JP2001507323A - 連続式イオン交換クロマトグラフィーによる硫酸塩溶液中のジルコニウムとハフニウムの分離 - Google Patents

連続式イオン交換クロマトグラフィーによる硫酸塩溶液中のジルコニウムとハフニウムの分離

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Abstract

(57)【要約】 イオン交換クロマトグラフィーによるジルコニウムとハフニウムの連続元素分離、及び硫酸ジルコニウム(ハフニウムも含有する)原料溶液、硫酸塩溶離液、陰イオン交換樹脂、及び低いイオン交換カラム動作温度を用いるジルコニウム鉱粗原料からのジルコニウムとハフニウムの同位体分離のための方法及び装置を提供する。本発明の方法及び装置では、ジルコン砂の炭素塩素化生成物をイオン交換クロマトグラフィーカラムへの供給に先立って、完全に硫酸塩溶液に変換することによって硫酸塩源料溶液が得られる。本発明の方法及び装置は、連続的に動作する連続式環状クロマトグラフ(CAC)で実施される。原子炉材料等級の実質的に精製されたジルコニウム及びハフニウム金属が製造される。

Description

【発明の詳細な説明】 連続式イオン交換クロマトグラフィーによる 硫酸塩溶液中のジルコニウムとハフニウムの分離1.発明の分野 本発明は現場での元素分離プロセス及び同位元素分離プロセスに関し、さらに 詳細には、原子炉材料等級のジルコニウム金属及び原子炉材料等級のハフニウム 金属を得るために粗ジルコニウム鉱からジルコニウム及びハフニウムを連続して 部分的にまたは完全に分離し精製する方法及び装置に関する。本発明はまた、粗 ジルコニウム鉱または元素分離より得られたジルコニウム及びハフニウムの分離 ・精製溶液からジルコニウムとハフニウムの同位元素を連続して部分的にまたは 完全に分離することにより、同位元素が濃縮された原子炉材料等級のジルコニウ ム金属及び原子炉材料等級のハフニウム金属を得る方法及び装置に関する。さら に詳説すると、本発明は、供給相として硫酸塩原料溶液を、移動相として硫酸塩 溶離液を、固定相としてアニオン交換樹脂を用いる連続式イオン交換クロマトグ ラフィーにより単一操作でジルコニウムとハフニウムを分離・精製する改良式ジ ルコニウム/ハフニウム分離・精製プロセスに関する。 本発明は、ジルコニウムをクロマトグラフィーにより処理してジルコニウムを ハフニウムから分離し、自然に存在するジルコニウム状態を変化させその熱中性 子補獲断面積を最小限に抑え、かくして原子炉の燃料棒被覆材料としてのジルコ ニウムの利用度を向上させる方法に関する。本発明は又、ハフニウムをクロマト グラフィーにより処理してハフニウムをジルコニウムから分離し、自然に存在す るジルコニウム状態を変化させその熱中性子補獲断面積を最小限に抑え、自然に 存在するハフニウム状態を変えることにより熱中性子補獲断面積を最大にし、か くして原子炉の制御棒材料としてのハフニウムの利用度を向上させる方法に関す る。従って、本発明の方法及び装置は原子炉の内部構成材料としてのジルコニウ ム及びハフニウムの安定性を向上させる。2.発明の背景 歴史的にいえば、ジルコニウム金属は、主として原子炉の内部構成材料、例え ば酸化ウランの原子燃料棒の被覆として用いられてきた。原子燃料棒の被覆はそ の主要目的として、とりわけ核分裂性の原子燃料の腐食を防止し分裂性物質が冷 却材ループへ流出するのを防止する、原子燃料要素を取り囲む外部の金属製ジャ ケットを提供することである。ジルコニウム金属の他の魅力的な用途としては、 酸化物として耐腐食性の化学プロセス用ハードウエア及び最新のセラミックスの 製造がある。 特に、原子炉に用いる材料は、それらの熱中性子補獲断面積とその他の特性を 勘案して選択される。ジルコニウムは、他の特性のうち、平均熱中性子補獲断面 積が小さいこと(ほぼ0.18バーンズ)、展性が高いこと、放射線による損傷 に対する抵抗力が高いこと、さらに最高約350℃の高温の加圧水中において卓 越した耐腐食性を示す点で原子炉に用いられる。ジルコニウムの自然に存在する 同位元素類は、ある特定の原子炉材料として望ましい小さい平均熱中性子補獲断 面積を有する。ジルコニウムの自然に存在する同位元素を表1に示す。 表 1 自然に存在するジルコニウムの同位元素 同位元素 存在比率% 熱中性子補獲断面積 バーンズ(10-282) Zr90 51.45 0.03 Zr91 11.32 1.14 Zr92 17.49 0.21 Zr94 17.28 0.055 Zr96 2.76 0.020 しかしながら、原子炉材料等級のジルコニウムは中性子に対して不透明なハフ ニウムにより汚染されているためジルコニウムの熱中性子吸収度を減少させるこ とに引き続き関心が向けられている。中性子によりトリガーされる核分裂反応を 持続するにはある特定の数の熱中性子が必要であるため、原子炉の内部構成材料 がこれら熱中性子に対して透明であればあるほど、原子炉の効率は益々高くなる 。従って、ジルコニウムのような原子炉内部構成材料の熱中性子補獲断面積を減 少 させることが望ましい。 ジルコニウムの熱中性子補獲断面積を減少させようとする初期の試みは、ジル コニウムとハフニウムの分離に向けられていたが、これらの元素は、因みに、周 期律表上で分離が最も困難な元素である。ジルコニウムとハフニウムのこれら2 つの元素は自然界に一緒に存在するが、ハフニウムの方が実質的に大きい熱中性 子補獲断而積を有する(ジルコニウムのほぼ600倍)。自然に存在する粗ジル コニウム鉱は約1乃至5%のハフニウムを含むのが普通である。従って、ジルコ ニウムをハフニウムから分離すると、ハフニウムの不存在により熱中性子補獲断 面積がさらに小さい原子炉材料等級のジルコニウムが得られる。 原子炉材料等級ジルコニウムの生産に現在用いられている商業的方法には種々 の溶媒抽出法があり、これらのプロセスではジルコン砂が比較的複雑な一連のス テップを経た結果ジルコニウム金属へ変換される。この抽出プロセスは、普通は ヘキソンまたはメチルイソブチルケトン(MIBK)である有機溶媒と、チオシ アン酸及び塩酸を含む種々の水性溶液の使用を必要とする。ジルコニウムに化学 的性質が似たハフニウムをジルコニウムから分離しなければならない。溶媒抽出 は、一連の別々の抽出ステップと共に別々の分離カラムを必要とする。通常、系 からできるだけ多くのジルコニウムを回収できるように、ジルコニウム、有機溶 媒及びハフニウム分離ステップから回収されるチオシアン酸塩にさらに別の処理 を施す。大抵の溶媒抽出プロセスから最終的に回収されるジルコニウムは酸化ジ ルコニウム(ZrOCl2)の形である。常用の商業プロセスでは、酸化ジルコ ニウムを塩素化して四塩化ジルコニウム(ZrCl4)とし、これを精製した後 クロール(Kroll)法による還元を施して原子炉用として適当なジルコニウム金 属を得る。このプロセスに用いる水性及び有機液体は廃棄される金属及び他の物 質を含むため、これらは適当に廃棄する必要がある。これらの液状廃棄物の処理 方法の1つとして、それらを溜池に入れた後処理するか廃棄する。しかしながら 、この方法は、土中の禁止化学物質及び廃棄物処理に関する連邦及び州の法律が より厳格になっていることを考慮すると、廃棄物管理のための解決法としては益 々受け入れることができない。 溶媒抽出法は、ジルコニウムをハフニウムから効果的に分離して原子炉用とし てまた原子力産業において別の所で使用する場合必要な品質のジルコニウムを生 成させる。しかしながら、溶媒抽出法により生まれる廃棄物に対しては一般大衆 、化学界及び規制当局により益々懸念が表明されているため、これが原子力産業 が同様な廃棄物管理への懸念を生じさせない別のジルコニウム生成法を探求する 契機となっている。 上述の溶媒抽出法に加えて他のジルコニウム/ハフニウム分離プロセスが提案 されている。有機廃棄物を最小限に抑える最近の試みとして、例えば米国特許第 5,023,061号(Snyder,et al);5,024,749号( Snyder,et al):5,098,676号(Lee,et al); 5,110,566号(Snyder,et al);5,112,493号( Snyder,et al);5,174,971号(Snyder,et a l)において教示されるように、連続式環状クロマトグラフ(CAC)による連 続式定常状態イオン交換クロマトグラフィーを用いて、ジルコニウムをハフニウ ムから分離し、またそれらからジルコニウムとハフニウムの同位元素を分離する 水性法が提案されている。これらの引用特許は、単一操作で、同時にジルコニウ ムをハフニウムから分離・精製し、そして/または、かなり豊富な小さい熱中性 子補獲断面積のジルコニウム同位元素を大きい熱中性子補獲断面積のハフニウム 同位元素から同時に分離する連続式方法及び装置を教示している。これらの教示 はそれぞれ技術的に実施可能なものであるが、効率を増大させ廃棄物の生成を抑 え且つコストを減少させるための該方法の最適化については示唆がない。従って 、商業的に重要な操作を可能にする最適化された処理パラメータを用い単一操作 でジルコニウムをハフニウムからクロマトグラフィーにより分離する方法及び装 置に対する要望がある。 従来、ジルコン砂の炭素塩素化生成物の水性加水分解により得られる粗水性塩 化物原料溶液を用い、またカチオンまたはアニオン交換樹脂と共に水性塩化物又 は硫酸塩溶離液を用いることによって行われるCAC装置での商業的に受け入れ 可能なジルコニウム/ハフニウム分離方法は、解明が困難なものとされてきた。 CACで普通の塩化物系溶液を用いる場合、ジルコニウム中のハフニウム(〔H f〕/〔Zr〕)が50ppm以下の純度、15g/lより高いジルコニウム生 成物濃度及び約90%の歩留りを得ることは不可能である。連続式操作定常状態 イオン交換クロマトグラフィー分離法を用い、また、CAC装置において改良し た水性塩化物系原料溶液及び溶離液及び改善された操作条件を用い、実質的に改 善された生成物純度、濃度及び歩留りをもたらす原子炉等級の材料を得るために ジルコニウムとハフニウムを連続的に分離・精製し、また望ましくは、ジルコニ ウムとハフニウムの同位元素の濃度を連続且つ選択的に高める改良式方法及び装 置に対する要望がある。従って、本発明は、高い精製効率、大きい歩留り、より 簡単なプロセス設計、低い運転コスト、少ない廃棄物の生成及びその他の点で、 得られる原子炉等級の材料の全体品質を向上させるための設計の改善に向けられ ている。3.発明の概要 本発明の目的は、粗ジルコニウム鉱をジルコニウムとハフニウム生成物画分又 はフラクションに分離・精製し、そして/またはそれらを全く別の同位元素生成 物画分に分離・精製し、その結果、生成物画分中における原子炉材料等級のジル コニウムとハフニウムの純度、濃度及び歩留りを向上させ、同時に従来の方法及 び装置と比べて廃棄物の生成及び運転コストを減少させるようになった改良式連 続操作定常状態イオン交換クロマトグラフィー法及び装置を提供することにある 。 本発明のさらに別の目的は、供給相として水性錯化ジルコニウム(ハフニウム も含む)金属硫酸塩原料溶液を用い、移動相として水性硫酸塩溶離液を用い、ま た固定相としてアニオン交換樹脂を用いて、硫酸塩溶液に基づく連続式定常状態 イオン交換クロマトグラフィー分離法によりジルコニウムをハフニウムから分離 ・精製する改良型の方法及び装置を提供することにある。 本発明は、1つの局面から観察すると、(A)ジルコニウムとハフニウムイオ ンの水性粗硫酸塩原料溶液を調製し、(B)硫酸塩原料溶液をアニオン交換樹脂 を含む連続イオン交換クロマトグラフィーカラムに注入し、(C)水性硫酸塩溶 離液をカラムに供給してアニオン交換樹脂から硫酸塩原料溶液を溶離し、(D) 少なくとも一つの廃棄物画分、実質的に純粋なジルコニウム画分及び実質的に純 粋なハフニウム画分を別々に収集することを特徴とする改良型ジルコニウムとハ フニウムの分離・精製方法及び装置にある。その方法及び装置はさらに、(E) ジルコニウム画分とハフニウム画分を別々に処理して原子炉材料等級のジルコニ ウム及びハフニウム金属を生成し、(F)処分すべき廃棄物画分を減容し、(G )溶離液をステップ(C)で再使用するためリサイクルし、(H)ジルコニウム /ハフニウム画分の混合物をステップ(B)で再使用するためリサイクルするこ とを特徴とする。本発明の方法及び装置はさらに、(I)ステップ(D)の分離 ・精製されたジルコニウム画分及びハフニウム画分を別々に処理して同位元素が 濃縮された原子炉材料等級のジルコニウム及びハフニウムを生成することを特徴 とする。 本発明は、好ましくは定常状態連続方式で実施され、また、本発明の方法を連 続式環状クロマトグラフ(CAC)装置で行うのが好ましい。また、本発明の方 法を、ZrとHfの分離能力を更に向上させるために約0℃乃至5℃の低温度で 行うのが好ましい。供給相は、硫酸塩形態のジルコニウムとハフニウムの混合物 を基材とするアニオンの水性溶液であることが好ましい。移動相又は溶離剤は、 硫酸塩形態の水性酸溶液、好ましくは、硫酸であることが好ましい。固定相は、 アニオン交換樹脂であることが好ましい。 本発明は、別の局面から観察すると、イオン交換クロマトグラフィー処理に用 いるジルコニウムとハフニウムイオンの水性硫酸塩原料溶液を粗ジルコニウム鉱 から調製する改良型方法にある。4.図面の簡単な説明 現在において好ましい本発明のある特定の実施形態が図面に示されている。本 発明は実施形態に限定されず、後記の請求の範囲の精神及び範囲から逸脱せずに 種々の変形が可能であることを理解されたい。図面において、 図1は、アニオン交換樹脂上のジルコニウムとハフニウムの錯体の溶離順序( 理想的順序)のグラフ図である。 図2は、アニオン交換樹脂上のジルコニウムとハフニウムの硫酸塩錯体の溶離 順序(理想的順序)のグラフ図である。 図3は、ハフニウムからのジルコニウムの完全分離を阻止する、ジルコニウム とハフニウムの溶離順序に対する硫酸塩系システム中に存在する塩化物の影響の グラフ図である。 図4は、本発明のジルコニウムとハフニウムの分離方法及び装置の概略流れ図 である。 図5は、本発明のジルコニウムとハフニウムの分離方法及び装置に用いる環状 分離カラムの一部を断面で示す連続式環状クロマトグラフ装置の斜視図である。 図6は、本発明のジルコニウムとハフニウムの分離方法及び装置に用いる連続 式環状クロマトグラフ装置の縦断面図である。5.発明の好ましい実施形態の詳細な説明 本発明は、ハフニウム不純物を含む粗ジルコニウム鉱からジルコニウム元素( Zr)とハフニウム元素(Hf)を、好ましくは連続式環状クロマトグラフ(C AC)装置によって単一操作で連続的に分離・精製する処理方法と装置の両方を 提供する。分離・精製されたジルコニウム及びハフニウム生成物は、同じ操作で 同時に、もしくは別の操作を後で施して、連続式環状クロマトグラフ(CAC) で一段と分離処理するように使用でき、それにより原子炉構成材料として同位元 素が濃縮された原子炉材料等級のジルコニウム生成物及びハフニウム生成物が得 られる。 本発明の方法及び装置は、(1)ハフニウムからのジルコニウムの連続定常状 態のイオン交換クロマトグラフィーによる分離能力を特に向上させると共に、所 望ならば、(2)分離に適した硫酸塩の化学的性質を用いることにより連続環状 クロマトグラフ(CAC)内におけるジルコニウムとハフニウムの同位体濃縮を 向上させ、この結果生成物の純度、濃度及び歩留りが向上すると共に廃棄物の量 が減少し、したがってクロマトグラフによる処理をハフニウムからのジルコニウ ムの分離手段として商業的に行なうことができるようになる。 硫酸塩系システムを選択すると、塩化物系システムと比べ、以下の利点、即ち 、塩化物(例えば、HCl)溶離剤よりも高い濃度の硫酸塩(例えば、H2SO4 )溶離剤で高い金属溶解度が得られ、分離係数が塩化物系の場合(約1.3)よ りも硫酸塩系の場合(約7)のほうが大きく、硫酸塩形態におけるZr及びHf の原料金属錯体の安定性が高く、分離に先立つ原料調製中に金属不純物が除去さ れ、より迅速な分離に関連する動力学挙動が得られ、CAC装置内における保持 時間が減少し、塩化物(例えば、HCl)と比較して硫酸塩(例えば、H2SO4 ) の腐食効果が少ないことなどが挙げられるが、これらに限られない。 CACによるハフニウムからのジルコニウムの分離能力を向上させる初期の試 みに関しては、発明者等は純粋な塩化物系システムにおける分離方法に関心を寄 せていた。この方法は、(1)粗ジルコン砂の炭素塩素化生成物の水性加水分解 により得られる溶解状態のZrOCl2(HfOCl2も含む)の水性粗塩化ジル コニウム原料溶液を供給し、(2)CACに塩酸溶離液を供給し、(3)CAC から分離・精製された生成物画分を回収するステップからなっていた。別途出願 の米国特許出願第 号(発明者は、C・H・ベイヤー、W・ G・サイソン、T・S・スナイダー、R・J・ベレスキー、T・L・フランシス 、及びU・P・ナヤク、発明の名称は、“Zirconium and Hafnium Separation I n Chloride Solutions Using Continuous Ion Exchange Chromatography”)は 、塩化物溶液中でジルコニウムとハフニウムを分離する最適化された一方法を教 示しており、これはこれらの分離能力を損なう欠点のうち幾つかを解決している 。 この別途出願は、或る場合には従来型オキシ塩化ジルコニウム(ZrOCl2 )原料溶液の調製と関連した加水分解による発熱及び遊離酸生成を制御し、また 、別の場合ではCAC動作温度を下げることにより、純粋な塩化物系システムを 用いてCAC内でのハフニウムからのジルコニウムの分離能力を向上させると共 に原子炉等級の材料を得ることができることを教示している。これにより、ジル コニウム及びハフニウムの分離できない錯体を生じさせるジルコニウム及びハフ ニウムの交差重合(cross-polymerization)が減少した。これら分離できない錯体 は、もし生成すると、ジルコニウム生成物波面を汚染することによってハフニウ ムからのジルコニウムの分離能力を損なう傾向があり、その結果、結果的に得ら れる原子炉材料等級の材料の総合品質及び歩留りが低くなる。この交差重合によ り、ジルコニウムとハフニウムの分離能力が低下した。 ジルコニウムとハフニウムの交差重合及び分離できないジルコニウム及びハフ ニウムの錯体生成は、上述の別途出願の塩化物系システム分離法で効果的に減少 し、したがって技術的に実行可能な操作が得られるが、他の経済的な関連因子に より、発明者等は、商業的に有効な分離法を模索し続けることになっていた。1 つの経済的関連因子としては、塩化物溶離剤溶液が高濃度の場合、オキシ塩化ジ ルコニウム錯体の形態のジルコニウム金属の溶解度が低い(例えば、2N・HC lでは200g/lであるが、6N・HClでは10g/l)ということの知見 がある。この関係により、分離システムは、望ましいHCl溶離剤濃度よりも一 層稀釈状態で動作し、それにより、CACカラム内の金属保持時間が多くなるだ けでなく、生成物回収費用が増加することになる。 本発明者等は次に、ハフニウムからのジルコニウムの分離を行なうための混合 塩化物系及び硫酸塩系システムを用いることを試みたが、部分的な成功に終り、 ジルコニウム生成物の純度は、原子炉材料等級の仕様即ち、[Hf]/[Zr] <50ppmを満たさず、さらに、廃棄物の生成量が、混合塩化物及び硫酸塩酸 性溶液を生じる結果として増加した。この方法は、(1)カチオン又はアニオン 交換樹脂を含むCACに、粗ジルコン砂の炭素塩素化生成物の水性加水分解から 得られた溶解状態のZr0Cl2(これはまた、HfOCl2を含む)の水性粗塩 化ジルコニウム原料溶液を供給し、(2)硫酸溶離剤溶液をCACに供給し、( 3)CACから分離されたZr及びHf生成物画分を回収する段階を含む。この 方法は、CACカラム中での初期ジルコニウムとハフニウムの塩化物原料錯体と 硫酸塩溶離剤との反応を利用しており、その目的は、ジルコニウムとハフニウム の塩化物錯体をクロマトグラフィー法に適した硫酸塩形態に直接変換することに ある。しかしながら、実験の示すところによれば、硫酸塩形態へのジルコニウム とハフニウムの塩化物錯体の変換は、CACのクロマトグラフィーカラム内では 完了せず、幾分かの塩化物錯体が残った。この不完全な変換により、ジルコニウ ム及びハフニウムの分離能力が損なわれた。 本発明者等は、ジルコニウムとハフニウムの分離能力の減少及び所望の原子炉 材料等級の生成物純度の達成不能が、どの波面がまず最初に溶離するかというこ とを決定するために2つの互いに競合するZrとHf溶離剤波面(結合された塩 化物及び硫酸塩錯体と共に)がCACカラムの下で有利な位置を占めようと駆け 引きをする結果であるということを思いがけず発見した。その結果は、ハフニウ ムによる過度の生成物汚染状態のジルコニウムであった。硫酸ジルコニウム波面 が溶離曲線の大部分を占めているが、十分な塩化ハフニウムがZr生成物画分の 状態で出て、ジルコニウム生成物が原子炉材料等級の仕様を満たすのを妨げる。 実験結果に基づくこの競合しあう波面効果の理想化バージョンが、図1及び図2 に示されている。 図1に示すように、アニオン交換樹脂上では、水性硫酸溶液でジルコニウムと ハフニウムの塩化物錯体を溶離させることにより、ハフニウム波面がまず最初に カラムを通過する。図2に示すように、アニオン交換樹脂上では、水性硫酸溶液 でジルコニウムとハフニウムの硫酸塩錯体を溶離させることにより、ジルコニウ ム波面がまず最初にカラムを通過する。カチオン交換樹脂の場合、溶離の順序は 、すべての核種について一律に逆であり、硫酸塩への塩化物の不完全な変換とい う問題は変わらない。したがって、本発明者等は、硫酸塩への不完全な変換に起 因してカラム中に残っている微量の金属塩化物錯体が、ジルコニウム波而中へハ フニウム波面を引き上げ、それにより、HfからのZrの完全な分離を防止する 。図3は、硫酸塩系システム中のZr−Hf溶離順序に対する塩化物の存在の強 い影響を示している。 その結果、本発明者は、混合状態の塩化物系及び硫酸塩系システムを用いて、 [Zr]中での50ppm[Hf]という原子炉材料仕様を満たすようジルコニ ウム生成物純度を得ることは不可能であった。さらに、硫酸塩原料への塩化物の 不完全な変換プロセスにより、廃棄物管理上の問題が別途生じた。というのは、 金属回収段階で生じた酸性塩化物及び酸性硫酸塩をさらに処理して塩化物を硫酸 塩から分離してこれら物質を回収するか、或いはこれらを破棄しなければならな いからである。さらにまた、本発明者によって、微量の弗化水素酸を僅かなpp mの状態で加えて硫酸塩溶離中にジルコニウム及びハフニウムの錯化を制御する 試みがなされた。これは、混合塩化物及び硫酸塩系分離システム中における分離 能力を向上するものと考えられた。しかしながら、この方法は、分離能力を向上 させるのに成功しなかった。というのは、弗化物系システムは、塩化物系システ ム(即ち、ハロゲン化物溶離系)と同一の溶離順序を有しているからである。こ の場合も、弗化物イオンは、Hf波面をZr波面中へ引き上げ、互いに競合する 硫酸塩波面と弗化物波面は、分離能力の向上を帳消しにした。 本発明は、ジルコニウムとびハフニウムの塩化物錯体をCAC装置内への注入 及びこの中における分離に先立って、原料溶液中における硫酸塩錯体に完全に変 換することにより、そしてまた硫酸塩溶離及びアニオン交換樹脂を用いることに よって、混合塩化物系及び硫酸塩系分離システム中における溶離順序の問題及び 生成物純度に対するその影響を解決する。したがって、本発明は、商業的に利用 可能な連続水性イオン交換クロマトグラフィーを用いて硫酸塩溶液中で原子炉材 料等級のジルコニウム及びハフニウムの製造をするための方法及び装置を提供す る。 本発明の方法及び装置において、供給相は、可溶性硫酸塩形態の粗ジルコニウ ムイオン(これは、ハフニウムイオンをも含む)の都合のよい任意の水性原料溶 液であるのがよい。これら粗ジルコニウム硫酸塩原料溶液は一般に、自然又は天 然分布状態のジルコニウム同位元素及びハフニウム不純物を含み、これはまた、 粗ジルコニウム鉱、例えばジルコン砂から得られる重金属及び放射性金属不純物 を含む場合もある。しかしながら、硫酸塩原料溶液は、予備精錬プロセスから得 られる任意の部分的に精錬されたジルコニウムとハフニウムイオンの混合物を含 有する場合がある。 供給相の水性原料溶液として使用される混合状態のジルコニウムとハフニウム の硫酸塩錯体を調製するには、(1)ジルコン砂を塩素化し、次に塩素化生成物 を硫酸塩形態に変換するか、或いは(2)ジルコン砂を、その苛性アルカリ又は 硫酸塩によるクラッキングにより硫酸塩形態に直接変換するのがよい。本発明者 等は、これら2つの方法をクロマトグラフィー処理をするためにジルコニウム及 びハフニウムイオンの水性硫酸塩原料溶液を得るためのものとしたが、本発明は これらの方法に限定されるものと考えられるべきではない。というのは、ジルコ ニウム及びハフニウムイオンの水性原料溶液を可溶性硫酸塩形態で得る任意の方 法を使用できるからである。 第1の方法では、水性硫酸塩原料溶液を得るには、ジルコン砂(ZrSiO4 )の粗塩素化生成物を硫酸塩錯体に変換するのがよい。従来の塩化物原料調製に おけるように、ジルコン砂(これは、典型的には、自然分布比率状態のジルコニ ウム同位元素及び約1〜5%のハフニウムを含有している)を、約800℃〜1 100℃の温度、代表的には約1000℃で炭素源、例えばコークスの存在下で ハロゲン化、例えば塩素化し、それにより、四塩化ケイ素(SiCl4)画分及 び 四塩化ジルコニウム(ZrCl4)(これは、HfCl4を含む)画分のガス流を 生じさせ、これら画分は微分凝縮器内で一段と選択的に分離される。次に、可溶 性塩化物塩形態のハフニウム及びジルコニウムイオンの水性溶液を調製するが、 それには、粗四塩化ジルコニウム(ZrCl4)(これはHfCl4を含む)画分 を水中又は好ましくは水性酸溶液、好ましくは硫酸中で溶解させて加水分解し、 それによりジルコニウムのオキシ塩化物(ZrOCl2)とハフニウムのオキシ 塩化物(HfOCl2)の混合溶液を得る。次に、濃硫酸溶液を加えることによ って水性混合金属塩化物溶液を硫酸塩形態に変換し、それにより6モル(M)又 はそれ以上の硫酸濃度を生ぜしめて、硫酸塩生成物の沈殿が得られるようにする 。次に、混合状態の金属硫酸塩沈殿物を分離して硫酸中に再溶解させ、ジルコニ ウム及びハフニウムイオンの水性硫酸塩原料溶液を生じさせる。次に、水性粗硫 酸塩原料溶液を例えば、アニオン交換樹脂を含むCAC装置のイオン交換クロマ トグラフィーカラム中に注入し、硫酸溶液で溶離させる。その目的は、ジルコニ ウム及びハフニウムを一操作で分離・精製することにある。 この水性硫酸塩原料調製方法の実施中、粗四塩化ジルコニウム(ZrCl4) (これはHfCl4を含む)の水性加水分解反応中の発熱及び遊離酸生成を制御 してジルコニウム及びハフニウム錯化塩化物溶液のイオン溶液を生じさせること が望ましい。加水分解による発熱により、一般に分離せず、イオン交換を起こし にくい交差重合ジルコニウム及びハフニウム錯体が生じることが分かった。さら に、水性加水分解反応中に生じた遊離酸は、ジルコニウム及びハフニウムの共重 合体の生成を促進すると共にこれに触媒作用を及ぼす。したがって、遊離酸生成 と反応器温度(この両方は、もし制御されなければ、交差重合反応を促進する) の両方を制御するよう二段から成る加水分解と冷却の両方を用いることが望まし い。 上述の別途米国特許出願の発明者は、加水分解による発熱及び遊離酸生成を制 御し、したがって塩化物系分離システムのための原料調製中、ジルコニウム及び ハフニウムの交差重合を減少させるのに用いられるある特定の方法を発明した。 かかる別途米国特許出願の内容を本明細書の一部を形成するものとして引用する 。これら方法はまた、本発明の方法及び装置によるハフニウムからのジルコニウ ム のCACによる分離を行うのに用いられるジルコニウムとハフニウムの錯化硫酸 塩の原料溶液として用いるために加水分解物をその硫酸塩形態に変換するに先立 って四塩化ジルコニウム(ZrCl4/HfCl4)の加水分解中に生じる発熱量 を制御するのに本発明において有用である。したがって、塩素化された粗四塩化 ジルコニウム画分(これは、四塩化ハフニウムを含む)の加水分解は、制御され た条件のもとで行なうのが好ましく、それにより、ジルコニウム及びハフニウム の分離できない共重合体の生成を実質的になくす。 加水分解による発熱及び加水分解反応から生じる遊離酸の量を制御するのに用 いられる方法は、四塩化ジルコニウム画分(ZrCl4/HfCl4)を冷却を伴 なう二段部分加水分解法で加水分解することにある。第1の部分加水分解段階で は、過剰のZrCl4/HfCl4を水の存在下で又は水性酸の存在下で、外部冷 凍ジャケットを用い、接触冷媒、例えばCO2、N2又はO2を注入するか、或い は加水分解反応中に生じた熱を除去するために他の熱伝達手段を用いることによ って約0℃〜110℃、好ましくは約10℃〜25℃の制御された低い温度で動 作している加水分解ユニットに差し向ける。熱の連続除去を行うと共に加水分解 反応温度を減少させることにより、交差重合反応の駆動力である発熱反応が実質 的になくなる。部分的に加水分解された無水オキシ塩化ジルコニウム(ZrOC l2)(これはHfOCl2を含む)を回収できる。第2段階では、部分的に加水 分解された粗ZrOCl2/HfOCl2を、約0℃〜110℃、好ましくは約1 0℃〜25℃の温度で水又は水性酸中に溶解させ、水性金属錯化塩化物溶液を形 成する。また、直接的な加水分解を用いて、加水分解ユニットで粗ZrOCl2 /ZrCl4/HfCl4を、加水分解反応剤として粉砕された氷を用いて加水分 解し、反応溶液の温度を外部冷却手段によって約0℃〜10℃に維持することに よって発熱を制御することができる。 ジルコニウム及びハフニウム錯化塩化物溶液を生じさせるためのこの調製に続 き、次の段階は、ジルコニウム及びハフニウム塩化物錯体の実質的に全てを硫酸 塩形態に変換することである。塩化物溶液は、硫酸塩溶液、例えば6M以上のH2 SO4溶液によって沈殿し、その結果、得られるジルコニウム錯化硫酸塩、例え ばZr(OSO42/Hf(OSO42等は、当然のことながらハフニ ウムを別にすれば、不純物の殆ど無いものである。硫酸塩形態は、粗四塩化ジル コニウムがハフニウムに加えて他の金属の種々の不純物を含有しているので塩化 物形態よりも有利である。しかしながら、硫酸塩を形成することにより、その結 果他の金属不純物のない供給相が得られ、分離操作は実施ごとにいっそう一貫性 のあるものになる。 供給相のためにZr及びHfの硫酸塩を生じさせるのに用いることのできる他 の方法として、ジルコン砂のための周知の直接苛性アルカリまたは硫酸塩鉱のク ラッキング法がある。この方法では、ジルコン鉱は、例えば、1000℃以上に 加熱し、酸で攻撃する前に急冷させることによって酸攻撃を受けやすくなる。次 に、硫酸(H2SO4)を用いてジルコニウムを硫酸塩形態で抽出するが、そのた めには、H2SO4処理を予備処理されたジルコン鉱に施し、溶出物を濾過し、次 に追加の硫酸を加えることによってシリカを分離し、鉄のない硫酸塩を生じさせ 、この鉄のない硫酸塩を再溶解させて後で塩基性ジルコニウム硫酸塩として沈殿 させる。これらの方法及び他の方法は、ジルコンからのジルコニウムの抽出法分 野では周知である。 供給相は、硫酸塩形態のジルコニウム(及びハフニウム)アニオンの水性溶液 であることが好ましい。アニオン交換樹脂によるジルコニウム及びハフニウム金 属の吸収は、錯化剤としてのリュイス(Lewis)塩基、例えばH2SO4またはLi2 SO4からのSO4 2-とのアニオン錯体の生成で左右される。非常に強いアニオン 錯体、例えばZr(OSO43 2-、Hf(OSO43 2-または他のアニオンが、 低い酸濃度でも硫酸塩溶液中に生じる。これは、低い酸濃度においては、アニオ ン錯体生成が無視でき、従ってジルコニウムを基材とする塩化物アニオン錯体を 生じさせるには非常に高い酸濃度で動作させる必要のある塩化物溶液と対照的で あるということができ、その結果、ジルコニウムを基材とする塩化物錯体の溶解 度が減少することになる。実際問題として、分離が有効な濃度における塩化物の 溶解度は、非常に低く、従って塩化物を利用する分離法の処理量は、実用レベル よりも少ない。 アニオン形態に変換されなかったジルコニウム及びハフニウムは、アニオン樹 脂固定相の活性基と相互反応せず、分離を起こさない。変換されなかったジルコ ニウム及びハフニウムは、他の不純物のある溶離液で終わることが多く、これは 固定相と相互反応せず、分離のために再処理して回収する必要がある。存在して いるジルコニウム及びハフニウムの実質的に全てをアニオン硫酸塩形態に変換す ることが好ましい。ジルコニウムは、6M・H2SO4の状態に結晶化し、Zr( OSO42・4H2Oの沈殿物を生じ、従って、6M・H2SO4は、供給相のた めのアニオン性錯体を形成するのに使用できる酸濃度の上限である。供給相中に 酸濃度を用いて上限としての6M・H2SO4と約2〜4M・H2SO4のアニオン 錯体生成をすることが好ましい。供給相として約2M・H2SO4中のアニオン錯 体を形成することが最も好ましい。 供給相が予想動作条件のもとにおける可溶度と両立するようなジルコニウムの 濃度を有しており、即ち供給相が溶解物の溶解限度を越えないでできるだけ濃厚 であることが望ましい。クロマトグラフィーによる分離の自然の結果として、生 成物流の状態に分離される生成物の濃度の稀釈が生じる。従って、プロセスの総 合効率、特に生成物流から所望の生成物を回収するのに必要な最低限の努力は、 ジルコニウム及びハフニウムがプロセスの実施中に沈殿する過度の恐れを生じさ せないで、できるだけ高い濃度を用いることによって良好に行われる。 供給相中に、2M・H2SO4中における約50〜200g/l、最適には約1 00g/lZrのジルコニウム濃度を用いることが好ましい。25℃では、2M ・H2SO4中のジルコニウムの可溶度は、約100g/lであると推定される。 移動相は、ジルコニウム及びハフニウムイオンを、カラムの下に溶離させるこ とができるように選択的に溶媒和させることができる水性酸溶液である。移動相 または溶離剤は、固定相とのイオン型会合状態からジルコニウム及びハフニウム イオンを置換させることができる水性流体である。移動相は好ましくは、供給相 の酸度よりも幾分低い酸度を有するのが好ましく、ジルコニウムがハフニウムよ りも固定相についての親和力が大きな酸濃度を用いることが好ましい。溶離剤は 、H2SO4、HCL及び水であるのがよい。しかしながら、硫酸塩は硫酸塩形態 の供給相との相性が最もよいので、溶離剤としてのH2SO4の使用により、溶離 剤のリサイクルが簡単になる。もしそうでなければ、溶離剤中の混合状態の Cl-/SO4 2-酸溶液は、液体反応剤のリサイクル前に分離されなければならな い。さらに、塩化物との金属の錯化の結果として、ジルコニウム及びハフニウム の分離度が減少することになり、従って溶離剤として硫酸を用いることが好まし い。好ましくは、移動相は、約1〜4M・H2SO4、好ましくは約1〜2M・H2 SO4の酸濃度を有する。必要な正確な酸度は、固定相の及び溶離剤酸の活性基 の性質で決まる。また、溶離剤として水を用いることが可能である。というのは 、これはカラムを下に通過する際に供給相酸のいっそう稀釈な溶液を形成するか らである。 溶離剤は、ハフニウムを溶離させ、このハフニウムがまず最初にアニオン樹脂 固定相に付着した状態でカラムを出て、次に溶離剤の酸濃度をステップアップし てジルコニウムを溶離させ、このジルコニウムが次にカラムを出る際の低い酸濃 度を有することが最も好ましい。ジルコニウムアニオン錯体は、ハフニウム錯体 よりもアニオン交換樹脂固定相に一層強く付着保持される。従って、ハフニウム がカラムから取り出されると直ちに、ハフニウムを溶離するのに用いられた一次 溶離剤よりも高い濃度の第2の溶離剤を用いて一層強く付着保持されたジルコニ ウムのステップアップ溶離によってカラム上に濃縮することができる。第1の生 成物波面のハフニウム画分の除去により、ジルコニウム生成物画分を濃縮するた めのステップ溶離の使用が容易になると共にジルコニウムを素早く除去できる。 これは、連続イオン交換クロマトグラフィーによるハフニウム及びジルコニウム 硫酸塩アニオン錯体のアニオン交換分離を用いる有利な特徴のうちの1つである 。というのは、クラジエント溶離中の最後の波面のためにのみ働くとことができ るステップ溶離を利用するとハフニウムが出ると直ぐにジルコニウムを除去でき 、その結果より迅速な溶離が行われると共にCACカラムを出る高濃度のジルコ ニウムが得られることになるからである。 まず最初にHfを約1〜2M・H2SO4の一次溶離剤酸濃度で溶離させ、Hf が出た後、溶離剤の濃度を約3〜4M・H2SO4に高め、その間、常時Zrが溶 液から沈殿する酸濃度以下にしておくことが好ましい。 固定相は、可溶性硫酸塩形態、代表的には、Zr(OSO43 2-としての水性 溶液中におけるジルコニウムアニオンの親和力を有するアニオン交換樹脂であ るのがよい。アニオン交換樹脂は、大きな固液分配係数によって反映されるよう な供給相中のジルコニウムアニオンのための非常に強い親和力を示すことが好ま しい。また、アニオン交換樹脂は、単位体積当たり最も高いイオン容量、例えば 1ミリリットル当たり0.5ミリ当量を越えることが好ましい。また、固定相は 、好ましくは球形ビーズの形態の粒子の単一分散分布状態を有することが好まし い。0.1〜100ミクロンの平均粒径が好ましく、約25〜100ミクロンが 最適である。表面体積比を最大限にするために100ミクロン以下の粒径が分離 効率を得るために理想的である。というのは、交換反応が、固定相の樹脂ビーズ の表面で生じるからである。しかしながら、これよりも小さな粒径は、経済的に 望ましい流量のための不十分な透過性という問題及び樹脂ビーズをカラム中にど のように保持するかという問題を生じさせる場合がある。 樹脂ビーズは好ましくは、ジビニルベンゼン架橋スチレン共重合体である。特 に好ましいアニオン交換樹脂の活性基は、第一及び第三アミノ基(弱塩基性)か ら誘導されるアンモニウム基及び第四アンモニウム基(強塩基性)系である。好 ましいアニオン交換樹脂は、R−CH2+(CH33(トリメチルアルキルまた はベンジルアンモニウムタイプI樹脂)のポリスチレンを基材とした樹脂マトリ ックス状の活性基付きのDowex 1及びR−CH2+(CH3224OH (ジメチルヒドロキシアルキルアンモニウムタイプII樹脂)のポリスチレンを 基材とする樹脂マトリックス状の活性基を備えたDowex 2であり、これら 両方の樹脂は、ダウケミカル・コーポレーションによって製造され、これら2つ は強塩基性アニオン交換樹脂である。スチレンの共重合体主鎖とジビニルベンゼ ンとの間の2〜12%架橋のDowex 1樹脂が好ましく、2〜8%架橋のD owex 1樹脂は特に好ましく、4%架橋が最も好ましい。固定相として用い ることができる他のアニオン交換樹脂としては、ローム・アンド・ハース・カン パニーから入手できるアニオン交換樹脂のアンバーライトIRAシリーズが挙げ られる。ペリーの化学工学ハンドブック第6版(1984年)の16−1〜16−4 8頁(表16−4が含まれる)を参照されたい。これには、本発明の方法及びシ ステムへの使用に適した他のアニオン交換樹脂が記載されている。 アニオン交換樹脂は更に、供給相から汚染金属を分離するための有効な方法を 提供する。というのは、これら金属は、カラム固定相中の交換反応中に維持され ず、主としてカラムから別個に回収できるカチオン形態で出ていくからである。 さらに、本発明の方法では、硫酸塩原料調製法は実質的に、分離カラムへの供給 に先立って汚染金属不純物を実質的に除去し、これは有利には廃棄物の生成量の 減少という結果が得られる。 グラジエント溶離により約10g/l、好ましくは約15g/l以上、最も好 ましくは約25g/l以上の[Zr]及び約0.5g/l以上の[Hf]の生成 物濃度を有することが好ましい。[Zr]中における50ppm未満の[Hf] 、好ましくは[Zr]中にらおいて20ppm未満の[Hf]の生成物純度を達 成することが一段と好ましい。また、約50%以上、好ましくは約90%以上、 最も好ましくは約95〜98%以上の歩留りで動作することが好ましい。 次に図面を参照すると、図4は、連続イオン交換クロマトグラフィーを用いて 硫酸塩溶液中でジルコニウムをハフニウムから分離するための商業的な方法の略 図を示している。図4に示すように、先にジルコン砂の炭素塩素化処理から得ら れた粗ZrCl4/HfCl4画分(10)をミキサー(14)中で好ましくは約 2M・H2SO4の希硫酸溶液(12)と混ぜ合わせて粗ZrCl4/HfCl4画 分を溶解させ、ジルコニウム及びハフニウムの水性塩化物溶液(16)を生じさ せる。ZrCl4/HfCl4画分の溶解は好ましくは、加水分解による発熱反応 及び交差重合反応の制御のための冷却を含む上述の二段階加水分解法によって行 う。次に、加水分解物溶液(16)を濾過タンク(18)中で濾過して溶解しな かった固形物、主として溶解しなかったシリカをジルコン砂及び他の不純物から 除去する。 次に、濾過した塩化物溶液(22)を濃硫酸(26)と共に沈殿タンク(24 )に供給し、酸濃度を少なくとも6M・H2SO4まで高くする。ジルコニウム錯 化塩化物溶液(22)を、ジルコニウム錯化硫酸塩(28)及び上澄み(30) として沈殿させる。次に、ジルコニウム錯化硫酸塩沈殿物(28)をフィルタ( 32)で濾過して、濃H2SO4及び他の不純物、例えばFe、Al、P、Si等 を含む上澄み(30)から分離する。次に、濾過した硫酸塩沈殿物(28)を希 硫酸(36)、好ましくは2M・H2SO4を入れた溶解タンク(34)に 差し向けて、ジルコニウム及びハフニウムイオンの水性硫酸塩原料溶液(38) を生じさせる。濾過した上澄み(30)をイオン交換装置40内でさらに処理し て再使用のための濃H2SO4(42)を金属廃棄物(44)から分離するのがよ いが、これは任意である。次に、水性硫酸塩原料溶液(38)を原料貯蔵タンク (46)に差し向ける。 次に、硫酸塩原料溶液(38)を連続動作式イオン交換クロマトグラフィーカ ラム(48)、好ましくは連続式環状クロマトグラフ(CAC)装置に硫酸塩溶 離液(50)と一緒に供給する。好ましくは、まず最初に、Hf溶離のために希 硫酸溶離液、好ましくは約2M・H2SO4溶離液の入っている溶離液貯蔵タンク (52)から硫酸塩溶離液(50)を得、次にZr溶離のための一層高い濃度の 硫酸塩溶離液、好ましくは約3.5M・H2SO4溶離液を含む第2の溶離液貯蔵 タンク(54)から得る。CACカラム(48)は、好ましくはアニオン交換樹 脂ビーズ(56)で充填されており、これら樹脂ビーズはイオン交換カラムを満 たしているが、分かり易くするためにカラムを部分的にしか満たしていない状態 で示されている。 可溶性硫酸塩形態の精製されたハフニウム生成物画分(58)をCAC(48 )から取り出し、可溶性硫酸塩形態の精製されたジルコニウム生成物画分(60 )をCAC(48)から取り出す。また、放射化学廃棄物及び/または重金属及 び遷移金属廃棄物を含む廃棄物生成物画分(図示せず)を別個の生成物画分とし てCACカラムから取り出し、その後処分のために減容する。次に、2つの生成 物(58)及び(60)をそれぞれ蒸発式晶出装置(62)、(64)に送り、 濃縮ハフニウム(66)及びジルコニウム(68)生成物をフィルタ(70)、 (72)内で硫酸塩として回収し、濃硫酸(74)、(76)をリサイクルさせ る。変形例として、膜分離法例えば逆浸透法に続き沈殿法を採用すると、ハフニ ウム及びジルコニウム画分を濃縮させることができる。Hf硫酸塩画分(66) 及びZr硫酸塩画分(68)を次に、か焼炉(図示せず)またはスプレー式バイ 焼炉(図示せず)に差し向けて実質的に純粋な酸化ジルコニウム(ZrO2)及 び酸化ハフニウム(HfO2)として回収し、次に例えばクロール法または水素 還元法によって還元し(図示せず)、原子炉材料等級のジルコニウム金属及び原 子炉材料等級のハフニウム金属にする。CACからの溶離液リサイクル(78) を、リサイクルに先立ってイオン交換により一段と処理し精製する。水性硫酸ジ ルコニウム生成物画分(58)及び硫酸ハフニウム生成物画分(60)を生成物 回収段階に先立って、別のCAC装置(図示せず)内で別々にこれらの溶液をク ロマトグラフィーによる処理を行うことによりその同位元素に分離するのがよい 。 イオン交換クロマトグラフィーカラムの実効高さは、ハフニウムとジルコニウ ムを全く別の生成物画分に分けることができる充分な値でなければならない。望 ましくは、カラムの実効高さを増加させて、問題の元素、即ちジルコニウムまた はハフニウムの種々の同位元素がかなりの分離能で全く別の生成物画分に分けら れるようにしてもよい。好ましい分離とは、元素または同位元素の純度が少なく とも約50%、好ましく約90%以上、さらに好ましくは少なくとも約98%で 充分である。この分解能はカラムを一回パスして得られるのが好ましい。所与の 分離能を得るに必要なカラムの実効高さは、Kremser−Brown−Sa undersの式を所与の原料、イオン交換樹脂、溶離液及び流れ条件の分離能 力に関する経験上のデータに適用することにより予測できる。 種々の元素及び同位元素を分離する能力を定義するために、理論的分離係数αt が用いられる。この係数αtは、成分が2つの以下の公式により定義される。 αt=(y/(1−y))/(x(1−x)) 上式において、yは所望の元素または同位元素が豊富な又は濃縮された生成物 画分(ヘッド)におけるその元素または同位元素のモル濃度であり、xは同じ元 素または同位元素が豊富でない生成物画分(テイル)におけるその元素または同 位元素のモル濃度である。理論的段階分離係数αsは25乃至100cmの試験 コラムで適宜評価されるが、25cmのコラムが好ましい。好ましい原料、溶離 液、イオン交換樹脂及び条件は、分離係数が約1.001乃至1.5、好ましく は約1.03乃至1.10になるように選択する必要がある。所望の分離を行う ためのカラムの実効高さを、以下の公式により各段の長さが25cmで必要とな る理論的段階の段数を見積ることにより決定する。 N=ln αt/ln αs 上式において、Nは、カラム25cm当たりの段数である。 カラムの実効高さは垂直方向でよいが、他の方向でもよい。ここで重要なのは 、移動相が移動する実効パスである。そのパスはクロマトグラフによる分離が連 続して操作できるように与えられるのが好ましい。現在、生成物画分の濃度を瞬 時に感知する便利な方法はない。かくして、特定の生成物画分が高い再現性で或 る特定の生成物分布を持てるように定常状態に到達した連続操作法が好ましい。 従って、イオン交換クロマトグラフィーによる分離を非連続的にまたはバッチ式 で行う場合、各操作の間のばらつきにより、操作毎に同一の生成物分布が得られ るように生成物画分を高い再現性で収集するのは困難である。例えば、単一の垂 直カラムにバッチ式で注入を行った場合、特定の生成物が豊富な生成物画分の溶 離時間が原料濃度の変動等の制御が困難なランダムな変数により操作ごとに異な る場合がある。 さらに、本発明の方法及び装置に従って、原料溶液、溶離液及び/またはイオ ン交換クロマトグラフ操作時のクロマトグラフ・カラム温度を制御することによ って分離に関連する動力学的条件を最適化するのが好ましい。ジルコニウムとハ フニウムの分離に関する動力学的条件は温度により左右され、最大の分離係数α が得られるのは約0℃と5℃の間である。従って、本発明は、カラム温度及び/ または原料及び溶離液温度を制御することによりジルコニウムをハフニウムから 分離する条件を最適化する。 本発明の方法及び装置に用いるのに適した図4に示すような連続式環状クロマ トグラフ(CAC)(48)の構造が、図5及び図6に示されている。CACの 構成材料、設計及び操作についての詳細な説明は、本明細書の一部を形成するも のとして引用した前記米国特許を参照されたい。特に好ましい連続式操作クロマ トグラフはオークリッジ国立研究所が開発した連続式環状クロマトグラフである 。図5及び図6に示すように、CAC装置(100)は、2つの同心シリンダ( 102)及び(104)よりなり、これらの間には環状カラム(106)が画定 され、このカラムはその軸(108)を中心として回転する。環状カラム(10 6)は、イオン交換樹脂ビーズのような固定相材料(110)を含み、これらビ ーズは環状カラムを形成する垂直軸を有する2つの異径同心シリンダの間に充填 されている。図示を明解にするため、イオン交換樹脂ビーズ(110)は 環状カラム(104)の一部だけを充填した状態で示してある。 環状カラム(106)に充填されたイオン交換樹脂ビーズ(110)へ粗ジル コニウム/ハフニウム錯化硫酸塩原料溶液を供給するため、幾分角度的にずれた 位置に1または2以上の原料供給ポート(112)を設ける。樹脂ビーズ(110 )の上方にあるガラスビーズ(120)の層へ溶離液を供給するため、原料供給 ポートから幾分角度が隔たった所に1または2以上の溶離液ポート(116)を 設ける。固定相材料の上にガラスビーズ(120)の層を配置し、溶離液をガラ スビーズ層の上に供給すると共に粗ジルコニウム/ハフニウム硫酸塩原料(114 )を固定相の上に直接供給して望ましくない混合効果が生じるのを防ぐのが好ま しい。 CACクロマトグラフ(100)はまた、種々の角度位置に多数の生成物給送 ポート(122)を有し、これらの角度位置は特定の操作条件に適応させるべく 任意に設定可能である。各生成物ポート(122)は、CAC内における特定の 滞留時間を経過した特定の生成物画分を含む溶離体を収集する。CACの操作は 、イオン交換樹脂ビーズを充填した環状カラムをモータ(図示せず)により一定 速度で回転させるが、環状ベッドの任意の垂直部分に粗ジルコニウム/ハフニウ ム硫酸塩原料及び溶離液を充愼した後所与の時間が経過すると、この垂直部分が 特定の固定生成物収集ポートの上にくるようにする。従って、各生成物収集ポー トの角度位置は、固定相樹脂ビーズの特定回転速度、固定相を介する特定流速及 び特定溶離時間に対応する。 固定相を介する流速は、固定相の実効高さにおける圧力降下と粒径及び充愼空 乏体積のような固定相の物理的特性により決まる。この圧力降下は原料及び溶離 液の静水頭により与えられるが、圧力弁(124)のところでCAC装置を加圧 して発生させるのが好ましい。特定の流速を得るに必要な圧力は固定相の性質、 即ちその充填度、平均粒径及び粒径分布により決まる。固定相を構成する樹脂ビ ーズの平均粒径が小さければ小さいほど、特定の実効高さに亘り特定の流速を得 るのに必要な圧力降下は大きい。しかしながら、任意所与の理論的段階の分離係 数は樹脂ビーズの平均粒径を小さくすれば改善される。従って、所与の分離度を 得るに必要な実効高さは単位長さ(または理論的段階の高さ)の分離能力を樹脂 ビーズ平均粒径を小さくすることによって増大させるにつれ減少する。 クロマトグラフ滞留時間を短かくすれば、生成物溶離体中におけるジルコニウ ムとハフニウム濃度が増加する。一般的に、クロマトグラフ滞留時間が長ければ 長いほど「帯域拡張」が生じる。「帯域拡張」は、滞留時間が長くなればなるほ ど溶離体全体のうちの所望生成物の一部を含む部分が大きくなるという観察可能 な現象を言及するためにこの文脈で用いられている用語である。この生成物画分 の全部またはある特定の部分を得るためには、滞留時間が長くなるにつれて増加 する溶離液の体積部分を収集する必要がある。従って、帯域拡張が起こると、そ の正味の結果として生成物画分中におけるジルコニウムとハフニウムの金属濃度 が稀釈化される。 固定相の実効高さにおける流速と固定相の回転速度は、特定生成物画分が常に 同じ角度位置で溶離し、従って同じ生成物収集ポートへ常に送られるように協調 させなければならない。 クロマトグラフは、溶離開始前に原料溶液がカラムの実効高さの約5%以下、 好ましくは約1%以下まで注入される浸出モード(displacement mode)で操作す るのが好ましい。供給ポートと溶離液ポートの間の角度の開きと環状ベッドの回 転速度は、注入と溶離の間の時間インターバルが所望の浸透度が得られるよう丁 度充分な長さになるように協調させる。注入時間と浸透深さの関係は環状ベッド を介する流速により決まる。 浸出は、溶離液をイソクラティック・モードか或いはグラジエント・モードで 供給することにより実現する。前者の場合、溶離液は単一ポートから供給できる に過ぎないが、後者の場合、供給ポートからの角度の開きが段階的に大きい幾つ かのポートを用いる。グラジエント・モードでは、最初の溶離液の作用による溶 離をある程度の分離が起こるまで進行させ、その後高い濃度の溶離液を供給する 。このためカラムを下降する移動速度が増加し、その間所与の成分または生成物 画分がカラムを出る溶離体または溶離時間の範囲が最小限に抑えられる、即ち、 帯域拡張が最小となる。 グラジエント・モードまたは他のモードにより溶離体を減少させると、生成物 画分中の生成物濃度が増加する。生成物濃度としては、約2g/l以上、好まし くは約15g/l以上、特に約20乃至70g/lが好ましい。処理すべき流体 の全体積が減少するため、生成物濃度を最大限にするのが好ましい。これにより 装置の全体サイズが減少し、その結果資本費用と運転費用が軽減する。しかしな がら、溶解度限界のような実際的な要因により、実現可能な最大濃度には制約が ある。本発明の方法及び装置では、グラジエント・モードの溶離は、ハフニウム 波面がカラムから出たあとにジルコニウム波面について開始される。 クロマトグラフに沿う流速は、クロマトグラフの頂部から底部までの圧力降下 と固定相の性質により決まる。固定相を構成する樹脂ビーズの平均粒径が小さけ れば小さいほど、所与の流速を得るに必要な圧力降下は大きくなる。この関係は また、これら樹脂ビーズの粒径分布により左右される。しかしながら、任意所与 の樹脂の固定相にとって実現可能な最大流速値が存在し、さらに圧力を加えても この値は越えることができない。このような樹脂の供給者は、樹脂を所与の圧力 降下当りの流速と実現可能な最大流速とにより評価をしている。 流速、即ち横断面積平方フィート当り毎分の流量が約2乃至80ガロン、好ま しくは約3乃至20ガロン(横断面積m2当り約1.36×10-3乃至5.43 ×10-23/秒、さらに好ましくは、約2.04×10-3乃至1.36×10- 23/秒)である固定相を用いるのが好ましい。達成可能な流速と所与の純度を 得るに必要なクロマトグラフ・カラムの実効高さとの間には関係がある。固定相 と溶離液の所与の装置では、固定相の理論的段階分離係数αsは固定相樹脂ビー ズの平均粒径が減少するにつれて増加する。しかしながら、この粒径が減少する と固定相の流れ容量も減少する。従って、αsと流れ容量の間には逆方向に変化 する関係がある。同じ分離度または同じ生成物画分純度を達成しようとすれば、 高い流速を得るにはカラムの実効高さを大きくする必要がある。 さらに、所望の流速を得るために必要な圧力は使用するポンプ、シール材及び 供給管の能力を越えてはならないという別の制約がある。必要な圧力は、単位実 効高さにつき必要な圧力降下と所望の分離度を得るために必要な全実効高さの関 数である。従って、固定相の流れ容量をその物理的構成を変更して増加させ、従 ってその理論的段階分離係数αsを減少させると、必要な実効高さと必要な総圧 力降下が共に増加する。一方、理論的段階分離係数αsが樹脂ビーズのサイズの 分布の変更により増加して固定相の流れ容量が減少すると、所与の実効高さの圧 力降下が増加する。好ましい圧力降下は、約2759kPa(400psi)以 下、特に約345乃至1042kPa(50乃至150psi)が好ましい。 従って、商業上実施可能な容量の装置を提供するには、合理的な値の理論的段 階係数αsと、合理的な値の圧力降下による単位実効高さ当りの合理的な流速を 同時に有する固定相を用いることが必要である。これは、固定相の樹脂と溶離液 の能力を両方適宜に選択することにより達成できる。 特定の生成物画分を収集するには、いくつかの生成物収集ポートを用いるのが 好ましい。これは、これら収集ポートの守備範囲がその特定画分の溶離時間イン ターバルに相当する回転角度の範囲以上に及ぶが、任意の他の生成物画分の任意 の有意部分が溶離すると予想される角度位置までは広がらないように、収集ポー トの間隔を狭めることによって実現する。勿論、異なる生成物画分の溶離時間イ ンターバルが実質的にオーバーラップしないという必要条件が存在する。即ち、 αsの値は、全ての物質について、1を越えなければならず、好ましい範囲は約 1.03乃至1.10である。この構成によると、所望の生成物画分の溶離時間 を僅かに進ませたり、遅らせたりする定常状態での溶離挙動の小さな変動が起こ ってもこの画分が失なわれることがなくなる。 クロマトグラフが連続式して回転すると、供給される生成物画分が分離され、 供給入口からそれぞれ異なる角度位置を取るようになる。主要な関心のある4つ の生成物画分は、ジルコニウム画分、ハフニウム画分、重金属及び遷移金属廃棄 物画分及び放射化学性廃棄物画分である。さらに別の生成物画分として供給溶液 中に存在する任意種々の生成物があり、これはさらに処理を行うためにカラムへ リサイクルすることが可能である。分離された生成物画分は収集容器に集められ 上述したようにさらに処理される。 単一の連続式環状クロマトグラフをこのプロセスに関連して説明した。しかし ながら、このプロセスでは任意の数の連続式環状クロマトグラフを用いることが できる。例えば、2または3個のかかるクロマトグラフを効果的に使用してもよ い。各クロマトグラフ・ユニットにはジルコニウム/ハフニウムの供給が必要で あり、上述したような生成物画分が得られる。 以下の表2は、本発明の方法及び装置によりジルコニウムとハフニウムを効率 よく且つ効果的に分離・精製する上で好ましいクロマトグラフ操作条件を掲載し ている。表 2 好ましいイオン交換クロマトグラフ操作条件 範 囲 好ましい値 原料相(硫酸塩溶液中のZr&Hfイオン) 濃 度 0〜3M 0〜2M 溶 媒 水 水 アニオン H2SO42SO4 酸濃度 0〜3M 0〜2M 固定層(アニオン交換樹脂) 強塩基または弱塩基の Dewex 1,2 アニオン交換樹脂 粒径 平均値 01〜500ミクロン <100ミクロン 分 布 多分散〜単分散 任意 単分散 球状 移動相(溶離液) 溶 媒 水 H2SO4 2SO4 酸濃度 0〜6M 0〜2M(Hf溶離) 0〜2M(Zr溶離) 溶離モード グラジエント及び グラジエント イソクラティック 温 度 0℃〜25℃ 0℃〜5℃ 以下の実施例は、塩化物形態のジルコニウム及びハフニウム金属核種の実質的 に全てを硫酸塩形態に変換してこれから遊離塩化物イオンを除去することにより ジルコニウム及びハフニウムイオンの硫酸塩原料溶液の調製法を示すために行わ れている。この実施例は、全くの例示に過ぎない。本発明の他の変形例は、本明 細書を読むと、或いは本発明の実施の観点から明らかであろう。 実施例 1 連続式環状クロマトグラフ(CAC)でイオン交換クロマトグラフィー処理のた めのジルコニウム及びハフニウムの硫酸塩原料溶液の調製 1.天然不純物の全てを含む粗ZrCl4(HfCl4をも含む)粉末を 冷浴中において約5℃で2M・H2SO4中にゆっくりと溶解させ、溶解中の温度 エクスカーションが約2℃以下であるようにする。100g/lのZr溶液が標 準混合物である。上澄み溶液が強烈な黄色を呈し、また微量の非溶解物質を含有 する。次に、この溶液を冷凍する。この溶液を濾過して不溶性不純物を溶液から 除去するのがよいが、これは任意である。粗ZrCl4を約2M・H2SO4にゆ っくりと加えることが好ましく、それによりHClガスの放出によるスパッタリ ングを無くす。さらに、またHClガスが発生するので換気を良好にすることが 好ましい。 2.定常状態での酸溶解後、溶解した塩化物を任意的に濾紙上に濾し、 その結果、無色明澄な溶液が得られることになり、種々の量の固形不純物が濾過 されて濾紙上に付着している。 3.濃硫酸(H2SO4)を約5℃〜室温(約30℃)でZr溶液(6M 以上のH2SO4溶液が結果的に得られることになる約1体積酸〜2体積酸Zr溶 液)と混合し、その結果、溶液から白色のジルコニウム及びハフニウム硫酸塩粉 末の沈殿が生じることになる。ジルコニウム及びハフニウムイオン核種は、事実 上6M・H2SO4中では不溶であり、従って、これは硫酸塩生成物の沈殿を確実 にするような硫酸濃度である。H2SO4溶液が稀釈されているので、濃酸を加え ながら混合物を冷却する。明らかに、塩化物、鉄及び他の金属不純物を含有して いる6M・H2SO4溶液の処分は、取り組む必要のある廃棄物管理上の懸案であ る。 4.次に、結晶マグマを擦過ガラスフィルタ(M又はC)内に入れ、真 空濾過する。固晶は、多孔質ケークになり、恐らくは、代表的には粗ZrCl4 中に存在するが、いまや除去されている鉄及び他の金属不純物を含む鮮明な黄色 の液体がフィルタを通過し、結果に一貫性のある分離のための一定の開始硫酸塩 原料が得られる。 5.次に、フィルタケークを、62.5ccの水、33.3ccの濃H2S 04及び3.2ccのHClから成る全部で100ccの溶液で少なくとも一回、好 ましくは二回洗浄する。二回目の洗浄の前では固形物には幾分黄色が付いたまま であるが、その後、固形物は完全に白色になる。この溶液を6M・H2SO4に置 き換えるのがよい。しかしながら、HCl含有洗浄溶液を用いて塩化物を除去し たが、工業的プロセスでは、HClの使用量をできるだけ少なくし、HClを溶 液に加えないのが好ましい。 6.次に、固晶をアセトンで洗浄し、そして乾燥させてクロマトグラフ から明らかなように、漂遊ピークを示さない比較的精製された結晶を生成する。 アセトンの乾燥操作は、工業的手法から省かれることは明らかである。というの は、湿潤状態の粉末は2M・H2SO4中に溶解し、この溶液により硫酸塩原料が 得られることになるからである。 7.いまや、可溶性硫酸塩形態のジルコニウム及びハフニウム金属錯体 を2M・H2SO4を溶媒として用いて原ZrCl4溶液中の開始体積に溶解させ る。その結果得られるZr硫酸塩溶液は、約100g/lのZr溶液であるはず であり、これは室温状態での飽和の数g/l内に属する。溶解は、加熱しなくて も容易に達成され、溶液は透明であり、塩化物、鉄又は他の金属不純物の存在を 示さない。今や、この溶液をCACに注入するための水性ジルコニウム及びハフ ニウム硫酸塩原料溶液又は供給相として使用できる。 産業上利用性 本発明のプロセスは、ジルコニウム及びハフニウム並びにそれらの同位元素を 分離・精製する簡単で低コストのプロセスを用いることが望ましい時、原子炉構 成材料としての原子材料等級のジルコニウム及びハフニウム金属並びに同位元素 が豊富なジルコニウム及びハフニウム金属の生成に主として利用できる。 本発明を上記の変形例及び実施形態に関連して説明したが、さらに別の変形例 及び実施形態が当業者に明らかであろう。本発明は特に説明した変形例及び実施 形態に限定されるものでなく、従って排他的権利を請求する本発明の精神及び範 囲を評価するには後記の請求の範囲を参照すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サイソン,ウォーレン アメリカ合衆国,テネシー州 37830,オ ーク・リッジ,アルビオン・ロード 102 (72)発明者 スナイダー,トーマス,スチーヴン アメリカ合衆国,テネシー州 37830,オ ーク・リッジ,ブライアークリフ・アベニ ュー 214 (72)発明者 ベレスキー,リチャード アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15228,ピッツバーグ,ポスト・オフィ ス・ボックス 11786 (72)発明者 ナヤク,ウメシュ アメリカ合衆国,ペンシルベニア州 15668,マリスビル,ケリングトン・コー ト 4101 (72)発明者 フランシス,ティモシー,ロイド アメリカ合衆国,ユタ州 84401,オグデ ン,フィルモア・アベニュー 2679

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ジルコニウムとハフニウムの連続式分離・精製方法であって、 (a) ジルコニウムイオンとハフニウムイオンの水性硫酸塩原料溶液を調製し、 (b) 水性硫酸塩原料溶液をアニオン交換樹脂を含む連続動作式イオン交換クロ マトグラフィーカラムに注入し、 (c) 水性硫酸塩溶離液をカラムに注入して水性硫酸塩原料溶液をアニオン交換 樹脂から溶離し、 (d) 実質的に純粋なジルコニウム画分、実質的な純粋なハフニウム画分及び少 なくとも1つの廃棄物画分をカラムから別々に収集するステップより成るこ とを特徴とする分離・精製方法。 2.ステップ(a)はさらに、 (i) ジルコニウム及びハフニウムを含有するジルコン砂を炭素の存在下におい て高温で塩素化して粗四塩化ジルコニウム及び四塩化ハフニウム画分を生成 し、 (ii) 粗四塩化ジルコニウム及び四塩化ハフニウム画分を希硫酸溶液中に溶解 させて粗水性オキシ塩化ジルコニウム及びオキシ塩化ハフニウム溶液を生成 し、 (iii) 粗オキシ塩化ジルコニウム及びオキシ塩化ハフニウム溶液を濃硫酸溶液 中で沈殿させて粗硫酸ジルコニウム及び硫酸ハフニウム画分を生成し、 (iv) 粗硫酸ジルコニウム及び硫酸ハフニウム画分を希硫酸溶液中に溶解させ て水性硫酸塩原料溶液を得ることを特徴とする請求項1の方法。 3.溶解ステップ(ii)は、ジルコニウムとハフニウムとの間の交差重合反応を減 少させるために約0℃〜5℃の温度で実施されることを特徴とする請求項2の 方法。 4.溶解ステップ(ii)の希硫酸の濃度は約0.5〜2Mであり、これを塩酸ガス の発生中のスパッタリングを減少させるためにゆっくりと添加することを特徴 とする請求項3の方法。 5.沈殿ステップ(iii)は、約5℃〜周囲温度の温度で実施されることを特徴と する請求項2の方法。 6.沈殿ステップ(iii)の濃硫酸の濃度は、硫酸ジルコニウム及び硫酸ハフニウ ム 画 分を溶液から沈殿させるために約6M以上であることを特徴とする請求項5の 方法。 7.溶解ステップ(iv)の希硫酸の濃度は、約2〜4Mであることを特徴とする請 求項2の方法。 8.溶解ステップ(iv)の希硫酸の濃度は、約2Mであることを特徴とする請求項 2の方法。 9.ステップ(c)の水性硫酸塩溶離剤は、硫酸であることを特徴とする請求項1 の方法。 10.水性硫酸溶離剤の濃度は、約1〜4Mであることを特徴とする請求項9の方 法。 11.水性硫酸溶離剤の濃度は、ハフニウム溶離剤については約1〜2M・H2S O4、ジルコニウム溶離剤については約3〜4M・H2SO4であることを特徴 とする請求項10の方法。 12.収集ステップ(d)のジルコニウム生成物画分は、原子炉等級の材料を得るた めに、ジルコニウム生成物画分中に50ppm未満の生成物純度のハフニウム を含むことを特徴とする請求項1の方法。 13.さらに、 (e) ジルコニウム画分とハフニウム画分を別々に処理して原子炉材料等級のジ ルコニウム金属とハフニウム金属を生成し、 (f) 処分のために廃棄物画分を減容し、 (h) 溶離液をステップ(c)で再使用するためにリサイクルするステップよりな ることを特徴とする請求項1の方法。 14.さらに、 (e) ジルコニウム画分とハフニウム画分を別々にクロマトグラフィーにより処 理して同位元素が濃縮された原子炉材料等級のジルコニウム及びハフニウム を得ることを特徴とする請求項1の方法。 15.カラム、水性硫酸塩原料溶液及び水性硫酸塩溶離液を約0℃〜5℃の温度で 動作させるステップを更に有することを特徴とする請求項1の方法。 16.ハフニウムからのジルコニウムの連続分離・精製方法であって、 (a) ジルコニウム及びハフニウムイオンの水性硫酸塩原料溶液を調製し、 (b) 水性硫酸塩原料溶液を、連続式環状クロマトグラフの連続動作式イオン交 換クロマトグラフィーカラム内に入っているアニオン交換樹脂に供給し、 (c) 水性硫酸塩溶離液をアニオン交換樹脂に供給してイオン交換クロマトグラ フィーカラムに沿って水性硫酸塩原料溶液を溶離させ、 (d) ステップ(b)及びステップ(c)の実施中に連続式環状クロマトグラフを回転 させながら水性硫酸塩原料溶液及び水性硫酸塩溶離液がアニオン交換樹脂を 通って流れるようにし、 (e) ハフニウム生成物画分、ジルコニウム生成物画分及び少なくとも1つの廃 棄物画分を連続式環状クロマトグラフ上の別々の収集位置で別々に収集し、 (f) ハフニウム画分及びジルコニウム画分を別々に処理して原子炉材料等級の ジルコニウム及びハフニウムを生成し、 (g) 水性硫酸塩溶離液をステップ(c)で再使用するためにリサイクルするステ ップよりなることを特徴とする方法。 17.さらに、 (h) ステップ(a)〜ステップ(g)を繰り返し実施して商業的に役立つ量のジルコ ニウム及びハフニウム生成物画分を得るステップを更に有することを特徴と する請求項16の方法。 18.さらに、 (i) 生成物画分をハフニウム生成物画分とジルコニウム生成物画分との間の収 集位置で別々に収集し、 (j) 前記生成物画分をステップ(b)で再使用するためにリサイクルするステッ プを有することを特徴とする請求項17の方法。 19.溶離ステップ(c)は、グラジエント溶離であることを特徴とする請求項16 の方法。 20.ステップ(b)に記載された連続式環状クロマトグラフをただ一回パスさせる ことにより実施されることを特徴とする請求項16の方法。
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