JP2001516523A - 差動信号表現を用いたディジタル補聴器 - Google Patents

差動信号表現を用いたディジタル補聴器

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Abstract

(57)【要約】 補聴システムが、その入力における音響情報をその出力において電気信号に変換するための入力トランスデューサと、その入力における入力トランスデューサから出力された電気信号をサンプリングし、その出力において差動信号サンプルを出力する差動アナログ−デジタル変換器と、差動アナログ−デジタル変換器の出力に接続された入力を有し、差動信号サンプル上で作用してその出力において処理済み差動信号サンプルを形成するデジタル信号処理回路と、その入力における電気信号をその出力において音響信号に変換するための出力トランスデューサと、を備えており、処理済み差動信号サンプルは出力トランスデューサの入力に結合されている。

Description

【発明の詳細な説明】 差動信号表現を用いたディジタル補聴器 発明の背景 1.発明の範囲 本発明は、聴覚障害者が使用するための電子的補聴器装置に関し、また聴覚を 補助する方法に関する。さらに詳細には、本発明は、かかる装置及び方法におけ るディジタル信号処理のための差動信号サンプリングの使用に関する。 2.先行技術 従来の補聴器システムでは、補聴器は典型的には、入力トランスデューサと、 信号処理回路と、出力トランスデューサとを含んでいる。入力トランスデューサ によって検出された音響エネルギーは、音響エネルギーを表現する電気信号に変 換される。補聴器使用者の聴覚不足を補うため、信号処理回路はその電気信号を 修正する。信号処理は、単一の周波数帯でも複数の周波数帯でも行われ、また線 形、非線形の何れでもあり得る。出力トランスデューサは、処理された信号を、 補聴器使用者の耳によって検出されるもとの音響エネルギーに変換する。 補聴器において信号処理を実行するための技術上周知である方法の一つに、デ ィジタル信号処理(DSP)がある。入力トランスデューサからの出力は典型的 にはアナログ電気信号であるため、アナログ電気信号は、アナログ・ディジタル (A/D)変換器によってディジタル信号に変換される。DSPオペレーション の実行精度は、概して2つの事項に依存している。その1つはオペレーション自 体の精度であり、2つ目は、DSPオペレーションへと供給される信号の各ディ ジタルサンプルを表現するためにA/D変換器から出力されるディジタルビット 数である。従って、サンプルの精度及び信号を処理しうる正確さを増大させるた めには、より多くのビットが使用される。 DSP技術を使用した従来型の補聴器システムでは、A/D変換は、フラッシ ュ又は並列変換器、反復式変換器、傾斜式又は階段式変換器、トラッキング変換 器、積分変換器及び積分器を伴ったシグマ−デルタ変換器を含む数多くの一般的 なA/D変換器のうちの何れか1つを使用して行うことができる。 DSPオペレーションは、A/D変換器のディジタル出力上で実行され、アナ ログ入力信号の全振幅を表示する。正確なDSPオペレーションのために十分な ビット数を有することを目指しながらも、最少のビット数を使用することには重 要な優位点がある。第1の優位点は、処理するビット数が少ないほど、信号の入 力、出力及び修正を実行するための回路のエネルギー消費量が低減することにあ る。第2の優位点は、信号の入力、出力及び修正を実行する回路の複雑さもやは り低減することにある。補聴器システムにおいては、装置のサイズと装置の電力 消費量の双方を最小にすることが重要な目的である。 また、聴力障害を有する個々人においては、全ての音声スペクトルを通じて聴 力障害の度合いが同じではないことが認識されている。従って、異なる周波数帯 の音声信号が別々の各周波数帯において、その特定の周波数帯における聴力障害 を補償するために選択されたパラメータに従ってディジタル信号処理される。 各周波数帯におけるDSPは線形又は非線形の何れでもあり得るが、DSPが 非線形である場合には、線形システムでは遭遇することのない問題に対処しなけ ればならない。線形システムでは、幾つかの周波数帯に分割された後に各周波数 帯において線形且つディジタル処理された信号が、「線形重畳の法則」に従って DSPの後に合計し直される。 非線形システムでは、一般化された重畳の法則が存在しないことが知られてい る。オッペンハイム(Oppenheim)外著「多重化され重畳された信号の 非線形濾波」IEE会報第56巻、1264−1291頁、1968年8月、に は、非線形システムにおける重畳のための規則を提供する一方法について述べら れており、変換後に線形として処理することのできるクラスの非線形システムの ための一般化された重畳法則が提案されている。このクラスの非線形システムは 、準同形システムと呼ばれる。準同形システムの一例は米国特許第5,500, 902号に見い出すことができるが、同特許では、各周波数帯における入力信号 の対数がまず、入力信号に対してさらなる信号処理が実行される前に求められる 。次いで、処理された信号の真数が求められ、各周波数帯からの信号が合計され る。 従って、本発明の1つの目的は、補聴器システムによって処理される信号のサ ンプル値ディジタル表現におけるビット数を最小にすることにある。 本発明の他の目的は、連続するアナログ入力信号サンプル間の差分をサンプル 値ディジタル信号として表示することにより、信号のサンプル値ディジタル表現 におけるビット数を最小にすることにある。 本発明のさらに他の目的は、差動ディジタル信号サンプルを多帯域補聴器シス テムにおいてディジタル信号として使用することにある。 本発明のさらなる目的は、差動ディジタル信号サンプルを多帯域音声処理シス テムにおいてディジタル信号として使用することにある。 従って、差動信号サンプル表示によるDSPオペレーションにおいて準同形変 換を使用することにより、多帯域補聴器を実施することが本発明の1つの目的で ある。 本発明の他の目的は、差動信号サンプル表示による非線形DSPオペレーショ ンを使用して多帯域補聴器を実現することにある。 本発明のさらなる目的は、差動信号サンプル表示による非線形DSPオペレー ションを使用して多帯域音声処理システムを実現することにある。 本発明のさらなる目的は、差動信号サンプル表示による非線形DSPオペレー ションのためのテーブル索引を使用して多帯域補聴器を実現することにある。 本発明のさらに他の目的は、差動信号サンプル表示によるDSPオペレーショ ンのためのテーブル索引を使用して多帯域音声処理システムを実現することにあ る。 本発明のさらなる目的は、出力トランスデューサが差動ディジタル信号に比例 する幅を有するパルスによって駆動されるような音声処理システムを実現するこ とにある。 発明の簡単な説明 本発明の第1態様においては、聴覚障害者のための補聴システムは差動信号サ ンプリングを使用しており、入力部分における音声情報を出力部分における電気 信号に変換するための入力トランスデューサと、入力トランスデューサの出力に 接続された入力を有し、電気信号をサンプリングして出力において差動信号サン プルを生成する差動A/D変換器と、補聴器使用者のニーズに従って差動サンプ ル値信号を修正するためのディジタル乗算自動利得制御回路とを備え、ディジタ ル乗算自動利得制御回路は、一次関数、準同形変換を伴う非線形関数、非線形関 数又はテーブル索引を実施することができる。積分器はディジタル乗算自動利得 制御回路の出力に接続されていて連続する処理済みのディジタル信号サンプルを 合計し、入力を有するD/A変換器が積分器の出力に接続されている。D/A変 換器の出力は、出力トランスデューサの入力に接続されている。本発明の本態様 の代替実施形態では、積分器及びD/A変換器が省略されており、入力を有する パルスコーダはディジタル乗算自動利得制御回路の出力に接続されている。パル スコーダの出力は、出力トランスデューサの駆動用として使用されるドライバ増 幅器に接続されている。 本発明の第2の態様によれば、聴覚障害者のための補聴システムは差動信号サ ンプリングを採用している。この補聴システムでは、入力における音響情報を出 力における電気信号に変換するための入力トランスデューサが供給されている。 差動A/D変換器は、入力トランスデューサの出力に接続された入力と出力とを 有する形で供給されている。複数のディジタル帯域通過フィルタは、各々が差動 A/D変換器の出力に接続された入力を有する形で供給されている。本発明のあ る好適な実施形態は、9−15・1/2オクターブの帯域通過フィルタを使用し 、約200−10,000Hzの帯域幅に渡って作動する。フィルタは、500 Hzから10,000Hzまでの帯域に渡って、1/2オクターブの倍数の帯域 幅で設計されている。単一の帯域フィルタは0−500Hzである。複数のディ ジタルAGC回路が提供されており、個々のディジタルAGC回路は各々異なる 1つの第1帯域通過フィルタに関係づけられ、その関係づけられたディジタル帯 域通過フィルタの出力に接続された入力と、他方の各乗算自動利得制御回路の出 力に付加されてフィルタバンクの出力を形成する出力とを有しており、各ディジ タル乗算自動利得制御回路は、一次関数、準同形変換を伴う非線形関数、非線形 関数又はテーブル索引を実施することができる。積分器はフィルタバンクの出力 に接続され、連続する処理済みのディジタル信号サンプルを合計する。D/A変 換器は、入力を積分器の出力に接続され出力を出力トランスデューサの入力に接 続 されて供給されている。本発明の本態様の代替実施形態では、積分器及びD/A 変換器が省略され、入力を有するパルスコーダはフィルタバンクの出力に接続さ れている。パルスコーダの出力は、出力トランスデューサの駆動用として使用さ れるドライバ増幅器に接続されている。 本発明の第3の態様では、聴覚障害者のための補聴システムは差動信号サンプ リングを採用している。この補聴システムでは、入力における音響情報を出力に おける電気信号に変換するための入力トランスデューサが供給されている。差動 A/D変換器は、入力トランスデューサの出力に接続された入力と出力とを有す る形で供給されている。第1の複数のディジタル帯域通過フィルタは、各々が差 動A/D変換器の出力に接続された入力を有する形で供給されている。第1の複 数のディジタルAGC回路が提供されており、個々のディジタルAGC回路は各 々異なる1つの第1帯域通過フィルタに関係づけられ、その関係づけられたディ ジタル帯域通過フィルタの出力に接続された入力と第1総和関数に接続された出 力とを有しており、各ディジタル乗算自動利得制御回路は、一次関数、準同形変 換を伴う非線形関数、非線形関数又はテーブル索引を実施することができる。入 力を有する第1積分器は第1総和関数の出力に接続され、出力は第1D/A変換 器に接続されている。第1D/A変換器の出力は、第1出力トランスデューサの 入力に接続されている。本発明の本態様の代替実施形態では、第1積分器及び第 1D/A変換器が省略され、入力を有するパルスコーダは第1総和関数の出力に 接続されている。パルスコーダの出力は、出力トランスデューサの駆動用として 使用されるドライバ増幅器に接続されている。第2の複数のディジタル帯域通過 フィルタは、各々が差動A/D変換器の出力に接続された入力を有する形で供給 されている。第2の複数のディジタルAGC回路が提供されており、個々のディ ジタルAGC回路は各々、異なる1つの第2ディジタル帯域通過フィルタに関係 づけられ、その関係づけられたディジタル帯域通過フィルタの出力に接続された 入力と第2総和関数に接続された出力とを有しており、各ディジタル乗算自動利 得制御回路は、一次関数、準同形変換を伴う非線形関数、非線形関数又はテーブ ル索引を実施することができる。入力を有する第2積分器は第2総和関数の出力 に接続され、出力は第2D/A変換器に接続されている。第2D/A変換器の 出力は、第2出力トランスデューサの入力に接続されている。本発明の本態様の 代替実施形態では、第2積分器及び第2D/A変換器が省略され、入力を有する パルスコーダは第2総和関数の出力に接続されている。パルスコーダの出力は、 出力トランスデューサの駆動用として使用されるドライバ増幅器に接続されてい る。第1出力トランスデューサは、電気エネルギーを効果的により少ない周波数 の音響エネルギーに変換するように構成され、第2出力トランスデューサは、電 気エネルギーを効果的により高い周波数の音響エネルギーに変換するように構成 されている。第1及び第2の複数のディジタル帯域通過フィルタの帯域周波数領 域は各々、第1及び第2出力トランスデューサの周波数応答に適合するように選 択される。 図面の簡単な説明 図1Aは、本発明による差動信号サンプリングを使用した補聴システムのブロ ック図である。 図1Bは、本発明による差動信号サンプリング及び出力パルス幅変調を使用し た補聴システムのブロック図である。 図2Aは、バイアスを除去するためのロスを有する本発明における使用に適し た積分器回路の状態図である。 図2Bは、本発明における使用に適したドライバ増幅器の図式的ダイアグラム である。 図3は、本発明による差動信号サンプリングを使用した多帯域補聴システムの ブロック図である。 図4Aは、本発明の好適な実施形態による典型的な乗算AGC回路のさらに詳 細なブロック図である。 図4Bは、本発明の同等実施形態による典型的な乗算AGC回路のさらに詳細 なブロック図である。 図5は、図4Aの乗算AGC回路に使用されるフィルタの応答特性を示す図で ある。 図6Aは、対数関数が低域通過フィルタ関数に続いて行われる本発明による乗 算AGC回路の代替実施形態を示すブロック図である。 図6Bは、図6Aの乗算AGC回路の代替実施形態を示すブロック図である。 図7Aは、修正されたソフトリミタをさらに含む本発明による乗算AGC回路 の代替実施形態を示すブロック図である。 図7Bは、図7Aの乗算AGC回路の代替実施形態を示すブロック図である。 図8は、2つの電気信号−音響エネルギートランスデューサを有し、差動信号 サンプリングを使用する本発明に一致する補聴システムのブロック図である。 図9は、2つの電気信号−音響エネルギートランスデューサを有し、差動信号 サンプリング及び出力パルス幅修正を使用する本発明に一致する補聴システムの ブロック図である。 好適な実施形態の詳細な説明 一般的な当業者には、本発明に関する以下の説明が単に例示的なものであって 、如何なる場合も限定的なものではないことが理解されるであろう。こうした当 業者には、本発明の他の実施形態も容易に示唆されるであろう。 本発明では、連続するディジタル信号サンプル間の振幅の差を使用して、試料 採取された信号が表現される。これを行うために、先行技術による補聴器におい て見い出されるような全振幅A/D変換器ではなく、差動A/D変換器が使用さ れている。本明細書に開示されている本発明の実施形態では、差動信号サンプル の使用が、ディジタル信号サンプルを希望の精度で表現するために必要なビット 数を低減している。これにより、電力消費量及び回路の複雑さが低減される。 図1Aを参照すると、本発明による補聴器システム10のブロック図が示され ている。図1Aでは、入力トランスデューサ12は、音響エネルギーをその音響 エネルギーを表すアナログ電気信号、s(t)、に変換する。アナログ電気信号 は、差動A/D変換器14によって差動信号サンプル、Δs(n)、に変換され る。差動A/D変換器14は、デルタ変調、デルタ−シグマ変調、適応デルタ変 調及び適応差動パルス−コード変調を使用する装置を含む数種の周知の差動A/ D変換器のうちの何れでもよい。 先行技術によるシステムでは、こうしたA/D変換器の後に、信号の全幅表現 を供給するための積算フィルタが続いていることが認識されなければならない。 差動A/D変換機構は一般的な当業者には周知であり、発明を不明瞭にすること を避ける意味で本明細書では詳述しない。デルタ−シグマ変調を使用する差動A /D変換の好適な実施形態は、本発明と同じ譲受人に譲渡され、参照用として本 明細書に特に編入されている1996年10月23日提出の米国特許出願第08 /731,963号において見い出すことができる。 差動A/D変換器14の出力、Δs(n)、はDSP回路16に供給され、D SP回路16は、信号を補聴器使用者のニーズに応じて設定されたパラメータに 従って修正する。本発明によれば、DSP回路16は、一次関数、準同形変換を 伴う非線形関数、非線形関数又はテーブル索引を実施することができる。本明細 書では、非線形準同形の事例及び非線形事例の場合のDSP回路16の実施例に ついて開示する。 先行技術によるDSPを基礎とする補聴器回路とは対照的に、DSP回路16 は信号の全幅表示に必要な動的範囲を処理する能力のある回路実施を必要とはせ ず、ただ差動ディジタル信号、Δs(n)、の振幅を処理する能力のある回路の 実施のみを必要とする。その結果、DSP回路16における電力消費量及び回路 複雑性は大幅に低減する。 DSP回路16の出力は、処理された差動信号サンプル、Δy(n)、である 。連続する処理された差動信号サンプル、Δy(n)、は、積分器18によって 合計される。積分器18は、一般的な当業者には周知である数種の減衰性積分器 のうちの何れでもよい。積分器18の信号フロー図は、図2に示されている。こ の信号フロー図では、信号サンプル遅延がz-1で示されている。減衰性積分器( lossy integrator)の動作は技術上周知であるため、開示内容を必要以上に煩瑣 にすることを避ける意味で本明細書では説明を省く。 積分器18の信号フロー図には、1Hzをかなり下廻るコーナー周波数を有す る高域通過フィルタ20が含まれている。高域通過フィルタのコーナー周波数は 2μf、fはサンプル周波数、である。従って、本明細書に開示された積分器1 8に対しては、公称値μ=2-15で十分である。積分器18に高域通過フィルタ 20を包含することにより、事実上、DCオフセットバイアスが除去される。高 域通過フィルタ設計の例示は、ビー・ウィドロウ(B.Widrow)外著「適 応ノイズ除去:原理と応用」IEEE会報、第63巻、第12号、1692−1 716頁、1975年12月、に開示されている。 再度図1Aを参照すると、積分器18の出力は、D/A変換器22を通じて出 力トランスデューサ24に供給され、出力トランスデューサ24は、電気信号を 音響エネルギーに変換する。D/A変換器22は、一般的な当業者にとって周知 である多くのD/A変換器のうちの1つを使用して実施することができる。同じ く一般的な当業者には理解されるように、出力トランスデューサ24は、様々な 周知の利用可能な補聴器イヤホントランスデューサ、例えばイリノイ州所在のノ ールズエレクトロニクス・オブ・イサカ社(Knowles Electron ics of Ithaca)から入手可能なモデルED1932等、のうちの 1つとすることが可能であり、較正用増幅器との結合によって、特定の電気信号 レベルの対応する特定音響信号レベルへの変換を保証している。代替として、出 力トランスデューサ24は、他のイヤホン式装置又は音声出力増幅器及びスピー カシステムとすることができる。 図1Bには、図1Aの補聴器システム10の代替実施形態が示されている。図 1Bの補聴器システム30では、補聴器システム10の積分器18及びD/A変 換器22が省略されており、処理された差動信号出力のディジタル値、Δy(n )、がパルスコーダ32によって、処理された差動信号出力、Δy(n)、に比 例する持続時間を有するディジタルパルスへと変換される。パルスコーダ32の 出力パルスは、出力トランスデューサ24の駆動に使用されるドライバ増幅器3 4を制御する。積分器18及びD/A変換器22をなくすことにより、差動信号 の表示に要するビット数が少なくなり、より粗い差動信号間の時間スロットを使 用することができる。 出力トランスデューサ24の直接駆動のためのパルス幅生成における処理され た差動信号出力、Δy(n)、の使用は、出力トランスデューサ24固有の積算 的性質を利用したものである。出力トランスデューサ24の駆動におけるディジ タルパルス幅の使用は、本発明においては音響入力の差動信号表現が音響入力振 幅自体ではなく音響入力振幅の時間微分であるという事実による帰結である。先 行技術においては、周波数が拡声器の共振を下廻っている限り、拡声器からの音 響振幅は、周波数に関わらず拡声器のスピーカを駆動する電圧に比例することが 十分に受容されている。これに対して本発明の場合、トランスデューサ共振より 下の密閉された耳管では、音響振幅ではなく音響振幅の時間微分が出力トランス デューサ24の駆動電圧に比例することが認識されている。 一般的な拡声器では、軽量コーンが磁場における音声コイルによって駆動され る。コーンはピストンとして作用し、接触する空気の速度を設定する。自由空間 における一般的な音波の場合、音の速度範囲は周波数に関わりなく音圧(振幅) に比例する。音声コイルをリンクするフラックスjはコーンの位置xに比例する ため、フラックスjの時間導関数及びそれ故のコイルを通じた電圧は、位置xの 時間導関数又は速度に比例する。従って、拡声器からの音響振幅は、スピーカを 駆動する電圧の振幅に比例する。 しかしながら、補聴器が完全に耳管内にあって残りの空間が故意に小さくされ 外部に繋がっていないような場合には、出力トランスデューサの駆動電圧と音響 振幅との間の関係が大いに異なる。こうした構造では、トランスデューサの共振 を下廻る周波数において、捕捉された空気が動作するトランスデューサ部材に対 するスプリングとして作用する。結果的には、音圧(振幅)はトランスデューサ の動作部材の位置に比例する。従ってこれは、音圧自体であるよりも音圧の時間 導関数であって速度に比例する。 出力トランスデューサ24は、音圧の時間微分(処理された差動信号サンプル )を表示するパルス幅を積算して耳管圧力形式の滑らかな関数にする。ナイキス トサンプリング定理を満足させるために、パルスコーダ32からのパルスの反復 速度は、DSP16が通過する最高周波数の2倍を上廻るものでなければならな い。反復速度は、便宜的にDSP16のサンプルレートと同じにすることができ る。 図2Bには、本発明における使用に適したドライバ増幅器34が示されている 。図2Bが示すドライバ増幅器34は、技術上周知の効率的なドライバ増幅器で ある。一般的な当業者には、ドライバ増幅器34の他の実施形態をも実行可能で あることが理解されるであろう。ドライバ増幅器34では、第1及び第2Pチャ ン ネルMOSトランジスタ34−1及び34−2のソースは正電圧供給レールに接 続され、第1及び第2NチャンネルMOSトランジスタ34−3及び34−4の ソースは負電圧供給レールに接続されている。第1PチャンネルMOSトランジ スタ34−1のドレーンと第1NチャンネルMOSトランジスタ34−3のドレ ーンとの接続によって形成される共通ノードは出力トランスデューサ24の第1 入力に接続され、第2PチャンネルMOSトランジスタ34−2のドレーンと第 2NチャンネルMOSトランジスタ34−4のドレーンとの接続によって形成さ れる共通ノードは出力トランスデューサ24の第2入力に接続されている。 信号パルス列をドライバ増幅器34の何れかの電源レールへと所定時間駆動す ることにより、ドライバ増幅器34のパルス幅出力は、電圧ではなく出力トラン スデューサ24を駆動するアナログ変数となる。ドライバ増幅器34は、「D級 」の増幅器である。パルス幅によって出力トランスデューサ24を駆動する場合 には、その誘導的性質故に配慮が必要である。処理された差動信号出力、Δy( n)、がプラスであれば、パルスコーダ32からの信号パルスによって、処理さ れた差動信号出力、Δy(n)、の規模に比例したパルス期間の間、第1Pチャ ンネルMOSトランジスタ34−1及び第1NチャンネルMOSトランジスタ3 4−3の両ゲートは負電圧供給レールへと駆動され、第2PチャンネルMOSト ランジスタ34−2及び第2NチャンネルMOSトランジスタ34−4の両ゲー トは正電圧供給レールへと駆動される。パルス期間が終了すると、出力トランス デューサ24に印加された電圧は、第1及び第2NチャンネルMOSトランジス タ34−3、34−4、及び第1及び第2PチャンネルMOSトランジスタ34 −1、34−2双方のゲートが正電圧供給レールへ駆動されることにより、ゼロ に設定される。 処理された差動信号出力、Δy(n)、が負の場合は、パルスコーダ32から の信号パルス列によって、処理された差動信号出力、Δy(n)、の規模に比例 したパルス期間の間、第1PチャンネルMOSトランジスタ34−1及び第1N チャンネルMOSトランジスタ34−3の両ゲートは正電圧供給レールへと駆動 され、第2PチャンネルMOSトランジスタ34−2及び第2NチャンネルMO Sトランジスタ34−4の両ゲートは負電圧供給レールへと駆動される。こうし て出力トランスデューサ24を正及び負双方の処理された差動信号出力、Δy( n)、へと駆動することにより、出力トランスデューサ24は電圧ソースによっ て常時駆動される。その結果、高電圧の誘導スパイクが生成されない。さらに、 処理された差動信号出力の信号及び規模双方の情報は、出力トランスデューサ2 4を駆動するために使用される。 次に図3を参照すると、差動信号サンプルを使用する本発明に一致した多帯域 補聴器システム40のブロック図が示されている。図3のブロック図は、多くの 点で図1のブロック図に類似している。従って、類似したブロックが実施されて おり、同一の参照番号が使用されている。図3では、入力トランスデューサ12 は、音響エネルギーを、音響エネルギーを表示するアナログ電気信号、s(t) 、に変換する。アナログ電気信号は、差動A/D変換器14によって差動信号サ ンプル、Δs(n)、に変換される。 差動信号サンプル、Δs(n)、は、参照番号42−1、42−2及び42− mで示される複数の音声帯域通過フィルタに供給され、サンプリングされた信号 がm個のチャンネルへと濾波される。本発明の好適な実施形態では、mは9乃至 15の整数、好適には9チャンネル、である。但し一般的当業者には、本発明は 、mがその他の整数であっても機能することが理解されるであろう。先行技術に よる多帯域システムにおける帯域通過フィルタとは異なり、42−1から42− mまでの帯域通過フィルタは、信号の全幅表示に必要な帯域幅を処理する能力の ある回路実施を必要とはせず、ただ差動ディジタル信号の帯域幅を処理する能力 のある回路実施を必要とするだけである。その結果、帯域通過フィルタ42−1 乃至42−m回路における電力消費量及び回路複雑性は大幅に低減する。 音声帯域通過フィルタ42−1乃至42−mは、好適には1/2オクターブ以 下、但し如何なる場合も約125Hzを下廻らない、の帯域分解能を有し、また その中心周波数が約200Hzから約10,000Hzに及ぶ全音声スペクトル に渡って対数関数的に間隔を置かれている。高忠実性補聴に向けた適正化方法は 、入力された音響的刺激を、少なくとも限界帯域幅に等しい分解能を有し、広範 囲の音声周波数スペクトルについて1/2オクターブ未満である周波数帯に分離 することである点が発見されている。音声帯域通過フィルタは、1/2オクター ブ より広い帯域幅、即ち1オクターブ辺りまで、但し性能は減衰されている帯域幅 を有することができる。1/2オクターブの帯域通過フィルタ設計は、十分に一 般的な当業者の技能レベル内にある。従って、どの特定の帯域通過フィルタの回 路設計の詳細も、こうした当業者にとっては単に設計選択上の問題でしかない。 本発明における使用に適した帯域通過フィルタ42−1乃至42−mは、通過 帯域では滑らかな周波数応答を提供し消去帯域では約65dBの拒絶を提供する 5次のチェビシェフ帯域分割フィルタとして実現されている。一般的な当業者に は、他のチェビシェフ、エリプティック、バターワース又はベッセル等のフィル タを含む、但しこれらに限定されない、幾つかの帯域通過フィルタ設計を使用可 能であることが理解されるであろう。さらに、例えばアール・エー・ゴピナス( R.A.Gopinath)著「小波とフィルタバンク−新規結果と応用」ライ ス大学博士論文、テキサス州ヒューストン、1993年5月、に開示されている ような、小波を使用して設計されたフィルタバンクは、幾つかの優位点を提供す ることができる。こうした帯域通過フィルタ設計は何れも、本明細書に開示され た本発明の概念から逸脱することなく使用することができる。一般的な当業者に は、図3では帯域通過フィルタ42−1乃至42−mが離散的に示されているが 、帯域通過フィルタ42−1乃至42−mは、マイクロプロセッサにおいて反復 的方法で差動信号サンプルを濾波する単一の回路として実現可能であることが理 解されるであろう。 個々の帯域通過フィルタ42−1乃至42−mは各々、ディジタル乗算自動利 得制御(AGC)回路44−1乃至44−mと縦続接続されている。乗算AGC 回路44−1乃至44−mは、帯域通過フィルタ42−1から42−mまでの出 力においてDSPオペレーションを実行する。乗算AGC回路44−1乃至44 −mのDSPオペレーションは、一次、非線形準同形又は非線形関数であること が可能であり、或いはテーブル索引で置換することもできる。また、帯域通過フ ィルタ42−1乃至42−mのように、ディジタル乗算AGC回路44−1乃至 44−mは、サンプリングされた信号の全幅表示に必要な帯域幅を処理する能力 のある回路実施を必要とはせず、ただ差動ディジタル信号の帯域幅を処理する能 力のある回路実施を必要とするだけである。その結果、ディジタル乗算AGC回 路44−1乃至44−mにおける電力消費量及び回路複雑性が大幅に低減する。 各チャンネルにおいて、非線形乗算AGC回路から出力された処理済みの差動 信号サンプル、Δym(n)、は、合計されて処理済みの差動信号サンプルΔy (n)を形成する。連続する処理済みの差動信号サンプルΔy(n)は、積分器 18によって合計される。積分器18の出力は、D/A変換器22を通じて出力 トランスデューサ24に供給され、出力トランスデューサ24が、電気信号を音 響エネルギーに変換する。本明細書における先の図1Bに関する説明により、一 般的な当業者には、積分器18及びD/A変換器22の省略が可能であり、また 出力トランスデューサ24は、処理された差動信号サンプル、Δy(n)、の値 に比例するディジタルパルスのパルス列を入力として使用して増幅器ドライバか らのパルスによって駆動可能であることが理解されるはずである。 一般的な当業者には、本発明の原理が聴覚障害者用の補聴以外の音声アプリケ ーションにも適用可能であることが理解されるであろう。本発明の他のアプリケ ーションの非網羅的な例としては、自動車環境等の高い雑音レベルの環境のため の音楽再生、工場環境における音声システム及び立体音響系で使用されるような グラフィックサウンド・イコライザがある。 図4A、4B、6A、6B、7A、7Bには、準同形変換を伴う本発明におけ る使用に適した非線形DSP乗算AGC回路の幾つかの実施形態が示されている 。乗算AGC回路の詳細な説明は、参照用として本明細書に編入されている米国 特許第5,500,902号に見い出すことができる。以下、テーブル索引で限 定された機能を含む非線形乗算AGC回路のオペレーションについてさらに説明 する。 図4A、4B、6A、6B、7A、7Bでは、本発明による補聴装置の回路要 素が、フィルタ、増幅器他等様々な構成要素のアナログ回路機能をエミュレート するためのディジタル回路、好適にはマイクロプロセッサ又はDSP機能を実行 する他の演算機関として実施されている。先の説明の通り、本発明においては、 着信信号は時間サンプリングされ、差動A/D変換技術を使用してディジタル化 される。A/D変換器からの差動サンプルは、連続する信号サンプル間の振幅の 差を表している。DSP実行に使用される回路は、連続する信号サンプル間の振 幅差の表示に必要なビット数を処理できるだけの帯域幅を有していればよい。差 動サンプルA/D変換器の使用により、電力消費量は大幅に低下し、関連回路の 複雑さが低減する。 次に図4Aを参照すると、本発明の好適な実施形態による典型的な乗算AGC 回路44−mのより詳細な概念的ブロック図が示されている。先にも述べたよう に、乗算AGC回路は周知の技術である。本発明において機能する例示的な乗算 AGC回路は、ティー・ストッカム・ジュニア(T.Stockham,Jr. )の論文「一般化された線形性の自動利得制御への適用」音声及び電気音響学に 関するIEEE会報、AU−16(2):267−270頁、1968年6月、 に開示されている。こうした乗算AGC回路の類似した実施形態は、オッペンハ イム(Oppenheim)外に与えられた米国特許第3,518,578号に おいて見い出すことができる。 概念上、本発明で使用可能な乗算AGC回路44−mは、増幅器50において 音声帯域通過フィルタ42−mのうちの1つの出力から入力信号を受信する。増 幅器50は、1/emaxの利得を有するように設定されている。但し、emaxはA GC利得が適用される音声包絡線の最大値である(即ち、emaxを上廻る入力レ ベルでAGCが起こる)。本発明による装置における各帯域セグメント内では、 emax量は、利得が適用される予定の最大音響強度である。emaxのこの利得レベ ル(患者の聴覚学的診察によって決定される)は、音の上部快適レベルに相当す ることが多い。DSP実施においては、増幅器50は、入力信号を1つの入力項 として、また定数1/emaxを他の入力項として有する乗算器機能とすることが できる。 増幅器50の出力は、「LOG」ブロック52で処理され、信号の対数が導出 される。LOGブロック52が導出する入力信号の複素対数は、1つの出力が入 力信号の符号を表し、他方の出力が入力の絶対値の対数を表している。DSP実 施においては、LOGブロック52は、マイクロプロセッサ又は技術上周知であ る類似の演算機関上で実行され、もしくはテーブル索引等の他の同等手段からの ソフトウェアサブルーチンとして実施することができる。こうした実施の例は、 ドナルド・イー・クヌース(Donald E.Knuth)著「コンピュータ プログラミング技術 第1巻:基本アルゴリズム」アディソン−ウェズレイ・パ ブリシング、21−26頁、1968年、及びエム・エイブラモイッツ(M.A bramowitz)、アイ・エー・ステガン(I.A.Stegun)共著「 数学的機能ハンドブック」米国商務省規格局、応用数学シリーズ55、1968 年、に見い出される。一般的な当業者には、増幅器50の利得を1/emaxに設 定すれば、増幅器50の出力(入力がemax未満の場合)は絶対に1より大きく なることはなく、LOGブロック52からの対数項は常時0以下であることが理 解されるであろう。 その入力信号の符号情報を包含するLOGブロック52の第1出力は遅延ブロ ック54に提示され、入力信号の絶対値の対数を表すLOGブロック52の第2 出力は、好適には図5が示すような特性を有するフィルタ56に提示される。概 念上、フィルタ56は、高域通過フィルタ58と、Kに等しい利得を有する増幅 器62を従えた低域通過フィルタ60との両方を備えることができる。一般的な 当業者には理解されるように、高域通過フィルタ58は、その入力から低域通過 フィルタ60の出力を減じることによって合成することができる。 高域通過フィルタ58と低域通過フィルタ60は共に、特定のアプリケーショ ンによって決定される遮断周波数を有している。補聴システムアプリケーション においては、公称遮断周波数は約16Hzであるが、低域通過フィルタ60に関 してはこの他に、処理される周波数帯域に関係づけられた限界帯域幅の約1/8 までを本発明の概念から逸脱することなく選択することができる。一般的な当業 者には、図5が示すもの以外の応答曲線を有するフィルタを本発明に使用可能で あることが理解されるであろう。例えば、本発明の他の非音声アプリケーション では、16Hzより高い、或いは低い遮断周波数を必要とする場合がある。その 他の例として、処理される周波数チャンネルに関係づけられた限界帯域幅の1/ 8に等しい低域通過フィルタ60の場合の遮断周波数の実施は、射撃、ハンマー 打ち又は自動車のバックファイア等の過渡的音響入力に対するより迅速な適応に 配慮している。 遅延回路54に供給されるLOGブロック52の符号出力は、値1又は0を有 しており、LOGブロック52への入力信号の符号の記録に使用される。この遅 延54により、入力信号の符号は入力信号の振幅の絶対値を表すデータと同時に EXPブロック64に供給され、出力に適正な符号が生じる。本発明においては 、遅延は高域通過フィルタ58の遅延に等しくされている。 一般的な当業者には、増幅器及びDSPフィルタの実施には多くの設計が存在 し、また本明細書において記述されたフィルタ設計はこうした利用可能な設計の 中から選択可能であることが理解されるであろう。本発明のディジタル実施にお いては、増幅器62は、入力信号を1つの入力項として、また定数Kを他の入力 項として有する乗算器機能とすることができる。DSPフィルタ技術は、一般的 な当業者には十分に理解されるものである。 高域通過フィルタ58と増幅器62の両出力は結合され、LOGブロック52 の未修整出力と共にEXPブロック64の入力に提示される。EXPブロック6 4は、信号を処理して指数関数を供給する。本発明によるDSP実施においては 、EXPブロック64は、技術上周知である、或いはテーブル索引等の他の同等 手段からのソフトウェアサブルーチンとして実施することができる。この機能の 周知の実施形態は、クヌース(Knuth)及びエイブラモイッツ(Abram owitz)外による参考文献、及び先に引用した米国特許第3,518,57 8号に記述されている。 音響エネルギーが2要素の積として概念化され得ることは周知である。その1 つは常にプラスであるゆっくりと変化する包絡線であってe(t)と表記され、 2つ目は高速で変化するキャリアであってv(t)と表記される。合計音は、以 下のように表すことができる。 s(t)=e(t)・v(t) 音のディジタルサンプルをs(n)、但しnはサンプル指数、で表すと、合計 音は以下のように表される。 s(n)=e(n)・v(n) 音声波形は必ずしも正ではない(即ちv(n)は時間の半分は負である)ため 、LOGブロック52の出力におけるその対数は、実部と虚部を有する。LOG ブロック52がs(n)の絶対値を処理するように構成されていれば、その出力 は、log(e(n)/emax)とlog|v(n)|の合計となる。log| v (n)|は高周波数を包含するため、これは事実上変質されることなく高域通過 フィルタ58を通過する。要素log(e(n)/emax)は低周波数要素を含 んでいるため、低域通過フィルタ60を通過して増幅器62からKlog(e( n)/emax)として表出する。従って、EXPブロック64の出力は以下のよ うになる。 (e(n)/emaxK・v(n) K<1のときは、図4Aの乗算AGC回路44−mにおける処理が圧縮機能を 実行することが分かる。一般的な当業者には、こうしたK値を使用する本発明に よる実施形態は補聴以外のアプリケーションにも有益であることが理解されるで あろう。 補聴システムとして使用される本発明による好適な実施形態では、Kはほぼ0 と1の間とすることができる。数値Kは各聴覚障害者の各周波数帯で異なり、以 下のように定義することができる。 K=[1−(HL/(UCL−NHT)] 但し、HLは限界値における聴覚ロス(単位dB)、UCLは上側の快適レベル (単位dB)、NHTは正規聴覚限界値(単位dB)である。従って、本発明に よる装置は、診察による決定の通りに着用者の個々の聴覚障害に適合するように 注文製造することができる。本発明における乗算AGC回路44−mは、上側の 音声快適レベルでは信号強化の利得を供給せず、正規聴覚限界に関係づけられた 信号強化で聴覚ロスに等しい利得を供給する。 EXPブロック64の出力は利得emaxを有する増幅器66に供給され、信号 が再度基準化されて先に増幅器50で1/emaxにより基準化されている入力レ ベルに適正に一致される。増幅器50及び66は、今も説明したようにその利得 の相異を除けば、類似した構造である。 図4Bは、図4Aが示す回路の変形例のブロック図である。一般的な当業者に は、増幅器50を除去することが可能であり、またその利得(1/emax)は、 減算器回路68において低域通過フィルタ60の出力からlog emaxの値を減 じることにより等しく実施可能であることが理解されるであろう。同様に、図4 Bでは増幅器66が除去されており、またその利得(emax)が、加算器回路 70において増幅器62からの出力にlog emaxの値を加えることにより、本 発明の概念から逸脱することなく等しく実施されている。図4Bのディジタル実 施形態では、log emaxの量を単に減じる/加えることにより減算又は加算を 達成することができる。 K>1のときは、AGC回路44−mがエキスパンダとなる。こうした回路の 有益なアプリケーションは、希望の信号を拡張することによる雑音低下を含んで いる。 一般的な当業者には、Kが負(ほぼ0乃至−1である典型的な有効範囲内)の とき、ソフトな音は大きくなり、大きい音はソフトになることが理解されるであ ろう。このモードでの本発明による有益なアプリケーションには、音のより大き い信号と同じ信号回線上の低音量音声信号の了解度を向上させるシステムが含ま れる。 情報AGCは1968年以降文献に記載されており、また補聴器回路の候補と されてきたという事実にも関わらず、補聴器に関する文献ではほとんど無視され てきた。但し、研究者達は、何らかの形の周波数依存利得が必要である点につい ては同意している。しかしこの同意でさえも、数個を越える帯域が使用される場 合には、AGCを有するフィルタバンクは音声了解度を破壊するであろうという 認識によって曖昧にされている。アール・プロンプ(R.Plomp)著「変調 −伝達関数に照らした補聴器における振幅圧縮のマイナス効果」アメリカ音響協 会ジャーナル83、2322−2327頁、1983年6月6日、等を参照する こと。音声スペクトルに渡る複数のサブバンドに対して別個に構成された情報A GCを本発明に従って使用可能であるという理解は、実質的な技術上の進歩であ る。 次に参照する図6Aには、本発明による乗算AGC回路44−mの代替実施形 態のブロック図が示されている。この実施形態では、低域通過フィルタ関数の次 に対数関数が続いている。一般的な当業者には、図4Aの回路の対応ブロックの 場合と同じ機能を有する図6Aの回路の個々のブロックが、図4Aのブロックの うちの対応するものの場合と同じ要素から構築可能であることが理解されるであ ろう。 図4Aの乗算AGC回路44−mと同様に、図6Aの乗算AGC回路44−m は、音声帯域通過フィルタ42−mのうちの1つの出力から入力信号を受信する 。増幅器80は、1/emaxの利得を有するように設定されている。但し、emax はAGC利得が適用される音声包絡線の許容可能な最大値である。 増幅器80の出力は、絶対値回路82へと送られる。ディジタル回路では、絶 対値回路82の実施がディジタル数字の規模を採用して達成される。 絶対値回路82の出力は、低域通過フィルタ84へと送られる。低域通過フィ ルタ84は、図4Aに関連して開示されているものと同じように構築することが できる。絶対値回路82は、半波整流器、全波整流器、又は出力が適正な基準化 調整を行った入力のRMS値であるような回路として機能することができる。一 般的な当業者には、絶対値回路82と低域通過フィルタ84との組合せが包絡線 の推定を提供し、故に包絡線検出器として知られることが理解されるであろう。 包絡線検出器の複数の実施は技術上周知であり、本発明の教示から逸脱すること なく使用可能である。 ある好適な実施形態では、低域通過フィルタ84の出力は「LOG」ブロック 86で処理され、信号の対数が導出される。LOGブロック86への入力は、絶 対値ブロック82による作用のために常時正であり、故にLOGブロック86か らの位相又は符号項は使用されない。またこの場合も増幅器80の利得は1/emax に設定されているため、emax未満の入力に対する増幅器80の出力は、1を 越えることは絶対になく、LOGブロック86からの対数項は常時0以下となる 。 LOGブロック86の対数出力信号は、K−1に等しい利得を有する増幅器8 8に送られる。その利得が図4Aの増幅器50とは異なる点を除けば、増幅器5 0及び88は同様に構成することができる。増幅器88の出力はEXPブロック 90の入力に送られ、EXPブロック90は、信号を処理して指数(真数)関数 を提供する。 EXPブロック90の出力は、乗算器92において増幅器80への入力と結合 される。乗算器92の実施に際しては、多くの周知方法がある。ディジタル実施 では、これは単に乗算である。図4Aに示した実施形態の場合のように、図6A の実施形態の増幅器80への入力は、乗算器92の入力への提示の前に遅延され る。遅延ブロック94は、低域通過フィルタ84のグループ遅延に等しい遅延を 有している。 図6Bは、図6Aが示す回路の変形である回路のブロック図である。一般的な 当業者には、図6Bに示されているように、本明細書における概念から逸脱する ことなく、増幅器80を除去することが可能であり、またその利得、1/emax 、は、減算器回路96においてlogブロック86の出力からlog emaxの値 を減じることにより等しく実施可能であることが理解されるであろう。 図4A、4B、及び図6A、6Bに示された2つの乗算AGC回路44−mは 異なった方法で実施されているが、図4A及び4Bの何れかのlog−低域実施 から結果的に生じる出力と、図6A及び6Bの低域−log実施から結果的に生 じる出力とは事実上同一であり、また一方の出力が他方の出力より望ましいとは 言えないことが確定されている。事実、両出力は十分に類似したものであって、 その何れかで双方をよく表示する、と考えられている。log−低域と低域−l ogとの等価が人間の聴覚乗算AGC構成にとって適正であったかどうかを決定 するために音声データについて行われた試験の聞き取り結果は、了解度及び忠実 度が両構成においてほとんど区別不可能であったことを示している。 了解度及び忠実度は両構成において等価であるが、特定の正弦トーンに関する システム較正間の出力レベルの解析は、低域−logは較正を維持したが、lo g−低域システムの方は較正から僅かに反れたことを明らかにしている。どちら の構成も同じ聞き取り結果を与えるように思われるが、較正結果は、図6A及び 6Bの低域−log実施の方を奨励している。 本発明による多帯域乗算AGC適応圧縮方法は、明示的なフィードバック又は フィードフォワードを何も保有していない。修正されたソフトリミタの乗算AG C回路44−mへの付加により、安定した過渡的応答及び低雑音フロアが保証さ れている。図7Aには、本発明において使用するための乗算AGC回路のこうし た一実施形態が示されている。 図7Aの実施形態は図6Aが示す実施形態と類似しているが、増幅器80は絶 対値回路82へと送信する変わりに低域通過フィルタ84の後段に配置されてい る点が異なる。さらに、修正されたソフトリミタ98が、EXPブロック90と 乗算器92との間に配置されている。EXPブロック90の出力は、システムの 利得である。図7Aの回路におけるソフトリミタブロック98の挿入により、利 得が、限界における聴覚ロスの補正に必要な利得となるように設定された最大値 に限定される。 ディジタル実施においては、ソフトリミタ98は、限界における聴覚ロスの補 正に必要な、乗算器92によって実現されるべき利得値を下廻る全ての入力値に 対してソフトリミタ98への入力に等しい出力を乗算器92へと提供し、この値 を上廻る全ての入力に対して限界における聴覚ロスの補正に必要な利得値に等し い出力を乗算器92へと提供するようなサブルーチンとして実現することができ る。 一般的な当業者には、乗算器92が、その利得をソフトリミタ98によって設 定される可変利得増幅器として機能することが理解されるであろう。限界を下廻 るソフトな音に対しては、利得を限界における補聴に必要なもの以下となるよう に限定すべくソフトリミタ98を修正することがより便利ではあるが、不可欠で はない。ソフトリミタ98がそのように修正される場合は、聴覚の限界を下廻る 利得が入力レベルの僅かな変化に関連して不連続とならないことを保証するよう に配慮しなければならない。 図7Bは、図7Aが示す回路の変形例のブロック図である。一般的な当業者に は、図7Bに示されているように、本明細書における概念から逸脱することなく 、増幅器80を除去することが可能であり、またその利得関数は、減算器回路9 6においてlogブロック86の出力からlog 1/emaxの値を減じることに より等しく実施可能であることが理解されるであろう。 図4A、4B、6A、6Bの実施形態は、通常の可聴範囲内にある音響刺激強 度を聴覚障害者のための等価の知覚レベルへと正確に写像するが、これらはまた 、入力された刺激強度が限界を下廻るものであれば、増加する利得を提供する。 限界より下の音に対する利得の増加は、不快な人工的雑音がシステムに導入され 、そのために出力の雑音フロアが増大するという作用を有している。修正された ソフトリミタ98を有する図7A及び7Bの実施形態を処理の流れの中で使用す れ ば、この追加的な雑音が除去される。修正されたソフトリミタ98の使用は、沈 黙から不快な拡大音強度への転移を即座に行う音響的刺激に対するシステム応答 において過渡的オーバーシュートを除去することにより、他に有益な効果を提供 する。 ソフトリミタ98の安定化効果は、システムに適正な遅延を導入することによ っても達成することができる。但し、これには有害な副作用のある場合がある。 自らの声の耳への音声伝達が遅延されるとフィードバック遅延が発生し、これが どもった状態を誘導する可能性がある。修正されたソフトリミタ98の使用によ り、他の技術によって使用される音響遅延が除去されると同時に、安定性及び強 化された信号対雑音比が提供される。 安定性を達成するための1つの代替方法は、音声帯域通過フィルタ42−1乃 至42−mへの入力に低レベル(即ち、聴覚限界レベルを下廻る強度)の雑音を 付加するというものである。この雑音は、そのスペクトル形状が、周波数の一関 数として通常の聴覚健常者の聴覚限界曲線に従うように計量されなければならな い。これについては、図3の雑音発生器100によって略示されている。雑音発 生器100は、各音声帯域通過フィルタ42−1乃至42−mへ低レベルの雑音 を発射するものとして示されている。雑音の発生に関しては、数々の回路及び方 法が技術上周知である。 補聴のための乗算AGC全域適応圧縮は、先のFFT作業とは幾つかの重要な 方法において異なっている。本発明による多帯域乗算AGC適応圧縮技術は周波 数領域処理を使用しないが、代わりに、必要な限界帯域幅に基づく同類の、或い は等価であるQを有する時間領域フィルタを使用している。さらに、FFT方法 とは対照的に、乗算AGC適応圧縮を使用する本発明のシステムは、最小の遅延 によって、また明示的なフィードフォワード又はフィードバックなしに実施する ことができる。 先行技術によるFFT実施においては、この先行技術を使用して測定されるべ きパラメータがホン空間において同定された。多帯域乗算AGC適応圧縮を組み 込んだ本発明による好適なシステムは、元来現象論的に漸増を含んでおり、聴覚 ロス限界及び周波数の一関数としての上側の快適レベルの測定のみを必要とする 。 最終的に、本発明による多帯域乗算AGC適応圧縮技術は、修正されたソフト リミタ98又は代替的に低レベル雑音発生器100を使用する。これは、先行技 術処理によって導入された追加的な人工的雑音を除去し、音の忠実度を保持する 。しかしながら、適正な時間遅延が使用されなければ、先行技術によるFFT方 法は、沈黙から拡大音への転移の間に不安定になる。本発明による好適な乗算A GCの実施形態は、こうした遅延を使用しなくても安定している。 本発明による多帯域乗算AGC適応圧縮方法には、幾つかの優位点がある。第 1に、着用する人の限界値及び上部快適レベルを測定するだけでよい。処理され る各周波数帯に対して、同じ低域通過フィルタ設計を使用して音声刺激s(n) の包絡線、又は等価的にlog(e(n))、が求められる。さらに、この同じ フィルタ設計を使用し、先に説明したように単に低域通過フィルタの遮断周波数 を変更すれば、沈黙から拡声音への高速転移が予想されるものを含む他のアプリ ケーションへの適合が可能である。 本発明による多帯域乗算AGC適応圧縮方法は、最小の時間遅延を有している 。これは、個人が自分自身の声を脳への直接経路応答として話し、聞き、補聴器 システムを通じて処理され遅延されたエコーを受容するような場合に結果的に生 じる聴覚上の混乱をなくする。 係数emaxによる標準化は、補聴器が出力レベルを予め決められた上部快適レ ベル以上に上げる利得を提供することを数学的に不可能にするため、耳の損傷が 防止される。emaxを越える音声入力レベルに対しては、装置が音声を増幅では なく減衰させる。一般的な当業者には、出力を最大の安全レベルに限定すれば、 本明細書の概念から逸脱することなく、さらなる耳の保護を達成できることが理 解されるであろう。 各周波数帯には別々の指数定数Kが使用される。これは入力された全ての強度 レベルに対して正確に適正な利得を提供するため、線形領域と圧縮領域との間の 切換は発生せず、切換用人工物はなくされている。 本発明による多帯域乗算AGC適応圧縮方法は、明示的なフィードバック又は フィードフォワードを有していない。修正されたソフトリミタ98を付加するこ とにより、安定した一時的応答及び低雑音フロアが保証されている。乗算AGC における最小遅延と明示的フィードフォワード又はフィードバックの欠如との結 果として本発明にもたらされる先行技術を越える重大な追加的優位点は、補聴器 のマイクとスピーカの両方が耳のごく近くにあるような補聴器に典型的な不快な 音声フィードバック又は音声再生の改良にある。 先の指摘の通り、非線形システムには標準化された重畳の法則は存在しない。 本発明の他の態様によれば、音を含む特定クラスの信号に関して、DSPは非線 形であることが可能であり、サンプリングされた信号の差動表示の使用が可能で あり、付加的特性である線形重畳の法則をシステム出力に適用可能であることが 認識されている。本発明が関係するクラスの信号は、ゆっくりと変化する包絡線 を有する信号であって、ゆっくりと変化する包絡線信号がオーバーサンプリング される。 先に論じたように、音響エネルギーは、2要素の積として概念化することがで きる。その1つは、常に正であるゆっくりと変化する包絡線であってe(n)と 表記され、もう1つは高速で変化するキャリアであってv(n)と表記される。 音のディジタルサンプルはs(n)、nはサンプル指数、で示され、合計音は以 下のように表される。 s(n)=e(n)・v(n) 本発明によれば、ゆっくりと変化するオーバーサンプリングされたアナログ信 号は、包絡線信号e(t)である。ここで、tは時間を表している。アナログ信 号e(t)の連続するサンプルe(n)間の時間長は、Tで表される。 非線形DSP処理を使用する図3の多帯域システムのオペレーションは、以下 のように説明される。図3における差動A/D変換器14からの出力は、以下の 通りである。 Δs(n)=s(n)−s(n−1) (1) 音響エネルギーをs(n)=e(n)・v(n)で表すとすると、差動A/D変 換器14からの出力は、以下のように表記することができる。 Δs(n)=e(n)・v(n)−e(n−1)・v(n−1) (2) 本発明によれば、包絡線e(n)は、信号Δs(n)を低域濾波することによ り取得される。この場合、包絡線e(n)は大幅にオーバーサンプリングされる 。 16Hzの低域通過フィルタの場合、典型的にはサンプルレートが10KHZを 越える。従って、e(n−1)による包絡線サンプルe(n)の近似によって生 じるエラーがe(n)よりもかなり小さく、隣接するサンプル間の差がほぼゼロ 平均処理である限り、以下のような仮定を立てることができる。 式(3)を式(2)に代入すると、結果は以下のようになる。 ここで、式(4)は、各チャンネルのディジタル乗算AGC回路からの出力mが 以下の通りであることを表している。 包絡線部分emの指数amは、非線形関数として導出可能であることは理解され なければならない。代替として、関数全体をテーブル索引で置換することもでき る。 ゆっくりと変化する包絡線e(n)を使用する上記誘導によれば、全サンプル の総計(積算)へと続く各チャンネルの総計は、次の通りになる。 これは、本発明による多帯域サンプルシステムの再構成が、システムが線形であ るものとして行われることを示している。変数nd、m、Mは各々、差動信号サ ンプルのサンプル番号、チャンネル番号、チャンネル総数である。 積分器18及びD/A変換器22が先に示唆され、また図1Bに示されたよう に省略されていれば、チャンネルの総計は以下の通りとなる。 本発明の他の態様によれば、耳内補聴システムは2つの電気信号−音響エネル ギートランスデューサを採用している。最近の2つの開発により、2重受信機補 聴が可能となっている。その第1は、小型化された可動コイルトランスデューサ の開発であり、第2は本明細書に開示された、また1994年7月8日に提出さ れ現在は米国特許第5,500,902号となっている特許出願第08/272 ,927号にも開示され特許請求されている臨界帯域補正技術である。 図8には、2つの電気信号−音響エネルギートランスデューサを採用した耳内 補聴システム110のブロック図が示されている。ノウレス(Knowles) (又はこれに類似するもの)の従来型鉄製電機子補聴受信機のような第1の電気 信号−音響エネルギートランスデューサ112は低い周波数(例えば1kHz以 下)用にウーファとして使用され、また所定スケールの可動コイルトランスデュ ーサのような第2の電気信号−音響エネルギートランスデューサ114は高い周 波数(例えば1kHz以上)用にツィータとして使用されている。こうした装置 は両方とも、簡単に耳内に装着することができる。 携帯用電子装置のための高忠実度ヘッドホーンに対する需要は、全音声帯域( 20−20,000Hz)に渡ってフラットな応答を供給する直径1/2インチ 未満の可動コイルトランスデューサの開発に拍車を掛けている。耳管内に装着す るためには、トランスデューサは直径1/4インチ未満である必要があり、従っ て市販のトランスデューサは適用不可能である。希土類磁石を使用して市販の可 動コイルヘッドホーンの直径を3/16又はそれ以下にすれば、1kHzから人 間の聴覚の上限を遥かに越える周波数に至る優秀な効率を有するトランスデュー サがもたらされる。 図8に示された補聴システム110は、それぞれが帯域通過フィルタ及び乗算 AGC利得制御を含む処理チャンネルが2つのグループに分割されていることを 除いて、図3に示された実施形態と概念的に同一のものである。補聴システム1 10では、エレクトレットマイクロフォンが音響エネルギーを電気信号、s(t )、に変換し、前置増幅器130を介して差動A/D変換器132に供給される 。差動A/D変換器132の出力は、差動信号サンプル、△s(n)、である。 帯域通過フィルタ116−1、116−2、116−3及び乗算AGC回路11 8−1、118−2、118−3を備えた第1グループは、鉄製電機子トランス デューサ112の共振より下の周波数を有する信号を処理する。帯域通過フィル タ116−(m−2)、116−(m−1)、116−m及び乗算AGC回路1 18−(m−2)、118−(m−1)、118−mを備えた第2グループ は、鉄製電機子トランスデューサ112の共振より上の信号を処理する。 第1グループの処理チャンネルの出力は、加算要素120−1で合計される。 次いで、連続処理された差動信号サンプルは積分器122−1によって合計され 、当該積分器の出力はD/A変換器124−1を介して電力増幅器126−1に 供給され、当該電力増幅器は鉄製電機子トランスデューサ112を駆動する。第 2グループの処理チャンネルの出力は、加算要素120−2で合計される。次い で、連続処理された差動信号サンプルは積分器122−2によって合計され、当 該積分器の出力はD/A変換器124−2を介して電力増幅器126−2に供給 され、当該電力増幅器はスケール化された可動コイルトランスデューサ114を 駆動する。 帯域通過フィルタの使用によって高い構成要素及び低い構成要素への周波数分 離が達成されるような、図8に示された装置を使用すれば、クロスオーバーネッ トワークの必要がなく、システム全体が簡素化される。一般的な当業者には、第 1グループの処理及び増幅用要素は、第2グループのものと同じく、運用する周 波数帯用として特化され得ることが理解されるであろう。この特化により、実用 における電力の散逸を大幅に防ぐことができる。こうした特化の例には、設計が 特定のトランスデューサに対して最適化されている電力増幅器を使用すること、 各グループの帯域幅に適合したサンプリング率を使用すること、及び他の周知の 設計最適化が含まれている。 高周波数トランスデューサ114用の小型可動コイルトランスデューサの代替 例もまた、著者達によって成功裡に呈示されている。最新のエレクトレットは十 分に高度な静止ポラライゼーションを有しており、その電気機械式変換効率を高 周波出力トランスデューサとして有用となるように十分に高めている。こうした トランスデューサは超音波のアプリケーションでは長期に渡って使用されてきた が、補聴のアプリケーションには使われていない。こうしたエレクトレット装置 が高周波トランスデューサ64として使用される場合、一般的な当業者には、上 述の設計の特化が電力増幅器を特に強化した形で行われるべきであり、当該電力 増幅器は、可動コイルトランスデューサの場合に必要とされるものより格段に高 い電圧を供給するように特化されなければならないことが理解されるであろう。 図1Bに関して先に説明したように、信号処理回路118の差動出力に比例す る正又は負のパルス幅を使用して出力トランスデューサ112及び114を駆動 することができる。図9には、図8に示された積分器122−1、122−2、 D/A変換器124−1、124−2及び増幅器126−1、126−2を省略 された補聴システム140が示されている。補聴システム140においては、パ ルスコーダ142−1及び142−2が各々、加算要素120−1及び120− 2の出力に接続されている。パルスコーダ142−1及び142−2の出力は、 ドライバ増幅器144−1及び144−2に供給され、ドライバ増幅器144− 1及び144−2の出力は、出力トランスデューサ112及び114に接続され ている。パルスコーダ142−1、142−2及びドライバ増幅器144−1、 144−2は、図1Bに関連して説明されている通りのものである。出力トラン スデューサ112の応答がナイキストレートより上である場合には、点線のブロ ックで示されているアンチェイリアシングフィルタ146をパルスコーダ142 −1とドライバ増幅器144−1の間に配置することができる。アンチェイリア シングフィルタ146の実施は当業者にとって周知であり、ここでは開示しない 。 本発明の実施形態及びアプリケーションについて提示し、説明してきたが、当 業者には、上述のもの以外にも本明細書における発明的概念から逸脱することな く多くの改良が可能であることは明らかであろう。従って、本発明は、添付の特 許請求事項の精神以外によって制限されるべきではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デイビス,キース・エル アメリカ合衆国84108ユタ州ソルト・レイ ク・シティ、ハバード・アベニュー1980番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 補聴システムであって、 入力における音響情報を出力における電気信号に変換するための入力トランス デューサと、 入力における前記入力トランスデューサから出力された前記電気信号をサンプ リングし、差動信号サンプルをデジタル信号として出力する差動アナログ−デジ タル変換器であって、前記差動信号サンプルは前記電気信号の連続するサンプル 間の差分を表している差動アナログ−デジタル変換器と、 前記差動アナログ−デジタル変換器の前記出力に接続された入力を有し、前記 差動信号サンプルに演算を施して処理済み差動信号サンプルを生成して出力する デジタル信号処理回路と、 前記デジタル信号処理回路の前記出力に接続された入力を有し、連続する前記 処理済み差動信号サンプルの合計を出力する積分器と、 前記積分器の出力に接続された入力を有し、連続する前記処理済み差動信号サ ンプルの前記合計からアナログ信号を形成して出力するデジタル−アナログ変換 器と、 前記デジタル−アナログ変換器の出力に接続された入力を有し、前記デジタル −アナログ変換器からの前記アナログ信号をその出力において音響情報に変換す る出力トランスデューサと、を備えた補聴システム。 2. 補聴システムであって、 入力における音響情報を出力における電気信号に変換するための入力トランス デューサと、 入力における前記入力トランスデューサから出力された前記電気信号をサンプ リングし、出力において差動信号サンプルをデジタル信号として出力する差動ア ナログ−デジタル変換器であって、前記差動信号サンプルは前記電気信号の連続 するサンプル間の差分を表している差動アナログ−デジタル変換器と、 複数の帯域通過フィルタであって、各帯域通過フィルタは前記入力トランスデ ューサの前記出力に接続された入力を有し、周波数に従って前記差動信号サンプ ルを分離する複数の帯域通過フィルタと、 複数のデジタル信号処理回路であって、各デジタル信号処理回路は、複数の前 記帯域通過フィルタの異なるフィルタに接続された入力と、処理済み差動信号サ ンプルを形成するために他の全ての前記デジタル信号処理回路の前記出力と合計 される出力とを有する複数のデジタル信号処理回路と、 複数の前記デジタル信号処理回路からの前記処理済み差動信号サンプルに接続 された入力を有し、出力において連続する前記処理済み差動信号サンプルの合計 を形成する積分器と、 前記積分器の前記出力に接続された入力を有し、出力において連続する前記処 理済み差動信号サンプルの前記合計からアナログ信号を形成するデジタル−アナ ログ変換器と、 前記デジタル−アナログ変換器の前記出力に接続された入力を有し、前記デジ タル−アナログ変換器からの前記アナログ信号をその出力において音響情報に変 換する出力トランスデューサと、を備えた補聴システム。 3. 補聴システムであって、 入力における音響情報を出力において電気信号に変換するための入力トランス デューサと、 入力における前記入力トランスデューサから出力された前記電気信号をサンプ リングし、出力において差動信号サンプルをデジタル信号として出力する差動ア ナログ−デジタル変換器であって、前記差動信号サンプルは前記電気信号の連続 するサンプル間の差分を表す差動アナログ−デジタル変換器と、 第1の複数の帯域通過フィルタであって、前記第1の複数帯域通過フィルタは 交差周波数を下回る電気信号の濾波を行うためのものであり、各帯域通過フィル タは、前記差動アナログ−デジタル変換器の前記出力に接続された入力を有し、 周波数に従って前記差動信号サンプルを分離する第1の複数帯域通過フィルタと 、 第2の複数の帯域通過フィルタであって、前記第2の複数帯域通過フィルタは 前記交差周波数を上回る電気信号の濾波を行うためのものであり、各帯域通過フ ィルタは前記差動アナログ−デジタル変換器の前記出力に接続された入力を有し 、周波数に従って前記差動信号サンプルを分離する第2の複数帯域通過フィルタ と、 第1の複数のデジタル信号処理回路であって、前記第1の複数デジタル信号処 理回路における個々のデジタル信号処理回路は各々、前記第1の複数帯域通過フ ィルタの異なるフィルタに接続された入力と、第1の処理済み差動信号サンプル を形成するために他の全ての前記第1の複数デジタル信号処理回路の前記出力と 合計される出力とを有する第1の複数デジタル信号処理回路と、 第2の複数のデジタル信号処理回路であって、前記第2の複数デジタル信号処 理回路における個々のデジタル信号処理回路は各々、前記第2の複数帯域通過フ ィルタの異なるフィルタに接続された入力と、第2の処理済み差動信号サンプル を形成するために他の全ての前記第2の複数デジタル信号処理回路の前記出力と 合計される出力とを有する第2の複数デジタル信号処理回路と、 前記第1の複数デジタル信号処理回路からの前記第1処理済み差動信号サンプ ルに接続された入力を有し、出力において連続する前記処理済み差動信号サンプ ルの第1合計を形成する第1積分器と、 前記第2の複数デジタル信号処理回路からの前記第2処理済み差動信号サンプ ルに接続された入力を有し、出力において連続する前記処理済み差動信号サンプ ルの第2合計を形成する第2積分器と、 前記第1積分器の前記出力に接続された入力を有し、出力において連続する前 記第1処理済み差動信号サンプルの前記第1合計から第1アナログ信号を形成す る第1デジタル−アナログ変換器と、 前記第2積分器の前記出力に接続された入力を有し、出力において連続する前 記第2処理済み差動信号サンプルの前記第2合計から第2アナログ信号を形成す る第2デジタル−アナログ変換器と、 前記交差周波数より下の電気信号を変換するための第1出力トランスデューサ であって、前記第1デジタル−アナログ変換器の前記出力に接続された入力を有 し、その出力において前記第1デジタル−アナログ変換器からの前記第1アナロ グ信号を音響情報に変換する第1出力トランスデューサと、 前記交差周波数より上の電気信号を変換するための第2出力トランスデューサ であって、前記第2デジタル−アナログ変換器の前記出力に接続された入力を有 し、その出力において前記第2デジタル−アナログ変換器からの前記第2アナロ グ信号を音響情報に変換する第2出力トランスデューサと、を備えた補聴システ ム。 4. 補聴システムであって、 入力における音響情報を出力における電気信号に変換するための入力トランス デューサと、 入力における前記入力トランスデューサから出力された前記電気信号をサンプ リングし、出力において差動信号サンプルをデジタル信号として出力する差動ア ナログ−デジタル変換器であって、前記差動信号サンプルは前記電気信号の連続 するサンプル間の差分を表す差動アナログ−デジタル変換器と、 前記差動アナログ−デジタル変換器の前記出力に接続された入力を有し、前記 差動信号サンプルに作用して出力において処理済みの差動信号サンプルを形成す るデジタル信号処理回路と、 前記デジタル信号処理回路の前記処理済み差動信号サンプルに接続された入力 を有し、前記処理済み差動信号サンプルの各々に対して出力パルスを形成するパ ルスコーダであって、前記出力パルスは出力において前記処理済み差動信号サン プルの各々の大きさに比例した持続時間を有するパルスコーダと、 前記パルスコーダの前記出力に接続された入力を有し、出力において前記パル スコーダからの前記出力パルスの前記持続時間に比例する持続時間を有する駆動 電圧を形成するドライバ増幅器と、 前記ドライバ増幅器の前記出力に接続された入力を有し、出力において前記ド ライバ増幅器からの前記駆動電圧を音響情報に変換する出力トランスデューサと 、を備えた補聴システム。 5. 補聴システムであって、 入力における音響情報をその出力において電気信号に変換するための入力トラ ンスデューサと、 入力における前記入力トランスデューサから出力された前記電気信号をサンプ リングし、出力において差動信号サンプルをデジタル信号として出力する差動ア ナログ−デジタル変換器であって、前記差動信号サンプルは前記電気信号の連続 するサンプル間の差分を表す差動アナログ−デジタル変換器と、 複数の帯域通過フィルタであって、各帯域通過フィルタは前記入力トランスデ ューサの前記出力に接続された入力を有し、周波数に従って前記差動信号サンプ ルを分離する複数の帯域通過フィルタと、 複数のデジタル信号処理回路であって、各デジタル信号処理回路は、複数の前 記帯域通過フィルタの異なるフィルタに接続された入力と、処理済み差動信号サ ンプルを形成するために他の全ての前記デジタル信号処理回路の前記出力と合計 される出力とを有する複数のデジタル信号処理回路と、 前記デジタル信号処理回路の前記処理済み差動信号サンプルに接続された入力 を有し、前記処理済み差動信号サンプルの各々に対して出力パルスを形成するパ ルスコーダであって、前記出力パルスは出力において前記処理済み差動信号サン プルの各々の大きさに比例した持続時間を有するパルスコーダと、 前記パルスコーダの前記出力に接続された入力を有し、出力において前記パル スコーダからの前記出力パルスの前記持続時間に比例する持続時間を有する駆動 電圧を形成するドライバ増幅器と、 前記ドライバ増幅器の前記出力に接続された入力を有し、出力において前記ド ライバ増幅器からの前記駆動電圧を音響情報に変換する出力トランスデューサと 、を備えた補聴システム。 6. 補聴システムであって、 入力における音響情報をその出力において電気信号に変換するための入力トラ ンスデューサと、 入力における前記入力トランスデューサから出力された前記電気信号をサンプ リングし、出力において差動信号サンプルをデジタル信号として出力する差動ア ナログ−デジタル変換器であって、前記差動信号サンプルは前記電気信号の連続 するサンプル間の差分を表す差動アナログ−デジタル変換器と、 第1の複数の帯域通過フィルタであって、前記第1の複数帯域通過フィルタは 交差周波数を下回る電気信号の濾波を行うためのものであり、各帯域通過フィル タは、前記差動アナログ−デジタル変換器の前記出力に接続された入力を有し、 周波数に従って前記差動信号サンプルを分離する第1の複数帯域通過フィルタと 、 第2の複数の帯域通過フィルタであって、前記第2の複数帯域通過フィルタは 前記交差周波数を上回る電気信号の濾波を行うためのものであり、各帯域通過フ ィルタは、前記差動アナログ−デジタル変換器の前記出力に接続された入力を有 し、周波数に従って前記差動信号サンプルを分離する第2の複数帯域通過フィル タと、 第1の複数のデジタル信号処理回路であって、前記第1の複数デジタル信号処 理回路における個々のデジタル信号処理回路は各々、前記第1の複数帯域通過フ ィルタの異なるフィルタに接続された入力と、第1の処理済み差動信号サンプル を形成するために他の全ての前記第1の複数デジタル信号処理回路の前記出力と 合計される出力とを有する第1の複数デジタル信号処理回路と、 第2の複数のデジタル信号処理回路であって、前記第2の複数デジタル信号処 理回路における個々のデジタル信号処理回路は各々、前記第2の複数帯域通過フ ィルタの異なるフィルタに接続された入力と、第2の処理済み差動信号サンプル を形成するために他の全ての前記第2の複数デジタル信号処理回路の前記出力と 合計される出力とを有する第2の複数デジタル信号処理回路と、 前記第1の複数デジタル信号処理回路からの前記第1処理済み差動信号サンプ ルに接続された入力を有し、前記処理済み第1差動信号サンプルの各々に対して 第1出力パルスを形成する第1パルスコーダであって、前記第1出力パルスはそ の出力において前記第1処理済み差動信号サンプルの大きさに比例した持続時間 を有する第1パルスコーダと、 前記第2の複数デジタル信号処理回路からの前記第2処理済み差動信号サンプ ルに接続された入力を有し、前記処理済み第2差動信号サンプルの各々に対して 第2出力パルスを形成する第2パルスコーダであって、前記第2出力パルスはそ の出力において前記第2処理済み差動信号サンプルの大きさに比例した持続時間 を有する第2パルスコーダと、 前記第1パルスコーダの前記出力に接続された入力を有し、出力において前記 第1パルスコーダからの前記第1出力パルスの前記持続時間に比例する持続時間 を有する第1駆動電圧を形成する第1ドライバ増幅器と、 前記第2パルスコーダの前記出力に接続された入力を有し、出力において前記 第2パルスコーダからの前記第2出力パルスの前記持続時間に比例する持続時間 を有する第2駆動電圧を形成する第2ドライバ増幅器と、 前記交差周波数を下回る電気信号を変換するための第1出力トランスデューサ であって、前記第1ドライバ増幅器の前記出力に接続された入力を有し、出力に おいて前記第1ドライバ増幅器からの前記第1駆動電圧を音響情報に変換する第 1出力トランスデューサと、 前記交差周波数を上回る電気信号を変換するための第2出力トランスデューサ であって、前記第2ドライバ増幅器の前記出力に接続された入力を有し、出力に おいて前記第2ドライバ増幅器からの前記第2駆動電圧を音響情報に変換する第 2出力トランスデューサと、を備えた補聴システム。 7. 前記第1出力トランスデューサは鉄製電機子トランスデューサである請求 項3に記載のシステム。 8. 前記第1の複数帯域通過フィルタは、前記鉄製電機子トランスデューサの 最低共振周波数を下回る周波数帯における周波数を通過させる請求項7に記載の システム。 9. 前記第2の複数帯域通過フィルタは、前記鉄製電機子トランスデューサの 最低共振周波数を上回る周波数帯における周波数を通過させる請求項7に記載の システム。 10. 前記第2出力トランスデューサは可動コイルトランスデューサである請 求項3に記載のシステム。 11. 前記第2出力トランスデューサはエレクトレットトランスデューサであ る請求項3に記載のシステム。 12. 前記交差周波数は約1kHzである請求項3に記載のシステム。 13. 選択された雑音量を前記第1の複数帯域通過フィルタの各々の前記入力 、及び前記第2の複数帯域通過フィルタの各々の前記入力に注入するために接続 された雑音発生器をさらに含み、前記雑音は、そのスペクトル形状が周波数の一 関数として一般的な個々の聴覚健常者の限界聴力曲線に従うように計量されてい る請求項3に記載のシステム。 14. 前記第1及び第2の前記複数の帯域通過フィルタの数と、前記第1及び 第2の前記複数のデジタル処理回路の数とは9乃至15である請求項3に記載の 補聴システム。 15. 前記第1出力トランスデューサは鉄製電機子トランスデューサである請 求項6に記載のシステム。 16. 前記第1の複数帯域通過フィルタは、前記鉄製電機子トランスデューサ の最低共振周波数を下回る周波数帯における周波数を通過させる請求項15に記 載のシステム。 17. 前記第2の複数帯域通過フィルタは、前記鉄製電機子トランスデューサ の最低共振周波数を上回る周波数帯における周波数を通過させる請求項15に記 載のシステム。 18. 前記第2出力トランスデューサは可動コイルトランスデューサである請 求項6に記載のシステム。 19. 前記第2出力トランスデューサはエレクトレットトランスデューサであ る請求項6に記載のシステム。 20. 前記交差周波数は約1kHzである請求項6に記載のシステム。 21. 選択された雑音量を前記第1の複数帯域通過フィルタの各々の前記入力 、及び前記第2の複数帯域通過フィルタの各々の前記入力に注入するために接続 された雑音発生器をさらに含み、前記雑音は、そのスペクトル形状が周波数の一 関数として一般的な個々の聴覚健常者の限界聴力曲線に従うように計量されてい る請求項6に記載のシステム。 22. 前記第1及び第2の前記複数の帯域通過フィルタの数と、前記第1及び 第2の前記複数のデジタル処理回路の数とは9乃至15である請求項6に記載の 補聴システム。 23. 前記駆動電圧は規模と符号とを有し、前記符号は前記差動信号サンプル の符号に一致する請求項4に記載の補聴システム。 24. 前記駆動電圧は規模と符号とを有し、前記符号は前記差動信号サンプル の符号に一致する請求項5に記載の補聴システム。 25. 前記駆動電圧が規模と符号とを有し、前記符号は前記差動信号サンプル の符号に一致する請求項6に記載の補聴システム。 26. 差動信号出力ドライバであって、 差動信号サンプルに接続された入力を有し、前記処理済み差動信号サンプルに 対して出力パルスを形成するパルスコーダであって、前記出力パルスは出力にお いて前記差動信号の大きさに比例した持続時間を有するパルスコーダと、 前記パルスコーダの前記出力に接続された入力を有し、出力において前記パル スコーダからの前記出力パルスの前記持続時間に比例する持続時間を有する駆動 電圧を形成するドライバ増幅器と、 前記ドライバ増幅器の前記出力に接続された入力を有し、出力において前記ド ライバ増幅器からの前記駆動電圧を音響情報に変換する出力トランスデューサと 、を備えた差動信号出力ドライバ。 27. 前記ドライバ増幅器は、ソースとドレーンとゲートとを有する第1及び 第2PチャンネルMOSトランジスタと、ソースとドレーンとゲートとを有する 第1及び第2NチャンネルMOSトランジスタとを含み、前記第1及び第2Pチ ャンネルMOSトランジスタの前記ソースは正電圧供給レールに接続され、前記 第1及び第2NチャンネルMOSトランジスタの前記ソースは負電圧供給レール に接続され、前記第1PチャンネルMOSトランジスタの前記ドレーンは前記第 1NチャンネルMOSトランジスタの前記ドレーンに接続されて前記出力トラン スデューサの第1入力に接続された共通ノードを形成し、前記第2Pチャンネル MOSトランジスタの前記ドレーンは前記第2NチャンネルMOSトランジスタ の前記ドレーンに接続されて前記出力トランスデューサの第2入力に接続された 共通ノードを形成する請求項26に記載の差動信号出力ドライバ。
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