JP2001508071A - 光力学的治療で使用する置換ペリレンキノン - Google Patents

光力学的治療で使用する置換ペリレンキノン

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、光力学的治療において使用する方法と組成物を包含する。新規なペリレンキノン誘導体、ペリレンキノン誘導体と結合剤を含む結合体、およびこれらの組成物を用いる治療法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 光力学的治療で使用する置換ペリレンキノン 発明の技術分野 本発明は、ヒトを含む動物において、坑癌活性、抗ウィルス活性、表面改良性 、および/または非悪性疾患活性を有する化合物の活性を使用しかつ強化する方 法を包含する。また、本発明は、診断における方法と組成物をも包含する。 発明の背景 伝統的に、癌に対する治療には主に3つの方法、すなわち外科手術、化学療法 そして放射線療法がある。これらの分野はかなり進歩したが、これに取って代わ るより効果的で安全な治療法の研究が続いている。Lipson氏らは1966年にMayo診 療所で初めて光力学的治療(photodynamic therapy=PDT)を行なった。[参照: Proc.IX Internat Cancer Congress,p393(1966)]。1972年までにこのPDTへ の関心が広まり、動物実験を促進した。その結果、感光剤(例えばフルオレセイ ン)、光、および細胞の酸素を組み合わせると腫瘍の成長が阻害されることが分 かった[参照:Dougherty,T.J.,JNCI 52:1333(1974)]。ヘマトポルフィリン誘導 体(hematoporphyrin derivatives=HpD)を使用した動物での最初の研究は1975年 に報告された[参照:Dougherty氏他、JNCI55:115(1975)]。 HpDが出現しその純度がより高めらて以来、腫瘍に対するPDTは進歩しフェーズ IIIのクリニカルトライアルに達した。HpDは有益な組織感光剤であるが、次のよ うな問題点がある。すなわち皮膚に対して長期にわたり光毒性を示し、この組成 物は分子凝集性の傾向がある親水性の分子からなる強重合体の混合物であり(凝 集に伴って光効果が減少する)、薬物動力学が悪化し、「治療の窓(Therapeutic window)」(600nm〜850nm、すなわち可視赤色光線)における吸収および光活性が 低下する。さらに、診療の組成物でさえ、その回分再現性は低か った。 ヒトの悪性および非悪性の状態を治療するPDTおける関心はヘマトポルフィリ ンが出現し診療に使用されるようになって以来、著しく高まった。(実験室およ なポルフィリン系感光剤を使用する。ポルフィリン系感光剤が最適には及ばない 光吸収特性でしかなかったり、原料依存性の生物的応答や分子組成物、およびホ ストにおける長期の感光性と結び付く困難があるにもかかわらず、これらの化合 物は使用され、PDTへの関心も高まった。 これらの制約があるため、それに代わる感光剤への探究が促進された。現在の 候補にはベンゾポルフィリン誘導体−酸環A[Richter氏他、「Photochem.photobi ol.」52:495(1990)]および5−アミノレブリン酸/プロトポルフィリンIX[ken nedy氏他、「J.Photochem.photobiol B Biol.]6(l-2):143(1990)]がある。 付加的な研究ではメロシアニン540、フタロシアニン(CASPC)、モノ−L−アスパ ルチル 塩素6(MACF)、ナイルブルー、アントラピラゾール、アントラセンジオ ン、アントラサイクリン、ヒポクレリン[Diwu氏他、「Photochem.photobiol.」52( 3):609(1990)]がある。 生物系でのヒポクレリンのようなペリレンキノイド色素(PQP)の感光性が 過去20年間に認められた。参照:Diwu氏他、「J.Photochem.Photobiol.A:Ch em.」64:273(1992)、Zhang氏他、(1989)、およびWan氏他、「Hypocrellin A,a new drug for photochemotherapy」(ヒポクレリンA、光化学療法に対する新薬)、Ke xue Tongbao(英語版)26:1040(1981)。 ヒポクレリンの名称は、Hypocrella bambusae sacc.すなわちSinarundinaria 種の寄生的な真菌に由来し、これは雲南省(中華人民共和国)の北西、チベットの 南東、およびスリランカのある地方に豊富に生育する。ピポクレインはペリレン キノイド色素の一般的な分類に属し、ヒポクレリンA(HA)とヒポクレリンB(HB)と を含む。HAの経口投与はハイパリシズム(hypericism),すなわち可視光感受性皮 膚の状態を引き起こす。HAの感光性効果が酸素の存在に依存し、天然のHAを光学 的な薬剤として使用できることを示している(上記のWan氏他)。 発明の概要 本発明によると、ペリレンキノン色素(PQP)の誘導体は新しい感光剤の分 類であり、光学的治療で使用される。 さらに、PQP誘導体、特に官能化した(functionalized)PQPは、インビボある いはインビトロで所定の細胞あるいは構造に結合する結合剤に結合され得る。 ばヒポクレリンは赤色スペクトル領域で高い吸収を示し、一重項酸素を高い収率 で生じ、純粋に、単量体の形で生産でき、赤色光の吸収特性、組織生物分布、毒 性を最適に誘導でき、残りの皮膚の感光性を減少させ、急速に排出される。光毒 性を高めるために、ステープル レキシトロピン(stapled lexitropin)のよう なDNA小溝結合剤に共有結合的に結合することによって核標的を可能にする。そ れらは遺伝子毒性ではない。この特性は治療に関連した二次的に生じる悪性の事 情において重要である。モノクローナル抗体との結合(例えば、免疫結合(イノ ムジュゲイト))は、卵巣癌および乳房癌を含む種々の疾患の治療に関して特異 性を示す。ヒポクレリンの蛍光性すなわち、それらが強く着色されるということ は腫瘍や転移性疾患の診断での使用を容易にし、それらのスペクトル指紋が悪性 、通常、炎症性、あるいは物理的に損傷した組織の間の識別を容易にする。さら に蛍光性は種々の光検出手段を介して検出できる。 また、モノクローナル抗休との結合は卵巣癌や乳房癌を含む種々の疾患に対す る光治療、特異性を高める。例えば、HBEA-R1の経皮的な光治療はBalb/cマウス の脇腹で生成するEMT6/Ed腫瘍を永久に除去する。この結合は断片化した細胞の 死を介して、主として細胞内および膜の目標とのII型の光化学反応を介して、光 毒性を媒介する。酸素が全体的に存在しない場合、光毒性はI型の光学反応(「 ラジカルカスケード」)を介して媒介される。この特徴は低酸素症の腫瘍細胞の 取り扱いに重大であり、これは放射線や薬剤により治療を現在のところ制限して いる。これは光治療の窓の内の688nmに重要な光毒性を有する[Estey氏他、Cance r Chemother.Pharmacol.」37:343(1996)」。 ペリレンキノンは生育している種々の天然の色素を含み、独特な化学的かつ生 物的特性を有している。天然のペリレンキノイド色素(PQP)はヒポクレリン、セ リコスポリン(cercosporin)、フェレイクロム(phleichrome)、クラドクロム(cla dochrome)、エルシノクロム(elsinochrome)、エリスロアフィン(erythroaphin) 、およびカルホスチン(calphostin)を含む。これらのうちのほとんどは種々の糸 状菌により生産され、そのホストの光力学的植物毒素として作用する。ただしエ リスロアフィンはアリマキから単離される。これら一般的な化学的性質について は以下を参照のこと[Weiss氏他、「Prog.Chem.Org.Nat.Prod.」52:l(1987)およびD iwu氏他、「Photochem&photobiol.」52:609〜616(1990)」。PQPの一般的な光物理的 および光化学的性質は以下に載っている[Diwu氏他、「Pharmac.Ther.」63:1(1994 )]。 対して非常に強い、光力学的作用を及ぼすことが示された。ヒポクレリン(PQP の光力学的治療適用の代表として)は、現在使用されるヘマトポルフィリン誘導 体を超えて幾つかの利点を有している。例えば、調整が早いこと、精製が容易な こと、三重項量子収率が高いこと、赤色光吸収率が高いこと、排出が早いために 適正な組織の感光性が大きく減少することである。PQPの性質の多くは、Diwu氏 他、「J.Photochem.Photobiol.A:Chem.」64:273(1992)に載っている。また、幾つ かのペリレンキノンはあるウィルス、特にヒト免疫不全ウィルス(HIV)の強力な 阻害剤であり、酵素プロテインキナーゼC(PKC)でもある。あるPQPの抗HIVお よび抗PKC活性は共に光依存性であり、癌の光力学治療に影響を与える[Dwiu氏他 、「Biochem.Pharmacol.」47:373〜389(1994)]。また、Diwu氏他の論文はHBのプロ テインへの結合に成功したことを明らかにしている。ヘマトポルフィリン誘導体 の場合のように、天然のPQPは600nmより長い吸収率を示さず、組織を貫通する能 力が減少する特性を有している。このことは天然のPQPが光力学的治療に対して 充分な強さを有しておらず、光力学的治療の適用を制限することを意味している 。 光力学的治療に対する現在のポルフィリン感光剤の不足は、赤色スペクトル領 域の光吸収、純度、薬物動力学および皮膚の感光性の減少に関して性質を向上さ せる第2の化合物の開発を刺激した。発明者はペリレンキノン誘導体、ヒポクレ リンBの開発に力を注いだ。発明者は優れた物理化学的および生物的性質を有す る化合物を同定し、包括的な生物的特徴および前臨床評価を完成した。例えば図 2のHBEA-R1(構造3)およびEBBA-R2(構造6)である。 これらの化合物は(630または688nmの光の存在下で)暗細胞毒性に関して100 〜500倍に光強化した。HBEA-R1(構造3)およびHBBA-R2(構造6)はネズミの投与量 を漸増する研究に成功した。全体投与量50μMで急性または慢性(60日以上)の毒 性の問題は観察されなかった。 観察期間の終時における考えられる終点は体重、挙動、および明白な病理学上 の試験であった。薬物動力学の研究は14 C-ヒポクレリンB(Liu氏他、1995)を使 用して、EMT6/Ed腫瘍のBalb/Cマウスで完成した。HB研究からの情報により、HBE A-R1を用いた腫瘍成長遅延/コントロールの研究において、光照射のタイミング (表1)の有益なガイドラインを得た。 図面の簡単な説明 図1は種々のアミノ化ピポクレリンB誘導体の調製の模式図である。Rは炭素 原子2〜10のアルキル、アルケニル、アルキニルまたはアルコールであり得る 。 図2はヒポクレリンA、ヒポクレリンB、およびヒポクレリン誘導体の化学構 造、2つのブチルアミノ化HB構造、2つのエタノールアミノ化HB構造、2−(N, N-ジメチルアミノ)プロピルアミン-HB、およびJL-1-1を示す。 図3はHA(ジメチルホルムアミド)、HB(ジメチルホルムアミド)、HBBA-R2(クロ ロホルム)、HBDP-R1(クロロホルム)、HBEA-R1(ジメチルスルホキシド)、および 構造4(JL-1-1)(クロロホルム)の吸収スペクトルを示す。 図4は、放射能標識化ヒポクリレンBの合成の模式図である。この化合物は、 その後放射能標識化ヒポクレリン誘導体合成に使用できる。 図5a〜bは選択した感光剤の細胞の取込みを示す。(a)は標準濃度曲線、 (b)はEMT6/Ed細胞による取込み(106細胞に調整)である。縦座標は適当な検出 波長における相対蛍光であり(参照:本文)、横座標は感光剤の濃度(マイクロモ ル)である。 図6a〜eは、細胞毒性の生残り曲線(a)、(縦座標:生残り%、横座標: 感光剤濃度μM)および光毒性(b〜e)単層培養のFMT6/ED細胞のクローン産生アッ セイにより定量したヒポクレリン感光剤の(縦座標:生残り%、横座標:光投与量 J/cm2)を示す。bはHBBA-R2、CはHBEA-R1、dはHBDP-R1、eはJL-1-1である。エラ ーバーは5回培養プレートの標準偏差を表す。 図7は、Balb/cマウスの脇腹で生長しているEMT6/Ed腫瘍について種々の条件 下でのHBEA-R1のPDTにおける腫瘍成長遅延を示す。経皮的な照射(非高温体)であ る。 図8は、HBFA-R1の存在下でのマウスの治療中の腫瘍に対する光強度の効果を 示す。このマウスはBalb/cであり、脇腹にEMT6/Ed腫瘍がある。マウスは50μmol /kgのHBEA-R1を注射された後、経皮的に照射された。 図9a〜eは、EMT6/Ed細胞への(a)ヒポクレリンB、(b)14C−HB、(C)HBBA -R2、(d)HBFA-R1および(e)HBDP-R1の取り込み対時間を示す。 図10は、630nmの光を段階的に投与し、0.25μMの感光剤を使用した後のHBEA-R 1およびHBBA-R2の酸素依存性を示す。両化合物は酸素不存在下で光毒性を示し、 この条件下でのI型の光化学プロセスに対する証拠を得た。 図11は、ヨウ化プロピジウム(propidium)法を使って定量した単層におけるEMT 6/Ed細胞のPDT処理後の時間の関数として導かれる断片化細胞死を示す。感光剤 濃度は0.20μMである。 図12は、EMT6/Ed細胞の細胞毒性に対するpHの効果を示す。(a)ヒポクレリンA, 630nmの光、(b)ヒポクレリンA、暗中、(C)ヒポクレリンB、630nmの光、(d)ヒポ クレリンB、暗中。 図13は、ヒポクレリンBのアミノ酸誘導体の合成を示す。 図14はヒポクレリンBの付加的なアミノ酸誘導体の構造を示す。 図15は本発明のヒポクレリンB誘導体を製造するための図を示す。 図16はある前駆体化合物を製造するための先行技術のプロセスを示す。 発明を実施するための態様 本発明は光力学的薬剤としてのペリレンキノン(PQP)誘導体の使用、光力学的 治療(PDT)におけるPQP誘導体の使用を含む。PDTは従来の治療に抗してその代わ りとなる悪性疾患等に対する独特な治療を提供し、これは悪性細胞(本明細書に 示すような)を選択的に破壊する能力を用いる。 また、本発明は、少なくとも1のPQP誘導体を治療に必要な充分量投与し、その 誘導体を活性、典型的にはPQP誘導体を光活性化することにより、疾患を治療す る方法を含む。典型的にPQP誘導体は、誘導体を所定の波長の光に当てることに より活性化され得る。また、本発明は約400nmと約850nmnの間の波長の存在下で 強化される癌治療法を含む。多くの化合物に対する吸収スペクトルを図3に示し 、各化合物に対する主な吸収ピークを表1に示す。これらの化合物の多くは600nm 〜700nmの範囲に有意な吸光度を有する。 また、本発明は一重項の酸素および種々の毒性のないラジカルを生じる1また はそれ以上のPQP誘導体を使用することを含む。典型的に、一重項酸素および/ま たは非毒性ラジカルを生じ得る化合物はある疾患などを治療するのに使用できる 。 また、本発明は、抗癌および/または抗ウイルス活性を有するヒポクレリン誘 導体を使用し、誘導体を光活性化することによりこれらの誘導体の活性を高める ことを含む。また、本発明は癌細胞を好ましくは破壊し、あるいは好ましくは標 的とするヒポクレリン誘導体を使用することを含む。 また、本発明はヒポクレリンのような天然のペリレンキノン、ヒポクレリンA およびヒポクレリンBのような合成ペリレンキノン誘導体、放射能標識化ヒポク レリンBおよび放射能標識化ヒポクレリンB誘導体を製造する方法を含む。また 、本発明はペリキノン誘導体、ヒポクレリン誘導体、放射能標識化ヒポクレリン Bおよび放射能標識化ヒポクレリンB誘導体、ペリレンキノン結合体、およびヒ ポクレリン結合体を含む組成物を含む。 また、本発明は、本発明のPQP誘導体を抗体あるいは抗体フグラメントのよう な1またはそれ以上の結合剤に結合することを含む。また、本発明は抗体または 抗体フグラメントのような1またはそれ以上の結合剤に結合されたPQP誘導体を 含む。また、本発明はPQP誘導体(例えばヒポクレリン誘導体)をDNA小溝結合剤 に結合して、細胞核のような細胞構造に光毒性をおこすことを含む。 本発明では「ペリレンキノン誘導体」または「誘導体」とは天然のあるいは自 然のペリレンキノンに由来し、所定の波長の光によって活性化され得るすべての 化合物をさす。本発明の好ましい態様では、誘導体は自然に産出するヒポクレリ ンAまたはヒポクレリンBおよびヒポクレリン様化合物に由来する化合物である 。本発明では、ヒポクレリン誘導体は光によって活性化されることができ、光力 学的薬剤として使用できる。本発明のA誘導体は他の活性試薬と錯体化あるいは 含有することができ、それは化学療法薬あるいはアルキル化剤を含むがこれに限 定されない。例示の誘導体の構造を図に示す。 本発明では「疾患」とはヒトを含む任意の哺乳動物の病気、異常、疾病、ある いは光力学的療法により治療できる状態の治療、診断および/または軽減にわた る。 「疾病」は、皮膚癌のような癌やその動物;成長または腫瘍やその転移;固形の 腫瘍、血液運搬性の腫瘍、および鼻腔、膀胱、食道、肺、気管の腫瘍を含む肉腫 や癌腫のような腫瘍や腫瘍細胞;レトロウィルスを含むウィルス;細菌疾患、菌 疾患や陰門病変、ケロイド、白斑、乾癖、良好腫瘍、子宮内膜病、バレット食道 、頭部白癬や苔癬アミロイド症のような皮膚条態あるいは異常を含むがこれに限 定されない。 本発明では「投与」は1またはそれ以上のPQP誘導体を所定の細胞、細胞群、 典型的には哺乳動物にさらすまたは接触させる任意の作用をさす。また、本発明 では投与はインビボ、インビトロ、エクスビボで行うことができる。例えば、組 成物は注射または内視鏡を介して投与できる。また投与は本発明の組成物を細胞 に直接適用することも含む。例えば、外科手術の間に腫瘍細胞をさらすことがで きる。本発明の態様では露出したこれらの細胞(または腫瘍)を本発明の組成物 を例えば外科的な部位および/または細胞を洗浄または湿らすことにより直接さ らすことができる。 本発明では「結合剤」は例えば卵巣癌のCA125抗原に結合する抗体または抗体 フラグメントあるいは細胞のある領域や構造を標的とする薬剤のような標的部位 に作用するレセプターと特異的な結合を形成する任意の試薬等をさす。本発明の 好ましい態様では、結合剤は癌細胞に特異的に結合する抗体または抗体フラグメ ントである。本発明のより好ましい態様では、結合剤は、卵巣癌、乳房癌、また は胃腸の癌の抗原のエピトープに結合する(例、卵巣癌のCA125のエプトープ、乳 癌のCA15.3エピトープ、または胃腸癌のCA19.9エピトープ)。 抗体またはフラグメントは標識化(例えば、放射性同位体または他のマーカー で)あるいは非標識化され、および/または錯体、キメラモノクローナル抗体(「C -MAb」)、発生的に設計されたモノクローナル抗体(「G-MAb」)、モノクローナル抗 体のフラグメント(「F(Ab)2」、「F(Ab)」、および「Dab」を含むが、これに限定され ない)、モノクローナル抗体の反応部位を表す一本鎖(「SC-MAb」),腫瘍結合ペプ チド、エフェクター作用を和らげる分子に結合した上記の任意の物、および上記 の任意の模擬物である。種々の結合剤、抗体、抗原および抗体の調製、単離、使 用法は米国特許第4,471,057号(Koprowski)および米国特許第5,075,218号(Jette 他)に記載されており、共に参照により取り込む。さらに、これらの抗体または 結合剤の多くは、Centocor,Abbott Laboratories,Commissariat a L’Fnergie A tomigue,Hoffman-LaRoche,Inc.,Sorin Biomedica,およびFujiRebioから市販され ている。 本発明では、「光強化ファクター」は固有の暗毒性が過剰な場合に、光媒介毒性 を及ぼす化合物の性質をいう。本発明の好ましい態様では、光活性フアクターは 光活性化化合物を用いて処理した細胞のLD50に対する光なしで処理した細胞の LD50の比として計算できる(薬品により除算した薬品LD50と光LD50)。 用語「LD50」を上記のように使用した場合、用語「IC50」は致死量の終点 、再現可能性の喪失、クローン産生的死よりも代謝活性に関するバイオアッセイ に関連して置換可能である。化合物の相対的な光活性効率はクローン産生アッセ イを用いて決定され得る。このアッセイは当業者には知られている(参照:例え ば実施例13)。 本発明では、望ましいPQP誘導体は光なし(すなわち「暗」)で高濃度の薬剤 にて非毒性(または低毒性)であり、適当な波長の光をあてると、低濃度で毒性 であるものである。当業者には認識されるとおり、最も望ましい化合物は暗中で 広い範囲の投与量で非毒性の化合物である。このことは患者の安全性を増す。実 施例において、より詳細に示したように、インビトロの光強化ファクター試験は ヒポクレリンコンジナーはインビボで腫瘍を殺す可能性に最も優れていることを 示すのに成功した。例えば、HBEA−R1およびHBBA-R2では、630nmまたは688nmの 光の存在下で暗細胞毒性について100倍またはそれ以上光強化する(表1)。 ここで使用したように、生理的に許容できる流体とはPQP誘導体を細胞組成物 と組み合わせるのに適した流体や添加剤をいう。典型的にこれらの流体は希釈剤 やキャリアヤーとして使用される。生理的に許容できる流体として保存溶液、塩 溶液、等張性(約90%)塩溶液、または約5%アルブミン溶液または懸濁液を 例示できるが、これらに限定されない。本発明は使用された生理的に許容できる 流体の型に制限することを意図しない。また組成物は薬学的に許容できるキャリ ヤーも含み得る。このキャリアーとしては、塩、滅菌水、リン酸緩衝液等を例示 でき、これらに限定されない。患者へ分配するのに適した他の緩衝剤、分配剤、 不活性非毒性物質を本発明の組成物に含み得る。組成物は容液、懸濁液、または 投与に適した任意の形式であってよい。また組成物は典型的に無菌であり、望ま しくない粒子を含まない。組成物は従来の滅菌法で滅菌される。 本発明の方法では、結合剤は所定の結合部位またはレセプターの結合が可能で なければならない。免疫的に適当な経路で患者に投与され得る。例えば、結合剤 は、静脈内、皮下、腹膜内、鞘内、膀胱内、皮内、筋肉内、リンパ内の経路で患 者に導入され得る。組成物は溶液、錠剤、エーロゾル、または多層形態であり得 る。リポソーム、長環状リポソーム、イムノリポソーム、生物分解性微小球、ミ セル他はキャリヤー運搬体または分配系として使用できる。更に業界周知のexvi vo手順を用いて、患者からの血液または血清を患者から除去し、患者の血液中の 抗原を精製することが好ましく、その後血液または血清を本発明の結合剤を含ん だ組成物と混合し、処理した血液または血清を患者にもどす。臨床医は、最適な 投与経路の決定の際に、これらの異なる経路に結びついた抗−イディオタイプお よび抗−イソタイプの応答を比べることができる。本発明は患者に結合剤を導入 する方法について特定のものに限定されない。 本発明の組成物は、精製された、または実質的に精製された化合物、または光 力学的薬剤として役立つ化合物に結果としてなる任意の方法で製造できる。本発 明の化合物は例えばひとつの化合物より多い化合物のカクテルを含む組成物を形 成し得る。これらの方法は業界周知である。例えば、Liu氏他による「Synthetic studies in novel hypocrellin B derivatives」Tetrahedron 49:1078 5(1993)、およびDiwu氏他によるAnti-Cancer Drug Design,8:129− 143(1993)。ヒポクレリン誘導体は親化合物、ヒポクレリンB(HB) 、Hypocrella bambusae sacc.真菌の自然の産物、竹の植物病原体から容易に合 成できる。親化合物は実施例に示したように合成してもよい。この化合物を合成 する方法は実施例において例示している。本発明はヒポクレリン誘導体を製造し 、単離し、または精製する方法を制限しない。 要するに、HAの合成では、粗HAをHypocrella bambusae(B.およびBr )のアセトン抽出物により調製できる。脂質を石油エーテルを用いて向流抽出法 により除去できる。更に、精製はシリカゲルカラム、1%リン酸二水素カリウム −シリカゲル薄層クロマトグラフィー、およびアセトンからの再結晶により行な われる。 HBの合成では、粗HBを多量のHAの水酸化カリウム乾燥、HClクロロホ ルム抽出物中和、ベンゼン−石油エーテルからの再結晶により調製できる。生成 物は溶離剤として石油エーテル、アセトン、エタノールの6:2:1混合物を用 いて、1%クエン酸−シリカゲル薄層クロマトグラフィーにかけた。HB誘導体 、HBBA−R2(ブチルアミノ化HB)、HBDP−R1(2−(N,N−ジ メチルアミノ)−プロピルアミン−HB)、およびHBEA−R1(エタノール アミノ化HB)を親化合物のフェノール性ヒドロキシル基のアミノ化により調製 した。JL−1−1(構造4)をLiu氏他による「Tetrahedron」49:l078 5(1993)の方法に従って調製した。これらの誘導体の吸収スペクトルをHe wlett-Packardダイオードアレイ分光光度計で決定した(図3)。細胞内取込み は急速(例えばHBEA−R1およびHBBA−R2では2時間以内)、あるい はもっとかかる場合もある(例えば、HBDP−R1では約20時間)。幾つか の腫瘍の間質環境は正常組織より酸性であるからある程度の選択的な腫瘍取 込みは感光剤のpKaの変更により達成できる。本発明は、比較的なクローン産 生アッセイを介して、正常細胞より癌細胞に対してより高い毒性を有する化合物 を同定する方法を含む(図12および13)。 本発明のPQP誘導体は多くの他の化合物、信号試薬、増強剤、および/又は 標的剤と結合して使用できる。例えば、本発明のヒポクレリン誘導体は抗体、好 ましくはモノクローナル抗体と結合する。本発明では、結合剤はレキシトロプシ ンまたはネトロプシン等のDNA小溝標的剤を含み、好ましくは細胞核の光毒性 の標的性を高める。適当な強化剤はpKa変更剤、低酸素細胞放射性感受性剤、 およびマイトマイシンC等の生物的減少性活性化抗新生物剤を含むがこれに限定 されない(好ましくは、低酸素細胞または微生物中の化合物毒性を高める作用を する)。適当な信号試薬は断片化細胞死または壊死性細胞死のマーカー、または 細胞サイクルコントロールまたは遅延に内発的な規則性分子を含むが、これに限 定されず、好ましくは断片化あるいは壊死性細胞死を生じて、または致死または 致死損傷可能性(PLD)の修復阻害により、化合物の光毒性を高める。 上記のように、本発明の態様は結合剤−PQP結合体(またはイムノコンジェ ゲイト)およびこれらの結合体の治療的使用を包含する。本発明では、結合剤と PQPの結合法は任意の方法を使用できる。例えば、抗体または抗体フラグメン トと感光剤との結合法は周知である。例えば、Goff氏他による「British Journa l of Cancer」74:1194〜1198(1996)は感光剤をモノクローナ ル抗体OC125、ほとんどの卵巣癌に結合するCA125抗原に特異的に結合 する抗体をインキュベートすることによりイムノコンジュゲイトを製造すること を開示している。この例示のイムノコンジュゲイトでは、ポリグルタミン酸がモ ノエチレンジアミンモノアミド誘導体に結合し、抗原結合部位から離れたモノク ローナル抗体のヒンジ領域にて炭水化物部位に共有的に結合する。他の例示的な 結合は、US特許第4,722,906号および第3,959,078号に開示 され、両方を参照して本発明に含める。要するに、これらの特許は特異的結合対 の他の種、例えば抗体に共有的に結合する反応性の基、選択基または潜在的な反 応性基を有する感光剤の提供を開示している。 本発明では、PQP誘導体は例えば酸、ヒドロキシル、酸ハロゲン化物(好ま しくは臭化物)、ヒドラジン、チオール、または1級アミンを含む反応基(これ らに限定されない)の官能基を有することができる。結合剤は、システイン、リ ジン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、および他のジカルボン酸の アミノ酸、および他のトリーまたはポリ−官能基のアミノ酸誘導体(これに限定 されない)を含む反応性基を含む。 本発明の好ましい態様では、PQPはヒポクレリンBのアミノ酸誘導体である (図13,14、実施例20)。全R基は潜在的な抗体結合部位である。また、 最も好ましいイムコンジュゲイトはヒポクレリンB誘導体6(図14)を使用し 、これは、酸、酸臭化物、ヒドラジン、チオール、1級アミン抗体結合部位(例 えばR基)を含む。本発明の好ましい態様では、これらの誘導体の任意のものは 、卵巣癌(例えばCA125エピトープ)、乳癌(例えばCA15.3エピトー プ)、または胃腸癌(例えばCA19.9エピトープ)に特異的に結合するモノ クローナル抗体に結合できる。本発明では、最も好ましいイムノコンジュゲイト は卵巣癌に特異的に結合するOC125、B43、Ar8.1またはPDL10 抗体;乳癌に特異的に結合するDF3またはAR20.5抗体;胃腸癌に特異的 に結合するB67.4、NS1116、またはAR18.4抗体;に結合するヒ ポクレリンB誘導体6(図14)である。これらの多くのものまたは他の結合剤 は市販されている。 当業者には分かるように、誘導体または誘導体を含む結合体の効果的な投与量 は患者の免疫系の状態における疾患の重さに部分的に依存する。当業者は、種々 の投与量を使用でき、周知の種々のファクターに依存することがわかる。例えば 、投与量は診断と治療では異なるだろうし、一時的な抑制と管理治療とは異なる であろう。一般に、組成物は約0.1μg〜約2mg/kg(体重)またそれ以 上の結合剤を含み、普通、投与量は約200μg/kg(体重)である。濃度は 普通少なくとも0.5%である。投与の仕方に応じて、流体体積、粘度、抗原性 等にまず基づいて量を決める。結合体または誘導体の投与は期間にわたり1回よ り多く、好ましくは3回である。本発明の組成物は、生命の危機、または生命の 危機の可能性がある重い症状の患者に使用されるので、所望ならば、過剰の結合 剤を投与できる。この組成物の注入用の希釈法を含めて、薬剤組成物の実際の投 与 法およびプロトコルは当業者には周知である。これらの方法やプロトコルは「Re mington’s Pharmaceutical Science」Mack PublishingCo.(1982)に開 示されているものもある。 本発明の別の態様では、本発明の組成物は単独で、他の組成物と組みあわせて 、または他のPDT組成物と連続して投与される。例えばHBEA−R1および HBBA−R2の細胞の取込みは急速で、先ず細胞質に分配されることが上記に 記載されている。これに対して、HBDP−R1は約20時間後に細胞内濃度が ピークに達し、細胞膜に先ず分配される。これらの特徴により、連続的な感光剤 の投与の間、光力学的治療割合を増大する可能性がある(次いで光治療される) 。これらの条件下で、多数のオルガネラを標的にできる。 本発明の態様では、PDT法は、好ましくはゆっくりと取込まれる光力学的薬 剤をまず投与し、次にこれよりもっと早く取込まれる光力学的薬剤を投与する。 両方の薬剤は、続いて、上記のような適当な波長の光に、患者および/またはそ の薬剤をさらすことによって活性化される。 ヒポクレリンおよびその誘導体の優れた蛍光性により、共焦レーザー走査顕微 鏡(CLSM)を用いて、細胞内の取込みおよび分配力学をモニターする有効な 手段が得られる。各薬剤は取込みや分配において独特な性質を有している(図9 )(Miller氏他l995a,b)。HBEA−R1(構造3)およびHBBA− R2(構造6)を投与した最初の2時間以内に取込みは完了される。インビトロ およびインビボでヒトの薬剤の細胞での取込み速さはLiu氏他(1995)およ びMiller氏他(l995aまたはb)と類似のプロトコルを用いて決められる。 インビボでは、薬剤の静脈注射または投与と光照射の間の理想的な時間は、好ま しくは光力学薬剤の腫瘍での濃度が正常組織に関して最適な場合、典型的には約 24時間までであり、長くて48時間程である(表2)。 また本発明の態様は、酸素の有無でさらに効果のあるものもある。したがって 本発明は、充分に酸素がある、あるいは部分的にまたは充分に低酸素症である固 体腫瘍の治療に効果的なものもある。 Miller氏他(1995aまたはb)と類似のプロトコルを用いて決められる。イ ンビボでは、薬剤の静脈注射または投与と光照射の間の理想的な時間は、好まし くは光力学薬剤の腫瘍での濃度が正常組織に関して最適な場合、典型的には約2 4時間までであり、長くて48時間程である(表2)。 また本発明の態様は、酸素の有無でさらに効果のあるものもある。したがって 本発明は、充分に酸素がある、あるいは部分的にまたは充分に低酸素症である固 体腫瘍の治療に効果的なものもある。 実施例実施例1 ヒポクレリンAから得られた誘導体 要するに、粗HAをHypocrella(ニクザキン科)bambusae (B.et Br.)Sacc.のアセトン抽出物より調製した。脂質は石油エーテルを 用いて向流抽出により除去した。さらに、精製をシリカゲルカラム、続いて1% リン酸二水素カリウム−シリカゲル薄層クロマトグラフィー、そしてアセトンか らの再結晶により行った。HBをHAの多量の水酸化カリウム脱水により調製し 、続いて、HClクロロホルム抽出物で中和し、ベンゼン−石油エーテルから再 結晶した。生成物を1%クエン酸−シリカゲル薄層クロマトグラフィーにかけ、 その際、溶離剤として石油エーテル、酢酸エチル、エタノールの6:2:1の混 合物を使用した。HB誘導体、HBBA−R2、HBDP−RIおよびHBEA −RIを親化合物のフェノールヒドロキシル基のアミノ化により調製した。JL −1−1(構造4)をLiu氏他〔1993〕の方法に従って調製した。これら の誘導体の吸収スペクトルをHewlett−Rackardダイオードアレイ 分光光度計で定量した(図3)。実施例2 ヒポクレリンBから得られた誘導体 下記の構造の化合物を合成する方法を以下に示す。 式中、任意のまたはMe基(「*」で印)は2〜6の炭素数のアルキル基(分 枝または直鎖)または他の化学基で置き換えることができる。これらの化合物お よび方法は抗癌剤、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、抗殺菌剤、抗真菌剤、 ペリレンキノンおよびその誘導体、ヒポクレリンおよびその誘導体、ヒポクレリ ンAおよびその誘導体、ヒポクレリンBおよびその誘導体、セルコスポリン(cer cosporin)およびその誘導体、フレイクロム(phleichrome)およびその誘導体、エ ルシノクロム(elsinochrome)およびその誘導体、クロドラロム(cladchrome)お よびその誘導体、エリスロアフィン(erythroaphin)およびその誘導体、カルホ スチン(calphostin)およびその誘導体、および光力学活性を有する他の化合物 を含み、これに限定されない化合物の前駆体または中間体を作るのに使用できる 。 前駆体を使用したHBの効率的な全合成を図15に示す。市販されている3, 5−ジメトキシベンズアルデヒドをHauseΓ氏他「J.Org.Chem.」59:1 967(1994)に示された手順に従って7つの反応段階を使って化合物5に 転化した。無水THF中のベンゼンセレニン無水物を使用した化合物5の酸化に より87%の収率で1,2−ナフトキノン6を得た。TFAおよびFeCl3に よる化合物6の対応するペリレンキノン結合は試みたけれども成功しなかった。 しかし、Ac2O、ピリジン、および触媒量のDMAPの存在下で95%の収率で 調製されたそのエステルの結合により、88%の収率でペリレンキノン7を得た 。無水THF中のヨウ化メチルおよびCsFを用いた7のメチル化により、多量 の化合物8を得た。K2CO3およびMeOH・H2O溶液中の8の加水分解、続 いてCH2Cl2中のCrO3およびピリジンを用いた酸化により、全体の収率6 3%で、メチルケトン1を得た。85%の収率で分子内アルドール縮合反応によ り、1から得た化合物9を48%の臭化水素酸で選択的に脱メチル化し、1:1 のエナンチオマー混合物(90%)を得、これを天然の産物HBを用いてTLC 、IR、NMRのすべての点で確認した。この合成法により、他のペリレンキノ ン合成法が与えられる。 1−アセチルオキシ−3−アセトニル−6,8−ジメトキシナフタレン(3) :この化合物を6反応段階を用いて、Hauser氏他「J.Org.Chem.」59: 1967(1994)に示された手順に従って、3,5−ジメトキシベンズアル デヒドから調製した。 1−ヒドロキシ−3−アセトニル−6,8−ジメトキシナフタレン(4):M eOH(20ml)中の3(624mg、2.07mmol)の溶液に水(10 ml)中のK2CO3(1.0g)を加え、この混合物を2時間攪拌し、5%HC lで酸性にし、水(100ml)で希釈し、CHCl3で抽出した。結合した抽 出物を水で洗浄し、その後、乾燥し、(Na2SO4)、ろ過し、蒸発により、生 成物4を得た(505mg、収率94%)。 (±)−4−ヒドロキシ−5,7−ジメトキシ−α−メチルナフタレン−エタノ ール(5):HauseΓ氏他による「J.Org.Chem.」59:1967(199 4)に開示された手順に従ってこの化合物を調製した。 (±)−3−[2−(ヒドロキシ)プロピル]−6,8−ジメトキシ−1,2− ナフトキノン(6):乾燥THF(15ml)中の5(440mg、1.53m mol)の溶液を50℃にてTHF(15ml)中の70%ベンゼンセレニン無 水物(900mg、1.75mmol)の攪拌懸濁液に15分かけて滴下し、1 0分間攪拌を続けた。反応混合物を水(100ml)中に注ぎ、CHCl3で抽 出した。この抽出物をHaHCO3水溶液(10%)と水で洗浄し、その後で乾 燥した。蒸発に続いて、溶離剤としてCH2Cl2:MeOH(20:1v/v) を用いてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーを行い、生成物6(402mg 、収率87%)をオレンジ色の固体として得た。m.p.は70〜72℃であっ た。 3−アセトニル−6,8−ジメトキシ−1,2−ナフトキノン(2): この化合物は6に対して記載したのと類似の方法で4から収率81%で調製し た。この化合物は不安定であり、クロマトグラフィーで精製できないが、CHC l3から再結晶でき、m.p.は185℃(dec.)であった。 CHCl3(10ml)中の6(300mg、1.09mmol)の溶液に、 Ac2O(1.5ml)、ピリジン(1.5ml)および4−ジメチルアミノピ リジン(DMAP)(100mg)を加えた。この反応混合物を3時間室温で攪 拌し、H2O(100ml)で希釈し、そしてCHCl3で抽出した。この抽出物 を1NHC1とH2Oでそれぞれ洗浄した。残査を溶離剤としてCH2Cl2:M eOH(50:1v/v)を用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラ フィーで精製し、エステル(330mg、収率95%)m.p.62〜64℃を 得た。 1,12−ビス[2−(アセチルオキシ)プロピル]−4,6,7,9−テトラ メトキシ−2,11−ジヒドロキシ−3,10−ペリレンジオン(7): CHCl3(4.0ml)およびTFA(1.5ml)中のナフトキノン(2 00mg、0.63mmol)の溶液をN2下、20分間、室温で攪拌した。C H3CN(5.0ml)中の無水FeCl3(51mg、0.31mmol)の溶 液をゆっくり1時間にわたり滴下した。TLCによりモニターし、この反応に出 発材料は残っていないことが示された。得られた混合物をH2O(100ml) で希釈し、CHCl3で抽出した。この抽出物をH2Oで洗浄し、乾燥し、(Na2 SO4)、ろ過し、蒸発させた。溶離剤としてCHCl3:MeOH(50:1 v/v)を用いて残査についてシリカデルのクロマトグラフィーを行って、生成 物(175mg、収率88%)を得た。 1,12−ビス[2−(アセチルオキシ)プロピル]−2,4,6,7,9,1 1−ヘキサメトキシ−3,10−ペリレンジオン(8): 無水THF(10ml)中の7(250mg、0.39mmol)の溶液にC sF(500mg)およびヨウ化メチル(0.5ml)を加えた。室温で一晩攪 拌した後、反応混合物をH2O(100ml)で希釈し、CHCl3で抽出した。 結合した抽出物を乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、蒸発させた。溶離剤としてC HCl3:MeOH(60:1v/v)を用いて残査についてシリカデルクロマ トグラフィを行って、生成物(245mg、収率94%)を得た。1,12−ビス[2−(ヒドロキシ)プロピル]−2,4,6,7,9,11− ヘキサメトキシ−3,10−ペリレンジオン: MeOH(10ml)中の8(160mg、0.24mmol)の溶液にH2 O(5ml)中のK2CO3(500mg)を加え、この混合物を一晩攪拌し、5 %HClで酸性化し、H2O(100ml)で希釈し、CHCl3で抽出した。結 合した抽出物をH2Oで洗浄し、その後、乾燥し(Na2SO4)、ろ過し、蒸発 させて生成物(134mg、収率96%)を得た。 1,12−ビスアセトニル−2,4,6,7,9,11−ヘキサメトキシ−3, 10−ペリレンジオン(1): CH2Cl2(5.0ml)中の乾燥ピリジン(300μl)の溶液に、CrO3 (300mg)を加え、この後、この混合物を15分間攪拌した。CH2Cl2 (2.0ml)中の上記化合物40mg(0.069mmol)をこの溶液に添 加し、急速に1分間攪拌した。得られた溶液をH2Oで洗浄し、乾燥し(Na2S O4)、ろ過し、蒸発させた。溶離剤としてCH2Cl2:MeOH(50:1v /v)を用いて残査についてシリカゲルクロマトグラフィーを行って生成物(2 6mg、収率66%)m.p.171〜173℃を得た。 3−アセチル−4,6,8,9,11,13−ヘキサメトキシ−2−メチル−1 H−シクロヘプタ[ghi]ペリレン−5,12−ジオン(9): MeOH(3.0ml)中の1(20mg、0.035mmol)の溶液に、 0℃にてH2O(1.0ml)中のLiOH(100mg)を加えた。この反応 混合物を室温で40分間攪拌し、H2O(100ml)で希釈し、1NHClで 酸性化し、CHCl3で抽出した。結合した抽出物を乾燥し(Na2SO4)、ろ 過し、蒸発させた。溶離剤としてCHCl3:MeOH(15:1v/v)を用 いて残査についてシリカゲルクロマトグラフィーを行い、生成物(16.5m g、収率85%)m.p.154〜156℃を得た。 ヒポクレリンB(HB): CHCl3(2ml)中の9(15mg、0.027mmol)の溶液に、1 .0mlの48%HBrを25℃にて1時間攪拌しながら加えた。この混合物を 水(10ml)中に注ぎ、CHCl3で抽出し、乾燥した。この残査を展開溶媒 としてCHCl3を用いて予備のTLCにより精製し、1:1の混合物のエナン チオマーHB(13.0mg、収率90%)を得、これは天然の産物HBを用い て全観点(TLC、IRおよびNMR)において確認した。 他の物により開示された方法に基づくHB誘導体の製造への別の合成アプロー チを図16に示す。要するに、メチルケトンのレトローアルドール縮合によるH Bの単純化により化合物1が得られる。レトロ合成法における1の2つのビアリ ール結合の開裂により、3−アセトニル−6,8−ジメトキシ−1,2−ナフト キノン(化合物2)を得た。Takuwa氏他による「Synthesis」3 15(1993)は3−(2−オキソアルキル)−1,2−ナフトキノンを調製 するためのワンポット(one−pot)光化学反応を開示するが、この方法は ナフトキノン中の2つのメトキシ置換基が光活性を著しく下げるため、前駆体2 の収率がきわめて低くなる。Hauser氏他による「J.Org.Chem. 」59:1967(1994)はカルホスチン(calphostin)Dの全 合成を開示し、これによると、全体の収率の高い前駆体3の調製法が得られる。 3の加水分解に続いて、酸化を行い、高収率で2を得る。前駆体2は不安定で、 FeCl3またはTFAによる次の結合反応にただちに使用されたが、予測した 精製物は得られなかった。実施例3 ヒポクレリンBの直接アミノ化 HB(50mg)をアミン(1ml)を含むエタノール(5ml)に溶解し、 得られた溶液を使用した個々のアミンに応じて6〜18時間還流した。この混合 物を氷水に注ぎ、10%塩化水素酸を用いて中性化し、クロロホルムで抽出した 。クロロホルム層を水で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、蒸発させて、青色の 固体を得た。この固体を先ず溶離剤としてジクロロメタンーメタノール(傾斜比 )を用いて1%KH2PO4−シリカゲルカラムのクロマトグラフィーにかけ、幾 つかの成分を得た。各成分を展開剤として6:1:1の石油エーテル一酢酸エチ ル−エタノールを用いて1%のクエン酸−シリカゲルプレート上で2回再クロマ トグラフィーにかけ、個々の誘導体を得た。実施例4 エタノールアミンを用いたヒポクレリンBのアミノ化 上記の方法に従って、エタノールアミンを用いてHBの反応を行い、5つの生 成物を得た。化合物8(3AまたはHBEA−R2として示される図2の構造8 )および化合物3[(HBEA−R1または3Bとして示される図2の構造3) (異性体B)](Diwu氏他1993)を確認し、以下のような特性を得た。 実施例5 ブチルアミンを用いたヒポクレリンBのアミノ化 構造6(HBBA−R2または4Aとしても示される図2構造6)および構造 9(4Bとしても示される図2の構造9)の合成(Diwu氏他1993)。上 記5つの生成物を得た手順に従って、ブチルアミンを用いてHBの反応を行う。 これら2つの化合物を以下のように固定した。 実施例6 JL−1−1(図2中の構造4)の合成 JL−1−1をLiu氏他による「Tetrahedron」49:10785(199 3)に開示された方法に従って調製した。実施例7 HBDP−P1(図2中の構造7)の合成 HBDP−R1をDiwu氏他による「J.Photochem.Photobiol.B:Biol.」1 8:131(1993)に開示された方法に従って調製した。実施例8 放射能標識化誘導体 本発明は放射能標識化HBおよび誘導体の調製法を提供する。14−C−HB の合成法はLiu氏他(1995)により開示されている。HBを130mgの 無水塩化アルミニウムを含んだ6.0mlの無水ベンゼン中に溶解し、この溶液 を窒素下で1時間還流する。この混合物を10%フッ化アンモニウム水溶液中に 注ぎ、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水で洗浄し、乾燥し(Na2 SO4)、蒸発させて図4に示した化合物2,3および4を含んだ赤色固体を得 た(DiwuおよびLown1993b)。放射能標識化ヒポクレリンBの合成 を図4に示す。 この赤色の固体を200mgのフッ化セシウムを含んだ2.0mlの無水テト ラヒドロフラン(THF)に溶解し、その後、1.0mlの無水THF中の14C −ヨウ化メチル(1.0mCi)を密封フラスコに注入した。この混合物を室温 で24時間攪拌し、攪拌を室温でさらに12時間続けて、0.3mlのヨウ化メ チルを加えた。得られた溶液を水に加え、クロロホルムで抽出した。図4の化合 物1.5、および6を含む有機層を約5.0mlに窒素流蒸発により濃縮した。 48%臭化水素酸(2.0ml)をクロロホルム溶液に加え、混合物を室温で 30分間攪拌した。この反応混合物を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。クロ ロホルム層の蒸発により赤色固体を得た。この固体を溶離剤としてクロロホルム を使用してシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、放射能標識化HBを得た。 その後、この化合物を使用して記載の手順に従ってヒポクレリンBの放射能標 識化誘導体を合成した。 これらの放射能標識化化合物を使用して組織中の薬剤分布を研究し、薬剤分配 系を開発し証明するのに使用できる。実施例9 他のアミノ化生成物 炭素数2〜10を含むアルキル、アルケニル、アルキニル、またはアルコール であるRを有する他のアミノ化化合物を記載の手順に基づいて容易に合成できる 。当業者は適当な溶媒、他の適当な試薬、および条件を過度の実験を行うことな く容易に確かめ決定できる。 一重項の酸素の収量は9,10ジフェニルアントラセン(DPA)ブリーチン グ法により定量した(DiwnおよびLown1992)。試供感光剤を所定の 波長で示し、DPAにより12が受取られるので374nmのDPA吸収ピーク における減少力学を追跡した。インビトロで毒性に対してスクリーンされた合成 ヒポクレリン化合物の物理的および化学的性質を表1に示す。暗細胞毒性および 光強化の非常に好ましい特性を有する化合物を表1に太字で示す。 ヒポクレリンおよびその誘導体の分子量の平均は約640ダルトンである(範 含んでいると思われるヘマトポルフィリン(2−8ポルフィリン単位)の主にエ ステルおよびエーテル結合のオリゴマーに対する約1,130〜4,520ダル トンのより高い分子量と対照をなす。 この研究で報告されたヒポクレリンは赤色スペクトル領域に吸収バンドを有す る(図3)。630nm付近に有意な吸収を有する化合物は表1の吸収ピーク欄 に星印を付けて示す。親化合物、HAおよびHB、および感光剤である4つの有 効な同族体は図3に示す。一重項酸素収量(表1)は光強化とあまり強い関係が ないことを示している。実施例10 腫瘍治療 Balb/cマウス/EMT6/Ed腫瘍モテルを用いて、本発明はHBEA −R1(構造3)および臨床的に関連した630nmの光の経皮的投与量(10 0mWのフル−エンス(fluence)割合)を使用した腫瘍治療を示した。 これらの結果を図8にまとめる。光処理の条件は高熱効果を示さず、100J/ cm2の光投与量は試験した日付の10の動物のうちの9において80日治療し た。事実、犠牲的な時間(処理後100日)まででさえ、腫瘍の再成長の証拠を 示した動物はいなかった。50μmol/kgの一定の感光剤「全体」投与量で は、光投与量の削減は腫瘍抑制の効果が下がった。HBEA−R1(構造3)投 与の後の約2時間の光分配により目立つ皮膚の光毒性なく、良好な腫瘍抑制を示 した。 乾紅斑およびその次の焼痂形成に続いて、処理された腫瘍をおおう皮膚は30 時間以内に正常にもどった。HBEA−R1 PDT(≧IOOJ/cm263 0)は48時間までの等級間隔における50μmol/kgHBEA−R1で処 理した腫瘍のないBalb/cマウスに皮膚の応答をおこさなかった。これらの 光性という主な制限を克服することを示す。 ヒトの腫瘍の局所的な低酸素症に対する可能性および光力学効果に対する酸素 の要求のために、光毒性に対するI型およびII型の光化学反応の相対的な寄与を 理解するのに重要である。PDTの間の気体相におけるきびしく酸素濃度を制御 した懸濁培養中のEMT6/Ed細胞における発見はII型反応の優位性を明らか にした。にもかかわらず、酸素の不存在下で細胞をHBEA−R1またはR2( 構造6)で感光性にした場合にI型の光毒性の成分が存在する。実施例11 感光剤の細胞の取込み 螢光収量対濃度の標準曲線を、1NNaOH中の0.4mlの0.5%Twe ew20でペトリ皿から除去した標識化していないEMT6/Ed細胞と混合し た3.6mlジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解した選択化合物につい て作成した。 この手順により、実際の細胞の取込みアッセイを用いた標準曲線と同等である 。ヒポクレリンBで2時間標識化した細胞および選択同族体を3回リン酸緩衝塩 で洗浄し、過剰な薬品を完全に除去し、上記のペトリ皿から除去し、DMSOに 添加した。洗浄の手順を分光光度計でモニターした。ペトリから細胞を除去する のに使用したTween20−NaOH溶液は完全に細胞融解をひきおこし、細 胞からヒポクレリンの抽出をおこなった。蛍光をSpexFluoroMaxTM フルオロメーターで測定した。光および検出スリット幅は1nmに設定された。 最適な励起波長を各化合物について定量した。例えばHB励起は438nm、H BBA−R1は411nm、HBEA−R1は352nm、HBDP−R1は4 10nm、およびJL−1−1は594nmであった。106細胞当りの取込み は個々の取込曲線の回帰分析により定量され、以下に概要を示す。標準2時間培 養間隔を選択して経験的に選択した細胞毒性/光毒性前培養を合わせた。螢光共 焦顕微鏡によりなされた細胞内取込み力学実験により、細胞内取込みは2時間培 養間隔のうちに完成することがわかった(図9)(MilleΓ氏他1995a ,b)。実施例12 細胞系および培養条件 EMT6/Edマウス腫瘍細胞は数年間発明者によって増殖された[Chap man氏他1983]。それらは95%空気と5%CO2からなる湿った雰囲気 中で37℃にて、12.5%胎児子牛血清を含むWaymouthの培地で単層 培養として保持される。それらは指数関数的な成長を保持するために2回週毎に 移動しなければならない。年当り最適3回、細胞系はBALB/cマウスの固形 腫瘍として継代される。新しく継代されたEMT6/Ed細胞系は再確立され、 インビトロで少なくとも2週間増殖し、その後実験に使われる。この手順は悪性 の表現型を保持する。実施例13 感光剤およびクローン産生アッセイ 精製したヒポクレリン誘導体を凍結乾燥した形態で得た。各実験の前日、指数 関数的に成長するEMT6/Ed細胞(2.0ml中25,000/ml)を3 .0cm組織培養ペトリプレートにまいた。感光剤を実験の日まで凍結乾燥の形 態で保持し、その時、それらをDMSOに溶解した。貯蔵感光剤−DMSO溶液 をHankの平衡塩類溶液で希釈し、感受性研究用の12.5%胎児子牛血清を含ん だWaymouthの培地中の細胞に加えた。培地中のDMSOの最大濃度は1%(v/ v)であった。クローニング効率におけるDMSOの効果は適当な濃度のDMS Oを含むが感光剤を含まない一連の皿でコントロールされた。予備的な研究によ り胎児子牛血清の存在は毒性に重大な影響を与えないことがわかる。EMT6/ Ed細胞を2時間等級化した投与量の試供化合物にさらした。その後、試供化合 物をHankの平衡塩類溶液での洗浄を繰り返して除去した。その後、細胞を室内の 空気中で等級化した投与量の630nmの光で単層として照らした(以下を参照 のこと)。細胞をトリプシンで処理し、計数し、Waymonthの培地に既知の密度で プレートした。培養物を6日間インキュベートし、標準クローン産生アッセイに かけた〔PuckおよびMarcus1956〕。 各化合物の暗毒性特性を別々に評価し、2時間等級化投与量感光剤に細胞をさ らす以下の類似の手順をおこなった。細胞を感光剤にさらす間または感光剤を含 んでいる間、細胞を光にさらすことを避ける予防措置をとった。生残り曲線最小 の3つの独立実験を示す。データは必要に際してプレーティング効率に対して補 正され、光毒性曲線を各薬品濃度に対する暗毒性について補正した。実施例14 細胞培養物の照射 Kiton Red色素(Exciton,Dayton,Ohio)を有する20ワットのアルゴン調節可 能色レーザー装置(Coherent,Innova−20,Model CR599)を使用して63 0nmにて光を発生した。波長をモノクロメーターを確かめて、実験をおこなっ た。光線を1本の0.4mm石英光ファイバーで送り、9.3cmの上記細胞培 養皿に向けた。ファィバーの端を照射テーブルの平らな表面を均一に照らすレン ズに固定した。照射の間、テーブルを回転させて均一な光分布を最適化した。細 胞培養物の表面における投与量をパワーメーター(Coherent−210)により 1J/cm2に決めた。照射は周囲温度(〜23℃)でおこない、最も長くさらし た時間は1分であった。 感光剤の取込み研究をクローン産生アッセイで用いたのと同じインキュベーシ ョン条件下でおこなった。図5aと5bはそれぞれ標準曲線と細胞取込みデータ を示す。暗中で106細胞あたり50%の致死率になるのに必要な感光剤のモル 量を暗毒性生残り曲線図6aの観察および図5bの適当な細胞外薬品濃度を達成 する細胞内濃度の観察から評価した(以下参照)。HBに対して、この値は8ナ ノモルであり、HBEA−R1は120ナノモルであり、JL−1−1は32ナ ノモルである。630nmの光を照射すると50%の細胞を殺すのに必要な細胞 内感光剤の量が著しく減少した。1J/cm2までの光投与量に対して、160pmo le/106細胞のHBまたは結合薬剤において50倍の減少が必要である。HB EA−R1は1nmole/106細胞(120倍より少ない)で、HBDP−R1は 11nmole/106細胞で、JL−1−1は0.32nmole/106細胞、50%致 死率の100倍の光強化にて効果がある。試験した化合物の中で、クローン産生 アッセイでLD50の濃度範囲は約10μMから100μMより多い(平均は約25 μM)。630mmの光の存在下でヒポクレリンのLD50感光投与量を減少した 場合もある。(0.15〜>6μM、平均約3μM)。インビトロで500倍の光 強化まで例証されたHBBA−R2またはHBEA−R1,HBDP−R1(図 2構造7)はそれぞれ167倍、50倍および35倍の光強化ファクターにより 特徴付けられる。クローン産生アッセイに基づく光強化値は化合物について一般 に薬剤取込みに比例して変わり、両値を化合物について決定した。 4つのヒポクレリン誘導体のインビトロの暗毒性の生残り曲線を図6aに示す 。エラーバーは各化合物に対する3つの独立の実験からの5回の培養プレートの 標準偏差を示す。各誘導体は特徴的な細胞毒性を有する。HBBA−R2とJL −1−1は試験した濃度範囲内(≦80μM)の50%致死率を示さなかった。 HBDP−R1は40μMの過剰な濃度で50%の細胞死をまねいた。HBEA −R1は20μMの範囲で効果的である。表1の化合物の多くは光強化され、こ れらの化合物の多くに対してのLD50はHAまたはHBより低い。 癌細胞は正常な細胞よりわずかに酸性のものがある。従って、p7.0よりp H6.5にてより活性な化合物が癌治療に望ましいこともある。HB(図12c およびd)及び他の誘導体の幾つかはpH6.5(±0.5)で最も活性であり 、酸性の細胞でより活性である。一方EMT6/Ed細胞を殺すHAの能力はp H5.5〜7.5の間の変化には影響を受けないことがわかる(図12aとb) 。 HBBA−R2の優れた光強化特性および優れた感光性は暗細胞毒性が著しく 低いためである(図6aとb)。HBEA−R1は0.15〜0.3μM、0. 25〜1.00J/cm2の範囲における相反の薬剤−光投与量を有する別の優れ た感光剤である(図6aおよびc)。図6dのデータはHBDP−R1のLD50 または光毒性が0.75J/cm2、630nm光の存在下で0.5〜2.5μMの 範囲にあることを示している。最後に、JL−1−1の毒性を図6eに示す。再 び、薬剤と光投与量の間に相反の関係があり、2.0〜4.0μMの薬剤濃度範 囲で優れた光毒性を有する。 HBEA−R1およびHBBA−R2の活性は酸素レベルによって影響を受け る(図10)。両化合物は酸素がないか低酸素レベルで細胞を殺すことができる 。低酸素レベルでは高酸素レベルの場合より、より多い光投与量が細胞を殺すの に必要である。これらの化合物は低く酸素レベルで細胞を殺せるので、低酸素症 が存在し得る固形腫瘍の処理に適している。実施例15 親構造の部位特異的修飾 親ヒポクレリンの基本的な構造は部位特異的修飾を受けやすい(DiwnおよびLo wn1990)。光力学的治療に対する感光剤としてのヒポクレリンの主な利点は 単量体の形態で純粋に合成できるところにある。この特徴のおかげでインビトロ の光毒性のメカニズムについての研究が非常に容易になる。しかし、主な利点は 単純さにあると思われ、簡単に薬力学の研究ができる。低分子量なので組織中で 急速に分布できる。オクタノール−水分配係数は部位特異的変更を容易にし、こ の特徴は等級化した疎水性の一連の誘導体の合成を促進するであろう。例えば、 HBEA−R1とHBDP−R1の側鎖にそれぞれ末端ヒドロキシルと第4級窒 素原子を加えると水溶解性が増す。この性質は血漿タンパクとリポタンパクとの 会合、腫瘍と正常組織の分布および取込みおよびクリアランスの力学に影響する だろう。HBBA−R2およびHBBA−R1を産出するフェノール性ヒドロキ シルのブチルアミノ置換はHBと比べて6倍以上吸光係数(ε)が上がり、同時 に7〜10倍光毒性が上がる。同じ置換で親化合物と比べて少なくとも5倍の細 胞毒性の低下があった。HBEA−R1になるエタノールアミン置換は同程度ε を高め、付随して光毒性が高まる。最後に、HBのフェノール性ヒドロキシルの 2−N,N−ジメチルアミノ)プロピルーアミノ化はεにおいて4.8倍高まり 、光毒性活性も高まる。これら3つの修飾物は実際には一重項酸素量を減少させ 、種々の程度になり、高められた光毒性は細胞内感光剤分布の変化に関係し得、 光毒性種の標的化が有利になる。日付けにスクリーンされた25以上のヒポクレ リン誘導体のうち、全てにおいてインビトロにおける許容できるレベルの細胞毒 性を示した。少なくとも7つの化合物が10倍光強化し、4つは例外的な光強化 能を有する。細胞毒性または光強化の所定の程度に作用するのに必要なヒポクレ リ 低分子量特性を考慮すると、単量体の形態としての優位性を示し、本発明者らは 伝統的なポルフィリンの長期にわたる薬剤前培養の時間に固執する必要がないと 考える。前培養力学研究により、間隔に対する前培養時間を24時間まで変更す ることにより、50%細胞毒性や細胞を殺すための光強化を及ぼすのに必要な薬 剤濃度について大きな影響を与えないことを確認した。最近の蛍光共焦顕微鏡研 究により、試験したほとんどの化合物に対して、取込みは2時間培養の期間内に 完成されることがわかる。力学研究は潜在的な感光性化合物の未成熟拒絶を避け るために重要である。 これらのインビトロのクローン産生スクリーニングアッセイにより、ヒポクレ リン誘導体となる可能性のある、より良い物理化学的性質(および典型的に細胞 毒性および光強化)を有する化合物の分別法が提供される。このアプローチは、 細胞毒性および光強化に影響を与えるのに必要な感光剤の濃度範囲を評価するの に役立ちかつ効果的である。この方法は前診療および診療の評価に適する化合物 を選択するのに使用できる。 他の機構的研究は細胞サイクルについての感光剤およびPDTの効果に関する 。HBEA−R1及びHBBA−R2に対する予備的な発見は、光処理下あるい は 光処理なしで、主な細胞サイクル摂動を示さなかった。この発見は、共時的また は選択的毒性を引きおこす処理は、残りのPDT耐性腫瘍細胞集団の原因となる ので、重要である。 本発明者らはこれら両方の感光剤がPDTの次に実質的な断片化細胞死を促進 する証拠をも発見した。EMT6/Ed単層細胞の制御および処理物をヨウ化プ ロピディウム(propidium)染色およびゼロ積分磁場電気泳動(ZIFE)にか けた。両方の技術によって、PDT毒性の主な貢献者としての断片化を示すデー タを得た(図11)。実施例16 インビボ研究 本発明者らは、選択した化合物の推定される組織的毒性および薬剤力学特性を 評価するためにネズミにおいてインビボ研究をした。これらの化合物は脂肪親和 性であり、水溶液中で凝集する傾向がある。リポソーム形式ではない薬剤の投与 の好ましいルートは腫瘍の真近への注射あるいは静脈注射(iv)である。HB のBalb/cEMT6/Eb細胞への静脈注射(iv)の後、腫瘍における薬 剤の最大濃度は注射時と注射後2時間の間最も高かった(表2)。細胞取込みの この時期はインビトロのデータと一致する(図9a)。皮膚におけるHBのレベ ルは薬剤投与後直ちに低下し、薬のほとんどは24時間以内に体内から排出され た(表2)。 HBEA−R1およびHBBA−R2の予備的な分析はこれら2つの化合物が 688nmにてインビトロで重要な有効性を有することを示す。等級化した投与 量のHBEA−R1およびHBBA−R2は、それぞれ31および39mg/k g体重の最大値まで、(50μM)、Balb/cマウスに投与された。HBE A−R1およびHBBA−R2を用いたラットにおける急性および慢性の毒性研 究は、7.5mg/kg全体重11〜12μMを含む等級化した投与量に有意な 影響を与えないことを示す。急性または慢性毒性(60日)の問題は、これらの 薬剤の50μMの全投与量について観察されなかった。最初の終点において、コ ントロールの動物と比べてグルーミング、ハンチング、変った歩き方、無気力、 攻撃、呼吸速さ、体重等の挙動や物理的サインを伴った。実施例17 レーザー光波長および投与量 薬剤濃度と光投与量は腫瘍の治療には重要である。EMT6/Ed腫瘍でHB EA−R1を50μmol/kg体重で投与されたBalb/cマウスに種々の 量で光を投与した。630nmの光を100J(約10分間)受けたマウスは約 90%腫瘍が治った。630nmの光を50J受けたものは40%治っただけで あった。照射量が少ないと治癒率も低い(図7および8)。 本発明は400と850nmの間の波長の存在下で癌治療を高める方法を提供 する(図3および表1または個々の化合物の最適波長参照)。多くの化合物に対 する吸収スペクトルを図3に示す。各化合物の主な吸収ピークは表1に示す。こ れらの化合物の多くは630nmの付近(600〜700nm)に有意な吸収を 有する。最適な波長は各化合物によって異なる(表1)。少なくとも630と6 88nmの間の波長は、HBEA−R1およびHBBA−R2について、細胞を 殺すことができる。深く大きい腫瘍にはより長い波長が好ましい。表面の腫瘍に は、貫通性が低いのでより短い波長または緑のスペクトルの使用がより適当であ る(Nseyo氏他、1993)。より高波長にて光強化されるこれらの化合物 の効力はPDTで治療できる組織のサイズを増し、PDTを用いて治療する深さ を増す。ファイバー光プローブはレーザー光を向けるのに使用できる。また、適 当な光源およびシールドを用いて光を選んだ領域に配ることができる。 膀胱の治療法はNseyo氏他により開示され(1993)、この方法は表1 または図2の化合物およびここに記載の薬剤投与量と波長を用いて使用できる。 局所へのあるいは標的抗原を用いた薬剤の適用に対しては、適当ないくっかの 方法がある。この分配法は薬剤−リポソーム形式、モノクローナル抗体−リポソ ームのような薬剤−モノクローナル抗体分配系からなり、標準脂肪親和性皮膚ク リームを用いて、露出した表面に適用する。薬剤は局所的に適用され、または薬 剤の投与経路は腫瘍内注射または経口により静脈内、腹膜内、胸郭内、血管内を 利用できる。実施例18 組成物分配 これらの化合物は細胞に、従来のおよび「スティールス(Stealth」リポソーム を含むリポソーム−媒介薬剤分配および特異的な器官は癌タイプを標的とするた めに設計されたイムノリポソームを介して分配できる。例えば、表面にモノクロ ーナル抗体(mAb)48−127を付着した図2の化合物のうちのあるものを 含むリポソーム(Y.Fradetの研究所より)を膀胱癌を標的とするのに使 用できた(Harven氏他、1992)。48〜127はヒト膀胱転移性細胞 癌腫(TCC)およびAY−27ラットTCCの両方上で発見された表面グリコ プロテインを認識するmAbである(Fradet氏他、1992,1986; FradetおよびCordon−Cardo,1993;Rao氏他、199 3)。スティールスイムノリポソームの調製法の例を次に示す。特別な薬剤を含 むリポソームは水素化大豆ホスファチジルコリンおよびコレステロールおよび5 %PEG−DSPE(ポリエチレングリコール−ジエステアロイルホスファチジ ルエタノールアミン)からAllen氏他(1991)によるプロトコルを用い て調製できる。 次に抗体を、チオエステル結合によりPGE末端に共有結合的に付着させるこ とがき、詳細はAllenによる(1994)。リポソームおよびイノムリポソ ームを調製する多くの他の方法は文献や特許に開示されており、これらの薬剤に 適したキャリヤーとなるであろう。リポソームおよびイムノリポソームは公知の 方法でここに記載した1つまたはそれ以上の化合物を含んで作ることができる。 当業者は適当な溶媒、試薬、条件を容易に決定できる。実施例19 新規なPDT感光剤の固定および試験法 望ましいPDT感光剤の特性は以下の特性を1またはそれ以上含んでいる。す なわち、所望の深さまで組織を貫通する波長において光をよく吸収すること(6 00〜850nmの波長は皮膚を何mmも貫通できる)、pH不活性な化合物で あること、正常な組織のpHでは活性が失われるか下がること、しかし、処理さ れるべき細胞や器官のpHでは活性であるか活性が上がること、体からすぐに排 出される化合物であること、固体の腫瘍を治療する化合物の場合には、腫瘍細胞 低酸素症の問題に関連して、酸素の有無にかかわらず作用活性を有すること。感 光剤は低暗細胞毒性および細胞損傷のすぐれた光強化性を有する必要がある。P DT毒性効果は壊死性、断片化細胞死、腫瘍脈管血行停止、脈管ベッドによりあ られる。実施例20 接合目的に対するヒポクレリンBのアミノ酸誘導体の合成 a.25mlの4MのNaOH水溶液中の1(7.5g、100mmol)の冷 却した溶液(氷浴)に、ゆっくり、交替に、クロロギ酸ベンジル(17g、10 0mmol)および25mlの4MNaOH水溶液(各々5つの部分で)を30 分かけて加えた。得られた混合物を濃HClで酸性化し、沈殿物をろ過し、乾燥 した。クロロホルムからの再結晶により純粋な生成物(2)を72%の収率で得 た(15.1g)。 b.ジクロロメタン(100ml)中の2(6.3g、30mmol)の溶液を −5℃に冷却(氷浴)し、濃H2SO4(0.3ml)を加える。この溶液をイソ ブテンで飽和し、その後、室温で48時間攪拌する。過剰なイソブテンを水ポン プで除去し、有機層を水(2x、100ml)、5%重炭酸ナトリウム水溶液( 2x)100ml)、水(50ml)で洗浄し、乾燥した(Na2SO4)。減圧 下で溶媒を除去し、オイルとして3を生成した。収率85%、6.8g。 c.室温で2.0gの5%Pd−Cの存在下および加圧下で80mlの無水アル コール中の3(7.95g、30mmol)を3時間で水素化した。触媒を除去 した後、得られた溶液を減圧下で約30mlに濃縮し、60mlの酢酸エチル中 のリン酸(2.5g、30mmol)を加えた。有機層を除去し、蒸発させ、未 反応の3を得た(0.4g、5%)。水層をNaOH(1.4g)でアルカリに し、その後、酢酸エチルで抽出し(3x、50ml)、乾燥し(Na2SO4)、 減圧下で蒸発させて、4を収率75%で得た(2.97g)。 d.ヒポクレリンB(40mg、0.08mmol)および4(50mg、0. 4mmol)の混合物を24時間アセトニトリル中で還流した。減圧下で溶媒を 除去し、溶離液としてクロロホルム:メタノール(60:1v/v)を用いてシ リカゲルクロマトグラフィーで精製し、5を得た(収率70%、35mg)。I R,NMRおよびFAB−MSにより生成物が単付加物であることが示された。 e.ジクロロメタン(30ml)中の5(50mg、0.8mmol)の溶液に 、ゆっくりトリフルオロ酢酸(16mg、0.01ml、0.11mmol)を 加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。その後、混合物をジクロロメタン(2 x、30ml)で抽出し、水で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で溶媒を 除 去し、6を得た。溶離剤としてクロロホルム:メタノール(30:1,v/v) を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、生成物6を得た (収率80%、46mg)。 f.15mlのジクロロメタン中の6(50mg、0.083mmol)および 臭化チオニル(17.3mg、0.083mmol)の混合物を室温で1.5時 間攪拌した。その後、有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)、減圧下で溶媒を 除去し、7を得た。溶離剤としてクロロホルム:メタノール(50:1,v/v )を用いて、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、純粋な生成物7を 得た(収率75%、41mg)。実施例21 pH依存性 細胞外環境のpHの効果を、感光剤取込みを高めて腫瘍の低pH特性が光毒性 効果を高めるか否かを決める光毒性に関して試験した。単層培養で生長するEM T6/Ed細胞を上記の概要に従って、PDTにかけた。しカル、培地のpHは 2時間感光剤培養の間乳酸(0.0〜4.0mM)供給して、7.5〜5.5の 範囲で増やして調節したことは除外される。未処理のコントロールに対する生き 残りの割合をクローン産生アッセイで決めた。 単層培養のEMT6/Ed細胞における光毒性について細胞外pHを変えた効 果を図12に0.0〜5.0μMのHBに対してまとめた。HBの不存在下で、 乳酸を用いた細胞外pHの操作はクローニング効率についてわずかな影響しか示 さない。pH効果は、光の存在下で3.0μMの感光剤にて、最大効果を有し、 全HB濃度に対する6.5の細胞外pHで最も著しい。これらの条件下で、細胞 毒性はpHによって4〜5倍強化される。実施例22 遺伝子毒性 予備的な研究を、突然変異誘発性の可能性を評価するためにHBBA−R2に ついて行った。サルモネラ・ティフィムリウムヒスチジン復帰系を使用して、Or ganization for Economic Cooperation and Development(OECD)ガイドラ イン471〜472に従って、フレームシフト突然変異(菌株:TA98)また はDNA中の塩基置換を検出した。プレート インコーポレーション アッセイ 法(エイムスアッセイ)を、最大100μlのジメチルスルホキシド(DMSO )中の1.0mg/プレートまでHBBA−R2を培養混合物に導入して、使用 した。この感光剤濃度は両試験株について検出可能な細胞毒性を示した。 以下の表3に、感光剤HBBA−R2の推定される遺伝子毒性を確認および特 徴付けるために設計された実験の結果をまとめる。データは、暗中で、サルモネ ラ・ティフィムリウムの2つの菌株、TA98およびTA100と共に培養した HBBA−R2の性質を示す。これらの菌株は突然変異可能性を有する広い範囲 の化合物を検出する傾向に対して選択される。両菌株に対する陰性コントロール は、試供化合物に対して使用したのと同じ濃度で適用したDMSO(溶媒)であ った。DMSOに対しては突然変異活性は観察されなかった。陽性コントロール は2−ニトロフルオレン、アジ化ナトリウム、および2−アミノフルオレンを含 む。これらは各菌株において咄乳動物の代謝活性系(S9)の存在下および不存 在下で予期したパターンの突然変異活性を示した。HBBA−R2はいずれの菌 株にも、診療的な濃度を含む100μg/プレートの濃度で突然変異活性を示さ なかった。HBBA−R2は塩基置換もフレームシフト突然変異も促進しない。 これらの突然変異性研究で遺伝子毒性を示さなかったことから、検出限界内 では、遊離の薬剤が細胞の核に発見されないまたは本来的に遺伝子毒性ではない という知見に結びつき得る。核に入る接合体、例えばPQP接合DNA小溝結合 剤は試験しなかった。核標識化は細胞毒性は高めることなく、DNA標的を介し て光毒性を高めるかもしれない。 本発明を実施例および図面を用いて説明した。本発明は種々の変更が可能であ るが、特定の態様に限定されるものではなく、本発明の範囲内の等価なすべての 変更を包含する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/00 A61P 31/00 35/00 35/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 マディヤラカン ラグパシー カナダ国 アルバータ ティー6ジー 2 エス1 エドモントン 89 アヴェニュー 9741 (72)発明者 ロウン ジェイ ウィリアム カナダ国 アルバータ ティー6エイチ 3エス1 エドモントン 117 エイ ス トリート 4704 (72)発明者 ミラー ジェラルド ジー カナダ国 アルバータ ティー7エックス 3ヴイ4 スプラス グローヴ レンジ ロード 275 54014 4 (72)発明者 ムーアー ロナルド ビー カナダ国 アルバータ ティー6アール 1ズィー5 エドモントン バッチャート ドライヴ 425 (72)発明者 ディウー ツェンジュン アメリカ合衆国 オレゴン州 97405 ユ ージーン ブルックサイド ドライヴ 1020

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.結合剤に結合したペリレンキノンを含む結合体(コンジュゲイト)を投与し 、所定の波長の光にペリレンキノンをさらすことによりペリレンキノンを活性 化することを含む治療法。 2.ペリレンキノンがヒポグレリン(hypocrellin)、セルコスポリン(cercospor in)、フレイクロム(phleichrome)、エルシノクロム(elsinochrome)、クラドク ロム(cladochrome)、エリスロアフィン(erythroaphin)およびカルホスチン(ca lphostin)を含む群から選択される請求項1記載の方法。 3.ペリレンキノンが官能化される請求項2記載の方法。 4.ペリレンキノンがヒポクレリンである請求項1記載の方法。 5.ペリレンキノンが非活性化状態では高濃度で非毒性であり、かつ活性化状態 では低濃度で毒性である請求項1記載の方法。 6.ヒポクレリンはヒポクレリンAまたはヒポクレリンBの誘導体である請求項 4記載の方法。 7.ヒポクレリンBが官能化される請求項6記載の方法。 8.官能化されたヒポクレリンBが結合剤に結合する請求項7記載の方法。 9.ヒポクレリンBが非活性化状態では高濃度で非毒性であり、かつ活性化状態 では低濃度で毒性である請求項8記載の方法。 10.結合剤が抗体、モノクローナル抗体、そのフラグメントからなる群から選択 される請求項1記載の方法。 11.結合剤が癌細胞の抗原に結合した抗体である請求項10記載の方法。 12.癌細胞が卵巣癌、乳癌および胃腸癌からなる群から選択される請求項11に記 載の方法。 13.結合体投与がモノクローナル抗体またはそのタンパク質に結合したヒポクレ リンB誘導体を含む結合体を投与することを含む請求項1記載の方法。 14.結合剤がDNA小溝に結合する請求項1記載の方法。 15.モノクローナル抗体または抗体フラグメントに結合したヒポクレリンB誘導 体を含む結合体を投与し、所定の波長の光へヒポクレリンB誘導体をさらすこ とによってヒポクレリンB誘導体を活性化することを含む治療法。 16.モノクローナル抗体または抗体フラグメントが癌細胞のエピトープと結合し 、前記癌細胞が卵巣癌、乳癌および胃腸癌からなる群から選択される請求項15 記載の方法。 17.ヒポクレリン誘導体が非活性化状態では高濃度で非毒性であり、かつ活性化 状態では低濃度で毒性である請求項15記載の方法。 18.結合剤に結合(コンジュゲイト)したペリレンキノンを含む組成物。 19.ペリレンキノンがヒポクレリン、セルコスポリン、フレイクロム、エルシノ クロム、クラドクロム、エリスロアフィン、およびカルホスチンを含む群から 選択される請求項18記載の組成物。 20.ペリレンキノンがヒポクレリンAおよびヒポクレリンBの誘導体である請求項18 記載の組成物。 21.ペリレンキノンが非活性化状態では高濃度で非毒性であり、かつ活性化状態 では低濃度で毒性である請求項19記載の組成物。 22.ヒポクレリン誘導体が非活性化状態では高濃度で非毒性であり、かつ活性化 状態では低濃度で毒性である請求項20記載の組成物。 23.結合剤が疾患、異常、疾病、または異常状態に対する標的剤である請求項18 記載の組成物。 24.結合剤が抗体、モノクローナル抗体、またはそのフラグメントからなる群か ら選択される請求項18記載の組成物。 25.結合剤が癌細胞のエピトープに結合する抗体であり、前記癌細胞が卵巣癌、 乳癌および胃腸癌からなる群から選択される請求項24記載の組成物。 26.結合剤がDNA小溝に結合する請求項18記載の組成物。 27.結合剤に結合(コンジュゲイト)したヒポクレリン誘導体を含む組成物。 28.ヒポクレリン誘導体が非活性化状態では高濃度で非毒性であり、かつ活性化 状態では低濃度で毒性である請求項27記載の組成物。 29.結合剤が疾患、異常、疾病または異常状態に対する標的剤である請求項27記 載の組成物。 30.結合剤が抗体、モノクローナル抗体、またはそのフラグメントからなる群か ら選択される請求項27記載の組成物。 31.結合剤が癌細胞の抗原に結合する抗体であり、前記癌細胞が卵巣癌、乳癌お よび胃腸癌からなる群から選択される請求項27記載の組成物。 32.結合剤がDNA小溝に結合する請求項27記載の組成物。 33.ヒポクレリン誘導体がヒポクレリンBの誘導体である請求項27記載の組成物 。 34.結合剤に結合(コンジュゲイト)したヒポクレリンB誘導体を含む組成物で あって、前記結合剤が抗体、モノクローナル抗体、またはそのフラグメントか らなる群から選択され、前記結合剤が癌細胞の抗原に結合し、前記癌細胞が卵 巣癌、乳癌および胃腸癌からなる群から選択され、前記ヒポクレリンB誘導体 が所定の波長の光にその誘導体をさらすことにより活性化できる官能化誘導体 である組成物。 35.皮膚の状態、癌、ウイルス性疾患、レトロウイルス性疾患、細菌性疾患、お よび真菌性疾患を治療することを含む請求項1記載の治療法。 36.所定の波長が約400nmと約850nmの間である請求項1記載の方法。 37.所定の波長が約600nmと約700nmの間である請求項36記載の方法。 38.適当量の少なくとも1つのヒポクレリン誘導体を投与し、ヒポクレリン誘導 体を活性化することを含む腫瘍細胞を破壊または不活性化する方法。 39.ヒポクレリン誘導体の活性化が、ヒポクレリン誘導体を所定の波長の光にさ らすことを含む請求項38記載の方法。 40.ヒポクレリン誘導体と少なくとも1つのpKa変更剤、緩衝剤、塩(salt)、 塩基、酸、塩(saline)、および助剤を含む組成物の投与を含む疾患または異常 状態を治療する方法。
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