JP2001517552A - 原水から純粋な水を得る設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 原水を循環させる第１の循環路（１０１）、液体冷媒を循環させる第２の循環路（１０２）、及び循環している液体冷媒と循環している原水とを隔てており且つ膜構成要素の媒体による膜蒸留によって原水から純水を得る膜構成要素を有する蒸発機器（１０）を具備した原水から純粋な水を得る設備。ここで第１の循環路（１０１）は、原水を蒸発機器（１０）に入れる前にこの原水の温度を上げる熱交換器（１１）の片側（１１１）に接続されている。またこの設備は、蒸発機器（１０）に液体冷媒を入れる前にこの液体冷媒の温度を下げるヒートポンプ（１２）も具備している。このヒートポンプの高温端（１２１）は、熱交換器（１１）の反対側（１１２）及び冷却装置（１３）を経由して第２の循環路（１０２）の入り口側（１０２１）に接続されている。またヒートポンプの低温側（１２２）は、第２の循環路（１０２）の出口側（１０２２）に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 ［発明の分野］ 本発明は、原水から純粋な水を得る設備に関する。より特に本発明は、蒸発機
器を有するそのような装置に関し、この蒸発機器は、原水を循環させる第１の循
環路、液体冷媒を循環させる第２の循環路、及び膜構成要素を有する。ここでこ
の膜構成要素は、循環している原水と循環している液体冷媒とを隔てており、且
つ循環している原水の範囲を定めているこの膜構成要素を用いる膜蒸留媒体によ
って原水から純粋な水を得る。

【０００２】 ［背景技術の説明］ 様々な種類の蒸留プロセスを使用して水を純化することが知られており、また
塩水から例えば膜蒸留によって塩気のない水を得ることも知られている。これに
関しては例えば、スウェーデン特許第408637号及び同第411446号明細書を参照。

【０００３】 スウェーデン特許第448085号明細書は、プロセスに提供されるエネルギーを最
大限に使用することを目的としている。プロセスは、膜を具備した蒸留装置、水
を加熱して蒸留し且つこの水を膜の外側に導く第１の装置、及び初めに言及した
水よりも低温の水を膜の他の側に導く第２の装置を使用する。これら２つの装置
は接続管路によって相互接続されており、それによって水は、第２の装置から第
１の装置へと断続的に又は連続的に移動する。第１の装置では、エネルギー源に
接続された熱交換器を経由させて水を通すことによって、この水を必要とされる
温度に加熱する。エネルギーは、ヒートポンプ及び２つの更なる熱交換器によっ
て第２の装置から第１の装置に移動させる。

【０００４】 全ての人類にとって飲料水は生きるために必須のものである。しかしながら不
幸にも、世界の場所によっては自然の飲料水を入手することが難しいこともある
。飲料水の供給が一般的な需要に対して不十分である場所においては、そのよう
な場所及び人に無理のない価格で、人工的に飲料水を製造することが必要である
。

【０００５】 例えば塩水から飲料水を製造するために従来使用されてきた多くの方法、設備
、及び装置は、その欠点によって使用することができない。例えば、そのような
方法及び設備は、エネルギー消費量が多く、高レベルの騒音を発生させ、また非
常に高温の水を作り、これらのいずれもが多くの人々にとっては費用がかかりす
ぎる。

【０００６】 本発明の目的は、これらの欠点及び他の欠点を可能な限りなくし、それによっ
て操作の騒音レベルが低く、エネルギー消費量が少なく、且つ約８〜１０℃の適
当な飲料水温度で、清浄な水を作る設備を提供することである。

【０００７】 ［発明の概略］ 本発明によれば、上述の種類の設備は、蒸発機器、原水のための第１の循環路
、及び液体冷媒のための第２の循環路を有し、それによって膜構成要素による膜
蒸留によって純粋な水を得る。この設備は、原水を蒸発機器に入れる前にこの原
水の温度を上げる熱交換器を具備し、この熱交換器の片側には第１の循環路が接
続されている。また、この設備は、蒸発機器に液体冷媒を入れる前にこの液体冷
媒の温度を下げるヒートポンプを有し、このヒートポンプの高温端は、熱交換器
の反対側及び冷却装置を経由して第２の循環路の入り口側に接続されており、且
つこのヒートポンプの低温側は前記第２の循環路の出口側に接続されている。

【０００８】 以下において添付の図を参照して本発明をより詳細に説明する。添付の図にお
いては、本発明に従って作った設備を説明している。

【０００９】 説明されている設備は、原水タンクからの循環している原水を第１の循環路１
０１、液体冷媒（水）を循環させる第２の循環路、及び循環している原水と循環
している液体冷媒とを隔てて膜蒸留によって原水から純粋な水を得る膜構成要素
、を有する蒸発機器１０を具備している。膜蒸留自体は上述の特許明細書によっ
て知られているので、ここでは説明しない。

【００１０】 図に記載されている装置は、蒸発機器１０に入れる前の原水の温度を上げる熱
交換器１１を有し、この熱交換器の片側１１１は第１の循環路１０１に接続され
ている。この場合においては原水の元々の温度は６７℃であり、蒸発機器１０に
入る水の温度は７０℃である。

【００１１】 液体冷媒の温度は、蒸発機器１０に入れる前に、ヒートポンプ１２によって下
げる。ヒートポンプの高温側１２１は、熱交換器１１の反対側１１２及び冷却装
置１３を経由して、第２の循環路１０２の入り口側１０２１に接続している。ヒ
ートポンプ１２の低温側１２２は、第２の循環路１０２の出口側１０２２に接続
している。

【００１２】 冷却装置１３は、凝縮器１３１及び、乾燥機１３２、及びキャピラリー管１３
３を有しており、液体冷媒の温度を７０℃から５℃に下げる。蒸発機器１０を出
る冷媒の温度は８℃である。

【００１３】 概略を説明される装置の作用は以下のようなものである。

【００１４】 純化処理の初めに、ヒートポンプ１２を始動させて熱交換器１１に熱を供給し
、また蒸発機器１０を冷却する。水のポンプ１４を同時に始動させて、原水タン
クから熱交換器１１に原水を送るようにする。熱交換器１１では原水を暖めて、
蒸発機器１０の第１の循環路１０１にポンプ送出する。

【００１５】 蒸発機器１０の膜の間で高温の水を循環させて冷却プレートに導かれた液体冷
媒に近づけ、そこで蒸気圧を発生させて水分子が膜を通り抜けて冷却プレートに
おいて凝縮するようにし、それによって、得られた凝縮液を流下させて出口１０
３で集める。

【００１６】 この構造の設備は、ヒートポンププロセスにおいて得られる実質的に全ての熱
及び冷却を利用しており、すなわち発生させた熱を原水の加熱に使用するのと同
時に、発生した冷却能を使用して蒸気圧を維持して処理を行っている。これによ
ってエネルギー消費量が少なくなる。

【００１７】 本発明の新しい設備による水の純化能力を試験して複数の解析測定を行った。
以下の表１は、純化の前と後における水に含まれる特定の物質の濃度を示してい
る。 ［表１］ バクテリア 14,000 → ０ 塩 31,000 → １ ppm ラドン 380 → ４ Bq/リットル プルトニウム 2.4 → 0.1 Bq

【００１８】 以下の表２は、それぞれの物質に関する３つの異なる測定での百分率による純
化の最も高い程度と最も低い程度を示している。 ［表２］ クロロホルム 99.8 − 98.6 1,1,1-トリクロロエタン 99.9 − 99.6 トリクロロエチレン 99.7 − 99.4 ジクロロブロモメタン 99.8 − 98.7 四塩化炭素 99.7 − 98.7 ジブロモクロロメタン 99.7 − 98.7 ブロモホルム 99.6 − 97.8

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の設備の概略を示す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原水を循環させる第１の循環路（１０１）、液体冷媒を循環
   させる第２の循環路（１０２）、及び膜構成要素を有する蒸発機器（１０）を具
   備した原水から純粋な水を得る設備であって、ここで前記膜構成要素は、循環し
   ている前記液体冷媒と循環している前記原水とを隔てており、且つ循環している
   前記原水の範囲を定めている膜構成要素の媒体による膜蒸留によって前記原水か
   ら純水を得て、 前記原水を前記蒸発機器に入れる前にこの原水の温度を上げる熱交換器（１１
   ）であって、片側（１１１）が前記第１の循環路（１０１）に接続されている熱
   交換器（１１）を具備していること、及び 前記蒸発機器（１０）に前記液体冷媒を入れる前にこの液体冷媒の温度を下げ
   るためのヒートポンプ（１２）を更に具備し、この減圧ポンプの高温端（１２１
   ）は、前記熱交換器（１１）の反対側（１１２）及び冷却装置（１３）を経由し
   て前記第２の循環路（１０２）の入り口側（１０２１）に接続されており、また
   このヒートポンプの低温側（１２２）は前記第２の循環路（１０２）の出口側（
   １０２２）に接続されていること、 を特徴とする原水から純粋な水を得る設備。