JP2001512217A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 複合軸受を備えた連接棒
【特許請求の範囲】
【請求項1】 連接棒端部内に軸受層が配置され、この軸受層が軸受材料を溶射することによって連接棒端部に被覆形成される、連接棒を製作するための方法において、溶射された軸受層の少なくとも層上側に微小孔が形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】 多孔率が0.2〜10%、特に0.5〜4%であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】 溶射された下側の軸受層上に、高い多孔率を有する溶射された上側の軸受層が被覆形成されることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
【請求項4】 切削加工による後加工が、低い多孔率を有する溶射された下側の軸受層内まで行われることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】 多孔率が(全体の孔容積に対する)ほぼ閉じた孔によって決められることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】 軸受層に溝が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】 連接棒端部内に軸受層が配置され、この軸受層が軸受材料を溶射することによって連接棒端部に被覆形成される、連接棒を製作するための方法において、軸受層に溝が形成されることを特徴とする方法。
【請求項8】 複数の溝が軸受層に形成されることを特徴とする請求項6または7記載の方法。
【請求項9】 溝がV字形または台形であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】 溝側面の角度が30〜80°、特に45〜60°であることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】 溝の深さが0.2〜1mm、特に0.4〜0.6mmであることを特徴とする請求項6〜10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】 溝が溶射の前に形成されることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項13】 溝が半径方向部分を有し、特に主として半径方向に延びていることを特徴とする請求項6〜12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】 溝が閉じていて、特にリング状であることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】 溶射された軸受材料が機械的に後加工、特に切削加工されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】 溝が全くまたは残りの軸受層よりも少ししか後加工されない請求項6または7に従属する請求項15記載の方法。
【請求項17】 軸受材料がプラズマ溶射によって被覆形成されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一つに記載の方法。
【請求項18】 軸受材料として、金属特に合金が被覆形成されることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一つに記載の方法。
【請求項19】 軸受材料を被覆形成した後で、連接棒の端面が後加工、特に研削されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一つに記載の方法。
【請求項20】 軸受材料を被覆形成する前に、連接棒端部が特にサンドブラストによって粗面化されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
【請求項21】 4〜30μm、特に6〜12μmの平均粗さR なるように、連接棒が粗面化されることを特徴とする請求項20記載の方法。
【請求項22】 粗面化が異なる粒度による複数のステップ、特に粗い粒度の前に細かい粒度で行われ、場合によっては1回または複数回の粗い粒度による粗面化が続いて行われることを特徴とする請求項20または21記載の方法。
【請求項23】 複数の連接棒が、軸受材料でコーティングすべきその連接棒端部を同軸に重ねて処理されることを特徴とする請求項1〜22のいずれか一つに記載の方法。
【請求項24】 溶射が0.5〜20mm/s、特に2〜8mm/sの送り連接棒端部を通過して行われることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一つに記載の方法。
【請求項25】 軸受材料が複数の層、場合によっては異なる層、特に4〜30個の層で被覆形成され、この層が軸受層を形成し、場合によっては部分的に再び除去されることを特徴とする請求項1〜24のいずれか一つに記載の方法。
【請求項26】 軸受材料が、場合によっては後加工の後で、150〜800μm、特に200〜500μmの厚さに形成されることを特徴とする請求項1〜25のいずれか一つに記載の方法。
【請求項27】 連接棒端部が刻み目形成と破断によって開放されることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一つに記載の方法。
【請求項28】 溶射中、ガス流、特に空気流が3〜15m/s、特に5〜10m/sの流速で連接棒端部を通して案内されることを特徴とする請求項1〜27のいずれか一つに記載の方法。
【請求項29】 連接棒端部に軸受層が設けられ、この軸受層が軸受層材料を溶射することによって連接棒端部に被覆形成される、連接棒において、軸受層が少なくとも層上側に微小孔を有することを特徴とする連接棒。
【請求項30】 多孔率が0.2〜10%、特に0.5〜4%であることを特徴とする請求項29記載の連接棒。
【請求項31】 0.2〜250μmの範囲内の微小孔が孔容積の少なくとも50%を形成していることを特徴とする請求項29または30記載の連接棒。
【請求項32】 多孔率が主として閉じた孔によって形成されていることを特徴とする請求項29〜31のいずれか一つに記載の連接棒。
【請求項33】 軸受層に溝が設けられていることを特徴とする請求項29〜32のいずれか一つに記載の連接棒。
【請求項34】 連接棒端部に軸受層が設けられ、この軸受層が軸受層材料を溶射することによって連接棒端部に被覆形成される、連接棒において、軸受層に溝が設けられていることを特徴とする連接棒。
【請求項35】 溝が半径方向部分を有し、特に少なくとも主として半径方向に延びていることを特徴とする請求項33または34記載の連接棒。
【請求項36】 溝が閉じていて、特にリング状であることを特徴とする請求項35記載の連接棒。
【請求項37】 軸受層が複数の溝を含んでいることを特徴とする請求項33〜36のいずれか一つに記載の連接棒。
【請求項38】 溶射の前に溝が形成されていることを特徴とする請求項33〜37のいずれか一つに記載の連接棒。
【請求項39】 溶射された軸受層が切削加工されていることを特徴とする請求項29〜38のいずれか一つに記載の連接棒。
【請求項40】 溝が少ししかまたは全く切削加工しないで後加工されていることを特徴とする請求項33または34記載に従属する請求項39記載の連接棒。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載した連接棒製作するための方法と、請求項29の上位概念に記載した連接棒に関する。
【0002】
今日使用される、特に内燃機関用の連接棒は、いわゆる切断型連接棒としてまたはクラック型連接棒として形成される。この場合、クランク軸を取り囲む連接棒大端部は、切断されるかまたはクラックを形成される。連接棒小端部は通常は開放されない。というのは、真っ直ぐなピンを介してピストンに連結されるからである。
【0003】
軸受の荷重に応じて、連接棒端部は異なる軸受シェル(滑り軸受)を備えている。軸受シェルとしては特に、支持シェル材料が使用される。この支持シェル材料は通常はDIN 17210またはSAE 1010による鋼C10によって形成される。軸受シェル形状や用途に応じて冷間硬化させることができる。この支持シェル材料には、本来の滑り軸受層、例えばホワイトメタル鉛青銅、軽金属、スパッタ層等が、予想される軸受荷重に応じて被覆形成される。軸受シェル3成分軸受シェル、2成分軸受シェルまたは中実軸受シェル等として形成される。組み立ての後で軸受シェルが申し分なく固着されるようにするために、軸受シェルは初期応力を加えて取付けられる。
【0004】
軸受シェル材料的なコスト要因であるだけでなく、製造コスト要因を有し、かつ故障源でもある。例えば組み立て時に軸受シェルまたは軸受シェル半体の挿入を忘れることがあり、それによって重大なエンジンへの障害が生じる
【0005】
本発明の課題は、潤滑作用の大きな連接棒軸受を製作することである。
【0006】
この課題は方法に関しては請求項1およびまたは7の措置によって解決される。
【0007】
連接棒に関しては、課題は請求項29およびまたは34特徴によって解決される。
【0008】
従属請求項は好ましい実施形を示している。
【0009】
本発明では、特に連接棒大端部であり、場合によっては連接棒両端部でもある連接棒端部内に、軸受シェルはもはや挿入されず、軸受層が溶射によって連接棒端部に直接的に被覆形成される。溶射としては特にプラズマ溶射が使用される。連接棒は特に内燃機関の部品である。軸受層上の残留量を増大させるために、軸受層は溝を有し、およびまたは多孔性である。
【0010】
連接棒軸受の信頼性のある形成は、軸受力を確実にかつ許容温度で伝達するために、軸受の耐摩耗設計および構造を必要とする。耐摩耗性は、滑り面が耐荷重能力のある潤滑膜油膜)によって互いに分離されているときに達成される。このような潤滑膜は滑り軸受の場合、やや偏心した軸支承によって生じる。これにより、回転軸はポンプ作用を有し、このポンプ作用は潤滑剤(エンジンオイル)を(偏心した)軸受隙間内に搬送する。この場合、収斂する軸受隙間では油圧が高まる。すなわち、潤滑剤は最も狭い横断面内に押し込まれる。この場合、軸の回転運動が開始されるときまたは非常にゆっくりであるときに、“境界潤滑”(境界面摩擦−ジャーナル上の軸受材料)の状態が生じる。回転運動が速くなることにより、つながっている油膜がまだ形成されていなくても、油膜はジャーナルを支持する働きをする。これは“混合摩擦”、すなわち同時に行われる境界面摩擦と流体摩擦の状態である。この状態は主としてエンジンの始動および停止時に生じる。回転速度が更に上昇すると、軸受遊びの半分の厚さの、流体力学的に支持する潤滑膜層が形成される。この状態は“流体摩擦”である。この場合、軸受遊びは通常は15〜60μmである。
【0011】
適当な軸受材料によって連接棒(大)端部を本発明に従ってプラズマコーティングし、かつ滑り軸受層内に微小孔およびまたは溝を発生させることにより、連接棒軸受内に大きなオイル保持容積(オイル収容容積)が形成される。それによって、相対的に運動する部品の摩擦ひいては摩耗が、特に境界潤滑および混合摩擦の際に低下する。オイル保持容積は少なくとも1つの溝を連接棒軸受に形成することによって大幅に改善される。この溝は、半径方向溝として形成すると特に有利である。オイル保持能力を更に高めるために、この溝は加工しないでそのままになっている。すなわち、製作上の原因で粗い表面構造を有する。
【0012】
好ましくは切削加工される滑り軸受面の多孔性を有するが圧力に対して安定している表面構造と、非常に粗い表面構造を有する加工されていない溝は、いかなる軸受状態でも、回転運動や油圧に関係なく、或る程度のオイルを軸受内に貯蔵する働きをする。これにより、低いクランク軸回転数のときに既に境界面摩擦と混合摩擦の状態を通過し、それによって(ほとんど)摩耗しない流体力学的潤滑状態を早く達成することができる。すなわち、エンジン始動状態およびエンジン停止状態での緊急時回転特性が大幅に改善される。それによって、同じ軸受寸法で大きな軸受荷重が可能である。
【0013】
本発明は次の効果を奏する。連接棒の場合一般的である、滑り軸受面を形成する軸受シェルを省略可能である。というのは、本発明によれば、軸受コーティングは、連接棒材料に形成されるのであり、特別に使用される要素には形成されないからである。これにより同時に、軸受シェルの組み立て不要である。軸受シェルの省略およびまたは本発明による滑り軸受層の切削後加工により、誤差小さくなる。普通の連接棒軸受の場合には、3つの誤差がある。第1の誤差はクランク軸の誤差であり、第2の誤差は連接棒内の(軸受シェルの)滑り層によって決定され、第3の誤差は軸受シェルを挿入する連接棒端部によって決定される。本発明によるコーティングと軸受層の後加工によって、第3の誤差が無くなる。更に、本発明によれば、ボルト範囲に大きな材料厚さを有する。というのは、本発明によれば、被覆形成される軸受層は、軸受シェルよりも薄い厚さを有するからである。これにより、連接棒の外形寸法が同じ場合でも大きな荷重が可能である。第3の誤差(連接棒端部の誤差)は、本発明の場合には、非常に大まかに寸法設定可能である。というのは、第2の誤差寸法まで例えば精密スピンドル(精密ホーニング)によって除去される後続のコーティングによって、この第2の誤差が相殺されるからである。
【0014】
本発明によれば、軸受層は少なくとも表面に或る程度の多孔性を有するように溶着される。この多孔性は、例えば酸化物封じ込めによって形成される微小孔を有する軸受層が形成されることによって得られる。この酸化物は層表面の後加工時露出する。多孔率は軸受面において好ましくは約0.2〜6%、特に0.5〜4%である。更に、微小孔が互いに接続しておらず、微小孔の孔容積が主として閉じた孔によって形成されていると有利である。この微小孔は流体力学的微小圧力室潤滑システムを形成する。この場合、微小孔は例えば表面加工(例えば精密スピンドル加工)の切削加工工程によって開放される。この場合、滑り軸受面内の孔はオイル保持室としての働きをするので、エンジンスタートまたはエンジン停止の瞬間に、およびクランク軸の回転が開始されるときまたは徐々に停止するときに、例えば滑り軸受内の油圧が既に低下しているかまたは上昇させなければならなくても、微小孔からのエンジンオイルがクランク軸に付着することによって、滑りフィルム形成(流体摩擦)のために充分な油量が供される。本発明による微小圧力室システムによって、混合摩擦の範囲が大幅に短くなる。これによって、鉛合金、錫合金またはニッケル合金等のような付加的な滑り軸受物質を挿入しないで、軸受の緊急時回転特性が大幅に改善される。孔の大きさと孔の容積は好ましくは、滑り表面の軸受荷重に応じて溶射時に調節される。通常は、孔容積の大部分は0.2〜250μm、特に1〜50μmの大きさの孔に存在する
【0015】
本発明による軸受層の製作時の普通の工程は次の通りである。先ず最初に、被覆すべき基質表面(例えば連接棒大端部)がクリーニングされ、特に脂肪が除去される。これは例えば高温蒸気によって行われる。続いて、基質表面が例えばAl2O3によってサンドブラストされる。噴射圧は好ましくは3〜8バール、特に4〜6バールである。その際、好ましくは異なる粒度で加工される。この場合好ましくは、増大する粒度が使用される。すなわち、先ず最初細かい粒子次に粗い粒子でサンドブラストされる。少なくとも3つの異なる粒度が使用されると特に有利である。この場合、粒度は普通のメッシュ範囲内にある。細かい粒度のためには好ましくはメッシュ80以下、特にメッシュ100〜230が使用される。中間の粒度のためには好ましくはメッシュ100〜40、特にメッシュ80〜45の粒子の大きさが使用される。粗い粒度のためには好ましくはメッシュ45特にメッシュ30から特にメッシュ16(標準網目サイズ600μm〜1.18mm)までの粒子が使用される。
【0016】
サンドブラストの際の異なる粒度によって、刻み目、例えば破断刻み目または溝の範囲においても、良好な表面粗さが得られる。この場合、滑らかな範囲においては、RAで約5〜10μm、特に6.5〜8μmの、RZで約35〜60μm、特に42〜54μmの平均粗さの表面構造が得られる。このようなサンドブラストによる粗さによって、連接棒上の溶射層の付着引張り強度がきわめて良好である。
【0017】
続いて、AlCuFe合金(アルミニウム青銅)によるプラズマコーティングが行われる。好ましくは多孔率が増大する溶射軸受層が作られる。この場合、第1の層として、小さな多孔率(2%以下、特に1%以下)を有する層が作られる。そのためには例えば38μm(400メッシュ)の粉末粒子サイズが適している。この下側のコーティングは約100〜300μm、特に200〜250μmの層厚で作られる。その結果、この場合、約2〜6%、特に2.5〜4%の多孔率の層が得られる。この場合、例えば約63μm(メッシュ230)の大きさの粉末粒子が使用される。この場合、粉末粒子サイズは、粉末の少なくとも40重量%、特に少なくとも50重量%が標準網目サイズ以下であり、好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも80重量%が次の等級内にあり、更に少なくとも90重量%が2倍の直径(ハーフメッシュサイズ)内にあるように選定される。
【0018】
この場合、層厚は、同様に下側のコーティングのために記載した範囲内で選択される。1つだけの層を形成するときには、この層の厚さは好ましくは100〜600μm、特に200〜400μmである。
【0019】
軸受層の被覆形成は好ましくは1回の作業工程で行われる。すなわち、コーティングは中断されない。異なる多孔率を達成するために、自動的な粉末およびまたはパラメータ適合が行われると有利である。
【0020】
下側の軸受層は好ましくは、例えば軸受シェルの破断の際に連接棒のクラック形成によって生じる非円形部(代表的な非円形部は30〜150μm)を覆い、後加工のために十分な厚さを得るために、連接棒の軸受材料上に方法技術的に簡単に被覆形成可能な特に多孔性の他の層によって覆うことができる。この層は本来の滑り軸受層(小さな多孔性層)内まで大きな問題なく除去可能である。この方法により、層内部応力の調整、連接棒の少しの焼けおよび滑り軸受層の大きな付着引張り強度が達成される。この付着引張り強度は通常は20N/mm以上、特に25N/mm以上である。28N/mm以上の付着引張り強度可能である。アルミニウム青銅によって例えば約185HV0.3以上の層硬さが得られる。
【0021】
主としてディーゼルエンジンにおいて設けられるような、連接棒、特に連接棒大端部の高荷重滑り軸受層のために、滑り軸受層内の残油量を増大させると有利である。これは本発明に従い、滑り軸受層内に1つまたは複数の潤滑溝を形成することにより、エンジン停止時またはアイドリング回転数以下のエンジン回転数においてオイル保持容積を増大させることによって達成される。これによって、エンジン始動またはエンジン停止時に、混合摩擦の範囲短時間で通過される。この短い時間は滑りフィルムの長時間の維持または迅速な形成の結果である。この滑りフィルムは、微小孔および1つまたは複数の溝からのエンジンオイルがクランク軸に付着することによって生じる。特に多孔性表面と共に、軸受層に少なくとも1つの溝を形成することによって、ポンプの油圧が既に低下していたり、上昇し始めるときでも、潤滑膜は“長時間”維持される。溝が主として半径方向に、すなわち周方向に延びていると、溝効果が特に有利である。その際、溝が閉じていると、すなわち無端溝、特にリング状の無端溝であると特に有利である。溝は好ましくはV字形または台形に形成される。この場合、溝の側面は互いに特に30〜80°、特に45〜60°をなしている。溝の深さは0.2〜1mm、特に0.4〜0.6mmが適している。溝の数は特に、滑り軸受の幅、滑り軸受の接触面積の割合および必要な付加的なオイル保持容積に依存する。上記の溝形状と溝深さは、溶射コーティング前の状態である。溶射コーティングとしてプラズマ溶射を使用すると特に有利である。
【0022】
1つまたは複数の溝を形成した後で、基質表面は好ましくは、滑り層、特に上記の異なる多孔率の複合軸受層で被覆される。それに続く軸受面の後加工の際、特に溝は全く又は少ししか後加工されないので、粗い(プラズマ)層構造がきわめて良好なオイル保持を生じさせる
【0023】
軸受層の溶射の際に、金属が溶射されると有利である。この場合、好ましくは金属合金が使用される。更に、好ましくはいろいろな金属の混合物(特に金属合金)が使用される。このような混合物は例えばアルミニウムとの混合物である。この場合、個々の成分を粉末形態で混合することによって、混合物が特に有利に得られる。金属粉末の分級は特に個々の溶射パラメータに依存し、専門家による一連の実験で容易に検出可能である。軸受材料としては、青銅、特にアルミニウム青銅(アルミニウム/)が好ましいが、銅青銅や金属−軟質物質−層およびまたは金属−固体潤滑物質−層を使用することできる。軟質物質としては、例えばのような軟質金属が使用され、この軟質金属は例えばアルミニウム合金(アルミニウム/銅/マグネシウム/クロム)のような硬い金属内に分配される。しかし、軟質物質として、例えばフルオロポリマー(例えばポリテトラフルオロエチレン)のような他の材料を使用することできる。固体潤滑物質としては、例えば二硫化モリブデン、窒化ホウ素またはグラファイトのような化合物が適している。
【0024】
軸受材料を過剰に溶射すると有利である。この軸受材料は続いて機械的に後加工される。後加工のために、例えばホーニングが使用され、特に精密スピンドル加工が適している。ホーニングの場合、好ましくは、軸受材料の20〜300μm、特に50〜200μmが除去される。精密スピンドル加工の場合、過剰量は好ましくは50〜1000μm、特に100〜500μmである。
【0025】
(余剰量の除去の後の)完成した軸受層は特に、150〜800μm、特に200〜500μmである。このような層は、2.5mmの範囲内の厚さの普通の軸受シェルよりも非常に薄い。これは、多くの材料が連接棒に残ったままであること(高荷重に耐える)あるいは軽量の連接棒を製作することができることを意味する。
【0026】
本発明では、溶射によって軸受材料で被覆される連接棒端部は好ましくは、軸受材料を被覆形成した後で初めて開放される。この方法は、連接棒端部が破断される(クラックを形成される)ときに使用される。この方法の場合には、連接棒端部は(内側に)所望破断個所に各々1つの刻み目を備えている。この刻み目が特にレーザによって形成されると有利である。この場合例えば、FKレーザが約45°で連接棒端部に入れられる。レーザ出力として特に5〜10kWが使用される。刻み目は好ましくは幅が0.3〜0.8mm、深さが0.2〜0.7mmに形成される。破断個所は通常は連接棒端部のほぼ中央に形成される。その代わりに、エロージョンによってまたはブローチ工具を用いて例えば突きさすことによって刻み目が形成される。
【0027】
連接棒端部に刻み目を形成し破断する際に、先ず最初に連接棒に刻み目を入れ(例えば工具、レーザまたはエロージョンによって)、次に溶射によって軸受材料を被覆し、続いて破断すると有利である。この方法によらない場合に破断個所または個々の軸受シェルの間に存在する隙間、この方法無くなる(かまたは最小となる)。このような隙間はエンジン負荷が高い場合に、油膜途切れを促進する。軸受材料のコーティングの前に刻み目を設けることにより、良好な潤滑特性が達成される。事情によっては、軸受材料のコーティングの前破断してもよい。その場合には、それに続いて、軸受材料はもう一度(好ましくは刻み目なしで)破断される。
【0028】
連接棒端部が切断によって開放される場合、これは好ましくは、溶射による軸受材料の被覆の前に行われる。この方法の場合、連接棒端部が切断され、連接棒本体と連接棒キャップの合わせ面が個別滑らかにブローチ削りされる。この部品は続いて組み立てられ、穴とねじが形成されてねじ止めされる。再びねじ止めされた連接棒端部には好ましくは、特に軸受材料によるコーティングの前に、(分離個所に)刻み目が形成される。続いて、軸受層を分離するために、連接棒端部が再び破断される。この場合、破断が不均一に行われるときには、軸受層自体に刻み目を入れなければならない。
【0029】
軸受層の上記加工(ホーニングまたはスピンドル加工)は好ましくは、連接棒端部の開放の後で初めて行われる。これによって、場合によって軸受層の破断時に発生する破断エッジのまくれが、過剰量の除去と同時に除去される。
【0030】
本発明に従って製作された連接棒には、オイル通路を連接棒端部に穿設することができる。このオイル通路は好ましくは、軸受層を被覆形成した後で初めて、特にその後加工の後で初めて、連接棒端部に穿孔される。この場合、オイル通路は連接棒本体を通って反対側の連接棒端部まで穿孔することができる。
【0031】
本発明によれば、軸受層を被覆した後で初めて、連接棒の端面(大きな側面)を後加工すると有利である。後加工は好ましくは端面の研削によって行われる。
【0032】
本発明による方法の場合、コーティングの前に、連接棒端部を粗面化する加工ステップが設けられる。サンドブラストによる粗面化が特に有利である。しかし、高圧の液体を噴射してもよい。この場合、連接棒端部の材料、特にC70鋼は、平均粗さが4〜30μm、特に8〜12μmになるように粗面化される。このような平均粗さの場合、連接棒端部の材料上での軸受材料のきわめて良好な付着が達成される。
【0033】
連接棒端部における軸受層のきわめて有利な製作のために、連接棒端部の少なくとも一方の端面が型板で被覆される。この型板連接棒端部の範囲に穴を備えている。この穴は連接簿端部の穴とほぼ同じ大きさであるので、コーティングは型板によって妨害されることがなく、連接棒端部の範囲における端面のコーティングが避けられる。一方の端面だけが型板で被覆されると、他方の端面は好ましくはパレット上に載せられる。このパレットは連接棒の範囲に同様に、型板のような穴を備えている。
【0034】
本発明に従って、個々の連接棒の端部が1回の作業工程でコーティングされると有利である。そのために、複数の連接棒、好ましくは2〜10個、特に4〜8個の連接棒は、コーティングすべき連接棒端部が円筒を形成するように重ねられる。そのために、連接棒を調心するホルダーを特殊パレット上に設けることができる。このホルダー内に連接棒が挿入される。この方法の場合、同時に被覆される連接棒は、それに続いて内燃機関に一緒に取付けるために、グループとして持続的に取り扱われる。内燃機関のすべての(同じような)連接棒は重ねることによって一緒にコーティングされる。シリンダの数(例えば12シリンダ)のためにこれが構造上不可能であるときには、少なくとも1つのシリンダバンクの連接棒(V12エンジンの場合には6個)が重ねてコーティングされる。この方法により、同じ品質の連接棒を内燃機関に取付けることができる。
【0035】
特に複数の連接棒を重ねてコーティングするときに、溶射中、ガス流が連接棒端部を通して案内されると特に有利である。ガス流としては特に、条件調整され浄化された空気が適している。特に、空気流は脂肪や水分を含まないようにすべきであり、かつできるだけ所定の温度範囲(約20°C)内にあるようにすべきである。空気流は好ましくは、3〜15m/s、特に5〜8m/sの流速(空気下降速度)を有する。ガス流によって、溶射時に発生する飛沫が吹き飛ばされる。
【0036】
軸受材料の溶射は特に、回転する噴射ノズルによって行われる。この噴射ノズルは特に、連接棒端部の上方で回転して連接棒端部内に入れられる。このような噴射ノズルによって、連接棒端部内にきわめて均一なコーティングが得られる。噴射ノズルは本発明による連接棒端部のコーティングの際に、連接棒内への特に0.5〜20mm/s、特に2〜8mm/sの送り連接棒端部に通される。
【0037】
溶射の際に、軸受材料の複数の層が連接棒端部に被覆されると特に有利である。この場合、4〜30個の層連接棒端部に形成される。その際、この層は好ましくは異なる方向に被覆される。これは、層品質を改善する働きをする。これは連接棒端部の場合、噴射ノズルが内部に挿入されるときと外に出されるときに連接棒端部をコーティングすることによって得られる。この場合、回転する噴射ノズルは特にその回転方向を維持する。
【0038】
本発明では、連接棒が大量生産で軸受材料によって被覆される。この場合、一連の個々の連接棒を測定すると有利である。この場合、特に平均粗さおよびまたは軸受材料自体(例えば混合物を使用する際の軸受材料の分布の均一性)が測定される。連接棒の測定が非破壊で行われると特に有利である。
【0039】
上記の特徴と措置および次に説明する特徴と措置は、本発明による方法並びに連接棒のために同じように通用する
【0040】
次に、図と実施の形態に基づいて本発明を詳しく説明する。
【0041】
上述の方法ステップは一部だけが必須である。基本的には個々の方法ステップは、省略、補足、代替的実施およびまたは他の方法ステップと交換可能である。
【0042】
クラック型連接棒の製作工程
例えば今まで軸受シェルを備えていたような例えばC70鋼から成る普通の連接棒1(図1,2)が、製作ラインに置かれる。これに続いて、側面2の粗研削が行われる。続いて、連接棒大端部3と小端部4が粗加工される。すなわち、所定の寸法にされる。更に、連接棒キャップ9のためのねじ穴加工が側面2で行われる。すなわち、穴5とねじ6が形成される。
【0043】
クラッキングの準備のために、FKレーザ7が45°の角度で連接棒大端部3に入れられる。このレーザ7によって、連接棒大端部3の両側中央にそれぞれ、幅が約0.5mmで深さが約0.3〜0.5mmの刻み目が形成される。その代わりに、ブローチ工具によって刻み目を形成してもよい。
【0044】
刻み目8が形成された後で、連接棒大端部3は、後述するように、プラズマコーティングされる。プラズマ層を形成した後で、連接棒大端部3はプラズマ層と共に、約100kNの破壊力を有する破断装置によってクラック(亀裂)を入れられる。破断個所はクリーニングされ(圧縮空気を吹き付けられ)、破断した連接棒キャップ9はボルト10によって、所定のトルクで組み立てられる。連接棒小端部も、ブッシュ11を圧入することによって組み立てられる。その後で、端面12が仕上げ研削される。
【0045】
今や、大端部3と場合によっては小端部4は寸法16(図3)となる。これは、精密ドリルすなわち精密スピンドルによって行われる。続いて、連接棒は、完全なクリーニング、測定および分級される。
【0046】
切断型連接棒の製作工程
切断型連接棒の製作過程は上記の過程と実質的に同じであるが連接棒端部は側面、ヘッド面およびボルト座をブローチ加工した後で、切断によって分離される。切断の後で、連接棒本体の合わせ面と連接棒キャップの合わせ面別々にブローチ加工される。これに洗浄ステップが続く。この洗浄ステップの後で、連接棒小端部が粗加工および仕上げ加工される。今や、側面に穴とねじを形成することによって、キャップボルトが挿入される。連接棒本体と連接棒キャップの合わせ面が仕上げ研削され、もう一度洗浄され、連接棒キャップが連接棒本体に取付けられる。切断面に再びFKレーザによって刻み目が形成され、続いて連接棒大端部が軸受層を備えさせられる。この軸受層は続いて再び破断される。
【0047】
例えば軸受シェル11の連接棒小端部4への圧入のような個々の製作ステップは、工程全体の異なる個所で行うことができ、例えばプラズマコーティングの前に行うことができる。
【0048】
連接棒大端部のプラズマコーティングの製作工程
プラズマコーティングのために、連接棒は洗浄され、連接棒大端部は高温蒸気で脱脂され、その後残留水分が乾燥除去される。このようにして前処理された連接棒は4〜8本上下に重ねられるので、連接棒大端部が特殊パレットの穴上に同軸に位置する。その際、連接棒は好ましくは、予備加工された連接棒小端部と連接棒本体または側面によって方向づけられて固定される。連接棒を載せた特殊パレットは、準備領域を経てサンドブラストユニット内に達する。このサンドブラストユニット内では、連接棒大端部がサンドブラストによって約8〜12μmの平均粗さR となる。続いて、連接棒はクリーニングステーションに移動し、サンドブラストされた表面に圧縮空気が吹き付けられる。前処理された連接棒は最後に、プラズマステーションに移動する。このプラズマステーションでは、連接棒大端部が回転するプラズマバーナーによって、約0.5mmの層厚15でアルミニウム青銅が被覆される(図3)。被覆された連接棒はその後で、冷却領域に達し、そこから、冷却された連接棒は特殊パレットによって取り出され、上述の次の加工部に供給される。
【0049】
本発明に従って製作された連接棒は、連接棒大端部に軸受シェルを含んでいないので、軸受シェルの組み立て自体と、保持溝の形成または軸受シェルのバリ取りが省略されるという利点がある。これにより、プラズマ層の形成コスト的に競争力がある。更に、プラズマコーティングされた連接棒は組み立て信頼性が高まる。というのは、軸受シェルの組み立てを省略すことができないからである。
【0050】
本発明による連接棒は大端部、軸受キャップの範囲内に大きなウェブ幅を有する。というのは、プラズマ層は、後加工の後で約0.3mmの厚さでしかないが軸受シェルは2.5mmであるからである。これにより、高負荷エンジンのための連接棒高負荷およびまたは重量の低減が可能である。更に、2個の軸受シェル半体の間の隙間がなくなる。高負荷の場合、この隙間のところで油膜が途切れ始める。それによって、本発明に従って製作された連接棒は良好な潤滑特性を有する。
【0051】
被覆形成工程
上述の製作工程で述べたように、半径方向の溝を有するコーティングすべき表面のクリーニングは高温蒸気によって行われる。この場合、実際に100%の脱脂が達成される。基質表面(鉄材料、例えばC70)のサンドブラストは、Al 2 O 3 約4〜6バールの噴射圧力でかつ異なる粒度で行なわれる即ち、クラック型連接棒または切断型連接棒において侵食される破断刻み目のための第1回目の噴射作業は、φ0.063〜0.15mm(230〜100メッシュ)の粒度で、基質表面と半径方向溝のための第2回目の噴射作業は、φ0.18〜0.35mm(80〜45メッシュ)の粒度で、そして基質表面と半径方向溝のための第3回目の噴射作業は、φ0.6〜1.1mm(30〜16メッシュ)の粒度で行われる。他の作業ステップとして、続いてアルミニウム−銅−鉄−合金によるプラズマコーティングが行われる。この場合、例えばアルミニウムを5〜15%、鉄を1〜5%、コバルトを1〜4%そしてマンガンを0.5〜4%含むアルミニウム青銅、特にアルミニウムを9〜12%、マンガンを約2%、コバルトを約2〜2.5%そして鉄を約3〜4%含むアルミニウム青銅を使用することができる。第1回目のプラズマコーティングは約200〜250μmの層厚でそして平均で約38μmのコーティング材料の粉末粒子サイズで行われる。この場合、その都度使用されるバーナーに関連する被覆パラメータによって、層内に1%以下の多孔率が生じる。幾分粗い粉末粒子(約φ65μm)によって中断しないで更にコーティングが行われる。この場合、200〜250μmの層厚が形成される。この場合、装置パラメータは1.5〜3.5%の多孔率が達成されるように調節される。
【0052】
このようなコーティングは半径方向溝なしの軸受においても行うことができる。
【0053】
半径方向溝を備えた切断型連接棒の製作工程
次に、全体の製作工程について説明する。個々の作業ステップは既述のように、作業計画に応じて省略、交換、補足または他の作業ステップと置換可能である。
【0054】
連接棒未加工品が供給された後で、この連接棒未加工品は製造ライン上に置かれる。この製造ラインでは、端面12の予備研削(粗研削)とブローチ加工が行われる。続いて、側面2、ヘッド面およびボルト座がブローチ加工され、連接棒大端部が分離される。その後で、合わせ面30と連接棒大端部3のブローチ加工が行われる。この場合、連接棒本体と連接棒キャップ9は個別に加工される。部品を洗浄した後で、連接棒小端部4が粗加工および仕上げ加工され、連接棒キャップボルト10のために穴とねじが切られる。連接棒小端部4に軸受ブッシュ11が圧入され、押圧され、面取りされる。連接棒本体と連接棒キャップ9の合わせ面30は仕上げ研削され、全体がもう一度洗浄される。
【0055】
その後で、連接棒キャップ9は所定のトルクで連接棒本体に締結され、そして半径方向溝32を使用する場合には、溝が例えばフライス加工または旋盤加工によって連接棒大端部に形成される。
【0056】
プラズマ層15,16を後で開放するために、破断刻み目が例えばエロージョンまたはレーザによって連接棒大端部に形成される。それに続いて、連接棒大端部のプラズマコーティングが行われる。
【0057】
必要な場合には、連接棒の種類の応じて、オイル通路を(連接棒大端部から連接棒本体を通って連接棒小端部まで)穿孔することができる。これはガソリンエンジンの場合に行うことができ、たいていの場合ディーゼルエンジンで行われる。
【0058】
被覆されたプラズマ層15は連接棒キャップボルト10を弛めることによってクラックが入れられる。これはプラズマコーティングに応じて、しばしばプラズマ層15の内部応力によって行われる。連接棒キャップ9が取り外され、破断個所が吹き飛ばしによってクリーニングされる。続いて、連接棒キャップ9が再び取付けら、連接棒キャップボルト10が所定のトルクで締付けられる。連接棒大端部が両側を面取りされ、そして選択に応じて半径方向溝のエッジが破断される(丸められる)。
【0059】
その後で、端面12が仕上げ研削され、連接棒小端部4が仕上げ穿孔され、連接棒大端部3が軸受層16上に固有の軸受面35を形成し微小孔33を露出させるために、仕上げスピンドル加工される。その後の洗浄の後で、連接棒が測定され、分級される。この場合好ましくは、2つの誤差等級が選択される。
【0060】
このようにして製作された連接棒は組み立てラインで分解され、組み立てラインで内燃機関のクランク軸34に取付けられる。
【0061】
連接棒大端部をプラズマコーティングし、場合によってはオイル通路を穿孔した後で、連接棒大端部の両側を面取りし、選択に応じて半径方向の溝エッジを丸めることができる。これに続いて、端面の仕上げ研削が行われ、連接棒小端部が仕上げ穿孔され、連接棒大端部が仕上げスピンドル加工される。分級を含めて連接棒の洗浄及び測定をした後で、特に直接組み立てラインで、連接棒キャップボルトを弛めることによってプラズマ層にクラックが形成される。連接棒キャップが取り外され、破断個所が例えば吹き飛ばしによってクリーニングされる。そして、連接棒は内燃機関のクランク軸に取付けられる。
【0062】
例えば連接棒キャップボルト用穴をややずらすことによって、連接棒におけるキャップのねじれ防止が有利に行われる。それによって、プラズマ層にクラックを形成する際に生じるぎざぎざが再び互いに同一に配向される。
【0063】
クラック型連接棒の製作工程
連接棒未加工品(材料は例えばC70)が製作ライン上に置かれ、粗研削される。この場合、側面が平らに研削される。連接棒大端部と小端部の粗加工と、軸受キャップのためのボルト穴加工(穿孔とねじ切り)が行われる。軸受の種類に応じて、例えばフライス加工または旋盤加工によって、1つまたは複数の半径方向溝が連接棒大端部に形成される。続いて、連接棒大端部に例えばFKレーザによって刻み目が形成される。このレーザは連接棒大端部に45°で入れられる。レーザ出力は約7kWである。この場合、両側において、約2mmの幅と0.5mmの深さの刻み目が大端部の中央に形成される。この刻み目はブローチ工具によってあるいはエロージョンによって形成することできる。約100kNの破断力を有する破断装置によって、連接棒大端部にクラックが形成される。連接棒軸受キャップが取り外され、破断個所が例えば圧縮空気によってクリーニングされる。続いて、連接棒軸受キャップが再び取付けられ、連接棒軸受キャップボルトが所定のトルクで締付けられる。その後、連接棒大端部がプラズマコーティングされ、軸受ブッシュが連接棒小端部に圧入される。連接棒大端部の両側が面取りされ、連接棒側面が仕上げ研削され、連接棒大端部と連接棒小端部が精密穿孔または精密スピンドル加工される。続いて、連接棒の完全なクリーニング(洗浄)と測定と分級が行われる。組み立てライン連接棒が分解され、内燃機関のためのクランク軸に取付けられる。
【0064】
特に連接棒キャップボルトを弛めることによるプラズマ層のクラック形成は、直接組み立てラインあるいはその前の時点で行うことができる。プラズマ層のクラック形成の後で、連接棒キャップ破断個所をクリーニング(吹き飛ばし)することが推奨される。
【0065】
プラズマコーティングの製作工程
連接棒が洗浄され、少なくとも連接棒大端部が高温蒸気によって脱脂され、続いてできるだけ低い残留水分含有量まで乾燥される。複数の連接棒が連接棒大端部に対して同軸に重ねて特殊パレット上に積み重ねられる(通常は4〜8個の連接棒)。この場合、固定は連接棒小端部と連接棒本体または側面を介して行うことができる。積荷された特殊パレットはニュートラルゾーンを経てサンドブラストユニットに入れられ、位置決めされる。連接棒大端部は上記の砂分級によって約6.5〜8μmの平均粗さにサンドブラスト加工される。続いて、特殊パレットサンドブラスト加工した連接棒と共にクリーニングステーションに移動する。このクリーニングステーションでは、サンドブラスト加工された表面に圧縮空気が吹き付けられる。更に、特殊パレットプラズマステーションに移動する。このプラズマステーションでは、連接棒大端部が先ず最初に小孔の少ない、続いて小孔が幾分多い全体厚さが0.5mmのアルミニウム青銅から成る層でプラズマコーティングされる。コーティングされた連接棒は冷却領域に移動させられ、パレットを冷却した後で次の加工のためにパレットから取り外される。
【0066】
本発明は、軸受シェルとその組み立て並びに保持溝とそのためのバリ取りを省略することができるという効果がある。これによって、組み立て信頼性が高まる。プラズマコーティグによって、軸受キャップ固定部の範囲において大きなウェブ幅(小さな連接棒穴直径)が得られる。なぜなら、軸受シェル厚さが約2.5mmであるに対してプラズマ層は0.5mmよりも薄いからである。これによって、高負荷エンジンにおいて連接棒負荷を与えることまたは或る程度の重量低減が可能である。更に、構造的な原因により事情によっては油膜が途切れることになる、2個の軸受シェル半体の間の隙間が無くなる。プラズマコーティングによって、良好な潤滑特性が達成される。同時に、誤差が小さくなる。なぜなら、プラズマコーティングによって誤差等級が無くなるからである。小さな製作誤差によって良好なエンジン回転が達成される。プラズマコーティングにおいて半径方向溝を使用することにより、軸受の高荷重と、混合摩擦時間の低減が達成される。微小圧力室システムは、1つまたは複数の溝と組み合わせて、摩擦係数を改善する。溝は他の滑り軸受材料で被覆してもよい。この滑り摩擦材料は、コーティングを切削加工した後で溝内に存在する。このような軸受材料は鉛、亜鉛またはニッケルをベースとするものであってもよい。これによって、軸受の高荷重また寿命が達成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
連接棒の正面図である。
【図2】
連接棒の側面図である。
【図3】
連接棒大端部の層構造を示す図である。
【図4】
クランク軸ジャーナルと微小孔の軸受層を備えた連接棒キャップを示す図である。
【図5】
1つの半径方向潤滑溝を備えた図4の連接棒キャップを示す図である。
【図6】
複数の半径方向潤滑溝を備えた連接棒キャップを示す図である。
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