JP2001510632A - 低圧放電ランプ及び低圧放電ランプを製造する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明による低圧放電ランプには光を伝播する放電容器(1)が設けられ、この放電容器は放電空間(10)を気密に封入する。この放電空間(10)には、揮発性の成分を含むイオン化できる充填物が入っている。この低圧放電ランプはまた、上記放電空間内に電気的放電を持続する手段も具備する。この低圧放電ランプは更に、弾性体(30)と開いた入れ物(31)とを持つ担体(3)を具備する。該弾性体(30)は管(14)の内部に固定され、管(14)は放電空間(10)と通じている。上記入れ物(31)は弾性体(30)の内部に固定されている。入れ物(31)が存在しないときは、弾性体(30)は管(14)内に遊び(x)を持つ開放された状態で挿入されることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 低圧放電ランプ及び低圧放電ランプを製造する方法 本発明は、光を伝播する放電容器を有して成る低圧放電ランプであって、該低 圧放電ランプは揮発性の成分を含むイオン化できる充填物を持つ放電空間を気密 に封入しており、また上記低圧放電ランプは、上記放電空間内で電気的放電を持 続するための手段と、上記放電空間と通じている管の内側に固定された弾性体を 持つ担体と、を更に有して成り、該担体が上記揮発性の成分を入れて置くのに適 するものであるところの低圧放電ランプに関する。 本発明はまた、低圧放電ランプを製造する方法にも関する。 このような低圧放電ランプは米国特許第4 262 231号明細書から既知である。 それに記載された既知のランプは無電極低圧水銀放電ランプであって、電気的放 電を持続するための手段は放電空間内の円環（浮輪）形のコイルにより形成され る。イオン化できる充填物は水銀を含むばかりでなくアルゴンのような希ガスも 含む。この既知のランプでは、担体は例えばPbBiSnのような合金を持つ水銀のア マルガムで湿らせた金網を丸く巻いた形をとる。担体をその中に固定する管が、 ランプの製造過程で排気管として用いられ、それを通して放電空間を排気したり 充填したりする。ランプの製造過程では、上記丸く巻いた金網が弾性体をも形成 し、管内に挿入される。このやり方には、金網を管内に挿入するときにその管に かき傷を付け、それが破断につながることもある、という不都合がある。 本発明の目的は、冒頭に記載の型のランプであって、上記担体を設けるに当た り管にかき傷を付けないものを提供することである。これを達成するために、本 発明によれば冒頭に記載の型の低圧放電ランプが、上記担体は上記弾性体ばかり でなく開いた保持器をも含み、該保持器は上記弾性体に固定されており、また、 保持器が無いときには上記弾性体は遊びを持つ開放された状態で上記管内に収容 されることができることを特徴とする。 ランプの製造過程では、上記弾性体は固定されない自由な状態で管内に挿入す ることができる。この状態で、保持器と管との間には若干の遊びがあるから、管 内にかき傷を付けることは防止される。その次に保持器は弾性体の中に固定する ことができる。その結果、弾性体と管との間の遊びは消失し、保持器と弾性体と が共に管内に安定する。 第DE 25 11 417 AS号特許明細書が、保持器を含む担体を持つ低圧放電ランプ を開示していることに注意されたい。保持器は、ランプの製造過程で水銀を調合 するのに用いられる。弾性体はその一端で放電容器の端部に密封され、その他端 では保持器を排出管の壁に固定する。このランプは弾性体を封入するのに別の操 作を必要とする。弾性体の素材の選択は、ガラス内に封入するのに適するものに 限定される。 本発明による低圧放電ランプの魅力的な実施例が、上記弾性体は上記保持器と 上記管との間に置かれるストリップであることを特徴とする。この形の弾性体は 強靭であって、ランプの製造過程で取扱いが容易である。 もし上記弾性体が上記管の内側の表面と同じ形に曲げられた部分で上記管と結 ばれており、またもしこの弾性体が内側に向いている終端部を持つならば、好適 である。 低圧放電ランプの有用な一実施例では、上記保持器と上記弾性体とは相互に自 分で位置決めのできる形を持つ。これによって該低圧放電ランプは次のような魅 力的な方法を用いて製造することができる、その方法は：弾性体と保持器とが相 互に反対の端から管の中へ挿入され、上記弾性体は上記管に対し同じ軸位置に保 持され、また上記保持器は上記弾性体の中に固定されるまで更に深く挿入され、 その後で上記管及び他のコンポネントが組み立てられて放電容器を形成し、その 後で上記放電容器は排気され、引き続いて上記放電容器には揮発性の成分を含む 充填物が供給され、その後で上記管が自由端で閉じられ、上記低圧放電ランプに は放電空間内に電気的放電を持続するための手段が設けられる。上記弾性体と上 記保持器とはその形が互いにかみ合っているから、弾性体のその部分は、保持器 を挿入することによる圧力の結果として、自動的に反対方向に外側に広がって行 くのである。 出来上がったランプでは、保持器は、水銀やナトリウムのような揮発性の成分 を、例えばアマルガムのような複合体で含んでいるだろう。弾性体の中に固定さ れている保持器は一定の位置に在り、それにより上記アマルガムは信頼の置ける 機能を果たす。上記方法の一実施例では、この場合には最初にアマルガムを入れ た保持器を管内に置くことができる。その管及びその他の部品を組み立てた後で ランプの放電容器に揮発性の成分が与えられ、その一部分がアマルガムによって 結合させられる。 この方法の１つの好適な実施例では、上記放電容器を排気するに先立って、上 記保持器は閉じられて、揮発性の成分をその中に含み、また上記保持器は、上記 放電容器の排気の後で、例えば該保持器にレーザービームを照射することにより 開かれる。またはその代わりに、保持器は高周波加熱によって開かれてもよい。 この目的のためにガラスのカプセルが金属の環を具備することもある。 この実施例の魅力的な変形では、上記保持器が開かれた後で、上記揮発性の成 分は上記保持器から除去され、その後で、管の一部分が上記保持器をその中に入 れ、上記保持器は上記管から切り離され、その後で上記管の結果的に自由になっ た終端が封印される。もし保持器が専ら揮発性の成分を調合するのに用いられる のであれば、この変形は極めて適切である。揮発性の成分を除去した後ではこの 保持器は最早や役割を持たない。管のその部分を除去することの結果として、残 りの管は比較的僅かな空間しか占有しない。 上記揮発性の成分として水銀が使われるならば、上記弾性体は、低圧水銀放電 ランプ用として普通に使われておりアマルガムを形成しない金属から製造され、 それは例えば、ニオブ、タンタル、鉄、ニッケル、クロム、又は、ばね鋼のよう なそれらの合金、等であろう。上記保持器も同じくそれらの素材で製造されるで あろうが、又はその代わりにガラスで作ってもよい。 放電を持続するのに用いられる手段の性質は本発明の本質にとって重要ではな い、ということは明らかである。例えばその手段は１対の電極として実現するこ とができ、それは放電容器内に置いてもよいが置かなくてもよい。又はその代わ りに、動作中に放電空間内に交流磁場を生成するためのコイルとして実現しても よい。放電容器を通過する電気的導通を妨げるためにコイルは放電空間の外側に 配置するのが好適である。 本発明による低圧放電ランプのこれら及びその他の態様は以下に記載の実施例 を参照して説明され明らかになるであろう。 図面としては： 図１は、本発明による低圧放電ランプの第１の実施例を示す図であり、 図2Aは、図１をII−II線で切った断面図を示す図であり、 図2Bは、図2Aの、保持器がなく弾性体が開放された状態にあるときに対応する 断面図を示す図であり、 図３は、図１に示すランプを製造する方法の１段階を示す図であり、 図4Aは、低圧放電ランプの第２の実施例の、図2Aに対応する断面図を示す図で あり、 図4Bは、図4Aの、保持器がなく弾性体が開放された状態にあるときに対応する 断面図を示す図である。 図１に示す低圧放電ランプは光を伝播する放電容器１を含み、この放電容器１ は放電空間10を気密に封入する。この放電空間10は、揮発性の成分を含むイオン 化できる充填物、この場合には１種類又は複数種類の希ガスを伴う水銀、を持っ ている。放電容器１は、包囲する部分11と入り込んだ部分12とを含む。これらの 包囲する部分11及び入り込んだ部分12には、発光層13が設けられる。入り込んだ 部分12はコイル20を収納し、このコイル20は、軟磁性素材のコア21と共に、上記 放電空間内の電気的放電を持続する手段２を形成する。内側の表面15を持つ管14 及び軸16が上記入り込んだ部分12の内部に同心的に延びている。内径が4.6mmの 管14は、入り込んだ部分12の自由端12aにある口14aを介して放電空間10と通じて いる。この低圧放電ランプは更に、管14の内側に固定された弾性体30を持つ担体 ３を含む。その弾性体30とは別に、担体３は開いた保持器31（開口部31’を見よ ）を持つ。この保持器31は、BiIn合金とのアマルガム32の形で水銀を含む。保持 器の外径は2.9mmである。 図2Aは、保持器31が弾性体30の内側に固定されている状態を詳細に示す。保持 器31は、管14の内側の表面15からは離れている。図2Bに示すように保持器31が存 在しないときは、弾性体30は管14内で遊びｘを持つ開放された状態であってもよ い。この図では保持器31の外周は破線で示してある。 この場合には、Ωの形に曲げた幅５mmのストリップが、弾性体30として用いら れている。このストリップ30は保持器31と管14との間に置かれる。 弾性体30は、管の内側の表面と同じ形に曲げられた部分30aで管14と接触して おり、更にこの弾性体は内側に向いている終端部30bを持つ。 本発明による低圧放電ランプの製造方法を、図３を用いて説明する。この方法 では、弾性体30は中空の棒S1を用いて管14の中へ挿入される。反対の方向から、 保持器31が中空でない棒S2を用いて管14の中へ挿入される。図示の保持器31はア マルガムを形成する合金BiIn32を含む。弾性舌S2’及びS2”が、保持器31を中空 でない棒S2に固定するのに用いられる。中空でない棒の代わりに中空の棒を用い ることも、代案として可能であり、それによってこの棒の空洞内には部分的な真 空が存在する。製造しようとするところの、保持器が例えば鉄のような強磁性素 材で作られるランプの一変形では、上記棒が保持器を保持するための磁性終端部 を持ってもよい。重力によって弾性体30は中空の棒Slの上に静止する。もしそれ を望むならば、この棒もまた磁性終端部を持ってもよい。引き続いて上記弾性体 30は管14に対して所望の軸位置に保持される。次に、保持器31は更に深く挿入さ れる。保持器31は弾性体30に向き合う半球形終端部31aを持っているから、保持 器31と弾性体30とは互いに自分で位置決めのできる形を持つ。その結果、保持器 31を挿入している間に弾性体30に働く圧力により、弾性体30の部分30cは反対方 向に外側に向かって拡げられる。保持器31が弾性体30内に固定された後で、棒S1 ,S2は管14から除去される。弾性体30の固定する力は弾性舌S2',S2"の固定する力 を上回るようにし、それにより中空でない棒S2の除去後も保持器31は弾性体30内 に固着したままとなる。引き続いて、管14及びその他の部分すなわち入り込んだ 部分12及び包囲する部分11は放電容器１を形成するように組み立てられる。この 段階では、包囲する部分11及び入り込んだ部分12には、発光層13が既に設けられ ている。更に引き続いて、放電容器１は管14を通して排気される。次に、放電容 器１は、この場合には水銀であるところの、揮発性の成分を含む充填物を供給さ れる。この目的のために、調合しようとする水銀が与えられているもう１つ別の 金属製保持器（これは図示されていない）が、その自由端と保持器31との間に管 14の中へと導入される。更に放電容器１には管14を通して希ガス例えばアルゴン が与えられる。続いて管14は閉じられる。次に上記もう１つの保持器が高周波の 誘導を用いて開かれる。その次に、上記もう１つの保持器を含む管14の一部が管 14から切り離され、その後で結果的な自由端14bの位置で管14は再び閉じられる 。別の実施例では、上記もう１つの保持器は、例えば管14の壁を通してそれに向 けられたレーザービームを用いて、開かれる。この場合には上記もう１つの保持 器は金属製とするか或いは例えばガラス又はセラミック製としてもよい。引き続 いて低圧放電ランプに、上記放電空間内の電気的放電を持続するための手段２が 設けられる。 図4A及び図4Bは、本発明のランプの別の実施例の、図2A及び図2Bに対応する詳 細を示す。図4A及び図4Bでは、図2A及び図2Bで用いられた部分に対応する部分に 対し、図2A及び図2Bの中の引用番号に100を加えた番号を付けてある。この場合 には、弾性体130はＵの形に曲げたストリップで、その幅はやはり５mmである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アントニス ペトラス ヘンドリクス オランダ国 5656 アーアー アインドー フェン プロフ ホルストラーン ６

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．光を伝播する放電容器を有して成る低圧放電ランプであって、 該低圧放電ランプは揮発性の成分を含むイオン化できる充填物を持つ放電空 間を気密に封入しており、また 上記低圧放電ランプは、上記放電空間内で電気的放電を持続するための手段 と、上記放電空間と通じている管の内側に固定された弾性体を持つ担体と、を 更に有して成り、 該担体が上記揮発性の成分を入れて置くのに適するものであるところの低圧 放電ランプにおいて、 上記担体は、上記弾性体ばかりでなく開いた保持器をも含み、該保持器は、 上記弾性体に固定されており、また、保持器が無いときには上記弾性体は遊び を持つ開放された状態で上記管内に収容されることができることを特徴とする 低圧放電ランプ。 ２．請求項１に記載の低圧放電ランプにおいて、上記弾性体は上記保持器と上記 管との間に置かれるストリップであることを特徴とする低圧放電ランプ。 ３．請求項１又は２に記載の低圧放電ランプにおいて、上記弾性体は上記管の内 側の表面と同じ形に曲げられた部分で上記管と結ばれており、更にこの弾性体 は内側に向いている終端部を持つことを特徴とする低圧放電ランプ。 ４．請求項３に記載の低圧放電ランプにおいて、上記保持器と上記弾性体とは相 互に自分で位置決めのできる形を持つことを特徴とする低圧放電ランプ。 ５．低圧放電ランプを製造する方法において、弾性体と保持器とが相互に反対の 方向から管の中へ挿入され、上記弾性体は上記管に対し同じ軸位置に保持され 、また上記保持器は上記弾性体の中に固定されるまで更に深く挿入され、その 後で上記管及び他のコンポネントが組み立てられて放電容器を形成し、その後 で上記放電容器は排気され、引き続いて上記放電容器には揮発性の成分を含む 充填物が供給され、その後で上記管が自由端で閉じられ、上記低圧放電ランプ には放電空間内に電気的放電を持続するための手段が設けられることを特徴と する低圧放電ランプを製造する方法。 ６．請求項５に記載の方法において、上記放電容器を排気するに先立って、上記 保持器は閉じられて、揮発性の成分をその中に含み、また上記保持器は、上記 放電容器の排気の後で開かれることを特徴とする低圧放電ランプを製造する方 法。 ７．請求項６に記載の方法において、上記保持器が開かれた後で、上記揮発性の 成分は上記保持器から除去され、その後で、管の一部分が上記保持器をその中 に入れ、上記保持器は上記管から切り離され、その後で上記管の結果的に自由 になった終端が封印されることを特徴とする低圧放電ランプを製造する方法。