JP2001515289A - 孤立電子構成素子を有する回路装置、該回路装置の駆動方法、および2進数の加算方法の使用方法 - Google Patents

孤立電子構成素子を有する回路装置、該回路装置の駆動方法、および2進数の加算方法の使用方法

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Abstract

(57)【要約】 孤立電子構成素子を有する回路装置に少なくとも1つの孤立電子トランジスが設けられており、この孤立電子トランジスタは第1の主ノードと第2の主ノードとの間に接続されている。第1の主ノードは、第1の動作電圧端子と第2の動作電圧端子との間に容量的に接続されている。孤立電子トランジスタのゲート電極は制御電圧端子と接続されている。この回路装置は2進数の論理結合に適し、その桁が第1ないしは第2の主ノードに記憶される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、とりわけ論理回路として構成された孤立電子構成素子を有する回路
装置に関する。
【0002】 論理回路適用のための集積回路装置は現在、もっぱらCMOS技術で実現され
ている。構成素子の小型化がますます進む中で、この従来のCMOS技術は限界
に突き当たった。
【0003】 さらなる小型化の観点から、スイッチング過程が個々の電子により実現される
いわゆる孤立電子構成素子がが提案された。この種の孤立電子構成素子について
の研究は例えば、W.Roesner et al,Microelectronic Engineering,Bd.27,1995,p
p.55-58 から公知である。孤立電子構成素子はトンネル素子を有し、このトンネ
ル素子はトンネルコンタクトを介して隣接の端子と接続されている。このトンネ
ルコンタクトを介した電荷移動は、量子機械的トンネル効果と、電位バリアの簡
単な熱的克服とによって行われる。ここではこの電荷移動はほとんどまれにしか
発生しない。トンネル素子は例えば導電性の小さいインゼルとして実現され、個
のインゼルは絶縁構造体により取り囲まれている。両方の端子に電圧Uが印加さ
れ、個の電圧に対してクーロンブロックの条件が満たされると、すなわちその大
きさが |U|<e/(2C) であれば、トンネル素子の電荷は電位比に基づき、熱エネルギーに対して kT/e≪e・2C が当てはまる限り変化しない。
【0004】 ここでkはステファン・ボルツマン定数、Tは温度、eは電荷、Cはトンネル
素子の容量である。
【0005】 比較的に高い電圧を印加すると、電子はトンネルコンタクトを介してトンネル
素子に流れる。この孤立電子構成素子は、個々の電子の移動がそれぞれ行われる
ように駆動される。
【0006】 トンネル素子を、トンネル素子の容量を制御するゲート電極を介して制御する
ことにより、動作電圧領域でトンネル移動を生ずることなしにクーロンブロック
を停止することができる。ゲート電極に適切な電荷が作用している限り、孤立電
子構成素子はゼロ点を通るほぼ線形の電流電圧特性曲線を有する。この種のゲー
ト制御形孤立電子構成素子は文献では孤立電子トランジスタと称されている。
【0007】 本発明の課題は、とりわけ論理回路として適する孤立電子構成素子を有する回
路装置を提供することである。さらにこの種の回路装置に対する駆動方法も適用
する。
【0008】 この課題は本発明により、請求項1に記載された回路装置、並びに請求項6に
記載された駆動方法により解決される。本発明の有利な構成は従属請求項に記載
されている。
【0009】 回路装置は少なくとも1つの第1の孤立電子トランジスタを有し、このトラン
ジスタは第1の主ノードと第2の主ノードとの間に接続されている。第1の主ノ
ードは容量的に第1の動作電圧端子と第2の動作電圧端子との間に接続されてい
る。第1の孤立電子トランジスタのゲート電極は制御電圧端子と接続されている
。孤立電子トランジスタはトンネル素子を有し、このトンネル素子は2つのトン
ネルコンタクトを介して端子と接続されており、かつゲート電極を介して容量的
に制御される。トンネル素子とそれぞれの端子との間の電位バリアの高さはこの
端子に作用する電荷量に依存するから、第1の孤立電子トランジスタを用いて論
理結合を実現することができる。このために論理値に配属された電荷担体が第1
の主ノードおよび第2の主ノードへもたらされる。例えば論理値1には電子が割
り当てられ、論理値0には電子が割り当てられない。
【0010】 第1の主ノードに電子がなく(論理0)かつ第2の主ノードに電子があり(論
理1)、さらに第1の孤立電子トランジスタのゲート電極が制御されると、電流
が第2の主ノードから第1の主ノードへトンネル素子を介して流れることができ
、したがって電子は第2の主ノードから第1の主ノードへ流れる。これに対して
第1の主ノードにも同じように電子があると(論理1)、電子は第2の主ノード
から第1の主ノードへ流れることはできない。第2の主ノードに電子がなく(論
理0)、第1の主ノードに電子がある(論理1)と、相応の制御の際に電子は第
1の主ノードに留まったままである(論理1)。第2の主ノードに電子がなく(
論理0)、第1の主ノードにも電子がない(論理0)と、第1の孤立電子トラン
ジスタを制御しても電子は第1の主ノードに存在しない(論理0)。したがって
結合後に第1の主ノードにある電荷は、第1の主ノードと第2の主ノードの出力
ビットんぼOR結合の結果を示す。
【0011】 第1の主ノードと第1の動作電圧端子ないし第2の動作電圧端子との間の接続
は例えばコンデンサを介して行われる。
【0012】 第1の主ノードと第2の主ノードとの間に第2の孤立電子トランジスタを接続
し、このトランジスタのゲート電極を第2の主ノードと接続することも本発明の
枠内である。第2の孤立電子トランジスタを介して第1の主ノードの電荷が変化
される。このことは例えば回路装置のリセットとして使用できる。さらに回路装
置の実施例により複雑な論理結合も可能である。なぜなら第2の孤立電子トラン
ジスタの制御は、どの電荷が第2の主ノードで作用しているかに依存するからで
ある。第2の孤立電子トランジスタを介して、第1の主ノードに存在する電荷を
第2の主ノードにある電荷に依存して変化させることができる。
【0013】 回路装置は実施例にしたがい、少なくとも1つの第1の回路経路と第2の回路
経路とを有する。ここで第1の回路経路と第2の回路経路とは、それぞれ1つの
第1の孤立電子トランジスタと第2の孤立電子トランジスタとを有し、これらの
トランジスタは第1の主ノードを介して相互に直列に接続されている。ここで第
1の孤立電子トランジスタと第2の孤立電子トランジスタとはそれぞれ1つのト
ンネル素子を有し、このトンネル素子は第2のトンネルコンタクトを介して端子
と接続され、かつゲート電極を介して容量的に制御される。トンネルコンタクト
を介して電荷移動は、量子機械的トンネル作用によっても、電位バリアの熱的克
服によっても行われる。ここでこの熱的克服は十分にまれである。トンネルコン
タクトのトンネル抵抗が RT>Rk=h/e2≒26kΩ であれば、ただしここでRkはクリッチング(Klitzing)抵抗、hはプランク定 数、eは電荷であり、電荷担体は電位バリアの一方の側に位置決めされ、電荷移
動の大多数はエレメントプロセスによって行われる。有利にはトンネル抵抗は>
100kΩである。
【0014】 第1の主ノードでは、第1の孤立電子トランジスタのそれぞれの端子が第2の
孤立電子トランジスタの端子と接続されている。第1の主ノードはコンデンサを
介して第1の動作電圧端子と接続されている。第1の孤立電子トランジスタと第
2の孤立電子トランジスタとからなる直列回路は、第2の主ノードと第2の動作
電圧端子との間に接続されている。第1の孤立電子トランジスタのゲート電極は
制御電圧端子と接続されている。第2の孤立電子トランジスタのゲート端子は第
2の主ノードと接続されている。第2の回路経路の第1の主ノードは第1の回路
経路の第2の主ノードと接続されている。このように、第2の回路経路の第1の
孤立電子トランジスタと第2の孤立電子トランジスタとの相互に接続された端子
は、第1の回路経路の第2の孤立電子トランジスタのゲート電極と接続されてい
る。
【0015】 反復的構成を実現するために第2の回路経路の第2の主ノードは第1の回路経
路の第1の主ノードと接続されている。これにより、第2の回路経路の第2の孤
立電子トランジスタのゲート電極は、第1の回路経路の第1の孤立電子トランジ
スタおよび第2の孤立電子トランジスタの相互に接続された端子に接続されてい
る。
【0016】 第1の孤立電子トランジスタの制御と第1の動作電圧端子における電圧とに依
存して、この回路装置の第1の回路経路と第2の回路経路では、電子を第1の主
ノードおよび/または第2の主ノードへもたらすことができる。さらに第1の孤
立電子トランジスタの制御に依存して電子は、第1の主ノードから第2の主ノー
ドへ、ないしは第2の主ノードから第1の主ノードへ、または第1の主ノードか
ら第1の孤立電子トランジスタのトンネル接合部へ流れることができる。ここで
は、トンネル素子と隣接する主ノード間の電位バリアの高さがとりわけ主ノード
で作用する電荷量に依存するという性質が利用される。第2の孤立電子トランジ
スタの制御に応じて、電子は第1の主ノードから第2の動作電圧端子へ流れるこ
とができる。第2の孤立電子トランジスタの制御はゲート電極に印加される電圧
を介して行われ、この電圧は一方では第2の主ノードに存在する電荷により、他
方では隣接する回路経路の第1の動作電圧端子に印加される電圧により決められ
る。すなわち、第2の孤立電子トランジスタを第2の主ノードに蓄積された電荷
に依存して切り換えることができる。したがって回路装置は、論理結合を所定の
結合テーブルに相応して実行するのに適する。ここで回路装置はとりわけプロセ
ッサとして、加算器として、マルチプライヤとして、または論理ゲートとして適
する。
【0017】 2つの多数桁デジタル情報、例えば2つの2進数間の論理結合を実行するため
に本発明の枠内で、回路装置は複数の回路ブロックを有する。各回路ブロックは
第1の回路経路と第2の回路経路とを含んでいる。ここで第1の回路経路と第2
の回路経路とはそれぞれ第1の孤立電子トランジスタと第2の孤立電子トランジ
スタとを有しており、これらのトランジスタは第1の主ノードを介して相互に直
列に接続されている。第1の主ノードはコンデンサを介して第1の動作電圧端子
と接続されている。直列に接続された第1と第2の孤立電子トランジスタは第2
の主ノードと第2の動作電圧端子との間に接続されている。第1の孤立電子トラ
ンジスタのゲート電極は制御電圧端子と接続されている。第2の孤立電子トラン
ジスタのゲート電極は第2の主ノードと接続されている。ここで1つの回路ブロ
ックの第2の回路経路の第2の主ノードはそれぞれ、隣接する回路ブロックの第
1の回路経路の第1の主ノードと接続されている。最後の回路ブロックの第2の
回路経路の第2の主ノードは第1の回路ブロックの第1の主ノードと接続されて
いる。n個の回路ブロックが設けられていれば、i=1,...n-1であるi番目の
回路ブロックの第2の回路経路の第2の主ノードはそれぞれ、i+1番目の回路
ブロックの第1の回路経路の第1の主ノードと接続されている。n番目の回路ブ
ロックの第2の回路経路の第2の主ノードは第1の回路ブロックの第1の回路経
路の第1の主ノードと接続されている。
【0018】 処理すべき情報がn桁であり、適用される論理結合が桁上げまたは符号なしで
十分なら、n個の回路ブロックが必要となる。論理情報がn桁であり、論理結合
に対して桁上げまたは符号が必要であるなら、回路装置に対してn+1個の回路
ブロックが必要である。これは例えば回路装置を加算器として適用する場合であ
る。
【0019】 複数の回路ブロックを有する回路装置が、電荷担体が第1の回路経路の第1の
主ノードにだけ、または第2の回路経路の第2の主ノードにだけもたらされるよ
うに駆動されるなら、この回路装置はシフトレジスタとして適する。
【0020】 有利にはコンデンサ、第1の孤立電子トランジスタ、および第2の孤立電子ト
ランジスタは第1の回路経路および第2の回路経路において、並びに場合により
すべての回路ブロックにおいて実質的に同じ電子的次元構成を有する。このこと
により回路装置の製造と回路装置の制御が格段に簡素化される。
【0021】 さらに制御の簡素化の点から、第1の孤立電子トランジスタがそれぞれ実質的
に同じ容量を備えた2つのトンネルコンタクトを有し、第2の孤立電子トランジ
スタが容量の異なる2つのトンネルコンタクトを有すると有利である。
【0022】 同様に制御の点から、第1の回路経路にある第2の動作電圧端子を第2の回路
経路にある第2の動作電圧端子と接続し、並びに場合によりすべての回路ブロッ
クで接続すると有利である。動作時には第2の動作電圧端子が有利には第2の動
作電圧レベルの低い方、例えばアースと接続される。
【0023】 回路装置を駆動するために、第1の回路経路の第1の動作電圧端子にはそれぞ
れ第1の電圧レベルが、第1の回路経路の制御端子にはそれぞれ第2の電圧レベ
ルが、第2の回路経路の第1の動作電圧端子にはそれぞれ第3の電圧レベルが、
第2の回路経路の制御端子にはそれぞれ第4の電圧レベルが印加される。結合す
べき出力ビットに相応して、第1の回路経路の第1の主ノードと第2の主ノード
には電荷担体が供給される。論理値1に対しては例えば電子がもたらされ、論理
値0に対しては電子がもたらされない。回路装置は例えばそれぞれ3つのステッ
プを有する電圧経過によって駆動される。
【0024】 ここで第1のステップでは、第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電
圧レベル、第4の電圧レベルに対する値が次のように調整される。すなわち、第
1の回路経路の第2の主ノードにある電荷担体が第1の回路経路の第1の主ノー
ドへ、個の第1の主ノードに前もって電荷担体が存在していなかった場合に流れ
るように調整される。第1の主ノードに前もって電荷担体が存在していれば、第
1の回路経路の第2の主ノードに存在する電荷担体は第1の回路経路の第1の孤
立電子トランジスタのトンネル接合部へ流れる。
【0025】 第2のステップでは、第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベ
ル、第4の電圧レベルに対する値が次のように調整される。すなわち、第1の回
路経路の第1の孤立電子トランジスタのトンネル接合部にある電荷担体が第1の
回路経路の第2の主ノードへ流れるように調整される。第1のステップでの制御
に起因して、第1の回路経路の第2の主ノードはそれぞれ片づけられる。したが
って第2のステップでは、すでに第1のステップの前に第1および第2の主ノー
ドにそれぞれ電荷担体が供給されている第1の回路経路の第2の主ノードにだけ
電荷担体が供給される。
【0026】 第3のステップでは、第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベ
ル、第4の電圧レベルに対する値が次のように調整される。すなわち、第1の回
路経路の第1の主ノードに存在する電荷担体が、それぞれ第1の回路経路の第2
の主ノードに電荷担体が存在する場合において、それぞれ第1の回路経路の第2
の孤立電子トランジスタを介して第2の動作電圧端子に流れるように調整される
。このステップでは、第2の孤立電子トランジスタの制御の際に、第2の回路経
路の第1の動作電圧端子に印加される第3の電圧レベルと、第1の回路経路の第
2の主ノードに存在する電荷量とが作用することを利用する。
【0027】 この3つのステップを実行した後、第1の回路経路の第1の主ノードと第2の
主ノードとに蓄積された電荷に対して次のような結合が得られる。
【0028】
【表1】
【0029】 したがって第1の主ノードでは出力ビットがXOR結合され、第2の主ノード
では出力ビットがAND結合される。
【0030】 電圧経過の第1と第2のステップだけが実行されれば、第1の回路経路の第1
の主ノードと第2の主ノードとに蓄積された電荷に対して次の結合が得られる。
【0031】
【表2】
【0032】 したがって第1の主ノードでは出力ビットがOR結合され、第2の主ノードで
は出力ビットがAND結合される。
【0033】 回路装置を電圧経過の第2のステップだけで駆動すべき場合には、第2の孤立
電子トランジスタをコンデンサにより置換することもできる。
【0034】 回路装置によりこれらの結合テーブルに相応する論理結合が実行される。別の
結合可能性も除外されるものではない。
【0035】 2つの多数桁デジタル情報を結合するために、それぞれの回路ブロックの第1
の回路経路の第1の主ノードと第2の主ノードにある相応の桁に書き込まれる。
続いて前記の3つのステップに相応する電圧経過による第1のランが実行される
。これに続いて第2のランが実行される。この第2のランでは、第1の電圧レベ
ルと第2の電圧レベルが第2の回路経路のそれぞれ第1の動作電圧端子と制御電
圧端子に、第3の電圧レベルと第4の電圧レベルが第1の回路経路のそれぞれ第
1の動作電圧端子と制御電圧端子に印加される。これに続いて、第1から第3の
ステップが実行される。ここでは第1,第2,第3,および第4の電圧レベルに
対する値は第1のランと同じように経過する。第2のランでは、デジタル情報の
隣接する桁が結合の際に相互に有する影響、例えば桁上げが処理される。
【0036】 桁上げが生じるような論理結合の場合、最高回路ブロックの第1の回路経路の
第1の主ノードと第2の主ノードには始めにそれぞれゼロが書き込まれる。これ
らの桁は後で、桁上げにより解答の桁数が上昇する際に使用される。
【0037】 個々のステップ、ひいてはクロックの持続時間は、電荷移動が確実に行われる
ように選定される。個々のステップの持続時間は例えば1psから1msの間で
ある。
【0038】 回路装置はとりわけアルゴリズムにしたがって2進数の加算を実行するのに適
する。このアルゴリズムは例えば S.C.Benjamin et al.,Appl. Phys.Lett.,Bd.7
0(17),April 1997,pp.2321-2323 から公知である。このアルゴリズムはこの刊行
物ではセル・オートメーションに実現されている。セル・オートメーションは量
子点を基礎として構成される。ここでは情報が光学的励起、例えばレーザにより
書き込まれる。個々の量子点の間ではトンネル接合が行われない。
【0039】 この加算アルゴリズムでは相応の桁が加算すべき2進数に加算される。ここで
は和と桁上げが検出される。2つの多数桁2進数の加算の場合、この加算は段階
的に行われる。すなわち、桁ごとにまず和と桁上げが検出される。次に桁上げが
次の高い桁の和と加算される。このときに再度、和と桁上げが発生する。この方
法は、n桁の2進数の場合はn+1回、実行される。
【0040】 本発明の回路装置では、このアルゴリズムにしたがって2つのn桁の2進数を
加算するために、n+1の回路ブロックが必要である。加算すべき2進数の相応
の桁はそれぞれ相応する第1の回路経路の第1の主ノードと第2の主ノードに書
き込まれる。3つのステップにより第1のランが実行されると、第1の回路経路
の第1の主ノードは和を含むようになり、第1の回路経路の第2の主ノードは桁
上げを含むようになる。第2のランの際には、桁上げと次に高い桁の和から和が
形成される。ここでは第1の回路経路の第2の主ノードがそれぞれ第2の回路経
路の第1の主ノードと、第2回路経路の第2の主ノードが次の回路ブロックにあ
る第1の回路経路の第1の主ノードと接続されていることが利用される。この方
法の第1のランと第2のランは以降、全体でn+1のランが実行されるまで交互
に実行される。nが奇数の場合には、第1の回路経路の第1の主ノードはそれぞ
れゼロを含み、第1の回路経路の第2の主ノードはそれぞれ和の個々の桁の値を
含む。第1のランと第2のランを交互に実行することにより、ここでは2進数の
桁が(n+1)/2回路ブロックだけ全体でシフトされる。nが偶数の場合は、
第1の回路経路の第1の主ノードはそれぞれ和の該当する桁の値を含み、第1の
回路経路の第2の主ノードはそれぞれゼロを含む。2進数の桁はn/2だけシフ
トされる。
【0041】 トンネル素子として、導電領域を含み、絶縁構造体を介して相互に隣接する導
電領域が絶縁されているすべての構造体が考えられる。絶縁構造体を介して、導
電領域はトンネルコンタクトにより接続される。トンネル素子としてとりわけ導
線性コアと導電性コアを取り囲む絶縁スリーブとを有する構造体が適する。ここ
でトンネル素子の直径は有利には1から10nmの間である。トンネル素子の容
量はこの値領域においては小さいので、回路装置は室温で機能する。とりわけト
ンネル素子として有機性リガンドを絶縁スリーブとして備える金属クラスタ(例
えばDE42122220A1から公知)、または封じ込められた金属コアを有
するフレーレン(Fullerene)が適する。
【0042】 さらにトンネル素子としてリソグラフィにより構造化された金属薄膜が適し、
この場合トンネルコンタクトはこの金属層を酸化し、続いて別の金属層を堆積お
よび構造化することにより形成される。さらにトンネル素子としてδドープされ
たIII−V半導体が適する。分子電子工学の枠内でトンネル素子として、履歴
に依存して種々の電荷を担体できる個々の分子の部分が適する。このような再充
電可能な分子部分間の電荷移動は化学的条件に沿って行われる。
【0043】 以下、本発明を図面に示された実施例に基づき詳細に説明する。
【0044】 図1は、第1の回路経路と第2の回路経路とを有する回路装置を示す。
【0045】 図2は、2つの3桁2進数の加算に適する、4つの回路ブロックを備えた回路
装置を示す。
【0046】 図3Aから図3Lは、2つの3桁2進数の加算に必要なステップを示す。
【0047】 回路装置は第1の回路経路S1と第2の回路経路S2を有する(図1参照)。
第1の回路経路S1には、第1の孤立電子トランジスタET1ち第2の孤立電子
トランジスタET2、並びに0.8aFの容量を備えたコンデンサKが含まれて
いる。第1の孤立電子トランジスタET1はトンネル素子T1を含み、このトン
ネル素子は2つのトンネルコンタクトTK1の間に配置されており、ゲート電極
G1を介して容量的に制御することができる。ゲート電極G1は例えば0.4a
Fの容量を有し、トンネルコンタクトTK1はそれぞれ0.25aFの容量を有
する。
【0048】 第2の孤立電子トランジスタET2はトンネル素子T2を有し、このトンネル
素子は第1のトンネルコンタクトTK21と第2のトンネルコンタクトTK22
との間に配置されており、容量的にゲート電極G2を介して制御可能である。ゲ
ート電極G2は例えば0.2aFの容量を有する。第1のトンネルコンタクトT
K21は0.4aFの容量を有し、第2のトンネルコンタクトTK22は0.1
aFの容量を有する。
【0049】 第1の孤立電子トランジスタET1と第2の孤立電子トランジスタET2は直
列に接続されている。ここで第1の孤立電子トランジスタET1のトンネルコン
タクトTK1の一方と第2の孤立電子トランジスタET2の第1のトンネルコン
タクトTK21は第1の主ノードH1で相互に接続されている。第1の主ノード
H1はコンデンサKを介して第1の動作電圧端子U1と接続されている。
【0050】 第1の孤立電子トランジスタET1と第2の孤立電子トランジスタET2から
なる直列回路は第2の主ノードH2と第2の動作電圧端子U2との間に接続され
ている。第1の孤立電子トランジスタのゲート電極G1は制御電圧端子USと接
続されている。
【0051】 第2の回路経路S2は第1の回路経路S1と同じように構成されている。第2
の回路経路は第1の孤立電子トランジスタET1’を有し、このトランジスタは
第2の孤立電子トランジスタET2’と直列に接続されている。第1の孤立電子
トランジスタET1’はトンネル素子T1’を2つのトンネルコンタクトTK1
’とゲート電極G1’との間に有し、これらは第1の回路経路S1の第1の孤立
電子トランジスタET1に相応して構成されている。第2の孤立電子トランジス
タET2’には、第1の回路経路S1の第2の孤立電子トランジスタET2と同
じように、ゲート電極G2’、トンネル素子T2’、第1のトンネルコンタクト
T21’、および第2のトンネルコンタクトTK22’が同じ構成で設けられて
いる。第1の孤立電子トランジスタET1’と第2の孤立電子トランジスタET
2’は第1の主ノードH1’を介して相互に接続されている。第1の主ノードH
1’は、容量が0.8aFのコンデンサK’を介して第1の動作電圧端子U1’
と接続されている。直列に接続された孤立電子トランジスタET1’、ET2’
は、第2の主ノードH2’と第2の動作電圧端子U2との間に接続されている。
第1の孤立電子トランジスタET1’のゲート電極G1’は制御電圧端子US’
と接続されている。第2の孤立電子トランジスタET2’のゲート電極G2’は
第2の主ノードH2’と接続されている。
【0052】 第1の回路経路S1の第2の主ノードH2は第2の回路経路S2の第1の主ノ
ードH1’と接続されている。第1の回路経路S1の第1の主ノードH1は第2
の回路経路S2の第2の主ノードH2’と接続されている。したがって第1の回
路経路の第2の孤立電子トランジスタET2を制御する際には、第1の回路経路
S1の第2の主ノードH2に蓄積された電荷と、第2の回路経路S2の第1の動
作電圧端子U1’に印加される電圧レベルとの両方が作用する。相応して第2の
孤立電子トランジスタET2’のゲート電極G2’を制御する際には、第2の回
路経路S2の第2の主ノードH2’に存在する電荷と、第1の回路経路S1の第
1の動作電圧端子U1に印加される電圧との両方が作用する。
【0053】 回路装置を駆動するために3つのステップによりランが実行される。第1のス
テップでは、第1の回路経路S1の第1の動作電圧端子U1に0.17Vが、第
1の回路経路S1の制御電圧端子USに0.2Vが、第2の回路経路S2の第1
の動作電圧端子U1’並びに制御電圧端子US’にそれぞれ0Vが印加される。
第2のステップでは、第1の動作電圧端子U1に0.03Vが、制御電圧端子U
Sに0Vが、第1の動作電圧端子U1’に0.1Vが、そして制御電圧端子US
’に0Vが印加される。第3のステップでは、第1の動作電圧端子U1に−0.
14Vが、制御電圧端子USに−0.1Vが、第1の動作電圧端子U1’に−0
.12が、そして制御電圧端子US’に−0.1Vが印加される。
【0054】 この3つのステップの後、第1の回路経路S1の第1の主ノードH1と第2の
主ノードH2に記憶された論理値は次の結合テーブルにしたがって
【0055】
【表3】
【0056】 結合される。したがって第2の主ノードH2では出力ビットのAND結合が存在
し、第1の主ノードH1ではXOR結合が存在する。
【0057】 2つの3桁2進数を加算により結合するための回路装置は4つの回路ブロック
SBi,i=1,2,3,4を有する(図2参照)。各回路ブロックSBiは第
1の回路経路SZi1と第2の回路経路SZi2,i=1,2,3,4を含む。
【0058】 第1の回路経路SZi1では、第1の孤立電子トランジスタETi11と第2
の孤立電子トランジスタETi12が第1の主ノードHi11を介して相互に直
列に接続されている。第1の主ノードHi11は第1のコンデンサKi1を介し
て第1の動作電圧端子U11と接続されている。第1の孤立電子トランジスタE
Ti11と第2の孤立電子トランジスタETi12からなる直列回路は、第2の
主ノードHi12と第2の動作電圧端子U2との間に接続されている。第1の孤
立電子トランジスタETi1のゲート電極G1は制御電圧端子US1と接続され
ている。第2の孤立電子トランジスタETi12のゲート電極G2は第2の主ノ
ードHi12と接続されている。ここではそれぞれi=1,2,3,4が当ては
まる。
【0059】 第2の回路経路SZi2も第1の回路経路SZi1と同じように構成されてい
る。第2の回路経路SZi2はそれぞれ1つの第1の孤立電子トランジスタET
i21と第2の孤立電子トランジスタETi22を有し、これらは第1の主ノー
ドHi21を介して相互に直列に接続されている。第1の主ノードHi21はコ
ンデンサKi2を介して第1の動作電圧端子U21と接続されている。第1の孤
立電子トランジスタETi21と第2の孤立電子トランジスタETi22からな
る直列回路は、第2の主ノードHi22と第2の動作電圧端子U2との間に接続
されている。第1の孤立電子トランジスタETi21のゲート電極G1は制御電
圧端子US2と接続されている。第2の孤立電子トランジスタETi22のゲー
ト電極G2は第2の主ノードHi22と接続されている。ここでもそれぞれi=
1,2,3,4が当てはまる。
【0060】 第2の回路経路SZi2の第2の主ノードHi22は、i=1,2,3に対し
てそれぞれ、i+1番目の回路ブロックSBi+1の第1の回路経路SZi+1
1の第1の主ノードHi+11と接続されている。第4の回路ブロックSB4の
第2の回路経路SZ42の第2の主ノードH422は第1の回路ブロックSB1
の第1の回路経路SZ11の第1の主ノードH111と接続されている。このよ
うにして反復的構造が得られる。
【0061】 第1の回路経路SZi1の第1の孤立電子トランジスタETi11と第2の回
路経路SZi2の第1の孤立電子トランジスタETi21とはそれぞれ実質的に
同じように構成されている。これらはトンネル素子T1を有し、トンネル素子は
2つのトンネルコンタクトを介して隣接する第1の主ノードHij1および第2
の主ノードHij2、i=1〜4,j=1,2と接続されている。トンネル素子
T1はゲート電極Gを介して容量的に制御できる。
【0062】 コンデンサKij,i=1〜4,j=1,2も同様に実質的に同じように構成
されている。
【0063】 第2の孤立電子トランジスタETij2,i=1〜4,j=1,2も同様に実
質的に同じように構成されている。これらもそれぞれトンネル素子T2を有し、
トンネル素子は第1のトンネルコンタクトTK21を介して、隣接する第1の主
ノードHij1と接続されており、第2のトンネルコンタクトTK22を介して
第2の動作電圧端子U2と接続されている。トンネル素子T2はゲート電極G2
を介して容量的に制御できる。
【0064】 孤立電子トランジスタETijk,i=1,2,k=1,2の構成素子の容量
とコンデンサKij,i=1〜4,j=1,2の容量は例えば次のように選定さ
れている。
【0065】
【表4】
【0066】 2つの2進数を結合するために、ステップ1.1,1.2,1.3による第1
のランと、ステップ2.1,2.2,2.3による第2のランが交互に実行され
る。全体で2つの3桁2進数の加算には4つのランが必要であり、ここで第3の
ランの電圧経過は第1のランの電圧経過と、第4のランの電圧経過は第2のラン
の電圧経過と同じである。第2の動作電圧端子U2はアースに接続される。第1
の動作電圧端子U11,U21と制御電圧端子US1,US2には、個々のステ
ップで次の電圧レベルが印加される。
【0067】
【表5】
【0068】 択一的に容量が同じ場合には次の電圧レベルが印加される。
【0069】
【表6】
【0070】 コンデンサKijと孤立電子トランジスタETijk、i=1〜4,j=1,
2k=1,2の容量は次のように選定される。
【0071】
【表7】
【0072】 この場合、第1の動作電圧端子U11,U21および制御電圧端子US1,U
S2には次の電圧レベルが印加される。
【0073】
【表8】 本発明は前記の容量値および電圧レベルに制限されるものではない。当業者が
他の容量値および電圧レベルを適用することも本発明の枠内である。
【0074】 図3Aから図3Lに基づいて、図2に説明した回路装置による2つの2進数の
加算を例によりステップごとに説明する。わかりやすくするために図3Aから図
3Lには第1の主ノードHij1,第1の孤立電子トランジスタETij1のト
ンネル素子T1および第2の孤立電子トランジスタETij2だけが示されてい
る。その他の点では図示の回路装置はそれぞれ図2に示された回路装置に相応す
る。電子が主ノードまたはトンネル素子に存在することが図3Aから図3Lには
×により示されている。
【0075】 数7+3,2進数で表すと111+011を加算するために次のように経過す
る。加算すべき数がそれぞれ第1の主ノードHij1に書き込まれる。ここで第
1の加数3(011)の桁がそれぞれ第1の回路経路SZi1の第1の主ノード
Hi11に書き込まれる。第2の加数7(111)の桁は第2の回路経路SZi
2の第1の主ノードHi21に書き込まれる。よりよく理解するために、第1の
主ノードH111,H121,H211,H221,H311,H321,H4
11,H421はそれぞれ隣接する第2の主ノードH422,H112,H12
2,H231,H222,H312,H322,H412と接続されており、し
たがって相応する第2の主ノードにも同じ電荷が作用することを述べておく。
【0076】 1に対してはそれぞれ1つの電子が相応の主ノードにもたらされる。0に対し
ては電子は主ノードにもたらされない。電子の供給はそれぞれ第2の動作電圧端
子U2を介して孤立電子トランジスタが相応に制御される際に行われる。このた
めにそれぞれ第2の回路経路SZijの第2の動作電圧端子U2には相応の電圧
レベルが印加される。
【0077】 第4の回路ブロックSB4の第1の主ノードH411からH421にはゼロが
印加される。
【0078】 したがって主ノードH421,H411,H311にはそれぞれゼロが、主ノ
ードH321,H221,H211,H111にはそれぞれ1が印加される。し
たがって主ノードH321,H221,H121,H211,H111にはそれ
ぞれ1つの電子が存在する(図3A参照)。
【0079】 第1のステップ1.1で電子は第2の回路経路SZi2の第1の主ノードHi
21から第1の孤立電子トランジスタETi11のトンネル素子T1にシフトさ
れる。ただしこれは所属の第1の主ノードHi11が電子により占有されている
場合である。第1の回路経路SZi1の所属の主ノードHi11が電子により占
有されていなければ、電子は第2の回路経路SZi2の第1の主ノードHi21
から第1の回路経路SZi1の第1の主ノードHi11へシフトされる。このこ
とにより図3Bに示した状態が得られる。ここでは主ノードH311,H211
,H111と、孤立電子トランジスタET211からET111のトンネル素子
T1にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0080】 ステップ1.2で孤立電子トランジスタETi11のトンネル素子T1の電子
が第2の回路経路SZi2の所属の第1の主ノードHi21へシフトされる。こ
れにより図3Cに示した状態が得られる。ここでは主ノードH311,H211
,H111,H221,H121にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0081】 ステップ1.3では、第2の回路経路SZi2の第1の主ノードHi21と第
1の回路経路SZi1の第1の主ノードHi11の両方が電子により占有されて
いる回路ブロックSBiで、第2の孤立電子トランジスタETi12が制御され
、これにより電子が第1の主ノードHi11から第2の動作電圧端子U2に流れ
る。これにより図3Dに示した状態が得られる。ここでは主ノードH311,H
221,H121にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0082】 続いてステップ2.1が実行される。このステップはステップ1.1と同じよ
うに経過するが、しかし第1の回路経路SZi1の役目が第2の回路経路SZi
2の役目と入れ替わっている。ここでは電子が第1の主ノードH411,H31
1,H211,H111から、それぞれ第2の回路経路SZi2の第1の孤立電
子トランジスタET321,ET221,ET121,ET421のトンネル素
子T1へ、または第1の主ノードH321,H221,H121,H421へシ
フトされる。どちらにシフトされるかは、第2の主ノードに電子が存在するか否
かに依存する。このようにして図3Eに示した状態が得られる。ここでは主ノー
ドH221,H121,および孤立電子トランジスタET221のトンネル素子
T1にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0083】 ステップ2.2では次に、トンネル素子T1に存在する電子が隣接する第1の
主ノードH411,H311,H211,H111へシフトされる。ただしこれ
は隣接する第1の主ノードH321,H221,H121,H421が電子によ
り占有されている場合である。このようにして図3Fの状態が得られる。ここで
は主ノードH311,H221,H121にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0084】 ステップ2.3では、第2の主ノードH321,H221,H121,H42
1に存在する電子が第2の動作電圧端子U2に放出される。ただしこれは隣接す
る第1の主ノードH411,H311,H211,H111にそれぞれ1つの電
子が存在する場合である。このようにして図3Gに示す状態が得られる。ここで
は主ノードH311,H121にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0085】 続いてステップ1.1が実行され、ここでは図3Hに示した状態が得られる。
主ノードH311,H111にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0086】 続いてステップ1.2が実行され、ここでは図3Iに示した状態が得られる。
主ノードH311,H111にそれぞれ1つの電子が存在する。この例ではステ
ップ1.1の後に電子がトンネル素子に存在しないから、このステップでは何も
変化しない。
【0087】 続いてステップ1.3が実行され、ここでは図3Jに示した状態が得られる。
主ノードH311,H111にそれぞれ1つの電子が存在する。この例ではステ
ップ1.2の後に電子が隣接する第1の主ノードに存在しないから、このステッ
プでは何も変化しない。
【0088】 続いてステップ2.1が実行され、ここでは図3Kに示した状態が得られる。
主ノードH421,H221にそれぞれ1つの電子が存在する。
【0089】 この例では、ステップ2.2と2.3の適用によって主ノードの電荷は変化し
ない。したがって図3Lに示した結果が得られる。主ノードH421,H221
にそれぞれ1つの電子が存在する。主ノードHi11はゼロにより占有されてい
る。和数の桁は、第2の回路経路SZi2の第1の主ノードHi21からわかる
。桁は元の位置に対して2回路ブロックだけシフトされている。加算の場合には
ステップ1.1,1.2,1.3,2.1,2.2,2.3で、図2関連して述
べた電圧レベルが適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の回路経路と第2の回路経路を有する回路装置を示す。
【図2A】 4つの回路ブロックを有する回路装置を示す。
【図2B】 4つの回路ブロックを有する回路装置を示す。
【図3A】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3B】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3C】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3D】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3E】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3F】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3G】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3H】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3I】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3J】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3K】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【図3L】 2つの3桁2進数を加算するために必要なステップを説明する図である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月1日(2000.3.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孤立電子構成素子を有する回路装置において、 少なくとも1つの孤立電子トランジスタが設けられており、 該トランジスタは第1の主ノードと第2の主ノードとの間に接続されており、 前記第1の主ノードは、第1の動作電圧端子と第2の動作電圧端子との間に容
    量的に接続されており、 ゲート電極が制御電圧端子と接続されている、 ことを特徴とする、孤立電子構成素子を有する回路装置。
  2. 【請求項2】 第2の孤立電子トランジスタが設けられており、 該トランジスタは第1の主ノードと第2の動作電圧端子との間に接続されてお
    り、 前記トランジスタのゲート電極は第2の主ノードと接続されている、請求項1
    記載の回路装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも第1の回路経路と第2の回路経路とが設けられて
    おり、 前記第1の回路経路と第2の回路経路とはそれぞれ1つの第1の孤立電子トラ
    ンジスタと、第2の孤立電子トランジスタとを有し、 当該第1と第2の孤立電子トランジスタは第1の主ノードを介して相互に直列
    に接続されており、 第1の主ノードはコンデンサを介して第1の動作電圧端子と接続されており、 直列に接続された第1と第2の孤立電子トランジスタは第2の主ノードと第2
    の動作電圧端子との間に接続されており、 第1の孤立電子トランジスタのゲート電極は制御電圧端子と接続されており、 第2の孤立電子トランジスタのゲート電極は第2の主ノードと接続されており
    、 第2の回路経路の第1の主ノードは第1の回路経路の第2の主ノードと接続さ
    れている、請求項1または2記載の回路装置。
  4. 【請求項4】 第2の回路経路の第2の主ノードは第1の回路経路の第1の
    主ノードと接続されている、請求項1記載の回路装置。
  5. 【請求項5】 n個の回路ブロックが設けられており、ここでn≧2であり
    、 該回路ブロックはそれぞれ1つの第1の経路経路と第2の回路経路とを有し、 該第1の回路経路と第2の回路経路とはそれぞれ1つの第1の孤立電子トラン
    ジスタと第2の孤立電子トランジスタとを有し、 当該第1と第2の孤立電子トランジスタは第1の主ノードを介して相互に直列
    に接続されており、 第1の主ノードはコンデンサを介して第1の動作電圧端子と接続されており、 直列に接続された第1と第2の孤立電子トランジスタは第2の主ノードと第2
    の動作電圧端子との間に接続されており、 第1の孤立電子トランジスタのゲート電極は制御電圧端子と接続されており、 第2の孤立電子トランジスタのゲート電極は第2の主ノードと接続されており
    、 第2の回路経路の第1の主ノードは第1の回路経路の第2の主ノードと接続さ
    れており、 i番目の回路ブロック、i=1,...n−1、の第2の回路経路の第2の主ノー
    ドはそれぞれ、i+1番目の回路ブロックの第1の回路経路の第1の主ノードと
    接続されており、 n番目の回路ブロックの第2の回路経路の第2の主ノードは、第1の回路ブロ
    ックの第1の回路経路の第1の主ノードと接続されている、請求項3記載の回路
    装置。
  6. 【請求項6】 コンデンサ、第1の孤立電子トランジスタ、第2の孤立電子
    トランジスタは、第1の回路経路においても第2の回路経路においても実質的に
    同じ電気構成を有する、請求項3から5までのいずれか1項記載の回路装置。
  7. 【請求項7】 第1の孤立電子トランジスタは、実質的に同じ容量を備えた
    2つのトンネルコンタクトを有し、 第2の孤立電子トランジスタは、容量の異なる2つのトンネルコンタクトを有
    する、請求項3から6までのいずれか1項記載の回路装置。
  8. 【請求項8】 第2の回路経路における第1の動作電圧端子は第2の回路経
    路における第2の動作電圧端子にそれぞれ接続されている、請求項3から7まで
    のいずれか1項記載の回路装置。
  9. 【請求項9】 請求項3から8までのいずれか1項記載の回路装置の駆動方
    法において、 第1の回路経路の第1の動作電圧端子にそれぞれ第1の電圧レベルを、第1の
    回路経路の制御端子にそれぞれ第2の電圧レベルを、第2の回路経路の第1の動
    作電圧端子にそれぞれ第3の電圧レベルを、第2の回路経路の制御端子にそれぞ
    れ第4の電圧レベルを印加し、 第1のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を次のように調整し、すなわち、 第1の回路経路の第2の主ノードに存在する電荷担体が第1の回路経路の第1
    の主ノードへ、該第1の主ノードに前もって電荷担体が存在しない場合に限り流
    れ、 第1の回路経路の第2の主ノードに存在する電荷担体が第1の回路経路の第1
    の孤立電子トランジスタのトンネル接合部へ、第1の回路経路の第1の主ノード
    に電荷担体が存在する場合に限り流れるように調整し、 第2のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を次のように調整し、すなわち、 第1の回路経路の第1の孤立電子トランジスタのトンネル接合部に存在する電
    荷担体が第1の回路経路の第2の主ノードへ流れるように調整し、 第3のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を次のように調整し、すなわち、 第1の回路経路の第1の主ノードに存在する電荷担体が第2の孤立電子トラン
    ジスタを介して第2の動作電圧へ、第1の回路経路の第2の主ノードに電荷担体
    が存在する場合に限り流れるように調整する、 ことを特徴とする、回路装置の駆動方法。
  10. 【請求項10】 第1のランで、第1の回路経路の第1の動作電圧端子にそ
    れぞれ第1の電圧レベルを、第1の回路経路の制御端子にそれぞれ第2の電圧レ
    ベルを、第2の回路経路の第1の動作電圧端子にそれぞれ第3の電圧レベルを、
    第2の回路経路の制御端子にそれぞれ第4の電圧レベルを印加し、 第1のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を次のように調整し、すなわち、 第1の回路経路の第2の主ノードに存在する電荷担体が第1の回路経路の第1
    の主ノードへ、該第1の主ノードに前もって電荷担体が存在しない場合に限り流
    れ、 第1の回路経路の第2の主ノードに存在する電荷担体が第1の回路経路の第1
    の孤立電子トランジスタのトンネル接合部へ、第1の回路経路の第1の主ノード
    に電荷担体が存在する場合に限り流れるように調整し、 第2のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を次のように調整し、すなわち、 第1の回路経路の第1の孤立電子トランジスタのトンネル接合部にある電荷担
    体が第1の回路経路の第2の主ノードへ流れるように調整し、 第3のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を次のように調整し、すなわち、 第1の回路経路の第1の主ノードに存在する電荷担体が第2の孤立電子トラン
    ジスタを介して第2の動作電圧端子へ、第1の回路経路の第2の主ノードに電荷
    担体が存在する場合に限り流れるように調整し、 第2のランで、第1の回路経路の第1の動作電圧端子に第3の電圧レベルを、
    第1の回路経路の制御端子に第4の電圧レベルを、第2の回路経路の第1の動作
    電圧端子に第1の電圧レベルを、第2の回路経路の制御端子に第2の電圧レベル
    を印加し、 第1のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を、第1のランの第1のステップで使用した値に調
    整し、 第2のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を、第1のランの第2のステップで使用した値に調
    整し、 第3のステップで第1の電圧レベル、第2の電圧レベル、第3の電圧レベル、
    第4の電圧レベルに対する値を、第1のランの第3のステップで使用した値に調
    整する、請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 第1のランと第2のランを交互に適用する、請求項10記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11記載の方法を、2進数の加算に使用
    する使用方法。
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