JP2001512668A - リポカリン相同体 - Google Patents

リポカリン相同体

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JP2001512668A JP2000506241A JP2000506241A JP2001512668A JP 2001512668 A JP2001512668 A JP 2001512668A JP 2000506241 A JP2000506241 A JP 2000506241A JP 2000506241 A JP2000506241 A JP 2000506241A JP 2001512668 A JP2001512668 A JP 2001512668A
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シー. コンクリン,ダレル
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ザイモジェネティクス,インコーポレイティド
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    • C12N2799/021Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid
    • C12N2799/026Uses of viruses as vector for the expression of a heterologous nucleic acid where the vector is derived from a baculovirus

Abstract

(57)【要約】 本発明は、リポカリンファミリーの新規なメンバーのためのポリヌクレオチドおよびポリペプチドに関する。この新規なポリヌクレオチドの発現は精巣および乳腺、特に乳房腫瘍組織に制限される。ポリペプチドはzlipolと表示された。本発明は、また、zlipolポリペプチドに対する抗体を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 リポカリン (Lipocalin) は、疎水性小分子の輸送に関与すると思われる分泌 される小タンパク質である。リポカリン・ファミリーは、2つの直交するシート として配置される、8 個の逆平行のβ−シートにより形成される円筒型の構造モ
チーフにより特徴づけられる。リポカリン・ファミリーは、配列レベルにおいて
多様である。
【0002】 前記ファミリーの最も関連するメンバーは、3種の特徴的な保存された配列モ チーフを共有する。このグループのメンバーは次のものを包含する:レチノール
−結合タンパク質(retinal-binding protein) ;プルプリン(purpurin);レチノ ン酸−結合タンパク質(retinoic acid-binding protein);α鎖−グロビン;主 要尿タンパク質;ビリーン結合タンパク質(bilin-binding protein);α−クル スタシアニン(α−crustacyanin);妊娠タンパク質14;α−ラクトグロビン;
好中球リポカリン及び脈絡叢(choroid plucause)タンパク質。それら以外のリポ
カリンは、それらが保存された2種又はそれ以下の配列モチーフを有するので、 それ自体分類され、そしてそれらのタンパク質は次のものを包含する:臭気−結
合タンパク(odorant-binding protein)質、von Ebner's 腺タンパク質、プロバ シン及びアフロジシン。
【0003】 リポカリンはカリシン(calycin)として知られているスーパーファミリーのメ ンバーであり、それらのすべては疎水性分子のためのリガンド−結合タンパク質
である。カリシン ファミリーの他のメンバーは、脂肪酸−結合タンパク質(FA
BP)及びアビジンである。このスーパーファミリーのメンバーはほとんど配列相
同性を伴わないで、いくらかのコンホーメーション相同性を共有する( Flower,
FEBS Letters 354: 7-1, 1994; 及びFlower, J. Moles. Recognition 8: 185-1
95, 1995 )。
【0004】 Von Ebner の腺タンパク質はまた、涙リポカリン、涙プレアルブミン(tear pr
ealbumin)又はVEGPとしても知られている。それは、前立腺房( Holzfeindなど.
, FEBS Letters 395: 95-98, 1996 ), 涙腺及びVo Ebner 腺の腺房細胞(acinar
cell)( Holzfeindなど., Exp Eye Res.61:495-500, 1995 )に存在することが
示されている。VEGPはまた、唾液、鼻分泌物及び汗に存在することがある。VEGP
は、重度の腺房細胞においてリソソームと同時局在化し、そしてまた、ER及びゴ
ルジ体からのポリリボソーム上にも存在する。
【0005】 他のリポカリンに類似して、VEGPはレチノール又は他の疎水性小化合物のため
のキャリヤーである。VEGPはインビトロでレチノールと結合し、そしてリゾチー
ムの活性化を阻害する長鎖脂肪酸と結合するので、眼において抗菌機能を有する
と思われる( Glasgow, Arch. Clin. Exp. Ophthalmsl. 233: 513-522, 1995 )
。前記タンパク質または、エンベロープを有するウィルスを不活性化し、眼にお
ける脂質フィルム及び/又は上皮におけるタンパク質の表面での広がりを助ける
【0006】 リポカリン ファミリーのもう1つのメンバーは、ヒト血清からのレチノール −結合タンパク質に対して三次構造相同性を有する、精巣上体−レチノン酸結合
タンパク質( ERBP )を包含する( Newcomerなど. J. Biol. Chem. 265: 12876
-12879, 1990 )。ERBPは、精巣上体を通過するので、精子の成熟において重要 な役割を演じると思われる。ERBPは、広範囲のレチノイド、たとえばレチノール
(ビタミンA)、レチナール、酢酸レチニル、β−イオノン、シス−レチノイド 、β−カロテン、コレステロール、テルペノイド、β−ロニリデンアセテート、
レチノールとレチノイン酸との長鎖エステルをインビボ及び/又はインビトロで
結合することが示されている( Flower, Biochem. J. 318:1-14, 1996 )。
【0007】 レチノイドは、細胞分化及び増殖、並びに視力、生殖生物学及び粘膜分泌にお
いて重要な役割を演じることが示されている。レチノイト類及び疾病におけるそ
れらの役割、並びに恒常性の維持の総説のためには、Goodman, D., N. Engl. J.
Med. 310: 1023-1031, 1984 を参照のこと。 本発明のそれらの及び他の観点は、本発明の次の詳細な記載及び添付図面から
明らかになるであろう。
【0008】 発明の要約 1つの観点においては、本発明は、配列番号2の残基1又は17〜残基170 に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸の
配列を含んで成るリポカリン相同体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
を提供する。 もう1つの態様においては、本発明は、配列番号1のヌクレオチド7又は58〜 ヌクレオチド516に示されるようなポリヌクレオチドの配列を含んで成るリポ
カリン相同体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0009】 もう1つの態様においては、本発明は、配列番号5のポリヌクレオチド1又は5
2〜ポリヌクレオチド510に示されるような配列ポリヌクレオチドを提供する
。 もう1つの観点においては、本発明は、下記の作用可能に連結された要素:転 写プロモーター;配列番号2のアミノ酸残基1又は17〜残基170に示される
ようなアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸の配列を含ん
で成るリポカリン相同体ポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び転写タ ーミネーターを含んで成る発現ベクターを提供する。
【0010】 もう1つの態様においては、前記発現ベクターは、配列番号1のヌクレオチド 7又は58〜ヌクレオチド516に記載されるようなポリヌクレオチドの配列を
含んで成るDNAセグメントを含んで成る。 もう1つの態様においては、前記発現ベクターは、配列番号5のヌクレオチド 1又は52〜ヌクレオチド510に記載されるようなポリヌクレオチドの配列を
含んで成るDNAセグメントを含んで成る。 もう1つの観点においては、本発明は、発現ベクターが導入されている培養細 胞を提供し、ここで前記細胞は前記発現ベクターのDNAセグメントによりコード されるリポカリン相同体ポリペプチドを発現する。
【0011】 もう1つの観点においては、本発明は、発現ベクターが導入されている細胞を 培養し、それにより前記細胞が前記DNAセグメントによりコードされたリポカリ ン相同体ポリペプチドを発現し;そして前記発現されたポリペプチドを回収する
ことを含んで成る、ポリペプチドの製造方法を提供する。 もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2のアミノ酸残基1又は17 〜残基170に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であ
るアミノ酸残基の配列を含んで成る単離されたポリペプチドを提供する。
【0012】 もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2の残基1又は17〜残基1 70に示されるようなアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ
酸残基の配列を含んで成るポリペプチド、及び医薬的に許容できるビークルを含
んでなる医薬組成物を提供する。 もう1つの観点においては、本発明は、配列番号2の残基17〜残基170に 示されるようなアミノ酸配列に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の
配列を含んで成るポリペプチドのエピトープに特異的に結合する抗体を提供する
【0013】 もう1つの観点においては、本発明は、配列番号1のポリヌクレオチド又は配 列番号1に対して相補的な配列の少なくとも14個の連続するヌクレオチドを含
んでなヌオリゴヌクレオチドプローブ又はプライマーを提供する。 もう1つの観点においては、本発明は、哺乳類における遺伝的異常性を検出す るための方法を提供し、ここでこの方法は、哺乳類から遺伝的サンプルを獲得し
;前記遺伝的サンプルと、配列番号1又は配列番号1の相補体の少なくとも14
個の連続するヌクレオチドを含んで成るポリヌクレオチドとを、前期ポリヌクレ
オチドが相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、第1反応生成物を生
成するであろう条件下でインキュベート;そして対照反応生成物と前記第1反応 生成物とを比較し、前期第1反応生成物と前記対照反応生成物との間の差異が患 者における遺伝的異常性を示すことを含んで成る。
【0014】 発明の特定の記載 本発明を詳細に記載する前、次の用語を定義することが本発明の理解を助ける
ことができる: 用語“親和性標識”とは、第2ポリペプチドの精製又は検出を提供し、又は基
質への第2ポリペプチドの結合のための部位を供給するために、第2ポリペプチ ドに結合され得るポリペプチド セグメントを示すために本明細書において使用
される。主に、抗体又は、他の特異的結合剤が利用できるいずれかのペプチド又
はタンパク質が親和性標識として使用され得る。
【0015】 親和性標識は、ポリ−ヒスチジン系、すなわちプロテインA(Nilsson など.,
EMBO J. 4: 1075, 1985; Nilsson など., Methods Enzymol. 198: 3, 1991),
グルタチオンS トランスフェラーゼ(Smis and Johnson, Gene67; 31, 1988)
、Glu-Glu親和性標識(Grussenmeyerなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:
7952-4, 1985), 物質P、すなわちFlag(TM) ペプチド(Hoppなど., Biotechno
logy 6: 1204-1210, 1988; Eastman Kodak Co., New Haven , CTから入手できる
)、ストレプタビジン結合ペプチド、又は他の抗原性エピトープ又は結合ドメイ
ンを包含する。一般的に、Ford など., Protein Expression and Purificati
on 2:95-107, 1991を参照のこと。親和性標識をコードするDNAは、商品供給者(
たとえばPharmacia Biotech, Piscataway, NJ)から入手できる。
【0016】 用語“対立遺伝子変異体”とは、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の複数の
遺伝子の二者択一形のいずれかを示すために本明細書において使用される。対立
遺伝子変異は、突然変異を通して自然に生じ、そして集団内の表現型多型現象を
もたらすことができる。遺伝子突然変異は、サイレントであり(コードされたポ リペプチドにおける変化がない)、又は変更されたアミノ酸配列を有するポリペ プチドをコードすることができる。用語、対立遺伝子変異体はまた、遺伝子の対
立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を示すために本明細書において使
用される。
【0017】 用語、“アミノ−末端”及び“カルボキシル−末端”とは、ポリペプチド内の
位置を示すために本明細書において使用される。その情況が可能である場合、そ
れらの用語は、接近性又は相対的位置を示すためにポリペプチドの特定の配列又
は一部に関して使用される。たとえば、ポリペプチド内の対象配列のカルボキシ
ル末端側に位置する一定の配列は、その対象配列のカルボキシル末端に隣接して
位置するが、しかし完全なポリペプチドのカルボキシル末端であることは必ずし
も必要ではない。
【0018】 用語、“相補体/抗−相補体対”とは、適切な条件下で、非共有結合により会
合した安定した対を形成する非同一性成分を示す。たとえば、ビオチンとアビジ
ン(又はストレプタビジン)又は、相補体/抗−相補体対の基本型メンバーである
。典型的な相補体/抗−相補体対は、受容体/リガンド対、抗体/抗原(又はハ プテン又はエピトープ)対、センス/アンチセンス ポリヌクレオチド対、及び 同様のものを包含する。相補体/抗−相補体対の続く解離が所望される場合、そ
の相補体/抗−相補体対は好ましくは、<109-1の結合親和性を有する。
【0019】 用語、“ポリヌクレオチド分子の相補体”とは、相補的塩基配列を有し、且つ
対象配列に比較して逆の配向を有するポリペプチド分子である。たとえば、配列
5' ATGCACGGG 3' は、5' CCCGTGCAT 3'に対して相補的である。
【0020】 用語“contig ”とは、他のポリヌクレオチドに対する同一の又は相補的な連 続した配列を有するポリヌクレオチドを示す。連続した(contiguous)配列とは、
ポリヌクレオチドの全体において、又はその一部にそって、一定の長さのポリヌ
クレオチド配列が“オーバーラップ”すると言われる。たとえば、ポリヌクレオ
チド配列5' ATGGCTTAGCTT 3' に対する代表的なcontig とは、5' ATGCTTgagtct
3'及び3'gtcgacTACCGA 5'である。
【0021】 用語“縮重ヌクレオチド配列”とは、1又は複数の縮重コドンを含むヌクレオ
チドの配列(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子に比較して)を
示す。縮重コドンは、ヌクレオチドの異なったトリプレットを含むが、しかし同
じアミノ酸残基をコードする(すなわち、GAU及びCACトリプレットはそれぞれAsp
をコードする)。
【0022】 用語“発現ベクター”は、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に
連結された注目のポリペプチドをコードするセグメントを含んで成る線状又は環
状DNA分子を示すために使用される。そのような追加のセグメントは、プロモー ター及びターミネーターを包含し、そしてまた、1または複数の複製起点、1又
は複数の選択マーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、及び同様のも
のを包含する。発現ベクターは一般的に、プラスミド又はウィルスDNAから誘導 され、又は両者の要素を含むことができる。
【0023】 用語“単離された”とは、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオ
チドがその天然の遺伝的環境から除去され、そして従って、他の無関係な又は不
所望のコード配列を有さず、そして遺伝子的に構築されたタンパク質精製システ
ム内での使用のために適切な形で存在することを示す。そのような単離された分
子は、それらの天然の環境から分離され、そしてcDNA及びゲノムクローンを含む
分子である。
【0024】 本発明の単離されたDNA分子は、通常関係しない他の遺伝子を含まないが、し かし天然において存在する5'及び3' 非翻訳領域、たとえばプロモーター及びタ ーミネーターを含むことができる。関連する領域の同定は、当業者に明らかであ
ろう(たとえば、Dynan and Tijan, Nature 316: 774―78, 1985を参照のこと)。
【0025】 “単離された”ポリヌクレオチド又はタンパク質は、その生来の環境以外の条
件、たとえば血液及び動物組織とは別の条件下で見出されるポリヌクレオチド又
はタンパク質である。好ましい形においては、単離されたポリペプチドは、他の
ポリペプチド、特に動物起源の他のポリペプチドを実質的に含まない。高度に精
製された形、すなわち95%以上の純度、より好ましくは99%以上の純度でポ
リペプチドを提供することが好ましい。この情況下で使用される場合、用語“単
離された”とは、他の物理的形態、たとえばダイマー形又は他のグリコシル化さ
れた又は誘導体化された形での同じポリペプチドの存在を排除しない。
【0026】 用語“作用可能に連結された”とは、DNAセグメントに言及する場合、該セグ メントが、それらの意図された目的のために協力して機能し、たとえば転写がプ
ロモーターにおいて開始し、そしてコードセグメントを通してターミネーターに
進行するよう配列されることを示す。 用語“オルト体(orthology)”とは、異なった種からのポリペプチド又はタ ンパク質の機能的対応物である、1つの種から得られるポリペプチド又はタンパ
ク質を示す。オルト体間の配列の差異は、特定化(specification)の結果であ る。
【0027】 “パラ体(paralog)”とは、1つの生物により生産される、異なっているが、 しかし構造的に関連しているタンパク質である。パラ体とは、遺伝子複製を通し
て生ずると思われる。たとえば、α―グロブリン、β−グロブリン及びミオグロ
ブリンはお互いパラ体である。
【0028】 “ポリヌクレオチド”は、5'末端から3'末端に読み取られるデオキシリボヌク
レオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーである。ポリヌ
クレオチドは、RNA及びDNAを包含し、そして天然源から単離され、インビトロで
合成され、又は天然及び合成分子の組み合わせから調製され得る。ポリヌクレオ
チドのサイズは、塩基対(略語“bp”)、ヌクレオチド(“nt”)、又はキロ塩基
(“kb”)として表される。ここで、後者の2つの用語は、1本鎖又は二本鎖で
あるポリヌクレオチドを記載する。
【0029】 この用語が二本鎖分子に適用される場合、それは全体の長さを示すために使用
され、そして用語、“塩基対”に等しいことが理解されるであろう。二本鎖ポリ
ヌクレオチドの二本の鎖は長さにおいてわずかに異なり、そしてその末端が酵素
分解の結果として異なることは、当業者により理解されており;従って、二本鎖
ポリヌクレオチド分子内のすべてのヌクレオチドは一対に成り得ない。そのよう
な対になっていない末端は、長さ20ntを超えない。
【0030】 “ポリペプチド”は、天然において生成されるにせよ又は合成的に生成される
にせよ、ペプチド結合により連結されるアミノ酸残基のポリマーである。約10
個以下のアミノ酸残基のポリペプチドが、通常“ポリペプチド”として言及され
る。 用語“プロモーター”は、RNA ポリメラーゼの結合及び転写の開始を提供する
DNA配列を含む遺伝子の部分を示すために本明細書において使用される。プロモ ーター配列は通常、遺伝子の5' 非コード領域に見出されるが、しかし必ずしも そうではない。
【0031】 “タンパク質”は、1又は複数のポリペプチド鎖を含んで成る高分子である。 タンパク質はまた、非ペプチド成分、たとえば炭水化物基を含むことができる。
炭水化物及び他の非ペプチド置喚基は、タンパク質が生成される細胞により付加
され、そして細胞型により変化するであろう。タンパク質は、それらのアミノ酸
主鎖により本明細書において定義され;置換基、たとえば炭水化物基は一般的に
、特定されないが、しかしそれにもかかわらず、存在することができる。
【0032】 用語“受容体”は、生物活性分子(すなわち“リガンド”)に結合し、そして細
胞上のリガンドの効果を仲介する細胞関連タンパク質を示す。膜結合受容体は、
細胞外リガンド結合ドメイン、及び典型的には、シグナルのトランスダクション
に関与する細胞内エフェクタードメインを含んで成る多ペプチド構造により特徴
づけられる。受容体へのリガンドの結合は、細胞におけるエフェクタードメイン
と他の分子との間の相互作用を引き起こす受容体におけるコンホメーション変化
をもたらす。この相互作用は、細胞の代謝の変更を誘導する。
【0033】 受容体−リガンド相互作用に連結される代謝現象は、遺伝子転写、リン酸化、
脱リン酸化、AMP生成の上昇、細胞カルシュウムの代謝、膜脂質の代謝、細胞付 着、イノシトール脂質の加水分解、及びリン脂質の加水分解を包含する。一般的
に、受容体は、膜結合され、細胞質性又は核性であり;モノマー(たとえば甲状 腺刺激ホルモン受容体、β−アドレナリン性受容体)、又はマルチマー(たとえば
PDGF受容体、成長ホルモン受容体、IL-3受容体、GM-CSF受容体、G-CSF受容体、 エリトロポイエチン受容体及びIL-6受容体)であり得る。
【0034】 “分泌シグナル配列”は、それが合成される細胞の分泌経路を通してより大き
なポリペプチドを、そのポリペプチドの成分として方向ずけるポリペプチド(“
分泌ペプチド”)をコードするDNA配列を示す。前記のより大きなポリペプチド は、分泌経路を通して移動の間、分泌ペプチドを除去するために通常分解される
【0035】 用語“スプライス変異体”とは、遺伝子から転写されるRNAの複数中の1つの 形を示すために、本明細書において使用される。スプライス変異は、転写された
RNA分子内の、又は一般的ではないが、別々に転写されたRNA分子間の、複数の中
のあるスプライシング部位の使用を通して天然において生じ、そして同じ遺伝子
から転写されたいくつかのmRNAをもたらすことができる。スプライス変異体は、
変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。用語
スプライス変異体はまた、遺伝子から転写されるmRNAのスプライス変異体により
コードされるタンパク質を示すためにも本明細書において使用される。
【0036】 精度の低い分析方法(たとえば、ゲル電気泳動)により決定されるポリマーの
分子量及び長さは、おおよその値であることが理解されるであろう。そのような
値が“約”X又は“おおよそ”Xとして表される場合、その言及されたXの値は、 正確には±10%であることが理解されるであろう。 本明細書に引用されるすべての引例は、それらのすべてにおいて引用により組
み込まれる。
【0037】 このファミリーにおけるタンパク質は、単一の、8本鎖化され、連続して水素 結合された逆平行の円筒形を有する(Flower, J. Molec. Recognition 8:185-19
5, 1996)。 そのA―鎖(図においてA−Iと称する)は、萼(Calyx)−又はカップ
−形状の逆平行のA―円筒形を形成する(Flower など., Protein Science 2: 75
3-761, 1993 )。
【0038】 A鎖のN−末端側の3−10ヘリックスが円筒形の一端で閉じ、そしてL1を形 成するA及びB鎖と共に、内部リガンド−結合部位のためのカップの形成に関与す
る。図に示されるように、追加のループがB−C(L2)、C−D(L3)、D−E(L4 )、E−F(L5)、F−G(L6)、G−H(L7)により形成される。H鎖のC−末端(A−円 筒形の末端)は、円筒形に対して後方に折りたたむ、A1と称するβ―ヘリック スである。さらに、A1構造は、β―シート水素結合により結合される鎖(I)で
ある。それらの構造コンホメーションは、リポカリン・ファミリーを定義するた
めに使用される(Flower など, 前記, 1993)。
【0039】 この新規DNAに対応するmRNAの組織分布の分析は、発現が精巣及び乳腺、特に
乳癌組織に対して特異的であったことを示した。そのポリペプチドは、zlipolと
して命名された。 単一のEST配列が発見され、そしてリポカリン・ファミリーのメンバーである ことが予測された。ESTは乳癌cDNAライブラリーから生成され、そしてcontig は後で、乳癌cDNAライブラリーに見出された。
【0040】 N−末端ESTのヌクレオチド配列は、配列番号1において、ポリヌクレオチド番 号7〜192により記載される。開始Metは位置1)に存在し、そしてZlipol ポ
リペプチド(配列番号1)をコードするDNAの分析により、17個のアミノ酸残基 (配列番号2の残基1〜17)の推定上のシグナルペプチド及び153個のアミノ 酸(配列番号2の残基18〜170)の成熟ポリペプチドを含んで成る、170個 のアミノ酸(配列番号2)をコードするリーディングフレームが示され、そして
約19KDの分子量を有することが予測される。ヒトvon Ebner's 腺タンパク質(VE
GP)とzlipolとの複数整列は、配列番号2のアミノ酸残基27−42、57−67、83−
90、104−111、124−128、139−145及び150−55に対応し、そして図1に示され るように、高い同一性の領域を示した。
【0041】 リポカリンは、小さい疎水性分子の結合に典型的に関与するリガンド結合ドメ
イン及び幾つかの推定上の細胞表面受容体の結合に典型的に関与する保存された
細胞表面受容体結合ドメインを含んで成る多−ドメイン構造により特徴付けられ
、ここで前記細胞表面受容体結合ドメインは複数のリポカリンに共通であり、そ
しておそらく細胞表面受容体を含む巨大分子複合体を形成する折たたみ構造のオ
ープンエンドが存在するであろう。
【0042】 たとえば、レチノール結合タンパク質、すなわちリポカリンファミリーのメン
バーは、レチノール、すなわち疎水性小分子を結合するリガンド結合部位の存在
により特徴づけられる。図に示されるように、ラット精巣上体−レチノイン酸結
合タンパク質(ERBP−ラット)は、zlipolに対する相同性を有する。従って、他
のリポカリンとの相同性に基づいて、β鎖形成が、図1においてA−Iとして命名
される領域に関して予測され、そして配列番号2に示されるように、アミノ酸残 基23−36、54−59、62−69、74−83、89−93、97−103、109−115、123−132、 及び158−161に対応する。
【0043】 ラットERBPとzlipol との間に示される相同性に基づけば、配列番号2に示さ れるように、アミノ酸残基22(Glu ), 25 ( Ile ) , 29 ( Trp ), 53 ( Lys ),
55 (Thr ), 62 ( Leu ), 64 ( Ala ), 90 (Tyr ), 92 ( Ala ), 97 ( Lys ), 9
9 ( Met ), 110 ( Tyr ), 112 ( Phe ), 114 ( Cys ), 127 ( Lys )及び129 (Va
l )を包含し、そして図1においては“b”として示される推定上のリガンド− 結合腔が形成される。
【0044】 Zlipolのさらなる特徴は、アミノ酸残基44−45(Arg Arg), 47−48 ( Arg Ly
s ), 82−83 ( Arg Lys ), 96−97(Arg Lys)、106−107(Arg Arg)、144−
145(Lys lys) 及び149−150(Arg Lys)で見出される複数の二塩基性アミノ 酸を包含する。それらの二塩基性解裂部位は、プロホルモン転換酵素(convertar
e)のための有力な解裂部位である。しかしながら、制限された二塩基性組み合わ
せ(すなわち、Lys Lys; Lys Arg; Arg Arg及びArg Lys )が存在するので、 一塩基性解裂部位が多くのポリペプチドに保存される。短いペプチドをもたらす
二塩基性プロホルモン転換酵素部位での分解は、大きなポリペプチドからの短い
神経ペプチドの生成において共通する。
【0045】 Zlipolの有意なドメイン、領域又はモチーフにおける高度に存在されたアミノ
酸は、新規ファミリーメンバーを同定するための手段として使用され得る。たと
えば、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)は、種々の組織源又は細胞源か
ら得られたRNAからの保存された領域、たとえばβ−鎖領域及びリガンド−結合 腔をコードする配列を増幅するために使用される。特に、zlipol 配列から企画 された高度に縮重性のプライマーがこの目的のために有用である。
【0046】 本発明はまた、ポリヌクレオチド分子、たとえば本明細書に開示されるzlipol
ポリペプチドをコードするDNA及びRNA分子を提供する。当業者は、遺伝子コード
の縮重の観点から、相当の配列変動がそれらのポリヌクレオチド分子間で可能で
あることを容易に認識するであろう。配列番号5は、zlipolをコードするすべて
のDNAを包含する縮重DNA配列である。当業者はまた、UとTとを置換することによ
って、配列番号2をコードするすべてのRNA配列も提供する。
【0047】 従って、配列番号5のヌクレオチド1−510を含んで成るzlipolポリペプチドを コードするポリヌクレオチド及びそれらのRNA相当物は、本発明により包含され る。表1は、縮重ヌクレオチド位置を示すために、配列番号5内に使用される1 文字コードを示す。“解”は、コード文字により示されるヌクレオチドである。
“相補体”とは、相補的ヌクレオチドのためのコードを示す。たとえば、コード
YはC又はTのいずれかを示し、そしてその相補体RはA又はGを示し、AはTに対して
相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
【0048】
【表1】
【0049】 与えられたアミノ酸のためのすべての可能なコドンを包含する配列番号5に使
用される縮重コドンが表2に示される。
【表2】
【0050】 当業者は、いくらかのあいまいさが、個々のアミノ酸をコードするすべての可
能なコドンの代表である縮重コドンの決定において導入されることを理解するで
あろう。たとえば、セリン(WSN)のための縮重コドンは、ある環境下で、アル ギニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)のための縮重
コドンは、ある環境下で、セリン(AGY)をコードすることができる。類似する 関係が、フェニルアラニン及びロイシンをコードする間に存在する。
【0051】 従って、縮重配列により包含されるいくつかのポリヌクレオチドは、変異体ア
ミノ酸配列をコードすることができるが、しかし当業者は、配列番号2のアミノ 酸配列への言及によりその様な変異体配列を容易に同定することができる。変異
体配列は、本明細書に記載のようにして官能性について容易に試験され得る。
【0052】 本発明によれば、ポリヌクレオチドが本明細書に記載のようにして特許請求さ
れる場合、特許請求されるものはセンス鎖、アンチセンス鎖、及びそれらのそれ
ぞれの水素結合により一緒にアニーリングされたセンス鎖及びアンチセンス鎖の
両方を有する二本鎖としてのDNAであることが理解されることが認識されるべき である。また、本発明のポリペプチドをコードするmRNAも特許請求され、そし てmRNAは本明細書に記載されるcDNAによりコードされる。mRNAは、本明細書 において定義だれたコドンを用いて、ポリペプチドをコードするが、但し個々の
チミンヌクレオチド(T)がウラシルヌクレオチド(U)により置換されている。
【0053】 当業者はまた、異なった種が“選択的コドン使用法”を示すことも理解するで
あろう。一般的には、Grantham,など., Nuc. Acids Res. 8: 1893−912, 1980;
Haas, など., Curr. Biol. 6: 315−24, 1996; Wain−Hobson、など.,Gene 1
3:355−64,1981;Grosjean and Fiera,Gene 18:199−209、1982;holm,N
uc.Acids Res.14:3075−87、1986;Ikemura,J.Mol.Biol.158:573−97
,1982を参照のこと。本明細書において使用される場合、用語、“選択的コドン
しよう方法”又は“選択的コドン”とは、一定の種の細胞に最も頻繁に使用され
、従って個々のアミノ酸をコードする可能なコドンの1又は少数の代表を好むタ
ンパク質翻訳コドンを意味する技術的用語である(表2を参照のこと)。
【0054】 たとえば、アミノ酸トレオニン(Thr)は、ACA,ACC,ACG 、又はACT によりコ ードされるが、しかし哺乳類細胞においては、ACC が最も通常に使用されるコド
ンであり;他の種においては、たとえば昆虫細胞、酵母、ウィルス又は細菌にお
いては、異なったThr コドンが好ましい。特定の種のための選択的コドンは、当
業界において知られている種々の方法により、本発明のポリヌクレオチド中に導
入され得る。
【0055】 たとえば、組換えDNA中への選択的コドン配列の導入は、特定の細胞型又は
種内でタンパク質の翻訳により効果的にすることによって、そのタンパク質の生
成を増強する。従って、配列番号5に開示される縮合コドン配列は、当業界にお
いて通常使用され、そして本明細書において開示される種々の細胞型及び種にお
いてポリペプチドの発現を最適化するための鋳型として作用する。選択コドンを
含む配列は、種々の種における発現について試験され、そして本明細書に開示さ
れる官能性について試験され得る。
【0056】 本発明の好ましい態様においては、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号
1の類似するサイズの領域又はそれに対して相補的な配列に対して、緊縮条件下
でハイブリダイズするであろう。一般的に、緊縮条件は、定義されたイオン強度
及びpHで、特定の配列のための熱溶融点(Tm)よりも約5℃低くあるよう選
択される。Tmは、標的配列の50%が好ましく適合されたプローブに対してハ
イブリダイズする温度(定義されたイオン強度及びpH下で)である。典型的な
緊縮条件は、塩濃度がpH7で約0.03M までであり、そして温度が少なくとも約
60℃である条件である。
【0057】 前で示されたように、本発明の単離されたポリヌクレオチドは、DNA及びRNAを
包含する。DNA及びRNAを調製するための方法は、当業界においてよく知られてい
る。一般的に、RNAは多量のzlipol RNAを生成する組織又は細胞から単離される
。そのような組織及び細胞は、ノザンブロットにより同定され(Thomas, Proc.
Natl. Acad. Sci. USA 77: 5201, 1980),そして精巣、乳腺及び乳癌組織を包含
する。全RNAは、グアニジウムイソチオシアネート抽出、続くCsClグラジエント における遠心分離による単離により調製され得る(Chirgwinなど.,Biochemistry
18: 52−94, 1979)。
【0058】 ポリ(A)+ RNAは、Aviv and Leder (Proc.Natl. Acad. Sci.USA 69: 1408−
1412, 1972 )の方法を用いて全RNAから調製される。相補的DNA(cDNA)は、既 知の方法を用いて、ポリ(A)+ RNAから調製される。他の方法においては、ゲ ノムDNAが単離され得る。次に、zlipolポリペプチドをコードするポリヌクレオ チドが、たとえばハイブリダイゼーション又はPCRにより同定され、そして単離 される。
【0059】 Zlipolをコードする十分な長さのクローンは、従来のクローニング方法により
得られる。相補的DNA(cDNA)クローンが好ましいが、しかしいくつかの用途(
たとえばトランスジェニック動物における発現)のためにはゲノムクローンを使
用するか、又は少なくとも1つのゲノムイントロンを含むようcDNAクローンを 修飾することが好ましい。
【0060】 cDNAおよびゲノムクローンを調製するための方法は、よく知られており、そ して当業者のレベルの範囲内であり、そしてライブラリーをプローブし、又はプ
ライミングするために本発明に開示される配列又はその一部の使用を包含する。
発現ライブラリーは、zlipolに対する抗体、受容体フラグメント、又は他の特定
の結合パートナーによりプローブされ得る。
【0061】 本発明のポリヌクレオチドはまた、当業者に良く知られている方法を用いて合
成され得る。Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology, Principles & A
pplications of Recombinant DNA, (ASM Press , Washington, D.C. 1994 ); It
akura など., Annu. Rev. Biochem. 53: 323−56, 1984, 及びClimie など., Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 633−7, 1990を参照のこと。
【0062】 本発明はさらに、他の種(オルト体)からの対応物ポリペプチド及びポリヌク
レオチドを提供する。これらの種は、哺乳類、鳥類、両性類、ハ虫類、魚類、昆
虫及び他の脊椎及び無脊椎動物種を包含するが、但しそれらだけには限定されな
い。特に興味あるものは、他の哺乳類種、たとえばネズミ、ブタ、羊、ウシ、犬
、ネコ、馬及び他の霊長類ポリペプチドからのzlipol ポリペプチドである。ヒ トzlipolのオルト体は、従来のクローニング技法と組み合わせて、本発明により
提供される情報及び組成物を用いてクローン化され得る。
【0063】 たとえば、cDNAは、本明細書に開示されるようにzlipolを発現する組織又は 細胞型から得られるmRNAを用いてクローン化され得る。mRNAの適切な源は、本
明細書に開示される配列から企画されたプローブによりノザン ブロットをプロ
ーブすることによって同定され得る。次に、ライブラリーが陽性の組織又は細胞
系のmRNAから調整される。次に、zlipolコードcDNAが種々の方法、たとえば完
全な又は部分的なヒトcDNAにより、または前期開示される配列に基づく1又は 複数の縮重プローブにより、プローブすることによって単離され得る。
【0064】 cDNAはまた、本明細書に開示される代表的なヒトzlipol配列から企画された プライマーを用いて、ポリメラーゼ連鎖反応又はPCR(Mullis, アメリカ特許第4
,683,202号)を用いてもクローン化され得る。さらなる方法においては、cDNA ライブラリーが宿主細胞を形質転換し、又はトランスフェクトするために使用さ
れ、そして注目のcDNAの発現がzlipolポリペプチドに対する抗体により検出さ れ得る。類似する技法がまた、ゲノムクローンの単離に適用され得る。
【0065】 当業者は、配列番号1に開示される配列がヒトzlipolの単一の対立遺伝子を表
し、そして対立遺伝子変異及び他のスプライシングが生じることが予測されるこ
とを認識するであろう。Zlipolポリペプチドの性質を保持している、交互にスプ
ライシングされたmRNAから生成されるcDNAは、そのようなcDNAおよびmRNAに
よりコードされるポリペプチドと同様に、本発明の範囲内に包含される。それら
の配列の対立遺伝子変異体及びスプライス変異体は、当業者において知られてい
る標準の方法に従って、異なった個人又は組織からのDNA又はゲノムライブラリ ーをプローブすることによってクローン化され得る。
【0066】 本発明はまた、配列番号2のポリペプチドに対して実質的に相同である単離さ
れたzlipol ポリペプチド及びそれらのオルト体も提供する。用語“実質的に類 似する”とは、配列番号2に示される配列に対して少なくとも60%、好ましく
は少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%の配列同一性を有するポ
リペプチド又はそれらのオルト体を示すために、本明細書において使用される。
そのようなポリペプチドは、配列番号2又はそのオルト体に対して、より好まし
くは少なくとも90%同一であり、そして最も好ましくは95%、96%、97
%、98%又は99%同一であろう。
【0067】 従って、本発明は配列番号2のその対応する領域に対して少なくとも80%及
びより好ましくは90%又はそれ以上同一である配列を含んで成る152〜17
0個のアミノ酸残基のポリペプチドを包含する。%配列同一性は、従来の方法に
より決定される。たとえば、Altschulなど., Bull. Math. Bio. 48 : 603−616,
1986及びhenikoff and Henikoff, Pruc.Natl. Acad. Sci. USA 89 :10915−109
19, 1992を参照のこと。
【0068】 手短に言及するば、2種のアミノ酸配列が、10のギャップ開始ペナルティー
、1のギャップ拡張ペナルティー、及び表3(アミノ酸は標準の1文字コードに
より示される)に示されるようなHenikoff and Henikoff (前記)の“blosum 6
2”評点マトリックスを用いて、その整合評点を最適化するために整合される。
【0069】
【表3】
【0070】 次に、同一性%が次のようにして計算される:
【数1】 ポリヌクレオチド分子の配列同一性が、上記に開示されるような割合を用いて
、類似する方法により決定される。
【0071】 変異体zlipolポリペプチド又は実質的に相同のzlipolポリペプチドは、1又は
複数のアミノ酸置換、欠失又は付加を有するものとして特徴づけられる。それら
の変化は、好ましくは、保存性アミノ酸置換(表4を参照のこと)及びポリペプ
チドの折りたたみ又は活性に実質的に影響を及ぼさない他の置換;小さな欠失、
典型的には1〜約30個のアミノ酸の欠失;及び小さなアミノ−又はカルボキシ
ル−末端の延長、たとえばアミノ−末端メチオニン残基、又は約20〜25個ま
での残基の小さなリンカーペプチド、又は親和性標識、の延長である。親和性標
識を含んで成るポリペプチドはさらに、zpipolポリペプチドと親和性標識との間
にタンパク質分解部位を含む。好ましいそのような部位は、トロンビン分解部位
及び第Xa因子分解部位を含む。
【0072】
【表4】
【0073】 本発明は、さらに、種々の他のポリペプチド融合体、及び1又は複数のポリペ
プチド融合体を含んで成る関連するマルチマータンパク質を提供する。たとえば
、zlipol ポリペプチドは、アメリカ特許第5,155,027号及び第5,567,584号に開 示されるように、二量体化タンパク質への融合体として調製され得る。これに関
する好ましい二量体化タンパク質は、免疫グロブリン定常領域ドメインを包含す
る。免疫グロブリン−zlipol ポリペプチド融合体は、種々のマルチマーzlipol 類似体を生成するために遺伝子的に構築された細胞において発現され得る。
【0074】 補助ドメインは、zlipolポリペプチドを特定の細胞、組織又は高分子(たとえ
ば、コラーゲン)に対して標的化するためにそれらに融合され得る。たとえば、
zlipol ポリペプチド又はタンパク質は、標的細胞の表面上の受容体に特異的に 結合するリガンドにzlipolポリペプチドを融合することによって、予定された細
胞型に標的化され得る。
【0075】 この手段においては、ポリペプチド及びタンパク質は、治療又は診断目的のた
めに標的化され得る。Zlipolポリペプチドは、精製のために複数の成分、たとえ
ば親和性標識及び標的化ドメインに融合され得る。ポリペプチド融合体はまた、
特にドメイン間に、1又は複数の解裂部分を含むことができる。Tuanなど.,Conn
ective Tissue Research 34 : 1−9, 1996を参照のこと。
【0076】 本発明はまた、非天然アミノ酸残基を含んで成ることができる。非天然アミノ
酸は、トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタノプロリン、シス−4−ヒ ドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、 アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキ
シエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、
チアゾリジンカルボン酸、デヒドロプロリン、3−及び4−メチルプロリン、3
,3−ジメチルプロリン、tert−ロイシン、ノルバリン、2−アザフェニルアラ ニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、及び4−フルオ
ロフェニルアラニンを包含する。
【0077】 非天然アミノ酸残基をタンパク質中に導入するためのいくつかの方法が当業界
において知られている。たとえばナンセンス突然変異が化学的にアミノアシル化
されたサプレッサーtRNAを用いて抑制されるインビトロシステムが使用され得る
。アミノ酸を合成し、そしてtRNAをアミノアシル化するための方法は、当業者 において知られている。ナンセンス突然変異を含むプラスミドの転写及び翻訳は
、E.コリS30抽出物及び市販の酵素及び他の試薬の含んで成る細胞フリーシステ ムにおいて実施される。タンパク質は、クロマトグラフィーにより精製される。
【0078】 たとえば、Rovertsonなど., J. Am. Chem. Soc. 113:2722, 1991; Ellman な ど., Meth. Enzymol. 202: 301,1991; Chung など., Science 259: 806−09, 19
93; 及びChungなど., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 10145−49, 1993を参照
のこと。第2の方法においては、翻訳は、突然変異誘発されたmRNA及び化学的 にアミノアミル化されたサプレッサ−tRNAのマイクロインジェクションにより アフリカツメガエル卵母細胞において行われる( Turcatti など., J. Biol. Che
m. 271: 1991−98, 1996 ). 第3の方法においては、E.コリ細胞が、置換される
予定である天然のアミノ酸(たとえば、フェニルアラニン)の不在下で及び所望
する非天然アミノ酸(たとえば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニル
アラニン、4−アザフェニルアラニン又は4−フルオロフェニルアラニン)の存
在下で培養される。非天然アミノ酸は、その天然の対応物の代わりにタンパク質
中に導入される。
【0079】 Koide など., Biochem. 33: 7470−46, 1994素参照のこと。天然に存在するア
ミノ酸残基は、インビトロ化学的に修飾により非天然的に存在する主に転換され
得る。科学的修飾は、置換の範囲をさらに拡張するために特定部位の突然変異誘
発と組み合わされ得る(Wynn and Richards, Protein Sci. 2: 395−403, 1993)
【0080】 限定された数の非保存性アミノ酸、遺伝子コードによりコードされるアミノ酸
、非天然低に存在するアミノ酸、及び非天然のアミノ酸が、zlipolアミノ酸によ
り置換され得る。 本発明のポリペプチドにおける必須アミノ酸は、当業界において知られている
方法、たとえば部位特定の突然変異誘発又はアラニン−走査突然変異誘発により
同定され得る(Cunningham and Wells, Science 244: 1081−1085, 1989; Bass など., Proc. Natl. Scad. Sci. USA 88: 4498−502, 1991)。
【0081】 後者の技法においては、単一のアラニン突然変異が分子中のあらゆる残基で導
入され、そして得られる変異体分子が、前記分子の活性に対して決定的であるア
ミノ酸残基を同定するために、下記に開示されるようして、生物学的活性につい
て試験される。また、Hiltonなど., J. Biol. Chem. 271: 4699−5708, 1996を 参照のこと。
【0082】 リガンド−受容体相互作用の部位はまた、推定上の接触部位アミノ酸の突然変
異に関して、核磁気共鳴、結晶学、電子回折又は光親和性ラベリングのような技
法により決定され得る。たとえば、de Vos など.,Science 255: 306−312, 1992
; Smith など., J. Mol. Biol. 224: 899−904, 1992; Wlodaver など., FEBS L
ett. 309: 59−64, 1992を参照のこと。必須アミノ酸の同一性は、関連するリポ
カリンによる相同体の分析からも推定され得る。
【0083】 アミノ酸配列変更は、生物学的活性に必須の高次(higher order)構造体の分布
を最少にするためにzlipolポリペプチドにおいて実施される。これに関しては、
天然の配列の全体的な親水性プロフィールを保持することが一般的に好ましい。
配列番号2に示される配列の親水性プロフィールが、図1に示される。
【0084】 複数アミノ酸置換は、突然変異誘発及びスクリーニングの既知方法、たとえば
Reidhaar−Olson and Sauer (science 241: 53−57, 1988)又はBowie and Sau
er( Proc. Natl. Acad. Sci. USA86:2152−2156,1989 )により開示される方法
を用いて行われ、そして試験される。手短に言及すれば、それらの著者は、ポリ
ペプチドにおける複数の位置を同時ランダム化し、機械的ポリペプチをスクリー
ン試し、そして次に個々の位置での可能な置換の範囲を決定するために、突然変
異誘発されたポリペプチドを配列決定するための方法を開示する。
【0085】 使用され得る他の方法は、ファージ表示(たとえば、Lowman など., Biochem.
30 : 10832−10837,1991; Ladner など., アメリカ特許第5,223,409号; Huse,
WIPO公開WO 92/06204号)、及び領域−指図された突然変異誘発(Derbyshire など., Gene 46 : 145, 1986; Ner など., DNA 7 : 127, 1988 )を包含する。
【0086】 開示されたzlipol DNA及びポリペプチド配列の変異体は、Stemmer, Nature 37
0 : 389−91, 1994, Stemmer, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91: 10747−51, 19
94及びWIPO公開WI97/20078により開示されるように、DNA シャフリングを通し
て生成され得る。手短に言及すれば、変異体DNAが、ランダムに導入された点突 然変異をもたらす、親DNAのランダム断片化、続く、PCRを用いてのアセンブリー
によるインビトロ相同組換えにより生成される。
【0087】 この技法は、前記工程中に追加の変動性を導入するために、親DNAのファミリ ー、たとえば異なった種からの対立遺伝子変異体又はDNAを用いて改良され得る 。所望の活性の選択又はスクリーニング、突然変異誘発及びアッセイの続くさら
なる相互作用が、有害な変化に対して同時に選択しながら、所望の突然変異につ
いて選択することによって、配列の急速な“進化”を提供する。
【0088】 本明細書に開示されるような突然変異誘発方法は、宿主細胞におけるクローン
化された突然変異誘発ポリペプチドの活性を検出するために高処理量の自動化さ
れたスクリーニング方法と組み合わされ得る。活性ポリペプチドをコードする突
然変異誘発されたDNA分子が、宿主細胞から回収され、そしてすぐに、近代的装 置を用いて配列され得る。それらの方法は、興味あるポリペプチドにおける個々
のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能にし、そして未知の構造のポリペプ
チドに適用され得る。
【0089】 本発明のzlipolポリペプチド、たとえば十分な長さのポリペプチド、生物学的
活性のフラグメント及び融合ポリペプチドは、従来の技法に従って、遺伝的に増
築された宿主細胞において生成され得る。適切な宿主細胞は、外因性DNAにより 形質転換又はトランスフェクトされ得、そして培養において増殖され得るそれら
の細胞型であり、そして細菌、菌類細胞、及び培養された高等真核細胞を包含す
る。
【0090】 真核細胞、特に多細胞生物の培養された細胞が好ましい。クローン化されたDN
A分子を操作し、そして種々の宿主細胞中に外因性DNAを導入するための技法は次
の文献に開示される:Sambrool など., Molecular Cloning : A Laboratory Man
ual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N
Y, 1989, 及びAusubel など., eds., Current Protocol in Molecular Biology,
John Wiley and Sons, Ins., NY, 1987。
【0091】 一般的に本発明のzlipol ポリペプチドをコードするDNA配列は、その発現のた
めに必要とされる他の遺伝子的要素、たとえば一般的に、発現ベクター内の転写
プロモーター及びターミネーターに作用可能に連結される。ベクターはまた、通
常、1又は複数の選択マーカー及び複製起点を含むであろうが、しかし当業者は
、一定のシステム内で、選択マーカーが別のベクター上に供給され得、そして外
因性DNAの複製が宿主細胞ゲノム中への組み込みにより供給され得ることを認識 するであろう。プロモーター、ターミネーター、選択マーカー、ベクター及び要
素の選択は、当業者のレベルの範囲内の通常のことである。多くのそのような要
素は文献に記載されており、そして商業的供給者を通して入手できる。
【0092】 Zlipol ポリペプチドを、宿主細胞の分泌経路中に方向づけるために、分泌シ グナル配列(または、リーダー配列、プレプロ配列又はプレ配列としても知られ
ている)が、発現ベクターに提供される。分泌シグナル配列は、Zlipolポリペプ
チドの配列であり得、又はもう1つの分泌されるタンパク質(たとえばt−PA )
に由来し、又は新たに合成され得る。
【0093】 分泌シグナル配列は、zlipol DNA配列に作用可能に連結され、すなわち2つの
配列はリーディングフレームを正しく整合して連結され、そして宿主細胞の分泌
経路中に新しく合成されたポリヌクレオチドを方向づけるように配置される。分
泌シグナル配列は通常、注目のポリペプチドをコードするDNA配列の5' 側に位置
するが、但し一定の分泌シグナル配列は、注目のDNA配列の他の場所に位置する こともできる(たとえば、Welchなど.,アメリカ特許第5,037,743号;Hollandな ど., アメリカ特許第5,143,830号を参照のこと)。
【0094】 あるいは、本発明のポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は、分泌経路中
に他のポリペプチドを方向づけるために使用される。本発明はその様な融合ポリ
ペプチドを供給する。シグナル融合ポリペプチドを製造することができ、この場
合配列番号2の残基1〜残基172由来する分泌シグナル配列が、当業者におい
て知られており、そして本明細書に開示される方法を用いて、他のポリペプチド
に作用可能に連結される。
【0095】 本発明の融合ポリペプチドに含まれる分泌シグナル配列は好ましくは、追加の
ペプチドを分泌経路中に方向付けるために、その追加のペプチドにアミノ末端で
融合される。そのような構造体は、当業界において知られている多くの用途を有
する。たとえば、その新規分泌シグナル配列融合構造体は、通常分泌されないタ
ンパク質の活性成分の分泌を方向づけることができる。そのような融合体は、分
泌経路を通してペプチドを方向づけるためにインビボ又はインビトロで使用され
得る。
【0096】 培養された哺乳類細胞または、本発明内の適切な宿主である。外因性DNAを 哺乳類宿主細胞中に導入するための方法は、リン酸カルシュウム−仲介トランス
フェクション(Wiglerなど., Cell 14 : 725, 1978; Corsaro and Pearson, Som
atic Cell Genetics 7 :603, 1981; Graham など., Virology 52; 456, 1973),
エレクトロポレーション( Neumann など., EMBO J. 1: 841−845, 1982 ); DEAE
−デキストラン仲介トランスフェクション(Ausubel など., 前記)、及びリポ ソーム−仲介トランスフェクション(Hawley −Nelson など., Focus 15: 73, 1
993; Ciccarone など.,Focus 15: 80, 1993 )、並びにウィルス ベクター(M
iller など., BioTechniquea 7 : 980−90, 1989; Wang など., Nature Med. 2:
714−716, 1996 )を包含する。 培養された哺乳類細胞における組換えポリペプチドの生成は、たとえばlevins
on など., アメリカ特許第4,713,339 号; Hagen など., アメリカ特許第4,784,9
50 号; Palmiter など., アメリカ特許第 4,579,821 号; 及びRingold, アメリ カ特許第 4,656,134 号により開示される。培養された適切な哺乳類細胞は、COS
-1(ATCC No. CRL 165)、COS-7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 1632)、
BHK 570 (ATCC No. CRL 10314 )、293 (ATCC No. CRL 1573 ; Graham など., J.
Gen. Viro. 36: 59−72, 1977 )、及びチャイニーズ ハムスター卵巣(たとえ
ば CHO-K1; ATCC No. CCL61 )細胞系を包含する。
【0097】 追加の適切な細胞系は当業界において知られており、そして公的な寄託所、た
とえば American Type Culture Collection, Rockville, Maryland から入手で きる。一般的に、強い転写プロモーター、たとえばSV−40 またはサイトメガロ ウィルスからのプロモーターッが好ましい。たとえば、アメリカ特許第4,956,28
8 号を参照のこと。他の適切なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からの
プロモーター(アメリカ特許 4,579,821 号及び第 4,601,978 号)、アデノウィ
ルス主要後期プロモーターを包含する。
【0098】 薬物選択は一般的に、外来性DNAが挿入されている、培養された哺乳類細胞を 選択するために使用される。そのような細胞は通常、“トランスフェクタント”
として言及される。選択剤の存在下で培養され、そしてそれらの子孫に興味ある
遺伝子を伝達することができる細胞は、“適切なトランスフェクタント”として
言及される。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコ
ードする遺伝子である。選択は、ネオマイシン型薬物、たとえばG-418又は同様 のものの存在下で尾実施される。
【0099】 “増幅”と言及される方法である選択システムは、興味ある遺伝子の発現レベ
ルを高めるためにも使用される。増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランス
フェクタントを培養し、そして次に、導入された遺伝子の生成物を高レベルで生
成する細胞を選択するために選択剤の量を高めることによって実施される。好ま
しい増幅可能選択マーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与するジヒド
ロ葉酸レダクターゼである。他の耐薬物性遺伝子(たとえば、ヒグロマイシン耐 性、複数薬物耐性、ピューロマイシン アセチルトランスフェラーゼ)もまた、 使用され得る。
【0100】 変更された表現型を導入する他のマーカー、たとえば緑色蛍光タンパク質、又
は細胞表面たんぱく質、たとえばCD4, CD8,クラスI MHC、胎盤アルカリ ホス
ファターゼが、FACS 分類又は磁気ビース分離技法のような手段により、トラン
スフェクトされていない細胞とトランスフェクトされた細胞とを分類するために
使用され得る。
【0101】 他の高等真核細胞、たとえば昆虫細胞、植物細胞及び鳥類細胞もまた、宿主と
して使用され得る。昆虫細胞の形質転換、及びそこにおける外来性ポリペプチド
の生成は、Guarino など.,アメリカ特許第5,162,222号;及びWIPO公開WO94/0646
3により公開される。植物細胞において遺伝子を発現する留めのベクターとして のアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes )の使用は、S
inkarなど.、J. Biosci. ( Bangalore ) 11: 47−58, 1987 により再考されてい
る。
【0102】 昆虫細胞は、オートグラファ・カリホルニカ( Autographa californica )核
多角体病ウィルス(AcNPV)に通常由来する組換えバキュロウィルスにより感染 され得る。King, L. A. and Possee, R.D., The Baculovirus Exprossion Syste
m: A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O'Reilly, D. R. ., Baculo
virus Expression Vector: A Laboratory Manual, New York, Oxford Universit
y Press., 1994; 及びRichardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Proto
cols. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を参照
のこと。
【0103】 組換えzlipol バキュロウィルスを製造するための第2の方法は、Luckow ( Lu
ckow, VA, など., J. Virol 67: 4566−79, 1993 ) により記載されるトランス ポゾンに基づくシステムを利用する。トランスファーベクターを利用するこのシ
ステムは、Bac−to−Bac ( TM )キット(Life Technologies, Rockville, MD )として市販されている。
【0104】 このシステムは、“bacmid" と呼ばれる大きなプラスミドとして、E.コリに 維持されるバキュロウィルス ゲノム中に、zlipol ポリペプチドをコードするD
NAを移動せしめるために、Tn7トランスポゾンを含むトランスファーベクター、p
FastBacI (TM ) (Life Technologies )を利用する。Hill−Perkins, M.S. and P
ossee, R.D., J. Gen. Virol. 71: 971−6, 1990; Bonning, B.C. など., J. Ge
n. Virol. 75: 1551−6, 1994; 及びChazenbalk, G. D., and Rapoport, B., J
. Biol Chem. 270: 1543−9,1995 を参照のこと。
【0105】 さらに、トランスファーベクターは発現されたzlipol ポリペプチドのC−又は
N−末端でエピトープ標識、たとえばGlu−Glu エピトープ標識をコードするDNA
とのイン−フレーム融合体を含むことができる(Grussenmeyer, T. など., Peoc
. Natl. Acad. Sci. 82: 7952−6, 1985).当業界において知られている技法を 用いて、zlipolを含むトランスファーベクターにより、E.コリが形質転換され、
そして組換えバキュロウィルスの表示である断続的lacZ遺伝子を含むbacmida に
ついてスクリーンされる。
【0106】 組換えバキュロウィルスゲノムを含むbacmida DNA が、通常の技法を用いて単
離され、そしてスポドプテラ・フルギペルダ( Spodoptera frugiperda )細胞 、たとえばSf9 細胞をトランスフェクトするために使用される。Zlipolを発現す
る組換えウィルスが結果的に生成される。組換えウィルスストックは、当業者に
おいて通常使用される方法により製造される。
【0107】 組換えウィルスは、宿主細胞、典型的には、アワヨトウの幼虫、スポドプテラ
・フルギペルダに由来する細胞系を感染せしめるために使用される。一般的には
、Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and Applicati
on of Recombinant DNA, ASM Prss, Washington, D.C., 1994を参照のこと。も う1つの適切な細胞系は、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)に由来するH
igh FiveO(TM) 細胞系〈Invitrogen〉である(アメリカ特許第5,300,435号)。
【0108】 市販の血清フリー倍地が、細胞を増殖し、そして維持するために使用される。
適切な倍地は、Sf9細胞のためには、sf900II(TM) (Life Technologies),又はEST
921(TM)(Expression Systems); 及びT. ni 細胞のためには、Ex−CellO405(T
M)(JRH Biosciences, Lenza, KS)又はExpress FiveO(TM)(Life Technologies
)である。
【0109】 細胞は、約2〜5×105個の細胞〜1〜2×106個の細胞の接種密度から増
殖され、この時点で、組換えウィルスストックが、0.1~10,より典型的にはほぼ 3の感染の多重度(MCI)で添加される。使用される方法は一般的に、入手でき る実験用マニュアルに記載されている(King, L. A. and Possee, R. D., 前記;
O'Reilly, D. R. など., 前記;Richardson, C. D., 前記)。上清液からのzli
polポリペプチドの続く精製は、本明細書に記載される方法を用いて達成され得 る。
【0110】 菌類細胞、たとえば酵母細胞はまた、本発明内で使用され得る。これに関して
、特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cere
visiae), ピチア・パストリス(Pichia pastoris)及びピチア・メタノリカ(pi
chia methanolica) を包含する。外因性DNAによりS. セレビシアエ細胞を形質 転換し、そしてそれから組換えポリペプチドを生成するための方法は、たとえば
Kawasaki, アメリカ特許第4,599,311号;Kawasaki など., アメリカ特許第4,931
,373号;Brake, アメリカ特許第4,870,008号;Welchなど., アメリカ特許第5,03
7,743号;及びMurray など., アメリカ特許第4,845,075号により開示される。
【0111】 形質転換された細胞は、選択マーカー、通常、耐薬物性、又は、特定の栄養物
(たとえばロイシン)の不在下で増殖する能力により決定される表現型により選
択される。サッカロミセス・セレビシアエへの使用のための好ましいベクターシ
ステムは、グルコース含有倍地における増殖により形質転換された細胞の選択を
可能にする、Kawasaki など. (アメリカ特許第4,931,373号)により開示されるPO
T1ベクターシステムである、酵母への使用のための適切なプロモーター及びタ ーミネーターは、解糖酵素遺伝子(たとえば、Kawasaki, アメリカ特許第4,599,
311号;Kingsmanなど., アメリカ特許第4,615,974号;及びBitter, アメリカ特 許第4,977,092 号を参照のこと、及びアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子からの
ものを包含する。
【0112】 また、アメリカ特許第4,990,446 号;第5,063,154号;第5,139,936 号;及び 第4,661,454号を参照のこと。他の酵素、たとえばハンセヌラ・ポリモルファ(H
ansenula polymorpha)、シゾサッカロミセス・ポンベ( Schizosaccharomyces
pombe )、クルイベリミセス・ラクチス( Kluyveromyces lactis )、クルイベ
リミセス・フラギリス(Kluyveromyces fragilis )、ウスチラゴ・マイジス(
Ustilago maydis )、ピチア・パストリス( Pichia pastoris )、ピチア・グ イレルモンジ( Pichia guillermondii )、及びカンジタ・マルトサ(Candida
maltosa )のための形質転換システムは、当業界において知られている。
【0113】 たとえば、Gleeson など., J. Gen. Microbiol. 132: 3459−3465, 1986 及び
Cregg, アメリカ特許第4,882,279 号を参照のこと。アスペルギラス細胞は、Mck
night など.,アメリカ特許第4,935,349号の方法に従って使用され得る、アクレ モニウム・クリソゲナム(Acremonium chrysogenum)を形質転換するための方法
は、Sumino ., アメリカ特許第5,162,228号により開示される。ニューロスポラ (Neurospora)を形質転換するための方法は、Lambowitz, アメリカ特許第4,486
,533号により開示される。
【0114】 組換えタンパク質の生成のための宿主としてのピチア・メタノリカの使用は、
WIPO公開WO97/17450, WO97/17451、WO98/02536及びWO98/02565に開示される。P.
メタノリカの形質転換に使用するためのDNA分子は通常、形質転換の前、好まし くは線状化される、二本鎖の環状プラスミドとして調製されるであろう。P.メタ
ノリカにおけるポリペプチド生成のためには、プラスミドにおけるプロモーター
及びターミネーターは、P.メタノリカ遺伝子、たとえばP.メタノリカ アルコー
ル利用遺伝子(AUG1又はAUG2)のものであることが好ましい。
【0115】 他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトン シンターゼ(DHAS)、ギ
酸デヒドロゲナーゼ(FMD)、及びカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを包含する。
宿主染色体中へのDNAの組み込みを促進するためには、宿主DNA配列を両端に有す
るプラスミドの完全な発現セグメントを有することが好ましい。ピチア メタノ
リカへの使用のための好ましい選択マーカーは、アデニンの不在下でade2宿主細
胞の増殖を可能にする、ホスホリボシル−5−アミノイミダゾール カルボキシ
ラーゼ(AIRC; EC. 4.1.1.21)をコードするP.メタノリカADEZ遺伝子である。
【0116】 メタノールの使用を最少にすることが所望される大規模産業方法のためには、
両メタノール利用遺伝子(AUG1及びAUG2)が欠失されている宿主細胞を使用する
ことが好ましい。分泌されたタンパク質の生成のためには、液胞プロテアーゼ遺
伝子(PEP4及びPRB1)を欠いている宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーショ
ンが、P.メタノリカ細胞中への、興味あるポリペプチドをコードするDNAを含む プラスミドの導入を促進するために使用される。2.5〜4.5kv/cm,好ましくは約3.
75kv/cmの電場の強さ、及び1〜40m秒、最も好ましくは約20m秒の時定数を有する
、指数的に減衰する、パルスされた電場を用いて、エレクトロポレーションによ
りP.メタノリカ細胞を形質転換することが好ましい。
【0117】 原核宿主細胞、たとえば細菌E.コリ、バシラス及び他の属の菌株はまた、本発
明において有用な宿主細胞である。それらの宿主を形質転換し、そしてそこにク
ローン化される外来性DNA配列を発言するための技法は、当業界において良く知 られている(たとえば、Sambrookなど., 前記を参照のこと)。細菌、たとえばE
.コリにおいてzlipolポリペプチドを発現する場合、そのポリペプチドは、典型 的には不溶性顆粒として細胞質の保持され得、又は細菌の分泌配列により細胞周
辺腔ニ向けられ得る。
【0118】 前者の場合、細胞は溶解され、そして顆粒が回収され、そしてたとえばグアニ
ジンイソチオシアネート又はウレアを用いて変成される。次に、変成されたポリ
ペプチドが再生され、そしてたとえばウレア、及び還元された及び酸化されたグ
ルタチオンの組み合わせの溶液に対する透析、続く緩衝溶液に対する透析により
、前記変成体を希釈することによってニ量体化され得る。後者の場合、ポリペプ
チドは、細胞周辺腔の内容物を開放するために細胞を破壊し(たとえば、音波処
理又は浸透ショックにより)、そしてタンパク質を回収することによって、細胞
周辺腔から可溶性及び機能性形で回収され、それにより、変性及び再生のための
必要性を回避することができる。
【0119】 形質転換された又はトランスフェクトされた宿主細胞は、選択された宿主細胞
の増殖のために必要とされる栄養物及び他の成分を含む培養培地において、従来
の方法に従って培養される。種々の適切な培地、たとえば定義された培地及び複
合培地は、当業界において知られており、そして一般的には、炭素源、窒素源、
必須アミノ酸、ビタミン及び鉱物を含む。培地はまた、必要とされる場合、成長
因子又は血清のような成分も含むことができる。
【0120】 増殖培地は一般的に、外因的に付加されたDNAを含む細胞を、たとえば発現ベ クター上に担持される選択マーカーにより補足され、又は宿主細胞中に同時トラ
ンスフェクトされる必須栄養物における薬物選択又は栄養欠乏により選択するで
あろう。P.メタノリカ細胞は適切な炭素源、窒素源及び微量栄養物を含んでなる
培地において、約25℃の温度で培養される。
【0121】 液体培養物は、従来の手段、たとえば小さなフラスコの振盪又は発酵器のスパ
ージングにより十分なエアレーションを提供される。P.メタノリカのための好ま
しい培養培地は、YEPD(2%D−グルコース、2%のBacto(TM)ペプトン(Difco
Laboratories, Detroit, MI), 1%のBacto(TM) 酵母抽出物(Difco Laboratori
es), 0.004%のアデニン及び0.006%のL−ロイシン)である。
【0122】 80%以上の純度、より好ましくは90%以上の純度、さらにより好ましくは
95%以上の純度に本発明のポリペプチドを生成することが好ましく、そして汚
染性高分子、特に他のタンパク質及び核酸に関して、99.9%以上の純度であ
り、そして感染及び発熱剤を有さない医薬的に純粋な状態が特に好ましい。好ま
しくは、精製されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源の他のポ
リペプチドを実質的に有さない。
【0123】 発現された組換え体zlipol ポリペプチド(又はキメラzlipolポリペプチド) は、分別及び/又は従来の精製方法及び媒体を用いて精製され得る。硫酸アンモ
ニウム沈殿及び酸又はカオトロピック剤抽出がサンプルの分別のために使用され
得る。典型的な精製段階は、ヒドロキシアパタイト、サイズ排除、FPLC及び逆相
高性能液体クロマトグラフィーを包含する。適切なクロマトグラフィー用媒体は
、誘導体化されたデキストラン、アガロース、セルロース、ポリアクリルアミド
、特別なシリカ及び同様のものを包含する。
【0124】 PEI、DEAE、QAE及びQ誘導体が好ましい。典型的なクロマトグラフィー用媒体 は、フェニル、ブチル又はオクチル基により誘導体化されたもの、たとえばフェ
ニル−Sepharose FF(pharmacia),Toyopearl ブチル650(Toso Haas, Montgomery
ville, PA)、オクチル−Sepharrose (Pharmacia)及び同様のもの;又はポリア クリル樹脂、たとえばAmberchrom CG71 (Toso Haas)及び同様のものを包含する 。
【0125】 適切な固体支持体は、ガラスビーズ、シリカ基材の樹脂、セルロース樹脂、ア
ガロースビーズ、架橋されたアガロースビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋され
たポリアクリルアミド樹脂及びそれらが使用される条件下で不溶性である同様の
ものを包含する。それらの支持体は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリ
ル基、ヒドロキシル基及び/又は炭水化物成分によるタンパク質の結合を可能に
する反応性基より変性され得る。
【0126】 カップリング化学物質の例は、臭化シアン活性化、N−ヒドロキシスクシンイ ミド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化、ヒドラジド活性化及び
カルボジイミド カップリング化学物質のためのカルボキシル及びアミノ誘導体
を包含する。それらの及び他の固体媒体は当業界において良く知られており、そ
して広く使用されており、そして商業的供給者から入手できる。
【0127】 支持媒体にリガンド又は受容体ポリペプチドを結合するための方法は当業界に
おいて良く知られている。特定方法の選択は、通常のことであり、そして選択さ
れた支持体の性質により一部決定される。たとえば、Affinity Chromatograpy:
Principles & Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988
を参照のこと。
【0128】 本発明のポリペプチドは、たとえばそれらのリガンド−結合又は複合体形成性
質の利用により単離され得る。たとえば、レチノイドを用いての親和性クロマト
グラフィーが、レチノイドにzlipolを結合するために使用され得る(Ferrariな ど., FEBS Lett. 401: 73−77, 1997)。
【0129】 他方では、たとえば、固定された金属イオン吸着(IMAC)クロマトグラフィー
が、ヒスチジンに富んでいるタンパク質、たとえばポリヒスチジン標識を含んで
なるそれらのタンパク質を精製するために使用され得る。手短に言及すれば、ゲ
ルがまず、二価金属イオンにより荷電され、キレートが形成される( Sulkowski,
Trends in Biochem. 3: 1−7, 1985)。ヒスチジンに富んでいるタンパク質が、
使用される金属イオンに依存して、異なった親和性を有するこのマトリックスに
吸着され、そして競争溶出、pHの低下、又は強いキレート化剤の使用により溶 出されるであろう。
【0130】 他の精製方法は、レクチン親和性クロマトグラフィー及びイオン交換クロマト
グラフィーによるグリコシル化されたタンパク質の精製を包含する(Methods in
Enzymol., Vol. 182, "Guide to Protein Purification", M. Deutscher, ( ed
.), Acad. Press, San Diego, 1990, pp. 529−39)。本発明のさらなる態様に おいては、興味アルポリペプチド、及び親和性標識(たとえばマルトース−結合
タンパク質、免疫グロブリンドメイン)の融合体が、精製を促進するために構成
され得る。
【0131】 さらに、当業界において知られている方法を用いて、ポリペプチド融合体、又
はハイブリッドzlipolタンパク質が、他のヒトリポカリンファミリーのタンパク
質又は異種タンパク質の領域又はドメインと組み合わせて、本発明のzlipolの領
域又はドメインを用いて構成される(Sambrookなど., 前記., Altschul など.,
前記., Picard, D. Cur. Opin. Biology, 5: 511−515, 1994 及びそこにおける
引例)。
【0132】 それらの方法は、注目のポリペプチドにおけるより大きなドメイン又は領域の
生物学的重要性の決定を可能にする。そのようなハイブリッドは、反応運動学、
及び結合を変更し、基質特異性を制限し、又は拡張し、又はポリペプチドの組織
及び細胞局在化を変え、そして未知の構造のポリペプチドに適用され得る。
【0133】 融合ポリペプチドは、融合タンパク質の個々の成分を調製し、そしてそれらを
化学的に接合することによって、当業者に知られている方法により調製され得る
。あるいは、正しいリーディングフレームで融合タンパク質の1又は複数の成分
をコードするポリヌクレオチドが、既知の技法を用いて生成され、そして本明細
書に記載される方法により発現され得る。たとえば、生物学的機能を付与するド
メインの一部又はすべては、本発明のzlipol 間で、他のファミリーメンバー、 たとえばvon Ebner's 腺タンパク質又は精巣上体レチノイン酸結合タンパク質に
より置換され得る。
【0134】 そのようなドメインは、分泌シグナル配列、保存されたモチーフ(たとえば、
β−鎖、ヘリックス及びα−ヘリックス)及びリポカリンファミリーの他のメン
バーにおける対応する構造体を包含するが、但しそれだけには限定されない。そ
のような融合タンパク質は、本発明の又は他の既知のリポカリン ファミリーの
タンパク質のポリペプチドと同じか又は類似する生物学的機能プロフィールを、
構成される融合体に依存して有することが予測される。さらに、そのような融合
タンパク質は、本明細書に開示されるような他の性質を示すことができる。
【0135】 Zlipol ポリペプチド又はそのフラグメントはまた、たとえばMerrifield, J.A
m. Chem.Soc. 85: 2149, 1963; Stewart など., "Solid Phase Peptide Synthes
is" (2nd Edition ), (Pierce Chemical Co., Rockford, IL, 1984 )及びBayer
& Rapp Chem. Pept. Prot. 3: 3 (1986 ); 及びAtherton など., Solid Phase P
eptide Synthesis :A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1989により記 載されるようにして、化学的合成により調製され得る。zlipol ポリペプチドは 、モノマー又はマルチマーであり得;グリコシル化されても又はされなくても良
く;ペギレート化されても又はされなくても良く;そして開始メチオニンアミノ
酸残基を含んでも又は含まなくても良い。
【0136】 本発明のタンパク質は、それらの殺菌性質のために有用である。殺菌活性は、
培養された細胞を用いてインビトロ又は適切な動物モデルに本発明の分子を投与
する事によって、インビボで測定され得る。殺菌活性を試験するためのアッセイ
は、微生物に対して特異的であり、そして一般的に、当業者により知られている
。たとえば、殺菌活性についてのインビボ試験は、適切なブイヨン中、病原性微
生物によりマウスを腹腔内接種することによって実施される。
【0137】 接種の後すぐに、zlipol ポリペプチドを含む組成物が投与され、そして続く 7日間、死亡が記録される。一般的には、投与は静脈内、皮下、腹腔内又は経口
による。たとえば、殺菌剤のインビボ及びインビトロ試験の議論については、Mu
siek など., Antimicrobial Agents Chemother. 3: 40, 1973を参照のこと。
【0138】 インビボ活性について本発明のzlipol 分子を試験するために、zlipol ポリペ
プチドを発現する宿主細胞が、適切な動物モデル中に移植され得る。たとえばト
ランスフェクトたれた(または同時トランスフェクトされた)哺乳類発現宿主細
胞がアルギン酸塩環境下で包埋され、そして受容体動物中に注入(移植)され得
る。アルギネート−ポリ−L−リシン微小封入、透過性膜封入及び拡散チャンバ ーは、トランスフェクトされた哺乳類細胞又は一次哺乳類細胞を捕獲するための
手段である。
【0139】 それらのタイプの非免疫原性“封入”又は微環境は、微環境中への栄養物の移
行、及び捕獲された細胞により分泌され又は開放されるタンパク質及び他の高分
子の受容体動物への拡散を可能にする。最も重要なことには、カプセル又は微環
境は、受容体動物の免疫応答から外来性の包埋された細胞をマスクし、そして遮
断する。そのような微環境は、注入される細胞の寿命を、数時間又は数日(裸細
胞)から数週間(包埋された細胞)まで拡張することができる。
【0140】 アルギン酸糸は、包埋された細胞を生成するための単純且つ迅速な手段を提供
する。アルギン酸糸を生成するために必要とされる材料は、容易に入手でき、そ
して比較的安価である。製造されると、アルギン酸糸は、その糸を用いて得られ
るデータに基づけば、インビトロ及びインビボの両者において、比較的強く且つ
耐久力がある。アルギン酸塩糸は容易に操作でき、そしてその方法論は、多くの
糸の調製のために評価できる。
【0141】 典型的な方法においては、3%のアルギン酸塩が、無菌水において調製され、
そして滅菌濾過される。アルギン酸糸の調製の直前、アルギン酸塩溶液が再び濾
過される。約50%の細胞懸濁液(1ml当たり約5×105個〜約5×107個の
細胞を含む)が3%アルギン酸塩溶液と共に混合される。1mlのアルギン酸塩/
細胞懸濁液が、約15分間にわたって、100mMの滅菌濾過されたCacl2 溶液中
に押し出され、“糸(Thread)”が形成される。
【0142】 押し出された糸は次に、50mMのCacl2の溶液に移され、そして次に25mMのC
acl2の溶液に移される。次に、糸が、脱イオン水によりすすがれ、その後、ポリ
−L−リシンの0.01%溶液においてインキュベートすることによって糸を被覆す る。最後に、糸は乳酸塩化されたリンガー溶液によりすすがれ、そして注射器(
針のない)中に溶液から抜き取られる。次に大きな孔の針がその注射器につけら
れ、そして糸が最少量の乳酸塩化されたリンガー溶液において受容体中の腹腔内
注入される。
【0143】 本発明のタンパク質をアッセイするための別のインビボ アプローチは、ウィ
ルス供給システムを包含する。この目的のための典型的なウィルスは、アデノウ
ィルス、ヘルペスウィルス、ワクシニアウィルス及びアデノ関連ウィルス(AAV )を包含する。アデノウィルス、すなわち二本鎖DNAウィルスは現在、異種拡散 の供給のための最も研究されている遺伝子トランスファーベクターである(T. C
. Becker など., Meth. Cell Bio. 43: 161−89, 1994; 及びJ. T. Douglas and
D.T. Curiel, Science & Medicine 4: 44−53, 1997 を参照のこと)。
【0144】 アデノウィルス システムは次のいくつかの利点を付与する:( i )アデノ ウィルスは比較的大きなDNA挿入体を適応せしめることができ;( ii )高い力 価に増殖され得;( iii )広範囲の哺乳類細胞型を感染せしめ;そして( iv )異なったプロモーターを含む多くの入手できるベクターと共に使用され得る。
また、アデノウィルスは血流において安定しているので、それらは静脈内注射に
より投与され得る。
【0145】 アデノウィルスゲノムの一部が欠失されているアデノウィルスベクターを用い
て、異種DNAの大きな挿入体(7kbまでの)が提供され得る。それらの挿入体は 、直接的な連結により、又は同時トランスフェックトされたプラスミドによる相
同組換えによりウィルスDNA中に導入される。
【0146】 典型的なシステムにおいては、必須E1遺伝子がウィルスベクターから欠失され
、そしてウィルスは、E1遺伝子が宿主細胞(ヒト293細胞系が典型である)によ
り供給されなければ、複製しないであろう。損なわれていない動物に静脈内投与
される場合、アデノウィルスは主に、肝臓を標的化する。アデノウィルス供給シ
ステムがE1遺伝子欠失を有する場合、ウィルスは宿主細胞において複製するこ とができない。
【0147】 しかしながら、宿主の組織(すなわち肝臓)は、異種タンパク質を発現し、そ
してプロセッシングするのであろう(そして、分泌シグナル配列が存在する場合 、分泌する)。分泌されたタンパク質は高く血管化された肝臓において循環に入 り、そして感染された動物に対する効果が決定され得る。
【0148】 アデノウィルスシステムは又また、インビトロでのタンパク質生成のためにも
使用され得る。アデノウィルス感染された非−293細胞を、その細胞が急速に分 裂しないような条件下で培養することによって、前記細胞は長時間、タンパク質
を生成することができる。たとえば、BHK細胞は、細胞工場において集密性まで 増殖され、次に興味ある分泌されたタンパク質をコードするアデノウィルスベク
ターに暴露される。次に、細胞が、有意な細胞分裂を伴わないで、感染された細
胞の数週間の生存を可能にする血清フリー条件下で増殖せしめられる。
【0149】 他方では、アデノウィルスベクター感染された293細胞が、有意な量のタンパ ク質を生成するために、比較的高い細胞密度で、付着細胞として又は懸濁培養に
おいて増殖せしめられ得る( Garnier など., Cytotechnol. 15: 145−55, 1994
を参照のこと)。いずれかのプロトコールにより、発現され、分泌された異種 タンパク質が、細胞培養物の上清液から反復して単離され得る。感染された293S
細胞生成プロトコールを伴わないで、分泌されていないタンパク質が効果的に 得られる。
【0150】 本発明の分子の活性は、疎水性小分子を結合する能力を測定する種々のアッセ
イを用いて測定され得る。そのようなアッセイは、蛍光強度の変化を測定するア
ッセイ(Cogan など., Eur. J. Biochem. 65: 71−78, 1976 )及び水溶性化合 物の平衡透析(Hase など., J. Biochem. 79: 373−380, 1976)を包含するが、
但しそれらだけには制限されない。
【0151】 Zlipol に関して観察される組織分布の観点から、アゴニスト及びアンタゴニ ストは、インビトロ及びインビボ用途において莫大な可能性を有する。Zlipol を包含するzlipol アゴニストとして同定される化合物はl、インビトロ又はイン
ビボのいずれかで疎水性小分子の輸送のために有用である。たとえば、アゴニス
ト化合物は、疎水性小分子を細胞に供給しそして血清に存在する酵素による分解
からそれらを保護するために、所定の細胞培養物の成分として有用である。従っ
て、アゴニストは、培養物において精巣特異的細胞系の増殖及び/又は進化を特
異的に促進することにおいて有用である。
【0152】 Zlipol はまた、その活性のインヒビター(アンタゴニスト)を同定するため にも使用され得る。試験化合物は、zlipol の活性を阻害する化合物を同定する ために、本明細書に開示されるアッセイに添加される。本明細書に開示されるそ
れらのアッセイの他に、サンプルが、受容体結合又はzlipol −依存性細胞応答 の刺激/阻害を測定するよう企画された種々のアッセイにより、zlipol 活性の 阻害について試験され得る。
【0153】 たとえばzlipol −応答性細胞系は、zlipol−刺激された細胞経路に応答する レポーター遺伝子構造体によりトランスフェクトされ得る。このタイプのレポー
ター遺伝子構造体は、当業界において知られており、そして一般的に、アッセイ
できるタンパク質、たとえばルシフェラーゼをコードする遺伝子に操作可能的に
連結されるzlipol−DNA応答要素を含むであろう。DNA応答要素は、サイクリック
AMP応答要素(CRE)、ホルモン応答要素(HRE)、インスリン応答要素(IRE)(
Nasrin など., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 5273−7, 1990)及び血清応答
要素(SRE)(Shaw など., Cell 56: 563−72, 1989)を包含するが、但しそれ らだけには限定されない。サイクリックAMP応答要素は、Roestler など., J. Bi
ol. Chem. 263 (19): 9063−6, 1988及びHabener, Molec. Endocrinol. 4 (8):
1087−94, 1990に総説される。
【0154】 ホルモン応答要素は、Beato, Cell 56: 335−44l, 1989に総説される。候補体
化合物、溶液、混合物又は抽出物は、レポーター遺伝子発現のzlipol 刺激の低 下により明らかなように、標的細胞に対するzlipol の活性を阻害する能力につ いて試験される。このタイプのアッセイは、細胞表面受容体に結合するzlipol を直接的にブロックする化合物、及びレポーターリガンド結合に続く細胞経路に
おける工程をブロックする化合物を検出するであろう。
【0155】 他方では、化合物又は他のサンプルが、検出できるラベル(たとえば125I、ビ
オチン、ホースラディシュ ペルオキシダーゼ、FITC、及び同様のもの)により
標識されるzlipol を用いて、受容体へのzlipol結合の直接的なブロッキングに ついて試験され得る。このタイプのアッセイにおいては、受容体へのラベルされ
たzlipol の結合を阻害する試験サンプルの能力は、二次アッセイを通して確か められ得る阻害活性の表示である。結合アッセイ内に使用される受容体は、細胞
受容体、又は単離され、固定された受容体であり得る。
【0156】 Zlipol ポリペプチドは、免疫グロブリンH鎖定常領域、典型的には2つの定常
領域ドメインを含み、そして可変領域を欠いているFcフラグメントとの融合体と
して発現され得る。そのような融合体を調製するための方法は、アメリカ特許第
5,155,027号及び第5,567,584号に開示される。
【0157】 そのような融合体は典型的には、マルチマー分子として分泌され、ここで前記
分子においては、Fc部分はお互いにジスルフィド結合され、そして2つの非Igポ
リペプチドはお互いに接近して配列されている。このタイプの融合体は、親和性
精製リガンドとして、インビトロアッセイ手段として、及びアンタゴニストとし
て使用され得る。アッセイへの使用のためには、キメラは、Fc領域を通して支持
体に結合され、そしてELISA形に使用される。
【0158】 Zlipol リガンド−結合ポリペプチドはまた、リガンドの精製のためにも使用 される。ポリペプチドは、固体支持体、たとえばアガロース、架橋されたアガロ
ース、ガラス、セルロース樹脂、シリカ基材の樹脂、ポリスチレン、架橋された
ポリアクリルアミド又は使用の条件下で安定している同様の材料のビーズ上に固
定される。
【0159】 固体支持体にポリペプチドを結合するための方法は、当業界において知られて
おり、そしてアミン化学、臭化シアノゲン活性化、N−ヒドロキシスクシンイミ ド活性化、エポキシド活性化、スルフヒドリル活性化及びヒドラジド活性化を包
含する。得られる媒体は一般的に、カラムの形で形状化され、そしてリガンドを
含む流体が、受容体ポリペプチドへのリガンドの結合を可能にするために、カラ
ムに1又は複数回、通される。次に、リガンドが、塩濃度の変化、カオトロピッ
ク剤(グアニジンHcl)、又はリガンド−受容体結合を破壊するpHを用いて溶出
される。
【0160】 リガンド−結合受容体(又は抗体、補体/抗補体対の1つのメンバー)、又はそ
の結合フラグメント、及び市販のバイオセンサー装置(BIAcore, Pharmacia Bio
sensor, Piscataway, NJ)を用いるアッセイシステムが、好都合には、使用され
得る。そのような受容体、抗体、補体/抗補体対のメンバー、又はフラグメント
は、受容体チップの表面上に固定される。この装置の使用は、Karlsson, J. Imm
unol. Methods 145: 229−40, 1991 及びCunningham and Wells, J. Mol.Biol.
234: 554−63,1993により開示される。
【0161】 受容体、抗体、メンバー又はフラグメントは、アミン又はスルフヒドリル化学
を用いて、流動細胞内の金フィルムに結合されるデキストラン繊維に共有結合さ
れる。試験サンプルが細胞に通される。リガンド、エピトープ又は相補体/抗相
補体対の反対のメンバーがサンプルに存在する場合、それは、それぞれ固定され
た受容体、抗体又はメンバーに結合し、金フィルムの表面のプラズモン共鳴の変
化として検出される、媒体の屈折率の変化を引き起こす。このシステムは、オン
−及びオフ−速度の決定を可能にし、これから、結合親和性が計算され、そして
結合の化学量の評価を可能にする。
【0162】 リガンド−結合受容体ポリペプチドはまた当業界において知られている他のア
ッセイシステム内でも使用され得る。そのようなシステムは、結合親和性の決定
のためのスカチャード分析(Scatchard, Ann. NY. Acad. Sci. 51:660−72, 194
9)及び熱量測定アッセイ(Cunningham など., Science 253: 545−48, 1991;Cu
nningham など., Science 245: 821−25, 1991)を包含する。
【0163】 Zlipol ポリペプチドはまた、zlipol エピトープ、ペプチド又はポリペプチド
に特異的に結合する抗体を調製するためにも使用され得る。Zlipolポリペプチド
又はそのフラグメントは、動物を接種し、そして免疫応答を誘発するための剤( 免疫原)として作用する。適切な抗原は、アミノ酸残基42(Glu)〜アミノ酸残基
47 (Arg)、アミノ酸残基41(Pro)〜アミノ酸残基46(Pro),アミノ酸残基82 〈Arg〉〜アミノ酸残基87(Pro),アミノ酸残基81(Met)〜アミノ酸残基86(Pro ),アミノ酸残基103(Glu)〜アミノ酸残基108(Asp),それらの連続した9〜170
個のアミノ酸フラグメントの配列番号2によりコードされるzlipol ポリペプチド
である。
【0164】 個の免疫応答から生成される抗体は、本明細書に記載のようにして、単離され
、そして精製され得る。ポリクローナル及びモノクローナル抗体を調製し、そし
て単離するための方法は、当業界においてよく知られている。たとえば、Curren
t Protocols in Immunology, Cooligan, など., (eds.), National Institutes
of Health, John Wiley and Sons, Inc., 1995; Sambrook など., Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor, NY, 1989
; 及びHurrell, J.G.R., Ed., Monoclonal Hybridoma Antibodies: Techniques
and Applications, CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, 1982 を参照のこと。
【0165】 当業者に明らかなように、ポリクローナル抗体は、種々の温血動物、たとえば
馬、ウシ、ヤギ、羊、犬、鶏、ウサギ、マウス、及びラットから、zlipol ポリ ペプチド又はそのフラグメントにより生成され得る。 Zlipolポリペプチドの免疫性は、アジュバント、たとえばミヨウバン(水酸化
アルミニュウム)又はフロイント完全もしくは不完全アジュバントの使用により
高められ得る。
【0166】 免疫化のために有用なポリペプチドはまた、免疫グロブリンポリペプチド又は
マルトース結合タンパク質との融合体ポリペプチド、たとえばzlipol 又はその 一部の融合体を包含する。ポリペプチド免疫原は、十分な長さの分子又はその一
部であり得る。ポリペプチド部分が“ハプテン−様”である場合、そのような部
分は、免疫化のために、高分子キャリヤー(たとえば、カサガイ ヘモシアニン
(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)又は破傷風トキソイド)に都合良く連結又
は結合され得る。
【0167】 本明細書で使用される場合、用語“抗体”とは、ポリクローナル抗体、親和性
精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体及び抗原結合フラグメント
、たとえばF(ab')2及びFabタンパク質分解性フラグメントを包含する。遺伝子的
に構築された損なわれていない抗体又はフラグメント、たとえばキメラ抗体、Fv
フラグメント、一本鎖抗体及び同様のもの、並びに合成抗原結合ペプチド及びポ
リペプチドもまた包含される。
【0168】 非ヒト抗体は、ヒト骨格及び不変領域上に非ヒトCDRのみを移植することによ って、又は完全な非ヒト可変ドメインを組み込むことによって(任意には、暴露
された残基の置換によってヒト−様表面によりそれらのドメインを“おおう(cl
oaking)”ことによって、ここで結果物は“張り合わされた”抗体である)、ヒ
ト適合され得る。多くの場合、ヒト適合された抗体は、正しい結合特性を増強す
るために、ヒト可変領域骨格ドメイン内に非ヒト残基を保持することができる。
ヒト適合化抗体を通して、生物学的半減期が高められ、そしてヒトへの投与に基
づく有害な免疫反応の可能性が低められる。
【0169】 本発明において有用な抗体を発生させまたは選択する別の技術は、zlipolタン
パク質またはペプチドに対するリンパ球のin vitro暴露、およびファージまたは
同様なベクターにおける抗体ディスプレイライブラリーの選択(例えば、固定化
または標識化されたzlipolタンパク質またはペプチドの使用による)の選択を包
含する。潜在的zlipolポリペプチド結合ドメインを有するポリペプチドをコード
する遺伝子は、ファージ(ファージディスプレイ)または細菌、例えば、大腸菌
(E.coli)上にディスプレイされたランダムペプチドライブラリーをスクリーニ
ングすることによって、得ることができる。 ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列は、多数の方法において、例
えば、ランダム突然変異誘発およびランダムポリヌクレオチド合成により、得る
ことができる。これらのランダムペプチドディスプレイライブラリーを使用して
、既知のターゲットと相互作用するペプチドについてスクリーニングすることが
できる。既知のターゲットは、タンパク質またはポリペプチド、例えば、リガン
ドまたはレセプター、生物学的または合成の高分子、または有機または無機の物
質であることができる。
【0170】 このようなランダムペプチドディスプレイライブラリーを発生させかつスクリ
ーニングする技術は、この分野において知られており(Ladner et al.、米国特 許第5,223,409号;Ladner et al.,米国特許第4,946,778号;Ladner et al.、米
国特許第5,403,484号およびLadner et al.、米国特許第5,571,698号)そしてラ
ンダムペプチドディスプレイライブラリーおよびこのようなライブラリーをスク
リーニングするためのキットは、例えば、クロンテク(Clontech)(カリフォル
ニア州パロアルト)、インビトロゲン・インコーポレーテッド(Invitrogen Inc
.)(カリフォルニア州サンディエゴ)、ニュー・イングランド・バイオラブズ
・インコーポレーテッド(New England Biolabs Inc.)(マサチュセッツ州ベ バーリイ)およびファーマシアLKBバイテクノロジー・インコーポレーテッド
(Pharmacia LKB Biotechnology, Inc.)から商業的に入手可能である。
【0171】 本明細書において開示するzlipol配列を使用して、ランダムペプチドディスプ
レイライブラリーをスクリーニングして、zlipolに結合するタンパク質を同定す
ることができる。zlipolポリペプチドと相互作用する、これらの「結合性タンパ
ク質」は、細胞の標識化、アフィニティー精製による相同ポリペプチドの単離に
使用することができる;それらは薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に直
接的または間接的に複合化することができる。
【0172】 この結合性タンパク質は、また、分析方法、例えば、発現ライブラリーおよび
中和性活性のスクリーニングに使用することができる。結合性タンパク質は、ま
た、ポリペプチドの循環レベルを測定し、根元的な病理学または疾患のマーカー
として可溶性ポリペプチドを検出または定量する診断アッセイのために使用する
ことができる。これらの結合性タンパク質は、また、in vitroおよびin viboに おけるzlipolの結合およびシグナルのトランスダクションをブロックするzlipol
「アンタゴニスト」として作用することができる。
【0173】 抗体は、1)それらが結合活性の限界レベルを示す場合、および/または2)
それらが関係するポリペプチド分子と有意に交差反応しない場合、特異的に結合
性であると決定される。第1に、本発明における抗体、106 -1またはそれよ
り大きい、好ましくは107-1またはそれより大きい、より好ましくは108
-1またはそれより大きい、最も好ましくは109-1またはそれより大きい結
合アフィニティーでがzlipolポリペプチド、ペプチドまたはエピトープと結合す
る場合、抗体は特異的に結合する。抗体の結合アフィニティーは、当業者により
容易に決定することができる(Scatchard, G., Ann.NY Acad.Sci. 51:660-672,
1949)。
【0174】 この分野において知られている種々のアッセイを利用して、zlipolタンパク質
またはペプチドに特異的に結合する抗体を検出することができる。典型的なアッ
セイは、下記の文献に詳細に記載されている:Antibodies:A laboratory Manual
, HarlowおよびLane(編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988。
【0175】 このようなアッセイの代表的な例は下記のものを包含する:並流免疫電気泳動
、ラジオイムノアッセイ、ラジオイムノ沈降、酵素結合イムノアッセイ(ELISA )、ドットブロットまたはウェスタンブロットアッセイ、阻害または競合アッセ
イ、およびサンドイッチアッセイ。さらに、抗体を野生型/突然変異体のzlipol
タンパク質またはペプチドに対する結合についてスクリーニングすることができ
る。
【0176】 zlipolに対して抗体は、zlipolを発現する細胞の標識化、ポリペプチドの循環
レベルの測定、根元的な病理学または疾患のマーカーとして可溶性ポリペプチド
の検出または定量、FACSを使用する分析方法、発現ライブラリーのスクリーニン
グ、抗イディオタイプ抗体の発生において、およびin vitroおよびin vivoにお いてzlipolをブロックする中和性抗体またはアンタゴニストとして使用すること
ができる。適当な直接的標識は、放射性核種、酵素、基質、コファクター、イン
ヒビター、蛍光性マーカー、化学発光性マーカー、磁気粒子およびその他を包含
する;間接的標識は、中間体としてビオチン−アビジンまたは他の補体/抗補体
の対の使用を特徴とする。
【0177】 本発明における抗体は、また、薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に直
接的または間接的に複合化することができ、そしてこれらの複合体はin vivoの 診断または療法の用途のために使用することができる。そのうえ、zlipolに対す
る抗体またはそのフラグメントは、アッセイ、例えば、ウェスタンブロットアッ
セイまたはこの分野において知られているアッセイにおいて、変性されたzlipol
またはそのフラグメントを検出するために、in vitroにおいて使用することがで
きる。
【0178】 本発明における抗体またはポリペプチドは、また、薬剤、トキシン、放射性核
種およびその他に直接的または間接的に複合化することができ、そしてこれらの
複合体はin vivoの診断または療法の用途のために使用することができる。例え ば、本発明のポリペプチドまたは抗体は、対応する抗相補的分子(例えば、それ
ぞれ、レセプターまたは抗原)を発現する組織または器官を同定または処理する
ために使用することができる。さらに詳しくは、zlipolポリペプチドまたは抗zl
ipol抗体、またはそれらの生物活性フラグメントまたは部分を検出可能なまたは
細胞障害性分子にカップリングさせ、そして抗相補的分子を発現する細胞、組織
または器官を有する哺乳動物に送出すことができる。
【0179】 適当な検出可能な分子はポリペプチドまたは抗体に直接的または間接的に結合
させることができ、そして放射性核種、酵素、基質、コファクター、インヒビタ
ー、蛍光性マーカー、化学発光性マーカー、磁気粒子およびその他を包含する。
適当な細胞障害性分子はポリペプチドまたは抗体に直接的または間接的に結合さ
せることができ、そして細菌または植物のトキシン(例えば、ジフテリアトキシ
ン、シュードモナス(Pseudomonas)エキソトキシン、リシン、アブ
リンおよびその他)、ならびに療法上の放射性核種、例えば、ヨウ素−131、
レニウム−188またはイットリウム−90(ポリペプチドまたは抗体に直接的
に結合させるか、あるいは、例えば、キレート化部分の手段を通して間接的に結
合させる)を包含する。
【0180】 ポリペプチドまたは抗体を、また、細胞障害性薬剤、例えば、アドリアマイシ
ンに複合化させることができる。検出可能なまたは細胞障害性分子の間接的結合
のために、検出可能なまたは細胞障害性分子を補体/抗補体の対の1メンバーに
複合化させることができ、ここで他のメンバーをポリペプチドまたは抗体の部分
に結合させる。これらの目的で、ビオチン/ストレプトアビジンは典型的な補体
/抗補体の対である。
【0181】 他の態様において、ポリペプチド−トキシンの融合タンパク質または抗体−ト
キシンの融合タンパク質を、ターゲッテッド細胞または組織の阻害または異常の
ために使用することができる(例えば、癌の細胞または組織を治療するために)
。あるいは、ポリペプチドを多重機能のドメイン(すなわち、活性化ドメインま
たはリガンド結合ドメイン、+ターゲッティングドメイン)を有する場合、ター
ゲッティングドメインのみを含む融合タンパク質は、検出可能な分子、細胞障害
性分子または相補的分子を問題の型の細胞または組織に向けるために適当である
ことがある。
【0182】 融合タンパク質のみのドメインが相補的分子を含む場合、抗相補的分子を検出
可能な分子または細胞障害性分子に複合化させることができる。こうして、この
ようなドメイン−相補的分子の融合タンパク質は、一般的な抗相補的−検出可能
な/細胞障害性分子の複合体の細胞/組織特異的送出のための一般的ターゲッテ
ィングビヒクルを表す。
【0183】 他の態様において、zlipolポリペプチドまたは抗zlipol抗体が過増殖性血液ま
たは骨髄細胞をターゲットとする場合、zlipolサイトカイン融合タンパク質また
は抗体−サイトカイン融合タンパク質は、ターゲット組織(例えば、血液および
骨髄の癌)のin vivo壊滅に使用することができる:一般に、下記の文献を参照 のこと:Hornick et al., Blood 89:4437-47, 1997、ここにはサイトカインを所
望の作用部位にターゲッティングし、これによりサイトカインの増加した局所的
濃度を提供する融合タンパク質が記載されている。
【0184】 このようなzlipolポリペプチドまたは抗zlipol抗体は望ましくない細胞または
組織(すなわち、腫瘍または白血病)をターゲッティングし、そして融合サイト
カインはエフェクター細胞によるターゲット細胞の溶解の改良を仲介する。この
目的に適当なサイトカインは、例えば、インターロイキン−2および顆粒球マク
ロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を包含する。 本明細書において記載する生物活性ポリペプチドまたは抗体複合体は、静脈内
、動脈内または管内に送出すことができるか、あるいは局所的に意図する作用部
位の中に導入することができる。
【0185】 本発明の分子は、zlipolとのリガンド−レセプター複合体の形成に関係するレ
セプターを同定し、単離するために使用することができる。例えば、本発明のタ
ンパク質およびペプチドをカラム上に固定化し、そして膜調製物をカラム上に展
開させることができる(Immobilized Affinity Ligand Techniques,Hermanson
et al.編、Academic Press、カリフォルニア州サンディエゴ、1992, pp.195-202
)。
【0186】 タンパク質およびペプチドを、また、放射能標識化することができる(Methods
in Enzymol., vol.182, ″Guide to Protein Purification″, M.Deutscher編 、Academic Press、サンディエゴ、1990, 721-737)か、あるいはフォトアフィニ
ティー標識化し(Brunner et al.,Ann.Rev.Biochem. 62:483-514, 1993およびFe
dan et al., Biochem.Pharmacol. 33:1167-1180, 1984)そして特異的細胞表面タ
ンパク質を同定することができる。
【0187】 本発明の分子についての他の実用性は、小さい親油性分子を輸送しおよび/ま
たは安定化するための送出系としての使用を包含する。例えば、本発明の分子は
、小さい親油性分子をマイクロカプセル化するために使用することができ、活性
な薬理学的因子において、消化管中の極端なpH、強力な消化性酵素に対する暴
露および活性成分に対する胃腸膜の不透過性から前記因子を保護することができ
る。薬理学的因子のカプセル封入としての他の利点は、前記因子の早期の活性化
の防止または胃の刺激からの保護を包含する。
【0188】 本発明の分子は、血液または組織中の小さい脂肪酸を結合して、それらの生物
学的機能をモジュレートするために使用することができる。本発明の分子は、特
に乳癌、気腫および皮膚の疾患の療法の一部分として、レチノイドまたはステロ
イドをレセプターに輸送するために使用することができ、そして増殖において重
要な役割を演ずることができる。他の用途は抗炎症性応答のモジュレーション(F
lower, ibid,1996)、微生物として、酵素のエンハンサーとして(Glasgow, Arch.
Clin.Exp.Opthalmol., 233:513-522, 1995)または酵素様分子それ自体としての
活性を包含する。
【0189】 乳房腫瘍(および精巣)に制限される組織分布に基づいて、zlipolは乳癌の診
断剤としておよび腫瘍の侵略力を予測する道具として実用性を有するであろう。
zlipolポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、zlipol活性を増加また
は阻害する、遺伝子療法の用途において有用である。哺乳動物が突然変異したzl
ipol遺伝子を有するか、あるいはもたない場合、zlipol遺伝子を哺乳動物の細胞
の中に導入することができる。1つの態様において、zlipolポリペプチドをコー
ドする遺伝子をin vivoにおいてウイルスベクターの中に導入する。
【0190】 このようなベクターは、弱毒化または欠陥DNAウイルス、例えば、下記のも
のを包含するが、これらに限定されない:単純ヘルペスウイルス(HSV)、乳頭腫
ウイルス、EBウイルス(EBV)、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(AAV)、 およびその他。ウイルス遺伝子を完全にまたはほとんど欠如する欠陥ウイルスは
好ましい。欠陥ウイルスは、細胞の中に導入した後、感染性ではない。欠陥ウイ
ルスの使用は、ベクターが他の細胞を感染することを無視して、細胞の特定の、
局在化した区域への投与を可能とする。
【0191】 特定のベクターの例は下記のものを包含するが、これらに限定されない:欠陥
単純ヘルペスウイルス1(HSV1)ベクター(Kaplitt et al., Molec.Cell.Neurosc
i. 2:320-30, 1991);弱毒化アデノウイルスベクター、例えば、Stratford-Perric
audet et al., J.Clin.Invest. 90:626-30, 1992に記載されているヘ゛クター;および 欠陥アデノ関連ウイルスベクター(Samulski et al., J.Virol. 61:3096-101, 19
87; Smulski et al., J.Virol. 63:3822-8, 1989)。
【0192】 他の態様において、zlipol遺伝子をレトロウイルスベクター、例えば、下記の
文献に記載されているベクターの中に導入することができる:Anderson et al. 、米国特許第5,399,346号;Mann et al., Cell 33:153, 1983; Temin et al.,米
国特許第4,650,764号; Temin et al.、米国特許第4,980,289号; Markowitz et a
l., J.Virol. 62:1120, 1988; Temin et al.、米国特許第5,124,263号; 国際特 許公開No.WO95/07358号、Dougherty et al., 1995年3月16日発行; およびKuo et
al.,Blood 82:845, 1993。あるいは、ベクターはin vivoにおいてリポソーム を使用して導入することができる。
【0193】 合成カチオン性脂質を使用して、マーカーをコードする遺伝子のin vivoトラ ンスフェクションのためのリポソームを製造することができる(Felgner et al.,
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413-7, 1987; Mackey et al., Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 85:8027-31, 1988)。in vivoにおいて特定の器官の中に外因的遺伝子を
導入するリポフェクションの使用は、ある種の実際的利点を有する。特定の細胞
へのリポソームの分子ターゲッティングは、有益な1つの領域を表す。
【0194】 さらに詳しくは、特定の細胞にトランスフェクションを向けることは有益な1
つの領域を表す。例えば、特定の細胞の型にトランスフェクションを向けること
は、細胞の異種性を有する組織、膵臓、肝臓、腎臓、および脳において特に好都
合である。脂質をターゲッティングの目的で他の分子に化学的にカップリングす
ることができる。ターゲッテッドペプチド(例えば、ホルモンまたは神経伝達物
質)、タンパク質、例えば、抗体、または非ペプチド分子をリポソームに化学的
にカップリングすることができる。
【0195】 ターゲット細胞を体から取出し、ベクターを裸のDNAプラスミドとして導入
し、次いで形質転換された細胞を体の中に再移植することができる。遺伝子療法
のための裸のDNAベクターは、この分野において知られている方法、例えば、
トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、
トランスダクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈澱
法、遺伝子ガンの使用またはDNAベクタートランスポーターの使用により、所
望の宿主細胞の中に導入することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:
Wu et al., J.Biol.Chem. 267:963-7, 1992; Wu et al., J.Biol.Chem. 263:146
21-4.,1988。
【0196】 アンチセンス法を使用して、zlipol遺伝子の転写を阻害する、例えば、in viv
oにおける細胞の増殖を阻害することができる。zlipolをコードするポリヌクレ オチド(例えば、配列番号:1に記載されているポリヌクレオチド)のセグメン
トに対して相補的であるポリヌクレオチドを、zlipolをコードするmRNAに結
合し、このようなmRNAの転写を阻害するように設計される。このようなアン
チセンスポリヌクレオチドを使用して、同時培養または被検体におけるzlipolポ
リペプチドをコードする遺伝子の発現を阻害する。
【0197】 zlipol遺伝子を発現するように操作されたトランスジェニックマウス、および
zlipol遺伝子の機能の完全な非存在を示すマウス(「ノックアウトマウス」と呼
ぶ)(Snouwaert et al., Science 257:1083, 1992)を発生させることもできる(L
owell et al., Nature 366:740-42, 1993)。これらのマウスを使用して、zlipol
遺伝子およびin vivo系においてそれによりコードされるタンパク質を研究する ことができる。
【0198】 放射線ハイブリッドマッピングは、哺乳動物の染色体の高い分解能の、隣接地
図を構築について開発された、幹細胞の遺伝的技術である(Cox et al., Science
250:245-50, 1990)。遺伝子の配列の部分的または完全な知識は、全体のヒトゲノ
ムをカバーする放射線ハイブリッドマッピングのパネル、例えば、スタンフォー
ドG3RHパネルおよびジーンブリッジ4RHパネル(Research Genetics, Inc.、アラ バマ州ハンツヴィレ)は商業的に入手可能である。
【0199】 これらのパネルは急速な、PCRをベースとする染色体局在化、および問題の領 域内の遺伝子、配列タッグド部位(STS)、および他の非多形性および多形性マー
カーの排列を可能とする。これは、問題の新しく発見された遺伝子と以前にマッ
ピングされたマーカーとの間の比例的物理的距離を直接的に確立することを包含
する。遺伝子位置の正確な知識は、下記の目的を包含する、多数の目的に有用で
あることがある:1)配列が存在するコンティグ(contig)の一部分であるかどう
かを決定し、そして種々の形態の追加の取り囲む遺伝的配列、例えば、YACs、BAC
sまたはcDNAクローンを得ること;2)同一染色体領域への連鎖を示す、遺伝性 疾患のための可能な候補の遺伝子を提供する;および3)モデルの生物、例えば
、マウスを交差参照する、これは特定の遺伝子がもつことができる機能の決定を
促進することができる。
【0200】 配列標識化部位(STS)は、また、染色体の局在化のために独立して使用するこ
とができる。STSはヒトゲノムにおいてユニークであるDNA配列であり、そし て特定の染色体または染色体の領域について参照点として使用することができる
。STSは、すべての他のゲノム配列の存在において、この部位を特異的に検出す るためにポリメラーゼ連鎖反応において使用される、1対のオリゴヌクレオチド
プライマーにより定められる。STSはDNA配列のみをベースとするので、STSは
電気的データベース、例えば、配列標識化部位のデータベース(ddSTS)、遺伝子
バンク(GenBank)(National Center for Biological Information, National Ins
titutes of Health、マリイランド州ベセスダ、http://ww.ncbi.nlm.nih.gov)内
に完全に記載することができ、そしてこれらの短いゲノムランドマークSTS配列 内に含有されるマッピングデータについて問題の遺伝子配列で検索することがで
きる。
【0201】 薬学上の使用のために、本発明のタンパク質は、慣用法に従い、非経口的、特
に静脈内または皮下の、送出のための配合される。静脈内投与は、1〜数時間の
典型的な期間にわたるボーラス注射または注入によるであろう。一般に、医薬処
方物は、zlipolタンパク質と、薬学上許容されるビヒクル、例えば、生理食塩水
、緩衝化生理食塩水、水中の5%デキストロースまたはその他とを含むであろう
。処方物は、さらに、1種または2種以上の賦形剤、保存剤、安定剤、緩衝剤、
バイアル表面上のタンパク質の損失を防止するためのアルブミン、およびその他
を含むことができる。
【0202】 処方法はこの分野において知られており、そして、例えば、Remington:The Sc
ience and Practice of Pharmacy, Gennaro編、Mack Publshing Company、ペン シルベニア州イーストン、19版、1995、に記載されている。療法上の投与量は
、一般に、0.1〜100μg/kg患者体重、好ましくは0.5〜20μg/kg/日の範囲であり
、正確な投与量は承認された標準に従い、治療すべき症状の特質および程度、患
者の体質、およびその他を考慮して、臨床医により決定される。投与量の決定は
当業者のレベルの範囲内である。タンパク質は急性治療のために、1週またはそ
れより短い期間にわたって、しばしば1〜3日にわたって投与するか、あるいは
慢性治療において数カ月または数年にわたって使用することができる。
【0203】 下記の非限定的実施例により、本発明をさらに説明する。 実施例1. 疑問物質としてフォン・エブナー(von Ebner)腺タンパク質を使用する翻訳D NAデータベースを走査すると、発現された配列標識(EST)配列が同定され、こ れは配列番号:1に示し、zlipolと表示する、zlipolcDNA配列の位置7〜1
92に対して相同であることが見出された。 zlipolのDNA配列は、同定されたESTに対応するcDNAクローンから決
定された。600bpのインサートが単離され、これをノザン分析のためのプローブ として使用した。
【0204】 実施例2. クロンテク(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)からヒト多重組織ブロ ットを使用して、ノザンを実施した。実施例1に記載する600bpのDNAフラグ メントを1%アガロースゲル上で電気泳動させ、フラグメントを電気溶離し、次
いでラドンプライミングMULTIPRIME DNA標識化系(Amersham、イリノイ州アーリ
ントンハイツ)を製造業者の使用説明書に従い使用して放射能標識化した。
【0205】 NUCTRAPプッシュカラム(Stratagene Cloning Systems、カリフォルニア州ラジ
ョラ)を使用して、プローブを精製した。EXPRESSHYB(Clontech、カリフォルニ ア州パロアルト)溶液を前ハイブリダイゼーションのための使用し、そしてノザ
ンブロットのためのハイブリダイゼーション溶液として使用した。ハイブリダイ
ゼーションを65℃において一夜実施し、次いでブロットを4回2×SSCおよび0.
05%SDS中で室温において洗浄し、次いで2回0.1×SSCおよび0.1%SDS中で50℃ において洗浄した。単一の転写物が精巣のみにおいて0.8kbに観測された。
【0206】 実施例3. 商業的に入手可能な「ジーンブリッジ4放射線ハイブリッドパネル」(Researc
h Genetics, Inc.、アラバマ州ハンツヴィレ)を使用して、zlipolは染色体9に
マッピングされた。ジーンブリッジ4放射線ハイブリッドパネルは、93の放射
線ハイブリッドクローンからのDNAと、2つの対照DNA(HFLドナーおよびA23レ
シピエント)を含有する。
【0207】 公衆的に利用可能なWWWサーバー(http://www-genome.wi.mit.edu/cgi-bin/con
tig/rhamapper.pl)は、ジーンブリッジ4放射線ハイブリッドパネルを使用して 構築されたヒトゲノム(「WICGR」放射線ハイブリッド地図)のゲノム・リサーチ
(Genome Research)の放射線ハイブリッド地図について、ホワイトヘッド・イン
スチチュート/MITセンターに関するマッピングを可能とする。
【0208】 「ジーンブリッジ4RHパネル」を使用してzlipolをマッピングするために、2 5μlの96ウェルのマイクロタイタープレート(Stratagene、カリフォルニア 州ラジョラ)中で構成し、そして「ロボサイクラー・グラディエント96」サー
マルサークラー(Stratagene)において使用した。95PCR反応の各々は、2 .5μlの「10×KlenTaq反応緩衝液」(Clontech Laboratories, Inc.、カリフォ
ルニア州パロアルト)、2μlのdNTP(2.5mMの各々、Perkin Elmer、フォスター
シティー、カリフォルニア州)、1.25μlのセンスプライマー、ZC13,139(配列 番号:3)、1.25μlのアンチセンスプライマー、ZC13,137(配列番号:4)、2
,5μlの「レディロード」(Research Genetics, Inc.、アラバマ州ハンツヴィレ
)、0.5μlの「50×アドバンテイジ・KlenTaqポリメラーゼ・ミックス」(
Clontech Laboratories, Inc.),25ngの個々のハイブリッドクローンまた は対照からのDNAおよび全体の体積を25μlとするためにddH2 Oから成って
いた。
【0209】 反応物に等しい量の鉱油をオーバーレイし、密閉した。PCRサイクラーの条
件次の通りであった:最初の1サイクル、95℃における2分の変性、35サイ
クル、9℃における1分の変性、60℃における1分のアニーリングおよび72
℃における1.5分のエクステンション、次いで最終の1サイクル、72におけ
る7分のエクステンション。反応物を3%のNuSieveGTGアガロースゲル(FMC Bio
products、メイン州ロックランド)上の電気泳動により分離した。
【0210】 zlipolはWICGR放射線ハイブリッド地図の上部から524.95CR#3000にマッピング
されることを、結果は示した。これはzlipolを統合されたLBS染色体9地図の
9q34.3領域に位置決定する。(Genetic Location Database, University of Sou
thhampton, WWWサーバー:http://cedar.genetics.soton.ac.uk/public#html/)。
【0211】 リポカリンのファミリーの他のメンバーであるフォン・エブナー腺タンパク質
は染色体9のバンドq34に局在化され、そしてリポカリンのサブファミリーの
遺伝子のクラスターはこの染色体領域内に存在すると、仮定された(Glasgow et
al., Curr.Eye Res. 12:1019-1023, 1993、およびDewald et al., Ann.Hum.Gene
ti. 60(Pt.4):281-291, 1996)。
【0212】 実施例4. マウスの中へのzlipolのin vivo注入は、ビヒクル単独で処置したマウスより も低い断食血液グルコースレベルを生じた。雌のマウスはビヒクル単独で処置し
たマウスよりも低いコレステロールを有した。 雄および雌のマウス(CD-1; Harlan Biosciences、インジアナ州インジアナポ リス)に、精製されたヒトzlipolタンパク質を連続7日間皮下注射した。30匹
のマウスを10匹(5匹の雄および5匹の雌)の3グループに分割し、ビヒクル
のみで処置するグループ、1.0g/マウス/日のzlipolで処置するグループ、
および10.0g/マウス/日のzlipolで処置するグループを形成した。
【0213】 注射の3日前に、動物を秤量し、採血し、エーテル麻酔下に耳に標識化した。
第1日〜第7日に、動物にzlipolまたはビヒクルを注射し、そして臨床的観測を
実施した。第7日に、動物を敷わらから立ち上がらせ、一夜断食させた。第8日
に、動物を秤量し、エーテルで麻酔し、採血し、殺した。
【0214】 処置の間に、すべての動物は健康であり、正常に挙動し、体重増加は処置およ
び未処置の雄および雌の間で匹敵した。高い投与量のzlipolで処置した雄および
雌の動物は、第8日に、ビヒクルの対照よりも低い断食血液グルコースレベルを
有した。さらに、コレステロールレベルは対照に比較して雌マウスにおいて減少
した。
【0215】 実施例5. A. 哺乳動物の発現哺乳動物の発現構築物 ベクター、pZP9(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マリイラ
ンド州ロックビレ、パークローンドライブ12301に受託され、No.98668と表示さ れる)中でN末端またはC末端のFLAGアフィニティー標識(Sigma、ミゾリー州 セントルイス)を使用して、zlipolの哺乳動物の発現構築物を調製した。
【0216】 N末端のFLAG標識のために使用したベクター(NFpZP9と表示する)は、クロー
ニング部位の5’末端に、tPAリーダーおよび引き続くFLAG標識配列(DYKDDDDK、
配列番号:6に示す)および2アミノ酸のスペーサー(GS)を含有する。スペ
ーサーのGly,Ser残基はBamHI制限部位を構築し、余分の残基をもたない所望の cDNAの挿入を可能とする。
【0217】 下流の3’クローニング部位はXbaIであった。zlipol配列をBamHI/XbaI部位の
中に方向的に挿入し、タンパク質の予測された成熟末端は5’末端に存在した(
配列番号:1のヌクレオチド52〜516に示す)。3’末端におけるXbaI部位
はインフレームの停止コドンの直後に存在する。
【0218】 C末端のFLAG標識構築物を作り、CFpZP9と表示した。クローニング部位の5’
末端におけるXhoI部位をインサートのクローニングのために利用した。3’末端
において、ベクターはインフレームのスペーサー(GS)および引き続くFLAG標
識(配列番号:6)を含有する。スペーサー(GS)はBamHI部位を構築し、余 分の残基をもたない問題のcDNAの挿入を可能とする。XhoI/BamHI部位を使用
して、自然リーダー配列を含有するzlipol配列を方向的に挿入した。最終のFLAG
残基の後に停止コドンが存在する。
【0219】 N末端的およびC末端的に標識された双方の構築物のためのcDNAインサー
トを、PCRにより製造した。適当な制限部位をコードするプライマーを、zlip
olの配列(配列番号:1)をベースとして設計した。プライマーZC13290(配列 番号:8)およびZC13291(配列番号:9)を使用して、N末端のFlag標識のzli
polインサートを製造した。プライマーZC13270(配列番号:10)およびZC1327
1(配列番号:11)を使用して、C末端のFLAG標識のインサートを製造した。
【0220】 30pmolの5’センスプライマーおよび30pmolの3’アンチセンスプライマーを
使用して、各インサートのための50μlのPCR反応を構成した。次いで4μ
lの10mMのdNTPを0.5μlのExTaq(TaKaRa Shuzo Co.Ltd.、日本国滋賀 )と一緒に添加した。全長のzlipolを双方の反応のための鋳型として使用した。
3工程サイクルのPCR反応をパーキンエルマー(Perkin Elmer)2400サーマルサ
ークラー(PE Applied Biosystems、フォスターシティー、カリフォルニア州) 中で実施した。
【0221】 反応物を35増幅サイクル(95℃において30秒、55℃において20秒お
よび72℃において30秒)および引き続く72℃における10分のエクステン
ション工程に付した。反応物を2%のアガロースゲル上で展開し、バンドを切除
し、QiaQuickゲル抽出キット(Qiagen、カリフォルニア州チャーツワース)を使
用して精製した。
【0222】 精製したインサートおよび適当な制限酵素で切断したpZP9ベクターを使用
して、結合反応物を製造した。結合後、エレクトロコンピテントDH10B細胞(GIB
CO-BRL、マリイランド州ガイサースバーグ)を形質転換し、LB-Ampプレート上に
プレートし、37℃において一夜インキュベートした。インサートを含有するコ
ロニーをPCRにより分析した。陽性コロニーからのcDNAをPCRエラーに
ついて配列決定した。N末端的およびC末端的にFLAG標識化された双方のzlipol
についてのプラスミドを単離し、それぞれ、zlipolNF/pZP9およびzlipolCF/pZP9
と命名した。
【0223】zlipolのBHK発現 BHK570細胞(ATCC NO.CRL-10314)を10cmの組織培養皿の中にプレートし、
37℃、5%CO2 において、DMEM/FBS培地(DMEM, GibcoBRL High Glucose, (G
ibco BRL)、5%の胎仔ウシ血清(Hyclone、ユタ州ローガン)、1μMのL−グ
ルタミン(JRH Biosciences、カンサス州レネクサ)、1μMのピルビン酸ナト リウム(Gibco BRL)中でほぼ50〜70%のコンフルエンシーに一夜増殖させ た。次いで、無血清(SF)培地処方物(DMEM,10mg/mlのトランスフェリン、5
mg/mlのインスリン、2mg/mlのフェツイン、1%のL−グルタミンおよび1%の ピルビン酸ナトリウム)中で、リポフェクタミン(LipofectamineTM)(Gibco BRL)
を使用して、プラスミドzlipolNF/pZP9(全長のN末端のFLAG標識)またはzlipo
lCF/pZP9(全長のC末端のFLAG標識)で細胞をトランスフェクトした。16μg
の各発現構築物を別々に15mlの管の中にSF培地で640μlの総最終体積に希
釈した。
【0224】 別々の管において、35μlのリポフェクタミン(LipofectamineTM)(Gibco B
RL)を605μlのSF培地と混合した。リポフェクタミン(LipofectamineTM)混合
物を発現構築物の混合物に添加し、室温においてほぼ30分間インキュベートし
た。5mlのSF培地をDNA:リポフェクタミン(LipofectamineTM)混合物に 添加した。3プレートの細胞を1回5mlのSF培地ですすぎ、吸引し、DNA
:リポフェクタミン(LipofectamineTM)混合物を添加した。
【0225】 細胞を37℃において5時間インキュベートし、次いで6.4mlのDMEM/10%
PBS,1%PSN培地を各プレートに添加した。プレートを37℃において一夜インキ
ュベートし、次の日にDNA:リポフェクタミン(LipofectamineTM)混合物を新
鮮なFBS/DMEM培地で置換した。トランスフェクション後2日に、細胞を150mmの プレート中の選択培地(前述のDMEM/FBS培地に1μMのメトトレキセート(Sigm
a Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス)を添加した)の中に1:10、1:
20および1:50に分割した。トランスフェクション後5日に、細胞を新鮮な
選択培地に添加した。
【0226】 トランスフェクション後ほぼ10〜12日に、メトトレキセート耐性コロニー
の2×150mmの培養皿を選択し、培地を吸引し、プレートを10mlの無血清ESTEP
2培地(668.7g/50リットルのDMEM(GibcoBRL)、5.5g/50リットルのピルビ ン酸ナトリウム塩96%(Mallinckrodt、ミゾリー州セントルイス)、185.0g/50リ ットルのNaHCO3 (Mallinckrodt),5.0mg/ml,25ml/50リットルのインスリン、10
.0mg/mlおよび25ml/50リットルのトランスフェリン)で洗浄した。
【0227】 洗浄培地を吸引し、5mlの無血清ESTEP2で置換した。次いで、無血清ESTEP2
中で前ソーキングした無菌のテフロンメッシュ(Spectrum Medical Industries、
カリフォルニア州ロサンジェルス)を細胞の上に配置した。次いで、無血清ESTE
P2中で前ソーキングした無菌のニトロセルロースフィルターをメッシュの上に配
置した。ニトロセルロース上の向きのマークを培養皿に移した。
【0228】 次いで、プレートを37℃、5%CO2 のインキュベーター中で5〜6時間インキュ ベートした。インキュベーション後、フィルターを除去し、培地を吸引し、DMEM
/5%FBS,1×PSN(Gibco BRL)培地で置換した。フィルターを2.5%の脱脂ドラ イミルク/ウェスタン(Western)A緩衝液(Western A:50mMのTris pH7.4,5mMの
EDTA,0.05%のNP-40,150mMのNaClおよび0.25%のゼラチン)中で一夜4℃におい
て回転式震盪培養機上でブロックした。次いでフィルターをヤギ抗ヒトFLAG-HRP
複合体と1:4000希釈(20mlの緩衝液中の5μlの抗体)において2.5%の
脱脂ドライミルク/ウェスタン(Western)A緩衝液(Western A:50mMのTris pH7.
4,5mMのEDTA,0.05%のNP-40、150mMのNaClおよび0.25%のゼラチン)中で1時間 室温において回転式震盪培養機上でインキュベートした。
【0229】 次いでフィルターを室温においてPBS+0.1%のTween 20中で15分/洗浄で3回
洗浄した。フィルターをECL試薬(Amersham Corp.イリノイ州アーリントンハ
イツ)で製造業者の指示に従い展開し、そしてほぼ5分間フィルム(Hyperfilm E
CL,Amersham)に露出した。
【0230】 フィルムをコロニーを含有するプレートと整列させた。ガイドとしてフィルム
を使用して、適当なコロニーを選択した。無菌の3mmのクローニングディスク
(PGC Scientific Corp.、マリイランド州フレデリック)をトリプシン中でソー
キングし、コロニー上に配置した。コロニーを96ウェルのプレート中の200
μlの選択培地の中に移した。
【0231】 1系列の7つの2倍希釈を各コロニーについて実施した。次いで150mmの
培養皿をトリプシン処理し、細胞の残りをプールし、DMEM/5%FBSおよび1μMのMT
X培地を含有する2つのT162フラスコの中に分割した。細胞を37℃において1 週間成長させ、この時最低希釈物の細胞を受容しかつ最適な密度にあるウェルを
選択し、トリプシン処理し、選択培地を含有する12ウェルのプレートに移した
【0232】 クローンを12ウェルのプレートから2×T-75フラスコに直接的に拡張した。 各クローンからの1つのフラスコを無血清ESTEP2中で成長させ、培地をウェスタ
ンブロット分析のために収集した。ウェスタンブロット分析に基づいて、発現構
築物の各々のクローンを選択し、一緒にプールし、大規模の培養に移した。
【0233】zlipolの大規模の哺乳動物の発現 前述の発現手順から得られた、zlipol/NFを発現するコンフルエント細胞を
含有する1つのT-162フラスコおよびzlipol/CF発現細胞を含有する1つのフ ラスコを、5つのT-162フラスコに拡張した。5つの得られるフラスコの1つを 使用して4つのクライオバイアルを凍結し、そして他の4つのフラスコを使用し
てNunc細胞ファクトリー(Nunc A/S,Roskilde,DK)を発生させた。
【0234】 zlipol/NFおよびzlipol/CFを組合わせ、2つのNunc細胞ファクトリ
ー(10層)を播種するために使用した。簡単に述べると、前述のT−162フ
ラスコからの細胞をトリプシンで分離し、プールし、1.5リットルの37℃に
前もって加温したESTEP1培地(668.7g/50リットルのDMEM(GibcoBRL),5.5g/50リ ットルのピルビン酸ナトリウム塩96%(Mallinckrodt),185.0g/50リットルのNaHC
O3 (Mallinckrodt),5.0mg/mlおよび25ml/50リットルのインスリン(JRH Bioscie
nces),10.0mg/mlおよび25ml/50リットルのトランスフェリン(JRH Biosciences)
、2.5リットル/50リットルの胎仔ウシ血清(Hyclone)、1μMのMTX、pHを7.05±0.05
に調節した)に添加した。次いで細胞を含有する培地を漏斗を介してNunc細胞フ
ァクトリーの中に注いだ。細胞ファクトリーを37℃、5.0%CO2 のインキュベータ ーの中に入れた。
【0235】 80〜100%のコンフルエンスにおいて、視的汚染試験(フェノールレッドの色変
化)を細胞ファクトリーについて実施した。汚染は観測されなかったので、コン
フルエントファクトリーからの上清を小さい収集容器の中に注ぎ、採取し、廃棄
した。次いで付着細胞を400mlのPBSで1回洗浄した。ファクトリーから細胞を分
離するために、100mlのトリプシンを各々に添加し、次いで細胞を残留トリプシ ン中で5〜10分間インキュベートした。
【0236】 細胞を2×200mlのESTEP1培地で洗浄した後、収集した。10本のESTEP1培地を含
有するびん(1.5リットルの各々、37℃)の各々に、40mlの収集した細胞
を添加した。次いで、1本の1.5リットルのびんを使用して1つのNuncファク
トリーを充填した。各細胞ファクトリーを37℃、5.0%CO2 のインキュベーターの 中に入れた。
【0237】 80〜90%のコンフルエンスにおいて、視的汚染試験(フェノールレッドの
色変化)を実施し、いったん汚染の非存在が観測されたとき、コンフルエントフ
ァクトリーからの上清を小さい収集容器の中に注ぎ、採取し、廃棄した。次いで
付着細胞を400mlのPBSで1回洗浄した。1.5リットルのESTEP2培地(668.7g/50
リットルのDMEM(GibcoBRL),5.5g/50リットルのピルビン酸ナトリウム塩96%(Mal
linckrodt),185.0g/50リットルのNaHCO3 (Mallinckrodt),5.0mg/ml,25ml/50 リットルのインスリン、10.0mg/mlおよび25ml/50リットルのトランスフェリン)
を各細胞ファクトリーに添加した。細胞ファクトリーを37℃、5.0%CO2 のインキ ュベーターの中に入れた。
【0238】 ほぼ40において、汚染についての検査を実施した。各ファクトリーからの上
清を小さい収集容器の中に注いだ。合計15リットルをすべての10ファクトリ
ーから収集した。新鮮な無血清培地(1.5リットル)を各Nunc細胞ファク
トリーの中に注ぎ、ファクトリーを37℃、5.0%CO2 においてインキュベートした 。1mlの上清収集物を顕微鏡のスライドに移し、汚染について顕微鏡分析した
。各ファクトリーの小さい収集容器の内容物をプールし、直ちに濾過した。
【0239】 50時間において、実質的に前述したように、50時間における第2収集を実
施し(15リットルを得た)、その後、細胞ファクトリーを廃棄した。組立てた
フィルタートレイン装置を、収集上清(コンディショニングされた培地)の無菌
の濾過に使用した。組立ては次の通りであった:管をオプチ−キャップ(Opti-Ca
p)フィルター(Millipore Corp.、マサチュセッツ州ベッドフォード)およびゲ ルマン・スーパーキャップ(Gelman Supercap)50フィルター(Gelman Science
s、ミシガン州アンアーバー)に針金で結び付けた。
【0240】 また、スーパーキャップ50フィルターを、フードの中に位置する無菌のキャ
ップ付き容器に取付けた;ミリポア・オプチ−キャップ・フィルターの上流に位
置する管を蠕動ポンプの中に挿入した;そして管の自由端を大きい収集容器の中
に入れた。コンディショニングされた培地のすべてが0.22μmの最終フィルター を通して無菌の収集容器の中に入るまで、蠕動ポンプを200〜300rpmで運転した 。
【0241】 濾液を精製まで4℃の冷たい室の中に入れた。培地をミリポア5kDaカットオフ
濃縮装置(Millipore Corp.、マサチュセッツ州ベッドフォード)を製造業者の指
示に従い使用して10×に濃縮し、抗FLAG標識抗体(Kodak)を使用してウェスタ
ンブロット分析した。
【0242】 B. 酵母の発現N末端のGlu-GluおよびFLAG標識化酵母の発現ベクターの構築 ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)におけるzlipolの発現は、普通に 譲渡されたWIPO公開WO97/17450号に記載されている発現系を利用する。zlipolを コードするポリヌクレオチドのすべてまたは一部分を含有する発現プラスミドを
、相同組換えを介して構築した。
【0243】 発現ベクターをpCZR190から構築して、N末端のFLAG標識化(NF)zlipolポ リペプチドを発現させた。pCZR190ベクターは、AUG1プロモーター、次いでaFpp リーダー配列およびアミノ末端のペプチド標識(FLAG)、次いで平滑末端のSm aI制限部位、翻訳停止コドン、次いでAUG1ターミネーター、ADE2選択
可能なマーカー、および最後にAUG13’非翻訳領域を含有する。また、このベク ターの中に、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)における選択および 複製に要求されるURA3およびCEN-ARS配列、および大腸菌(E.coli)における選択 および複製に要求されるAmpRおよびcolE1配列が含有される。
【0244】 第2発現ベクターをzCZR191から構築して、N末端のGlu-Glu標識化(NEE)zlipo
lポリペプチドを発現させた。zCZR191発現ベクターは、前述したように、アミノ
末端のGlu-Glu標識(配列番号:7)を有する。これらのベクターの中に挿入さ れたzlipol配列は、配列番号:2に示すように、残基16(Leu)で開始する。
【0245】 各構築物について、2つのリンカーを製造し、そして、zlipolと一緒に、本明
細書において記載する酵母の発現ベクターに相同的に組換えた。N末端のFLAGリ
ンカー(配列番号:24に示す)は、1端において70塩基対のアルファ因子の
プレプロ(aFpp)コーディング配列、および引き続くFLAG標識をスパンし、そし てそれを他端上の成熟zlipol配列の70塩基対のアミノ末端のコーディング配列
に結合する。
【0246】 NEE標識化リンカーは、aFppコーディング配列とzlipol配列との間において
Glu-Glu標識を結合する。C末端のリンカーは、70塩基対のAUG1ターミネータ ー配列を有する1端上のzlipolの約70bpのカルボキシ末端のコーディング配
列をスパンする。
【0247】NEE標識化zlipolプラスミドの構築 100ngのSmaI消化pCZR191アクセプターベクター、1mgのBamHI-XbaI zlipol cDNAドナーフラグメント、1mgのNEE標識化zlipolリンカーおよび1mg のC末端の非標識化リンカーをサッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)中で
相同的に組換えることによって、NEE標識化zlipolプラスミドを作った。
【0248】 NEE-zlipolリンカーをPCR反応により合成した。100mlの最終反応体積に 、1pmolのリンカー、ZC13,731(配列番号:12)およびZC13,762(配列番号: 13)の各々、および100pmolの各プライマーZC13,497(配列番号:14)およ びZC13,764(配列番号:15)、10mlの10×PCR緩衝液(Boehringer Mannheim、 アイダホウ州インディアナポリス)、1mlのPwoポリメラーゼ(Boehringer
Mannheim)、10mlの0.25mMのヌクレオシド三リン酸混合物(PE Applied Biosyst
ems)およびdH2 Oを添加した。PCR反応を94℃における30秒、50℃におけ る1分および72℃における1分の10サイクルで実施し、72℃において6分
のエクステンションで終結させた。生ずる141bpの二本鎖NEE標識化リンカー を配列番号:16に示す。
【0249】 前述したように、PCR反応を介して、オリゴヌクレオチドZC13,734(配列番
号:18)、ZC13,727(配列番号:19)、ZC13,725(配列番号:20)および
ZC13,733(配列番号:21)を使用して、C末端の非標識化zlipolリンカーを作
った。生ずる147bpの二本鎖C末端の非標識化リンカーを配列番号:17に示す 。
【0250】NF−zlipolプラスミドの構築 100ngのSmaI消化pCZR190アクセプターベクター、1mgのBamHI-XbaI zlipolcD
NAドナーフラグメント、1mgのN末端のFLAG標識化zlipolリンカーおよび1
mgのC末端の非標識化リンカーをサッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae )中で相同的に組換えることによって、NF−標識化zlipolプラスミドを作った
【0251】 前述したように、PCR反応を使用して、オリゴヌクレオチドZC13,497(配列
番号:14)、ZC13,735(配列番号:22)、ZC13,839(配列番号:23)およ
びZC13,764(配列番号:15)を使用して、N末端のFLAG標識化zlipolリンカー
を作った。生ずる141bpの二本鎖N末端のFLAG標識化リンカーを配列番号:
24に示す。
【0252】 前述したように、PCR反応を使用して、オリゴヌクレオチドZC13,734(配列番 号:18)、ZC13,727(配列番号:19)、ZC13,725(配列番号:20)および
ZC13,733(配列番号:21)を使用して、C末端の非標識化zlipolリンカーを作
った。生ずる147bpの二本鎖C末端の非標識化リンカーを配列番号:17に
示す。
【0253】 100μlのコンピテント酵母細胞(サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevi
siae))を10mlの上記からの種々のDNA混合物と独立に組合わせ、0.2 cmのエレクトロポレーションクベットに移した。酵母/DNA混合物を0.75kV
(5kV/cm)、0オーム、25μFにおいてエレクトロポレートした。各クベットに
、600μlの1.2Mのソルビトールに添加し、酵母を2×300μlのアリコー トで2つのURA-Dプレート上にプレートし、30℃においてインキュベートした 。
【0254】 約48時間後、単一のプレートからのUra+酵母形質転換体を1mlのH2
Oの中に再懸濁させ、短時間回転して酵母細胞を沈降させた。細胞のペレットを
1mlの溶解緩衝液(2%のTriton X-100、1%のSDS、100mMのNaCl、10mMのTris,
pH8.0,1mMのEDTA)の中に再懸濁させた。300μl酸洗浄したガラスビーズおよ び200μlのフェノール−クロロホルムを含有するエッペンドルフ管に500μlの溶
解混合物を添加し、1分の間隔で2または3回撹拌し、次いでエッペンドルフ遠
心機中で最大速度で5分間回転した。300μlの水性相を新鮮な管に移し、DNA
を600μlのエタノール(EtOH)で沈降させ、次いで4℃において10分間遠心し た。DNAペレットを100μlのH2 Oの中に再懸濁させた。
【0255】 0.5〜2mlの酵母DNAプレプおよび40μlのDH10B細胞を使用して、 エレクトロコンピテント大腸菌(E.coli)細胞(DH10B,GibcoBRL)の形質転換を実
施した。細胞を2.0kV,25mFおよび400オームにおいてエレクトロパルスした。エ
レクトロポレーション後、1mlのSOC(2%のバクトトリプトン(Difco、ミ
シガン州デトロイト)、0.5%の酵母エキス(Difco)、10mlのNaCl,2.5mM
のKCl,10mMのMgCl2 ,10mMのMgSO4 ,20mMのグルコース)を250μlのアリ コートで4つのLB AMPプレート(LBブロス(Lennox)、1.8%のバクト寒天(Difc
o)、100mg/lのアンピシリン)上にプレートした。
【0256】 zlipolインサートの存在を確認し、種々のDNA配列が互いに正しく結合され
ていることを確証することによって、NEEおよびNF標識化zlipolのための発現 構築物を収容する個々のクローンを同定した。陽性の細胞のインサートを配列分
析した。クイアゲン・マクシ(Qiagen Maxi)キット(Qiagen)を製造業者のインス トラクションに従い使用して、より大きい模のプラスミドDNAを単離し、DN
AをNotIで消化して、ベクターのバックボーンからピキア−zlipol(Pichia-
Zlipol)発現カセットを遊離させた。
【0257】 次いで、NotI制限消化したDNAフラグメントをピキア・メタノリカ(Pichia
metanolica)発現宿主、PMAD16、の中に形質転換した。100mlの調製したコ
ンピテントPMAD16細胞を10mgのNotI制限消化したzlipolと混合し、0.2c
mのエレクトロポレーションクベットに移すことによって、これを実施した。酵
母/DNA混合物を0.75kV, 25mF、無限オームにおいてエレクトロパルスした。
【0258】 このクベットに1mlの1×酵母窒素塩基を添加し、500mlのアリコートを2 つのADE DS(0.026%-Ade-Trp-Thr粉末、0.67%のアミノ酸を含まない酵母窒 素塩基、2%のD−グルコース、0.5%の200×トリプトファン、スレオニ
ン溶液、および18.22%のD-ソルビトール)プレート上に選択のためにプレートし
、30℃においてインキュベートした。クローンを取り上げ、ウェスタンブロット により高いレベルのzlipolの発現についてスクリーニングした。
【0259】 生ずるNEE標識化zlipolプラスミドを含有する酵母株をPMAD16::pSDH111.2.
7と表示し、そしてNF標識化zlipolプラスミドを含有する酵母株をPMAD16::pSD
H108.3.6と表示した。これらの生ずる株を発酵させた。
【0260】 C. zlipolのバキュロウイルスの発現バキュロウイルスの発現ベクターpFSG35およびpFSGE35 昆虫細胞中でzlipolポリペプチドを発現させるために、2つの発現ベクターを
調製した。これらの発現ベクターは、非標識化zlipolポリペプチドを発現するよ
うに設計したpFLP1およびC末端のGlu-Glu標識(配列番号:7)を有するzlipol
ポリペプチドを発現するように設計したpFLPE1である。
【0261】 pFLP1 PCRプライマーとしてZC13405(配列番号:26)およびZC13406(配列番号: 27)を使用し、そして鋳型として非切断PCRフラグメントを使用して、535bpの
PCR発生zlipolDNAフラグメントを作った。PCR反応を94℃において2分 間インキュベートし、30サイクルの94℃における45秒、55℃における1
分および72℃における1分でインキュベートし、1秒/サイクルのセグメント
のエクステンションを実施した。次いで生ずるPCR生成物を3%のゲル(2%
のNuSieve/1%のBRLアガロース)上で展開した。
【0262】 0.1mMのEDTA,pH8.0で15倍の希釈することによって、535bpのフラグメ
ントを捕捉し、次いでベクターpCR2.1(TAクローニングキット、Invitrogen Inc .、カリフォルニア州サンディエゴ)の中に製造業者のインストラクションに従
い結合した。生ずるクローンを適切なインサートの向きについてスクリーニング
し、配列決定して同一性を確証した。生ずるクローン、pLP1、をBglIIおよびAsp7
18で消化し、消化物を1%のSealPlaque/1%のNuSieveアガロースゲル上で展開し
た。
【0263】 535bpのバンドを切除し、2mMのMgCl2 で0.5%のアガロースに希釈
し、65℃において溶融し、BamHI/Asp718消化バキュロウイルス発現ベクター、
pFastBac1(Bac-to-BacTMSystem,GIBCO BRL、マリイランド州ガイサースバーグ )の中に結合した。50ngの制限消化したzlipolインサートおよび148ng
の対応するベクターを一夜結合した。結合混合物をTE(10mMのTris-HCl,pH7.5お
よび1mMのEDTA)中で3倍の希釈した。
【0264】 pFLPE1 前述したように、オリゴヌクレオチドのプライマーZC13405(配列番号:26 )およびZC13403(配列番号:28)を使用するPCRにより、C末端のGlu-Glu標 識を有するzlipolフラグメントを発生させた。期待される大きさ556bpのフ
ラグメントをゲル電気泳動により検出し、前述したようにpCR2.1中でpFLPE1と呼
ぶプラスミドとして捕捉した。
【0265】 DNAフラグメントをpFLPE1から制限酵素BglIIおよびAsp718で消化し、生ず る539bpの制限フラグメントをBamHI/Asp718消化pFastBac1ベクターの中に結合し
、前述したように、135ngのベクターおよび48ngのzlipolフラグメントを使 用して、DH10a細胞の中に形質転換した。
【0266】 4fmolの希釈した結合混合物を独立にDH5aライブラリー・エフィシャンシイ(Li
brary Efficiency)コンピテント細胞(Life Technologies)の中に、製造業者の 指示に従い、42℃の水浴中の45秒の熱ショックにより形質転換した。
【0267】 結合したDNAを適当な体積のSOC培地(2%のバクトトリプトン、0.5% のバクト酵母エキス、10mlの1MのNaCl,1.5mMのKCl,10mMのMgCl2 ,10mMのMgSO 4 および20mMのグルコース)中で希釈し、100mg/lのアンピシリンを含有するL Bプレート上にプレートした。プレートを37℃において一夜インキュベートし
た。QiaVac Minprep8系(Qiagen)を製造業者の指示に従い使用して、プラスミド DNAを調製した。クローンをHindIII/BspE1を使用する制限消化によりスクリ ーニングした。
【0268】 1つの陽性の構築物を非標識化zlipolおよびCEE標識化zlipolについて選択
した。これらの構築物の各々からのプラスミドDNAの1μlを独立に使用して
、20μlのDH10Bacマックス・エフィシャンシイ(Max Efficiency)コンピテント 細胞(GIBCO BRL、マリイランド州ガイサースバーグ)の中に、製造業者の使用説
明書に従い、42℃における45秒の熱ショックにより形質転換した。次いで形
質転換体を適当な体積のSOC培地中で希釈し、50mg/lのカナマイシン、7 mg/lのゲンタマイシン、10mg/lのテトラサイクリン、IPTGおよびBluo
-GalTM(GibcoBRL)を含有するルリア(Luria)寒天平板上にプレートした。
【0269】 細胞を37℃において48時間インキュベートした。色の選択を使用して、プ
ラスミドの中に組込まれたウイルスを有する細胞(「バクミド」と呼ぶ)を同定
した。色が白であるコロニーを分析のために取り上げた。バクミドDNAを陽性
のコロニーから単離し、PCRにより正しいインサートについてスクリーニング
した。オリゴヌクレオチドのプライマーZC976(配列番号:31)およびZC447(
配列番号:32)を使用し、そして正しいインサートを有するものを使用して、
スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(Sf9)細胞をトランスフェ
クトした。
【0270】 Sf9細胞を5×106 細胞/プレートで播種し、27℃において1時間結合
させた。5μlのバクミドDNAを100mlのSf-900 II SFMで希釈した。6mlの
CellFECTIN試薬(Life Technologies)を100mlのSf-900 II SFMで希釈した。ゲノ ムDNAおよび脂質溶液をおだやかに混合し、室温において30〜45分間イン
キュベートした。細胞の1つのプレートから培地を吸引し、0.8mlのSf-900 II S
FMを添加した脂質−DNA混合物を添加した。細胞を27℃において4〜5時間
インキュベートし、次いでペニシリン/ストレプトマイシンを含有するSf-900 I
I SFMの2mlを各プレートに添加した。プレートを27℃、90%の湿度において
72時間インキュベートし、次いでウイルスを収集した。
【0271】 Sf9細胞を50mlの震盪フラスコ中の50mlのSf-900 II SFM中で、ほ ぼ0.04〜0.50×106 細胞/mlの密度に成長させた。次いで細胞を上記からのウ
イルス系統の50mlでトランスフェクトし、27℃において4日間インキュベ
ートし、次いでウイルスを収集し、力価決定した、1.08×108 pfu/ml。大規模化
するために、Sf9細胞を含有するSf-900 II SFMの5リットルを27℃においてイン キュベートし、91時間成長させた。次いで細胞を収集されたウイルス(MOI 0.2
)でトランスフェクトし、前述したように71時間インキュベートした。
【0272】 実施例6. BHK細胞からのFlag-標識化zlipol 特記しない限り、すべての操作は4℃において実施した。下記の手順を使用し
て、N末端またはC末端のフラッグ標識を含有するzlipolタンパク質を精製した
。BHK細胞からのプールしたN末端的およびC末端的にFLAG標識化され、コンデ ィショニングされた培地の合計25リットルを、4インチの0.2mmのミリポア・ オプチ・キャップ・カプセル・フィルター(Millipore、マサチュセッツ州ベッド
フォード)および0.2mmのゲルマン・スーパーキャップ50(Gelman、ミシガ ン州アンアーバー)を通して滅菌濾過した。
【0273】 次いで、3000kDaカットオフのアミコンS10Y3膜(Amicon、マサチュセッツ州ベ ッドフォード))を装備するミリポア・プロフラックスA30接線流濃縮装置(Mill
ipore)を使用して、前記物質を約1.3リットルに濃縮した。濃縮した物質を再
び前述したようにゲルマン・フィルターで滅菌濾過した。抗Flagセファローズ(E
astman Kodak、ニューヨーク州ロチェスター)の25.0mlの試料をバッチ吸着のた
めの試料に添加し、この混合物をローラー培養装置(Wheaton Millville、ニュー
ジャージイ州)上で4℃において18.0時間おだやかに撹拌した。
【0274】 次いでこの混合物を5.0×20.0cmのエコノ−カラム(Econo-Column)(Bio-Rad, L
aboratories、カリフォルニア州ハーキュレス)の中に注ぎ、ゲルを30カラム 体積のリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。非保持の貫流画分を廃棄
した。いったん280nmにおける流出液の吸収が0.05より低くなったとき、カラム の貫流はゼロに減少し、抗Flagセファローズゲルを2.0カラム体積の0.2m
g/mlのFlagペプチド、N-AspTyrLysAspAspAspAspLys-C(配列番号:6)を含有す
るPBSで洗浄した。
【0275】 4℃において1.0時間後、流れを回復させ、溶出したタンパク質を収集した
。この画分をペプチド溶出液と呼んだ。抗Flagセファローズゲルを2.0カラム
体積の0.1Mのグリシン、pH2.5で洗浄し、グリシン洗浄液を別々に収集
した。グリシン溶出画分のpHを小さい体積の10×PBSの添加により7.0に調 節し、将来の分析のために4℃において貯蔵した。
【0276】 5,000の分子量のカットオフの膜の濃縮装置(Millipore、マサチュセッツ州ベ ッドフォード)を製造業者の使用説明書に従い使用して、ペプチド溶出液液を5.
0mlに濃縮した。次いでPBS中で平衡化した1.5×50cmのセファデックスG-50カ
ラム(Pharmacia、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)上のクロマトグラフィー
により、バイオカッド・スプリント(BioCad Sprint)HPLC系(PerSeptive BioSys
tems、マサチュセッツ州フラミンガム)を使用して1.0ml/分の流速で、前記の 濃縮されたペプチド溶出液液を遊離ペプチドと分離した。2mlの画分を集め、
280nmにおける吸収をモニターした。280nmにおいて吸収し、カラムの空隙体積付
近の溶出する物質の第1ピークを集めた。
【0277】 SDS-PAGEおよび抗FlagM2抗体(Kodak)を使用するウェスタン分析により、精製 し、プールしたN末端的およびC末端的にFLAG標識化されたzlipolタンパク質は
、ほぼ等しい量の見掛けの分子量19,000および23,000の2つのクーマッシーブル
ー染色バンドから構成されており、これらは、また、抗FlagM2抗体との交差反応
性を示した。各バンドの移動度は、還元剤の存在または非存在において、SDS-PA
GE上で同一であった。精製されたタンパク質のタンパク質の濃度(0.5mg/ml)をBC
A分析(Pierce、イリノイ州ロックフォード)により測定し、物質のアリコートを
取り、−80℃において貯蔵した。
【0278】バキュロウイルス感染Sf9細胞からのzlipolCEE 特記しない限り、すべての操作は4℃において実施した。バキュロウイルス感
染Sf9細胞からのコンディショニングされた培地の2000mlの試料に、プロテア
ーゼインヒビターの混合物を、2.5mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA,Sig
ma Chemical Co.、ミゾリー州セントルイス)、0.001mMのロイペプチン(Boehri
nger-Mannheim、インジアナ州インジアナポリス)、0.001mMのペプスタチン(Boe
hringer-Mannheim)および0.4mMのフェファブロク(Pefabloc)(Boehringer-M
annheim)の最終濃度に添加した。
【0279】 試料をベックマン・アバンチ(Beckman Avanti)J25I遠心機(Beckman Instrumen
ts)のベックマン(Beckman)JLA-10.2ローター(Beckman Instruments、カリフォル
ニア州パロアルト)中で10,000rpmで30分間4℃において遠心して、細胞破片 を除去した。上清画分に、後述するように調製した抗EEセファローズの50.0ml
の試料を添加し、この混合物をウィートン(Wheaton)(Millipore、ニュージャー ジイ州)ローラー培養装置上で4℃において18.0時間おだやかに撹拌した。
【0280】 この混合物を5.0×20.0cmのエコノ−カラム(Econo-Column)(Bio-Rad, Laborat
ories、カリフォルニア州ハーキュレス)の中に注ぎ、ゲルを30カラム体積の リン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。非保持の貫流画分を廃棄した。いった ん280nmにおける流出液の吸収が0.05より低くなったとき、カラムの貫流は ゼロに減少し、抗Flagセファローズゲルを2.0カラム体積の0.4mg/mlのEEペプ
チド(AnaSpec、カリフォルニア州サンジョウズ)を含有するPBSでバッチ式に
洗浄した。
【0281】 使用したペプチドは配列GluTyrMetProValAsp(配列番号:25)を有する。4
℃において1.0時間後、流れを回復させ、溶出したタンパク質を収集した。こ
の画分をペプチド溶出液と呼んだ。抗EEセファローズゲルを2.0カラム体積
の0.1Mのグリシン、pH2.5で洗浄し、グリシン洗浄液を別々に収集した
。グリシン溶出画分のpHを小さい体積の10×PBSの添加により7.0に調節し 、将来の分析のために4℃において貯蔵した。
【0282】 5,000の分子量のカットオフ膜の濃縮装置(Millipore、マサチュセッツ州ベッ ドフォード)を製造業者の使用説明書に従い使用して、ペプチド溶出液液を5.
0mlに濃縮した。次いでPBS中で平衡化した1.5×50cmのセファデックスG-5
0カラム(Pharmacia、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)上のクロマトグラフ ィーにより、バイオカッド・スプリントHPLC系(PerSeptive BioSystems、マサチ
ュセッツ州フラミンガム)を使用して1.0ml/分の流速で、前記の濃縮され
たペプチド溶出液液を遊離ペプチドと分離した。2mlの画分を集め、280nmに おける吸収をモニターした。280nmにおいて吸収し、カラムの空隙体積付近で溶 出する物質の第1ピークを集めた。
【0283】 SDS-PAGEおよびウェスタン分析により、この物質は見掛けの分子量21,000の単
一のバンドから構成されており、これは、また、抗EE抗体との交差反応性を示
した。バンドの移動度は還元剤の存在または非存在において同一であった。精製
されたタンパク質のタンパク質の濃度(0.5mg/ml)をBCA分析(Pierce、イリノイ州
ロックフォード)により測定し、物質のアリコートを取り、我々の標準的手順に
従い−80℃において貯蔵した。
【0284】抗EEセファローズの製造 100mlのベッド体積のプロテインG−セファローズ(Pharmacia、ニュージャー ジイ州ピスカタウェイ)を、500mlのNalgene0.45ミクロンのフィルターユニット
により、100mlの0.02%のアジ化ナトリウムを含有するPBSで3回洗浄した。ゲ
ルを6.0体積の200mMのトリエタノールアミン、pH8.2(TEA,Sigma、ミゾリー 州セントルイス)、および等しい体積の900mgの抗体を含有するEE抗体溶液で 洗浄した。4℃において一夜インキュベートした後、前述したように、樹脂を5
体積の200mMのTEAで洗浄することによって、非結合抗体を除去した。
【0285】 樹脂を2体積のTEA中に再懸濁させ、適当な容器に移し、TEA中に溶解したジメ
チルピミリミデート−2HCl(Pierce、イリノイ州ロックフォード)を36mg/mlのゲ
ルの最終濃度に添加した。ゲルを室温において45分間揺動し、前述したように
フィルターユニットにより液体を除去した。次いで、抗200mMのTEA中の5体積の
20mMのエタノールアミンと10分間インキュベートすることによって、ゲル上の
非特異的部位をブロックした。次いで5体積の0.02%のアジ化ナトリウムを
含有するPBSで洗浄し、この溶液中で4℃において貯蔵した。
【0286】 以上から理解されるように、本発明の特定の態様を例示の目的で本明細書にお
いて記載したが、本発明の範囲および精神から逸脱しないで種々の変更が可能で
ある。したがって、本発明は添付された請求の範囲による以外限定されない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
図は、Ebner's 腺タンパク質(VEGP hu; 配列番号29)、ヒトzlipol (配列
番号2)、及びラット精巣上体−レチノン酸結合タンパク質(ERBP ラット;配 列番号30)の複数整列の例示である。この図において、“3−10”は短いN ―末端ヘリックスを示し;“A―I”はβ−鎖であり;“ A1”はC―α末端ヘリ ックスを示し;“b”はERBPリガンド結合腔を示し;“★”は保存されたアミノ
酸を示し;“:”は保存されたアミノ酸置換を示し;そして“.”は低く保存さ れたアミノ酸置換を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 A61K 37/02 C12Q 1/68 C12N 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2の残基1又は17〜残基170に示されるような
    アミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸の配列を含んで成る
    リポカリン相同体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 前記コードされるポリペプチドが、配列番号2のアミノ酸残
    基1又は17〜残基170に示されるようなアミノ酸の配列を含んで成る請求項
    1記載のポリヌクレオチド。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号1のヌクレオチド7又は
    58〜ヌクレオチド516に示されるようなポリヌクレオチドの配列を含んで成
    る請求項1記載のポリヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドが、配列番号5のポリヌクレオチド1
    又は52〜ポリヌクレオチド510に示されるような配列ポリヌクレオチドを含
    んで成る請求項1記載のポリヌクレオチド。
  5. 【請求項5】 下記の作用可能に連結された要素: 転写プロモーター; 配列番号2のアミノ酸残基1又は17〜残基170に示されるようなアミノ酸
    配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸の配列を含んで成るリポカリ
    ン相同体ポリペプチドをコードするDNAセグメント;及び 転写ターミネーター; を含んで成る発現ベクター。
  6. 【請求項6】 前記DNAセグメントが、配列番号2のアミノ酸残基1又は1 7〜残基170に示されるようなアミノ酸の配列を含んで成るポリペプチドをコ
    ードする請求項5記載の発現ベクター。
  7. 【請求項7】 前記DNAセグメントが、配列番号1のヌクレオチド7又は5 8〜ヌクレオチド516に示されるようなポリヌクレオチドの配列を含んで成る
    請求項5記載の発現ベクター。
  8. 【請求項8】 前記DNAセグメントが、配列番号5のヌクレオチド1又は5 2〜ヌクレオチド510に示されるようなポリヌクレオチドの配列を含んで成る
    請求項5記載の発現ベクター。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の発現ベクターが導入されている、前記DNAセ グメントによりコードされた前記ポリペプチドを発現する培養細胞。
  10. 【請求項10】 ポリペプチドの製造のための方法であって: 請求項5記載の発現ベクターが導入されている細胞を培養し、それにより前記
    DNAセグメントによりコードされた前記ポリペプチドを発現し;そして 前記発現されたポリペプチドを回収する; ことを含んで成る方法。
  11. 【請求項11】 配列番号2のアミノ酸残基1又は17〜残基170に示さ
    れるようなアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配
    列を含んで成る単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 配列番号2のアミノ酸残基1又は17〜残基170に示さ
    れるようなアミノ酸残基の配列を含んで成る単離されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 配列番号2の残基1又は17〜残基170に示されるよう
    なアミノ酸配列に対して少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を含ん
    で成るポリペプチド、及び医薬的に許容できるビークルを含んでなる医薬組成物
  14. 【請求項14】 配列番号2の残基1又は17〜残基170に示されるよう
    なアミノ酸残基の配列を含んで成るポリペプチド、及び医薬的に許容できるビー
    クルを含んで成る医薬組成物。
  15. 【請求項15】 配列番号2の残基17〜残基170に示されるようなアミ
    ノ酸配列に対し少なくとも80%同一であるアミノ酸残基の配列を含んで成るポ
    リペプチドのエピトープに特異的に結合する抗体。
  16. 【請求項16】 配列番号2の残基17〜残基170に示されるようなアミ
    ノ酸残基の配列を含んで成るポリペプチドのエピトープに特異的に結合する抗体
  17. 【請求項17】 配列番号1のポリヌクレオチド又は配列番号1に対して相
    補的な配列の少なくとも14個の連続したヌクレオチドを含んでなヌオリゴヌク
    レオチドプローブ又はプライマー。
  18. 【請求項18】 哺乳類における遺伝的異常を検出するための方法であって
    : 哺乳類から遺伝的サンプルを獲得し; 前記遺伝的サンプルと、配列番号1又は配列番号1の相補体の少なくとも14
    個の連続したヌクレオチドを含んで成るポリヌクレオチドとを、前期ポリヌクレ
    オチドが相補的ポリヌクレオチド配列にハイブリダイズし、第1反応生成物を生
    成するであろう条件下でインキュベート;そして 対照反応生成物と前記第1反応生成物とを比較し、前期第1反応生成物と前記対
    照反応生成物との間の差異が患者における遺伝的異常を示すことを含んで成る方
    法。
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