JP2001515981A - 床張を有する床構造、床張を適用するための方法、およびそのための床張および配置支援物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 床張アセンブリは、安定した床下地と、広い面積にわたってその上に与えられた床張と、床張と異なる特性を有する、実質的に同じ高さの床張内の隙間へと挿入するための少なくとも１つの床要素とから本質的になる。床下地への前にさかのぼる作業を避けるため、内部輪郭が床要素のそれにほぼ対応し、外部輪郭が隙間のそれにほぼ対応し、高さが床張の厚さとほぼ対応し、床張と同様に床下地構造に取付けられる、ケーシングの形態も配置支援物が設けられる。ケーシングは、床張をケーシングに対して同一平面に配置した後、床要素の挿入のために除去され得る蓋を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 この発明は、安定した床下地と、その上の広い面積にわたって配置される床張
と、床張内の隙間へと配置され、床張と実質的に同一の高さであり、床張とは異
なる特性を有する少なくとも１つの床要素とから本質的になる床アセンブリに関
する。この発明はまた、安定した床下地構造上にこのような床張を配置するため
の方法に関する。

【０００２】 織物製床張、タイル、板、寄せ木等のような従来の床張は床下地構造が完成し
た後に設置される。床下地は通常、床張のために必要とされる平坦な表面を形成
する床舗装を有する。床張のための結合剤が次にそこに与えられ、これはモルタ
ル層、接着剤層等であってもよい。帯状またはタイル状の織物製床張では、床張
材料が十分重ければ結合剤は省略され得る。

【０００３】 大面積の床張内に異なる種類の床張要素を導入することがしばしば必要である
。その最も一般的な例は玄関部分に配置されるドアマットである。公共の建物や
産業ビルでは、玄関部分に大面積の予洗浄場（precleaning zones）がしばしば 設けられる。特に、空港の出発ロビーおよび待合所または多目的ビルにおいても
、より大きいある部分および部屋がたとえば使用頻度や手荷物車等のために特に
摩耗しやすい状態にある。床の残りの部分に用いられるのとは異なる床張がこの
ような部分でしばしば用いられる。

【０００４】 このような挿入された床張要素は床舗装の適用に関連した工事中または前にさ
かのぼって床下地構造の変更を常に必要とする。これは、たとえば裏地または完
全な枠が床舗装に導入されるからである。この目的のため、床舗装が部分的に除
去されるか切り取られる必要がある。たとえば電気、水および暖房のためのさま
ざまな設備が床下地構造の上に配置され、床舗装で覆われることがよくあるので
、床舗装を前にさかのぼって処理するとそれは常に損傷の可能性を有する。多く
の場合、望ましい場所での前処理も前にさかのぼる処理もこれらの設置されたコ
ンジットおよびケーブルのために行なうことができない。

【０００５】 設置された床要素が特に床舗装において床下地の後処理を必要とするので、こ
の作業は床張自体を設置するのとは別の請負業者によって行なわれる。したがっ
て、床張を張るのとは異なる作業員を雇う必要がある。このため、このような床
張は高価となり、関連した作業の調整が必要となり、それが時間の浪費および遅
延につながる。これは特に、このような床要素が完成した床張へと前にさかのぼ
って導入されなければならない場合には当てはまる。たとえばＧＢ ２ ２４１
１６６に与えられる先行技術を参照されたい。

【０００６】 床下地の前にさかのぼる作業を避けるために、大面積の床張の上に配置され得
る床張要素も利用される。その結果、端縁が移動するか、床要素が適切に傾斜し
た移行領域を与えられなければならない。しかしながら、このような場所は常に
使用者にとって危険であり、回転車等の障害である。たとえばＵＳ ４ ６５４
２４５およびＤＥ ３１ ２４ ５２９に与えられる先行技術を参照されたい
。

【０００７】 この発明の主たる目的は、挿入され、重ね合わせられる床張要素の欠点が避け
られ、床張要素の初期適用および前にさかのぼる適用をより簡単でより経済的に
容易にする、床張表面とそれを配置するための方法とを提案することである。

【０００８】 この目的の最初の部分は、内部輪郭が床要素のそれにほぼ対応し、外部輪郭が
隙間のそれにほぼ対応し、高さが床張の厚さにほぼ対応し、床張と同じ態様で床
下地構造に固定される、ケーシングの形態の配置支援物を設けることによって達
成され、床要素はケーシング内に挿入される。

【０００９】 この発明の中心的な部分は、挿入されるべきであり、かつ隣接する隙間の近く
で床張を他の方法で支える床要素の輪郭を有する配置支援物としてのケーシング
の利用である。ケーシングは床張と同じ高さを有し、床張を設置する人によって
位置決めされ得る。床張がセラミックタイルを含む場合、ケーシング壁は床要素
の配置後に継ぎ目構造が均等となることを保証するためのジョイント形成に役立
ち得る。この場合、ケーシングはタイルの寸法を有する。織物製床張または寄せ
木の場合、同一平面での隣接が望ましい。この場合、床要素はケーシングの上部
端縁上に載る周辺端縁ストリップを有し得る。床要素は、異なる種類のタイル、
異なる構造または硬さを有する寄せ木、織物製タイル、粗いマット材料、剛毛マ
ット等を含み得る。このようなケーシングは、異なる色を有するか、異なる構造
を有するか、純粋に装飾的な床要素で大きい表面の床張を中断するための純粋に
装飾的な用途を有してもよい。床要素はエンブレム、スローガンまたは装飾的な
形式のものを含んでもよい。床要素はまた、床張内に適切な隙間を形成し、ケー
シングを挿入し、必要であれば床張とケーシングとの間に移行領域を形成し、床
要素をはめ込むことによって既存の床張へと前にさかのぼって導入されてもよい
。床要素は何らかの従来の態様でケーシング内に取付けられ得る。床要素はまた
床張自体の再加工を必要とぜすに容易に交換され得る。

【００１０】 床張内の隙間がより大きい場合、複数の床要素が通常設けられる。この場合、
複数のケーシングが格子状に位置決めされ得る。

【００１１】 通常、ケーシングは方形、多角形または円形を有する。より大きい床要素を挿
入するためには、ケーシングの側壁は折り取られるようにされ得る。この場合、
ケーシングは格子状の構造を有する。またこの場合、床張はケーシングの外壁と
同一平面で配置され、内向きに配置された側壁はしたがって折り取られる。

【００１２】 方法に関してこの発明の目的を達成するために、この発明によると、内部輪郭
が床要素のそれとほぼ対応し、外部輪郭が隙間のそれとほぼ対応し、高さが床張
の高さとほぼ対応するケーシングが、設置前に、床要素の場所で床下地へと位置
決めされ、その後、床張が大面積にわたって設置され、ケーシングと同一平面に
適合され、床要素がケーシング内に挿入される。

【００１３】 ケーシングは好ましくは床張自体と同じ態様で床下地に取付けられる。 最後に、複数の互いに隣接した床要素またはより大きい床要素の場合、複数の
ケーシングが格子状に床下地構造上へと位置決めされ得る。

【００１４】 加えて、この発明は、外部輪郭が床要素のための床張内に設けられた隙間とほ
ぼ対応し、内部輪郭が床要素のそれとほぼ対応し、高さが床張の厚さとほぼ対応
する、上が開いたケーシングの形態の配置支援物を提案し、ケーシングは床張と
同様に床下地に取付けられる。

【００１５】 ケーシングは好ましくは持ち手を有する蓋を備える。このように、ケーシング
は床下地構造上に位置決め可能であり、全床張作業が実行可能である。その後、
床要素を挿入するために蓋が除去され得る。

【００１６】 ケーシングの底部は床下地構造上へと導入される結合剤層での固定を高めるた
めに隙間を有してもよい。結合剤は隙間を通して上方向に浸透し、それによって
ケーシング内での床要素の取付を支援することができる。

【００１７】 この発明を図示する実施例を参照して以下に説明する。 図面において、床下地構造を参照番号１で示す。これは多層構造を有してもよ
く、たとえば床舗装が支持構造上に載る設置されたパイプおよびケーブルを覆い
、その上を床張２が大面積にわたって設置される。種々の特性を有し、適切な場
合は種々の材料から作られる床要素は床張２内に挿入される。床張にはこれらの
場所で対応の隙間３を有する。蓋５を有し、配置支援物として役立つ閉じたケー
シング４がこれらの隙間３へと挿入される。蓋５を備えるケーシング４は床張２
の厚さとほぼ同じ高さを有する。

【００１８】 床張２は結合層６、たとえば、接着剤または結合モルタル等の助けにより床下
地上に装着される。ケーシング４も同じ態様で床下地１に取付けられる。

【００１９】 床張を設置する際に作業は以下の対応で行なわれる。結合層６が初めに床下地
１上へと導入され、その後、床張２が広い面積にわたって与えられる。ケーシン
グ４が床張２内の隙間３の場所に位置決めされ、同様に層６によって基礎構造１
へと取付けられる。その後、タイルまたは寄せ木等の場合、タイルまたは寄せ木
とケーシング４とからなる床張２間の継ぎ目７が、ケーシング４と同一平面の隣
接が得られるように適切な材料を用いて封止され得る。

【００２０】 蓋５が後に除去される。この目的のため、これは蓋を除去するために位置９へ
と持ち上げられ得るたとえば一体的な持ち手８を有する。蓋５が除去された後、
床要素１０が開いたケーシング４内へと挿入されて、ケーシングの内部を完全に
充填し、床張２の上側と同一平面に載る（図２）。しかしながら、たとえばごわ
ごわした繊維、剛毛またはナップ等の形態のでこぼこした層を有する床要素１０
が床張２の上方にわずかに突出することもあり得る。

【００２１】 図３に従う実施例において、ケーシング４は周辺フランジ１１を有する。この
実施例は、床張２が織物または硬いゴム製カバーである場合、かつ種々の特性を
有する床要素がケーシング４内へと挿入されるべき場合に特に有利である。この
場合、床要素は床張２内の開口部３と同一平面に切断され、その下側はそれがそ
の周辺端縁によってケーシングのフランジ１１に載るように下を切取られる。

【００２２】 以上の説明から、種々の構造、歩行または回転への負荷強度、種々の装飾効果
等を有するより大きいまたは中断されるゾーンを生み出すために、互いに対する
分離部において格子状にまたは何らかの装飾的な態様でケーシング４が配置され
てもよいことが明らかにわかる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 配置支援物の一実施例を有する床構造の断面図を示す。

【図２】 設置中の図１に従う断面図を示す。

【図３】 配置支援物の異なる実施例を有する、図１に対応する断面図を示
す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＡＬ，ＡＴ，Ｂ Ｒ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＺ，ＤＥ，ＥＳ，ＧＢ，ＨＵ，ＪＰ ，ＬＴ，ＬＶ，ＮＯ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＥ， ＳＧ，ＳＩ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 安定した床下地とその上の広い面積を覆う床張とから本質的
   になり、床張とは異なる特性を有する、実質的に同じ高さで床張内の隙間へと挿
   入される少なくとも１つの床要素を有する床アセンブリであって、内部輪郭が床
   要素のそれにほぼ対応し、外部輪郭が隙間のそれにほぼ対応し、高さが床張の厚
   さにほぼ対応し、床張と同じ態様で床下地構造上へと固定可能であり、床要素が
   その中に挿入可能である、ケーシングの形態の配置支援物が設けられることを特
   徴とする、床アセンブリ。
2. 【請求項２】 格子状に配置された複数のケーシングが床張内のより大きい
   隙間のために設けられることを特徴とする、請求項１に記載の床アセンブリ。
3. 【請求項３】 床張とは異なる特性を有する、床張内の隙間に挿入される少
   なくとも１つの床要素を有した安定した床下地構造上へと床張を設置するための
   方法であって、床下地構造上への設置の間、内部輪郭が床要素のそれにほぼ対応
   し、外部輪郭が隙間のそれにほぼ対応し、高さが床張の厚さにほぼ対応するケー
   シングが床要素の位置に配置され、床張が大面積にわたってケーシングと同一平
   面で隣接して与えられ、床要素がケーシング内へと挿入されることを特徴とする
   、方法。
4. 【請求項４】 ケーシングが床張自体と同じ態様で床下地に取付けられるこ
   とを特徴とする、請求項３に記載の方法。
5. 【請求項５】 互いに隣接した複数の床要素またはより大きい床要素での使
   用のために、複数のケーシングが格子状で床下地構造上に位置決めされることを
   特徴とする、請求項３または４に記載の方法。
6. 【請求項６】 床張とは異なる特性を有する床下地構造上へと床要素を設置
   するための配置支援物であって、配置支援物は、外部輪郭が床要素のために床張
   内に設けられた隙間にほぼ対応し、内部輪郭が床要素のそれにほぼ対応し、高さ
   が床張の厚さにほぼ対応する開いたケーシングであり、ケーシングは床張と同様
   に床下地に取付けられることを特徴とする、配置支援物。
7. 【請求項７】 ケーシングが握りを備える蓋を有し、蓋が手動で脱着可能に
   ケーシングに接続されることを特徴とする、請求項６に記載の配置支援物。
8. 【請求項８】 蓋が持ち上げ可能な同一平面の握りを有することを特徴とす
   る、請求項６または７に記載の配置支援物。
9. 【請求項９】 ケーシングの底部が隙間を有することを特徴とする、請求項
   ６から８のいずれかに記載の配置支援物。
10. 【請求項１０】 ケーシングが、床張よりも小さい高さと、床要素の境界ス
    トリップのための座部となる端縁とを有することを特徴とする、請求項６から９
    のいずれかに記載の配置支援物。
11. 【請求項１１】 ケーシングの側壁が折り取られ得ることを特徴とする、請
    求項６から１０のいずれかに記載の配置支援物。