JP2001516596A - 安定な葉緑素欠乏植物の作成方法およびその方法で得られた植物 - Google Patents

安定な葉緑素欠乏植物の作成方法およびその方法で得られた植物

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アニル・デイ
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Abstract

(57)【要約】 植物材料をプラスチドタンパク質の合成を阻害する処理に付し、処理が適用されない条件下で、処理した植物材料から植物または植物細胞系を成長させることを特徴とする、安定な葉緑素欠乏植物および植物細胞系の作成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、植物に関するものであり、さらに詳しくは葉緑素欠乏植物および植
物細胞系に関する。 葉緑素欠乏植物および植物細胞系は、工業の幾つかの分野において有用である
。たとえば、高等植物および植物細胞系の葉緑素欠乏突然変異体は、植物ゲノム
の突然変異性および細胞質遺伝学関する実験において、容易に検出可能な遺伝標
識形質(遺伝マーカー)として広範に用いられている。さらに、植物の品種改良
において、葉緑素の欠乏は、ある種の細胞由来の細胞質と別の細胞の核物質とを
合わせるときに用いることができるマーカーである。 斑入りの植物(葉緑素が欠乏している植物の領域)は、非常に人気のある鑑賞
植物でもあり、園芸産業においてはこのような植物の開発が必要である。
【0002】 従来、葉緑素欠乏植物および植物細胞系は、低頻度で自発的に起こる突然変異
または突然変異誘発剤によって誘発される突然変異によって開発されている。こ
のような突然変異を用いる処理にかかわる不利点は、植物の表現型に対する突然
変異的変化をコントロールすることが不可能だということである。大抵の場合、
突然変異誘発による葉緑素欠乏植物の誘発は、植物集団の遺伝的構成を変化させ
る異なる遺伝子座における高率のランダムゲノム突然変異と関連している。突然
変異誘発処理は、時間も長くかかり、操作者に危険をもたらす試薬をしようする
ことも多い。 別法として、葉緑素欠乏植物および植物細胞系を、遺伝子工作技法を用いる標
的化突然変異によって誘導することができる。しかし、このような技法は、ひど
く費用のかかるものであり、非常に精巧な実験装置、材料および熟練した作業者
が必要である。 葉緑素欠乏は、非突然変異誘発剤を用いて誘発することもできる。しかし、公
知の非突然変異誘発技法を用いて開発された植物および植物細胞系は、該作用剤
を取り除くと、葉緑素が十分にある表現型(緑色)に戻ってしまい、および/ま
たは葉緑素欠乏表現型を維持しながらも、細胞が細胞分裂不可能になってしまう
【0003】 本発明の目的は、安定な葉緑素欠乏植物および植物細胞系ならびに斑入り植物
を作成する方法を提供することである。 本発明の第1の態様において、本発明は、植物材料をプラスチドタンパク質の
合成を阻害する処理に付し、処理が適用されない条件下で、処理した植物材料か
ら植物または植物細胞系を成長させることを特徴とする、安定な(本明細書中に
定義するような)葉緑素欠乏植物および植物細胞系の作成方法を提供する。 本発明の第2の態様において、本発明は、プラスチドタンパク質の合成が阻害
されていることによって、葉緑素が欠乏し、かつ安定である植物を提供する。 本発明の第3の態様において、本発明は、プラスチドタンパク質の合成が阻害
されていることによって、斑入りであり、かつ安定である植物を提供する。 本発明の第4の態様において、本発明は、プラスチドタンパク質の合成が阻害
されていることによって、葉緑素が欠乏し、かつ安定である植物細胞系を提供す
る。
【0004】 本明細書中、「安定」とは、葉緑素欠乏表現型が、以下のように、植物または
植物細胞系によって維持されることを意味する: (i)細胞分裂(すなわち、プラスチドタンパク質の合成が阻害されている、m
たはされた細胞から、有糸分裂および/または減数分裂によって生成した娘細胞
が葉緑素欠乏を維持している);および (ii)プラスチドタンパク質の合成の阻害の除去。 「プラスチド」とは、通常、色素を含み、葉緑体によって型に分けられる植物
細胞内細胞小器官を意味する。 「葉緑素欠乏」とは、正常な緑色植物と比べて、少なくとも一部において葉緑
素含量が低下している植物または植物細胞系を意味する。この語句には、葉緑素
レベルが低下している細胞および葉緑素レベルが正常である細胞の両方を含む、
斑入り植物も含まれる。
【0005】 我々は、プラスチドタンパク質合成のインヒビターを用いて、植物細胞に遺伝
子工作する必要なく、安定な葉緑素欠乏および/または斑入り植物ならびに安定
な葉緑素欠乏植物細胞系を作成しうることを見出している。プラスチドタンパク
質の合成を、葉緑体を形成する能力が不可逆的にブロックされるように阻害すべ
きである。 本発明方法は、突然変異誘発を必要としないので、作成の速さ、安全性および
植物に望ましくない特性を導入しうる遺伝子の望ましくない突然変異に関して、
著しい利点を有するものである。さらに、本発明方法は、精巧な実験装置または
分子生物学の専門技術を必要としない。 植物細胞内のプラスチドリボソームRNAと葉緑素レベルの間に相関関係が存
在することが知られている。プラスチドタンパク質の合成をブロックする物理的
および化学的作用剤が植物細胞における葉緑素の蓄積を不能にすることも知られ
ている。このような作用剤で処理された植物は、白くなり(すなわち、緑色から
白色に変わる)、その後、植物または植物細胞系は枯死してしまう。しかし、我
々は、驚いたことに、プラスチドタンパク質の合成を阻害する作用剤が、遺伝子
工作されることなく安定な葉緑素欠乏および/または斑入り植物、ならびに適当
な成長培地中、インビトロ(または場合によってインビボ)で維持しうる、遺伝
子工作されることなく安定な葉緑素欠乏植物細胞系を作成しうることを確立する
実験をおこなってきた。さらに、このような植物および細胞は、緑色の表現型に
もどらない(プラスチドタンパク質の合成を阻害するのに用いた作用剤を取り除
いても)。
【0006】 光学および電子顕微鏡による研究によって、本発明にしたがって処理した植物
および植物細胞系は、緑色植物において一般にみられるよりも高い割合でプラス
チド様構造(成熟葉緑体に関連する)の減少が起こっていることがわかった。安
定な葉緑素欠乏植物の分子分析により、それらがプラスチドリボソームRNAお
よびプラスチドタンパク質を欠乏していることがわかった。我々は、どのような
仮説に束縛されることも望まないが、プラスチド発現機構なしではプラスチドゲ
ノムが発現されないので、葉緑素欠乏および斑形成は植物材料の再緑化を防止す
る無傷の該機構の欠乏によって起こると考える。 本発明の重要な特徴は、我々が遺伝子工作なしで安定な表現型をもつ葉緑素欠
乏植物および細胞系を作成したことである。該植物および細胞は、葉緑素十分(
緑色)の表現型に戻ることなく繁殖させることができる。
【0007】 阻害の結果、植物ゲノム(核、ミトコンドリアまたはプラスチド)に突然変異
が起こるべきではないので、化学的または物理的手段によって阻害する。 プラスチドタンパク質合成の適当な手段は、植物または細胞系をプラスチド遺
伝子発現またはプラスチドタンパク質合成のインヒビターで処理することである
。好ましいインヒビターは、プラスチドリボソーム破壊を阻害するものである。
最も好ましいインヒビターは、スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンな
どの抗生物質ならびに極端な温度である。 本発明の第2および第3の態様において、本発明は広範な植物の作成に適して
おり、本発明の第4の態様において、本発明は広範な植物細胞系の作成に適して
いる。本発明の第1の態様である方法は、高頻度(〜100%)の葉緑素欠乏を
誘発するのに非常に適しており、公知の突然変異誘発性の方法に対して容易かつ
迅速な手順を提供する。さらに、該方法は、安定な葉緑素欠乏および斑入り表現
型の豊富かつ容易に生み出される源を提供する。
【0008】 多くの異なるタイプの植物材料を本発明にしたがって処理することができる。
材料は、成長する植物、植物細胞系、種子または成長可能な植物材料のその他の
適当な源である。必要に応じて、処理した植物から植物組織をとり、次いで栽培
する。この組織は、植物の成長する苗条先端、芽または根茎先端である。このよ
うな組織は、土壌中で栽培するかまたはインビトロで成長させることができる。
インビトロにおいては、成長させた組織は、適当な条件下で成長して植物になる
ことができるか、または植物細胞系を発育させることができる。 本発明方法で処理される(および本発明の第2および第3の態様にしたがって
植物を誘導するように操作される)植物のタイプの例として、アブラナ科[Brass
ica napus(セイヨウアブラナ)、Brassica rapa(カブラ)、Brassica olerace
a(キャベツ)、Brassica nigra(クロガラシ)およびArabidopsis thaliana( シロイヌナズナ)など]、イネ科[Zea mays(トウモロコシ)、Hordeum vulgare (オオムギ)およびTriticum aestivum(コムギ)など]、ナス科(Lycopersico
n esculentum(トマト)およびSolanum tuberosum(ジャガイモ)など)および キク科(Helianthus annus(ヒマワリ)など)が挙げられる。本発明の第4の態
様における細胞系は、このような植物から発育させる。
【0009】 植物材料、葉緑素欠乏植物および葉緑素欠乏植物細胞系は、適当な成長培地に
て維持または繁殖させるべきである。植物を土壌で成長させる際には、植物ホル
モン、ビタミンおよび/または炭水化物の補足が必要である(光合成が欠如する
ため)けれども、環境が適当な培地に相当する。 インビトロで繁殖させた植物材料、植物および植物細胞系は、細胞に栄養を補
給する適当な成長培地を必要とする。植物ホルモンを補足するならば、MESを
含む一般的な植物成長培地を用いる。 葉緑素欠乏および/または斑入りを誘発するために必要な処理処方は、下記の
因子に応じて変わる: (a)どのように阻害をなし遂げようとしているか; (b)安定な葉緑素欠乏植物または植物細胞が生み出される前にどれだけの期間
プラスチドタンパク質合成が行われなければならないか; (c)用いようとしているプラスチドタンパク質合成のインヒビターの効率; (d)用いようとしている植物または植物細胞のタイプ;および (e)所望の効果(斑入りまたは完全葉緑素欠乏など)。
【0010】 葉緑素欠乏および/または斑入りの範囲は、本発明方法の処理処方を変えるこ
とによってコントロールすることができる。一般に、斑入りを誘発するには、完
全葉緑素欠乏を誘発する場合よりも、インヒビターの濃度が低く、処理時間が短
いことが必要である。 単なる例示にすぎないが、アブラナ科の植物に葉緑素欠乏を誘発するのに有効
な処理は、種子をスペクチノマイシンに約6から18時間(たとえば一夜)浸漬
することである。このような処理時間は、葉緑素欠乏種苗を生成するのに十分な
時間であることがわかっており、続いて該種苗をプラスチドタンパク質合成の阻
害がない成長培地中に維持する。必要なスペクチノマイシンの濃度は、アブラナ
科のメンバーによっても変化する。Brassica napusには、2〜5mg/mlのス
ペクチノマイシンが理想的であり、Brassica rapaおよびBrassica oleraceaには
、5〜10mg/mlのスペクチノマイシンが理想的である。このような処理の
後、RMOP(Svabら、1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87、p8526
)(しかるべく補足)などの培地にて種子を繁殖させ、安定な葉緑素欠乏表現型
を示し、遺伝子構成が変化していない植物細胞を作成する(これを植物として成
長させるかまたは細胞系へと発育させる)。
【0011】 さらなる例示として、イネ科の植物(穀類)の場合、安定な葉緑素欠乏植物お
よび細胞を生成するには、より長時間のプラスチドタンパク質合成の阻害が必要
である。安定なイネ科の植物および細胞は、種子をストレプトマイシンに約6か
ら18時間(たとえば一夜)浸漬し、次いで、阻害濃度のストレプトマイシン含
有培地にて少なくとも2日間、好ましくは1〜8週間、さらに好ましくは3〜5
週間繁殖させるることによって生成するのが好ましい。続いて白くなった種苗を
単離し、抗生物質なしの培地に維持し、安定に繁殖させる。 別法は、暗室にて湿潤濾紙上で種子を発芽させ、続いて極端な温度でインビト
ロで繁殖させることである。2〜4週間のこの温度ショックにより、インビトロ
で繁殖させることができる安定なアルビノ植物が作成される。 本発明の第2、第3および第4の態様にしたがって、本発明の第1の態様であ
る方法にしたがって処理された葉緑素が十分な植物および植物細胞系から葉緑素
欠乏植物および植物細胞系を誘導することができる。
【0012】 葉緑素欠乏植物細胞系は、タンパク質合成のインヒビターで処理されたいずれ
かの植物材料から直接得ることもできる。この方法において、我々はArabidopsi
sの葉緑素欠乏細胞系を生成している。 本発明の第4の態様である植物細胞系は、標準的植物細胞培養技法を用いて、
本発明の第2または第3の態様である植物から外植された植物組織から発育させ
ることができる。 本発明の第2、第3および第4の態様である植物および植物細胞系は、幾つか
の点において有用である。 たとえば、本発明の第3の態様である斑入り植物は、小売店にとって魅力的な
植物であるために、園芸産業にとって金銭的価値がある。斑入り植物は、通常、
天然または人工の突然変異によって作成される。天然の突然変異の作成はコント
ロールするのが難しく、人工の突然変異は危険で、コストが高く、時間のかかる
突然変異誘発手順を含んでいる。本発明の第1の態様の方法は、迅速であり、耕
地の突然変異誘発を利用しない。EP0257845には、突然変異ではなくて
葉緑素インヒビターを用いて斑入り植物を生成させるための葉緑素インヒビター
の使用が記載されている。しかし、EP0257845に開示された葉緑素欠乏
植物では、白色を維持するためには葉緑素インヒビターへの継続的な曝露が必要
であり、したがって植物と植物細胞系は安定ではない。本発明の第1の態様の方
法は、プラスチドタンパク質の合成の阻害を必要であるが、プラスチドタンパク
質合成のインヒビターを取り去っても、葉緑素欠乏植物および植物細胞を安定し
て繁殖させることができる。これは、プラスチドタンパク質合成のインヒビター
の永久的または繰り返し適用が必要ではないことを意味する。
【0013】 本発明の第4の態様である新規な細胞系は、代謝を部分的に変えて発育する。
このような細胞系は、新規医薬品の開発において特に有用である。植物の代謝物
は葉緑素欠乏植物および植物細胞系においてレベルを変えて蓄積する。このよう
な代謝物は、治療上価値のある生物学的に有効な成分を含んでいる。したがって
、本発明の第1の態様である方法によって、治療上有用な化合物である植物代謝
物の作成に用いる安定な葉緑素欠乏植物および細胞系を急速に生成することがで
きる。たとえば、Brassica napusにおいて誘発された葉緑素欠乏によって、該植
物からのアントシアニンの生成が増加する。さらに例を挙げると、医療用植物で
あるTanacetum partheniumにおいて誘発された葉緑素欠乏によって、抗偏頭痛パ
ーセノリドの植物による生成レベルが高められる。本発明の第4の態様である、
この細胞系は、直接に用いられるかまたは薬理学的に重要な物質の先駆体として
用いられる第2代謝物のスペクトルの変化を生み出すためのインビトロで培養さ
れた細胞の確立のための有用な源になる。
【0014】 本発明の第2、第3および第4の態様である植物および細胞系は、植物代謝関
する基礎的研究(光合成と脂肪酸代謝の分析など)にも用いることができる。 本発明の第4の態様である細胞系の重要な用途は、体細胞ハイブリダイゼーシ
ョン(細胞融合)において有用なプラストーム遺伝マーカーを作成する際におけ
る使用であり、特に、ある種の細胞と異なる細胞からの核遺伝子から、細胞質の
特性(プラスチドおよびミトコンドリア遺伝子によって付与された)をもつハイ
ブリッドをワンステップで生成する際における使用である。 体細胞ハイブリダイゼーションは、細胞質雄性不稔(CMS)、除草剤耐性お
よびウイルス耐性などの細胞質によってコードされた特性にとって、理想的な手
段であり、あるいは遺伝子工作された細胞小器官ゲノム(どのような所望のタン
パク質をもコードする遺伝子を含む)でさえも、特定の核ゲノムをもつ細胞内に
導入することができる。たとえば、除草剤耐性を付与する細胞質を、他の都合の
よい遺伝的特性(精鋭生殖質と呼ばれる)をもつ穀類からの核遺伝子と合わせる
ことができる。体細胞ハイブリダイゼーションによって新たにCMS様新規特性
を生成するために上記方法を使用することも可能である。
【0015】 遺伝子的に形質転換された細胞小器官ゲノムは、インビトロにおいて高い再生
能力をもつ植物においてのみ作成することができる。体細胞ハイブリダイゼーシ
ョンは、これらの工作されたゲノムを、細胞小器官ゲノムがインシトゥで工作す
ることができない穀物植物へ導入することを可能にする。 植物細胞の体細胞ハイブリダイゼーションにおける非常に重要な段階は、真の
細胞質ハイブリッド(サイブリッド)の選択である。真のサイブリッドの出力を
最大にするため、種々の選択システムが提案されており、そのうち最も信頼性の
あるシステムは細胞質遺伝マーカーの活用に基いている。有利な選択手順は、葉
緑素欠乏突然変異体(突然変異は細胞質遺伝子によってコントロールされる)で
ある親種の使用である。他の親(細胞質のドナー)は、正常緑色植物からの原形
質体である。葉緑素欠乏突然変異体の原形質体と細胞分裂不活性化された緑色親
とを融合した後、すべての緑色コロニーは、その緑色ゆえに、真の細胞質ハイブ
リッドである。レシピエントの核とドナーの細胞質を含む真のサイブリッドをえ
り抜くには、さらに形態学的および染色体/倍数性分析が必要である。
【0016】 葉緑素欠乏を誘発する常套の手段が、時間のかかるものであり、しばしば不適
当であるので、この選択方法の問題点は、適当な葉緑素欠乏レシピエントを提供
することにおける困難性である。たとえば、突然変異誘発要因は好都合な核遺伝
子を壊すので、好都合な遺伝子構成をもつ細胞に突然変異を引き起こすことは望
ましくない。 本発明の第4の態様である葉緑素欠乏細胞系を利用する体細胞ハイブリダイゼ
ーションは、所望の特徴をもつ融合産物を形成するための改良された方法を提供
する。このような方法は本発明の重要な特色を示し、本発明の第5の態様によっ
て、本発明は、ドナー細胞からの細胞質と、本発明の第4の態様による細胞また
は本発明の第2または第3の態様による植物から誘導された細胞からの核ゲノム
とを合わせることを特徴とする融合細胞の形成方法を提供する。
【0017】 ドナー細胞からの細胞質は、融合細胞の産物に遺伝し、該産物内に検出されう
る特性(雄性不稔または除草剤耐性など)を含むように選択する。ドナー細胞か
らの細胞質は、緑色(すなわち、葉緑素が十分である)のが理想的であり、原形
質体内に含まれるのが好ましい。このような原形質体をドナー細胞から誘導し、
次いで細胞分裂を防止するために、化学的に、または放射線照射によって不活性
化すべきである。 ワンステップ選択が可能であるので(緑色の分裂細胞のコロニーのみが真のサ
イブリッドである)、このような原形質体は、本発明の第4の態様における、細
胞との融合のための細胞質の好ましい源である。
【0018】 実施例1 プラスチドタンパク質合成のインヒビターとしてスペクチノマイシンを用い、
アブラナ科(Brassicaceae)植物に葉緑素欠乏を誘発するインビトロ実験を行っ
た。 1.1方法 1.1.1種子の滅菌 10%(W/V)塩酸ナトリウム溶液に種子を浸し、広口ビンに入れ、室温で
20分間ゆるやかに震とうした。次いで、種子を滅菌蒸留水で5回洗浄した。洗
浄は、それぞれ10分間継続して行った。 1.1.2成長培地の調製 スペクチノマイシンを含まないRMOP培地(Svabら、1990、前記)に多
少の変更を加えインビトロでのBrassicaceaeの成長用に用いた。 (1)2−[N−モルホリノ]エタンスルホン酸(MES)の添加 使用した最終的培地の組成は、以下のとおりである。マクロ−MS塩 (mg/l) NH4NO3 1650 KNO3 1900 CaCl2×2H2O 440 MgSO4×7H2O 370 KH2PO4 170 Na2−EDTA 37.3 FeSO4×7H2O 27.8ミクロ−MS塩 (mg/l)3BO3 6.2 MnSO4×4H2O 22.3 ZnSO4×4H2O 8.6 KI 0.83 Na2MoO4×2H2O 0.25 CuSO4×5H2O 0.025 CoCl2×6H2O 0.025有機成分 (mg/l) スクロース 3000 イノシトール 100 チアミン 1 2−[N−モルホリノ] 500 エタンスルホン酸(MES)* 植物ホルモン (mg/l)6−ベンジルアデニン 1 l−ナフタレン酢酸 0.1 KOHでpH5.7に調節し、0.6%Bakutoagar(Difco)を加え、培地を 120℃のオートクレーブに20分間入れた。 1.1.3種子処理および繁殖 Brassica napus、Brassica rapa、Brassica oleracea、Brassica nigraおよび
Arabidopsis thalianaの滅菌した種子をスペクチノマイシンの溶液(0,1,2
,5および10mg/ml)に室温にて一夜浸漬し、RMOP培地(1.2.1
参照)に植えた(洗浄せずに)。 3週間毎に、出現した白い苗条を切り分け、新鮮な培地(固めたものまたは液
体)上に平らに置いた。このアプローチによって葉緑素欠乏および斑入りの表現
型を3〜6週間のうちに得られた。
【0019】 1.2結果 1.2.1スペクチノマイシン処理による表現型の変化 ビヒクル(0mg/mlのスペクチノマイシン)のみで処理したコントロール
細胞は緑色のままであった。 葉緑素欠乏を誘発する最も効果的なスペクチノマイシン濃度は、B.napusに対 しては2〜5mg/mlおよびB.rapaとB.oleraceaに対しては5−10mg/m
lであった。 3〜6週間以内に、植物は3つの異なる表現型:緑色、黄緑色および白色(ア
ルビノ型)に分かれた。 図1は、B.napusの種子から誘導された植物の写真であり、(A)は非処理の 緑色植物、(B)はスペクチノマイシンで処理された黄緑色の植物、(C)はス
ペクチノマイシンで処理されたアルビノ(白色)である。
【0020】 表1は、処理された種子からインビトロで成長した植物における、処理方法と
葉緑素欠乏の相関関係を示す。 表1 表1(続き)
【0021】 1.2.2スペクチノマイシン処理植物の特徴 (i)プラスチドおよびミトコンドリアの超微細構造 透過型電子顕微鏡によって、葉緑素欠乏植物におけるプラスチドが緑色植物の
プラスチドよりも小さく、分化性が少ないことが示された(図2)。 図2は、黄緑色およびアルビノ植物のプラスチドの超微細構造の変化を示す写
真である:(A)は、コントロール緑色植物(非処理)からの葉緑体の正常な組
織(上)および超微細構造(中および下)であり、グラナ(g)がよく発達して
おり、プラスチドリボソーム(pr)がはっきりと見える;(B)黄緑色植物の
プラスチドに、グラナの代わりに電子不透性物質(eom)が見られ、プラスチ
ドの外側のサイトソリックリボソーム(cr)がはっきりと見え、プラスチドマ
トリックス(m)内ではプラスチドリボソームははっきりとは見えない;ならび
に(C)不十分に形成された、分解されない外部エンベロープをもつアルビノ植
物からの不完全分化プラスチド様細胞小器官である。
【0022】 (ii)プラスチドタンパク質 分子分析により、プラスチド翻訳産物における欠損が明らかになった。 Brassica napusおよびArabidopsis thalianaの緑色および葉緑素欠乏植物から
発現したタンパク質の分析をSDS−PAGE分析およびイムノブロット分析に
よって行った(図3参照)。図3(A)は、クーマシーブルー着色全可溶性タン
パク質を10%(w/v)ゲル上のSDS/PAGEにて分画したものである。
抽出液は、凍結組織300mgを600μlの緩衝液(80mMトリス−HCl 、pH7.5、10%(V/V)グリセロール、10%(W/V)SDS、0.
5%(V/V)βメルカプトエタノール)にホモジナイズし、3分間沸騰させ、
遠心分離して調製した。抽出液15μlをレーンに流した(GR=緑色、AL= アルビノ)。図3中の矢印は、最も豊富なプラスチド特異性タンパク質(リブロ
ースビスリン酸カルボキシラーゼ−オキシゲナーゼの大きなサブユニット)の位
置を示す。これは、プラスチドタンパク質合成が葉緑素欠乏細胞において阻害さ
れることを示すスペクチノマイシン処理細胞(AL)には無かった。 図3(B)は、イムノブロット分析を示す。SDS−PAGE分画されたタン
パク質をニトロセルロース(Hybond−ECL、アマーシャム)に移し、D1(ps6A
遺伝子によってコードされるフォトシステム2と称するプラスチド特異的タンパ
ク質)に対する抗体とインキュベートし、結合した抗体を化学発光(アマーシャ
ムECLウエスタンブロッティング検出キット)によって検出した。GR植物の
みがD1を発現したが、ALタンパク質抽出液に結合する抗体はなかった。この
ことは、タンパク質合成がプラスチドにおいて特異的に阻害されたことを示す。
【0023】 (iii)プラスチドリボソームRNA 全RNAのノーザンブロットによってBrassica napusの葉緑素欠乏植物(AL
)および緑色植物(GR)におけるプラスチドリボソームRNA(rRNA)を
測定した(3μgのRNAを1×TBE中の2%(W/V)アガロースゲル上で
分画し、臭化エチジウム(EtBr)蛍光によって視覚化した)。図4の上半分
は、植物細胞中のプラスチドリボソームRNAレベルを示すアガロースゲルの写
真である。写真から、アルビノ細胞中の全RNA量において、わずかな量の減少
があることがわかる。しかし、RNAをブロットし、pHvcP8(葉緑体(c
p)rRNAに対して特異的)でプローブする場合、プローブは緑色細胞からの
RNAのみに結合した(図4の下半分)。これは、プラスチドが分化せず、プラス
チドタンパク質の合成が阻害されたので、スペクチノマイシン処理されたアルビ
ノ細胞にはrRNAがないことを実証する。このことは、プラスチドリボゾーム
形成の阻害が、プラスチドにおいて転写されたどのようなrRNAもが引き続い
て破壊されたことを示唆する。 (iv)色素含量 緑色Brassica napusに対し、分光法または顕微鏡を用いてアルビノBrassica n
apusでは小さな葉緑素が検出された。このようなアルビノ植物は、緑色植物より
も有意に多くアントシアニンを合成することがわかった(図5)。
【0024】 実施例2 プラスチドタンパク質合成のインヒビターとしてストレプトマイシンを用い、
イネ科(Graminae)植物に葉緑素欠乏を誘発する実験を行った。 2.1方法 種子は滅菌し(1.1.1)、成長培地は前記のもの(1.1.2)を用いた
。 2.1.3種子処理および繁殖 Zea mays、Hordeum vulgareおよびTriticum aestivumの滅菌した種子をストレ
プトマイシン(2および5mg/ml)の溶液に室温にて一夜浸漬し、ストレプ
トマイシン500mg/lを補足したRMOP培地(1.1.2参照)に植える
(洗浄せずに)。 3〜6週間後、白くなった植物をストレプトマイシンを含まないRMOP培地
に植えた。完全葉緑素欠乏および斑入り植物をこの時点から3〜5週間の間に採
集した。
【0025】 2.2結果 Hordeum vulgareおよびTriticum aestivum(2および5mg/mlのストレプ
トマイシンで処理したもの)のみが、最初の6週間のうちに斑入りの植物を10
〜15%の頻度で生成した。しかし、次の培養期間(次の3〜5週間)では、完
全白色植物が生成され、斑入り植物から分離した。 2.1.3の方法にしたがって、トウモロコシ(Zea mays)を2および5mg
/mlのストレプトマイシンで処理した。完全アルビノ(葉緑素欠乏)植物が得
られた。 すべての得られる植物細胞はインビトロで安定に繁殖した。
【0026】 実施例3 ナス科の植物に葉緑素欠乏を誘発する実験を行った。Lycopersicon esculentu
mおよびSolanum tuberosumをスペクチノマイシンで処理すると、インビトロで繁
殖しうる葉緑素欠乏植物材料が生成された。 実施例4 キク科の植物に葉緑素欠乏を誘発する実験を行った。Helianthus annusをスペ
クチノマイシンで処理すると、インビトロで繁殖しうる葉緑素欠乏植物材料が生
成された。 実施例5 のセイヨウアブラナ、シナノキ、ツタおよびヒイラギの芽の先端にスペクチノ
マイシンの溶液(5〜20mg/ml)を適用した後、インビボで葉緑素欠乏を
誘発した。処理した芽からの新しい成長物から葉緑素欠乏および斑入りの葉が発
生した。 葉緑素欠乏(アルビノ表現型)は、処理した植物からその種苗へと遺伝した。 図6はスペクチノマイシンによってインビボで誘発された安定な葉緑素欠乏を
示す。 20〜50μlのスペクチノマイシン溶液(20mg/ml)を、土壌で成長 している4週齢の植物の芽の先端に滴下して、Brassica napusに葉緑素欠乏を誘
発した。1週間後、新しい成長物に白色が現れ、2週間で増加した(図6A)。
開花期間中に葯を除去し、非処理植物から得た花粉で花を受粉させた。受粉した
花は、種子を生じる斑入りの莢(図6B)を産生した。RMOP培地で発芽した
種子は、黄色と白色の苗条に分かれるいくつかの斑入りの種苗になった(図6C
,D)。 実施例6 高温または低温にさらした大麦の発芽した種子は白くなった植物を生成した。
インビトロで繁殖させた白くなった植物は、安定なアルビノ植物を生み出した。
実施例7 ストレプトマイシンによって生成した斑入りの大麦は土壌中でうまく成長した
(図7)。
【0027】 結論 我々の行った実験により、植物のどの部分をスペクチノマイシン処理に付して
もインビトロまたはインビボにおいて植物組織の白色化が起こることがわかった
。このことは公知の文献のデータに一致した。しかし、我々は、驚いたことに(
白色化した組織を抗生物質を含まない培地に移すことにより)抗生物質を除去し
ても成長が回復することになり、本発明の第2および第3の態様である安定な(
葉緑素欠乏)植物(完全白色または斑入り)が作成され、それから本発明の第4
の態様である細胞系が作成されることを確証した。 上記実験は、予備的実験に重要な変更を加えた後に、我々が、何が、葉緑素欠
乏および/または斑入り植物ならびに植物細胞系を作成するための有効な手順で
あるかを見出したかを示している。 我々のデータは、白色植物の頻度および斑入りの領域が、抗生物質の濃度およ
び曝露時間に依存することを示している。 アブラナ科においては、滅菌種子を高濃度の抗生物質の溶液で、比較的短時間
処理し、次いで種子を発芽させ、抗生物質のない培地で培養することにより、最
もよい結果が得られた。 穀類においては、最も効率のよい方法は、種子をストレプトマイシンに浸漬し
、次いで処理した種子をストレプトマイシンを阻害濃度で含む培地に植えること
であった。続いて、白色化した種苗を抗生物質を含まない培地に移し、安定して
繁殖させた。また、発芽した種子を熱ショックまたは冷ショックに付すことによ
ってもインビトロで繁殖しうるアルビノ植物を作成することができた。
【図面の簡単な説明】
例示として、添付の図面に関してさらに詳しく説明する。
【図1】 実施例1においてBrassica napusの種子から誘導された植物の写
真である。
【図2】 実施例1においてBrassica napusの黄緑色およびアルビノ植物の
プラスチドの改変された超微細構造を説明する写真である(バー=0.25μm
)。
【図3】 実施例1におけるBrassica napusおよびArabidopsis thalianaの
緑色および葉緑素欠乏植物のタンパク質のSDS−PAGEゲル(A)とイムノ
ブロット実験(B)の写真である。
【図4】 実施例1の植物細胞におけるプラスチドリボソームRNAレベル
を説明するアガロースゲルの写真である。
【図5】 実施例1の植物細胞におけるアントシアニンおよび葉緑素レベル
を説明する吸収スペクトルである。
【図6】 実施例5においてスペクトマイシンで処理した植物の写真である
【図7】 ストレプトマイシンで処理した安定(A)および斑入り(B,C
)の穀類植物(大麦)の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ミハイロ・コンスタンティノビッチ・ズブ コ イギリス、エム33・2イーエス、チェシャ ー、セール、ブロード・ロード59番、フラ ット5 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD12 AD15 AD20 CB02 CD03 CD06 CD09 CD16

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物材料をプラスチドタンパク質の合成を阻害する処理に付
    し、該処理が適用されない条件下で、処理した植物材料から植物または植物細胞
    系を成長させることを特徴とする、安定な葉緑素欠乏植物および植物細胞系の作
    成方法。
  2. 【請求項2】 植物および/または植物細胞系を植物ホルモンを含む培地で
    成長させる、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 植物材料をプラスチドタンパク質の合成を阻害する処理に付
    し、植物ホルモンを含む成長培地中で、処理した植物材料から植物または植物細
    胞系を成長させることを特徴とする、安定な葉緑素欠乏植物および植物細胞系の
    作成方法。
  4. 【請求項4】 プラスチドタンパク質合成の阻害が、葉緑体を形成する能力
    が不可逆的にブロックされるように行われる、請求項1〜3のいずれかひとつに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 プラスチドタンパク質合成の阻害が、プラスチドゲノム発現
    またはプラスチドタンパク質合成のインヒビターによって行われる請求項1〜4
    のいずれかひとつに記載の方法。
  6. 【請求項6】 インヒビターが、プラスチドリボソームの機能を破壊する、
    請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 インヒビターが、スペクチノマイシンまたはストレプトマイ
    シンまたは極端な温度である、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 植物材料が、アブラナ科の植物である前記請求項のいずれか
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】 植物がBrassica napus(セイヨウアブラナ)、Brassica rap
    a(カブラ)、Brassica oleracea(キャベツ)、Brassica nigra(クロガラシ)
    およびArabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)のひとつである請求項8に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 植物材料が、イネ科の植物である請求項1〜8のいずれか
    ひとつに記載の方法。
  11. 【請求項11】 植物が、Zea mays(トウモロコシ)、Hordeum vulgare( オオムギ)およびTriticum aestivum(コムギ)のひとつである請求項10に記 載の方法。
  12. 【請求項12】 植物材料が、ナス科の植物である請求項1〜8のいずれか
    ひとつに記載の方法。
  13. 【請求項13】 植物が、Lycopersicon esculentum(トマト)およびSolan
    um tuberosum(ジャガイモ)である請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 植物材料が、キク科の植物である請求項1〜8のいずれか
    ひとつに記載の方法。
  15. 【請求項15】 植物が、Helianthus annus(ヒマワリ)である請求項14
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 プラスチドタンパク質合成が阻害されたことにより、葉緑
    素欠乏であり、かつ安定な植物。
  17. 【請求項17】 プラスチドタンパク質合成が阻害されたことにより、斑入
    りであり、かつ安定な植物。
  18. 【請求項18】 プラスチドタンパク質合成が阻害されたことにより、葉緑
    素欠乏であり、かつ安定な植物細胞系。
  19. 【請求項19】 ドナー細胞からの細胞質と、請求項18に記載の細胞また
    は請求項16および17に記載の植物から誘導された細胞からの核ゲノムとを合
    わせることを特徴とする、融合細胞の形成方法。
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