JP2001515361A - 新規な腫瘍抗原 - Google Patents

新規な腫瘍抗原

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JP2001515361A JP54857898A JP54857898A JP2001515361A JP 2001515361 A JP2001515361 A JP 2001515361A JP 54857898 A JP54857898 A JP 54857898A JP 54857898 A JP54857898 A JP 54857898A JP 2001515361 A JP2001515361 A JP 2001515361A
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オー. シェパード,ポール
グロスマン,アンジェリカ
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ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、zsig15と表示する分泌されたポリペプチドのためのポリヌクレオチド分子またはポリペプチド分子に関する。それらをコードするポリペプチド、およびポリヌクレオチドは、染色体19のマッピングおよび腫瘍増殖のマーカーに使用することができる。また、本発明は、zsig15ポリペプチドに対する抗体を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な腫瘍抗原 発明の背景 前立腺、結腸および乳房組織のすべては癌の高い罹患率のに関連し、そして、 事実、肺癌に関連し、肺癌は今日米国における最も致命的な形態である。 前立腺癌は米国の男性における癌の最も優勢な形態である。前立腺癌の推定33 4,500の新しい症例が1997年において診断されることが予測される(Cancer Facts and Figures :1997 ,American Cancer Society,Atlanta,1997)。前立腺癌の 発生率は1989〜1993の間に50%増加した。 初期の診断は生存のために重大である、例えば、腫瘍が局在化している間に発 見される場合、5年の生存率は99%である。しかしながら、現時点における初 期の診断は比較的信頼できない方法に制限される。これらの方法はディジタル直 腸検査および前立腺特異的抗原(PSA)試験を包含する。しかしながら、ディジタ ル検査は、腫瘍が非常に大きくなっていることを必要とし、そして癌はいっそう 進行した段階にあることがある。超音波検査法は、この方法を使用して検出され る癌の20%〜30%がPSAを使用して検出不可能であることを証明した。さら に、その上誤った陽性の結果は重大な問題である(Cancer :Principles and Prac tice of Oncology, DeVita,HellmanおよびRosenberg(編),J.B.Lippincott C ompany,Philadelphia,pp:538-589,1993)。 乳癌は女性における癌による死亡の第2の主要な原因である。ほぼ110/100,0 00の女性が毎年乳癌であると診断され、そして、19 97年において、乳癌に関係する死亡は43,900例であろうことが予測される(Cance r Facts and Figures :1997 ,American Cancer Society,Atlanta,1997)。初期 の検出は生存に対して重要であり、そして乳房造影図は初期の検出に利用可能な 、最も価値ある道具として一般に受け入れる。いったん腫瘍が肉体的症状により 認識可能であると、腫瘍は一般に進行している。 推定94,100の結腸癌の症例が1977年において同定され、そしてすべての癌の1 0%が結腸直腸癌に関係づけられるであろう(Cancer Facts and Figures :1997 ,American Cancer Society,Atlanta,1997)。診断および治療は絶えず改良さ れてきているが、初期の検出は生存のために重要である。さらに、これらの組織 における細胞は高い割合のターンオーバーおよび代謝活性を有し、したがって、 一般に広範囲のタンパク質を生成する。分泌機能を有するタンパク質が含まれ、 そしてこれは物質を体の外側に輸送することに関係する組織において特に普通で ある。分泌組織により生産される物質の1つの型は、抗微生物因子、特に抗微生 物性タンパク質である。これらのタンパク質は下記のメカニズムを包含する、い くつかのメカニズムを介して作用することができる:酵素的メカニズム、例えば 、微生物の保護物質または微生物の細胞壁/膜の破壊。あるいは、タンパク質は 非常に粘着性であり、微生物を捕捉することができる。分泌組織により生産され る抗微生物性タンパク質は、一般に免疫系の成分に関連するよりも、いっそう特 異的な方法において、感染を防止する体の能力の維持において重要な役割を演ず る。 こうして、本発明は、癌の増殖に対して高度に感受性の代謝の変化のマーカー として、ならびに本明細書における教示から当業者にとって明らかな他の用途に おいて、価値があるタンパク質を提供する。 発明の要約 本発明は、(a)配列番号:1に示すヌクレオチド97〜ヌクレオチド1215の ヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子;(b)前記(a)のオー ソログ(ortholog);(c)前記(a)または(b)のアレル変異型;(d)配 列番号:2のアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394(Glu)のアミノ酸配列 に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチ ド分子;および(e)(a)、(b)、(c)または(d)の縮重ヌクレオチド 配列;から成る群より選択される単離されたポリヌクレオチド分子を提供する。 他の態様において、ポリヌクレオチド分子は、配列番号:1に示すヌクレオチ ド97〜1344、79〜1344、34〜1344、97〜582、65〜1215、または65 〜1344;および配列番号:2の、それぞれ、残基22〜437、16〜437、または1 〜34の7アミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコ ードする対応するポリヌクレオチド分子から選択される。 ある面において、本発明は、配列番号:1のヌクレオチド97〜582、655〜12 15、または655〜1344のヌクレオチド配列を含んでなる単離されたポリヌクレオ チドを提供する。 他の面において、本発明は、第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを含ん でなる融合タンパク質をコードし、前記第1ポリペプチドが配列番号:1に示す ヌクレオチド97〜ヌクレオチド582のヌクレオチド配列によりコードされ、そ して前記第2ポリペプチドが配列番号:1に示すヌクレオチド655〜ヌクレオチ ド1215のヌクレオチド配列によりコードされる、単離されたポリヌクレオチド分 子を提供する。 他の面において、本発明は、下記の作用可能に連結された因子を 含んでなる発現ベクターを提供する:転写プロモーター;下記の(a)〜(e) から成る群より選択されるDNAセグメント:(a)配列番号:1に示すヌクレオ チド97〜ヌクレオチド1215のヌクレオチド配列を含んでなるポリヌクレオチド 分子;(b)前記(a)のオーソログ;(c)前記(a)または(b)のアレル 変異型;(d)配列番号:2のアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394(Glu )のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードす るポリヌクレオチド分子;および(e)前記(a)、(b)、(c)または(d )の縮重ヌクレオチド配列;並びに転写ターミネーター。 他の面において、本発明は、前述の発現ベクターが導入されており、前記DNA セグメンとによりコードされるペプチドを発現する、培養された細胞を提供する 。 他の面において、本発明は、(a)配列番号:2に示すアミノ酸残基22(Leu )〜アミノ酸残基394(Glu)のアミノ酸配を含んでなるポリペプチド分子分子; (b)前記(a)のオーソログ;(c)前記(a)または(b)のアレル変異型 ;および(d)配列番号:2のアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394(Glu )のアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチド分子;から 成る群より選択される単離されたポリペプチドを提供する。 他の態様において、本発明は、前記ポリペプチド分子が配列番号:2に示す残 基22〜437、16〜437および1〜437のアミノ酸配列を含んでなる、単離され たポリペプチドを提供する。 他の面において、本発明は、配列番号:2に示す残基22〜183、208〜394お よび208〜437のアミノ酸配を含んでなる単離されたポリペプチドを提供する。 他の面において、本発明は、第1ポリペプチドおよび第2ポリペ プチドを含んでなる融合タンパク質をコードし、前記第1ポリペプチドが配列番 号:2に示す残基22〜183のアミノ酸残基の配列を含んでなり、そして前記第 2ポリペプチドが配列番号.2に示す残基208〜394のアミノ酸残基の配列を含ん でなる、単離された融合タンパク質を提供する。 他の態様において、本発明は、親和性標識、トキシン、放射性ヌクレオチド、 酵素または蛍光体から成る群より選択される成分がN末端またはC末端において 共有結合した、単離されたポリペプチドを提供する。 他の面において、本発明は、配列番号:2に示す残基1〜437のアミノ酸配を 含んでなるポリペプチドのエピトープに特異的に結合する抗体を提供する。 他の面において、本発明は、工程:前述の発現ベクターが導入されており、且 つ前記DNAセグメントによりコードされるポリペプチドを発現する細胞を培養し ;そして前記ポリペプチドを回収する;を含んでなるポリペプチドを生産する方 法を提供する。 他の面において、本発明は、配列番号:1のヌクレオチド34〜ヌクレオチド 1344のポリヌクレオチドの少なくとも14の隣接ヌクレオチドを含んでなるオリ ゴヌクレオチドのプローブまたはプライマーを提供する。 発明の詳細な説明 本発明を詳細に説明する前に、下記の用語を定義することはそれらの理解の助 けとなるであろう: 用語「親和性標識」は、本明細書において、第2ポリペプチドの精製または検 出を提供するか、あるいは基質への第2ポリペプチドの結合部位を提供するため に、第2ポリペプチドに結合させること ができるポリペプチドのセグメントを表すために使用される。原理的には、抗体 または他の特異的な結合因子が利用可能な任意のペプチドまたはタンパク質を親 和標識として使用することができる。親和標識は下記のものを包含する:ポリヒ スチジントラクト、プロテインA(Nilsson et al.,EMBO J .4:1075,1985;Ni lsson et al.,Methods Enzymol .198:3,1991)、グルタチオンSトランスフェ ラーゼ(SmithおよびJohnson,Gene 67:31,1988)、Glu−Glu親和標識(Grussenm eyer et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 82:7952-4,1985)、サブスタンス P、FlagTMペプチド(Hopp et al.,Biotechnology 6:1204-1210,1988)、 ストレプチアビジン結合ペプチド、または他の抗原性エピトープまたは結合ドメ イン。一般に、Ford et al.,Protein Expression and Purification 2:95-107 ,1991、参照。親和性標識をコードするDNAは、商業的供給会社から入手可能で ある(例えば、Pharmacia Biotech、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)。 用語「アレル変異型」は、本明細書において、同一染色体遺伝子座を占有する 遺伝子の2またはそれより多くのいずれか1つの形態の任意のものを表すために 使用される。アレルの変動は突然変異により天然に起こり、そして集団内に表現 型の多形性を生じさせることがある。遺伝子の突然変異はサイレント(コードさ れたポリペプチドの非変化)であるか、あるいは変更されたアミノ酸配列を有す るポリペプチドをコードすることができる。アレル変異型という用語は、また、 本明細書において遺伝子のアレル変異型によりコードされるタンパク質を表すた めに使用される。 用語「アミノ末端」または「カルボキシル末端」は、本明細書において、ポリ ペプチド内の位置を表すために使用される。この関係が許す場合、これらの用語 は近接性または相対的位置を表すために ポリペプチドの特定の配列または部分を参照して使用される。例えば、ペプチド 内の参照配列に対してカルボキシル末端に位置するある種の配列は、参照配列の カルボキシル末端に対して近接して位置するが、完全なポリペプチドのカルボキ シル末端に必ずしも存在しない。 用語「相補体/抗相補体の対」は、適当な条件下に非共有結合的に関連した安 定な対を形成する、非同一部分を表す。例えば、ビオチンおよびアビジン(また はストレプトアビジン)は、相補体/抗相補体の対のプロトタイプのメンバーで ある。他の典型的な相補体/抗相補体の対は、レセプター/リガンドの対、抗体 /抗原(またはハプテンまたはエピトープ)の対、センス/アンチセンスポリヌ クレオチドの対、およびその他を包含する。相補体/抗相補体の対の引き続く解 離を望む場合、相補体/抗相補体の対は好ましくは<109/Mの結合アフィニ ティーを有する。 用語「ポリヌクレオチド分子の相補体」は、相補的塩基配列を有しかつ参照配 列に比較して逆の向きを有するポリヌクレオチド分子である。例えば、配列5'AT GCACGGG3’は5'CCCGTGCAT3’に対して相補的である。 用語「contig」は、他のポリヌクレオチドに対して同一であるか、あるいは相 補的な配列の隣接するストレッチを有するポリヌクレオチドを表す。隣接する配 列は、それらの全体においてあるいはポリヌクレオチドの部分的ストレッチに沿 って、ポリヌクレオチド配列の所定のストレッチを「オーバーラップ」させると 言われる。例えば、ポリヌクレオチド配列5'-ATGGCTTAGCTT-3'に対する代表的な contigは、5'-TAGCTTgagtct-3'および3'-gtcgacTACCGA-5'である。 用語「縮重ヌクレオチド配列」は、1またはそれより多くの縮重コドンを含む ヌクレオチド配列(ポリペプチドをコードする参照ポ リヌクレオチド分子に比較して)を表す。縮重コドンはヌクレオチドの異なるト リプレットを含有するが、同一アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAUおよ びGACのトリプレットの各々はAspをコードする)。 用語「発現ベクター」は、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に 連結された、注目のポリペプチドをコードするセグメントを含んでなる、線状ま たは円形のDNA分子を表すために使用される。このような追加のセグメントは、 プロモーターおよびターミネーターの配列を包含し、そして、また、1またはそ れより多くの複製起点、1またはそれより多くの選択マーカー、エンハンサー、 ポリアデニル化シグナル、およびその他を包含することができる。発現ベクター は、一般に、プラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、あるいは双方の 因子を含有するすることができる。 用語「単離された」は、ポリヌクレオチドに適用されるとき、ポリヌクレオチ ドがその自然の遺伝的環境から取出され、こうして、他の余分または望ましくな いコーディング配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質の産生系内で 使用するために適当な形態であることを表す。このような単離された分子は、そ れらの自然の環境から分離されたものであり、そしてcDNAおよびゲノムのクロー ンを包含する。本発明の単離されたDNA分子は、それらが通常関連する他の遺伝 子を含まないが、天然に存在する5’および3’の非翻訳領域、例えば、プロモ ーターおよびターミネーター、並びにその他を包含することができる。関連する 領域の同定は、当業者にとって明らかであろう(例えば、DynanおよびTijan,Na ture 316:774-78,1985、参照)。 「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、その自然環境、例えば、血 液および動物の組織以外の条件において見出されるポ リペプチドまたはタンパク質である。好ましい形態において、単離されたポリペ プチドは他のポリペプチド、特に動物由来の他のポリペプチドを実質的に含まな い。高度に精製された形態、すなわち、95%より高い純度、より好ましくは9 9%より高い純度のポリペプチドを提供することは好ましい。この関係において 使用するとき、用語「単離された」は別の物理的形態、例えば、二量体、あるい はグリコシル化または誘導化された形態の同一のポリペプチドの存在を排除しな い。 用語「作用可能に連結された」は、DNAセグメントについて言及するとき、セ グメントがそれらの意図する目的のために調和して機能するように、例えば、転 写がプロモーターにおいて開始し、コーディングセグメントを通してターミネー ターに進むように、セグメントが配置されていることを示す。 用語「オーソログ」は、異なる種からのポリペプチドまたはタンパク質の機能 的対応物である、1つの種から得られたポリペプチドまたはタンパク質を表す。 オーソログの間の配列の差は種形成の結果である。 「パラログ」(paralog)は、生物により作られた、別個の、構造的に関係する タンパク質である。パラログは遺伝子の重複(duplication)を通して生ずると考 えられる。例えば、α−グロビン、β−グロビン、およびミオグロビンは互いに パラログである。 「ポリヌクレオチド」は、5’→3’末端の方向に読んだ、デオキシリボヌク レオチドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖のポリマーである。 ポリヌクレオチドはRNAおよびDNAを包含し、天然源から単離され、in vitroで合 成されるか、あるいは天然の分子と合成の分子との組合わせから製造することが できる。ポリヌクレオチドは、塩基対(略号「bp」)、ヌクレオチド(「n t」)、またはキロ塩基(「kb」)として表される。この関係が許す場合、後 者の2つの用語は一本鎖または二本鎖であるポリヌクレオチドを記載することが できる。この用語を二本鎖の分子に適用するとき、それは全体の長さを表すため に使用され、そして用語「塩基対」に等しいと理解されるであろう。当業者は認 識するように、二本鎖ポリヌクレオチドの2つの鎖は長さが異なることがあり、 そして酵素の切断の結果その末端は食い違うことがある;こうして、二本鎖ポリ ヌクレオチド内のすべてのヌクレオチドは対合していなことがある。このような 不対末端は、一般に、20ntを超えない長さであろう。 「ポリペプチド」は、自然にまたは合成的に生産された、ペプチド結合により 結合されたアミノ酸残基のポリマーである。約10アミノ酸残基より小さいポリ ペプチドは普通に「ペプチド」と呼ばれる。 用語「プロモーター」は、本明細書において、RNAポリメラーゼを結合しかつ 転写を開始するDNA配列を含有する遺伝子の部分を表す、この分野において認識 されている意味において使用される。プロモーター配列は普通に、しかし常にで はないが、遺伝子の5’非コーディング領域の中に見出される。 「レセプター」は、生物活性分子(すなわち、リガンド)に結合し、細胞上の リガンドの作用を伝達する、細胞関連タンパク質を表す。膜に結合したレセプタ ーは、細胞外リガンド結合ドメインと、典型的にはシグナル伝達に関係する細胞 内エフェクタードメインとを含んでなる、多ドメイン構造物により特徴づけられ る。レセプターへのリガンドの結合は、エフェクタードメインと、細胞中の1ま たはそれより多くの他の分子との間の相互作用を引き起こす、レセプターにおけ るコンフォメーションの変化を生ずる。この相互作用 は、引き続いて、細胞の代謝の変更に導く。レセプター−リガンドの相互作用に 関係する代謝の事象は、遺伝子の転写、リン酸化、脱リン酸化、サイクル的AMP 産生の増加、細胞のカルシウムの移動化、膜脂質の移動化、細胞の接着、イノシ トール脂質の加水分解、およびリン脂質の加水分解を包含する。大部分の核レセ プターはまた、多ドメインの構造を示し、この構造はアミノ末端、トランス作用 性ドメイン、DNA結合ドメイン、およびリガンド結合ドメインを含む。一般に、 レセプターは、膜結合、細胞質ゾルまたは核レセプター;モノマーのレセプター (例えば、甲状腺刺激ホルモンのレセプター、ベータ−アドレナリン作動性レセ プター)またはマルチマーのレセプター(例えば、PDGFレセプター、G−CSFレ セプター、エリトロポイエチンレセプターおよびIL−6レセプター)であるこ とができる。 用語「分泌シグナル配列」は、ポリペプチド(「分泌ペプチド」)をコードす るDNA配列を表し、それは、より大きいポリペプチドの1成分として、より大き いポリペプチドが合成される細胞の分泌経路にそのポリペプチドを向ける。通常 、より大きいポリペプチドは、分泌経路を通る移行の間に切断されて、分泌ペプ チドが除去される。 用語「スプライス変異型」(splice variant)は、本明細書において、遺伝子 から転写されたRNAの別の形態を表すために使用される。スプライス変異型は転 写されたRNA分子内の、あるいはそれ程普通ではないが別々に転写されたRNA分子 の間の、いずれか1つのスプライス部位の使用により自然に発生し、そして同一 遺伝子から転写されたいくつかのmRNAを生ずることがある。スプライス変異型は 、変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。ま た、スプライス変異型という用語は、本明細書にお いて、ある遺伝子から転写されたmRNAのスプライス変異型によりコードされるタ ンパク質を表すために使用される。 不正確な分析法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されたポリマーの分子量 および長さは、近似値であると理解されるであろう。このような値を「約」Xま たは「ほぼ」Xとして表すとき、Xの記載する値は±10%の正確さであると理 解されるであろう。 本明細書において引用するすべての参考文献の教示は、それらの全体において 引用することによって本明細書の一部とされる。 本発明は、一部分、分泌されるポリペプチドをコードする新規なDNA配列の発 見に基づく。この新規なDNAに対応するmRNAの組織の分布の分析は、mRNAの発現 が精巣および骨髄において最高であり、次いで脊髄、結腸および膵臓において、 明らかであるが、減少した発現レベルであることを明らかにした。1.7および2.5 kbの大きさの転写物はノザン分析により同定された。このポリペプチドをzsig 15と表示した。さらに、腫瘍および正常組織のノザンブロットは、腫瘍の種々の 発生段階および/または正常組織における結腸および乳房のmRNAの発現を明らか にした。 本発明の新規なzsig15ポリペプチドは、ESTデータベースを推定上の分泌シグ ナルを有する配列について検索することによって、最初に同定された。EST配列 が発見され、引き続いてc19;q13.1−913.2にマッピングされた。EST配列は 本来結腸腫瘍ライブラリーから誘導された。 zsig15のヌクレオチド配列は配列番号:1に記載されており、そしてその推定 されたアミノ酸配列は配列番号:2に記載されている。zsig15ポリペプチド(配 列番号:1)をコードするDNAの分析は、15〜21アミノ酸残基のシグナルペ プチド(配列番号:2の残基1〜残基15〜21)からなり、そして416〜422の 成熟ポリペ プチド(配列番号:2の残基15〜21〜残基437)を含んでなる、437アミノ酸( 配列番号:2)をコードするオープンリーディングフレームを明らかにした。 本発明のポリペプチドは少なくとも4つの別個の領域を含有する。これらの領 域のうちの2つは互いの直接の反復である。成熟ペプチドのアミノ末端(残基1 6または22)から出発して、領域1は配列番号:2に示すアミノ酸残基22(L eu)〜残基183(Pro)の第1の反復するドメインであり、12のシステイン残基 を含有する。領域2(配列番号:2の残基184(Gly)〜残基207(Asp))はリンカー 領域であるように思われ、1対のシステインを含有する。領域3(配列番号:2 のアミノ酸残基208(Phe)〜残基376(Pro))は第2の反復するドメインであり、 12のシステインを含有する。双方の反復するドメインのすべてはベータ−鎖で あると予測され、IGドメインおよびシステインレセプターのドメインとの第3 の類似性をするする。第4のドメインはポリペプチドのC末端であり(配列番号 :2の残基377〜437)であり、そしてポリペプチドのための二量体化、膜会合ま たは疎水性マトリックスの結合のための可能なアンカーである疎水性ストレッチ を含有し、そして1対のシステインを含有する。Arg−Lysは、配列番号:2の残 基205〜206に示されており、普通のプロセシング部位である。他の推定上のプロ セシング部位は、配列番号:2の残基395〜396(Lys−Arg)に見出される。この切 断部位は、タンパク質の膜結合形態からの遊離の分泌成分として、ポリペプチド を解放する働きをすることができる。膜結合タンパク質からの遊離分泌成分の発 生はTNF−αについて示唆された(Rosendahl et al.,J .Biol.Chem.272(39) :24588-24593,1997)。 本発明はまた、本明細書において開示するzsig15ポリペプチドを コードする、DNAおよびRNA分子を包含する、ポリヌクレオチド分子を提供する。 当業者は容易に認識するように、遺伝子コドンの縮重にかんがみて、これらのポ リヌクレオチド分子の間で、かなりの配列の変動が可能である。配列番号:4は 、配列番号:2のzsig15ポリペプチドをコードする、すべてのDNAを包含する縮 重DNA配列である。当業者は認識するように、配列番号:4の縮重配列は、また 、TをUで置換することによって、配列番号:2をコードするすべてのDNA配列 を提供する。したがって、配列番号:4のヌクレオチド1〜ヌクレオチド1311を 含んでなる、zsig15ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドおよびそれらの RNA同等物は本発明に包含される。縮重ヌクレオチドの位置を表すために配列番 号:4内で使用した1文字コードを表1に記載する。「レゾリューション」(re solution)はコード文字により表されるヌクレオチドである。「相捕体」は1ま たはそれより多くの相補的ヌクレオチドのコードである。例えば、コードYはC またはTを表し、そしてその相補体RはAまたはGを表し、AはTに対して相補 的であり、そしてGはCに対して相補的である。 所定のアミノ酸についてすべての可能なコドンを包含する、配列番号:4にお いて使用する縮重コドンを、表2に記載する。 当業者は理解するように、各アミノ酸をコードするすべての可能なコドンを代 表する、縮重コドンを決定するとき、多少の不明確さが導入される。例えば、セ リン(WSN)の縮重コドンは、ある環境において、アルギニン(AGR)をコードするこ とができ、そしてアルギニン(MGN)の縮重コドンは、ある環境において、セリン( AGY)をコードするすることができる。同様な関係はフェニルアラニンおよびロイ シンをコードするコドンの間に存在する。したがって、縮重配列に包含される、 いくつかのポリヌクレオチドは変異型アミノ酸配列をコードすることができるが 、当業者は、配列番号:2のアミノ酸配列を参照することによって、このような 変異型配列を容易に同定することができる。変異型配列は、本明細書において記 載するように、機能性について容易に試験することができる。 また、当業者は理解するように、異なる種は「優先的コドンの使用」を示すこ とができる。一般に、下記の文献を参照のこと:Grantham,et al.,Nucl .Acid s Res.8 :1893-912,1980;Haas,et al.,Curr .Biol.6:315-24,1996;Wai n-Hobson,et al.,Gene 13:355-64,1981;GrosjeanおよびFiers,Gene 18:1 99-209,1982;Holm,Nucl .Acids Res.14:3075-87,1986;Ikemura,J .Mol .Biol.158 :573-97,1982。本発明において使用するとき、用語「優先的コド ンの使用」または「優先的コドン」は、ある種の細胞において最も頻繁に使用さ れ、こうして各アミノ酸をコードする可能なコドンの1つまたはわずかの代表的 なものに好んで使用される、タンパク質翻訳コドンを呼ぶ、この分野の用語であ る(表2参照)。例えば、アミノ酸のスレオニン(Thr)はACA、ACC、ACG、または ACTによりコードされることができるが、哺乳動物細胞において、ACCは最も普通 に使用されるコドンである;他の種、例えば、昆虫細胞、酵母、ウイルスまたは 細菌において、異なる Thrコドンは優先的であることができる。特定の種の優先的コドンを、この分野 において知られている種々の技術により、本発明のポリヌクレオチドの中に導入 することができる。組換えDNAの中への優先的コドンの導入は、例えば、特定の 細胞の型または種内のタンパク質の翻訳を効率よくすることによって、タンパク 質の産生を増強することができる。したがって、配列番号:4に記載されている 縮重コドンの配列は、この分野において普通に使用されかつ本明細書において開 示する、種々の細胞の型および種におけるポリヌクレオチドの発現を最適化する ための鋳型として働く。優先的コドンを、本明細書において開示するように、種 々の種における発現について試験し、発現のために最適化し、そして機能性につ いて試験することができる。 本発明の好ましい態様の範囲内において、単離されたポリヌクレオチドは、ス トリンジェント条件下に、配列番号:1、またはそれに対して相補的な配列の同 様な大きさの領域にハイブリダイゼーションするであろう。一般に、ストリンジ ェント条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて、特定の配列の融点( Tm)よりも約5℃低いように選択される。Tmは、標的配列の50%が完全に 合致するプローブにハイブリダイズする温度(規定されたイオン強度およびpH において)である。典型的にはストリンジェント条件は、NaCl濃度がpH7にお いて約0.03Mまでであり、かつ温度が少なくとも約60℃である条件である。 前述したように、本発明の単離されたポリヌクレオチドはDNAおよびRNAを包含 する。DNAおよびRNAを製造する方法は、この分野においてよく知られている。一 般に、RNAは大量のzsig15 RNAを産生する組織または細胞から単離される。この ような組織および細胞はノザンブロッティングにより同定され(Thomas,Proc .N atl.Aca d .Sci.USA 77:5201,1980)、そして前立腺、骨髄、結腸、乳房、および脊髄 を包含する。全体のRNAは、グアニジンHCl抽出および引き続くCsCl勾配における 遠心による単離により製造することができる(Chirgwin et al.,Biochemistry 1 8 :52-94,1979)。ポリ(A)+RNAは、AvivおよびLeder,Proc .Natl.Acad.Sc i.USA 69:1408-12,1972)の方法に従い、全RNAから製造される。相補的DNA(cD NA)は、既知の方法により、ポリ(A)+RNAから製造される。別法において、ゲ ノムDNAを単離することができる。次いで、zsig15ポリペプチドをコードするポ リヌクレオチドを、例えば、ハイブリダイゼーションまたはPCRにより、同定お よび単離する。 zsig15をコードする全長クローンを、慣用のクローニング手順により得ること ができる。相補的DNA(cDNA)が好ましいが、ある用途(例えば、トランスジェニ ック動物における発現)のために、ゲノムのクローンを使用するか、あるいは少 なくとも1つのゲノムのイントロンを含むようにcDNAクローンを修飾することが 好ましいことがある。cDNAおよびゲノムのクローンを製造する方法はよく知られ ておりかつ当業者のレベルの範囲内であり、そして、ライブラリーのプロービン グまたはプライミングのための、本明細書において開示する配列およびその一部 分の使用を包含する。zsig15、レセプターフラグメントまたは他の特異的結合相 手に対する抗体で、発現ライブラリーをプロービングすることができる。 本発明はさらに、他の種から対応物のポリペプチドおよびポリヌクレオチド( オーソログ)を提供する。これらの種は下記のものを包含するが、これらに限定 されない:哺乳動物、トリ、両生類、爬虫類、魚類、昆虫および他の脊椎動物お よび無脊椎動物。特に興味あるものは、他の哺乳動物種、例えば、ネズミ、ブタ 、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、および他の霊長類からのzsig15ポリペプチドであ る。ヒトzsig15のオーソログは、本発明により提供される情報および組成物を慣 用のクローニング技術と組み合わせて使用して、クローニングすることができる 。例えば、本明細書において開示するように、zsig15を発現する組織および細胞 のタイプから得られるmRNAを使用して、cDNAをクローニングすることができる。 本明細書において開示する配列から設計されたプローブでノザンブロットをプロ ービングすることによって、mRNAの適当な源を同定することができる。次いで、 陽性の組織または細胞系統のmRNAからライブラリーを調製することができる。次 いで、種々の方法により、例えば、完全なまたは部分的ヒトcDNAでプロービング するか、あるいは開示された配列をベースとする縮重プローブの1またはそれ以 上の組でプロービングすることによって、zsig15をコードするcDNAを単離するこ とができる。また、ポリメラーゼ連鎖反応、すなわち、PCR(Mullis、米国特許 第4,683,202号)により、本明細書において開示する、代表的なヒトzsig15配列 から設計されたプライマーを使用して、cDNAをクローニングすることができる。 追加の方法において、cDNAライブラリーを使用して宿主細胞を形質転換またはト ランスフェクトすることができ、そして注目のcDNAの発現をzsig15ポリペプチド に対する抗体で検出することができる。また、同様な技術をゲノムのクローンの 単離に適用することができる。 当業者は認識するように、配列番号:1に記載する配列はヒトzsig15の単一の アレルを表し、そしてアレル変異型およびいずれか1つのスプライシングが起こ ることが期待される。アレル変異型は、標準的手順に従い、異なる個体からcDNA ライブラリーまたはゲノムのライブラリーをプロービングすることによって、ク ローニングすることができる。配列番号:1に示すDNA配列のアレル変異型は、 サイレント突然変異体を含有するものおよび突然変異がアミノ酸配 列を変化させるものを包含し、配列番号:2のアレル変異型であるタンパク質と 同様に、本発明の範囲内に入る。交互にスプライスされたmRNAから発生するcDNA は、zsig15ポリペプチドの性質を保持し、このようなcDNAおよびmRNAをコードす るポリペプチドと同様に、本発明の範囲内に入る。これらの配列のスプライス変 異型およびスプライス変異型は、この分野において知られている標準的手順に従 い、異なる個体からのcDNAまたはゲノムのライブラリーをプロービングすること によって、クローニングすることができる。 zsig15において高度に保存されるアミノ酸は、新しいファミリーのメンバーを 同定するための道具として使用することができる。例えば、逆転写−ポリメラー ゼ連鎖反応(RT−PCR)を使用して、種々の組織源または細胞系統から得られたR NAから保存された領域をコードする配列を増幅することができる。特に、zsig15 配列から設計された高度に縮重したプライマーはこの目的に有用である。 本発明は、また、配列番号:2のポリペプチドおよびそれらのオーソログに対 して実質的に相同である、単離されたzsig15ポリペプチドを提供する。用語「実 質的に相同」は、本明細書において、配列番号:2に示す配列またはそれらのオ ーソログに対して60%、好ましくは80%、より好ましくは少なくとも90% 、最も好ましくは少なくとも95%の配列の同一性を有するポリペプチドを表す ために使用される。配列の同一性の百分率は慣用法により決定される。例えば、 下記の文献を参照のこと:Altschul et al.,Bull .Math.Bio.48:603-616,1 986、並びにHenikoffおよびHenikoff,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 89:10915- 10919,1992。簡単に述べると、表3(アミノ酸は標準的1文字コードにより示 されている)に示すように10のギャップオープニングペナルティー、1のギャ ップエクステンションペナルティー、およびHenikoffおよびHeni koff(ibid.)の「ブロサム62」スコアリングマトリックスを使用して、2つの アミノ酸配列を整列させて整列スコアを最適化する。 次いで、最適な整列の同一性百分率は、次のようにして計算される: ポリヌクレオチド分子の配列の同一性は、前述した比を使用する同様な方法に より、決定される。 変異型zsig15ポリペプチドまたは実質的に相同のzsig15ポリペプチドは、1ま たはそれより多くのアミノ酸の置換、欠失または付加を有するとして特徴付けら れる。これらの変化は好ましくは小さい特質を有する、すなわち、保存的アミノ 酸置換(表4参照)およびポリペプチドのフォルディングまたは活性に影響を実 質的に与えない他の置換;小さい欠失、典型的には1〜約30アミノ酸の欠失; および小さいアミノ末端およびカルボキシル末端のエクステンション、例えば、 アミノ末端のメチオニン残基、約20〜25残基までの小さいリンカーペプチド 、または親和標識を有する。 前述したように、本発明のポリペプチドは少なくとも4つの別個の領域を有す る。それらの領域(配列番号:2の残基22〜183、残基184〜207、残基208〜376 および残基377〜437)は、独立に使用するか、あるいは本発明のポリペプチドま たはどこかからの他の領域と組み合わせた融合タンパク質として使用することが できる。こうして、本発明は、配列番号:2の対応する領域と少なくとも80% 、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%同一である配 列を含んでなる、61〜437アミノ酸残基のポリペプチドを包含する。本発明の 他の面において、ポリペプチド(またはそれらをコードするポリヌクレオチド) を組合わせるとき、融合タンパク質は第1ポリペプチド及び第2ポリペプチドを 含んで なり、前記第1ポリペプチドはアミノ酸残基22(Leu)〜183(Pro)、または前 記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含んでなり、そして前記第2ポ リペプチドはアミノ酸残基208(Phe)〜394(Glu)または前記ポリペプチドをコ ードするポリヌクレオチドを含んでなる。 共有結合した部分、例えば、親和性標識を含んでなるポリペプチドは、さらに 、a5pと親和性標識との間にタンパク質分解切断部位を含むことができる。好 ましいこのような部位は、トロンビン切断部位および因子Xa切断部位を包含す る。 さらに、本発明は、種々の他のポリペプチドの融合物、および1またはそれよ り多くのポリペプチドの融合物を含んでなるマルチマーのタンパク質を提供する 。例えば、zsig15ポリペプチドは、米国特許第5,155,027号および米国特許第5,5 67,584号に開示されているように、二量体化性タンパク質への融合物として製造 することができる。これに関して好ましい二量体化性タンパク質は、免疫グロ ブリン定常領域のドメインを含む。免疫グロブリン−zsig15ポリペプチドの融合 物を遺伝子操作された細胞において発現させて、種々のマルチマーのzsig15類似 体を製造することができる。補助的ドメインをzsig15ポリペプチドに融合させて 、それらを特定の細胞、組織、または高分子(例えば、コラーゲン)に標的化す ることができる。例えば、標的細胞の表面上のレセプターに特異的に結合するリ ガンドにzsig15ポリペプチドを融合させることによって、zsig15ポリペプチドま たはタンパク質を前以て決定した細胞の型に標的化することができる。このよう にして、治療または診断の目的でポリペプチドまたはタンパク質を標的化するこ とができる。zsig15ポリペプチドを2またはそれ以上の部分、例えば、精製のた めに親和標識、および標的化ドメインに融合させることができる。ポリペプチド の融合物は、また、1またはそれより多くの切断部位、特にドメインの間の切断 部位を含むことができる。部分との融合は、zsig15ポリペプチドのN末端または C末端においてであることができる。Tuan et al.,Connectve Tissues Researc h 34:1-9,1996、参照。 本発明のタンパク質はまた、天然に存在しないアミノ酸残基を含むことができ る。天然に存在しないアミノ酸は、限定的ではないが、下記のものを包含する: トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタノプロリン、シス−4−ヒドロキ シプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ− スレオニン、メチルスレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチ ルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、チアゾ リジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−および4−メチルプロリン、3,3 −ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラニン 、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、および4−フルオロ フェニルアラ ニン。天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質の中に組込む、いくつかの方 法はこの分野において知られている。例えば、化学的にアミノアシル化されたサ プレッサーtRNAを使用してナンセンス突然変異を抑制する、in vitro系を使用す ることができる。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法はこの分野 において知られている。大腸菌(E.coli)S30抽出物および商業的に入手可能 な酵素および他の試薬からなる、無細胞系において、ナンセンス突然変異を含有 するプラスミドの転写および翻訳は実施される。タンパク質をクロマトグラフィ ーにより精製する。例えば、下記の文献を参照のこと:Robertson et al.,J .A m.Chem.Soc.113 :2722,1991;Ellman et al.,Methods Enzymol .202:301 ,1991;Chung et al.,Science 259:806-809,1993;およびChung et al.,Pro c.Natl.Acad.Sci.USA 90:10145-10149,1993)。第2の方法において、突然 変異されたmRNAおよび化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAのマイク ロインジェクションにより、キセノプス卵母細胞(Xenopus oocytes)中で翻訳を 実施する(Turcatti et al.,J .Biol.Chem.271:19991-19998,1996)。第3の 方法において、置換すべき天然のアミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存 在においてかつ所望の天然に存在しない1またはそれより多くのアミノ酸(例え ば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニル アラニンまたは4−フルオロフェニルアラニン)の存在において、大腸菌(E.co li)細胞を培養する。天然に存在しないアミノ酸をその天然の対応物の代わりに タンパク質の中に組込む。Koide et al.,Biochem .33:7470-7476,1994、参照 。in vitro化学的修飾により、天然に存在するアミノ酸残基を天然に存在しない 種に変換することができる。化学的修飾を部位特異的突然変異誘発と組合わせて 、置換の範囲をさらに拡張す ることができる(WynnおよびRichards,Protein Sci .2:395-403,1993)。 制限された数の非保存的アミノ酸、遺伝子コドンによりコードされないアミノ 酸、天然に存在しないアミノ酸、および非天然のアミノ酸をzsig15アミノ酸残基 と置換することができる。 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、この分野において知られてい る手順、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従 い同定することができる(CunninghamおよびWells,Science 244:1081-1085,19 89;Bass et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 88:4498-4502,1991)。後者の 技術において、単一のアラニンの突然変異を分子中のすべての残基において導入 し、そして、後述するように、生ずる突然変異体分子を生物学的活性について試 験して、分子の活性に対して決定的であるアミノ酸残基を同定する。また、Hilt on et al.,J .Biol.Chem.271:4699-4708,1996。また、核磁気共鳴、結晶学 、電子回折またはホトアフィニティーラベリングのような技術と、推定上の接触 部位のアミノ酸の突然変異との組合わせにより決定した、構造の物理的分析によ り、リガンド−レセプターの相互作用の部位を決定することができる。例えば、 下記の文献を参照のこと:de Vos et al.,Science 255:306-312,1992;Smith et al.,J .Mol.Biol.224:899-904,1992;Wlodaver et al.,FEBS Lett .3 09 :59-64,1992。 既知の突然変異誘発およびスクリーニングの方法、例えば、下記の文献に記載 されている方法により、多数のアミノ酸の置換を行い、試験することができる: Reidhaar-OlsonおよびSauer,Science 241:53-57,1988またはBowieおよびSaue r,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 86:2152-2156,1989。簡単に述べると、これ らの著者ら は、ポリペプチド中の2またはそれより多くの位置を同時にランダム化し、機能 的ポリペプチドについて選択し、次いで突然変異したポリペプチドを配列決定し て、各位置において許容可能な置換のスペクトルを決定する方法を開示している 。使用できる他の方法は、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al.,Bio chem .30 :10832-10837,1991;Ladner et al.,米国特許第5,223,409号;Huse ,WIPO公開WO92/06204号)および領域特異的突然変異誘発(Derbyshire et al. ,Gene 46:145,1986;Ner et al.,DNA 7:127,1988)を包含する。 アミノ酸配列をzsig15ポリペプチドにおいて変化させて、生物学的活性に対し て必須の高次構造の崩壊を最小にする。これに関して、一般に、自然の配列の全 体の親水性プロフィルを保持することが好ましい。配列番号:2に示す配列の親 水性プロフィルを第1図に示す。 開示されたzsig15 DNAおよびポリペプチド配列の変異型は、下記の文献に開示 されているように、DNAシャフリングにより発生させることができる:Stemmer,Nature 370:389-91,1994;Stemmer,Proc .Natl.Acad.Sci.USA 91:10747- 51,1994;およびWIPO公開WO97/20078号。簡単に述べると、親DNAのランダムフ ラグメント化によるin vitro相同組換えおよび引き続くPCRを使用するリアセン ブリーによって、ランダムに導入された点突然変異を生成することによって、変 異型DNAを発生させる。1ファミリーの親DNA、例えば、異なる種からのアレレ変 異型またはDNAを使用して、追加の変動性をこの方法に導入することによって、 この技術を変更することができる。所望の活性についての選択またはスクリーニ ング、および引き続く突然変異誘発の追加の反復およびアッセイは、所望の突然 変異体についての選択および同時の有害な変化に対する選 択により、配列の急速な「進化」を提供する。 本明細書において開示するような突然変異誘発法を、高い処理量の、自動化さ れたスクリーニング方法と組合わせて、宿主細胞におけるクローニングされた、 突然変異化されたポリペプチドの活性を検出することができる。活性ポリペプチ ドをコードする突然変異化DNA分子を宿主細胞から回収し、そして現代的装置に より急速に配列決定することができる。これらの方法は注目のポリペプチド中の 個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能とし、そして未知の構造のポリ ペプチドに適用することができる。 前述の方法を使用して、当業者は、配列番号:2の種々のポリペプチドのフラ グメントまたは変異型、あるいはは野生型タンパク質の活性を保持する種々のポ リペプチドのフラグメントまたは変異型を同定および/または製造することがで きる。 全長のポリペプチド、生物学的に活性なフラグメント、および融合ポリペプチ ドを包含する、本発明のポリペプチドを、慣用の技術に従い、遺伝子操作された 宿主細胞において製造することができる。適当な宿主細胞は、外因的DNAで形質 転換またはトランスフェクトすることができ、培養により増殖させることができ る細胞の型であり、そして細菌、真菌細胞、および培養された高等真核細胞を包 含する。真核細胞、特に多細胞の微生物の培養された細胞は好ましい。クローニ ングされたDNA分子を操作し、外因的DNAを種々の宿主細胞の中に導入する技術は 、下記の文献に記載されている:Sambrook et al.,Molecular Cloning :A Labo ratory Manual 、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,1989、およびAusubel et al.編,Current Protocols in Molecular Biology ,John Wiley and Sons,Inc.,NY,1987。 一般に、zsig15ポリペプチドをコードするDNA配列は、発現ベク ター内に一般に転写プロモーターおよびターミネーターを含む、その発現のため の必要な他の遺伝因子に作用可能に連結される。ベクターはまた、1またはそれ より多くの選択可能なマーカーおよび1またはそれより多くの複製起点を普通に 含有するが、当業者は認識するように、ある種の系内で選択マーカーを別々のベ クター上に提供し、そして宿主細胞のゲノムの中への組込みにより外因的DNAの 複製を得ることができる。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベク ターおよび他の因子の選択は、当業者のレベル内の日常的設計事項である。多数 のこのような因子は文献に記載されており、そして商業的供給会社から入手可能 である。 zsig15ポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中に向けるために、分泌シグナル 配列(また、リーダー配列、プレプロ配列または前配列として知られている)を 発現ベクターの中に準備する。分泌シグナル配列はzsig15のそれであることがで きるか、あるいは他の分泌されたタンパク質(例えば、t−PA)から誘導する か、あるいは新規に合成することができる。分泌シグナル配列をzsig15 DNA配列 に作用可能に連結して、すなわち、2つの配列を正しいリーディングフレームで 結合して、新しく合成されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に向けるように 位置させる。分泌シグナル配列は普通に問題のポリペプチドをコードするDNA配 列に対して5’に配置されるが、ある種の分泌シグナル配列は注目のDNA配列の 中のどこかに位置決定することができる(例えば、Welch et al.,米国特許第5, 037,743号;Holland et al.,米国特許第5,143,830号、参照)。 あるいは、本発明のポリペプチドの中に含有される分泌シグナル配列を使用し て、他のポリペプチドを分泌経路に向けることができる。本発明は、このような 融合ポリペプチドを提供する。配列番号:2のアミノ酸残基1〜15〜21から 誘導された分泌シグナル配 列が他のポリペプチドに作用可能に連結された、シグナル融合ポリペプチドを、 この分野において知られておりかつ本明細書に開示されている方法により作るこ とができる。好ましくは、本発明の融合ポリペプチドの中に含有される分泌シグ ナル配列を追加のペプチドのアミノ末端に融合させて、追加のペプチドを分泌経 路に向ける。このような構築物はこの分野において知られている多数の用途を有 する。例えば、これらの新規な分泌シグナル配列の融合構築物は、例えば、常態 で分泌されないタンパク質の活性成分、例えば、レセプターの分泌を指令するこ とができる。このような融合をin vivoまたはin vitroにおいて使用して、ペプ チドを分泌経路を通して向けることができる。 培養された哺乳動物細胞は、本発明において適当な宿主である。外因的DNAを 哺乳動物の宿主細胞の中に導入する方法は下記の方法を包含する:リン酸カルシ ウム仲介トランスフェクション(Wigler et al.,Cell 14:725,1978;Corsaroお よびPearson,Somatic Cell Genetics 7:603,1981;GrahamおよびVan der Eb ,Virology 52:456,1973)、エレクトロポレーション(Neumann et al.,EMBO J .1 :841-845,1982),DEAE−デキストリン仲介トランスフェクション(Ausubel et al.,ibid.)、およびリポソーム仲介トランスフェクション(Hawley-Nelson e t al.,Focus 15:73,1993;Ciccarone et al.,Focus 15:80,1993)、並びに ウイルスベクター(MillerおよびRosman,BioTechniques 7:980-90,1989;Wan gおよびFiner,Nature Med .2:714-6,1996)。培養された哺乳動物細胞におけ る組換えポリペプチドの産生は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Le vinson et al.,米国特許第4,713,339号;Hagen et al.,米国特許第4,784,950号 ;Palmiter et al.,米国特許第4,579,821号;およびRingold,米国特許第4,656, 134号 。適当な培養された哺乳動物細胞は下記のものを包含する:COS-1(ATCC No.CR L 1650)、COS-7(ATCC No.CRL 1651)、BHK(ATCC No.CRL 1632)、BHK570(AT CC No.CRL 10314)、293(ATCC No.CRL 1573;Graham et al.,J .Gen.Virol .36 :59-72,1977)、並びにチャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO-K1;AT CC No.CRL 61)細胞系統。追加の適当な細胞系統はこの分野において知られて おり、そして公共の寄託機関、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ クション(マリイランド州ロックビレ)から入手可能である。一般に、強い転写 プロモーター、例えば、SV−40またはサイトメガロウイルスからのプロモー ターが好ましい。例えば、米国特許第4,956,288号参照。他の適当なプロモータ ーは、メタロチオネイン遺伝子からプロモーター(米国特許第4,579,821号およ び米国特許第4,601,978号)およびアデノウイルスの主要な後期プロモーターを 包含する。 薬剤選択を一般に使用して、外来DNAが挿入された、培養された哺乳動物細胞 について選択する。このような細胞は通常「トランスフェクタント」と呼ばれる 。選択因子の存在中で培養され、問題の遺伝子をそれらの子孫に移行させること ができる細胞は、「安定なトランスフェクタント」と呼ばれる。好ましい選択マ ーカーは、抗生物質のネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選 択はネオマイシン型薬剤、例えば、G−418またはその他の存在において実施さ れる。また、選択系を使用して、注目の遺伝子の発現レベルを増加することがで きる、「増幅」と呼ぶ方法。低いレベルの選択因子の存在においてトランスフェ クタントを培養し、次いで選択因子の量を増加して、導入された遺伝子の産物を 高いレベルで産生する細胞について選択することによって、増幅は実施される。 好ましい増幅可能な選択可能なマーカーは、メトトレキセートに対 する耐性を付与するジヒドロフォレートリダクターゼである。他の薬剤耐性遺伝 子(例えば、ヒグロマイシン耐性、多薬剤耐性、プロマイシンアセチルトランス フェラーゼ)を使用することもできる。変更された表現型を導入するオールタネ イティブマーカー、例えば、緑色蛍光タンパク質、または細胞表面のタンパク質 、例えば、CD4、CD8、クラスIのMHC、胎盤アルカリ性ホスファターゼを使 用して、FACSソーティングまたは磁気ビーズ分離技術のような手段により、非形 質転換細胞からトランスフェクテッド細胞を選別することができる。 植物細胞、昆虫細胞およびトリの細胞を包含する、他の高等真核細胞を宿主細 胞として使用することもできる。植物細胞中で遺伝子を発現するのためのベクタ ーとしてアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を使用 することは、Sinkar et al .,J .Biosci.Bangalore11:47-58,1987にお いて概観されている。昆虫細胞の形質転換およびその中の外来ポリペプチドの産 生は、Guarino et al.,米国特許第5,162,222号およびWIPO公開WO94/06463号に 記載されている。オートグラファト・カリフォルニカ(Autographa californica )核多角体病ウイルス(AcNPV)から普通に誘導される組換えバキュロウイルスで 昆虫細胞を感染させることができる。2つの方法の1つにより、zsig15ポリペプ チドをコードするDNAをAcNPVポリヘドリン遺伝子のコーディング配列の代わりに バキュロウイルスのゲノムの中に挿入する。第1は、野生型AcNPVとAcNPV配列に より挟まれたzsig15を含有する転移ベクターとの間の相同的DNA組換えの伝統的 方法である。適当な昆虫細胞、例えばSF9細胞を野生型AcNPVで感染させ、そ してAcNPVポリヘドリン遺伝子プロモーター、ターミネーター、およびフランキ ング配列に作用可能に連結されたzsig15ポリペプチドからなる転移ベクター でトランスフェクトする。下記の文献を参照のこと:King,L.A.およびPossee ,R.D.The Baculovirus Expression System :A Laboratory Guide,London,C hapman & Hall,O'Reilly,D.R.et al.,Baculovirus Expression Vectors :A Laboratory Manual ,New York,Oxford University Press,1994;およびRicha rdson,C.D.編、Baculovirus Expression Protocols .Methods in Molecular Biology ,Totowa,NJ,Humana Press,1995。昆虫細胞内の自然の組換えは、ポ リヘドリンプロモーターにより推進されたzsig15を含有する組換えバキュロウイ ルスを生ずるであろう。組換えウイルスの系統は、この分野において普通に使用 されている方法により作られる。 組換えバキュロウイルスを作る第2の方法は、Luckowが記載するトランスポゾ ンをベースとする系を利用する(Luckow,V.A.,et al.,J .Virol.67:4566-7 9,1993)。この系はBac−to−Bacキット(Life Technologies,マリイランド州 ロックビレ)で販売されている。この系は転移ベクター、pFastBaclTMLife Tech nologies)を利用し、ここでpFastBaclTMは「バクミド」(bacmid)と呼ばれる 大きいプラスミドとして大腸菌(E.coli)の中に維持されるバキュロウイルスの ゲノムの中にzsig15ポリペプチドをコードするDNAを動かすために、Tn7トラ ンスポゾンを含有する。pFastBaclTM転移ベクターは、AcNPVポリヘドリンプロモ ーターを利用して、注目の遺伝子、この場合においてzsig15、の発現を推進する 。しかしながら、pFastBaclTMはかなりな程度に修飾可能である。ポリヘドリン プロモーターを除去し、バキュロウイルスをベースとするタンパク質プロモータ ー(また、Pcor、p6.9またはMPプロモーターとして知られている)で置換し 、ここでこのプロモーターはバキュロウイルスの感染において発現され、そして 分泌されるタンパ ク質の発現に好都合であることが以前に示されている。下記の文献を参照のこと :Hill-Perkins,M.S.およびPossee,R.D.,J .Gen.Virol.71:971-6,199 0;Bonning,B.C.,et al.,J .Gen.Virol.75:1551-6,1994;および、Chaz enbalk,G.D.およびRapoport,B.,J .Biol.Chem.270:1543-9,1995。この ような転移ベクター構築物において、基本的タンパク質プロモーターの短いまた は長いバージョンを使用することができる。そのうえ、天然zsig15分泌シグナル 配列を昆虫タンパク質から誘導された分泌シグナル配列で置換する、転移ベクタ ーを構築することができる。例えば、エクジステロイドグルコシルトランスフェ ラーゼ(EGT)、蜜蜂のメリチン(Invitrogen)カリフォルニア州カールスバッド )、またはバキュロウイルスgp67(PharMingen、カリフォルニア州サンディ エゴ)からの分泌シグナル配列を構築物において使用して、天然zsig15分泌シグ ナル配列を置換することができる。さらに、転移ベクターは、発現されたzsig15 ポリペプチドのC末端またはN末端におけるエピトープ標識、例えば、Glu−Glu エピトープ標識をコードするDNAとのインフレーム融合物を含むことができる(G russenmeyer,T.,et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.82:7952-4,1985)。この 分野において知られている技術を使用して、zsig15を含有する転移ベクターを大 腸菌(E.coli)に形質転換し、そして組換えバキュロウイルスを示す中断されたl acZ遺伝子を含有するバクミドについてスクリーニングする。組換えバキュロウ イルスのゲノムを含有するバクミドDNAを普通の技術に従い単離し、そしてスポ ドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、例えば、Sf9細胞を トランスフェクトする。zsig15を発現する組換えベクターを引き続いて生成させ る。この分野において普通に使用されている方法により、組換えウイルスの系統 を作る。 宿主細胞、典型的にはヨトウガ、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera fr ugiperda)から誘導された細胞系統を感染させるために、組換えウイルスを使用 する。一般に、下記の文献を参照のこと:GlickおよびPasternak,Molecular Bi otechnology :Principle and Applications of Recombinant DNA ,ASM Press,W ashington,D.C.,1994。他の適当な細胞系統は、トリコデルマ・ニ(Trichode rma ni)から誘導されたHigh FiveOTM細胞系統(Invitrogen)である(米国特許 第5,300,435号)。商業的に入手可能な無血清培地を使用して、細胞を増殖させ かつ維持する。適当な培地はSf9細胞についてSf900 IITM(Life Technolo gies)またはESF921TM(Expression System);およびトリコデルマ・ニ(T.ni )細胞についてEx−cellO450TM(JRH Bioscience、カンサス州レネクサ)また はExpress FiveOTM(Life Technologies)である。細胞をほぼ2〜5×105細胞 の接種密度から1〜2×106細胞の密度に増殖させ、この時組換えウイルスの 系統を0.1〜10、より典型的には約3の感染多重度で添加する。組換えウイ ルスが感染した細胞は典型的には感染後12〜75時間で組換えzsig15ポリペプ チドを産生し、そしてそれを変化する効率で培地の中に分泌する。培養物を通常 感染後48時間に収集する。遠心を使用して培地(上清)から細胞を分離する。 zsig15ポリペプチドを含有する上清を、微小孔フィルター、通常0.45μmの孔大 きさのフィルターを通して濾過する。使用する手順は一般に入手可能な実験室の マニュアルに記載されている(King,L.A.およびPossee,R.D.,ibid ;O'R eilly,D.R.,et al.,ibid ;Richardson,C.D.,ibid.)。本明細書に記載 する方法に従い、上清からのzsig15ポリペプチドの引き続く精製を実施する。 酵母細胞を包含する真菌細胞を本発明において使用することもで きる。これに関して特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシエ(Sacc haromyces cerevisiae)、ピキア.パストリス(Pichia pastoris)、およびピキ ア・メタノリカ(Pichia metanolica)を包含する。外因的DNAでサッカロミセス・ セレビシエ(S.cerevisiae)を形質転換し、それから組換えポリペプチドを生産 する方法は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Kawasaki,米国特許第 4,599,311号;Kawasaki et al.,米国特許第4,931,373号;Brake,米国特許第4,87 0,008号;Welch et al.,米国特許第5,037,743号;およびMurry et al.,米国特 許第4,845,075号。選択マーカーにより決定された表現型、普通の薬剤耐性また は特定の栄養(例えば、ロイシン)の非存在において増殖する能力により、形質 転換された細胞を選択する。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cere visiae)において使用するために好ましいベクター系は、Kawasaki et al.(米 国特許第4,931,373号)により開示されているPOT 1ベクター系であり、これに よりグルコース含有培地中の増殖により形質転換細胞を選択することができる。 酵母において使用するために適当なプロモーターおよびターミネーターは、解糖 酵素遺伝子(例えば、Kawasaki,米国特許第4,599,311号;Ingsman et al.,米 国特許第4,615,974号;およびBitter,米国特許第4,977,092号、参照)およびア ルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。また、米国特許第4,99 0,446号;米国特許第5,063,154号;米国特許第5,139,936号および米国特許第4,6 61,454号、参照。ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサ ッカラロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロマイセス・ ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・フラギリス(Kluyver omyces frgilis)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ピキア・パスト リス(Pichia pastoris) 、ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)、ピキア・グイレルモンディイ(Pic hia guillermondii)およびカンジダ・マルトサ(Candida maltosa)を包含する、 他の酵母のための形質転換系はこの分野において知られている。例えば、Gleeso n et al.,J .Gen.Microbiol.132:3459-3465,1986およびCregg,米国特許第4 ,882,279号を参照のこと。McKnight et al.,米国特許第4,935,349号の方法に従 い、アスペルギルス(Aspergillus)細胞を利用することができる。アクレモニウ ム・クリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)は、Sumino et al.,米国特許第5, 162,228号に開示されている。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換する方 法は、Lambowitz,米国特許第4,486,533号に開示されている。 組換えタンパク質の生産のための宿主としてピキア・メタノリカ(Pichia met anolica)を使用することは、WIPO公開WO97/17450号、WO97/17451号、WO98/0 2536号、およびWO98/02565号に開示されている。ピキア・メタノリカ(P.metan olica)の形質転換において使用するためのDNA分子は二本鎖、円形のプラスミド として普通に製造され、これらは好ましくは形質転換の前に線状化される。ピキ ア・メタノリカ(P.metanolica)におけるタンパク質の生産のために、プラスミ ド中のプロモーターおよびターミネーターはピキア・メタノリカ(P.metanolica )の遺伝子、例えば、ピキア・メタノリカ(P.metanolica)のアルコール利用遺伝 子(AUG1またはAUG2)のそれであることが好ましい。他の有用なプロモーターは 、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ホルメートデヒドロゲナーゼ(FMD )、およびカタラーゼ(CAT)遺伝子のプロモーターを包含する。宿主染色体の中へ のDNAの組込みを促進するために、宿主DNA配列により双方の末端においてフラン クされたプラスミドの全体の発現セグメントを有することが好ましい。ピキア・ メタノリカ(P ichia metanolica)において使用するために好ましい選択可能なマーカーはピキ ア・メタノリカ(P.metanolica)のADE2遺伝子であり、これはホスホリボシル− 5−アミノイミダゾールカルボキシラーゼ(AIRC;EC 4.1.1.21)であり、これはア デニンの非存在においてade 2宿主細胞を増殖させる。メタノールの使用を最小 としようとする、大規模の工業的方法のために、双方のメタノール利用遺伝子(A UG1およびAUG2)が欠失されている、宿主細胞を使用することが好ましい。分泌 されたタンパク質の生産のために、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4およびPRB1) を欠如する宿主細胞は好ましい。問題のポリペプチドをコードするDNAを含有す るプラスミドをピキア・メタノリカ(P.metanolica)細胞の中に導入することを 促進するために、エレクトロポレーションを使用する。2.5〜4.5kV/cm、好 ましくは約3.75kV/cmの電界強度を有する、指数的に減衰する、パルス電界 、および1〜40ミリセカント、最も好ましくは約20ミリセカントの時間定数 (τ)を使用する、エレクトロポレーションにより、ピキア・メタノリカ(P.me tanolica)細胞を形質転換することが好ましい。 細菌大腸菌(Escherichia coli)、バシラス(Bacillus)および他の属の株を 包含する、原核宿主細胞は、また、本発明において有用である。これらの宿主を 発現し、その中にクローニングされた外来DNA配列を発現する技術はこの分野に おいてよく知られている(例えば、Sambrook et al.,ibid.)。大腸菌(E.coli) のような細菌においてzsig15ポリペプチドを発現させるとき、ポリペプチドを、 典型的には不溶性粒子として、細胞質の中に保持させることができるか、あるい は細菌の分泌配列によりペリプラスミック空間の中に向けることができる。前者 の場合において、細胞を溶解し、粒子を回収し、例えば、グアニジンイソチオシ アネートまたは尿素を使 用して、変性する。次いで変性されたポリペプチドをリフォルディングさせ、変 性物の希釈により、例えば、尿素の溶液および還元されたグルタチオンおよび酸 化されたグルタチオンとの組合わせに対する透析、および引き続く緩衝化生理食 塩水に対する透析により、二量体化させることができる。後者の場合において、 細胞を崩壊させて(例えば、超音波処理または浸透圧ショックにより)ペリプラ スミック空間の含量を解放し、これにより変性およびリフォルディングの必要性 を排除することによって、ポリペプチドをペリプラスミック空間から可溶性の、 機能的形態で回収することができる。 形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を、慣用手順に従い、栄養素 および選択した宿主細胞の成長に必要な培地中で培養する。規定された培地およ び複合培地を包含する、種々の適当な培地は、この分野において知られており、 そして一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミンおよび無機質を含む。培 地は、また、必要に応じて、成長因子のような成分を含有することができる。一 般に、外因的に添加されたDNAを含有する細胞について成長培地を選択する。こ の選択は、例えば、薬剤選択または必須栄養素の欠如により実施され、必須栄養 素は発現ベクター上に担体されるか、あるいは宿主細胞の中に共トランスフェク トされた選択可能なマーカーにより補足される。 炭素、窒素および微量栄養素の適切な源を含む培地中で約25℃〜35℃の温 度において、ピキア・メタノリカ(P.metanolica)細胞を培養する。慣用の手段 、例えば、小さいフラスコの震盪または発酵槽のスパージにより、液体培地を十 分にエアレーションする。ピキア・メタノリカ(P.metanolica)のために好まし い培地は、YEPD(2%のD−グルコース、2%のBactoTMペプトン(Difco Labor atories、ミシガン州デトロイト)、1%のBactoTM酵母エキス( Difco Laboratories)、0.004%のアデニンおよび0.006%のL−ロイシン)であ る。 zsig15ポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、また、化学的合成により 製造することができる。zsig15ポリペプチドは、モノマーまたはマルチマーであ ることができ;グリコシル化または非グリコシル化することができ;ペギル化ま たは非ペギル化することができ;そして初期のメチオニンアミノ酸残基を含まな いことができる。 本発明のポリペプチドは、発現するzsig15ポリペプチドのレベルの変化を測定 するために有用である。zsig15の発現は特定の組織(すなわち、前立腺、結腸お よび乳房)および骨髄に制限されるので、発現レベルの変化を使用して、これら の組織内の代謝をモニターすることができる。例えば、zsig15のポリペプチドお よびポリヌクレオチドの発現および/または転写の増加は、腫瘍細胞の細胞増殖 の増加を予言することができる。さらに、常態でzsig15を発現しない組織中のzs ig15の発現は、腫瘍細胞の転移を示すことができる。 zsig15は、ある種の上皮組織および癌腫において、特に結腸および乳房におい て、分別的に発現されることが証明された。分別的発現は、細胞または組織にお ける成熟の進行の間に起こる、特定の遺伝子、タンパク質または他の表現型の性 質(識別マーカーとして知られている)の一時的発現、またはその欠如である。 1組の識別マーカーは、同定することができかつ特定の細胞型に対して特異的で ある、1またはそれ以上の表現型の性質として定義される。したがって、系統に 付されていないで再生することができる、多能性幹細胞は、細胞系統に付された とき失われる、1組の識別マーカーを発現する。前駆体細胞は、細胞が細胞の系 統経路を通して成熟に向かうときに発現され続けることができるかあるいはでき ない1組の識 別マーカーを発現する。成熟細胞によりもっぱら発現される識別マーカーは、通 常、細胞の産物、細胞の産物を生成する酵素およびレセプターのような機能的性 質である。 zsig15の発現を正常組織および腫瘍組織において識別マーカーとして使用して 、細胞の腫瘍または成熟の段階を決定することができる。zsig15は上皮細胞およ び上皮由来の腫瘍、そして特に上皮結腸、乳房または前立腺組織からの細胞およ び上皮細胞由来腫瘍のマーカーとして特に価値がある。 1組の識別マーカーは、同定することができかつ特定の細胞型に対して特異的 である、1またはそれ以上の表現型の性質として定義される。識別マーカーは、 細胞系統の種々の段階において一時的に表示される。系統に付されないで再生す ることができる多能性幹細胞は、細胞の系統に付されたとき失われる1組の識別 マーカーを発現する。前駆体細胞は、細胞が細胞の系列経路を通して成熟に向か うとき、発現され続けることができるか、あるいはできない、1組の識別マーカ ーを発現する。成熟細胞によりもっぱら発現される識別マーカーは、通常、細胞 の産物、細胞の産物を生成する酵素およびレセプターのような機能的性質である 。 本発明の分子の活性は、特定の細胞のタイプの増殖および/または分化、化学 走性、接着性、イオンチャンネルの流入の変化、第2メッセンジャーの調節およ び神経伝達物質の解放を測定する種々のアッセイにより、測定することができる 。このようなアッセイはこの分野においてよく知られている。例えば、”Basic & Clinical Endocrinology Ser.,Vol.Vol.3,”Cytochemical Bioassays :Tech niques & Applications ,Chayen;Chayen,Bitensky編,Dekker,New York、198 3参照。 増殖および分化は、培養した細胞を使用するか、あるいはin vit roにおいて請求の範囲に記載されている本発明の分子を適当な動物モデルに投与 することによって、測定することができる。細胞の増殖または分化を測定するア ッセイは、この分野においてよく知られている。例えば、増殖を測定するアッセ イは、下記のようなアッセイを包含する:中性赤色色素の化学感受性(Cavanaug h et al.,Investigation New Drug ,8:347-354,1990、引用することによって 本明細書の一部とされる)、放射能標識化ヌクレオチドの組込み(Cook et al. ,Analytical Biochem. ,179:1-7,1989、引用することによって本明細書の一 部とされる)、増殖する細胞のDNA中の5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(Br dU)の組込み(Porstmann et al.,J .Immunol.Methods,82:169-179,1985、 引用することによって本明細書の一部とされる)、およびテトラゾリウム塩の使 用(Mosmann,J .Immunol.Methods,65:55-63,1983;Alley et al.,Cancer Res. ,48 :589-601,1988;Marshall et al.,Growth Reg. ,5:69-84,1995;お よびScudiero et al.,Cancer Res. ,48:4827-4833,1988;すべては引用する ことによって本明細書の一部とされる)。分化を測定するアッセイは下記のアッ セイを包含する:例えば、組織の段階特異的発現に関連する細胞表面のマーカー 、酵素活性、機能的活性または形態学的変化の測定(Watt,FASEB ,5:281-284 ,1991;Francis,Differentiation ,57:63-75,1994;Raes,Adv .Anim.Cell Biol.Technol.Bioprocesses, 161-171,1989;すべては引用することによっ て本明細書の一部とされる)。 本発明のポリペプチドは、培養した細胞を使用するか、あるいはin vitroにお いて請求の範囲に記載されている本発明の分子を適当な動物モデルに投与するこ とによって、測定することができる。例えば、BHKトランスフェクトされた発現 宿主細胞をアルギネート環 境の中に埋め込み、レシピエント動物に注入(移植)することができる。アルギ ネート−ポリ−L−リジンのマイクロカプセル化、透過選択的膜のカプセル封入 および拡散チャンバーは、トランスフェクトされた哺乳動物細胞または一次哺乳 動物細胞を捕捉する手段として記載されてきている。これらの型の非免疫原性「 カプセル封入」または微小環境の中への栄養素の転移を可能とし、そしてまた、 捕捉された細胞が分泌または解放するタンパク質および他の高分子が環境のバリ ヤーを横切ってレシピエント動物に拡散するのを可能とする。最も重要なことに は、カプセルまたは微小環境は、外来の埋め込まれた細胞をレシピエント動物の 免疫応答からマスクしかつ遮断する。このような微小環境は、注入された細胞の 寿命を数時間または数日(裸の細胞)から数週(埋め込まれた細胞)に延長させ ることができる。 アルギネートのスレッド(threads)は、埋め込まれた細胞を発生させるための 簡単かつ迅速な手段を提供する。アルギネートのスレッドを発生させる材料は容 易に入手可能であり、比較的安価である。アルギネートのスレッドは、いったん 作られると、in vitroおよび、スレッドを使用して得られたデータに基づいて、 in vivoの双方において、比較的強く、耐久性がある。アルギネートのスレッド は操作が容易であり、そしてこの方法は多数のスレッドを製造するために調節可 能である。典型的な手順において、3%のアルギネートを無菌のH2O中で調製 し、滅菌濾過する。アルギネートのスレッドの製造の直前に、アルギネート溶液 を再び濾過する。ほぼ50%の細胞懸濁液(約5×105〜約5×106細胞/m lを含有する)を、3%のアルギネート溶液と混合する。1mlのアルギネート /細胞懸濁液を約15分かけて100mMの滅菌濾過したCaCl2溶液の中に押出し、 「スレッド」を形成する。次いで押出されたスレ ッドを50mMのCaCl2の溶液の中に移し、次いで25mMのCaCl2の溶液の中に 移す。次いでこのスレッドを脱イオン水ですすいだ後、スレッドを0.01%のポリ −L−リジンの溶液中のインキュベーションによりコーティングする。最後に、 スレッドを乳酸加リンガー溶液ですすぎ、溶液から注射器のバレル(針を取付け る必要はない)の中に吸込む。次いで大きい孔の針を注射器に取付け、そしてス レッドを最小体積の乳酸加リンガー溶液中でレシピエントに腹腔内注射する。 本発明のタンパク質をアッセイする別のin vivoアプローチは、ウイルス供給 系を含む。この目的に典型的なウイルスは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス 、ワクシニアウイルスおよびアデノ関連ウイルス(AAV)を包含する。アデノウイ ルス、二本鎖DNAウイルスは、異種核酸供給のための、現在最もよく研究されて いる遺伝子転移ベクターである(総説については、下記の文献を参照のこと:T. C.Becker et al.,Meth .Cell.Biol.,43:161-89,1994;並びにJ.T.Dougl asおよびD.T.Curiel,Science & Medicene ,4:44-51,1997)。アデノウイル スの系はいくつかの利点を提供する:アデノウイルスは(i)比較的大きいDNA インサートを収容することができる;(ii)高い力価に増殖することができる ;(iii)広い範囲の哺乳動物細胞の型を感染することができる;および(iv) 多数の異なるプロモーターを含有する入手可能なベクターとともに使用すること ができる。また、アデノウイルスは血流中で安定であるので、静脈内注射により 投与することができる。 アデノウイルスのゲノムの一部分を欠失させることによって、異種DNAのより 大きいインサート(7kbまで)を収容させることができる。これらのインサー トは、直接的結合によるか、あるいは共トランスフェクトされたプラスミドを使 用する相同組換えにより、 ウイルスDNAの中に組込むことができる。典型的な系において、ウイルスのベク ターから必須E1遺伝子が欠失されてきており、そしてE1遺伝子が宿主細胞( ヒト293細胞系統は典型的である)により提供されないかぎり、ウイルスは複製 しないであろう。アデノウイルスは、無傷の動物に静脈内投与されるとき、主と して肝臓をターゲットする。アデノウイルスの送出し系がE1遺伝子の欠失を有 する場合、ウイルスは宿主細胞中で複製することができない。しかしながら、宿 主の組織(例えば、肝臓)は異種タンパク質を発現し、プロセスする(そして、 分泌シグナル配列が存在する場合、分泌する)であろう。分泌されたタンパク質 は高度に血管化された肝臓の中の循環の中に入り、そして感染した動物に対する 作用を測定することができる。 アデノウイルス系は、また、in vitroにおけるタンパク質の生産のために使用 することができる。アデノウイルスが感染した非293細胞を、細胞が急速に分裂 しない条件下に、培養することによって、細胞は延長した期間の間タンパク質を 産生することができる。例えば、BHK細胞を細胞ファクトリー中でコンフルエン スに増殖させ、次いで問題の分泌されたタンパク質をコードするアデノウイルス のベクターに暴露させる。次いで細胞を無血清条件下に増殖させ、これにより、 細胞を有意に分裂させずに、感染した細胞を数週間生存させることができる。ま た、アデノウイルスのベクターが感染した293S細胞を懸濁培養において比較的高 い細胞密度に増殖させて、有意な量のタンパク質を生産することができる(Garn ier et al.,Cytotechnol. ,15:145-55,1994参照)。いずれのプロトコールを 使用しても、分泌された異種タンパク質を細胞培養の上清から反復的に単離する ことができる。感染した293S細胞の生産のプロトコールにおいて、非分泌タンパ ク質を効果的に得ることもできる。 分画および/または慣用の精製方法および培地を使用して、発現された組換え zsig15ポリペプチド(またはキメラzsig15ポリペプチド)を精製することができ る。試料の分画のために、硫酸アンモニウム沈降および酸またはカオトロープ抽 出を使用することができる。典型的な精製工程は、ヒドロキシアパタイト、サイ ズ排除クロマトグラフィー、FPLCおよび逆相高性能液体クロマトグラフィーを包 含することができる。適当なクロマトグラフィーの媒質は、誘導化デキストラン 、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド、特製のシリカ、およびその他 を包含する。PEI、DEAE、QAEおよびQ誘導体は好ましい。典型的なクロマトグラ フィー媒質は、フェニル、ブチル、またはオクチル基で誘導化された媒質、例え ば、フェニル−セファローズFF(Pharmacia)、トヨパールブチル650(Toso Haa s、ペンシルベニア州モントゴメリヴィレ)、オクチル−セファローズ(Pharmaci a)およびその他;またはポリアクリル樹脂、例えば、Amberchrom CG 71(Toso Ha as)およびその他を包含する。適当な固体の支持体は、ガラスビーズ、シリカを ベースとする樹脂、セルロース樹脂、アガロースビーズ、架橋アガロースビーズ 、ポリスチレンビーズ、架橋ポリアクリルアミド樹脂、およびその他を包含し、 これらはこれらを使用する条件下に不溶性である。これらの支持体は、アミノ基 、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基および/または炭水化物 部分によるタンパク質の結合を可能とする反応性基で修飾することができる。化 学的カップリングの例は、臭化シアンの活性化、N−ヒドロキシスクシンイミド の活性化、エポキシドの活性化、スルフヒドリルの活性化、ヒドラジドの活性化 、およびカーボジイミドの化学的カップリングのためのカルボキシルおよびアミ ノ誘導体を包含する。これらおよび他の固体の媒質はこの分野においてよく知ら れており、かつ広く使用されており 、そして商業的供給会社から入手可能である。レセプターのポリペプチドを固体 の媒質に結合する方法は、この分野においてよく知られている。特定の方法の選 択は日常的設計事項であり、そして一部分選択した支持体の性質により決定され る。例えば、Affinity Chromatography :Principle & Methods,Pharmacia LKB Biotechnology、スイス国ウップサラ、1988、参照。 本発明のポリペプチドは、特定の性質を利用することによって単離することが できる。例えば、固定化金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィーを使用して 、ポリヒスチジン標識からなるものを包含する、ヒスチジンに富んだタンパク質 を精製することができる。簡単に述べると、ゲルにまず2価の金属イオンを負荷 してキレート化剤を形成する(Sulkowsiki,Trends in Biochem .3:1-7,1985 )。ヒスチジンに富んだタンパクは、使用する金属イオンに依存して、このマト リックスに異なるアフィニティーで吸着され、そして競合溶離、pHの低下、ま たは強いキレート化剤の使用により溶離されるであろう。他の精製法は、レクチ ンアフィニティークロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーによ るグリコシル化製造の精製を包含する(Methods in Enzymol.,Vol.182,”Guide to Protein Purification”,M.Deutscher(編),Academic Press,サンディエ ゴ,1990,pp.529-39)。本発明の追加の態様の範囲内において、問題のポリペプ チドと親和標識(例えば、マルトース結合タンパク質、免疫グロブリンドメイン )との融合物を構築して、精製を促進することができる。 この分野において記載されている方法により、本発明のzsig15の領域またはド メインを他の異種タンパク質のそれらと組み合わせてを使用して、ポリペプチド の融合物、またはハイブリッドzsig15タンパク質を構築する(Sambrook et al. ,ibid.;Altschul et al. ,ibid.,Picard,Cur .Opin.Biology,5:511-5、1994、およびその中の参考 文献)。これらの方法は、問題のポリペプチド中のより大きいドメインまたは領 域の生物学的重要性の決定を可能とする。このようなハイブリッドは、反応速度 論、結合を変更し、基質の特異的を拘束または拡張するか、あるいはポリペプチ ドの組織および細胞の局在化を変更することができ、そして未知の構造のポリペ プチドに適用することができる。 この分野において知られている方法により、融合タンパク質の各成分を製造し 、それらを複合化することによって、融合タンパク質を製造することができる。 また、適切なリーディングフレームにおいて融合タンパク質の双方の成分をコー ドするポリヌクレオチドを既知の技術により発生させ、本明細書において記載す る方法により発現させることができる。例えば、生物学的機能を与える1または それ以上のドメインの一部分またはすべてを、本発明のzsig15の間で、他のファ ミリーのメンバーからの機能的に同等の1またはそれ以上のドメインと交換する ことができる。このようなドメインは、分泌シグナル配列および保存されたモチ ーフを包含するが、これらに限定されない。このような融合タンパク質は、構築 された融合物に依存して、本発明または他のファミリーのポリペプチドと同一で あるか、あるいはそれに類似する、生物学的機能的プロフィルを有することが期 待されるであろう。そのうえ、このような融合タンパク質は、本明細書において 開示するように、他の性質を示すことができる。 本発明の分子の遺伝子は、染色体の位置19Q13.1−13.2にマッピングされた。 この染色体の位置は、多数の遺伝子のクラスターにより区別され、これらの遺伝 子は、高度にレベルで発現されるとき、癌腫に関係づけられる。カリクレイン/ 前立腺特異的抗原(PSA)は 染色体19Q13.12−13.4に局在化され、そして前立腺癌において過度に発現される ことが示された(Winderickx et al.,Mol .Cell.Endocrinol.,62:217-226,1 989)。PSAは33kDaの一本鎖の糖タンパク質である。染色体19Q13.1−13.3に局 在化される遺伝子の他のクラスターは、妊娠特異的ベータ糖タンパク質のファミ リー(PSBGs)である。PSBGsは妊娠、胞状奇胎および絨毛膜癌の診断に使用されて きている(McLenachan et al.,Genomics ,22:356-363,1994)。PSBGsは免疫 グロブリンの糖のファミリーのメンバーであり、そしてこのクラスターの中に見 出される他の遺伝子のファミリー、癌胎児性抗原(CEA)に関係づけられる。CEA遺 伝子のファミリーは染色体19の長いアーム上に位置し、そして結腸直腸、胃お よび膵臓の癌のマーカーとして同定された(Hodge,Cancer Imunol .Immunother .43 :127-143,1996)。こうして、本発明の遺伝子は、種々の癌の診断において 重要であると考えられる、染色体の位置のそれ以上の解明のための追加の道具を 提供する。 さらに、zsig15の遺伝子が突然変異され、したがって、疾患の遺伝された形態 を示すかどうかを同定するために、ファミリーの研究を実施することができる。 遺伝子の突然変異は、当業者によく知られている方法により同定することができ る。例えば、核酸(すなわち、ゲノムのDNA、cDNAまたはmRNA)を組織の試料ま たは生物学的流体から抽出し、そして本発明の核酸に対して相補的なPCRプライ マーを使用するPCRにより分析する。分析は、挿入、欠失および置換の同定を包 含し、ここで挿入、欠失および置換は、例えば、ゲル電気泳動に付すときの移動 度が異なることがあるか、あるいはRNA−DNA異種二重らせんの単一の塩基のミス マッチにおいてリボヌクレアーゼにより切断することができる(Meyers et al.,Science ,230 :1242-1246,1985)。 zsig15ポリペプチドはまた、zsig15のエピトープ、ペプチドまたはポリペプチ ドに特異的に結合する抗体を製造するために使用することができる。ポリクロー ナル抗体およびモノクローナル抗体を製造する方法は、この分野においてよく知 られている。 zsig15について観測される組織の分布にかんがみて、アゴニスト(天然のリガ ンド/基質/コファクター/およびその他を包含する)およびアンタゴニストは in vitroおよびin vivoの双方の用途において可能性を有する。例えば、zsig15 およびアゴニスト化合物は規定された細胞培地の成分として有用であり、そして 単独で、あるいは他のサイトカインおよびホルモンと組み合わせて使用して、細 胞培養において普通に使用されている血清を置換することができる。こうして、 アゴニストは上皮細胞、特に結腸または乳房の組織由来の上皮細胞の増殖および /または発生を特異的に促進するとき有用である。 アンタゴニストは、また、リガンド−レセプターの相互作用の部位を特性決定 するための研究試薬として有用である。zsig15活性のインヒビター(zsig15のア ンタゴニスト)は、抗zsig15抗体および可溶性zsig15レセプター、ならびに他の ペプチドおよび非ペプチドの因子(リボザイムを包含する)を包含する。 zsig15はまた、その活性のインヒビター(アンタゴニスト)を同定するために 使用することができる。被験化合物を本明細書において開示するアッセイに添加 して、zsig15の活性を阻害する化合物を同定する。本明細書において開示するア ッセイに加えて、レセプターの結合またはzsig15依存性細胞の応答の刺激/阻害 を測定するように設計された、種々のアッセイにおいて、試料をzsig15活性の阻 害について試験することができる。例えば、zsig15刺激された細胞の経路に対し て応答性であるリポーター遺伝子構築物で、zsig15応 答性細胞系統を形質転換することができる。この型のリポーター遺伝子構築物は この分野において知られており、そして一般にアッセイ可能なタンパク質、例え ば、ルシフェラーゼをコードする遺伝子に作用可能に連鎖された、zsig15−DNA 応答因子からなるであろう。DNA応答因子は下記のものを包含するが、これらに 限定されない:環状AMP応答因子(CRE)、ホルモン応答因子(HRE)、インスリン応 答因子(IRE)(Nasrin et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.USA,87:5273-7,1990) および血清応答因子(SRE)(Shaw et al.,Cell ,56:563-72,1989)。環状AMP応 答因子は、Roester et al.,J .Biol.Chem.263(19):9063-6,1988およびHa bener,Molec .Endocrinol.4(8):1078-94,1990において概観されている。 ホルモン応答因子は、Beato,Cell 56:335-44,1989、において概観されている 。リポーター遺伝子の発現のzsig15刺激の減少により証明されるように、標的細 胞に対するzsig15活性を阻害する能力について、候補の化合物、溶液、混合物ま たは抽出物を試験する。この型のアッセイは、細胞表面のレセプターに対するzs ig15の結合を直接ブロックする化合物、ならびにレセプター−リガンドの結合に 引き続く細胞の経路におけるプロセスをブロックする化合物を検出するであろう 。別の方法において、検出可能な標識(例えば、125I、ビオチン、セイヨウワ サビペルオキシダーゼ、FITC、およびその他)で標識化されたzsig15を使用して 、化合物または他の試料をレセプターに対するzsig15の結合のブロッキングにつ いて試験することができる。このタイプのアッセイにおいて、レセプターに対す る標識化zsig15の結合を阻害する被験試料の能力は阻害活性を示し、これは二次 的アッセイにより確証することができる。結合アッセイにおいて使用するレセプ ターは、環状レセプターまたは単離され、固定化されたレセプターであることが できる。 zsig15ポリペプチド、またはその一部分は、2つの定常領域のドメインを含有 しかつ可変領域を欠如する、免疫グロブリンの重鎖の定常領域、典型的にはFc フラグメントとの融合物として発現させることができる。このような融合物を製 造する方法は、米国特許第5,155,027号および米国特許第5,567,584号に開示され ている。このような融合物は典型的にはマルチマー分子として分泌され、ここで Fc部分は互いにジサルファイド結合しており、そして2つの非Igポリペプチ ドは互いに密接に近接して配列されている。この型の融合物を、in vitroアッセ イ道具、またはアンタゴニストとして、リガンドのアフィニティー精製のために 使用することができる。アッセイにおいて使用するために、キメラを支持体にF c領域を介して結合させ、ELISAフォーマットにおいて使用する。 zsig15リガンド結合性ポリペプチドを、リガンドの精製に使用することもでき る。ポリペプチドを、使用条件下に安定である、固体の支持体、例えば、アガロ ース、架橋アガロー、ガラス、セルロース樹脂、シリカをベースとする樹脂、ポ リスチレン、架橋ポリアクリルアミド樹脂、およびその他の材料のビーズ上に固 定化する。固体の支持体にポリペプチドを結合する方法は、この分野において知 られており、そしてアミン化学、臭化シアンの活性化、N−ヒドロキシスクシン イミドの活性化、エポキシドの活性化、スルフヒドリルの活性化およびヒドラジ ドの活性化を包含する。得られる媒質は一般にカラムの形態に形造られ、そして リガンドを含有する流体をカラムに1回またはそれ以上の回数通過させて、リガ ンドをレセプターのポリペプチドに結合させる。次いで塩濃度の変化、カオトロ ープ剤(グアニジンHCl)、またはリガンド−レセプターの結合を崩壊させるpH を使用して、リガンドを溶離する。 リガンド結合性レセプター(または抗体、相補体/抗相補体の対 の一方のメンバー)またはその結合性フラグメント、および商業的に入手可能な バイオセンサー計器(BIAcore,Pharmacia Biosensor、ニュージャージイ州ピス カタウェイ)を使用してアッセイシステムを好都合に使用することができる。こ のようなレセプター、抗体、相補体/抗相補体の対のメンバーまたはフラグメン トをレセプターのチップの表面上に固定化する。このフラグメントの使用は、Ka rlsson,J .Immunol.Methods 145:229-40,1991、およびCunninghamおよびWel ls,J .Mol.Biol.234:554-63,1993に開示されている。レセプター、抗体、 メンバーまたはフラグメントを、アミンまたはスルフヒドリルの化学を使用して 、フローセル内の金薄膜に結合させたデキストラン繊維に共有結合させる。被験 試料をセルに通過させる。リガンド、エピトープ、または相補体/抗相補体の反 対のメンバーが試料の中に存在する場合、それは、それぞれ、固定化されたレセ プター、抗体またはメンバーに結合し、媒質の屈折率を変化させ、これは金薄膜 の表面のプラズモンの共鳴の変化として検出される。このシステムは、オンおよ びオフの割合の測定(これから結合アフィニティーを計算することができる)お よび結合の化学量論的評価を可能とする。 リガンド結合性レセプターのポリペプチドをまた、この分野において知られて いる他のアッセイシステムにおいて使用することができる。このようなシステム は、結合アフィニティーを測定するスキャッチャード分析(Scatchard,Ann .NY Acad.Sci.51 :660-72,1949、参照)および比色アッセイ(Cunningham et al .,Science 253:545-48,1991;Cunningham et al.,Science 245:821-25,19 91参照)。 zsig15ポリペプチドを使用して、zsig15のエピトープ、ペプチドまたはポリペ プチドに特異的に結合する抗体を製造することもでき る。zsig15ポリペプチドまたはそのフラグメントは、動物に接種し、免疫応答を 引き出すための抗原(免疫原)として働く。この免疫応答から発生する抗体を本 明細書において記載するように単離し、精製することができる。ポリクローナル 抗体およびモノクローナル抗体を製造し、単離する方法は、この分野においてよ く知られている。例えば、下記の文献を参照のこと:Current Protocols in Imu nology ,Cooligan,et al.(編),National Institutes of Health,John Wile y & Sons,Inc.,1995;Sambrook et al.,Molecular Cloning :A Laboratory M anual ,第2版、Cold Spring Harbor,NY,1989;およびHurrel,J.G.R.編、Mo noclonal Hybridoma Antibodies :Techniques and Applications ,CRC Press,I nc.,フロリダ州ボカレイトン,1982。 当業者にとって容易に明らかなように、種々の温血動物、例えば、ウマ、雌牛 、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、マウス、およびラットにzsig15ポリ ペプチドまたはそのフラグメントを接種することによって、ポリクローナル抗体 を発生させることができる。アジュバント、例えば、明礬(水酸化アルミニウム )またはフロインド完全アジュバントまたはフロインド不完全アジュバントを使 用して、zsig15ポリペプチドの免疫原性を増加させることができる。免疫化に有 用なポリペプチドは、また、融合ポリペプチド、例えば、zsig15またはその一部 分と免疫グロブリンポリペプチドまたはマルトース結合性タンパク質との融合物 を包含する。ポリペプチドの免疫原は全長の分子またはその一部分であることが できる。ポリペプチドの一部分が「ハプテン様」である場合、このような一部分 は好都合には免疫化のために高分子の担体(例えば、キーホールリンペットヘモ シアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)または破傷風トキソイド)に結合させ ることができる。 本明細書において使用するとき、用語「抗体」はポリクローナル抗体、アフィ ニティー精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および抗原結合 性フラグメント、例えば、F(ab')2およびFab'タンパク質分解フラグメントを包 含する。遺伝子操作された無傷の抗体またはフラグメント、例えば、キメラ抗体 、Fvフラグメント、一本鎖抗体およびその他、ならびに合成抗原結合性ペプチ ドおよびポリペプチドもまた包含される。非ヒトCDRをヒトフレームワークおよ び定常領域の上にグラフト化するか、あるいは全体の非ヒト可変ドメインを組込 む(必要に応じて暴露した残基を置換することによって、前記ドメインをヒト様 表面で「クローキング(cloaking)」する、ここで「ベニヤ化された」抗体が生 ずる)ことによって、非ヒト抗体をヒト化することができる。いくつかの例にお いて、ヒト化抗体はヒト可変領域のフレームワーク内に非ヒト残基を保持して、 適切な結合特性を増強することができる。抗体をヒト化することによって、生物 学的半減期を増加することができ、そしてヒトへの投与のときの悪い免疫反応の 可能性が減少する。 本発明において有用な抗体を発生させるか、あるいは選択する別の技術は、zs ig15タンパク質またはペプチドに対するリンパ球のin vitro暴露、およびファー ジまたは同様なベクター中の抗体ディスプレイライブラリーの選択(例えば、固 定化または標識化されたzsig15タンパク質またはペプチドの使用による)を包含 する。ファージ上にディスプレイされた(ファージディスプレイ)、あるいは細 菌、例えば大腸菌(E.coli)上にディスプレイされた、ランダムペプチドライブ ラリーをスクリーニングすることによって、潜在的zsig15ポリペプチド結合性ド メインを有するポリペプチドをコードする遺伝子を得ることができる。ポリペプ チドをコードするヌクレオチド配列は、多数の方法、例えば、ランダム突然変異 誘発およびラ ンダムポリヌクレオチド合成により、得ることができる。これらのランダムペプ チドディスプレイライブラリーを使用して、ペプチドまたはポリペプチドである ことができる既知の標的、例えば、リガンドまたはレセプター、生物学的または 合成の高分子、または有機または無機の物質と相互作用するペプチドをスクリー ニングすることができる。このようなランダムペプチドディスプレイライブラリ ーをつくり、スクリーニングする技術はこの分野において知られており(Ladner et al.,米国特許第5,223,409号;Ladner et al.,米国特許第4,946,778号;Ladn er et al.,米国特許第5,403,484号;およびLadner et al.,米国特許第5,571,698 号)そしてランダムペプチドディスプレイライブラリーおよびこのようなライブ ラリーをスクリーニングするキットは、例えば、クロンテク(Clontech)(カリフ ォルニア州パロアルト)、インビトロゲン・インコーポレーテッド(Invitrogen I nc.)(カリフォルニア州サンディエゴ)、ニュー・イングランド・バイラブズ・イ ンコーポレーテッド(New England Biolabs Inc.)(マサチュセッツ州ベバーリイ) およびファーマシア(Pharmacia LKB Biotechnology Inc.)(ニュージャージイ州 ピスカタウェイ)から商業的に入手可能である。本明細書に開示するzsig15配列 を使用して、ランダムペプチドディスプレイライブラリーをスクリーニングして 、zsig15に結合するタンパク質を同定することができる。これらの「結合性タン パク質」は、zsig15ポリペプチドと相互作用し、細胞の標識化、アフィニティー 精製による相同体ポリペプチドの単離に使用することができ;それらを直接的ま たは間接的に薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に結合させることができ る。これらの結合性タンパク質は、また、分析方法において、例えば、発現ライ ブラリーのスクリーニングおよび活性の中和に使用することができる。また、結 合性タンパク質は、組織中のポ リペプチドの循環レベルを測定し、そして根元的な病理学または疾患のマーカー としてポリペプチドを検出または定量する診断アッセイに使用することができる 。これらの結合性タンパク質は、また、zsig15「アンタゴニスト」として作用し て、in vitroおよびin vivoにおいてzsig15の結合およびシグナルトランスダク ションをブロックすることができる。 抗体は、1)それらが限界のレベルの結合活性を示す場合、および/または2 )それらが関係するポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合、特異的に結 合すると決定される。第1に、本発明における抗体がzsig15ポリペプチド、ペプ チドまたはエピトープと、106-1またはそれより大きい、好ましくは107-1 またはそれより大きい、より好ましくは108-1またはそれより大きい、最 も好ましくは109-1またはそれより大きい、結合アフィニティー(Ka)で 結合する場合、特異的に結合する。抗体の結合アフィニティーは、当業者により 、例えば、スキャッチャード分析(Scatchard,G.,Ann .NY Acad.Sci.51:660- 672,1949)により容易に測定することができる。 第2に、抗体が関係するポリペプチドと有意に交差反応しない場合、抗体は特 異的に結合すると決定される。例えば、標準的ウェスタンブロット分析を使用し て、抗体がzsig15を検出するが、既知の関係するポリペプチドを検出しない場合 、抗体は関係するポリペプチド分子と有意に交差反応しない(Ausubelet al.,i bid. )。既知の関係するポリペプチドの例は、オーソログ、タンパク質のファミ リーのメンバー(例えば、IL−16)である同一種からのタンパク質、zsig15 ポリペプチド、および非ヒトzsig15である。そのうえ、抗体を既知の関係するポ リペプチド「に対してスクリーニング」して、本発明のポリペプチドに特異的に 結合する集団を単離するこ とができる。例えば、zsig15に対して発生させた抗体は不溶性マトリックスに付 着した関係するポリペプチドに吸着される;zsig15に対して特異的な抗体は適切 な緩衝条件下にマトリックスを通して流れるであろう。このようなスクリーニン グは、密接に関係するポリペプチドに対して非交差反応性のポリクローナル抗体 およびモノクローナル抗体の単離を可能とする(Antibodies :A Laboratory Man ual ,HarlowおよびLane(編),Cold Spring Harbor Laboratory Press,1988;Current Protocols in Imunology ,Cooligan,et al.,(編)、National Insti tutes of Health,John Wiley & Sons,Inc.,1995)。特異的抗体のスクリーニ ングおよび単離は、この分野においてよく知られている。下記の文献を参照のこ と:Fundamental Immunology,Paul(編),Raven Press,1993;Getzoff et al .,Adv .in Immunol.,43:1-98,1988;Monoclonal Antibodies :Principle an d Practice ,Goding,J.W.(編),Academic Press Ltd.,1996;Benjamin et al .,Ann .Rev.Immunol.2:67-101,1984。 この分野において知られている種々のアッセイを利用して、zsig15タンパク質 またはペプチドに特異的に結合する抗体を検出し、精製することができる。典型 的なアッセイは、Antibodies :A Laboratory Manual,HarlowおよびLane(編),C old Spring Harbor Laboratory Press,1988に詳細に記載されている。このよう なアッセイの代表的な例は下記のものを包含する:並流免疫電気泳動、ラジオイ ムノアッセイ、放射線免疫沈降、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、ドットブロ ットまたはウェスタンブロットアッセイ、阻害または競合アッセイ、およびサン ドイッチアッセイ。さらに、抗体を野生型/突然変異のzsig15ポリペプチドに対 する結合についてスクリーニングすることができる。 zsig15を発現する細胞の標識化;アフィニティー精製によるzsig15の単離;zs ig15ポリペプチドの循環レベルを測定する診断アッセイ;根元的な病理学または 疾患のマーカーとしてのzsig15タンパク質の検出または定量;FACSを使用する分 析方法;発現ライブラリーのスクリーニング;抗イディオタイプ抗体の発生;の ために、そして中和性抗体;またはin vitroおよびin vivoにおいてzsig15触媒 活性をブロックするアンタゴニスト;として、zsig15に対する抗体を使用するこ とができる。適当な直接的標識は下記のものを包含する:放射性核種、酵素、基 質、コファクター、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子 およびその他;間接的標識は、中間体としてビオチン−アビジンまたは他の補体 /抗補体の対の使用を特徴とすることができる。本発明における抗体は、また、 薬剤、トキシン、放射性核種およびその他と直接的または間接的に複合化するこ とができ、そしてこれらの複合体はin vivoの診断または療法の用途において使 用することができる。そのうえ、zsig15またはそのフラグメントに対する抗体を in vitroにおいて使用して、アッセイ、例えば、ウェスタンブロットアッセイま たはこの分野において知られている他のアッセイにおいて、変性されたzsig15ま たはそのフラグメントを検出することができる。 本発明における抗体またはポリペプチドはまた、他の部分、例えば、薬剤、ト キシン、放射性核種およびその他と直接的または間接的に複合化することができ 、そしてこれらの複合体はin vivoの診断または療法の用途において使用するこ とができる。例えば、本発明のポリペプチドまたは抗体を使用して、対応する抗 相補的分子(例えば、それぞれ、レセプターまたは抗原)を発現する組織または 器官を同定または治療することができる。さらに詳しくは、zsig15ポリペプチド または抗zsig15抗体、またはそれらの生物活性フラグ メントまたは部分を検出可能なまたは細胞障害性分子にカップリングさせ、そし て抗相補的分子を発現する細胞、組織または器官を有する哺乳動物に送出すこと ができる。 適当な検出可能な部分をポリペプチドまたは抗体に直接的または間接的に結合 させることができ、そしてこのような部分は放射性核種、酵素、基質、コファク ター、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子、およびその 他を包含する。適当な細胞障害分子をポリペプチドまたは抗体に直接的または間 接的に結合させることができ、そしてこのような分子は細菌または植物のトキシ ン(例えば、ジフテリアのトキシン、シュードモナス・エキソトキシン(Pseudo monas exotoxin)、リシン、アブリンおよびその他)、ならびに治療用放射性核 種、例えば、ヨウ素−131、レニウム−188またはイットリウム−90(ポリペプ チドまたは抗体に直接的に結合されているか、あるいは、例えば、キレート化部 分の手段により間接的に結合されている)を包含する。また、ポリペプチドまた は抗体を細胞障害性薬剤、例えば、アドリアマイシンに結合させることができる 。検出可能なまたは細胞障害性分子の間接的結合のために、検出可能なまたは細 胞障害性分子を相補体/抗相補体の対の1メンバーに結合することができ、ここ で他方のメンバーをポリペプチドまたは抗体の部分に結合させる。これらの目的 に対して、ビオチン/ストレプトアビジンは典型的な相補体/抗相補体の対であ る。 他の態様において、ポリペプチド−トキシン融合タンパク質または抗体−トキ シン融合タンパク質を、ターゲッテッド細胞または組織の阻害または切除のため に(例えば、癌細胞または組織を処置するために)使用することができる。また 、ポリペプチドは多数の機能的ドメイン(例えば、活性化ドメインまたはリガン ド結合性ドメ イン、+ターゲッティングドメイン)を有する場合、ターゲッティングドメイン のみを含む融合タンパク質は、検出可能な分子、細胞障害性分子または相補的分 子を問題の細胞または組織の型に向けるために適当であろう。そのドメインのみ の融合タンパク質が相補的分子を含む場合、抗相補的分子を検出可能なまたは細 胞障害性分子に結合させることができる。したがって、このようなドメイン−相 補的分子の融合タンパク質は、遺伝的抗相補的−検出可能な/細胞障害性分子の 複合体の細胞/組織特異的送達のための、遺伝的ターゲッティングビヒクルを表 す。 他の態様において、zsig15−サイトカインの融合タンパク質または抗体−サイ トカインの融合タンパク質は、zsig15ポリペプチドまたは抗zsig15抗体が超増殖 性細胞をターゲットする場合、標的組織(例えば、血液、結腸、乳房および骨髄 の癌)のin vivo死滅を増強するために使用することができる(一般に、Hornick et al.,Blood 89:4437-47,1977参照)。記載されている融合タンパク質は、 サイトカインを所望の作用部位にターゲッティングし、これによりサイトカイン の局所濃度を増加させることができる。適当なzsig15ポリペプチドまたは抗zsig 15抗体は、望ましくない細胞または組織(例えば、腫瘍または白血病)をターゲ ットし、そして仲介された融合サイトカインはエフェクター細胞による標的細胞 の溶解を改良する。この目的に適当なサイトカインは、例えば、インターロイキ ン−2および顆粒球−マクロファージのコロニー刺激因子(GM−CSF)を包含す る。 本明細書において記載する生物活性ポリペプチドまたは抗体の複合体は、静脈 内、動脈内または導管内に送出すか、あるいは意図する作用部位において局所的 に導入することができる。 本発明の分子は、癌転移に関係するレセプターを同定し、単離す ることができるために、使用することができる。例えば、本発明のタンパク質お よびペプチドをカラム上に固定化し、そして膜調製物をカラムの上に展開させる ことができる(Immobilized Affinity Ligand Techniques,Hermanson et al.編 、Academic Press、カリフォルニア州サンディエゴ,1992,pp.195-202)。タン パク質およびペプチドをまた、放射能標識化する(Methods in Enzymol. vol.1 82,”Guide to Protein Purification”,M.Deutcsher編,Academic Press、 カリフォルニア州サンディエゴ、1990,721-737)か、あるいはフォトアフィニテ ィー標識化し(Brunner et al.,Ann .Rev.Biochem.62:483-514,1993および Fedan et al.,Biochem .Pharmacol.33:1167-1180,1984)そして特異的細胞 表面のタンパク質を同定することができる。 本発明のポリペプチド、核酸および/または抗体を、前立腺、結腸または乳房 の癌に関連する疾患の治療において使用することができる。本発明の分子を使用 して、病理的症状をモジュレートするか、あるいは治療または予防することがで きる、特に、このような診断、治療または予防を、ある種の癌、炎症および過形 成性疾患に適用することができる。 zsig15ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、zsig15活性を増加させ るか、あるいは阻害する遺伝子治療において有用である。哺乳動物が突然変異し たzsig15遺伝子をもつか、あるいは前記遺伝子をもたない場合、zsig15遺伝子を 哺乳動物の細胞の中に導入することができる。1つの態様において、zsig15ポリ ペプチドをコードする遺伝子をin vivoにおいてウイルスのベクターの中に導入 する。このようなベクターは、弱毒化または欠陥DNAウイルス、例えば、単純ヘ ルペスウイルス(HSV)、肺炎ウイルス、EBウイルス(EBV)、アデノウイルス、ア デノ関連ウイルス(AAV)、およびその 他を包含するが、これらに限定されない。欠陥ウイルスは、ウイルス遺伝子を完 全にまたはほとんど完全に欠如し、このようなウイルスは好ましい。欠陥ウイル スは、細胞の中に導入された後、感染性ではない。欠陥ウイルスのベクターを使 用すると、ベクターが他の細胞を感染することができるということことを無視し て、特定の局在化区域における細胞への投与が可能となる。特定のベクターの例 は下記のものを包含するが、これらに限定されない:欠陥単純ヘルペスウイルス 1(HSV1)のベクター(Kaplitt et al.,Molec .Cell.Neurosci.2:320-30,19 91);弱毒化アデノウイルス、例えば、Stratford-Perricaudet et al.,J .Clin .Invest.90 :626-30,1992、に記載されているベクター;および欠陥アデノ関 連ウイルスのベクター(Samulski et al.,J .Virol.61:3096-101,1987;Samu lski et al.,J .Virol.63:3822-8,1989)。 他の態様において、zsig15遺伝子を、例えば、下記の文献に記載されているよ うに、レトロウイルスのベクターの中に導入することができる:Anderson et al .,米国特許第5,399,346号;Mann et al.,Cell 33:153,1983;Temin et al., 米国特許第4,650,764号;Temin et al.,米国特許第4,980,289号;Markwoitz et al.,J .Virol.62:1120,1988;Temin et al.,米国特許第5,124,263号;Doug herty et al.,国際特許公開No.WO95/07358号、公開1995年3月16日;お よびKuo et al.,Blood 82:845,1993。あるいは、ベクターはリポソームを使 用するin vivoにおけるリポフェクションにより導入することができる。合成カ チオン性脂質を使用して、マーカーをコードする遺伝子バンクのin vivoトラン スフェクションのためのリポソームを調製する(Felgner et al.,Proc .Natl.A cad.Sci.USA 84:7413-7,1987;Mackey et al.,Proc .Natl.Acad.Sci.US A 85:8027-31,1988)。外因的遺伝子を 特定の器官の中にin vivoにおいて導入するリポフェクションを使用すると、あ る種の実際的利点が得られる。特定の細胞に対するリポソームの分子のターゲッ ティングは、1つの範囲の利益を表す。さらに詳しくは、トランスフェクション を特定の細胞に向けることは、1つの範囲の利益を表す。例えば、特定の細胞の 型にトランスフェクションを向けることは、細胞の異種性を有する組織、例えば 、膵臓、肝臓、腎臓、および脳において特に好都合である。脂質をターゲッティ ングの目的で他の分子に化学的にカップリングさせることができる。ターゲッテ ッドペプチド(例えば、ホルモンまたは神経伝達物質)、タンパク質、例えば、 抗体、または非ペプチド分子をリポソームの化学的にカップリングすることがで きる。 標的細胞を体から取出し、裸のDNAプラスミドとしてベクターを導入し、次い で形質転換された細胞を体の中に再移植することができる。遺伝子治療のための 裸のDNAベクターを、この分野において知られている方法、例えば、トランスフ ェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスダ クション、細胞融合、DEAEデキストリン、リン酸カルシウム沈澱法、遺伝子ガン の使用またはDNAベクターのトランスポーターの使用により、所望の宿主細胞の 中に導入することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Wu et al.,J Biol.Chem.267 :963-7,1992;Wu et al.,J .Biol.Chem.263:14621-4,19 88。 アンチセンスの方法を使用して、zsig15遺伝子の転写を阻害すること、例えば 、in vivoにおいて細胞の増殖を阻害することができる。zsig15をコードするポ リヌクレオチド(例えば、配列番号:1に記載するポリヌクレオチド)のセグメ ントに対して相補的であるポリヌクレオチドを設計して、zsig15をコードするmR NAに結合させ、かつこのようなmRNAの翻訳を阻害する。細胞培養において、また は被検者において、このようなアンチセンスのポリヌクレオチドを使用して、zs ig15ポリペプチドをコードする遺伝子の発現を阻害する。 本発明は、また、診断用途において使用する試薬を提供する。例えば、zsig15 遺伝子、zsig15 DNAまたはRNAからなるプローブ、またはそれらのサブ配列を使 用して、zsig15遺伝子が染色体19上に存在するかどうか、あるいは突然変異が 起こったかどうかを決定することができる。zsig15遺伝子座における検出可能な 染色体の異常は、異数性、遺伝子コピー数の変化、挿入、欠失、制限部位の変化 および再配列を包含するが、これらに限定されない。このような異常は、分子遺 伝的技術、例えば、制限フラグメントの長さの多形性(RFLP)分析、PCR技術を 用いる短い直列反復(STR)分析、およびこの分野において知られている他の遺伝 的連鎖分析技術(Sambrook et al.,ibid ;Ausubel,et al.,ibid ;Marian ,Chest 108:255-265,1995)を使用することによって、検出することができる 。 zsig15遺伝子を発現するように操作された、トランスジェニックマウス、およ びzsig15遺伝子機能の完全な非存在を示すマウス、「ノックアウトマウス」と呼 ぶ(Snouwaert et al.,Science ,257:1083,1992)を発生させることもできる( Lowell et al.,Nature 366:740-42,1993)。これらのマウスを使用して、in vivo系においてzsig15遺伝子およびそれによりコードされるタンパク質を研究す ることができる。 放射性ハイブリッドマッピングは、哺乳動物の染色体の高い分解能の、隣接す る地図を構築するために開発された、幹細胞の遺伝的技術である(Cox et al.,Science 250:245-50,1990)。遺伝子の配列の部分的または完全な知識は、染 色体の放射性ハイブリッド マッピングパネルとともに使用するために適当なPCRプライマーの設計を可能と する。全体のヒトゲノムをカバーする、放射性ハイブリッドマッピングパネル、 例えばStanford G3 PanelおよびGeneBridge 4 RH Panelは商業的に入手可能であ る(Research Genetics,Inc.,アラバマ州ハンツヴィレ)。これらのパネルは、 急速な、PCRをベースとする染色体の局在化および遺伝子、配列標識化部位(STS s)、および問題の領域内の他の非多形性および多形性マーカーの順序決定を可 能とする。これは、問題の新しく発見された遺伝子と前にマッピングされたマー カーとの間の、直接的に比例する物理的距離の確立を包含する。遺伝子の位置の 正確な知識は、下記の目的を包含する、多数の目的に有用である:1)配列が存 在するcontigの一部分であるかどうかを決定し、そして追加の取り囲む遺伝的配 列を種々の形態、例えば、YACs、BACsまたはcDNAクローンで得ること;2)同一 染色体領域に対する連鎖を示す、遺伝性疾患の可能な候補の遺伝子を準備するこ と;および3)特定の遺伝子がどんな機能を有することができるかの決定を促進 することができる、交差参照モデルの生物、例えば、マウス。 配列標識化部位(STSs)を、また、染色体の局在化に独立に使用することがで きる。STSは、ヒトゲノムにおいてユニークであり、そして特定の染色体または 染色体の領域のための参照点として使用することができる、DNA配列である。STS は1対のオリゴヌクレオチドのプライマーにより規定され、これらのプライマー は、ポリメラーゼ連鎖反応において、すべての他のゲノム配列の存在下にこの部 位を特異的に検出するために使用される。STSsはDNA配列のみをベースとするの で、それらは電子データベース、例えば、配列標識化部位のデータベース(Data base of Sequence Tagged Sites)(dbSTS),GenBank(National Center for Bio logical Information,N ational Institutes of Health、マリイランド州ベセスダ、http://www.ncbi .nlm.nih.gov)内に完全に記載されることができ、そして問題の遺伝子配列 を使用して、これらの短いゲノムのランドマークSTS配列内に含有されるマッピ ングデータについて、検索することができる。 薬学的に使用するために、本発明のタンパク質は、慣用法に従い、非経口的、 特に静脈内または皮下の送出のために処方される。静脈内投与は、1〜数時間の 典型的な期間にわたる、ボーラス注射または注入によるであろう。一般に、医薬 処方物はzsig15タンパク質と、薬学上許容されるビヒクル、例えば、生理食塩水 、緩衝化生理食塩水、水中の5%デキストロースまたはその他との組合わせを包 含するであろう。処方物は、さらに、1または2以上の賦形剤、保存剤、可溶化 剤、緩衝化剤、バイアル表面上のタンパク質の損失を防止するためのアルブミン 、およびその他を含むことができる。処方法はこの分野においてよく知られてお り、そして、例えば、下記の文献に開示されている:The Science and Practice of Pharmacy ,Gennaro,編、Mack Publshing Company、ペンシルベニア州イース トン,第19版,1995。治療的投与量は一般に0.1〜100μg/kgの患者体重/ 日、好ましくは0.5〜20μg/kg/日の範囲であり、正確な投与量は、承認 された標準に従い、治療すべき症状の特質および苛酷性、患者の体質、およびそ の他を考慮して、臨床医により決定される。投与量の決定は当業者のレベルの範 囲内である。タンパク質は、急性治療のために、1週またはそれより短い期間に わたって、しばしば1〜3日の期間にわたって投与することができるか、あるい は慢性的治療において、数カ月または数年間にわたって使用することができる。 下記の非限定的実施例により、本発明をさらに例示する。 実施例実施例1 分泌配列を含有するcDNAのcDNAデータベースの走査は、新規でありかついかな る既知のタンパク質に対しても相同性をもたない、発現された配列標識(EST)を 明らかにした。cDNAはヒト結腸cDNAライブラリーからのものである。 cDNAをそのプラスミドからSal I(配列番号:1のヌクレオチド1)〜Not I (配列番号:1のヌクレオチド1726)で切除し、そしてESTが由来するcDNAの配 列を分析することによって、EST配列は確証された。分析により、cDNAはzsig15 をコードするDNAの全体のコーディング領域を含むことが明らかにされた。実施例2 クロンテク(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)からのヒト多組織ブロ ットおよびヒトRNAマスタードットブロットを使用して、ノザンを実施した。プ ローブはほぼ30bpのオリゴヌクレオチドZC11366(配列番号:3)であった。 T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Life Technologies,Inc.,マリイランド州ガイ サーバーグ)およびT4ポリヌクレオチドキナーゼ・フォワード緩衝液(Life Te chnologies,Inc.)を使用して、プローブを末端標識化した。NUCTRAPプッシュカ ラム(Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ)を使用して、プローブを精製し た。EXPRESSHYB(Clontech)溶液を、プレハイブリダイゼーションのために、そ してノザンブロットのハイブリダイゼーション溶液として使用した。ハイブリダ イゼーションを42℃において実施し、ブロットを室温において2×SSCおよび0 .1%SDSで洗浄し、次いで50℃において1×SSCおよび0.1%SDSで洗浄した。一 夜暴露した後、第3回の洗浄を65℃において1×SSC、0.1%SDS中で実施した 。2つの転写物が1.7および 2.5kbにおいて観察され、強いシグナルが前立腺において見られ、より弱いシ グナルが骨髄および膵臓、細胞粘膜内層および脊髄において見られた。ドットブ ロットは前立腺および骨髄について陽性のシグナルを示した。 腫瘍ブロットを前述のクローンからのインサートでプロービングした。プロー ブを前述したように標識化し、腫瘍ブロットを室温において2×SSC、0.1%SDS で洗浄し、次いで65℃において1×SSC、0.1%SDSで洗浄した。ヒト結腸腫瘍 ブロット(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)は4人の異なるドナ ーからのヒト腫瘍組織および正常組織から単離された、完全なRNAを含有し、こ こで正常/腫瘍の対を同一操作部位から切除した。結果を表5に要約する。 ヒト乳房腫瘍ブロット(Invitrogen)は4人の異なるドナーからのヒト腫瘍組 織および正常組織から単離された、完全なRNAを含有し、ここで正常/腫瘍の対 を同一操作部位から切除した。結果を表6に要約する。 これらのデータが示唆するように、細胞または腫瘍の分化した状態とともに変 化するレベルで、zsig15 mRNAは発現される。実施例3 商業的に入手可能な「GeneBridge 4 Radiation Hybrid Panel」(Research Ge netics,Inc.,アラバマ州ハンツヴィレ)を使用して、zsig15は染色体19にマ ッピングされた。GeneBridge 4 Radiation Hybrid Panelは、93の放射性ハイ ブリッドクローンの各々からのDNA、+2つの対照DNA(HFLドナーおよびA23 レシピエント)を含有する。公衆に入手可能なWWWサーバー(http://www-genome .wi.mit.edu/cgibin/cntig/rhmapper.pl)は、GeneBridge 4 Radiation Hybr id Panelで構築された、ヒトゲノムのゲノム研究の放射性ハイブリッド地図(「 WICGR」放射性ハイブリッド地図)のホワイトヘッド研究所/MITセンター(Whit ehead Institute/MIT Center)に関するマッピングを可能とする。 GeneBridge 4 RH Panelを使用するZsig15のマッピングのために、96ウェル のマイクロタイタープレート(Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ)中で2 5μlの反応物を構成し、「RoboCycler Gradient 96」サーマルサイクラー(St ratagene)において使用した。95のPCR反応物の各々は、2.5μlの「10×Kl enTaq反応緩衝液」(Clontech Laboratories,Inc.,カリフォルニア州パロア ルト)、2μlのdNTP混合物(2.5mMの各々、Perkin Elmer、フォスターシティ ー、カリフォルニア州)、1.25μlのセンスプライマー、ZC11,369、5’CGG CAA TGG ACC CCT AAG AA 3'、1.25μlのアンチセンスプライマー、ZC12,162、(配 列番号:)5'TCC TCC TGG CGG CAC ACG AA 3’、2.5μlの「RadiLoad」(Resea rch Genetics,Inc.,アラバマ州ハンツヴィレ)、0.5μlの「50×Advantage KlenTaq Polymerase Mix」(Clontech Laboratories,Inc.)、25ngの個々の ハイブリッドクローンまたは対照からのDNAおよび全体の体積を25μlとする ためのddH2Oから成っていた。反応物を等しい量の鉱油でオーバーレイし、密閉 した。PCRサイクラーの条件は次の通りであった:初期の1サイクル、5分の変 性、95℃、35サイクルの1分の変性、95℃、1分のアニーリング、70℃ および1.5分のエクステンション、72℃、次いで最後の1サイクルの7分のエ クステンション、72℃。反応物を3%NuSieve GTGアガロースゲル(FMC Biopr oducts、メイン州ロックランド)上の電気泳動により分離した。 Zsig15はWICGR放射性ハイブリッド地図上のヒト染色体19連鎖グループの上 部から323.29cR_3000にマッピングされることを、結果は示した。近接および遠 位のフレームワークのマーカーは、それぞれ、D19S827およびD19S420であった。 これらのマーカーは組込まれたLDB染色体19地図上の19q13.2領域にZsig15を位 置決定する(The Genetic Location Database,University of Southhampton,WW Wサーバー:http://cedar.genetics.soton.ac.uk/public_html/)。実施例4 哺乳動物の発現ベクターzsig15NF/pZP9、zsig15CF/pZP9、可溶性zsig15sNF /pZP9、可溶性zsig15sCF/pZP9およびzsig15/pZP9 の発生 5つの発現ベクターをzsig15ポリペプチドについて調製し、C末端またはN末 端のFLAG標識をもつ全長のzsig15ポリペプチド(配列番号:5)を発現するよう に、zsig15CF/pZP9およびzsig15NF/pZP9を設計し、N末端またはC末端のFLAG 標識を有する可溶性zsig15ポリペプチドを発現するように、zsig15sNF/pZP9、z sig15sCF/pZP9を設計し、そして非標識化zsig15ポリペプチドを発現するように 、zsig15/pZP9を設計した。 ZSIG15/pZP9 前述の実施例1に記載するクローンから、酵素Sal IおよびNot Iを使用する 制限消化により、zsig−15 DNAのほぼ1276bpの制限消化フラグメントを誘導し た。得られる制限フラグメントをアガロースゲル電気泳動により可視化した。予 測される大きさのバンドを切除し、製造業者のインストラクションに従いQIAQUI CKRカラム(Qiagen)を使用して、DNAをゲルから精製した。 切除され制限消化されたzsig15 DNAフラグメントを、Xho IおよびNot Iで切 断されたプラスミドpZP9の中にサブクローニングした。プラスミドpZP9(Americ an Type Culture Collection、マリイランド州ロックビレ、パークローンドライ ブ12301、に受託された)は、マウスメタロチオネイン−1プロモーターを有す る発現カセット、コーディング配列の挿入のための多重制限部位、停止コドンお よびヒト成長ホルモンのターミネーターを含有する哺乳動物の発現ベクターであ る。このプラスミドは、また、大腸菌(E.coli)の複製起点、SV40プロモー ター、エンハンサーおよび複製起点を有する哺乳動物の選択可能なマーカーの発 現ユニット、DHFR遺伝子およびSV40ターミネーターを有する。 インサートおよび発現ベクターを16℃において一夜結合し、次 いで製造業者の指示に従いDH10Bコンピテント細胞(GIBCO BRL、マリイランド州 ガイサーバーグ)の中にエレクトロポレーションした。50mg/mlのアンピ シリンを含有するLBプレート上に細胞をプレートし、37℃において一夜イン キュベートした。オリゴヌクレオチドのプライマーを使用するPCRにより、コロ ニーをベクターZC13006(配列番号:6)およびZC13007(配列番号:7)に対してス クリーニングした。陽性のクローンのインサート配列を配列の分析により確認し た。製造業者のインストラクションに従いQIAGENRMaxiプレプキット(Qiagen) を使用して、大規模のプラスミドの製造を実施した。 zSIG15CF/pZP9 2ラウンドのPCRを使用してBamHI部位を除去することによって、1.3kbのPCR 発生zsig15 DNAフラグメントをつくった(配列番号:1のヌクレオチド423はC からAに変化した)。オリゴヌクレオチドのプライマーZC13809(配列番号:8) およびZC13812(配列番号:9)を使用して、約392bpの5’フラグメントを発生 させた。オリゴヌクレオチドのプライマーZC13804(配列番号:10)およびZC138 15(配列番号:11)を使用して、約925bpのオーバーラップする3’フラグメ ントを発生させた。前述のzsig15/pZP9を鋳型として使用した;初期の変性、9 4℃、1分30秒、12サイクルの94℃、10秒、76℃、20秒、72℃、 1分30秒、次いで10分のエクステンション、72℃。製造業者のインストラ クションに従いS−300MircroSpinカラム(Pharmacia LKB Biotechnology,Inc. ,ニュージャージイ州ピスカタウェイ)を使用して、生ずるフラグメントを精製 した。オリゴヌクレオチドのプライマーZC13809(配列番号:8)およびZC13815( 配列番号:11)を使用して第2ラウンドのPCRを実施して、5’フラグメントお よび3’フラグ メントを結合させた。5’および3’の第1ラウンドのフラグメントを第2ラウ ンドのPCRのための鋳型として使用した;初期の変性、94℃、1分30秒、1 2サイクルの94℃、10秒、76℃、20秒、72℃、1分30秒、次いで1 0分のエクステンション、72℃。生ずる1.3kbの第2ラウンドのフラグメン トをアガロースゲル電気泳動により可視化し、切除し、製造業者のインストラク ションに従いQIAQUICKRカラム(Qiagen,Inc.,カリフォルニア州カールスバッ ド)を使用して精製した。 精製されたPCRフラグメントを制限酵素BamHIおよびEcoRIで消化し、アガロー スゲル電気泳動により可視化し、切除し、前述のQIAQUICKRカラム(Qiagen)で ゲル精製した。制限フラグメントをEcoRI−BamHI制限消化したCF/pZP9発現ベ クターの中に結合した。zsig15/pZP9発現ベクターは自然zsig15シグナルペプチ ドを使用し、そしてFLAGエピトープ(配列番号:5)を精製促進因子としてC末 端に結合させた。プラスミドCF/pZP9(American Type Culture Collection、 マリイランド州ロックビレ、パークローンドライブ12301、に受託された)は、 マウスメタロチオネイン−1プロモーターを有する発現カセット、コーディング 配列の挿入のための多重制限部位、FLAG標識(配列番号:5)をコードする配列 、停止コドンおよびヒト成長ホルモンのターミネーターを含有する哺乳動物の発 現ベクターである。このプラスミドは、また、大腸菌(E.coli)の複製起点、S V40プロモーター、エンハンサーおよび複製起点を有する哺乳動物の選択可能 なマーカー発現ユニット、DHFR遺伝子およびSV40ターミネーターを有する。 zSIG15NF/pZP9 前述したように、2ラウンドのPCRにより、配列番号:1のヌクレオチド423を CからAに変化させてBamHI部位を除去し、停止コ ドンを3’末端に付加することによって、ZSIG−15 DNAのほぼ1.26kbのフラグ メントを誘導した。第1ラウンドにおいて、オリゴヌクレオチドZC13811(配列番 号:12)およびZC13812(配列番号:9)を使用し、zsig15/pZP9を鋳型として使 用して、ほぼ345bpの5’フラグメントを発生させた。オリゴヌクレオチドの プライマーZC13804(配列番号:10)およびZC13810(配列番号:13)を使用して 、ほぼ925bpのオーバーラップする3’フラグメントを発生させた。5’およ び3’の第1ラウンドのフラグメントを、オリゴヌクレオチドのプライマーZC13 811(配列番号:12)およびZC13810(配列番号:13)を使用する第2ラウンドの PCRのための鋳型として使用した。生ずる1.26kbの第2ラウンドのフラグメン トをアガロースゲル電気泳動により可視化し、切除し、製造業者のインストラク ションに従いQIAQUICKRカラム(Qiagen,Inc.,カリフォルニア州カールスバッ ド)を使用して精製した。 精製されたPCRフラグメントを制限酵素BamHIおよびXbaIで消化し、BamHI/Xba I制限消化されたNFpZP9発現ベクターの中に前述したように結合させた。zsig15N F/pZP9ベクターはTPAリーダー組込み、FLAG標識(配列番号:5)をzsig15ポリ ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列のN末端に結合させる。プラスミド NF/pZP9(American Type Culture Collection、マリイランド州ロックビレ、 パークローンドライブ12301、に受託された)は、マウスメタロチオネイン−1 プロモーターを有する発現カセット、TPAリーダーペプチド、次いでFLAG標識( 配列番号:5)をコードする配列、コーディング配列の挿入のための多重制限部 位、およびヒト成長ホルモンのターミネーターを含有する哺乳動物の発現ベクタ ーである。このプラスミドは、また、大腸菌(E.coli)の複製起点、SV40プ ロモーター、エンハンサーおよび複製起点を有する哺乳動物の 選択可能なマーカー発現ユニット、DHFR遺伝子およびSV40ターミネーターを 有する。 zsig15sCF/pZP9 前述したように、2ラウンドのPCRにより、配列番号:1のヌクレオチド423を CからAに変化させてBamHI部位を除去し、疎水性領域の直前の配列番号:2の アミノ酸残基394(Glu)において配列をトランケートすることによって、ほぼ1. 18kbの可溶性ZSIG−15 DNAのフラグメントを誘導した。第1ラウンドにおいて 、オリゴヌクレオチドZC13809(配列番号:8)およびZC13812(配列番号:9)を使 用し、zsig15/pZP9を鋳型として使用して、ほぼ392bpの5’フラグメントを 発生させた。オリゴヌクレオチドのプライマーZC13804(配列番号:10)およびZ C13814(配列番号:14)を使用して、ほぼ780bpのオーバーラップする3’フ ラグメントを発生させた。5’および3’の第1ラウンドのフラグメントを、オ リゴヌクレオチドのプライマーZC13809(配列番号:8)およびZC13814(配列番号 :14)を使用する第2ラウンドのPCRのための鋳型として使用した。生ずる1.18 kbの第2ラウンドのフラグメントをアガロースゲル電気泳動により可視化し、 切除し、製造業者のインストラクションに従いQIAQUICKRカラム(Qiagen,Inc. ,カリフォルニア州カールスバッド)を使用して精製した。 zsig15sNF/pZP9 前述したように、2ラウンドのPCRにより、配列番号:1のヌクレオチド423を CからAに変化させてBamHI部位を除去し、疎水性領域の直前の配列番号:2の アミノ酸残基394(Glu)において配列をトランケートし、そして3’末端に停止 コドンを付加することによって、ほぼ1.14kbの可溶性ZSIG−15 DNAのフラグメ ントを誘導した。第1ラウンドにおいて、オリゴヌクレオチドZC13811(配列番 号:12)およびZC13812(配列番号:9)を使用し、zsig15/pZP9を鋳型として使 用して、ほぼ345bpの5’フラグメントを発生させた。オリゴヌクレオチドの プライマーZC13804(配列番号:10)およびZC13813(配列番号:15)を使用して 、ほぼ780bpのオーバーラップする3’フラグメントを発生させた。5’およ び3’の第1ラウンドのフラグメントを、オリゴヌクレオチドのプライマーZC13 813(配列番号:15)およびZC13811(配列番号:12)を使用する第2ラウンドの PCRのための鋳型として使用した。生ずる1.14kbの第2ラウンドのフラグメン トをアガロースゲル電気泳動により可視化し、切除し、製造業者のインストラク ションに従いQIAQUICKRカラム(Qiagen,Inc.,カリフォルニア州カールスバッ ド)を使用して精製した。 ほぼ20〜30ngの制限消化したインサートの各々および0.05〜0.06pmの 対応するベクターを独立して16℃において一夜結合させた。1.2μlの各結合 反応を製造業者の指示に従い38μlのDH10Bコンピテント細胞(GIBCO BRL、マ リイランド州ガイサーバーグ)の中にエレクトロポレーションし、そして50m g/mlのアンピシリンを含有するLBプレート上に細胞をプレートし、一夜イ ンキュベートした。オリゴヌクレオチドのプライマーを使用するPCRにより、コ ロニーをベクターZC13006(配列番号:6)およびZC13007(配列番号:7)に対して スクリーニングした。陽性のクローンのインサート配列を配列の分析により確認 した。製造業者のインストラクションに従いQIAGENRMaxiプレプキット(Qiagen )を使用して、大規模のプラスミドの製造を実施した。実施例5 zsig15の哺乳動物での発現 BHK570細胞(ATCC NO:CRL−10314)を10cmの組織培養皿の 中にプレートし、DMEM/FBS培地(DMEM,Gibco/BRL High Glucose(Gibco BRL、 マリイランド州ガイサーバーグ)、5%の胎仔ウシ血清(Hyclone、ユタ州ロウ ガン)、1μMのL−グルタミン(JRH Biosciences、カンサス州レネクサ)、1 μMのピルビン酸ナトリウム(Gibco BRL)中で、37℃、5%のCO2において、 ほぼ50〜70%のコンフルエンシーに一夜増殖させた。次いでLipofectamineT M (Gibco BRL)を使用して、無血清(SF)培地処方物(DMEM、10mg/mlの トランスフェリン、5mg/mlのインスリン、2mg/mlのフェツイン、1 %のL−グルタミンおよび1%のピルビン酸ナトリウム)中において、プラスミ ドzsig15NF/pZP9(全長のN末端のFLAG標識)、zsig15CF/pZP9(全長のC末端 のFLAG標識)、zsig15sNF/pZP9(可溶性N末端のFLAG標識)およびzsig15sCF/ pZP9(可溶性C末端のFLAG標識)で、細胞をトランスフェクトした。16μgの 各発現構築物を別々に15mlの管の中にSF培地で640μlの最終体積に希釈 した。別々の管において、35μlのLipofectamineTM(Gibco BRL)を605μlの SF培地と混合した。LipofectamineTM混合を発現構築物の混合物に添加し、室 温においてほぼ30分間インキュベートした。5mlのSF培地をDNA:Lipofec tamineTM混合物に添加した。細胞の3つのプレートを5mlのSF培地で1回す すぎ、吸引し、DNA:LipofectamineTM混合物を添加した。細胞を37℃において 5時間インキュベートし、次いで6.4mlのDMEM/10%のFBS、1%のPSN培地 を各プレートに添加した。プレートを37℃において一夜インキュベートし、次 の日にDNA:LipofectamineTM混合物を新鮮なFBS/DMEM培地と置換した。トラン スフェクション後第2日に、細胞を選択培地(前述からのDMEM/FBS培地+1μ Mのメトトレキセート(Sigma Chemical Co.,ミゾリー州セントルイス))の中 に150mmのプレー ト中で1:10、1:20および1:50で分割した。細胞にトランスフェクシ ョン後第5日に新鮮な選択培地を再供給した。 トランスフェクション後ほぼ第10〜12日に、2つの150mmの培養皿のメ トトレキセート耐性コロニーを選択し、培地を吸引し、プレートを10mlの無 血清ESTEP2培地(668.7g/50リットルのDMEM(Gibco)、5.5g/50リットルの ピルビン酸、ナトリウム塩96%(Mallinckrodt)、185.0g/50リットルのN aHCO3(Mallinckrodt)、5.0mg/ml、25ml/50リットルのインスリン 、10.0mg/mlおよび25ml/50リットルのトランスフェリン)で洗浄し た。洗浄培地を吸引し、5mlの無血清ESTEP2で置換した。次いで、無血清ESTE P2中で前ソーキングした無菌のテフロンメッシュ(Spctrum Medical Industries 、カリフォルニア州ロサンジェルス)を細胞の上に配置した。次いで、無血清ES TEP2中で前ソーキングした無菌のニトロセルロースフィルターをメッシュの上に 配置した。ニトロセルロース上の配向マークを培養皿に移した。次いでプレート を37℃、5%CO2のインキュベーター中で5〜6時間インキュベートした。 インキュベーション後、フィルターを除去し、培地を吸引し、DMEM/5%のFBS 、1×PSN(Gibco)培地と置換した。フィルターを2.5%無脂肪ミルク/ウェス タンA緩衝液(Western A:50mMのTris pH7.4、5mMのEDTA、0.05% のNP−40、150mMのNaClおよび0.25%のゼラチン)中で4℃において回転 震盪培養機上で一夜ブロックした。次いで、フィルターをヤギ抗ヒトFLAG−HRP 複合体と、1:4000希釈(20mlの緩衝液中の5μlの抗体)において2.5% 無脂肪ミルク/ウェスタンA緩衝液(Western A:50mMのTris pH7.4、5 mMのEDTA、0.05%のNP−40、150mMのNaClおよび0.25%のゼラチン)中 で室温において回転震盪培養機上で1時間インキュベートし た。次いで、フィルターを室温においてPBS+0.1%のTween 20中で15分/洗浄 の間3回洗浄した。フィルターをECL試薬(Amersham Corp.,イリノイ州アーリ ントンハイツ)で製造業者の指示に従い展開させ、フィルム(Hyperfilm RCL,Am ersham)にほぼ5分間暴露した。 フィルムをコロニーを含有するプレートと整列させた。フィルムをガイドとし て使用して、適当なコロニーを選択した。無菌の、3mmのクローニング皿(PG C Scientific Corp.,マリイランド州フレデリック)をトリプシン中でソーキン グし、コロニー上に配置した。コロニーを96ウェルのプレート中の200μlの 選択培地の中に移した。1系列の7つの、2倍の希釈を各コロニーについて実施 した。次いで150mmの培養皿をトリプシン処理し、細胞の残部をプールし、DME M/5%FBSおよび1μMのMTX培地を含有する、2つのT162フラスコの中に分割 した。細胞を37℃において1週間増殖させ、この時細胞に現在最適の密度にあ る細胞の最低の希釈物を供給し、細胞を選択し、トリプシン処理し、選択培地を 含有する12ウェルのプレートに移した。 クローンを12ウェルのプレートから2つのT−75フラスコに直接拡張させ た。各クローンからの1つのフラスコを無血清ESTEP2中で増殖させ、培地をウェ スタンブロットアッセイのために収集した。発現構築物の各々のクローンを、ウ ェスタンブロットアッセイに基づいて、選択し、一緒にプールし、大規模培養に 移した。実施例6 zsig15の大規模の哺乳動物の発現 前述の発現手順から得られた、zsig15s/NFを発現するコンフルエント細胞 を含有する1つのT−162フラスコ、およびzsig15s/CFを含有する1つのフ ラスコを、5つのT−162フラスコの中 に拡張した。5つの得られるフラスコの1つを使用して4つのクライオバイアル を凍結させ、そして他の4つのフラスコを使用してNunc細胞ファクトリーを発生 させた。 zsig15s/NFおよびzsig15s/CFの4つのT−162フラスコからの細胞を 一緒にし、2つのNunc細胞ファクトリー(10層、VWRから商業的に入手可能で ある)の播種に使用した。簡単に述べると、前述のT−162フラスコからの細胞 をトリプシンで分離し、プールし、1.5リットルのESTEP1培地(668.7g/50リ ットルのDMEM(Gibco)、5.5g/50リットルのピルビン酸、ナトリウム塩96% (Mallinckrodt)、185.0g/50リットルのNaHCO3(Mallinckrodt)、5.0mg /mlおよび25ml/50リットルのインスリン(JHR Biosciences)、10.0m g/mlおよび25ml/50リットルのトランスフェリン(JHR Biosciences) 、2.5リットル/50リットルの胎仔ウシ血清(特性決定された)(Hyclone)、1μ MのMTX、pHは7.05+/−0.05に調節されている)(37℃に前もって温かい された)に添加した。次いで、細胞を含有する培地を漏斗を介してNunc細胞ファ クトリーの中に注いだ。細胞ファクトリーを37℃/5.0%CO2のインキュベー ターの中に入れた。 80〜100%のコンフルエンスにおいて、視的汚染試験(フェノールレッドの 色変化)をNunc細胞ファクトリー上で実施した。汚染は観測されなかったので、 コンフルエントファクトリーからの上清を小型の収集容器の中に注ぎ、採取し、 廃棄した。次いで付着性細胞を400mlのPBSで1回洗浄した。ファクトリーから 細胞を分離するために、100mlのトリプシンを各々に添加し、除去し、次いで 細胞を残留トリプシン中で5〜10分間インキュベートした。2×200mlのEST EP1培地の洗浄後に、細胞を収集した。10のESTEP1培地を含有するびん(各々1 .5リットル、37℃)の各々に、4 0mlの収集した細胞を添加した。次いで1つの1.5リットルのびんを使用して 、1つのNuncファクトリーを充填した。各細胞ファクトリーを37℃/5.0%C O2のインキュベーターの中に入れた。 80〜90%のコンフルエンスにおいて、視的汚染試験(フェノールレッドの 色変化)をNunc細胞ファクトリー上で実施した。汚染は観測されなかったので、 コンフルエントファクトリーからの上清を小型の収集容器の中に注ぎ、採取し、 廃棄した。次いで細胞を400mlのPBSで1回洗浄した。1.5リットルのESTEP2培 地(668.7g/50リットルのDMEM(Gibco)、5.5g/50リットルのピルビン酸、 ナトリウム塩96%(Mallinckrodt)、185.0g/50リットルのNaHCO3(Malli nckrodt)、5.0mg/ml、25ml/50リットルのインスリン、10.0mg/ mlおよび25ml/50リットルのトランスフェリン)を各Nunc細胞ファクト リーに添加した。細胞ファクトリーを37℃/5.0%CO2のインキュベーターの 中に入れた。 ほぼ40時間において、視的汚染試験(フェノールレッドの色変化)をNunc細 胞ファクトリー上で実施した。各ファクトリーからの上清を小型の収集容器の中 に注いだ。合計15リットルがすべての10のファクトリーから収集された。新 鮮な無血清培地(1.5リットル)を各Nunc細胞ファクトリーの中に注ぎ、ファクト リーを37℃/5.0%CO2においてインキュベートした。1mlの上清収集物を 顕微鏡のスライドに移し、汚染について顕微鏡分析した。各ファクトリーの小型 収集容器をプールし、直ちに濾過した。次いで、実質的に前述したように50時 間において、第2の収集を実施し(15リットルが得られた)その後、細胞ファ クトリーを廃棄した。収集上清(培地を含有した)の無菌的濾過のために、無菌 的に組立てられたフィルタートレイン装置を使用した。組立ては次の通りであ った:Opti−Capフィルター(Millipore Corp、マサチュセッツ州ベッドフォー ド)およびGelman Supercap 50フィルター(Gelman Sciences、ミシガン州アンア ーバー)に管を針金で結びつけた。また、Supercap 50フィルターをフード内に位 置する無菌のキャップ付き容器に取付けた;Millipore Opti−capフィルターか ら上流に位置する管を蠕動ポンプの中に挿入した;そして管の自由端を大型収集 容器の中に入れた。コンディショニングされた培地のすべてが0.22μmの最終フ ィルターを通過して無菌の収集容器の中に入るまで、蠕動ポンプを200〜300rpm で運転した。精製まで貫流を4℃の冷たい部屋の中に入れた。培地をミリポア(M illipore)5kDAカットオフ濃縮装置(Millipore Corp、マサチュセッツ州ベッド フォード)で製造業者の指示に従い濃縮し、そして抗FLAG標識抗体(Kodak)を使 用してウェスタンブロット分析した。実施例7 特記しない限り、すべての操作は4℃において実施した。下記の手順を使用し て、N末端またはC末端のフラッグ標識を含有するzsig15を精製する。ベイビー ハムスター腎(BHK)細胞からの合計25リットルのコンディショニングされた培 地を順次に4インチの、0.2mMのMillipore(マサチュセッツ州ベッドフォード )OptiCapカプセルフィルターおよび0.2mMのGelman(ミシガン州アンアーバー )Supercap 50を通して濾過する。3000kDaカットオフ膜を装備するAmicon(マサ チュセッツ州ベバーリイ)DC10L濃縮装置を使用して、前記物質を約1.3リットル に濃縮する。濃縮された物質を再び滅菌濾過し、これを濃縮しコンディショニン グした培地に2.5mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA,Sigma Chemical Co., ミゾリー州セントルイス)、0.001mMのロイペプチン(Boehringer Mannheim、 インジアナ州イン ジアナポリス)、0.001mMのペプス タチン(Boehringer Mannheim)および0.4mMのPefabloc(Boehringer Mannheim) の最終濃度に添加する。抗フラッグセファローズ(Eastman Kodak、ニューヨーク 州ロチェスター)の25.0mlの試料をバッチ吸着のために試料に添加し、この混 合物をWeaton(ニュージャージイ州ミリヴィレ)ローラー培養装置上で18.0時間 4℃においておだやかに撹拌する。 次いで混合物を5.0×20.0cmのEcono−Colum(Bio−Rad Laboratories、カリ フォルニア州ハーキュレス)の中に注ぎ、ゲルを30カラム体積のリン酸塩緩衝 生理食塩水(PBS)で洗浄する。保持されない貫流画分を廃棄する。いったん280n Mにおける流出液の吸収が0.05より小さくなると、カラムの貫流はゼロに減少し 、そして抗フラッグセファローズゲルを0.2mg/mlのフラッグペプチド、N −AspTyrLysAspAspAspAspLys−C(配列番号:5;Eastman Kodak)を含有する、2 .0カラム体積のPBSでバッチ式に洗浄する。4℃において1.0時間後、流れを回復 させ、溶離されたタンパク質を収集する。この画分をペプチド溶離物と呼ぶ。抗 フラッグセファローズゲルを2.0カラム体積の0.1Mのグリシン、pH2.5で洗浄 し、グリシン洗浄液を別に収集する。グリシン溶離された画分のpHを小さい体 積の10×PBSの添加により7.0に調節し、必要に応じてさらに分析するために、 4℃において貯蔵する。 製造業者のインストラクションに従い5,000分子量のカットオフの膜濃縮装置( Millipore、マサチュセッツ州ベッドフォード)を使用して、ペプチド溶離物を5. 0mlに濃縮する。BioCad Sprint HPLCシステム(PerSeptive BioSystem、マサ チュセッツ州フラミンガム)を使用して、PBS中で平衡化された1.5×50cmの セファデックスG−50(Pharmacia、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)上で1 .0ml/分の流速においてクロマトグラフィーにかけること によって、濃縮されたペプチド溶離物を遊離タンパク質から分離する。2mlの 画分を収集し、280nMにおける吸収をモニターする。280nMにおいて吸収し、 カラムの空隙体積付近で溶出する物質の第1ピークを収集する。SDS−PAGEおよ び抗フラッグM2抗体(Kodak)を使用するウェスタン分析により、zsig15NFおよ びzsig15CFの純度をモニターする。 精製されたタンパク質のタンパク質濃縮をBCA分析(Pierce、イリノイ州ロッ クフォード)により実施し、この物質のアリコートを取り、−80℃において貯 蔵する。 以上から理解されるように、本発明の特定の態様を例示の目的で説明したが、 本発明の精神および範囲から逸脱しないで種々の変更が可能である。したがって 、本発明は添付された請求の範囲による以外限定されない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 19/00 C12N 5/00 B C12N 5/10 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,HU,IL,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,ZW (72)発明者 グロスマン,アンジェリカ アメリカ合衆国,ワシントン 98115,シ アトル,ノースイースト シックスティー ス 2809

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)配列番号:1に示すヌクレオチド97〜ヌクレオチド1215のヌクレ オチド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; (b)前記(a)のオーソログ(orthlog); (c)前記(a)または(b)のアレル変異型; (d)配列番号:2のアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394(Glu)のア ミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド分子;および (e)前記(a)、(b)、(c)または(d)の縮重ヌクレオチド配列; から成る群より選択される単離されたポリヌクレオチド分子。 2.前記ポリヌクレオチド分子が、配列番号:1に示すヌクレオチド97〜ヌ クレオチド1344のヌクレオチド配列、または配列番号:2の残基22〜437のア ミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド分子を含んでなる、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド 分子。 3.前記ポリヌクレオチド分子が、配列番号:1に示すヌクレオチド79〜ヌ クレオチド1344のヌクレオチド配列、または配列番号:2の残基16〜437のア ミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド分子を含んでなる、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド 分子。 4.前記ポリヌクレオチド分子が、配列番号:1に示すヌクレオチド34〜ヌ クレオチド1344のヌクレオチド配列、または配列番号:2の残基1〜347のアミ ノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードするポリヌ クレオチド分子を含んでなる、請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチド分 子。 5.配列番号:1に示すヌクレオチド97〜ヌクレオチド582のヌクレオチド 配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド分子。 6.配列番号:1に示すヌクレオチド655〜ヌクレオチド1215のヌクレオチド 配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド分子。 7.前記ポリヌクレオチド分子が配列番号.1のヌクレオチド655〜ヌクレオ チド1344のヌクレオチド配列を含んでなる、請求項6に記載の単離されたポリヌ クレオチド分子。 8.第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを含んでなる融合タンパク質を コードし、前記第1ポリペプチドが配列番号:1に示すヌクレオチド97〜ヌク レオチド582のヌクレオチド配列によりコードされ、そして前記第2ポリペプチ ドが配列番号.1に示すヌクレオチド655〜ヌクレオチド1215のヌクレオチド配 列によりコードされる、単離されたポリヌクレオチド分子。 9.ポリヌクレオチドがDNAである、請求項1に記載の単離されたポリヌクレ オチド分子。 10.下記の作用可能に連結された因子からなる発現ベクター: 転写プロモーター; 下記の(a)〜(e)から成る群より選択されるDNAセグメント (a)配列番号:1に示すヌクレオチド97〜ヌクレオチド1215のヌクレオチ ド配列を含んでなるポリヌクレオチド分子; (b)前記(a)のオーソログ; (c)前記(a)または(b)のアレル変異型; (d)配列番号:2のアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394(Glu)のア ミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド分子;および (e)前記(a)、(b)、(c)または(d)の縮重ヌクレオ チド配列;および 転写ターミネーター。 11.請求項10に記載の発現ベクターが導入されており、前記DNAセグメン トによりコードされるポリペプチドを発現する、培養された細胞。 12.請求項10に記載の発現ベクターが導入されており、前記DNAセグメン トによりコードされるポリペプチドを発現する細胞を培養し;そして 前記ポリペプチドを回収する; ことを含んでなるポリペプチドの生産方法。 13.(a)配列番号:2に示すアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394( Glu)のアミノ酸配からなるポリペプチド分子; (b)前記(a)のオーソログ; (c)前記(a)または(b)のアレル変異型;および (d)配列番号:2のアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基394(Glu)のア ミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるポリペプチド分子; から成る群より選択される単離されたポリペプチド。 14.前記ポリペプチド分子が配列番号:2に示すアミノ酸残基22(Leu)〜 アミノ酸残基437(Cys)のアミノ酸配からなる、請求項13に記載の単離された ポリペプチド。 15.前記ポリペプチド分子が配列番号:2に示すアミノ酸残基16(Leu)〜 アミノ酸残基437(Cys)のアミノ酸配からなる、請求項13に記載の単離された ポリペプチド。 16.前記ポリペプチド分子が配列番号:2に示すアミノ酸残基1(Met)〜ア ミノ酸残基437(Cys)のアミノ酸配からなる、請求項13に記載の単離されたポ リペプチド。 17.配列番号:2に示すアミノ酸残基22(Leu)〜アミノ酸残基183(Pro) のアミノ酸配を含んでなる単離されたポリペプチド。 18.配列番号:2に示すアミノ酸残基208(Phe)〜アミノ酸残基394(Glu) のアミノ酸配を含んでなる単離されたポリペプチド。 19.前記ポリペプチドが配列番号:2に示すアミノ酸残基208(Phe)〜アミ ノ酸残基437(Cys)のアミノ酸配を含んでなる、請求項18に記載の単離された ポリペプチド。 20.第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドを含んでなる融合タンパク質 をコードし、前記第1ポリペプチドが配列番号:2に示すアミノ酸22(Leu)〜 アミノ酸183(Pro)のアミノ酸残基の配列からなり、そして前記第2ポリペプチ ドが配列番号.2に示すアミノ酸208(Phe)〜アミノ酸394(Glu)のアミノ酸残 基の配列からなる、単離された融合タンパク質。 21.親和性標識、トキシン、放射性ヌクレオチド、酵素または蛍光体から成 る群より選択される部分がN末端またはC末端において共有結合されている、請 求項13に記載の単離されたポリペプチド。 22.前記アミノ酸残基の配列と前記親和性標識との間のタンパク質分解切断 をさらに含む、請求項21に記載の単離されたポリペプチド。 23.配列番号:2に示すアミノ酸残基1(Met)〜アミノ酸残基437(Cys)の アミノ酸配を含んでなるポリペプチドのエピトープに特異的に結合する抗体。 24.配列番号.1のヌクレオチド34〜ヌクレオチド1344のポリヌクレオチ ドの少なくとも14の連結するヌクレオチドを含んでなるオリゴヌクレオチドの プローブまたはプライマー。 25.請求項13に記載のポリペプチドと、薬学上許容されるビ ヒクルとを含んでなる医薬組成物。
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