JP2001512990A - 負傷した脚を処置するための圧縮ブーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 馬の負傷した脚を処置するための器具であり、相互に回動可能に取り付けられた前部部材（２）と後部部材（４）とを有する。これらの二つの部材は、閉塞された状態にあるとき脚を受け入れるための空洞を構成し、開放状態にあるとき脚に装着されまたは脚から取り外されることができる。第１の実施例においては、後部部材の一部分が脚のひづめを受け入れる。そして、前部部材が後部部材に向かって回動されるが完全に閉塞されていない状態において、ひづめは、前部部材の下部と後部部材の下部との間に閉じ込められる。第２の実施例においては、前部部材が脚のひづめを受け入れる。前部部材と後部部材とが完全に結合される前にひづめが締め付けられ、その結果、負傷した脚が張力を加えられた状態にもたらされ、本発明に係る器具の内部ライニングの中に脚が完全に閉じ込められる前に、脚は固定される。

Description

【発明の詳細な説明】 負傷した脚を処置するための圧縮ブーツ 発明の技術分野 本発明は、動物好ましくは馬の負傷した脚を処置する方法及び器具に関する。 技術の背景 馬の負傷した脚例えば骨折した前脚の処置は、骨を固定するために力が加えら れる期間、ひづめが固定されなければならないことが多い。これは困難な処置で ある。獣医がこのプロセスを実行する期間、馬は鎮静剤で落ち付かされることが 一般である。脚が固定された後、脚は、石膏製またはファイバグラス製のギブス に入れられるだろう。しかし、これは困難をともなう。馬は、そのような異物を 脚に取り付けられることに抵杭するからである。 さらに、ギブスに入れられた脚の検査は、ギブスを取り除き、別のギブスを取 り付けることを要求する。ギブスの取り外しは鋸で切って実施されることが一般 であり、また、馬を鎮静剤で落ち付かせることを求める。この処置は煩雑である から、獣医は絶対必要の時以外は検査を実施しない。 負傷した脚の処置は、一般に、獣医の診察室で行われる。このことは、脚を負 傷した馬は獣医のところまで運搬されねばならないことを意味する。負傷した場 所から獣医のところまで運搬される期間に受ける外傷のため、多くの馬は脚の負 傷から回復しない。 発明の概要 本発明は、負傷の処置を受ける馬の脚に取り付けられる、ブーツのような形を した器具を提供することにある。馬以外の動物も、本発明によって処置すること ができることは明らかであろう。本発明に係る器具は二つの部材からなり、この 二つの部材はブーツの先端でヒンジをもって相互に取り付けられることが好まし い。この二つの部材は、一体化されたとき、脚とひづめを包み込む包装を構成し 、脚を本発明に係る器具の中に入れるために開放される。 第１の実施例においては、本発明に係る器具の後部部材はプラットフォームの ような部分を有し、その部分の上に馬のひづめが乗せられる。本発明に係る器具 の後部部材の他の部分は、ひづめが上記のようにプラットフォームのような部分 に乗せられたとき、負傷した脚の下部部分を包み込む。本発明に係る器具の前部 部材は後部部材にヒンジされ、後部部材と一緒になって負傷した脚を包み込む。 前部部材は、前部部材が後部部材と完全に結合されるように動くときに、ひづめ の前部と接合する部分を有する。そのため、脚が完全に固定される前に、ひづめ は本発明に係る器具に強固に固定される。この機能は、負傷した脚が固定される ことを許すために、本発明に係る器具に向かってひづめを下方に引っ張ることに よりひづめに力を加えることを許す。脚が固定された後、前部部材は、脚を後部 部材に押し込むように、さらに同動される。治療期間に脚が動かないようにする ためである。 第２の実施例においては、動物のひづめを支持するプラットフォームは前部部 材に設けられており、前部部材と後部部材とはプラットフォームの後部に設けら れたヒンジで連結される。 第２の実施例の利益は、負傷した動物を立たせておいて、本発明に係る器具を 装着することが容易である点である。例えば、負傷した脚を持っている馬は、負 傷した脚を上げて、３本脚で立っていることが普通である。このような姿勢の馬 に対して、獣医は、本発明に係る器具を一方の手に持ち、この器具の前部部材を 負傷した脚に結合させる。その間負傷した脚は馬によって持ち上げられている。 その後、すぐに、他方の手で、後部部材を前部部材に結合する。 本発明に係るいずれの器具も、外殻は硬質プラスチックをもって製造され、圧 縮可能な内部ライニングが施されていることが望ましい。内部ライニングは、中 等度の密度のポリウレタンフォームであることが望ましい。 本発明に係る器具は取り付けが容易であり、脚の固定を援助することができる ので、負傷が発生した場所、例えば競馬場で負傷した馬の脚に装着することがで きる。換言すれば、本発明に係る器具を使用することにより、馬の脚は直ちに固 定されることができる。そして、もし獣医が追加的処置を必要とするときは、本 発明に係る器具は容易に取り外しができ、また、再び装着することもできる。 図面の簡単な説明 図１は、本発明の第１の実施例に係る器具の開放状態を示す斜視図である。 図２は、図１に示す器具の閉塞状態を示す側面図である。 図３は、本発明に係る第２の器具の側面図である。 図４は、図３に示す器具の開放状態を示す斜視図である。 好ましい実施例の詳細な説明 図１・図２参照 本発明の第１の実施例に係る器具は、前部部材２と後部部材４とよりなる。前 部部材と後部部材とはそれらの前部においてヒンジ６によって運結される。その ため、これらは相互に回動可能である。本発明に係る器具はバックル８を有し、 図２に示すように、閉塞状態において双方の部材を連結する。 上記器具のそれぞれは、硬質プラスチックの外殻１０と弾性的な内部ライニン グ１２とを有する。内部ライニングは、好ましくは、処置される脚の形状に概略 一致させてモールドされる。そのため、これらの二つの部材は脚がその中に入る ことを許し、脚の形に本質的に一致する包装を構成する。 けづめ毛を押さえる上記器具の部分と脚の上部を押さえる上記器具の部分との なす角は、１３５°が好ましい。この角は、脚の整形外科的プレーティングにと って好ましい通常の角である。けづめ毛より下の部分はひづめの壁面に接続する 。そして、この部分とけづめ毛とのなす角は、自然なひづめの壁面角に合致する ようにされる。 後部部材はひづめ部分１４を有する。このひづめ部分１４は一般に平面体であ り、処置される脚のひづめの下部を受け止めるように設計される。上記の器具を 馬の脚に装着する最初の工程は、ひづめをひづめ部分１４の上に乗せ、脚の下部 を後部部材の内部ライニング１２の中に置くことである。次に、前部部材２を同 動して、後部部材４をカバーして閉塞し、最後に、図２に示す状態にもたらす。 しかし、前部部材が回動されるとき、前部部材の下部１６が、まづ、ひづめの前 壁を締め付けるであろう。この締め付けが、後部部材のひづめ部分１４と前部部 材の下部１６との間にひづめをクランプするであろう。そして、脚は、前部部材 のライニングと後部部材のライニングとによって構成される空洞の中に完全に包 み込まれる。 ひづめの締め付けは、脚が伸張した状態にひづめが引っ張られることを許し、 骨折した骨が固定されることを許す。これは、二つの部材を閉塞するに必要な力 を加えることにより容易に実現する。二つの部材が図２に示される閉塞状態にも たらされるとき、脚が固定されるからである。 脚が固定された後、バックル８によって、二つの部材は完全に連結され固着さ れる。前部部材の内部ライニングが後部部材のフォームライニングの中に脚を圧 入し、前部部材と後部部材との間に作り出される空洞に脚を固定するであろう。 図３・図４参照 本発明に係る第２の実施例は、上記の第１の実施例に類似である。前部部材２ ０には、動物のひづめを受け入れるためのプラットフォーム２２が設けられてい る。後部部材２４は、ヒンジ２６によって、プラットフォーム２２の後縁に回動 可能に取り付けられる。バックル８は、上記した第１の実施例の場合のように、 負傷した脚が上記の器具に入れられた後、前部部材と後部部材とを固定するため に設けられている。上記された第２の実施例に類似の第１の実施例の他の部材は 同一の符号をもって表されている。 下記する特許請求の範囲に含まれる改変は、当業者にとって自明であろう。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＳＥ)，ＡＵ，ＣＡ，ＪＰ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．閉塞された状態において、負傷した脚を包み込むための本質的に堅い包装を 構成する第１と第２の部材と、該第１と第２の部材を、開放状態と前記閉塞状態 との間を移動させる接続手段と、前記第１と第２の部材が前記開放状態にあると き、前記第１または第２の部材の一方に前記脚の足を受け入れる手段とを有する ことを特徴とする、負傷した脚を処置するための器具。 ２．前記第１の部材を前記第２の部材に回動可能に取り付ける手段を有すること を特徴とする請求項１記載の器具。 ３．前記同動可能に取り付ける手段は、前記第１と第２の部材の双方の前部に近 接して設けられてなることを特徴とする請求項２記載の器具。 ４．一端を支持する前記手段は、前記第１と第２の部材の第１の部分よりなり、 該第１の部分は前記回動可能に取り付ける手段の近傍に設けられることを特徴と する請求項２記載の器具。 ５．前記第１と第２の部材のそれぞれは、前記脚を締め付ける材料よりなり、該 材料は前記脚の形状に変形することができることを特徴とする請求項４記載の器 具。 ６．前記材料はポリウレタンフォームよりなることを特徴とする請求項５記載の 器具。 ７．前記第１と第２の部材のそれぞれは、堅い外殻と、前記第２の状態において 前記第１と第２の部材を固着するバックル手段とを有することを特徴とする請求 項５記載の器具。 ８．前記脚は馬の前脚であることを特徴とする請求項７記載の器具。 ９．前記回動可能に取り付ける手段は、前記第１の部材の後部と前記第２の部材 の前部との近傍にあることを特徴とする請求項２記載の器具。 １０．前記足を支持する手段は、前記第１の部材の第１の部分と第２の部材の第 １の部分とよりなり、該第１の部分は前記回動可能に取り付ける手段の近傍に設 けられてなることを特徴とする請求項９記載の器具。 １１．前記第１と第２の部材のそれぞれは、前記脚を締め付ける材料よりなり、 該材料は前記脚の形状に変形することができることを特徴とする請求項１０記載 の器具。 １２．前記材料はポリウレタンフォームよりなることを特徴とする請求項１１記 載の器具。 １３．前記第１と第２の部材のそれぞれは、堅い外殻と、前記第２の状態におい て前記第１と第２の部材を固着するバックル手段とを有することを特徴とする請 求項１２記載の器具。 １４．前記脚は馬の前脚であることを特徴とする請求項１３記載の器具。 １５．請求項１記載の器具の第１の部分の間に負傷した脚の一端を固定し、前記 脚に長手方向の力を加えて前記脚に張力を加え、前記器具の前記第１と第２の部 材を前記第２の位置に動かす工程を有することを特徴とする、負傷した脚の処置 方法。