JP2001515867A - Op/bmpモルフォゲンおよびgdnf/ngf神経栄養因子の相乗作用効果 - Google Patents

Op/bmpモルフォゲンおよびgdnf/ngf神経栄養因子の相乗作用効果

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Abstract

(57)【要約】 OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナーゼレセプターおよびGDNF/NGF活性化チロシンキナーゼレセプターを発現する哺乳動物細胞(特に、神経細胞)の生存または増殖の促進、あるいは死または変性の阻害における、GDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせたOP/BMPモルフォゲンの相乗的効果を開示する。また、そのような細胞に対する損傷または傷害に罹患したか、あるいは損傷または傷害の切迫した危険にある哺乳動物についてのインビボでの処置を含む、そのような細胞のインビボおよびインビトロでの処置のための新しい方法、ならびに、そのようなインビボおよびインビトロでの処置のための新しい薬学的調製物を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、一般的に、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経
栄養因子のレセプターを発現する組織(特に神経組織)に対する損傷または傷害
に罹患したか、またはその切迫した危険にある哺乳動物被検体の処置のための方
法および調製物に関する。
【0002】 (発明の背景) 哺乳動物神経系の発生の間に、中枢神経系および末梢神経系から分化するニュ
ーロンは、成長して、そして特異的な標的細胞と接触しなければならない軸索を
派出する。ある場合において、ニューロンは、全体が中枢神経系内部に、閉じこ
められたままである。しかし、他の場合において、成長する軸索は、莫大な距離
にわたり、CNSから身体の末梢へと伸長しなければならない。哺乳動物におい
て、この神経発生の段階は、生命の胚期間に完成され、神経細胞は、一旦完全に
分化すると、増加しないと考えられている。
【0003】 樹状突起成長は、2つの段階において生じる:初期の伸長、その後の延長およ
び分岐。Purvesら、Nature 336:123〜128(1988)
。神経伝達物質およびホルモンを含むいくつかの分子は、既存の樹状突起樹の拡
がりを調節することが示されている。しかし、初期の事象に影響し、そしてニュ
ーロンに最初に樹状突起を形成させる因子については、ほとんど知られていない
。特定のクラスのニューロンにおいては、初期の樹状突起の出芽が、栄養性相互
作用に比較的依存しない内在的な発生プログラムの一部として生じる。Dott
iら、J.Neurosci.8:1454〜1468(1988)。しかし、
他のクラスのニューロンにおいては、樹状突起成長の初期の段階の調節は、非常
に異なるようである。例えば、ラットの交感神経ニューロンは、樹状突起を形成
しそこない、非神経細胞の不在下において培養された場合、軸索のみを伸長する
。対照的に、シュワン細胞または星状細胞との同時培養は、これらのニューロン
に樹状突起を形成させ、そして究極的にインサイチュにおいて観察されたサイズ
に匹敵するサイズの樹状突起樹を生成する。Tropeaら、Glia 1:3
80〜392(1988)。従って、特定の栄養性相互作用が交感神経に樹状突
起を形成させるために必要とされるようである。
【0004】 以上の観察は、インサイチュの環境が、樹状突起樹の形成を特定するという理
論を支持するものと、解釈されている。神経細胞または発生中の神経突起の近傍
における環境としては、ポジティブにか、またはネガティブに樹状突起の成長の
程度および特異性、ならびに樹状突起と神経細胞体と軸索との間のシナプス形成
の程度および特異性に影響する、電磁気的、電気化学的、および/または生化学
的な場または勾配が挙げられると考えられている。しかし、この理論は、ニュー
ロンに樹状突起を出芽させる能力を有する、同定されたメディエーターの不足に
苦しむ。
【0005】 神経障害の宿主(このいくつかは、末梢神経系または中枢神経系におけるニュ
ーロンのサブ集団またはニューロンの系のみに、影響する)が同定されている。
ニューロン自体か、または関連する神経膠細胞に影響し得る神経障害は、細胞性
代謝機能不全、感染、毒性薬剤に対する曝露、自己免疫機能不全、栄養失調また
は虚血から生じ得る。ある場合においては、細胞性機能不全は、アポトーシスに
よって直接的に細胞死を誘導すると考えられている。Oppenheim、An
n.Rev.Neurosci.14:37〜43(1991)。他の場合にお
いては、神経障害は、身体の免疫系を刺激することによって組織の壊死を誘導し
得、これは神経傷害の初期の部位における局所的な炎症応答および細胞溶解を生
じる。
【0006】 末梢神経系内のニューロンが損傷した神経の経路を再生する能力は、限定され
ている。具体的には、新しい軸索および樹状突起は、無作為に伸長し、そしてし
ばしば、方向を間違えて、異常な機能を生じ得る不適切な標的との接触を生じる
。さらに、突起が必要な距離の成長をしそこねるためか、または誤って方向づけ
られた軸索成長のために、切断された神経突起が数ミリメ−トルより長い(例え
ば、10ミリメートル(mm)を超える)ギャップを生じる場合、適切な神経再
生は起こらない。外科的手段によって末梢神経損傷を修復する試みは、特に損傷
が顕著な距離にわたって伸長する場合、混合した結果を生じる。ある場合におい
ては、切断された神経末端の適切な整列を得るために使用される縫合工程が、軸
索再生を阻害すると考えられている瘢痕組織の形成を刺激する。瘢痕組織形成が
減少されたとしても、神経ガイダンスチャンネルまたは他のチューブ型人工器官
の使用を伴う場合、成功した再生は、一般的に、10ミリメートル未満の距離の
神経損傷に、なお制限されている。
【0007】 いまや、種々の栄養因子が、発生中のニューロンの生存および分化の調節にお
いて重要な役割を担うことが、十分に確立されている。Sniderら、Ann
.Neurol.26:489〜506(1989)。神経栄養性作用物の特徴
づけられた作用のほとんどは、発生の事象に関連し、そしてこれらのタンパク質
の時間的および位置的な発現の調節が、神経系の成熟の間に役割を担うことを示
唆する。神経栄養因子はまた、構造的完全性の維持のため、および可塑性の調節
のための成体神経系の機能において重要である。そのようなプロセスは、神経変
性性疾患および神経系に対する急性傷害の後の神経変性性事象において、変化す
る。このことは、神経栄養因子が、傷害および疾患に応答して生じる構造的変化
に関与するという推測を思いつかせた。
【0008】 いくつかの十分に特徴づけられた栄養因子が、組織培養におけるドーパミン作
用性ニューロンおよび/または前眼房への移植後のドーパミン作用性ニューロン
の生存および分化を増強することが示されている。これらの栄養因子としては、
線維芽細胞増殖因子(FGF)、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子
(PDGF)、トランスホーミング増殖因子α(TGF―α)、および神経膠細
胞由来神経栄養因子(GDNF)、ならびにいくつかの神経成長因子(NGF)
関連ニューロトロフィンが挙げられる。
【0009】 神経栄養因子は、そのアミノ酸配列相同性および/またはその3次元構造に基
づき、ポリペプチド増殖因子のいくつかのタンパク質スーパーファミリー中に見
いだされる。MacDonaldら、Cell 73:421〜424(199
3)。神経栄養因子の1つのファミリーは、ニューロトロフィンファミリーであ
る。このファミリーは、現在、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(
BDNF)、ニューロトロフィン3(NT―3)、ニューロトロフィン4/5(
NT―4/5)、およびニューロトロフィン/6(NT―6)からなる。これら
の神経栄養因子は、中枢神経系の特定のニューロン集団に影響する。そのような
特定の神経栄養因子の欠損は、年齢に関連する細胞の生存および/または機能の
減少の原因かもしれない。細胞での供給源は、不明なままであるが、ニューロン
および神経膠細胞が、共に神経栄養因子を分泌し得ることを示唆する証拠が存在
する。
【0010】 骨形成性タンパク質/骨形態形成タンパク質(OP/BMP)のタンパク質は
、タンパク質のより大きなTGF−βスーパーファミリー内に、ファミリーまた
はサブファミリーを形成する。すなわち、これらのタンパク質は、本明細書にお
いて、TGF−βスーパーファミリーとして公知の配列関連タンパク質の緩やか
な進化的分類内において、「モルフォゲンのOP/BMPファミリー」または「
OP/BMPモルフォゲン」という異なるサブグループを形成する。このタンパ
ク質ファミリーのメンバーは、共通の構造的特徴を共有し、プロタンパク質から
同様にプロセスされて、カルボキシ末端成熟タンパク質を生じる、分泌ポリペプ
チドを包含する。発生中および成体の神経組織からのmRNA抽出物に対するモ
ルフォゲン特異的プローブのノザンブロットハイブリダイゼーション、および免
疫局在化研究の両方によって決定されるように、OP/BMPモルフォゲンは、
発生中および成体のラットの脳および脊髄組織において同定されている。例えば
、発生中のラット組織のノザンブロット分析は、CNSにおいて、有意なOP−
1 mRNA転写物の発現を同定している。他のOP/BMPファミリーのメン
バーであるGDF−1のmRNAは、主に、発生中および成体の神経組織(特に
、小脳および脳幹を含む脳、脊髄、および末梢神経)において発現するようであ
る。BMP4(BMP2Bともいう)およびVgr−1転写物はまた、神経組織
において発現することが報告されている。
【0011】 モルフォゲンOP−1が、灰白質(ニューロン細胞体)の細胞外基質において
優勢に局在化し、細胞体自体を除いて全ての領域において明瞭に存在することが
見いだされた。ミエリン化神経繊維で主に形成された白質においては、染色は、
星状細胞(神経膠細胞)に限定されるようである。同様の染色パターンはまた、
新生ラット(10日齢)脳切片においても見られた。
【0012】 さらに、OP−1は、その機能が大脳皮質および皮質脊髄系と関連する副運動
神経の系である、線条体脳幹神経節から主に構成される黒質において、特異的に
局在する。この神経のサブ集団または神経系の機能不全は、ハンティングトン舞
踏病およびパーキンソン病を含む多数の神経障害に関連する。
【0013】 (発明の要旨) 本発明は、部分的に、GDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせたOP/B
MPモルフォゲンが、OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナーゼレセプタ
ーおよびGDNF/NGF活性化チロシンキナーゼレセプターを発現する哺乳動
物細胞(特に神経細胞)の生存または増殖の促進、あるいは、死または変性の阻
害において、相乗的効果を示すということの発見に基づく。この発見に基づき、
本発明は、そのような細胞に対する損傷または傷害に罹患したか、あるいは、損
傷または傷害の切迫した危険にある哺乳動物についてのインビボでの処置を含む
、そのような細胞のインビボおよびインビトロでの処置のための新しい方法、な
らびに、そのようなインビボおよびインビトロでの処置のための新しい薬学的調
製物を提供する。
【0014】 従って、1つの局面において、本発明は、哺乳動物細胞(特に神経細胞)を、
GDNF/NGF神経栄養因子およびOP/BMPモルフォゲンを含有する有効
濃度の調製物と接触させることによる、その細胞の生存または増殖を促進するた
めの方法を提供する。同様に、本発明は、哺乳動物細胞(特に神経細胞)を、G
DNF/NGF神経栄養因子およびOP/BMPモルフォゲンを含有する有効濃
度の調製物と接触させることによる、その細胞の死または変性を阻害するための
方法を提供する。そのような方法は、インビトロ(例えば、改善された細胞培養
のために)またはインビボ(例えば、哺乳動物被検体におけるそのような細胞に
影響する状態を処置するために)で、使用され得る。
【0015】 別の局面において、本発明は、具体的には、細胞(特に神経細胞)に対する損
傷または傷害に罹患したか、あるいは、損傷または傷害の切迫した危険にある哺
乳動物被検体を処置する方法であって、その神経細胞を、GDNF/NGF神経
栄養因子およびOP/BMPモルフォゲンを含有する有効濃度の調製物と接触さ
せる工程を包含する方法を提供する。これらの方法は、ニューロンまたは神経膠
細胞のいずれかに対して、そして中枢神経系細胞または末梢神経系細胞のいずれ
かに対して適用され得る。
【0016】 本発明の方法は、特に、機械的外傷(例えば、鈍力外傷性脳損傷、鈍力外傷性
脊髄損傷、振とう症、脳水腫または硬膜下血腫に起因する頭蓋内圧、椎骨破壊ま
たは椎骨圧挫症、および神経断裂または神経切断);化学的外傷(例えば、神経
毒への曝露または化学治療の副作用より生じる);虚血傷害(例えば、発作、心
停止または心不全から生じる);ならびに神経障害または神経変性性の損傷もし
くは傷害(例えば、パーキンソン病、ハンティングトン病、筋萎縮性側索硬化症
、アルツハイマー病、癲癇、進行性筋萎縮、シャルコー−マリー−ツース病、麻
痺、痴呆、シャイ−ドレーガー病、ヴェルニッケ−コルサコフ症候群、およびハ
レルフォルデン−シュパッツ病を含む神経障害疾患から生じるもの)に起因する
、損傷したかまたは傷害を受けた細胞、あるいは、損傷または傷害の切迫した危
険にある細胞の処置に適する。
【0017】 好ましい実施態様において、本発明のOP/BMPモルフォゲンは、ヒトOP
−1のC末端7システインドメインに対して、少なくとも70%の相同性、より
好ましくは80%の相同性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。
特に好ましい実施態様において、OP/BMPモルフォゲンは、ヒトOP−1の
C末端7システインドメインに対して、少なくとも60%のアミノ酸同一性、よ
り好ましくは少なくとも70%の同一性を有するポリペプチドを含む。最も好ま
しい実施態様において、OP/BMPモルフォゲンは、哺乳動物(好ましくは、
ヒト)のOP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、BMP4、BM
P5、BMP6、またはBMP9タンパク質のC末端の6または7システインの
ドメインを少なくとも含む。好ましくは、本発明のOP/BMPモルフォゲンは
、Reddi−Sampathの異所性骨アッセイにおいて、骨形成を誘導し得
る。
【0018】 好ましい実施態様において、本発明のGDNF/NGF神経栄養因子は、哺乳
動物(好ましくは、ヒト)のGDNF、NGF、BDNF、NT−3、NT−4
、NT−5およびNT−6タンパク質の成熟した機能的形態を少なくとも含有す
る。
【0019】 好ましい実施態様において、有効濃度の調製物は、OP/BMPモルフォゲン
の0.1ng/mlと10μg/mlとの間の、および、GDNF/NGF神経
栄養因子の0.1ng/mlと10μg/mlとの間の濃度を含み、より好まし
くは、OP/BMPモルフォゲンまたはGDNF/NGF神経栄養因子のいずれ
かの1ng/mlと100ng/mlとの間の濃度を含み、そして最も好ましく
は、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子の両方の1
ng/mlと100ng/mlとの間の濃度を含む。
【0020】 別の局面において、本発明は、OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナー
ゼレセプターおよびGDNF/NGF活性化チロシンキナーゼレセプターを発現
する哺乳動物細胞(非神経細胞を含む)の生存または増殖を促進する方法か、ま
たはその死または変性を阻害する方法を提供する。同様に、本発明は、OP/B
MP活性化セリン/スレオニンキナーゼレセプターおよびGDNF/NGF活性
化チロシンキナーゼレセプターを発現する細胞(非神経細胞を含む)に対する損
傷または傷害を罹患したか、あるいは損傷または傷害の切迫した危険にある哺乳
動物被検体を処置するための方法を提供する。これらの方法はまた、そのような
細胞と、上記のように、GDNF/NGF神経栄養因子およびOP/BMPモル
フォゲンを含む有効濃度の調製物とを接触させる工程を包含する。
【0021】 別の局面において、本発明は、哺乳動物細胞の生存または増殖を促進するため
の薬学的調製物、あるいは哺乳動物細胞(特に神経細胞)の死または変性を阻害
するための薬学的調製物を提供し、この薬学的調製物は、OP/BMPモルフォ
ゲンと組み合わせたGDNF/NGF神経栄養因子を含む。
【0022】 ここに記載する好ましい方法、物質、および実施例は、説明のみのためであっ
て、限定を意図することはない。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な
説明および特許請求の範囲から明らかである。
【0023】 (発明の詳細な説明) 本発明は、組織(特に、神経組織)に対する損傷または傷害に罹患したまたは
その切迫した危険にある哺乳動物被験体を処置する新規な方法を提供し、この方
法は、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子の組合せ
を投与する工程を包含する。驚くべきことに、これらの薬剤の組合せ投与は、神
経組織の生存および/または成長を促進すること、および神経組織の死または変
性を阻害することにおいて相乗効果を有することが実証された。さらに、本発明
は、OP/BMPモルフォゲンをGDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせて
含む新規の薬学的組成物を提供する。
【0024】 本発明の特定の理論には束縛されることなく、OP/BMPモルフォゲンおよ
びGDNF/NGF神経栄養因子が、神経組織の生存および/または成長を促進
すること、および神経組織の死または変性を阻害することにおいて、別個のレセ
プターに基づくシグナル伝達経路を通じて作用することによって、相乗効果を実
行する。特に、OP/BMPタンパク質は、セリン/スレオニンキナーゼレセプ
ターを通じて作用し、そして本発明のGDNF/NGF神経栄養因子は、チロシ
ンキナーゼレセプターを通じて作用し、その結果、OP/BMPモルフォゲンお
よびGDNF/NGF神経栄養因子が組み合わせて投与される場合、セリン/ス
レオニンキナーゼシグナル伝達経路およびチロシンキナーゼシグナル伝達経路の
両方が活性化され、そして相乗効果が生成すると考えられる。
【0025】 従って、OP/BMPモルフォゲンは、セリン/スレオニンキナーゼレセプタ
ーを通じて作用することが示されており、そしてこれらのレセプターは末梢神経
系組織および中枢神経系組織の両方において発現することが示されている。例え
ば、インサイチュハイブリダイゼーションによって、いくつかのクラスの末梢ニ
ューロンが、OP/BMPモルフォゲンファミリーのメンバーに結合することが
公知であるBMP II型のセリン/スレオニンキナーゼレセプターを発現する
こと(Liuら、Mol.Cell.Biol.15:3479−3486(1
995);Rosenzweigら、Proc.Natl.Acad.Sci.
(USA)92:7632−7636(1995))、ならびにOP/BMPI
型およびII型セリン/スレオニンレセプターがCNSにおいて発現することが
示された。Soederstroemら、Cell Tiss.Res. 28
6:269−279(1996a);Nosratら、Cell.Tiss.R
es.286:191−207(1996)。
【0026】 同様に、GDNF/NGF神経栄養因子は、神経組織において発現される特定
のチロシンキナーゼレセプターを通じて作用することが示された。従って、例え
ば、GDNFのシグナル伝達経路は、チロシンキナーゼレセプターRet(Tr
uppら、Nature 381:785−780(1996)、これは、交感
神経系、結節、および毛様体神経節を含む神経組織において発現される)の活性
化を含むことが示された。同様に、NT−3は、TrkCレセプターを介して作
用し、そしてある程度、TrkAレセプターを介して作用する。例えば、Ebe
ndal、J.Neurosci.Res.32:461−470(1992)
を参照のこと。これらのレセプターは、脳および脊髄ならびに末梢ニューロンに
おいて発現する。例えば、VazquezおよびEbendal、Neuro.
Report 2:593−596(1991);PeiおよびEbendal
、Exp.Neurol.132:105−115(1995);Soeder
stroemら、Dev.Brain Res.85:96:108(1995
);Hallboeoekら、Int.J.Dev.Biol.39:855−
868(1995);WilliamsおよびEbendal、Neuro R
eport 6:2277−2282(1995);Williamsら、Eu
r.J.Neurosci.7:116−128(1995)を参照のこと。
【0027】 従って、1つの局面において、本発明は、神経組織の生存および/または成長
を促進するか、あるいは神経組織の死または変性を阻害する方法を提供する。こ
の方法は、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子を組
み合わせて哺乳動物を投与することによってOP/BMP活性化セリン/スレオ
ニンキナーゼ経路およびGDNF/NT活性化チロシンキナーゼ経路の両方を活
性化することによる。別の局面において、本発明は、神経組織の生存および/ま たは成長を促進すること、あるいは神経組織の死または変性を阻害することにお
いて使用するためであり、そしてOP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/N
GF神経栄養因子を組み合わせて含む新規の薬学的組成物を提供する。
【0028】 別の局面において、本発明は、神経組織でない組織の処置のための方法および
薬学的組成物を提供する。特に、OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナー
ゼレセプターおよびGDNF活性化チロシンキナーゼレセプターを発現する非神
経組織が種々存在し、これには、腎臓組織および多くの甲状腺乳頭ガンを含む(
例えば、Schuchardtら、Nature 367:380−383(1
994);Pachnisら、Development 119:1005−1
017(1993)を参照のこと)。従って、本発明はまた、このような非神経
組織の生存および/または成長を促進する方法またはこのような非神経組織の死
または変性を阻害する方法を提供する。この方法は、OP/BMPモルフォゲン
およびGDNF/NGF神経栄養因子を組み合わせて哺乳動物に投与し、それに
より、OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナーゼ経路およびGDNF/N
T活性化チロシンキナーゼ経路の両方を活性化することによる。同様に、本発明
は、非神経組織の生存および/または成長を促進するか、またはこのような非神
経組織の死または変性を阻害することにおいて使用するための新規の薬学的組成
物を提供し、この組成物は、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF
神経栄養因子を組み合わせて含む。
【0029】 (A.OP/BMPモルフォゲン) 本発明のOP/BMPモルフォゲンは、タンパク質のTGF−βスーパーファ
ミリー内の骨形成タンパク質/骨形態形成性タンパク質(OP/BMP)ファミ
リーの天然に存在するタンパク質であるか、または天然に存在するタンパク質の
機能的改変体である。すなわち、これらのタンパク質は、TGF−βスーパーフ
ァミリーとして公知の配列が関連するタンパク質の大まかな進化的グループ分け
の中に入る、本明細書において「OP/BMPモルフォゲン」と言及される異な
るサブグループを形成する。このタンパク質ファミリーのメンバーは、共通の構
造特徴を共有し、そしてカルボキシ末端成熟タンパク質を生成するためにプロタ
ンパク質から類似にプロセシングされている分泌ポリペプチドを含む。成熟タン
パク質の内において、すべてのメンバーは、97〜106アミノ酸ドメインを規
定する、6または7個のシステイン残基の保存パターンを共有する。そして、こ
れらのタンパク質の活性形態は、単一のファミリーのメンバーのジスルフィド結
合ホモ二量体または2つの異なるメンバーのヘテロ二量体のいずれかである。例
えば、Massague、Annu.Rev.Cell.Biol.6:597
(1990);Sampathら、J.Biol.Chem.265:1319
8(1990)を参照のこと。例えば、その成熟したネイティブ形態において、
天然起源のヒトOP−1は、代表的には、SDS−PAGEで決定される場合、
約30〜36kDaの見かけ上の分子量を有するグリコシル化された二量体であ
る。還元された場合、この30kDaタンパク質は、約16kDaおよび18k
Daの見かけ上分子量を有する2つのグリコシル化されたペプチドサブユニット
を生じる。非グリコシル化タンパク質は、約27kDaの見かけ上の分子量を有
する。還元された場合、この27kDaタンパク質は、約14kDaおよび16
kDaの分子量を有する、2つの非グリコシル化されたポリペプチド鎖を生じる
【0030】 代表的に、天然に生じるOP/BMPタンパク質は、N末端シグナルペプチド
配列、「プロ」配列、および「成熟」タンパク質ドメインを有する前駆体として
翻訳される。シグナルペプチドは、代表的に、30残基未満であり、そしてVo
n Heijne、Nucleic Acids Research 14:4
683−4691(1986)の方法を用いて推定され得る切断部位で翻訳の際
に迅速に切断される。「プロ」ドメインは、配列および長さの両方において可変
であり、約200〜400超の残基にまで及ぶ。プロドメインが切断されて、約
115〜180残基の「成熟」C末端ドメインが得られ、これは、97〜106
残基の保存された6または7個のシステインのC末端ドメインを含む。本明細書
において使用される場合、OP/BMPファミリーメンバーの「プロ形態」とは
、ポリペプチドの折り畳まれた対を含むタンパク質である。このポリペプチドは
、各々がOP/BMPポリペプチドの成熟ドメインと共有結合または非共有結合
のいずれかで結合するプロドメインを含む。代表的には、このタンパク質のプロ
形態は、生理的条件下で成熟形態より可溶性である。プロ形態は、培養された哺
乳動物細胞から分泌される一次形態であるようである。このタンパク質の「成熟
形態」は、そのプロドメインとは共有結合的または非共有結合的のいずれかでは
結合していない成熟C末端ドメインを含む。任意のOP−1の調製物は、その調
製物におけるプロドメインの量が「成熟」C末端ドメインの量の5%以下である
とき、成熟形態を含むとみなされる。
【0031】 本明細書において有用なOP/BMPファミリーメンバーは、天然に存在する
公知のネイティブタンパク質のいずれかであり、これには、対立遺伝子改変体、
系統発生的対応物およびその他の改変体(これらは、天然源由来または生合成的
にのいずれかで産生される(例えば、「ムテイン」または「ムテインタンパク質
」を含む))、ならびにOP/BMPタンパク質ファミリーの新たな活性メンバ
ーが含まれる。
【0032】 特に有用な配列は、哺乳動物のC末端7システインドメインを含む配列を包含
し、好ましくは、ヒト、ヒトOP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP
3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP8、およびBMP9を含む。本発明
の実施において有用な他のタンパク質は、GDF−5、GDF−6、GDF−7
、DPP、Vgl、Vgr−1、60A、GDF−1、GDF−3、GDF−5
、GDF−6、GDF−7、BMP10、BMP11、BMP13、BMP15
、UNIVIN、NODAL、SCREW、ADMP、またはNURALならび
にそれらのアミノ酸配列改変体の活性形態を含む。現在好ましい1つの実施態様
において、本発明のOP/BMPモルフォゲンは、OP−1、OP−2、OP−
3、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、およびBMP9のい
ずれか1つから選択される。
【0033】 これらの配列を開示する刊行物、ならびにそれらの化学的および物理的特性は
、以下を含む:OP−1およびOP−2:米国特許第5,011,691、米国
特許第5,266,683およびOzkaynakら、EMBO J.9:20
85−2093(1990);OP−3:WO94/10203;BMP2、B
MP3、およびBMP4:米国特許第5,013,649、WO91/1809
8、WO88/00205、およびWozneyら、Science 242:
1528−1534(1988);BMP5およびBMP6:WO90/113
66およびCelesteら、Proc.Natl.Acad.Sci.(US
A)87:9843−9847(1991);Vgr−1:Lyonsら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.(USA)86:4554−4558(1
989);DPP:Padgettら、Nature 325:81−84(1
987);Vgl:Weeks、Cell 51:861−867(1987)
;BMP9:WO95/33830;BMP10:WO94/26893;BM
P−11:WO94/24892:BMP12:WO95/16035;BMP
−13:WO95/16035;GDF−1:WO92/00382およびLe
eら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)88:4250−4
254(1991);GDF−8:WO94/21681;GDF−9、WO9
4/15966;GDF−10:WO95/10539;GDF−11:WO9
6/01845;BMP−15:WO96/36710;MP121:WO96
/01316;GDF−5(CDMP−1、MP52):WO94/15949
、WO96/14335、WO93/16099およびStormら、Natu
re 368:630−643(1994);GDF−6(CDMP−2、BM
P13):WO95/01801、WO96/14335およびWO95/10
635;GDF−7(CDMP−3、BMP12):WO95/10802およ
びWO95/10635;BMP−3b:Takaoら、Biochem.Bi
ophys.Res.Comm.219:656−662(1996);GDF
−3:WO94/15965;60A:Baslerら、Cell 73:68
7−702(1993)ならびにGenBank登録番号L12032。別の実
施態様において、有用なタンパク質は、生物学的に活性な生合成構築物を含み、
これには、2以上の公知のOP/BMPファミリータンパク質由来の配列を用い
て設計された新規の生合成タンパク質およびキメラタンパク質が含まれる。米国
特許第5,011,691に開示される生合成構築物もまた参照のこと(この開
示は本明細書において参考として援用される)(例えば、COP−1、COP−
3、COP−4、COP−5、COP−7およびCOP−16)。
【0034】 他の好ましい実施態様において、本明細書において有用なOP/BMPモルフ
ォゲンは、ヒトOP−1の活性形態(すなわち、米国特許第5,266,683
号の配列番号2で示される場合残基330〜441)に存在するC末端7システ
インドメインと、少なくとも70%のアミノ酸配列「相同性」、そして好ましく
は、75%または80%の相同性を共有するアミノ酸配列を含むタンパク質を包
含する。他の好ましい実施態様において、本明細書において有用なOP/BMP
モルフォゲンは、ヒトOP−1の活性形態に存在するC末端7システインドメイ
ンと、少なくとも60のアミノ酸配列同一性、そして好ましくは、65%または
70%の同一性を共有するアミノ酸配列を含むタンパク質を包含する。従って、
候補アミノ酸配列は、Alignプログラム(DNAstar、Inc.)のよ
うなコンピュータープログラムによって簡便に実行されるNeedlemanら
、J.Mol.Biol.48:443−453(1970)の方法を用いて、
ヒトOP−1のC末端7システインドメインのアミノ酸配列と整列され得る。当
業者に理解されるるように、相同性または機能的に等価な配列は、保存されたシ
ステイン骨格内のシステイン残基の機能的に等価な配列を含み、これには、これ
らのシステインの直鎖整列を変更するアミノ酸挿入または欠失が含まれるが、二
量体タンパク質の折り畳み構造におけるそれらの関係を物質的に損なわず、これ
には、生物学的活性に必要であり得る鎖内または鎖間のジスルフィド結合のよう
なものを形成する能力が含まれる。従って、候補配列における内部ギャップおよ
びアミノ酸挿入は、候補配列と参照配列との間のアミノ酸の相同性または同一性
のレベルを計算する目的で無視される。
【0035】 「アミノ酸配列の相同性」とは、本明細書において、アミノ酸配列同一性およ
び類似性の両方を含むことが理解される。従って、本明細書において使用される
場合、2つのアミノ酸配列間の「相同性」パーセントとは、それらの配列の間の
同一であるかまたは類似するアミノ酸残基のパーセントを示す。「類似」残基は
、Dayhoffら、Atlas of Protein Sequence
and Structure 第5巻(補遺3)、354〜352頁(1978
)、Natl.Biomed.Res.Found.Washington,D
.C.において「受容された点変異」について規定された基準を満たす「保存的
置換」である。従って、「保存的アミノ酸置換」は、類似の大きさ、形状、電荷
、および/または化学特性(例えば、共有結合または水素結合を形成する能力)
などを有する、対応する参照残基に物理的または機能的に類似な残基である。保
存的置換の例は、あるアミノ酸を類似の特徴を有する別のアミノ酸へと置換する
ことを含み、例えば、以下の群内の置換:(a)バリン、グリシン;(b)グリ
シン、アラニン;(c)バリン、イソロイシン、ロイシン;(d)アスパラギン
酸、グルタミン酸;(e)アスパラギン、グルタミン;(f)セリン、スレオニ
ン;(g)リジン,アルギニン,メチオニン;ならびに(h)フェニルアラニン
、チロシン。用語「保存的置換」または「保存的改変」はまた、得られる置換さ
れたポリペプチド鎖が本発明において有用な生物学的活性を有する限り、所定の
ポリペプチド鎖における置換されていないもとのアミノ酸の代わりの置換された
アミノ酸の使用を含む。
【0036】 本発明のOP/BMPモルフォゲンは、当業者によって容易に確認され得る生
物学的活性によって特徴付けられる。具体的には、本発明のOP/BMPモルフ
ォゲンは、Reddi−Sampath異所性骨アッセイ(Sampathおよ
びReddi、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)78:75
99−7603(1981)))または実質的に等価なアッセイにおいて骨形成
性を誘発し得る、 Reddi−Sampath異所性骨アッセイは、骨形成活性のアッセイとし
て当該分野で周知である。このアッセイは、容易に実施され得、そして例えば、
SampathおよびReddi、Proc.Natl.Acad.Sci.(
USA)78:7599−7603(1981);ならびにWozney、「B
one Morphogenic Proteins」、Progress i
n Growth Factor Research 1:267−280(1
989)に記載されそして議論される。他の動物および組織部位を用いる多くの
等価なアッセイが、本発明のOP/BMPモルフォゲンの生物学的活性を評価す
るために当業者によって使用され得るかまたは開発され得る。例えば、米国特許
第5,226,683号に記載されるバイオアッセイを参照のこと。
【0037】 本明細書において意図されるOP/BMPモルフォゲンは、原核生物または真
核生物の宿主細胞において、インタクトまたは短縮型のゲノムまたはcDNAあ
るいは合成DNAから発現され得る。二量体タンパク質は、培養培地から単離さ
れ得、そして/またはインビトロで再折り畳みおよび二量体化されて生物学的に
活性な調製物を形成し得る。ヘテロ二量体は、インビトロで、別個で異なるポリ
ペプチド鎖を合わせることによって形成され得る。あるいは、ヘテロ二量体は、
単一の細胞において、別個で異なるポリペプチド鎖をコードする核酸を同時発現
することによって形成され得る。例えば、いくつかの例示的な組換えへテロ二量
体タンパク質産生プロトコルについて、WO93/09229または米国特許第
5,411,941号を参照のこと。現在好ましい宿主細胞は、限定することな
く、E.coliを含む原核生物、または酵母(例えば、Saccharomy
ces)、昆虫細胞、哺乳動物細胞(例えば、CHO、COSまたはBSC細胞
)を含む真核生物を包含する。当業者は、他の宿主細胞が有利に使用され得るこ
とを理解する。本発明の実施において有用なタンパク質の詳細な説明(それらの
作製方法、使用方法および骨形成性についての試験方法を含む)は、多数の刊行
物に開示されており、この刊行物は、米国特許第5,266,683号および同
5,011,691号を含み、それらの開示は、本明細書において参考として援
用される。
【0038】 (B.GDNF/NGF神経栄養因子) 本発明の方法および調製物において有用であるGDNF/NGF神経栄養因子
は、ポリペプチドならびにポリペプチドの機能的改変体を含み、それには、GD
NF、BDNF、NGF,NT−3、NT−4、NT−5およびNT−6からな
る群より選択される成熟哺乳動物タンパク質の少なくとも活性部分が含まれる。
これらの好ましいGDNF/NGF神経栄養因子の各々を以下に別個に説明する
【0039】 1.GDNF。グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)は、トランスフォー
ミング増殖因子−β(TGF−β)スーパーファミリーに属するが、TGF−β
スーパーファミリー内のOP/BMPファミリーには属さない、神経栄養因子で
ある。GDNFは、インビトロ(Linら、Science 260:1130
−1132(1993))および動物モデルにおけるインビボ(Hudsonら
、Brain Res.Bull.36:425−432(1995);Hof
ferら、Neurosci. Lett.182:107−111(1994
)の両方で、ドパミン作用性ニューロンについて強力な生存および分化促進効果
を示す。GDNFはまた、脳幹および脊髄のコリン作用性運動ニューロンに対し
て神経栄養効果を有することが示されている。Oppenheimら、Natu
re 373:344−346(1995);Yanら、Nature 373
:341−344(1995)。成熟哺乳動物GDNFタンパク質の活性部分の
記載は、例えば、Linら、Science 260:1130−1132(1
993);Linら、J;Neurochem.63:758−768(199
4);ならびにPCT公開WO97/11965に見い出され得る。手短には、
GDNFは、前駆体として合成され、そしてTGF−βタンパク質スーパーファ
ミリーを特徴付ける7システインドメインを含む134アミノ酸を含有する成熟
タンパク質として分泌される。最初のMet残基が省略されているGDNFの1
33アミノ酸改変体([Met-1]GDNF)は、実質的に等価な生物学的活性
を有する。例えば、WO97/11965を参照のこと。本明細書において使用
される場合、用語「GDNF」は、少なくとも134アミノ酸成熟形態を含むポ
リペプチドならびにそのポリペプチドの機能的改変体(例えば、保存的アミノ酸
置換改変体または133アミノ酸改変体)を包含する。
【0040】 2.NGF。神経成長因子(NGF)は、「ニューロトロフィン」タンパク質
ファミリーの最も良く特徴付けられたメンバーであり、このファミリーの他のメ
ンバーは、下記のように、脳由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィ
ン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−4(NT−4)、ニューロトロフィ
ン−5(NT−5)、およびニューロトロフィン−6(NT−6)を含む。NG
Fは、樹状突起成長の初期段階の調節において役割を果たすこと、ならびにコリ
ン作用性ニューロンの生存、成長および/または修復の促進、およびコリン作用
性ニューロンの分化した表現型の維持を補佐することが示されている。例えば、
NGFは、培養物中の樹状突起を形成する神経節ニューロンの小集団を発生させ
得(De Koninckら、J.Neurosci.13:577−585(
1993))、そしてインサイチュに注射されたときに交感神経樹状突起の成長
を促進し得る(Snider、J.Neurosci.8:2628−2634
(1988))。しかし、NGF単独は、交感神経ニューロンの培養物中での樹
状突起成長を支持しない。BrickensteinおよびHiggins、D
ev.Biol.128:324−326(1988)。さらに、NGFは、ア
ルツハイマー病の標準的な采/脳弓軸策切断モデルにおいて誘導されるコリン作
用性ニューロンの萎縮を予防または反転さえさせるのに有効であることが示され
ている。例えば、Batchelorら、J.Comp.Neurol.284
:204(1989);Heftiら、J.Neurobiol.25:141
8−1435(1994);Olsonら、Neurochem.J.25:1
−3(1994)を参照のこと。本明細書において使用される場合、用語「NG
F」は、少なくとも成熟形態を含むポリペプチドならびにそのポリペプチドの機
能的改変体(例えば、保存的アミノ酸置換改変体)を包含する。
【0041】 3.BDNF。脳由来神経栄養因子(BDNF)は、タンパク質の神経栄養因
子の別のメンバーであり、これは、細胞培養物中の胎性黒質DAニューロンによ
るドパミン取り込みを増強すること(Beckら、Neurosci.52:8
55−866(1993);Knuselら、Proc.Natl.Acad.
Sci.(USA)88:961−969(1991))、ならびに神経毒素で
あるN−メチル−4−フェニルピリジニウムイオンおよび6−ヒドロキシドパミ
ン(6−ODHA)の毒性効果からDAニューロンを部分的に保護することが示
されている。Hymanら、Nature 350:230−232(1991
)。BDNFはまた、培養された黒質DAニューロンの生存に対して強力な支持
効果を有することが示されている。Beckら、Neurosci.52:85
5−866(1993);Hymanら、Nature 350:230−23
2(1991);Knuselら、Proc.Natl.Acad.Sci.(
USA)88:961−965(1991)。これらの知見は、BDNFがイン
ビボで移植されたDAニューロンに対して生存増強効果を有し得ることを示唆す
る。BDNF処置は、移植後2週間でのアンフェタミン誘導回転における相対的
減少によって示されるように、移植された黒質DNAニューロンの、片側6−O
DHA損傷させたラットのDA涸渇線条に対する行動効果を増強する。Saue
rら、Brain Research 626:37−44(1993)。しか
し、この研究は、移植されたDAニューロンからの神経突起の成長(outgr
owth)の程度において、処置された動物とコントロール動物との間の顕著な
相違を何ら確立し得なかった。従って、BDNFの注入は、胎性黒質組織を移植
されたラットにおいて、いくつかの行動および形態学的効果を生成したが、移植
されたドパミン細胞の生存率を増加させ得なかった。本明細書において使用され
る場合、用語「BDNF」は、少なくとも成熟形態を含むポリペプチドならびに
そのポリペプチドの機能的改変体(例えば、保存的アミノ酸置換改変体)を包含
する。
【0042】 4.NT−3。本明細書において使用される場合、「NT−3」とは、以下の
文献において実質的に刊行されたタンパク質配列を有する、ヒトタンパク質また
は哺乳動物のその相同体を意味する:Jonesら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.(USA)87:8060−8064(1990);Maiso
npierreら、Genomics 10:558−568(1991);K
aishoら、FEBS Lett.266:187−191(1990);W
o91/03569、そしてこれはGenBank登録番号M37763を通し
て利用可能である。ヒトNT−3の単離および/または特徴付けは、例えば、J
onesら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)87:806
0−806(1990);およびMaisonpierreら、Science
247:1446−1451(1990)に記載される。マウスNT−3配列
は、Hohneら、Nature、344:339−341(1990);WO
91/03569、ならびにGenBank登録番号X53257に開示される
。ラットNT−3遺伝子配列は、Ernforsら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.(USA)87:5454−5458(1990);WO91/
03569;ならびにGenBank登録番号M34643に開示される。ヒト
NT−3前駆体と、ラットおよびマウスNT−3前駆体との比較は、成熟形態が
同一であることを示す。ヒトNT−3についての遺伝子は、18アミノ酸シグナ
ルペプチドを有する推定257アミノ酸前駆体をコードし、これは、119アミ
ノ酸成熟ペプチドへとプロセシングされる。NT−3 RNAは、小脳、基底核
、脳幹神経節、海馬および視覚皮質を含むヒトCNS組織において検出されてい
る。Maisonpierreら、Genomics 10:558−568(
19911)、ヒトNT−3は、ヒトNGFおよびヒトBDNFと56%アミノ
酸同一性を共有しており、そしてニューロトロフィンファミリーの他のメンバー
と保存された6システインを共有し、これらの3つのタンパク質の間で最も相同
である領域は、これらのシステイン残基の周りにクラスター化されている。用語
「NT−3」は、本明細書において使用される場合、Jonesら、Proc.
Natl.Acad.Sci.(USA)87:8060−806(1990)
において開示される成熟119アミノ酸形態を少なくとも含むポリペプチド、な
らびに保存的アミノ酸置換改変体のようなポリペプチドの機能的改変体を包含す
る。
【0043】 5.NT−4.本明細書において使用される場合、「NT−4」とは、Ipら
、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)89:3060−306
4(1992);米国特許第5,364,769号において本質的に刊行され、
そしてGenBank登録番号M86528号から利用可能なタンパク質配列を
有する、ヒトタンパク質または哺乳動物相同体を意味する。NT−4の単離およ
び/または特徴付けは、例えば、Ipら、Proc.Natl.Acad.Sc
i.(USA)89:3060−3064(1992);Hallboeoek
ら、Neuron6:845−858(1991);ならびにIbanezら、
Development 117:1345−1353(1993)に記載され
る。完全なNT−4遺伝子配列は、推定シグナルペプチド配列およびおよそ60
アミノ酸のプロ領域を含む、236アミノ酸の27kD前駆体タンパク質(これ
は、130アミノ酸成熟ヒトNT−4ポリペプチドへとプロセシングされると考
えられる)をコードする。NT−4の成熟形態は、NGF、BDNFおよびNT
−3と、それぞれ、46.5%、55.4%、および52.2%の配列同一性を
共有する。NT−4は、ニューロトロフィンファミリーの保存された6システイ
ンを含むが、第二のシステインと第三のシステインとの間の位置する7つのアミ
ノ酸挿入を含む。NT−4は、マウスにおいて三叉神経神経節(Ibanezら
、Development 117:1345−1353(1993))および
ニワトリにおいて後根神経節(Ipら、Proc.Natl.Acad.Sci
.(USA)89:3060−3064(1992))のニューロンの生存を支
持することが示されている。ラットにおいて、NT−4 mRNAは、脊髄およ
び小脳および皮質を含むいくつかの脳領域において見出されている。用語「NT
−4」は、本明細書において使用される場合、Ipら、Proc.Natl.A
cad.Sci.(USA)89:3060−3064(1992)において開
示されるような成熟130アミノ酸形態を少なくとも含むポリペプチド、ならび
に保存的アミノ酸置換改変体のようなポリペプチドの機能的改変体を包含する。
【0044】 6.NT−5。本明細書で用いられるとき、用語「NT−5」は、本質的にB
erkemeierら、Neuron 7:857〜866(1991)に記載
のようなタンパク質配列を有する、ヒトタンパク質、またはその哺乳動物相同体
を意味する。NT−5の単離および/または特徴付けは、例えば、Berkem
eierら、Neuron 7:857〜866(1991)およびBerke
meierら、Som.Cell Mol.Genet.18:233〜245
(1992)に記載されている。NT−5に対するヒト遺伝子は、推定の210
アミノ酸の22.4kD前駆体タンパク質をコードする。割り当てられた開始コ
ドンの後には、切断部位がSer−24にある推定のシグナル配列が続く。NT
−5の推定のプレプロ配列は、その他の神経栄養因子のそれより約50アミノ酸
短い。このNT−5前駆体の、アフリカツメガエルNT−4、ヒトNT−3、ヒ
トBDNFおよびヒトNGFとの全体の相同性は、それぞれ、52%、45%、
47%および41%である。成熟NT−5は、123アミノ酸長であり、そして
神経栄養因子ファミリーで保存された6つのシステインを共有する。NT−5は
、NGFと50%の相同性、BDNFと56%の相同性、NT−3と55%の相
同性およびアフリカツメガエルNT−4と66%の相同性を共有する。ラットN
T−5遺伝子は、そのヒト相当物に91%同一である、209アミノ酸タンパク
質をコードする。Berkemeierら、Neuron 7:857〜866
(1991)。NT−5タンパク質は、成体ラット脳において同定され、そして
脊髄神経節感覚細胞のための生存因子として作用し、かつ交感神経神経節ニュー
ロンの生存およびそれからの軸索成長を促進する。Berkemeierら、N
euron 7:857〜866(1991)。本明細書で用いる用語「NT−
5」は、成熟123アミノ酸形態を含むポリペプチド、および保存的アミノ酸置
換改変体のようなこのペプチドの機能的改変体を含む。
【0045】 7.NT−6。本明細書で用いられるとき、「NT−6」は、本質的にGot
zら、Nature 327:266〜269;WO95/26363(199
4);およびGenBank登録番号L36325およびL36942を通じて
入手可能なタンパク質配列を有する、ヒトタンパク質、またはその哺乳動物相同
体を意味する。NT−6の単離および特徴付けは、例えば、Gotzら、Nat
ure 327:266〜269(1994)に記載されている。NT−6前駆
体は、シグナルペプチドに特徴的なN末端(残基1〜19)に疎水性ドメイン、
および残基20〜142に推定のプロ領域を有する286アミノ酸を含む。この
推定の成熟タンパク質は、残基143で始まる。NT−6は、すべての神経栄養
因子に見出される保存された6システインを共有するが、第2と第3の保存され
たシステイン含有ドメインの間に22残基の挿入物を含む。本明細書で用いられ
る用語「NT−6」は、Gotzら、Nature 327:266〜269(
1994)に開示される成熟119アミノ酸形態を含むポリペプチド、および保
存的アミノ酸置換改変体のようなこのポリペプチドの機能的改変体を含む。
【0046】 (C.処置のための被験体) 本発明の方法に従う処置のための被験体は、以下を含むが、これらに制限され
ない:(1)頭部への鈍力外傷、脳水腫、硬膜下血腫、椎骨破壊または椎骨圧捻
、または神経断裂または神経切断(手術手順に起因するそれらを含む)から生じ
るような機械的外傷に起因した、損傷した神経組織を有するか、または損傷の切
迫した危険にある被験体;(2)例えば、神経毒(例えば、鉛、エタノール、ア
ンモニア、ホルムアルデヒド、水銀)への曝露、または神経毒性副作用を有する
化学的治療剤(例えば、シスプラチン)の投与から生じ得るような、神経組織へ
の化学的外傷を罹患したか、または罹患する切迫した危険にある被験体;(3)
神経組織への虚血傷害(例えば、脳卒中)を罹患したか、または罹患する切迫し
た危険にある被験体;および(4)神経障害または神経変性疾患を罹患したか、
または罹患する切迫した危険にある被験体。特に意図されるのは、筋萎縮性側索
硬化症(ALS)、進行性筋萎縮症、遺伝性運動および感覚神経障害(シャルコ
ー−マリー−ツース病)、アルツハイマー病、てんかん、ハンチントン病、パー
キンソン病、麻痺、痴呆、シャイ−ドレーガー病、ウェルニッケ−コルサコフ症
候群、およびハレルホルデン−シュパッツ病からなる群から選択される神経障害
または神経変性疾患と診断されたか、または切迫した危険にあるヒト被験体の処
置である。
【0047】 ALS、進行性筋萎縮症、および遺伝性運動および感覚神経障害(シャルコー
−マリー−ツース病)のような疾患はすべて、少なくとも一部分は、脊髄の前角
中に位置する運動ニューロンの変性から生じる。従って、1つの実施態様では、
本発明は、運動ニューロンの損失またはそれの損傷を含むこれらまたはその他の
症状の処置のための、GDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせたOP/BM
Pモルフォゲンを利用する方法および調製物を提供する。
【0048】 脳の大脳皮質の一部分である良く規定された構造の海馬は、長期間の記憶の形
成に重要である。海馬のCA1領域に位置する錐体CA1ニューロンの変性は、
アルツハイマー病の1つの特徴である。これらの同じニューロンは、発作および
頭部外傷のような症状で起こる虚血および無酸素性損傷で選択的に傷つき易い。
さらに、CA1錐体海馬ニューロンおよび海馬のCA3領域に位置する錐体ニュ
ーロンは、てんかんで選択的に損傷される。従って、1つの実施態様では、本発
明は、海馬ニューロンの損失またはそれに対する損傷を含むこれらまたはその他
の症状の処置のための、GDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせたOP/B
MPモルフォゲンを利用する方法および調製物を提供する。
【0049】 線条中のニューロンの大部分は、GABA(4−アミノ酪酸)をそれらの神経
伝達物質として利用し、そして「GABA作動性」ニューロンと称され得る。線
条はまた、ハンチントン病で起こる進行性神経変性の主要な標的であり、そこで
は、線条のGABA利用性ニューロン(例えば、棘細胞(spiny cell
)ニューロンおよびエンケファリンニューロン)が萎縮および/または死亡する
。従って、1つの実施態様では、本発明は、線条またはGABA作動性ニューロ
ンの損失またはそれに対する損傷を含むこれらまたはその他の症状の処置のため
の、GDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせたOP/BMPモルフォゲンを
利用する方法および調製物を提供する。
【0050】 ドパミン産生性(「ドパミン作動性」または「DA」)ニューロンは、黒質中
に主に、そしてより少ない程度で、隣接する線条(尾状核、被殻、淡蒼球、青斑
(locus coerulus)を含む)に位置する。線条のニューロンは、
ドパミンに対するレセプターを発現し、そして運動活性の制御に応答性である。
従って、DAニューロンの変性は、ドパミンレベルの減少および運動活性の損失
を生じる。特に、黒質中のドパミン作動性ニューロンの進行性変性は、パーキン
ソン病の特徴である、随意筋運動の開始および実行の遅延(運動緩徐)、筋硬直
、およびふるえに至り得る。従って、1つの実施態様では、本発明は、黒質のニ
ューロンを含む、ドパミン作動性ニューロンの損失またはそれに対する損傷を含
むこれらまたはその他の症状の処置のための、GDNF/NGF神経栄養因子と
組み合わせたOP/BMPモルフォゲンを利用する方法および調製物を提供する
【0051】 神経細胞の集団が失われるかまたは損傷を受けるその他の神経障害性の症状は
、麻痺、痴呆、シャイ−ドレーガー病、ウェルニッケ−コルサコフ症候群、およ
びハレルホルデン−シュパッツ病を含む。従って、他の実施態様では、本発明は
、神経組織の損失または損傷を含むこれらまたはその他の症状の処置のための、
GDNF/NGF神経栄養因子と組み合わせたOP/BMPモルフォゲンを利用
する方法および調製物を提供する。
【0052】 (D.薬学的調製物) 本発明の薬学的調製物は、少なくとも1つのGDNF/NGF神経栄養因子と
組み合わせた少なくとも1つのOP/BMPモルフォゲンを含む。好ましくは、
このような調製物は、単独で投与される場合有効である各薬剤の量を含む。しか
し、組み合わせた薬剤の相乗効果のため、この薬学的調製物は、その他の非存在
下で投与される場合に単独では有効であり得ない、各試薬の量を含み得る。薬剤
の適切な比率の決定は、所定の症状の処置について、OP/BMPモルフォゲン
およびGDNF/NGF神経栄養因子の所定の組み合わせについて、および所定
の投与経路について、当業者の能力および裁量の範囲内である。
【0053】 一般的事項として、本発明の薬学的調製物は、少なくとも1つのOP/BMP
モルフォゲンおよび少なくとも1つのGDNF/NGF神経栄養因子を含み、イ
ンビトロアッセイ、動物モデル、および臨床研究を用いて試験され得る。この調
製物の有効濃度は、(1)神経成長のインビトロアッセイにおいて増大した軸索
成長を引き起こすため;(2)パーキンソン病の標準的な動物モデルにおいて運
動技術改善を引き起こすために;または(3)哺乳動物被験体(例えば、ヒト被
験体)に投与されるとき、神経学的機能において臨床的に有意な改善を引き起こ
すために十分な濃度である。
【0054】 (E.投与のための方法および処方物) 少なくとも1つのOP/BMPモルフォゲンおよび少なくとも1つのGDNF
/NGF神経栄養因子を含む本発明の薬学的調製物は、任意の適切な手段により
、好ましくは直接(例えば、組織部位への注射によるなど局所的に)、または全
身的に(例えば、非経口的または経口的に)個体に投与され得る。この調製物が
、静脈内、皮下、筋肉内、眼窩内、眼内、脳室内、頭蓋内、嚢内、脊髄内、槽内
、腹腔内、または頬投与によるような、非経口的に投与される場合、好ましくは
、調製物は、水性溶液の一部を構成する。この溶液は、患者への所望のOP/B
MPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子の送達に加えて、溶液が
、その他に患者の電解質および容量バランスに悪影響を与えないように、生理学
的に受容可能であるように選択される。
【0055】 非経口的投与のために有用な溶液は、薬学の分野で周知の種々の方法により調
製され得る。例えば、Remington’s Pharmaceutical
Sciences、Gennaro、A編、Mack Pub.、(1990
)を参照のこと。処方物は、例えば、ポリエチレングリコールのようなポリアル
キレングリコール、植物起源のオイル、硬化ナフタレンなどを含み得る。直接投
与のための処方物は、特に、グリセロールおよびその他の高粘度の調製物を含み
得る。例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、ポリ酪酸、リン酸三カルシウム、ラ
クチドおよびラクチド/グリコリドコポリマーを含む、生体適合性、好ましくは
生体再吸収可能なポリマーは、インビボで調製物の放出を制御する有用な賦形剤
である。これら調製物のための潜在的に有用なその他の非経口的送達系は、エチ
レン−酢酸ビニルコポリマー粒子、浸透圧ポンプ、移植可能な浸剤系、およびリ
ポソームを含む。
【0056】 当業者により認識されるように、薬学的調製物中に存在する薬剤の量および/
または濃度は、投与されるべき薬物の用量、採用される薬剤の化学的特性(例え
ば、疎水性)、および投与経路を含む多くの因子に依存して変化する。好適な用
量はまた、処置されるべき損傷または傷害のタイプおよび程度、被験体の全体的
な健康状態、採用される薬剤の相対的生物学的効力、賦形剤または希釈剤の存在
などのような変数に依存し得る。
【0057】 一般的事項として、本発明の薬学的調製物は、神経組織損傷または傷害の部位
、またはそのような傷害の切迫した危険にある部位で、OP/BMPモルフォゲ
ンおよびGDNF/NGF神経栄養因子の有効濃度を達成するに十分な量で投与
される。好ましくは、この調製物は、投与の選択された経路により投与される場
合、約0.1ng/ml〜10μg/mlの、より好ましくは約1ng/ml〜
100ng/mlのOP/BMPモルフォゲンの濃度を生じるようなOP/BM
Pモルフォゲンの量を含む。同様に、好ましくは、この調製物は、投与の選択さ
れた経路により投与される場合、約0.1ng/ml〜10μg/mlの、より
好ましくは約1ng/ml〜100ng/mlのGDNF/NGF神経栄養因子
の濃度を生じるようなGDNF/NGF神経栄養因子の量を含む。OP/BMP
モルフォゲンとGDNF/NGF神経栄養因子との相乗作用のため、最適濃度お
よび比は、採用される特定の薬剤に依存して変化し得る。
【0058】 神経経路のニューロンへの損傷が、例えば、手術手順の一部として慎重に誘導
される場合、好ましくは、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神
経栄養因子は、外傷の誘導の直前またはそれと同時に提供される。好ましくは、
モルフォゲンおよび神経栄養因子は、手術セッテングで予防的に投与される。
【0059】 OP/BMPモルフォゲンおよび神経栄養因子が軸索再生を刺激するために所
定の部位に提供されるべき場合、好ましくは、薬学的調製物は、タンパク質をイ
ンビボでその部位に維持するために適切な、そして神経突起(neural p
rocess)がそれを通して再生され得る生体適合性の、好ましくは生体再吸
収性のキャリアと組み合わせて提供される。現在好適なキャリアはまた、軸索成
長の指向を援助するに十分な構造を備える。現在好適なキャリアは、コラーゲン
、ヒアルロン酸またはラミニン、および/または例えば、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸またはポリ酪酸の合成ポリマーまたはコポリマーのような構造分子を含む
。現在最も好ましいのは、組織細胞外基質を含むキャリアである。これらは市場
から得られ得る。さらに、脳組織由来の細胞外マトックスが、本明細書に参考と
して援用されるPCT公開WO92/15323に記載のように、および/また
は当該分野で公知の他の手段により調製され得る。
【0060】 神経経路、特に末梢神経系経路における破壊を修復する現在好適な手段は、O
P/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子を、破壊に広がる
に十分な大きさであって、そして切断された神経末端を受容するために適合した
開口部を有する、生体適合性メンブレンまたはケーシングを備えたデバイスの一
部分として部位に提供することを含む。OP/BMPモルフォゲンおよびGDN
F/NGF神経栄養因子は、ケーシング内に配置され、好ましくは、適切なキャ
リアのいたるところに分散され、そして切断された神経末端に接近可能である。
あるいは、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子は、
ケーシングの内表面上に吸着され、またはそうでなければそれと結合され得る。
ケーシングは、軸索成長の方向付けを支援する神経案内チャンネルとして作用す
る。適切なチャンネルまたはケーシング材料は、シリコーンまたはコラーゲン、
ヒアルロン酸、ラミニン,ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ酪酸などのような
生体再吸収性材料を含む。
【0061】 (実施例) OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子相乗作用 本明細書に記載されるOP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経
栄養因子組成物は、神経細胞における突起形成を増大する。ニワトリ胎児由来の
種々の末梢神経節を、GDNF(PeproTech、Rocky Hill、
New Jersey)、NT−3(Austral Biologicals
、San Ramon、CA)、アクチビンA(Austral Biolog
icals、San Ramon、CA)、またはマウスβ−NGFと組み合わ
せたOP−1(Creative Biomolecules、Hopkint
on、MA)による神経繊維成長の誘導のモデルとして用いた。
【0062】 末梢神経節は、Ebendalら(Ebendal、IBROハンドブックシ
リーズ:Methods in the Neurosciences 第12
巻、81〜93頁(1989)、John Wiley、Chichester
)の方法に従って、ニワトリの9日胎児(E9)から得た。交感神経神経節は、
腰椎領域から得た。毛様体神経節は眼窩から得た。レーマック神経節は背側直腸
間膜から得た。背側根神経節は腰仙領域から得た。結節神経節は心臓上方の迷走
神経から得た。いくつかの実験には、三叉神経神経節を得、そして上下顎葉およ
び眼葉を外植の前に分離した。神経節をインタクトに取り出し、そしてコラーゲ
ン基質中に37℃で5%CO2で維持したか、または単一ニューロンに解離させ そして薄コラーゲンゲル中に拡げた(Ebendal(1989)、前述)。両
方の例では、ゲルは、1%ウシ胎仔血清を含む当容量のEagle’s Bas
al Mediumで補充した。コントロール培養は、1%ウシ胎仔血清を含む
Eagle’s Basal Mediumからなり、いくつかの場合には、実
験培養希釈物に一致する濃度に、緩衝液(25mM アルギニン、150mM
NaCl、pH9.0、0.1% Tween80)で補充した。培養を、コン
トロール培地、OP−1、NT−3、GDNFまたはNGF単独、または種々の
組み合わせおよび一連の濃度で、2、4および6日間処理した。
【0063】 6日培養に、インキュベーション4日後に、成長因子を含む新鮮培地を供給し
た。全神経節も、暗視野照射下で検査し、その一方解離したニューロンを、位相
差光学で検査した。生存細胞を、プレートを横切る小割板中で計数し、5ng/
mlのNGFで2日間処理した細胞の生存に対する生存を計算した。
【0064】 先の研究は、NT−3が外植毛様体神経節における繊維成長を誘発し、そして
またニワトリ胚の交感神経神経節において弱い応答を惹起することを示した。E
rnforsら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)87:5
454〜5458(1990)。OP−1は、E9交感神経神経節においてNT
−3処理により誘導された繊維成長を多いに増大した。この効果は培養2日後に
明らかであり、そして培養の4日後に持続した。NT−3およびOP−1の最適
濃度は、それぞれ、10ng/mlおよび50ng/mlであった。GDNFと
組み合わせたOP−1を用いた神経節培養の処理は、同様の結果を与えた。OP
−1は、0.1ng/ml〜1000ng/mlの用量で、全外植Eg神経節の
いずれの繊維成長をも刺激しなかった。さらに、OP−1はまた、より若い神経
節(例えば、4.5日胚由来)を刺激しなかった。緩衝液(pH9)は、交換神
経、毛様体または結節神経節におけるNT−3応答に対して任意の増強効果を奏
しなかった。
【0065】 10ng/ml NT−3および50ng/ml OP−1を用いた毛様体神
経節の処置は、細胞から放射状に伸びる軸索の厚い束からなる頑強な繊維ハロー
を生じた。50ng/ml GDNFおよび50ng/ml OP−1を用いた
毛様体神経節の処置は、培養の2日後、毛様体神経束の繊維ハーローを与えた。
毛様体神経節は、NT−3(2ng/mlおよび10ng/ml)およびGDN
F(50ng/ml)に応答してより少ないかまたはより頑強でない神経繊維を
伸長させたが、50ng/mlOP−1単独に応答して軸索を伸長しなかった。
【0066】 従って、OP−1とNT−3との、またはOP−1とGDNFとの組み合わせ
を用いたニューロンの処置は、NT−3またはGDNF誘導軸索成長に対するO
P−1の相乗効果を示唆した。統計学的分析はまた、コントロール(BME、ま
たはBasal Medium、Eagle’s)と比較したとき、生存におけ
る差異が有意である(図1)ことを示す。OP−1およびNT−3の両方は、毛
様体神経節において増大した神経成長応答を惹起するために処理期間の初めから
必要である。
【0067】 結節神経節の感覚ニューロンもまた、OP−1(50ng/ml)単独および
NT−3(2ng/mlおよび10ng/ml)との組み合わせ、またはGDN
F(50ng/ml)と組み合わせたOP−1(50ng/ml)で処理した。
感覚ニューロンのOP−1単独での処理は、繊維成長を惹起しなかった。しかし
、OP−1は、処置の2および4日後、NT−3誘導軸索成長を増大した。
【0068】 アクチビンA(20ng/ml)は、交感神経神経節の処置において、単独ま
たはNT−3(10ng/ml)、GDNF(50ng/ml)またはNGF(
5ng/ml)との組み合わせで試験した場合、OP−1の効果を模倣しなかっ
た。
【0069】 従って、OP−1は、いくつかのクラスの末梢ニューロンで、NT−3および
GDNFで誘導された神経突起形成を促進し得る。
【0070】 (アルツハイマー病の処置) アルツハイマー病は、頭頂および前頭連合野、海馬およびアマグディラ(am
agdyla)の大錐体細胞の有意なニューロン損失がある、神経変性疾患であ
る。基底前脳のコリン作動性ニューロンおよび青斑のノルアドレナリン作動性ニ
ューロンもまた激しく影響される。
【0071】 本発明に従えば、OP/BMPモルフォゲン、好ましくはヒトOP−1は、G
DNF/NGF神経栄養因子、好ましくはGDNFまたはNT−3と組み合わせ
て、この領域中の細胞の成長および生存を促進するため、およびさらなる神経細
胞の進行性損失を阻害するため、アルツハイマー病患者に投与される。
【0072】 OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子を含む水性の
薬学的調製物は、患者に非経口的に投与される。好ましくは、この調製物は、例
えば、脳室内または髄腔内注射または注入により大脳内に投与される。1つの実
施態様では、被験体の頭蓋は、定位固定デバイス中に固定され、頭蓋中に小孔が
作成され、そして調製物が脳の影響された領域中に直接注射または注入される。
用量は、注射の部位で、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経
栄養因子の濃度約0.1〜10μg/ml、好ましくは約1〜100ng/ml
を達成するために計算され得る。あるいは、用量は、約10〜100μg/kg
のモルフォゲンおよび神経栄養因子、好ましくは1〜25μg/kgを送達する
ために計算され得る。用量は、数週間〜数ヶ月の期間、または、必要に応じて、
被験体の寿命を通じ、規則性を基本として、毎日またはより少ない頻度で繰り返
される。あるいは、徐放デバイスが、被験体の脳内に移植され、延長された期間
に亘って調製物の連続的放出を引き起こす。
【0073】 (切断神経繊維の処置) 哺乳動物神経細胞が増殖または再生する限られた能力に起因して、切断された
神経繊維は、しばしば、神経に伴う感覚または運動機能の永久的損失を導く。神
経繊維は、事故(例えば交通事故)中または手術の避けがたい副作用として裂か
れまたは切断され得る。
【0074】 本発明によれば、OP/BMPモルフォゲン、好ましくはヒトOP−1は、G
DNF/NGF神経栄養因子、好ましくはGDNFまたはNT−3と組み合わせ
て、切断された神経繊維を有する患者に、損傷細胞の修復成長および生存を促進
するために投与される。
【0075】 OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子を含む、水性
の薬学的調製物は、患者に非経口的に投与される。損傷末梢神経(例えば、座骨
神経中の)繊維の場合、好ましくは、この調製物は、切断された繊維の末端を閉
じ、そしてそれらの成長を一緒に誘導する神経誘導チャンネルの使用と組み合わ
せて投与される。脊髄中の切断された繊維の場合、好ましくは、この調製物は、
損傷の領域中のCSF中に注射または注入される。用量は、注射または注入の部
位で、約0.1〜10μg/ml、好ましくは約1〜100ng/mlのOP/
BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子の濃度を達成するよう
に計算され得る。あるいは、用量は、約10〜100μg/kgのモルフォゲン
および神経栄養因子、好ましくは1〜25μg/kgを送達するために計算され
得る。脊髄損傷の場合、用量は、数週間〜数ヶ月の期間毎日またはより少ない頻
度で繰り返される。あるいは、神経誘導チャンネルに囲まれた切断末梢神経の場
合、徐放処方物が採用され、そこでは、調製物は、神経誘導チャンネル内の基質
材料と混合される。
【0076】 (発作の処置) 脳における、虚血事象、または発作は、認知、感覚、または運動機能の永久的
損失を生じる神経損傷を引き起こし得る。発作の発症の直後、虚血領域中の細胞
の死または変性の阻害、およびこれらの細胞の成長および生存の促進は、永久的
損傷を最小にすることに重要である。
【0077】 本発明に従えば、OP/BMPモルフォゲン、好ましくはヒトOP−1は、G
DNF/NGF神経栄養因子、好ましくはGDNFまたはNT−3と組み合わせ
て、発作を患う患者に投与される。
【0078】 OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子を含む、水性
の薬学的調製物は、患者に非経口的に投与される。好ましくは、この調製物は、
例えば、脳室内または髄腔注射または注入により大脳内に投与される。用量は、
注射の部位で、OP/BMPモルフォゲンおよびGDNF/NGF神経栄養因子
の濃度約0.1〜10μg/ml、好ましくは約1〜100ng/mlを達成す
るために計算され得る。あるいは、用量は、約10〜100μg/kg、好まし
くは1〜25μg/kgのモルフォゲンおよび神経栄養因子を送達するために計
算され得る。用量は、数日〜数週間の期間、連続的にまたは頻繁であり得る。好
ましくは、最初の用量は、発作の発症に対し最初の2〜3時間以内に投与される
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、OP−1存在下および非存在下において、NT−3(2ng/ml)
またはGDNF(50ng/ml)を用いた処置の、2または6日後に、コラー
ゲンゲル中で増殖した、分離した交感神経ニューロンの生存率を示す棒グラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シャレット, マーク エフ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02192, ニーダム, エリコット スト リート 17 (72)発明者 エベンダル, テッド スウェーデン国 ウプサラ エス−751 23, ビーエムシー, ピー.オー. ボ ックス 587, デパートメント オブ ニューロロジカル サイエンシーズ, ウ プサラ ユニバーシティ Fターム(参考) 4C084 BA44 DB59 DB60 DB61 MA02 ZA011 ZA021 ZA061 ZA151 ZA161 ZA941 ZC032 ZC192

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物神経細胞の増殖を促進する方法であって、該方法が
    、以下: (a)ヒトOP−1のC末端7システイン骨格に対して、少なくとも70%の相
    同性を有するアミノ酸配列を有する二量体タンパク質を含む、モルフォゲン、お
    よび、 (b)GDNF/NGF神経栄養因子、 を含む調製物と、神経細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 哺乳動物神経細胞の変性を阻害する方法であって、該方法が
    、以下: (a)ヒトOP−1のC末端7システイン骨格に対して、少なくとも70%の相
    同性を有するアミノ酸配列を有する二量体タンパク質を含む、モルフォゲン、お
    よび、 (b)GDNF/NGF神経栄養因子、 を含む調製物と、神経細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  3. 【請求項3】 神経細胞に対する損傷または傷害に罹患した哺乳動物被検体
    を処置する方法であって、該方法が、以下: (a)ヒトOP−1のC末端7システイン骨格に対して、少なくとも70%の相
    同性を有するアミノ酸配列を有する二量体タンパク質を含む、モルフォゲン、お
    よび (b)GDNF/NGF神経栄養因子、 を含む調製物と、神経細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  4. 【請求項4】 神経細胞に対する損傷または傷害の切迫した危険にある哺乳
    動物被検体を処置する方法であって、該方法が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および、 (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含む有効濃度の調製物と、該神経細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  5. 【請求項5】 請求項3〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここで
    、前記損傷または傷害が、前記細胞を含有する組織に対する機械的外傷を含む、
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の方法であって、ここで、前記機械的外傷が
    、鈍力外傷性脳損傷、鈍力外傷性脊髄損傷、振とう症、脳水腫または硬膜下血腫
    に起因する頭蓋内圧、椎骨破壊または椎骨圧挫症、および神経断裂または神経切
    断からなる群から選択される、方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここで
    、前記損傷または傷害が、前記細胞を含有する組織に対する化学的外傷を含む、
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項3〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここで
    、前記損傷または傷害が、前記細胞を含有する組織の虚血を含む、方法。
  9. 【請求項9】 請求項3〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここで
    、前記損傷または傷害が、神経障害疾患から生じる、方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法であって、ここで、前記神経障害疾
    患が、パーキンソン病、ハンティングトン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイ
    マー病、癲癇、進行性筋萎縮、シャルコー−マリー−ツース病、麻痺、痴呆、シ
    ャイ−ドレーガー病、ヴェルニッケ−コルサコフ症候群、およびハレルフォルデ
    ン−シュパッツ病からなる群から選択される、方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記神経細胞が、ニューロンまたは神経膠細胞を含む、方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記神経細胞が、中枢神経系の神経細胞を含む、方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記神経細胞が、末梢神経系の細胞を含む、方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記OP/BMPモルフォゲンが、ヒトOP−1のC末端7システインドメ
    インに対して、少なくとも70%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の方法であって、ここで、前記OP/B
    MPモルフォゲンが、ヒトOP−1のC末端7システインドメインに対して、少
    なくとも80%の相同性を有するアミノ酸配列を含む、方法。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の方法であって、ここで、前記OP/B
    MPモルフォゲンが、ヒトOP−1のC末端7システインドメインに対して、少
    なくとも60%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の方法であって、ここで、前記OP/B
    MPモルフォゲンが、ヒトOP−1のC末端7システインドメインに対して、少
    なくとも70%以上のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列を含む、方法。
  18. 【請求項18】 請求項14に記載の方法であって、ここで、前記OP/B
    MPモルフォゲンが、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、B
    MP4、BMP5、BMP6、およびBMP9からなる群から選択される哺乳動
    物タンパク質のC末端の6または7システインのドメインを少なくとも含む、方
    法。
  19. 【請求項19】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記OP/BMPモルフォゲンの有効濃度が、0.1ng/mlと10μg
    /mlとの間であり、そして前記GDNF/NGF神経栄養因子の有効濃度が、
    0.1ng/mlと10μg/mlとの間である、方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって、ここで、前記OP/B
    MPモルフォゲンの前記有効濃度が、1ng/mlと100ng/mlとの間で
    ある、方法。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の方法であって、ここで、前記GDNF
    /NGF神経栄養因子の前記有効濃度が、1ng/mlと100ng/mlとの
    間である、方法。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の方法であって、ここで、前記OP/B
    MPモルフォゲンの有効濃度が、1ng/mlと100ng/mlとの間であり
    、そして前記GDNF/NGF神経栄養因子の有効濃度が、1ng/mlと10
    0ng/mlとの間である、方法。
  23. 【請求項23】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、ここ
    で、前記GDNF/NGF神経栄養因子が、GDNF、NGF、BDNF、NT
    −3、NT−4、NT−5およびNT−6からなる群から選択されるタンパク質
    の成熟した機能的形態を含む、方法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物細胞の生存または増殖を促進する方法であって、
    ここで、該細胞が、OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナーゼレセプター
    およびGDNF/NGF活性化チロシンキナーゼレセプターを発現し、ここで、
    該方法が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含有する有効濃度の調製物と、該細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 哺乳動物細胞の死または変性を阻害する方法であって、こ
    こで、該細胞が、OP/BMP活性化セリン/スレオニンキナーゼレセプターお
    よびGDNF/NGF活性化チロシンキナーゼレセプターを発現し、ここで、該
    方法が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含有する有効濃度の調製物と、該細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 細胞に対する損傷または傷害に罹患した哺乳動物被検体を
    処置する方法であって、ここで、該細胞が、OP/BMP活性化セリン/スレオ
    ニンキナーゼレセプターおよびGDNF/NGF活性化チロシンキナーゼレセプ
    ターを発現し、ここで、該方法が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含有する有効濃度の調製物と、該細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  27. 【請求項27】 細胞に対する損傷または傷害の切迫した危険にある哺乳動
    物被検体を処置する方法であって、ここで、該細胞が、OP/BMP活性化セリ
    ン/スレオニンキナーゼレセプターおよびGDNF/NGF活性化チロシンキナ
    ーゼレセプターを発現し、ここで、該方法が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含有する有効濃度の調製物と、該細胞とを接触させる工程、 を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 哺乳動物神経細胞の生存または増殖を促進するための薬学
    的調製物であって、該薬学的調製物が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含有する、薬学的調製物。
  29. 【請求項29】 哺乳動物神経細胞の死または変性を阻害するための薬学的
    調製物であって、該薬学的調製物が、以下: (a)GDNF/NGF神経栄養因子、および (b)OP/BMPモルフォゲン、 を含有する、薬学的調製物。
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