filed Critical ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
Publication of JP2001520203A publication Critical patent/JP2001520203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/19Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • A61K38/21Interferons [IFN]
    • A61K38/217IFN-gamma
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K39/0005Vertebrate antigens
    • A61K39/0011Cancer antigens
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • A61K2039/555Medicinal preparations containing antigens or antibodies characterised by a specific combination antigen/adjuvant
    • A61K2039/55511Organic adjuvants
    • A61K2039/55555Liposomes; Vesicles, e.g. nanoparticles; Spheres, e.g. nanospheres; Polymers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は腫瘍抗原ベースを含む腫瘍ワクチンに関する。腫瘍抗原の源に加えて、ワクチンは活性薬剤IFN-γの遅延放出のための放出系を含み、IFN-γの活性投薬量は50ng〜5μgである。IFN-γは数時間から数日までの範囲の期間にわたって放出される。IFN-γ放出系はリポソーム、及び好ましくは同種異系腫瘍細胞の腫瘍抗原源からなることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は腫瘍疾患の免疫療法の分野に関する。悪性腫瘍の大半は、たとえそれ
らの幾つかが腫瘍関連抗原を発現するとしても、免疫系によるコントロールを成
功裏に回避する(van der Bruggen, 1991; Brichard, 1993; Gaughler, 1994; Co
ulie, 1994)。適当な抗原の提示に加えて、或る種のアジュバントが免疫系の有 効な刺激を得るためにまた必要とされることがわかった(Zier, 1995)。
【0002】 (背景技術) 早期の研究は非特異性免疫刺激物質、例えば、BCG又はその他の細菌アジュバ ントと一緒に不活化腫瘍細胞でワクチン注射することにより免疫系を刺激するこ
とを目的とし、或る場合に悪性腫瘍を有する患者の生存率の改善をもたらした(B
erd, 1990; Barth, 1994; Morton, 1992)。これらのアジュバントの効果は直接 ではないが、内在性サイトカイン及び媒介物質のカスケードの排泄により進行し
、それ故、一方では非特異的であり、また他方ではかろうじて再現性がある。こ
れはこれらの非特異性アジュバントを医薬組成物中に使用することを困難にする
。 最新のアプローチでは、免疫刺激サイトカインがアジュバントとして直接使用
される(Rosenberg, 1988, Rosenberg, 1989)。免疫刺激サイトカインの中で、イ
ンターロイキン-2(IL-2)、インターフェロン−α(IFN-α)、インターフェロン−
γ(IFN-γ)、IL-12及びGM-CSF(顆粒球マクロファージ刺激因子)が特に有望で あることが判明した(Rosenberg, 1991; Dranoff, 1993; Zatloukal, 1993; Ferr
antini, 1994; Lamont, 1996; Clary, 1996)。
【0003】 種々のサイトカインの試験において、それらの効果は1)投与の部位及び様式、
2)投薬量及び3)活性の期間の如きパラメーターに強く依存することがわかった。
こうして、例えば、組換えIL-2の全身投与は抗腫瘍免疫応答の所望の誘発をそれ
程もたらさず、更にはひどい毒性副作用そして治療誘発死亡さえをもたらした(R
osensteinら, 1986; Rosenbergら, 1989; Perezら, 1991)。ひどい副作用はサイ
トカインの活性の生理メカニズムを考慮しないそれらの使用により生じた。サイ
トカインは一緒に近くに存在する細胞間で伝達し、短い距離にわたって作用する
のに自然に利用できる多面的媒介物質である。こうして、サイトカインの放出及
び活性の場所は生理条件下で一緒に近くに配置される(Pardoll, 1995)。充分に 高い濃度のサイトカインを所望の標的部位で得るためには、それらを全身投与す
る時に、高投薬量が与えられる必要があり(Rosenbergら, 1989)、これが望まれ ない標的位置でさえも顕著な効果をもたらした。 腫瘍ワクチンを得ようと試みる最新の理念及び原理は、サイトカインの高投薬
量の全身投与によらないで、むしろワクチン注射の部位で、長期にわたって作用
する、サイトカインの局所の高投薬量により、適当な腫瘍抗原及び免疫刺激サイ
トカインの同時の調節された送出により腫瘍に対し誘導される全身免疫反応を誘
発することである(パラクリン概念)(Pardoll, 1995; Jaffeら, 1996)。 しかしながら、サイトカインの局所投与は、特に生物学的液体中のしばしば極
めて短い半減期(不活化)と対にされて、サイトカインが周囲の組織又は血液系
に迅速に(数分以内に)拡散するために、技術上問題がある(Eppstein, 1982; K
edarら, 1994; Koppenhagen, 1997)。
【0004】 近年、ワクチン注射部位に制限され、また長期にわたって作用する、サイトカ
インの局所放出はサイトカインをコードする遺伝子でトランスフェクトされ、こ
うしてサイトカイン産生体にされた腫瘍細胞を注射することにより得られること
が示されていた(Fearonら, 1990; Gansbacherら, 1990; Rosenbergら, 1992; Dr
anoffら, 1993)。サイトカイン遺伝子修飾腫瘍細胞をベースとするワクチンは腫
瘍細胞に対し特異的に誘導される全身免疫応答を誘発し、動物を高催腫瘍性の腫
瘍抗原投与から保護することができることが示されていた(Zatloukalら, 1993;
Zatluokalら, 1995; Schmidtら, 1995; Schweighofferら, 1996)。或る場合には
、ワクチン注射の前に樹立された小さい腫瘍を排除することさえもが可能であっ
た(Claryら, 1996; Claryら, 1997)。遺伝子修飾腫瘍細胞を使用するそのアプロ
ーチを採用する場合にサイトカインの作用の生理学的パラクリン様式を考慮する
ことが必要であるが、サイトカインの投薬量が別の重要なパラメーターであるこ
とが判明した。こうして、免疫応答を刺激するために、サイトカインは治療上有
効な投薬量ウィンドー内で投与される必要があることが示されていた。低すぎる
サイトカインの投薬量は無効であったが、過度に高い投薬量もそうであった(Zat
loukalら, 1995; Schmidtら, 1995)。一方、腫瘍細胞、特に原発性腫瘍細胞の遺
伝子修飾を使用して遺伝子発現をこの有効投薬量ウィンドー内で正確に得ること
はしばしば困難である。
【0005】 DE-A1 44 11 425は遅延放出形態のサイトカインを含む細胞性腫瘍ワクチンを 記載している。詳しくは、それはサイトカインの投薬量及び放出速度論に関する
要望を考慮しないでサイトカインとしてIL-2を提案している。 WO 94/21808はオートロガスのサイトカイン遺伝子トランスフェクト細胞から の腫瘍ワクチンを記載し、とりわけサイトカイン(IL-2、IFN-γ及びGM-CSF)の
保護効果が投薬量依存性であることを示し、また最良の保護効果が最高投薬量に
より必ずしも得られないことを示すが、最適の投薬量ウィンドーを特定していな
い。 本発明の課題は生産するのに容易であり、かなり長い期間にわたって治療上有
効な投薬量範囲で免疫刺激物質サイトカインをワクチン注射部位で調節された様
式で放出することを可能にするオルタナチブ腫瘍ワクチンを提供することであっ
た。
【0006】 (発明の開示) この課題は、本発明に従って、腫瘍ワクチンが活性成分として、腫瘍抗原源に
加えて、IFN-γの活性物質の遅延放出を有する放出系を含み、IFN-γの有効投薬
量が50 ngから5μgであり、かつ放出間隔が0.5時間から8日までであることを 特徴とする腫瘍抗原をベースとする腫瘍ワクチンにより解決される。
【0007】 (発明を実施するための最良の形態) IFN-γ投薬量は100 ng〜2μg、特に100 ng〜1μgであることが好ましい。
0.5時間から2〜3日までの放出間隔が有利と判明した。しかしながら、8日ま での長い放出間隔がまた有利な抗腫瘍活性を示した。 有効IFN-γ投薬量の少なくとも約75%が1時間から3日までの放出期間内に放
出されることが好ましい。 IFN-γの放出は可能な場合には直ちに開始すべきであるが、ワクチンの投与の
最も遅くても1時間後に開始すべきである。いずれにしても、IFN-γ及び腫瘍抗
原源は実質的に同時に利用できるべきであることが腫瘍ワクチンの有効性に必須
である。 活性物質の遅延放出を有する放出系が以下“徐放系”と称される。 基本的には、本発明の範囲内で、IFN-γの投薬量及び放出に関する要件を満足
する全ての徐放系が好適である。 徐放系はリポソームの形態をとることが好ましい。 リポソームは水性区画を封入する脂質の一つ以上の同心円層を含む合成脂質小
胞である。水溶性物質は水性区画中に封入されてもよく、一方、脂溶性物質は脂
質層中に含まれる。これらの小胞はそれらの構造、それらの生分解性及び低毒性
のために種々の用途に適しているので、それらは抗腫瘍薬を含むあらゆる種類の
治療活性物質の担体として近年次第に使用されてきている。
【0008】 リポソームは二つの主カテゴリーに分けられる。第一のカテゴリーは単層又は
多層の“通常の”リポソームを含む。それらは細網内細胞系により迅速に吸収さ
れるので、これらのリポソームは比較的短い半減期を有する。 リポソームがin vivoで使用される場合に細網内細胞系の細胞との非特異的相 互作用を減少するため、また過度に迅速な分解を防止するために、リポソームが
本発明の一実施態様に従って修飾される。リポソームは共有結合されたポリエチ
レングリコール(PEG)で修飾されることが好ましい(“PEG化”;Moriら, 1991;
Chonnら, 1992; Woodleら, 1994)。使用されるPEGの量はリポソーム中のPEG結 合脂質の2〜10%(m/m)であり、PEGの分子量は750 D〜5000 Dであることが好ま しい(Klibanovら, 1990; Blumeら, 1990; Mayhewら, 1992; Papahadjopoulosら,
1991; Seniorら, 1991; Moriら, 1991; Yoshioka, 1991)。リポソームはそれら
のin vivoの半減期を延長するために両親媒性ビニルポリマーの如きその他のグ ルーピングで修飾されてもよい。 従来技術が本発明の範囲内で好適である多種のリポソーム及びそれらの製造方
法を提供している。例として、米国特許第4,485,045号及び同第4,544,545号; Ep
steinら, 1985; Hwangら, 1980; EP 0 036 676; EP 0 052 322; EP 0 088 046;
EP 0 102 324; EP 0 142 641; EP 0 143 949; DE 3,218,121; Eppstein, 1982;
Bergersら, 1993; Kedarら, 1994; Hermann及びStricker, 1995; koppenhagen,
1997がここで参考にされる。IFN-γを生理活性のリポソームにとり込む効果がと
りわけMellorsら, 1989及びSaravolacら, 1996に記載されていた。
【0009】 徐放系についてリポソームの代替として、微小球体の形態の生分解性ポリマー
物質(Maulding, 1987; Golumbekら, 1993; Johnsonら, 1996; Leeら, 1997; Cle
land, 1997; Cleland及びJones, 1996)又はミニペレット(Fujiwaraら, 1990; Ma
rumoら, 1997)がIFN-γをとり込むのに使用されてもよい。これらはまた半減期 を延長するために修飾されてもよい。 本発明のワクチン用の腫瘍抗原の源は治療される個体中で特異的免疫応答を誘
発するのに好適である腫瘍抗原を含むあらゆる組成物であってもよい。 本発明の一実施態様によれば、腫瘍抗原が腫瘍細胞の形態で存在する。 ワクチンの腫瘍細胞はオートロガス腫瘍細胞又は同種異系腫瘍細胞であっても
よい。 本発明の一実施態様において、ワクチンの腫瘍細胞はオートロガスである。こ
れらは治療される患者から採取され、必要によりex vivoで不活化され、IFN-γ を放出する徐放系と混合され、患者に再度投与される細胞である(オートロガス
腫瘍ワクチンの調製方法は当業界で知られており、とりわけWO 94/21808(その 内容がここに参考にされる)に記載されている)。
【0010】 本発明の好ましい実施態様において、腫瘍細胞は同種異系であり、即ち、それ
らは治療されている患者から得られない(Barthら, 1994; Mortonら, 1992)。一 般に樹立された腫瘍細胞系の形態で利用できる同種異系細胞の使用は特に経済的
な考慮がなされる場合に好ましい。夫々個々の患者に関する個々のワクチンの生
産は労力を要し、コストがかかり、更に或る患者では問題が腫瘍細胞のex vivo 培養に生じ、その結果として腫瘍細胞がワクチンを生産するのに充分に多数で得
られない。幾つかの同種異系腫瘍細胞系からの細胞の混合物が腫瘍抗原源として
使用されることが好ましい。同種異系腫瘍細胞からの腫瘍ワクチンが当業界で知
られている。このようなワクチンがとりわけAdlerら, 1995及びHayashiら, 1993
; Oratzら, 1989; Mortonら, 1989; Bystrynら, 1986に記載されている。 腫瘍細胞の溶解産物、例えば、Mitchellら, 1993により記載されたものがまた
抗原源として使用されてもよい。 本発明の一実施態様において、腫瘍抗原源は腫瘍抗原に由来するペプチドを入
れられた、腫瘍細胞、特に同種異系腫瘍細胞を含む。本発明に従ってIFN-γ徐放
性製剤と一緒に抗原源として使用し得る一種の腫瘍ワクチンがBuschleら, 1997 に記載されていた。腫瘍細胞の代替として、抗原提示細胞、例えば、DE-A1 196
07 044又はBuschleら, 1997に記載されたような腫瘍抗原ペプチドを入れられて いる樹状細胞を使用することがまた可能である。
【0011】 腫瘍抗原及び腫瘍関連抗原(TA)又はこれらに由来するペプチド(例えば、Wolf
elら, 1994 a)及び1994 b); Carrelら, 1993; Lehmannら, 1989; Tibbetsら, 1
993;又は公開された国際特許出願WO 92/20356、WO 94/05304、WO 94/23031、WO
95/00159に記載されている)の同定及び単離が、Anchiniら, 1996に記載されて いるように、免疫原として腫瘍抗原そのものを使用することの前提条件であった
。 本発明の一実施態様において、腫瘍抗原は腫瘍抗原を有する腫瘍細胞を排除す
るのに必要とされるような細胞性免疫応答を誘発するために腫瘍抗原そのものの
形態で存在する(Bakkerら, 1994; Coxら, 1994)。腫瘍抗原はタンパク質の形態 又は腫瘍抗原由来ペプチドの形態で存在してもよい。 本発明の範囲内で腫瘍源として好適である腫瘍抗原又はそれらに由来するペプ
チドをベースとする無細胞腫瘍ワクチンの一例がSchmidtら, 1996及びWO 97/307
21に記載されていた。これらの開示がここに参考にされる。本発明の目的のため
に抗原源として好適であるペプチドをベースとする癌ワクチンの要約がMeliefら
, 1996により示されている。 抗原源は必要によりまた徐放性製剤の形態であってもよい。 IFN-γが含まれる“徐放”系と一緒に、例えば、腫瘍細胞の形態の腫瘍抗原を
ベースとする腫瘍ワクチンは、IFN-γを発現する遺伝子修飾腫瘍からの腫瘍ワク
チンに対して、サイトカインの放出がワクチン注射部位で正確に調節され、それ
故、サイトカインが正確かつ再現性のよい投薬量で投与されるという利点を有す
る。更に、製造に関与する労力ひいてはコストが実質的に低減される。
【0012】 本発明の範囲内で行なわれた試験の結果は、マウスを照射された腫瘍細胞及び
muIFN-γ-リポソームを含むワクチンで免疫することが動物を腫瘍発生から保護 する全身免疫応答を誘発することができることを示す。この保護効果はIFN-γの
投薬量への明らかな依存性を示す。免疫化に最も有効な投薬量範囲はmuIFN-γ10
0 ngから1μgまでの範囲であることがわかった。 保護効果はIFN-γ投薬量だけでなくサイトカインの遅延放出に依存することが
示された。 抗腫瘍保護効果に関するリポソーム封入muIFN-γの遅延放出は遺伝子修飾細胞
により発現されたmuIFN-γとちょうど同じ位に有効であった。照射された細胞と
混合された遊離muIFN-γは極めて低下された保護を示し、又は保護を全く示さな
かった。 とり込まれたIFN-γの量及び活性部位におけるその放出の両方が、使用される
特別な徐放系のサイズ、形状、構造及び化学組成に依存する。 所望により、本発明のワクチンはIFN-γに加えて一種以上のサイトカイン、例
えば、インターロイキン-2(IL-2)、IL-4、IL-12、IFN-α、IFN-β、IFN-ω、TNF
-αを含んでもよい。ワクチンに更に含まれてもよいサイトカインはIFN-γと同 じ徐放系又は異なる徐放系中に存在してもよい。サイトカインはまた相当するサ
イトカイン遺伝子でトランスフェクトされる腫瘍細胞(好ましくは同種異系)を
腫瘍抗原の源として使用することにより投与の部位で利用できるようにされても
よい。 この方法で修飾された腫瘍細胞及びそれらの調製方法がとりわけWO 95/09655 、WO 95/31107、WO 93/10219、WO 93/07906及びWO 94/21808及びBelliら, 1997 に記載されている。
【0013】 ワクチンはまた必要により非特異性免疫刺激アジュバント、例えば、LPS(リ ポポリサッカリド)又はBCG(カルメット・ゲランウシ型結核菌)を含んでもよ い。 ワクチンは以下のようにして都合よく製剤化されてもよい。 一般に、有効な抗腫瘍効果に好適である抗原対IFN-γ投薬量の比が最初に決め
られる。これを行う一つの方法は滴定により抗腫瘍応答を得るための最適以下の
量の抗原(約108の腫瘍細胞の最適抗原投薬量の場合には、それは、例えば、約1
07の細胞であってもよい)で開始し、抗腫瘍効果が増大するIFN-γの量を測定す
ることである。 次いで、抗原のその一定の量が最適化される。
【0014】 抗原の有効投薬量を与えるために、腫瘍細胞が抗原源として使用される場合、
製剤は一般に約105から109まで、好ましくは106から108までの細胞を含む。無細
胞抗原源が使用される場合、腫瘍抗原又はそれらに由来するペプチドの量は免疫
応答が誘発されるような量であり、これは上記腫瘍細胞の数により誘発される免
疫応答にほぼ等しい。所望により、別のサイトカイン又は別の非特異性アジュバ
ントの添加が抗腫瘍効果の増大をもたらすか否かをチェックするために、別の工
程が行なわれてもよい。 IFN-γの投薬量及び放出速度論に関する要件を満足する徐放系を選択するため
に、下記の方法が使用されることが好ましい(“リポソーム”という用語はタン
パク質の遅延放出を可能にする全ての製剤、例えば、微小球体又はミニペレット
を示すために以下に使用される)。 リポソームにIFN-γを入れる効率を試験するために、IFN-γが種々のリポソー
ム製剤にとり込まれ、遊離IFN-γが分離され、リポソームのIFN-γ含量が、例え
ば、ELISA、HPLCにより、又はLowryのタンパク質測定方法(Lowryら, 1951)を使 用して測定される。本発明のワクチンの生物学的有効性について、リポソームに
IFN-γを入れる絶対的程度は重要ではないが、或る時間の間隔内で利用できる投
薬量が必須である。しかしながら、リポソーム製剤中のIFN-γ濃度が少なくとも
約10μg/ml、好ましくは20μg/mlより大きいことが有利と判明した(リポソーム
の低い絶対レベルの負荷(charging)では、ワクチン中のIFN-γの所望の免疫調節
効果がワクチン中のリポソーム製剤の比率を増大することにより得られる)。
【0015】 好ましい実施態様において、IFN-γの少なくとも90%がリポソームに封入され
、即ち、そのタンパク質の10%以下がリポソームの外部に吸着される。この種の
“オルタナチブ”リポソームの一つの有利な製造方法は、生理塩類溶液(例えば
、NaCl)を使用する洗浄工程を用意することにより、IFN-γの吸着をもたらす非
特異的静電相互作用を低下又は防止することにある。イオンの濃度はリポソーム
への結合についてタンパク質と競合するのに充分である必要がある。 その後の工程において、リポソームの放出速度論が測定される。 リポソームの場合、サイトカインのとり込み又は放出の速度論は一方ではサイ
トカインの電荷、親水性/疎水性の性質、また他方では、リポソームの化学的特
性及び物理化学的特性に依存する。リポソームの放出速度論を決定するそれらの
最も重要な特性はそれらのサイズ、脂質層の数(単層/多層)、脂質層の電荷及
び流動性である。これらは順に脂質層の化学組成により決定される(Eppstein, 1
982; Koppenhagen, 1997)。
【0016】 放出速度論を測定するのに適した試験の原理はin vivoの条件を模擬するため に血清を含む生理緩衝液系中でIFN-γ入りのリポソームをインキュベートし、特
定の時間間隔で、例えば、ELISAにより上澄み中のIFN-γ濃度を測定することに 基いている。徐放系に関する専門家の文献が治療薬の放出速度論を測定するため
の特定の試験を記載している。 放出速度論はin vitroの試験に加えてin vivoで測定されることが好ましい。 治療上の使用に最終的に適した投与の形態(ワクチン注射の部位、投与の経路)
と同様に、実験動物が相当する注射容積(これは検出可能性のために意図される
ワクチンの活性投薬量よりも多量のIFN-γを通常含む)を与えられる。次いで血
液サンプルが特定の時間間隔で実験動物から採取され、例えば、ELISAを使用し てIFN-γ含量が測定される。 また、in vivo放出速度論はリポソーム製剤(リポソーム及びその中に含まれ るIFN-γが異なる放射能標識を有する)を投与することにより測定し得る。注射
後に、サンプルが特定の時間間隔でワクチン注射部位から採取され、残留放射能
が測定される。その絶対値は注射部位に依然として存在するリポソーム/IFN-γ
を示す。その二つの値の比率の減少が、IFN-γがリポソーム中に依然として封入
されることを結論させる。
【0017】 本発明の腫瘍ワクチン中に含まれる腫瘍抗原/IFN-γの有効な組み合わせは、
細胞毒性T細胞応答及び/又は体液性免疫応答(これは腫瘍細胞を排除する)を
誘発し、又は予防上の使用の場合には、腫瘍形成からの保護を確実にするような
方法で存在する。 免疫応答の程度を測定するため、また試験結果に基いて腫瘍抗原/IFN-γの最
適投薬量を決定するための当業者に利用できる試験がある。 細胞性免疫応答の誘発は抗原特異性CTL (Coliganら, 1991)を検出することに より確認し得る。実験動物でT細胞の不在下で(これはCD4-細胞又はCD8-細胞を
減少する抗体で動物を処理することにより得られる)、免疫応答が起こらない場
合、細胞性免疫応答の存在の更なる証拠が提供される(Coliganら, 1991)。 また、細胞性免疫応答は免疫された動物で“遅延型過敏症”(DTH)反応を検出 することにより示される。これを行うために、ペプチドがマウスの足の裏に注射
され、注射部位における膨潤が測定される(Grohmanら, 1995; Puccettiら, 1994
)。患者のDTH反応を測定するために、抗原が皮内注射され、注射部位における赤
らみ又は膨潤が測定される。 抗原又はそれらに由来するペプチド(これらは生体への外来抗原又は治療され
る生体により低濃度で発現される抗原である)による体液性免疫応答の誘発は、
血清中の特異性抗体を検出することにより測定し得る。血清中の抗体力価を測定
する一つの好適な方法は酵素結合イムノアッセイ(ELISA)である。特異性抗体は 免疫化に使用されるペプチドへの結合後に色素との反応により検出される。別法
はウェスタンブロットである。これにおいて、特異性血清抗体が膜に固定された
ペプチドに結合する。結合された抗体が最終的に色素との反応により検出される
(Coliganら, 1991)。
【0018】 次の工程において、ワクチンの免疫調節効果が動物試験で測定される。照射さ
れた腫瘍細胞が少なくとも小さい免疫応答を誘発する樹立された腫瘍モデル、又
は免疫細胞により認識される既知の腫瘍抗原ペプチド配列がある腫瘍モデルがと
りわけこの目的のために使用されてもよい。ワクチンは腫瘍抗原源対IFN-γ徐放
系の種々の比で投与される。腫瘍増殖からの保護は腫瘍ワクチンの有効性の目安
である。 注射容積は一般に50μlから2mlまでである。
【0019】 本発明のワクチンは一般に医薬上許される担体、好ましくは水性担体中の懸濁
液の形態である。使用し得る水性担体として、例えば、水、緩衝水、生理塩類溶
液(0.4%)、グリシン溶液(0.3%)、ヒアルロン酸及びその他の既知の担体が
挙げられる。組成物はまた通常の浸透圧及び/又は有効な凍結乾燥を得るために
医薬上許されるアジュバント、例えば、緩衝剤物質及び無機塩を含んでもよい。
このような添加剤の例として、ナトリウム塩及びカリウム塩、例えば、塩化物及
びリン酸塩、サッカロース、グルコース、加水分解タンパク質、デキストラン、
ポリビニルピロリドン又はポリエチレングリコールが挙げられる。組成物は通常
の技術、例えば、滅菌濾過を使用して滅菌されてもよい。組成物はこの形態で直
接パッケージされてもよく、又は凍結乾燥され、使用前に無菌溶液と混合されて
もよい。 所望により、本発明の腫瘍ワクチンは二つの別々の製剤(腫瘍抗原源及びIFN-
γ徐放製剤)の形態でパッケージされてもよく、これらが投与される前に合わさ
れる。 本発明の腫瘍ワクチンは予防上又は治療上投与されてもよい。それは皮内経路
、皮下経路又は筋肉内経路により投与されることが好ましい。
【0020】 (実施例) 実施例1 リポソーム中のヒトIFN-γのとり込み リポソームの化学組成及び調製方法の最適化 IFN-γ及びリポソームの会合は主として電荷依存性であるので、予備試験をヒ
トIFN-γを用いて行い、そのリポソームの電荷を変えた。リポソームの負の電荷
が増大するにつれて、IFN-γの封入又は会合の効率が改良することがわかった。
これらの試験について、負のリン脂質及び中性のリン脂質(卵ホスファチジルコ
リン(PC)及び卵ホスファチジルグリセロール(PG))のモル比を変えた。会合効率
は1:0のモル比でわずかに20%であり、一方、1:4、4:1又は9:1のモル比では、そ
れが95%より上に上昇することがわかった。 また、封入中の水和媒体中の塩の存在がリポソーム中のIFN-γのとり込みの効
率を低下することが証明された。例えば、とり込みの比はPC:PG=9:1の比で0.9%
のNaClの添加後に90%から35%に低下した。従って、等張性溶液(これは投与に
必要である)を得るために、生理塩類溶液に代えて、5%のグルコース溶液を添
加した。
【0021】 皮下(s.c.)投与について、大きいサイジングされなかったリポソーム(多層小
胞)を使用した。何とならば、ワクチン注射が予防目的又は治療目的に使用され
、大きいリポソームのみがかなり長い時間にわたって注射部位に残る場合、s.c.
付着物の形成が最適免疫刺激活性に必要であるからである。 脂質二層中のコレステロールの付加的なとり込み(PC:PG:コレステロール=5:1
:4)(これはリポソームを更に硬質にする)はとり込みの速度又はIFN-γの放出
速度論に効果を有しなかった。 4℃におけるリポソーム(PC:PG:コレステロール=5:1:4)に関する安定性試験
は安定性の変化を示さなかった。 IFN-γを含むリポソームは4℃で少なくとも1ケ月にわたって安定であること
が判明した。30日後に、HPLCにより測定して、80%を超えるIFN-γ活性が示され
た。活性の20%の低下は明らかにIFN-γの分解に起因し得る。Lowryら, 1951に 従うタンパク質測定は、認められる量のタンパク質がリポソームから放出されな
いことを示した(また、4℃における遊離IFN-γの貯蔵は活性の20%損失を示す
)。
【0022】 実施例2 照射された腫瘍細胞及びmuIFN-γ-リポソームの混合物を含むワクチンによる免 疫化によるメラノーマ細胞に対する全身免疫応答の誘発 a)muIFN-γ-リポソームの調製 組換えマウスIFN-γを100μg/mlの濃度まで10 mMスクシネート緩衝液(10 mM コハク酸ナトリウム、pH=5、5%グルコース)中で希釈した。 リポソームを以下のようにして脂質フィルムの水和により調製した。卵ホスフ
ァチジルコリン(EPC、Lipoid GmbH、Ludwigshafen)及び卵ホスファチジルグリ
セロール(EPG、Lipoid GmbH、Ludwigshafen)(9:1のモル比)を5容量部のエ タノール/メタノール(=溶媒)に溶解した(脂質100μモルは75 mgに相当する
;それ故、0.9 x 40 x 0.75 mg/mlのEPC及び0.1 x 40 x 0.75 mg/mlのEPGを使用
した)。その有機溶媒を回転フラスコ中で真空で蒸発させた。こうして得られた
薄い脂質フィルムを、そのフラスコをガラスビーズで攪拌することによりIFN-γ
溶液で溶解した。この方法を使用して、主として多層リポソーム(MVL)を得、そ の中にIFN-γが封入され、又はその上にIFN-γの一部が必要により吸着されてい
てもよい。とり込まれず、又は吸着されなかったIFN-γを10 mMスクシネート緩 衝液、pH=5、10%サッカロース中で60分間にわたって250 000 x gで超遠心分離 により分離した。リポソームは約86μgのIFN-γ/ml及び36μモル/mlのリン脂質 を含んでいた。それらを4℃で貯蔵した。
【0023】 b)in vitroのリポソームからのmuIFN-γの放出速度論の測定 リポソームからのIFN-γの放出速度論を測定するために、図1に示された時間
間隔にわたってIFN-γを含むリポソームを37℃でPBS/10%FCS緩衝液(緩衝液1ml
当り約0.5-1 mlのリポソーム)中でインキュベートした(これはin vivo環境を 模擬する)。インキュベーション後に、サンプルをサッカロース溶液と混合し、
リポソーム及び放出されたタンパク質を分離するために遠心分離した。下相をリ
ポソームから分離し、IFN-γ含量を測定するまで-20℃で凍結した。ELISA (BIO
Source)を使用して、IFN-γの含量を測定した。 リポソームからのサイトカインの遅延放出があることがわかった。サイトカイ
ンの大半が1日目以内に放出される。しかしながら、放出が数日にわたって続き
、8日後に依然として検出できる(図1)。
【0024】 c)マウスメラノーマ細胞 マウスメラノーマ細胞系B16F10 (Fidlerら, 1975)はNIH DCTDC Tumor Reposit
oryから得られる。細胞をT175培養びん中でDMEM、10%FCS、2 mMグルタミン中で
培養した。 d)ワクチンの調製 B16F10メラノーマ細胞(T175培養びん当り1-2 x 107の細胞)を、細胞の更な る増殖を抑制するために50 Gyの線量でγ線で照射した。照射の2-6時間後に、細
胞をトリプシン/EDTA溶液でトリプシン処理し、培地、PBS及びリンゲル液によ る3回の洗浄工程で洗浄し、1ml当り4 x 106の細胞の濃度に調節した(リンゲ ル液中)。 細胞懸濁液を種々の濃度(100μg/ml、20μg/ml、4μg/ml、0.8μg/ml及び0
μg/ml)のmuIFN-γを含むリポソーム懸濁液等容積部中で混合した。こうして完
成されたワクチンは1ml当り2 x 106の細胞の腫瘍細胞濃度及び50μg/ml、10μg
/ml、2μg/ml、0.4μg/ml及び0μg/mlに相当するリポソームに封入されたmuIF
N-γの濃度を含んでいた。
【0025】 e)マウスの免疫化 1回目の実験 同系C57B1/6マウス(雌、生後8週)を後右の側腹部へのワクチンの皮下注射 により免疫した。この目的のために、毛を両側の後側腹部で剃った。注射容積は
マウス当り100μlであった。こうして、2 x 105のB16細胞及びそれに応じて5μ
g、1μg、200ng又は40ngのリポソームに封入されたmuIFN-γをマウス当りの夫 々の免疫化で投与した。投薬群当り、8匹のマウスを免疫した。 それと平行に、8匹のマウスの群を下記の対照ワクチンで免疫した。 −照射されたB16細胞 −照射されたB16細胞+空(=偽薬)リポソーム −照射されたB16細胞+遊離muIFN-γ5μg/ml −muIFN-γ遺伝子修飾され、照射されたB16細胞 (そのトランスフェクションをWO 94/21808及びZatloukalら, 1995に記載された
ようにして受容体媒介エンドサイトーシスに基くアデノウイルス補助遺伝子導入
系で行った;muINF-γの放出は24時間当り120ngであった)。 1回目の免疫化の1週後に、マウスに1回目の免疫化に使用されたのと同じワ
クチンによるブースター免疫化を施した。
【0026】 更に1週後に、動物を高度に催腫瘍性の投薬量の1 x 105のB16細胞(これは免
疫化部位から離れた部位で投与された)(反対側)に暴露した。加えて、免疫さ
れなかったマウスの群(8匹の動物)を同じ方法でその催腫瘍性細胞に暴露した
。 腫瘍細胞の移植の8週後に、全ての(8/8)免疫されなかったマウスが腫瘍を発 生した。対照的に、照射された細胞及び200ng又は1μgのmuIFN-γを含むmuIFN-
γ-リポソームで免疫された群の8匹のうちの4匹の動物及び8匹の動物のうち の3匹の動物が保護された。同様の保護効果(3/8腫瘍のない動物)がmuIFN-γ 遺伝子修飾された細胞で免疫された動物について見られた。単に限界の(有意で
はない)効果(8匹のうちの1匹の保護された動物)が照射された細胞+40ngの
muIFN-γを含むリポソーム、照射された細胞+遊離muIFN-γ(5μg)、また照 射された細胞+空のリポソームについて見られた。照射された細胞それら自体又
は照射された細胞+5μgのmuIFN-γを含むリポソームは保護効果を有していな かった。動物中の腫瘍の発生が表1及び図2に要約される。
【0027】 2回目の実験 同系C57B1/6マウス(雌、生後9週)を右の背側腹部へのワクチンの皮下注射 により免疫した。この目的のために、毛を両側の背側腹部で剃った。注射容積は
マウス当り100μlであった。こうして、2 x 105のB16細胞及び4μg、1μg、20
0ng又は40ngの投薬量のリポソームに封入されたmuIFN-γを免疫化当りの夫々の マウスに投与した。投薬群当り、8匹のマウスを免疫した。 それと平行に、8匹のマウスの群を下記の対照ワクチンで免疫した。 −照射されたB16細胞 −照射されたB16細胞+空(=偽薬)リポソーム −照射されたB16細胞+遊離muIFN-γ4μg/ml −照射されたB16細胞+遊離muIFN-γ1μg/ml −照射されたB16細胞+遊離muIFN-γ200ng/ml −muIFN-g-遺伝子修飾され、照射されたB16細胞 (muINF-γの放出は24時間当り120ngであった)。 1回目の免疫化の1週後に、マウスに1回目の免疫化に使用されたのと同じワ
クチンによるブースター免疫化を施した。
【0028】 更に1週後に、動物を高度に催腫瘍性の投薬量の1 x 105のB16細胞(これは免
疫化部位から離れた部位で投与された)(反対側)に暴露した。加えて、免疫さ
れなかったマウスの群(8匹の動物)を同じ方法でその催腫瘍性細胞に暴露した
。 腫瘍細胞の移植の8週後に、全ての(8/8)免疫されなかったマウスが腫瘍を発 生した。対照的に、照射された細胞及び1μg又は200ngのmuIFN-γを含むmuIFN-
γ-リポソームで免疫された群の8匹のうちの4匹の動物及び8匹の動物のうち の3匹の動物が保護された。同様の保護効果(4/8腫瘍のない動物)がmuIFN-γ 遺伝子修飾された細胞で免疫された動物について見られた。わずかな保護効果(
8匹のうちの1匹の保護された動物)が照射された細胞+40ngのmuIFN-γを含む
リポソーム、また照射された細胞+遊離muIFN-γ(1μg)について見られた。 照射された細胞又は照射された細胞+4μgのmuIFN-γを含むmuIFN-γリポソー ム並びに照射された細胞+遊離muIFN-γ(4μg又は200ng)を含むワクチンは保
護効果を有していなかった。動物中の腫瘍の発生が表2及び図3に要約される。
【0029】 実施例3 ワクチン注射された動物のTリンパ球の細胞毒性活性の測定 同系C57B1/6マウス(雌、生後9週)を右の背側腹部へのワクチンの皮下注射 により免疫した。この目的のために、毛を両側の背側腹部で剃った。注射容積は
マウス当り100μlであった。2 x 105のB16細胞及び3.8μg(高投薬量)及び300n
g(最適投薬量)の投薬量のリポソームに封入されたmuIFN-γを免疫化当りの夫 々のマウスに投与した。それと平行に、一つの群を照射されたB16細胞のみで免 疫し、別の群を緩衝液のみで注射した(対照群)。4匹のマウスを群当り免疫し
た。 1回目の免疫化の1週後に、マウスに1回目の免疫化に使用されたのと同じワ
クチンによるブースター免疫化を施した。
【0030】 13日後に、動物を殺し、それらの脾臓を除去した。脾臓細胞を単離し、夫々の
群内で溜め、5日間にわたってin vitroで照射されたB16細胞で再度刺激した。 6日目に、B16細胞(標的細胞)に対する脾臓細胞(エフェクター細胞)の細胞 毒性活性(CTL活性)を、ユーロピウム放出アッセイ(Blombergら, 1993)を使用 して測定した。CTL活性(比溶解%として表される(Zatloukalら, 1993))を種々
のエフェクター:標的比(100:1、50:1、25:1)について測定し、図4に示す。 照射されたB16細胞及び最適投薬量範囲(muIFN-γ300ng)のmuIFN-γ-リポソーム で免疫されたマウスからの脾臓細胞は、対照動物又は照射されたB16細胞のみで 免疫された動物における非常にわずかなバックグラウンド活性と比較してB16細 胞に対する明らかな細胞毒性活性(10%比溶解)を示した。3.8μg(既に高い投
薬量)へのmuIFN-γ投薬量の増加は最適投薬量と比較してCTL活性の低下をもた らした。
【0031】 実施例4 ワクチン注射部位におけるmuIFN-γの放出速度論の測定 一旦、muIFN-γリポソームが細胞性腫瘍ワクチン中の有効なアジュバントであ
ることがわかり、遊離muIFN-γが致死量の腫瘍投与に対する無保護を判明した時
、リポソーム中の封入が活性部位におけるサイトカインの延長された存在をもた
らすものと推定された。それ故、リポソームが抗原提示の部位である注射部位に
とどまることを示すためにmuIFN-γリポソームの放出を調べた。muIFN-γの最終
濃度が5μg/mlであった以外は、muIFN-γリポソームを実施例2aに記載されたよ
うにして調製した。
【0032】 注射部位におけるmuIFN-γの存続を監視することができるために、125I標識mu
IFN-γを使用した(その比活性は、未標識muIFN-γに対する混合比と同様に、下
記の実施例に記載される125I標識huIFN-γの比活性に相当した)。注射部位にお
けるリポソームの存続を監視するために、別のアプローチにおいて、脂質フィル
ムを調製する時に、1α,2α(n)-〔3H〕-コレステリル-エーテル、比活性:46
mCI (1.71 Tbq)/mモル(アメーシャム)をPC及びPGに加えて使用した(10μl) 。実施例2eに記載されたようにして、100μlの単一投薬量のリポソーム(〔125I
〕-muIFN-γリポソーム又は〔3H〕リポソーム)又は遊離〔125I〕-muIFN-γ(5
μg/ml)をマウスに右背側腹部に皮下注射した。実施例2eと違って、細胞を添加
しなかった。時間の種々の長さ(図5を参照のこと)の後、マウスを殺した。注
射部位を三つの部分に分けた。夫々の片をガラスシンチレーション試験管に入れ
、ソルエン-350(パッカード)3mlを添加して3日間にわたって40℃でサンプル
を溶解した。溶解したサンプル500μlをきれいなガラス試験管にピペットで入れ
、H2O2 250μlを添加し、発泡が一旦停止すると、試験管をシールした。サンプ ルを24時間にわたって漂白し、次いでサンプルが無色になるまでH2O2 250μlの 添加を2回繰り返した。最後に、ヒオニック−フルオー(パッカード)をシンチ
レーション液として添加し、サンプルをボルテックス中で混合した。〔125I〕放
射能を24時間後にパッカードマルチ−プライアス−2γ−カウンターで測定し、
3H〕放射能をフィリップスPW4700液体シンチレーションカウンターで測定した
。図5は、注射された合計投薬量を基準として、注射部位に残存する投薬量の%
(ID)を示す。リポソームに封入されたmuIFN-γは遊離muIFN-γよりも注射部位に
長くとどまることがわかった。
【0033】 実施例5 ワクチン注射部位におけるhuIFN-γの放出速度論の測定 a)“通常の” huIFN-γリポソームの調製 リポソーム(40μモル/ml)を実施例1又は実施例2に実質的に記載されたよ うにしてフィルム方法により調製し、PC及びPGを9:1のモル比で混合した。〔125 I〕-huIFN-γリポソームの調製のために、huIFN-γ3.5ml(50μg/ml)を5%グ ルコース(10 mM Na-スクシネート緩衝液、pH 5.0)+〔125I〕-huIFN-γ(比活
性:13.8μCi/ml; 10 kBq/マウス)79μlに添加した。フラスコを手で振とうす ることによりフィルムを水和した。
【0034】 b)“オルタナチブ” huIFN-γリポソームの調製 予備試験において、“通常の”リポソーム製剤が最初の数時間中に高比率の〔 125 I〕-huIFN-γの放出を示したので(これはおそらくこの比率がリポソームか ら直ちにそれ自体で脱着し、ワクチン注射部位から消失するという事実に起因し
得る)、“オルタナチブ”リポソームを調製し、これらは外膜に吸着されたタン
パク質をそれ程含んでいない(<10%)。 この目的のために、9:1のモル比のPC及びPGを含む脂質フィルムを10%サッカ ロース(10 mM Na-スクシネート緩衝液、pH 5.0)中の非常に小さい容積のhuIFN
-γ、例えば、0.5μl; 500μg/mlで水和した。高度に濃縮されたリポソームの高
度に粘稠なゼラチン状の塊を得た。30分後に、これを通常の注射可能な濃度(40
mMの全脂質;5μg/mlのhuIFN-γ)に希釈し、10 mM Na-スクシネート緩衝液、
pH 5中の0.9%NaCl中で洗浄した。その塩が脂質膜の負の電荷を遮蔽するにつれ て、それは正に荷電されたhuIFN-γとの静電相互作用を阻止する。未封入huIFN-
γを超遠心分離により除去した。2回の洗浄後に、リポソームを10%サッカロー
ス緩衝液中に吸収させた。〔125I〕-huIFN-γのとり込みをa)に記載されたよう にして行った。 リポソームの外部に吸着されたリポソーム結合タンパク質の比率を測定するた
めに、リポソームをトリプシン溶液中でインキュベートする。食塩加リン酸緩衝
液、pH 7.4中のトリプシン20ml(1mg/ml)をリポソーム分散液100ml(100mg/ml
)に添加した(100mg/mlのトリプシンがタンパク質250mg/mlを分解するのに充分
であった)。37℃で1時間のインキュベーション後に、酵素反応をサンプルの抽
出中に中止した。封入されたhuIFN-γの量をHPLCにより測定した。それは>90% であった。
【0035】 c)遊離huIFN-γを含む溶液の調製 〔125I〕-huIFN-γ原液(120μCi/ml)52μlを5%グルコース(10 mM Na-ス クシネート緩衝液、pH 5.0)中のhuIFN-γ2.3ml(50μg/ml)に添加することに より“遊離” 〔125I〕-huIFN-γ溶液(10 kBq/マウス)を調製した。 d)in vivo試験 2種のリポソーム製剤及び遊離huIFN-γを含む溶液を先の実施例に記載された
ようにしてマウスに注射し、残存する注射投薬量を実施例4に記載されたように
して測定した。測定の結果を図6に示し、これは注射された合計投薬量を基準と
して、注射部位に残存する投薬量の%(ID)を示す。リポソーム封入されたhuIFN-
γは遊離huIFN-γよりも注射部位に長く存続し、一方、“オルタナチブ”リポソ
ームは持続放出に関して更に有利な性質を示すことがわかった。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 in vitroのリポソームからのmuIFN-γの放出速度論の測定を示す。
【図2】 腫瘍細胞及びmuIFN-γからのワクチンによるマウスの免疫化(1回目の実験)
を示す。
【図3】 腫瘍細胞及びmuIFN-γからのワクチンによるマウスの免疫化(2回目の実験)
を示す。
【図4】 腫瘍細胞及びmuIFN-γからのワクチンによる免疫化後のTリンパ球の細胞毒性
活性の測定を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 35/00 A61P 35/00 (72)発明者 クロムメリン ダン イェー アー オランダ エヌエル−3500 エヌアー ユ トレヒト フレデリク ヘンドリクストラ ート 98 (72)発明者 ファン スローテン マーイケ オランダ エヌエル−3500 エヌアー ユ トレヒト ハーヴィクストラート 17 (72)発明者 ストルム ゲルト オランダ エヌエル−3813 セーエヌ ア メルスフォールト エルケルライクパット 12 Fターム(参考) 4C076 AA20 AA22 AA61 BB15 CC06 DD37H DD63H EE23 FF31 FF43 4C085 AA03 AA38 BB01 CC01 FF13 GG03

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腫瘍抗原をベースとする腫瘍ワクチンであって、腫瘍ワクチ
    ンが活性成分として、腫瘍抗原源に加えて、IFN-γの活性物質の遅延放出を有す
    る放出系を含み、IFN-γの有効投薬量が50 ngから5μgであり、かつ放出間隔が
    0.5時間から8日までであることを特徴とする前記腫瘍ワクチン。
  2. 【請求項2】 IFN-γの有効投薬量が100 ngから2μgであることを特徴と する請求の範囲第1項記載の腫瘍ワクチン。
  3. 【請求項3】 IFN-γの有効投薬量が100 ngから1μgであることを特徴と する請求の範囲第2項記載の腫瘍ワクチン。
  4. 【請求項4】 放出間隔が0.5時間から2〜3日までであることを特徴とす る請求の範囲第1項〜第3項の一項記載の腫瘍ワクチン。
  5. 【請求項5】 IFN-γの投薬量の約75%が1時間〜3日の間隔内に放出され
    ることを特徴とする請求の範囲第4項記載の腫瘍ワクチン。
  6. 【請求項6】 活性物質の遅延放出を有する放出系がリポソームを含むこと
    を特徴とする請求の範囲第1項〜第5項の一項記載の腫瘍ワクチン。
  7. 【請求項7】 リポソームがその中に封入されたIFN-γの>90%を含み、外 部に吸着された<10%を含むことを特徴とする請求の範囲第6項記載の腫瘍ワク チン。
  8. 【請求項8】 活性物質の遅延放出を有する放出系が微小球体を含むことを
    特徴とすることを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項の一項記載の腫瘍ワクチ
    ン。
  9. 【請求項9】 活性物質の遅延放出を有する放出系がミニペレットを含むこ
    とを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項の一項記載の腫瘍ワクチン。
  10. 【請求項10】 腫瘍抗原源が腫瘍細胞を含むことを特徴とする請求の範囲
    第1項〜第9項の一項記載の腫瘍ワクチン。
  11. 【請求項11】 腫瘍細胞が同種異系腫瘍細胞であることを特徴とする請求
    の範囲第10項記載の腫瘍ワクチン。
  12. 【請求項12】 腫瘍細胞が腫瘍抗原由来ペプチドを入れられていることを
    特徴とする請求の範囲第10項又は第11項記載の腫瘍ワクチン。
  13. 【請求項13】 腫瘍抗原源が腫瘍抗原ペプチドを入れられている抗原提示
    細胞を含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第9項の一項記載の腫瘍ワクチ
    ン。
  14. 【請求項14】 腫瘍抗原源が腫瘍抗原そのもの又はそれらに由来するペプ
    チドを含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第9項の一項記載の腫瘍ワクチ
    ン。
JP2000516696A 1997-10-18 1998-10-15 腫瘍ワクチン Pending JP2001520203A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19746173A DE19746173A1 (de) 1997-10-18 1997-10-18 Tumorvakzine
DE19746173.5 1997-10-18
PCT/EP1998/006546 WO1999020301A1 (de) 1997-10-18 1998-10-15 Tumorvakzine

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001520203A true JP2001520203A (ja) 2001-10-30

Family

ID=7845984

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000516696A Pending JP2001520203A (ja) 1997-10-18 1998-10-15 腫瘍ワクチン

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1023082A1 (ja)
JP (1) JP2001520203A (ja)
CA (1) CA2307639A1 (ja)
DE (1) DE19746173A1 (ja)
WO (1) WO1999020301A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007516985A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 モロゲン・アーゲー 同種異系の腫瘍治療法

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100863632B1 (ko) * 2000-03-31 2008-10-15 퍼듀 리서치 파운데이션 리간드-면역원 접합체를 사용한 치료 방법
CN100528224C (zh) * 2004-09-27 2009-08-19 中国人民解放军军事医学科学院毒物药物研究所 含干扰素α-1b的注射用缓释微球及其制备方法
CN100475264C (zh) * 2004-09-28 2009-04-08 中国人民解放军军事医学科学院毒物药物研究所 含干扰素或其类似物的注射用缓释微球及其制备方法
AT504160A1 (de) * 2006-09-11 2008-03-15 Ralf Dr Kircheis Verwendung einer mehrkomponenten-tumorvakzine
WO2008137705A1 (en) * 2007-05-04 2008-11-13 Boris Skurkovich Prevention of cancers by immunization
WO2011101465A1 (en) 2010-02-19 2011-08-25 Intercell Ag Ic31 nanoparticles
CN102631671B (zh) * 2012-04-05 2014-11-26 倪国颖 提高疫苗诱导的细胞毒性t细胞反应的治疗性疫苗

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4411425C2 (de) * 1994-04-05 1996-07-04 Frank W Prof Dr Falkenberg Verfahren zur Herstellung einer Tumorvakzine für die Aktive Spezifische Immuntherapie (ASI)
US5759535A (en) * 1994-05-13 1998-06-02 Research Corporation Technologies, Inc. Immunotherapeutic strategies for the treatment of cancer
DE19607044A1 (de) * 1996-02-24 1997-08-28 Boehringer Ingelheim Int Tumorvakzine und Verfahren zu ihrer Herstellung

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007516985A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 モロゲン・アーゲー 同種異系の腫瘍治療法

Also Published As

Publication number Publication date
CA2307639A1 (en) 1999-04-29
EP1023082A1 (en) 2000-08-02
WO1999020301A1 (de) 1999-04-29
DE19746173A1 (de) 1999-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6406689B1 (en) Compositions and methods for treatment of tumors and metastatic diseases
EP3573656B1 (en) Core/shell structure platform for immunotherapy
Zhou et al. Prolonged survival of thymoma-bearing mice after vaccination with a soluble protein antigen entrapped in liposomes: a model study
EP3421047B1 (en) Method for improving the efficacy of a survivin vaccine in the treatment of cancer
Van Slooten et al. Liposomes as sustained release system for human interferon-γ: biopharmaceutical aspects
US20210353726A1 (en) Phosphoserine containing compositions for immune tolerance induction
US8653049B2 (en) Normuramyl glycopeptide compounds
JP2002504136A (ja) ワクチンのためのアジュバント組成物
WO1995016464A1 (en) Controlled release of pharmaceutically active substances for immunotherapy
Phillips et al. Influence of phospholipid composition on antibody responses to liposome encapsulated protein and peptide antigens
Zhou et al. Monophosphoryl lipid A enhances specific CTL induction by a soluble protein antigen entrapped in liposomes
JP2001520203A (ja) 腫瘍ワクチン
EP2255831A1 (en) Liposome based diepitope constructs
Davis et al. Primary immune response to liposomal tetanus toxoid in mice: the effect of mediators.
WO1990011085A1 (en) Large multivalent immunogen
US20200222322A1 (en) Phosphoserine containing compositions for immune tolerance induction
JP5685646B2 (ja) リポソーム中にカプセル化されたスチコリシンに基づくワクチン組成物
KR20060127385A (ko) 알킬포스파티딜콜린과 혼합된 백신 조성물
EP0983086A1 (en) pH-SENSITIVE LIPOSOMES AND OTHER TYPES OF ENCAPSULATED VACCINES CONTAINING IMMUNOMODULATORS, AND METHODS FOR MAKING AND USING SAME
EP2735314B1 (en) Sugar-coated liposome composition
Baogang et al. Fixed-tumor vaccine: a practical formulation with cytokine-microspheres for protective and therapeutic antitumor immunity
Matyas Effect of Glycolipid Incorporation on Liposome Uptake by Antigen-Presenting Cells.